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特許7426305設計書参照作業支援装置、設計書参照作業支援方法および設計書参照作業支援プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-24
(45)【発行日】2024-02-01
(54)【発明の名称】設計書参照作業支援装置、設計書参照作業支援方法および設計書参照作業支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 8/20 20180101AFI20240125BHJP
   G06F 16/903 20190101ALI20240125BHJP
   G06F 16/93 20190101ALI20240125BHJP
   G06F 3/04842 20220101ALI20240125BHJP
【FI】
G06F8/20
G06F16/903
G06F16/93
G06F3/04842
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020122890
(22)【出願日】2020-07-17
(65)【公開番号】P2022019197
(43)【公開日】2022-01-27
【審査請求日】2022-12-15
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】矢崎 俊平
(72)【発明者】
【氏名】馬場 健人
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】福西 章人
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-242573(JP,A)
【文献】特開2018-181072(JP,A)
【文献】特開2010-277203(JP,A)
【文献】特開平08-016376(JP,A)
【文献】特開平05-341974(JP,A)
【文献】特開2017-199207(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/04842
G06F 8/00-8/44
G06F 16/903
G06F 16/93
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を備え、ユーザの設計書参照作業を支援することができる設計書参照作業支援装置であって、
前記制御部は、
システムの設計書データを構成する定義情報中の項目が選択されると、別の前記定義情報中の項目であって当該選択された項目とリンクされているものへとジャンプして、前記ジャンプした先の項目および当該項目に付随する情報を、前記ユーザが識別可能な態様で前記別の前記定義情報中に表示する定義・定義間ジャンプ手段と、
前記定義情報中の項目が選択されると、前記設計書データを構成する画面レイアウト情報中の項目であって当該選択された項目とリンクされているものへとジャンプして、前記ジャンプした先の項目および当該項目に付随する情報を、前記ユーザが識別可能な態様で前記画面レイアウト情報中に表示する定義・画面間ジャンプ手段と、
前記設計書データを構成する表紙情報中の前記定義情報に関する変更内容の概要が選択されると、前記定義情報中の前記変更内容の詳細であって当該選択された概要とリンクされているものへとジャンプして、前記ジャンプした先の詳細を、前記ユーザが識別可能な態様で前記定義情報中に表示する概要・詳細間ジャンプ手段と、
を備えること、
を特徴とする設計書参照作業支援装置。
【請求項2】
前記変更内容の詳細が、前記定義情報の変更前後の内容であること、
を特徴とする請求項1に記載の設計書参照作業支援装置。
【請求項3】
前記定義情報が、スプレッドシートであること、
を特徴とする請求項1または2に記載の設計書参照作業支援装置。
【請求項4】
制御部を備える情報処理装置で実行される、ユーザの設計書参照作業を支援することができる設計書参照作業支援方法であって、
前記制御部で任意の順に実行される、
システムの設計書データを構成する定義情報中の項目が選択されると、別の前記定義情報中の項目であって当該選択された項目とリンクされているものへとジャンプして、前記ジャンプした先の項目および当該項目に付随する情報を、前記ユーザが識別可能な態様で前記別の前記定義情報中に表示する定義・定義間ジャンプステップと、
前記定義情報中の項目が選択されると、前記設計書データを構成する画面レイアウト情報中の項目であって当該選択された項目とリンクされているものへとジャンプして、前記ジャンプした先の項目および当該項目に付随する情報を、前記ユーザが識別可能な態様で前記画面レイアウト情報中に表示する定義・画面間ジャンプステップと、
前記設計書データを構成する表紙情報中の前記定義情報に関する変更内容の概要が選択されると、前記定義情報中の前記変更内容の詳細であって当該選択された概要とリンクされているものへとジャンプして、前記ジャンプした先の詳細を、前記ユーザが識別可能な態様で前記定義情報中に表示する概要・詳細間ジャンプステップと、
を含むこと、
を特徴とする設計書参照作業支援方法。
【請求項5】
制御部を備える情報処理装置に実行させるための、ユーザの設計書参照作業を支援することができる設計書参照作業支援プログラムであって、
前記制御部に実行させるための、
システムの設計書データを構成する定義情報中の項目が選択されると、別の前記定義情報中の項目であって当該選択された項目とリンクされているものへとジャンプして、前記ジャンプした先の項目および当該項目に付随する情報を、前記ユーザが識別可能な態様で前記別の前記定義情報中に表示する定義・定義間ジャンプステップと、
前記定義情報中の項目が選択されると、前記設計書データを構成する画面レイアウト情報中の項目であって当該選択された項目とリンクされているものへとジャンプして、前記ジャンプした先の項目および当該項目に付随する情報を、前記ユーザが識別可能な態様で前記画面レイアウト情報中に表示する定義・画面間ジャンプステップと、
前記設計書データを構成する表紙情報中の前記定義情報に関する変更内容の概要が選択されると、前記定義情報中の前記変更内容の詳細であって当該選択された概要とリンクされているものへとジャンプして、前記ジャンプした先の詳細を、前記ユーザが識別可能な態様で前記定義情報中に表示する概要・詳細間ジャンプステップと、
を含むこと、
を特徴とする設計書参照作業支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設計書参照作業支援装置、設計書参照作業支援方法および設計書参照作業支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、トレーサビリティID記録装置が開示されている(特許文献1の0001段落参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-005802号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載のように、システム開発の分野においては、ユーザやレビュアがシステムの設計書のデータの全体像を正確かつ素早く捉えることができるようにするために、トレーサビリティ(追跡可能性)を担保することが重要である。
【0005】
しかしながら、従来においては、システムの設計書のデータ内に関連している項目がある場合に、当該関連している項目を効率よく見つけることは困難であった。一例として、定義情報「イベント設定」中の項目から、定義情報「画面項目一覧」中の関連している項目を見つけるためには、「画面項目一覧」において関連しているであろう項目名で検索をかける必要があり、大変作業効率が悪いという問題があった。また、別の例として、定義情報「画面項目一覧」中のある項目が、画面レイアウト上のどの箇所を指しているかを理解するためには、ユーザの経験や専門知識が必要であるという問題があった。要するに、従来においては、ユーザが設計書のデータを参照する作業が、非効率かつ時間もかかるという問題があった。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、設計書のデータにおいて、関連する項目同士をリンク付けすることで、ユーザの設計書参照作業を支援することができる設計書参照作業支援装置、設計書参照作業支援方法および設計書参照作業支援プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る設計書参照作業支援装置は、制御部を備え、ユーザの設計書参照作業を支援することができる設計書参照作業支援装置であって、前記制御部は、システムの設計書データを構成する定義情報中の項目が選択されると、別の前記定義情報中の項目であって当該選択された項目とリンクされているものへとジャンプして、前記ジャンプした先の項目および当該項目に付随する情報を、前記ユーザが識別可能な態様で前記別の前記定義情報中に表示する定義・定義間ジャンプ手段と、前記定義情報中の項目が選択されると、前記設計書データを構成する画面レイアウト情報中の項目であって当該選択された項目とリンクされているものへとジャンプして、前記ジャンプした先の項目および当該項目に付随する情報を、前記ユーザが識別可能な態様で前記画面レイアウト情報中に表示する定義・画面間ジャンプ手段と、前記設計書データを構成する表紙情報中の前記定義情報に関する変更内容の概要が選択されると、前記定義情報中の前記変更内容の詳細であって当該選択された概要とリンクされているものへとジャンプして、前記ジャンプした先の詳細を、前記ユーザが識別可能な態様で前記定義情報中に表示する概要・詳細間ジャンプ手段と、を備えること、を特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る設計書参照作業支援装置は、前記変更内容の詳細が、前記定義情報の変更前後の内容であること、を特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る設計書参照作業支援装置は、前記定義情報が、スプレッドシートであること、を特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る設計書参照作業支援方法は、制御部を備える情報処理装置で実行される、ユーザの設計書参照作業を支援することができる設計書参照作業支援方法であって、前記制御部で任意の順に実行される、システムの設計書データを構成する定義情報中の項目が選択されると、別の前記定義情報中の項目であって当該選択された項目とリンクされているものへとジャンプして、前記ジャンプした先の項目および当該項目に付随する情報を、前記ユーザが識別可能な態様で前記別の前記定義情報中に表示する定義・定義間ジャンプステップと、前記定義情報中の項目が選択されると、前記設計書データを構成する画面レイアウト情報中の項目であって当該選択された項目とリンクされているものへとジャンプして、前記ジャンプした先の項目および当該項目に付随する情報を、前記ユーザが識別可能な態様で前記画面レイアウト情報中に表示する定義・画面間ジャンプステップと、前記設計書データを構成する表紙情報中の前記定義情報に関する変更内容の概要が選択されると、前記定義情報中の前記変更内容の詳細であって当該選択された概要とリンクされているものへとジャンプして、前記ジャンプした先の詳細を、前記ユーザが識別可能な態様で前記定義情報中に表示する概要・詳細間ジャンプステップと、を含むこと、を特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る設計書参照作業支援プログラムは、制御部を備える情報処理装置に実行させるための、ユーザの設計書参照作業を支援することができる設計書参照作業支援プログラムであって、前記制御部に実行させるための、システムの設計書データを構成する定義情報中の項目が選択されると、別の前記定義情報中の項目であって当該選択された項目とリンクされているものへとジャンプして、前記ジャンプした先の項目および当該項目に付随する情報を、前記ユーザが識別可能な態様で前記別の前記定義情報中に表示する定義・定義間ジャンプステップと、前記定義情報中の項目が選択されると、前記設計書データを構成する画面レイアウト情報中の項目であって当該選択された項目とリンクされているものへとジャンプして、前記ジャンプした先の項目および当該項目に付随する情報を、前記ユーザが識別可能な態様で前記画面レイアウト情報中に表示する定義・画面間ジャンプステップと、前記設計書データを構成する表紙情報中の前記定義情報に関する変更内容の概要が選択されると、前記定義情報中の前記変更内容の詳細であって当該選択された概要とリンクされているものへとジャンプして、前記ジャンプした先の詳細を、前記ユーザが識別可能な態様で前記定義情報中に表示する概要・詳細間ジャンプステップと、を含むこと、を特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、設計書のデータにおいて、関連する項目同士をリンク付けすることで、ユーザの設計書参照作業を支援することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、設計書参照作業支援装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、アプリケーションの開発および設計書出力の流れの一例を示す図である。
図3図3は、設計書の全体像とリンクによる関連性の一例を示す図である。
図4図4は、表紙の一例を示す図である。
図5図5は、画面項目一覧および変数一覧の一例を示す図である。
図6図6は、イベント設定の一例を示す図である。
図7図7は、コンディション一覧およびビジネスルール一覧の一例を示す図である。
図8図8は、画面レイアウトの一例を示す図である。
図9図9は、イベント設定から画面項目一覧へのジャンプ例および画面項目一覧から画面レイアウトへのジャンプ例を示す図である。
図10図10は、画面項目一覧からビジネスルールおよびイベント設定へのジャンプ例を示す図である。
図11図11は、表紙からイベント設定へのジャンプ例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明に係る設計書参照作業支援装置、設計書参照作業支援方法および設計書参照作業支援プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。以下、具体的な構成および動作について説明する。
【0015】
[1.構成]
本実施形態に係る設計書参照作業支援装置100の構成の一例について、図1を参照して説明する。図1は、設計書参照作業支援装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0016】
設計書参照作業支援装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、設計書参照作業支援装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0017】
設計書参照作業支援装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。設計書参照作業支援装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0018】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、設計書参照作業支援装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、設計書参照作業支援装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、後述する各種マスタ等のデータは、例えばサーバ200に格納されてもよい。
【0019】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0020】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0021】
記憶部106は、例えば、設計書データ106aを備えている。
【0022】
設計書データ106aは、システムの設計書のデータである。設計書データ106aは、例えば、アプリケーション自動生成ツールを使用して生成されたデータである。設計書データ106aの全体像を、図3に示す。設計書データ106aは、例えば、表紙情報106a1(図4参照)、定義情報106a2および画面レイアウト情報106a3(図8参照)等から構成される。定義情報106a2は、例えば、画面項目一覧および変数一覧(図5参照)、イベント設定(図6参照)、ならびに、コンディション一覧およびビジネスルール一覧(図7参照)等から構成される。定義情報106a2は、例えば、スプレッドシートである。
【0023】
ここで、設計書データ106aを構成する情報のリンクによる関連性を、図3を用いて説明する。図3において、一方向の矢印は、矢印の元の情報から矢印の先の情報へと一方向に参照可能(ジャンプ可能)であることを意味している。図3において、双方向の矢印は、矢印で結ばれた情報同士を双方向に参照可能(ジャンプ可能)であることを意味している。具体的には、表紙情報106a1から、画面項目一覧、変数一覧、イベント設定、コンディション一覧、ビジネスルール一覧および画面レイアウト情報106a3すべてを参照可能である。また、画面項目一覧および変数一覧と、イベント設定と、は双方向に参照可能である。そして、画面項目一覧および変数一覧と、コンディション一覧およびビジネスルール一覧と、は双方向に参照可能である。更に、画面項目一覧および変数一覧から、画面レイアウト情報106a3を参照可能である。
【0024】
制御部102は、設計書参照作業支援装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0025】
制御部102は、機能概念的に、例えば、(1)システムの設計書データを構成する定義情報中の項目が選択されると、別の前記定義情報中の項目であって当該選択された項目とリンクされているものへとジャンプして、前記ジャンプした先の項目および当該項目に付随する情報を、前記ユーザが識別可能な態様で前記別の前記定義情報中に表示する定義・定義間ジャンプ手段としての定義・定義間ジャンプ部102aと、(2)前記定義情報中の項目が選択されると、前記設計書データを構成する画面レイアウト情報中の項目であって当該選択された項目とリンクされているものへとジャンプして、前記ジャンプした先の項目および当該項目に付随する情報を、前記ユーザが識別可能な態様で前記画面レイアウト情報中に表示する定義・画面間ジャンプ手段としての定義・画面間ジャンプ部102bと、(3)前記設計書データを構成する表紙情報中の前記定義情報に関する変更内容の概要が選択されると、前記定義情報中の前記変更内容の詳細であって当該選択された概要とリンクされているものへとジャンプして、前記ジャンプした先の詳細を、前記ユーザが識別可能な態様で前記定義情報中に表示する概要・詳細間ジャンプ手段としての概要・詳細間ジャンプ部102cと、を備えている。
【0026】
定義・定義間ジャンプ102aは、定義情報106a2中の項目が選択されると、別の定義情報106a2中の項目であって当該選択された項目とリンクされているものへとジャンプして、前記ジャンプした先の項目および当該項目に付随する情報を、前記ユーザが識別可能な態様で前記別の定義情報106a2中に表示する。
【0027】
定義・画面間ジャンプ部102bは、定義情報106a2中の項目が選択されると、画面レイアウト情報106a3中の項目であって当該選択された項目とリンクされているものへとジャンプして、前記ジャンプした先の項目および当該項目に付随する情報を、前記ユーザが識別可能な態様で画面レイアウト情報106a3中に表示する。
【0028】
概要・詳細間ジャンプ102cは、表紙情報106a3中の定義情報106a2に関する変更内容の概要が選択されると、定義情報106a2中の前記変更内容の詳細であって当該選択された概要とリンクされているものへとジャンプして、前記ジャンプした先の詳細を、前記ユーザが識別可能な態様で定義情報106a2中に表示する。前記変更内容の詳細は、例えば、定義情報106a2の変更前後の内容である。
【0029】
[2.処理の具体例]
本項目では、本実施形態に係る処理の具体例(ジャンプ例1~3)を、図9図11を用いて説明する。
【0030】
[2-1.ジャンプ例1]
一つ目のジャンプ例として、イベント設定から画面項目一覧へのジャンプ例および画面項目一覧から画面レイアウトへのジャンプ例を、図9を用いて説明する。
【0031】
まず、図9のイベント設定中の項目「部門コード_開始値」が選択されると、定義・定義間ジャンプ102aは、当該選択された項目「部門コード_開始値」とリンクされている画面項目一覧中の項目「部門コード_開始」へとジャンプする。そして、定義・定義間ジャンプ102aは、前記ジャンプした先の項目「部門コード_開始」(図9の画面項目一覧中に四角枠で囲んで示す)および当該項目に付随する情報「コントロール種類:文字列テキストボックス、必須:-、文字算出方法:バイト、入力桁数:10、半角英字:○、半角数字:○、半角カナ:×」等を、画面項目一覧中に表示する。
【0032】
このように、本実施形態に係る設計書参照作業支援装置100によれば、イベント設定中の項目「部門コード_開始値」をユーザが選択するのみで、対応する画面項目一覧中の項目「部門コード_開始値」について、「コントロール種類:文字列テキストボックス、必須:-、文字算出方法:バイト、入力桁数:10、半角英字:○、半角数字:○、半角カナ:×」が設定されているということを、迅速かつ正確に把握することが可能である。
【0033】
続けて、図9の画面項目一覧中の項目「部門コード_開始」が選択されると、定義・画面間ジャンプ部102bは、当該選択された項目「部門コード_開始」とリンクされている画面レイアウト中の項目「部門コード」へとジャンプする。そして、定義・画面間ジャンプ部102bは、図9の画面レイアウト中に四角枠で囲んで示すように、前記ジャンプした先の項目「部門コード」および当該項目に付随する情報「XXXXXXXXXX」を、画面レイアウト中に表示する。
【0034】
このように、本実施形態に係る設計書参照作業支援装置100によれば、画面項目一覧中の項目「部門コード_開始」をユーザが選択するのみで、対応する項目「部門コード」の画面レイアウト中での位置および入力形式を、迅速かつ正確に把握することが可能である。
【0035】
以上、本項目[2-1]で説明したように、本実施形態に係る設計書参照作業支援装置100によれば、項目の定義を素早く確認でき、レイアウト上の場所も把握できる。特に、従来においては、レイアウト上での入力項目は直接ラベルが付いていないことがあり、正確な場所がわかりづらいという問題があったが、本実施形態に係る設計書参照作業支援装置100によれば、当該問題を解決することができる。
【0036】
[2-2.ジャンプ例2]
二つ目のジャンプ例として、画面項目一覧からビジネスルールおよびイベント設定へのジャンプ例を、図10に示す。本実施形態に係る設計書参照作業支援装置100によれば、画面項目や変数がどこで使用されているかを確認できる。従来においては、ドキュメント内を項目名で検索する必要があり、関係のない場所がマッチすることがあるという問題があったが、本実施形態に係る設計書参照作業支援装置100によれば、当該問題を解決することができる。
【0037】
[2-3.ジャンプ例3]
三つ目のジャンプ例として、表紙情報106a1からイベント設定へのジャンプ例を、図11を用いて説明する。本項目における説明の前提として、図2に示すように、アプリケーションの開発および設計書出力が行われるものとする。設計書出力においては、「新規作成(2020/04/01)」および「メッセージコードの修正、フォーカス移動の処理を変更(2020/04/10)」の2つが出力対象として選択されることにより、表紙情報106a1には、図11の「内容」欄に示す変更内容の概要が表示される。
【0038】
まず、図11の表紙情報106a1中の概要の「メッセージコードの修正、フォーカス移動の処理を変更」が選択されると、概要・詳細間ジャンプ102cは、当該選択された概要とリンクされているイベント設定中の詳細へとジャンプする。そして、概要・詳細間ジャンプ102cは、図11のイベント設定に示すように、前記ジャンプした先の詳細をイベント設定中に表示する。なお、図11に示すイベント設定において、行番号50、58~62、69のドット状のハッチングを付した行が、2020/4/10に削除した変更前の内容であり、これに対して、行番号51~55、63、70の行が、2020/4/10に追加した変更後の内容である。
【0039】
このように、本実施形態に係る設計書参照作業支援装置100によれば、表紙情報106a1中の概要情報として「メッセージコードの修正、フォーカス移動の処理を変更(2020/04/10)」をユーザが選択するのみで、イベント設定中における変更前後の内容を迅速かつ正確に把握することが可能である。すなわち、本実施形態に係る設計書参照作業支援装置100によれば、表紙の変更履歴(概要)から変更場所(詳細)に直接ジャンプすることができるため、イベント設定中の対応する詳細を日付などで検索する手間を省くことが可能である。
【0040】
[3.本実施形態のまとめ]
以上説明してきたように、本実施形態に係る設計書参照作業支援装置100によれば、設計書のデータにおいて、関連する項目同士をリンク付けすることで、ユーザの設計書参照作業を支援することができる。
【0041】
ここで、近年においては、業務アプリケーションの開発工数を削減することを目的としたツールの普及により、アプリケーションの開発スピードは劇的に短縮している。開発手法や技術、環境は進化を遂げているが、アプリケーションの品質問題は後を絶たない。手戻りによるコストを低減するために、上流でのレビューが重要になり、より効率的に品質を確保していく必要がある。
【0042】
前記品質問題の例として、従来においては、設計書(例えば、エクセル形式の設計書)内で関連している項目を探すには、項目名で見つける手段しかなかったため、時間がかかり、項目がレイアウト上のどの箇所を指しているのかは厳密にはわからず、経験的に理解する必要があった。また、人の手によって各項目にリンクを作成および保守し続けるのはアプリケーションによっては個数も少なくないため、現実的ではなかった。
【0043】
そこで、本実施形態においては、例えば、画面項目定義やレイアウトなど設計書上別々の場所に記述された情報間をリンクすることで、設計書としての使い勝手を高めた。言い換えると、システムから生成する設計書において、画面項目、レイアウトおよびイベント設定等の別々の場所に記述された定義情報をリンクによって関連付けるようにした。
【0044】
これにより、例えば、アプリケーション処理の中で使用される画面項目がどういった定義で、レイアウト上どこの項目なのかをエクセルのリンクを利用して素早く確認できるようになり、反対に特定の画面項目がプログラム上のどこで使われているかを知ることができるようになった。また、アプリケーションを変更した際には、前後で何が変わったのかを設計書上で確認でき、変更された場所に飛ぶことができるようになった。そして、異なる定義情報の繋がりを把握しやすくなり、ユーザやレビュアが素早くアプリケーションの全体像を捉えることができるようになった。アプリケーションを保守していく過程でも変更履歴を辿りやすくなっているため、レビュー時間を削減できる。更に、システムから設計書を生成することにより、システムと設計書で常に同期を取り、設計書を標準化し、手作業でのミスを防止することができる。
【0045】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0046】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0047】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0048】
また、設計書参照作業支援装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0049】
例えば、設計書参照作業支援装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて設計書参照作業支援装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0050】
また、このコンピュータプログラムは、設計書参照作業支援装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0051】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0052】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0053】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0054】
また、設計書参照作業支援装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、設計書参照作業支援装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0055】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は、あらゆる業界および業種において有用である。
【符号の説明】
【0057】
100 設計書参照作業支援装置
102 制御部
102a 定義・定義間ジャンプ部
102b 定義・画面間ジャンプ部
102c 概要・詳細間ジャンプ部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 設計書データ
106a1 表紙情報
106a2 定義情報
106a3 画面レイアウト情報
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク
図1
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