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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-24
(45)【発行日】2024-02-01
(54)【発明の名称】天井材
(51)【国際特許分類】
   E04B 9/22 20060101AFI20240125BHJP
【FI】
E04B9/22 D
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019173659
(22)【出願日】2019-09-25
(65)【公開番号】P2021050514
(43)【公開日】2021-04-01
【審査請求日】2022-08-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000100698
【氏名又は名称】アイカ工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】新浪 奨也
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 篤志
(72)【発明者】
【氏名】近藤 建
(72)【発明者】
【氏名】士反 慶介
【審査官】吉村 庄太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-256397(JP,A)
【文献】特開2000-001931(JP,A)
【文献】特開2009-127344(JP,A)
【文献】特開2002-206286(JP,A)
【文献】特開2018-178553(JP,A)
【文献】特開2011-080569(JP,A)
【文献】特開2006-132180(JP,A)
【文献】特開2013-032660(JP,A)
【文献】特開平08-284358(JP,A)
【文献】特開平10-311128(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 9/00-9/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧材(31)の周縁の所々に座刳りして形成された溝(32)に、接着剤(36)が充填されるとともに、締結具(33)が、締結部(33b)を前記溝から突出させた状態で、頭部(33e)を前記溝内に埋設されて接着固定され
下面(41a)と上面(42a)とを含む正面視ダブルベント形の取り付け材(4a)が前記締結具(33)を介して締着されてなり、
前記化粧材(31)が、熱硬化性樹脂化粧板(ただし、金属板その他の部材を積層するものを除く。)であり、
前記熱硬化性樹脂化粧板が、無機繊維質の不燃コア層と熱硬化性樹脂を含浸した化粧層とを熱圧一体化してなる熱硬化性樹脂化粧板であることを特徴とする天井材(7)。
【請求項2】
前記取り付け材は前記上面を外側方向に延出されて締着されてなることを特徴とする請求項1記載の天井材。
【請求項3】
前記取り付け材は、下面に設けた穿設孔(a)に締結具(33)が挿通されて締着されていることを特徴とする請求項1又は2記載の天井材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は天井材及び化粧材の取り付け構造並びに及び化粧材の取り付け方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、熱硬化性樹脂化粧板は、例えば、机、テーブル、カウンターなどの水平面や、壁面、ドアの面材などの垂直面に、接着剤や粘着テープなどを用いて接着加工され、内装材、外装材として広く利用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平11-93308号公報
【文献】特開2002-206286号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、天井に適用する際は強固な接合が必要とされ、熱硬化性樹脂化粧板を金属製の締結具を用いて固着しようとしても破損し、釘、ビス等を用いることができないといった問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明はかかる状況に鑑み検討されたもので、化粧材(31)の周縁の所々に締結具(33)が埋設され、下面(41a)と上面(42a)とを含む正面視ダブルベント形の取り付け材(4a)が前記締結具(33)を介して締着されてなることを特徴とする天井材(7)、化粧材(31)の周縁の所々に締結具(33)が埋設され、下面(41a)と上面(42a)とを含む正面視ダブルベント形の取り付け材(4a)を介して、野縁(51)と締着されていることを特徴とする化粧材の取り付け構造である。
【発明の効果】
【0006】
本発明により化粧材を構造躯体に対して金属による締結が可能となり、接着剤や固定テープより強固にかつ容易に取り付け施工することができる。しかも化粧材に不燃性化粧板を採用すれば耐火性に優れた構造となる。以下、本発明について図面に基づいて詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】化粧材の裏面の周縁の所々に座刳り加工して溝を形成した斜視図。
図2図1中の要部断面図。
図3】締結具の埋設状態を示す断面図。
図4】取り付け材の平面図。
図5】取り付け材の透視正面図。
図6】化粧材と取り付け材との締着状態を示す透視斜視図。
図7図6中の図6中のA-A´に沿う拡大断面図。
図8】野縁の平面図。
図9】野縁の透視正面図。
図10】化粧材の取り付け構造を示す断面図。
図11】実施例2の取り付け材の平面図。
図12】実施例2の取り付け材の透視正面図。
図13】実施例2の化粧材の取り付け構造を示す断面図。
図14】他の取り付け材の平面図。
図15】他の取り付け材の透視正面図。
図16】他の取り付け材の透視平面図。
図17】他の取り付け材の透視正面図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1は化粧材(31)の裏面の周縁の所々に座刳り加工して溝(32)を形成した斜視図であり、図2は要部断面図である。溝には図3に示すように締結具(33)が埋設され接着剤(36)が充填され固着される。
【0009】
化粧材(31)は、MDF、パーティクルボード、合板などの有機木質系基材、或いは石膏ボード、ケイ酸カルシウム板、セメント板などの無機質系基材、或いはプラスチック発泡材などを基材として化粧層を設けた化粧ボードや、厚みの厚い熱硬化性樹脂化粧板などの化粧板が挙げられる。
【0010】
上記の化粧材(31)の中で、天井用途として施工しやすいように軽量であり、耐火性が要求される場合は、難燃性、不燃性を有する化粧ボードや熱硬化性樹脂化粧板を適宜選択して用いることができ、例えば、ケイ酸カルシウム板、プラスチック発泡材を基材とした化粧材や、不燃性化粧板を好適に用いることができる。本発明では化粧材として不燃性化粧板、具体的にはセラール(登録商標、アイカ工業株式会社製)を用いている。
【0011】
座刳り加工して形成された溝(32)には図3に示すように締結具(33)が頭部(33e)を下にして、締結部(33b)を溝(32)から延出させた状態で埋設され、接着剤(36)、例えばアクリル樹脂系接着剤、ウレタン系接着剤を溝に充填させて接着固定される。
【0012】
溝の深さdは化粧材(31)の厚みをtとした時、数1で示される範囲であれば締結具(33)が脱落することもなく化粧材(31)を破損することもなく好ましい。具体的にはtが3mmの場合、dは1~2mmであれば締結具(33)を固定できる。締結具(33)には強固に締め付けるため雄ねじが螺刻されたボルト(33c)が好適に用いられ、このボルトを螺合させる雌ねじ部材としてナット(33d)が用いられている。
【数1】
【0013】
図4は取り付け材(4a)の平面図、図5は透視正面図を示し、平面図において取り付け材(4a)は上下にのみ連続する。取り付け材の下面(41a)には化粧材(31)の裏面に設けられた締結具(33)に挿通される穿設孔(a)が設けられ、正面視ダブルベント形である。
【0014】
取り付け材(4a)は支持面(40a)の下部で水平方向に折曲され穿設孔(a)を有する下面(41a)と、前記下面と背反方向に折曲された上面(42a)とを含んでおり、支持面(40)は傾斜しており、取り付け材(4a)の平面から透視した際、下面(41a)と上面(42a)とは重なり合うことはない。
【0015】
正面視ダブルベント形の取り付け材は他にも図14の透視平面図、図15の透視正面図に示すように、正面視Z形で、平面から透視した際、下面(41b)と上面(42b)とが一部重なり合う取り付け材(4b)も用いることができる。尚、図示はしないが同様に正面視Z形で、平面から透視した際、下面の全面を上面が覆う取り付け材であっても良い。
【0016】
また、図16の平面図、図17の透視正面図に示すように、支持片(40c)が垂直で、平面図において、下面(41c)と上面(42c)とが接しあう取り付け材(4c)も用いることができる。
【0017】
図6は化粧材(31)との取り付け材(4a)との締結状態を示す斜視図、図7図6中のA-A´に沿う拡大断面図であり、取り付け材(4a)は、穿設孔(a)にボルト(33c)の締結部(33b)が挿通され、上面(42a)が化粧材(31)の外側方向に延出するようにナット(33d)に螺合され、締着されている。
尚、図6に示すように化粧材(31)と取り付け材(4a)とを事前に締結して天井材(7)としておくと、取り扱いやすく施工も容易に行えてく都合が良く好ましい。
【0018】
図8は野縁(51)の平面図であり、平面図において野縁(51)は上下にのみ連続する。図9は野縁の正面図であり、野縁は正面視略凹形である。
【0019】
図10は本発明の化粧材の取り付け構造を示す断面図を示す。化粧材(31)は取り付け材(4a)の下面(41a)の穿設孔(a)に締結具(33)が挿通されて締着されており、取り付け材の上面(42a)では野縁(51)の底部(51e)が当接され、固着具(55)により野縁が締着されている。
【0020】
図11は他の取り付け材(4a´)の平面図、図12は透視正面図を示し、上面(42a´)の長さが野縁の底部(51e)の半分に至らない長さである。
【0021】
図13は他の化粧材(31)の取り付け構造を示す断面図であり、野縁(51)が隣り合う取り付け材(4a´)の上面(42a´)に跨設され締着されている。かような構造にすることにより、取り付け材(4a´)が野縁(51)に強固に締結される。
以下、実施例を挙げて詳細に説明する。
【実施例1】
【0022】
厚み3mmの不燃化粧板(商品名、セラール、アイカ工業株式会社製、セラールは登録商標)の裏面の周縁の所々に、深さ1.5mmの凹溝を座刳り加工して設け、ボルト(33c)の頭部を下にして、締結部(33b)としての雄ねじ部の一部を凹溝(32)から突出させた状態で埋設し、ウレタン系接着剤を充填して接着固定した。
次いで、取り付け材(4a)の下面(41a)に形成された穿設孔(a)にボルト(33c)の締結部(33b)を挿通し、上面(42a)が化粧材(31)の外側方向に延出するようにナット(33d)に螺合させて、化粧材(31)に取り付け材(4a)を締結し、天井材を得た。
しかる後、取り付け材の上面(42a)に正面視略凹形の野縁(51)の底部(51e)を当接し、固着具(55)としてビスを用いて締着した。
【実施例2】
【0023】
実施例1の取り付け材より上面の長さが野縁の底部の半分に至らない長さの上面(42a´)を有する取り付け材(4a´)を用い、隣り合う取り付け材(4a´)の上面(42a´)を跨ぐように野縁(51)に当接した以外は実施例1と同様に実施した。
【符号の説明】
【0024】
31 化粧材
32 溝
33 締結具
33b 締結部
33c ボルト
33d ナット
33e 頭部
36 接着剤
4a 取り付け材
4a´ 取り付け材
40a 支持面
41a 下面
a 穿設孔
42a 上面
42a´ 上面
4b 取り付け材
40b 支持面
41b 下面
b 穿設孔
42b 上面
4c 取り付け材
40c 支持面
41c 下面
c 穿設孔
42c 上面
51 野縁
51e 底部
55 固着具
7 天井材



図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17