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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-24
(45)【発行日】2024-02-01
(54)【発明の名称】ドアハンドル装置
(51)【国際特許分類】
   E05B 85/14 20140101AFI20240125BHJP
   E05B 81/64 20140101ALI20240125BHJP
   B60J 5/04 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
E05B85/14
E05B81/64
B60J5/04 H
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019235719
(22)【出願日】2019-12-26
(65)【公開番号】P2021105254
(43)【公開日】2021-07-26
【審査請求日】2022-12-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000138462
【氏名又は名称】株式会社ユーシン
(74)【代理人】
【識別番号】100122426
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 清志
(72)【発明者】
【氏名】三浦 玲貴
(72)【発明者】
【氏名】名越 朗
【審査官】家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0130674(US,A1)
【文献】特開2019-059334(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 1/00-85/28
B60J 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドアのハンドルグリップ内に配設され、透光可能な透光部及び当該透光部と異なる位置に形成された開口部を有するケースと、
前記開口部を封止するカバーと、
前記ケース内に配設され、前記カバーに対向し、かつ、前記カバー及び前記開口部を通して操作力が入力される入力部を有するスイッチ機構と、
前記ケース内の前記透光部に対応する位置に配設され、光を発生させる発光源と、
前記ハンドルグリップ内において前記透光部に対応する位置に配設された入光部、前記ハンドルグリップ外に露出された出光部、及び前記ハンドルグリップ内において前記発光源から前記入光部に入力された光を前記出光部へ導く導光部を有するライトバーと、を備え、
前記ライトバーは、
前記透光部の一部に対応する位置に配設された第1入光部と、前記ハンドルグリップに形成された照明開口内に配設された第1出光部と、前記第1入光部に入力された光を前記第1出光部へ導く第1導光部と、を有する第1照明経路と、
前記透光部の他の一部に対応する位置に配設された第2入光部と、前記ハンドルグリップにおいて前記入力部を作動させる透光可能なスイッチノブに対応する位置に配設された第2出光部と、前記第2入光部に入力された光を前記第2出光部へ導く第2導光部と、を有する第2照明経路と、
を備えているドアハンドル装置。
【請求項2】
ドアのハンドルグリップ内に配設され、透光可能な透光部及び当該透光部と異なる位置に形成された開口部を有するケースと、
前記開口部を封止するカバーと、
前記ケース内に配設され、前記カバーに対向し、かつ、前記カバー及び前記開口部を通して操作力が入力される入力部を有するスイッチ機構と、
前記ケース内の前記透光部に対応する位置に配設され、光を発生させる発光源と、
前記ハンドルグリップ内において前記透光部に対応する位置に配設された入光部、前記ハンドルグリップ外に露出された出光部、及び前記ハンドルグリップ内において前記発光源から前記入光部に入力された光を前記出光部へ導く導光部を有するライトバーと、を備え、
前記カバーは、
前記開口部を封止する領域から前記透光部と前記入光部とが対応する位置を超えて延設された延設部と、
前記延設部に貫通して配設され、前記入光部を挿入可能とする装着孔と、を備えている、
ドアハンドル装置。
【請求項3】
前記スイッチ機構は、固定接点が配設された基板を備え、
前記発光源は、前記基板に実装されている
請求項1又は2に記載のドアハンドル装置。
【請求項4】
前記発光源は、前記基板の前記固定接点が配設された表面と同一の表面上に実装されている
請求項に記載のドアハンドル装置。
【請求項5】
前記ケースは、
前記透光部に対して前記ハンドルグリップの長手方向にずれた位置において前記ハンドルグリップ外側へ向かって突設され、前記スイッチ機構の一部を収納するスイッチ収納部を備えている
請求項1~請求項4のいずれか1項に記載のドアハンドル装置。
【請求項6】
前記カバーは、
前記開口部を封止する領域から前記透光部と前記入光部とが対応する位置を超えて延設された延設部と、
前記延設部に貫通して配設され、前記入光部を挿入可能とする装着孔と、を備えている
請求項に記載のドアハンドル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドアハンドル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、車両用ドアのアウトハンドル装置が開示されている。このアウトハンドル装置では、外部ドアのハンドルにスイッチユニットが配置され、このスイッチユニットを操作することによって外部ドアのロック、アンロックが行われている。
一方、下記特許文献2には、ドアハンドル照光ユニットが開示されている。このドアハンドル照光ユニットでは、光源部に接続された導光板の一部の突条部がドアハンドルから露出する構成とされ、突条部を発光させることによって暗い環境下におけるドアハンドルの視認性を向上させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-51038号公報
【文献】特開2007-186943号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、自動車等の車両では、外部ドアのドアハンドルの形状は車両全体のデザインに沿って決定されている。このため、ドアハンドル内の限られたスペースにスイッチユニット並びに照光ユニットを収納する必要があり、各ユニットの小型化に改善の余地があった。
本発明は、上記課題を考慮してなされたものであり、複数のユニットを纏めて小型化することができるドアハンドル装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1実施態様に係るドアハンドル装置は、ドアのハンドルグリップ内に配設され、透光可能な透光部及び透光部と異なる位置に形成された開口部を有するケースと、開口部を封止するカバーと、ケース内に配設され、カバーに対向し、かつ、カバー及び開口部を通して操作力が入力される入力部を有するスイッチ機構と、ケース内の透光部に対応する位置に配設され、光を発生させる発光源と、ハンドルグリップ内において透光部に対応する位置に配設された入光部、ハンドルグリップ外に露出された出光部、及びハンドルグリップ内において発光源から入光部に入力された光を出光部へ導く導光部を有するライトバーと、を備え、前記ライトバーは、前記透光部の一部に対応する位置に配設された第1入光部と、前記ハンドルグリップに形成された照明開口内に配設された第1出光部と、前記第1入光部に入力された光を前記第1出光部へ導く第1導光部と、を有する第1照明経路と、前記透光部の他の一部に対応する位置に配設された第2入光部と、前記ハンドルグリップにおいて前記入力部を作動させる透光可能なスイッチノブに対応する位置に配設された第2出光部と、前記第2入光部に入力された光を前記第2出光部へ導く第2導光部と、を有する第2照明経路と、を備えている
本発明の第2実施態様に係るドアハンドル装置は、ドアのハンドルグリップ内に配設され、透光可能な透光部及び透光部と異なる位置に形成された開口部を有するケースと、開口部を封止するカバーと、ケース内に配設され、カバーに対向し、かつ、カバー及び開口部を通して操作力が入力される入力部を有するスイッチ機構と、ケース内の透光部に対応する位置に配設され、光を発生させる発光源と、ハンドルグリップ内において透光部に対応する位置に配設された入光部、ハンドルグリップ外に露出された出光部、及びハンドルグリップ内において発光源から入光部に入力された光を出光部へ導く導光部を有するライトバーと、を備え、前記カバーは、前記開口部を封止する領域から前記透光部と前記入光部とが対応する位置を超えて延設された延設部と、前記延設部に貫通して配設され、前記入光部を挿入可能とする装着孔と、を備えている
【0006】
本発明の第実施態様に係るドアハンドル装置では、第1実施態様または第2実施態様に係るドアハンドル装置において、スイッチ機構は、固定接点が配設された基板を備え、発光源は、基板に実装されている。
【0007】
本発明の第実施態様に係るドアハンドル装置では、第実施態様に係るドアハンドル装置において、発光源は、基板の固定接点が配設された表面と同一の表面上に実装されている。
【0009】
本発明の第5実施態様に係るドアハンドル装置では、第1実施態様~第4実施態様のいずれか1つに係るドアハンドル装置において、ケースは、透光部に対してハンドルグリップの長手方向にずれた位置においてハンドルグリップ外側へ向かって突設され、スイッチ機構の一部を収納するスイッチ収納部を備えている。
【0010】
本発明の第6実施態様に係るドアハンドル装置では、第1実施態様に係るドアハンドル装置において、カバーは、開口部を封止する領域から透光部と入光部とが対応する位置を超えて延設された延設部と、延設部に貫通して配設され、入光部を挿入可能とする装着孔と、を備えている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、複数のユニットを纏めて小型化することができるドアハンドル装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】自動車等の車両に適用された、本発明の一実施の形態に係るドアハンドル装置を車両幅方向外側から車両幅方向内側へ向かって少し車両上方向へ見た全体斜視図である。
図2図1に示されるドアハンドル装置の分解斜視図である。
図3図2に示されるドアハンドル装置のスイッチ機構及び発光源の分解斜視図である。
図4図1に示されるドアハンドル装置をA-A線において切断し矢印方向に見た要部拡大断面図である。
図5図2に示されるドアハンドル装置のスイッチノブを車両幅方向内側から車両幅方向外側へ向かって少し車両上方向へ見た要部拡大斜視図である。
図6図3に示されるスイッチ機構の一部を反対方向から見た要部拡大斜視図である。
図7図2に示されるドアハンドル装置のスイッチ機構及びライトバーを車両幅方向外側から車両幅方向内側へ向かって少し車両上方向へ見た要部拡大斜視図である。
図8図7に示されるドアハンドル装置のライトバーを車両幅方向内側から車両幅方向外側へ向かって少し車両上方向へ見た要部拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図1図8を用いて、本発明の一実施の形態に係るドアハンドル装置について説明する。本実施の形態は、自動車等の車両のフロントドア、リアドア、バックドア等に装着されるドアハンドル装置に本発明を適用した例を説明するものである。また、本実施の形態は、ドアハンドル装置として、ドアの非開閉時にドアパネル内に格納され、ドアの開閉時にドアパネル外へ突出する「格納式ドアハンドル装置(フラッシュハンドル装置)」に本発明を適用した例を説明する。
なお、図中、適宜示されている矢印FRは車両前方向を示し、矢印Wは車両幅方向外側を示し、矢印UPは車両上方向を示している。これらの方向は、本実施の形態における説明を理解し易くするために便宜的に示される方向であって、本発明における方向を限定するものではない。
【0014】
(ドアハンドル装置1の全体構成)
図1及び図2に示される本実施の形態に係るドアハンドル装置1は、図示省略の車両として、左側フロントドアに装着されている。ここで、ドアハンドル装置1の格納システムについての説明は省略するが、ドアハンドル装置1は、フロントドアの非開閉時にはドアパネル内に格納され、フロントドアの開閉時にはドアパネル内から外側へ突出される構成とされている。
【0015】
このドアハンドル装置1は、スイッチ機構4と、カバー5と、ケース6と、発光源7と、ライトバー8とを主要な構成要素として備えている。これらの主要な構成要素はハンドルグリップ2内に配設されている。
以下、ドアハンドル装置1の主要な構成要素について、詳細に説明する。
【0016】
(1)ハンドルグリップ2の構成
ハンドルグリップ2は、グリップ本体21と、グリップカバー22とを含んで構成されている。グリップカバー22はグリップ本体21に組み付けられている。
【0017】
グリップ本体21は、前柱部位21Aと、後柱部位21Bと、連結部位21Cとを備えている。
グリップ本体21の前柱部位21Aは、車両幅方向に貫通し、車両幅方向外側から車両幅方向内側に見て(以下、単に「側面視」と記載する場合がある。)、車両前後方向の開口寸法が車両上下方向の開口寸法に比し長い矩形筒状に形成されている。後柱部位21Bは、前柱部位21Aの車両後方側にこの前柱部位21Aと離間して配設され、車両幅方向に貫通し、前柱部位21Aと同様に、側面視において車両前後方向の開口寸法が車両上下方向の開口寸法に比し長い矩形筒状に形成されている。後柱部位21Bの車両前後方向の開口寸法は、前柱部位21Aの同一方向の開口寸法に比し、長く設定されている。
連結部位21Cの車両前方側の一端部は前柱部位21Aに連結され、連結部位21Cの車両後方側の他端部は後柱部位21Bに連結されている。連結部位21Cは、車両前方側から見て、車両幅方向外側が解放されたU字状の断面形状に形成されている。連結部位21Cの内底部分には部分的に肉厚を厚くした補強部位21Dが配設され、連結部位21Cの機械的強度が補強されている。
車両前後方向における前柱部位21Aと後柱部位21Bとの間には、車両幅方向内側から車両幅方向外側に向けて凹設され、車両上下方向に貫通する把持開口21Eが設けられている。把持開口21Eは、操作者の手が挿入可能な大きさに形成されており、把持開口21Eに挿入した手で連結部位21C、連結部位22Cを把持することができるように構成されている。
【0018】
グリップ本体21は、樹脂材若しくは金属材を用いて、又は双方の材料を組み合わせて、一体又は一体的に構成されている。ここで、「一体」に構成されているとは、例えば成型法を用いて同一材料を継ぎ目無く形成するという意味において使用されている。一方、「一体的」に構成されているとは、例えば溶接法、接着法等の接合手段を用いて、同一材料又は異種材料を繋ぎ合わせて形成するという意味において使用されている。
【0019】
グリップカバー22は、前方部位22Aと、後方部位22Bと、連結部位22Cとを備えている。
前方部位22Aは、前柱部位21Aの車両幅方向外側の開口と、前柱部位21Aの車両上方側の上面と、前柱部位21Aの車両前方側の側面と、前柱部位21Aの車両下方側の下面の一部を覆って構成されている。後方部位22Bは、後柱部位21Bの車両幅方向外側の開口と、後柱部位21Bの車両上方側の上面と、後柱部位21Bの車両後方側の側面と、後柱部位21Bの車両下方側の下面の一部を覆って構成されている。
連結部位22Cの車両前方側の一端部は前方部位22Aに連結され、連結部位22Cの車両後方側の他端部は後方部位22Bに連結されている。連結部位22Cは、車両前方側から見て、車両幅方向内側が解放されたU字状の断面形状に形成されている。
グリップカバー22は、グリップ本体21と同様に、樹脂材若しくは金属材を用いて、又は双方の材料を組み合わせて、一体又は一体的に構成されている。
グリップカバー22には、前方部位22A、後方部位22B及び連結部位22Cの車両幅方向外側部分によって一体に構成され、車両前後方向を長手方向とし、車両上下方向を短手方向とし、車両幅方向を厚さ方向とする矩形板状の意匠部22Gが形成されている。
【0020】
グリップカバー22の意匠部22Gにはノブ装着開口22E及び照明開口22Fが配設されている。
ノブ装着開口22Eは、意匠部22Gの後側、すなわち、後方部位22Bの後柱部位21Bの開口を覆う部分に配設されている。ノブ装着開口22Eは、意匠部22Gを厚さ方向に貫通し、車両前後方向の開口寸法が車両上下方向の開口寸法に比し長い矩形状の長穴として構成されている。
一方、照明開口22Fは、意匠部22Gの前側から中間位置にかけて、すなわち、前方部位22Aから連結部位22Cにわたって配設されている。照明開口22Fは、意匠部22Gを厚さ方向に貫通し、車両前後方向の開口寸法が車両上下方向の開口寸法に比し長い矩形状の長穴として構成されている。さらに、照明開口22Fは、ノブ装着開口22Eに対して、車両前後方向の開口寸法を長く設定し、車両上下方向の開口寸法を若干短く設定している。
【0021】
(2)スイッチノブ3の構成
図1図2図4及び図5に示されるように、ハンドルグリップ2のグリップカバー22に形成されたノブ装着開口22E内にはスイッチノブ3が挿入されている。スイッチノブ3は特に図2図4及び図5に示されるノブベース31に搭載されている。
【0022】
スイッチノブ3は、側面視において、ノブ装着開口22Eと同様に車両前後方向を長手方向とし、ノブ装着開口22Eの開口寸法に比し若干小さい寸法を有する矩形状に形成されている。さらに、スイッチノブ3は、車両上方向から見た平面視において、グリップカバー22の後方部位22Bの車両幅方向外側の面よりも外側へ突出する円弧形状の操作部位3Aを備えている。操作部位3Aは、図示省略のドアの開閉操作に際して、操作者がタッチ又は押圧して操作力を直接入力する部位である。
【0023】
スイッチノブ3の操作部位3Aに対向する基底部位3Bは、後方部位22Bの車両幅方向内側に配置され、ノブ装着開口22Eの開口寸法に比し若干大きい輪郭寸法を有する矩形板状に形成されている。この基底部位3Bは、スイッチノブ3のノブ装着開口22Eからの抜けを防止する機能を持っている。
基底部位3Bの車両前後方向及び車両上下方向の中間部には、車両幅方向内側へ突出された有底筒状の作動部位3Cが配設されている。作動部位3Cは、操作部位3Aに入力された操作力をスイッチ機構4へ伝達する機能を有する。
操作部位3A、基底部位3B及び作動部位3Cを含んで構成されるスイッチノブ3は、透光可能な樹脂材の成型により形成されている。
【0024】
ノブベース31は、図2及び図5に示されるように、連結部位31Aと、第1装着部位31Bと、第2装着部位31C及び第2装着部位31Dとを備えている。
連結部位31Aは、車両前後方向を長手方向とし、車両上下方向を短手方向とし、車両幅方向を板厚方向とする矩形板状に形成されている。連結部位31Aの車両前方側の一端部はスイッチノブ3の基底部位3Bに一体又は一体的に構成されている。連結部位31Aの車両後方側の他端部は第1装着部位31Bに一体又は一体的に構成されている。この連結部位31Aは板厚方向に撓む弾力性を有し、連結部位31Aはノブ装着開口22E内においてスイッチノブ3を車両幅方向内側へ移動可能としている。
【0025】
第2装着部位31Cは、連結部位31Aと第1装着部位31Bとの連結箇所から車両上方側へ引き出されて車両前方側へ屈曲され、連結部位31Aに沿って車両前方側へ延設されている。第2装着部位31Dは、連結部位31Aと第1装着部位31Bとの連結箇所から車両下方側へ引き出されて車両前方側へ屈曲され、連結部位31Aに沿って車両前方側へ延設されている。
【0026】
第1装着部位31Bの車両後方側端部には、車両後方側へ突出する爪状の係合部位311が第1装着部位31Bに一体に構成されている。同様に、第2装着部位31Cの車両上方側端部には、車両上方側へ突出する爪状の係合部位312が第2装着部位31Cに一体に構成されている。第2装着部位31Dの車両下方側端部には、車両下方側へ突出する爪状の係合部位313が第2装着部位31Dに一体に構成されている。
係合部位311は、それと対応する位置において、図5に示されるグリップカバー22の後方部位22Bの内壁に一体に構成された凹状の非係合部位221に係合されている。これにより、第1装着部位31Bは後方部位22Bの内壁に装着される。同様に、係合部位312は、それと対応する位置において、後方部位22Bの内壁に一体に構成された凹状の非係合部位222に係合され、第2装着部位31Cは後方部位22Bの内壁に装着される。係合部位313は、それと対応する位置において、後方部位22Bの内壁に一体に構成された凹状の非係合部位223に係合され、第2装着部位31Dは後方部位22Bの内壁に装着される。つまり、ノブベース31は、3箇所の係合により後方部位22Bの内壁、すなわち、意匠部22Gの内壁のノブ装着開口22Eの後方側に装着されている。
【0027】
ノブベース31は樹脂材の成型により形成されている。本実施の形態では、スイッチノブ3、ノブベース31のそれぞれは、二色成型法を用いて異なる性質の樹脂材料を一体に形成している。
【0028】
(3)ケース6の構成
図2図4に示されるように、ケース6は、ハンドルグリップ2内、詳細にはグリップ本体21の後柱部位21Bの内部に配設され、グリップカバー22の後方部位22Bにより封止されている。ケース6の内部にはスイッチ機構4及び発光源7が収納されている。ケース6は車両幅方向内側が開口された略矩形状の箱体として構成されている。このケース6は、透光部61と、スイッチ収納部62と、開口部63とを含んで構成されている。
【0029】
透光部61はケース6の車両幅方向外側の面において車両前方側に配設されている。透光部61は、側面視において、車両上下方向を長手方向とし、車両前後方向を短手方向とする矩形状に形成されている。この透光部61では、発光源7から発せられる光の透光が可能とされている。
スイッチ収納部62は、ケース6の車両幅方向外側の面において、透光部61と異なる位置に形成されている。詳しく説明すると、スイッチ収納部62は、透光部61に対して車両後方側にずれた位置において車両幅方向外側へ向かって突設されている。表現を代えれば、スイッチ収納部62は、ハンドルグリップ2の長手方向にずれた位置において、ハンドルグリップ2の車両幅方向外側へ向かって突設されている。スイッチ収納部62の内部は空洞とされ、このスイッチ収納部62の内部にはスイッチ機構4の一部が収納されている。スイッチ機構4を構築する構成要素については、後に詳述する。
【0030】
開口部63は、車両幅方向においてスイッチノブ3に対応する位置に配設され、スイッチ収納部62の車両幅方向外側の面を貫通して形成されている。側面視において開口部63は円形状に形成されている。スイッチ収納部62は透光部61に対してずれた位置に配設されているので、スイッチ収納部62に形成される開口部63は同様に透光部61に対してずれた位置に形成されている。
【0031】
透光部61、スイッチ収納部62及び開口部63を含んで構成されるケース6は、樹脂材の成型により形成されている。なお、ケース6は、少なくとも透光部61を透光可能とすればよい。このため、ケース6は、透光性を有する樹脂材により全体を形成してもよく、又透光性を有する樹脂材により透光部61を形成し、非透光性を有する樹脂材により透光部61以外を形成してもよい。
【0032】
(4)カバー5の構成
図2図4に示されるように、カバー5は、エラストマー材からなり、2色成形によりケース6と一体的に形成され、ケース6とスイッチノブ3との間に配置され、ケース6の開口部63を封止する構成とされている。カバー5は、更に延設部51と、装着孔52とを備えている。
【0033】
延設部51は、開口部63を封止する領域からケース6の透光部61と対応する位置を超えて車両前方側へ延設されている。側面視において、延設部51を含むカバー5は、丁度、ケース6の透光部61及びスイッチ収納部62を含む形状と略同一の矩形状に形成されている。このため、カバー5は、透光部61、スイッチ収納部62及び開口部63を覆ってケース6に一体的に構成されている。
装着孔52は、ケース6の透光部61に対応する位置に、カバー5を厚さ方向に貫通して形成されている。装着孔52は、透光部61の開口形状と相似形状の矩形の開口形状を有し、透光部61の開口寸法に比し一回り小さい開口寸法に形成されている。装着孔52はライトバー8の入光部(図7及び図8に示される入光部81参照)を挿入する構成とされている。入光部81が装着孔52に挿入されると、透光部61と入光部81との間の隙間を周りから延設部51が覆うため、水や砂塵が透光部61と入光部81との間に侵入することを効果的に抑制又は防止することができる。また、入光部81が装着孔52に隙間なく嵌入されるように構成すれば、装着孔52と入光部81との間の隙間が無くなる。このため、水や砂塵が装着孔52を通して透光部61と入光部81との間に侵入することを効果的に抑制又は防止することができる。
【0034】
カバー5は、弾力性を有し、形状変形が可能なゴム材、エラストマー材又は樹脂材の成型により形成されている。このため、カバー5の開口部63を封止する領域では、スイッチノブ3が車両幅方向外側から車両幅方向内側へ操作されて移動すると、スイッチノブ3の作動部位3Cにより押されて形状変形が生じ、スイッチ機構4へ操作力が伝達される。
【0035】
(5)スイッチ機構4の構成
図3及び図4に示されるように、スイッチ機構4はケース6内に収納され、このスイッチ機構4が収納されたケース6はハンドルグリップ2のグリップ本体21の後柱部位21B内に配設されている。スイッチ機構4は、支持ベース41と、基板42と、封止部43と、入力部44とを備えている。
【0036】
支持ベース41は、枠体411と、支持柱412、支持柱413及び支持柱414とを含んで構成されている。
枠体411は、車両幅方向を筒中心軸方向とし、側面視において、車両前後方向を長手方向とし、車両上下方向を短手方向とする開口形状を有する角筒状に形成されている。さらに、車両幅方向中間部から車両幅方向外側に向かって、枠体411の開口寸法が徐々に小さく形成され、平面視において枠体411の一部は角錐台状の輪郭に形成されている。
【0037】
支持柱412は、枠体411の車両前方側において車両上下方向中間部に配設され、車両幅方向を軸方向とし、枠体411から車両幅方向外側へ突出させた円柱状に形成されている。支持柱412の車両幅方向外側の先端部は円錐形状に形成されて尖っている。支持柱413は、枠体411の車両後方側において車両上端角部に配設され、支持柱412と同様に、枠体411から車両幅方向外側へ突出させた円柱状に形成されている。支持柱413の車両幅方向外側の先端部は支持柱412と同様に円錐形状に形成されている。支持柱414は、枠体411の車両後方側において車両下端角部に配設され、支持柱412と同様に枠体411から車両幅方向外側へ突出させた円柱状に形成されている。支持柱414の車両幅方向外側の先端部は支持柱412と同様に円錐形状に形成されている。
支持ベース41は樹脂材の成型により形成され、枠体411、支持柱412、支持柱413、支持柱414のそれぞれは一体に構成されている。
【0038】
基板42は、支持ベース41の支持柱412、支持柱413及び支持柱414に3点支持により支持され、支持ベース41に対して車両幅方向外側に配置されている。なお、支持ベース41に支持された基板42の車両幅方向内側、すなわち、支持ベース41の中央の開口には、図示しないポッティング材が充填されて、支持ベース41の開口側からのケース6内への水等の浸入が阻止されている。基板42は、絶縁基板421と、固定接点422と、2個の固定接点423Aと、2個の固定接点423Bとを含んで構成されている。
【0039】
絶縁基板421は、車両前後方向を長手方向とし、車両上下方向を短手方向とし、車両幅方向を厚さ方向とする矩形板状に形成されている。絶縁基板421として、例えばエポキシ樹脂基板が使用されている。
固定接点422は、絶縁基板421の車両幅方向外側の表面の中央部に配設され、特にこの形状に限定されるものではないが、側面視において円形状に形成されている。固定接点422は配線材としての例えば銅(Cu)薄膜により形成されている。固定接点422には、絶縁基板421の内部に配策された図示省略の配線、及びこの配線に電気的に接続されて絶縁基板421の車両後方側から車両幅方向内側へ引き出されたリード424を介在させて基準電源が供給される構成とされている。基準電源は、回路の接地電位、例えば0[V]である。
【0040】
2個の固定接点423Aは、絶縁基板421の固定接点422が配設された表面と同一の表面において、固定接点422を中心として対向する位置にそれぞれ配設されている。2個の固定接点423Bは、同様に絶縁基板421の固定接点422が配設された表面と同一の表面において、固定接点422を中心として対向する位置にそれぞれ配設されている。2個の固定接点423Bが対向する方向は、2個の固定接点423Aが対向する方向に対して交差している。ここでは、交差角度は90度に設定されている。
2個の固定接点423A、2個の固定接点423Bのそれぞれは、側面視において固定接点422に比し一回り小さい円形状に形成され、固定接点422と同一の配線材により形成されている。
2個の固定接点423Aは、絶縁基板421の内部に配策された図示省略の配線、及びリード424を介在させて図示省略の1つの回路に接続されている。一方、2個の固定接点423Bは、同様に、絶縁基板421の内部に配策された図示省略の配線、及びリード424を介在させて図示省略の他の1つの回路に接続されている。
スイッチ機構4では、2個の固定接点423Aの少なくとも一方が固定接点422に接続され、1つの回路に基準電源が供給される。さらに、2個の固定接点423Bの少なくとも一方が固定接点422に接続され、他の1つの回路に基準電源が供給される。少なくともどちらか1つの回路に基準電源が供給されると、ドアがロック又はアンロックされる構成とされ、ドアの開閉操作の信頼性が向上されている。
なお、双方の回路に基準電源が供給されないとドアがロック又はアンロックされない構成としてもよい。
ここで、基板42には、プリント回路基板(PCB:Print circuit board)が使用されている。
【0041】
封止部43は、図3図4及び図6に示されるように、基板42の車両幅方向外側に、基板42に重ねて配置されている。封止部43は、ベース431と、作動部432と、可動接点433とを含んで構成されている。
【0042】
ベース431は、車両前後方向を長手方向とし、車両上下方向を短手方向とし、車両幅方向を厚さ方向とする板状に形成され、基板42の平面サイズと略同一の平面サイズに設定されている。ベース431は例えば半透明なラバー(ゴム)材の成型により形成されている。
【0043】
作動部432は、ベース431の車両前後方向及び車両上下方向中間部に配設されている。作動部432は、作動部本体432Aと、可動支持部432Bとを含んで構成されている。
作動部本体432Aは、車両幅方向を柱中心軸方向とし、車両幅方向外側から車両幅方向内側へ向かって徐々に縮径される略円柱状(略円錐台状)に形成されている。作動部本体432Aの柱中心軸方向の長さ寸法はベース431の厚さ寸法よりも大きい設定とされている。
可動支持部432Bはベース431から車両幅方向外側へ突出するドーム(dome)形状に形成されている。可動支持部432Bの中央部は作動部本体432Aの車両幅方向中間部に一体に構成され、可動支持部432Bの周辺部はベース431に一体に構成されている。この可動支持部432Bの厚さ寸法は、ベース431の厚さ寸法、作動部本体432Aの柱中心軸方向の長さ寸法のそれぞれに比し小さい設定とされている。
【0044】
このように構成される作動部432では、操作力が作動部本体432Aの車両幅方向外側の面に入力されると、作動部本体432Aが可動支持部432Bの弾性力に抗して車両幅方向内側へ移動する。操作力の入力が無くなると、可動支持部432Bの弾性力により、作動部本体432Aは車両幅方向内側から車両幅方向外側へ移動して元に戻る。
【0045】
可動接点433は、図4及び図6に示されるように、作動部本体432A及び可動支持部432Bの車両幅方向内側に装着されている。表現を代えれば、可動接点433は、可動支持部432Bのドーム内壁側に装着されている。図6に示されるように、可動接点433は、第1接点433Cと、2個の第2接点433Aと、2個の第2接点433Bとを含んで構成されている。可動接点433は、車両幅方向を板厚方向とする導電性を有する金属材のプレス加工により形成されている。
【0046】
第1接点433Cは、側面視において略円形状に形成され、車両幅方向外側へ若干突出されたドーム形状に形成されている。第1接点433Cは、操作力の入力により作動部本体432Aが移動すると、この作動部本体432Aに押され、車両幅方向内側へ変形する。この変形により、第1接点433Cは基板42の固定接点422に接触し、第1接点433Cと固定接点422とが電気的に接続される。一方、操作力の入力が無くなると、第1接点433Cの形状が復元し、第1接点433Cは固定接点422から離れ、第1接点433Cと固定接点422とが電気的に遮断される。
【0047】
2個の第2接点433Aは、第1接点433Cを中心として対向する位置に、第1接点433Cの周囲に突出して配設されている。第2接点433Aは、更に部分的に車両幅方向内側へ突出する部位を有し、操作力に基づいて、又は常時、基板42の固定接点423Aに接触し、固定接点423Aに電気的に接続される(図3参照)。
2個の第2接点433Bは、第2接点433Aと同様に、第1接点433Cを中心として対向する位置に、第1接点433Cの周囲に突出して配設されている。第2接点433Bは、更に部分的に車両幅方向内側へ突出する部位を有し、操作力に基づいて、又は常時、基板42の固定接点423Bに接触し、固定接点423Bに電気的に接続される(図3参照)。
2個の第2接点433A、2個の第2接点433Bのそれぞれは、第1接点433Cに一体に構成されているので、第1接点433Cに電気的に接続されている。
【0048】
図3図4及び図6に示されるように、封止部43には、更に逃げ部位434と、透光部位435とが配設されている。
逃げ部位434は、ベース431の車両後方側であって、基板42に設けられたリード424に対応する位置に配設されている。逃げ部位434は、ベース431の車両幅方向内側の表面を車両幅方向外側へ凹設して形成されている。逃げ部位434の凹設された内部には基板42から車両幅方向外側へ突出するリード424が収納されている。逃げ部位434はリード424をその周囲から電気的に絶縁し分離している。
透光部位435は、ベース431の車両前方側であって、ケース6の透光部61、カバー5の装着孔52のそれぞれに対応する位置に配設されている。透光部位435は、ベース431の車両幅方向内側の表面を車両幅方向外側へ凹設して形成されている。透光部位435は、車両幅方向内側から車両幅方向外側に見て、車両上下方向を長手方向とし、車両前後方向を短手方向とする矩形状の開口形状に形成されている。
図4に示されるように、ベース431の車両幅方向内側の表面からの透光部位435の深さ寸法は、ベース431の厚さ寸法の2分の1以上に設定されている。これにより、透光部位435では、ベース431の厚さが薄くなるので、ベース431の厚さ方向において透光性を生じさせることができる。
【0049】
図3及び図4に示されるように、入力部44は、カバー5と封止部43の作動部本体432Aとの間において、ケース6のスイッチ収納部62内に配設されている。本実施の形態では、入力部44は、スイッチ収納部62内に配設されるスイッチ機構4の一部とされている。入力部44は、作動部位441と、連結枠体442と、スライダ443とを含んで構成されている。
作動部位441は車両幅方向を筒中心軸方向とする円筒状に形成されている。作動部位441の車両幅方向外側の面には、カバー5を介在し、スイッチノブ3の作動部位3Cから操作力が入力される。作動部位441の車両幅方向内側の面は、封止部43の作動部432へ、入力された操作力を伝達する。
連結枠体442は、作動部位441の外周に沿ってリング形状に形成され、符号省略の支持部位を介して作動部位441に連結されている。
スライダ443は、連結枠体442の周囲から作動部位441の径方向に突出して配設されている。スライダ443は、作動部位441の周方向を厚さ方向とする矩形板状に形成され、連結枠体442に一体又は一体的に構成されている。図4に示されるように、スライダ443は、ケース6のスイッチ収納部62内に車両幅方向に延設されたスライド溝65に沿って摺動する構成とされている。ここでは、連結枠体442の周囲に略等間隔に合計3つのスライダ443が配設されている。スイッチ収納部62内にも、スライダ443の配設個数に対応させて、3つのスライド溝65が配設されている。3つのスライド溝65に沿って3つのスライダ443が摺動する構成とされているので、傾きが生じることなく、入力部44を車両幅方向へ移動させることができる。
【0050】
(6)発光源7の構成
図3及び図4に示されるように、発光源7は、スイッチ機構4の基板42に配設され、基板42の固定接点422等が配置された表面と同一の表面上において、固定接点422よりも車両前方側に実装されている。少し詳しく説明すると、発光源7は、カバー5の装着孔52、ケース6の透光部61、封止部43の透光部位435のそれぞれと車両幅方向に対応する位置において、基板42に実装されている。特に実装個数が限定されるものではないが、本実施の形態では、発光源7は、2個の第1発光源71と、1個の第2発光源72との合計3個を実装している。
2個の第1発光源71は、車両上下方向において基板42の上側、下側のそれぞれに実装されている。1個の第2発光源72は、2個の第1発光源71の間であって、基板42の車両上下方向中間部に実装されている。ここでは、第1発光源71、第2発光源72のそれぞれとして、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)が使用されている。
【0051】
(7)ライトバー8の構成
図2に示されるように、ライトバー8は、ハンドルグリップ2内に配設され、入光部81と、出光部82と、導光部83とを備えている。図2図4図7及び図8を用いて、ライトバー8の構成を詳しく説明する。
【0052】
ライトバー8は、グリップ本体21の前柱部位21Aとグリップカバー22の前方部位22Aとの間から、連結部位21Cと連結部位22Cとの間を通って、後柱部位21Bと後方部位22Bとの間にわたって、車両前後方向に延設されている。つまり、ライトバー8は、車両前後方向を長手方向とし、車両上下方向を短手方向とし、車両幅方向を厚さ方向とする略矩形板状に形成されている。ライトバー8の車両後端側は、グリップ本体21の連結部位21Cと後柱部位21Bとの境界領域において、車両幅方向内側及び車両後方側へ斜め方向に約30度~45度の角度を持って屈曲されている。ライトバー8の屈曲された後端部は入光部81とされている。入光部81は、カバー5の装着孔52を通して、かつ、装着孔52に嵌入されて、ケース6の透光部61に達する。
【0053】
入光部81は、スイッチ機構4のカバー5の透光部61、封止部43の透光部位435のそれぞれを介して、基板42に実装されている発光源7に対応する位置に配置されている。入光部81は、車両上下方向を長手方向とし、車両前後方向を短手方向とし、車両幅方向を厚さ方向とする矩形板状に形成されている。入光部81の車両幅方向内側の面には、発光源7の2個の第1発光源71のそれぞれに対応する2箇所の第1入光部81Aと、発光源7の1個の第2発光源72に対応する1箇所の第2入光部81Bとを備えている。第1入光部81A及び第2入光部81Bは同一平面上に設けられ、車両上下方向の両端にそれぞれ設けられた2つの第1入光部81Aの間に第2入光部81Bが設けられている。
【0054】
出光部82は、第1出光部82Aと、第2出光部82Bとを備えている。
第1出光部82Aは、グリップカバー22の照明開口22F内において、ライトバー8の車両前後方向へ延設される板状部位(第1導光部83Aに相当する)から車両幅方向外側へレール状に突出されている。また、第1出光部82Aは、板状部位の車両上下方向中央位置において、車両前後方向に延びて設けられ、側面視において、第2入光部81Bに対して車両前後方向に延びる同一直線上に位置している。第1出光部82Aの車両幅方向外側の面は照明開口22F内か又はハンドルグリップ2よりも外側に位置し、この第1出光部82Aの車両幅方向外側の一部がハンドルグリップ2から露出されている。そして、ライトバー8の第1入光部81Aから第1出光部82Aへ至る部位は第1導光部83Aとされ、第1導光部83Aは第1入光部81Aに入力された光を第1出光部82Aへ導く。
ライトバー8の第1入光部81A、第1導光部83A及び第1出光部82Aは第1照明経路8Aを形成し、この第1照明経路8Aは、第1発光源71から発せられた光を第1入光部81Aから取り入れ、第1導光部83Aを通して第1出光部82Aへ出力する。
【0055】
第2出光部82Bは、ハンドルグリップ2内において、ライトバー8の第2入光部81Bに対して車両幅方向外側に配設され、かつ、スイッチノブ3の基底部位3Bよりも車両幅方向内側に配設されている。第2出光部82Bは、平面視において、車両幅方向外側へ突出する部位が車両後方側に複数配列されて鋸形状に形成され、第2入光部81Bから入力された光をスイッチノブ3側へ効率良く照射させる構成とされている。そして、ライトバー8の第2入光部81Bから車両幅方向外側へ立設され、第2出光部82Bへ至る部位は第2導光部83Bとされている。第2導光部83Bは、第2入光部81Bに入力された光を第2出光部82Bへ導く。また、第2出光部82Bは、側面視において、第2入光部81Bと重なる位置に配置されている。言い換えると、第2入光部81B、第2導光部83B及び第2出光部82Bは、第2入光部81Bの面と直交する方向に直線上に並んで設けられている。
ライトバー8の第2入光部81B、第2導光部83B及び第2出光部82Bは第2照明経路8Bを形成し、第2照明経路8Bは、第2発光源72から発せられた光を第2入光部81Bから取り入れ、第2導光部83Bを通して第2出光部82Bへ出力する。
第1入光部81A、第1導光部83A、第1出光部82A、第2入光部81B、第2導光部83B及び第2出光部82Bを含むライトバー8は、透光性樹脂材の成型により一体又は一体的に形成されている。
【0056】
(作用効果)
本実施の形態に係るドアハンドル装置1は、図1図3に示されるように、ケース6と、カバー5と、スイッチ機構4と、発光源7と、ライトバー8とを備える。ケース6は、図示省略の車両のドアのハンドルグリップ2内に配設され、透光可能な透光部61及び透光部61と異なる位置に形成された開口部63を有する。カバー5はケース6の開口部63を封止する。スイッチ機構4は、ケース6内に配設され、カバー5に対向し、かつ、カバー5及び開口部63を通して操作力が入力される入力部44を有する。発光源7は、ケース6内の透光部61に対応する位置に配設され、光を発生させる。ライトバー8は、ハンドルグリップ2内に配設され、入光部81、出光部82及び導光部83を有する。入光部81は、透光部61に対応する位置に配設される。出光部82、特に第1出光部82Aはハンドルグリップ2外に露出される。導光部83は、ハンドルグリップ2内において、発光源7から入光部81に入力された光を出光部82へ導く。
このため、1つのユニットであるスイッチ機構4及び他の1つのユニットである発光源7が、1つのケース6内に1つのユニットとして纏めて収納されるので、ユニットの小型化を実現することができる。この結果、デザイン重視で小型化されたドアハンドル装置1に対して、スイッチ機構4及び発光源7を有するユニットをハンドルグリップ2内に簡単に収納させることができる。
加えて、スイッチ機構4及び発光源7が1つのケース6内に収納されているので、これら電気部品の防水性能を向上させることができる。
【0057】
また、ドアハンドル装置1では、図3に示されるように、スイッチ機構4は固定接点422、固定接点423A及び固定接点423Bが配設された基板42を備え、発光源7は基板42に実装される。
このため、スイッチ機構4、発光源7のそれぞれが単一(1つ)の基板42に実装することができるので、部品点数を削減することができる。加えて、スイッチ機構4、発光源7のそれぞれの配線が1つの基板42に配策され、基板42から配策されるハーネスを纏めることができるので、ハーネスの配策構造を簡素化することができる。
【0058】
さらに、ドアハンドル装置1では、図3及び図4に示されるように、発光源7は基板42の固定接点422、固定接点423A及び固定接点423Bが配設された表面と同一の表面上に実装される。
このように構成されるドアハンドル装置1によれば、基板42の製造並びに発光源7の実装において、基板42に固定接点422、固定接点423A及び固定接点423Bを形成する方向に対して発光源7を実装する方向を同一方向とすることができる。このため、製造ラインや組立ラインの簡素化を実現することができる。
【0059】
また、ドアハンドル装置1では、図4図7及び図8に示されるように、ライトバー8は、第1照明経路8Aと、第2照明経路8Bとを備える。
第1照明経路8Aは、第1入光部81A、第1出光部82A及び第1導光部83Aを有する。第1入光部81Aはケース6の透光部61の一部に対応する位置に配設される。第1出光部82Aはハンドルグリップ2の長手方向に沿って形成された照明開口22F内に配設される。第1導光部83Aは第1入光部81Aに入力された光を第1出光部82Aへ導く。
一方、第2照明経路8Bは、第2入光部81B、第2出光部82B及び第2導光部83Bを有する。第2入光部81Bは透光部61の他の一部に対応する位置に配設される。第2出光部82Bはハンドルグリップ2内においてスイッチ機構4の入力部44を作動させる透光可能なスイッチノブ3に対応する位置に配設される。第2導光部83Bは第2入光部81Bに入力された光を第2出光部82Bへ導く。
このため、1箇所の透光部61を通して入力される光が、第1照明経路8A、第2照明経路8Bのそれぞれを通して、ハンドルグリップ2及びスイッチノブ3の2箇所を照明することができ、この2箇所の照明が1本のライトバー8を用いて実現することができる。この結果、照明ユニットの部品点数を削減して、ドアハンドル装置1の構造を簡素化することができる。
【0060】
さらに、ドアハンドル装置1では、図3及び図4に示されるように、スイッチ機構4のケース6はスイッチ収納部62を備える。スイッチ収納部62は、透光部61に対してハンドルグリップ2の長手方向(車両後方側)にずれた位置において、ハンドルグリップ2の外側(車両幅方向外側)へ向かって突設され、スイッチ機構4の一部、ここでは入力部44を収納する。
このため、スイッチ収納部62を突設して形成した分、透光部61のハンドルグリップ2外側(車両幅方向外側)にスペースを確保することができる。このスペースにはライトバー8の入光部81、出光部82の一部(第2出光部82B)及び導光部83の一部(第2導光部83B)を配設することができるので、ハンドルグリップ2内にスイッチ機構4及びライトバー8をコンパクトに収納することができる。
【0061】
また、ドアハンドル装置1では、図3図4及び図7に示されるように、カバー5は、延設部51と、装着孔52とを備える。延設部51は、ケース6の開口部63を封止する領域から、透光部61とライトバー8の入光部81とが対応する位置を超えて延設される。装着孔52は、延設部51に貫通して配設され、入光部81を挿入可能とする。
このように構成されるドアハンドル装置1では、カバー5の一部を延設部51として延設させて形成しているので、別部材を必要とせず、部品点数を削減することができる。
加えて、装着孔52に挿入されたライトバー8の入光部81と透光部61との間の隙間を周りから延設部51が覆うことで、水や砂塵が透光部61と入光部81との間に侵入することを効果的に抑制又は防止することができる。このため、水や埃により光が遮られないので、発光源7から入光部81への光の入力効率を維持し、照明効率を最適な状態に維持することができる。
また、入光部81が装着孔52に隙間なく嵌入されるように構成すれば、装着孔52と入光部81との隙間を無くして、透光部61と入光部81との間への水や埃の侵入を効果的に抑制又は防止することができる。
【0062】
[その他の実施の形態]
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
例えば、本発明は、スイッチ機構をタッチセンサとするドアハンドル装置に適用可能である。
また、本発明は、ドアパネル内に格納されるドアハンドル装置に限定されず、ドアパネル外に常時配設されたドアハンドル装置に適用可能である。
また、本発明は、3箇所以上を照明することができるドアハンドル装置に適用可能である。具体的には、ハンドルグリップ及びスイッチノブに加えて、乗降口近傍の路面を照明するドアハンドル装置に適用可能である。
また、上記実施の形態では、スイッチ機構4が操作されると、車両のドアがロック若しくはアンロックされるものであるが、スイッチ機構4の用途はこれに限定されるものではなく、種々の用途に使用可能である。例えば、格納式のドアハンドル装置において、スイッチ機構4が操作されると、ハンドルグリップを突出位置から格納位置へ、或いは格納位置から突出位置へ移動させるように構成してもよい。また、例えば、ドアを自動で開閉させるドア開閉装置を備えた車両においては、スイッチ機構4が操作されると、ドアを開作動、若しくは閉作動させるように構成してもよい。
また、上記実施の形態では、第1入光部81A、第2入光部81Bを別々に設けたが、第1入光部81A、第2入光部81Bを1つの入光部として構成し、該入光部から入光した光を、第1導光部83A、第2導光部83Bへ分配するようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、固定接点422は絶縁基板421上に銅薄膜がプリントされることで構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、固定接点及び可動接点を備えたタクトスイッチを絶縁基板421上に実装するように構成してもよい。
さらに、本発明は、車両に限定されず、一般住宅、オフィス等の建物のドアの開閉を行うドアハンドル装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0063】
1 ドアハンドル装置
2 ハンドルグリップ
22E ノブ装着開口
22F 照明開口
3 スイッチノブ
4 スイッチ機構
44 入力部
42 基板
422、423A、423B 固定接点
5 カバー
51 延設部
52 装着孔
6 ケース
61 透光部
62 スイッチ収納部
63 開口部
7 発光源
8 ライトバー
8A 第1照明経路
8B 第2照明経路
81 入光部
82 出光部
83 導光部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8