(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-24
(45)【発行日】2024-02-01
(54)【発明の名称】非ヒト動物への微生物の治療的投与用の生成物及び方法
(51)【国際特許分類】
A61K 35/741 20150101AFI20240125BHJP
A61K 35/742 20150101ALI20240125BHJP
A61K 9/14 20060101ALI20240125BHJP
A61K 9/16 20060101ALI20240125BHJP
A61K 9/48 20060101ALI20240125BHJP
A61K 9/20 20060101ALI20240125BHJP
C12N 1/20 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
A61K35/741
A61K35/742
A61K9/14
A61K9/16
A61K9/48
A61K9/20
C12N1/20 E
(21)【出願番号】P 2020515834
(86)(22)【出願日】2018-05-25
(86)【国際出願番号】 US2018034751
(87)【国際公開番号】W WO2018218211
(87)【国際公開日】2018-11-29
【審査請求日】2021-05-24
(32)【優先日】2017-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519420458
【氏名又は名称】アニマル マイクロバイオーム アナリティクス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ANIMAL MICROBIOME ANALYTICS, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ガンツ, ホーリー, エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】グッドマン, カリ, アール.
(72)【発明者】
【氏名】マーチン, アレクサンドラ
【審査官】柴原 直司
(56)【参考文献】
【文献】Veterinaria, (2017.02), 31, [1], p.1-12
【文献】腸内細菌学雑誌, (2015), 29, [4], p.177-185
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 35/00-35/768
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の
属、すなわち、サテレラ属、コリンセラ属、メガモナス属、プレボテラ属、フィーカリバクテリウム属、ブラウティア属、フソバクテリウム属、ドレア属、バクテロイデス属、ユーバクテリウム属、及びクロストリジウム属
を含む微生物
群
を含み、
非ヒト哺乳動物から得られた糞便物質を含み、
前記微生物
群が、フリーズドライされている、凍結乾燥されている、噴霧乾燥されている、又はその組み合わせである、経口投与用の固形組成物。
【請求項2】
前記微生物
群がフリーズドライされている、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
非ヒト動物において疾患又は状態を治療するためのものである、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
繊維を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
繊維が、1種若しくは複数のオリゴ糖、難消化性デンプン、ペクチン、1種若しくは複数のβグルカン、1種若しくは複数のキシロオリゴ糖、又はその組み合わせを含む、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
糞便物質が、1匹のみの個別の非ヒト哺乳動物から得られる、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
糞便物質が、ネコの糞便物質である、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
糞便物質が、イヌの糞便物質である、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物の微生物
群が、非ヒト哺乳動物の糞便の微生物叢を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記組成物の微生物群が、1種若しくは複数の培養された微生物の分類群及び/又は菌株を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記組成物の微生物群が、1種若しくは複数の単離された微生物の分類群及び/又は菌株を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
前記組成物の1若しくは複数の微生物が、前記組成物に残存する微生物より高速度で増殖するように、前記組成物の1若しくは複数の微生物に特に適した、食物又は基質を
さらに含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
前記組成物の1種若しくは複数の微生物
が発酵由来である、請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
前記組成物の微生物
群が、非ヒト哺乳動物の糞便の微生物叢、及び1種又は複数の微生物の分類群の組み合わせであり、
前記
1種又は複数の微生物の分類群が、培養される、単離される、
前記組成物の1若しくは複数の微生物の分類群が前記組成物に残存する微生物より高速度で増殖するように、前記組成物の1若しくは複数の微生物の分類群に特に適した食物又は基質で増強される、発酵
由来である、又はその組み合わせである、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
添加剤を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
散剤、粒子、顆粒剤、ハードシェルカプセル、錠剤、又はその組み合わせの形態である、請求項1~15のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項17】
カプセル及び/又は錠剤であり、各カプセル又は錠剤が、約10
3CFU/ml~約10
11CFU/mlまでを含む、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
微生物を含むカプセル、錠剤、丸剤、散剤及び顆粒剤のうちの少なくとも1つを含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項19】
1種又は複数の添加剤をさらに含み、前記1種又は複数の添加剤のうちの少なくとも1種が、グリコール、グリセロール、植物性グリセロール、ジメチルスルホキシド、1,3-プロパンジオール、エタノール、ポリビニルアルコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンオキシド、マンニトール、D-マンニトール、D-ソルビトール、ソルビトール、ダルシトール、キシリトール、グルコース、D-グルコース、キシロース、スクロース、乳糖、マルトース、トレハロース、ラフィノース、デキストラン、マンナン、デキストリン、アラビアゴム(アカシア)、アセトアミド、メチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチル-アセトアミド、スクシンイミド、メチルピロリドン、ポリビニルピロリドン、プロリン、グリシン、グルタミン酸、アミノ酪酸、グルタル酸、酢酸アンモニウム、システイン、EDTA、血清、ウシ胎児血清、アルブミン、ウシ血清アルブミン(BSA)、ゼラチン、カゼイン加水分解物、デンプン加水分解物、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ペプトン、殻抽出物、糖タンパク質、ムチン、バリノマイシン、グラミシジン、酵母抽出物、マルツエキス、脱脂乳、酪農牛乳、豆乳、魚油、ハチミツ、ポリソルベート80、ポリソルベート20、ポリソルベート60、ポリエチレングリコールp-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-フェニルエーテル、マクロシクロン、グリシンベタイン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項18に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、疾患又は状態の治療上の処置のための微生物、例えば、微生物叢等の組成物を含めた、非ヒト動物への微生物の治療的投与、並びにかかる治療上の処置のための投与用の生成物及び方法を対象とする。
【背景技術】
【0002】
〔現況技術の説明〕
ヒト及び他の哺乳動物を含めた、多くの動物の消化管には、微生物、例えば、消化を助け、動物の全般的な健康を支援することのできる細菌が含まれる。微生物のタイプ及び微生物のタイプの存在量の多様性を含めた、消化管中の微生物のコミュニティーである微生物叢の多様性は、健康及びウエルネスに影響を与え得る。例えば、抗生物質は、消化管中の細菌の多くの種を全滅させるおそれがあり、1種若しくは複数の耐性種によって、微生物叢が支配される。場合によっては、抗生物質による治療によって、下痢、筋痙攣、脱水症、出血、さらに、腎不全を引き起こすおそれがあるクロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)(C.ディフィシル又はC.diff.)を爆発的に増殖させる。これらの生物が、抗生物質に耐性するため、これらの増殖を減らし、正常な微生物叢を再建するために、他の治療方法が必要である。
【0003】
最近では、糞便移植は、C.diff.感染を治療するためにヒトにおいて用いられている。この概念は、健常者の消化管のすべての微生物を、C.diff.の菌数過剰(overpopulation)に罹患している人間の消化管に再定着させることである。治療では、しばしば、食塩水をベースにした懸濁液又はドナーの糞便のスラリを調製する及び浣腸又は大腸内視鏡/内視鏡を介してスラリ/懸濁液を投与する。「用量」はしばしば、ヒトの糞便の約45g~75gである。かかる治療の方法は、移植材料の原料、貯蔵、輸送、及び送達が、ロジスティックに困難であり、経験が、侵襲的であり、しばしば、(例えば、臭気のため)医療専門家及び患者には不快であるため、問題である。
【0004】
他の送達手段、例えば、経鼻胃管を通した糞便溶液の送達及び/又は直腸投与用の坐剤又はゲル中の糞便の配合物の送達等が、示唆されている。経口組成物、例えば、カプセル、錠剤、ゲル、懸濁液、ゲル錠剤(gel-tab)及びその他のものが、凍結された、フリーズドライされた、又は凍結乾燥された糞便組成物について示唆されている。いくつかの場合では、水性懸濁液、ゲル、半固形及び/又は固形で充てんしたカプセルが示唆されている。これらのカプセル配合物のうちの少なくとも1種の臨床投与が報告されている(国際公開第2016/178775号を参照のこと)。
【0005】
報告された又は潜在的な糞便移植中に何が存在するのかについては、比較的わずかなことしか知られていない。存在する微生物叢のファミリーの同定及びこれらの分類学的多様性のいくつかの特徴付けがある。前もって凍結された糞便サンプルを嫌気培養して、これらの微生物叢の生存率を評価することによるいくつかの評価がある。しかしながら、潜在的な移植のための糞便は、質問票及び血液/血漿サンプリングによってドナーの集団検診並びに潜在的に、公知の病原体についての糞便の検査により一般的には同定される。移入した微生物叢の特徴、又はこの特徴がどのように治療効果と関連するのかの知識は非常に限定されている。
【0006】
細菌の多くが、培養物として公知でない又は利用可能でないため、胃腸管系に普通に存在する細菌による治療の開発及び試験は、難易度が高い。錠剤、カプセル等として経口投与することができる、及び/又は食物に加えることができるプロバイオティクスは、培養することができる及び処理することができる数種の微生物のうちの例である。プロバイオティクスは、胃腸管系の不調を治療するためだけでなく、消化に関わる健康(digestive health)を促進する及び/又は維持するために投与される。しかしながら、糞便中に存在する有益な細菌の多く、例えば、オシロスピラ(Oscillospira)は、まだ培養されていない。
【0007】
非ヒト動物、特に、一般家畜は、消化性障害を含めて、ヒトにおいて見出される多くの疾患及び状態に罹っていることが公知である。糞便移植術を用いたヒトの治療の方法が、全動物に広範に適用可能であることが示唆されているが、非ヒト動物は、ヒトに比べて、異なる微生物叢及び/又は疾患若しくは状態の治療への異なる応答を有し得る。ヒトにおいて用いられる治療を投与する方法は、非ヒト動物に対して可能でないこともあり、効率的でないこともある。さらに、非ヒト動物において、糞便、又は特定の微生物叢を用いた、特定の組成物の潜在的な治療的使用に関するデータが限定される。
【0008】
〔発明の概要〕
本発明の実施形態は、ある種の非ヒト動物におけるある種の状態について潜在的な若しくは実証された治療効果を有する微生物叢の同定及び特徴付けを包含する。いくつかの実施形態では、微生物叢の同定及び特徴付けは、潜在的なドナーの微生物叢を同定する及び特徴付ける、潜在的なドナーを特徴付ける、及び複数の個体から得られたかかるデータの分析に基づいた潜在的に治療的な微生物叢を同定することを含むことができる。いくつかの実施形態では、微生物叢の同定及び特徴付けは、試験すること、すなわち、潜在的なドナーの微生物叢を、疾患又は状態に罹患している動物に投与し、任意の治療応答を記録し、及び治療前及び治療後にレシピエントの微生物叢を任意選択で同定する及び特徴付け、並びに実証された治療的な微生物叢を任意選択で同定することを含むことができる。
【0009】
いくつかの実施形態では、治療的な微生物叢は、潜在的なドナーの微生物叢の同定及び特徴付け、潜在的なドナーの特徴、及び微生物叢の投与に対する、患者を含めた、レシピエントの記録された治療応答に基づいて同定される。
【0010】
本発明の実施形態は、非ヒト動物のいくつかの種、群又は分類群において、ある種の疾患又は状態について治療効果を有する微生物叢の同定及び特徴付けを包含する。状態には、それだけには限らないが、急性及び慢性状態を含めた、消化性、炎症性、及び他の状態が含まれる。限定しない例には、大腸炎、便秘、急性若しくは慢性下痢、胃炎、胃腸炎、出血性胃腸炎、炎症性腸疾患、過敏性腸疾患、過敏性若しくは炎症性腸症候群、膵炎、小腸吸収不良、嘔吐及び逆流症、アトピー性皮膚炎、肥満、及び糖尿病が含まれる。状態は、寄生虫、例えば、ウシ胎仔トリコモナス(Tritrichomonas foetus)等、感染性細菌、例えば、カンピロバクター(Campylobacter)及びクロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)、及びウイルス、例えば、パルボウイルスを含めた、様々な因子により引き起こされ得る。非ヒト動物の種、群又は分類群には、それだけには限らないが、愛玩動物、例えば、様々な品種のネコ、様々な品種のイヌ、ウサギ、及びフェレット、並びに家畜動物、例えば、ブタ、雌ウシ、ウマ、ヒツジ、及びヤギが含まれる。さらに、これらの療法は、捕獲野生生物、例えば、それだけには限らないが、チーターに有益であり得る。
【0011】
本発明の実施形態は、組成物、組成物を生成する及び組成物を投与する方法を包含し、組成物には、それだけには限らないが、次の分類群、すなわち、ルミノコッカス(Ruminoccoccus)、クロストリジウム科(Clostridiaceae)ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、ブラウティア(Blautia)でなく且つドレア(Dorea)でないラクノスピラ科(Lachnospiraceae)ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、ブラウティア、フソバクテリウム(Fusobacterium)、ドレア、クロストリジウム目(Clostridiales)のうちの少なくとも1メンバー、バクテロイデス属(Bacteroides)、サテレラ(Sutterella)、ユーバクテリウム属(Eubacterium)、コリンセラ属(Collinsella)、メガモナス属(Megamonas)、ルミノコッカス科(Ruminococcaceae)ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、クロストリジウム属(Clostridium)、プレボテラ属(Prevotella)、クロストリジウム科ファミリーの少なくとも別のメンバー、ブラウティアでなく且つドレアでないラクノスピラ科ファミリーの少なくとも別のメンバー、並びにフィーカリバクテリウム属(Faecalibacterium)のうちの少なくとも1種の微生物が含まれる。
【0012】
本発明の実施形態は、経口投与用の組成物を含めた、かかる微生物の投与用の生成物を包含する。本発明の実施形態は、投薬及び治療の時間経過を含めた治療レジメン(treatment regimes)を包含する。本発明の実施形態は、組成物、組成物を生成する及び組成物を投与する方法を包含し、組成物には、次の分類群、すなわち、ブラウティア、クロストリジウム目のメンバー、ルミノコッカス科のメンバー、ユーバクテリウム属、フィーカリバクテリウム属、オシロスピラ、ファスコラークトバクテリウム(Phascolarctobacterium)、モギバクテリア科(Mogibacteriaceae)のメンバー、サクシニビブリオ科(Succinivibrionaceae)のメンバー、コプロコッカス属(Coprococcus)、ローズブリア属(Roseburia)、及びカテニバクテリウム属(Catenibacterium)が含まれる。これらの組成物についてのいくつかの実施形態では、上記に記載した12種の分類群は、最も豊富な12種の分類群である。
【0013】
本発明の実施形態は、組成物、組成物を生成する及び組成物を投与する方法を包含し、組成物は、ネコの患者(又は対象)への投与を目的とし、組成物には、それだけには限らないが、次の分類群、すなわち、ドレア、ルミノコッカス、バクテロイデス属、ブラウティアでなく且つドレアでないラクノスピラ科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、コリンセラ属、ブラウティア、クロストリジウム目の少なくとも1メンバー、ルミノコッカス科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、クロストリジウム属、クロストリジウム科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、サテレラ、プレボテラ属、ユーバクテリウム属、オシロスピラ、クロストリジウム科ファミリーの少なくとも別のメンバー、ブラウティアでなく且つドレアでないラクノスピラ科ファミリーの少なくとも別のメンバー、ルミノコッカス属(Ruminococcus)、コプロコッカス属、パラバクテロイデス属(Parabacteroides)、フソバクテリウム、フィーカリバクテリウム属、メガモナス属のうちの少なくとも1種の微生物が含まれる。
【0014】
本発明の実施形態は、組成物、組成物を生成する及び組成物を投与する方法を包含し、組成物は、ネコの患者(又は対象)への投与を目的とし、組成物には、それだけには限らないが、次の分類群、すなわち、ドレア、バクテロイデス属、ブラウティアでなく且つドレアでないラクノスピラ科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、コリンセラ属、ブラウティア、クロストリジウム目の少なくとも1メンバー、ルミノコッカス科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、クロストリジウム属、クロストリジウム科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、サテレラのうちの少なくとも1種の微生物が含まれる。
【0015】
本発明の実施形態は、組成物、組成物を生成する及び組成物を投与する方法を包含し、組成物は、ネコの患者(又は対象)への投与を目的とし、組成物には、それだけには限らないが、次の分類群、すなわち、クロストリジウム目の少なくとも1メンバー、ルミノコッカス科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、クロストリジウム属、クロストリジウム科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、サテレラのうちの少なくとも1種の微生物が含まれる。
【0016】
本発明の実施形態は、組成物、組成物を生成する及び組成物を投与する方法を包含し、組成物は、ネコの患者(又は対象)への投与を目的とし、組成物には、それだけには限らないが、次の分類群、すなわち、クロストリジウム目の少なくとも1メンバー、ルミノコッカス科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、クロストリジウム属、クロストリジウム科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、サテレラ、ユーバクテリウム属、オシロスピラ、ルミノコッカス属、コプロコッカス属、パラバクテロイデス属、フソバクテリウム、フィーカリバクテリウム属、及びメガモナス属のうちの少なくとも1種の微生物が含まれる。
【0017】
本発明の実施形態は、組成物、組成物を生成する及び組成物を投与する方法を包含し、組成物は、ネコの患者(又は対象)への投与を目的とし、組成物には、それだけには限らないが、微生物が含まれ、投与によって、患者の微生物叢の次の微生物、すなわち、ブラウティア、オシロスピラ、ルミノコッカス属、ラクノスピラ科g1(Lachnospiraceae g1)、クロストリジウム目f1(Clostridiales f1)のうちの少なくとも1種の有意な変化がもたらされる。
【0018】
本発明の実施形態は、組成物、組成物を生成する及び組成物を投与する方法を包含し、組成物は、イヌの患者(又は対象)への投与を目的とし、組成物には、それだけには限らないが、次の分類群、すなわち、ルミノコッカス、クロストリジウム科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、ブラウティアでなく且つドレアでないラクノスピラ科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、ブラウティア、フソバクテリウム、ドレア、クロストリジウム目の少なくとも1メンバー、バクテロイデス属、サテレラ、ユーバクテリウム属、コリンセラ属、エリシペロトリクス科(Erysipelotrichaceae)ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、メガモナス属、ルミノコッカス科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、クロストリジウム属、プレボテラ属、クロストリジウム科ファミリーの少なくとも別のメンバー、ブラウティアでなく且つドレアでないラクノスピラ科ファミリーの少なくとも別のメンバー、フィーカリバクテリウム属のうちの少なくとも1種の微生物が含まれる。本発明の実施形態は、組成物、組成物を生成する及び組成物を投与する方法を包含し、組成物は、イヌの患者(又は対象)への投与を目的とし、組成物は、それだけには限らないが、次の分類群、すなわち、ルミノコッカス、クロストリジウム科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、ブラウティアでなく且つドレアでないラクノスピラ科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、ブラウティア、ドレア、クロストリジウム目の少なくとも1メンバー、サテレラ、ユーバクテリウム属、コリンセラ属、エリシペロトリクス科ファミリーのうちの少なくとも1メンバーのうちの少なくとも1種の微生物が含まれる。
【0019】
本発明の実施形態は、組成物、組成物を生成する及び組成物を投与する方法を包含し、組成物は、イヌの患者(又は対象)への投与を目的とし、組成物には、それだけには限らないが、次の分類群、すなわち、ドレア、クロストリジウム目の少なくとも1メンバー、サテレラ、ユーバクテリウム属、コリンセラ属、エリシペロトリクス科ファミリーのうちの少なくとも1メンバーのうちの少なくとも1種の微生物が含まれる。
【0020】
本発明の実施形態は、組成物、組成物を生成する及び組成物を投与する方法を包含し、組成物は、イヌの患者(又は対象)への投与を目的とし、組成物には、それだけには限らないが、次の分類群、すなわち、ドレア、クロストリジウム目の少なくとも1メンバー、サテレラ、ユーバクテリウム属、コリンセラ属、エリシペロトリクス科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、メガモナス属、ルミノコッカス科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、クロストリジウム属、クロストリジウム科ファミリーの少なくとも別のメンバー、ブラウティアでなく且つドレアでないラクノスピラ科ファミリーの少なくとも別のメンバー、フィーカリバクテリウム属のうちの少なくとも1種の微生物が含まれる。
【0021】
本発明の実施形態は、組成物、組成物を生成する及び組成物を投与する方法を包含し、組成物は、イヌの患者(又は対象)への投与を目的とし、組成物には、それだけには限らないが、微生物を含み、投与によって、患者の微生物叢の次の微生物、すなわち、バクテロイデス属、エンテロコッカス属(Enterococcus)、ストレプトコッカス属(Streptococcus)、ルミノコッカス属、ブラウティア、ドレア、プレボテラ属、クロストリジウム科g1、ラクノスピラ科g1、コプロコッカス属、オシロスピラ、ユーバクテリウム属、クロストリジウム目f1のうちの少なくとも1種の有意な変化がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の模範的な一実施形態についてのフローチャートを示す図である。
【
図2】本発明の別の模範的な実施形態についてのフローチャートを示す図である。
【
図3】本発明の別の模範的な実施形態についてのフローチャートを示す図である。
【
図4】本発明の一実施形態の制限された評価において、治療前及び治療後に、健常な動物対治療動物における細菌の割合を示す図である。
【
図5】本発明の一実施形態における最も豊富な分類群の同定を示す図である。
【
図6】本発明の一実施形態におけるネコの試験参加者の年齢に応じて、やや成功した若しくは成功した症例を不成功に終わった症例と比較している棒グラフである。
【
図7】本発明の一実施形態におけるネコの試験参加者の身体状態に応じて、やや成功した若しくは成功した症例を不成功に終わった症例と比較している棒グラフである。
【
図8】本発明の一実施形態における経口FMTカプセルのフルコースを投与されている飼い犬において、治療前及び治療後に相対的存在量が有意に異なった(P<0.05)微生物の分類群を示す図である。
【
図9】本発明の一実施形態における経口FMTカプセルのフルコースを投与している飼い猫において、治療前及び治療後に相対的存在量が有意に異なった(P<0.05)微生物の分類群を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
〔発明の詳細な説明〕
本特許は、微生物(例えば、それだけには限らないが、ある特定の微生物叢において存在するもの)を含めた組成物、並びに例えば,疾患若しくは状態を治療するために及び/又は健康を維持するために、微生物(例えば、それだけには限らないが、ある特定の微生物叢において存在するもの)の非ヒト動物への治療的投与のための生成物及び方法を記載している。
【0024】
本発明の実施形態は、ある種の非ヒト動物におけるある種の状態について潜在的な若しくは実証された治療効果を有する微生物叢の同定及び特徴付けを包含する。いくつかの実施形態では、微生物叢の同定及び特徴付けは、潜在的なドナーの微生物叢を同定する及び特徴付ける、潜在的なドナーを特徴付ける、及び複数の個体から得られたかかるデータの分析に基づいた潜在的に治療的な微生物叢を同定することを含むことができる。いくつかの実施形態では、微生物叢の同定及び特徴付けは、試験すること、すなわち、潜在的なドナーの微生物叢を、疾患又は状態に罹患している動物に投与し、任意の治療応答を記録し、及び治療前及び治療後にレシピエントの微生物叢を任意選択で同定する及び特徴付け、並びに実証された治療的な微生物叢を任意選択で同定することを含むことができる。
【0025】
いくつかの実施形態では、治療的な微生物叢は、潜在的なドナーの微生物叢の同定及び特徴付け、潜在的なドナーの特徴、及び微生物叢の投与への患者を含めたレシピエントの記録された治療応答に基づいて同定される。
【0026】
本発明の実施形態は、非ヒト動物のいくつかの種、群又は分類群において、ある種の疾患又は状態について治療効果を有する微生物叢の同定及び特徴付けを包含する。状態には、それだけには限らないが、急性及び慢性状態を含めた、消化性、炎症性、及び他の状態が含まれる。限定しない例には、大腸炎、便秘、急性若しくは慢性下痢、胃炎、胃腸炎、炎症性腸疾患、過敏性腸疾患、過敏性腸症候群、膵炎、小腸吸収不良、嘔吐及び逆流症、アトピー性皮膚炎、肥満、並びに糖尿病が含まれる。非ヒト動物の種、群又は分類群には、それだけには限らないが、愛玩動物、例えば、様々な品種のネコ、様々な品種のイヌ、ウサギ、及びフェレット、並びに家畜動物、例えば、ブタ、雌ウシ、ウマ、ヒツジ、及びヤギが含まれる。更に、これらの療法は、捕獲野生生物、例えば、それだけには限らないが、チーターに有益であり得る。
【0027】
本発明の実施形態は、経口投与用の組成物を含めた、かかる微生物の投与用の生成物を包含する。本発明の実施形態は、投薬及び治療の時間経過を含めた治療レジメンを包含する。
【0028】
本発明の実施形態は、組成物、組成物を生成する及び組成物を投与する方法を包含し、組成物には、それだけには限らないが、次の分類群、すなわち、ブラウティア、クロストリジウム目のメンバー、ルミノコッカス科のメンバー、ユーバクテリウム属、フィーカリバクテリウム属、オシロスピラ、ファスコラークトバクテリウム、モギバクテリア科のメンバー、サクシニビブリオ科のメンバー、コプロコッカス属、ローズブリア属、及びカテニバクテリウム属のうちの少なくとも1種の微生物が含まれる。
【0029】
本発明の実施形態は、経口投与用の組成物を含めた、かかる微生物の投与用の生成物を包含する。本発明の実施形態は、投薬及び治療の時間経過を含めた治療レジメンを包含する。本発明の実施形態は、組成物、組成物を生成する及び組成物を投与する方法を包含し、組成物には、次の分類群、すなわち、ブラウティア、クロストリジウム目のメンバー、ルミノコッカス科のメンバー、ユーバクテリウム属、フィーカリバクテリウム属、オシロスピラ、ファスコラークトバクテリウム、モギバクテリア科のメンバー、サクシニビブリオ科のメンバー、コプロコッカス属、ローズブリア属、及びカテニバクテリウム属の微生物が含まれる。これらの組成物についてのいくつかの実施形態では、上記に記載した12種の分類群は、最も豊富な12種の分類群である。
【0030】
本発明の実施形態は、組成物、組成物を生成する及び組成物を投与する方法を包含し、組成物は、ネコの患者(又は対象)への投与を目的とし、組成物には、それだけには限らないが、次の分類群、すなわち、ドレア、ルミノコッカス、バクテロイデス属、ブラウティアでなく且つドレアでないラクノスピラ科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、コリンセラ属、ブラウティア、クロストリジウム目の少なくとも1メンバー、ルミノコッカス科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、クロストリジウム属、クロストリジウム科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、サテレラ、プレボテラ属、ユーバクテリウム属、オシロスピラ、クロストリジウム科ファミリーの少なくとも別のメンバー、ブラウティアでなく且つドレアでないラクノスピラ科ファミリーの少なくとも別のメンバー、ルミノコッカス属、コプロコッカス属、パラバクテロイデス属、フソバクテリウム、フィーカリバクテリウム属、メガモナス属のうちの少なくとも1種の微生物が含まれる。
【0031】
本発明の実施形態は、組成物、組成物を生成する及び組成物を投与する方法を包含し、組成物は、ネコの患者(又は対象)への投与を目的とし、組成物には、それだけには限らないが、次の分類群、すなわち、ドレア、バクテロイデス属、ブラウティアでなく且つドレアでないラクノスピラ科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、コリンセラ属、ブラウティア、クロストリジウム目の少なくとも1メンバー、ルミノコッカス科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、クロストリジウム属、クロストリジウム科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、サテレラのうちの少なくとも1種の微生物が含まれる。
【0032】
本発明の実施形態は、組成物、組成物を生成する及び組成物を投与する方法を包含し、組成物は、ネコの患者(又は対象)への投与を目的とし、組成物には、それだけには限らないが、次の分類群、すなわち、クロストリジウム目の少なくとも1メンバー、ルミノコッカス科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、クロストリジウム属、クロストリジウム科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、サテレラのうちの少なくとも1種の微生物が含まれる。
【0033】
本発明の実施形態は、組成物、組成物を生成する及び組成物を投与する方法を包含し、組成物は、ネコの患者(又は対象)への投与を目的とし、組成物には、それだけには限らないが、次の分類群、すなわち、クロストリジウム目の少なくとも1メンバー、ルミノコッカス科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、クロストリジウム属、クロストリジウム科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、サテレラ、ユーバクテリウム属、オシロスピラ、ルミノコッカス属、コプロコッカス属、パラバクテロイデス属、フソバクテリウム、フィーカリバクテリウム属、及びメガモナス属のうちの少なくとも1種の微生物が含まれる。本発明の実施形態は、組成物、組成物を生成する及び組成物を投与する方法を包含し、組成物は、ネコの患者(又は対象)への投与を目的とし、組成物には、それだけには限らないが、微生物が含まれ、投与によって、患者の微生物叢の次の微生物、すなわち、ブラウティア、オシロスピラ、ルミノコッカス属、ラクノスピラ科g1(Lachnospiraceae g1)、クロストリジウム目f1(Clostridiales f1)のうちの少なくとも1種の有意な変化がもたらされる。本発明の実施形態は、組成物、組成物を生成する及び組成物を投与する方法を包含し、組成物は、イヌの患者(又は対象)への投与を目的とし、組成物には、それだけには限らないが、次の分類群、すなわち、ルミノコッカス、クロストリジウム科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、ブラウティアでなく且つドレアでないラクノスピラ科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、ブラウティア、フソバクテリウム、ドレア、クロストリジウム目の少なくとも1メンバー、バクテロイデス属、サテレラ、ユーバクテリウム属、コリンセラ属、エリシペロトリクス科(Erysipelotrichaceae)ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、メガモナス属、ルミノコッカス科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、クロストリジウム属、プレボテラ属、クロストリジウム科ファミリーの少なくとも別のメンバー、ブラウティアでなく且つドレアでないラクノスピラ科ファミリーの少なくとも別のメンバー、フィーカリバクテリウム属のうちの少なくとも1種の微生物が含まれる。
【0034】
本発明の実施形態は、組成物、組成物を生成する及び組成物を投与する方法を包含し、組成物は、イヌの患者(又は対象)への投与を目的とし、組成物には、それだけには限らないが、次の分類群、すなわち、ルミノコッカス、クロストリジウム科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、ブラウティアでなく且つドレアでないラクノスピラ科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、ブラウティア、ドレア、クロストリジウム目の少なくとも1メンバー、サテレラ、ユーバクテリウム属、コリンセラ属、エリシペロトリクス科ファミリーのうちの少なくとも1メンバーのうちの少なくとも1種の微生物が含まれる。
【0035】
本発明の実施形態は、組成物、組成物を生成する及び組成物を投与する方法を包含し、組成物は、イヌの患者(又は対象)への投与を目的とし、組成物には、それだけには限らないが、次の分類群、すなわち、ドレア、クロストリジウム目の少なくとも1メンバー、サテレラ、ユーバクテリウム属、コリンセラ属、エリシペロトリクス科ファミリーのうちの少なくとも1メンバーのうちの少なくとも1種の微生物が含まれる。
【0036】
本発明の実施形態は、組成物、組成物を生成する及び組成物を投与する方法を包含し、組成物は、イヌの患者(又は対象)への投与を目的とし、組成物には、それだけには限らないが、次の分類群、すなわち、ドレア、クロストリジウム目の少なくとも1メンバー、サテレラ、ユーバクテリウム属、コリンセラ属、エリシペロトリクス科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、メガモナス属、ルミノコッカス科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、クロストリジウム属、クロストリジウム科ファミリーの少なくとも別のメンバー、ブラウティアでなく且つドレアでないラクノスピラ科ファミリーの少なくとも別のメンバー、フィーカリバクテリウム属のうちの少なくとも1種の微生物が含まれる。
【0037】
本発明の実施形態は、組成物、組成物を生成する及び組成物を投与する方法を包含し、組成物は、イヌの患者(又は対象)への投与を目的とし、組成物には、それだけには限らないが、微生物を含み、投与によって、患者の微生物叢の次の微生物、すなわち、バクテロイデス属、エンテロコッカス属(Enterococcus)、ストレプトコッカス属(Streptococcus)、ルミノコッカス属、ブラウティア、ドレア、プレボテラ属、クロストリジウム科g1、ラクノスピラ科g1、コプロコッカス属、オシロスピラ、ユーバクテリウム属、クロストリジウム目f1のうちの少なくとも1種の有意な変化がもたらされる。
【0038】
定義
語句「本明細書で使用される場合」は、本明細書、要約、図面(図)、及び特許請求の範囲のすべてを包含する。
【0039】
本明細書で使用される場合、本明細書中の単数形の使用には、複数形が含まれ、別段明確に示されない限り、又はこのようなことが意図されていないと文脈から明らかでない限り、逆の場合もまた同様である。すなわち、「a」及び「the」は、どんな単語が修飾されてもそのうちの1つ又は複数を意味する。例えば、「ドナー」は、1名のドナー、2名のドナー等を意味し得る。同様に、「生成物」は、1種、2種又はそれ以上の生成物を意味し得る。同様に、それだけには限らないが、「生成物」等の単語は、それが明確に示されない限り、又はこのようなことが意図されていないと文脈から明らかでない限り、1種の生成物並びに複数の生成物を意味する。
【0040】
本明細書で使用される場合、別段特に定義されない限り、近似の任意の単語、例えば、それだけには限らないが、「約」、「本質的に」、「ほぼ」等は、そのように修飾された要素が、記載されるものが正確である必要がなく、記述が変わり得ることを意味する。記載が変わり得る程度は、いかに大きな変化が、起こり、修飾されない単語又は語句の特性、特徴及び能力を依然として有する修飾されたバージョンを当業者に認識させることができるかに依存する。先行する考察を念頭に置いて、近似の単語によって修飾される本明細書中の数値は、いくつかの実施形態では±15%までの、いくつかの実施形態では±10%までの、いくつかの実施形態では±5%までの示された値で変わり得る、又はいくつかの実施形態では、95%信頼区間内であり得る。
【0041】
本明細書で使用される場合、物理的値又は測定値を表すすべての数は、値の測定において標準偏差に準拠する。
【0042】
本明細書で使用される場合、示される任意の範囲は、エンドポイントを含む。例えば、「10℃~30℃の間の温度」又は「10℃~30℃までの温度」には、10℃及び30℃、並びに中間の任意の温度が含まれる。さらに、本開示全体にわたって、本発明の様々な態様は、範囲の形式で示すことができる。範囲の形式における説明は、単に、便利さ及び簡潔さのためであり、本発明の範囲に関して不動の限定として解釈すべきではない。したがって、範囲の記述は、すべてのあり得る部分範囲並びにその範囲内の個別の数値を詳細に開示していることを考慮するべきである。一例として、1~6まで等のある範囲の記述は、部分範囲、例えば、1~3まで、1~4まで、1~5まで、2~4まで、2~6まで、3~6まで等並びにその範囲内の個別の数、例えば、1、2、3、4、5、及び6を詳細に開示していることを考慮するべきである。明示的に示されない限り、又は整数に明らかに限定された文脈から、1~6まで等のある範囲の記述は、非整数の個別の値及び非整数値(複数可)で始まる範囲、非整数値(複数可)で終わる範囲又は非整数値(複数可)で始まり非整数値(複数可)で終わる範囲である、部分範囲1.5~5.5まで等、及び個別の値、例えば、3.25等を詳細に開示していることを考慮するべきである。これは、範囲の幅に限らず適用される。
【0043】
本明細書で使用される場合、範囲は、「約」1つの特定の値から及び/又は「約」別の特定の値までとして表すことができる。そのような範囲が表される場合、他の実施形態は含まれ、その実施形態は、一方のある特定の値から及び/又は他の特定の値までである。同様に、値が、先行する「約」の使用により近似値として表される場合、特定の値は、他の実施形態を形成することが理解される。限定しない例として、「約1~約4まで」が開示される場合、他の実施形態は、明示的に開示されない場合でも、「1~4まで」である。同様に、開示された一実施形態が、「約30℃」の温度である場合、その場合、明示的に開示されない場合でも、他の実施形態は、「30℃」である。同様に、ある特定の値若しくはある特定の範囲として示される数又は範囲はまた、その範囲の数字又は終わりが、「約」から始まる他の実施形態をも包含する。限定しない例として、「30℃の温度」が明示的に開示される場合、その場合、明示的に開示されない場合でも、他の実施形態は、「約30℃の温度」である。類似の方法では、「1~4まで」が開示される場合、明示的に開示されない場合でも、他の実施形態は、「約1~約4」である。
【0044】
本明細書で使用される場合、本発明の一態様を修飾する「好ましい」、「好ましくは」又は「より好ましい」等の使用は、これらが、特許出願の受理の時点で存在した優先度を意味する。
【0045】
本明細書で使用される場合、「任意選択の」とは、その用語によって修飾された要素が存在しても存在しなくてもよいということを意味する。
【0046】
本明細書で使用される場合、「a」又は「任意の」から始まり、続いて、リストが接続詞「及び」(並びにこれらの明白な変化形)により結合された語句「の組み合わせ」とは、その群の2つ以上のメンバーの任意の組み合わせを意味し、その群メンバーは、接続詞「及び」により結合されたリストのメンバーである。限定しない例として、「A、B、C、及びDの任意の組み合わせ」は、次の組み合わせ、すなわち、A及びB;A及びC;A及びD;B及びC;B及びD;C及びD;A、B、及びC;A、B、及びD;A、C、及びD;B、C、及びD;A、B、C、及びDを包含する。同様に、「それらの組み合わせ」(又は明白な変化形、例えば、「それらのすべての組み合わせ」等)で終わる又はそれらを含むリストの場合、上記の定義をやはり適用する。限定しない例として、語句「Xは、A、B、C、D、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される」とは、XがAである、XがBである、XがCである、XがDである、又はXは、「A、B、C、及びDの任意の組み合わせ」であることを意味し、「任意のその組み合わせ」の上記の定義を適用する。同様に、語句「Xは、A、B、C、D、又はその組み合わせである」等は、XがAである、XがBである、XがCである、XがDである、又はXが、「A、B、C、及びDの組み合わせ」であることを意味し、「その組み合わせ」の上記の定義を適用する。
【0047】
本明細書で使用される場合、語句「及び/又は」とは、組み合わせ又は個別のメンバーを意味する。限定しない例として、「Xが、A、B、及び/又はCである」は、次の可能性、すなわち、XがAである;XがBである;XがCである;Xが、A、B、及びCの任意の組み合わせ(A及びB;A及びC;B及びC;A、B、及びC)であることを包含する。
【0048】
本明細書で使用される場合、語句「…次のA、B、Cのうちの少なくとも1つ」、「…次のA、B、及びCのうちの少なくとも1つ」、「…次のA、B、又はCのうちの少なくとも1つ」、「…次の[群、リスト、菌株等]A、B、Cのうちの少なくとも1つ」「…次の[群、リスト、菌株等]A、B、及びCのうちの少なくとも1つ」、「…次の[群、リスト、菌株等]A、B、又はCのうちの少なくとも1つ」の使用は、A単独、B単独、C単独、又はA、B、及びCの任意の組み合わせが、その条件を満たすことを意味する。「少なくとも1つのA、少なくとも1つのB、及び少なくとも1つのC」が、その条件を満たすことを要するという意味ではない。「少なくとも2つ」と類似の語句は、同様に解釈されるはずである。A、B、又はCが、群又は属である場合、「少なくとも2つ」、「少なくとも3つ」等は、A群の2つの異なるメンバーによって満たされ得る。限定しない例として、「次のハロゲン、OH、NH、CH3、Hのうちの少なくとも2つ」は、Cl及びH、又はCl及びI、又はOH及びHによって満たされる。他方では、「次のCl、ハロゲン、OH、NH、CH3、Hのうちの少なくとも2つ」は、ClがハロゲンであってもCl単独によって満たされず、したがって、2つの群Cl及びハロゲンに属するが、Cl及びI又はF及びIによって満たされるはずである。
【0049】
本明細書で使用される場合、語句「wt%」とは、重量パーセントを意味する。本明細書で使用される場合、重量パーセントは、質量パーセントと同義的に用いられる。
【0050】
本明細書で使用される場合、「粒子」は、分子の物理的な結合によって一緒に保持される、化学結合、例えば、架橋ポリマーネットワークによって一緒に保持される、イオン相互作用によって一緒に保持される任意の形状の1つの物質、コロイド力及び/又は表面力によって一緒に保持される粒子の凝集、又は凝集、表面力、コロイド力、イオン相互作用、及び化学結合の任意の組み合わせによって一緒に保持される1つの物質であり得る。本開示の目的では、粒子は、ナノメートルの10分の1未満のサイズから数センチメートルのサイズまでに及ぶものと定義することができる。さらに、粒子は、構成分子の1種又は複数のタイプを含むことができる。
【0051】
本明細書で使用される場合、「疾患及び/又は状態の治療」には、それだけに限らないが、次のうちの少なくとも1つ(次を含むがそれだけには限らない):(1)疾患又は状態を治癒させる;(2)疾患又は状態の進行を遅くする;(3)疾患又は状態を退行させる;及び(4)疾患又は状態の1種若しくは複数の症状を緩和することを含めた、患者の健康及び福祉に対する有益な効果を有するために、疾患及び/又は状態に罹患している患者(ヒトを含めた動物)への有効量での物質の投与が含まれる。
【0052】
本明細書で使用される場合、「予防的投与」には、それだけに限らないが、患者の健康及び福祉に対して予防的な有益な効果を有する予防的に有効な量での、疾患及び/又は条件に対して特に感受性であることが公知の又はそれが疑わしい患者(ヒトを含めた動物)への物質の投与が含まれ、これには、次のもの(次を含むがそれだけには限らない)(1)まず第1に、疾患又は状態の発症を防止する又は遅延させる;(2)退行レベルで、予防的に有効な量で用いた物質と同じでも異なっていてもよい治療用の物質の有効量の投与によって達成された後、かかるレベルで疾患又は状態を維持する;及び(3)予防的に有効な量で用いた物質と同じでも異なっていてもよい、物質の有効量による治療の終了後に、疾患又は状態の再発を防止する又は遅延させることのうちの少なくとも1つが含まれ、結論付けられる。
【0053】
本明細書で使用される場合、本明細書に記載した本発明の実施形態における微生物の投与に関する「治療的投与」は、健康を維持するための投与、疾患及び/又は状態を治療するための投与、並びに予防的投与を包含する。
【0054】
本明細書で使用される場合、「微生物菌株」とは、微生物のある特定の遺伝子変異体若しくは遺伝子変異体のセット、又は遺伝子サブタイプを特徴とする生物の群を意味する。例えば、「インフルエンザ菌株」は、インフルエンザ又は「フル(flu)」ウイルスのある特定の遺伝子変異体である。微生物菌株は、培養することも天然に存在することもできる。
【0055】
方法論
上記で述べた通り、本発明の実施形態は、良好な健康状態を伴う及び/又は潜在的に有する又はある種の非ヒト動物においてある種の疾患若しくは状態についての治療効果を実証された微生物叢の同定及び特徴付けを包含する。
【0056】
かかる同定及び特徴付けは、
図1中に示される通り、次の作業を実行することにより、一実施形態において達成される。(i)1種若しくは複数の潜在的なドナー動物から微生物叢サンプルを調達する101;(ii)危険因子例えば、動物の病歴からの危険因子について、又は伝染性疾患及び/又は病原体についての試験により、潜在的なドナー、及び/又は潜在的なドナーからの微生物叢サンプルをスクリーニングする102;(iii)微生物叢サンプルのそれぞれに存在する微生物を同定する、でなければ特徴付ける103;(iv)微生物叢データ及びスクリーニング情報を分析して、例えば、危険な若しくは異型のドナー及び/又はサンプルを除外する、及び潜在的に治療的なドナー及び/又はサンプルを同定する104;及び(v)潜在的に治療的なドナー及び/又はサンプルについてのデータを任意選択で分析して、潜在的に治療的な微生物叢の共通した特徴を同定する105。
【0057】
いくつかの実施形態では、同定(iii)は、微生物叢サンプルのそれぞれに存在する微生物を同定する、でなければ特徴付けるために、当技術分野で公知の配列決定方法を用いるものである。いくつかの実施形態では、分析(iv)は、どの分類群が存在するか同定し、次いで、潜在的なドナーから腸内マイクロバイオームの組成の不均衡を示す可能性がある「見かけ上健常な」個体を除外するために、ドナーのプロファイルが他の健常な個体のプロファイルと相関するか否かを決定する。いくつかの実施形態では、他の健常な個体のプロファイルは、データベースから得られる。いくつかの実施形態では、分析(v)は、潜在的に治療的な微生物叢の共通した特徴を同定するために、前もって治癒力があることが判明したドナーとの潜在的なドナーの相関について試験するものである。
【0058】
上記で述べた通り、本発明の実施形態はまた、非ヒト動物におけるある種の生物及び/又は状態についての実証された治療効果を有する微生物叢の同定及び特徴付けを包含する。かかる同定及び特徴付けは、
図2中に示される通り、次の作業を実行することにより、一実施形態において達成される。(i)ある特定の疾患又は状態を有する動物(「患者」)を含めた、動物への投与用の潜在的に治療的な微生物叢を含む組成物を調製する又は得る201;(ii)レシピエントにおける任意の疾患若しくは状態の存在又は状況を含めた、及び任意選択で、潜在的なレシピエントの微生物叢を同定する及び特徴付けることを含めた、潜在的なレシピエントの状況を記録する202;(iii)微生物叢を含む調製された組成物を、1名又は複数名の患者を含めたレシピエントに投与する203;(iv)疾患又は状態の状況を含め、並びに任意選択で治療中及び/又は治療後にレシピエントの微生物叢を同定する及び特徴付けることを含め、治療が施された後、任意選択で、治療が施されている間、レシピエントの状況を記録する204;並びに(v)少なくとも一部で、治療前及び治療後にレシピエントの状況についての情報に基づいた任意の潜在的に治療応答を同定する205。いくつかの実施形態では、任意の潜在的に治療応答の同定は、治療前及び治療後のレシピエントの状況についての情報、例えば、それだけには限らないが、下痢又は嘔吐の回数、身体状態の変化、体重、及び挙動等に基づく。本発明の他の実施形態では、例えば、
図2に関して記載される通り、組成物の投与201から同定される治療効果205についての情報は、潜在的に治療的である微生物叢についての情報102、103と組み合わせて用いて、潜在的に治療的である微生物叢104及び/又は潜在的に治療的な微生物叢105の特徴を同定することができる。限定しない例として、同定及び特徴付けは、
図3に示される通り、次の作業を実行することにより一実施形態において達成される。(i)例えば、危険因子及び/又は疾患若しくは状態の状況を含めた、ドナー及びレシピエントのスクリーニングについての情報を得る301;(ii)ドナー及びレシピエントの微生物叢に存在する微生物を特徴付ける情報を得る302;(iii)微生物叢データ及びスクリーニング情報を分析して、危険な若しくは異型のドナー又はサンプル及び公知の微生物叢を含む組成物が施されることに対する治療応答を検討する、並びに潜在的に治療的なドナー及び/又はサンプルを同定する303;(iv)潜在的に治療的なドナー及び/又はサンプルについてのデータを任意選択で分析して、潜在的に治療的な微生物叢の共通した特徴を同定する304。
【0059】
微生物の潜在的なドナー及びレシピエント
本発明の実施形態では、微生物叢を含めた、微生物のドナー及びレシピエントは、非ヒト動物である。好ましい実施形態では、ドナー及びレシピエントは、非ヒト哺乳動物であり、微生物は、微生物叢である。いくつかの実施形態では、ドナー及びレシピエントは、農業用家畜及び伴侶動物を含めた、家畜化された哺乳動物である。農業用家畜(家畜)の例には、それだけには限らないが、雌ウシ、ウマ、ロバ、ラバ、ブタ、ヒツジ、及びヤギが含まれる。伴侶哺乳動物の例には、それだけには限らないが、ネコ、イヌ、フェレット、ウサギ、マウス、スナネズミ、ラット、ハムスター、及びモルモットが含まれる。いくつかの実施形態では、ドナー及びレシピエントは、伴侶哺乳動物のみである。いくつかの実施形態では、ドナー及びレシピエントは、ネコ、イヌ、及びフェレットのみである。
【0060】
本発明のいくつかの実施形態では、潜在的なドナーには、「見かけ上健常な」ドナーが含まれる。「見かけ上健常な」ドナーは、健康上の問題を示さない動物である。本発明のいくつかの実施形態では、潜在的な微生物叢の発生源(潜在的なドナー)としての「見かけ上健常な」動物の適格性には、動物が、例えば、動物の検査、任意選択で、動物の健康病歴の再調査に基づく、いかなる外向きに観察可能な健康上の問題も示さないことを決定することが含まれる。本発明のいくつかの実施形態では、潜在的な微生物叢の発生源としての「見かけ上健常な」動物の適格性には、それだけには限らないが、病原体の存在若しくは非存在、生活状態、身体状態、糞便のコンシステンシー、嘔吐及び下痢の回数、皮膚及び/又は眼の感染の存在を含めた、危険因子を評価することが含まれる。例えば、品種、性別、及び年齢等の潜在的なドナーについての他の情報はまた、潜在的なドナーを評価することにおいても用いることができる。
【0061】
原料微生物叢
本明細書で使用される場合、「微生物叢」とは、ある特定の領域の微生物のコミュニティーを意味する。例えば、微生物叢は、個体の胃腸管に存在する微生物のコミュニティーであり得る。領域の他の限定しない例には、個体の耳、鼻、咽喉、膣領域、及び皮膚が含まれる。微生物には、少なくとも細菌が含まれ、それだけには限らないが、ウイルス、真菌、酵母、又はその組み合わせを含むこともできる。
【0062】
本発明のいくつかの実施形態では、微生物叢は、ドナーから得られたサンプル、例えば、糞便のサンプルの微生物叢である。「糞便」は、通常、排便口、例えば、肛門又は総排泄腔等を通して放出された物質を意味する。本明細書で使用される場合、用語「糞便」、「糞便物」、「糞便物質」及び「糞便サンプル」は、動物の消化管から排泄された固形、半固形、若しくは液体の代謝性廃棄物を包含し、例えば、動物の消化管から医療専門家により除去されたサンプルをも含む。
【0063】
ドナーから得られた微生物叢サンプルは、微生物叢の他に、他の材料を含むことができるということが理解される。例えば、糞便サンプルは、未消化の植物物質、例えば、セルロース等、コレステロール、動物によって分泌された粘液、鉱物、例えば、リン酸カルシウム及びリン酸鉄等、タンパク質、及び胆汁色素等を含むことができる。
【0064】
スクリーニング
ドナーから原料微生物叢サンプルを得た後、病原体及び/又は他の危険因子についてスクリーニングすることができる。危険因子には、ある特定のレシピエントについての微生物の適当でない発生源及び/又はレシピエントのタイプのいずれか又は両方を作るおそれがあるドナー及び/又は微生物叢サンプルの態様が含まれる。危険因子は、レシピエントが、ドナーからの微生物叢サンプルを施されることから恩恵を受ける可能性を高めることも下げることもある及び/又はさらなる健康上の複雑さのリスクを示し得る。
【0065】
危険因子には、例えば、ドナーの疾患及び/又は感染、例えば、微生物叢サンプルを含む治療によりレシピエントに引き継がれ得る病原体の存在を示す、ドナー及び/又はサンプルの態様が含まれる。危険因子は、例えば、これが、レシピエントの疾患及び/又は状態に耐性である、又は例えば、ある特定の疾患及び/又は状態の耐性に対して、ドナー若しくはレシピエントの種、品種、又は分類群が一般的でないため、ドナーが、レシピエントよりも有意に異なることを示すデータを含み得る。例えば、ドナーは、その特定の耐性又は環境、例えば、ある特定の病原体のその耐性、食事、及び/又はストレスレベルに適しているが、レシピエントの耐性又は環境に適していない微生物叢を有し得る。
【0066】
いくつかの実施形態では、微生物叢サンプル、例えば、糞便サンプル等は、病原体についてスクリーニングされる。いくつかの実施形態では、ドナーがネコである場合、病原体スクリーニングには、次のクロストリジウム・ディフィシル毒素A及びB、クリプトスポリジウム属(Cryptosporidium)菌種、サルモネラ(Salmonella)菌種、ネココロナウイルス、ネコパルボウイルス(汎白血球減少症(Panleukopenia))、ジアルジア属菌種、イヌパルボウイルス2、及びウシ胎仔トリコモナスのうちの1種又は複数についての少なくともスクリーニングが含まれる。いくつかの実施形態では、ドナーが、イヌである場合、病原体スクリーニングには、次のクロストリジウム・ディフィシル毒素A及びB、クリプトスポリジウム属菌種、サルモネラ菌種、ジアルジア属(Giardia)菌種、イヌパルボウイルス2、クロストリジウム・パーフリンジェンス抗原、α毒素、及びβ毒素のうちの1種又は複数についての少なくともスクリーニングが含まれる。いくつかの実施形態では、ドナーが、フェレットである場合、病原体スクリーニングには、次のクリプトスポリジウム属、ジアルジア属菌種、イヌジステンパーウイルス、ローソニア属(Lawsonia)、カンピロバクター・ジェジュニ(Campylobacter jejuni)、フェレットコロナウイルス、ヘリコバクター属(Helicobacter)菌種、及びサルモネラ菌種のうちの1種又は複数についての少なくともスクリーニングが含まれる。
【0067】
いくつかの実施形態では、ドナー自体が、伝染性疾患及び/又は病原体の存在についてスクリーニングされる。ドナーのスクリーニングは、ドナーから得られた全血及び/又は血漿の試験及び/又は他の医学的評価の実行を含むことができる。いくつかの実施形態では、ドナーは、例えば、環境曝露による、病原体若しくは有害な要素への潜在的な曝露、治療及び/又は看護、及び/又は病歴、例えば、動物保護施設又はある特定の飼育場での生活等についてスクリーニングされる。いくつかの実施形態では、ドナーは、例えば、ある特定の遺伝子プロファイル及び/又は対立遺伝子等の疾患又は状態に対する耐性、抗体の存在、過去の感染の証拠、及び/又は生理的状態を提供し得る因子についてスクリーニングされる。いくつかの実施形態では、スクリーニング基準はまた、潜在的なドナーに関して収集された情報、例えば、品種、性別、及び年齢のうちのいくつかが含まれる。
【0068】
好ましい実施形態では、微生物叢サンプルは、糞便サンプルであり、微生物叢サンプルのドナーは、少なくとも状態又は疾患の病歴についてスクリーニングされ、微生物叢サンプルは、少なくとも一般的な病原体についてスクリーニングされる。
【0069】
いくつかの実施形態では、微生物叢サンプルが、糞便物質サンプルである場合、サンプルはまた、コンシステンシーについてスクリーニングされ、硬すぎる又は軟らかすぎるサンプルは、取り除かれる(これらは、「糞便のコンシステンシーが乏しい」サンプルである)。硬すぎる又は軟らかすぎる糞便サンプルは、小腸炎に起因し得る。いくつかの実施形態では、ブリストル大便チャート(Bristol stool chart)は、糞便のコンシステンシーを定義するために用いることができる。ブリストル大便チャートに基づき、タイプ1又はタイプ2の糞便は、硬く、便秘を表すことができ、タイプ6及びタイプ7の糞便は、非常に軟らかく、小腸炎を表す。しかしながら、糞便の形態及びコンシステンシーは、種によって変わり、その結果、異なる大便チャートが、異なる種のために用いられる。各種についてのかかるチャートは、当技術分野で公知である。
【0070】
微生物叢の同定及び特徴付け
原料微生物叢サンプルを得た後、各サンプル中に存在する微生物は、同定される。同定には、任意の分類学的な単位、例えば、ファミリー、属、及び/又は種、又は他の認識された若しくは意味ある群への関連により、ある特定の微生物の同定、並びに他の手段により、例えば、特定のマーカー、配列及び/又は他の要素についてのゲノム材料の分析による同定が含まれる。いくつかの実施形態では、微生物の同定は、ファミリーレベルで、及びいくつかの実施形態では、ファミリー、例えば、属、種及び/又は菌株等よりも洗練されたレベルで、微生物の存在量及び分類学を記載している。いくつかの実施形態では、微生物の同定は、ファミリー、属、種、亜種及び/又は菌株レベルのうちの1種又は複数で同定された微生物により、異なるレベルにおける微生物の存在量及び分類学を記載している。
【0071】
いくつかの実施形態では、微生物叢サンプル中の微生物の同定は、抽出されたDNAのショットガンシーケンシングにより及び/又は例えば(及びそれだけには限らないが)、16S rRNAのV4高頻度可変領域に基づいた、細菌の多様性の標的指向化配列決定により達成される。このようなマーカー遺伝子についてのポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を行った後、ライブラリーは、例えば(及びそれだけには限らないが)、Illumina MiSeq系を用いて配列決定して、250bp(塩基対)ペアードエンドの増幅産物読み取りデータを生成することができ、増幅産物データは、各サンプルについての二重バーコードの組み合わせを用いて、多重化することができる。配列決定後、これらのサンプルを、デマルチプレックスし、品質スコア(FASTQ)に基づいてフィルターにかけ、キメラを除去することができる。次いで、ビンされた配列(Binned sequence)読み取りデータは、例えば(及びそれだけには限らないが)、様々なソフトウェアツール、例えば、現在の分類学的な分類を含む参照ライブラリーと配列読み取りデータを比較し、未同定の分類群について新規に割り当てるBLAST等を用いることにより、分類学的な組成物(数及び存在量)について特徴付けることができる。本発明の実施形態は、特定の配列決定装置及び特定のソフトウェア及び前述のデータベースに限定されない。
【0072】
いくつかの実施形態では、微生物叢は、例えば、同定された分類学的な単位の存在量及び/又は類似性又は関連性に基づき、さらに特徴付けることができる。いくつかの実施形態では、微生物叢サンプルの特徴付けには、α多様性尺度(alpha diversity measure)、例えば、種の豊富さ(分類群の数)、種の均等度(コミュニティーのメンバーの数がどのくらい近いか)、及びShannon多様度指数(Shannon Diversity Index)が含まれ、これは、豊富さ及び均等度の態様を組み込む。
【0073】
いくつかの実施形態では、微生物叢は、対象又はそれが存在する対象におけるある特定の存在量を有する1種又は複数の分類群の存在を特徴とすることができる。例えば、微生物叢は、それが存在する対象において比較的豊富であり、例えば、かかる対象における細菌の10、15、20、25又は30%以上を構成している1種若しくは複数の分類群の存在を特徴とすることができる。また、例えば、微生物叢は、それが存在する対象においてどちらかと言うとまれであり、例えば、かかる対象における細菌の6、5、4、3、又は2%未満で構成している1種若しくは複数の分類群の存在を特徴とすることができる。また、例えば、微生物叢は、それが存在する対象において比較的まれであり、例えば、かかる対象における細菌の2、1、0.5、0.1、0.05、0.01%未満を構成している1種若しくは複数の分類群の存在を特徴とすることができる。
【0074】
いくつかの実施形態では、微生物叢は、対象間で、ある特定の発生を有する1種又は複数の分類群の存在を特徴とすることができる。例えば、微生物叢は、例えば、対象の50、60、70、75、80、90、95、97、98、又は99%以上で、微生物叢又は対象間に一般に存在する1種若しくは複数の分類群の存在を特徴とすることができる。また、例えば、微生物叢は、例えば、対象の25、20、10、5、4、3、2、又は1%より少なく、微生物叢又は対象間でまれに存在する、1種若しくは複数の分類群の出現率を特徴とすることができる。
【0075】
いくつかの実施形態では、微生物叢は、1種若しくは複数の分類群における微生物の存在量及び対象間の1種又は複数の分類群の出現率を特徴とすることができる。例えば、微生物叢は、存在量が、対象間の1種又は複数の分類群の出現率に基づいて予測されたものより低い又は高い1種若しくは複数の分類群の存在、並びに対象間に存在している他の分類群についての存在量と発生との間の関係を特徴とすることができる。
【0076】
いくつかの実施形態では、微生物叢は、1匹又は複数の他のドナーの微生物叢との比較に基づいて特徴付けることができる。いくつかの実施形態では、微生物叢は、2匹以上の他のドナーの微生物叢を含めた、データベースとの比較に基づいて特徴付けることができる。いくつかの実施形態では、微生物叢は、少なくとも10匹の異なるドナーの編集又はデータベースとの比較に基づいて特徴付けることができる。いくつかの実施形態では、微生物叢は、少なくとも50匹の異なるドナーの編集又はデータベースとの比較に基づいて特徴付けることができる。
【0077】
微生物の同定及び/又は特徴付けは、潜在的なドナー及び/又はサンプルの、スクリーニング前でも、スクリーニング後でも、又はスクリーニングと同時でもよい。いくつかの実施形態では、潜在的なドナーのスクリーニングは、潜在的なドナーから得られた微生物叢サンプルのスクリーニングよりも異なる時間で行う。好ましい実施形態では、微生物の同定は、微生物叢サンプル及び/又は潜在的なドナーの、スクリーニングの後又はスクリーニングと同時に行われる。スクリーニングが終了した後、1つ又は複数の危険因子についての陽性のサンプル、並びにドナーから得られたサンプル(ドナーは、1つ又は複数の危険因子について陽性である、及び/又は代わりに、レシピエント及び/又は群の典型又は代表でない)は、さらなる分析又は検討から除外することができる。或いは、かかるサンプル及び個体は、さらなる分析に含めることができるが、提供に適していないと同定されることもある。
【0078】
一実施形態では、病原体についての微生物叢サンプルのスクリーニングは、微生物の同定の開始前に終了し、1種又は複数の病原体について陽性のサンプルがもしあればそれは除去され、微生物の同定について分析されない。他の実施形態では、病原体についての微生物叢のスクリーニング及び/又は病原体及び伝染性疾患についての潜在的なドナーのスクリーニングは、微生物の同定の開始前に完全でなく、1種若しくは複数の病原体を含めたサンプル及び/又は病原体及び/又は伝染性疾患について陽性の潜在的なドナー試験から得られたサンプルは、微生物の同定及び特徴付け後に分析から除外される。
【0079】
潜在的に治療的な微生物叢の同定
いくつかの実施形態では、微生物の同定及びサンプルの任意の特徴付けが終了した後、微生物叢が潜在的に治療的なものであるか否かに関して、評価される。
【0080】
いくつかの実施形態では、コンピュータプログラムを用いて達成することができる分析は、分類学的なスクリーニングの結果をグループ化するために行われる。
【0081】
いくつかの実施形態では、評価には、それだけに限らないが、潜在的なドナーから得られた微生物叢データの初回の比較、及び微生物叢の組成が、潜在的に不健康な状態を反映する潜在的なドナーの除去が含まれる。
【0082】
いくつかの実施形態では、評価には、それだけに限らないが、2匹以上の他のドナーの微生物叢を含めたデータベースと微生物叢を比較することが含まれる。いくつかの実施形態では、評価には、それだけに限らないが、少なくとも10匹の異なるドナーの編集又はデータベースと微生物叢を比較することが含まれる。いくつかの実施形態では、評価には、それだけに限らないが、動物(ヒトを含めるが、非ヒト動物が好ましい)におけるある特定の疾患又は状態を治療するためにうまく用いられているドナー微生物叢と微生物叢を比較することが含まれる。
【0083】
実証された治療的な微生物叢の同定
いくつかの実施形態では、治療的な微生物叢の同定には、それだけに限らないが、投与用の潜在的に治療的な微生物叢又は微生物叢の一部の組成物を調製する、潜在的に治療的な微生物叢を含む組成物を、動物(レシピエント、例えば、試験対象)に投与する(それらの少なくとも一部は、健康状態、例えば、下痢等の症状がある)、並びにその治療効果がもしあればそれを記録する及び評価することが含まれる。
図2では、非ヒト動物における疾患又は状態の治療におけるある特定の微生物叢又は微生物のセットの治療効果の実証のための一実施形態を例証する。
【0084】
治療効果を評価することは、健康の症状を記録する及び治療前及び治療後に、任意選択で治療中に、対象に存在する微生物を同定する、並びに応答がもしあればそれを特徴付けることを含むことができる。通常、治療的な微生物叢の同定は、疾患又は状態に罹患している多くの対象における疾患又は状態を治療することにおいて、組成物の投与の効果を評価するものである。いくつかの実施形態では、治療前及び治療後の公知の病原体の存在又は非存在は、治療的な微生物叢を同定するために用いることができる。
【0085】
評価は、多くの異なる動物種における多くの疾患について行うことができる。本発明者らは、いくつかの見かけ上健常なドナーが、不健康と思われる微生物叢を有することを見出している。本発明者らは、いくつかの見かけ上健常なドナーが、不健康又は不均衡と思われる微生物叢の組成を有することを見出している。
【0086】
いくつかの実施形態では、評価には、それだけに限らないが、動物(ヒトを含めるが、非ヒト動物が好ましい)において、ある特定の疾患又は状態を治療するために、うまく用いられる微生物叢についての情報を含むデータを編集する、及びそれらのドナーの微生物叢における共通点を同定することが含まれる。いくつかの実施形態では、評価には、それだけに限らないが、動物(ヒトを含めるが、非ヒト動物が好ましい)において、ある特定の疾患又は状態を治療するために、うまく用いられる微生物叢についての情報を分析する、及びそれらのドナーの微生物叢における共通点を同定することが含まれる。
【0087】
いくつかの実施形態では、共通点の同定には、それだけに限らないが、そのそれぞれが、存在する場合、特定の疾患又は状態を治療するために、うまく用いられる微生物叢において比較的豊富であり、例えば、かかる対象における細菌の10、15、20、25又は30%以上を構成している1種又は複数の微生物の分類群を同定することが含まれる。いくつかの実施形態では、同定には、それだけに限らないが、そのそれぞれが、存在する場合、それが存在する対象において、どちらかと言うとまれであり、例えば、かかる対象における細菌の6、5、4、3、又は2%未満を構成している1種又は複数の微生物の分類群を同定することが含まれる。いくつかの実施形態では、同定には、それだけに限らないが、そのそれぞれが、存在する場合、特定の疾患又は状態を治療するために、うまく用いられる、微生物叢中の存在量で比較的まれであり、例えば、かかる対象における細菌の2、1、0.5、0.1、0.05、若しくは0.01%未満を構成している1種又は複数の微生物の分類群を同定することが含まれる。
【0088】
いくつかの実施形態では、同定には、それだけに限らないが、例えば,微生物叢又は対象が50、60、70、75、80、90、95、97、98、若しくは99%を超えて、特定の疾患又は状態を治療するために、うまく用いられる微生物叢間で一般に存在する、1種又は複数の微生物の分類群を同定することが含まれる。いくつかの実施形態では、同定には、それだけに限らないが、例えば、対象が25、20、10、5、4、3、2、若しくは1%より少ない、特定の疾患又は状態を治療するために、うまく用いられる微生物叢間でまれに存在する、1種又は複数の微生物の分類群を同定することが含まれる。
【0089】
いくつかの実施形態では、同定は、1種若しくは複数の分類群における微生物の存在量及び微生物叢又は対象間の1種若しくは複数の分類群の出現率に基づくことができる。例えば、いくつかの実施形態では、同定には、それだけに限らないが、そのそれぞれが、存在する場合、特定の疾患又は状態を治療するために、うまく用いられる微生物叢において比較的豊富であり、一般に、特定の疾患又は状態を治療するために、うまく用いられる微生物叢間にもやはり存在する1種又は複数の微生物の分類群を同定することが含まれる。いくつかの実施形態では、同定は、それだけに限らないが、そのそれぞれが、存在する場合、特定の疾患又は状態を治療するために、うまく用いられる微生物叢中の存在量で比較的まれであり、一般に、特定の疾患又は状態を治療するために、うまく用いられる微生物叢間にもやはり存在する1種又は複数の微生物の分類群を同定することが含まれる。
【0090】
また、例えば、微生物叢は、存在量が、対象間の1種若しくは複数の分類群の出現率に基づいて予測されたものより低い又は高い1種若しくは複数の分類群の存在を特徴とすることができ、例えば、対象の微生物叢において存在する他の分類群についての存在量と出現率との間の関係が考慮される。
【0091】
組成物用の微生物
微生物を含む組成物は、治療のための並びに試験及び評価のための、レシピエントへの微生物の投与のために作製される。
【0092】
一実施形態では、本組成物は、外部の汚染、例えば、それだけには限らないが、キャットリターを取り除き、次いで、処理することができる糞便自体であり、したがって、微生物は、処理を切り抜ける微生物である。他の実施形態では、本組成物は、培養に由来する微生物を含み、それらに限定することができる。他の実施形態では、本組成物は、発酵から得られた微生物を含み、それらに限定することができる。他の実施形態では、組成物は、フリーズドライされた糞便物質からの微生物の発酵から得られた微生物を含み、それらに限定することができる。いくつかの実施形態では、本組成物には、糞便物質サンプルの微生物を含むが、それだけに限らない。例えば、本組成物は、糞便サンプルに由来する微生物及び培養に由来する微生物を含むことができる。いくつかの実施形態では、本組成物は、ドナーの糞便の微生物叢、又はドナーの実質的に糞便の微生物叢を含むが、それだけに限らない。
【0093】
本明細書で使用される場合、「ドナーの実質的に糞便の微生物叢」及び「実質的に糞便の微生物叢」とは、次の基準、すなわち、a)同定可能な分類学的な単位の実質的な部分;b)サンプル中の最も豊富な微生物の分類群の存在、例えば、3種の最も一般的な分類群又はサンプル中の微生物の70%を占める最も一般的な分類群の存在;c)投与用に処理した後、依然として生存可能である微生物叢の部分(処理は、凍結及び解凍、フリーズドライ、及び/又は噴霧乾燥を含むが、それだけに限らない)のうちの少なくとも1つを満たすものを意味する。処理は、無菌で行われず、環境中の微生物による偶発的な汚染が生じることが理解される。いくつかの実施形態では、微生物叢サンプル、例えば、糞便サンプルは、遠心、セルトリフゲーション(celltrifugation)、ろ過、プラスマフェレーシス等の方法、並びに他の方法により、分離しても精製してもよい。
【0094】
いくつかの実施形態では、組成物の微生物は、1種若しくは複数の培養された微生物の分類群及び/又は菌株である。いくつかの実施形態では、組成物の微生物は、1種若しくは複数の単離された微生物の分類群及び/又は菌株である。1種の単離された微生物の分類群若しくは菌株、又は複数の単離された微生物の分類群及び/又は菌株は、これらが普通に発生する微生物叢から単離される微生物(複数可)である。言い換えれば、1種若しくは複数の微生物の分類群又は菌株は、微生物叢サンプルから分離される。いくつかの実施形態では、組成物の微生物は、ドナーの微生物叢及び増強されている微生物菌株及び/又は分類群のうちの1種又は複数から得られる。ドナーの微生物叢中の微生物の分類群及び/又は菌株は、分類群及び/又は菌株の細菌が、残存する微生物より高速度で増殖するように、微生物の分類群又は菌株に特に適した、1種の食物/基質を加える(又は1種の食物及び/又は基質より多くを加える)ことにより増強することができる。
【0095】
他の実施形態では、本組成物は、発酵から得られた微生物を含み、それらに限定することができる。他の実施形態では、組成物は、フリーズドライされた糞便物質からの微生物の発酵から得た微生物を含み、それらに限定することができる。いくつかの実施形態では、微生物は、フリーズドライされた糞便物質からの微生物の発酵から得られ、1種若しくは複数の微生物の分類群及び/又は菌株は、フリーズドライ前に及び/又は発酵前に糞便物質から単離されている。いくつかの実施形態では、微生物は、フリーズドライされた糞便物質からの微生物の発酵から得られ、1種若しくは複数の微生物の分類群及び/又は菌株は、フリーズドライ前に及び/又は発酵前に、糞便物質から除去されており、残存する微生物の分類群及び/又は菌株は、発酵用に用いられるものである。
【0096】
いくつかの実施形態では、組成物の微生物は、上記の組み合わせである。限定しない例として、組成物の微生物は、ドナーの微生物叢、ドナーの実質的に微生物叢、又は1種若しくは複数の増強された微生物菌株を有する、加えられた1種若しくは複数の培養された微生物菌株を有する、加えられた1種若しくは複数の単離された微生物菌株を有する、又は加えられた1種若しくは複数の培養された微生物菌株及び加えられた1種若しくは複数の単離された微生物菌株の両方を有する、ドナーの微生物叢であり得る。上記の組成物のうちのいずれかは、発酵から得られた1種又は複数の分類群及び/又は菌株をやはり含むこともできる。いくつかの実施形態では、微生物を含む組成物は、2匹以上のドナーの微生物叢の混合物を明示的に除外する。
【0097】
発酵は、温度、栄養素濃度、pH、及び溶解ガス等の制御された増殖条件下で、バイオリアクターの内側で、培養液中の細菌、真菌及び他の生物の定義されていない若しくは定義された微生物のコミュニティーを増殖するものである。
【0098】
いくつかの実施形態では、組成物の微生物には、それだけには限らないが、次の分類群、すなわち、ブラウティア、カテニバクテリウム属、コプロコッカス属、ドレア、ユーバクテリウム属、フィーカリバクテリウム属、オシロスピラ、ファスコラークトバクテリウム、モギバクテリア科、ローズブリア属、及びサクシニビブリオ科のメンバーを含めた細菌の分類群及び/又は菌株の組み合わせが含まれる。いくつかの実施形態では、ネコへの投与を目的とした組成物の微生物には、それだけには限らないが、次の分類群、すなわち、ブラウティア、カテニバクテリウム属、コプロコッカス属、ドレア、ユーバクテリウム属、フィーカリバクテリウム属、オシロスピラ、ファスコラークトバクテリウム、モギバクテリア科、ローズブリア属、及びサクシニビブリオ科のメンバーを含めた細菌の分類群及び/又は菌株の組み合わせが含まれる。組成物についてのいくつかの実施形態では、上記に記載した12種の分類群は、組成物の微生物についての最も豊富な12種の分類群である。組成物についてのいくつかの実施形態では、上記に記載した12種の分類群は、組成物の調製のために用いられる微生物の最も豊富な12種の分類群である。
【0099】
いくつかの実施形態では、組成物の微生物には、それだけには限らないが、次の分類群、すなわち、有意に高い割合のラクノスピラ科ブラウティアのメンバーを含めた細菌の分類群及び/又は菌株の組み合わせが含まれる。いくつかの実施形態では、ネコへの投与を目的とした組成物の微生物には、それだけには限らないが、次の分類群、すなわち、有意に高い割合のラクノスピラ科ブラウティアのメンバーを含めた菌種の組み合わせが含まれる。いくつかの実施形態では、より高いとは、健常な対象の平均よりも多い、又は少なくとも1つの標準偏差より多いことを意味する。いくつかの実施形態では、より高いとは、対象又は患者におけるレベルより高いことを意味する。
【0100】
いくつかの実施形態では、組成物の微生物には、それだけには限らないが、次の分類群、すなわち、ルミノコッカス、クロストリジウム科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、ブラウティアでなく且つドレアでないラクノスピラ科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、ブラウティア、フソバクテリウム、ドレア、クロストリジウム目の少なくとも1メンバー、バクテロイデス属、サテレラ、ユーバクテリウム属、コリンセラ属、メガモナス属、ルミノコッカス科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、クロストリジウム属、プレボテラ属、クロストリジウム科ファミリーの少なくとも別のメンバー、ブラウティアでなく且つドレアでないラクノスピラ科ファミリーの少なくとも別のメンバー、並びにフィーカリバクテリウム属から得られた微生物の組み合わせが含まれる。いくつかの実施形態では、組成物の微生物には、それだけには限らないが、次の分類群、すなわち、ドレア、ルミノコッカス、バクテロイデス属、ブラウティアでなく且つドレアでないラクノスピラ科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、コリンセラ属、ブラウティア、クロストリジウム目の少なくとも1メンバー、ルミノコッカス科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、クロストリジウム属、クロストリジウム科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、サテレラ、プレボテラ属、ユーバクテリウム属、オシロスピラ、クロストリジウム科ファミリーの少なくとも別のメンバー、ブラウティアでなく且つドレアでないラクノスピラ科ファミリーの少なくとも別のメンバー、ルミノコッカス属、コプロコッカス属、パラバクテロイデス属、フソバクテリウム、フィーカリバクテリウム属、メガモナス属のうちの少なくとも1種の微生物が含まれる。いくつかの実施形態では、組成物の微生物には、それだけには限らないが、次の分類群、すなわち、ドレア、ルミノコッカス、バクテロイデス属、ブラウティアでなく且つドレアでないラクノスピラ科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、コリンセラ属、ブラウティア、クロストリジウム目の少なくとも1メンバー、ルミノコッカス科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、クロストリジウム属、クロストリジウム科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、サテレラ、プレボテラ属、ユーバクテリウム属、オシロスピラ、クロストリジウム科ファミリーの少なくとも別のメンバー、ブラウティアでなく且つドレアでないラクノスピラ科ファミリーの少なくとも別のメンバー、ルミノコッカス属、コプロコッカス属、パラバクテロイデス属、フソバクテリウム、フィーカリバクテリウム属、メガモナス属のうちの少なくとも2種、少なくとも3種、少なくとも4種、少なくとも5種、少なくとも6種、少なくとも7種、少なくとも8種、及び/又は少なくとも10種の微生物が含まれる。
【0101】
いくつかの実施形態では、組成物の微生物には、それだけには限らないが、次の分類群、すなわち、ドレア、バクテロイデス属、ブラウティアでなく且つドレアでないラクノスピラ科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、コリンセラ属、ブラウティア、クロストリジウム目の少なくとも1メンバー、ルミノコッカス科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、クロストリジウム属、クロストリジウム科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、サテレラのうちの少なくとも1種の微生物が含まれる。いくつかの実施形態では、組成物の微生物には、それだけには限らないが、次の分類群、すなわち、ドレア、バクテロイデス属、ブラウティアでなく且つドレアでないラクノスピラ科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、コリンセラ属、ブラウティア、クロストリジウム目の少なくとも1メンバー、ルミノコッカス科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、クロストリジウム属、クロストリジウム科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、サテレラのそのうちの少なくとも2種、少なくとも3種、少なくとも4種、少なくとも5種、少なくとも6種、少なくとも7種、少なくとも8種、少なくとも9種、少なくとも10種、及び/又は少なくとも12種が含まれる。
【0102】
いくつかの実施形態では、組成物の微生物には、それだけには限らないが、次の分類群、すなわち、クロストリジウム目の少なくとも1メンバー、ルミノコッカス科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、クロストリジウム属、クロストリジウム科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、サテレラのうちの少なくとも1種の微生物が含まれる。いくつかの実施形態では、組成物の微生物には、それだけには限らないが、次の分類群、すなわち、クロストリジウム目の少なくとも1メンバー、ルミノコッカス科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、クロストリジウム属、クロストリジウム科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、サテレラのうちの少なくとも2種、少なくとも3種、少なくとも4種、少なくとも5種、少なくとも6種、少なくとも7種、少なくとも8種、少なくとも9種、少なくとも10種、及び/又は少なくとも12種が含まれる。
【0103】
いくつかの実施形態では、組成物の微生物には、それだけには限らないが、次の分類群、すなわち、クロストリジウム目の少なくとも1メンバー、ルミノコッカス科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、クロストリジウム属、クロストリジウム科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、サテレラ、ユーバクテリウム属、オシロスピラ、ルミノコッカス属、コプロコッカス属、パラバクテロイデス属、フソバクテリウム、フィーカリバクテリウム属、及びメガモナス属のうちの少なくとも1種の微生物が含まれる。いくつかの実施形態では、組成物の微生物には、それだけには限らないが、次の分類群、すなわち、クロストリジウム目の少なくとも1メンバー、ルミノコッカス科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、クロストリジウム属、クロストリジウム科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、サテレラ、ユーバクテリウム属、オシロスピラ、ルミノコッカス属、コプロコッカス属、パラバクテロイデス属、フソバクテリウム、フィーカリバクテリウム属、及びメガモナス属のうちの少なくとも2種、少なくとも3種、少なくとも4種、少なくとも5種、少なくとも6種、少なくとも7種、及び/又は少なくとも8種の微生物が含まれる。
【0104】
いくつかの実施形態では、組成物の微生物には、それだけには限らないが、次の分類群、すなわち、ルミノコッカス、クロストリジウム科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、ブラウティアでなく且つドレアでないラクノスピラ科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、ブラウティア、フソバクテリウム、ドレア、クロストリジウム目の少なくとも1メンバー、バクテロイデス属、サテレラ、ユーバクテリウム属、コリンセラ属、エリシペロトリクス科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、メガモナス属、ルミノコッカス科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、クロストリジウム属、プレボテラ属、クロストリジウム科ファミリーの少なくとも別のメンバー、ブラウティアでなく且つドレアでないラクノスピラ科ファミリーの少なくとも別のメンバー、フィーカリバクテリウム属のうちの少なくとも1種の微生物が含まれる。いくつかの実施形態では、組成物の微生物には、それだけには限らないが、次の分類群、すなわち、ルミノコッカス、クロストリジウム科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、ブラウティアでなく且つドレアでないラクノスピラ科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、ブラウティア、フソバクテリウム、ドレア、クロストリジウム目の少なくとも1メンバー、バクテロイデス属、サテレラ、ユーバクテリウム属、コリンセラ属、エリシペロトリクス科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、メガモナス属、ルミノコッカス科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、クロストリジウム属、プレボテラ属、クロストリジウム科ファミリーの少なくとも別のメンバー、ブラウティアでなく且つドレアでないラクノスピラ科ファミリーの少なくとも別のメンバー、フィーカリバクテリウム属のうちの少なくとも2種、少なくとも3種、少なくとも4種、少なくとも5種、少なくとも6種、少なくとも7種、少なくとも8種、少なくとも9種、及び/又は少なくとも10種の微生物が含まれる。
【0105】
いくつかの実施形態では、組成物の微生物には、それだけには限らないが、次の分類群、すなわち、ルミノコッカス、クロストリジウム科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、ブラウティアでなく且つドレアでないラクノスピラ科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、ブラウティア、ドレア、クロストリジウム目の少なくとも1メンバー、サテレラ、ユーバクテリウム属、コリンセラ属、エリシペロトリクス科ファミリーのうちの少なくとも1メンバーのうちの少なくとも1種の微生物が含まれる。いくつかの実施形態では、組成物の微生物には、それだけには限らないが、次の分類群、すなわち、ルミノコッカス、クロストリジウム科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、ブラウティアでなく且つドレアでないラクノスピラ科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、ブラウティア、ドレア、クロストリジウム目の少なくとも1メンバー、サテレラ、ユーバクテリウム属、コリンセラ属、エリシペロトリクス科ファミリーのうちの少なくとも1メンバーのうちの少なくとも2種、少なくとも3種、少なくとも4種、少なくとも5種、少なくとも6種、及び/又は少なくとも7種の微生物が含まれる。
【0106】
いくつかの実施形態では、組成物の微生物には、それだけには限らないが、次の分類群、すなわち、ドレア、クロストリジウム目の少なくとも1メンバー、サテレラ、ユーバクテリウム属、コリンセラ属、エリシペロトリクス科ファミリーのうちの少なくとも1メンバーのうちの少なくとも1種の微生物が含まれる。いくつかの実施形態では、組成物の微生物には、それだけには限らないが、次の分類群、すなわち、ドレア、クロストリジウム目の少なくとも1メンバー、サテレラ、ユーバクテリウム属、コリンセラ属、エリシペロトリクス科ファミリーのうちの少なくとも1メンバーのうちの少なくとも2種、少なくとも3種、少なくとも4種、少なくとも5種、少なくとも6種、及び/又は少なくとも7種の微生物が含まれる。
【0107】
いくつかの実施形態では、組成物の微生物には、それだけには限らないが、次の分類群、すなわち、ドレア、クロストリジウム目の少なくとも1メンバー、サテレラ、ユーバクテリウム属、コリンセラ属、エリシペロトリクス科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、メガモナス属、ルミノコッカス科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、クロストリジウム属、クロストリジウム科ファミリーの少なくとも別のメンバー、ブラウティアでなく且つドレアでないラクノスピラ科ファミリーの少なくとも別のメンバー、フィーカリバクテリウム属のうちの少なくとも1種の微生物が含まれる。いくつかの実施形態では、組成物の微生物には、それだけには限らないが、次の分類群、すなわち、ドレア、クロストリジウム目の少なくとも1メンバー、サテレラ、ユーバクテリウム属、コリンセラ属、エリシペロトリクス科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、メガモナス属、ルミノコッカス科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、クロストリジウム属、クロストリジウム科ファミリーの少なくとも別のメンバー、ブラウティアでなく且つドレアでないラクノスピラ科ファミリーの少なくとも別のメンバー、フィーカリバクテリウム属のうちの少なくとも2種、少なくとも3種、少なくとも4種、少なくとも5種、少なくとも6種、及び/又は少なくとも7種の微生物が含まれる。
【0108】
組成物の調製のための方法及び組成物の調製
治療的投与のための(及び潜在的なドナーの評価のための)微生物を含む組成物は、剤形と称されるが、経腸投与に適した任意の医薬剤形が含まれる。経腸投与は、消化管としてもやはり公知の胃腸管内又は胃腸管を経由して投与される。経腸投与には、それだけには限らないが、経口、頬側、舌下、及び直腸投与が含まれる。
【0109】
経口投与は、口への投与又は嚥下を伴う口への投与である。経口投与には、それだけには限らないが、固形経口剤形、液体剤形、ゲル、パスタ剤、スプレー剤、又は任意のその組み合わせの投与が含まれる。固形経口剤形には、それだけには限らないが、カプセル、ハードシェル及びソフトシェル、錠剤、丸剤、散剤、及び顆粒剤が含まれる。経口投与用の液体剤形には、それだけには限らないが、乳剤、溶液、懸濁剤、シロップ剤及びエリキシル剤が含まれる。顆粒剤又は散剤は、投与用の経口懸濁液若しくは溶液として溶解することができる。
【0110】
頬側投与は、ゴムへの、留め具への、又は両方への吸収による投与である。舌下投与は、舌の下に剤形を留置することによるものである。頬側及び舌下投与は、通常、固形経口剤形、又はゲルを用いて達成される。限定しない例として、頬側及び/又は舌下投与は、ドナーの口からの微生物の投与のために用いることができる。
【0111】
直腸投与は、固形経口剤形の投与による、半固形の形態、例えば、坐剤、ゲル、若しくは軟膏等の投与による、液体の投与による、又は半固形及び液体の投与によるものであり得る。液体の投与、例えば、溶液、乳剤、分散液、又はそれらの組み合わせは、浣腸により達成することができる。
【0112】
好ましい実施形態では、微生物を含む組成物は、経口投与用の固形組成物(固形経口剤形としてもまた公知)である。いくつかの実施形態では、固形経口剤形は、室温(約20℃~約25℃)で安定している。いくつかの実施形態では、固形経口剤形は、3ヵ月間室温(約20℃~約25℃)で安定している。いくつかの実施形態では、固形経口剤形は、少なくとも3ヵ月間、又は少なくとも6ヵ月間、室温で(約20℃~約25℃、30%~65%の範囲の相対湿度で)安定している。微生物から固体を形成するために、微生物は、凍結されている、フリーズドライされている、凍結乾燥されている、噴霧乾燥されている、又はその組み合わせである、及び/又はそうでない場合、固体中に形成されている及び/又は固体に固定されている。凍結、フリーズドライ、凍結乾燥、及び噴霧乾燥の方法は、当業者に公知である。
【0113】
微生物又は微生物を含むサンプルを処理する前に、例えば、凍結、フリーズドライ、凍結乾燥、噴霧乾燥、又はその組み合わせの前に、1種若しくは複数の添加剤は、微生物若しくは微生物を含むサンプルに加えて、中間体組成物を形成することができる。本明細書に開示される添加剤は、個々に、又はそれだけには限らないが、本明細書に記載したものを含めた、1種若しくは複数の他の添加剤と組み合わせて、用いることができる。いくつかの実施形態では、用いられる添加剤は、米国食品医薬品局(USFDA)によって決定された食品用物質、食品用公定化学品集(FCC)、米国薬局方及び/又は国民医薬品集(USP/NF)、英国薬局方、欧州薬局方、日本薬局方、又はその組み合わせにおける標準に従った1種若しくは複数の医薬用物質である。
【0114】
本明細書で使用される場合、「添加剤」は、微生物と組み合わせて、最終の剤形を形成する物質であり得る。添加剤は、非毒性であり、通常、不活性である。言い換えれば、添加剤自体は、通常、薬物でない。添加剤は、通常、微生物のための結合剤、微生物のための担体又は賦形剤、浸透促進剤、及び/又は微生物のための酸化防止剤及び/又は安定剤として働く等の機能を果たす。場合によっては、治療的投与自体のために用いることができるビタミン及び/又は鉱物及び/又は薬物は、やはり、添加剤であり得る。最終の剤形から除去することができる溶媒と異なり、添加剤は、除去されるが、最終の剤形の部分を残存する。
【0115】
本明細書で使用される場合、「薬物」とは、本明細書に記載した組成物の微生物以外の物質を意味し、これは、有効量で用いられる場合、疾患及び/又は状態の治療において用いることができる、及び/又は予防的に有効な量で用いられる場合、予防的投与のために用いることができる。さらに、「薬物」はまた、それだけには限らないが、塩、エステル、アミド等を含めた、本明細書中で詳細に述べた薬物の薬学的に許容される、薬理学的に活性がある誘導体を意味する。いくつかの実施形態では、「薬物」とはまた、診断のために有用な物質を意味する。いくつかの実施形態では、「薬物」は、診断のためだけに有用な物質を含まない。
【0116】
本明細書で使用される場合、「溶媒」は、選択された温度及び圧力で、振り混ぜながら又は振り混ぜずに、均一な分散液及び/又は溶液を形成するために、1種若しくは複数の物質を溶解する、部分的に溶解する、分散する、又は懸濁することが可能な物質であり得る。物質は、液体、気体、又は超臨界流体であり得る。やはり、「溶媒」は、均一な分散液及び/又は溶液を形成するために、振り混ぜながら又は振り混ぜずに、選択された温度及び圧力で、1種若しくは複数の物質を部分的に溶解する、及び分散する及び/又は懸濁することが可能な物質であり得る。物質は、液体、気体、又は超臨界流体であり得る。本明細書中の溶媒は、2種以上のかかる物質のブレンドであり得る。いくつかの実施形態では、溶媒は、剤形を形成することにおいて処理助剤として用いることができるが、処理中に除去され、又は実質的に除去され、(偶発的な残留溶媒を除いて)最終の剤形の部分を形成しない。いくつかの物質は、場合によっては、溶媒、別の場合では、添加剤であり得る。一例として、水は、液体剤形、例えば、懸濁液等で担体(添加剤)であり得るが、フリーズドライされた散剤を調製するために用いる場合、溶媒であり得る。いくつかの実施形態では、ある剤形で添加剤として用いられる物質は、均一な分散液及び/又は溶液を形成するために、1種若しくは複数の物質を、溶解する、部分的に溶解する、分散する、又は懸濁することが可能であるとしても、溶媒でない。
【0117】
微生物、又は微生物を含む中間体組成物(例えば、及びそれだけには限らないが、糞便サンプル等)を、フリーズドライ又は凍結乾燥する場合、添加剤を、加えてもよく、添加剤は、凍結保護物質であってもよい。凍結保護物質は、凍結、貯蔵、及び解凍中に、生体細胞の生存率を維持するのに役立てることができる物質である。凍結保護物質の例には、それだけには限らないが、グリコール、グリセロール、植物性グリセロール、ジメチルスルホキシド、1,3-プロパンジオール、エタノール、ポリビニルアルコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンオキシド、マンニトール、D-マンニトール、D-ソルビトール、ソルビトール、ダルシトール、キシリトール、グルコース、D-グルコース、キシロース、スクロース、乳糖、マルトース、トレハロース、ラフィノース、デキストラン、マンナン、デキストリン、フィコール(FICOLL)(登録商標)(水に溶解する高分子量多糖類)、アラビアゴム(アカシア)、アセトアミド、メチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチル-アセトアミド、スクシンイミド、メチルピロリドン、ポリビニルピロリドン、プロリン、グリシン、グルタミン酸、アミノ酪酸、グルタル酸、酢酸アンモニウム、システイン、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)、血清、ウシ胎児血清、アルブミン、ウシ血清アルブミン(BSA)、ゼラチン、カゼイン加水分解物、デンプン加水分解物(starch hydolysate)、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ペプトン、殻抽出物(shell extract)、糖タンパク質、ムチン、バリノマイシン、グラミシジン、酵母抽出物、マルツエキス、脱脂乳、酪農牛乳、豆乳、魚油、ハチミツ、ポリソルベート80、ポリソルベート20、ポリソルベート60、ポリエチレングリコールp-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-フェニルエーテル(トリトン(Triton)(登録商標)X-100)、マクロシクロン(macrocyclon)(C17H28O3)、グリシンベタイン、及びそれらの組み合わせが含まれる。微生物、又は微生物を含む中間体組成物(例えば、及びそれだけには限らないが、糞便サンプル等)を、噴霧乾燥する場合、添加剤を、噴霧乾燥される溶液中に含むことができる。加えることができる添加剤のタイプの限定しない例には、デンプン、生分解性ポリマー、及び天然ポリマーが含まれる。
【0118】
添加剤が加えられるいくつかの実施形態では、添加剤対微生物の重量対重量比、及び/又は添加剤対微生物を含む中間体組成物の重量対重量比は、約1:100~約100:1、好ましくは、約2:1~約20:1、より好ましくは、約1:1~約1:4の範囲であり得る。添加剤が加えられるいくつかの実施形態では、フリーズドライ、噴霧乾燥等の前の添加剤対微生物の重量対重量比、及び/又は添加剤対微生物を含む中間体組成物の重量対重量比は、約1:100~約100:1、好ましくは、約2:1~約20:1、より好ましくは、約1:1~約1:4の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、重量対重量比は、添加剤対糞便比であり、その比は、約1:100~約100:1、好ましくは、約2:1~約20:1、より好ましくは、約1:1~約1:4の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、重量対重量比は、フリーズドライ、噴霧乾燥等の前の添加剤対糞便比であり、その比は、約1:100~約100:1、好ましくは、約2:1~約20:1、より好ましくは、約1:1~約1:4の範囲であり得る。
【0119】
組成物についての重量パーセント(wt%)は、組成物に加えられる材料の物質量により決定されることがやはり理解される。したがって、算出された成分%はまた、不純物、水分、(製造からの)残留溶媒、又は組成物に加えられた成分と共に含まれるその組み合わせを含むこともできる。限定されない例として、グリセロール20グラムが、糞便物質80グラムに加えられる場合、グリセロールが、いくつかの水分、不純物等があるとしても、グリセロールwt%は、全組成物の100*(20/(20+80))=20wt%(又は加えられたグリセロールの重量は、糞便物質の重量25%(100*(20/80)=25%)である。
【0120】
凍結した、フリーズドライされた、凍結乾燥された、及び/又は噴霧乾燥された、微生物を含む組成物が、その粒度が大きすぎる場合、粒度を縮小するための1回又は複数回の操作にかけることができる。粒度の縮小は、破砕する、粉砕する、切断する、及び/又は微粉砕することにより、達成することができる。他の技法は、リストに記載したものの代わりに又はリストに記載したものに加えて、用いてもよい。最終の粒度は、目的とする使用、例えば及びそれだけには限らないが、硬ゼラチンカプセルを満たすために十分なサイズである。いくつかの実施形態では、粒子は、粒子の95wt%が、16メッシュのサイズの米国製ふるいを通り、200メッシュのサイズの米国製ふるいで保持されるサイズのものである。
【0121】
いくつかの実施形態では、剤形は、微生物を含むビーズ又は微小粒子の形態であり得る。例えば、微生物、又は1種若しくは複数の添加剤と組み合わせた微生物を、ポリマー中に被包して、微小粒子を形成することができる。ナノ粒子及び微小粒子の製造のいくつかの限定しない例は、2004年1月15日に公開された米国特許出願公開第2004/0009229号、及び2006年1月5日に公開された米国特許出願公開第2006/0002971号において見出される。ビーズ剤形の限定しない例は、米国特許第4,524,060号、第5,026,560号、及び第6,224,910号において見出される。
【0122】
好ましい実施形態では、微生物を含む組成物を処理して固形粉末にする。粉末は、カプセルに充てんする又は錠剤に圧縮することができる、又は粉末は、「そのままで」又はいくつかのその組み合わせを用いてもよい。カプセルの場合、粉末は、単独で用いてカプセルに充てんすることができる、又は粉末は、カプセルに充てんする前に、1種若しくは複数の添加剤と組み合わせることができる。通常、カプセル中に用いられる添加剤は、当業者に公知である。粉末が錠剤に圧縮される場合、粉末は、単独で圧縮することができる、又は1種若しくは複数の添加剤、例えば、及びそれだけには限らないが、崩壊剤、滑沢剤、充てん剤、安定剤、賦形剤、及び結合剤と組み合わせることができる。用いられるカプセルのサイズ(又は錠剤のサイズ)は、非ヒト動物ドナー及びレシピエントの種に依存する。限定しない例として、サイズ4のカプセルは、ネコ及び超小型犬用に用いることができ、サイズ0のカプセルは、中型犬から大型犬用に用いることができる。
【0123】
いくつかの実施形態では、栄養素及び/又は他の成長因子は、微生物の増殖を促進するために組成物に加えられる。
【0124】
好ましい実施形態では、錠剤、カプセル、及び/又は他の固形剤形を、胃のpHで溶解しないが、腸で溶解する腸溶コーティングでコーティングされる。腸溶コーティングの異なるタイプがあり、これは、異なるpH範囲で溶解する。微生物が、ビーズ、微小粒子、及び/又はナノ粒子中で含まれる場合、ビーズ、微小粒子、及び/又はナノ粒子は、腸溶コーティングすることができる。腸溶コーティングされたビーズ、微小粒子、及び/又はナノ粒子は、1種若しくは複数の添加剤を伴った又は伴わずに、カプセルに充てんすることができる、又は水中の懸濁液として、その後溶解することができる。腸溶コーティングの限定しない例には、それだけには限らないが、食用シェラック、シェラック、メタクリル酸コポリマー、酢酸フタル酸セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ポリ酢酸ビニルフタレート、カルボキシメチルエチルセルロース、オイドラギット(EUDRAGIT)(登録商標)型ポリマー(ポリ(メタクリル酸、メチルメタクリレート)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、トリメリト酸酢酸セルロース、及び他の適当な腸溶コーティングポリマーが含まれる。オイドラギット(登録商標)型ポリマーには、例えば、オイドラギット(登録商標)FS30D、L30D-55、L100-55、L100、L12,5、L12,5P、RL30D、RL PO、RL100、RL12,5、RS30D、RS PO、RS100、RS12,5、NE30D、NE40D、NM30D、S100、S12,5、及びS12,5Pが含まれる。本明細書に開示される腸溶コーティング材料は、個々に、又はそれだけには限らないが、本明細書に記載した腸溶コーティング材料を含めて、1種若しくは複数の他の腸溶コーティングと組み合わせて用いることができる。腸溶コーティング材料は、他の添加剤を含むことができる。下塗り又はプライマーコートは、腸溶コーティングの適用前に塗布することができる。腸溶及び非腸溶コーティングする錠剤及びカプセルは、当業者に公知である。カラーコート又はコーティングの別のタイプは、腸溶コーティングの上面に塗布することができる。
【0125】
いくつかの実施形態では、微生物を含む組成物にはまた、それだけには限らないが、繊維が含まれる。繊維は、1種又は複数のオリゴ糖の形態であり得、これには、それだけに限らないが、フルクタン(フラクトオリゴ糖及びイヌリン)並びにガラクタン(ガラクトオリゴ糖)が含まれる。繊維はまた、難消化性デンプン、ペクチン、1種若しくは複数のβグルカン及び/又は1種若しくは複数のキシロオリゴ糖の形態であり得る。難消化性デンプンは、(ヒトを含めた)動物の腸管において消化されない又は完全に消化されないデンプンである。繊維の供給源は、個々に又はそれだけには限らないが、本明細書に詳細に記載されたものを含めて、繊維の他の供給源と組み合わせて用いてもよい。経口消費に適した繊維の市販品は、当業者に公知である。錠剤及びカプセルにおいて通常用いられる、いくつかの添加剤はまた、「繊維」であり得る。当業者は、ある特定の化合物が、「繊維」として加えられている又はいくつかの他の機能を果たす又はその両方の場合、決定することが可能である。いくつかの実施形態では、化合物又は添加剤は、「繊維」であり得、追加の機能をも果たす、例えば、充てん剤として働く。いくつかの実施形態では、繊維は、微生物の担体であり得る。いくつかの実施形態では、用いられる繊維は、米国食品医薬品局(USFDA)によって決定された食品用物質、食品用公定化学品集(FCC)、米国薬局方及び/又は国民医薬品集(USP/NF)、英国薬局方、欧州薬局方、日本薬局方、又はその組み合わせにおける標準に従った1種若しくは複数の医薬用物質であり得る。
【0126】
繊維は、フリーズドライ、噴霧乾燥等により処理する前に、微生物を含む組成物に加えることができる。限定しない例として、繊維対微生物の重量対重量比、及び/又は繊維対微生物を含む中間体組成物(例えば、それだけには限らないが、糞便等)の重量対重量比は、約1:100~約100:1、好ましくは、約20:1~約20:1、より好ましくは、約1:1~約1:4の範囲であり得る。上記の範囲は、1種若しくは複数の添加剤が加えられていてもよい。いくつかの実施形態では、上記の範囲は、繊維及び1種若しくは複数の添加剤の組み合わせに適用し、繊維対添加剤(複数可)の重量比は、約1:50~約50:1、好ましくは、約1:20~約20:1である。
【0127】
いくつかの実施形態では、繊維は、例えば、それだけ処理された微生物には限らないが、粉末、微小粒子、ナノ粒子、及び/又はビーズと組み合わされ、カプセルに充てんされ、錠剤に圧縮され、及び/又はびん、パッケージ及び/又は小袋に充てんされる。いくつかの実施形態では、微生物は、ビーズ、微小粒子、及び/又はナノ粒子中に含まれ、これは、腸溶コーティングすることができる。いくつかの実施形態では、それだけには限らないが、繊維及び微生物(粉末、微小粒子、ナノ粒子、及び/又はビーズの形態の場合であれ、そうでない場合であれ)を含めた、ブレンドは、水中の懸濁液又は水性の流体として、その後溶解される及び/又は食物に直接加えられる。いくつかの実施形態では、それだけには限らないが、繊維及び微生物(粉末、微小粒子、ナノ粒子、及び/又はビーズの形態の場合であれ、そうでない場合であれ)を含むブレンドは、反復投与に用いるびん、又は1回使用(又は個別の使用、又は単位服用量)用の小型のパッケージ、びん、若しくは小袋で包装することができる。
【0128】
好ましい実施形態では、微生物を、任意選択で、1種若しくは複数の添加剤により処理して固形粉末を形成し、これは、繊維とブレンド又は混合し、次いで、硬カプセルに充てんし、好ましくは、続いて、充てんされたカプセルを、腸溶コーティングする。いくつかの実施形態では、繊維と共に微生物を含む固形粉末のブレンドを、錠剤に圧縮することができ、いくつかの実施形態では、錠剤を、腸溶コーティングする。
【0129】
微生物を含む粉末、微小粒子、ナノ粒子、及び/又はビーズ、対カプセルを充てんする(又は錠剤に圧縮する又は前述のブレンドとして用いられる)ために用いられる繊維の重量比(又は質量比)は、約1:100~約100:1、好ましくは、約20:1~約20:1、より好ましくは、約1:1~約1:5であり得る。繊維の他に、カプセルを充てんするために用いられる及び/又は錠剤に圧縮されるブレンドは、1種若しくは複数の他の添加剤を含むことができる。好ましい実施形態では、1種若しくは複数の添加剤は、最終ブレンドの0.1%~30wt%である。限定しない例として、添加剤(複数可)が、ブレンドの20wt%を占める及び微生物を含む粉末対繊維の重量比が1:4である場合、最終組成物は、添加剤(複数可)20wt%、微生物を含む粉末16%、及び繊維64%である。
【0130】
いくつかの実施形態では、カプセル若しくは錠剤の数(又は微生物を含む組成物の物質量)は、配合物に加えられる繊維が、カプセル若しくは錠剤の数(又は微生物を含む組成物の物質量)より高くても、繊維を加えない場合よりも大きくてもよい。限定しない例として、繊維が加えられず、カプセル充てん剤約20~25wt%が添加剤(複数可)である場合、1個のサイズ4のカプセルは、ネコ用の用量について十分であり得るが、繊維を加えると、各投与当たり、2又は3個のサイズ4のカプセルが、必要となり得る。
【0131】
いくつかの実施形態では、それだけには限らないが、微生物を含めた、固形粉末、ビーズ、及び/又は微小粒子は、食物、水、及び/又は動物による消費に適した別の液体に加えられ、食物、水、及び/又は微生物を含めた加えられた組成物を含む、動物による消費に適した他の液体を消費する動物により経口投与される。いくつかの実施形態では、それだけには限らないが、微生物を含めた、固形粉末、ビーズ、及び/又は微小粒子は、食物、水、及び/又は動物による消費に適した別の液体に加える前に、繊維及び/又は1種若しくは複数の添加剤と組み合わされる。
【0132】
いくつかの実施形態では、それだけには限らないが、微生物を含む組成物は、直腸投与される。いくつかの実施形態では、前述した通り、微生物を含む錠剤及び/又はカプセルは、直腸投与される。いくつかの実施形態では、それだけには限らないが、微生物を含めた、固形粉末、ビーズ、及び/又は微小粒子は、直腸投与される。いくつかの実施形態では、それだけには限らないが、微生物を含めた、固形粉末、ビーズ、及び/又は微小粒子は、直腸投与前に、直腸投与に適した液体又は半固形に加えられる、及び/又はそれらと組み合わされる。
【0133】
組成物及びその処理の限定しない例として、ドナーから得られた糞便物質のサンプルから、外部の汚染を取り除くことができる。清掃後、サンプル又はサンプルの一部は、秤量され、凍結保護物質、例えば、グリセロール(植物性グリセロール)等は、例えば、最低でも20重量%(凍結保護物質1重量部又はそれ以上に対して糞便物質5重量部)を加えることができる。糞便物質は、凍結保護物質と混合し、次いで、凍結乾燥前に硫酸紙上で平らにすることができる。凍結乾燥後、フリーズドライされた材料は、乳鉢及び乳棒により、コーヒーミルを用いて、又はその組み合わせを用いて粉砕することによりサイズ縮小させることができる。得られた粉末は、カプセルに充てんすることができ、次いで、カプセルは、例えば、食品用シェラック等のコーティングで腸溶コーティングすることができる。用いられるカプセルのサイズは、非ヒト動物ドナー及びレシピエントの種に依存する。限定しない例として、サイズ4のカプセルは、ネコ及び超小型犬用に用いることができ、サイズ0のカプセルは、イヌ用に用いることができる。
【0134】
治療的投与の方法
本発明の実施形態は、疾患又は状態に罹患している非ヒト動物への微生物を含む組成物の投与の方法を包含する。本発明の実施形態は、上記組成物、それだけには限らないが、同定された組成物のうちのいずれかの投与を包含する。本発明の実施形態は、微生物を含む固形経口剤形(経口投与用の固形組成物)の疾患又は状態に罹患している非ヒト動物への投与の方法を包含する。
【0135】
いくつかの実施形態では、疾患又は状態は、胃腸疾患、例えば、それだけには限らないが、次の、大腸炎、便秘、急性若しくは慢性下痢、胃炎、出血性胃腸炎を含めた胃腸炎、過敏性若しくは炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、膵炎、小腸吸収不良、嘔吐及び逆流症のうちの1種又は複数である。状態は、寄生虫、例えば、ウシ胎仔トリコモナス等;感染性細菌、例えば、カンピロバクター、クロストリジウム・パーフリンジェンス、及びC.ディフィシル等;並びにウイルス、例えば、パルボウイルス等を含めた、様々な因子により引き起こされ得る。
【0136】
いくつかの実施形態では、治療される疾患又は状態には、それだけに限らないが、次の、アトピー性皮膚炎を含めた皮膚炎、他の皮膚状態、糖尿病、及び腎疾患のうちの1種又は複数が含まれる。本発明の実施形態は、組成物、例えば、それだけには限らないが、微生物を含む固形経口剤形(経口投与用の固形組成物)の、例えば、食物アレルギー、食物感受性又は食物への反応を含めた、食物に対する不耐性に罹患している、非ヒト動物への投与の方法を包含する。食物アレルギーの限定しない例には、乳糖不耐症が含まれる。
【0137】
いくつかの実施形態では、非ヒト動物は、2種以上の疾患又は状態、及び/又は食物(ある特定の条件)に対する不耐性に罹患している。
【0138】
いくつかの実施形態では、治療レジメンは、患者におけるストレスを最小限にするように設計された低用量手法である。
【0139】
いくつかの実施形態では、固形経口用量の投与用の治療レジメンは、1~60日までの期間食物を伴う1日1~3個のカプセルである。いくつかの実施形態では、投与の期間は、7~30日までである。好ましい実施形態では、投与の期間は、25日±5日である。用いられるカプセルのサイズ(又は錠剤剤形用に用いられる錠剤のサイズ)は、レシピエントのサイズ及び/又はレシピエントと同じ治療群における動物の典型的なサイズに依存する。限定しない例として、サイズ4のカプセル(0.2ml容積)は、ネコ及び超小型犬用に用いることができ、サイズ0(0.68ml容積)カプセルは、中型から大型犬用に用いることができる。いくつかの実施形態では、サイズ4のカプセル(0.2ml容積)には、粉末0.16(±0.02)グラムが含まれ、粉末は、糞便物質及び添加剤を含む混合物のフリーズドライされた、凍結乾燥された、及び/又は噴霧乾燥された粉末であり、糞便物質は、粉末20wt%~80wt%である。いくつかの実施形態では、サイズ0のカプセル(0.68ml容積)には、粉末0.4(±0.04)グラムが含まれ、粉末は、糞便物質及び添加剤を含む混合物のフリーズドライされた、凍結乾燥された、及び/又は噴霧乾燥された粉末であり、糞便物質は、粉末20wt%~80wt%である。いくつかの実施形態では、各カプセルは、約103CFU/ml~約1011CFU/mlまでを含有する。いくつかの実施形態では、各カプセルは、約103CFU/ml~約106CFU/mlまでを含有する。いくつかの実施形態では、各カプセルは、約105CFU/ml~約1011CFU/mlまでを含有する。いくつかの実施形態では、各カプセルは、約108CFU/ml~約1011CFU/mlまでを含有する。いくつかの実施形態では、各カプセルは、約106CFU/ml~約108CFU/mlまでを含有する。いくつかの実施形態では、各用量は、約103CFU/ml~約1011CFU/mlまでを含有する。いくつかの実施形態では、各用量は、約103CFU/ml~約106CFU/mlまでを含有する。いくつかの実施形態では、各用量は、約105CFU/ml~約1011CFU/mlまでを含有する。いくつかの実施形態では、各用量は、約108CFU/ml~約1011CFU/mlまでを含有する。いくつかの実施形態では、各用量は、約106CFU/ml~約108CFU/mlまでを含有する。
【0140】
いくつかの実施形態では、投与は、ネコの場合、用量が1.7×10CFU/Kg~8.9×109CFU/Kgである。いくつかの実施形態では、投与は、イヌの場合、用量が1.2×10CFU/Kg~1.5×1010CFR/kgである。
【0141】
食物による投与(食物の消費と同時の投与)は、食事を消費して15分以内に、例えば、食事を消費する10分前まで又は食事を消費して10分後までに、組成物を投与することができる。
【0142】
いくつかの実施形態では、微生物を含む組成物の投与の方法は、疾患又は状態に罹患している非ヒト動物への繊維の投与と同時である。いくつかの実施形態では、同時は、10分以内である。繊維の投与は、微生物及び繊維を含む組成物の投与、繊維の同時投与、若しくは繊維質が高い食物による投与、又はその組み合わせによるものであり得る。いくつかの実施形態では、繊維は、0.01~10g/kg、好ましくは、0.01~0.5g/kg、より好ましくは、0.01~10mg/kgの量で投与される。いくつかの実施形態では、投与される繊維は、0.05~5mg/kgの量となる。mg/kg。いくつかの実施形態では、ある剤形、例えば、それだけには限らないが、本明細書に記載した微生物を含む組成物を含めたカプセルの投与と同時に(5分以内に)、腸溶コーティングされた又は腸溶コーティングされていない1個又は複数のカプセルを投与することにより、繊維は同時投与される。いくつかの実施形態では、微生物を含む組成物の投与は、食物と一緒であり、食物は、繊維質が高い。イヌの場合、「高繊維」の食物は、繊維が5重量%を超え、好ましくは、繊維が6重量%を超え、より好ましくは、繊維が7重量%を超える。ネコの場合、「高繊維」の食物は、繊維が3.5重量%を超え、好ましくは、繊維が4.0重量%を超え、より好ましくは、繊維が4.5重量%を超える。
【0143】
組成物中の微生物の部分が、ドナーから、例えば、同属、同種、又は同品種から得られる場合、微生物療法を受ける患者であり得るレシピエントは、一般的には、ドナーと分類学的に類似である。いくつかの実施形態では、レシピエントは、分類学的に異なってもよい。一例として、ウマは、レシピエントであり得、ドナーは、ロバでもラバでもよい。上記で述べた通り、好ましい実施形態では、患者であり得るレシピエントは、農業用家畜及び伴侶動物を含めた、非ヒト哺乳動物である。農業用家畜の例には、それだけには限らないが、雌ウシ、ウマ、ロバ、ラバ、ブタ、ヒツジ、及びヤギが含まれる。伴侶哺乳動物の例には、それだけには限らないが、ネコ、イヌ、フェレット、マウス、スナネズミ、ラット、ハムスター、及びモルモットが含まれる。いくつかの実施形態では、患者は、伴侶哺乳動物のみである。いくつかの実施形態では、患者は、ネコ、イヌ、及びフェレットである。
【0144】
本発明の実施形態は、組成物を投与することを包含し、組成物は、ネコの患者(又は対象)への投与を目的とし、組成物には、それだけには限らないが、微生物が含まれ、投与によって、患者の微生物叢の次の微生物、すなわち、ブラウティア、オシロスピラ、ルミノコッカス属、ラクノスピラ科g1、クロストリジウム目f1のうちの少なくとも1種の有意な変化がもたらされる。本発明の実施形態は、組成物を投与することを包含し、組成物は、イヌの患者(又は対象)への投与を目的とし、組成物には、それだけには限らないが、微生物が含まれ、投与によって、患者の微生物叢の次の微生物、すなわち、バクテロイデス属、エンテロコッカス属、ストレプトコッカス属、ルミノコッカス属、ブラウティア、ドレア、プレボテラ属、クロストリジウム科g1、ラクノスピラ科g1、コプロコッカス属、オシロスピラ、ユーバクテリウム属、クロストリジウム目f1のうちの少なくとも1種の有意な変化がもたらされる。
【0145】
限定しない本発明の実施形態は、次の番号の付いた段落に記載される。
【0146】
段落[0001]:本発明の実施形態は、微生物を含む経口投与用の固形組成物を包含し、微生物は、次の群、すなわち、ブラウティア、クロストリジウム目のメンバー、ルミノコッカス科のメンバー、ユーバクテリウム属、フィーカリバクテリウム属、オシロスピラ、ファスコラークトバクテリウム、モギバクテリア科のメンバー、サクシニビブリオ科のメンバー、コプロコッカス属、ローズブリア属、及びカテニバクテリウム属のうちのメンバーを含む菌種の組み合わせを含む。
【0147】
段落[0002]本発明の実施形態は、微生物を含む経口投与用の固形組成物を包含し、微生物は、次の群、すなわち、ブラウティア、クロストリジウム目のメンバー、ルミノコッカス科のメンバー、ユーバクテリウム属、フィーカリバクテリウム属、オシロスピラ、ファスコラークトバクテリウム、モギバクテリア科のメンバー、サクシニビブリオ科のメンバー、コプロコッカス属、ローズブリア属、及びカテニバクテリウム属のうちのメンバーを含む細菌分類群の組み合わせを含む。
【0148】
段落[0003]:本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0001]及び[0002]に記載されているもの等では、組成物は、非ヒト哺乳動物から得られた糞便物質サンプルを含む。
【0149】
段落[0004]:本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0001]及び[0002]に記載されているもの等では、組成物は、非ヒト哺乳動物から得られた糞便物質サンプルの少なくとも一部を含む。
【0150】
段落[0005]:本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0001]及び[0002]に記載されているもの等では、組成物の微生物は、非ヒト哺乳動物の糞便の微生物叢又は非ヒト哺乳動物の実質的に糞便の微生物叢を含む。
【0151】
段落[0006]:本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0001]及び[0002]に記載されているもの等では、組成物の微生物は、非ヒト哺乳動物の糞便の微生物叢又は非ヒト哺乳動物の実質的に糞便の微生物叢である。
【0152】
段落[0007]:本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0003]~[0006]に記載されているもの等では、糞便サンプルは、ネコの糞便サンプルである。
【0153】
段落[0008]:本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0003]~[0006]に記載されているもの等では、糞便サンプルは、イヌの糞便サンプルである。
【0154】
段落[0009]:本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0003]~[0006]に記載されているもの等では、糞便サンプルは、フェレットから得られた糞便サンプルである。
【0155】
段落[0010]:本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0003]~[0006]に記載されているもの等では、糞便サンプルは、ウサギから得られた糞便サンプルである。
【0156】
段落[0011]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0003]~[0006]に記載されているもの等では、糞便サンプルは、ウマから得られた糞便サンプルである。
【0157】
段落[0012]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0001]及び[0002]に記載されているもの等では、組成物は、1種若しくは複数の培養された微生物の分類群及び/又は菌株を含む。
【0158】
段落[0013]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0001]及び[0002]に記載されているもの等では、組成物は、1種若しくは複数の単離された微生物菌株を含む。
【0159】
段落[0014]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0001]及び[0002]に記載されているもの等では、組成物は、1種若しくは複数の単離された微生物の分類群を含む。
【0160】
段落[0015]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0001]及び[0002]に記載されているもの等では、組成物は、1種若しくは複数の増強された微生物の分類群及び/又は菌株を含む。
【0161】
段落[0016]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0001]~[0011]に記載されているもの等では、組成物の微生物は、非ヒト哺乳動物の糞便の微生物叢又は非ヒト哺乳動物の実質的に糞便の微生物叢、及び1種又は複数の微生物菌株の組み合わせであり、微生物菌株は、培養される、単離される、増強される、又はその組み合わせである。
【0162】
段落[0017]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0001]~[0016]に記載されているもの等では、各カプセルは、約103CFU/ml~約1011CFU/mlを含有する。
【0163】
段落[0018]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0001]~[0017]に記載されているもの等では、組成物は、添加剤を含む。
【0164】
段落[0019]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0018]に記載されているもの等では、添加剤は、グリコール、グリセロール、植物性グリセロール、ジメチルスルホキシド、1,3-プロパンジオール、エタノール、ポリビニルアルコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンオキシド、マンニトール、D-マンニトール、D-ソルビトール、ソルビトール、ダルシトール、キシリトール、グルコース、D-グルコース、キシロース、スクロース、乳糖、マルトース、トレハロース、ラフィノース、デキストラン、マンナン、デキストリン、アラビアゴム(アカシア)、アセトアミド、メチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチル-アセトアミド、スクシンイミド、メチルピロリドン、ポリビニルピロリドン、プロリン、グリシン、グルタミン酸、アミノ酪酸、グルタル酸、酢酸アンモニウム、システイン、EDTA、血清、ウシ胎児血清、アルブミン、ウシ血清アルブミン(BSA)、ゼラチン、カゼイン加水分解物、デンプン加水分解物、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ペプトン、殻抽出物、糖タンパク質、ムチン、バリノマイシン、グラミシジン、酵母抽出物、マルツエキス、脱脂乳、酪農牛乳、豆乳、魚油、ハチミツ、ポリソルベート80、ポリソルベート20、ポリソルベート60、ポリエチレングリコールp-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-フェニルエーテル、マクロシクロン、グリシンベタイン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0165】
段落[0020]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0001]~[0019]に記載されているもの等では、微生物は、凍結されている、フリーズドライされている、凍結乾燥されている、噴霧乾燥されている、又はその組み合わせである。
【0166】
段落[0021]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0001]及び[0020]に記載されているもの等では、組成物は、粉末、粒子、顆粒剤、硬質シェルカプセル(hard-shell capsule)、錠剤、又はその組み合わせの形態である。
【0167】
段落[0022]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0001]~[0021]に記載されているもの等では、組成物は、微生物を含むカプセルであり、微生物は、凍結されている、フリーズドライされている、凍結乾燥されている、噴霧乾燥されている、又はその組み合わせである。
【0168】
段落[0023]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0022]に記載されているもの等では、カプセルは、コーティングされる。
【0169】
段落[0024]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0023]に記載されているもの等では、カプセルのコーティングは、腸溶コーティングである。
【0170】
段落[0025]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0024]に記載されているもの等では、腸溶コーティングは、食物用シェラックを含む。
【0171】
段落[0026]本発明の実施形態は、非ヒト動物において胃腸疾患若しくは状態を治療するために、経口組成物を調製する方法を包含し、方法は、
(a)1匹又は複数の個別の非ヒト哺乳動物ドナーから糞便物質のサンプルを得る(ドナーは、同種である)ステップと;
(b)少なくとも1種の病原体について糞便物質サンプルをスクリーニングするステップと;
(c)病原体を含む糞便物質サンプル(複数可)がもしあればそれを除去するステップと;
(d)細菌の多様性についての病原体のスクリーニング後に残存する糞便物質サンプルをスクリーニングするステップと;
(e)次の基準、すなわち、
特定の病原体の存在;糞便のコンシステンシーの不足
を満たさない糞便物質サンプル(複数可)がもしあればそれを除去するステップと、
(f)基準を満たす場合、糞便物質サンプルを処理して、非ヒト哺乳動物への経口投与用の組成物を形成するステップと
を含む。
【0172】
段落[0027]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0026]に記載されているもの等では、ドナーは、健康についてスクリーニングされ、健常なドナーのみ、ステップ(a)に含まれる。
【0173】
段落[0028]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0026]及び[0027]に記載されているもの等では、すべての糞便サンプルが、ステップ(e)の後に除去される場合、少なくとも1種の糞便物質サンプルが、ステップ(e)後に除去されなくなるまで、ステップ(a)~(e)を1回又は複数回繰り返す。
【0174】
段落[0029]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0026]~[0028]に記載されているもの等では、非ヒト哺乳動物ドナーは、ネコであり;スクリーニングされる病原体には、クロストリジウム・ディフィシル毒素A及びB、クリプトスポリジウム属菌種、サルモネラ菌種、ネココロナウイルス、ネコパルボウイルス(汎白血球減少症)、ジアルジア属菌種、イヌパルボウイルス2、及びウシ胎仔トリコモナスが含まれる。
【0175】
段落[0030]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0026]~[0028]に記載されているもの等では、非ヒト哺乳動物ドナーは、イヌであり;スクリーニングされる病原体には、クロストリジウム・ディフィシル毒素A及びB、クリプトスポリジウム属菌種、サルモネラ菌種、ジアルジア属菌種、サルモネラ菌種、ジアルジア属菌種、イヌパルボウイルス2、クロストリジウム・パーフリンジェンス抗原、α毒素、及びβ毒素が含まれる。
【0176】
段落[0031]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0026]~[0028]に記載されているもの等では、非ヒト哺乳動物ドナーは、フェレットであり;スクリーニングされる病原体には、クリプトスポリジウム属、ジアルジア属菌種、イヌジステンパーウイルス、ローソニア属、カンピロバクター・ジェジュニ、フェレットコロナウイルス、ヘリコバクター属菌種、サルモネラ菌種が含まれる。
【0177】
段落[0032]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0026]~[0031]に記載されているもの等では、組成物は、液体組成物である。
【0178】
段落[0033]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0026]~[0031]に記載されているもの等では、組成物は、固形組成物である。
【0179】
段落[0034]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0033]に記載されているもの等では、組成物は、粉末、粒子、顆粒剤、カプセル、錠剤、又はその組み合わせの形態である。
【0180】
段落[0035]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0026]~[0034]に記載されているもの等では、組成物は、添加剤を含む。
【0181】
段落[0036]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0035]に記載されているもの等では、糞便サンプルの処理は、任意の外部の汚染を除去するステップと、任意選択で添加剤を糞便サンプルに加えるステップと、続いて、固形物を形成するために糞便サンプル及び任意選択の添加剤を凍結する、フリーズドライする、噴霧乾燥する、凍結乾燥するステップ、又はその組み合わせとを含む。
【0182】
段落[0037]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0036]に記載されているもの等では、処理は、粉末を形成するために固体の少なくとも一部のサイズを縮小するステップと、続いて、粉末の少なくとも一部で1個又は複数のカプセルを少なくとも部分的に充てんするステップとをさらに含む。
【0183】
段落[0038]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0037]に記載されているもの等では、処理は、カプセルの少なくとも一部をコーティングするステップをさらに含む。
【0184】
段落[0039]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0038]に記載されているもの等では、カプセル上の少なくとも1種のコーティングは、腸溶コーティングである。
【0185】
段落[0040]本発明の実施形態は、微生物を含む組成物を非ヒト哺乳動物に投与するステップを含む、非ヒト哺乳動物において胃腸疾患又は状態を治療する方法を包含し、微生物は、次の群、すなわち、ブラウティア、クロストリジウム目のメンバー、ルミノコッカス科のメンバー、ユーバクテリウム属、フィーカリバクテリウム属、オシロスピラ、ファスコラークトバクテリウム、モギバクテリア科のメンバー、サクシニビブリオ科のメンバー、コプロコッカス属、ローズブリア属、及びカテニバクテリウム属のうちのメンバーを含む細菌分類群の組み合わせを含む。
【0186】
段落[0041]本発明の実施形態は、微生物を含む組成物を非ヒト哺乳動物に投与するステップを含む、非ヒト哺乳動物において胃腸疾患又は状態を治療する方法を包含し、微生物は、次の群、すなわち、ブラウティア、クロストリジウム目のメンバー、ルミノコッカス科のメンバー、ユーバクテリウム属、フィーカリバクテリウム属、オシロスピラ、ファスコラークトバクテリウム、モギバクテリア科のメンバー、サクシニビブリオ科のメンバー、コプロコッカス属、ローズブリア属、及びカテニバクテリウム属のうちのメンバーを含む菌種の組み合わせを含む。
【0187】
段落[0042]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0040]及び[0041]に記載されているもの等では、組成物は、経口投与用の組成物である。
【0188】
段落[0043]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0042]に記載されているもの等では、組成物は、固形組成物である。
【0189】
段落[0044]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0040]~[0043]に記載されているもの等では、非ヒト哺乳動物は、ネコである。
【0190】
段落[0045]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0044]に記載されているもの等では、胃腸疾患は、大腸炎、便秘、急性若しくは慢性下痢、胃炎、胃腸炎、炎症性腸疾患、過敏性腸疾患、過敏性腸症候群、膵炎、小腸吸収不良、嘔吐及び逆流症である。
【0191】
段落[0046]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0040]~[0043]に記載されているもの等では、非ヒト哺乳動物は、イヌである。
【0192】
段落[0047]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0046]に記載されているもの等では、胃腸疾患は、大腸炎、便秘、急性若しくは慢性下痢、胃炎、胃腸炎、炎症性腸疾患、過敏性腸疾患、過敏性腸症候群、膵炎、小腸吸収不良、嘔吐及び逆流症である。
【0193】
段落[0048]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0040]~[0043]に記載されているもの等では、非ヒト哺乳動物は、フェレットである。
【0194】
段落[0049]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0048]に記載されているもの等では、胃腸疾患は、大腸炎、便秘、急性若しくは慢性下痢、胃炎、胃腸炎、炎症性腸疾患、過敏性腸疾患、過敏性腸症候群、膵炎、小腸吸収不良、嘔吐及び逆流症である。
【0195】
段落[0050]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0040]~[0049]に記載されているもの等では、投与は、食物と共に1日1、2、又は3回1カプセルの用量の4日~30日間の投与を含む。
【0196】
段落[0051]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0050]に記載されているもの等では、投与の期間は、10日~30日である。
【0197】
段落[0052]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0051]に記載されているもの等では、投与の期間は、22日~28日である。
【0198】
段落[0053]本発明の実施形態は、非ヒト動物から得られた糞便物質を含む経口投与用の固形組成物を包含する。
【0199】
段落[0054]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0053]に記載されているもの等では、糞便物質は、1匹だけの個体の非ヒト哺乳動物から得られる。
【0200】
段落[0055]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0053]及び[0054]に記載されているもの等では、組成物は、繊維を含む。
【0201】
段落[0056]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0053]及び[0054]に記載されているもの等では、糞便物質は、ネコの糞便物質である。
【0202】
段落[0057]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0053]及び[0054]に記載されているもの等では、糞便物質は、イヌの糞便物質である。
【0203】
段落[0058]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0053]及び[0054]に記載されているもの等では、糞便物質は、フェレットから得られた糞便物質である。
【0204】
段落[0059]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0053]及び[0054]に記載されているもの等では、糞便物質は、ウサギから得られた糞便物質である。
【0205】
段落[0060]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0053]及び[0054]に記載されているもの等では、糞便物質は、ウマ、ヤギ、ロバ、雌ウシ、ブタ、又はラバから得られた糞便物質である。
【0206】
段落[0061]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0053]~[0060]に記載されているもの等では、組成物は、1種若しくは複数の培養された微生物の分類群を含む。
【0207】
段落[0062]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0053]~[0061]に記載されているもの等では、組成物は、1種若しくは複数の単離された微生物の分類群を含む。
【0208】
段落[0063]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0053]~[0062]に記載されているもの等では、組成物は、1種若しくは複数の増強された微生物の分類群を含む。
【0209】
段落[0064]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0053]~[0063]に記載されているもの等では、組成物は、発酵により得られた1種若しくは複数の微生物の分類群を含む。
【0210】
段落[0065]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0064]に記載されているもの等では、発酵により得られた1種又は複数の微生物の分類群は、非ヒト動物のフリーズドライされた糞便物質の発酵により得られる。
【0211】
段落[0066]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0064]及び[0065]に記載されているもの等では、発酵により得られた微生物の分類群のうちの少なくとも1種は、次の、ドレア、ルミノコッカス、ブラウティアでなく且つドレアでないラクノスピラ科ファミリーのメンバー、コリンセラ属、ブラウティア、クロストリジウム目のメンバー、ルミノコッカス科ファミリーのメンバー、クロストリジウム属、クロストリジウム目のメンバー、又はサテレラのうちの1種である。
【0212】
段落[0067]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0064]及び[0065]に記載されているもの等では、発酵により得られた微生物の分類群のうちの少なくとも1種は、次の、ルミノコッカス、ブラウティア、ドレア、クロストリジウム科ファミリーのメンバー、ブラウティアでなく且つドレアでないラクノスピラ科ファミリーのメンバー、クロストリジウム目のメンバー、サテレラ、ユーバクテリウム属、コリンセラ属、又はエリシペロトリクス科ファミリーのメンバーの1種である。
【0213】
段落[0068]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0053]~[0067]に記載されているもの等では、組成物は、微生物を含み、微生物は、非ヒト哺乳動物の糞便の微生物叢又は非ヒト哺乳動物の実質的に糞便の微生物叢、及び1種又は複数の微生物の分類群の組み合わせを含み、微生物の分類群は、培養された、単離された、増強された、発酵の生成物、又はその組み合わせである。
【0214】
段落[0069]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0053]~[0068]に記載されているもの等では、組成物は、添加剤を含む。
【0215】
段落[0070]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0053]~[0069]に記載されているもの等では、糞便物質は、凍結されている、フリーズドライされている、凍結乾燥されている、噴霧乾燥されている、又はその組み合わせであり、任意選択の追加の微生物は、存在する場合、凍結されている、フリーズドライされている、凍結乾燥されている、噴霧乾燥されている、又はその組み合わせである。
【0216】
段落[0071]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0053]及び[0070]に記載されているもの等では、組成物は、粉末、粒子、顆粒剤、硬質シェルカプセル、錠剤、又はその組み合わせの形態である。
【0217】
段落[0072]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0071]に記載されているもの等では、組成物は、カプセル又は錠剤であり、各カプセル又は錠剤は、約103CFU/ml~約1011CFU/mlまでを含む。
【0218】
段落[0073]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0071]に記載されているもの等では、組成物は、カプセル又は錠剤であり、各カプセル又は錠剤は、約105CFU/ml~約1011CFU/mlまでを含む。
【0219】
段落[0074]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0071]に記載されているもの等では、組成物は、カプセル又は錠剤であり、各カプセル又は錠剤は、約106CFU/ml~約1010CFU/mlまでを含む。
【0220】
段落[0075]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0053]~[0074]に記載されているもの等では、組成物は、糞便物質を含むカプセルであり、糞便物質は、凍結されている、フリーズドライされている、凍結乾燥されている、噴霧乾燥されている、又はその組み合わせであり、追加の微生物を任意選択で含み、追加の微生物は、存在する場合、凍結されている、フリーズドライされている、凍結乾燥されている、噴霧乾燥されている、又はその組み合わせである。
【0221】
段落[0076]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0075]に記載されているもの等では、1種若しくは複数の添加剤は、存在し、1種若しくは複数の添加剤のうちの少なくとも1種は、グリコール、グリセロール、植物性グリセロール、ジメチルスルホキシド、1,3-プロパンジオール、エタノール、ポリビニルアルコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンオキシド、マンニトール、D-マンニトール、D-ソルビトール、ソルビトール、ダルシトール、キシリトール、グルコース、D-グルコース、キシロース、スクロース、乳糖、マルトース、トレハロース、ラフィノース、デキストラン、マンナン、デキストリン、アラビアゴム(アカシア)、アセトアミド、メチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチル-アセトアミド、スクシンイミド、メチルピロリドン、ポリビニルピロリドン、プロリン、グリシン、グルタミン酸、アミノ酪酸、グルタル酸、酢酸アンモニウム、1種若しくは複数のシステイン、EDTA、血清、ウシ胎児血清、1種若しくは複数のアルブミン、ウシ血清アルブミン(BSA)、ゼラチン、カゼイン加水分解物、デンプン加水分解物、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、1種若しくは複数のペプトン、殻抽出物、1種若しくは複数の糖タンパク質、ムチン、バリノマイシン、グラミシジン、酵母抽出物、マルツエキス、脱脂乳、酪農牛乳、豆乳、魚油、ハチミツ、ポリソルベート80、ポリソルベート20、ポリソルベート60、ポリエチレングリコールp-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-フェニルエーテル、マクロシクロン、グリシンベタイン、又はその組み合わせである。
【0222】
段落[0077]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0075]及び[0076]に記載されているもの等では、カプセルは、コーティングされる。
【0223】
段落[0078]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0077]に記載されているもの等では、カプセルコーティングは、腸溶コーティングを含む。
【0224】
段落[0079]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0078]に記載されているもの等では、腸溶コーティングは、食物用シェラックを含む。
【0225】
段落[0080]本発明の実施形態は、微生物を含む投与用の固形組成物を包含し、微生物は、
(a)次の分類群のうちの少なくとも1種の微生物:
ルミノコッカス、クロストリジウム科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、ブラウティアでなく且つドレアでないラクノスピラ科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、ブラウティア、フソバクテリウム、ドレア、クロストリジウム目の少なくとも1メンバー、バクテロイデス属、サテレラ、ユーバクテリウム属、コリンセラ属、メガモナス属、ルミノコッカス科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、クロストリジウム属、プレボテラ属、クロストリジウム科ファミリーの少なくとも別のメンバー、ブラウティアでなく且つドレアでないラクノスピラ科ファミリーの少なくとも別のメンバー、フィーカリバクテリウム属;
及び
(b)(a)中の少なくとも1種の分類群の微生物と同じでも異なっていてもよい、次の分類群のうちの少なくとも1種の微生物:クロストリジウム目の少なくとも1メンバー、ルミノコッカス科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、クロストリジウム属、クロストリジウム科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、サテレラ、ユーバクテリウム属、オシロスピラ、ルミノコッカス属、コプロコッカス属、パラバクテロイデス属、フソバクテリウム、フィーカリバクテリウム属、メガモナス属;
並びに/又は
(a)中の少なくとも1種の分類群の微生物と同じでも異なっていてもよい、次の分類群のうちの少なくとも1種の微生物:ドレア、クロストリジウム目の少なくとも1メンバー、サテレラ、ユーバクテリウム属、コリンセラ属、エリシペロトリクス科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、メガモナス属、ルミノコッカス科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、クロストリジウム属、クロストリジウム科ファミリーの少なくとも別のメンバー、ブラウティアでなく且つドレアでないラクノスピラ科ファミリーの少なくとも別のメンバー、フィーカリバクテリウム属
を含む。
【0226】
段落[0081]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0080]に記載されているもの等では、組成物は、経腸投与用である。
【0227】
段落[0082]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0080]及び[0081]に記載されているもの等では、組成物は、経口投与用である
段落[0083]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0080]~[0082]に記載されているもの等では、組成物は、(a)中の分類群のうちの少なくとも2種を含む。
【0228】
段落[0084]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0080]~[0083]に記載されているもの等では、組成物は、(a)中の分類群のうちの少なくとも3種を含む。
【0229】
段落[0085]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0080]~[0084]に記載されているもの等では、組成物は、(a)中の分類群のうちの少なくとも4種を含む。
【0230】
段落[0086]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0080]~[0085]に記載されているもの等では、組成物は、(a)中の分類群のうちの少なくとも5種を含む。
【0231】
段落[0087]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0080]~[0086]に記載されているもの等では、組成物は、(a)中の分類群のうちの少なくとも6種を含む。
【0232】
段落[0088]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0080]~[0087]に記載されているもの等では、組成物は、繊維を含む。
【0233】
段落[0089]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0088]に記載されているもの等では、繊維は、1種若しくは複数のオリゴ糖、難消化性デンプン、ペクチン、1種若しくは複数のβグルカン、1種若しくは複数のキシロオリゴ糖、又はその組み合わせを含む。
【0234】
段落[0090]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0089]に記載されているもの等では、繊維は、1種又は複数のオリゴ糖を含み、少なくとも1種は、フルクタンであり、少なくとも1種は、ガラクタンであり、又は少なくとも1種は、フルクタンであり、少なくとも1種は、ガラクタンである。
【0235】
段落[0091]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0080]~[0090]に記載されているもの等では、組成物は、非ヒト哺乳動物から得られた糞便物質を含む。
【0236】
段落[0092]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0091]に記載されているもの等では、糞便物質は、1匹だけの個体の非ヒト哺乳動物から得られる。
【0237】
段落[0093]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0091]及び[0092]に記載されているもの等では、糞便物質は、ネコの糞便物質である。
【0238】
段落[0094]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0093]に記載されているもの等では、組成物は、次の分類群、すなわち、ドレア、ルミノコッカス、バクテロイデス属、ブラウティアでなく且つドレアでないラクノスピラ科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、コリンセラ属、ブラウティア、クロストリジウム目の少なくとも1メンバー、ルミノコッカス科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、クロストリジウム属、クロストリジウム科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、サテレラ、プレボテラ属、ユーバクテリウム属、オシロスピラ、クロストリジウム科ファミリーの少なくとも別のメンバー、ブラウティアでなく且つドレアでないラクノスピラ科ファミリーの少なくとも別のメンバー、ルミノコッカス属、コプロコッカス属、パラバクテロイデス属、フソバクテリウム、フィーカリバクテリウム属、メガモナス属のうちの少なくとも2種の微生物を含む。
【0239】
段落[0095]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0093]に記載されているもの等では、組成物は、次の分類群、すなわち、ドレア、ルミノコッカス、バクテロイデス属、ブラウティアでなく且つドレアでないラクノスピラ科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、コリンセラ属、ブラウティア、クロストリジウム目の少なくとも1メンバー、ルミノコッカス科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、クロストリジウム属、クロストリジウム科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、サテレラ、プレボテラ属、ユーバクテリウム属、オシロスピラ、クロストリジウム科ファミリーの少なくとも別のメンバー、ブラウティアでなく且つドレアでないラクノスピラ科ファミリーの少なくとも別のメンバー、ルミノコッカス属、コプロコッカス属、パラバクテロイデス属、フソバクテリウム、フィーカリバクテリウム属、メガモナス属のうちの少なくとも3種の微生物を含む。
【0240】
段落[0096]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0093]に記載されているもの等では、組成物は、次の分類群、すなわち、ドレア、ルミノコッカス、バクテロイデス属、ブラウティアでなく且つドレアでないラクノスピラ科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、コリンセラ属、ブラウティア、クロストリジウム目の少なくとも1メンバー、ルミノコッカス科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、クロストリジウム属、クロストリジウム科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、サテレラ、プレボテラ属、ユーバクテリウム属、オシロスピラ、クロストリジウム科ファミリーの少なくとも別のメンバー、ブラウティアでなく且つドレアでないラクノスピラ科ファミリーの少なくとも別のメンバー、ルミノコッカス属、コプロコッカス属、パラバクテロイデス属、フソバクテリウム、フィーカリバクテリウム属、メガモナス属のうちの少なくとも5種の微生物を含む。
【0241】
段落[0097]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0093]に記載されているもの等では、組成物は、次の分類群、すなわち、ドレア、バクテロイデス属、ブラウティアでなく且つドレアでないラクノスピラ科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、コリンセラ属、ブラウティア、クロストリジウム目の少なくとも1メンバー、ルミノコッカス科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、クロストリジウム属、クロストリジウム科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、サテレラのうちの少なくとも1種の微生物を含む。
【0242】
段落[0098]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0093]に記載されているもの等では、組成物は、次の分類群、すなわち、クロストリジウム目の少なくとも1メンバー、ルミノコッカス科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、クロストリジウム属、クロストリジウム科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、サテレラのうちの少なくとも2種の微生物を含む。
【0243】
段落[0099]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0091]及び[0092]に記載されているもの等では、糞便物質は、イヌの糞便物質である。
【0244】
段落[0100]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0099]に記載されているもの等では、組成物は、次の分類群、すなわち、ルミノコッカス、クロストリジウム科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、ブラウティアでなく且つドレアでないラクノスピラ科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、ブラウティア、フソバクテリウム、ドレア、クロストリジウム目の少なくとも1メンバー、バクテロイデス属、サテレラ、ユーバクテリウム属、コリンセラ属、エリシペロトリクス科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、メガモナス属、ルミノコッカス科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、クロストリジウム属、プレボテラ属、クロストリジウム科ファミリーの少なくとも別のメンバー、ブラウティアでなく且つドレアでないラクノスピラ科ファミリーの少なくとも別のメンバー、フィーカリバクテリウム属のうちの少なくとも2種の微生物を含む。
【0245】
段落[0101]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0099]に記載されているもの等では、組成物は、次の分類群、すなわち、ルミノコッカス、クロストリジウム科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、ブラウティアでなく且つドレアでないラクノスピラ科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、ブラウティア、フソバクテリウム、ドレア、クロストリジウム目の少なくとも1メンバー、バクテロイデス属、サテレラ、ユーバクテリウム属、コリンセラ属、エリシペロトリクス科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、メガモナス属、ルミノコッカス科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、クロストリジウム属、プレボテラ属、クロストリジウム科ファミリーの少なくとも別のメンバー、ブラウティアでなく且つドレアでないラクノスピラ科ファミリーの少なくとも別のメンバー、フィーカリバクテリウム属のうちの少なくとも3種の微生物を含む。
【0246】
段落[0102]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0099]に記載されているもの等では、組成物は、次の分類群、すなわち、ルミノコッカス、クロストリジウム科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、ブラウティアでなく且つドレアでないラクノスピラ科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、ブラウティア、フソバクテリウム、ドレア、クロストリジウム目の少なくとも1メンバー、バクテロイデス属、サテレラ、ユーバクテリウム属、コリンセラ属、エリシペロトリクス科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、メガモナス属、ルミノコッカス科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、クロストリジウム属、プレボテラ属、クロストリジウム科ファミリーの少なくとも別のメンバー、ブラウティアでなく且つドレアでないラクノスピラ科ファミリーの少なくとも別のメンバー、フィーカリバクテリウム属のうちの少なくとも5種の微生物を含む。
【0247】
段落[0103]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0099]に記載されているもの等では、組成物は、次の分類群、すなわち、ルミノコッカス、クロストリジウム科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、ブラウティアでなく且つドレアでないラクノスピラ科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、ブラウティア、ドレア、クロストリジウム目の少なくとも1メンバー、サテレラ、ユーバクテリウム属、コリンセラ属、エリシペロトリクス科ファミリーのうちの少なくとも1メンバーのうちの少なくとも1種を含む。
【0248】
段落[0104]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0099]に記載されているもの等では、組成物は、次の分類群、すなわち、ドレア、クロストリジウム目の少なくとも1メンバー、サテレラ、ユーバクテリウム属、コリンセラ属、エリシペロトリクス科ファミリーのうちの少なくとも1メンバーのうちの少なくとも2種を含む。
【0249】
段落[0105]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0091]及び[0092]に記載されているもの等では、糞便物質は、フェレットから得られた糞便物質である。
【0250】
段落[0106]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0091]及び[0092]に記載されているもの等では、糞便物質は、ウサギから得られた糞便物質である。
【0251】
段落[0107]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0091]及び[0092]に記載されているもの等では、糞便物質は、ウマから得られた糞便物質である。
【0252】
段落[0108]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0080]~[0090]に記載されているもの等では、組成物の微生物は、非ヒト哺乳動物の糞便の微生物叢を含む。
【0253】
段落[0109]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0080]~[0090]に記載されているもの等では、組成物の微生物は、非ヒト哺乳動物の実質的に糞便の微生物叢を含む。
【0254】
段落[0110]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0080]~[0109]に記載されているもの等では、組成物は、1種若しくは複数の培養された微生物の分類群及び/又は菌株を含む。
【0255】
段落[0111]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0080]~[0110]に記載されているもの等では、組成物は、1種若しくは複数の単離された微生物の分類群及び/又は菌株を含む。
【0256】
段落[0112]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0080]~[0111]に記載されているもの等では、組成物は、1種若しくは複数の増強された微生物の分類群及び/又は菌株を含む。
【0257】
段落[0113]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0080]~[0112]に記載されているもの等では、組成物は、発酵により得られた1種若しくは複数の微生物の分類群及び/又は菌株を含む。
【0258】
段落[0114]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0113]に記載されているもの等では、発酵により得られた微生物は、クロストリジウム目の少なくとも1メンバー、ルミノコッカス科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、クロストリジウム属、クロストリジウム科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、サテレラ、ユーバクテリウム属、オシロスピラ、ルミノコッカス属、コプロコッカス属、パラバクテロイデス属、フソバクテリウム、フィーカリバクテリウム属、及び/又はメガモナス属の微生物を含む。
【0259】
段落[0115]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0113]に記載されているもの等では、発酵により得られた微生物は、ドレア、クロストリジウム目の少なくとも1メンバー、サテレラ、ユーバクテリウム属、コリンセラ属、及び/又はエリシペロトリクス科ファミリーのうちの少なくとも1メンバーの微生物を含む。
【0260】
段落[0116]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0080]~[0090]に記載されているもの等では、組成物の微生物は、非ヒト哺乳動物の糞便の微生物叢又は非ヒト哺乳動物の実質的に糞便の微生物叢、及び1種又は複数の微生物の分類群の組み合わせ、微生物の分類群は、発酵から培養される、単離される、増強される、得られる又はその組み合わせである。
【0261】
段落[0117]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0080]~[0116]に記載されているもの等では、組成物は、添加剤を含む。
【0262】
段落[0118]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0080]~[0117]に記載されているもの等では、組成物の微生物は、凍結されている、フリーズドライされている、凍結乾燥されている、噴霧乾燥されている、又はその組み合わせである。
【0263】
段落[0119]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0080]及び[0118]に記載されているもの等では、組成物は、粉末、粒子、顆粒剤、硬質シェルカプセル、錠剤、又はその組み合わせの形態である。
【0264】
段落[0120]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0119]に記載されているもの等では、組成物は、カプセルであり、各カプセルは、約103CFU/ml~約1011CFU/mlまでを含む。
【0265】
段落[0121]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0119]に記載されているもの等では、組成物は、カプセルであり、各カプセルは、約105CFU/ml~約1011CFU/mlまでを含む。
【0266】
段落[0122]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0119]に記載されているもの等では、組成物は、カプセルであり、各カプセルは、約106CFU/ml~約1010CFU/mlまでを含む。
【0267】
段落[0123]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0119]に記載されているもの等では、組成物は、錠剤であり、各錠剤は、約103CFU/ml~約1011CFU/mlまでを含む。
【0268】
段落[0124]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0119]に記載されているもの等では、組成物は、錠剤であり、各錠剤は、約105CFU/ml~約1011CFU/mlまでを含む。
【0269】
段落[0125]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0119]に記載されているもの等では、組成物は、錠剤であり、各錠剤は、約106CFU/ml~約1010CFU/mlまでを含む。
【0270】
段落[0126]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0119]~[0122]に記載されているもの等では、組成物は、微生物を含むカプセルを含み、微生物は、凍結されている、フリーズドライされている、凍結乾燥されている、噴霧乾燥されている、又はその組み合わせである。
【0271】
段落[0127]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0126]に記載されているもの等では、組成物は、1種若しくは複数の添加剤を含み、1種若しくは複数の添加剤のうちの少なくとも1種は、グリコール、グリセロール、植物性グリセロール、ジメチルスルホキシド、1,3-プロパンジオール、エタノール、ポリビニルアルコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンオキシド、マンニトール、D-マンニトール、D-ソルビトール、ソルビトール、ダルシトール、キシリトール、グルコース、D-グルコース、キシロース、スクロース、乳糖、マルトース、トレハロース、ラフィノース、デキストラン、マンナン、デキストリン、アラビアゴム(アカシア)、アセトアミド、メチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチル-アセトアミド、スクシンイミド、メチルピロリドン、ポリビニルピロリドン、プロリン、グリシン、グルタミン酸、アミノ酪酸、グルタル酸、酢酸アンモニウム、システイン、EDTA、血清、ウシ胎児血清、アルブミン、ウシ血清アルブミン(BSA)、ゼラチン、カゼイン加水分解物、デンプン加水分解物、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ペプトン、殻抽出物、糖タンパク質、ムチン、バリノマイシン、グラミシジン、酵母抽出物、マルツエキス、脱脂乳、酪農牛乳、豆乳、魚油、ハチミツ、ポリソルベート80、ポリソルベート20、ポリソルベート60、ポリエチレングリコールp-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-フェニルエーテル、マクロシクロン、グリシンベタイン、又はその組み合わせを含む。
【0272】
段落[0128]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0127]に記載されているもの等では、カプセルは、コーティングされる。
【0273】
段落[0129]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0128]に記載されているもの等では、カプセルコーティングは、腸溶コーティングを含む。
【0274】
段落[0130]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0129]に記載されているもの等では、腸溶コーティングは、食物用シェラックを含む。
【0275】
段落[0131]本発明の実施形態は、非ヒト動物において疾患又は状態を治療するために組成物を調製する方法を包含し、本方法は、
(a)1匹又は複数の個別の非ヒト哺乳動物ドナーから糞便物質のサンプルを得る(ドナーは、同種である)ステップと;
(b)少なくとも1種の病原体について糞便物質サンプルをスクリーニングするステップと;
(c)病原体を含む糞便物質サンプル(複数可)がもしあればそれを除去するステップと;
(d)細菌の多様性についての病原体のスクリーニング後に残存する糞便物質サンプルをスクリーニングするステップと;
(e)次の基準、すなわち、
特定の病原体の非存在;許容される糞便のコンシステンシー;次のグループ(a)の少なくとも1種の分類群、及び/又は次のグループ(b)の少なくとも1種の分類群の微生物の存在:
グループ(a):次の分類群、すなわち、クロストリジウム目の少なくとも1メンバー、ルミノコッカス科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、クロストリジウム属、クロストリジウム科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、サテレラ、ユーバクテリウム属、オシロスピラ、ルミノコッカス属、コプロコッカス属、パラバクテロイデス属、フソバクテリウム、フィーカリバクテリウム属、メガモナス属;
グループ(b):次の分類群、すなわち、ドレア、クロストリジウム目の少なくとも1メンバー、サテレラ、ユーバクテリウム属、コリンセラ属、エリシペロトリクス科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、メガモナス属、ルミノコッカス科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、クロストリジウム属、クロストリジウム科ファミリーの少なくとも別のメンバー、ブラウティアでなく且つドレアでないラクノスピラ科ファミリーの少なくとも別のメンバー、フィーカリバクテリウム属
を満たさない糞便物質サンプル(複数可)がもしあればそれを除去するステップと:
(f)基準を満たす場合、糞便物質サンプル(複数可)のうちの少なくとも1つのうちの少なくとも一部を処理して、非ヒト哺乳動物への経口投与用の組成物を形成するステップと
を含む。
【0276】
段落[0132]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0131]に記載されているもの等では、本方法によって調製された組成物は、経腸投与用である。
【0277】
段落[0133]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0131]及び[0132]に記載されているもの等では、本方法によって調製された組成物は、経口投与用である。
【0278】
段落[0134]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0131]~[0133]に記載されているもの等では、ドナーは、健康についてスクリーニングされ、健常なドナーのみ、ステップ(a)に含まれる。
【0279】
段落[0135]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0131]~[0134]に記載されているもの等では、すべての糞便サンプルが、ステップ(e)の後に除去される場合、少なくとも1種の糞便物質サンプルが、ステップ(e)後に除去されなくなるまで、ステップ(a)~(e)を1回又は複数回繰り返す。
【0280】
段落[0136]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0131]~[0135]に記載されているもの等では、非ヒト哺乳動物ドナーは、ネコであり;
スクリーニングされる病原体は、クロストリジウム・ディフィシル毒素A及びB、クリプトスポリジウム属菌種、サルモネラ菌種、ネココロナウイルス、ネコパルボウイルス(汎白血球減少症)、ジアルジア属菌種、イヌパルボウイルス2、及びウシ胎仔トリコモナスを含む。
【0281】
段落[0137]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0136]に記載されているもの等では、ステップ(e)中で、グループ(a)の分類群のうちの少なくとも1種の微生物は、存在する。
【0282】
段落[0138]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0137]に記載されているもの等では、グループ(a)の分類群のうちの少なくとも1種の微生物は、健常なネコの存在量中央値と少なくとも等しい存在量で存在する。
【0283】
段落[0139]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0131]~[0135]に記載されているもの等では、非ヒト哺乳動物ドナーは、イヌであり;
スクリーニングされる病原体には、クロストリジウム・ディフィシル毒素A及びB、クリプトスポリジウム属菌種、サルモネラ菌種、ジアルジア属菌種、イヌパルボウイルス2、クロストリジウム・パーフリンジェンス抗原、α毒素、及びβ毒素が含まれる。
【0284】
段落[0140]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0139]に記載されているもの等では、ステップ(e)中で、グループ(b)の分類群のうちの少なくとも1種の微生物は、存在する。
【0285】
段落[0141]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0140]に記載されているもの等では、グループ(b)の分類群のうちの少なくとも1種の微生物は、健常なイヌの存在量中央値と少なくとも等しい存在量で存在する。
【0286】
段落[0142]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0131]~[0135]に記載されているもの等では、非ヒト哺乳動物ドナーは、フェレットであり;
スクリーニングされる病原体には、クリプトスポリジウム属、ジアルジア属菌種、イヌジステンパーウイルス、ローソニア属、カンピロバクター・ジェジュニ、フェレットコロナウイルス、ヘリコバクター属菌種、サルモネラ菌種が含まれる。
【0287】
段落[0143]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0131]~[0142]に記載されているもの等では、組成物は、液体組成物である。
【0288】
段落[0144]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0131]~[0142]に記載されているもの等では、組成物は、固形組成物である。
【0289】
段落[0145]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0144]に記載されているもの等では、組成物は、粉末、粒子、顆粒剤、カプセル、錠剤、又はその組み合わせの形態である。
【0290】
段落[0146]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0144]及び[0145]に記載されているもの等では、糞便サンプルのうちの少なくとも1つの少なくとも一部を処理するステップは、任意の外部の汚染を除去するステップと、1種若しくは複数の添加剤を糞便サンプルに任意選択で加えるステップと、続いて、糞便サンプル及び任意選択の添加剤(複数可)を凍結して、フリーズドライして、噴霧乾燥して、凍結乾燥して、又はその組み合わせを行って、固形物を形成するステップとを含む。
【0291】
段落[0147]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0146]に記載されているもの等では、処理は、粉末を形成するために固体の少なくとも一部のサイズを縮小するステップと、続いて、粉末の少なくとも一部で1個又は複数のカプセルを少なくとも部分的に充てんするステップとをさらに含む。
【0292】
段落[0148]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0147]に記載されているもの等では、処理は、カプセルの少なくとも一部をコーティングするステップをさらに含む。
【0293】
段落[0149]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0148]に記載されているもの等では、カプセル上の少なくとも1種のコーティングは、腸溶コーティングである。
【0294】
段落[0150]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0131]~[0149]に記載されているもの等では、組成物は、添加剤を含む。
【0295】
段落[0151]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0131]~[0150]に記載されているもの等では、組成物は、繊維を含む。
【0296】
段落[0152]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0151]に記載されているもの等では、繊維は、1種若しくは複数のオリゴ糖、難消化性デンプン、ペクチン、1種若しくは複数のβグルカン、1種若しくは複数のキシロオリゴ糖、又はその組み合わせを含む。
【0297】
段落[0153]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0152]に記載されているもの等では、繊維は、1種若しくは複数のオリゴ糖を含み、少なくとも1種は、フルクタンであり、少なくとも1種は、ガラクタンであり、又は少なくとも1種は、フルクタンであり、少なくとも1種は、ガラクタンである。
【0298】
段落[0154]本発明の実施形態は、少なくとも1種の疾患又は状態に罹患している非ヒト哺乳動物を治療する方法を包含し、本方法は、
微生物を含む組成物を非ヒト哺乳動物に投与するステップを含み、これらの微生物は、
(a)次の分類群、すなわち、ルミノコッカス、クロストリジウム科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、ブラウティアでなく且つドレアでないラクノスピラ科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、ブラウティア、フソバクテリウム、ドレア、クロストリジウム目の少なくとも1メンバー、バクテロイデス属、サテレラ、ユーバクテリウム属、コリンセラ属、メガモナス属、ルミノコッカス科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、クロストリジウム属、プレボテラ属、クロストリジウム科ファミリーの少なくとも別のメンバー、ブラウティアでなく且つドレアでないラクノスピラ科ファミリーの少なくとも別のメンバー、フィーカリバクテリウム属のうちの少なくとも1種の微生物;
及び
(b)(a)中の少なくとも1種の分類群の微生物と同じでも異なっていてもよい、次の分類群、すなわち、クロストリジウム目の少なくとも1メンバー、ルミノコッカス科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、クロストリジウム属、クロストリジウム科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、サテレラ、ユーバクテリウム属、オシロスピラ、ルミノコッカス属、コプロコッカス属、パラバクテロイデス属、フソバクテリウム、フィーカリバクテリウム属、メガモナス属のうちの少なくとも1種の微生物;
並びに/又は
(a)中の少なくとも1種の分類群の微生物と同じでも異なっていてもよい、次の分類群、すなわち、ドレア、クロストリジウム目の少なくとも1メンバー、サテレラ、ユーバクテリウム属、コリンセラ属、エリシペロトリクス科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、メガモナス属、ルミノコッカス科ファミリーのうちの少なくとも1メンバー、クロストリジウム属、クロストリジウム科ファミリーの少なくとも別のメンバー、ブラウティアでなく且つドレアでないラクノスピラ科ファミリーの少なくとも別のメンバー、フィーカリバクテリウム属のうちの少なくとも1種の微生物
を含む。
【0299】
段落[0155]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0154]に記載されているもの等では、組成物は、経腸投与用の組成物である。
【0300】
段落[0156]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0154]及び[0155]に記載されているもの等では、組成物は、経口投与用の組成物である。
【0301】
段落[0157]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0154]~[0156]に記載されているもの等では、組成物は、固形組成物である。
【0302】
段落[0158]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0154]~[0157]に記載されているもの等では、少なくとも1種の疾患又は状態は、胃腸疾患若しくは状態である。
【0303】
段落[0159]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0158]に記載されているもの等では、少なくとも1種の胃腸疾患又は状態は、大腸炎、便秘、急性若しくは慢性下痢、胃炎、胃腸炎、過敏性腸症候群、膵炎、小腸吸収不良、嘔吐、逆流症、出血性胃腸炎、及び/又は炎症性腸疾患を含む。
【0304】
段落[0160]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0154]~[0157]に記載されているもの等では、少なくとも疾患又は状態は、アトピー性皮膚炎、皮膚炎、1種若しくは複数の皮膚状態、糖尿病、腎疾患、又はその組み合わせを含む。
【0305】
段落[0161]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0154]~[0157]に記載されているもの等では、少なくとも疾患又は状態は、アトピー性皮膚炎、皮膚炎、1種若しくは複数の皮膚状態、糖尿病、腎疾患、又はその組み合わせを含む。
【0306】
段落[0162]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0154]~[0157]に記載されているもの等では、少なくとも1種の疾患又は状態は、ウシ胎仔トリコモナス、カンピロバクター、クロストリジウム・ディフィシル、クロストリジウム・パーフリンジェンス、パルボウイルス、又はその組み合わせによる感染である。
【0307】
段落[0163]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0154]~[0157]に記載されているもの等では、少なくとも疾患又は状態は、食物アレルギー、食物感受性、及び/又は食物への反応を含む。
【0308】
段落[0164]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0154]~[0163]に記載されているもの等では、組成物は、カプセル及び/又は錠剤であり、単位服用量は、1個のカプセル又は1個の錠剤であり、投与は、1日1、2、又は3回、4日~30日間の1、2、又は3つの単位服用量の投与を含む。
【0309】
段落[0165]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0164]に記載されているもの等では、投与の期間は、10日~30日である。
【0310】
段落[0166]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0165]に記載されているもの等では、投与の期間は、22日~28日である。
【0311】
段落[0167]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0164]~[0166]に記載されているもの等では、単位服用量(複数可)の投与は、食物の消費と同時である。
【0312】
段落[0168]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0167]に記載されているもの等では、食物は、高繊維食物である。
【0313】
段落[0169]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0167]及び[0168]に記載されているもの等では、繊維は、食物に加えられる。
【0314】
段落[0170]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0154]~[0169]に記載されているもの等では、投与は、繊維の同時投与を含み、これは、組成物の投与が、食物の消費と同時である場合、食物への繊維の任意選択の添加に加えても食物への繊維の任意選択の添加の代わりとなってもよい。
【0315】
段落[0171]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0170]に記載されているもの等では、繊維の同時投与は、繊維を含む1個又は複数のカプセル、繊維を含む1個若しくは複数の錠剤、又は繊維を含む1個若しくは複数のカプセル及び繊維を含む1個若しくは複数の錠剤の両方の投与を含む。
【0316】
段落[0172]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0170]~[0171]に記載されているもの等では、繊維の同時投与は、繊維0.01~10mg/kgの投与を含む。
【0317】
段落[0173]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0170]~[0172]に記載されているもの等では、投与される繊維は、1種若しくは複数のオリゴ糖、難消化性デンプン、ペクチン、1種若しくは複数のβグルカン、1種若しくは複数のキシロオリゴ糖、又はその組み合わせを含む。
【0318】
段落[0174]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0173]に記載されているもの等では、投与される繊維は、1種若しくは複数のオリゴ糖を含み、少なくとも1種は、フルクタンであり、少なくとも1種は、ガラクタンであり、又は少なくとも1種は、フルクタンであり、少なくとも1種は、ガラクタンである。
【0319】
段落[0175]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0154]~[0174]に記載されているもの等では、非ヒト哺乳動物は、フェレットである。
【0320】
段落[0176]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0154]~[0174]に記載されているもの等では、非ヒト哺乳動物は、ネコである。
【0321】
段落[0177]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0168]~[0174]に記載されているもの等では、非ヒト哺乳動物は、ネコであり、投与が、高繊維食物の消費と同時である場合、高繊維食物は、繊維含有量が少なくとも3.5重量%である。
【0322】
段落[0178]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0176]及び[0177]に記載されているもの等では、投与によって、患者の微生物叢の次の微生物、すなわち、ブラウティア、オシロスピラ、ルミノコッカス属、ラクノスピラ科g1、クロストリジウム目f1のうちの少なくとも1種の有意な変化がもたらされる。
【0323】
段落[0179]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0178]に記載されているもの等では、投与によって、少なくともブラウティアの有意な変化がもたらされる。
【0324】
段落[0180]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0178]に記載されているもの等では、投与によって、少なくともオシロスピラの有意な変化がもたらされる。
【0325】
段落[0181]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0178]に記載されているもの等では、投与によって、少なくともルミノコッカス属の有意な変化がもたらされる。
【0326】
段落[0182]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0178]に記載されているもの等では、投与によって、少なくともラクノスピラ科g1の有意な変化がもたらされる。
【0327】
段落[0183]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0178]に記載されているもの等では、投与によって、少なくともクロストリジウム目f1の有意な変化がもたらされる。
【0328】
段落[0184]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0154]~[0174]に記載されているもの等では、非ヒト哺乳動物は、イヌである。
【0329】
段落[0185]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0168]~[0174]に記載されているもの等では、非ヒト哺乳動物は、イヌであり、投与が、高繊維食物の消費と同時である場合、高繊維食物は、繊維含有量が少なくとも5.0重量%である。
【0330】
段落[0186]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0184]及び[0185]に記載されているもの等では、投与によって、患者の微生物叢の次の微生物、すなわち、バクテロイデス属、エンテロコッカス属、ストレプトコッカス属、ルミノコッカス属、ブラウティア、ドレア、プレボテラ属、クロストリジウム科g1、ラクノスピラ科g1、コプロコッカス属、オシロスピラ、ユーバクテリウム属、クロストリジウム目f1のうちの少なくとも1種の有意な変化がもたらされる。
【0331】
段落[0187]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0186]に記載されているもの等では、投与によって、少なくともバクテロイデス属の有意な変化がもたらされる。
【0332】
段落[0188]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0186]に記載されているもの等では、投与によって、少なくともエンテロコッカス属の有意な変化がもたらされる。
【0333】
段落[0189]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0186]に記載されているもの等では、投与によって、少なくともストレプトコッカス属の有意な変化がもたらされる。
【0334】
段落[0190]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0186]に記載されているもの等では、投与によって、少なくともルミノコッカス属の有意な変化がもたらされる。
【0335】
段落[0191]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0186]に記載されているもの等では、投与によって、少なくともブラウティアの有意な変化がもたらされる。
【0336】
段落[0192]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0186]に記載されているもの等では、投与によって、少なくともドレアの有意な変化がもたらされる。
【0337】
段落[0193]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0186]に記載されているもの等では、投与によって、少なくともプレボテラ属の有意な変化がもたらされる。
【0338】
段落[0194]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0186]に記載されているもの等では、投与によって、少なくともクロストリジウム科g1の有意な変化がもたらされる。
【0339】
段落[0195]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0186]に記載されているもの等では、投与によって、少なくとも、ラクノスピラ科g1の有意な変化がもたらされる。
【0340】
段落[0196]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0186]に記載されているもの等では、投与によって、少なくともコプロコッカス属の有意な変化がもたらされる。
【0341】
段落[0197]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0186]に記載されているもの等では、投与によって、少なくともオシロスピラの有意な変化がもたらされる。
【0342】
段落[0198]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0186]に記載されているもの等では、投与によって、少なくともユーバクテリウム属の有意な変化がもたらされる。
【0343】
段落[0199]本発明のいくつかの実施形態、例えば、それだけには限らないが、段落[0186]に記載されているもの等では、投与によって、少なくともクロストリジウム目f1の有意な変化がもたらされる。
【実施例】
【0344】
次の例を、本発明の理解を助けるために示すが、本発明は、これらの例の特定の材料又は手順に限られるものではないということが理解されるべきである。
【0345】
実施例1A:潜在的なドナーの微生物叢中の微生物の同定
糞便物質サンプルを、潜在的なネコのドナー3匹から得た。3匹のドナーは、健常な、3~9歳の雌の家猫であった。3匹のドナーのサンプルを、次の、クロストリジウム・ディフィシル毒素A及びB、クリプトスポリジウム属菌種、サルモネラ菌種、ジアルジア属菌種、ネココロナウイルス、ネコパルボウイルス(汎白血球減少症)、イヌパルボウイルス2、及びウシ胎仔トリコモナスについてスクリーニングし、これらは、なかった。
【0346】
これらのドナーから得られた3種の糞便物質サンプルを、16S rRNAのV4高頻度可変領域に基づき、細菌の多様性を配列決定することにより、スクリーニングした。このマーカー遺伝子についてPCRを行った後、ライブラリーを、Illumina MiSeq系を用いて、配列決定し、250bpペアードエンドの増幅産物読み取りデータを生成した。増幅産物データを、各サンプルについての二重バーコードの組み合わせを用いて、多重化した。配列決定した後、これらのサンプルを、デマルチプレックスし、品質スコア(FASTQ)に基づきフィルターにかけ、キメラを除去した。次いで、サンプルを、同一性レベル>97パーセントでクラスター化することにより、Quantitative Insights in Microbial Ecology(QIIME v.1.9.1)を用いて、分類学的な組成物(数及び存在量)について特徴付け、QIIMEのpick_otus_through_otu_table.pyスクリプトを用いて、分類学的な同定を割り当てた。詳細には、生データをパースする場合、カスタムスクリプトを用いて、配列決定読み取りデータの各ペアをこれらの各サンプルに割り当てた。このスクリプトによって、バーコード当たり1-bpの差が可能になる。次いで、ペアード読み取りデータを、整列させ、コンセンサスを、Fast Length Adjustment of SHort reads(FLASH)を用いて、コンピュータで算出し、最大の重複は、120であり、最小の重複は、70であった(他のパラメータを、デフォルトとして残した)。カスタムスクリプトが、これらのデータを自動的にデマルチプレックスしてfastqファイルにし、FLASHを実行し、その結果をパースして、FASTA形式でQuantitative Insights in Microbial Ecology(QIIME v.1.9.1;46)等のソフトウェアでの適切な命名の慣例を用いて、配列を再フォーマットする。FASTA形式は、ヌクレオチド配列のテキストベースの表示であり、塩基対は、単一文字コードを用いて表される。
【0347】
次いで、各サンプルを、USEARCHを用いて、値域ごとにまとめ、RDP分類指標及びGreenGenes及び/又はSilvaデータベースを用いて分類学的な分類を割り当てた。分類学的な割り当てを、BLAST(Basic Local Alignment Search Tool)を用いて、確認した。
【0348】
このスクリーニング分析の結果を、表1中で以下に示す。
【0349】
【0350】
実施例1B:
実施例1Aに記載されているものと類似の方法において、健常な飼い猫81匹及び不健康な飼い猫(胃腸疾患又は障害を伴うネコ)48匹の糞便サンプルをスクリーニングした。このスクリーニング分析の結果によって、健常な飼い猫のドナー(n=81)が、有意に高い割合のラクノスピラ科ブラウティア(P=0.00115、DF=117)を有し、不健康な潜在的なドナー(n=48)が、有意に高い割合の腸内細菌科g1(P=0.0345、DF=23)を有することが示された(
図5を参照のこと)。
【0351】
実施例2:固形経口剤形の調製
実施例1Aに記載されている通りスクリーニングされ、上記で記載された病原体が無いドナーから得られた糞便物質のサンプルから、キャットリター等の任意の外部の汚染を取り除いた。清掃後、サンプル又はサンプルの一部を、秤量し、凍結保護物質、グリセロール(植物性グリセロール)を、最低でも20重量%(糞便物質5重量部~凍結保護物質1重量部又はそれ以上)加えた。糞便物質を、凍結保護物質と混合し、次いで、凍結乾燥前に硫酸紙上で平らにした。乾燥後、フリーズドライされた材料を、コーヒーミルで粉砕することにより、サイズ縮小させた。得られた粉末を、カプセルに充てんし、続いて、これを、腸溶コーティング、詳細には、食用シェラックでコーティングした。
【0352】
実施例3:臨床評価
ネコのドナーから得られた微生物を含むカプセルを、実施例1に記載されているものと類似の方法において、スクリーニングし、固形経口剤形を、実施例2と類似の方法で調製した。胃腸障害又は疾患を伴う多くのネコの対象/レシピエントを、経口の糞便の微生物叢移植カプセルで治療した(本試験は、継続中である)。レシピエントの糞便の微生物叢をスクリーニングし、治療前及び治療後に実施例1に記載されている通り特徴付けた。健常な動物(n=81;実施例1Bと同じ)と比較して、治療を終了している動物のうちの3匹についての(及びデータ分析が終了している動物についての)、治療前及び治療後の、動物の場合の微生物叢の同定の結果を、
図4に例示し、一番左のバーは、健常な動物についてのデータであり、真ん中のバーは、治療前の治療動物/試験対象についてのデータであり、一番右のバーは、治療後の治療動物/試験対象についてのデータを示す。
【0353】
実施例4-ネコ及びイヌにおけるパイロット研究
イヌのドナーから得られた微生物を含むカプセルを、実施例1に記載されているものと類似の方法でスクリーニングし、糞便の微生物叢移植(FMT)カプセルと称される固形経口剤形を、実施例2に記載されているものと類似の方法で調製した。様々なソーシャルメディアプラットホームを用いて、慢性の消化状態の症状(下痢、嘔吐、及び/又は便秘)を示すイヌ及びネコを有し、パイロット研究キットを受け取れる人を募集した。パイロット研究キットは、50個のFMTカプセル、健康調査、及び2つの糞便サンプルを収集するための材料を含んだ。参加者は、1~2個のカプセルを、およそ25日間毎日食物と共に経口でイヌ又はネコに与え、これは、FMT治療と称される。参加者はまた、カプセルのコースの「前」及び「後」に糞便サンプルを収集するよう依頼され、「後」のサンプルを、治療のコースが終了した2週間後に収集した。
【0354】
調査の説明
パイロット研究キットにおいて提供された調査は、飼い主の愛玩動物に、FMTカプセルを与えている間に、飼い主の観察を記録するために設計された。飼い主は、年齢、品種、性別、及び食事を含めた、各動物についての身体的特徴及び生活習慣情報を記録した。さらに、飼い主に、1(激しく低体重)~10(激しく過体重)までの尺度で、飼い主の愛玩動物の身体状態をスコア化するよう依頼し、5匹は、健常な身体状態であると考えられた。飼い主にまた、獣医師から受けている診断を含めた、飼い主の動物の全体的な健康についての説明を提供するよう依頼した。飼い主は、FMT治療で緩和することを望んでいる特定の症状を記録した。特定の症状を、下痢、便秘、嘔吐、及び食欲の欠如を含めて記載した。飼い主に、カプセルを開始する前及びカプセルによる治療のコースを終了した後に、動物の典型的な糞便のコンシステンシーを記録し、その後、ブリストル便性状スケール(Bristol Stool Scale)を行うよう依頼し、このスケールの範囲は、硬い及び便秘の大便の場合の1から水様性下痢の場合の7までであり、3及び4は、正常と考えられる。(Lewis and Heaton 1997年)。飼い主に、大便のコンシステンシーの飼い主の評点を指導するための写真を提供し、写真記録を提供することも依頼した。カプセルのコースの後に、飼い主に、次の選択肢、すなわち、明らかな成功、一部改善、変化なし、又は臨床徴候の悪化のうちの1つを選択することにより、経口FMTカプセルが、全体として成功であると考えたか否かを評価するよう依頼した。
【0355】
結果-イヌ
イヌの飼い主28名は、調査に参加し、調査を行ったが、全体的なデータセットをフィルターにかけて、その後、癌を有すると判定されたイヌ、又は最初の症状が、胃腸管系の問題を含まなかったイヌを除外した。フィルターにかけた後、最終のデータセットには、イヌ21匹についての情報が含まれた。
【0356】
本分析に含まれた、イヌ全21匹は、基礎をなす状態が常に明らかであるわけではないが、慢性下痢及び/又は嘔吐及び/又は便秘を発現している慢性の胃腸管系の問題を有していた。一部のイヌは、炎症性腸疾患を有した(診断された又は疑いがあった)。本パイロット研究に含まれるイヌの品種は、秋田犬、ビーグルミックス犬(シェパード)、ビションプードル(Bichon Poodle)、ボーダーコリー、ボクサーミックス犬、ブルテリア、チワワミックス犬、コッカースパニエルミックス犬-パピロー(Papillor)及びキャバリアキングチャールズ、ジャーマンシェパード、ジャーマンショートヘアードポインター、ゴールデンレトリーバーミックス犬、ゴールデンレトリーバー、ゴールデンドゥードル、グレートデーン、マクナブシェパード、ミニチュアシュナウザー、パピヨン、ピットブルミックス犬、ウィペット、シェパードミックス犬、チャウ、コーギー、及びプードルであった。
【0357】
経口のFMT治療の開始時に、イヌについての平均の身体状態は、4.95(標準偏差:1.21)であった。イヌの平均年齢は、6.4歳(標準偏差:4.43)であり、年齢範囲は、1~15歳であった。本試験に含まれるイヌのうち、54%は、雌であり、46%は、雄であった。慢性下痢を伴うイヌの場合のFMTカプセル投与前の平均の糞便のコンシステンシーは、ブリストル便性状チャートにおける5.5(軟らかい小塊)から、FMTカプセルのフルコースを終了した後、3(正常便)に変化した。慢性便秘を伴うイヌの場合の平均の糞便のコンシステンシーは、ブリストル便性状チャートにおける1(別々の硬い塊)であり、これは、FMTカプセルの投与後正常から2.3(ソーセージ状)に変化した。
【0358】
含まれたイヌの患者21匹のうち、試験参加者の89%から、慢性の胃腸管系の問題に伴う症状の一部の又は明らかな改善が報告され、68%から、明らかな改善が報告され、5%から、変化なしであると報告され、5%から、臨床徴候が悪化したと報告された。慢性下痢を伴うイヌを飼っている試験参加者15名の場合、試験参加者の86%から、慢性下痢の一部改善が報告され、73%から、明らかな改善が報告され、7%から、変化なしであると報告され、7%から、臨床徴候が悪化したと報告された。慢性嘔吐を伴うイヌを飼っている試験参加者全4名(100%)から、慢性嘔吐の一部改善が報告され、4分の3(75%)から、明らかな改善が報告された。慢性便秘を伴うイヌを飼っている試験参加者3名の場合、そのうち2名(67%)から、明らかな改善が報告され、1名(33%)から、便秘の増大が報告された。
【0359】
表2に、前述のパイロット研究におけるイヌについてのデータをまとめて示す。
【0360】
【0361】
結果-ネコ
ネコの飼い主63名は、調査に参加し、調査を行ったが、全体的なデータセットをフィルターにかけて、その後、癌を有すると判定されたネコ、又は最初の症状が、胃腸管系の問題を含まなかったネコを除外した。フィルターにかけた後、最終のデータセットには、ネコ55匹についての情報が含まれた。
【0362】
本分析に含まれたネコ全55匹は、イヌと同様に、基礎をなす状態が常に明らかであるわけではないが、慢性下痢及び/又は嘔吐及び/又は便秘を発現している慢性の胃腸管系の問題を有していた。一部のネコは、炎症性腸疾患を有し(診断された又は疑いがあった)、一部は、慢性の胃腸管系の問題の他に、膵炎又は腎疾患を有した。本試験に含まれるネコの品種は、アメリカンショートヘア、アメリカンミディアムヘアー、ベンガル、バーミーズ、ドメスティックロングヘアー(Domestic long hair)、ドメスティックロングヘアー/メインクーンミックス猫、ドメスティックミディアムヘアー、ドメスティックショートヘアー、ルウェージャンフォレストキャット、ラグドール、シャムミックス猫、及びシベリアであった。
【0363】
経口のFMT治療の開始時に、ネコについての平均の身体状態は、4.81(標準偏差:1.78)であった。ネコの平均年齢は、9.8歳(標準偏差:5.1)であった。年齢は、0.4~19歳まであった。本試験に含まれるネコのうち、43%は、雌であり、57%は、雄であった。慢性下痢を伴うネコの場合のFMTカプセル投与前の平均の糞便のコンシステンシーは、ブリストル便性状チャートにおける5.8(軟らかい小塊)から、FMTカプセルのフルコースを終了した後、4(正常便)に変化した。慢性便秘を伴うネコの場合の平均の糞便のコンシステンシーは、ブリストル便性状チャートにおける1.6(別々の硬い塊)であり、これは、FMTカプセルの投与後正常から2.7(ソーセージ状)に変化した。
【0364】
含まれたネコの患者55匹のうち、試験参加者の89%から、慢性の胃腸管系の問題に伴う全体的な臨床徴候の一部の又は明らかな改善が報告され、68%から、明らかな改善が報告され、9%から、変化なしであると報告され、2%から、臨床徴候が悪化したと報告された。慢性下痢を伴うネコを飼っている試験参加者の場合、試験参加者の75%から、一部改善が報告され、59%から、明らかな改善が報告され、19%から、変化なしであると報告され、5%から、臨床徴候の悪化が報告された。慢性嘔吐を伴うネコを飼っている試験参加者の場合、試験参加者の72%から、一部改善が報告され、48%から、明らかな改善が報告され、24%から変化なしであると報告され、4%から、臨床徴候が悪化したと報告された。慢性便秘を伴うネコを飼っている試験参加者(n=12)の場合、試験参加者の67%から、一部改善が報告され、42%から、明らかな改善が報告され、33%から、変化なしであると報告された。
【0365】
表3に、前述のパイロット研究におけるネコについてのデータをまとめて示す。
【0366】
【0367】
図6は、ネコの試験参加者の年齢に応じて、やや成功した若しくは成功した症例を不成功に終わった症例と比較している棒グラフである。
図6から理解できるように、不成功に終わった症例は、高齢のネコである。
図7は、ネコの試験参加者の身体状態に応じて、やや成功した若しくは成功した症例を不成功に終わった症例と比較している棒グラフである。
図7から理解できるように、体重が少ないネコの場合、成功した症例よりも不成功に終わった症例が多かった。少ない体重は、さらなる健康上の問題を示し得る。
【0368】
実施例5-治療前及び治療後のマイクロバイオームの比較
図8では、約25日間1日1又は2個のカプセルを食物と共に投与している飼い犬16匹において、治療前から治療後まで有意に異なる(P<0.05)細菌分類群を例示している。糞便サンプルを、各イヌが治療コースを受ける前及び受けた後に収集した。細菌を、異なる存在量を有する「A」、「B」、及び「C」で標識された3つの群に分け、従って、各群は、異なるスケールである。有意性検査を、QIIME 1.9(QIIME:J Gregory Caporasoet al.;QIIME allows analysis of high-throughput community sequencing data;Nature Methods、2010;doi:10.1038/nmeth.f.303)における群の有意性試験を用いて行った。イヌ16匹は、本試験におけるイヌ21匹のサブセットであり、イヌについて、本発明者らは、イヌが50個のFMTカプセルのフルコースを終了する前及び終了した後に、糞便サンプルを受け取った。
図9は、飼い猫40匹において、治療前から治療後まで有意に異なった(P<0.05)細菌分類群を例示しており、ネコについて、本発明者らは、ネコが50個のFMTカプセルのフルコースを終了する前及び終了した後に、糞便サンプルを受け取った。経口カプセルのフルコースは、約25日間食物と共に1日1又は2個のカプセルである。糞便サンプルを、各ネコが経口の糞便移植を受ける前及び後に収集した。細菌を、異なる存在量を有する「A」及び「B」で標識された2つの群に分ける。有意性検査を、QIIME1.9において、群の有意性試験を用いて、行った。
【0369】
実施例6-潜在的なドナーの同定された微生物の編集
表4及び5は、イヌのドナー93匹及びネコのドナー85匹の糞便から、同定された微生物の概要を示す。
【0370】
【0371】
【0372】
実施例7-出血性胃腸炎についての症例研究
16歳のマクナブシェパード(カニス・ルプス・ファミリアーリス(Canis lupus familiaris))は、14歳の時に、血便及び嘔吐を含めた、出血性胃腸炎(HGE)に関連する臨床徴候を示し始めた。最初これが起こった時は、マクナブシェパードを入院させ、IV液及び抗生物質を終夜投与した。マクナブシェパードのHGEは、茹でた鶏肉及び白米の無刺激食と組み合わせたメトロニダゾールに反応した。しかし、この出来事の後、マクナブシェパードは、多くの食べ物に対するアレルギーを発症し、数週間おきに血性下痢の発作があった。マクナブシェパードが下痢をしていなかった時、しばしば便秘をし、身体状態は減退した。2年近いHGEフレアの上昇後、マクナブシェパードに、50個の経口FMTカプセルPO×QDのコースを4日間行い、BDを23日間行い、食物と共に与え、メトロニダゾールの別のコースを終了した直後に開始した。経口FMT治療のコースの間、マクナブシェパードの糞便のコンシステンシーは改善し、糞便の色は、黄色から褐色に変化し、マクナブシェパードは、最終的に、さらに多くのタンパク源を許容することができた。現在、マクナブシェパードが経口糞便移植を受けてから12ヵ月近くになっており、さらにいかなるHGEの徴候をも示していない。
【0373】
実施例8-炎症性腸疾患についての症例研究
ボクサーミックス犬(カニス・ルプス・ファミリアーリス)は、5歳になるまで健康であった。わずか数ヵ月の間に、雌のボクサーミックス犬は、重症の下痢及び嘔吐を起こした。抗生物質、制酸薬、プロバイオティクス及び指示された食事を含めて、様々な治療を試みたが、これらのいずれの治療でも、症状は軽減されるように思われず、悪化していった。公定の炎症性腸疾患(IBD)診断後、雌のボクサーミックス犬は、他の薬剤の他にプレドニゾンの高用量の1日量を開始した。下痢は、一時的に回復したが、副作用を最小限にするためにプレドニゾンの用量を下げた後、IBDを再発した。雌のボクサーミックス犬は、再度、水様性下痢を発症し、プレドニゾン用量を有意に増加した後でも緩和しなかった。消化の問題を解決した代わりに、プレドニゾンを増加することによって、薬剤誘発クッシング病の開始を促し、かつては活発な筋肉の発達していたイヌが、虚弱な低エネルギーのイヌになった。ステロイドを使用したが、雌のボクサーミックス犬の消化の問題は、持続した。最後に、雌のボクサーミックス犬を、経口FMTカプセルにより治療し、PO TID×3ヵ月を数カ月間にわたって1日3回投与し、食物と共に与えた。ゆっくりと、雌のボクサーミックス犬の糞便のコンシステンシーは、帯黄色の液体から健常な褐色の固形物に変化し、雌のボクサーミックス犬は、すべての処方箋を必要とする薬剤が次第に減らされている。
【0374】
実施例9-ウシ胎仔トリコモナスについての症例研究
2匹のショートヘアの飼い猫(イエネコ(Felis catus))で同腹仔の雌1匹及び雄1匹は、慢性の血性下痢の病歴が、8週齢で始まったことを示した。症状は、指示された食事及びプロバイオティクスサプリメントに対して非応答性であり、糞便の反復PCR試験は、すべての病原体について陰性であった。ポリメラーゼ連鎖反応(PCRs)は、いくつかの病原体と関連するDNAの特異的なセグメントを同定し増幅するために、DNAプライマーを用いる。子ネコは、一貫して、快活で、機敏で、敏感であり、他の健康上の問題の証拠はなかった。下痢をも引き起こす原虫である、ジアルジア属(Giardia)についての糞便の反復PCR試験は、やはり陰性であった。月齢8ヵ月で、2匹のネコは、下痢を引き起こすネコにおいて一般的に見出される寄生虫であるウシ胎仔トリコモナスについての試験の結果が陽性であり、その直後に、ロニダゾールの14日コースを開始した。症状は、ロニダゾールの14日コースで回復せず、それが終了した2週間後に、2匹の猫は、糞便微生物叢移植(FMT)カプセルPO BID×25日を食物と共に投与することを開始した。FMTカプセルの終了までに、1匹の子ネコの下痢は、完全に止まり、もう1匹は、以前よりもかなり重症でない断続的な下痢のみであった。
【0375】
実施例10-アトピー性皮膚炎についての症例研究
市の保護施設に引き渡された6歳の雌の柴犬(カニス・ルプス・ファミリアーリス)は、指示された食事、抗生物質、ステロイド及びオクラシチニブに非応答性であった重症のアトピー性皮膚炎を示した。雌の柴犬の皮膚は、激しく炎症を起こし、身体の大部分が明赤色であった。雌の柴犬は、毛がほんのわずかに斑に保持され、これらは傷つきやすくきめが粗かった。雌の柴犬は、常に落ち着かず、興奮し、痒みがあり;予測不可能であり、近づいた人間に頻繁に噛みついた。食物と共に投与した、50個のFMTカプセルPO BID×25日のコースを終了後、雌の柴犬は、身体の大部分が毛で覆われ、著しくより健康になり、穏やかになる。雌の柴犬の皮膚は、赤色でなくなり、炎症を起こしていない。雌の柴犬の気質は、かなり改善され、救助スタッフから、雌の柴犬が、親愛のサインを示し始め、FMTカプセルのわずか1週間後に遊ぼうとすることが報告された。雌の柴犬は、めったに引っ掻かなくなり、全体的にさらに落ち着いたように思われる。
【0376】
実施例11-カンピロバクターについての症例研究
4歳の雌のシェットランド・シープドッグ(シャルティー)(カニス・ルプス・ファミリアーリス)は、およそ2年間数週間おきにフレア上昇を伴う重症の断続的な下痢に罹患した。糞便のPCRは、カンピロバクターについて一貫して陽性に戻った。4歳までに、雌のシェットランド・シープドッグは、少なくとも5ラウンドのタイロシンが施行され、これによって、短期間で下痢は軽減されたが、長期間で有効でなく、下痢は元に戻り、別のPCRは、カンピロバクターによる感染を示した。下痢の発作によって、普通では活発な若いイヌが静かになり、中程度に抑制され、時折嘔吐及び糞便の失禁を伴った。雌のシェットランド・シープドッグに、50個のFMTカプセルPO BID×25日間の1ラウンドを処方し、食物と共に投与し、これによって、1週間以内に、下痢の現在のエピソードが解決された。さらに、雌のシェットランド・シープドッグは、これまで2ヵ月間下痢をしておらず、過去に経験した下痢がない期間で最長である。
【0377】
実施例12-クロストリジウム・パーフリンジェンスについての症例研究
1歳の雌のミニチュアシュナウザー(カニス・ルプス・ファミリアーリス)は、慢性下痢及び緊急入院を要する出血性胃腸炎の断続的な発作を示した。糞便のPCRは、クロストリジウム・パーフリンジェンスについて陽性に戻り、タイロシンの30日コースで治療した。下痢は、抗生物質のコースの間中及びその終了後に持続した。タイロシンのラウンドの終了直後に、雌のミニチュアシュナウザーは、FMTカプセルPO×BID25日間の25日コースを開始し、食物と共に与えた。4週間以内に、雌のミニチュアシュナウザーの下痢は完全に回復し、今まで戻っていない(これまでの6ヵ月)。
【0378】
実施例13-パルボウイルスについての症例研究
14歳の雌のジャーマンシェパード/ハスキーの雑種(カニス・ルプス・ファミリアーリス)の子イヌは、8週でDAPPワクチンを受けたが、12週でブースターワクチンを接種しなかった。14週で、雌のジャーマンシェパード/ハスキーの雑種は、パルボウイルス感染(パルボ)の古典的な徴候、すなわち、重症の嗜眠、脱水症及び制御の効かない血性下痢を発症した。子イヌは、病院に入院し、IV液及び抗生物質を含めた、サポーティブケアを開始した。早期の治療及び綿密なモニタリングにもかかわらず、子イヌは、さらに嗜眠性になり続け、子イヌの白血球数は、急降下し続けた。サポーティブケアの5日目までに、子イヌは、体重が20%減少した。入院6日目に、子イヌは、50個のFMTカプセルPO TIDによる治療を開始し、17日間食物と共に投与した。治療の他の態様は、この時点で改変されなかった。FMTカプセルの最初の投与の18(18)時間後に、飼い主及び病院スタッフは、子イヌのエネルギーレベルが増加し、子イヌが独力で食べ始めたことに気が付いた。36時間以内に、子イヌは、退院しても安全であると考えられた。最後に、子イヌは、完全に回復し、FMTカプセルによる治療のフルコースを終了した。
【0379】
本発明の詳細な実施形態が、示され、記載されており、そのより広い態様において、本発明から逸脱することなく、変更及び修正がなされ得るということは、当業者に明らかである。したがって、添付した特許請求の範囲は、これらの範囲内で、本発明の真の精神及び範囲に属する、すべてのかかる変更及び修正を包含するものとする。
【0380】
〔関連出願の相互参照〕
本出願は、2017年の5月26日出願の米国特許仮出願第62/511,860号の優先権及び利益を主張し、すべての目的のために、その内容全体を参照により及び任意の図面を明示的に含めて本明細書に組み込む。