(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-24
(45)【発行日】2024-02-01
(54)【発明の名称】給湯システム
(51)【国際特許分類】
F24H 15/104 20220101AFI20240125BHJP
F23N 5/24 20060101ALI20240125BHJP
F24H 1/14 20220101ALI20240125BHJP
F24H 9/20 20220101ALI20240125BHJP
F24H 15/269 20220101ALI20240125BHJP
F24H 15/305 20220101ALI20240125BHJP
F24H 15/345 20220101ALI20240125BHJP
【FI】
F24H15/104
F23N5/24 102Z
F24H1/14 B
F24H9/20 B
F24H15/269
F24H15/305
F24H15/345
(21)【出願番号】P 2020096053
(22)【出願日】2020-06-02
【審査請求日】2023-05-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000112015
【氏名又は名称】株式会社パロマ
(74)【代理人】
【識別番号】100166017
【氏名又は名称】鈴木 和政
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀田 和隆
(72)【発明者】
【氏名】山根 厚志
【審査官】小川 悟史
(56)【参考文献】
【文献】特開平02-122113(JP,A)
【文献】特開2013-164175(JP,A)
【文献】特開平08-291913(JP,A)
【文献】特開2016-200351(JP,A)
【文献】特開平09-014647(JP,A)
【文献】特開2009-210188(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 15/104
F23N 5/24
F24H 1/14
F24H 9/20
F24H 15/269
F24H 15/305
F24H 15/345
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から導入される水を通す通水管と、
燃焼ガスを燃焼させて排気ガスを発生させるバーナと、
前記バーナへ前記燃焼ガスを供給する流路であるガス流路と、
前記ガス流路を開放した開放状態と閉塞した閉塞状態とに切り替わる第1電磁弁と、
前記第1電磁弁よりも下流側の位置において前記ガス流路を開放した開放状態と閉塞した閉塞状態とに切り替わる第2電磁弁と、
前記通水管の途中に設けられ、前記通水管の内部を通る水に対して前記排気ガスの熱を伝達する熱交換器と、
燃焼終了条件が成立した場合に前記第1電磁弁を閉塞状態としつつ前記第2電磁弁を開放状態とする第1制御と、前記燃焼終了条件が成立した場合に前記第2電磁弁を閉塞状態としつつ前記第1電磁弁を開放状態とする第2制御と、を行う制御部と、
前記バーナでの燃焼を検知する検知部と、
前記第1制御中に前記検知部によって前記バーナでの燃焼が検知されるか否かを判定する第1判定処理と、前記第2制御中に前記検知部によって前記バーナでの燃焼が検知されるか否かを判定する第2判定処理とを行う判定部と、
を備え、
前記制御部は、前記燃焼終了条件が成立した場合において予め定められた時間条件又は機器条件を満たす場合に前記第1制御を行い、満たさない場合に前記第2制御を行う
給湯システム。
【請求項2】
前記熱交換器内に空気を送り込む送風機と、
送風開始条件が成立した場合に前記送風機の駆動を開始し、送風停止条件が成立した場合に前記送風機の駆動を停止させる駆動部と、
を備え、
前記制御部は、前記送風開始条件の成立に応じて前記駆動部が前記送風機を駆動させる送風動作の前に前記第1制御を行う
請求項1に記載の給湯システム。
【請求項3】
前記駆動部は、自己診断条件が成立した場合に前記送風機を駆動させ、
前記制御部は、前記自己診断条件の成立に応じた前記送風動作の前に前記第1制御を行う
請求項2に記載の給湯システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、給湯システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、燃料を燃焼させて熱交換器内の水を加熱する給湯器が開示されている。この給湯器は、バーナと、バーナへのガス供給路となるガス供給管とを備えており、ガス供給管は、上流端側がガス供給源に接続された本管と、本管から分岐した複数の支管とによって構成されている。そして、本管には、元ガス電磁弁及びガス比例弁が設けられており、各支管には、給湯ガス電磁弁が設けられている。この給湯器は、元ガス電磁弁と給湯ガス電磁弁が同時に開かれることでバーナにガスが供給され、点火プラグから連続的に放電されることでバーナが点火される。そして、この給湯器は、バーナの消火後には、元ガス電磁弁及び給湯ガス電磁弁が閉じられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の給湯器では、元ガス電磁弁又は給湯ガス電磁弁においてガス供給路を確実に閉塞できないような異常が生じるおそれがある。こうした異常を検出する方法としては、バーナを消火する際、元ガス電磁弁及び給湯ガス電磁弁のうち一方の電磁弁のみを先に閉塞状態とする制御を行い、バーナの燃焼が継続しているか否かを検知することで、上記一方の電磁弁の異常を検出する方法が考えられる。このような異常検出方法を採用する給湯器では、先に閉塞状態にする電磁弁を消火動作毎に切り替えることで、両方の電磁弁の異常を検査することができる。
【0005】
しかし、この給湯器は、元ガス電磁弁を先に閉塞状態にしてしまうと、元ガス電磁弁よりも下流側のガス流路に残ったガスが燃焼し終わってから消火が完了することになる。つまり、この給湯器は、元ガス電磁弁を閉塞した後も燃焼が継続してしまうため、熱交換器内の水に余分な熱か加わることに起因するデメリットが懸念される。このデメリットとしては、例えば、元ガス電磁弁の閉塞後に加熱された水が給湯器内に残存し、次回の出湯時に、加熱された残水の温度に基づいてフィードバック温度制御が行われてしまい、出湯温度を設定温度に近づけるまでに時間がかかってしまうといった問題が挙げられる。また、このような問題以外のデメリットが生じる虞もある。
【0006】
本開示では、ガス流路に設けられた複数の電磁弁を検査する機能を有し、検査対象の電磁弁を閉塞した後に燃焼が継続する頻度を抑え得る技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一つである給湯システムは、外部から導入される水を通す通水管と、燃焼ガスを燃焼させて排気ガスを発生させるバーナと、前記バーナへ前記燃焼ガスを供給する流路であるガス流路と、前記ガス流路を開放した開放状態と閉塞した閉塞状態とに切り替わる第1電磁弁と、前記第1電磁弁よりも下流側の位置において前記ガス流路を開放した開放状態と閉塞した閉塞状態とに切り替わる第2電磁弁と、前記通水管の途中に設けられ、前記通水管の内部を通る水に対して前記排気ガスの熱を伝達する熱交換器と、燃焼終了条件が成立した場合に前記第1電磁弁を閉塞状態としつつ前記第2電磁弁を開放状態とする第1制御と、前記燃焼終了条件が成立した場合に前記第2電磁弁を閉塞状態としつつ前記第1電磁弁を開放状態とする第2制御と、を行う制御部と、前記バーナでの燃焼を検知する検知部と、前記第1制御中に前記検知部によって前記バーナでの燃焼が検知されるか否かを判定する第1判定処理と、前記第2制御中に前記検知部によって前記バーナでの燃焼が検知されるか否かを判定する第2判定処理とを行う判定部と、を備え、前記制御部は、前記燃焼終了条件が成立した場合において予め定められた時間条件又は機器条件を満たす場合に前記第1制御を行い、満たさない場合に前記第2制御を行う。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一態様に係る給湯システムは、ガス流路に設けられた複数の電磁弁を検査することができ、検査対象の電磁弁を閉塞した後に燃焼が継続する頻度を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る給湯システムを例示する概略回路図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る給湯システムを構成するコントローラ及びリモートコントローラを概略的に例示するブロック図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態の給湯システムで行われる給湯制御の流れを例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の説明は、給湯システムの実施形態の一例に関する。なお、以下で示される〔1〕~〔3〕の特徴は、矛盾しない態様でどのように組み合わされてもよい。
【0011】
〔1〕外部から導入される水を通す通水管と、燃焼ガスを燃焼させて排気ガスを発生させるバーナと、前記バーナへ前記燃焼ガスを供給する流路であるガス流路と、前記ガス流路を開放した開放状態と閉塞した閉塞状態とに切り替わる第1電磁弁と、前記第1電磁弁よりも下流側の位置において前記ガス流路を開放した開放状態と閉塞した閉塞状態とに切り替わる第2電磁弁と、前記通水管の途中に設けられ、前記通水管の内部を通る水に対して前記排気ガスの熱を伝達する熱交換器と、燃焼終了条件が成立した場合に前記第1電磁弁を閉塞状態としつつ前記第2電磁弁を開放状態とする第1制御と、前記燃焼終了条件が成立した場合に前記第2電磁弁を閉塞状態としつつ前記第1電磁弁を開放状態とする第2制御と、を行う制御部と、前記バーナでの燃焼を検知する検知部と、前記第1制御中に前記検知部によって前記バーナでの燃焼が検知されるか否かを判定する第1判定処理と、前記第2制御中に前記検知部によって前記バーナでの燃焼が検知されるか否かを判定する第2判定処理とを行う判定部と、を備え、前記制御部は、前記燃焼終了条件が成立した場合において予め定められた時間条件又は機器条件を満たす場合に前記第1制御を行い、満たさない場合に前記第2制御を行う給湯システム。
【0012】
上記〔1〕の給湯システムは、第1判定処理を行うことによって第1電磁弁の異常の有無を検出することができ、第2判定処理を行うことによって第2電磁弁の異常の有無を検出することができる。よって、この給湯システムは、ガス流路に設けられた複数の電磁弁を検査することができる。しかも、この給湯システムは、燃焼終了条件が成立した場合において予め定められた時間条件又は機器条件を満たす場合に第1制御を行う。このように、上記の給湯システムは、第1制御を行うことが時間条件又は機器条件によって制限されるため、第1制御による検査の頻度、即ち、上流側の第1電磁弁を検査対象とする頻度を抑えることができる。よって、この給湯システムは、検査対象の電磁弁を閉塞した後に燃焼が継続する頻度を抑えることができる。
【0013】
〔2〕前記熱交換器内に空気を送り込む送風機と、送風開始条件が成立した場合に前記送風機の駆動を開始し、送風停止条件が成立した場合に前記送風機の駆動を停止させる駆動部と、を備え、前記制御部は、前記送風開始条件の成立に応じて前記駆動部が前記送風機を駆動させる送風動作の前に前記第1制御を行う〔1〕に記載の給湯システム。
【0014】
上記〔2〕の給湯システムは、第1制御による第1電磁弁の閉塞後に燃焼が継続し、この燃焼によって熱交換器付近が加熱されても、第1制御後の送風機の駆動によって、熱交換器を冷却することができる。従って、第1電磁弁の閉塞後の燃焼によって熱交換器内の水に余分な熱か加わったとしても、その後の冷却によって熱交換器内の水の温度上昇の抑制又は低下を図ることができ、熱交換器内の水に余分な熱か加わることに起因するデメリットを確実に抑えることができる。
【0015】
〔3〕前記駆動部は、自己診断条件が成立した場合に前記送風機を駆動させ、前記制御部は、前記自己診断条件の成立に応じた前記送風動作の前に前記第1制御を行う〔2〕に記載の給湯システム。
【0016】
上記〔3〕の給湯システムは、第1制御による第1電磁弁の閉塞後に燃焼が継続し、この燃焼によって熱交換器付近が加熱されても、第1制御後の送風機の駆動によって熱交換器を冷却することができ、熱交換器内の水に余分な熱か加わることに起因するデメリットを確実に抑えることができる。しかも、自己診断条件が成立した場合に行われる送風機の駆動を有効に利用して上記デメリットを抑えることができるため、上記デメリットを抑えるためだけに送風機を駆動するような専用動作を省略又は低減することができる。
【0017】
<第1実施形態>
以下の説明は、第1実施形態に関する。
(基本構成)
図1で示す給湯システム1は、浴槽60への給湯機能と浴槽内の水の加熱機能とを備えた風呂・給湯システムとして構成され、主として、給湯側回路2と風呂側回路3とを備える。給湯側回路2は、入水管12、出湯管10、ガスバーナ4(バーナ)、給湯側熱交換器6(熱交換器)などを備え、外部から供給された水道水を加熱し出湯させる経路として機能する。風呂側回路3は、ガスバーナ54(風呂側バーナ)、風呂側熱交換器56、配管66、循環ポンプ62、サーミスタ64,65などを備え、自動湯張りの際の循環加熱、風呂の追い炊き等に利用される。
【0018】
給湯側回路2では、入水管12、伝熱管8a、配管20、伝熱管7a、出湯管10によって構成される管路が給湯側通水路として機能する。入水管12は、水入口16からの水が流れ込む経路として構成され、出湯管10は、出湯口18へ湯を送り出す経路として構成される。ガスバーナ4は、バーナの一例に相当し、ガス(燃焼ガス)を燃焼させて排気ガスを発生させる部分である。給湯側熱交換器6は、熱交換器の一例に相当し、給湯側通水路(入水管12、伝熱管8a、配管20、伝熱管7a、出湯管10によって構成される管路)を通る水にガスバーナ4で生じた熱を伝達して湯を沸かす部分であり、給湯側通水路の途中の位置に設けられ、給湯側通水路の内部を通る水に対してガスバーナ4での燃焼によって生じた熱を伝えるように機能する。給湯側熱交換器6は、一次熱交換器7及び二次熱交換器8を備え、一次熱交換器7は、給湯燃焼室90内においてガスバーナ4の燃焼排気経路の上流側に配置され、二次熱交換器8は、給湯燃焼室90内において燃焼排気経路の下流側に配置されている。
【0019】
給湯側回路2において、二次熱交換器8の入口には、水道水を供給する構成で入水管12が接続されている。入水管12には、入水管12を通る水の温度(即ち、通水管における熱交換器よりも上流側の位置の水温)を検出する水温検出部としてのサーミスタ25と、入水管12内の通水量(即ち、通水管を流れる水の量)を検出する水量検出部としての水量センサ34とが設けられている。入水管12の下流側には、二次熱交換器8の伝熱管8aが接続され、更にその下流側には、二次熱交換器8の伝熱管8aと一次熱交換器7の伝熱管7aとを連結する配管20が接続される。この配管20に連結された構成で一次熱交換器7の伝熱管7aが接続され、一次熱交換器7の出口には、一次熱交換器7で加熱された湯を出湯する構成で出湯管10が接続されている。出湯管10には、出湯管10内の水の温度を検出するサーミスタ26が設けられている。本構成では、入水管12、伝熱管8a、配管20、伝熱管7a、出湯管10が通水管の一例に相当し、給湯システム1の外部に設けられた図示しない水道から導入された水を通す流路として機能する。
【0020】
給湯側熱交換器6は、一次熱交換器7によって燃焼排気の顕熱を回収した後、二次熱交換器8によって潜熱を回収するように機能する。具体的には、一次熱交換器7は、一次熱交換器7内の通水経路となる伝熱管7aを備えており、伝熱管7a内を通る水に対してガスバーナ4で発生した燃焼排気に含まれる燃焼熱を伝熱し、顕熱の熱エネルギーを通水に伝達する形で熱交換する。また、二次熱交換器8は、二次熱交換器8内の通水経路となる伝熱管8aを備えており、伝熱管8a内を通る水に対し、ガスバーナ4で発生した燃焼排気が一次熱交換器7を通過した後の燃焼熱を伝熱し、潜熱の熱エネルギーを通水に伝達するように熱交換する。
【0021】
入水管12と出湯管10との間をバイパスする通水経路として、給湯側熱交換器6とは異なる通水経路として構成されたバイパス路14が設けられている。バイパス路14には、バイパス路14の通水を遮断した閉塞状態から開放状態(閉塞状態よりも開度を増大させた状態)に変化させ得る構成(例えば、無段階に変化させ得る構成)をなすバイパス弁32が設けられている。入水管12において、バイパス路14が連結する分岐位置よりも上流側には、通水量制御弁33が設けられている。通水量制御弁33は、コントローラ22からの指示を受けて駆動軸の回転角度が制御されるモータを備え、入水管12を閉塞状態と全開状態との間で様々な開度に連続的に変更できる構成となっている。本構成では、通水量制御弁33が、通水管を流れる水の量を調節するように機能する。
【0022】
ガスバーナ4へガスを供給するガス流路40には、上流側からガス元電磁弁42、給湯ガス比例制御弁44、給湯切替電磁弁46,46・・が夫々設けられている。ガス流路40は、上流端がガス供給源側に接続された本流路40Aと、本流路40Aの下流端に接続され本流路40Aから各ガスバーナ4に向けて分岐された分岐流路40B,40B・・とを含む。ガス元電磁弁42は、第1電磁弁の一例に相当し、本流路40Aに設けられ、本流路40A(ガス流路40)を開放した開放状態と、本流路を閉塞した閉塞状態とに切り替わる。ガス元電磁弁42が開放状態のときには、ガス元電磁弁42の上流側から下流側へとガスが流れ得る。ガス元電磁弁42が閉塞状態のときには、ガス元電磁弁42の上流側から下流側へとガスが流れない。給湯切替電磁弁46,46・・は、各分岐流路40B,40B・・に設けられる。給湯切替電磁弁46,46・・の各々は、第2電磁弁の一例に相当し、ガス元電磁弁42よりも下流側の位置においてガス流路40を開放した開放状態と閉塞した閉塞状態とに切り替わる。給湯切替電磁弁46が開放状態のときには当該給湯切替電磁弁46の上流側から下流側へとガスが流れ得る。給湯切替電磁弁46が閉塞状態のときには、当該給湯切替電磁弁46の上流側から下流側へとガスが流れない。
【0023】
ガスバーナ54(風呂側バーナ)に接続されるガス流路40からの風呂側分岐流路40Cには、切替電磁弁53が設けられている。給湯ガス比例制御弁44、給湯切替電磁弁46は、ガスバーナ4へのガス量を調整するように機能する。
【0024】
給湯システム1は、給湯点火プラグ35と、給湯フレームロッド36と、風呂点火プラグ37と、風呂フレームロッド38とを備える。給湯フレームロッド36は、検知部の一例に相当し、後述するコントローラ22とともに、ガスバーナ4での燃焼を検知する検知部として機能する。風呂フレームロッド38は、ガスバーナ54での燃焼を検知する。給湯フレームロッド36は、1つであってもよいし、2つ以上であってもよい。
【0025】
給湯システム1は、ファン48と、ファンモータ49とを備える。ファン48は、送風機の一例に相当し、給湯側熱交換器6内に空気を送り込む動作を行う。ファン48は、給湯燃焼室90の下方に設けられており、燃焼用空気を各ガスバーナ4(バーナ)及びガスバーナ54(風呂側バーナ)へ供給する。ファンモータ49は、駆動部の一例に相当し、後述するコントローラ22とともに、送風開始条件が成立した場合にファン48の駆動を開始し、送風停止条件が成立した場合にファン48の駆動を停止させる駆動部として機能する。
【0026】
風呂側回路3において、配管66は、浴槽60側からの水を風呂側熱交換器56側へと導くための往き配管67と、風呂側熱交換器56側からの水を浴槽60側へと導くための戻り配管68と、往き配管67と戻り配管68とに連結されて風呂側熱交換器56内を通る中間配管69とを備える。風呂側熱交換器56は、風呂一次熱交換器57と風呂二次熱交換器58とを備え、配管66を通る水にガスバーナ54(風呂側バーナ)で生じた熱を伝達するように機能する。往き配管67には、循環ポンプ62と往き配管67を通る水の温度を検出するサーミスタ64(風呂サーミスタ)が設けられている。循環ポンプ62は、配管66内の水を流動させる装置である。戻り配管68には、出湯管10から分岐された落とし込み管70が接続され、落とし込み管70には、給湯用電磁弁72及び落とし込み水量センサ74が設けられている。落とし込み管70は、給湯側回路2の給湯側通水路から風呂側回路3の配管66(循環路)へと湯を通す経路となっている。
【0027】
給湯システム1には、
図1、
図2で示すコントローラ22が設けられる。
図2で示すコントローラ22は、例えば、公知のマイクロコンピュータ等として構成される制御部22Aと、公知の半導体メモリ等として構成されるメモリ22Bと、外部との通信を行うためのインタフェースとして構成される通信部22Cとを備える。コントローラ22は、給湯側回路2や風呂側回路3に設けられた様々なセンサからの信号を取得可能に構成され、給湯側回路2や風呂側回路3に設けられた様々なアクチュエータを制御し得る。
【0028】
コントローラ22は、検知部、制御部、判定部、駆動部の一例に相当する。コントローラ22は、燃焼終了条件が成立した場合にガス元電磁弁42を閉塞状態としつつ給湯切替電磁弁46,46・・を開放状態とする第1制御を行いうる。第1制御中は、ガス元電磁弁42が正常に閉塞状態となっている場合(ガス流路40におけるガスの流れを遮断している場合)には給湯システム1の外部からガスバーナ4へガスは供給されない。コントローラ22は、燃焼終了条件が成立した場合に給湯切替電磁弁46,46・・を閉塞状態としつつガス元電磁弁42を開放状態とする第2制御を行いうる。第2制御中は、給湯切替電磁弁46,46・・が正常に閉塞状態となっている場合(ガス流路40におけるガスの流れを遮断している場合)には給湯システム1の外部からガスバーナ4へガスは供給されない。コントローラ22は、第1制御中に給湯フレームロッド36からの信号に基づいてガスバーナ4での燃焼が検知されるか否かを判定する第1判定処理を行いうる。コントローラ22は、第2制御中に給湯フレームロッド36からの信号に基づいてガスバーナ4での燃焼が検知されるか否かを判定する第2判定処理を行いうる。コントローラ22は、燃焼終了条件が成立した場合において予め定められた条件(時間条件又は機器条件の少なくともいずれか)を満たす場合に第1制御及び第2制御のうちの第1制御を選択的に行う。この場合、第2制御は行わない。また、コントローラ22は、燃焼終了条件が成立した場合において予め定められた条件(時間条件又は機器条件の少なくともいずれか)を満たさない場合には第1制御及び第2制御のうちの第2制御を行う。この場合、第1制御は行わない。
【0029】
上記時間条件及び上記機器条件のうち、上記時間条件は、「予め定められた時刻になったこと」「所定の時刻帯において所定動作(例えば消火動作)がなされたこと」等の時刻条件であってもよく、「最後の消火から一定時間が経過したこと」「前回のファン48の駆動終了から所定時間が経過したこと」「前回の自己診断が完了してから所定時間が経過した後に、最初にガスバーナ4の燃焼が開始されたこと」等の経過時間条件であってもよい。
【0030】
上記時間条件及び上記機器条件のうち、上記機器条件は、具体的には、「給湯システム1に設けられた所定機器が所定状態になったこと」又は「給湯システム1に設けられた所定機器を所定状態にするための条件が成立したこと」である。所定機器は特に限定されないが、例えば、ガスバーナ4、ファン48、水量センサ34などである。機器条件は、「予め定められた機器の動作を開始させる条件が成立したこと」であってもよく、「予め定められた機器の動作を禁止させる条件が成立したこと」であってもよく、「予め定められた機器の動作を一定時間休止させる条件が成立したこと」であってもよく、「予め定められた機器の動作を終了させる条件が成立したこと」であってもよい。また、機器条件は、「予め定められた機器の動作が終了したこと」であってもよく、「予め定められた機器の動作が開始したこと」であってもよく、「予め定められた機器の動作が禁止されたこと」であってもよい。具体的には、機器条件は、当該機器条件の成立に応じて熱交換器の冷却又は加熱抑制が行われる条件であってもよい。より詳しくは、機器条件は、当該機器条件の成立に応じてファン48が駆動され、ファン48の駆動によって給湯側熱交換器6が冷却されるような条件であってもよい。或いは、機器条件は、当該機器条件の成立に応じてガスバーナ4の点火が一定期間禁止され、このような点火抑制が一定期間継続することで給湯側熱交換器6が冷却又は加熱抑制されるような条件であってもよい。以下の説明では、これらのうちの所定の機器条件を例示して説明する。
【0031】
また、コントローラ22は、送風開始条件の成立に応じてファンモータ49によってファン48を駆動させる送風動作の前に第1制御を行う。
【0032】
本実施形態では、自己診断条件が送風開始条件の一例に相当する。自己診断条件は、自己診断の実行契機となる条件であり、機器条件の一例に相当する。自己診断は、給湯システム1の異常(例えば、ファン48の駆動の異常)を検出する処理を含む。具体的には、コントローラ22は、予め定められた自己診断条件が成立した場合、ファン48を一定時間駆動させて送風動作を行わせ、当該一定時間内に所定位置の電流、電圧、電力、温度などが正常範囲内にあるか否かを判定するように動作する。例えば、コントローラ22は、上記の自己診断条件が成立した場合、ファンモータ49を一定時間駆動させ、当該一定時間において給湯システム1内の所定導電路(例えば、ファンモータ49に電流を供給する導電路)を流れる電流が閾値を超えたか否かを判定し、閾値を超えない場合には正常電流と判定し、閾値を超えた場合には異常電流と判定するように自己診断動作を行うことができる。或いは、コントローラ22は、上記の自己診断条件が成立した場合、ファンモータ49を一定時間駆動させ、この一定時間においてファンモータ49の消費電力が一定値を超えない場合に正常と判定し、一定値を超えた場合に異常と判定するように自己診断を行うようにしてもよい。自己診断条件は、例えば「前回の自己診断が完了してから所定時間(例えば24時間)が経過した後、最初にガスバーナ4の燃焼が開始されたこと」とすることができる。なお、自己診断条件はこの例に限定されず、別の条件(例えば、前回の自己診断が完了してからガスバーナ4の燃焼が所定回数行われたこと、給湯システム1に対して所定操作が行われた後、最初にガスバーナ4の燃焼が開始されたこと等)としてもよい。
【0033】
図2のように、複数のリモートコントローラ80は、コントローラ22(検知部、制御部、判定部、駆動部)と通信し得る構成で配置される。
図1、
図2の例では、複数のリモートコントローラ80として、浴室内に設けられる第1リモートコントローラ81と、浴室とは異なる場所(例えば台所等)に設けられる第2リモートコントローラ82とが設けられる。
【0034】
図2のように、第1リモートコントローラ81は、公知のマイクロコンピュータ等として構成される制御部81Aと、液晶表示装置等として構成される表示部81Bと、押圧ボタン等の公知のスイッチが複数設けられてなる操作部81Cと、コントローラ22や第2リモートコントローラ82と通信を行う通信部81Dと、音声を出力するスピーカなどからなる音声出力部81Eとを備える。操作部81Cは、複数の操作部によって構成されており、電源のオンオフ状態を切り替える入力操作、設定温度を切り替える入力操作などに用いられる。
【0035】
第2リモートコントローラ82も同様であり、公知のマイクロコンピュータ等として構成される制御部82Aと、液晶表示装置等として構成される表示部82Bと、押圧ボタン等の公知のスイッチが複数設けられてなる操作部82Cと、第2リモートコントローラ82で生成された信号等をコントローラ22に伝達するための通信部82Dと、音声を出力するスピーカなどからなる音声出力部82Eとを備える。
【0036】
第2リモートコントローラ82は第1リモートコントローラ81と同様の構成、或いは簡略化された構成をなし、第1リモートコントローラ81と同様の設定が可能である。両リモートコントローラ80は、オンオフ状態が連動するようになっている。両リモートコントローラ80において、一方で設定された内容は、相互に反映される。
【0037】
(給湯制御)
コントローラ22は、例えば
図3のような流れで給湯制御を行う。コントローラ22は、電源投入後に
図3の給湯制御を実行し、S11にて燃焼開始条件が成立したか否かを判断する。燃焼開始条件は、例えば「水量センサ34によって検出された水量(例えば単位時間当たりの水量)(以下、単に「水量」ともいう)が所定の閾値以上であること」であってもよいし、別の条件であってもよい。燃焼開始条件が成立するまでは待機状態となり、S11でNoの判断が繰り返される。
【0038】
コントローラ22は、燃焼開始条件が成立したと判断した場合(S11:Yes)、S12にて点火処理を実行する。コントローラ22は、点火処理(S12)において以下の処理を行う。コントローラ22は、図示しないイグナイタを作動させ、給湯点火プラグ35から放電させる。さらに、コントローラ22は、ガス元電磁弁42及び給湯切替電磁弁46,46・・を開き、給湯ガス比例制御弁44を緩点火動作とし、ガスバーナ4に点火させる。その後、コントローラ22は、給湯フレームロッド36によってガスバーナ4の燃焼が検知されたか否かを判断し、燃焼が検知されたと判断した場合には、緩点火動作を終了させて、点火処理(S12)を終了する。
【0039】
コントローラ22は、点火処理(S12)の終了後、S13にて燃焼終了条件が成立したか否かを判断する。燃焼終了条件は、例えば「水量センサ34によって検出された水量(例えば単位時間当たりの水量)が所定の閾値未満であること」であってもよいし、別の条件(給湯システム1に対して燃焼の終了を指示する所定操作が行われたこと、燃焼を停止させる条件として予め定められた停止条件が成立したこと等)であってもよい。コントローラ22は、燃焼終了条件が成立していないと判断した場合(S13:No)、S14にて変更条件が成立したか否かを判断する。変更条件は、例えば「サーミスタ25によって検出される入水温度(以下、単に「入水温度」ともいう)、リモートコントローラ80によって設定された設定温度(以下、単に「設定温度」ともいう)、及び水量センサ34によって検出された水量(例えば単位時間当たりの水量)のうち少なくともいずれか1つに所定の基準を満たす変更が生じたこと」であってもよいし、別の条件であってもよい。
【0040】
コントローラ22は、変更条件が成立していないと判断した場合(S14:No)、S15にてフィードバック温度制御を行う。コントローラ22は、フィードバック温度制御において、サーミスタ26によって検出される出湯温度(以下、「出湯温度」ともいう)と設定温度との温度差に基づき、その温度差を小さくするために必要なアウトプット(燃焼出力)を算出し、ファン48の回転数、及び給湯ガス比例制御弁44の開度を調節する。また、コントローラ22は、更にアウトプットの増減調整が必要な場合には、給湯切替電磁弁46,46・・それぞれの開閉を切り替えることで、四段階ある燃焼段をいずれかに切り替える。コントローラ22は、フィードバック温度制御(S15)が終了すると、S13の処理に戻る。即ち、コントローラ22は、燃焼終了条件が成立するか、変更条件が成立するまでフィードバック温度制御(S15)を繰り返し実行する。
【0041】
コントローラ22は、変更条件が成立したと判断した場合(S14:Yes)、S16にてフィードフォワード温度制御を行う。コントローラ22は、フィードフォワード温度制御において、入水温度と設定温度との温度差と、水量とに基づき、必要な燃焼出力(アウトプット)を算出する。そして、コントローラ22は、算出されたアウトプットに対応する燃焼段を設定し、ファン48の回転数、及び給湯ガス比例制御弁44の開度を調節する。コントローラ22は、フィードフォワード温度制御(S16)が終了すると、S13の処理に戻る。
【0042】
コントローラ22は、燃焼終了条件が成立したと判断した場合(S13:Yes)、S17にて自己診断条件(例えば「前回の自己診断が完了してから所定時間(例えば24時間)が経過した後に、最初にガスバーナ4の燃焼が開始された」という条件)が成立しているか否かを判断する。
【0043】
コントローラ22は、S17において自己診断条件が成立していると判断した場合(S17:Yes)、S20にて上述した第1制御を実行する。具体的には、コントローラ22は、S20にてガス元電磁弁42を閉塞状態としつつ給湯切替電磁弁46,46・・を開放状態とする。換言すると、コントローラ22は、給湯切替電磁弁46,46・・を開放状態に維持したまま、ガス元電磁弁42を閉塞状態に切り替える。コントローラ22は、給湯切替電磁弁46,46・・のうち一部が開放状態とされ残りが閉塞状態とされている場合、開放状態とされているものは開放状態のまま維持し、閉塞状態とされているものは閉塞状態のまま維持する。
【0044】
コントローラ22は、第1制御(S20)中に、S21にて上述した第1判定処理を行う。つまり、コントローラ22は、給湯フレームロッド36からの信号に基づいて、ガスバーナ4での燃焼を検知したか否かを判定する。コントローラ22は、ガスバーナ4での燃焼を検知したと判定した場合には(S21:Yes)、ガス元電磁弁42が異常であると判断し、例えば表示部82B、音声出力部82Eなどによってユーザに異常の発生を報知する。コントローラ22は、異常の発生を報知した後、またはガスバーナ4での燃焼を検知していないと判定した場合に、第1判定処理(S21)を終了する。
【0045】
コントローラ22は、第1判定処理(S21)の後、S22にてガス元電磁弁42及び給湯切替電磁弁46,46・・を閉塞状態とする。即ち、コントローラ22は、ガス元電磁弁42を閉塞状態に維持したまま、全ての給湯切替電磁弁46,46・・を閉塞状態に切り替える。
【0046】
コントローラ22は、ガス元電磁弁42及び給湯切替電磁弁46,46・・を閉塞状態とした後、S23にて上述の自己診断を行う。つまり、コントローラ22は、ファン48を一定時間駆動させて送風動作を行わせ、当該一定時間内に所定位置の電流、電圧、電力、温度などが正常範囲内にあるか否かを判定するように動作する。その後、コントローラ22は、S11に戻る。
【0047】
コントローラ22は、S17において自己診断条件が成立していないと判断した場合(S17:No)、S30にて上述した第2制御を行う。つまり、コントローラ22は、S30にて全ての給湯切替電磁弁46,46・・を閉塞状態としつつガス元電磁弁42を開放状態とする。換言すると、コントローラ22は、ガス元電磁弁42を開放状態に維持したまま、開放状態となっている給湯切替電磁弁46,46・・を閉塞状態に切り替える。
【0048】
コントローラ22は、第2制御(S30)中に、S31にて上述した第2判定処理を行う。つまり、コントローラ22は、給湯フレームロッド36からの信号に基づいて、ガスバーナ4での燃焼を検知したか否かを判定する。コントローラ22は、ガスバーナ4での燃焼を検知したと判定した場合には(S31:Yes)、ガス元電磁弁42が異常であると判断し、例えば表示部82B、音声出力部82Eなどによってユーザに異常の発生を報知する。コントローラ22は、異常の発生を報知した後、またはガスバーナ4での燃焼を検知していないと判定した場合に、第2判定処理(S31)を終了する。
【0049】
コントローラ22は、第2判定処理(S31)の後、S32にてガス元電磁弁42及び給湯切替電磁弁46,46・・を閉塞状態とする。即ち、コントローラ22は、給湯切替電磁弁46,46・・を閉塞状態に維持したまま、ガス元電磁弁42を閉塞状態に切り替える。その後、コントローラ22は、S11に戻る。
【0050】
次の説明は、本構成の効果の一例に関する。
給湯システム1は、第1判定処理を行うことによってガス元電磁弁42の異常の有無を検出することができ、第2判定処理を行うことによって給湯切替電磁弁46,46・・の異常の有無を検出することができる。
【0051】
ただし、給湯システム1は、第1制御を行った場合、給湯切替電磁弁46,46・・は開放状態のままとされるため、ガス元電磁弁42を閉塞状態とした後も、ガス元電磁弁42よりも下流側に残ったガス燃焼し終わるまでガスバーナ4での燃焼が継続される。このため、この給湯システム1は、第1制御を行った場合、通水管の内部に余分な熱が加わりやすく、加熱された水が通水管内に残りやすい。そして、通水管内に加熱された水が残った状態で次回の燃焼開始条件が成立すると、加熱された残水の温度を出湯温度として検出し、この出湯温度に基づいてフィードバック温度制御が行われることがあり、この場合、出湯温度を設定温度に近づけるまでに時間がかかるおそれがある。
【0052】
しかし、この給湯システム1は、送風動作の前に第1制御を行う。このため、第1制御が行われたことによって、通水管の内部に加熱された水が残ったとしても、ファン48による送風動作によって通水管の内に残った水の水温が低下する。したがって、この給湯システム1は、第1制御を行ったことにより通水管の内部に加熱された水が残った場合であっても、加熱された残水の水温を下げてから次回の燃焼を行うことができる。
【0053】
特に、この給湯システム1は、送風動作を伴う自己診断を行う時期に合わせて第1制御を行う。このため、この給湯システム1は、第1制御によって過熱された水の水温を低下させるために別途送風動作を行う構成と比較して、加熱された水が通水管の内部に残ったまま次回の燃焼が行われる事態の発生を効率的に抑制することができる。
【0054】
<他の実施形態>
本開示は、上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではない。例えば、上述又は後述の実施形態の特徴は、矛盾しない範囲であらゆる組み合わせが可能である。また、上述又は後述の実施形態のいずれの特徴も、必須のものとして明示されていなければ省略することもできる。更に、上述した実施形態は、次のように変更してもよい。
【0055】
上述した実施形態では、検知部を給湯フレームロッド36としたが、ガスバーナ4の燃焼を検知することができる構成であれば、別の構成であってもよい。例えば、検知部は、燃焼炎の持つ熱、光、電気的特性の何れかを検知するものであればよい。具体例としては、給湯システム1が、ガスバーナ4の燃焼熱を検知する熱電対を備える構成とし、この熱電対を検知部としてもよい。更に別の例として、給湯システム1が、検出する波長によって例えば3種類(紫外線式、可視光線式、赤外線式)に分類される光学センサを備える構成とし、この光学センサを検知部としてもよい。
【0056】
上述した実施形態では、予め定められた機器条件を自己診断条件としたが、別の条件としてもよい。例えば、前回の第1制御の完了から所定の機器(例えば、ファン、ガスバーナ等)の実行回数が一定値に達したことが機器条件であってもよく、前回の第1制御の完了から所定の機器の実行累積時間が一定値に達したことが機器条件であってもよい。また、給湯システム1は、機器条件に変えて、時間条件を設定してもよい。時間条件は、例えば、「給湯システム1の使用頻度が少なくなる所定の時刻以降となること」としてもよい。或いは、「前回の第1制御の完了から一定時間が経過したこと」を時間条件としてもよい。また、給湯システム1は、機器条件と時間条件の両方を設定して、いずれかの条件を満たした場合に第1制御を行う構成としてもよい。
【0057】
上述の実施形態では、第1制御の後に行う送風動作を「自己診断の際の送風動作」としたが、自己診断の際の送風動作でなくてもよい。
【0058】
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、今回開示された実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示された範囲内又は特許請求の範囲と均等の範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【0059】
1…給湯システム
4…ガスバーナ(バーナ)
6…給湯側熱交換器(熱交換器)
7a、8a…伝熱管(通水管)
10…出湯管(通水管)
12…入水管(通水管)
20…配管(通水管)
22…コントローラ(制御部、検知部、判定部、駆動部)
36…給湯フレームロッド(検知部)
40…ガス流路
42…ガス元電磁弁(第1電磁弁)
46…給湯切替電磁弁(第2電磁弁)
48…ファン(送風機)
49…ファンモータ(駆動部)