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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-24
(45)【発行日】2024-02-01
(54)【発明の名称】備蓄燃料の取引管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20230101AFI20240125BHJP
【FI】
G06Q30/06
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020063453
(22)【出願日】2020-03-31
(65)【公開番号】P2021163140
(43)【公開日】2021-10-11
【審査請求日】2022-12-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000110099
【氏名又は名称】トキコシステムソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中川 和哉
【審査官】深津 始
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-306862(JP,A)
【文献】特開2021-163140(JP,A)
【文献】特開2018-005696(JP,A)
【文献】特開2003-058605(JP,A)
【文献】特開2002-297749(JP,A)
【文献】特開2002-269390(JP,A)
【文献】平成24年度石油産業体制等調査研究 石油製品備蓄に関する調査報告書,2013年03月,第12ページ,[online], [検索日:2023.10.23], Internet<URL:https://dl.ndl.go.jp/view/prepareDownload?itemId=info%3Andljp%2Fpid%2F11252867&contentNo=1>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 -G06Q 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
備蓄燃料保有者からの備蓄燃料の回収注文を受信する回収注文受信部と、
燃料常用者からの燃料の補給注文を受信する補給注文受信部と、
前記回収注文受信部で受信した備蓄燃料の回収注文を記憶する備蓄燃料回収注文記憶部と、
前記補給注文受信部で受信した燃料の補給注文を記憶する燃料補給注文記憶部と、
前記備蓄燃料回収注文記憶部に記憶されている備蓄燃料の回収注文の提供条件と前記燃料補給注文記憶部に記憶されている燃料の補給注文の補給条件とを照合し、燃料の回収及び補給が実行可能な回収注文と補給注文との組み合わせを選定する制御部と、を備え
前記制御部は、選定された燃料の回収及び補給が実行可能な回収注文と補給注文との組み合わせに対して、当該回収注文の備蓄燃料保有者から備蓄燃料を回収し、当該補給注文の燃料常用者に配送するためのタンクローリー車の配車手配手段をさらに有する、
備蓄燃料の取引管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の備蓄燃料の取引管理システムであって、
燃料の回収注文の提供条件のうちには、備蓄燃料保有者から回収しようとする備蓄燃料の品質劣化に基づいた使用期限に関する情報が含まれており、
前記制御部は、燃料の回収注文の提供条件に含まれた燃料の前記使用期限が迫っているか否かを判定する期限判定手段をさらに含む、
備蓄燃料の取引管理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の備蓄燃料の取引管理システムであって、
前記制御部は、
前記備蓄燃料回収注文記憶部に記憶されている備蓄燃料の回収注文それぞれの提供条件のうちの備蓄燃料の液種及び数量と前記燃料補給注文記憶部に記憶されている燃料の補給注文それぞれの補給条件のうちの補給燃料の液種及び数量とを照合し、備蓄燃料の液種及び数量と補給燃料の液種及び数量とがマッチングする回収注文と補給注文との組み合わせを抽出し、
当該抽出した回収注文と補給注文との組み合わせについて、提供条件に含まれる回収先と補給条件に含まれる補給先との間の配送距離、提供条件に含まれる回収期限、補給条件に含まれる納入期限、のうちの少なくともいずれか1つに基づいて評価し、燃料の回収及び補給が実行可能な回収注文と補給注文との組み合わせを選定する、
備蓄燃料の取引管理システム。
【請求項4】
請求項1に記載の備蓄燃料の取引管理システムであって、
前記制御部は、前記補給注文の数量が前記回収注文の数量以上となるように前記回収注文と前記補給注文の組み合わせを選定する、備蓄燃料の取引システム。
【請求項5】
請求項1に記載の備蓄燃料の取引管理システムであって、
前記制御部は、前記備蓄燃料保有者からの新油の配送注文を、前記備蓄燃料保有者からの備蓄燃料の回収注文として取り扱う、備蓄燃料の取引管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、非常用電源の運転等のために施設に備蓄されている備蓄燃料の取引管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、非常用電源(電気設備技術基準における保安用電源や業務用電源、消防法における非常電源、建築基準法における予備電源)の駆動用燃料は、非常時に利用できるように設置施設に備蓄されている。
【0003】
この場合、非常用電源としては、例えばディーゼルエンジン型、ガスタービン型、ガスエンジン型等の非常用発電機があり、駆動用燃料としては、軽油、A重油、灯油、等がある。例えば役所等の施設では、被災時に外部からの電源供給なしに稼働できるように、非常用電源の駆動用燃料が備蓄されている。
【0004】
同じく非常時に備えて燃料等を備蓄管理する管理システムに関しては、特許文献1に記載されたような災害用備蓄物資の管理システムがある。特許文献1に記載された災害用備蓄物資の管理システムでは、備蓄物資の入れ替えに伴い費用が発生することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2002-133036号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特に、非常用の備蓄燃料は、長期間、備蓄されることによって、その品質が酸化等により経年劣化してしまう可能性がある。そして、品質劣化した備蓄燃料は、備蓄タンク内部の錆腐食や、非常用電源の故障(例えば、駆動用エンジンの燃料噴射ノズルの破損や燃料噴射ポンプの固着)を引き起こす可能性がある。そのため、非常用の備蓄燃料は、定期的(例えば、6年以内)に品質が劣化していない新しい燃料、いわゆる新油と交換する必要があった。
【0007】
そして、交換で回収された非常用の備蓄燃料は、新油と交換する際、専門の廃油・リサイクル業者によって引き取られ、廃油処理されていた。その際の廃油処理コストは、新油の補給コストとは全く別個に掛かるものなので、非常用に燃料を備蓄する備蓄燃料保有者にとっては経済的負担になっていた。
【0008】
そこで、本開示は、各所の非常用の備蓄燃料の交換の際に備蓄燃料保有者から回収された備蓄燃料を、例えば、ボイラ等の燃料常用設備を保有する燃料常用者に提供することにより、備蓄燃料の廃棄に係る費用を低減し、備蓄燃料を有効活用することができる備蓄燃料の取引管理システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示は、上記した課題を解決するために、備蓄燃料保有者からの備蓄燃料の回収注文を受信する回収注文受信部と、燃料常用者からの燃料の補給注文を受信する補給注文受信部と、前記回収注文受信部で受信した備蓄燃料の回収注文を記憶する備蓄燃料回収注文記憶部と、前記補給注文受信部で受信した燃料の補給注文を記憶する燃料補給注文記憶部と、前記備蓄燃料回収注文記憶部に記憶されている備蓄燃料の回収注文の提供条件と前記燃料補給注文記憶部に記憶されている燃料の補給注文の補給条件とを照合し、燃料の回収及び補給が実行可能な回収注文と補給注文との組み合わせを選定する制御部と、を備えた備蓄燃料の取引管理システムを提供する。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、備蓄燃料保有者は、新油との交換で不要になる備蓄燃料について、備蓄燃料保有者の経済的負担を低減させることができる。
【0011】
また、本開示の上記した以外の、課題、構成及び効果については、以下の実施の形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施例に係る備蓄燃料の取引管理システムを用いた取引システムの構成図である。
図2】備蓄燃料の取引管理システムにおける取引管理処理のフローチャートである。
図3】備蓄燃料の取引管理システムにおける取引管理処理のフローチャートである。
図4】備蓄燃料の取引管理システムにおける取引管理処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら、本開示に係る備蓄燃料の取引管理システムの一実施例として、非常用発電機の駆動用の備蓄燃料の取引管理システムを例に説明する。この場合、非常用発電機の駆動用の備蓄燃料の取引管理システムは本開示の一部の実施例であるに過ぎず、全部の実施例ではないことは明らかである。したがって、本開示の実施例に基づき、非常用発電機の駆動用以外の他の備蓄燃料の取引管理システムの実施例は、全て本発明の保護範囲に属することも明らかである。
【0014】
図1は、本実施例に係る備蓄燃料の取引管理システムを用いた取引システムの構成図である。
【0015】
図示の例では、備蓄燃料の取引管理システム10は、備蓄燃料の取引管理会社に備えられたコンピュータ装置によって構成されている。備蓄燃料の取引管理システム10は、インターネット等の通信ネットワーク90を介して、備蓄燃料保有者20、燃料常用者30、燃料回収・配送者40、燃料供給会社の燃料配送システム50と通信接続されている。
【0016】
備蓄燃料保有者20は、非常用電源設備21を備えた施設を1又は複数保有し、各非常用電源設備21には、非常用発電機や非常用発電機の駆動用燃料を備蓄している備蓄タンク等が含まれる。
【0017】
なお、備蓄燃料保有者20には、非常用電源設備21を備えず、単に備蓄タンクを保有している者も含まれる。
【0018】
備蓄燃料保有者20は、通信ネットワーク90を介して、備蓄燃料の取引管理システム10や燃料供給会社50と通信可能な端末装置23を有する。端末装置23としては、例えばコンピュータ装置、スマートフォンを含む携帯情報端末装置、等である。
【0019】
備蓄燃料保有者20は、備蓄燃料の売り手として、備蓄燃料の取引管理システム10にアクセス可能になっている。そのために、備蓄燃料保有者20は、端末装置23を使用して、備蓄燃料の取引管理システム10にアクセスするための備蓄者情報(例えば、備蓄者識別情報、備蓄者情報(所在地情報等)、備蓄者決済情報、等を含む)や、保有する各非常用電源設備21の備蓄タンク情報(例えば、タンク識別情報、タンク容量情報、備蓄液種情報(軽油、A重油等)、配置位置情報、等を含む)を、取引管理システム10に対して設定登録できる。そして、備蓄燃料保有者20は、非常用電源設備21の備蓄燃料の交換時期が近づいたときには端末装置23を使用して、取引管理システム10に、これら登録済の備蓄者情報等を用いて品質劣化する前の備蓄燃料の回収を注文すること等ができる。
【0020】
また、本実施例では、備蓄燃料保有者20は、備蓄用の新油燃料の買い手として、新油燃料の燃料配送システム50にもアクセス可能になっている。そのために、備蓄燃料保有者20は、端末装置23を使用して、新油燃料の燃料配送システム50にアクセスするための備蓄者情報(例えば、備蓄者識別情報、備蓄者情報(所在地情報等)、備蓄者決済情報、等を含む)や、保有する各非常用電源設備21の備蓄タンク情報(例えば、タンク識別情報、タンク容量情報、備蓄液種情報(軽油、A重油等)、配置位置情報、等を含む)を、燃料配送システム50に対して設定登録できる。そして、備蓄燃料保有者20は、非常用電源設備21の備蓄燃料の交換を行うときには端末装置23を使用して、燃料配送システム50に、これら登録済の備蓄者情報等を用いて備蓄用の新油燃料の配送・補給を注文すること等ができる。
【0021】
燃料常用者30は、燃料常用設備31を備えた施設を1又は複数保有し、各燃料常用設備31には、例えばボイラや焼却設備等の燃料常用機器や燃料常用機器に燃料を供給するための補給タンク等が含まれる。
【0022】
燃料常用者30は、通信ネットワーク90を介して、備蓄燃料の取引管理システム10と通信可能な端末装置33を有する。端末装置33としては、例えば、コンピュータ装置、スマートフォンを含む携帯情報端末装置、等である。
【0023】
燃料常用者30は、備蓄燃料の買い手として、備蓄燃料の取引管理システム10にアクセス可能になっている。そのために、燃料常用者30は、端末装置33を使用して、備蓄燃料の取引管理システム10にアクセスするための常用者情報(常用者識別情報、常用者連絡情報(所在地情報等)、常用者決済情報、等を含む)や、保有する各燃料常用設備31の補給タンク情報(例えば、タンク識別情報、タンク容量情報、補給液種情報(軽油、A重油等)、配置位置情報、等を含む)を、取引管理システム10に対して設定登録できる。そして、燃料常用者30は、燃料常用設備31の駆動用の燃料の補充が必要になったときには端末装置33を使用して、備蓄燃料の取引管理システム10に、これら登録済の常用者情報等を用いて燃料常用設備31の駆動用の燃料を注文すること等ができる。
【0024】
燃料回収・配送者40は、備蓄燃料の回収・配送の荷受け手として、燃料回収設備41を1又は複数保有している。各燃料回収設備41には、回収・配送用のタンクローリー車等が含まれる。
【0025】
燃料回収・配送者40は、通信ネットワーク90を介して、備蓄燃料の取引管理システム10と通信可能な端末装置43を有する。端末装置43としては、例えば、コンピュータ装置、スマートフォンを含む携帯情報端末装置、等である。
【0026】
燃料回収・配送者40は、備蓄燃料の取引管理システム10にアクセス可能になっている。そのために、燃料回収・配送者40は、端末装置43を使用して、備蓄燃料の取引管理システム10にアクセスするための回収・配送者情報(例えば、回収・配送者識別情報、回収・配送者情報(所在地情報等)、回収・配送者決済情報、等を含む)を、取引管理システム10に対して設定登録できる。そして、燃料回収・配送者40は、端末装置43を使用して、登録済の常用者情報を使用して、備蓄燃料の取引管理システム10に対して、備蓄燃料の回収・配送を請け負うこと等ができる。
【0027】
新油燃料の燃料配送システム50は、新油燃料の燃料供給会社に備えられた受注用のコンピュータ装置によって構成されている。
【0028】
新油燃料の燃料配送システム50は、備蓄燃料の交換作業が行われる場合に、備蓄燃料保有者20又は備蓄燃料の取引管理システム10から、回収された備蓄燃料の代わりに備蓄タンクに補給する新油の補充注文を受け、油槽所で新油をタンクローリー車に積み込んで備蓄燃料保有者20の備蓄タンクに配送して補給をする手配ができる。
【0029】
次に、備蓄燃料の取引管理システム10の詳細な構成について説明する。
【0030】
備蓄燃料の取引管理システム10は、キーボード等の入力機器、表示機器等の出力機器、及び通信インターフェースを備えたコンピュータ装置を有して構成され、通信部11、備蓄者関係情報記憶部12、常用者関係情報記憶部13、備蓄燃料回収注文記憶部14、燃料補給注文記憶部15、実行注文記憶部16、制御部17、等を含む。
【0031】
通信部11は、通信ネットワーク90を介してそれぞれ接続された、備蓄燃料保有者20の端末装置23、燃料常用者30の端末装置33、燃料回収・配送者40の端末装置43、燃料供給会社の燃料配送システム50それぞれの間で、情報や制御指示等の送受信を行う。
【0032】
備蓄者関係情報記憶部12は、各備蓄燃料保有者20が設定登録した備蓄者情報や保有する各非常用電源設備21の備蓄タンク情報、等を含む備蓄者関係情報を記憶する。
【0033】
常用者関係情報記憶部13は、各燃料常用者30が設定登録した常用者情報や保有する各燃料常用設備31の補給タンク情報、等を含む常用者関係情報を記憶する。
【0034】
備蓄燃料回収注文記憶部14は、通信部11によって受信された備蓄燃料保有者20からの備蓄燃料の回収注文を記憶する。備蓄燃料保有者20からの備蓄燃料の回収注文には、回収注文先や回収注文先の非常用電源設備21の備蓄タンクを特定するための備蓄者関係情報や備蓄タンク情報が含まれているとともに、回収する燃料の液種や数量、備蓄燃料保有者20が注文の際に設定した提供期限(販売期限)、等の提供条件も含まれている。
【0035】
燃料補給注文記憶部15は、通信部11によって受信された燃料常用者30からの燃料の補給注文を記憶する。燃料常用者30からの燃料の補給注文には、補給注文先や補給注文先の燃料常用設備31の補給タンクを特定するための常用者関係情報や補給タンク情報が含まれているとともに、補給する燃料の液種や数量、燃料常用者30が注文の際に設定した補給期限(購入期限)、等の注文条件も含まれている。
【0036】
実行注文記憶部16は、燃料の回収及び補給が実行若しくは実行計画された回収注文と補給注文との組み合わせからなる、成立した注文組み合わせに係る実行注文関係情報を記憶する。
【0037】
制御部17は、備蓄燃料回収注文記憶部14に記憶されている備蓄燃料の回収注文それぞれの提供条件と燃料補給注文記憶部15に記憶されている燃料の補給注文それぞれの補給条件とを照合し、提供条件と注文条件とがマッチングする回収注文と補給注文との組み合わせを抽出して評価し、燃料の回収及び補給が実行可能な回収注文と補給注文との組み合わせを選定するマッチング選定制御機能をはじめとする各種制御機能を有する一方、取引管理システム10のシステム全体を統合的に制御する。
【0038】
次に、本実施例の備蓄燃料の取引管理システムによる備蓄燃料の取引管理処理について、図2図4に基づき説明する。
【0039】
図2図4は、備蓄燃料の取引管理システムにおける取引管理処理のフローチャートである。備蓄燃料の取引管理システム10における取引管理処理は、制御部17が、上述した通信部11、備蓄者関係情報記憶部12、常用者関係情報記憶部13、備蓄燃料回収注文記憶部14、燃料補給注文記憶部15、実行注文記憶部16の各部を制御して行われる。
【0040】
備蓄燃料の取引管理システム10は、電源が投入されて起動されると、制御部17が各部のイニシャライズ処理を行い(ステップS100)、通信部11が備蓄燃料保有者20からの備蓄燃料の回収注文を受信したか否か(S200)、通信部11が燃料常用者30からの燃料の補給注文を受信したか否か(S300)、通信部11が燃料回収・配送者40からの手配回答を受信したか否か(S400)の確認を繰り返し行っている(S200 - S300 - S400 - S200 - …)。
【0041】
その際、備蓄燃料の取引管理システム10は、ステップS200で備蓄燃料保有者20からの備蓄燃料の回収注文を受信したことを検出した場合は、ステップS210以降に示すようなマッチング・選定処理を行い、ステップS300で燃料常用者30からの燃料の補給注文を受信したことを検出した場合は、ステップS310以降に示すようなマッチング・選定処理を行う一方、ステップS400で燃料回収・配送者40からの手配回答を受信した場合には、ステップS410以降に示すような手配回答に対する対応処理を行うようになっている。
【0042】
そして、この確認の際に、通信部11が備蓄燃料保有者20からの備蓄燃料の回収注文を受信したことを確認すると(S200)、回収する燃料の液種や数量、備蓄燃料保有者20が注文の際に設定した提供期限(販売期限)等の提供条件を含む、受信した回収注文に基づいた備蓄燃料提供情報を、備蓄燃料回収注文記憶部14に蓄積記憶する(S210)。
【0043】
それから、備蓄燃料の取引管理システム10は、制御部17が、備蓄燃料回収注文記憶部14に記憶蓄積されている備蓄燃料提供情報それぞれと、燃料補給注文記憶部15に記憶蓄積されている燃料補給注文情報それぞれとを照合して、提供条件の油種、数量と補給条件の油種、数量とがマッチング可能な備蓄燃料提供情報と燃料補給注文情報との組み合わせを抽出する(S220)。
【0044】
例えば、ステップS200で、備蓄燃料保有者20であるX1から20klの軽油の提供依頼である回収注文を受信した際に、備蓄燃料回収注文記憶部13に備蓄燃料保有者20であるX2から5klの軽油の提供依頼が既にあり、燃料補給注文記憶部15に燃料常用者30であるY1,Y2,Y3,Y4,Y5,Y6それぞれからの軽油についての15kl,10kl,10kl,20kl,20kl,20klの補給注文が蓄積記憶されていた場合、ステップS220では、
*1 X1の20klと、Y2の10kl及びY3の10klの合計20klとの組み合わせ、
*2 X1の20klと、Y4の20klとの組み合わせ、
*3 X1の20klと、Y5の20klとの組み合わせ、
*4 X1の20klと、Y6の20klとの組み合わせ、
*5 X1の20kl及びX2の5klと、Y1の15kl及びY2の10klの合計25klと の組み合わせ、
*6 X1の20kl及びX2の5klと、Y1の15kl及びY3の10klの合計25klと の組み合わせ、
・・・・・
といった、提供条件の油種、数量と補給条件の油種、数量とがマッチング可能な備蓄燃料提供情報と燃料補給注文情報との組み合わせが抽出される。
【0045】
ここで、ステップS220で抽出される、提供条件の油種、数量と補給条件の油種、数量とがマッチング可能な備蓄燃料提供情報と燃料補給注文情報との組み合わせの数は、ゼロである場合も、1以上である場合も含む。また、その組み合わせも、上記したように、1つの備蓄燃料提供情報と1つの燃料補給注文情報との対応の組み合わせに限られない。
【0046】
また、マッチング可能な備蓄燃料提供情報と燃料補給注文情報との組み合わせの他の例として、例えばステップS220で回収の全実行及び補給の一部実行を優先させるマッチングも許容する設定にしておけば、提供条件の油種と補給条件の油種とが一致さえしていれば提供条件の数量と補給条件の数量とは必ずしも一致していない組み合わせも、マッチング可能な備蓄燃料提供情報と燃料補給注文情報との組み合わせとして取り扱うようにすることができる。この場合では、先に備蓄燃料保有者20であるX2から5klの軽油の提供依頼があったときに仮に燃料常用者30であるY1からの15kl,Y2からの10kl,Y3からの10klのそれぞれ補給注文を既に受信していたときには、
*1 X2の5klと、Y1の15klとの組み合わせ、
*2 X2の5klと、Y2の10klとの組み合わせ、
*3 X2の5klと、Y3の10klとの組み合わせ、
を、油種が同じで数量が提供条件の数量(5kl)以上の補給条件との組み合わせとして抽出することができる。このようにすれば、備蓄燃料保有者20であるX2から5klの軽油の提供要求を受けたときに、5kl以上の数量の補給を希望している燃料常用者30(Y1,Y2,Y3)にとっては、補給条件の数量全部には満たないものの、X2から回収(提供)された燃料(5kl)をそのうちの一部(5kl)について補給を受けることが速やかに可能となる。また、備蓄燃料保有者20であるX2にとっては、提供依頼の発信後の回収待ち期間が短くなる。
【0047】
そして、この場合の組み合わせも、上記したような1つの備蓄燃料提供情報と1つの燃料補給注文情報との対応の組み合わせであることに限られない。仮に、備蓄燃料保有者20であるX2から軽油の提供依頼の数量が5klではなく20klであった場合に、X2からの回収注文の受信時に既に燃料常用者30であるY1からの15kl,Y2からの10kl,Y3からの10klのそれぞれ補給注文を受信していたときには、
*1 X2の20klと、Y1の15kl及びY2の10klの合計25klとの組み合わせ、
*2 X2の20klと、Y1の15kl及びY3の10klの合計25klとの組み合わせ、
*3 X2の20klと、Y2の10kl及びY3の10klの合計20klとの組み合わせ、
*4 X2の20klと、Y1の15kl,Y2の10kl及びY3の10klの合計35klと の組み合わせ、
といった、油種が同じで数量が提供依頼の数量以上になるような補給条件との組み合わせが抽出されることになる。この場合も、組み合わせで抽出された燃料常用者30(Y1~Y3のうちの該当者)は、補給注文の全部又はその一部について速やかに補給を受けることが可能となる。また、備蓄燃料保有者20であるX2とっては、提供依頼の発信後から回収待ちまでの期間が短くなる。
【0048】
さらに、上述した備蓄燃料提供情報と燃料補給注文情報との対応の組み合わせのいずれとも、油種が同じで数量が提供依頼の数量以上になるような補給条件との組み合わせになっている。これにより、備蓄燃料保有者20にとっては、一度の回収で備蓄タンクを速やかに空にすることができるので、備蓄用燃料の新油との入れ替えをスムーズに行えるようになる。また、燃料回収・配送者40にとっては、備蓄燃料保有者20の備蓄タンクから回収した燃料全てをすぐさま燃料常用者30の補給タンクに補給することができるので、1つの組み合わせに対応した燃料の回収及び補給作業後は常に、その回収及び補給に使用したタンクローリー車の荷室を空に戻しておくことができ、タンクローリー車の配車管理等が行い易くなる。
【0049】
このようにして、ステップS220で、提供条件の油種、数量と補給条件の油種、数量とがマッチング可能な備蓄燃料提供情報と燃料補給注文情報との組み合わせの抽出処理を行ったならば、備蓄燃料の取引管理システム10では、制御部17が、マッチング可能な備蓄燃料提供情報と燃料補給注文情報との組み合わせがあったか否かを判断し(S230)、組み合わせがあった場合には(S230、Yes)、ステップS240以降のマッチング・選定処理を行い、組み合わせがなかった場合には(S230、No)、ステップS240以降のマッチング・選定処理を行わずに、今回のマッチング・選定処理を終了する。
【0050】
ステップS230で、マッチングする備蓄燃料提供情報と燃料補給注文情報との組み合わせがあった場合には、制御部17は、抽出したマッチング可能な備蓄燃料提供情報と燃料補給注文情報との組み合わせについて、油種・数量以外の条件を評価する(S240)。この場合、油種・数量以外の条件としては、
#1 配送距離、
#2 提供期限(販売期限)、
#3 補給期限(購入期限)、
・・・・・
等が挙げられる。
【0051】
例えば、ステップS220で抽出された「*2 X1の20klと、Y4の20klとの組み合わせ」と「*3 X1の20klと、Y5の20klとの組み合わせ」との間では、備蓄燃料保有者20であるX1の非常用電源設備21の備蓄タンク情報に含まれる所在位置情報、燃料常用者30であるY4の燃料常用設備31の補給タンク情報に含まれる所在位置情報、燃料常用者30であるY5の燃料常用設備31の補給タンク情報に含まれる所在位置情報から、X1の備蓄タンクとY4の補給タンクとの間の配送距離がX1の備蓄タンクとY5の補給タンクとの間の配送距離よりも短かければ、1つの備蓄燃料提供情報と1つの燃料補給注文情報との同じ対応の組み合わせであっても、配送距離の観点からは「*2 X1の20klと、Y4の20klとの組み合わせ」は「*3 X1の20klと、Y5の20klとの組み合わせ」よりも評価が高くなる。
【0052】
また、ステップS220で抽出された、「*1 X1の20klと、Y2の10kl及びY3の10klの合計20klとの組み合わせ」等の、「X2の5kl」を含まない組み合わせと、「*5 X1の20kl及びX2の5klと、Y1の15kl及びY2の10klの合計25klとの組み合わせ、」等の、「X2の5kl」を含む組み合わせとの間では、仮に「X2の5kl」の提供期限が迫っていれば、「X2の5kl」を含む組み合わせは「X2の5kl」を含まない組み合わせよりも提供期限(販売期限)の観点で評価が高くなる。
【0053】
また、ステップS220で抽出された、「*5 X1の20kl及びX2の5klと、Y1の15kl及びY2の10klの合計25klとの組み合わせ」等の、「Y3の10kl」を含まない組み合わせと、「*6 X1の20kl及びX2の5klと、Y1の15kl及びY3の10klの合計25klとの組み合わせ」等の、「Y3の10kl」を含む組み合わせとの間では、仮に「Y3の10kl」の補給期限が迫っていれば、「Y3の10kl」を含む組み合わせは「Y3の10kl」を含まない組み合わせよりも補給期限(購入期限)の観点で評価が高くなる。
【0054】
さらに、「X2の5kl」を含む組み合わせの「X1の20kl及びX2の5klと、Y1の15kl及びY2の10klの合計25klとの組み合わせ」及び「*5 X1の20kl及びX2の5klと、Y1の15kl及びY3の10klの合計25klとの組み合わせ」と、「Y3の10kl」を含む組み合わせの「*1 X1の20klと、Y2の10kl及びY3の10klの合計20klとの組み合わせ」、「*6 X1の20kl及びX2の5klと、Y1の15kl及びY3の10klの合計25klとの組み合わせ」を対照すれば、「*6 X1の20kl及びX2の5klと、Y1の15kl及びY3の10klの合計25klとの組み合わせ」は、提供期限が迫っている「X2の5kl」と補給期限(購入期限)が迫っている「Y3の10kl」を含み、提供期限が迫っている「X2の5kl」の解消と補給期限(購入期限)が迫っている「Y3の10kl」の解消との両方に有効であることが評価できる。
【0055】
また、ステップS240では、油種・数量以外の条件で、予め定められている物理的制限を満たすことができない、抽出したマッチング可能な備蓄燃料提供情報と燃料補給注文情報との組み合わせについても評価される。例えば、燃料常用者30であるY1~Y6のうちのY6だけがその燃料常用設備31の補給タンク情報に含まれる所在位置情報から、現状における全ての備蓄燃料保有者20であるX1,X2それぞれの非常用電源設備21の備蓄タンク情報に含まれる所在位置情報に対して予め設定されている配送最大距離以上離れていると評価された場合は、ステップS220で抽出された「*4 X1の20klと、Y6の20klとの組み合わせ」は、許容可能な組み合わせでないと評価される。
【0056】
なお、これら配送距離,提供期限,補給期限,物理的制限,等の評価は、ステップS220で、
**1 X2の5klとY1の15klとの組み合わせ、
**2 X2の5klとY2の10klとの組み合わせ、
**3 X2の5klとY3の10klとの組み合わせ、
といった、回収の全実行及び補給の一部実行を優先させるマッチングも許容する設定になっている場合等にも適用可能である。また、このような設定にした場合は、提供条件の油種と補給条件の油種とが一致した上で、提供条件の数量と補給条件の数量とが一致する組み合わせと一致しない組み合わせとが併存して抽出されることが起こり得るので、提供条件の数量と補給条件の数量との一致・不一致についてもさらに評価するようにしてもよい。
【0057】
その上で、これら配送距離,提供期限,補給期限,物理的制限,等といった評価の各項目は、取引管理システム10においては、評価に使用する1又は複数の項目を係員が選択設定可能になっており、さらに複数の項目が選択設定された場合には、各項目毎の優先使用順も設定可能になっている。
【0058】
このようにして、ステップS240で、抽出したマッチング可能な備蓄燃料提供情報と燃料補給注文情報との組み合わせについて、油種・数量以外の条件の評価を行うと、備蓄燃料の取引管理システム10は、制御部17が、評価の結果、許容可能な組み合わせがあるか否かを判断し(S250)、組み合わせがあった場合には(S250、Yes)、ステップS251以降のマッチング・選定処理を行い、組み合わせがなかった場合には(S250、No)、ステップS251以降のマッチング・選定処理を行わずに、今回のマッチング・選定処理を終了する。
【0059】
なお、上記ステップS240では、油種・数量以外の条件として販売期限,補給期限,配送距離といった項目について評価して選定処理を行ったが、選定のための評価条件はこれらの項目だけに限られるものではない。例えば、他の評価条件の一例として、実行注文記憶部16に記憶されている記憶内容を基に、備蓄燃料保有者毎の回収注文頻度(提供頻度)や回収注文総量(提供総数量)、燃料常用者毎の補給注文頻度や補給注文総量から得意先であるか否かを判断し、その判断結果を評価条件とすることも可能である。
【0060】
ステップS251では、備蓄燃料の取引管理システム10は、その出力機器である表示機器に、抽出したマッチング可能な備蓄燃料提供情報と燃料補給注文情報との許容可能な組み合わせ、及び許容可能な最適な組み合わせを表示する。
【0061】
例えば、前述した例の場合、表示機器の表示画面には、許容可能な組み合わせでないと評価された「*4 X1の20klと、Y6の20klとの組み合わせ」を除いた、
*1 X1の20klと、Y2の10kl及びY3の10klの合計20klとの組み合わせ、
*2 X1の20klと、Y4の20klとの組み合わせ、
*3 X1の20klと、Y5の20klとの組み合わせ、
*4 X1の20kl及びX2の5klと、Y1の15kl及びY2の10klの合計25klと の組み合わせ、
*5 X1の20kl及びX2の5klと、Y1の15kl及びY3の10klの合計25klと の組み合わせ、
・・・・・
が表示され、許容可能な最適な組み合わせとして、一例として、
◇「*2 X1の20klと、Y4の20klとの組み合わせ」の表示に対応させて、「配 送距離が最適」の表示、
◇「*4 X1の20kl及びX2の5klと、Y1の15kl及びY2の10klの合計25k lとの組み合わせ、」等の、「X2の5kl」を含む組み合わせの表示に対応させて、 「提供期限が最適」の表示、
◇「*5 X1の20kl及びX2の5klと、Y1の15kl及びY3の10klの合計25k lとの組み合わせ」等の、「Y3の10kl」を含む組み合わせの表示に対応させて、 「補給期限が最適」の表示、
が表示される。
【0062】
このようにして、ステップS251で、これら抽出したマッチングする備蓄燃料提供情報と燃料補給注文情報との許容可能な組み合わせの結果が得られると、備蓄燃料の取引管理システム10は、その中から所望の1つの組み合わせの設定入力が行われたか否かを判断し(S252)、設定が行われた場合には(S252、Yes)、ステップS253以降のマッチング・選定処理を行うようになっている。
【0063】
この場合、所望の1つの組み合わせの設定入力は、取引管理システム10における表示機器の表示画面を参照しながら入力機器を操作してマニュアル設定することも、予め設定してある設定条件に従って取引管理システム10が自動設定することも可能である。自動設定する場合の設定条件としては、前述した配送距離、提供期限(販売期限)、補給期限(購入期限)等の評価観点毎の優先順や、全ての評価観点についての総合評価の順位、等が利用できる。例えば、評価観点毎の最適評価の取得数を設定条件とすれば、前述した例の場合では、提供期限が迫っている「X2の5kl」と補給期限(購入期限)が迫っている「Y3の10kl」を含み、2つの評価観点で最適評価を取得した「*5 X1の20kl及びX2の5klと、Y1の15kl及びY3の10klの合計25klとの組み合わせ」を所望の1つの組み合わせとして自動設定できる。
【0064】
ステップS252で、所望の、1つのマッチングする備蓄燃料提供情報と燃料補給注文情報との許容可能な組み合わせの設定入力が行われると、備蓄燃料の取引管理システム10は、制御部17が、設定された所望の組み合わせを、図1では図示省略した回収・配送者への配車手配記憶部に登録し(S253)、通信部11から、設定された備蓄燃料提供情報と燃料補給注文情報との組み合わせを実行するためのタンクローリー車の配車手配を燃料回収・配送者40それぞれの端末装置43に向けて送信し、回収・配送に用いる燃料回収設備41の手配、すなわちタンクローリー車の配車手配を行う(S254)。なお、この場合、手配の後先と、燃料回収・配送者40からの応答の後先とが異なる虞があるので、手配の送信に当たっては送信番号を付すようにして、1の手配とこの1の手配に対応する応答とのマッチングを取れるようになっている。
【0065】
それから、備蓄燃料の取引管理システム10は、制御部17が、設定された所望の組み合わせに該当する備蓄燃料保有者20からの備蓄燃料の回収注文がダブルブッキングされないように備蓄燃料回収注文記憶部14から記憶削除し、備蓄燃料回収注文記憶部14を記憶更新する(S255)。
【0066】
同様に、備蓄燃料の取引管理システム10は、制御部17が、設定された所望の組み合わせに該当する燃料常用者20からの備蓄燃料の補給注文がダブルブッキングされないように燃料補給注文記憶部15から記憶削除し、燃料補給注文記憶部15を記憶更新する(S256)。
【0067】
なお、ステップS220で回収の全実行及び補給の一部実行が可能な組み合わせのマッチングも許容する設定になっている場合は、ステップS252で、そのうちの所望の組み合わせの設定入力が行われると、ステップS256では、該当の燃料常用者20からの備蓄燃料の補給注文の数量に未補給の数量すなわち残量が生じる場合は、補給注文自体は残量が無くなるまで燃料補給注文記憶部15から削除されず、この残量が以降の補給が必要な数量として更新記憶されることになる。
【0068】
そして、備蓄燃料の取引管理システム10は、備蓄燃料保有者20からの備蓄燃料の回収注文の受信に基づくマッチング・選定処理を終了し、備蓄燃料保有者20からの備蓄燃料の回収注文を受信したか否か(S200)、燃料常用者30からの燃料の補給注文を受信したか否か(S300)、燃料回収・配送者40からの手配回答を受信したか否か(S400)の確認処理に戻る。
【0069】
これに対し、備蓄燃料の取引管理システム10は、ステップS300で燃料常用者30からの燃料の補給注文を受信したことを検出した場合は、図3のステップS310以降に示すようなマッチング・選定処理を行う。ステップS310以降に示すマッチング・選定処理は、上述したステップS210以降に示すマッチング・選定処理と、所望の1つのマッチングする備蓄燃料提供情報と燃料補給注文情報との許容可能な組み合わせを備蓄燃料保有者20からの備蓄燃料の回収注文に基づき得るか、燃料常用者30からの燃料の回収注文に基づき得るかが異なるだけで実質的に同じである。
【0070】
例えば、ステップS300で、燃料常用者30であるY7から20klの軽油の補給依頼である補給注文を受信した際に、燃料補給注文記憶部15に燃料常用者30であるY8から5klの軽油の補給依頼が既にあり、備蓄燃料回収注文記憶部13に備蓄燃料保有者20であるX3,X4,X5,X6,X7,X8それぞれからの軽油についての15kl,10kl,10kl,20kl,20kl,20klの回収注文が蓄積記憶されていた場合、ステップS320では、
*1 Y7の20klと、X4の10kl及びX5の10klの合計20klとの組み合わせ、
*2 Y7の20klと、X6の20klとの組み合わせ、
*3 Y7の20klと、X7の20klとの組み合わせ、
*4 Y7の20klと、X8の20klとの組み合わせ、
*5 Y7の20kl及びY8の5klの合計25klと、X3の15kl及びX4の10klの 合計25klとの組み合わせ、
*6 Y7の20kl及びY8の5klの合計25klと、X3の15kl及びX5の10klの 合計25klとの組み合わせ、
・・・・・
といった、補給条件の油種、数量と提供条件の油種、数量とがマッチング可能な燃料補給注文情報と備蓄燃料提供情報との組み合わせが抽出される。
【0071】
ここで、ステップS320で抽出される、補給条件の油種、数量と提供条件の油種、数量とがマッチング可能な燃料補給注文情報と備蓄燃料提供情報との組み合わせの数は、ゼロである場合も、1以上である場合も含む。また、その組み合わせも、上記したように、1つの燃料補給注文情報と1つの備蓄燃料提供情報との対応の組み合わせに限られない。
【0072】
また、マッチング可能な燃料補給注文情報と備蓄燃料提供情報との組み合わせの他の例として、例えばステップS320で補給の全実行及び回収の一部実行を優先させるマッチングも許容する設定にしておけば、補給条件の油種と提供条件の油種とが一致さえしていれば補給条件の数量と提供条件の数量とは必ずしも一致していない組み合わせも、マッチング可能な燃料補給注文情報と備蓄燃料提供情報との組み合わせとして取り扱うようにすることができる。この場合では、先に燃料常用者30であるY8から5klの軽油の補給注文があったときに仮に備蓄燃料保有者20であるX3からの15kl,X4からの10kl,X5からの10klのそれぞれ提供依頼を既に受信していたときには、
**1 Y8の5klと、X3の15klとの組み合わせ、
**2 Y8の5klと、X4の10klとの組み合わせ、
**3 Y8の5klと、X5の10klとの組み合わせ、
を、油種が同じで数量が補給条件の数量(5kl)以上の補給条件との組み合わせとして抽出することができる。このようにすれば、燃料常用者30であるY8から5klの軽油の補給注文を受けたときに、5kl以上の数量の提供を希望している備蓄燃料保有者20(X3,X4,X5)にとっては、提供条件の数量全部には満たないものの、Y8から補給注文された燃料(5kl)のうちの一部(5kl)として回収されることが速やかに可能となる。また、燃料常用者30であるY8にとっては、補給注文の発信後の補給待ち期間が短くなる。
【0073】
なお、この場合の組み合わせも、上記したような1つの備蓄燃料提供情報と1つの燃料補給注文情報との対応の組み合わせであることに限られない。例えば、燃料常用者30であるY8から軽油の補給注文の数量が5klではなく20klであった場合に、Y8からの補給注文の受信時に既に備蓄燃料保有者20であるX3からの15kl,X4からの10kl,X5からの10klのそれぞれ提供依頼を既に受信していたときには、
*1 Y8の20klと、X3の15kl及びX4の10klの合計25klとの組み合わせ、
*2 Y8の20klと、X3の15kl及びX5の10klの合計25klとの組み合わせ、
*3 Y8の20klと、X4の10kl及びX5の10klの合計20klとの組み合わせ、
*4 Y8の20klと、X3の15kl,X4の10kl及びX5の10klの合計35klと の組み合わせ、
といった、油種が同じで数量が補給注文の数量以上になるような提供条件との組み合わせが抽出されることになる。この場合も、組み合わせで抽出された備蓄燃料保有者20(X3~X5のうちの該当者)は、回収注文の全部又はその一部について速やかに回収を受けることが可能となる。また、燃料常用者30であるY8とっては、回収注文の発信後から回収待ちまでの期間が短くなる。
【0074】
さらに、上述した燃料補給注文情報と備蓄燃料提供情報との対応の組み合わせ(上記*1~*4の組み合わせ)のいずれとも、油種が同じで数量が補給注文の数量以上になるような提供条件との組み合わせになっている。これにより、燃料常用者30にとっては、一度の補給で補給タンクを速やかに補給注文の数量にすることができるようになる。さらに、油種が同じで数量が補給注文の数量以上になるような提供条件(例えば、*1のX3の15kl及びX4の10klの合計25kl)から、補給注文の数量(例えば、Y8の20kl)と同じ数量だけしか回収しない(例えば、X3の15kl及びX4の5klの合計20kl)ようにすることによって、燃料回収・配送者40にとっては、備蓄燃料保有者20の備蓄タンクから回収した燃料の全てをすぐさま燃料常用者30の補給タンクに補給することができるので、1つの組み合わせに対応した燃料の回収及び補給作業後は常に、その回収及び補給に使用したタンクローリー車の荷室を空に戻しておくことができ、タンクローリー車の配車管理等が行い易くなる。
【0075】
このように、本実施例の備蓄燃料の取引管理システム10では、備蓄燃料保有者20からの備蓄燃料の回収注文又は燃料常用者30からの燃料の回収注文によって備蓄燃料回収注文記憶部14又は燃料補給注文記憶部15のいずれかの記憶内容が変化する度に、ステップS210以降に示すマッチング・選定処理又はステップS310以降に示すマッチング・選定処理が行われる構成になっている。これにより、備蓄燃料保有者20からの備蓄燃料の回収注文及び燃料常用者30からの燃料の回収注文に対して、迅速かつ的確に、回収・配送に用いる燃料回収設備41の手配、すなわちタンクローリー車の配車手配を行えるようになっている。
【0076】
一方、備蓄燃料の取引管理システム10は、図2図3に示したマッチング・選定処理のステップS254,S354で燃料回収・配送者40それぞれに送信した回収・配送に用いる燃料回収設備41の手配に応答して、いずれかの燃料回収・配送者40からの手配回答を通信部11が受信すると(S400)、制御部17が、図4のステップS410以降に示すような手配回答に対する対応処理を行う。
【0077】
ステップS410では、備蓄燃料の取引管理システム10は、受信した手配回答を、図2図3に示したマッチング・選定処理のステップS253,S353で説明した配車手配記憶部において、回答に対応する備蓄燃料提供情報と燃料補給注文情報との組み合わせに対応づけて記録する。この場合、受信した手配回答には、燃料回収・配送者40の回収・配送者情報や使用するタンクローリー車の車両情報や回収・配送の作業予定日等の作業計画情報等が含まれている。
【0078】
ステップS420では、備蓄燃料の取引管理システム10は、受信した手配回答が、手配回答に対応する備蓄燃料提供情報と燃料補給注文情報との組み合わせが実行可能な回答であるかを確認し、実行可能な回答である場合には(S420、Yes)、ステップS441以降の手配回答に対する対応処理を行い、実行可能な回答ではない場合には(S420、No)、ステップS430で示す、手配回答が未受信の燃料回収・配送者40があるか否かの確認処理を、ステップS410で配車手配記憶部に記憶してある手配回答を参照して行う。なお、ステップS420における、実行可能な回答ではない場合の例としては、例えば、作業計画情報における作業予定日が提供期限(販売期限)若しくは補給期限(購入期限)を過ぎている等の手配回答が挙げられる。
【0079】
ステップS430で手配回答が未受信の燃料回収・配送者40がない場合には、備蓄燃料の取引管理システム10は、備蓄燃料回収注文記憶部14に、ステップS400で受信した手配回答に対応する備蓄燃料提供情報と燃料補給注文情報との組み合わせのうちの備蓄燃料回収注文を備蓄燃料回収注文記憶部14に再登録し(S431)、燃料補給注文を備蓄燃料回収注文記憶部15に再登録する(S432)。これにより、燃料回収設備41の手配ができなかった手配備蓄燃料提供情報と燃料補給注文情報との組み合わせについては、再び図2図3に示したマッチング・選定処理で、別の備蓄燃料回収注文や燃料補給注文との組み合わせが可能になる。そして、これに伴い、備蓄燃料の取引管理システム10は、配車手配記憶部における回答待ちの備蓄燃料提供情報と燃料補給注文情報との組み合わせの中からこの燃料回収設備41の手配ができなかった手配備蓄燃料提供情報と燃料補給注文情報との組み合わせを削除して、配車手配記憶部の記憶内容を更新する(S433)。
【0080】
その後、備蓄燃料の取引管理システム10は、今回の手配回答に対する対応処理を終了させて、備蓄燃料保有者20からの備蓄燃料の回収注文を受信したか否か(S200)、燃料常用者30からの燃料の補給注文を受信したか否か(S300)、燃料回収・配送者40からの手配回答を受信したか否か(S400)の確認処理に戻る。
【0081】
また、ステップS430で手配回答が未受信の燃料回収・配送者40がある場合も、備蓄燃料の取引管理システム10は、今回の手配回答に対する対応処理を終了させて、備蓄燃料保有者20からの備蓄燃料の回収注文を受信したか否か(S200)、燃料常用者30からの燃料の補給注文を受信したか否か(S300)、燃料回収・配送者40からの手配回答を受信したか否か(S400)の確認処理に戻る。この場合は、この備蓄燃料提供情報と燃料補給注文情報との組み合わせは、別の燃料回収・配送者からの手配回答待ちの状態に戻る。
【0082】
一方、ステップS420で、受信した手配回答が、手配回答に対応する備蓄燃料提供情報と燃料補給注文情報との組み合わせが実行可能な回答である場合には(S420、Yes)、備蓄燃料の取引管理システム10は、ステップS441以降の手配回答に対する対応処理を行う。
【0083】
ステップS441では、取引管理システム10は、手配回答から実行可となった備蓄燃料提供情報と燃料補給注文情報との組み合わせを実行注文記憶部16に登録する。そして、取引管理システム10は、手配回答を受けた燃料回収・配送者40へ、手配回答の作業計画情報に基づくタンクローリー車による燃料回収・配送の依頼を、連絡する(S442)。
【0084】
そして、ステップS443では、取引管理システム10は、手配回答が未受信の燃料回収・配送者があるか否かを確認し、手配回答が未受信の燃料回収・配送者がある場合には(S443、Yes)、これら未受信の燃料回収・配送者へ、この手配ができた備蓄燃料提供情報と燃料補給注文情報との組み合わせについてのタンクローリー車の配車手配の終了の連絡する(S444)。
【0085】
それから、取引管理システム10は、この実行可となった備蓄燃料提供情報と燃料補給注文情報との組み合わせの備蓄燃料保有者20に、燃料回収・配送者40の手配回答の作業計画情報に基づいた回収実行計画を作成し、通信部11を用いて送信する(S445)。
【0086】
また、取引管理システム10は、実行可となった備蓄燃料提供情報と燃料補給注文情報との組み合わせの燃料常用者30に、燃料回収・配送者40の手配回答の作業計画情報に基づいた補給実行計画を作成し、通信部11を用いて送信する(S446)。
【0087】
これにより、該当する備蓄燃料保有者20及び燃料常用者30は、自身が行った燃料回収注文や燃料補給注文が実行されることを理解でき、回収実行計画や補給実行を知ることができる。特に、備蓄燃料保有者20は、回収実行計画が明らかになることによって、新油燃料の燃料配送システム50にアクセスして、回収される備蓄タンクについての備蓄用の新油燃料の配送・補給の注文を、明確な発注形態で行える。
【0088】
なお、この新油燃料の燃料配送システム50への発注については、備蓄燃料保有者20の代わりに、取引管理システム10が自動で代行し、燃料配送システム50からの受注回答を備蓄燃料保有者20に報告する構成とするようにしてもよい。このようにすれば、備蓄燃料保有者20の備蓄燃料の新油燃料との交換作業を、一層、容易することができる。
【0089】
その後、ステップS447では、取引管理システム10は、配車手配記憶部における回答待ちの備蓄燃料提供情報と燃料補給注文情報との組み合わせの中からその実行が可能になった手配備蓄燃料提供情報と燃料補給注文情報との組み合わせを削除して、配車手配記憶部の記憶内容を更新する(S433)。そして、取引管理システム10は、今回の手配回答に対する対応処理を終了させて、備蓄燃料保有者20からの備蓄燃料の回収注文を受信したか否か(S200)、燃料常用者30からの燃料の補給注文を受信したか否か(S300)、燃料回収・配送者40からの手配回答を受信したか否か(S400)の確認処理に戻る。
【0090】
本実施例の備蓄燃料の取引管理システム10によれば、備蓄燃料保有者20は、新油との交換で不要になる備蓄燃料について、廃油処理を行って貰わずとも、燃料常用者30に提供してリサイクル使用して貰うことができるので、廃油処理コストを大幅に低減させることができる。また、燃料常用者30は、新油の補給調達よりも低コストで品質の劣化していない燃料を調達することができるので、燃料常用設備31の運転コストを低減させることができる。
【0091】
本実施例の備蓄燃料の取引管理システム10は、以上説明したように構成されるが、種々の変形例が可能である。例えば、一例として、マッチング・選定処理では、備蓄燃料保有者20の備蓄燃料の提供価格や燃料常用者30の燃料の購入価格が一律の場合を前提にして、ステップS240,S340における、抽出したマッチング可能な備蓄燃料提供情報と燃料補給注文情報との組み合わせの評価においては、これら備蓄燃料の提供価格や燃料の購入価格、さらには、備蓄燃料の回収注文の発注時から品質劣化が予想されるまでの猶予期間の長短は評価条件になっていないが、備蓄燃料保有者20の備蓄燃料の提供価格や燃料常用者30の燃料の購入価格をそれぞれの所望価格にして備蓄燃料の提供価格や燃料の購入価格をマッチングの評価条件に加えることや、猶予期間の長短をマッチングの評価条件に加えることも可能である。
【0092】
また、上記した実施例では、燃料常用者30の端末装置33から燃料の補給注文が送信される構成としたが、この補給注文を発信する端末装置33は、燃料常用者30の補給タンクに設けられている貯液管理装置であってもよい。貯液管理装置は、タンクに設けられた液量センサや液面センサの出力を基に、随時、タンク内の燃料の液量管理を行っている。そこで、取引管理システム10は、補給タンク内の燃料の在庫量が所定液量まで減ったときに貯液管理装置から自動送信される燃料の補給注文を受信する構成であってもよいし、貯液管理装置から燃料の補給注文の代わりに補給タンク内の燃料の在庫量情報を定期的に受信し、取引管理システム10側で、受信した在庫量情報が所定量を切ったか否かを判断し、所定量を切った場合にはその際に貯液管理装置から受信した在庫量情報を燃料の補給注文として取り扱うようにしてもよい。
【0093】
また、上記した実施例では、備蓄燃料の取引管理システム10は備蓄燃料の取引管理会社に備えられたコンピュータ装置で構成され、新油燃料の配送システム50は新油燃料の燃料供給会社に備えられた受注用のコンピュータ装置で構成され、燃料回収・配送者40は例えばコンピュータ装置からなる端末装置43を有し、各コンピュータ装置が通信ネットワーク90を介して接続されているものとして説明したが、例えば、新油燃料の燃料供給会社が備蓄燃料の取引管理会社を兼ねる場合は、備蓄燃料の取引管理システム10と新油燃料の配送システム50とは同一のコンピュータ装置で構成可能であり、また、複数の新油燃料の燃料供給会社それぞれが会社専用の燃料回収・配送者40を有する場合は、対応する備蓄燃料の取引管理システム10と燃料回収・配送者40の端末装置43とは同一のコンピュータ装置で構成可能である。そして、新油燃料の燃料供給会社が備蓄燃料の取引管理会社を兼ねる場合は、備蓄燃料の取引管理システム10は、備蓄燃料保有者20からの新油燃料の配送システム50に対する新油の配送注文を、備蓄燃料保有者20からの備蓄燃料の回収注文として取り扱うことも可能になる。また、複数の新油燃料の燃料供給会社それぞれが会社専用の燃料回収・配送者40を有する場合は、備蓄燃料の取引管理システム10は、燃料回収・配送者40それぞれに送信する燃料回収設備41の手配で新油燃料の配送システム50に対する新油の配送注文を一緒に行うことも可能になる。
【0094】
また、備蓄燃料の取引管理システム10が、備蓄燃料の取引管理システム10が記憶している前回の回収注文の発生時期からの経過期間を基に、取引管理システム10が備蓄燃料保有者20の非常用電源設備21の備蓄燃料の交換時期を管理することも可能である。この場合、備蓄燃料の取引管理システム10は、交換時期が近づいたときには、備蓄燃料保有者20からの備蓄燃料の回収注文の送信によらずに、備蓄燃料保有者20からの備蓄燃料の回収注文を受信したこととして取り扱うことによって、備蓄燃料の提供を行えるようにすることも可能である。
【0095】
さらに、上記の実施例では、備蓄燃料取引システムは、備蓄燃料保有者20それぞれから備蓄燃料の回収注文、燃料常用者30から燃料の補給注文を受信していたが、備蓄燃料保有者20それぞれの備蓄燃料の情報や燃料常用者30それぞれの燃料情報を把握している業者からの個別の回収注文や補給注文を受信して、マッチングする備蓄燃料保有者20と燃料常用者30の組み合わせを抽出するようにしてもよい。
【0096】
このように、本開示の備蓄燃料の取引管理システムは、実施例特有の具体的な構成に限定されるものではなく、備蓄燃料保有者からの備蓄燃料の回収注文を受信する回収注文受信部と、燃料常用者からの燃料の補給注文を受信する補給注文受信部と、前記回収注文受信部で受信した備蓄燃料の回収注文を蓄積記憶する備蓄燃料回収注文記憶部と、前記補給注文受信部で受信した燃料の補給注文を蓄積記憶する燃料補給注文記憶部と、前記備蓄燃料回収注文記憶部に記憶されている備蓄燃料の回収注文それぞれの提供条件と前記燃料補給注文記憶部に記憶されている燃料の補給注文それぞれの補給条件とを照合し、提供条件と注文条件とがマッチングする回収注文と補給注文との組み合わせを抽出して評価し、燃料の回収及び補給が実行可能な回収注文と補給注文との組み合わせを選定する制御部と、を備えていれば、その技術範囲に含まれることは明らかである。
【符号の説明】
【0097】
10 備蓄燃料の取引管理システム、
11 通信部、
12 備蓄者関係情報記憶部、
13 常用者関係情報記憶部、
14 備蓄燃料回収注文記憶部、
15 燃料補給注文記憶部、
16 実行注文履歴記憶部、
17 制御部、
20 備蓄燃料保有者、
21 非常用電源設備、
23 端末装置、
30 燃料常用者、
31 燃料常用設備、
33 端末装置、
40 燃料回収・配送者、
41 燃料回収設備(タンクローリー車)、
50 燃料配送システム、
90 ネットワーク。


図1
図2
図3
図4