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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-24
(45)【発行日】2024-02-01
(54)【発明の名称】情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20240125BHJP
   G01G 19/415 20060101ALI20240125BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20240125BHJP
   B41J 5/30 20060101ALN20240125BHJP
   B41J 3/36 20060101ALN20240125BHJP
【FI】
B41J29/38 202
G01G19/415 Z
H04N1/00 127B
B41J5/30 B
B41J3/36 Z
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020095407
(22)【出願日】2020-06-01
(65)【公開番号】P2021037743
(43)【公開日】2021-03-11
【審査請求日】2023-05-09
(31)【優先権主張番号】P 2019158490
(32)【優先日】2019-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000130581
【氏名又は名称】サトーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000165
【氏名又は名称】弁理士法人グローバル・アイピー東京
(72)【発明者】
【氏名】吉田 富士夫
(72)【発明者】
【氏名】中山 暢之
【審査官】牧島 元
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-147335(JP,A)
【文献】特開2016-146117(JP,A)
【文献】特開2013-132841(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/38
G01G 19/415
H04N 1/00
B41J 5/30
B41J 3/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部機器と、当該外部機器との間で所定の通信プロトコルに従って通信可能なプリンタと、を含む情報処理システムであって、
前記外部機器は、前記プリンタにおいて印字対象となる文字列を含むデータを前記プリンタに送信するデータ送信部を備え、
前記プリンタは、
前記外部機器から前記データを受信するデータ受信部と、
前記データ受信部が受信するデータに含まれる文字列の抽出方法に関する情報である抽出設定情報を取得する取得部と、
前記外部機器からデータを受信した場合に、前記取得部によって取得される抽出設定情報に基づいて、受信したデータから文字列を抽出する抽出部と、
前記抽出部によって抽出された文字列を印字媒体に印字する印字部と、を備え、
前記外部機器は、物体の重量を計測する計測部を備えた計量器であって、
前記データ送信部は、計測部による計測結果の変動が所定値以内となった時点で、計測値を文字列として含むデータを前記プリンタに送信する、
情報処理システム。
【請求項2】
前記取得部は、それぞれ文字列の抽出方法が異なる複数の抽出設定情報を取得し、
前記抽出部は、前記外部機器から受信したデータのデータ形式に対応する抽出設定情報を前記複数の抽出設定情報の中から選択し、選択した抽出設定情報に基づいて前記データから文字列を抽出する、
請求項に記載された情報処理システム。
【請求項3】
前記外部機器は、コードを読み取るスキャナであって、
前記データ送信部は、読み取られたコードに対応する文字列を含むデータを前記プリンタに送信する、
請求項又はに記載された情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ、プログラム、および、情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
店舗等で肉や惣菜等の商品の量り売りを行うときには、商品の重量の計測結果をラベルに印字し、印字したラベルを商品に貼付することが行われている。その際に、計量器による重量の測定結果をプリンタに対して無線により送信し、プリンタが受信した測定結果をラベルに印字するようにしたものが知られている。
例えば特許文献1には、上部ケースと下部ケースの上下二段重ねの分離されたケースを有する計量印字装置が記載されている。上部ケースには、ロードセルと回路部とに給電するバッテリと、回路部が出力するデジタル重量信号を無線で送信する送信部とが設けられる。下部ケースには、デジタル重量信号を無線で受信部と、受信したデジタル重量信号に基づいて印字データを出力する制御部と、その印字データに基づいてラベル又はレシートに所定事項を印字するプリンタと、制御部とプリンタとに電力を供給する電源回路とが設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-177561号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した従来のプリンタが受信するデータ(デジタル重量信号)のデータ形式は特定の形式に限られており、それ以外のデータ形式の場合には正しい重量を印字することができない。そのため、プリンタが受信するデータのデータ形式を変更する場合には、例えばプリンタドライバを変更しなければならない等、柔軟な対応が難しい。
【0005】
そこで、本発明は、印字対象を含むデータを受信するプリンタにおいて、受信するデータのデータ形式が変更される場合であっても、煩雑な操作を行うことなく、印字対象を適切に印字するようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様は、外部機器と、当該外部機器との間で所定の通信プロトコルに従って通信可能なプリンタと、を含む情報処理システムである。前記外部機器は、前記プリンタにおいて印字対象となる文字列を含むデータを前記プリンタに送信するデータ送信部を備える。前記プリンタは、前記外部機器から前記データを受信するデータ受信部と、前記データ受信部が受信するデータに含まれる文字列の抽出方法に関する情報である抽出設定情報を取得する取得部と、前記外部機器からデータを受信した場合に、前記取得部によって取得される抽出設定情報に基づいて、受信したデータから文字列を抽出する抽出部と、前記抽出部によって抽出された文字列を印字媒体に印字する印字部と、を備える。前記外部機器は、物体の重量を計測する計測部を備えた計量器である。前記データ送信部は、計測部による計測結果の変動が所定値以内となった時点で、計測値を文字列として含むデータを前記プリンタに送信する
【発明の効果】
【0007】
本発明のある態様によれば、印字対象を含むデータを受信するプリンタにおいて、受信するデータのデータ形式が変更される場合であっても、煩雑な操作を行うことなく、印字対象を適切に印字するようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1の実施形態に係る情報処理システムのシステム構成図である。
図2】第1の実施形態に係るプリンタによってラベルを発行するときの状態を示す図である。
図3】第1の実施形態に係るプリンタの印字動作を説明する図である。
図4】第1の実施形態に係る情報処理装置のプロジェクトファイル作成画面の一例を示す図である。
図5】第1の実施形態においてスキャナから取得するデータのデータ形式を例示する図である。
図6】第1の実施形態に係る情報処理装置においてデータの入力方法の設定を行う手順を示す図である。
図7】第1の実施形態に係る情報処理装置においてデータの入力方法の設定を行う手順を示す図である。
図8】第1の実施形態に係る情報処理装置においてデータの入力方法の設定を行う手順を示す図である。
図9】第1の実施形態に係る情報処理装置において呼出しテーブルを表示する手順を示す図である。
図10】第1の実施形態に係る情報処理装置においてサーバにフォーマットファイルをアップロードする手順を示す図である。
図11】第1の実施形態に係るプリンタの表示画面の遷移を示す図である。
図12】第1の実施形態に係るデータ配信システムの各装置のブロック図である。
図13】第1の実施形態に係るデータ配信システムにおいてラベルを発行するときのシーケンスチャートである。
図14】第2の実施形態に係るプリンタによってラベルを発行するときの状態を示す図である。
図15】計量器から送信されるデータについて異なるデータ形式を例示する図である。
図16】第2の実施形態に係るデータ配信システムにおいて異なるデータ形式に対する設定の違いを説明する図である。
図17】第2の実施形態に係るデータ配信システムの各装置のブロック図である。
図18】第2の実施形態に係るプリンタにおいて異なるデータ形式のデータに基づいて発行されたラベルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の説明において「オブジェクト」とは、例えば、印字媒体の印字有効範囲内の所定領域で規定され、当該所定領域内に印字対象として文字列およびコードのうち少なくともいずれかを含むものである。ユーザが印字媒体における印字内容を決定するときに、オブジェクトは印字有効範囲内で移動可能であることが好ましい。オブジェクトが印字有効範囲内で移動した場合には、オブジェクトに含まれる文字列やコードも移動することになる。オブジェクトに含まれる印字対象として、文字列又はコードに限定するものではなく、それに加えて図形、記号若しくはマーク等を含むものであってもよい。
【0010】
(1)第1の実施形態
(1-1)システム概要
以下、本発明の情報処理システムの一実施形態であるデータ配信システム1について、図1図3を参照して説明する。図1は、本実施形態に係るデータ配信システム1のシステム構成図である。図2は、本実施形態のプリンタによってラベルを発行するときの状態を示す図である。図3は本実施形態に係るプリンタの印字動作を説明する図である。
【0011】
図1に示すように、本実施形態のデータ配信システム1では、例えばインターネット、LAN(Local Area Network)等のネットワークNWを介して、情報処理装置2とプリンタ3がサーバ5に接続されている。プリンタ3とスキャナ6(外部機器の一例)は、近距離無線通信が可能である。近距離無線通信方法は様々なプロトコルが知られており、特定のプロトコルに限定するものではないが、例えば、Bluetooth(登録商標)である。Bluetooth(登録商標)以外にNFC(Near field communication)であってもよい。
なお、以下の説明では、外部機器の一例としてスキャナ6を挙げて説明するが、外部機器はその限りではなく、LAN(Local Area Network)装置等であってもよい。外部機器は、プリンタ3との間で無線通信を行う機器に限られず、USB(Universal Serial Bus)ケーブル等の有線によって行われる通信機器、あるいはUSBメモリデバイス等、プリンタ3のコネクタに直接接続される機器であってもよい。
本実施形態の例では、データ配信システム1は、店舗を運営する販売業者によって運用され、店舗で販売する商品にラベルを発行するためのシステムである。なお、本実施形態では、ラベルが発行される場所が店舗である場合を例として説明するが、工場等でラベルが発行されてもよい。
【0012】
販売業者の本部には情報処理装置2が配置される。情報処理装置2(以下、「PC2」という。)は、例えばパーソナルコンピュータやタブレット端末等のコンピュータ装置である。店舗にはプリンタ3が配置される。なお、図1には、1台のプリンタ3のみを示すが、その限りではなく、複数の店舗が運営される場合には、各店舗にプリンタ3が配置される。
本部では,PC2を使用してラベルの基本的なレイアウトデザインを設計する。各店舗では、本部から提供されるラベルのレイアウトデザインを基に、プリンタ3を用いて商品に貼付するラベルを発行する。
【0013】
PC2には、ラベルのレイアウトデザインについてのデータのほか、ラベルに含まれる各項目のデータ、各種設定等を包含するプロジェクトファイルを作成するラベル作成アプリケーションプログラム(以下、適宜「ラベル作成アプリケーション」という。)がインストールされている。
プロジェクトファイルは、ラベルのレイアウトに関するデータの管理単位を示すファイルである。ユーザによるPC2に対する所定の操作に従って、プロジェクトファイルがPC2上でフォーマットファイルに変換され、フォーマットファイルがPC2からプリンタ3にサーバ5を介して配信される。つまり、ユーザの所定の操作に応じて情報処理装置2からサーバ5に対してフォーマットファイルがアップロードされ、所定のタイミングでサーバ5からプリンタ3にダウンロードされる。
【0014】
プリンタ3には、PC2から取得するフォーマットファイルを基にラベルを発行するラベル発行アプリケーションプログラム(以下、適宜「ラベル発行アプリケーション」という。)がインストールされている。ラベル発行アプリケーションを実行することで、ユーザ操作に応じて、ダウンロードしたフォーマットファイルから発行データが選択される。ラベル発行アプリケーションは、選択された発行データのうち少なくとも一部の項目のデータ(文字列)を、スキャナ6から取得するデータ(文字列)に変更した上で、ラベルを発行する。
【0015】
具体的には、図2に示すように、1又は複数の印字用マークMが印刷されたマーク表示用紙MPが店舗に予め用意される。各印字用マークMは、2次元コードと、当該2次元コードに対応する目視可能文字(ヒューマンリーダブル)(例えば、「豚バラ肉 03」)とを含む。いずれかの印字用マークMに対してユーザがスキャン操作を行うことで、スキャナ6により2次元コードが読み取られ、プリンタ3がスキャナ6との無線通信により読み取りデータを取得する。
印字用マークMを読み取ってラベルを発行することで、プリンタ3内には、各項目に対応する様々なデータ(文字列)を保存しておく必要がないという利点がある。また、いったんフォーマットファイルを取得すれば、その後は、オフラインでプリンタ3により様々な商品に対するラベルが発行可能になるという利点がある。
プロジェクトファイル、発行データについては後述する。
【0016】
本実施形態のデータ配信システム1において、プリンタ3としては、形態や印字方式等を限定する意図はないが、例示的な感熱式のプリンタ3について図2および図3を参照して説明する。
図2に示すように、本実施形態のプリンタ3は、筐体42とカバー43を備え、カバー43の上部には表示パネル34aが配置される。表示パネル34aは、例えばタッチパネル機能を備えた液晶表示パネルであり、カバー43が閉鎖した状態においてユーザに対する入出力インタフェースを提供する。
【0017】
図3に示すように、プリンタ3の内部には、収容室48にロール紙Rが収容される。ロール紙Rは、帯状の台紙上に予め決められた間隔毎に仮着された複数枚のラベルを有する連続紙Pがロール状に巻回されたものである。例えば、ラベルの表面には感熱発色層が形成され、ラベルの裏面には粘着層が形成され、当該粘着層が台紙の剥離面に付着した状態となっている。
カバー43は、端部にある軸部49を中心にして筐体42に対して揺動可能であり、収容室48を開放又は閉鎖する。ロール紙Rを収容室48に収容するには、カバー43を開放状態とする。
【0018】
図3に示すように、筐体42の搬送方向下流側には、プラテンローラ45が正逆方向に回動自在の状態で軸支されている。プラテンローラ45は、ロール紙Rから繰り出される連続紙Pを搬送する搬送手段であり、連続紙Pの幅方向に沿って延在した状態で形成されている。なお、プラテンローラ45は、ステッピングモータ(図示せず)等に機械的に連結されて駆動される。
【0019】
プリンタ3は、サーバ5からフォーマットファイルを受信し、後述するように、ユーザの操作に基づいて印字データを生成する。
サーマルヘッド46は、カバー43が閉鎖状態のときにプラテンローラ45と対向するように、カバー43に配置され、印字データに基づいて連続紙Pのラベル上に印字する。サーマルヘッド46の印字面には、通電により発熱する複数の発熱抵抗体(発熱素子)が連続紙Pの幅方向(ライン方向)に沿って並んで設置されている。サーマルヘッド46は、印字データの各ラインデータに応じて発熱素子を選択的に通電させてラベルの感熱発色層を変色させることにより印字する。
サーマルヘッド46によって印字された連続紙Pは、カバー43と閉鎖状態のときの筐体42とカバー43の隙間である排出口47(図2参照)からプリンタ3の外部に排出される(つまり、ラベルが発行される)。店舗の従業員は、排出口47から排出された連続紙Pの台紙からラベルを剥がし、当該ラベルを店舗内の商品に貼付する。
【0020】
(1-2)データ配信の流れ
次に、図4図10を参照して、PC2によってプロジェクトファイルが作成され、プリンタ3にフォーマットデータが配信されるまでの一連の流れについて説明する。
図4は、PC2のプロジェクトファイル作成画面の一例を示す図である。図5は、本実施形態においてスキャナ6から取得するデータのデータ形式を例示する図である。図6図8はそれぞれ、PC2においてデータの入力方法の設定を行う手順を示す図である。図9は、PC2において呼出しテーブルを表示する手順を示す図である。図10は、PC2においてサーバにフォーマットファイルをアップロードする手順を示す図である。
【0021】
図4は、ラベル作成アプリケーションを起動したときにPC2に表示されるPC画面G1(プロジェクトファイル作成画面)の一例である。プロジェクトファイル作成画面においてユーザは、ラベルの印字有効範囲に配置すべきオブジェクトを設定することで、プリンタ3によって発行されるラベルをデザインすることができる。
【0022】
ラベル作成アプリケーションでは、プロジェクトファイルによってデータが管理される。プロジェクトファイルは、前述したように、ラベル作成アプリケーションによって作成され、ラベルのレイアウトに関するデータの管理単位を示すファイルである。
【0023】
図4に示すように、PC画面G1は、指示ボタン群101、オブジェクトボタン群102、デザインウィンドウ103、プロジェクト設定部104、および、オブジェクトプロパティ設定部105を含む。
プロジェクト設定部104には、プロジェクトファイルに含まれるデータが階層構造で表示される。この階層構造で示すように、プロジェクトファイルは、呼出しテーブルと、レイアウトデータとを含む。
指示ボタン群101内のボタン操作を行うことで、プロジェクトファイルをストレージから読み出すこと、プロジェクトファイルをストレージに保存すること、あるいは、プロジェクトファイルをフォーマットファイルに変換してサーバ5にアップロードすること等が可能である。
【0024】
呼出しテーブル(印字用データの一例)は、プリンタ3のラベル発行アプリケーションにおいてラベルを印字するためのデータである。
レイアウトデータは、呼出しテーブルと組み合わせてプリンタ3でラベルを発行するためのデザインデータであり、例えば編集の際にPC画面G1のデザインウィンドウ103に表示される。
【0025】
デザインウィンドウ103は、ラベルの作成・編集エリアに相当し、この作成・編集エリア内にオブジェクトを配置・移動する操作を行うことで、ラベルがデザインされる。つまり、デザインウィンドウ103は、ラベルのレイアウトデザインを行うウィンドウである。本実施形態の例では、「品名」項目に対応するオブジェクトOBJ1、「加算値」項目に対応するオブジェクトOBJ2、「消費期限」項目に対応する日時オブジェクトであるオブジェクトOBJ3、および、「(INP-DEV)」項目(後述する)に対応するオブジェクトであるオブジェクトOBJ4の4つのオブジェクトを含むラベルがデザインされる場合が例示される。
ボタンb2(「入力画面」)を操作すると、デザインウィンドウ103に代えて、各オブジェクトに含まれる文字列又はコードを入力するウィンドウ(図示せず)が表示される。当該ウィンドウが表示された状態でボタンb1(「レイアウト」)を操作すると、デザインウィンドウ103の表示に戻る。
【0026】
なお、加算値とは、ラベル作成アプリケーションによって作成されたレイアウトデータの日時オブジェクトに設定される日付の値として、プリンタ3の基準日付に対して加算される値である。
商品に消費期限がある場合、ラベルのレイアウトデザインを作成する本部では、店舗に直接入荷される商品の消費期限を設定することが難しい場合があり、その場合には商品の消費期限は、プリンタ3の基準日付に対して加算値を加算することによって決定される。
加算値の単位として年、月、日、時のいずれかを選択可能である。以下の説明では、日単位の加算値を適宜「加算日」と表記する。
【0027】
オブジェクトボタン群102は、デザインウィンドウ103上のオブジェクトを選択して移動させる操作、あるいは、オブジェクトを新たに設定する操作を行う操作対象である。オブジェクトボタン群102では、オブジェクトとして文字列オブジェクト、価格オブジェクト、バーコードオブジェクト、日時オブジェクト、グラフィックオブジェクト等が選択可能である。オブジェクトの各種設定は、オブジェクトプロパティ設定部105において行うことが可能である。
図4に示す例では、選択されているオブジェクトOBJ1に対する各種設定をオブジェクトプロパティ設定部105において行うことができる。例えば、オブジェクトプロパティ設定部105の項目名(この例では「品名」)によって、デザインウィンドウ103内のレイアウトデザイン内で使用される項目が設定される。入力方法として「固定」、「発行時(データ)」、又は「参照・結合」のいずれかを選択可能である。
入力方法として「固定」が選択された場合には、「データ」の欄にセットされた値(この例では、「鶏もも肉」)が印字される設定であることを示し、入力方法として「発行時(データ)」が選択された場合には、「データ」の欄にセットされた初期値がプリンタ3のラベル発行アプリケーションにおいて変更可能であることを示す。入力方法として「参照・結合」が選択された場合には、他の項目のデータを参照するか、複数の項目のデータを結合することを示す。
【0028】
オブジェクトプロパティ設定部105において「参照・結合」が選択されたときには、詳細設定ボタンb3を操作することで詳細設定が可能になる。本実施形態では、この詳細設定において、データをスキャナ6から取得するための設定を行う。
【0029】
以下、データをスキャナ6から取得するための設定を行う手順について、図5図8を参照して説明する。
この例示的な手順では、スキャナ6から取得するデータのデータ形式が図5に示す形式である場合を想定する。つまり、図5に示すように、スキャナ6からの読み取りデータのデータ形式が以下の形式である場合を想定する。
[読み取りデータのデータ形式]
・桁数:22桁
・最初の1桁目から20桁目までが「品名」の値
・21桁目と22桁目の2桁が「加算値」の値
【0030】
PC画面G1のデザインウィンドウ103において、項目名が「(INP-DEV)」に対応するオブジェクトOBJ4が選択されるときの、オブジェクトプロパティ設定部105の表示態様を図6に示す。項目名が「(INP-DEV)」に対応するデータは、ラベルの発行時においてプリンタ3がスキャナ6から取得する読み取りデータであることを意味し、入力方法としては「発行時(データ)」が選択される。なお、図6のオブジェクトプロパティ設定部105のデータの欄に入力されているものは初期値に過ぎない。
【0031】
PC画面G1のデザインウィンドウ103において、項目名が「品名」に対応するオブジェクトOBJ1が選択されるときの、オブジェクトプロパティ設定部105の表示態様を図7に示す。ここで、入力方法として「参照・結合」を選択して詳細設定ボタンb3を操作すると、「種類」、「データ」、「開始桁」、「桁数」、および、「補填種別」からなる設定テーブルTL1が表示される。
設定テーブルTL1の「種類」フィールドの値は、固定又は参照のいずれかを示す。「データ」フィールドの値は、参照されるデータ、又は、ユーザによって入力される値のいずれかである。「開始桁」フィールドの値は、データを参照するときに当該データの何桁目から参照するかを指定する。「桁数」フィールドの値は、データを参照するときに当該データの開始桁から何桁目までを参照するかを指定する。「補填種別」フィールドの値は、データを参照するときに当該データが桁数に満たなかった場合の、桁の補填方法を指定する。
【0032】
図7に示す設定テーブルTL1の「データ」フィールドの値である「(INP-DEV)」は、ラベルの発行時にスキャナ6から取得したデータを参照することを示す。
【0033】
図7に示す設定テーブルTL1の「補填種別」フィールドの値である「左詰めスペース補填」は、データが入力桁数に満たない場合、実データの後ろに桁数分の半角スペースを補填することを意味する。
「補填種別」フィールドの値としては、「左詰めスペース補填」のほか、「右詰めスペース補填」、「右詰め0補填」が入力されうる。「右詰めスペース補填」は、データが入力桁数に満たない場合、実データの前に桁数分の半角スペースを補填することを意味する。「右詰め0補填」は、データが入力桁数に満たない場合、実データの前に桁数分の“0”を補填することを意味する。
図7に示す例では、図5のデータ形式の読み取りデータから品名の文字列を入力するために、設定テーブルTL1において入力されている「開始桁」および「桁数」の各フィールドの値は、読み取りデータの1桁目から20桁数分を参照(あるいは抽出)するように設定されている。
【0034】
PC画面G1のデザインウィンドウ103において、項目名が「加算値」に対応するオブジェクトOBJ2が選択されるときの、オブジェクトプロパティ設定部105の表示態様を図8に示す。ここで、入力方法として「参照・結合」を選択して詳細設定ボタンb3を操作すると、「種類」、「データ」、「開始桁」、「桁数」、および、「補填種別」からなる設定テーブルTL1が表示される。
項目名が「加算値」のデータも項目名が「品名」のデータと同様に、スキャナ6から取得したデータを参照するように設定される。図8に示す例では、図5のデータ形式の読み取りデータから加算値の文字列を入力するために、設定テーブルTL1において入力されている「開始桁」および「桁数」の各フィールドの値は、読み取りデータの21桁目から2桁数分を参照(あるいは抽出)するように設定されている。
【0035】
図7および図8に例示した設定テーブルTL1は、スキャナ6から受信するデータに含まれる文字列に対する抽出設定情報の一例である。
なお、読み取りデータのデータ形式が図5に例示した形式から変更される場合には、それに応じて、品名および加算値の各項目に対応する「開始桁」および「桁数」の各フィールドの値を変更することが必要である。
【0036】
次に、図9を参照して、呼出しテーブルについて説明する。
呼出しテーブルは、予め定義された項目に対して、ラベルに印字するためのデータを登録するためのデータテーブルである。
図9に示すように、プロジェクト設定部104の「呼出しテーブル」を操作する(例えば、ダブルクリックする)ことで呼出しテーブルTL2が表示される。この例示的な呼出しテーブルTL2では、「呼出しNo.」と「呼出し名」と「レイアウト指定」の各フィールドに加え、定義済みの「品名」、「内容量」、「加算値」、「消費期限」の4個の項目名のフィールドが設けられている。
【0037】
呼出しテーブルTL2の各レコードは、1つのラベルを発行するためのラベルレイアウトと、定義された各項目名のデータ(文字列)と、を示している。この各レコードのデータを以下では、「発行データ」という。ユーザは、呼出しテーブルTL2に各項目名に対応する値(文字列)を入力することで、ラベルのレイアウトと各項目名に対応する文字列とを対応付けることができるが、ここで入力される値は初期値である。
つまり、オブジェクトプロパティ設定部105(図4参照)において、入力方法として「固定」が選択される場合には、呼出しテーブルTL2に入力された値がそのままラベルの発行時に反映されるが、入力方法として「発行時(データ)」又は「参照・結合」が選択される場合には、呼出しテーブルTL2に入力された値がそのままラベルの発行時に反映されるとは限らない。
図7および図8に示したように入力方法として「参照・結合」が選択された場合には、スキャナ6から取得したデータが参照されるため、呼出しテーブルTL2に入力されている値は、デザインウィンドウ103上で確認を行うための初期値に過ぎない。
【0038】
呼出しテーブルTL2において「呼出しNo.」および「呼出し名」の各フィールドの値は、プリンタ3のラベル発行アプリケーションによって発行データを呼び出すために設けられている。
なお、呼出しテーブルTL2には複数のレコードを設けなくてもよく、1つのレコード(つまり、1つの発行データ)のみであってもよい。
【0039】
呼出しテーブルTL2の「レイアウト指定」フィールドの値は、デザインウィンドウ103(図4参照)で作成された1又は複数のレイアウトデータのいずれかのレイアウトデータを示す値である。この例では、「レイアウト指定」フィールドの値は、[1]消費期限ラベルと[2]内容表示ラベルの2つのレイアウトデータが作成済みである場合に、各発行データがこの2つのレイアウトデータのうちいずれのレイアウトデータに対応するかを示している。
【0040】
例えば、図4のPC画面G1に示したデザインウィンドウ103内のラベルデザインでは、呼出しテーブルTL2の呼出しNo.:1(呼出し名:「肉類」)のレコードに対応する発行データが表示されている。
この例では、デザインウィンドウ103のラベルデザインは、呼出しNo.:1に対応するレコードの「レイアウト指定」フィールドの値([1]消費期限ラベル)に対応する。品名に対応するオブジェクトOBJ1内の文字列は、呼出しテーブルTL2の呼出しNo.:1のレコードの「品名」フィールドの値に対応する。加算値に対応するオブジェクトOBJ2内の文字列は、呼出しテーブルTL2の呼出しNo.:1のレコードの「加算値」フィールドの値に対応する。
【0041】
呼出しNo.:1に対応するレコードの「消費期限」フィールドの値は、消費期限に対応する日時オブジェクトであるオブジェクトOBJ3内の日付の最大桁数を示す。デザインウィンドウ103のラベルデザインにおいて、消費期限に対応するオブジェクトOBJ3内の日付として、例えばPC2の基準日付あるいは現在日付が表示される。なお、プリンタ3でのラベル発行時には、オブジェクトOBJ3内の値は、プリンタ3のラベル発行アプリケーションにおいて設定される基準日付に対して「加算値」フィールドの値を加算した日時となる。
【0042】
PC2のユーザは、呼出しテーブルTL2にデータを登録することで、異なるレイアウトのラベルや、同一のレイアウトであるが各項目の印字内容が異なるラベルを設計することができる。例えば、図9の呼出しテーブルTL2に示す例では、呼出しNo.:1に対して発行されるラベルと、呼出しNo.2に対して発行されるラベルとでは、レイアウトおよび印字内容が異なる。
【0043】
以上説明したようにして、PC2のラベル作成アプリケーションでは、レイアウトデータと呼出しテーブルが作成される。そして、指示ボタン群101内の出力ボタンを操作することで、レイアウトデータと呼出しテーブルを含むプロジェクトファイルが作成されるとともに、プロジェクトファイルを変換したフォーマットファイルが作成される。フォーマットファイルは、所定の操作に応じてサーバ5にアップロードされる。
具体的には、指示ボタン群101内の出力ボタンを操作すると、図10に示すようにデータ出力のウィンドウW1が表示される。ウィンドウW1の出力先選択部204では、出力先としてPC2内のストレージ(「デバイスとドライブ」)又はサーバ5(「サーバ」)が選択可能である。ここで、「サーバ」を選択すると、ウィンドウW2が表示される。ウィンドウW2において、サーバ5に対応するアドレス(URL)、ログインID、および、フォーマットファイルのファイル名を入力してOKボタンを操作することでフォーマットファイルのアップロードが行われる(ウィンドウW3)。なお、ウィンドウW3では、安全のためにパスワードによる認証を行ってもよい。
図10に示す例では、「食品データ(スキャナ連動)」というファイル名のフォーマットファイルがサーバ5にアップロードされる。
【0044】
(1-3)ラベルの発行
以下、プリンタ3においてラベルを発行するときの手順について、図11を参照して説明する。図11は、本実施形態に係るプリンタ3の表示画面の遷移を示す図である。
先ず、プリンタ3のラベル発行アプリケーションを起動させ、フォーマットファイルをサーバ5からダウンロードする操作を行う。次いで、図11のプリンタ画面g1に示すように、ダウンロードしたフォーマットファイルの中から、ユーザが発行したいラベルに対応するフォーマットファイルとして、「食品データ(スキャナ連動)」を選択する。
次いで表示されるプリンタ画面g2では、選択されたフォーマットファイルにおいて呼出しNo.と呼出し名のリスト(つまり、呼出しテーブルTL2の各レコードに対応するリスト)が表示される。このリストの中から、いずれかの呼出しNo.と呼出し名を選択する操作が可能である。ここで、例えば、呼出しNo.:001、呼出し名「肉類」が選択された場合には、図9の呼出しテーブルの呼出しNo.:1に対応するレコードの発行データが呼び出され、プリンタ画面g3が表示される。
【0045】
プリンタ画面g3は、プリンタ3の基準日付、発行データ表示部106、発行枚数を入力するための入力ボックスbx1、および、発行ボタンb4を含む。
発行データ表示部106には、呼出しNo.:1に対応する発行データの各項目の初期値が表示される。具体的には、発行データ表示部106には、品名の項目に対応する文字列として「鶏もも肉」が表示され、加算値の項目に対応する文字列として「01」が表示される。また、発行データ表示部106には、スキャナ6から取得するデータを参照するための「(INP-DEV)」の欄が設けられる。
プリンタ画面g3で発行ボタンb4を操作すると、スキャナ6から参照データとして読み取りデータを受信可能な状態となる。ここで、図2に示したように、ユーザがスキャナ6を使用してマーク表示用紙MPのいずれかの印字用マークMをスキャンする操作を実行すると、図11のプリンタ画面g4が表示される。
【0046】
プリンタ画面g4では、スキャナ6から取得した読み取りデータが発行データ表示部106の「(INP-DEV)」の欄に表示されるとともに、この読み取りデータを参照することで「品名」および「加算値」の各項目名の値が、プリンタ画面g3のときの値から更新される。
本実施形態の例では、図7および図8に示した設定テーブルTL1に従って、スキャナ6の読み取りデータから、「品名」および「加算値」の各項目名の値が抽出される。
【0047】
プリンタ画面g4において発行ボタンb4を操作することでラベルが発行される。それによって発行されるラベルPLが図11に示される。
図11に示すラベルPLのレイアウトは、図4のデザインウィンドウ103に示したものと同一であるが、各オブジェクトに対応する項目の値は、プリンタ画面g4の発行データ表示部106に示す値が反映されたものとなっている。ここで、消費期限は、プリンタ3の基準日付(2019.8.23)に対して加算値の値(「3」)を加えた値(2019.8.26)となる。
【0048】
(1-4)データ配信システム1の構成
次に、図12を参照して、データ配信システム1に含まれるPC2、プリンタ3、スキャナ6、および、サーバ5の構成について説明する。
【0049】
(1-4-1)PC2
図12に示すように、PC2は、制御部21、ストレージ22、操作入力部23、表示部24、および、通信部25を備える。通信部25は、サーバ5との間で通信を行う通信インタフェースである。
【0050】
制御部21は、マイクロプロセッサを主体として構成され、PC2全体を制御する。例えば、制御部21に含まれるマイクロプロセッサは、ストレージ22に記録されているラベル作成アプリケーションプログラムをロードして実行し、その実行結果を表示部24に表示する。
ストレージ22は、不揮発性のメモリであり、例えばフラッシュメモリ等のSSD(Solid State Drive)であってもよい。ストレージ22は、ラベル作成アプリケーションプログラムのほか、ラベル作成アプリケーションを実行することで作成されたプロジェクトファイル等を記憶する。
【0051】
ラベル作成アプリケーションは、プロジェクトファイル作成画面においてGUI(Graphical User Interface)を提供し、操作入力部23に対するユーザ操作に応じて、レイアウトデータ、呼出しテーブルを含むプロジェクトファイルを作成し、更新し、ストレージ22に保存する処理を行う。この処理には、以下の内容(1-i)~(1-iii)が含まれる。
(1-i) ラベルの印字有効範囲内に、ラベル内の項目に対応するオブジェクトを配置してレイアウトデータを作成、更新すること
(1-ii) 各オブジェクトに対する各種設定(図7および図8に例示したデータに対する入力方法の設定を含む)を行うこと
(1-iii) 呼出しテーブルを作成することで、呼出しNo.に対応する各発行データに対してレイアウトデータと各項目の値(文字列)を対応付けること
さらに、ラベル作成アプリケーションは、プロジェクトファイルをフォーマットファイルに変換するとともに、通信部25を介してフォーマットファイルをサーバ5にアップロードする。
【0052】
表示部24は、例えば液晶表示パネルを含み、ラベル作成アプリケーションの実行結果を表示する。
操作入力部23は、例えば、ポインティングデバイス、タッチパネル等の入力デバイスを含む。表示部24がタッチパネル入力用表示パネルを備える場合、表示部24は、操作入力部23の一部を構成する。
【0053】
(1-4-2)プリンタ3
図12に示すように、プリンタ3は、制御部31、ストレージ32、操作入力部33、表示部34、搬送部35、印字部36、通信部37、および、近距離通信部38を備える。通信部37は、サーバ5との間で通信を行う通信インタフェースである。近距離通信部38は、スキャナ6との間でBluetooth(登録商標)に従った無線通信を行う通信インタフェースであり、データ受信部の一例である。
制御部31は、取得部および抽出部の一例である。ストレージ32は、記憶部の一例である。
【0054】
制御部31は、マイクロプロセッサを主体として構成され、プリンタ3の全体を制御する。ストレージ32は、不揮発性のメモリであり、例えばフラッシュメモリ等のSSDであってもよい。
例えば、制御部31に含まれるマイクロプロセッサは、ストレージ32に記録されているファームウェアおよびラベル発行アプリケーションプログラムをロードして実行する。
制御部31は、サーバ5に対してフォーマットファイルの送信を要求し、当該要求に応じて送信されるフォーマットファイルを通信部37を介して受信し、ストレージ32に保存する。制御部31がサーバ5に対してフォーマットファイルの送信を要求するタイミングは限定するものではないが、例えば、プリンタ3の起動時、毎日の所定の時刻、あるいは、ユーザによって所定のダウンロード操作が行われたタイミング等である。
【0055】
表示部34は、表示パネル34a(図2参照)を有し、表示パネル34a上にラベル発行アプリケーションの実行結果を表示する。操作入力部33は、表示パネル34aに設けられるタッチパネル入力とその入力回路を含む。
【0056】
ラベル発行アプリケーションは、抽出方法取得モジュール311(取得手段の一例)と文字列抽出モジュール312(抽出手段の一例)を有する。
抽出方法取得モジュール311は、以下の処理を実行するためのモジュールである。
(2-i) ストレージ32に保存されているフォーマットファイルの中からユーザ操作に基づいてフォーマットファイルを特定すること
(2-ii) 特定されたフォーマットファイルの中からユーザの呼出しNo.の選択入力に基づいて、呼出しNo.に対応する発行データを読み出すこと(呼び出すこと)
(2-iii) 通信部37がフォーマットファイルを受信することによって、設定テーブルTL1(図7図8参照;抽出設定情報の一例)を取得すること
【0057】
前述したように、各項目に対応するデータの入力方法の設定は、「固定」、「発行時(データ)」、又は「参照・結合」のいずれかである。本実施形態の例では、品名および加算値の各項目に対するデータの入力方法の設定は、図7および図8の設定テーブルTL1に示したとおりである。
【0058】
文字列抽出モジュール312は、以下の処理を実行するためのモジュールである。
(3-i) データの入力方法が「(INP-DEV)」を参照するように設定されている場合には、スキャナ6との間でBluetooth(登録商標)に従った無線通信を確立するように近距離通信部38を制御すること
(3-ii) 近距離通信部38がスキャナ6からデータを受信した場合に、(2-iii)で取得した設定テーブルTL1に基づいて、受信したデータから文字列を抽出すること
前述した印字用マークM(図2参照)のデータ形式に従った読み取りデータの場合には、「品名」に対応するデータ(文字列)として、読み取りデータの1桁目から20桁数分が抽出され、「加算値」に対応するデータ(文字列)として、読み取りデータの21桁目から2桁数分が抽出される。
【0059】
ファームウェアは、文字列抽出モジュール312によって抽出された文字列をラベルに印字する印字モジュール313(印字手段の一例)を有する。印字モジュール313が実行されることで、発行データを印字用のビットマップデータ(印字データ)に変換し、印字データのライン毎のデータであるラインデータを順次、印字部36へ送出する処理が行われる。
【0060】
搬送部35および印字部36は、順次送出されるラインデータに基づいて印字を行う。
搬送部35は、プラテンローラ45(図3参照)、および、図示しないモータ駆動回路およびステッピングモータを含み、プリンタ3内の連続紙Pの搬送を行う。例えば、ファームウェアによる搬送要求に基づき、モータ駆動回路が、プラテンローラ45の回転を制御するステッピングモータを駆動することによって、連続紙Pを搬送させる。
印字部36は、サーマルヘッド46(図3参照)および図示しないヘッド駆動回路を含む。ヘッド駆動回路は、ラインデータに基づきサーマルヘッド46の各発熱素子に選択的に電流を流すことで、連続紙Pのラベル上に印字を行う。
【0061】
(1-4-3)スキャナ6
図12に示すように、スキャナ6は、制御部61、光源62、画像処理部63、および、近距離通信部64(データ送信部の一例)を備える。近距離通信部64は、プリンタ3との間でBluetooth(登録商標)に従った無線通信を行う通信インタフェースである。
制御部61は、マイクロプロセッサを主体として構成され、スキャナ6の全体を制御する。
画像処理部63は、例えばCCD(Charge Coupled Device)方式のイメージセンサを含む。光源62による出射光が印字用マークM(図2参照)を照射し、その反射光がイメージセンサで結像する。それによってイメージセンサは、印字用マークMの画像を撮像する。
制御部61は、当該画像から2次元コードを抽出してデコード処理を行うことで、読み取りデータを取得する。読み取りデータを取得した場合、制御部61は、読み取りデータをプリンタ3に送信するように、近距離通信部64を制御する。
【0062】
(1-4-4)サーバ5
図12に示すように、サーバ5は、制御部51、ストレージ52、および、通信部53を備える。通信部53は、PC2およびプリンタ3との間で通信を行う通信インタフェースである。
ストレージ52は、例えばHDD(Hard Disk Drive)等の大容量記憶装置であり、PC2から送信されるフォーマットファイルをログインIDと対応付けて記憶する。
制御部51は、マイクロプロセッサを主体として構成され、サーバ5の全体を制御する。制御部51は、例えば、プリンタ3からの要求に応じてフォーマットファイルを送信するように通信部53を制御する。
【0063】
(1-5)データ配信システム1の動作
次に、図13を参照して、本実施形態のデータ配信システム1の動作について説明する。図13は、本実施形態に係るデータ配信システム1においてラベルを発行するときのシーケンスチャートである。なお、以下の説明では、適宜、図11に示したプリンタ画面と関連付ける。
図13のシーケンスチャートには図示しないが、プリンタ3が予めサーバ5からフォーマットファイルをダウンロード済みである場合を想定する。ダウンロードしたフォーマットファイルには、発行対象となるラベルのレイアウトデータと、呼出しテーブルとが含まれる。
【0064】
プリンタ3のラベル発行アプリケーションは、ユーザの操作に応じてフォーマットファイルを選択する(ステップS2)。例えば、プリンタ画面g1に示したように、「食品データ(スキャナ連動)」が選択される。次いで、選択したフォーマットファイルに含まれる呼出しテーブルを参照して、呼出しNo.と呼出し名のリストを表示する(ステップS4;プリンタ画面g2)。
ここで、呼出しNo.が入力された場合、つまり、いずれかの呼出しNo.と呼出し名が選択入力された場合、ラベル発行アプリケーションは、呼出しテーブルにおいて呼出しNo.に対応する発行データを参照して、発行データ表示部106を含む画面に更新する(ステップS8;プリンタ画面g3)。発行データのいずれかの項目のデータの入力方法が、図7および図8に例示したように、スキャナ6から取得する読み取りデータを参照するように設定されている場合、ラベル発行アプリケーションは、スキャナ6との間でBluetooth(登録商標)に従った無線通信を確立するように近距離通信部38を制御する(ステップS10)。
【0065】
ラベル発行アプリケーションは、読み取りデータを受信するまで待機する。ユーザによるマーク表示用紙MP内のいずれかの印字用マークMに対するスキャン操作が認識された場合(ステップS12:YES)、スキャナ6は、印字用マークMの読み取りを実行する(ステップS14)。次いでスキャナ6は、読み取りデータをプリンタ3に送信する(ステップS16)。
【0066】
プリンタ3が読み取りデータを受信すると、ラベル発行アプリケーションは、受信された読み取りデータから、各項目に設定された入力方法の設定に従って、各項目に対応するデータ(文字列)を抽出する(ステップS18)。なお、各項目に対する入力方法の設定に関する情報は、レイアウトデータに含まれる。各項目に対する入力方法の設定は、図7および図8に例示したように、読み取りデータの何桁目から何桁分を抽出するかという設定である。データを抽出すると、ラベル発行アプリケーションは、抽出したデータ(文字列)を各項目に対応付けるようにした画面に更新する(ステップS20;プリンタ画面g4)。
そして、ユーザの発行指示の操作に応じて、ラベル発行アプリケーションとファームウェアが協働して、ラベルPLを印字、発行する(ステップS22)。
【0067】
以上説明したように、本実施形態のデータ配信システム1において、プリンタ3は、スキャナ6から受信する読み取りデータに含まれる印字対象の文字列(各項目に対応する文字列)をラベル上に印字する際に、PC2からサーバ5を介して取得する各項目のデータに対する入力方法の設定(つまり、設定テーブルTL1の設定)に従って文字列を抽出する。入力方法の設定は、例えば図7および図8に例示したように、読み取りデータの開始桁と桁数によって指定される。この場合、スキャナ6から受信する読み取りデータのデータ形式が変更になった場合でも、入力方法の設定で開始桁と桁数を指定し直すことで、新たなデータ形式の読み取りデータに容易に適合させることができる。
このような入力方法の設定が、仮にプリンタ3のプリンタドライバで行われていたとしたならば、配信先のすべてのプリンタ3のプリンタドライバを新たにインストールし直さなければならない。それに対して、データ配信システム1では、スキャナ6からの読み取りデータのデータ形式に対応する入力方法の設定に関する情報がサーバ5からダウンロードするフォーマットファイルに含まれているため、プリンタ3側では、データ形式の変更に適合させる煩雑な操作等が必要ない。
【0068】
本実施形態では、読み取りデータから各項目に対応する文字列を抽出する設定が、読み取りデータの開始桁および桁数で指定される場合について説明したが、この設定は一例に過ぎない。読み取りデータから文字列を抽出する設定は、プリンタ3が所定の通信プロトコルに従って受信するデータのデータ形式に応じて任意に行うことができる。
【0069】
(2)第2の実施形態
以下、本発明の第2の実施形態について、図14図18を参照して説明する。
第1の実施形態では、プリンタ3の外部機器としてスキャナ6が適用されたが、本実施形態では、プリンタ3の外部機器として計量器7が参照される。
図14は、第1の実施形態において参照された図2に対応する図であり、本施形態に係るプリンタ3によってラベルを発行するときの状態を示す図である。図14に示すように、計量器7とプリンタ3の間で、例えばBluetooth(登録商標)に従って無線通信が可能である。
計量器7は、例えば肉等の食品を店舗で量り売りするときに使用され、食品の重量を含む計測データを無線通信によりプリンタ3に送信する。プリンタ3は、計量器7から受信した計測データに基づき、実データを示す文字列(つまり、重量の値自体)を抽出し、食品に貼付するラベルに印字して発行する。
【0070】
図15に、計量器7から送信される計測データについて異なるデータ形式F1,F2を例示する。図15に示すように、例えば異なる製造会社によって製造される計量器7では、各社独自の仕様で計測データが送信されることから、データ形式が異なる場合が生ずる。
例えば、図15のデータ形式F1では、全14桁からなり2桁目から7桁分が計測値を示し、他の桁(1桁目および9桁目以降の各桁)には制御文字が挿入される。
他方、図15のデータ形式F2では、全23桁からなり10桁目から8桁分が計測値を示し、他の桁(1桁目から9桁目までの各桁と18桁目以降の各桁)には制御文字が挿入される。
【0071】
本実施形態においても第1の実施形態と同様に、PC2では、ラベル作成アプリケーションにおいて、ラベルデザインにおいて定義される各オブジェクトに対するデータの入力方法が設定される。本実施形態の例では、「(INP-DEV)」項目に対応するオブジェクトと、「重量」項目に対応するオブジェクトとが定義される。
図示しないが、「(INP-DEV)」項目に対応するオブジェクトが選択されるときのオブジェクトプロパティ設定部では、入力方法として「発行時(データ)」が選択される。「発行時(データ)」は、入力されるデータが、ラベルの発行時においてプリンタ3が計量器7から受信する計測データであること示す。また、「重量」項目に対応するオブジェクトが選択されるときのオブジェクトプロパティ設定部では、入力方法として「参照・結合」が選択され、詳細設定(図7参照)において、計量器7から受信する計測データを参照するように設定される。
【0072】
図15のデータ形式F1,F2に対応するデータの入力方法の設定を図16に示す。図16は、図7および図8に例示したのと同様に、ラベル作成アプリケーションのプロジェクトファイル作成画面のオブジェクトプロパティ設定部105において、図15のデータ形式F1,F2にそれぞれ対応する入力方法の設定を示している。図16に示すように、計測データから正しく計測値が抽出できるように、データ形式F1の場合には開始桁:2、桁数:7に設定され、データ形式F2の場合には開始桁:10、桁数:8に設定される。
【0073】
図17は、本実施形態のデータ配信システムの各装置のブロック図である。図17において、第1の実施形態に対応する図12と異なる点は、スキャナ6に代えて計量器7を含むことである。そのため、計量器7以外の各装置に対する重複説明は省略する。
【0074】
図17に示すように、計量器7は、制御部71と、計測部72と、近距離通信部73とを含む。
制御部71は、マイクロプロセッサを主体として構成され、計量器7の全体を制御する。
計測部72はロードセルを備え、ロードセルによる検出信号を制御部71に送出する。制御部71は、計測部72から取得した検出信号をデジタル信号(計測値)に変換し、計測値を文字列として含む所定のデータ形式の計測データを生成する。そして、制御部71は、計測データをプリンタ3に送信するように、近距離通信部73を制御する。
【0075】
なお、制御部71は、計測部72による計測結果の変動が所定値以内となった時点で、計測値を文字列として含む計測データがプリンタ3に送信されるように制御することが好ましい。例えば、食品を量り売りするときには、作業者が比較的手荒に食品を計量器7の上に置くことで計測値が変動する(安定しない)場合がある。その場合に、計測値の変動が所定値以内に収まるまで待機し、所定値に以内に収まった後、計測値を含む計測データをプリンタ3に送信するように制御することが好ましい。それによって、プリンタ3で印字される重量の値がより正確なものとなる。
【0076】
図18に、それぞれ異なるデータ形式F1,F2の計測データを受信した場合の、プリンタ3によるラベルの発行例を示す。それぞれ重量の項目に対応するデータ(文字列)は、図15に示した各データ形式の計測値である。各データ形式の桁数の違いや文字列の違いにより、2つのラベルで表示態様が異なることがわかる。
【0077】
以上説明したように、本実施形態のデータ配信システムにおいて、プリンタ3は、計量器7から受信する読み取りデータに含まれる印字対象の文字列をラベル上に印字する際に、PC2からサーバ5を介して取得する各項目のデータに対する入力方法の設定に従って文字列を抽出する。そのため、例えば運用の途中から店舗において異なる計量器を使用し、それに伴って以前とは異なるデータ形式の計測データをプリンタ3が受信する場合でも、新たなデータ形式の計測データに容易に適合させることができる。
【0078】
なお、ラベル作成アプリケーションのオブジェクトプロパティ設定部105(図4参照)には、データを印字するか否かを示すチェックボックスを設けることが好ましい。それによって、異なるデータ形式の計測データに対して1つのレイアウトデータによって適合させることができる。例えば、デザインウィンドウ103において2つのオブジェクトを定義し、各オブジェクトに対して異なるデータ形式のデータを対応付ける。そして、2つのオブジェクトに対応するデータに対して、オブジェクトプロパティ設定部105において適宜、印字するか否かのチェックボックスのオン・オフを切替えるようにすればよい。
図4に例示したラベルデザインでは、項目名が「(INP-DEV)」であるオブジェクトOBJ4(つまり、スキャナ6からの読み取りデータ)が設定されているが、この項目の文字列は実際には印字しないことが多い。この項目の文字列を印字しないようにするためには、オブジェクトプロパティ設定部105においてオブジェクトOBJ4に対応するデータを印字しない設定(チェックボックスをオンにする)とする。
【0079】
本実施形態では、Bluetooth(登録商標)を例とした無線通信によりプリンタ3と計量器7が接続される場合について説明したが、無線通信を利用することにより以下の利点がある。例えば、クリーンルーム内の商品の重量を計測し、その計測結果を含むラベルを発行する場合、プリンタ3をクリーンルームの外に配置した状態でもラベルを発行可能である。
【0080】
(3)第3の実施形態
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態では、第2の実施形態と比較して、計量器7から受信した計測データに応じて発行データの選択を自動で行う点に特徴がある。
第2の実施形態では、図15および図16に例示したように、PC2において、データ形式が各々異なる複数のレイアウトデータを作成し、各レイアウトデータに対応する複数の発行データを含む呼出しテーブルが作成される。プリンタ3は、PC2からダウンロードしたフォーマットファイルにおいて、PC2で作成された呼出しテーブルに含まれる複数の発行データを表示パネル34aに表示する。ユーザは、表示された複数の発行データの中から、プリンタ3と通信する計量器7に対応するデータ形式の発行データを選択操作する。
それに対して第3の実施形態では、プリンタ3が計量器7から受信した計測データを解析し、複数の発行データの中から、受信した計測データのデータ形式に対応する発行データを自動的に選択する。
【0081】
本実施形態において、プリンタ3がPC2からフォーマットファイルを取得する点は、第2の実施形態と同じである。具体的には、以下の処理が行われる。
(1-i) PC2において、異なるデータ形式に対応する設定テーブルを含むレイアウトファイルを作成する。例えば、製造会社A,B,Cの計量器7のデータ入力方法に対応する設定テーブルTa,Tb,Tc(それぞれ抽出設定情報の一例)を含むレイアウトファイルLa,Lb,Lcを作成する。各設定テーブルには、対応する製造会社に固有のデータ形式に対応したデータ入力方法が記述される。
(1-ii) PC2において、レイアウトファイルLa,Lb,Lcをそれぞれ指定する発行データIa,Ib,Ic(例えば呼出しNo.1~3に対応)を含む呼出しテーブルを作成する。
(1-iii) PC2において、作成したレイアウトデータと呼出しテーブルを含むプロジェクトファイルをフォーマットファイルに変換して、サーバ5にアップロードする。
(1-iv) プリンタ3は、サーバ5から上記フォーマットファイルをダウンロードしてストレージ32に保存する。つまり、本実施形態のプリンタ3のデータ形式取得モジュール311は、それぞれ文字列の抽出方法が異なる複数の設定テーブルに対応する複数の発行データを取得する。
【0082】
本実施形態のプリンタ3は、計量器7から計測データを受信すると以下の処理を行う。
(2-i) プリンタ3は、計量器7から受信した計測データを解析して、当該計測データのデータ形式を特定する。計測データの解析は、様々な観点から行うことができる。例えば、受信した受信データのプリアンブル、データ長、受信データにおける所定の制御文字の位置等に基づいて、計測値が何桁目から開始するデータ形式であるか推定することができる。この推定に際しては、既知の複数の計測データのデータ形式と、実際に受信した受信データのプリアンブル、データ長、受信データにおける所定の制御文字の位置等と、を比較することが行われてもよい。
【0083】
(2-ii) プリンタ3は、ストレージ32に保存されているフォーマットファイルに含まれる複数の発行データの中から、(2-i)で特定した計測データのデータ形式に対応するデータ入力方法が設定されている発行データを選択する。
(2-iii) プリンタ3は、計量器7から受信した計測データに対して、(2-ii)で選択した発行データに設定されているデータ入力方法を適用して、「重量」項目に対応するデータを抽出する。
(2-ii)および(2-iii)では、本実施形態のプリンタ3の文字列抽出モジュール312は、計量器7から受信した計測データのデータ形式に対応する発行データを(1-iv)で取得した複数の発行データの中から選択し、選択した発行データに基づいて計測データから文字列を抽出する。
【0084】
上述したように、本実施形態のプリンタ3は計量器7から受信した計測データに応じて発行データの選択を自動で行う。そのため、ユーザが計量器7に適合する発行データを選択操作する必要がないため、第2の実施形態と比較してラベルを発行するときの利便性が向上する利点がある。
【0085】
以上、本発明のプリンタ、プログラム、および、情報処理システムの一実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されない。また、上記の実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更が可能である。
例えば、プリンタ3が予め複数のデータ形式に対応する複数の入力方法が設定されており、外部機器からの受信データのデータ構成に基づいて複数のデータ形式のいずれかの形式であるかを特定し、特定したデータ形式に従ってデータ(文字列)を受信データから抽出してもよい。つまり、プリンタ3が受信データのデータ形式を特定し、自ら入力方法を調整するようにしてもよい。
上述した実施形態では、フォーマットファイルをサーバ5にアップロードし、プリンタ3がサーバ5からフォーマットファイルをダウンロードすることで、プリンタ3がフォーマットファイルを取得する場合について説明したが、その限りではない。例えば、PC2とプリンタ3をUSBケーブルで接続し、PC2からプリンタ3にフォーマットファイルをエクスポートするように構成してもよい。
【符号の説明】
【0086】
1…データ配信システム
2…情報処理装置(PC)
21…制御部
22…ストレージ
23…操作入力部
24…表示部
25…通信部
3…プリンタ
31…制御部
311…抽出方法取得モジュール
312…文字列抽出モジュール
313…印字モジュール
32…ストレージ
33…操作入力部
34…表示部
34a…表示パネル
35…搬送部
36…印字部
37…通信部
38…近距離通信部
42…筐体
43…カバー
45…プラテンローラ
46…サーマルヘッド
47…排出口
48…収容室
49…軸部
5…サーバ
51…制御部
52…ストレージ
53…通信部
6…スキャナ
61…制御部
62…光源
63…画像処理部
64…近距離通信部
7…計量器
71…制御部
72…計測部
73…近距離通信部
101…指示ボタン群
102…配置設定ボタン群
103…デザインウィンドウ
104…プロジェクト設定部
105…オブジェクトプロパティ設定部
106…発行データ表示部
204…出力先選択部
R…ロール紙
M…印字用マーク
MP…マーク表示用紙
PL…ラベル
G1…PC画面
g1~g4…プリンタ画面
W1~W3…ウィンドウ
TL1…設定テーブル
TL2…呼出しテーブル
図1
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図3
図4
図5
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