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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-24
(45)【発行日】2024-02-01
(54)【発明の名称】モータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 5/26 20060101AFI20240125BHJP
   H02K 7/02 20060101ALI20240125BHJP
   A63H 27/00 20060101ALI20240125BHJP
   A63H 27/30 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
H02K5/26
H02K7/02
A63H27/00 B
A63H27/30 C
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023129657
(22)【出願日】2023-08-08
【審査請求日】2023-08-10
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523303389
【氏名又は名称】清水 英敏
(74)【代理人】
【識別番号】100223907
【弁理士】
【氏名又は名称】喜多 静夫
(72)【発明者】
【氏名】清水 英敏
【審査官】北村 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-281050(JP,A)
【文献】特開2019-151317(JP,A)
【文献】特開2012-034458(JP,A)
【文献】特開2014-090644(JP,A)
【文献】国際公開第2022/091699(WO,A1)
【文献】特開2000-134893(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 5/26
H02K 7/02
A63H 27/00
A63H 27/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステータ(30)と、
前記ステータに回転可能に取り付けられたシャフト(20)と、
前記シャフトと連結され、前記ステータに対して回転可能に配置されたロータと、
前記シャフトに回転可能に取り付けられたウエイト(151)と、
前記ロータによって発生した回転力によって、前記ウエイトを前記ロータの回転方向と逆の回転方向に回転させる逆回転機構(200)と、を有し、
前記逆回転機構は、
板形状であり、前記ウエイトと対向配置され、前記シャフトに回転不能に取り付けられたプレート(153)と、
前記ウエイトと前記プレートの間において、前記シャフトに回転可能に取り付けられた中間部材(154)と、
前記中間部材に回転可能に取り付けられ、前記ウエイト及び前記プレートと接触するローラー(155)と、
前記ウエイトと前記プレートとが近接するように、前記ウエイト及び前記プレートの少なくとも一方を付勢する付勢部材(159)と、を備え、
前記ウエイト及び前記プレートの少なくとも一方は、前記シャフトの軸線方向に移動可能に取り付けられていることを特徴とするモータ。
【請求項2】
ステータ(30)と、
前記ステータに回転可能に取り付けられたシャフト(20)と、
前記シャフトと連結され、前記ステータに対して回転可能に配置されたロータと、
前記ロータと同軸に配置されたウエイト(151)と、
前記ロータによって発生した回転力によって、前記ウエイトを前記ロータの回転方向と逆の回転方向に回転させる逆回転機構(200)と、を有し、
前記逆回転機構は、
板形状であり、前記ウエイトと対向配置され、前記シャフトに回転不能に取り付けられたプレート(153)と、
前記ウエイトと前記プレートの間において、前記シャフトに回転可能に取り付けられた中間部材(154)と、
前記中間部材に回転可能に取り付けられ、前記ウエイト及び前記プレートに係合する係合部材(155)と、を備え、
前記中間部材には、前記シャフトと直交する方向に延出する回転阻止部材(156)が取り付けられていることを特徴とするモータ。
【請求項3】
前記回転阻止部材の外面には、柔軟な材料で構成された衝撃吸収部材(156b)が取り付けられていることを特徴とする請求項2に記載のモータ。
【請求項4】
ステータ(30)と、
前記ステータに回転可能に取り付けられたシャフト(20)と、
前記シャフトと連結され、前記ステータに対して回転可能に配置されたロータと、
前記ロータと同軸に配置されたウエイト(151)と、
前記ロータによって発生した回転力によって、前記ウエイトを前記ロータの回転方向と逆の回転方向に回転させる逆回転機構(200)と、を有し、
前記逆回転機構は、
板形状であり、前記ウエイトと対向配置され、前記シャフトに回転不能に取り付けられたプレート(153)と、
前記ウエイトと前記プレートの間において、前記シャフトに回転可能に取り付けられた中間部材(154)と、
前記中間部材に回転可能に取り付けられ、前記ウエイト及び前記プレートに係合する係合部材(155)と、を備え、
前記ウエイトは、円板形状の円板部(151a)と、前記円板部の外縁部から突出したリング状のリング部(151b)とから構成されていることを特徴とするモータ。
【請求項5】
前記係合部材は、前記ウエイト及び前記プレートと接触するローラーであることを特徴とする請求項2、3、4のいずれか一項に記載のモータ。
【請求項6】
前記逆回転機構は、前記ウエイトと前記プレートとが近接するように、前記ウエイト及び前記プレートの少なくとも一方を付勢する付勢部材(159)を更に有することを特徴とする請求項5に記載のモータ。
【請求項7】
ステータ(30)と、
前記ステータに回転可能に取り付けられたシャフト(20)と、
前記シャフトと連結され、前記ステータに対して回転可能に配置されたロータと、
前記ロータと同軸に配置されたウエイト(151)と、
前記ロータによって発生した回転力によって、前記ウエイトを前記ロータの回転方向と逆の回転方向に回転させる逆回転機構(200)と、を有し、
前記逆回転機構は、
板形状であり、前記ウエイトと対向配置され、前記シャフトに回転不能に取り付けられたプレート(153)と、
前記ウエイトと前記プレートの間において、前記シャフトに回転可能に取り付けられた中間部材(154)と、
前記中間部材に回転可能に取り付けられ、前記ウエイト及び前記プレートに係合する係合部材(155)と、を備え、
前記係合部材は、前記プレートと接触する第1ローラー(171)と、前記第1ローラーの直径よりも大きい直径であり、前記第1ローラーと一体に回転し、前記ウエイトと接触する第2ローラー(172)であることを特徴とするモータ。
【請求項8】
前記プレートの比重は、前記ウエイトの比重よりも軽いことを特徴とする請求項1、2、3、4、7のいずれか一項に記載のモータ。
【請求項9】
前記ロータは、前記ステータの外周側に配置されていることを特徴とする請求項1、2、3、4、7のいずれか一項に記載のモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、特許文献1に示されるようなモータは、模型飛行機の動力として使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2000-134893号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に示されるようなモータでは、ロータの回転によるジャイロ効果により、模型飛行機が操縦者の意図しない挙動を引き起こすという問題があった。
【0005】
本発明は、ジャイロ効果を低減させることができるモータを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた、請求項1に記載の発明であるモータは、
ステータ(30)と、
前記ステータに回転可能に取り付けられたシャフト(20)と、
前記シャフトと連結され、前記ステータに対して回転可能に配置されたロータと、
前記シャフトに回転可能に取り付けられたウエイト(151)と、
前記ロータによって発生した回転力によって、前記ウエイトを前記ロータの回転方向と逆の回転方向に回転させる逆回転機構(200)と、を有し、
前記逆回転機構は、
板形状であり、前記ウエイトと対向配置され、前記シャフトに回転不能に取り付けられたプレート(153)と、
前記ウエイトと前記プレートの間において、前記シャフトに回転可能に取り付けられた中間部材(154)と、
前記中間部材に回転可能に取り付けられ、前記ウエイト及び前記プレートと接触するローラー(155)と、
前記ウエイトと前記プレートとが近接するように、前記ウエイト及び前記プレートの少なくとも一方を付勢する付勢部材(159)と、を備え、
前記ウエイト及び前記プレートの少なくとも一方は、前記シャフトの軸線方向に移動可能に取り付けられていることを特徴とする。
【0007】
これによれば、逆回転機構によって、ウエイトがロータの回転方向と逆の回転方向に回転されるので、ロータの回転によるジャイロ効果が、ロータと逆回転するウエイトの回転によるジャイロ効果によって低減される。
また、ウエイトを確実にロータと逆の回転方向に回転させることができる。また、係合部材がウエイト及びプレートに係合して回転する際の騒音を低減させることができる。
また、付勢部材によって、ウエイトとプレートとが近接するように、ウエイト及びプレートの少なくとも一方が付勢されるので、ローラーがウエイト及びプレートに押し付けられる。このため、ローラーがウエイトやプレートと滑ることが抑制され、確実にウエイトをロータの回転方向と逆方向に回転させることができる。
【0008】
前記ウエイトは、前記ロータと同軸に配置されていることが好ましい
【0009】
これによれば、ウエイトがロータと同軸に配置されているので、ウエイトがロータと同軸に配置されていないモータと比較して、ロータのジャイロ効果を適切に低減させることができる。
【0010】
上記目的を達成するためになされた、請求項2に記載の発明であるモータは、
ステータ(30)と、
前記ステータに回転可能に取り付けられたシャフト(20)と、
前記シャフトと連結され、前記ステータに対して回転可能に配置されたロータと、
前記ロータと同軸に配置されたウエイト(151)と、
前記ロータによって発生した回転力によって、前記ウエイトを前記ロータの回転方向と逆の回転方向に回転させる逆回転機構(200)と、を有し、
前記逆回転機構は、
板形状であり、前記ウエイトと対向配置され、前記シャフトに回転不能に取り付けられたプレート(153)と、
前記ウエイトと前記プレートの間において、前記シャフトに回転可能に取り付けられた中間部材(154)と、
前記中間部材に回転可能に取り付けられ、前記ウエイト及び前記プレートに係合する係合部材(155)と、を備え、
前記中間部材には、前記シャフトと直交する方向に延出する回転阻止部材(156)が取り付けられていることを特徴とする。
【0011】
これによれば、逆回転機構によって、ウエイトがロータの回転方向と逆の回転方向に回転されるので、ロータの回転によるジャイロ効果が、ロータと逆回転するウエイトの回転によるジャイロ効果によって低減される。
また、ウエイトを確実にロータと逆の回転方向に回転させることができる。このため、ロータのジャイロ効果を確実に低減させることができる。
また、回転阻止部材が、モータが取り付けられた物に当接し、中間部材の回転が阻止される。このため、ウエイトをロータの回転方向と逆方向に確実に回転させることができる。
【0012】
請求項に記載の発明は、請求項に記載の発明において、
前記回転阻止部材の外面には、柔軟な材料で構成された衝撃吸収部材(156b)が取り付けられていることを特徴とする。
【0013】
これによれば、衝撃吸収部材によって、ロータが回転し回転阻止部材が物体に当接している時の振動に起因する騒音を抑制することができる。
【0014】
上記目的を達成するためになされた、請求項4に記載の発明であるモータは、
ステータ(30)と、
前記ステータに回転可能に取り付けられたシャフト(20)と、
前記シャフトと連結され、前記ステータに対して回転可能に配置されたロータと、
前記ロータと同軸に配置されたウエイト(151)と、
前記ロータによって発生した回転力によって、前記ウエイトを前記ロータの回転方向と逆の回転方向に回転させる逆回転機構(200)と、を有し、
前記逆回転機構は、
板形状であり、前記ウエイトと対向配置され、前記シャフトに回転不能に取り付けられたプレート(153)と、
前記ウエイトと前記プレートの間において、前記シャフトに回転可能に取り付けられた中間部材(154)と、
前記中間部材に回転可能に取り付けられ、前記ウエイト及び前記プレートに係合する係合部材(155)と、を備え、
前記ウエイトは、円板形状の円板部(151a)と、前記円板部の外縁部から突出したリング状のリング部(151b)とから構成されていることを特徴とする。
【0015】
これによれば、逆回転機構によって、ウエイトがロータの回転方向と逆の回転方向に回転されるので、ロータの回転によるジャイロ効果が、ロータと逆回転するウエイトの回転によるジャイロ効果によって低減される。
また、リング部が、円板部の外縁部から突出して形成されているので、ウエイトの慣性モーメントを円板のウエイトと比較して大きくすることができる。このため、ウエイトを軽量にしても、同じ慣性モーメントを保つことができ、ウエイトの軽量化が可能となり、ひいては、モータの軽量化が可能となる。
【0016】
請求項に記載の発明は、請求項2、3、4に記載の発明において、
前記係合部材は、前記ウエイト及び前記プレートと接触するローラーであることを特徴とする。
【0017】
これによれば、ウエイトを確実にロータと逆の回転方向に回転させることができる。また、係合部材がウエイト及びプレートに係合して回転する際の騒音を低減させることができる。
【0018】
請求項に記載の発明は、請求項に記載の発明において、
前記逆回転機構は、前記ウエイトと前記プレートとが近接するように、前記ウエイト及び前記プレートの少なくとも一方を付勢する付勢部材(159)を更に有することを特徴とする。
【0019】
これによれば、付勢部材によって、ウエイトとプレートとが近接するように、ウエイト及びプレートの少なくとも一方が付勢されるので、ローラーがウエイト及びプレートに押し付けられる。このため、ローラーがウエイトやプレートと滑ることが抑制され、確実にウエイトをロータの回転方向と逆方向に回転させることができる。
【0020】
上記目的を達成するためになされた、請求項7に記載の発明であるモータは、
ステータ(30)と、
前記ステータに回転可能に取り付けられたシャフト(20)と、
前記シャフトと連結され、前記ステータに対して回転可能に配置されたロータと、
前記ロータと同軸に配置されたウエイト(151)と、
前記ロータによって発生した回転力によって、前記ウエイトを前記ロータの回転方向と逆の回転方向に回転させる逆回転機構(200)と、を有し、
前記逆回転機構は、
板形状であり、前記ウエイトと対向配置され、前記シャフトに回転不能に取り付けられたプレート(153)と、
前記ウエイトと前記プレートの間において、前記シャフトに回転可能に取り付けられた中間部材(154)と、
前記中間部材に回転可能に取り付けられ、前記ウエイト及び前記プレートに係合する係合部材(155)と、を備え、
前記係合部材は、前記プレートと接触する第1ローラー(171)と、前記第1ローラーの直径よりも大きい直径であり、前記第1ローラーと一体に回転し、前記ウエイトと接触する第2ローラー(172)であることを特徴とする。
【0021】
これによれば、逆回転機構によって、ウエイトがロータの回転方向と逆の回転方向に回転されるので、ロータの回転によるジャイロ効果が、ロータと逆回転するウエイトの回転によるジャイロ効果によって低減される。
また、ウエイトを確実にロータと逆の回転方向に回転させることができる。また、第2ローラーの直径は、第1ローラーの直径よりも大きいので、ウエイトの回転速度は、プレートの回転速度よりも速くなる。このため、ロータと逆回転するウエイトの回転によるジャイロ効果がより大きくなり、ロータの回転によるジャイロ効果が、ロータと逆回転するウエイトの回転によるジャイロ効果により、より一層低減される。更に、係合部材がウエイト及びプレートに係合して回転する際の騒音を低減させることができる。
【0022】
請求項に記載の発明は、請求項1、2、3、4、7に記載の発明において、
前記プレートの比重は、前記ウエイトの比重よりも軽いことを特徴とする。
【0023】
これによれば、ロータと同じ回転方向に回転するプレートの回転モーメントを低減することができ、プレートの回転によるジャイロ効果を低減することができる。このため、プレート自体も軽量にできるだけでなく、ロータ及びプレートのジャイロ効果を打ち消すウエイトの軽量化が可能となり、ひいては、モータの軽量化が可能となる。
【0024】
請求項に記載の発明は、請求項1、3、4、7に記載の発明において、
前記ロータは、前記ステータの外周側に配置されていることを特徴とする。
【0025】
これによれば、ロータがステータの外側に配置されているので、ロータがステータの内側に配置されているモータと比較して、より大きなトルクを発生させることができる。その一方で、ロータがステータの外側に配置されていることにより、ロータの慣性モーメントが大きくなり、ロータのジャイロ効果が大きくなるが、ウエイトによってロータのジャイロ効果を低減することができる。
【0028】
なお、この欄及び特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本実施形態のモータが搭載された模型飛行機の上面図である。
図2】本実施形態のモータが搭載された模型飛行機の前部の上面図であり、カバーを取り外した状態の図である。
図3】模型飛行機のブロック図である。
図4】第1実施形態のモータの上面図である。
図5】第2実施形態のモータの上面図である。
図6】第3実施形態のモータの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
(模型飛行機及び第1実施形態のモータの構造)
以下に、図1図2を用いて、本発明の一実施形態である第1実施形態のモータ100が搭載される模型飛行機500について説明する。本実施形態では、模型飛行機500は、1本又は2本の操縦ライン(不図示)が接続され、操縦者が操縦ラインを操作することにより、姿勢をコントロールするコントロールライン(Uコン)と呼ばれるものである。
【0031】
模型飛行機500は、胴体501、主翼502、水平尾翼503、垂直尾翼504を有しており、これらは、バルサ材等の木材や、合成樹脂、カーボン、アルミニウム合金等の金属等で構成されている。胴体501は、その中間部よりも前方側が筒状であり、前後方向に延在している。胴体501の主翼502よりも前方の部分には、カバー505が着脱可能に取り付けられている。主翼502は、板状であり、胴体501の中間部からそれぞれ左右方向に延在している。水平尾翼503は、板状であり、胴体501の後端部からそれぞれ左右方向に延在している。垂直尾翼504は、板状であり、胴体501の後端部から上方に延在している。
【0032】
図2に示すように、胴体501の前端部には、幅方向に延在する取付板506が胴体501の内周面に接続するように取り付けられている。取付板506の中央部には、シャフト穴506aが形成されている。モータ100のシャフト20がシャフト穴506aを挿通し、モータ100が取付板506に取り付けられている。モータ100が取付板506に取り付けられている構造については、後で詳細に説明する。シャフト20には、チャック部材550によって、プロペラ551が取り付けられている。
【0033】
以下に図3を用いて、模型飛行機500のブロック図について説明する。模型飛行機500は、モータ100の他に、制御部250、バッテリ300、スイッチ400を有している。制御部250、バッテリ300、及びスイッチ400は、胴体501内に収納されて取り付けられている。スイッチ400の操作部401は、胴体501に外面に取り付けられている。
【0034】
第1実施形態のモータ100は、本実施形態では、三相交流ブラシレスモータである。バッテリ300は、例えば、リチウムイオン電池等の二次電池であり、直流電流を出力する。スイッチ400は、ボタンやレバー等の操作部401を有していて、ユーザの操作により操作部401がオン状態又はオフ状態にされる。スイッチ400は、ユーザの操作部401の操作によって、オン信号又はオフ信号を制御部250に出力する。本実施形態では、スイッチ400は、タイマー機能を有している。ユーザが操作部401をオン状態にすると、スイッチ400は、第1規定時間(例えば数秒)の間は、オフ信号を制御部250に出力するが、第1規定時間が経過してから第2規定時間(例えば、数十秒から数分)が経過するまでは、オン信号を制御部250に出力し、第2規定時間経過後は、オフ信号を制御部250に出力する。また、本実施形態では、スイッチ400は、加速度センサ402を有していて、加速度の信号を制御部250に出力する。
【0035】
制御部250は、モータ100を制御するものであり、スイッチ400からオン信号が入力されている際に、バッテリ300から出力された直流電流を三相交流電流に変換して、モータ100に出力して、モータ100を駆動する。本実施形態では、制御部250は、スイッチ400の加速度センサ402から入力された加速度が小さくなるに従って、より大きな電流をモータ100に出力する。
【0036】
以下に、図4を用いて、本実施形態のモータ100について説明する。モータ100は、基部材10、シャフト20、ステータ30、ロータ40、を有している。本実施形態のモータ100は、ロータ40がステータ30の外周側に配置されたアウターロータ型のモータである。
【0037】
基部材10は、略円盤状の部材であり、アルミニウム合金等の金属で構成されている。基部材の前面には、複数のネジ穴10aが形成されている。ここで図2を用いて、モータ100が取付板506に取り付けられている構造について説明する。取付板506には、複数の取付穴506bが連通形成されている。これらの取付穴506bのそれぞれにボルト507が挿通し、これらボルト507が基部材10に形成されたネジ穴10aにねじ込まれて、モータ100が取付板506に取り付けられている。
【0038】
図4に戻って、モータ100について説明する。基部材10の前面の中央部には、ボールベアリング等の第1モータ軸受51が取り付けられている。シャフト20の中間部は、第1モータ軸受51によって、基部材10に回転可能に取り付けられている。シャフト20は、基部材10の前面から前方に突出している。
【0039】
基部材10の後面には、略円柱形状のステータ30(固定子)が取り付けられている。ステータ30は、積層された電磁鋼で構成された鉄心と、この鉄心にエナメル線が巻き付けられて構成されたコイルとから構成されている。ステータ30は、制御部250と電気的に接続し、制御部250から三相交流の電流が供給されて、磁界を発生させる。ステータ30の軸心には、挿通穴30aが連通形成され、この挿通穴30aにシャフト20が挿通している。ステータ30の挿通穴30aの後端部には、ボールベアリング等で構成された第2モータ軸受52が取り付けられている。シャフト20の後部は、第2モータ軸受52によって、ステータ30の後端部の軸心に回転可能に取り付けられている。シャフト20は、ステータ30の後端から後方に突出している。
【0040】
ロータ40(回転子)は、ケーシング41、複数の永久磁石42、接続部材43とから構成されている。ケーシング41は、円筒形状であり、ステータ30の外周側に配置され、金属で構成されている。複数の永久磁石42は、ケーシング41の内周側に、周方向に一定間隔をおいて取り付けられ、ステータ30と近接して対向している。接続部材43は、ケーシング41の後端とシャフト20の後端部とを接続する部材であり、アルミニウム合金等の軽量な金属で構成されている。このような構成によって、シャフト20とロータ40は、一体に回転する。接続部材43の後端からシャフト20は後方に突出している。
【0041】
制御部250から三相交流の電流がステータ30に供給されると、ステータ30から磁界が発生し、ロータ40及びシャフト20が回転する。本実施形態のモータ100は、アウターロータ型であるので、インナーロータ型のモータと比較して、より強いトルクを発生させることができるが、その一方で、ロータ40のジャイロ効果がインナーロータ型のモータと比較して大きい。このため、アウターロータ型のモータを模型飛行機に使用すると、強いジャイロ効果の影響により、模型飛行機が操縦者の意図しない挙動を引き起こしてしまう。本実施形態では、ロータ40のジャイロ効果を低減させるために、モータ100にジャイロ効果低減機構150を搭載している。
【0042】
以下に、ジャイロ効果低減機構150について説明する。ジャイロ効果低減機構150は、ロータ40の逆回転に回転する略円盤形状のウエイト151と、このウエイト151をロータ40の回転方向と逆回転方向に回転させる逆回転機構200とから構成されている。ウエイト151が、ロータ40と逆回転に回転するので、ロータ40の回転によるジャイロ効果が低減される。以下に、逆回転機構200の詳細について説明する。
【0043】
逆回転機構200は、アダプター152、プレート153、中間部材154、2つのローラー155、回転阻止部材156、ナット157、2枚のワッシャー158、付勢部材159を有している。
【0044】
接続部材43の後端には、複数のネジ穴43aが形成されている。アダプター152は、チャック部152aと、軸152bとから構成されている。チャック部152aは、円錐台形状であり、前面の中心部には円柱形状に凹陥した挿入凹部152a1が形成されている。この挿入凹部152a1にシャフト20の後端部が挿入して嵌合している。チャック部152aには、チャック部の軸線方向に連通する連通穴152a2が複数形成されている。これらの連通穴152a2に複数のボルト161が挿通し、これらのボルト161の先端が、接続部材43のネジ穴43aにそれぞれねじ込まれて、アダプター152が接続部材43の後端に取り付けられている。軸152bは円柱形状であり、チャック部152aの後端面の中心から後方に突出している。軸152bの後端部には、ネジ部152b1が形成されている。軸152bとシャフト20は同軸に配置されている。
【0045】
ウエイト151は、円板形状の円板部151aと、この円板部151aの外縁部から前方に突出したリング状のリング部151bとから構成されている。ウエイト151は、鉄鋼やステンレス鋼等のアルミニウム合金等と比較して比重が重い金属で構成されている。円板部151aの中心には、軸受穴151a1が連通形成されている。軸受穴151a1にボールベアリング等の第1軸受162が嵌合して取り付けられている。ウエイト151は、第1軸受162によって軸152bに回転可能に且つ軸線方向に移動可能に取り付けられている。ウエイト151の後面は、シャフト20の軸線と直行する接触面151cとなっている。
【0046】
2枚のワッシャー158が、チャック部152aの後端面と、円板部151aの前面との間において、軸152bに取り付けられている。付勢部材159は、2枚のワッシャー158の間において、軸152bに取り付けられている。付勢部材159は、本実施形態では、ウエーブワッシャーであるが、コイルスプリングであってもよい。付勢部材159によって、ウエイト151が後方に付勢されている。つまり、付勢部材159は、ウエイト151とプレート153とが近接するように、ウエイト151をプレート153側に付勢している。
【0047】
中間部材154は、長方形板状であり、アルミニウム合金等の軽量な金属で構成されている。中間部材154の中心には、軸受穴154aが連通形成され、この軸受穴154aにボールベアリング等の第2軸受163が嵌合して取り付けられている。中間部材154は、ウエイト151の後方において、ウエイト151と対向して、第2軸受163によって、軸152bに回転可能且つ軸152bの軸線方向に移動可能に取り付けられている。
【0048】
中間部材154の幅方向の両端部には、一対のローラー155がそれぞれネジ164と回転阻止部材156によって回転可能に取り付けられている。ローラー155は、ボールベアリング等の軸受で構成された円筒形状の回転部155aと、この回転部155aの外周面に取り付けられたゴムやシリコン等の柔軟な部材で構成されたリング状の摩擦部材155bとから構成されている。
【0049】
回転阻止部材156は、円柱形状の基部材156aと、この基部材156aの外周面に取り付けられたパイプ状の衝撃吸収部材156bとから構成されている。基部材156aの基端部には、ネジ山が形成されている。基部材156aの基端部が中間部材154の端部にねじ込まれて、一方側のローラー155が中間部材154に取り付けられている。回転阻止部材156は、シャフト20と直交する方向に延出している。衝撃吸収部材156bは、シリコンやゴム等の柔軟な材料で構成されている。
【0050】
図2に示すように、胴体501の内周面には、バルサ材や樹脂等で構成された固定部材509が取り付けられている。固定部材509には、モータ100側に開口したスリット状の係合部509aが形成されている。なお、係合部509aは、穴状であってもよい。係合部509aに、回転阻止部材156が挿通されて係合している。このような構成によって、中間部材154は、胴体501に対して回転しないようになっている。
【0051】
プレート153は、円板状であり、アルミニウム合金等の軽量な金属で構成されている。プレート153の比重は、ウエイト151の比重よりも軽い。プレート153の中心には、連通穴153aが連通形成されている。プレート153は、中間部材154の後方において、ウエイト151と対向するように、ウエイト151と同軸に配置されている。連通穴153aに、軸152bの後端部が挿通され、軸152bの後端部に形成されたネジ部152b1にナット157がねじ込まれて、プレート153が軸152bに対して回転不能に取り付けられている。つまり、プレート153は、軸152b、シャフト20、ロータ40と一体回転する。
【0052】
ウエイト151は、付勢部材159によって後方、つまり、中間部材154やプレート153側に付勢されているので、ウエイト151の後面及びプレート153の前面がローラー155に押し付けられて当接している。このような構造によって、ロータ40が回転すると、プレート153がロータ40の回転方向と同じ方向に回転するが、一対のローラー155によって、ウエイト151がプレート153の回転方向と反対方向に回転する。つまり、ウエイト151がロータ40の回転方向と反対方向に回転する。
【0053】
(本実施形態のモータの効果)
以下に、本実施形態のモータ100の効果について記載する。
モータ100は、ステータ30と、ステータ30に回転可能に取り付けられたシャフト20と、シャフト20と連結され、ステータ30に対して回転可能に配置されたロータ40と、ウエイト151と、ロータ40によって発生した回転力によって、ウエイト151をロータ40の回転方向と逆の回転方向に回転させる逆回転機構200を有する。
【0054】
これによれば、逆回転機構200によって、ウエイト151がロータ40の回転方向と逆の回転方向に回転されるので、ロータ40の回転によるジャイロ効果が、ロータ40と逆回転するウエイトの回転によるジャイロ効果によって低減される。この結果、操縦者の意図しない模型飛行機500の挙動や、水平飛行中においての周期的な上下動が低減される。また、スタント競技中における、模型飛行機500の旋回開始時の旋回し難さ、模型飛行機500の8字飛行中の切り替えし時の旋回し難さが大幅に改善される。また、模型飛行機500を鋭く旋回させる場合(模型飛行機500の性能限界近くの急旋回を行う場合)、旋回時のヨーイング挙動が大幅に改善される。更に、模型飛行機500を鋭く旋回させた場合に、急旋回終了後に模型飛行機500が速やかに直線飛行に移行せず、ヨー方向、ピッチング方向、ローリング方向にふらつく挙動が大幅に改善される。
【0055】
また、ウエイト151は、ロータ40と同軸に配置されている。
【0056】
これによれば、ウエイト151がロータ40と同軸に配置されているので、ウエイト151がロータ40と同軸に配置されていないモータと比較して、ロータ40のジャイロ効果を適切に低減させることができる。
【0057】
また、ウエイト151は、円板形状であり、シャフト20に回転可能に取り付けられている。そして、逆回転機構200は、円板形状であり、ウエイト151と対向配置され、シャフト20に回転不能に取り付けられたプレート153と、ウエイト151とプレート153の間において、シャフト20に回転可能に取り付けられた中間部材154と、中間部材154に回転可能に取り付けられ、ウエイト151及びプレート153に係合する係合部材であるローラー155を有する。
【0058】
これによれば、ウエイト151を確実にロータ40と逆の回転方向に回転させることができる。このため、ロータ40のジャイロ効果を確実に低減させることができる。
【0059】
また、係合部材は、ウエイト151及びプレート153と接触するローラー155である。
【0060】
これによれば、ウエイト151を確実にロータ40と逆の回転方向に回転させることができる。また、係合部材がギヤである構成と比較して、係合部材であるローラー155がウエイト151及びプレート153に係合して回転する際の騒音を低減させることができる。
【0061】
また、逆回転機構200は、ウエイト151とプレート153とが近接するように、ウエイト151をプレート153側に付勢する付勢部材159を更に有する。
【0062】
これによれば、付勢部材159によって、ウエイト151とプレート153とが近接するように、ウエイト151がプレート153側に付勢されるので、ローラー155がウエイト151及びプレート153に押し付けられる。このため、ローラー155がウエイト151やプレート153と滑ることが抑制され、確実にウエイト151をロータ40の回転方向と逆方向に回転させることができる。
【0063】
また、中間部材154には、シャフト20と直交する方向に延出する回転阻止部材156が取り付けられている。
【0064】
これによれば、回転阻止部材156が、モータ100が取り付けられた胴体501に取り付けられた係合部509aと係合しているので、中間部材154の回転が阻止される。このため、ウエイト151をロータ40の回転方向と逆方向に確実に回転させることができる。
【0065】
また、回転阻止部材156の外面には、柔軟な材料で構成された衝撃吸収部材156bが取り付けられている。
【0066】
これによれば、衝撃吸収部材156bによって、ロータが回転し回転阻止部材が物体に当接している時の振動に起因する騒音を抑制することができる。
【0067】
また、プレート153の比重は、ウエイト151の比重よりも軽い。
【0068】
これによれば、ロータ40と同じ回転方向に回転するプレート153の回転モーメントを低減することができ、プレート153の回転によるジャイロ効果を低減することができる。このため、プレート153自体も軽量にできるだけでなく、ロータ40及びプレート153のジャイロ効果を打ち消すウエイト151の軽量化が可能となり、ひいては、モータ100の軽量化が可能となる。
【0069】
また、ウエイト151は、円板形状の円板部151aと、円板部151aの外縁部から突出したリング状のリング部151bとから構成されている。
【0070】
これによれば、リング部151bが、円板部151aの外縁部から突出して形成されているので、ウエイト151の慣性モーメントを円板のウエイトと比較して大きくすることができる。このため、ウエイト151を軽量にしても、同じ慣性モーメントを保つことができ、ウエイト151の軽量化が可能となり、ひいては、モータ100の軽量化が可能となる。
【0071】
ロータ40は、ステータ30の外周側に配置されている。
【0072】
これによれば、ロータ40がステータ30の外側に配置されているので、ロータがステータの内側に配置されているモータと比較して、より大きなトルクを発生させることができる。その一方で、ロータ40がステータ30の外側に配置されていることにより、ロータ40の慣性モーメントが大きくなり、ロータ40のジャイロ効果が大きくなるが、ウエイト151によってロータ40のジャイロ効果を低減することができる。
【0073】
(第2実施形態のモータ)
以下に、図5を用いて、第2実施形態のモータ600について、第1実施形態のモータ100と異なる点について、第2実施形態のモータ600について説明する。第2実施形態のモータ600について、第1実施形態のモータ100と同じ構造の部品は、同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0074】
第2実施形態のモータ600では、プレート153は、シャフト20が連通穴153aに挿通した状態で、複数のボルト167によって接続部材43に取り付けられている。第2実施形態のモータ600では、シャフト20が、接続部材43の後端面から、後方に大きく突出している。シャフト20の後端には、ネジ部20aが形成されている。第2実施形態では、ウエイト151の接触面151cは、ウエイト151の前面に形成されている。
【0075】
そして、一対のローラー155及び回転阻止部材156が取り付けられた中間部材154が、プレート153の後方に配置されている。中間部材154は、中間部材154に取り付けられた第2軸受163によって、シャフト20に回転可能に軸支されている。そして、ウエイト151は、中間部材154の後方に配置されている。ウエイト151は、ウエイト151に形成された軸受穴151a1に取り付けられた第1軸受162によって、シャフト20に回転可能且つシャフト20の軸線方向に移動可能に取り付けられている。
【0076】
シャフト20の後端に形成されたネジ部20aには、ストッパー部材165が取り付けられている。本実施形態では、ストッパー部材165は、2つのナットである。ストッパー部材165とウエイト151との間には、付勢部材166が取り付けられている。付勢部材166は、本実施形態では、シャフト20の後端部の外周側に配置されたコイルスプリングである。この付勢部材166によって、ウエイト151がプレート153側(前側)に付勢され、一対のローラー155がプレート153の後面及びウエイト151の前面に押し付けられている。
【0077】
このような構造によって、ロータ40が回転すると、プレート153がロータ40の回転方向と同じ方向に回転するが、一対のローラー155によって、ウエイト151がプレート153の回転方向と反対方向に回転する。つまり、ウエイト151がロータ40の回転方向と反対方向に回転する。
【0078】
(第3実施形態のモータ)
以下に、図6を用いて、第3実施形態のモータ700について、第2実施形態のモータ600と異なる点について説明する。第2実施形態のモータ700について、第2実施形態のモータ600と同じ構造の部品は、同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0079】
第3実施形態のモータ700では、中間部材154には、ローラー155の代わりに、ローラー170が取り付けられている。ローラー170は、第1ローラー171と第2ローラー172とから構成されている。第1ローラー171と第2ローラー172とは、幅方向に隣接して同軸に設けられている。第2ローラー172の直径は、第1ローラー171の直径よりも大きくなっている。本実施形態では、第2ローラー172の直径は、第1ローラー171の直径の2倍となっている。
【0080】
第1ローラー171は、ボールベアリング等の軸受で構成された円筒形状の第1回転部171aと、この第1回転部171aの外周面に取り付けられたゴムやシリコン等の柔軟な部材で構成されたリング状の第1摩擦部材171bとから構成されている。第2ローラー172は、その中心部にボールベアリング等の軸受を有する円板状の第2回転部172aと、この第2回転部172aの外周面に取り付けられたゴムやシリコン等の柔軟な部材で構成されたリング状の第2摩擦部材172bとから構成されている。第1回転部171aと第2回転部172aとは連結されているので、第1ローラー171と第2ローラー172とは一体に回転する。
【0081】
第1ローラー171は、プレート153の後面に接触している。第2ローラー172は、ウエイト151の後面の接触面151cと接触している。
【0082】
このような構造によって、ロータ40が回転すると、プレート153がロータ40の回転方向と同じ方向に回転するが、一対のローラー170によって、ウエイト151がプレート153の回転方向と反対方向に回転する。つまり、ウエイト151がロータ40の回転方向と反対方向に回転する。本実施形態では、第2ローラー172の直径は、第1ローラー171の直径よりも大きくなっているので、ウエイト151の回転速度は、プレート153の回転速度よりも速くなる。ウエイト151の回転速度は、概ね第2ローラー172の直径を第1ローラー171の直径で除した数に、プレート153の回転速度を乗算した回転速度となる。つまり、本実施形態では、ウエイト151の回転速度は、プレート153の回転速度の約2倍となる。
【0083】
このように、第3実施形態のモータ700では、上述したように、第2ローラー172の直径は、第1ローラー171の直径よりも大きいので、ウエイト151の回転速度は、プレート153の回転速度よりも速くなる。このため、ロータ40と逆回転するウエイト151の回転によるジャイロ効果がより大きくなり、ロータ40の回転によるジャイロ効果が、ロータ40と逆回転するウエイト151の回転によるジャイロ効果により、より一層低減される。
【0084】
(他の実施形態)
以上、現時点において、もっとも、実践的であり、かつ好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うモータ100、600もまた技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
【0085】
以上説明した実施形態では、付勢部材159は、ウエイト151をプレート153側に付勢している。付勢部材159が、プレート153をウエイト151側に付勢する実施形態であってもよい。或いは、付勢部材159が、ウエイト151及びプレート153の両方を、ウエイト151とプレート153とが近接するように付勢する実施形態であってもよい。
【0086】
以上説明した実施形態では、中間部材154に回転可能に取り付けられ、ウエイト151及びプレート153に係合する係合部材は、一対のローラー155である。前記係合部材が、ウエイト151及びプレート153に係合するギヤである実施形態であってもよい。この実施形態では、中間部材154に回転可能に取り付けられたギヤに係合するギヤ部がウエイト151及びプレート153に形成されている。
【0087】
以上説明した実施形態では、ウエイト151は、円板形状の円板部151aと、この円板部151aの外縁部から前方に突出したリング状のリング部151bとから構成されている。ウエイト151が、リング部151bを有さない、円板で構成されている実施形態であってもよい。
【0088】
以上説明した実施形態のモータ100、600では、ロータ40がステータ30の外周側に配置されているアウターロータ型のモータである。モータ100、600は、ロータ40がステータ30の内周側に配置されているインナーロータ型のモータであってもよい。
【0089】
以上説明した実施形態では、モータ100、600が搭載される模型飛行機500は、コントロールラインであるが、ラジオコントロール模型飛行機であってもよい。また、モータ100、600は、模型飛行機だけでなく、その他の物(例えば、模型船舶)に搭載されてもよい。
【符号の説明】
【0090】
30 ステータ
100 第1実施形態のモータ(モータ)
151 ウエイト
151a 円板部
151b リング部
153 プレート
154 中間部材
155 ローラー(係合部材)
156 回転阻止部材
156b 衝撃吸収部材
159 付勢部材
170 ローラー(係合部材)
171 第1ローラー
172 第2ローラー
200 逆回転機構
600 第2実施形態のモータ(モータ)
700 第3実施形態のモータ(モータ)
【要約】
【課題】ジャイロ効果を低減させることができるモータを提供する。
【解決手段】モータ100は、ステータ30と、ステータ30に回転可能に取り付けられたシャフト20と、シャフト20と連結され、ステータ30に対して回転可能に配置されたロータ40と、ウエイト151と、ロータ40によって発生した回転力によって、ウエイト151をロータ40の回転方向と逆の回転方向に回転させる逆回転機構200と、を有する。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5
図6