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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-24
(45)【発行日】2024-02-01
(54)【発明の名称】地震判定システム
(51)【国際特許分類】
   G01V 1/01 20240101AFI20240125BHJP
   G01H 1/00 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
G01V1/00 D
G01H1/00 E
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020056982
(22)【出願日】2020-03-27
(65)【公開番号】P2021156722
(43)【公開日】2021-10-07
【審査請求日】2023-02-28
(73)【特許権者】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100162031
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 豊彦
(74)【代理人】
【識別番号】100175721
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 秀文
(72)【発明者】
【氏名】村上 伸太郎
(72)【発明者】
【氏名】西田 竜太
(72)【発明者】
【氏名】門脇 昌作
【審査官】佐々木 崇
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-174979(JP,A)
【文献】特開2003-028966(JP,A)
【文献】特開平09-304543(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01V1/00-99/00
G01H1/00-17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加速度を測定可能な加速度センサを少なくとも含む複数の第1のセンサ装置と、
加速度を測定可能な加速度センサを少なくとも含み、前記第1のセンサ装置とは異なる第2のセンサ装置と、
前記複数の第1のセンサ装置のうち、前記加速度センサの測定値が第1の閾値以上のものが第1の数以上であれば、地震が発生したと判定し、
前記複数の第1のセンサ装置のうち、前記加速度センサの測定値が前記第1の閾値以上のものが前記第1の数未満であれば、前記第2のセンサ装置に基づいて、地震が発生したか否かを判定可能である制御部と、
を具備し、
前記第2のセンサ装置は、
建物の内部環境を測定可能である、
地震判定システム。
【請求項2】
前記第2のセンサ装置は、複数設けられており、
前記制御部は、
前記複数の第2のセンサ装置に基づいて地震が発生したか否かの判定を行う際に、当該複数の第2のセンサ装置のうち第2の数以上について応答がない場合、地震が発生したと判定する、
請求項1に記載の地震判定システム。
【請求項3】
前記制御部は、
前記複数の第2のセンサ装置に基づいて地震が発生したか否かの判定を行う際に、当該複数の第2のセンサ装置のうち少なくとも1つから応答があった場合、
前記応答があった第2のセンサ装置のうち、前記加速度センサの測定値が第2の閾値以上のものが第3の数以上であれば、地震が発生したと判定する、
請求項2に記載の地震判定システム。
【請求項4】
前記第1のセンサ装置は、
当該第1のセンサ装置の加速度センサの測定値が前記第1の閾値以上となれば、当該加速度センサの測定値が前記第1の閾値以上となったこと及び当該加速度センサの測定値を記憶し、
前記第2のセンサ装置は、
当該第2のセンサ装置の加速度センサの測定値が前記第2の閾値以上となれば、当該加速度センサの測定値が前記第2の閾値以上となったことを記憶する一方、当該加速度センサの測定値は記憶しない、
請求項3に記載の地震判定システム。
【請求項5】
前記複数の第1のセンサ装置は、
建物の平面視における略中央に位置する、
請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の地震判定システム。
【請求項6】
前記複数の第1のセンサ装置は、
平面視において、少なくとも一部が互いに重複するように配置される、
請求項5に記載の地震判定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地震判定システムの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、地震を判定するための地震判定システムの技術は公知となっている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
【0003】
特許文献1には、建物に設置された複数の地震計を備える地震被害推定システムが記載されている。上記地震被害推定システムでは、地震計が計測した加速度の値に基づき、当該地震計が、地震が発生したか否かを自動で判定する。
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載された地震被害推定システムでは、地震による振動と、その他建物内の人の行動により発生する振動と、を混同するおそれがある。このことから、地震が発生したか否かを精度よく判定することができる地震判定システムが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2017-194309号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上の如き状況を鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、地震が発生したか否かを精度よく判定することができる地震判定システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
即ち、請求項1においては、加速度を測定可能な加速度センサを少なくとも含む複数の第1のセンサ装置と、加速度を測定可能な加速度センサを少なくとも含み、前記第1のセンサ装置とは異なる第2のセンサ装置と、前記複数の第1のセンサ装置のうち、前記加速度センサの測定値が第1の閾値以上のものが第1の数以上であれば、地震が発生したと判定し、前記複数の第1のセンサ装置のうち、前記加速度センサの測定値が前記第1の閾値以上のものが前記第1の数未満であれば、前記第2のセンサ装置に基づいて、地震が発生したか否かを判定可能である制御部と、を具備し、前記第2のセンサ装置は、建物の内部環境を測定可能であるものである。
【0009】
請求項2においては、前記第2のセンサ装置は、複数設けられており、前記制御部は、前記複数の第2のセンサ装置に基づいて地震が発生したか否かの判定を行う際に、当該複数の第2のセンサ装置のうち第2の数以上について応答がない場合、地震が発生したと判定するものである。
【0010】
請求項3においては、前記制御部は、前記複数の第2のセンサ装置に基づいて地震が発生したか否かの判定を行う際に、当該複数の第2のセンサ装置のうち少なくとも1つから応答があった場合、前記応答があった第2のセンサ装置のうち、前記加速度センサの測定値が第2の閾値以上のものが第3の数以上であれば、地震が発生したと判定するものである。
【0011】
請求項4においては、前記第1のセンサ装置は、当該第1のセンサ装置の加速度センサの測定値が前記第1の閾値以上となれば、当該加速度センサの測定値が前記第1の閾値以上となったこと及び当該加速度センサの測定値を記憶し、前記第2のセンサ装置は、当該第2のセンサ装置の加速度センサの測定値が前記第2の閾値以上となれば、当該加速度センサの測定値が前記第2の閾値以上となったことを記憶する一方、当該加速度センサの測定値は記憶しないものである。
【0012】
請求項5においては、前記複数の第1のセンサ装置は、建物の平面視における略中央に位置するものである。
【0013】
請求項6においては、前記複数の第1のセンサ装置は、平面視において、少なくとも一部が互いに重複するように配置されるものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0016】
本発明においては、地震が発生したか否かを精度よく判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態に係る地震判定システムが設けられる住宅を模式的に示した断面図。
図2】住宅を模式的に示した平面図。
図3】地震判定システムを示したブロック図。
図4】建物診断処理を示したフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下では、図中の矢印に基づいて、前後方向、左右方向及び上下方向を定義して説明を行う。
【0019】
本発明の一実施形態に係る地震判定システム1は、地震の発生の有無や震度の判定、地震により建物が受けた被害の推定を可能とするものである。以下では、図1を用いて、地震判定システム1が設置される住宅Hの一例について説明する。
【0020】
住宅Hは、複数階を有し、各階に複数の部屋を有する。本実施形態では、住宅Hを2階建てとしている。住宅Hは、第1の部屋R1、第2の部屋R2、第3の部屋R3、第4の部屋R4及び第5の部屋R5を具備する。
【0021】
第1の部屋R1は、住宅Hの1階に位置する部屋である。第1の部屋R1は、第1の壁W1を具備する。第1の壁W1は、第1の部屋R1の紙面奥側(後側)において、壁面を紙面手前側(前側)へ向けて設けられる。
【0022】
第2の部屋R2は、住宅Hの1階において、第1の部屋R1の側方(左方)に位置する部屋である。第2の部屋R2は、第2の壁W2を具備する。第2の壁W2は、第2の部屋R2の紙面奥側(後側)において、壁面を紙面手前側(前側)へ向けて設けられる。
【0023】
第3の部屋R3は、住宅Hの2階に位置する部屋である。第3の部屋R3は、第1の部屋R1及び第2の部屋R2の上方に設けられる。第3の部屋R3は、平面視において第1の部屋R1及び第2の部屋R2と重複するように位置する。第3の部屋R3は、第3の壁W3を具備する。第3の壁W3は、第3の部屋R3の紙面奥側(後側)において、壁面を紙面手前側(前側)へ向けて設けられる。
【0024】
第4の部屋R4は、住宅Hの2階において、第3の部屋R3の側方(左方)に位置する部屋である。第4の部屋R4は、第4の壁W4を具備する。第4の壁W4は、第4の部屋R4と第3の部屋R3とを区画している。第4の壁W4は、第4の部屋R4において、壁面を左方へ向けて設けられる。
【0025】
第5の部屋R5は、住宅Hの2階において、第3の部屋R3の側方(右方)に位置する部屋である。第5の部屋R5は、第5の壁W5を具備する。第5の壁W5は、第5の部屋R5の紙面奥側(後側)において、壁面を紙面手前側(前側)へ向けて設けられる。
【0026】
上述した各壁(第1の壁W1、第2の壁W2、第3の壁W3、第4の壁W4及び第5の壁W5)は、それぞれ独立した壁体により構成される。
【0027】
地震判定システム1は、上述した住宅Hについて、地震の発生の有無を判定することができる。また、地震判定システム1は、地震の震度や、地震により住宅Hが受けた被害を推定することができる。以下では、図1から図3までを用いて、地震判定システム1について説明する。地震判定システム1は、センサ装置10、ゲートウェイ20及びサーバ30を具備する。
【0028】
図1から図3までに示すセンサ装置10は、設置された場所の周囲の環境を測定可能なものである。センサ装置10は、所定の電力供給源から供給される電力で動作する。電力供給源としては、例えば、系統電源を採用可能である。
【0029】
センサ装置10は、住宅Hにおいて複数設置される。センサ装置10は、住宅Hの部屋(第1の部屋R1等)の内部において、壁(第1の壁W1等)に設置される。センサ装置10は、加速度センサ11、温湿度センサ12、照度センサ13、音圧センサ14、気圧センサ15及び人感センサ16を具備する。
【0030】
図3に示す加速度センサ11は、加速度を測定可能なセンサである。加速度センサ11は、所定時間(例えば10ミリ秒)ごとに加速度を測定可能である。加速度センサ11は、互いに直交するX軸方向(例えば上下方向)、Y軸方向(例えば左右方向)及びZ軸方向(例えば前後方向)の加速度を測定可能である。
【0031】
加速度センサ11は、加速度を常時測定する。また、加速度センサ11は、加速度の測定値が、所定の閾値(後述する第1の閾値又は第2の閾値)以上となった場合に、当該測定値が所定の閾値以上となったことを判定(検出)することができる(以下では、当該測定値が所定の閾値以上となったとの判定(検出)を「揺れ判定」と称する。)。上記閾値は、例えばドアの開閉や壁に物が当ったとき等、生活において発生する振動(生活振動)と、地震による揺れと、を区別するための基準となる値である。
【0032】
加速度センサ11は、揺れ判定をした場合、所定の記録終了条件を満たすまで、測定値を加速度センサ11自身に記憶することができる。上記記録終了条件は、例えば、揺れ判定から所定時間が経過したことを採用可能である。また、記録終了条件としては、所定時間が経過したことに限られず、外部機器からの命令や、所定の操作も採用可能である。また、加速度センサ11は、揺れ判定されたことを記録したデータ(以下では「揺れ判定データ」と称する。)を記憶することができる。
【0033】
なお、上述した例では、加速度センサ11自身が揺れ判定を行う構成としたが、このような態様に限られず、例えば、センサ装置10に内蔵された適宜の制御部により揺れ判定を行う構成としてもよい。また、上述した例では、加速度センサ11自身に測定値や揺れ判定データを記憶する構成としたが、このような態様に限られず、例えば、センサ装置10に内蔵された適宜の記憶部により測定値や揺れ判定データを記憶する構成としてもよい。
【0034】
温湿度センサ12は、温度及び湿度を測定可能なセンサである。温湿度センサ12は、所定時間(例えば10分間隔)ごとに温度及び湿度を測定可能である。温湿度センサ12による測定値は、温湿度センサ12自身又はセンサ装置10に内蔵された適宜の記憶部に記憶可能である。
【0035】
照度センサ13は、照度を測定可能なセンサである。照度センサ13は、所定時間(例えば10分間隔)ごとに照度を測定可能である。照度センサ13による測定値は、照度センサ13自身又はセンサ装置10に内蔵された適宜の記憶部に記憶可能である。
【0036】
音圧センサ14は、音の大きさ等を測定可能なセンサである。音圧センサ14は、所定時間(例えば10分間隔)ごとに音の大きさを測定可能である。音圧センサ14による測定値は、音圧センサ14自身又はセンサ装置10に内蔵された適宜の記憶部に記憶可能である。
【0037】
気圧センサ15は、気圧を測定可能なセンサである。気圧センサ15は、所定時間(例えば10分間隔)ごとに気圧を測定可能である。気圧センサ15による測定値は、気圧センサ15自身又はセンサ装置10に内蔵された適宜の記憶部に記憶可能である。
【0038】
人感センサ16は、人の在又は不在を測定可能なセンサである。人感センサ16は、所定時間(例えば10分間隔)ごとに人の在又は不在を測定可能である。人感センサ16による測定値は、人感センサ16自身又はセンサ装置10に内蔵された適宜の記憶部に記憶可能である。
【0039】
ゲートウェイ20は、複数のセンサ装置10や、外部の機器(後述するサーバ30等)と情報を通信可能に接続されるものである。ゲートウェイ20は、定期的に複数のセンサ装置10にアクセスし、各センサ装置10の応答の有無や、各センサ装置10が、揺れ判定データ等の特定のデータを記憶しているか否かの判定が可能である。
【0040】
ゲートウェイ20は、複数のセンサ装置10の各センサの測定値を取得可能である。また、ゲートウェイ20は、上記取得した測定値の記憶や、当該測定値に関する処理(後述する建物診断処理)を実行可能である。ゲートウェイ20は、所定の演算処理装置を有する。ゲートウェイ20は、プログラムや種々の情報を演算処理装置で読み込んで処理することで、上記処理を実行することができる。なお、ゲートウェイ20による処理の詳細な説明は後述する。ゲートウェイ20は、住宅Hの内部に設置される。
【0041】
サーバ30は、複数のセンサ装置10の各センサの測定値やゲートウェイ20による処理の結果等の情報を、ゲートウェイ20を介して取得したり、記憶したりすることが可能なものである。サーバ30は、上記取得した情報に関する処理(後述する建物診断処理)を実行可能である。サーバ30は、所定の演算処理装置を有する。サーバ30は、プログラムや種々の情報を演算処理装置で読み込んで処理することで、上記処理を実行することができる。サーバ30は、住宅Hの外部に設置される。
【0042】
以下では、図1を用いて、住宅Hに設置されたセンサ装置10の位置関係について説明する。
【0043】
本実施形態では、センサ装置10は、住宅Hの各部屋(第1の部屋R1、第2の部屋R2、第3の部屋R3、第4の部屋R4及び第5の部屋R5)にそれぞれ設置される。また、センサ装置10は、上記各部屋の各壁(第1の壁W1、第2の壁W2、第3の壁W3、第4の壁W4及び第5の壁W5)に固定される。
【0044】
本実施形態では、第1の部屋R1の第1の壁W1に、2つのセンサ装置10を設置している。上記2つのセンサ装置10は、上下に間隔を空けて設置される。また、第1の部屋R1を除く部屋の壁(第2の壁W2、第3の壁W3、第4の壁W4及び第5の壁W5)には、それぞれ1つのセンサ装置10を設置している。
【0045】
本実施形態においては、各部屋に設置された複数のセンサ装置10を、室内の環境を測定することに加えて、地震に関する処理のための測定値を取得することを目的としたもの(以下では、「多用途センサ装置10A」と称する。)と、主として室内の環境を測定することを目的としたもの(以下では、「室内環境センサ装置10B」と称する。)と、に分けている。
【0046】
本実施形態では、第1の部屋R1及び第3の部屋R3に設置された3つのセンサ装置10を、多用途センサ装置10Aとしている。なお、図1では、多用途センサ装置10Aを中塗り(黒色)で示している。
【0047】
また、本実施形態では、第2の部屋R2、第4の部屋R4及び第5の部屋R5に設置された3つのセンサ装置10を、室内環境センサ装置10Bとしている。
【0048】
このように、多用途センサ装置10A及び室内環境センサ装置10Bは、同じ壁(壁体)には設置されない。例えば、部屋を区画する壁体の一方面に多用途センサ装置10Aを設置し、多方面に室内環境センサ装置10Bを設置するようなことはしない。
【0049】
3つの多用途センサ装置10Aは、住宅Hの平面視略中央(平面視における住宅Hにより形成される図形の重心近傍)に設けられる。具体的には、多用途センサ装置10Aは、例えば図2に示すように、住宅Hが平面視略矩形状である場合には、住宅Hの内部の壁のうち、当該住宅Hの幅方向中央かつ奥行方向中央の近傍に位置する壁に設置される。
【0050】
また、3つの多用途センサ装置10Aは、図2に示すように、住宅Hの平面視略中央の所定の範囲A内に設置される。3つの多用途センサ装置10Aは、上記範囲A内において、上下方向に所定間隔を空けて配置される。上記範囲Aとしては、例えば半径50cm以内~10cm以内の範囲を採用可能である。本実施形態においては、3つの多用途センサ装置10Aを、平面視において、少なくとも一部が互いに重複するように配置している。また、例えば、3つの多用途センサ装置10Aを、平面視において、概ね全体が互いに重複するように配置してもよい。
【0051】
このように、3つの多用途センサ装置10Aを、住宅Hの平面視略中央に設けたことで、地震の発生の有無や震度等を精度よく判定することができる。すなわち、住宅Hの平面視略中央は、例えば住宅Hの外側付近と比べて地震による揺れが比較的小さい。このことから、地震の揺れによる多用途センサ装置10Aの破損や故障を抑制し、当該多用途センサ装置10Aにより地震の揺れを測定し続けることができる。これにより、例えば住宅Hの一部が損傷するような大きな地震の揺れがあった場合でも比較的多くの揺れ判定データや測定値を記憶することができ、地震の発生の有無や震度等をより精度よく判定することができる。また、3つの多用途センサ装置10Aの平面視における位置を近接(概ね同軸上に位置)させたことで、地震の発生の有無や震度等をより精度よく判定することができる。
【0052】
ゲートウェイ20は、複数のセンサ装置10(多用途センサ装置10A及び室内環境センサ装置10B)がどの部屋に設置されているかの情報を有している。また、ゲートウェイ20は、多用途センサ装置10Aについては、更に詳細な位置情報(住宅H内における水平位置及び高さ位置の情報)を有する。一方、ゲートウェイ20は、室内環境センサ装置10Bについては、どの部屋に設置されているかの情報は有するが、詳細な位置情報は有しない。
【0053】
また、ゲートウェイ20は、複数のセンサ装置10のうち、どのセンサ装置10のどの情報にアクセスするかを設定可能である。本実施形態では、ゲートウェイ20は、多用途センサ装置10Aについて、揺れ判定データの有無の判定や加速度センサ11の測定値の取得を行う。一方、ゲートウェイ20は、室内環境センサ装置10Bについては、揺れ判定データの有無の判定は行うが、加速度センサ11の測定値の取得は行わない。
【0054】
また、ゲートウェイ20は、センサ装置10がどの情報を記憶するかを設定可能である。本実施形態では、多用途センサ装置10Aを、揺れ判定データ及び加速度センサ11の測定値を記憶するように設定している。また、室内環境センサ装置10Bについては、加速度センサ11の測定値は記憶せず、揺れ判定データのみを記憶するように設定している。
【0055】
上述の如き地震判定システム1は、複数のセンサ装置10(多用途センサ装置10A及び室内環境センサ装置10B)の測定値に基づいて、建物診断処理を実行可能である。ここで、建物診断処理とは、地震が発生したか否かの判定(推定)を行い、地震が発生したと判定した場合には、地震により住宅Hが受けた被害の判定(推定)を行う処理である。
【0056】
以下では、図4のフローチャートを用いて、建物診断処理について説明する。
【0057】
ステップS10において、ゲートウェイ20は、複数の多用途センサ装置10Aのいずれかに、揺れ判定データが記憶されているか否かを判定する。ステップS10の処理は、ゲートウェイ20により定期的に実行される。複数の多用途センサ装置10Aのいずれかに、揺れ判定データが記憶されている場合、ゲートウェイ20は、地震が発生した可能性があると判定(推定)する。
【0058】
ここで、多用途センサ装置10Aにおいては、揺れ判定の基準となる閾値(第1の閾値)を、150gal(1.5m/s)としている。すなわち、多用途センサ装置10Aにおいては、加速度センサ11の測定値が、150gal(1.5m/s)以上であれば、揺れ判定がなされる。なお、第1の閾値は、上記値に限られず、地震による揺れと生活振動とを区別する観点から、種々の値を採用可能である。
【0059】
ゲートウェイ20は、複数の多用途センサ装置10Aのいずれかに、揺れ判定データが記憶されていると判定した場合、ステップS11の処理へ移行する。一方、ゲートウェイ20は、複数の多用途センサ装置10Aのいずれにも揺れ判定データが記憶されていないと判定した場合、建物診断処理を終了する。
【0060】
ステップS11において、ゲートウェイ20は、全ての多用途センサ装置10Aに揺れ判定データが記憶されているか否かを判定する。ゲートウェイ20は、全ての多用途センサ装置10Aに揺れ判定データが記憶されている場合、ゲートウェイ20は、地震が発生したと判定(推定)する。
【0061】
ゲートウェイ20は、全ての多用途センサ装置10Aに揺れ判定データが記憶されていると判定した場合、ステップS12の処理へ移行する。一方、ゲートウェイ20は、多用途センサ装置10Aの少なくとも1つに、揺れ判定データが記憶されていないと判定した場合、ステップS14の処理へ移行する。
【0062】
ステップS12において、ゲートウェイ20は、多用途センサ装置10Aから加速度センサ11の測定値(記録終了条件を満たすまで記憶された測定値)を取得する。また、ゲートウェイ20は、上記取得した測定値を、サーバ30に送信する。ゲートウェイ20は、ステップS12の処理を実行した後、ステップS13の処理へ移行する。
【0063】
ステップS13において、サーバ30は、建物被害診断を実行する。ここで、建物被害診断とは、地震により住宅Hが受けた被害の推定を行うものである。建物被害診断において、サーバ30は、ゲートウェイ20を介して取得した多用途センサ装置10A(加速度センサ11)の測定値と、当該多用途センサ装置10Aの高さ位置等の位置情報と、に基づいて住宅Hが受けた被害の推定を行う。サーバ30は、ステップS13の処理を実行した後、建物被害診断処理を終了する。
【0064】
ステップS11において、多用途センサ装置10Aの少なくとも1つに、揺れ判定データが記憶されていないと判定した場合に移行するステップS14において、ゲートウェイ20は、全ての室内環境センサ装置10Bから応答がないか否かを判定する。全ての室内環境センサ装置10Bから応答がない場合には、地震の被害により、全ての室内環境センサ装置10Bについて、電力の供給が遮断されたか、当該室内環境センサ装置10Bが故障した可能性がある。この場合、ゲートウェイ20は、地震が発生したと判定(推定)する。
【0065】
ゲートウェイ20は、全ての室内環境センサ装置10Bから応答がないと判定した場合、ステップS12の処理へ移行する。一方、ゲートウェイ20は、少なくとも1つの室内環境センサ装置10Bから応答があった場合、ステップS15の処理へ移行する。
【0066】
ステップS15において、ゲートウェイ20は、応答があった室内環境センサ装置10Bの全てに、揺れ判定データが記憶されているか否かを判定する。応答があった室内環境センサ装置10Bの全てに、揺れ判定データが記憶されている場合には、応答があった室内環境センサ装置10Bが設置された壁の全てが揺れたことを意味する。この場合、ゲートウェイ20は、地震が発生したと判定(推定)する。一方、応答があった室内環境センサ装置10Bの少なくとも1つに、揺れ判定データが記憶されていない場合には、住宅Hの全体が揺れたわけではないことを意味する。この場合、多用途センサ装置10Aにより測定された揺れは、地震でなく生活振動によるものと推定される。従って、この場合、ゲートウェイ20は、地震は発生していないと判定(推定)する。
【0067】
ここで、室内環境センサ装置10Bにおいては、揺れ判定の基準となる閾値(第2の閾値)を、120gal(1.2m/s)としている。すなわち、室内環境センサ装置10Bにおいては、加速度センサ11の測定値が、120gal(1.2m/s)以上であれば、揺れ判定がなされる。なお、第2の閾値は、上記値に限られず、地震による揺れと生活振動とを区別する観点から、種々の値を採用可能である。
【0068】
ゲートウェイ20は、応答があった室内環境センサ装置10Bの全てに、揺れ判定データが記憶されていると判定した場合、ステップS12の処理へ移行する。一方、ゲートウェイ20は、応答があった室内環境センサ装置10Bの少なくとも1つに、揺れ判定データが記憶されていないと判定した場合、建物診断処理を終了する。
【0069】
上述の如き建物診断処理を実行することで、設置された部屋の環境を測定可能なセンサ装置10(多用途センサ装置10A及び室内環境センサ装置10B)を利用して、地震が発生したか否かの判定(推定)を行うことができる。また、ゲートウェイ20が地震が発生したと判定した場合には、地震により住宅Hが受けた被害の判定(推定)を行うことができる。
【0070】
建物診断処理においては、地震が発生したか否かの判定に、多用途センサ装置10Aの揺れ判定データだけでなく、室内環境センサ装置10Bの揺れ判定データを補助的に用いている。これにより、地震による揺れとその他の生活振動との違いを精度よく判定することができる。
【0071】
また、建物診断処理においては、全ての室内環境センサ装置10Bから応答がない場合、ゲートウェイ20は、地震が発生したと判定(推定)する構成としている(ステップS14)。これにより、例えば、多用途センサ装置10Aの全てに揺れ判定データが記憶されていない場合でも、室内環境センサ装置10Bの応答の有無により、地震の判定が可能となる。
【0072】
また、建物診断処理においては、室内環境センサ装置10Bから応答があった場合に、応答があった室内環境センサ装置10Bの全てに揺れ判定データが記憶されている場合には、ゲートウェイ20は、地震が発生したと判定(推定)する構成としている(ステップS15)。これにより、より精度よく地震の判定が可能となる。
【0073】
また、建物診断処理においては、ゲートウェイ20により、地震が発生したと判定(推定)された場合に(ステップS11:YES、ステップS14:YES、ステップS15:YES)、サーバ30に、建物被害診断のためのデータ(多用途センサ装置10Aの測定値)を送信する構成としている。これにより、ゲートウェイ20により地震が発生したと判定されない場合まで、サーバ30に、建物被害診断のためのデータを送信することを抑制することができ、サーバ30が扱うデータの量を削減することができる。
【0074】
なお、上述した建物診断処理の構成は一例であり、建物診断処理としては上記構成に限られない。例えば、本実施形態では、ステップS11において、多用途センサ装置10Aのみを用いて地震の発生を推定する場合、全ての(3つの)多用途センサ装置10Aに揺れ判定データが記憶されている場合に地震が発生したと推定したが、このような態様に限られない。例えば、ステップS11において、所定の数(例えば過半数(本実施形態においては2つ))以上の多用途センサ装置10Aに揺れ判定データが記憶されている場合に地震が発生したと推定するようにしてもよい。
【0075】
また、本実施形態では、ステップS15において、応答があった室内環境センサ装置10Bの全てに、揺れ判定データが記憶されているか否かを判定する構成としたが、このような態様に限られない。例えば、応答があった室内環境センサ装置10Bのうち、2つ以上の室内環境センサ装置10Bに揺れ判定がされたデータが記憶されているか否かを判定する構成としてもよい。応答があった室内環境センサ装置10Bのうち、2つ以上の室内環境センサ装置10Bに揺れ判定がされた場合には、応答があった室内環境センサ装置10Bのうち、少なくとも2つが同時に揺れたことを意味する。この場合、ゲートウェイ20は、地震が発生したと判定(推定)する。
【0076】
また、本実施形態では、ステップS10の処理を、ゲートウェイ20により定期的に実行する構成としたが、このような態様に限られない。例えば、多用途センサ装置10Aが、自発的に揺れ判定を行ったことをゲートウェイ20に報知したことを契機としてステップS10の処理を実行してもよい。
【0077】
以上の如く、本実施形態に係る地震判定システム1は、
加速度を測定可能な加速度センサ11を少なくとも含む複数の第1のセンサ装置(多用途センサ装置10A)と、
加速度を測定可能な加速度センサ11を少なくとも含み、前記第1のセンサ装置(多用途センサ装置10A)とは異なる第2のセンサ装置(室内環境センサ装置10B)と、
前記複数の第1のセンサ装置(多用途センサ装置10A)のうち、前記加速度センサ11の測定値が第1の閾値以上のものが第1の数(多用途センサ装置10Aの総数)以上であれば(ステップS11:YES)、地震が発生したと判定し、
前記複数の第1のセンサ装置(多用途センサ装置10A)のうち、前記加速度センサ11の測定値が前記第1の閾値以上のものが前記第1の数未満であれば(ステップS11:NO)、前記第2のセンサ装置(室内環境センサ装置10B)に基づいて、地震が発生したか否かを判定可能である(ステップS14、ステップS15)制御部(ゲートウェイ20)と、
を具備するものである。
【0078】
このように構成することにより、地震が発生したか否かを精度よく判定することができる。すなわち、第1のセンサ装置(多用途センサ装置10A)を用いた地震の判定の条件を満たさない場合であっても、第2のセンサ装置(室内環境センサ装置10B)に基づいて(室内環境センサ装置10Bの応答の有無や揺れ判定データを利用して)地震が発生したか否かを判定することができる。このように、2種類のセンサ装置10を用いて、2段階で地震が発生したか否かを判定することで、地震が発生したか否かを精度よく判定することができる。
【0079】
また、前記第2のセンサ装置(室内環境センサ装置10B)は、複数設けられており、
前記制御部(ゲートウェイ20)は、
前記複数の第2のセンサ装置(室内環境センサ装置10B)に基づいて地震が発生したか否かの判定を行う際に、当該複数の第2のセンサ装置(室内環境センサ装置10B)のうち第2の数(室内環境センサ装置10Bの総数)以上について応答がない場合(ステップS14:YES)、地震が発生したと判定するものである。
【0080】
このように構成することにより、地震が発生したか否かをより精度よく判定することができる。すなわち、第2のセンサ装置(室内環境センサ装置10B)の異常についての検知も利用して、地震の判定を行うことができる。
【0081】
また、前記制御部(ゲートウェイ20)は、
前記複数の第2のセンサ装置(室内環境センサ装置10B)に基づいて地震が発生したか否かの判定を行う際に、当該複数の第2のセンサ装置(室内環境センサ装置10B)のうち少なくとも1つから応答があった場合(ステップS14:NO)、
前記応答があった第2のセンサ装置(室内環境センサ装置10B)のうち、前記加速度センサ11の測定値が第2の閾値以上のものが第3の数(応答があった室内環境センサ装置10Bの総数)以上であれば(ステップS15:YES)、地震が発生したと判定する。
【0082】
このように構成することにより、地震が発生したか否かをより精度よく判定することができる。すなわち、応答があった第2のセンサ装置(室内環境センサ装置10B)の加速度センサ11(の揺れ判定データ)も利用して、地震の判定を行うことができる。
【0083】
また、前記第1のセンサ装置(多用途センサ装置10A)は、
当該第1のセンサ装置(多用途センサ装置10A)の加速度センサ11の測定値が前記第1の閾値以上となれば、当該加速度センサ11の測定値が前記第1の閾値以上となったこと(揺れ判定データ)及び当該加速度センサ11の測定値を記憶し、
前記第2のセンサ装置(室内環境センサ装置10B)は、
当該第2のセンサ装置(室内環境センサ装置10B)の加速度センサ11の測定値が前記第2の閾値以上となれば、当該加速度センサ11の測定値が前記第2の閾値以上となったこと(揺れ判定データ)を記憶する一方、当該加速度センサ11の測定値は記憶しないものである。
【0084】
このように構成することにより、地震が発生した際に、加速度センサ11の測定値を記憶可能としながらも、記憶するデータ量の増大を抑制することができる。すなわち、第1のセンサ装置(多用途センサ装置10A)は、揺れ判定データ及び加速度センサ11の測定値を記憶可能とする一方、第2のセンサ装置(室内環境センサ装置10B)は、揺れ判定データのみを記憶可能とするように、各センサ装置10を使い分けることができる。これにより、地震が発生した際に、加速度センサ11の測定値を記憶可能としながらも、記憶するデータ量の増大を抑制することができる。
【0085】
また、前記複数の第1のセンサ装置は、
建物の平面視における略中央に位置するものである。
【0086】
このように構成することにより、地震が発生したか否かをより精度よく判定することができる。すなわち、地震以外の要因による揺れが比較的小さい住宅Hの平面視中央に、第1のセンサ装置(多用途センサ装置10A)を設置することで、地震の揺れによる第1のセンサ装置(多用途センサ装置10A)の破損や故障を抑制し、当該第1のセンサ装置(多用途センサ装置10A)により地震の揺れを測定し続けることができる。これにより、比較的多くの揺れ判定データや測定値を記憶することができ、地震の発生の有無や震度等をより精度よく判定することができる。
【0087】
また、前記複数の第1のセンサ装置(多用途センサ装置10A)は、
平面視において、少なくとも一部が互いに重複するように配置されるものである。
【0088】
このように構成することにより、地震が発生したか否かをより精度よく判定することができる。すなわち、住宅Hの平面視中央において、複数の第1のセンサ装置(多用途センサ装置10A)の平面視における位置を近接させたことで、地震の発生の有無や震度等をより精度よく判定することができる。
【0089】
また、前記第2のセンサ装置(室内環境センサ装置10B)は、
前記建物(住宅H)の内部環境を測定可能であるものである。
【0090】
このように構成することにより、建物(住宅H)の内部環境を測定することを目的とした第2のセンサ装置(室内環境センサ装置10B)を補助的に使用して、地震が発生したか否かを精度よく判定することができる。
【0091】
なお、本実施形態に係る多用途センサ装置10Aは、本発明に係る第1のセンサ装置の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る室内環境センサ装置10Bは、本発明に係る第2のセンサ装置の実施の一形態である。
また、本実施形態に係るゲートウェイ20は、本発明に係る制御部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る住宅Hは、本発明に係る建物の実施の一形態である。
【0092】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0093】
例えば、本実施形態では、多用途センサ装置10Aを3つ設置した例を示したが、多用途センサ装置10Aの数としては、2つ以上の種々の数を採用可能である。
【0094】
また、本実施形態では、室内環境センサ装置10Bを3つ設置した例を示したが、室内環境センサ装置10Bの数としては、種々の数を採用可能である。
【0095】
また、本実施形態では、室内環境センサ装置10Bを、多用途センサ装置10Aが設置された壁とは異なる壁に設置したが、このような態様に限られない。例えば、室内環境センサ装置10Bを、多用途センサ装置10Aと同じ壁に設置してもよい。この場合は、共通の壁に設置された多用途センサ装置10A及び室内環境センサ装置10Bは、同じ振動を測定することから、建物診断処理のステップS15の処理において、多用途センサ装置10Aと同じ壁に設置された室内環境センサ装置10Bの揺れ判定のデータを考慮しない。
【0096】
また、本実施形態では、建物診断処理の建物被害診断(ステップS13の処理)を、サーバ30が実行するものとしたが、このような態様に限られない。例えば、建物被害診断(ステップS13の処理)を、ゲートウェイ20が実行する構成としてもよい。
【0097】
また、本実施形態では、ゲートウェイ20が、位置情報を有する多用途センサ装置10Aのみから加速度センサ11の測定値を取得し、建物診断処理の建物被害診断(ステップS13の処理)に用いる構成としている。すなわち、室内環境センサ装置10Bの加速度センサ11の測定値を、建物診断処理の建物被害診断(ステップS13の処理)には用いない構成としているが、このような態様に限られない。例えば、室内環境センサ装置10Bを、位置情報を有するものとし、当該室内環境センサ装置10Bの加速度センサ11の測定値を、建物診断処理の建物被害診断(ステップS13の処理)に用いてもよい。
【0098】
また、本実施形態では、第1の数として、多用途センサ装置10Aの総数を採用したが、これに限定するものではない。すなわち、第1の数としては、多用途センサ装置10Aの総数よりも少ない任意の数を採用することができる。
【0099】
また、本実施形態では、第2の数として、室内環境センサ装置10Bの総数を採用したが、これに限定するものではない。すなわち、第2の数としては、室内環境センサ装置10Bの総数よりも少ない任意の数を採用することができる。
【0100】
また、本実施形態では、第3の数として、応答があった室内環境センサ装置10Bの総数を採用したが、これに限定するものではない。すなわち、第3の数としては、応答があった室内環境センサ装置10Bの総数よりも少ない任意の数を採用することができる。
【0101】
また、本実施形態では、センサ装置10を壁に設置する構成としたが、このような態様に限られない。例えば、センサ装置10を、柱や梁、床等に設置してもよい。また、センサ装置10を設置する対象としては、柱や梁、床、耐力壁等の構造躯体が望ましい。
【0102】
また、本実施形態では、地震判定システム1を住宅Hに設置する構成としたが、このような態様に限られない。地震判定システム1と設置する建物としては、商業施設や工場などの事業所、役所などの公共施設でもよい。
【符号の説明】
【0103】
1 地震判定システム
10A 多用途センサ装置(第1のセンサ装置)
10B 室内環境センサ装置(第2のセンサ装置)
20 ゲートウェイ(制御部)
30 サーバ
H 住宅(建物)
図1
図2
図3
図4