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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-24
(45)【発行日】2024-02-01
(54)【発明の名称】逆止弁
(51)【国際特許分類】
   F16K 15/06 20060101AFI20240125BHJP
【FI】
F16K15/06
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020092978
(22)【出願日】2020-05-28
(65)【公開番号】P2021188654
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2023-02-16
(73)【特許権者】
【識別番号】390006736
【氏名又は名称】株式会社日邦バルブ
(74)【代理人】
【識別番号】100142619
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100153316
【弁理士】
【氏名又は名称】河口 伸子
(72)【発明者】
【氏名】粟津原 光明
【審査官】橋本 敏行
(56)【参考文献】
【文献】特開平03-172686(JP,A)
【文献】実開昭58-049067(JP,U)
【文献】特開2018-080767(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0299055(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 15/00-15/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体の流入口および流出口を備える弁箱と、
前記弁箱内で前記流入口を囲む弁座と、
前記弁箱に収容され、前記弁座に当接して前記流入口を閉鎖する閉位置と、前記弁座から離間して前記流入口を開放する開位置と、の間を移動する弁体と、
前記弁体を前記閉位置に付勢するコイルバネと、を有し、
前記流体が前記流入口を通過する方向を流通方向とし、前記流通方向の上流側を第1方向、下流側を第2方向としたときに、前記弁箱は、前記弁座から前記第2方向に離間する位置で、前記弁体を前記閉位置と前記開位置との間で直動可能に支持する支持部と、前記支持部の前記第2方向の端部分から外周側に広がる環状部と、前記環状部の外周縁から前記第1方向に突出する環状壁部と、を備え、
前記弁体は、前記環状壁部の前記第1方向に位置する弁部と、前記弁部から前記第2方向に延びて前記支持部に摺動可能に支持された被支持部と、を備え、
前記弁部は、前記環状壁部よりも大径であり、前記弁体が前記閉位置にあるときに前記弁座に当接して前記流入口を封鎖し、
前記流通方向から見た場合に、前記環状壁部は前記弁部の内側に位置し、
前記コイルバネは、前記環状壁部の内周側かつ前記支持部および前記被支持部の外周側に配置され、前記流通方向から見た場合に前記流入口の内側に位置し、
前記コイルバネの前記第1方向の端は、前記弁部に当接し、
前記コイルバネの前記第2方向の端は、前記環状部に当接し、
前記コイルバネの径寸法は、前記流入口の通水内径寸法の70%以上であることを特徴とする逆止弁。
【請求項2】
前記環状壁部は、前記弁体が前記開位置に位置したときに、前記第1方向の端の全周が前記弁部に当接することを特徴とする請求項1に記載の逆止弁。
【請求項3】
前記流入口は、その内周面の前記第1方向の端部分に、前記第1方向に向かって外周側に湾曲する環状の湾曲面を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の逆止弁。
【請求項4】
前記流入口は、その内周面の前記第2方向の端部分に、前記第2方向に向かって径が拡大する環状のテーパー面を備えるとともに、一定の内径寸法で前記湾曲面の前記第2方向の端と前記テーパー面の前記第1方向の端とを接続する環状面を備え、
前記環状面の内径寸法は、前記通水内径寸法であることを特徴とする請求項3に記載の逆止弁。
【請求項5】
前記弁部は、厚み方向を前記流通方向に向けた円盤部分と、前記円盤部分の外周側の端から外周側に向かって前記第2方向に傾斜するテーパー板部分と、前記テーパー板部分の外周側の端から前記第2方向に延びる円筒部分と、を備え、
前記テーパー板部分の前記第1方向の端部分および前記円盤部分は、前記弁体が前記閉位置にあるときに前記流入口の内周面における前記第2方向の端よりも前記第1方向に位置し、
前記コイルバネの前記第1方向の端は、前記第2方向の側から前記テーパー板部分に当接することを特徴とする請求項1に記載の逆止弁。
【請求項6】
前記支持部は、円筒形状であり、
前記被支持部は、前記支持部の中心孔を貫通して当該中心孔の内周面に摺接する軸部と、前記軸部を囲んで当該軸部と同軸に設けられ前記支持部の外周面に摺接する円筒部と、を備え、
前記円筒部は、前記弁部における前記円盤部分と前記テーパー板部分との境界部分から
前記第2方向に突出することを特徴とする請求項5に記載の逆止弁。
【請求項7】
前記弁箱は、前記環状壁部から前記第1方向に離間する位置で前記弁座を外周側から囲む筒状の胴部と、前記弁体の外周側を前記流通方向に延びて前記胴部と前記環状壁部とを接続する複数の接続部と、を有し、
複数の前記接続部は、前記弁体の周方向で互いに離間し、
前記周方向で隣り合う2つの前記接続部の間は、前記流出口であり、
複数の前記接続部のそれぞれは、前記環状壁部の径方向外側を当該環状壁部の外周面に沿って前記流通方向に延びるリブ状部分を備え、
各接続部は、前記リブ状部分が前記環状壁部の外周面に接続され、
前記リブ状部分の前記第2方向の端には、前記第2方向に向かって内周側に傾斜する傾斜面が設けられていることを特徴とする請求項1から6のうちのいずれか一項に記載の逆止弁。
【請求項8】
前記弁体は、樹脂製であり、
前記支持部は、金属製であることを特徴とする請求項1から7のうちのいずれか一項に記載の逆止弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配管の途中などに設置されて水などの流体の逆流を防止する逆止弁に関する。
【背景技術】
【0002】
このような逆止弁は特許文献1に記載されている。同文献の逆止弁は、流体が流入する流入口と、流入口を囲む弁座と、弁体と、弁体を弁座に当接して流入口を閉鎖する閉位置と、弁座から離間して流入口を開放する開位置との間で直動可能に支持する支持部とを備える。また、逆止弁は、弁体を閉位置に付勢するコイルバネを備える。弁体は、閉位置と開位置との間を移動する際に、支持部を摺動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-80767号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
弁体が閉位置と開位置との間を移動する際に弁体の挙動が不安定となると、互いに摺接する弁体と支持部とが摩耗するという問題がある。ここで、弁体や支持部が摩耗すると、弁体の挙動は、より不安定になる。この結果、逆止弁を通過する流体の流量の変動や、逆止弁による逆流防止機能の低下を招くという問題が発生する。
【0005】
本発明の課題は、このような点に鑑みて、流入口を開閉する弁体の挙動が安定する逆止弁を提供することによる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の逆止弁は、流体の流入口および流出口を備える弁箱と、前記弁箱内で前記流入口を囲む弁座と、前記弁箱に収容され、前記弁座に当接して前記流入口を閉鎖する閉位置と、前記弁座から離間して前記流入口を開放する開位置と、の間を移動する弁体と、前記弁体を前記閉位置に付勢するコイルバネと、を有し、前記流体が前記流入口を通過する方向を流通方向とし、前記流通方向の上流側を第1方向、下流側を第2方向としたときに、前記弁箱は、前記弁座から前記第2方向に離間する位置で、前記弁体を、前記閉位置と前記開位置との間で直動可能に支持する支持部と、前記支持部の前記第2方向の端部分から外周側に広がる環状部と、前記環状部の外周縁から前記第1方向に突出する環状壁部と、を備え、前記弁体は、前記環状壁部の前記第1方向に位置する弁部と、前記弁部から前記第2方向に延びて前記支持部に摺動可能に支持された被支持部と、を備え、前記弁部は、前記環状壁部よりも大径であり、前記弁体が前記閉位置にあるときに前記弁座に当接して前記流入口を封鎖し、前記流通方向から見た場合に、前記環状壁部は前記弁部の内側に位置し、前記コイルバネは、前記環状壁部の内周側かつ前記支持部および前記被支持部の外周側に配置され、前記流通方向から見た場合に前記流入口の内側に位置し、前記コイルバネの前記第1方向の端は、前記弁部に当接し、前記コイルバネの前記第2方向の端は、前記環状部に当接し、前記コイルバネの径寸法は、前記流入口の通水内径寸法の70%以上である。
【0007】
本発明によれば、弁体を閉位置に付勢するコイルバネは、弁座に当接して流入口を封鎖する弁部を付勢している。また、コイルバネの径寸法は、流入口の通水内径寸法の70%以上である。従って、流入口から流れ込む流体によって弁部が第2方向に押されて閉位置
から開位置に移動する際に、コイルバネの径寸法が通水内径寸法の70%よりも細い場合と比較して、弁体の姿勢が安定し、弁体が支持部回りに回転することを抑制できる。よって、閉位置から開位置に移動する際の弁体の挙動が安定する。
【0008】
ここで、コイルバネは、支持部および弁体の被支持部の外周側に配置されている。従って、コイルバネの径寸法が大きくなると、流入口から流入して弁体の外周側を経由して弁体の第2方向に至る流体の流れがコイルバネによって乱されて、弁体の第2方向で乱流が発生しやすくなる。このような乱流は、弁体を振動させるので、弁体の挙動を不安定にさせる。かかる問題に対して、コイルバネの第2方向の端側部分は、環状壁部によって外周側から囲まれている。また、環状壁部の第1方向に位置する弁部は、環状壁部よりも大径であり、流通方向から見た場合に環状壁部は弁部の内側に位置する。これにより、弁部の外周側を経由した流体の流れがコイルバネに起因して弁体の第2方向で乱れることを抑制できるので、弁体の挙動が不安定になることを抑制できる。よって、弁体が移動する際に互いに摺接する支持部と被支持部とが摩耗することを抑制できる。また、弁体の回転を抑制できるので、コイルバネが当接する弁部が摩耗することを抑制できる。
【0009】
本発明において、前記環状壁部は、前記弁体が前記開位置に位置したときに、前記第1方向の端の全周が前記弁部に当接するものとすることができる。このようにすれば、弁体が開位置に配置されたときに、弁体の姿勢が規定される。また、開位置において、弁部と環状壁部との間に隙間が形成されない。従って、流体は、弁部の外周面および環状壁部の外周面に沿って流れる。よって、開位置に配置された弁体の挙動が、弁体の外周側を流れる流体の影響を受けて、不安定になることを抑制できる。
【0010】
本発明において、前記流入口は、その内周面の前記第1方向の端部分に、前記第1方向に向かって外周側に湾曲する環状の湾曲面を備えるものとすることができる。流入口の第1方向の端に湾曲面を備えれば、流入口を通過して弁体に向かう流体の流れが整流される。従って、流入口の第2方向に位置する弁体に、振動や、回転が発生することを抑制できる。
【0011】
本発明において、前記流入口は、その内周面の前記第2方向の端部分に、前記第2方向に向かって外周側に湾曲する環状のテーパー面を備えるとともに、一定の内径寸法で前記湾曲面の前記第2方向の端と前記テーパー面の前記第1方向の端とを接続する環状面を備え、前記環状面の内径寸法は、前記通水内径寸法であるものとすることができる。流入口にテーパー面を備えれば、流入口を通過した流体が、弁部の外周に向かって流れやすくなる。
【0012】
本発明において、前記弁部は、厚み方向を前記流通方向に向けた円盤部分と、前記円盤部分の外周側の端から外周側に向かって前記第2方向に傾斜するテーパー板部分と、前記テーパー板部分の外周側の端から前記第2方向に延びる円筒部分と、を備え、前記テーパー板部分の前記第1方向の端部分および前記円盤部分は、前記弁体が前記閉位置にあるときに前記流入口の内周面における前記第2方向の端よりも前記第1方向に位置し、前記コイルバネの前記第1方向の端は、前記第2方向の側から前記テーパー板部分に当接するものとすることができる。このようにすれば、弁体が開位置から閉位置に移動する際に、弁部のテーパー板部分が流入口の内周面によってガイドされやすい。従って、弁体が開位置から閉位置に移動する際に、弁体の挙動を安定させやすい。また、弁部が流入口の内周面によってガイドされたときに、コイルバネの第1方向の端を弁部のテーパー板部分に当接させていれば、コイルバネの第1方向の端を弁部の円盤部分に当接させている場合と比較して、弁体の姿勢が安定する。
【0013】
本発明において、前記支持部は、円筒形状であり、前記被支持部は、前記支持部の中心
孔を貫通して当該中心孔の内周面に摺接する軸部と、前記軸部を囲んで当該軸部と同軸に設けられ前記支持部の外周面に摺接する円筒部と、を備え、前記円筒部は、前記弁部における前記円盤部分と前記テーパー板部分との境界部分から前記第2方向に突出するものとすることができる。このようにすれば、支持部は、支持部の中心孔の内周面と、支持部の外周面と、の2つの摺動面で弁体を摺動可能に支持する。従って、支持部が1つの摺動面で弁体を支持する場合と比較して、支持部および被支持部の互いの摩耗を抑制できる。また、被支持部の円筒部は、弁部の円盤部分とテーパー板部分との境界部分から第2方向に突出する。従って、コイルバネの第1方向の端がテーパー板部分に当接しているときに、コイルバネと被支持部の円筒部とが径方向で離間し過ぎることがない。これにより、コイルバネが径方向に大きく変位することを抑制できるので、コイルバネが弁体を付勢する付勢方向が安定する。よって、弁体の姿勢が安定する。
【0014】
本発明において、前記弁箱は、前記環状壁部から前記第1方向に離間する位置で前記弁座を外周側から囲む筒状の胴部と、前記弁体の外周側を前記流通方向に延びて前記胴部と前記環状壁部とを接続する複数の接続部と、を有し、複数の前記接続部は、前記弁体の周方向で互いに離間し、前記周方向で隣り合う2つの前記接続部の間は、前記流出口であり、複数の前記接続部のそれぞれは、前記環状壁部の径方向外側を当該環状壁部の外周面に沿って前記流通方向に延びるリブ状部分を備え、各接続部は、前記リブ状部分が前記環状壁部の外周面に接続され、前記リブ状部分の前記第2方向の端には、前記第2方向に向かって内周側に傾斜する傾斜面が設けられているものとすることができる。各接続部の第2方向の端に傾斜面を備えれば、隣り合う2つの接続部の間の流出口から流れ出て第2方向に向かう流体の流れが、リブ状部分の第2方向で乱れることを抑制できる。これにより、接続部のリブ状部分の第2方向で発生した乱流が、弁体の挙動に影響を与えることを抑制できる。
【0015】
本発明において、前記弁体は、樹脂製であり、前記支持部は、金属製であるものとすることができる。本発明によれば、閉位置と開位置との間を移動する弁体の挙動が安定するので、支持部を弁体よりも硬度の高い材料から製造した場合でも、弁体の側に発生する摩耗を抑制できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、弁体を付勢するコイルバネの径寸法は、流入口の通水内径寸法の70%以上である。よって、閉位置から開位置に移動する際の弁体の挙動が安定する。また、コイルバネの第2方向の端側部分は、弁体の弁部よりも小径の環状壁部によって外周側から囲まれている。これにより、コイルバネの径寸法を大きくした場合でも、弁体の外周側を経由した流体の流れが弁体および支持部の第2方向で乱流を発生させることを抑制できる。よって、この乱流に起因して、弁体の挙動が不安定になることを抑制できる。従って、弁体が移動する際に、支持部と被支持部とが摩耗することを抑制できる。また、弁体の回転を抑制できるので、コイルバネが当接する弁部の摩耗を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の逆止弁の側面図、正面図および背面図である。
図2】弁体が閉位置にある逆止弁の部分断面図である。
図3】逆止弁を流入口の側から見た場合の分解斜視図である。
図4】逆止弁を流入口とは反対の側から見た場合の分解斜視図である。
図5】弁体が開位置にある逆止弁の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態に係る逆止弁を説明する。
【0019】
図1(a)は、本発明を適用した逆止弁の側面図であり、図1(b)は、本発明を適用した逆止弁を流入口の側から見た場合の正面図であり、図1(c)は、本発明を適用した逆止弁を流入口とは反対側から見た場合の背面図である。図2は、弁体が閉位置にある逆止弁の部分断面図である。図3は、逆止弁を流入口の側から見た場合の分解斜視図である。図4は、逆止弁を流入口とは反対側から見た場合の分解斜視図である。図5は弁体が開位置にある逆止弁の部分断面図である。図2図5では逆止弁の上側部分を逆止弁の軸線と直交する方向に切断している。
【0020】
図2に示すように、本例の逆止弁1は水道用の配管2の途中位置に設置される。逆止弁1は、水の流入口5および流出口6を備える弁箱7と、弁箱7内で流入口5を囲む弁座8と、弁箱7に収容された弁体9と、弁箱7内で弁体9を付勢するコイルバネ10と、を備える。弁体9は、流入口5を閉鎖する閉位置9A(図1(a)、図2参照)と、流入口5を開放する開位置9B(図5参照)との間を直動する。以下の説明では、水が流入口5を通過する方向を流通方向Xとし、流通方向Xの上流側を第1方向X1、下流側を第2方向X2とする。開位置9Bは、閉位置9Aの第2方向X2に位置している。流通方向Xは、弁体9の軸線Lに沿った方向であり、弁体9の直動方向である。
【0021】
流入口5は、弁箱7の第1方向X1の端部分に設けられている。流入口5は、その内周面の第1方向X1の端部分に、第1方向X1に向かって外周側に湾曲する環状の湾曲面5aを備える。また、流入口5は、その内周面の第2方向X2の端部分に、第2方向X2に向かって径が拡大する環状のテーパー面5bを備える。さらに、流入口5は、湾曲面5aの第2方向X2の端とテーパー面5bの前記第1方向X1の端とを接続する環状面5cを備える。環状面5cは、一定の内径寸法を備える。ここで、湾曲面5aは、テーパー面5bよりも大きい。従って、流入口5の開口径は、第1方向X1の端の方が、第2方向X2の端よりも大きい。
【0022】
弁座8は、流入口5の第2方向X2で流入口5を囲む。弁箱7は、弁座8から第2方向X2に離間する位置で、弁体9を閉位置9Aと開位置9Bとの間で直動可能に支持する支持部11を備える。また、弁箱7は、支持部11の第2方向X2の端部分から外周側に広がる環状部12と、環状部12の外周縁から第1方向X1に突出する環状壁部13と、を備える。支持部11は、円筒形状であり、流通方向Xに延びる。支持部11と環状壁部13とは同軸である。環状壁部13が環状部12から突出する突出寸法は、支持部11の長さ寸法の1/2程度であり、支持部11よりも短い。従って、環状壁部13は、支持部11の第2方向X2の側の部分と径方向で隙間を開けて対向する。環状壁部13の内周面13aは、第1方向X1に向かって外周側に傾斜するテーパー面となっている。
【0023】
また、弁箱7は、環状壁部13から第1方向X1に離間する位置で弁座8を外周側から囲む筒状の胴部15と、胴部15の周方向の3か所から第2方向X2延びて、胴部15と環状壁部13とを接続する3本の接続部16と、を備える。3本の接続部16は等角度間隔に設けられている。3本の接続部16は、弁体9の周方向で互いに離間する。また、3本の接続部16は、弁体9を外周側から囲む。周方向で隣り合う2つの接続部16の間は、流出口6である。
【0024】
3本の接続部16のそれぞれは、環状壁部13の径方向外側を当該環状壁部13の外周面に沿って流通方向Xに延びるリブ状部分16aを備える。各接続部16は、そのリブ状部分16aが環状壁部13の外周面に接続されている。リブ状部分16aの第2方向X2の端には、第2方向X2に向かって内周側に傾斜する傾斜面16bが設けられている。
【0025】
ここで、図2図3図4に示すように、弁箱7は、流入口5を備える流入口構成部材21と、支持部11、環状部12、環状壁部13、胴部15、および3本の接続部16を
備える弁箱本体部材22と、内周面に環状溝23aを有するパッキン23と、により構成されている。流入口構成部材21は、筒部25と筒部25の第1方向X1の端縁から外周側に広がる環状のフランジ部26とを備える。流入口5は、筒部25の中心孔である。弁箱本体部材22は、胴部15の第1方向X1の端から外周側に広がる環状のフランジ部28を備える。流入口構成部材21はおよび弁箱本体部材22は、鋳物であり、青銅合金製である。
【0026】
弁箱7を構成する際には、流入口構成部材21の筒部25を弁箱本体部材22の胴部15の内側に挿入して、流入口構成部材21のフランジ部26と弁箱本体部材22のフランジ部28とを流通方向Xで重ねた状態として、パッキン23の環状溝23aに保持させる。ここで、径方向における流入口構成部材21の筒部25の第2方向X2の端部分と、弁箱本体部材22の胴部15との間には、円筒形状の弾性部材30が保持される。弾性部材30は、EPDM(エチレンプロピレンゴム)製である。弾性部材30において、流入口構成部材21の筒部25から第2方向X2に突出している部分は、弁座8である。弁座8は、その内周面が、弁体9が当接する弁座面8aである。弁座面8aは、第2方向X2に向かって外周側に傾斜するテーパー形状を備える。弁座8の外周側には、胴部15が存在する。
【0027】
弁体9は、樹脂による一体成型品である。本例では、弁体9はPOM(ポリオキシメチレン)製である。図2に示すように、弁体9は、環状壁部13の第1方向X1に位置する弁部31と、弁部31から第2方向X2に延びて支持部11に摺動可能に支持された被支持部32と、を備える。
【0028】
弁部31は、弁体9が閉位置9Aにあるときに弁座8に当接して流入口5を封鎖する。また、弁部31は、弁体9が開位置9Bにあるときに弁座8から第2方向X2に離間して、流入口5を開放する。なお、弁体9が閉位置9Aにあるときに、弁部31は、流入口5のテーパー面5bに当接する場合もある。
【0029】
弁部31は、厚み方向を流通方向Xに向けた円盤部分35と、円盤部分35の外周側の端から外周側に向かって第2方向X2に傾斜するテーパー板部分36と、テーパー板部分36の外周側の端から第2方向X2に延びる円筒部分37と、を備える。被支持部32は、円盤部分35の中心から流通方向Xに延びる軸部38と、軸部38と同軸に設けられた円筒部39と、を備える。円筒部39は、弁部31における円盤部分35とテーパー板部分36との境界部分から第2方向X2に突出する。円筒部39の長さ寸法は、軸部38の長さ寸法の1/2程度であり、軸部38よりも短い。
【0030】
被支持部32を支持部11に支持させる際には、軸部38を支持部11の中心孔を挿入し、支持部11を円筒部39に挿入する。これにより、弁体9は、支持部11に同軸に支持される。被支持部32を支持部11に支持させた状態では、軸部38は、支持部11の中心孔の内周面11aに摺接し、円筒部39は、支持部11の外周面11bに摺接する。ここで、図1(c)から判るように、弁部31は、環状壁部13よりも大径である。また、環状壁部13は、弁体9を弁箱7に支持した状態を流通方向Xから見た場合に、弁部31の内側に位置する。
【0031】
なお、弁体9が支持部11に支持されたときに、弁部31と弁箱7の3本の接続部16との間には、径方向で隙間が設けられている。弁体9と、弁箱7の3本の接続部16とは、接触することがない。
【0032】
コイルバネ10はステンレス鋼製である。コイルバネ10は、環状壁部13の内周側、かつ支持部11および被支持部32の外周側に配置されている。換言すれば、コイルバネ
10は、環状壁部13の内周側に配置されて、弁箱7の支持部11および弁体9の被支持部32を外周側から囲む。コイルバネ10の第1方向X1の端は、弁部31に当接する。より具体的には、図2図5に示すように、コイルバネ10の第1方向X1の端は、第2方向X2の側からテーパー板部分36に当接する。コイルバネ10の第2方向X2の端は、環状部12に当接する。
【0033】
ここで、図1(b)に示すように、コイルバネ10の径寸法D1は、流入口5の通水内径寸法D2の70%以上である。コイルバネ10の径寸法D1とは、自然長におけるコイルバネ10の外径寸法である。通水内径寸法D2は、流入口5の最も内径が小さい部分の寸法である。従って、本例では、通水内径寸法D2は、流入口5の環状面5cの内径寸法である。
【0034】
(逆止弁の動作)
図2に示すように、弁体9が閉位置9Aにある状態では、コイルバネ10は、弁体9を弁座8に付勢する。これにより、弁部31の円筒部39が弁座8の弁座面8aに当接する。弁部31のテーパー板部分36の第1方向X1の端部分および円盤部分35は、流入口5の内周面における第2方向X2の端よりも第1方向X1に位置する。本例では、円盤部分35は、流入口5の環状面5cの内周側に位置する。テーパー板部分36は、流入口5のテーパー面5bと僅かな隙間を開けて対向する。或いは、テーパー板部分36は、流入口5のテーパー面5bに接触する。弁体9の被支持部32は、軸部38が支持部11の中心孔を貫通する。これにより、軸部38の第2方向X2の端は、環状部12から、僅かに、第2方向に突出する。また、被支持部32の円筒部39は、その第2方向X2の端部分が、支持部11の第1方向X1の端部分に支持される。従って、弁体9が閉位置9Aにある状態では、円筒部39は、その内周面における第2方向X2の端部分が、支持部11の外周面11bの第1方向X1の端部分に接触する。
【0035】
流入口5から水が流入すると、弁体9は、コイルバネ10の付勢力に抗して閉位置9Aから第2方向X2に移動する。弁体9が第2方向X2に移動すると、弁部31は弁座8から第2方向X2に離間する。これにより、流入口5が開く。
【0036】
弁体9が開位置9Bに配置されると、図5に示すように、弁部31の円盤部分35は、弁箱7の胴部15よりも第2方向X2に位置する。また、弁部31は、円筒部分37の第2方向X2の端が弁箱7の環状板部に当接する。より詳細には、円筒部分37の第2方向X2の端には、弁箱7の環状壁部13の第1方向X1の端の全周が当接する。また、弁体9の被支持部32は、円筒部39のほぼ全体が、支持部11の径方向外側に位置する。これにより、円筒部39の内周面は、支持部11の外周面11bの全領域に接触する。弁体9が開位置9Bに配置されると、流入口5から弁箱7に流入した水は、弁部31に沿って外周側に向かい、流出口6から流れ出る。
【0037】
ここで、流入口5から流入する水の圧力が低下すると、弁体9は、コイルバネ10の付勢力により、開位置9Bから閉位置9Aに移動する。閉位置9Aでは、弁体9の弁部31が弁座8に当接して、流入口5を封鎖する。
【0038】
(作用効果)
本例によれば、弁体9を閉位置9Aに付勢するコイルバネ10は、弁座8に当接して流入口5を封鎖する弁部31を付勢する。また、コイルバネ10の径寸法D1は、流入口5の通水内径寸法D2の70%以上である。従って、流入口5から流れ込む水によって弁部31が第2方向X2に押されて閉位置9Aから開位置9Bに移動する際に、弁体9の姿勢が安定する。よって、閉位置9Aから開位置9Bに移動する際の弁体9の挙動が安定する。ここで、コイルバネ10の径寸法D1が流入口5の通水内径寸法D2の60%以上あれ
ば、弁体9の振動が抑制されるが、コイルバネ10の径寸法D1を流入口5の通水内径寸法D2の70%以上とすることにより、弁体9の振動を、より一層、抑制できる。また、コイルバネ10の径寸法D1を流入口5の通水内径寸法D2の70%以上とすることにより、弁体9が支持部11回り(軸線L回り)に回転することを抑制する効果が著しく向上する。
【0039】
ここで、コイルバネ10は、支持部11および弁体9の被支持部32の外周側に配置されている。従って、コイルバネ10の径寸法D1が大きくなると、流入口5から流入して弁体9の外周側を経由して弁体9の第2方向X2に至る水の流れがコイルバネ10によって乱されて、弁体9の第2方向X2で乱流が発生しやすくなる。このような乱流は、弁体9を振動させるので、弁体9の挙動を不安定にさせる。かかる問題に対して、コイルバネ10の第2方向X2の端側部分は、環状壁部13によって外周側から囲まれている。また、環状壁部13の第1方向X1に位置する弁部31は、環状壁部13よりも大径であり、流通方向Xから見た場合に環状壁部13は弁部31の内側に位置する。これにより、弁部31の外周側を経由する水の流れがコイルバネ10に起因して弁体9の第2方向X2で乱れることを抑制できるので、弁体9の挙動が不安定になることを抑制できる。よって、弁体9が移動する際に、金属製の支持部11に摺接する弁体9の被支持部32が摩耗することを抑制できる。また、弁体9の回転を抑制できるので、ステンレス製のコイルバネ10が当接する弁体9の弁部31が摩耗することを抑制できる。
【0040】
また、本例では、環状壁部13は、弁体9が開位置9Bに位置したときに、第1方向X1の端の全周が弁部31に当接する。従って、弁体9が開位置9Bに配置されたときに、弁体9の姿勢が規定される。また、開位置9Bにおいて、弁部31と環状壁部13との間に隙間が形成されない。従って、水は、弁部31の外周面および環状壁部13の外周面に沿って流れる。よって、開位置9Bに配置された弁体9の挙動が、弁体9の外周側を流れる流体の影響を受けて、不安定になることを抑制できる。
【0041】
さらに、流入口5は、その内周面の第1方向X1の端部分に、第1方向X1に向かって外周側に湾曲する環状の湾曲面5aを備える。従って、流入口5を通過して弁体9に向かう水の流れが整流される。よって、流入口5の第2方向X2に位置する弁体9に、振動や、回転が発生することを抑制できる。
【0042】
また、流入口5は、その内周面の第2方向X2の端部分に、第2方向X2に向かって外周側に湾曲する環状のテーパー面5bを備えるとともに、一定の内径寸法で湾曲面5aの第2方向X2の端とテーパー面5bの第1方向X1の端とを接続する環状面5cを備える。流入口5にテーパー面5bを備えれば、流入口5を通過した水が、弁部31の外周側に向かって流れやすくなる。
【0043】
次に、弁部31は、厚み方向を流通方向Xに向けた円盤部分35と、円盤部分35の外周側の端から外周側に向かって第2方向X2に傾斜するテーパー板部分36と、テーパー板部分36の外周側の端から第2方向X2に延びる円筒部分37と、を備える。弁体9が閉位置9Aに位置にあるときに、テーパー板部分36の第1方向X1の端部分および円盤部分35は、流入口5の内周面における第2方向X2の端よりも第1方向X1に位置する。また、コイルバネ10の第1方向X1の端は、第2方向X2の側からテーパー板部分36に当接する。従って、弁体9が開位置9Bから閉位置9Aに移動する際に、弁部31のテーパー板部分36が流入口5の内周面によってガイドされやすい。よって、弁体9が開位置9Bから閉位置9Aに移動する際に、弁体9の挙動を安定させやすい。また、コイルバネ10の第1方向X1の端が弁部31のテーパー板部分36に当接しているので、弁部31が流入口5の内周面によってガイドされたときに、コイルバネ10の第1方向X1の端が弁部31の円盤部分35に当接している場合と比較して、弁体9の姿勢が安定する。
【0044】
また、本例では、支持部11は、円筒形状であり、被支持部32は、支持部11の中心孔を貫通して当該中心孔の内周面11aに摺接する軸部38と、軸部38を囲んで当該軸部38と同軸に設けられ支持部11の外周面11bに摺接する円筒部39と、を備える。従って、支持部11は、支持部11の中心孔の内周面11aと、支持部11の外周面11bと、の2つの摺動面で弁体9を摺動可能に支持する。よって、支持部11が1つの摺動面で弁体9を支持する場合と比較して、支持部11および被支持部32の互いの摩耗を抑制できる。また、被支持部32の円筒部39は、弁部31の円盤部分35とテーパー板部分36との境界部分から第2方向X2に突出する。従って、コイルバネ10の第1方向X1の端がテーパー板部分36に当接しているときに、コイルバネ10と被支持部32の円筒部39とが径方向で離間し過ぎることがない。これにより、コイルバネ10が径方向に大きく変位することを抑制できるので、コイルバネ10が弁体9を付勢する付勢方向が安定する。よって、弁体9の姿勢が安定する。
【0045】
本例において、弁箱7は、環状壁部13から第1方向X1に離間する位置で弁座8を外周側から囲む筒状の胴部15と、弁体9の外周側を流通方向Xに延びて胴部15と環状壁部13とを接続する複数の接続部16と、を有する。複数の接続部16は、弁体9の周方向で互いに離間する。周方向で隣り合う2つの接続部16の間は、流出口6である。また、複数の接続部16のそれぞれは、環状壁部13の径方向外側を当該環状壁部13の外周面に沿って流通方向Xに延びるリブ状部分16aを備える。各接続部16は、リブ状部分16aが環状壁部13の外周面に接続されている。ここで、リブ状部分16aの第2方向X2の端には、第2方向X2に向かって内周側に傾斜する傾斜面16bが設けられている。従って、隣り合う2つの接続部16の間の流出口6から流れ出て第2方向X2に向かう水の流れが、リブ状部分16aの第2方向X2で乱れることを抑制できる。これにより、接続部16のリブ状部分16aの第2方向X2で発生した乱流が、弁体9の挙動に影響を与えることを抑制できる。
【0046】
本例において、弁体9は、樹脂製であり、支持部11は、金属製である。本例によれば、閉位置9Aと開位置9Bとの間を移動する弁体9の挙動が安定するので、支持部11を弁体9よりも硬度の高い材料から製造した場合でも、弁体9の側に発生する摩耗を抑制できる。ここで、弁箱7および弁体9は、いずれも樹脂製としてもよい。
【0047】
(変形例)
弁箱7の支持部11、および弁体9の支持部11は、上記の構成に限られるものではない。図示は省略するが、例えば、円筒形状の支持部11を、上記の逆止弁1よりも太くし、弁体9の被支持部32は、支持部11の中心孔を貫通する軸部38のみを備えるものとしてもよい。具体的には、支持部11を、流通方向Xから見た場合に、弁部31における円盤部分35とテーパー板部分36との境界部分と重なるように設ける。これにより、支持部11を、上記の支持部11と比較して、外径寸法よび内径寸法が大きい円筒形状とする。この一方で、被支持部32は、支持部11の中心孔を貫通する軸部38のみを備えるものとし、軸部38の外径寸法を、支持部11の中心孔の内径寸法に対応させて、大きくする。
【0048】
本例では、支持部11は、支持部11の中心孔の内周面11aのみで被支持部32を摺動可能に支持するので、支持部11が2つの摺動面で被支持部32を支持する上記の場合と比較して、被支持部32は摩耗しやすくなる。しかし、コイルバネ10の径寸法D1を、流入口5の通水内径寸法D2の70%以上とすれば、弁体9の挙動を安定させることができる。また、支持部11が太くなるので、コイルバネ10の第1方向X1の端がテーパー板部分36に当接しているときに、コイルバネ10と弁箱7の支持部11とが径方向で離間し過ぎることがない。これにより、コイルバネ10が径方向に大きく変位することを
抑制できるので、コイルバネ10が弁体9を付勢する付勢方向が安定する。よって、弁体9の姿勢が安定する。さらに、支持部11の内径寸法が大きくなるので、支持部11において被支持部32を支持する摺接面の面積が大きくなる。よって、被支持部32の摩耗を抑制できる。
【符号の説明】
【0049】
1…逆止弁、2…水道用の配管、5…流入口、5a…湾曲面、5b…テーパー面、5c…環状面、6…流出口、7…弁箱、8…弁座、8a…弁座面、9…弁体、9A…弁体の閉位置、9B…弁体の開位置、10…コイルバネ、11…支持部、11a…支持部の中心孔の内周面、11b…支持部の外周面、12…環状部、13…環状壁部、13a…環状壁部の内周面、15…胴部、16…接続部、16a…リブ状部分、16b…傾斜する傾斜面、21…流入口構成部材、22…弁箱本体部材、23…パッキン、23a…環状溝、25…筒部、26…フランジ部、28…フランジ部、30…弾性部材、31…弁部、32…被支持部、35…円盤部分、36…テーパー板部分、37…円筒部分、38…軸部、39…円筒部、D1…コイルバネの径寸法、D2…通水内径寸法、X…流通方向、X1…第1方向、X2…第2方向
図1
図2
図3
図4
図5