(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-24
(45)【発行日】2024-02-01
(54)【発明の名称】コンテナ装置及び水処理装置
(51)【国際特許分類】
B65D 88/12 20060101AFI20240125BHJP
C02F 3/34 20230101ALI20240125BHJP
【FI】
B65D88/12 B
C02F3/34 101B
(21)【出願番号】P 2023131843
(22)【出願日】2023-08-14
【審査請求日】2023-08-14
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】320002360
【氏名又は名称】株式会社クリアライズ
(74)【代理人】
【識別番号】100080768
【氏名又は名称】村田 実
(74)【代理人】
【識別番号】100166327
【氏名又は名称】舟瀬 芳孝
(74)【代理人】
【識別番号】100106644
【氏名又は名称】戸塚 清貴
(72)【発明者】
【氏名】石井 走者
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 孝蔵
(72)【発明者】
【氏名】川島 裕嗣
【審査官】森本 哲也
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第213324823(CN,U)
【文献】中国実用新案第213595066(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 88/12
C02F 3/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱形状に形成されて、周壁部のいずれかが、隣合って配置される開閉扉により形成されているコンテナ装置において、
前記隣合って配置される各開閉扉
が同一とされ、
前記各開閉扉の表面に、該各開閉扉の厚み方向に折曲された状態で該各開閉扉の横方向両端を跨ぐように伸びる段差部が上下方向に間隔をあけて複数形成され、
前記複数の段差部のうちの少なくとも一つが、横方向に対して傾斜された状態とされたもの
とされ、
前記各開閉扉の複数の段差部
は、該各開閉扉の上下方向の向きが同一の姿勢状態にあるときには、互いに同一の模様を構成し、該各開閉扉の上下方向の向きが上下互い違いの姿勢状態にある状態で該各開閉扉が並設状態にあるときには、互いに連なる
ように設定され、
前記隣合って配置される開閉扉は、前記周壁部において、互いの向きが上下互い違いの姿勢状態とされている、
ことを特徴とするコンテナ装置
【請求項2】
請求項1において、
前記周壁部が、2組の対向する一対の壁部により形成され、
前記隣合って配置される開閉扉が、一対の開閉扉として、前記2組の対向する一対の壁部のうち、一方の組における少なくとも一方の壁部を構成している、
ことを特徴とするコンテナ装置。
【請求項3】
請求項1において、
前記周壁部が、2組の対向する一対の壁部により形成され、
前記隣合って配置される開閉扉のうちの一方の開閉扉が、前記2組のうちのいずれか一方の組における一方の壁部を構成し、
前記隣合って配置される開閉扉のうちの他方の開閉扉が、前記2組のうちの他方の組における壁部であって、前記一方の組における一方の壁部に隣合う壁部を構成している、
ことを特徴とするコンテナ装置。
【請求項4】
請求項1において、
前記隣合って配置される各開閉扉における前記複数の段差部が、2つの段差部であり、
前記隣合って配置される開閉扉のうち一方の開閉扉については、前記2つの段差部の間隔が、該隣合って配置される開閉扉の並設方向外方側よりも並設方向内方側の方が大きくなるように設定され、
前記隣合って配置される開閉扉のうち他方の開閉扉についても、前記2つの段差部の間隔が、該隣合って配置される開閉扉の並設方向外方側よりも並設方向内方側の方が大きくなるように設定されている、
ことを特徴とするコンテナ装置。
【請求項5】
請求項2において、
前記隣合って配置される開閉扉が、一対の第1、第2開閉扉として、前記一方の組における一対の各壁部をそれぞれ構成し、
前記一対の第1開閉扉における複数の段差部に基づく模様と、前記一対の第2開閉扉における複数の段差部に基づく模様とが、前記一方の組における一対の壁部をそのいずれか一方側外方から他方側に向けて見たときに、同一形態をもって重なるものとして設定され、
前記他方の組における一対の各壁部が、単一の第3開閉扉によりそれぞれ構成され、
前記各第3開閉扉には、その表面において、その厚み方向に折曲されてその横方向両端を跨ぐように伸びる段差部が、前記一対の第1、第2開閉扉における段差部の数に応じた数だけ設けられ、
前記各第3開閉扉における各段差部が、前記一対の第1、第2開閉扉における各段差部にそれぞれ連なるようにされている、
ことを特徴とするコンテナ装置。
【請求項6】
請求項2において、
前記隣合って配置される開閉扉が、一対の第1、第2開閉扉として、前記一方の組における一対の各壁部をそれぞれ構成し、
前記一対の第1開閉扉における複数の段差部に基づく模様と、前記一対の第2開閉扉における複数の段差部に基づく模様とが、該各模様をそれぞれ正面視したときに、同一となるものとして設定され、
前記他方の組における一対の各壁部が、単一の第3開閉扉によりそれぞれ構成され、
前記各第3開閉扉に、その表面において、その厚み方向に折曲されてその横方向両端を跨ぐように伸びる段差部が、前記一対の第1、第2開閉扉における段差部の数に応じた数だけ設けられ、
前記各第3開閉扉における各段差部が、前記一対の第1、第2開閉扉における各段差部にそれぞれ連なるようにされている、
ことを特徴とするコンテナ装置。
【請求項7】
請求項5又は6において、
前記隣合って配置される各開閉扉における前記複数の段差部が、2つの段差部である、ことを特徴とするコンテナ装置。
【請求項8】
請求項1に係るコンテナ装置内に、被処理液を処理して処理水とする複数の処理ユニットが収納されている、
ことを特徴とする水処理装置。
【請求項9】
請求項8において、
前記コンテナ装置の周壁部に、前壁部と、該前壁部の後方に対向した状態で配置される後壁部と、前記前壁部と前記後壁部との間に配置されて該前壁部と該後壁部とを、該両者の横方向両側において連結する一対の側壁部とが、備えられ、
前記前壁部及び前記後壁部が、前記隣合って配置される開閉扉としての一対の開閉扉によりそれぞれ構成され、
前記一対の側壁部が、単一の側壁部用開閉扉によりそれぞれ構成され、
前記コンテナ装置内には、外部からの被処理液を受け入れる循環槽と、該循環槽から被処理液を取り出してその被処理液を電解処理した後、その電解処理により生成されたガス及び処理液を該循環槽に戻す第1処理ユニット群と、該第1処理ユニット群により前記循環槽に戻された処理液を該循環槽から受け入れてその処理液を放出調整する第2処理ユニット群と、前記第1処理ユニット群により前記循環槽に戻された生成ガスを該循環槽から受け入れて該生成ガスを外方に放出する第3処理ユニット群と、が備えられ、
前記循環槽が、前記コンテナ装置内の前側領域であって、前記一対の側壁部のうちの一方の側壁部を構成する側壁部用開閉扉に隣合う位置に配置され、
前記第1処理ユニット群が、前記コンテナ装置内の後側領域に配置され、
前記第2処理ユニット群が、前記コンテナ装置内の前側領域に、前記循環槽に隣合いつつ該循環槽から離れるように順次、配置され、
前記第3処理ユニット群が、前記第1、第2処理ユニット群の上方領域に配置されている、
ことを特徴とする水処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテナ装置、コンテナ装置内に複数の処理ユニットを収納した水処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
各種物品を目的地まで効率よく輸送する手段として、コンテナ装置が知られている。このコンテナ装置には、各種鋼材や金属板を用いて箱形状に組立てた上で、その周壁部(前壁部、後壁部、一対の側壁部)のいずれかを、隣合って配置される開閉扉(具体的には一対の開閉扉)で構成したものがある。このコンテナ装置においては、隣合って配置される開閉扉を開くことにより、コンテナ装置の内部に各種物品が収納され、その各種物品が収納されたコンテナ装置は、コンテナ船、トレーラー、鉄道等の輸送手段を用いて目的地に輸送される。そして、その目的地で、隣合って配置される開閉扉が開かれ、コンテナ装置内部から各種物品が取り出される。
【0003】
このようなコンテナ装置には、近時、単に各種物品を輸送する入れ物としての役割だけでなく、コンテナ装置の内部空間を利用する役割を果たすものが出現しつつある。例えば、特許文献1([0025],
図4参照)には、コンテナ装置を事務所、仮設住宅等としても利用したものが示され、そのような利用の場合には、コンテナ装置の内部空間に、事務機械、事務用品、生活関連用品等の利用用途に応じた物品が収納され、その状態が維持される。
【0004】
本発明者は、このような背景の下、コンテナ装置の用途、収容物を踏まえて、隣合って配置される各開閉扉の表面に模様を付すことにより、特に、コンテナ装置が、単に各種物品を輸送する入れ物としての役割以外の役割を有している場合には、少なくともそのことを知らしめ、より好ましくは特定の役割を有していることを外見から看者にイメージさせたいと考えている。これまでのコンテナ装置は、各種物品を輸送する入れ物としての役割から、コンテナ装置の表面全体に単一色を付しただけのものや、その単一色上に、さらに、輸送会社名、ロゴマーク、関連記号等の業務上の表示をペイントにより表示しただけの味気無いものにすぎず、メッセージ性を示すものが存在しなかったからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、隣合って配置される各開閉扉の表面に模様を付そうとする場合において、その両開閉扉表面が形成する模様に連続性、一体性がないときには、前述の模様を付す意義の以前に、看者に違和感を与えることになる。その一方で、隣合って配置される両開閉扉の模様に連続性、一体性があるとしても、そのような連続性、一体性がある模様を構成する各開閉扉の模様は一般的に同一でないことから、その隣合って配置される各開閉扉の製造に当たっては、その各開閉扉の配置位置に応じた模様を個々に付さなければならない。このため、各開閉扉の製造負担は軽くない。他方で、上記各開閉扉は、頻繁に開閉されるものであり、その各開閉扉の開閉機能を適正に保つためには、各開閉扉の全体的な曲げ強度(曲げこわさ)を高めておく必要がある。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、隣合って配置される開閉扉によって連続性、一体性がある模様が形成される場合であっても、その隣合って配置される各開閉扉の全体的な曲げ強度を高めつつ、その各開閉扉の製造負担を軽減することができるコンテナ装置を提供することにある。第2の目的は、上記コンテナ装置を利用した水処理装置を提供することにある。
【0008】
前記第1の目的を達成するため本発明にあっては、次の(1)~(7)の構成とされている。
【0009】
(1)箱形状に形成されて、周壁部のいずれかが、隣合って配置される開閉扉により形成されているコンテナ装置において、
前記隣合って配置される各開閉扉が同一とされ、
前記各開閉扉の表面に、該各開閉扉の厚み方向に折曲された状態で該各開閉扉の横方向両端を跨ぐように伸びる段差部が上下方向に間隔をあけて複数形成され、
前記複数の段差部のうちの少なくとも一つが、横方向に対して傾斜された状態とされたものとされ、
前記各開閉扉の複数の段差部は、該各開閉扉の上下方向の向きが同一の姿勢状態にあるときには、互いに同一の模様を構成し、該各開閉扉の上下方向の向きが上下互い違いの姿勢状態にある状態で該各開閉扉が並設状態にあるときには、互いに連なるように設定され、
前記隣合って配置される開閉扉は、前記周壁部において、互いの向きが上下互い違いの姿勢状態とされている構成とされている。
【0010】
この構成によれば、隣合って配置される開閉扉が、コンテナ装置の周壁部において、上下方向の向きが上下互い違いの姿勢状態とされていることから、その隣合って配置される開閉扉が閉じているときには、その各開閉扉における各段差部同士が互いに連なることになり、隣合って配置される両開閉扉の複数の段差部により、連続性、一体性がある模様が形成される。この連続性、一体性がある模様により、コンテナ装置が、通常の場合(単一色等とされて、一見して、コンテナ装置が、単に各種物品を輸送する入れ物としての役割を果たしていると判断できる場合)とは異なり、少なくとも、新たな何等かの役割を有していることを看者に連想、想起(イメージ)させることができる。
【0011】
その一方で、各開閉扉は、その上下方向の向きが同一の姿勢状態にあるときには、該各開閉扉において複数の段差部が同一の模様を構成することから、各開閉扉として同一のものを用いることができる(開閉扉の共用化)。しかも、各開閉扉表面の模様が複数の段差部により形成されることから、各開閉扉の素材(パネル)に対する成形加工等により模様を簡単に成形することができる。
【0012】
他方で、各開閉扉における複数の各段差部が、その肉厚と段差との関係により断面係数(modulus of section)を高め、各開閉扉全体の曲げ強度(曲げこわさ(flexural rigidity))を高めることができる。しかもこの場合、複数の段差部のうちの少なくとも一つが、横方向に対して傾斜された状態で各開閉扉を横切っていることから、その段差部が、各開閉扉の上下方向に偏位する領域において曲げ強度を高めることができ、各開閉扉の曲げ強度を高めるに当たり、その各開閉扉における複数の段差部の数を、上記領域に横方向に伸びる段差部を設けない数だけ減らすことができる。
【0013】
したがって、コンテナ装置の周壁部において、隣合って配置される開閉扉によって連続性、一体性がある模様が形成される場合であっても、その模様を構成する複数の段差部により各開閉扉の全体的な曲げ強度を高めつつ、その各開閉扉の共用化を通じてその各開閉扉の製造負担を軽減できる。また、各開閉扉表面に複数の段差部に基づく模様を形成するに当たり、成形を利用できることから、その製造を簡単にでき、さらには、各開閉扉の曲げ強度を複数の段差部により高めるに当たり、その複数の段差部の数を、段差部の配置工夫により極力減らすことができる。このため、これらのことも、各開閉扉の製造負担の軽減に寄与させることができる。
【0014】
(2)前記(1)の構成の下で、
前記周壁部が、2組の対向する一対の壁部により形成され、
前記隣合って配置される開閉扉が、一対の開閉扉として、前記2組の対向する一対の壁部のうち、一方の組における少なくとも一方の壁部を構成している構成とされている。
【0015】
この構成によれば、一方の組における少なくとも一方の壁部を、隣合って配置される開閉扉としての一対の開閉扉により構成することから、その一対の開閉扉は、閉時に広い平面を形成することになり、その広い平面に、連続性、一体性を有する複数の段差部に基づく模様を示すことができる。このため、その連続性、一体性を有する複数の段差部に基づく模様を大きく示して目立たせることができ、その連続性、一体性を有する複数の段差部に基づく模様を通じてコンテナ装置の役割等を看者に連想、想起させることができる。勿論この場合も、一対の開閉扉の共用化を図りつつ、その各開閉扉全体の曲げ強度を高めることができる。
【0016】
(3)前記(1)の構成の下で、
前記周壁部が、2組の対向する一対の壁部により形成され、
前記隣合って配置される開閉扉のうちの一方の開閉扉が、前記2組のうちのいずれか一方の組における一方の壁部を構成し、
前記隣合って配置される開閉扉のうちの他方の開閉扉が、前記2組のうちの他方の組における壁部であって、前記一方の組における一方の壁部に隣合う壁部を構成している構成とされている。
【0017】
この構成によれば、隣合って配置される開閉扉が、コンテナ装置における周壁部のうちの角部を形成する壁部を構成する場合においても、前記(1)と同様の作用効果を得ることができる。
【0018】
(4)前記(1)の構成の下で、
前記隣合って配置される各開閉扉における前記複数の段差部が、2つの段差部であり、
前記隣合って配置される開閉扉のうち一方の開閉扉については、前記2つの段差部の間隔が、該隣合って配置される開閉扉の並設方向外方側よりも並設方向内方側の方が大きくなるように設定され、
前記隣合って配置される開閉扉のうち他方の開閉扉についても、前記2つの段差部の間隔が、該隣合って配置される開閉扉の並設方向外方側よりも並設方向内方側の方が大きくなるように設定されている構成とされている。
【0019】
この構成によれば、隣合って配置される両開閉扉の閉時に、その各開閉扉における2つの各段差部がそれぞれ連なって、2つの段差部間の間隔が両開閉扉の合わせ面側(隣合って配置される開閉扉の並設方向内方側)ほど広がることになり、両開閉扉の2つの段差部により比較的大きな平面を区画できる。このため、その両開閉扉の2つの段差部により区画される構成を、内部を覗き込む大きな窓の模様として、看者に連想、想起させることができると共に、その両開閉扉の2つの段差部間の比較的大きな平面を描画領域とすることができる。これにより、その描画領域に、内部の収容物をイメージさせるイメージ画を表示することによって、コンテナ装置の役割、特定収容物を効果的に認識させることができる。
【0020】
(5)前記(2)の構成の下で、
前記隣合って配置される開閉扉が、一対の第1、第2開閉扉として、前記一方の組における一対の各壁部をそれぞれ構成し、
前記一対の第1開閉扉における複数の段差部に基づく模様と、前記一対の第2開閉扉における複数の段差部に基づく模様とが、前記一方の組における一対の壁部をそのいずれか一方側外方から他方側を見たときに、同一形態をもって重なるものとして設定され、
前記他方の組における一対の各壁部が、単一の第3開閉扉によりそれぞれ構成され、
前記各第3開閉扉には、その表面において、その厚み方向に折曲されてその横方向両端を跨ぐように伸びる段差部が、前記一対の第1、第2開閉扉における段差部の数に応じた数だけ設けられ、
前記各第3開閉扉における各段差部が、前記一対の第1、第2開閉扉における各段差部にそれぞれ連なるようにされている構成とされている。
【0021】
この構成によれば、コンテナ装置の周壁部を構成する全ての開閉扉が閉じているときには、その各開閉扉の各段差部の全てがそれぞれ連なることになり、コンテナ装置の周壁部に、その全周に亘って連続する模様を形成することができる。
【0022】
この場合、一対の第1開閉扉として一枚の共通の開閉扉を用いることができると共に、一対の第2開閉扉として一枚の共通の開閉扉を用いることができる。さらに、一対の第1開閉扉における複数の段差部に基づく模様と、一対の第2開閉扉における複数の段差部に基づく模様とが、一方の組における一対の壁部をそのいずれか一方側外方から他方側に向けて見たときに、同一形態をもって重なる関係にあることから、第3開閉扉として、同一のものを上下互い違いに用いれば、各第3開閉扉における各段差部を、一対の第1、第2開閉扉における各段差部にそれぞれ連ねることができる。このため、第1~第3開閉扉の個々について、開閉扉の共用化を図ることができる。勿論、第3開閉扉の曲げ強度は、複数の段差部により高められる。
【0023】
(6)前記(2)の構成の下で、
前記隣合って配置される開閉扉が、一対の第1、第2開閉扉として、前記一方の組における一対の各壁部をそれぞれ構成し、
前記一対の第1開閉扉における複数の段差部に基づく模様と、前記一対の第2開閉扉における複数の段差部に基づく模様とが、該各模様をそれぞれ正面視したときに、同一となるものとして設定され、
前記他方の組における一対の各壁部が、単一の第3開閉扉によりそれぞれ構成され、
前記各第3開閉扉に、その表面において、その厚み方向に折曲されてその横方向両端を跨ぐように伸びる段差部が、前記一対の第1、第2開閉扉における段差部の数に応じた数だけ設けられ、
前記各第3開閉扉における各段差部が、前記一対の第1、第2開閉扉における各段差部にそれぞれ連なるようにされている構成とされている。
【0024】
この構成においても、コンテナ装置の周壁部を構成する全ての開閉扉が閉じているときには、その各開閉扉の各段差部の全てがそれぞれ連なることになり、コンテナ装置の周壁部に、その全周に亘って連続する模様を形成することができる。
【0025】
この場合、一対の第1、第2開閉扉(4枚の開閉扉)に対して一枚の共通の開閉扉を用いることができ、さらには、一対の第1開閉扉における複数の段差部に基づく模様と、一対の第2開閉扉における複数の段差部に基づく模様とが、該各模様をそれぞれ正面視したときに、同一となる関係にあることから、第3開閉扉として、同一のものを上下互い違いに用いれば、各第3開閉扉における各段差部を、一対の第1、第2開閉扉における各段差部にそれぞれ連ねることができる。このため、第1、第2開閉扉(4枚の開閉扉)に対しては一枚の共通の開閉扉を用いて共用化を図ることができ、一対の第3開閉扉に対しては、一枚の共通の開閉扉を用いて共用化を図ることができる。勿論この場合も、第3開閉扉の曲げ強度は、複数の段差部により高められる。
【0026】
(7)前記(5)又は(6)の構成の下で、
前記隣合って配置される各開閉扉における前記複数の段差部が、2つの段差部である構成とされている。
【0027】
この構成によれば、コンテナ装置の周壁部に、その全周に亘って連続する凹部模様を形成することができると共に、その凹部内平面を描画領域とすることができる。これにより、その描画領域に、内部の収容物をイメージさせるイメージ画を表示することによって、コンテナ装置の役割、特定収容物を効果的に認識させることができる。
【0028】
前記第2の目的を達成するため本発明にあっては、次の(8)~(9)の構成とされている。
【0029】
(8)請求項1に係るコンテナ装置内に、被処理液を処理して処理水とする複数の処理ユニットが収納されている、
ことを特徴とする水処理装置とした構成とされている。
【0030】
この構成によれば、コンテナ装置を、水処理装置のための複数の処理ユニットを収納する収納コンテナ(収納ケース)として利用できると共に、コンテナ装置の搬送容易性を利用して、水処理装置を汚水処理現場まで搬送できる。このため、汚水処理現場の廃水(被処理液)を水処理装置により機動的に処理することができる。
【0031】
(9)前記(8)の構成の下で、
前記コンテナ装置の周壁部に、前壁部と、該前壁部の後方に対向した状態で配置される後壁部と、前記前壁部と前記後壁部との間に配置されて該前壁部と該後壁部とを、該両者の横方向両側において連結する一対の側壁部とが、備えられ、
前記前壁部及び前記後壁部が、前記隣合って配置される開閉扉としての一対の開閉扉によりそれぞれ構成され、
前記一対の側壁部が、単一の側壁部用開閉扉によりそれぞれ構成され、
前記コンテナ装置内には、外部からの被処理液を受け入れる循環槽と、該循環槽から被処理液を取り出してその被処理液を電解処理した後、その電解処理により生成されたガス及び処理液を該循環槽に戻す第1処理ユニット群と、該第1処理ユニット群により前記循環槽に戻された処理液を該循環槽から受け入れてその処理液を放出調整する第2処理ユニット群と、前記第1処理ユニット群により前記循環槽に戻された生成ガスを該循環槽から受け入れて該生成ガスを外方に放出する第3処理ユニット群と、が備えられ、
前記循環槽が、前記コンテナ装置内の前側領域であって、前記一対の側壁部のうちの一方の側壁部を構成する側壁部用開閉扉に隣合う位置に配置され、
前記第1処理ユニット群が、前記コンテナ装置内の後側領域に配置され、
前記第2処理ユニット群が、前記コンテナ装置内の前側領域に、前記循環槽に隣合いつつ該循環槽から離れるように順次、配置され、
前記第3処理ユニット群が、前記第1、第2処理ユニット群の上方領域に配置されている構成とされている。
【0032】
この構成によれば、コンテナ装置の周壁部である前壁部、後壁部及び一対の側壁部の全てを開閉扉により構成する一方、コンテナ装置内の配設領域を、前後方向の2つの領域と、それらの上方領域とすることから、水処理装置の処理ユニット群を収納、設置するに当たっては、コンテナ装置の前側開口からは、コンテナ装置の前側に配置するものだけを取り込み、コンテナ装置の後側開口からは、コンテナ装置の後側に配置するものだけを取り込めばよくなり、コンテナ装置内で、重量物である処理ユニット群(第1、第2処理ユニット群)の移動量を極力少なくすることができる(収納、設置作業の負担軽減)。また、生成ガスの排出に当たって、生成ガスが流動できることを考慮し、第1、第2処理ユニット群の上方領域を第3処理ユニット群の配設のために有効に利用することになり、収納物全体をコンパクトにまとめ、コンテナ装置の小型化を図ることができる。さらには、コンテナ装置の前側開口が開いたときには、第2処理ユニット群だけが表れ、その第2処理ユニット群によりその背後の第1処理ユニット群に対する作業アクセスが規制され、コンテナ装置の後側開口が開いたときには、第1処理ユニット群だけが表れ、その第1処理ユニット群によりその背後の第2処理ユニット群に対する作業アクセスが規制される。このため、第1、第2の処理ユニット群に対するメインテナンスを行うに当たり、作業を的確に行わせる観点から、コンテナ装置の予め決まっている開口から行うべきことを、配置構造により知らしめることができる。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、隣合って配置される開閉扉によって連続性、一体性がある模様が形成される場合であっても、その隣合って配置される各開閉扉の全体的な曲げ強度を高めつつ、その各開閉扉の製造負担を軽減することができるコンテナ装置、そのコンテナ装置を利用した水処理装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図13】実施形態に係るコンテナ装置を利用して構成された水処理装置を示す斜視図。
【
図14】
図12に示すコンテナ装置の開閉扉を開いた状態を示す斜視図。
【
図15】実施形態に係る水処理装置を示すシステム図。
【
図16】実施形態に係る水処理装置の各要素の配置を簡略的に示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
【0036】
図1~
図6において、符号1は、実施形態に係るコンテナ装置1を示す。このコンテナ装置1は、直方体形状の骨組み構造体2を有している。その骨組み構造体2は、矩形状の下枠3の四隅に柱材4をそれぞれ立設した状態で固定し、その各柱材4の上端に下枠3と同じ矩形状の上枠5の四隅を固定している。このため、骨組み構造体2には、その周面において、2組の対向する一対の開口として、前側開口6と後側開口7(一方の組の一対の開口)、その前側開口6と後側開口7との間から左右外方(側方)にそれぞれ臨む一対の側方開口8,9(他方の組の一対の開口)が形成され、さらには、上、下面に、上側開口10、下側開口11がそれぞれ形成されている。前側開口6及び後側開口7は、上下方向(
図1、
図3中、上下方向)よりも横方向(
図1、
図3中、左右方向)に長く伸びる矩形状にそれぞれ形成され、一対の各側方開口8,9は、横方向(
図2、
図4中、左右方向)よりも上下方向が多少長い矩形形状ないしは正方形状に形成されている。上側開口10及び下側開口11は、前記前側開口6の横方向と同じ方向を横方向とした場合、その各横方向長さが前側開口6の横方向長さに対応して同じ長さとされ、その各奥行長さ(前後長さ)は前記側方開口の横方向長さと同じ長さとされている。この場合、上側開口10を区画する上枠5の上面内周縁部は、それよりも外周側の上面に比して段差をもって低く形成され、同様に、下側開口11を区画する下枠3の上面内周縁部も、それよりも外周側の上面に比して段差をもって低く形成されている。また、上側開口10には、上枠5の前部と後部とを跨ぐようにして複数の補強部材12が配設され、下側開口11にも、同様の構成が施されている(
図5、
図6参照)。
【0037】
本実施形態においては、骨組み構造体2は、その横方向長さが2600~2800mm(好ましくは2700mm)、上下長さが1500~1700mm(好ましくは1600mm)、奥行き長さ(前後長さ)が1400~1600mm(好ましくは1500mm)とされている。
【0038】
前記前側開口6には、
図1に示すように、隣合って配置される開閉扉として、一対の開閉扉13LF,13RFがそれぞれ配置されている。この場合、前側開口6での各開閉扉13LF,13RFに関する構成が同じ構成とされているので、前側開口6における一方の開閉扉(左側開閉扉)13LFに関して、その各構成要素の符号に添字符号「LF」を付して説明し、他方の開閉扉(右側開閉扉)13RFに関する構成については、前側開口6における一方の開閉扉13LFの構成要素に用いた添字符号「LF」に代えて添字符号「RF」を付し、重複説明を省略する。
【0039】
前側開口6における一対の開閉扉13LF,13RFの構成においては、その一方の開閉扉13LFの基端部14LFが、前側開口6を区画する一方の前側柱材4LF(4)に回動可能に支持され、他方の開閉扉13RFの基端部14RFが、他方の前側柱材4RF(4)に回動可能に支持されている。これにより、左右の各開閉扉13LF,13RFの回動により前側開口6が開閉されることになり、各開閉扉13LF,13RFが前側開口6を開いたときには、前側開口6を介してコンテナ装置1の内部(骨組み構造体2の内部)に対してアクセスが可能となり、両開閉扉13LF,13RFが前側開口6を閉じたときには、その両開閉扉13LF,13RFと骨組み構造体2の前面部とが協働してコンテナ装置1の前壁部15F(2組の対向する一対の壁部のうち、一方の組における一方の壁部)を構成する。この左右の各開閉扉13LF,13RFの自由端部16LF,16RF表面には、その上下方向中央部において取っ手17LF,17RFがそれぞれ設けられており、作業者は、その取っ手17LF,17RFを利用して各開閉扉13LF,13RFを開閉することになる。
【0040】
本実施形態においては、前側開口6に、その横方向中央位置において、補強用柱材4CFが上枠5の前部と下枠3の前部とを跨ぐようにして配設されている(
図14参照)。この補強用柱材4CFは、コンテナ装置1の補強を図るものであるが、左右両側の開閉扉13LF,13RFが閉じられたとき、その両自由端部16LF,16RFがコンテナ装置1内に深く入り込むことを規制する機能をも有している。このため、この補強用柱材4CFは、左右両側の開閉扉13LF,13RFが閉じられたときには、その閉じられた両開閉扉13LF,13RFにより隠されることになる。
【0041】
前記前壁部15Fを構成する各一対の各開閉扉13LF,13RFには、1枚の共通の開閉扉が用いられている。前壁部15Fを構成する左側開閉扉13LFを例にとって
図7~
図11に基づき説明する。開閉扉13LFは、パネル29LFと、そのパネル29LFの内側に配設される内枠30LFとを備えている。パネル29LFは、横方向(
図7中、左右方向)長さよりも上下方向(
図7中、上下方向)長さが長い矩形状のパネル部31LFと、そのパネル部31LFの全周囲から裏面側に折曲された周壁部32LFとを有し、そのパネル部31LFと周壁部32LFとにより箱形状に形成されている。内枠30LFは、パネル29LFの周壁部32LFの厚み幅と同じ厚み幅にしつつ、前記パネル29LFのパネル部31LFよりも多少縮小された矩形形状の内枠本体33LFと、その内枠本体33LFの厚み方向一方側から内方に全周に亘って張り出すフランジ部34LFと、を有しており、その内枠30LFは、フランジ部34LFを箱状パネル29LFのパネル部31LF裏面に当接するように内枠本体33LFをパネル29LF内に入れ、フランジ部34LFをパネル部31LFの裏面に溶接等することにより、パネル部31LFに一体化されている。これにより、パネル29LFの周壁部32LFと内枠本体33LFとの間に溝35LFが形成されることになり、その溝35LFに図示を略すウェザーストリップが組み込まれる。
【0042】
また、パネル29LFの基端部14LF裏面には、
図7、
図10、
図11に示すように、3つのヒンジベース36LFが上下方向に間隔をあけて取付けられている。この3つのヒンジベース36LFのうちの一のヒンジベース36LFが上下方向中央に配置され、他の2つのヒンジベース36LFは上記一のヒンジベース36LFから上下方向にそれぞれ等しい間隔だけ離れるように配置されている。この各ヒンジベース36LFには、2つの軸筒部37LFが間隔をあけてそれぞれ備えられており、その各2つの軸筒部37LF間に、骨組み構造体2の一方の前側柱材4LFに予め取付けられたヒンジベース(図示略)の軸筒部がそれぞれ介装され、その上で、それら軸筒部にヒンジピン(図示略)が挿入される。これにより、開閉扉13LFは、左側の開閉扉として前側開口6を開閉すべく、前述の通り、骨組み構造体2の一方の前側柱材4LFに沿って上下方向に伸びる回動軸心を中心として回動することになる。これに対して、右側の開閉扉13RFには、上記左側の開閉扉13LFの向きを上下互い違いの姿勢状態にしたものが用いられている。この場合、左側の開閉扉13LFの向きを上下互い違いの姿勢状態にしたとしても、ヒンジベース36Fの上下の配置関係が変わらないことから、右側の開閉扉(ヒンジベース36F)は、骨組み構造の他方の前側柱材4RFに回動可能に支持される。
【0043】
前記左側開閉扉13LFにおけるパネル部31LF表面には、
図1、
図7、
図8、
図9に示すように、複数の段差部40LF,41LFが上下方向に間隔をあけて形成されている。本実施形態においては、2つの段差部40LF,41LFが形成されており、その各段差部40LF,41LFは、パネル部31LFの厚み方向裏側に多少折曲された状態で開閉扉13LFの横方向両端を跨ぐように伸びている。具体的には、2つの段差部40LF,41LFのうちの一方の段差部40LFは、その一端(
図1中、右端)がパネル部31LFの基端(
図1中、右端)下部に位置され、そこから自由端(
図1中、左端)の上部向けて伸びている。他方の段差部41LFは、一方の段差部40LFよりも下部側に配置されており、その一端(
図1中、右端)はパネル部31LFの基端下部に位置され、そこから自由端に向けて真横に伸びている。このため、他方の段差部41LFの他端(
図1中、左端)とパネル部31LFの下端との間の距離は、その他方の段差部41LFの一端とパネル部31LFの下端との間の距離と等しくなっている。これにより、2つの段差部40LF,41LF間には、パネル部31LFの基端から自由端に向けて次第に上下方向間隔が拡がる凹部42LFが形成され、その2つの段差部40LF,41LFにより立体的な模様が形成される。この場合、一方の段差部40LFの他端とパネル部31LFの上端との距離h1は、他方の段差部41LFの他端とパネル部31LFの下端との距離h2、他方の段差部41LFの一端とパネル部31LFの下端との間の距離h3にそれぞれ等しくされている(
図1参照)。また、他方の段差部41LFの一端と一方の段差部40LFの一端との間の距離h4が予めそれぞれ設定されている(
図1参照)。
【0044】
これに対して、右側開閉扉13RFは、前述の通り、前記左側開閉扉13LFと同じものがその向きを上下互い違いの姿勢状態として用いられている。このため、右側開閉扉13RFにおける2つの段差部41RF,40RFが形成する模様は、一見、前記左側開閉扉13LFと異なるものになるものの、これら左右の両開閉扉13LF,13RFが閉じられると、左側開閉扉13LFの上端と一方の段差部40LFの他端との間の距離h1が、左側開閉扉13LFの下端と他方の段差部41LFの他端との間の距離h2に等しいことから、左側開閉扉13LFにおける各段差部40LF,41LFと右側開閉扉13RFにおける各段差部41RF,40RFとが連なることになる。この結果、左右の両開閉扉13LF,13RFにより、その各開閉扉13LF,13RFの基端から自由端に向けて次第に広がる比較的大きな凹部42F(42LFと42RFと合わせたもの)が形成され、左右の両開閉扉13LF,13RFによって、各開閉扉13LF,13RFが形成する各凹部42LF,42RF模様とは異なる新たな凹部42F模様が形成される。この両開閉扉13LF,13RFが形成する凹部42F模様は、前側開口6の横方向全長に亘って横切り、全体として菱形形状に似せた形状となるものであり、その模様は、連続性、一体性がある模様として看者に認識される。そして、その菱形形状に似せた凹部42F模様が、2つの段差部40LF,41LF(40RF,41RF)により立体性を持つものであることから、その凹部42F模様から、コンテナ装置1内を覗き見ることができる比較的大きな窓をイメージすることができ、その2つの段差部40LF, 40RF,41LF,41RF間の比較的大きな凹部底面(パネル部表面)42FAを、コンテナ装置1内の収容物との関連性があるイメージ図を描くための描画領域(符号42FAを用いる)にすることができる。これにより、その描画領域42FAにイメージ図を描くことによって、コンテナ装置1の役割を効果的に認識させることができる。本実施形態においては、後述するように、コンテナ装置1内に、廃水を処理する複数の処理ユニット等を収納して水処理装置を構成することから、上記描画領域42FAには、コンテナ装置1が水処理装置或いはその関連装置を収納するものであることをイメージさせるべく、浄水処理の状態をイメージさせる「水中でのバブリング(曝気)」がイメージ図として描かれている(
図13、
図14参照)。
【0045】
前記後側開口7にも、
図3に示すように、隣合って配置される開閉扉として、一対の開閉扉13LB,13RBがそれぞれ配置されている。この場合、後側開口7での各開閉扉13LB,13RBに関する構成が、基本的に、前側開口6での各開閉扉13LF,13RFに関する構成と同じ構成とされているので、後側開口7における各開閉扉13LB,13RBに関する構成に関しては、前側開口6での各開閉扉13LF,13RFに関する各構成要素の添字符号「LF」「RF」に代えて添字符号「LB」「RB」を付し、特徴点、相違点について特に説明する。
【0046】
前記後側開口7における一対の開閉扉13LB,13RBの構成についても、一方の開閉扉(左側開閉扉)13LBは、その基端部(
図3中、右側端部)14LBが、後側開口7を区画する一方の後側柱材4LBに、その一方の後側柱材4LBに沿って上下方向に伸びる回動軸心を中心として回動可能に支持され、他方の開閉扉(右側開閉扉)13RBは、その基端部(
図3中、左側端部)14RBが、後側開口7を区画する他方の後側柱材4RBに、その他方の後側柱材4RBに沿って上下方向に伸びる回動軸心を中心として回動可能に支持されている。これにより、各開閉扉13LB,13RBの回動により後側開口7が開閉されることになり、各開閉扉13LB,13RBが後側開口7を開いたときには、後側開口7を介してコンテナ装置1の内部(骨組み構造体2の内部)に対してアクセスが可能となり、両開閉扉13LB,13RBが後側開口7を閉じたときには、その両開閉扉13LB,13RBと骨組み構造体2の後面部とが協働してコンテナ装置1の後壁部15B(2組の対向する一対の壁部のうち、一方の組における他方の壁部)を構成する。
【0047】
前記後側開口7における左右の開閉扉13LB,13RBについても、
図3に示すように、同じ構成のものが上下互い違いの状態で用いられている。このため、各開閉扉13LB,13RBには、その各段差部41LB,40LB(40RB,41RB)によって凹部42LB,42RBがそれぞれ形成され、その開閉扉13LB,13RBが後側開口7を閉じると、開閉扉13LB,13RBの各段差部41LB,40LB(40RB,41RB)が連なり、凹部42LB,42RBが連なった凹部42B模様が形成される。但し、本実施形態においては、各開閉扉13LB,13RBにおける各段差部41LB,40LB(40RB,41RB)の配置は、前側開口6において用いる各開閉扉13LF,13RFにおける各段差部41LF,40LF(40RF,41RF)に対して上下反転した配置(各開閉扉13LF,13RFを上下逆さにし、その表面の段差部41LF,40LFを裏側から見た配置)となっていて、開閉扉13LB,13RBが形成する凹部42B模様と、開閉扉13LF,13RFが形成する凹部42F模様とは、前壁部15F、後壁部15Bのいずれか一方側外方から他方側(並設方向内方側)を見たときに、同一形態をもって重なるものとなっている。凹部42F模様から想起するイメージと同じイメージを想起させつつ、後述の左右側方の開閉扉19SL,19SRにおける凹部45SL,45SR模様との関係で、連続性、一体性の観点から好ましい模様を作り出すためである。
【0048】
前記一対の各側方開口8,9には、
図2、
図4に示すように、1枚の開閉扉(側壁部用開閉扉)がそれぞれ配置されている。この一対の各側方開口での各開閉扉19SL,19SRに関する構成は、同じものとされており、一方の開閉扉(左側開閉扉)19SLの構成については、各構成要素の符号に添字符号「L」を付して説明し、他方の開閉扉(右側開閉扉)の構成については、一方の開閉扉の構成要素の符号に、添字符号「L」に代えて添字符号「R」を付して重複説明を省略する。
【0049】
一方の開閉扉19SLは、その基端部20SLが、後側開口7を区画する一方の後側柱材4RBに、その一方後側柱材4RBに沿って上下方向に伸びる回動軸心を中心として回動可能に支持され、他方の開閉扉19SRは、その基端部20SRが、後側開口7を区画する他方の後側柱材4LBに、その他方の後側柱材4LBに沿って上下方向に伸びる回動軸心を中心として回動可能に支持されている。これにより、各開閉扉19SL,19SRの回動により各側方開口8,9を開閉することになり、各開閉扉19SL,19SRが側方開口8,9を開いたときには、その側方開口8,9を介してコンテナ装置1の内部(骨組み構造体2の内部)に対してアクセスが可能となり、各開閉扉19SL,19SRが各側方開口8,9を閉じたときには、その各開閉扉19SL,19SRと骨組み構造体2の各側面部とが協働してコンテナ装置1の各側壁部21SL,21SR(2組の対向する一対の壁部のうち、他方の組における一対の壁部)を構成する。この各開閉扉19SL,19SRの自由端部22SL,22SR表面には、上下方向中央部において取っ手23SL,23SRがそれぞれ設けられており、作業者は、その取っ手23SL,23SRを利用して各開閉扉19SL,19SRを開閉することになる。
【0050】
前記各開閉扉19SL,19SRの具体的構成、その骨組み構造体2に対する取付け構成については、基本的に、前側開口6及び後側開口7に用いられる開閉扉13LF,13RF(13LB,13RB)の場合と同じとなっている。その一方で、各開閉扉19SL,19SR(パネル部31SL,31SR表面)には、前側開口6及び後側開口7に用いられる開閉扉13LF,13RF(13LB,13RB)に形成される複数の段差部40LF,41LF(40RB,41RB)とは異なる複数の段差部が形成されている。
【0051】
前記複数の段差部は、左側方の開閉扉19SLにおいては、
図2に示すように、2つの段差部43SL,44SLとして形成されている。その2つの段差部43SL,44SLは、上下に所定間隔h5を維持しつつ、パネル部13LB表面の基端(
図2中、右端)と自由端(
図2中、左端)との間を横方向に伸びている。一方の段差部43SLは、他方の段差部44SLよりも所定間隔h5だけ上方に位置され、他方の段差部44SLとパネル部31SL表面の下端との間の距離が所定距離h6に設定されている。この場合、所定距離h6は、前記前側開口6に用いられる開閉扉13LFの他方の段差部41LFの一端とパネル部31LF表面の下端との間の距離h3に等しくされ、所定間隔h5が、同開閉扉13LFにおける一方の段差部40LFの一端と他方の段差部41LFの一端との間の間隔h4に等しくされている。このため、この開閉扉19SLを一方の後側柱材4RBに取付けて左側の側方開口8を閉じれば、その開閉扉19SL自由端(
図2中、左端)での各段差部43SL,44SLの端が前側開口6における左側の開閉扉13LF基端の各段差部40LF,41LFの端に一方の前側柱材4LFを介して連なると共に、この開閉扉19SL基端(
図2中、右端)での各段差部43SL,43SLの端が後側開口7における開閉扉13RB基端での各段差部40RB,41RBの端に一方の後側柱材4RBを介して連なり、前側開口6に用いられる開閉扉13LFの凹部42LF模様と、後側開口7に用いられる開閉扉13RBの凹部42RB模様とが、開閉扉19SL下部において形成される一定幅の凹部45SL模様により連続的に連なることになる。この開閉扉19SLにおいても、2つの段差部43SL,44SL間を、その立体性に基づき覗き窓としてイメージさせることができることから、前記前壁部15F及び後壁部15Bに用いられる開閉扉13LF,13RF(13LB,13RB)における描画領域42FAのイメージ図に対応させるべく、その2つの段差部43SL,44SL間の凹部底面(描画領域)45SLAに、浄水処理をイメージさせる「水中でのバブリング(曝気)」を示すイメージ図が描かれている。勿論この場合、上記2つの各段差部43SL,44SLは、断面係数を高めて、開閉扉19SLの曲げ強度を高める。
【0052】
右側方の開閉扉19SRについては、前記左側方の開閉扉19SLを、上下互い違いの姿勢状態にして、他方の後側柱材4LBに取付けられるものであるから、その開閉扉19SRのパネル部31SR表面の上部において、2つの段差部44SR,43SRが、上下に間隔をあけつつ真横に伸びて、パネル部31SR表面の基端(
図4中、左端)と自由端(
図4中、右端)との間を平行に横切る。この2つの段差部44SR,43SRのパネル部31SR表面上での配置関係が、前記左側方の開閉扉19SLを上下逆にした場合と同じであることから、その開閉扉19SRが閉じられれば、その開閉扉19SR自由端の各段差部44SR,43SRの端が前側開口6に用いられる右側の開閉扉13RF基端の各段差部41RF,40RFの端に他方の前側柱材4RFを介して連なると共に、開閉扉19SR基端の各段差部44SR,43SRの端が後側開口7に用いられる左側の開閉扉13LB基端の各段差部41LB,40LBの端に他方の後側柱材4LBを介して連なり、前側開口6に用いられる開閉扉13RFの凹部42RF模様と、後側開口7に用いられる開閉扉13LBの凹部42LB模様とが、開閉扉19SRにおける上部において形成される一定幅の凹部45SR模様により連続的に連なることになる。この開閉扉19SRにおいても、2つの段差部44SR,43SR間を、その立体性に基づき覗き窓としてイメージさせることができることから、前記開閉扉13SL同様、その2つの段差部44SR,43SR間の凹部底面(描画領域)45SRに、浄水処理をイメージさせる「水中でのバブリング(曝気)」を示すイメージ図が描かれている。勿論この場合も、2つの各段差部44SR,43SRは、断面係数を高めて、開閉扉19SRの曲げ強度を高める。
【0053】
前記上側開口10は、
図5に示すように、複数枚(本実施形態では3枚)のパネル材24Uで覆われ、その複数枚のパネル材24Uと上枠5とによりコンテナ装置1の上壁部25Uが構成されている。この場合、複数枚のパネル材24Uは、補強部材12に支えられつつ、上枠5の上面内周縁部上に横方向一方側から他方側に向けて順次、配置されており、それら複数枚のパネル材24Uの上面は、上枠5の上面内周縁部よりも外周側上面に対して面一となっている。この上壁部25Uには、吊り上げ装置(図示略)のフックを引っ掛けるための複数のリング26が取付けられている。本実施形態においては、上壁部25Uの前部上面及び後部上面に、2つのリング26が横方向に間隔をあけた状態でそれぞれ設けられ、それらリング26は、コンテナ装置1の横方向中央を中心として対称に配置されている。
【0054】
前記下側開口11も、前記上側開口10の場合同様、
図6に示すように、複数枚のパネル材24Dで覆われ、その複数枚のパネル材24Dと下枠3とによりコンテナ装置1の底壁部25Dが構成されている。この底壁部25D外面(下枠3下面)の四隅には、キャスタ27がそれぞれ取付けられている。それらキャスタ27を利用することにより、コンテナ装置1の移動を容易にするためである。この場合、キャスタ27は、底壁部25D外面の四隅の他に、底壁部25D外面の前部及び後部に、その横方向中央においてもそれぞれ設けることが好ましい(
図1等参照)。コンテナ装置1内の収容物の重量に基づく底壁部25Dの撓みを効果的に抑制すると共に、コンテナ装置1の床面上の移動をより円滑にするためである。
【0055】
したがって、コンテナ装置1においては、前壁部15F、後壁部15B、及び左右側方の側壁部15SL,15SRを構成する各開閉扉13LF,13RF,13LB,13RB,19SL,19SRに形成される各段差部40LF,41LF,40RF,41RF,40LB,41LB,40RB,41RB,44SL,45SL,44SR,45SR全てが互いに連なり、コンテナ装置1における周壁部(前壁部15F、後壁部15B及び左右側壁部21SL,21SR)にその全周に亘って連続性及び一体性がある凹部42F,42B,45SL,45SR模様が形成される。このため、一見して、コンテナ装置1が、通常の場合(単に各種物品を輸送する入れ物としての役割を果たしていると判断できる場合)とは異なり、新たな何等かの役割を有していることを看者にイメージさせることができる。特に本実施形態においては、コンテナ装置1の収納物(複数の処理ユニット)を考慮し、各開閉扉13LF,13RF,13LB,13RB,19SL,19SRにおいて、各2つの段差部間の凹部底面(描画領域)42FA,42BA,45SLA,45SRAに、浄水処理をイメージさせる「水中でのバブリング(曝気)」を示すイメージ図が描かれていることから、外見から直ちに、当該コンテナ装置1が収納物を含めて水処理装置に関係するものであることを認識することができる。
【0056】
その一方で、各開閉扉13LF,13RF,13LB,13RB,19SL,19SRに連続性、一体性がある凹部模様が形成される場合であっても、前壁部15Fを構成する一対の開閉扉13LF,13RF、後壁部15Bを構成する一対の開閉扉13LB,13RBに、共通の開閉扉をそれぞれ用いることができ、左右側壁部21SL,21SRを構成する開閉扉19SL,19SRに、別の共通の開閉扉を用いることができる。このため、各開閉扉13LF,13RF,13LB,13RB,19SL,19SRの製造負担の軽減(部品点数の低減)を図ることができる。
【0057】
この場合、各開閉扉13LF,13RF,13LB,13RB,19SL,19SRに凹部42LF,42RF,42LB,42RB,45SL,45SR模様を形成するに当たり、各2つの段差部40LF,41LF,40RF,41RF,40LB,41LB,40RB,41RB,44SL,45SL,44SR,45SRが用いられており、それらは、各開閉扉13LF,13RF,13LB,13RB,19SL,19SRの素材に対するプレス加工等の成形加工により簡単に成形することができる。また、その2つの段差部40LF,41LF,40RF,41RF,40LB,41LB,40RB,41RB,44SL,45SL,44SR,45SRは、各開閉扉の形態(板状体)を維持しつつ、断面係数を高めて各開閉扉(パネル部)の曲げ強度を高める。しかも、各開閉扉13LF,13RF,13LB,13RBについては、段差部の少なくとも1つ40LF,40RF, 40LB, 40RBが、横方向に対して傾斜配置されていることから、その段差部40LF,40RF, 40LB, 40RBが各開閉扉の上下方向に偏位する領域分だけその段差部により曲げ強度を高めることができ、各開閉扉13LF,13RF,13LB,13RBの曲げ強度を高めるに当たり、その各開閉扉13LF,13RF,13LB,13RBにおける段差部の数を、上記領域に横方向に伸びる段差部を設けない数だけ減らすことができる。
【0058】
前記コンテナ装置1は、水処理装置51を構成すべく、収納ボックス(収納ケース)として利用されている。水処理装置51を構成する複数の処理ユニット等をコンテナ装置1内に収納して、水処理装置51を構成すれば、搬送、移動が容易となり、被処理液の処理を機動的に行えるからである。本実施形態においては、例えば、廃棄物埋立地からの浸出水の処理を行うべく、コンテナ装置1には、アンモニア性窒素を多く含む廃水から窒素を除去する水処理装置51のための複数の処理ユニット等が収納されている。これに伴い、前述したように、コンテナ装置1が水処理装置51を構成するものであることを効果的に知らしめるべく、
図13、
図14に示すように、コンテナ装置1における開閉扉13LF,13RF,13LB,13RB,19SL,19SRに凹部42LF,42RF,42LB,42RB,45SL,45SR模様が形成されて、その凹部底面としての描画領域42FA,42BA,45LSA,45RSAに水処理装置51をイメージするイメージ図が色彩を付しつつ描かれている。
【0059】
図15は、前記水処理装置51のシステム図を示す。この水処理装置51においては、塩素イオンCl
-とナトリウムイオンNa
+とが存在する循環槽52内の溶液中の深い個所に、被処理液として、アンモニア性窒素を含む廃水Rwが供給される。そのような状態の循環槽52内の溶液は、ポンプP、循環配管53により、その循環槽52の底壁部から取出され、その後、その循環配管53に介装される電解槽54に供給される。そこで電解処理が行われ、その電解処理を終えた処理液が循環槽52内に再び戻される。上記電解槽54では、電解脱窒素処理が行われることになり、陽極では、Cl
-が塩素Cl
2に酸化されると共に、電子e
-が放出され(2Cl
-→Cl
2+2e
-)、陰極では、Na
+と水H
2Oと2e
-とにより水酸化ナトリウムNaOHと水素H
2が生成される(2Na
++2H
2O+2e
-→2NaOH+H
2)。このため、陽極で生成されたCl
2と陰極で生成されたNaOHとにより次亜塩素酸ナトリウムNaClOが生成され、そのNaClOが廃水中に含まれていたアンモニアと反応し、モノクロロアミン(NH
2Cl)とジクロロアミン(NHCl
2)が生成される(NH
3+NaClO→NH
2Cl+NaOH, NH
2Cl+NaClO→NHCl
2+NaOH)。そのNH
2ClとNHCl
2とが反応し、無害な窒素N
2と塩酸HClとが生成される(NH
2Cl+NHCl
2→N
2+3HCl)。この一連のものが電解槽54から循環槽52内に供給される。循環槽52内に入ったCl
2(未反応分)、N
2、H
2の混合ガスについては排気管55を介して排ガス処理塔56に供給され、その排ガス処理塔56で処理を終えて無害化された処理ガスTgは処理ガス放出管57を介して大気に放出される。他方、電解槽54から循環槽52内に入り込んだ処理液は、循環槽52内への廃水供給に伴う増量分をオーバーフローさせることにより中和・還元槽58に供給される。この中和・還元槽58では、アルカリ性液供給装置59からのアルカリ性液、酸性液供給装置60からの酸性液、還元剤供給装置61からの液状還元剤の供給により、pH調整(中和調整)、酸化還元電位調整が行われ、その調整液は、排水槽62を経て外部に処理水Twとして放出される。
【0060】
図16は、水処理装置51における各処理ユニット等の構成要素の配置を簡略的な平面図として示すものである。この
図16からも明らかなように、この水処理装置51においては、出発点ないしは中心となる前記循環槽52が、コンテナ装置1内における前側領域の横方向他方側に配置され、その循環槽52には、前述の通り、被処理液としての廃水Rwが廃水供給口69から供給される。
【0061】
前記循環配管53、電解槽54、ポンプP等は、第1処理ユニット群A1として、コンテナ装置1内の後側領域に配置されている。循環配管53は、排出管部53aと、その排出管部53aに連なる戻り管部53bとからなっている。排出管部53aは、循環槽52の下部から一旦、後方に伸びた後、コンテナ装置1の横方向内方に向けて曲がり、それが排ガス処理塔56の近くまで伸びると、そこで、上方に向けて反転されている。戻り管部53bは、排出管部53aに連続し、その排出管部53aの上方においてコンテナ装置1の横方向他方側に向けて伸び、循環槽52の後方に至ると、その循環槽52に向けて曲げられてその循環槽52の上部に接続されている。電解槽54には、管状形式のものが用いられており、その形態を利用して、電解槽54は、その軸線を戻り管部53bの軸線に合わせた状態で、その戻り管部53bに介装されている。尚、符号71は、循環配管53(53a,53b)、電解槽54を支持する支持部材である。
【0062】
前記中和・還元槽58、排水槽62、アルカリ性液供給装置59、酸性液供給装置60及び還元剤供給装置61を設置するための設置台63等は、第2処理ユニット群A2として、コンテナ装置1内の前側領域に、循環槽52に隣合いつつその循環槽52から離れるように順次、配置されている。pH調整液(アルカリ性液等)の補充、処理液の中和・還元状態の監視を適宜行う必要がある一方で、コンテナ装置1の前側開口6を、メインテナンスを行うための主とした作業アクセス開口としているからである。同様の観点から、コンテナ装置1内における前側領域には、アルカリ性液供給装置59等の設置台63の横隣において、各種制御対象を制御するための制御盤64も配置されている。本実施形態においては、この制御盤64の存在を考慮し、通常時には、開閉扉13LFを開かずとも制御盤64の計測表示の確認だけを行えるようにするために、開閉扉13LFの上部に開口を形成してその開口を透明板で覆った透視窓70が形成されている(
図1、
図13、
図14参照)。
【0063】
前記排気管55、排ガス処理塔56、処理ガス放出管57等は、第3処理ユニット群A3として、前記第1、第2処理ユニット群A1,A2の上方領域および及び制御盤64の後方領域に配置されている。循環槽52から排出される混合ガス(Cl2,N2,H2)を簡単に流動させ得ること(どこにでも配管できること)に着目し、コンテナ装置1の上方領域を有効に利用しようとしたものである。本実施形態においては、制御盤64の後方(後側領域)に排ガス処理塔56が配置され、その排ガス処理塔56と循環槽52上部とが、第1、第2処理ユニット群A1,A2の間の上方空間を横切る排気管55により接続されている。その排ガス処理塔56の上部には、排ガス処理を終えた処理ガスを放出するための処理ガス放出管57が接続され、その処理ガス放出管57は、左側方開口8の上部から外部に延出されている。
【0064】
この場合、各側方開閉扉19SL,19SRには、その上部が切欠かれて切欠き開口65が形成されている一方、骨組み構造体2の上枠5には、左側方の開閉扉19SLを閉じたときにその切欠き開口65を覆うための閉塞板66が固定されている。その閉塞板66には貫通孔67が形成されており、その貫通孔67に処理ガス放出管57を貫通させることにより、処理ガス放出管57は、左側方の開閉扉19SLの開閉に支障を与えることなく支持されることになっている。他方、右側方の開閉扉19SRについても、その下部に切欠き開口が形成されることになるが、その切欠き開口については、膨らみがある閉塞カバー68が開閉扉19SRに取付けられて、その閉塞カバー68によりその切欠き開口が閉塞されている。この閉塞カバー68は、
図6に示すように、その下面において、内部が外部に連なる下部開口68aを有しており、その下部開口68aは前記切欠き開口に連通されている。このため、廃水の処理を行うときには、廃水供給ホースが、閉塞カバー68の下部開口68a、開閉扉19SRの切欠き開口を介してコンテナ装置1内に入れられ、その廃水供給ホースと循環槽52の廃水供給口69とが接続される。また、前記排水槽62からの処理水Twの放出についても、上記開閉扉19SRの切欠き開口、閉塞カバー68の下部開口68aが利用されており、その放出に当たっては、処理水を外部に放出するための処理水放出ホース75が、開閉扉19SRの切欠き開口、閉塞カバー68の下部開口68aを介して外部に延出される。
【0065】
このため、上記水処理装置51においては、コンテナ装置の周壁部である前壁部15F、後壁部15B及び一対の側壁部21SL,21SRの全てを開閉扉により構成する一方、コンテナ装置1内の配設領域を、前後方向の2つの領域と、それらの上方領域とすることから、水処理装置51の処理ユニット群A1~A3を収納、設置するに当たっては、コンテナ装置1の前側開口6からは、コンテナ装置1の前側に配置するもの(第2処理ユニット群A2)だけを取り込み、コンテナ装置1の後側開口7からは、コンテナ装置1の後側に配置するもの(第1処理ユニット群A1)だけを取り込めばよくなり、コンテナ装置1内で、重量物である処理ユニット群(第1、第2処理ユニット群A1,A2)の移動量を極力少なくすることができる(収納、設置作業の負担軽減)。また、生成ガスの排出に当たっては、生成ガスを簡単に流動させ得ることを考慮し、第1、第2処理ユニット群A1,A2の上方領域を第3処理ユニット群A3の配設に有効に利用している。このため、収納物全体をコンパクトにまとめ、コンテナ装置の小型化を図ることができる。さらに本実施形態においては、第1処理ユニット群A1が、循環配管53が排出管部53a及び戻り管部53bの上下二段構成とされると共に、電解槽54が、管状形式とした上で、その軸線を戻り管53bの軸線に合わせつつその戻り管53bに介装されていることから、収納物の前後方向の長さについて短縮化を図ることができ、このことを、コンテナ装置1の前後方向の短縮化に寄与させることができる。
【0066】
加えて、コンテナ装置1の前側開口6が開いたときには、第2処理ユニット群A2だけが表れ、その第2処理ユニット群A2によりその背後の第1処理ユニット群A1に対する作業アクセスが規制される。その一方、コンテナ装置1の後側開口7が開いたときには、第1処理ユニット群A1だけが表れ、その第1処理ユニット群A1(特に排出管部53a及び戻り管部53bの上下二段構成)によりその背後の第2処理ユニット群A2に対する作業アクセスが規制される。このため、第1、第2の処理ユニット群A1,A2に対するメインテナンスに関しては、作業を的確に行わせる観点から、コンテナ装置1の予め決まっている開口から行うべきことを、配置構造により知らしめることができる。
【0067】
以上実施形態について説明したが、本発明にあっては次の態様を包含する。
(1)コンテナ装置1の周壁部を構成する一対の各開閉扉13LF,13RF, 13LB,13RBを引き戸とすること。
(2)骨組み構造体2の各柱材4を各開閉扉13LF,13RF, 13LB,13RB, 19SL,19SRの自由端部、基端部により隠すこと。
(3)隣合って配置される開閉扉をもって、周壁部における角部を構成する壁部(前壁部15F又は後壁部15Bと側壁部)を構成すること。
(4)各開閉扉13LF,13RF, 13LB,13RB, 19SL,19SRを、コンテナ装置1の各壁部において、全体的形成する場合に限らず、部分的に形成する場合も含むこと。
(5)各段差部40LF,41LF,40RF,41RF,40LB,41LB,40RB,41RB,44SL,45SL,44SR,45SRは、伸び方向内方側が直線的であることに限定されず、曲線を形成するようにしてもよいこと。
(6)各段差部40LF,41LF,40RF,41RF,40LB,41LB,40RB,41RB,44SL,45SL,44SR,45SRを、開閉扉13LF,13RF, 13LB,13RB, 19SL,19SR(パネル部)の裏面側に折曲して成形する場合に限らず、その表面側外方に折曲して成形すること。
(7)各開閉扉13LF,13RF, 13LB,13RB, 19SL,19SR(パネル部)において、複数の段差部により、複数の凹部を上下方向に順次、成形すること。
(8)開閉扉13LF,13RF(前壁部15Fを構成)が形成する凹部42F模様と、開閉扉13LB,13RB(後壁部15Bを構成)が形成する凹部42B模様とを、それぞれ正面視したときに、同じ形態になるようにする一方、各側壁部21SL,21SRを構成する開閉扉19SL,19SRとして、同一のものを上下互い違いに用いて、その凹部42F模様、凹部42B模様に対して、開閉扉19SL.19SRが形成する凹部45SL,45SR模様が連なるようにすること。これにより、開閉扉13LF,13RF, 13LB,13RBの4枚を1枚の開閉扉で共用化することができる。
(9)コンテナ装置1の前壁部15F(開閉扉13LF,13RF)、後壁部15B(開閉扉13LB,13RB)を適宜決めること。勿論、開閉扉を頻繁に開閉する壁部を前壁部15Fとすることが好ましい。
(10)中和・還元槽55、排水層62での処理によりガスが生成するときには、それらガスを排ガス処理塔56に導いて排ガス処理をすること。
(11)コンテナ装置1におけるリング26、キャスタ27については、必要に応じて設け、必要がないときには設けないこと。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明は、コンテナ装置において、隣合って配置される開閉扉によって連続性、一体性がある模様が形成される場合であっても、その隣合って配置される各開閉扉の全体的な曲げ強度を高めつつ、その各開閉扉の製造負担を軽減することに利用でき、さらには、そのコンテナ装置を水処理装置に利用できる。
【符号の説明】
【0069】
1 コンテナ装置
13LF,13RF 開閉扉(第1開閉扉)
13LB,13RB 開閉扉(第2開閉扉)
19SL,19SR 開閉扉(第3開閉扉)
15F 前壁部(2組の対向する一対の壁部のうち、一方の組における一方の壁部)
15B 後壁部(2組の対向する一対の壁部のうち、一方の組における他方の壁部)
21SL,21SR 側壁部(2組の対向する一対の壁部のうち、他方の組における壁部)
40LF,41LF,40RF,41RF,40LB,41LB,40RB,41RB,44SL,45SL,44SR,45SR 段差部
42LF,42RF,42F, 42LB,42RB,42B,45SL,45SR 凹部
51 水処理装置
52 循環槽
A1 第1処理ユニット群
A2 第2処理ユニット群
A3 第3処理ユニット群
【要約】
【課題】隣合って配置される開閉扉によって連続性、一体性がある模様が形成される場合であっても、その各開閉扉の全体的な曲げ強度を高めつつその各開閉扉の製造負担を軽減するコンテナ装置及びそのコンテナ装置を利用した水処理装置を提供する。
【解決手段】周壁部が隣合って配置される開閉扉により形成され、その各開閉扉として、その表面に、厚み方向に折曲されて横方向両端を跨ぐように伸びる段差部が上下方向に間隔をあけて複数形成され、しかもそのうちの少なくとも一つが横方向に対して傾斜された状態とされたものが用いられ、複数の段差部としては、隣合って配置される各開閉扉の上下方向の向きが同一の姿勢状態にあるときには互いに同一の模様を構成し、各開閉扉の向きが上下互い違いの姿勢状態にある状態で該各開閉扉が並設状態にあるときには互いに連なるものが用いられ、隣合って配置される開閉扉は、周壁部で上下互い違いの姿勢状態とされている。
【選択図】
図1