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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-24
(45)【発行日】2024-02-01
(54)【発明の名称】サイドエアバッグ装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 21/207 20060101AFI20240125BHJP
   B60R 21/2338 20110101ALI20240125BHJP
【FI】
B60R21/207
B60R21/2338
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021015349
(22)【出願日】2021-02-02
(65)【公開番号】P2022118660
(43)【公開日】2022-08-15
【審査請求日】2022-08-17
(73)【特許権者】
【識別番号】503358097
【氏名又は名称】オートリブ ディベロップメント エービー
(74)【代理人】
【識別番号】110003155
【氏名又は名称】弁理士法人バリュープラス
(74)【代理人】
【識別番号】100098143
【弁理士】
【氏名又は名称】飯塚 雄二
(72)【発明者】
【氏名】浅田 輝幸
(72)【発明者】
【氏名】金 ビョン勲
【審査官】田邉 学
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-022473(JP,A)
【文献】特開2010-188891(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0014970(US,A1)
【文献】特開2017-114242(JP,A)
【文献】特開2019-199171(JP,A)
【文献】特開2014-237409(JP,A)
【文献】国際公開第2014/123055(WO,A1)
【文献】特開2017-128318(JP,A)
【文献】国際公開第2010/125133(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0253052(US,A1)
【文献】特開2018-161925(JP,A)
【文献】国際公開第2019/031110(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 21/207
B60R 21/2338
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用シートに収容されるサイドエアバッグ装置であって、
膨張展開することで乗員を拘束するエアバッグクッションと;
前記エアバッグクッションに対して膨張ガスを供給するインフレータと;を備え、
前記エアバッグクッションは、前記インフレータを収容するインフレータ収容領域と;主に乗員の拘束に寄与するメインチャンバ領域と;前記インフレータ収容領域に連通し、前記メインチャンバ領域に先行して棒状に展開する骨格領域と;を含み、
展開した状態の前記骨格領域を当該領域の長手方向に垂直な断面で見た時に、前後方向の長さD1と左右幅方向の長さD2が略同一であり、
前記骨格領域は、長手方向に対して概ね直線的に延び、
前記骨格領域は、帯状の仕切りパネルの長手方向の縁部を前記エアバッグクッションの内面に対して縫製することによって形成され、
前記骨格領域には、前記メインチャンバ領域内に膨張ガスを放出する第1のベントホールが形成され、
前記インフレータ収容領域には、前記メインチャンバ領域内に膨張ガスを放出する第2のベントホールが形成されていることを特徴とするサイドエアバッグ装置。
【請求項2】
前記インフレータ収容領域は、前記エアバッグクッションの下端部に設けられ、車両の側方から見た時に上方に向かって幅が狭くなる略三角形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のサイドエアバッグ装置。
【請求項3】
展開状態の前記エアバッグクッションを車両側方から見たときに、前記インフレータ収容領域は、前記車両用シートのサイドサポート部の内部に収まるように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のサイドエアバグ装置。
【請求項4】
前記エアバッグクッションは、車両後方の下部で上下方向に延びる後端辺(100a)と、前記後端辺の上端から上方斜め前方に延びる上後端辺(100b)と、前記後端辺(100a)の下部から上方斜め前方に延びる下前端辺(100d)と、前記上後端辺(100b)と前記下前端辺(100d)との間に延びる上前端辺(100c)とを含み、
前記インフレータ収容領域は、前記後端辺(100a)と、前記下前端辺(100d)の下部と、前記上後端辺(100b)の下部とによって区画されることを特徴とする請求項1,2又は3に記載のサイドエアバッグ装置。
【請求項5】
前記骨格領域は、前記インフレータ収容領域の上部から前記上後端辺(100b)に沿って延びる第1の領域を含み、
前記メインチャンバ領域が前記骨格領域の前方に位置することを特徴とする請求項4に記載のサイドエアバッグ装置。
【請求項6】
前記骨格領域は、前記インフレータ収容領域の下部から前記下前端辺(100d)に沿って延びる第2の領域を含み、
前記メインチャンバ領域が、前記第2の領域の後方に位置することを特徴とする請求項4又は5に記載のサイドエアバッグ装置。
【請求項7】
前記骨格領域は、前記インフレータ収容領域の上部から前記上後端辺(100b)に沿って延びる第1の領域と、前記インフレータ収容領域の下部から前記下前端辺(100d)に沿って延びる第2の領域とを含み、
前記メインチャンバ領域が、前記第1の領域と第2の領域との間に位置することを特徴とする請求項4,5又は6に記載のサイドエアバッグ装置。
【請求項8】
前記骨格領域は、前記インフレータ収容領域から前記上前端辺(100c)の中間位置まで延びる第3の領域を含み、
前記メインチャンバ領域が、前記骨格領域の前後に位置することを特徴とする請求項5,6又は7に記載のサイドエアバッグ装置。
【請求項9】
前記メインチャンバ領域内部には、車両幅方向の厚みを規制するバッフルプレートが設けられていることを特徴とする請求項4乃至8の何れか1項に記載のサイドエアバッグ装置。
【請求項10】
展開状態の前記エアバッグクッションを車両幅方向から見たときに、前記バッフルプレートは、前記骨格領域と略平行に延びることを特徴とする請求項に記載のサイドエアバッグ装置。
【請求項11】
請求項1乃至10の何れか1項に記載のエアバッグクッション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用シートに搭載されるサイドエアバッグ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の事故発生時に乗員を保護するために、1つまたは複数のエアバッグを車両に設けることは周知である。エアバッグとしては、例えば、自動車のステアリングホイールの中心付近から膨張して運転者を保護する、いわゆる運転者用エアバッグ、自動車の窓の内側で下方向に展開して車両横方向の衝撃や横転、転覆事故時に乗員を保護するカーテンエアバッグ、更には、シートのサイドサポート部に収容され、車両横方向の衝撃時に乗員を保護すべく乗員とサイドパネルとの間で展開するサイドエアバッグなどの様々な形態がある。本発明は、サイドエアバッグ装置に関するものである。
【0003】
サイドエアバッグ装置において、エアバッグクッションの展開挙動、展開形状を安定化させることが重要である。展開したエアバッグクッションの形状が想定した正常な形状にならない場合には、乗員の拘束性能が低下してしまう。また、エアバッグクッションが速やかに展開しない場合には、乗員の拘束が遅れてしまうことになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記のような状況に鑑みてなされたものであり、エアバッグクッションの展開挙動、展開形状の安定化に寄与するサイドエアバッグ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記のような目的を達成するために、本発明は、車両用シートに収容されるサイドエアバッグ装置であって、膨張展開することで乗員を拘束するエアバッグクッションと;前記エアバッグクッションに対して膨張ガスを供給するインフレータと;を備える。そして、前記エアバッグクッションは、前記インフレータを収容するインフレータ収容領域と;主に乗員の拘束に寄与するメインチャンバ領域と;前記インフレータ収容領域に連通し、前記メインチャンバに先行して棒状に展開する骨格領域と;を含む。更に、前記骨格領域には、前記メインチャンバ内に膨張ガスを放出する第1のベントホールが形成される。
【0006】
上記のような構成の本発明に係るサイドエアバッグ装置においては、車両の衝突により当該装置が作動してインフレータから膨張ガスが供給されると、膨張ガスはインフレータ収容領域から骨格領域に流れ込む。骨格領域はメインチャンバに先行して展開し、且つ、棒状に展開するため、速やかに展開する骨格領域の剛性は高くなり、エアバッグクッション全体の展開姿勢、展開形状が安定することとなる。また、エアバッグクッションの一部に芯が形成されるような状態となるため、展開したエアバッグに乗員が進入した時に、当該エアバッグクッションが容易に変形するようなことがない。
【0007】
展開した状態の前記骨格領域を当該領域の長手方向に垂直な断面で見た時に、前後方向の長さと左右幅方向の長さが略同一とすることができる。例えば、断面を円形とすることができる。このような形状とすることにより、骨格領域内を膨張ガスがスムーズに流れ、骨格領域が速やかに展開することになる。
【0008】
ここで、「略同一」とは、完全な同一を意味するものではなく、骨格領域内に膨張ガスがスムーズに流れる程度の誤差(幅)を持たせることができる。例えば、一方の長さをαとし、他方の長さをβとしたときに、αがβの0.5倍~1.5倍の範囲とすることができる。
【0009】
前記骨格領域は、長手方向に対して概ね直線的に延びるように成形することができる。骨格領域が直線的に棒状に延びることにより、骨格領域の内部に屈曲した部分が存在しないため、骨格領域の展開速度が速くなる。
【0010】
展開状態の前記エアバッグクッションを車両側方から見たときに、前記インフレータ収容領域は、前記車両用シートのサイドサポート部の内部に収まるように構成することができる。
【0011】
前記エアバッグクッションは、車両後方の下部で上下方向に延びる後端辺(100a)と、前記後端辺の上端から上方斜め前方に延びる上後端辺(100b)と、前記後端辺(100a)の下部から上方斜め前方に延びる下前端辺(100d)と、前記上後端辺(100b)と前記下前端辺(100d)との間に延びる上前端辺(100c)とを含むように構成することができる。そして、前記インフレータ収容領域は、前記後端辺(100a)と、前記下前端辺(100d)の下部と、前記上後端辺(100b)の下部とによって区画することができる。
【0012】
例えば、展開状態の前記エアバッグクッションを車両側方から見た時に、当該エアバッグクッションの最上点(HP)と前記後端辺(100a)の上端との間に前記上後端辺(100b)が延び、当該エアバッグクッションの最下点(LP)と最前点(FP)との間に前記下前端辺(100d)が延び、前記最上点(HP)と前記最前点(FP)との間に前記上前端辺(100c)が延びるように構成することができる。
【0013】
前記インフレータ収容領域には、前記メインチャンバ内に膨張ガスを放出する第2のベントホールを形成することができる。メインチャンバを展開させるに際して、骨格領域からだけでなく、インフレータ収容領域からも膨張ガスを供給することにより、メインチャンバの展開速度を速くすることができる。
【0014】
前記骨格領域は、前記インフレータ収容領域の上部から前記上後端辺(100b)に沿って延びる第1の領域を含み、前記メインチャンバが前記骨格領域の前方に位置するように構成することができる。
【0015】
この場合、骨格領域は乗員の後方(肩、胴体)に位置するため、横方向に移動する乗員を速やかに拘束することが可能となる。
【0016】
前記骨格領域は、前記インフレータ収容領域の下部から前記下前端辺(100d)に沿って延びる第2の領域を含み、前記メインチャンバが、前記第2の領域の後方に位置するように構成することができる。
【0017】
この場合、骨格領域は車両用シートのサイドサポート部から大きく前方に延びることになる。
【0018】
前記骨格領域は、前記インフレータ収容領域の上部から前記上後端辺(100b)に沿って延びる第1の領域と、前記インフレータ収容領域の下部から前記下前端辺(100d)に沿って延びる第2の領域とを含み、前記メインチャンバが、前記第1の領域と第2の領域との間に位置するように構成することができる。
【0019】
この場合、骨格領域はエアバッグクッションの下部から上方及び前方の広い範囲に延び、エアバッグクッションを早い段階で大きく広げることができ、最大の拘束面積を速やかに確保することができる。
【0020】
前記骨格領域は、前記インフレータ収容領域から前記上前端辺(100c)の中間位置まで延びる第3の領域を含み、前記メインチャンバが、前記骨格領域の前後に位置するように構成することができる。
【0021】
この場合、骨格領域はインフレータ周辺からエアバッグクッションの中心付近を通って上方又は斜め上方に延びることになる。
【0022】
前記メインチャンバ内部には、車両幅方向の厚みを規制するバッフルプレートを設けることができる。
【0023】
展開状態の前記エアバッグクッションを車両幅方向から見たときに、前記バッフルプレートは、前記骨格領域と略平行に延びるように構成することができる。
【0024】
なお、本出願の明細書及び特許請求の範囲において、乗員が正規の姿勢で座席に着座した際に、乗員が向いている方向(車両の進行方向)を「前方」、その反対方向を「後方」と称し、座標の軸を示すときは「前後方向」と言う。また、乗員が正規の姿勢で座席に着座した際に、乗員の右側を「右方向」、乗員の左側を「左方向」と称し、座標の軸を示すときは「左右方向」と言う。左右方向において、シートのサイドフレームより乗員側の領域を「内」とし、サイドフレームから見て乗員とは反対の領域を「外」を示すものとする。更に、乗員が正規の姿勢で座席に着座した際に、乗員の頭部方向を「上方」、乗員の腰部方向を「下方」と称し、座標の軸を示すときは「上下方向」と言う。
【0025】
本発明に係るサイドエアバッグは、シートのドア側(外側)に展開するタイプの他、シートの車両中心側に展開するタイプを含むものとする。シートの車両中心側に展開するタイプのサイドエアバッグは、例えば、ファーサイドエアバッグ、フロントセンターエアバッグ、リアセンターエアバッグ等と称される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は、本発明に係る車両用シートの主に外観形状を示す斜視図であり、サイドエアバッグ装置の図示は省略する。
図2図2は、図1に示す車両用シートの骨組みとして機能する内部構造体(シートフレーム)を示す斜視図であり、サイドエアバッグ装置の図示は省略する。
図3図3は、本発明に係る車両用シートの概略側面図であり、サイドエアバッグ装置が収容された状態を車幅方向の外側から観察した様子を概略的に示す。
図4図4は、本発明に係る車両用シートの概略側面図であり、エアバッグクッションが展開した状態を車幅方向の外側から観察した様子を示す。
図5図5は、展開したエアバッグクッションの各部位を規定するための説明図であり、何れの実施例にも適用可能である。
図6図6は、本発明の第1実施例に係るサイドエアバッグ装置の構成を示すものであり、(A)図は展開したエアバッグクッションの側面図、(B)図はエアバッグクッション内部に配置され、骨格領域を形成する仕切りパネルの平面図、(C)図は(A)図のA1-A1方向の概略断面図である。
図7図7は、第1実施例に係るサイドエアバッグ装置におけるエアバッグクッショ内部のガスの流れを示す説明図である。
図8図8は、本発明の第2実施例に係るサイドエアバッグ装置の構成を示すものであり、(A)図は展開したエアバッグクッションの側面図、(B)図はエアバッグクッション内部に配置され、骨格領域を形成する仕切りパネルの平面図、(C)図は(A)図のA2-A2方向の概略断面図である。
図9図9は、第2実施例に係るサイドエアバッグ装置におけるエアバッグクッショ内部のガスの流れを示す説明図である。
図10図10は、本発明の第3実施例に係るサイドエアバッグ装置の構成を示すものであり、(A)図は展開したエアバッグクッションの側面図、(B)図はエアバッグクッション内部に配置され、骨格領域を形成する仕切りパネルの平面図、(C)図は(A)図のA3-A3方向の概略断面図である。
図11図11は、第3実施例に係るサイドエアバッグ装置におけるエアバッグクッショ内部のガスの流れを示す説明図である。
図12図12は、本発明の第4実施例に係るサイドエアバッグ装置の構成を示すものであり、(A)図は展開したエアバッグクッションの側面図、(B)図はエアバッグクッション内部に配置され、骨格領域を形成する仕切りパネルの平面図、(C)図は(A)図のA4-A4方向の概略断面図である。
図13図13は、第4実施例に係るサイドエアバッグ装置におけるエアバッグクッショ内部のガスの流れを示す説明図である。
図14図14は、本発明の第5実施例に係るサイドエアバッグ装置の構成を示すものであり、(A)図は展開したエアバッグクッションの側面図、(B)図はエアバッグクッション内部に配置され、骨格領域を形成する仕切りパネルの平面図、(C)図は(A)図のA5-A5方向の概略断面図である。
図15図15は、第5実施例に係るサイドエアバッグ装置におけるエアバッグクッショ内部のガスの流れを示す説明図である。
図16図16は、本発明の第6実施例に係るサイドエアバッグ装置の構成を示すものであり、(A)図は展開したエアバッグクッションの側面図、(B)図はエアバッグクッション内部に配置され、骨格領域を形成する仕切りパネルの平面図、(C)図は(A)図のA6-A6方向の概略断面図である。
図17図17は、第6実施例に係るサイドエアバッグ装置におけるエアバッグクッショ内部のガスの流れを示す説明図である。
図18図18は、本発明の第7実施例に係るサイドエアバッグ装置の構成を示すものであり、(A)図は展開したエアバッグクッションの側面図、(B)図はエアバッグクッション内部に配置され、骨格領域を形成する仕切りパネルの平面図、(C)図は(A)図のA7-A7方向の概略断面図である。
図19図19は、第7実施例に係るサイドエアバッグ装置におけるエアバッグクッショ内部のガスの流れを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態に係るサイドエアバッグ装置について、添付図面に基づいて説明する。
【0028】
図1は、本発明に係る車両用シートの主に外観形状を示す斜視図であり、エアバッグ装置(エアバッグモジュール)20の図示は省略する。図2は、図1に示す車両用シートの骨組みとして機能する内部構造体(シートフレーム)を示す斜視図であり、ここでも、エアバッグ装置(エアバッグモジュール)20の図示は省略する。図3は、本発明に係る車両用シートの概略側面図であり、左側座席のドアに近い側面(ニアサイド)にエアバッグ装置(エアバッグモジュール)20が収容された状態を車幅方向の外側から観察した様子を示す。図4は、本発明に係る車両用シートの概略側面図であり、エアバッグクッションが展開した状態を車幅方向の外側から観察した様子を示す。
【0029】
本実施例に係る車両用シートは、部位として観たときには、図1及び図2に示すように、乗員が着座する部分のシートクッション2と;背もたれを形成するシートバック1と、シートバック1の上端に連結されるヘッドレスト3とによって構成されている。
【0030】
図2に示すように、シートバック1の内部にはシートの骨格を形成するシートバックフレーム1fが設けられ、その表面及び周囲にはウレタン発泡材等からなるパッド(図示せず)が設けられ、当該パッドの表面は皮革、ファブリック等の表皮によって覆われている。シートクッション2の底側には着座フレーム2fが配置され、シートバック1と同様に、その上面及び周囲にはウレタン発泡材等からなるパッドが設けられ、当該パッドの表面は皮革、ファブリック等の表皮によって覆われている。着座フレーム2fとシートバックフレーム1fとは、リクライニング機構4を介して連結されている。
【0031】
シートバックフレーム1fは、図2に示すように、左右に離間して配置され上下方向に延在するサイドフレーム10と、このサイドフレーム10の上端部を連結する上部フレームと、下端部を連結する下部フレームとにより枠状に構成されている。ヘッドレストフレームの外側にクッション部材を設けることでヘッドレスト3が構成される。
【0032】
図3に示すように、サイドエアバッグ装置20は、サイドフレームに対して固定される。そして、図4に示すように、サイドエアバッグ装置20が作動すると、エアバッグクッション30が前方に向かって展開する。
【0033】
図5は、展開したエアバッグクッション30(130、230,330,430,530,630,730)の各部位を規定するための説明図であり、以下に示す全ての実施例にも共通して適用可能である。
【0034】
図5に示すように、エアバッグクッション30は、車両後方の下部で上下方向に延びる後端辺100aと、後端辺100aの上端から上方斜め前方に延びる上後端辺100bと、後端辺100aの下部から上方斜め前方に延びる下前端辺100dと、上後端辺100bと下前端辺100dとの間に延びる上前端辺100cとに区別することができる。
【0035】
例えば、展開状態の前記エアバッグクッション30を車両側方から見た時に、当該エアバッグクッションの最上点HPと後端辺100aの上端との間に上後端辺100bが延び、当該エアバッグクッションの最下点LPと最前点FPとの間に下前端辺100dが延び、最上点HPと最前点FPとの間に上前端辺100cが延びる、というように表現することもできる。
【0036】
(第1実施例)
図6は、本発明の第1実施例に係るサイドエアバッグ装置の構成を示すものであり、(A)図は展開したエアバッグクッション130の側面図、(B)図はエアバッグクッション130内部に配置され、骨格領域136を形成する仕切りパネル138の平面図、(C)図は(A)図のA1-A1方向の概略断面図である。
【0037】
本実施例に係るサイドエアバッグ装置は、膨張展開することで乗員を拘束するエアバッグクッション130と;エアバッグクッション130に対して膨張ガスを供給するインフレータ32とを備えている。エアバッグクッション130は、インフレータ32を収容するインフレータ収容領域134と;主に乗員の拘束に寄与するメインチャンバ135と;インフレータ収容領域134に連通し、メインチャンバ135に先行して棒状に展開する骨格領域136とから構成されている。
【0038】
図5及び図6(A)に示すように、エアバッグクッション130は、1枚のパネルを後端辺100aに沿って折り重ね、他の辺100b、100c、100dを互いに縫製することによって袋状に成形することができる。なお、エアバッグクッション130は、同一形状の2枚のパネルを重ね合わせて全周を縫製することで袋状に成形することもできる。
【0039】
図6(A)に示すように、骨格領域136は、インフレータ収容領域134の上部から上後端辺(100b)に沿って延び、メインチャンバ135が骨格領域136の前方に位置するように構成されている。
【0040】
図6(A),(B)に示すように、骨格領域136は、1枚の帯状の仕切りパネル138の長手方向の縁部をエアバッグクッション130の内面に対して縫製することによって成形される。仕切りパネル138によって骨格領域136を区画すると共に、インフレータ収容領域134を形成するようになっている。すなわち、側面視が略三角形状のインフレータ収容領域134は、後端辺(100a)と、下前端辺(100d)の下部と、上後端辺(100b)の下部と、仕切りパネル138によって区画される。
【0041】
図6(A)に示すように、仕切りパネル138を全体として見た時には、中間位置が屈曲しているが、骨格領域136の範囲(136x)においては、長手方向に直線状に延びるように構成されている。骨格領域136が、直線的に棒状に延びることにより、屈曲した部分が存在せず、骨格領域136の内部に膨張ガスがスムーズに流れ、展開速度が速くなる。
【0042】
図6(A)、(B)に示すように、仕切りパネル138の両端部には、各々2個のベントホール144,146が形成されている。ベントホール144は、骨格領域136とメインチャンバ135とを連通させるものである。一方、ベントホール146は、インフレータ収容領域134とメインチャンバ135とを連通させるものである。
【0043】
図6(A)、(C)に示すように、メインチャンバ135の内部には、車両幅方向の厚みを規制するバッフルプレート140,142が設けられている。バッフルプレート140,142は、骨格領域136の長手方向と略平行に延びるように配置・構成されている。なお、仕切りパネル138、バッフルプレート140,142は、エアバッグクッション130の本体部分と同一素材のファブリックによって成形することができる。
【0044】
図6(C)に示すように、骨格領域136を長手方向に垂直な断面で見た時に、前後方向の長さD1と左右幅方向の長さD2とが略同一となるように設定することが好ましい。例えば、断面を円形とすることができる。このような形状とすることにより、骨格領域136内を膨張ガスがスムーズに流れ、骨格領域136が速やかに展開することになる。なお、以下に示す第2乃至第7実施例においても、骨格領域の形状は同様に設定することができる。
【0045】
ここで、「略同一」とは、完全な同一のみを意味するものではなく、骨格領域136内に膨張ガスがスムーズに流れる程度の誤差(幅)を持たせることができる。例えば、一方の長さをαとし、他方の長さをβとしたときに、αがβの0.5倍~1.5倍の範囲とすることができる。
【0046】
図6(C)に示すように、骨格領域136の断面積はメインチャンバ135に比べて十分に小さく、例えば、D1,D2は、エアバッグクッション130の全体の幅D0に対して、1/10~1/5程度とすることができる。
【0047】
図7は、エアバッグクッショ130内部のガスの流れを示す説明図である。エアバッグ装置が作動して、インフレータ32から膨張ガスが放出されると、膨張ガスはインフレータ収容領域134から骨格領域136に流れ込む。膨張ガスは、また、仕切りパネル138のベントホール146を通って、インフレータ収容領域134からメインチャンバ135に流れ込む。
【0048】
その後、仕切りパネル138のベントホール144を通って、骨格領域136からメインチャンバ135にガスが流れ込み、エアバッグクッション130がフル展開することになる。
【0049】
本実施例においては、骨格領域136はメインチャンバ135に先行し、且つ、棒状に展開する。断面積の小さな骨格領域136の内圧は比較的高く、当該骨格領域136の剛性は高くなり、エアバッグクッション130の後方部分全体に芯を形成することになる。その結果、乗員の後方(肩、胴体)に位置する骨格領域136により、横方向に移動する乗員を速やかに拘束することが可能となる他、エアバッグクッション130全体の展開姿勢、展開形状が安定することとなる。また、展開したエアバッグクッション130に乗員が進入した時に、当該エアバッグクッション130が容易に変形するようなことがなく、確実に乗員を拘束することができる。
【0050】
(第2実施例)
図8は、本発明の第2実施例に係るサイドエアバッグ装置の構成を示すものであり、(A)図は展開したエアバッグクッション230の側面図、(B)図はエアバッグクッション230内部に配置され、骨格領域236を形成する仕切りパネル238の平面図、(C)図は(A)図のA2-A2方向の概略断面図である。
【0051】
本実施例に係るサイドエアバッグ装置は、膨張展開することで乗員を拘束するエアバッグクッション230と;エアバッグクッション230に対して膨張ガスを供給するインフレータ32とを備えている。エアバッグクッション230は、インフレータ32を収容するインフレータ収容領域234と;主に乗員の拘束に寄与するメインチャンバ235と;インフレータ収容領域234に連通し、メインチャンバ235に先行して棒状に展開する骨格領域236とから構成されている。
【0052】
図5及び図8(A)に示すように、エアバッグクッション230は、1枚のパネルを後端辺100aに沿って折り重ね、他の辺100b、100c、100dを互いに縫製することによって袋状に成形することができる。なお、エアバッグクッション230は、同一形状の2枚のパネルを重ね合わせて全周を縫製することで袋状に成形することもできる。
【0053】
図8(A)に示すように、骨格領域236は、インフレータ収容領域234の下部から下前端辺(100d)に沿って延び、メインチャンバ235が骨格領域236の後方に位置するように構成されている。
【0054】
図8(A),(B)に示すように、インフレータ収容領域234と骨格領域236は、1枚の帯状の仕切りパネル238の長手方向の縁部をエアバッグクッション230の内面に対して縫製することによって成形される。側面視が略三角形状のインフレータ収容領域234は、後端辺(100a)と、下前端辺(100d)の下部と、上後端辺(100b)の下部と、仕切りパネル238によって区画される。
【0055】
図8(A)に示すように、仕切りパネル238は、部分的に湾曲しているものの、骨格領域236に対応する部分においては、長手方向に概ね直線状に延びるように構成されている。骨格領域236が、直線的に棒状に延びることにより、骨格領域236の内部に膨張ガスがスムーズに流れ、展開速度が速くなる。
【0056】
図8(A)、(B)に示すように、仕切りパネル238の一端には2個のベントホール246、他端には1個のベントホール248が形成されている。ベントホール248は、骨格領域136とメインチャンバ235とを連通させるものである。一方、ベントホール246は、インフレータ収容領域234とメインチャンバ235とを連通させるものである。
【0057】
図8(A)、(C)に示すように、メインチャンバ235の内部には、車両幅方向の厚みを規制するバッフルプレート240が設けられている。バッフルプレート240は、骨格領域236の長手方向と略平行に延びるように配置・構成されている。なお、仕切りパネル238、バッフルプレート240は、エアバッグクッション230の本体部分と同一素材のファブリックによって成形することができる。
【0058】
図8(C)に示すように、骨格領域236を長手方向に垂直な断面で見た時に、前後方向の長さD1と左右幅方向の長さD2とが略同一となるように設定することが好ましい。例えば、断面を円形とすることができる。このような形状とすることにより、骨格領域236内を膨張ガスがスムーズに流れ、骨格領域236が速やかに展開することになる。
【0059】
ここで、「略同一」とは、完全な同一のみを意味するものではなく、骨格領域136内に膨張ガスがスムーズに流れる程度の誤差(幅)を持たせることができる。例えば、一方の長さをαとし、他方の長さをβとしたときに、αがβの0.5倍~1.5倍の範囲とすることができる。
【0060】
図8(C)に示すように、骨格領域236の断面積はメインチャンバ235に比べて十分に小さく、例えば、D1,D2は、エアバッグクッション230の全体の幅D0に対して、1/10~1/5程度とすることができる。
【0061】
図9は、エアバッグクッショ230内部のガスの流れを示す説明図である。エアバッグ装置が作動して、インフレータ32から膨張ガスが放出されると、膨張ガスはインフレータ収容領域234から骨格領域236に流れ込む。膨張ガスは、また、インフレータ収容領域234から仕切りパネル238のベントホール246を通って、メインチャンバ235に流れ込む。
【0062】
その後、骨格領域236から仕切りパネル238のベントホール248を通って、メインチャンバ235にガスが流れ込み、エアバッグクッション230がフル展開することになる。
【0063】
本実施例においては、骨格領域236はメインチャンバ235に先行し、且つ、棒状に展開する。断面積の小さな骨格領域236の内圧は比較的高く、当該骨格領域236の剛性は高くなり、エアバッグクッション230の前方部分全体に芯を形成する。そして、骨格領域236は車両用シートのサイドサポート部から大きく前方に延びることになる。その結果、エアバッグクッション230全体の展開姿勢、展開形状が安定することとなる。また、展開したエアバッグクッション230に乗員が進入した時に、当該エアバッグクッション230が容易に変形するようなことがなく、確実に乗員を拘束することができる。
【0064】
(第3実施例)
図10は、本発明の第3実施例に係るサイドエアバッグ装置の構成を示すものであり、(A)図は展開したエアバッグクッション330の側面図、(B)図はエアバッグクッション330内部に配置され、骨格領域を形成する仕切りパネルの平面図、(C)図は(A)図のA3-A3方向の概略断面図である。図11は、第3実施例に係るサイドエアバッグ装置におけるエアバッグクッショ330内部のガスの流れを示す説明図である。
【0065】
本実施例に係るサイドエアバッグ装置は、上述した第1及び第2実施例に係る発明を合体させたものであり、膨張展開することで乗員を拘束するエアバッグクッション330と;エアバッグクッション330に対して膨張ガスを供給するインフレータ32とを備えている。エアバッグクッション330は、インフレータ32を収容するインフレータ収容領域334と;主に乗員の拘束に寄与するメインチャンバ335と;インフレータ収容領域334に連通し、メインチャンバ335に先行して棒状に展開する骨格領域336a,336bとから構成されている。
【0066】
図5及び図10(A)に示すように、エアバッグクッション330は、1枚のパネルを後端辺100aに沿って折り重ね、他の辺100b、100c、100dを互いに縫製することによって袋状に成形することができる。なお、エアバッグクッション330は、同一形状の2枚のパネルを重ね合わせて全周を縫製することで袋状に成形することもできる。
【0067】
図10(A)に示すように、骨格領域336a,336bは、インフレータ収容領域334の上部から上後端辺(100b)に沿って延びる第1の領域336aと、インフレータ収容領域の下部から下前端辺(100d)に沿って延びる第2の領域336bとを含み、メインチャンバ335が、第1の領域336aと第2の領域336bとの間に位置する。
【0068】
図10(A),(B)に示すように、インフレータ収容領域334と骨格領域336a,336bは、1枚の帯状の仕切りパネル338の長手方向の縁部をエアバッグクッション330の内面に対して縫製することによって成形される。側面視が略三角形状のインフレータ収容領域334は、後端辺(100a)と、下前端辺(100d)の下部と、上後端辺(100b)の下部と、仕切りパネル338によって区画される。
【0069】
図10(A)に示すように、仕切りパネル338は、部分的に湾曲しているものの、骨格領域336a,336bに対応する部分においては、長手方向に概ね直線状に延びるように構成されている。骨格領域336a,336bが、直線的に棒状に延びることにより、骨格領域336a,336bの内部に膨張ガスがスムーズに流れ、展開速度が速くなる。
【0070】
図10(A)、(B)に示すように、仕切りパネル338の一端にはベントホール3446、他端にはベントホール348、中間部分にはベントホール346が形成されている。ベントホール344は、骨格領域336aとメインチャンバ335とを連通させるものである。ベントホール348は、骨格領域336bとメインチャンバ335とを連通させるものである。また、ベントホール346は、インフレータ収容領域334とメインチャンバ335とを連通させるものである。
【0071】
図10(A)、(C)に示すように、メインチャンバ335の内部には、車両幅方向の厚みを規制するバッフルプレート340が設けられている。バッフルプレート340は、骨格領域336a,336bの長手方向と略平行に延びるように配置・構成されている。なお、仕切りパネル338、バッフルプレート340は、エアバッグクッション330の本体部分と同一素材のファブリックによって成形することができる。
【0072】
図10(C)に示すように、骨格領域336a,336bの断面形状、断面積の設定に関しては、上述した第1及び第2実施例と同様であり、重複した説明は省略する。
【0073】
図11は、エアバッグクッショ330内部のガスの流れを示す説明図である。エアバッグ装置が作動して、インフレータ32から膨張ガスが放出されると、膨張ガスはインフレータ収容領域334から骨格領域336a,336bに流れ込む。膨張ガスは、また、インフレータ収容領域334から仕切りパネル338のベントホール346を通って、メインチャンバ335に流れ込む。
【0074】
その後、骨格領域336a,336bから仕切りパネル338のベントホール344,348を通って、メインチャンバ335にガスが流れ込み、エアバッグクッション330がフル展開することになる。
【0075】
本実施例においては、骨格領域336a,336bはメインチャンバ335に先行し、且つ、棒状に展開する。断面積の小さな骨格領域336a,336bの内圧は比較的高く、当該骨格領域336a,336bの剛性は高くなり、エアバッグクッション330の前方部分及び後方部分に縦方向に延びる芯を形成する。すなわち、骨格領域336a,336bはエアバッグクッション330の下部から上方及び前方の広い範囲に延び、エアバッグクッション330を早い段階で大きく広げることができ、最大の拘束面積を速やかに確保することができる。また、高剛性の骨格領域336a,336bの存在により、展開したエアバッグクッション330に乗員が進入した時に、当該エアバッグクッション330が容易に変形するようなことがなく、確実に乗員を拘束することができる。
【0076】
(第4実施例)
図12は、本発明の第4実施例に係るサイドエアバッグ装置の構成を示すものであり、(A)図は展開したエアバッグクッション430の側面図、(B)図はエアバッグクッション430内部に配置され、骨格領域を形成する仕切りパネルの平面図、(C)図は(A)図のA4-A4方向の概略断面図である。図13は、第4実施例に係るサイドエアバッグ装置におけるエアバッグクッショ430内部のガスの流れを示す説明図である。
【0077】
本実施例に係るサイドエアバッグ装置は、膨張展開することで乗員を拘束するエアバッグクッション430と;エアバッグクッション430に対して膨張ガスを供給するインフレータ32とを備えている。エアバッグクッション430は、インフレータ32を収容するインフレータ収容領域434と;主に乗員の拘束に寄与するメインチャンバ435a,435bと;インフレータ収容領域434に連通し、メインチャンバ435a,435bに先行して棒状に展開する骨格領域436とから構成されている。
【0078】
図5及び図12(A)に示すように、エアバッグクッション430は、1枚のパネルを後端辺100aに沿って折り重ね、他の辺100b、100c、100dを互いに縫製することによって袋状に成形することができる。なお、エアバッグクッション430は、同一形状の2枚のパネルを重ね合わせて全周を縫製することで袋状に成形することもできる。
【0079】
図12(A)に示すように、骨格領域436は、インフレータ収容領域434から上前端辺(100c)の中間位置まで延び、メインチャンバ435a,435bが当該骨格領域436の前後に位置するように構成されている。
【0080】
図12(A),(B)に示すように、インフレータ収容領域434と骨格領域436は、2枚の帯状の仕切りパネル438a,438bによって区画される。仕切りパネル438a,438bの長手方向の縁部をエアバッグクッション430の内面に対して縫製する。側面視が略三角形状のインフレータ収容領域434は、後端辺(100a)と、下前端辺(100d)の下部と、上後端辺(100b)の下部と、仕切りパネル438a,438bによって区画される。
【0081】
図12(A)に示すように、仕切りパネル438a,438bは、部分的に湾曲しているものの、骨格領域436に対応する部分においては、長手方向に概ね直線状に延びるように構成されている。骨格領域436が、直線的に棒状に延びることにより、骨格領域436の内部に膨張ガスがスムーズに流れ、展開速度が速くなる。
【0082】
図12(A)、(B)に示すように、仕切りパネル438aの両端部には、ベントホール450a,452aが形成されている。同様に、仕切りパネル438bの両端部には、ベントホール450b,452bが形成されている。ベントホール450a,450bは、骨格領域436とメインチャンバ435a,435bとを連通させるものである。ベントホール452a,452bは、インフレータ収容領域434とメインチャンバ435a,435bとを連通させるものである。
【0083】
仕切りパネル438a,438bは、エアバッグクッション430の本体部分と同一素材のファブリックによって成形することができる。
【0084】
図12(C)に示すように、骨格領域436の断面形状、断面積の設定に関しては、上述した第1及び第2実施例と同様であり、重複した説明は省略する。
【0085】
図13は、エアバッグクッショ430内部のガスの流れを示す説明図である。エアバッグ装置が作動して、インフレータ32から膨張ガスが放出されると、膨張ガスはインフレータ収容領域434から骨格領域436に流れ込む。膨張ガスは、また、インフレータ収容領域434から仕切りパネル438a,438bのベントホール452a,452bを通って、メインチャンバ435a,435bに流れ込む。
【0086】
その後、骨格領域436から仕切りパネル438a,438bのベントホール450a,450bを通って、メインチャンバ435a,435bにガスが流れ込み、エアバッグクッション430がフル展開することになる。
【0087】
本実施例においては、骨格領域436はメインチャンバ435に先行し、且つ、棒状に展開する。断面積の小さな骨格領域436の内圧は比較的高く、当該骨格領域436の剛性は高くなり、エアバッグクッション430の中心部分に縦方向に延びる芯を形成する。高剛性の骨格領域436の存在により、展開したエアバッグクッション430に乗員が進入した時に、当該エアバッグクッション430が容易に変形するようなことがなく、確実に乗員を拘束することができる。
【0088】
(第5実施例)
図14は、本発明の第5実施例に係るサイドエアバッグ装置の構成を示すものであり、(A)図は展開したエアバッグクッション530の側面図、(B)図はエアバッグクッション530内部に配置され、骨格領域を形成する仕切りパネルの平面図、(C)図は(A)図のA5-A5方向の概略断面図である。図15は、第5実施例に係るサイドエアバッグ装置におけるエアバッグクッショ530内部のガスの流れを示す説明図である。
【0089】
本実施例に係るサイドエアバッグ装置は、第1実施例と第4実施例に係る発明を合体したようなものであり、膨張展開することで乗員を拘束するエアバッグクッション530と;エアバッグクッション530に対して膨張ガスを供給するインフレータ32とを備えている。エアバッグクッション530は、インフレータ32を収容するインフレータ収容領域534と;主に乗員の拘束に寄与するメインチャンバ535a,535bと;インフレータ収容領域534に連通し、メインチャンバ535a,535bに先行して棒状に展開する骨格領域536a,536bとから構成されている。
【0090】
図5及び図14(A)に示すように、エアバッグクッション530は、1枚のパネルを後端辺100aに沿って折り重ね、他の辺100b、100c、100dを互いに縫製することによって袋状に成形することができる。なお、エアバッグクッション530は、同一形状の2枚のパネルを重ね合わせて全周を縫製することで袋状に成形することもできる。
【0091】
図14(A)に示すように、骨格領域536aは、インフレータ収容領域534の上部から上後端辺(100b)に沿って延びる。一方、骨格領域536bは、インフレータ収容領域534から上前端辺(100c)の中間位置まで延び、メインチャンバ535a,535bが当該骨格領域536bの前後に位置するように構成されている。
【0092】
図14(A),(B)に示すように、インフレータ収容領域534と骨格領域536a,536bは、2枚の帯状の仕切りパネル538a,538bによって区画される。仕切りパネル538a,538bの長手方向の縁部が、エアバッグクッション530の内面に対して縫製される。側面視が略三角形状のインフレータ収容領域534は、後端辺(100a)と、下前端辺(100d)の下部と、上後端辺(100b)の下部と、仕切りパネル538a,538bによって区画される。
【0093】
図14(A)に示すように、仕切りパネル538a,538bは、部分的に湾曲しているものの、骨格領域536a,536bに対応する部分においては、長手方向に概ね直線状に延びるように構成されている。骨格領域536a,536bが、直線的に棒状に延びることにより、骨格領域536a,536bの内部に膨張ガスがスムーズに流れ、展開速度が速くなる。
【0094】
図14(A)、(B)に示すように、仕切りパネル538aの両端部には、ベントホール550a,552aが形成されている。同様に、仕切りパネル538bの両端部には、ベントホール550b,552bが形成されている。ベントホール550a,550bは、骨格領域536bとメインチャンバ535a,535bとを連通させるものである。ベントホール552aは、骨格領域536aとメインチャンバ535aとを連通させるものである。また、ベントホール552bは、インフレータ収容領域534とメインチャンバ535bとを連通させるものである。
【0095】
仕切りパネル538a,538bは、エアバッグクッション530の本体部分と同一素材のファブリックによって成形することができる。
【0096】
図14(C)に示すように、骨格領域536a,536bの断面形状、断面積の設定に関しては、上述した第1及び第2実施例と同様であり、重複した説明は省略する。
【0097】
図15は、エアバッグクッショ530内部のガスの流れを示す説明図である。エアバッグ装置が作動して、インフレータ32から膨張ガスが放出されると、膨張ガスはインフレータ収容領域534から骨格領域536a,536bに流れ込む。膨張ガスは、また、インフレータ収容領域534から仕切りパネル538bのベントホール552bを通って、メインチャンバ535bに流れ込む。
【0098】
その後、骨格領域536aから仕切りパネル538aのベントホール552aを通って、メインチャンバ535aにガスが流れ込む。また、骨格領域536bから仕切りパネル538aのベントホール550aを通って、メインチャンバ535aにガスが流れ込む。更に、骨格領域536bから仕切りパネル538bのベントホール550bを通って、メインチャンバ535bにガスが流れ込む。このようにして、エアバッグクッション530がフル展開することになる。
【0099】
本実施例においては、骨格領域536a,536bはメインチャンバ535a,535bに先行し、且つ、棒状に展開する。断面積の小さな骨格領域536a,536bの内圧は比較的高く、当該骨格領域536a,536bの剛性は高くなり、エアバッグクッション530の中心部分に縦方向に延びる芯と、後方において縦方向に延びる芯を形成する。高剛性の骨格領域536a,536bの存在により、エアバッグクッション530の展開形状が安定し、エアバッグクッション530に乗員が進入した時に、当該エアバッグクッション530が容易に変形するようなことがなく、確実に乗員を拘束することができる。
【0100】
(第6実施例)
図16は、本発明の第6実施例に係るサイドエアバッグ装置の構成を示すものであり、(A)図は展開したエアバッグクッション630の側面図、(B)図はエアバッグクッション630内部に配置され、骨格領域を形成する仕切りパネルの平面図、(C)図は(A)図のA6-A6方向の概略断面図である。図17は、第6実施例に係るサイドエアバッグ装置におけるエアバッグクッショ630内部のガスの流れを示す説明図である。
【0101】
本実施例に係るサイドエアバッグ装置は、第2実施例と第4実施例に係る発明を合体したようなものであり、膨張展開することで乗員を拘束するエアバッグクッション630と;エアバッグクッション630に対して膨張ガスを供給するインフレータ32とを備えている。エアバッグクッション630は、インフレータ32を収容するインフレータ収容領域634と;主に乗員の拘束に寄与するメインチャンバ635a,635bと;インフレータ収容領域634に連通し、メインチャンバ635a,635bに先行して棒状に展開する骨格領域636a,636bとから構成されている。
【0102】
図5及び図16(A)に示すように、エアバッグクッション630は、1枚のパネルを後端辺100aに沿って折り重ね、他の辺100b、100c、100dを互いに縫製することによって袋状に成形することができる。なお、エアバッグクッション630は、同一形状の2枚のパネルを重ね合わせて全周を縫製することで袋状に成形することもできる。
【0103】
図16(A)に示すように、骨格領域636aは、インフレータ収容領域634から上前端辺(100c)の中間位置まで延び、メインチャンバ635a,635bが当該骨格領域636aの両側(前後)に位置するように構成されている。一方、骨格領域636bは、インフレータ収容領域634の上部から上後端辺(100b)に沿って延びる。
【0104】
図16(A),(B)に示すように、インフレータ収容領域634と骨格領域636a,636bは、2枚の帯状の仕切りパネル638a,638bによって区画される。仕切りパネル638a,638bの長手方向の縁部が、エアバッグクッション630の内面に対して縫製される。側面視が略三角形状のインフレータ収容領域634は、後端辺(100a)と、下前端辺(100d)の下部と、上後端辺(100b)の下部と、仕切りパネル638a,638bによって区画される。
【0105】
図16(A)に示すように、仕切りパネル638a,638bは、部分的に湾曲しているものの、骨格領域636a,636bに対応する部分においては、長手方向に概ね直線状に延びるように構成されている。骨格領域636a,636bが、直線的に棒状に延びることにより、骨格領域636a,636bの内部に膨張ガスがスムーズに流れ、展開速度が速くなる。
【0106】
図16(A)、(B)に示すように、仕切りパネル638aの両端部には、ベントホール650a,652aが形成されている。仕切りパネル638bの両端部には、ベントホール650b,652cが形成され、中央付近にはベントホール652bが形成されている。仕切りパネル638a,638bは、エアバッグクッション630の本体部分と同一素材のファブリックによって成形することができる。
【0107】
仕切りパネル638aのベントホール650aは、骨格領域636aとメインチャンバ635aとを連通させるものである。仕切りパネル638aのベントホール652aは、インフレータ収容領域634とメインチャンバ635aとを連通させるものである。一方、仕切りパネル638bのベントホール650bは、骨格領域636aとメインチャンバ635bとを連通させるものである。仕切りパネル638bのベントホール652bは、インフレータ収容領域634とメインチャンバ635bとを連通させるものである。仕切りパネル638bのベントホール652cは、骨格領域636bとメインチャンバ635bとを連通させるものである。
【0108】
図16(C)に示すように、骨格領域636a,636bの断面形状、断面積の設定に関しては、上述した第1及び第2実施例と同様であり、重複した説明は省略する。
【0109】
図17は、エアバッグクッショ630内部のガスの流れを示す説明図である。エアバッグ装置が作動して、インフレータ32から膨張ガスが放出されると、膨張ガスはインフレータ収容領域634から骨格領域636a,636bに流れ込む。膨張ガスは、また、インフレータ収容領域634から仕切りパネル638aのベントホール652aを通って、メインチャンバ635bに流れ込む。また、仕切りパネル638bのベントホール652bを通って、メインチャンバ635bに流れ込む。
【0110】
その後、骨格領域636aからは、仕切りパネル638aのベントホール650aと、仕切りパネル638bのベントホール650bを通って、メインチャンバ635a、635bに各々ガスが流れ込む。また、骨格領域636bからは、仕切りパネル638bのベントホール652cを通って、メインチャンバ635bにガスが流れ込む。このようにして、エアバッグクッション630がフル展開することになる。
【0111】
本実施例においては、骨格領域636a,636bはメインチャンバ635a,635bに先行し、且つ、棒状に展開する。断面積の小さな骨格領域636a,636bの内圧は比較的高く、当該骨格領域636a,636bの剛性は高くなり、エアバッグクッション630の中心部分に縦方向に延びる芯と、前方において縦方向に延びる芯を形成する。高剛性の骨格領域636a,636bの存在により、エアバッグクッション630の展開形状が安定し、エアバッグクッション630に乗員が進入した時に、当該エアバッグクッション630が容易に変形するようなことがなく、確実に乗員を拘束することができる。
【0112】
(第7実施例)
図18は、本発明の第7実施例に係るサイドエアバッグ装置の構成を示すものであり、(A)図は展開したエアバッグクッション730の側面図、(B)図はエアバッグクッション730内部に配置され、骨格領域を形成する仕切りパネルの平面図、(C)図は(A)図のA7-A7方向の概略断面図である。図19は、第7実施例に係るサイドエアバッグ装置におけるエアバッグクッショ730内部のガスの流れを示す説明図である。
【0113】
本実施例に係るサイドエアバッグ装置は、第1実施例、2実施例、第4実施例に係る発明を組み合わせて構成したようなものであり、膨張展開することで乗員を拘束するエアバッグクッション730と;エアバッグクッション730に対して膨張ガスを供給するインフレータ32とを備えている。エアバッグクッション730は、インフレータ32を収容するインフレータ収容領域734と;主に乗員の拘束に寄与するメインチャンバ735a,735bと;インフレータ収容領域734に連通し、メインチャンバ735a,735bに先行して棒状に展開する骨格領域736a,736b,736cとから構成されている。
【0114】
図5及び図18(A)に示すように、エアバッグクッション730は、1枚のパネルを後端辺100aに沿って折り重ね、他の辺100b、100c、100dを互いに縫製することによって袋状に成形することができる。なお、エアバッグクッション730は、同一形状の2枚のパネルを重ね合わせて全周を縫製することで袋状に成形することもできる。
【0115】
図18(A)に示すように、骨格領域736aは、インフレータ収容領域734の上部から上後端辺(100b)に沿って延びる。骨格領域736bは、インフレータ収容領域734の下部から下前端辺(100d)に沿って延びる。また、骨格領域736cは、インフレータ収容領域734から上前端辺(100c)の中間位置まで延び、メインチャンバ735a,735bが当該骨格領域736aの両側(前後)に位置するように構成されている。
【0116】
図18(A),(B)に示すように、インフレータ収容領域734と骨格領域736a,736b,736cは、2枚の帯状の仕切りパネル738a,738bによって区画される。仕切りパネル738a,738bの長手方向の縁部が、エアバッグクッション730の内面に対して縫製される。側面視が略三角形状のインフレータ収容領域734は、後端辺(100a)と、下前端辺(100d)の下部と、上後端辺(100b)の下部と、仕切りパネル738a,738bによって区画される。
【0117】
図18(A)に示すように、仕切りパネル738a,738bは、部分的に湾曲しているものの、骨格領域736a,736b,736cに対応する部分においては、長手方向に概ね直線状に延びるように構成されている。骨格領域736a,736b,736cが、直線的に棒状に延びることにより、骨格領域736a,736b,736cの内部に膨張ガスがスムーズに流れ、展開速度が速くなる。
【0118】
図18(A)、(B)に示すように、仕切りパネル738aの両端部には、ベントホール750a,750bが、中央部分には750cが形成されている。同様に、仕切りパネル738bの両端部には、ベントホール752a,752bが、中央部分には752cが形成されている。仕切りパネル738a,738bは、エアバッグクッション730の本体部分と同一素材のファブリックによって成形することができる。
【0119】
仕切りパネル738aのベントホール750aは、骨格領域736aとメインチャンバ735aとを連通させるものである。仕切りパネル738aのベントホール750bは、骨格領域736bとメインチャンバ735aとを連通させるものである。仕切りパネル738aのベントホール750cは、インフレータ収容領域734とメインチャンバ735aとを連通させるものである。一方、仕切りパネル738bのベントホール752aは、骨格領域736cとメインチャンバ735bとを連通させるものである。仕切りパネル738bのベントホール752bは、骨格領域736bとメインチャンバ735bとを連通させるものである。仕切りパネル738bのベントホール752cは、インフレータ収容領域734とメインチャンバ735bとを連通させるものである。
【0120】
図18(C)に示すように、骨格領域736a,736b,736cの断面形状、断面積の設定に関しては、上述した第1及び第2実施例と同様であり、重複した説明は省略する。
【0121】
図19は、エアバッグクッショ730内部のガスの流れを示す説明図である。エアバッグ装置が作動して、インフレータ32から膨張ガスが放出されると、膨張ガスはインフレータ収容領域734から、骨格領域736a,736b,736cに流れ込む。一方で、膨張ガスは、インフレータ収容領域734から仕切りパネル738aのベントホール750cを通って、メインチャンバ735bに流れ込む。また、仕切りパネル738bのベントホール752cを通って、メインチャンバ735bに流れ込む。
【0122】
その後、骨格領域736aからは、仕切りパネル738aのベントホール750aを通って、メインチャンバ735aにガスが流れ込む。骨格領域736cからは、仕切りパネル738aのベントホール750bと、仕切りパネル738bのベントホール752aを通って、メインチャンバ735a、735bに各々ガスが流れ込む。また、骨格領域736bからは、仕切りパネル738bのベントホール752bを通って、メインチャンバ735bにガスが流れ込む。このようにして、エアバッグクッション730がフル展開することになる。
【0123】
本実施例においては、骨格領域736a,736b、736cはメインチャンバ735a,735bに先行し、且つ、棒状に展開する。断面積の小さな骨格領域736a,736b,736cの内圧は比較的高く、当該骨格領域736a,736b,736cの剛性は高くなり、エアバッグクッション730の中心部分、前方、後方において縦方向に延びる芯が形成される。高剛性の骨格領域736a,736b,736cの存在により、エアバッグクッション730の展開形状が安定し、エアバッグクッション730に乗員が進入した時に、当該エアバッグクッション730が容易に変形するようなことがなく、確実に乗員を拘束することができる。
【0124】
本発明について実施例を参照して説明したが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内において適宜変更可能なものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19