(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-24
(45)【発行日】2024-02-01
(54)【発明の名称】熱硬化可能なバイオベースの注型コンパウンド、これから製造される成形体、及びこのような成形体を製造する方法
(51)【国際特許分類】
C08F 265/06 20060101AFI20240125BHJP
C08F 283/02 20060101ALI20240125BHJP
C08F 283/06 20060101ALI20240125BHJP
C08L 51/06 20060101ALI20240125BHJP
C08L 51/08 20060101ALI20240125BHJP
C08K 3/013 20180101ALI20240125BHJP
C08F 20/10 20060101ALI20240125BHJP
C08F 2/00 20060101ALI20240125BHJP
C08F 2/44 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
C08F265/06
C08F283/02
C08F283/06
C08L51/06
C08L51/08
C08K3/013
C08F20/10
C08F2/00 B
C08F2/44 C
C08F2/44 A
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021116245
(22)【出願日】2021-07-14
【審査請求日】2021-07-19
(31)【優先権主張番号】10 2020 119 386.6
(32)【優先日】2020-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】518429207
【氏名又は名称】ショック ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Schock GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】弁理士法人あーく事務所
(72)【発明者】
【氏名】ビタリー・ダツュク
(72)【発明者】
【氏名】アダム・オレンドール
(72)【発明者】
【氏名】オスカー・アシャツ
【審査官】常見 優
(56)【参考文献】
【文献】特表平07-501099(JP,A)
【文献】特表平03-503386(JP,A)
【文献】特開2021-050335(JP,A)
【文献】特開2014-153528(JP,A)
【文献】IT 201800021340 A1, ,2020年06月28日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08F 2/00-301/00
C08L 1/00-101/16
C08K 3/00- 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱硬化可能なバイオベースの注型コンパウンドにおいて、
(a)複数の単官能性のアクリルモノマー及び/又はメタクリルモノマーからなる混合物であって、1つまたは複数のモノマーはリサイクルされた材料からなり、1つ又は複数のモノマーは植物または動物に由来するものと、
(b)植物又は動物に由来する1つ又は複数の多官能性のアクリルバイオモノマー及び/又はメタクリルバイオモノマーと、
(c)リサイクルされた材料からなる、又は植物に由来する、
ポリメタクリレート、ポリメタクリレート及び
エチルセルロース、又は、ポリメタクリレート及び
キャスターオイルポリマー、から選択される
複数のポリマー又はコポリマーと、
(d)天然由来の無機充填物質粒子とを含み、単官能性のアクリルモノマー及び/又はメタクリルモノマー及び多官能性のアクリルバイオモノマー及びメタクリルバイオモノマーの割合は10~40重量%であり、複数のポリマー又はコポリマーの割合は1~16重量%であり、無機充填物質粒子の割合は44~89重量%である注型コンパウンド。
【請求項2】
単官能性モノマーと多官能性バイオモノマーの重量比率は2:1~80:1である、請求項1に記載の注型コンパウンド。
【請求項3】
単官能性モノマーは、リサイクルされたアクリレート及び植物若しくは動物に由来するアクリレート、すなわちn-ブチルアクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、tert-ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、イソデシルアクリレート、ジヒドロジシクロペンタジエニルアクリレート、エチルジグリコールアクリレート、ヘプタデシルアクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルカプロラクトンアクリレート、ポリカプロラクトンアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、テルチオブチルアクリレート、2(2-エトキシ)エチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2-フェノキシエチルアクリレート、エトキシル化4-フェニルアクリレート、トリメチルシクロヘキシルアクリレート、オクチルデシルアクリレート、トリデシルアクリレート、エトキシル化4-ノニルフェノールアクリレート、イソボルニルアクリレート、環式トリメチルオルプロパンホルマールアクリレート、エトキシル化4-ラウリルアクリレート、ポリエステルアクリレート、ステアリルアクリレート、多分岐ポリエステルアクリレート、メラミンアクリレート、シリコンアクリレート、エポキシアクリレートから選択され、及びリサイクルされたメタクリレート及び植物若しくは動物に由来するメタクリレート、すなわちメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、tert-ブチルメタクリレート、ベヘニルメタクリレート、
ベヘニルポリエチレングリコールメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ステアリルポリエチレングリコールメタクリレート、イソトリデシルメタクリレート、ウレイドメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、3,3,5-トリメチルジクロヘキサノールメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ヘキシルエチルメタクリレート、グリセロールホルマールメタクリレート、ラウリルテトラデシルメタクリレートから選択される、請求項1又は2に記載の注型コンパウンド。
【請求項4】
1つ又は複数の多官能性バイオモノマーは、植物又は動物に由来するアクリレート、すなわち1,6ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリブタジエンジアクリレート、3メチル-1,5-ペンタンジオールジアクリレート、エトキシル化ビスフェノールAジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、エトキシル化ヘキサンジオールジアクリレート、1,10デカンジオールジアクリレート、エステルジオールジアクリレート、アルコキシル化ジアクリレート、トリジクロデカンジメタノールジアクリレート、プロポキシル化ネオペンチルグリコールジアクリレート、ペンタエリトリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジ-トリメチロールプロパンテトラアクリレート、Tris(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、
ジ-ペンタエリトリトールペンタアクリレート、エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート、
ペンタエリトリトールトリアクリレート、プロポキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート、
エトキシル化ペンタエリトリトールテトラアクリレート、プロポキシル化グリセリルトリアクリレート、脂肪族ウレタンジアクリレート、脂肪族ウレタンヘキサアクリレート、脂肪族ウレタントリアクリレート、芳香族ウレタンジアクリレート、芳香族ウレタントリアクリレート、芳香族ウレタンヘキサアクリレート、ポリエステルヘキサアクリレート、エポキシ化ソヤオイルアクリレートから選択され、及び植物又は動物に由来する多官能性メタクリレート、すなわちトリエチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,4-ブタンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、1,6-ヘキサンジオールジメタクリレート、1,10-デカンジオールジメタクリレート、1,3-ブチレングリコールジメタクリレート、エトキシル化ビスフェノールAジメタクリレート、トリジクロデカンジメタノールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレートから選択される、請求項1から3のいずれか1項に記載の注型コンパウンド。
【請求項5】
単官能性及び多官能性のアクリレート及び/又はメタクリレートと複数のポリマー又はコポリマーとの重量比率は90:10~60:40である、請求項1から4のいずれか1項に記載の注型コンパウンド。
【請求項6】
無機充填物質粒子はSiO
2,Al
2
O
3,TiO
2,ZrO
2,Fe
2O
3,ZnO,Cr
2O
5、炭素、金属、又は合金から選択される、請求項1から5のいずれか1項に記載の注型コンパウンド。
【請求項7】
無機充填物質粒子は0.010~8000μmの粒度を有する、請求項1から6のいずれか1項に記載の注型コンパウンド。
【請求項8】
無機充填物質粒子は1.0~1000の長さと幅のアスペクト比(長さ:個別粒子の幅)を有する、請求項1から7のいずれか1項に記載の注型コンパウンド。
【請求項9】
前記注型コンパウンドは鋳型への射出を可能にする粘性を有する、請求項1から8のいずれか1項に記載の注型コンパウンド。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載の注型コンパウンドを使用して製造された成形体。
【請求項11】
前記成形体は台所流し台、シャワー槽、洗面台、浴槽、作業プレート、又は床面パネル、壁面パネル、若しくは天井パネルである、請求項10に記載の成形体。
【請求項12】
請求項10又は11のいずれか1項に記載の成形体を製造する方法において、請求項1から9のいずれか1項に記載の注型コンパウンドが使用され、該注型コンパウンドが鋳型に入れられ、その中で室温に比べて高い温度で重合させられ、次いで、重合した成形体が鋳型から取り出されて冷却される方法。
【請求項13】
重合中の温度は60~140℃である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記注型コンパウンドが重合のために鋳型の中にとどまる保持時間は15~50分である、請求項12又は13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重合注型コンパウンドから形成されるポリマーマトリクス及びその中に埋設された充填物質粒子からなる、成形体の製造に適している熱硬化可能なバイオベースの注型コンパウンドに関する。さらに本発明は、たとえば台所流し台、洗面台、作業プレート、浴槽又はシャワー槽又は作業プレートなどの形態の、このような注型コンパウンドから製造される成形体に関し、このとき重合注型コンパウンドは充填物質粒子が埋設されたポリマーマトリクスからなるバイオコンポジット材料を形成する。
【背景技術】
【0002】
本発明によるバイオコンポジット材料、又は本発明による成形体は、本発明による注型コンパウンドを製造するために、まず、少なくとも1つのバイオ(コ)ポリマー及び/又はリサイクル(コ)ポリマーの溶液中の無機充填物質粒子が、リサイクルされた、及びバイオベースの単官能性及び多官能性のモノマーからなる混合物中に分散され、次いで、注型コンパウンドが鋳型に射出され、成形キャビティが充填され、単官能性バイオモノマーと多官能性バイオモノマーとの熱誘導重合を通じて、材料が注型キャビティ形状に即して熱で固化されることによって製造される。
【0003】
たとえば重合注型コンパウンドから台所流し台を製造することが知られている。それに応じて、このような台所流し台はポリマーマトリクスを有しており、その中に、所望の特性を調整するために充填物質粒子が埋設される。注型コンパウンドは、適当な架橋可能なポリマーを使用して製造され、石油化学由来のポリマー、すなわち石油ベースのポリマーが使用される。確かに、このようにして製造される台所流し台は非常に良好な機械的特性を示し、熱的にも広い温度範囲にわたって安定的である。それにもかかわらず、この種のポリマーの使用はとりわけ持続性(環境保護及び資源保全)の理由から不都合である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって本発明の課題は、改良された注型コンパウンドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題を解決するために、熱硬化可能なバイオベースの注型コンパウンドが意図され、この注型コンパウンドは次のものを含む。
【0006】
(a)複数の単官能性のアクリルモノマー及び/又はメタクリルモノマーからなる混合物であって、1つまたは複数のモノマーはリサイクルされた材料からなり、1つ又は複数のモノマーは植物または動物に由来するものと、
(b)植物又は動物に由来する1つ又は複数の多官能性のアクリルバイオモノマー及び/又はメタクリルバイオモノマーと、
(c)リサイクルされた材料からなる、又は植物若しくは動物に由来する、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリオール、ポリエステルから選択される複数のポリマー又はコポリマーと、
(d)天然由来の無機充填物質粒子、
単官能性のアクリルモノマー及び/又はメタクリルモノマー及び多官能性のアクリルバイオモノマー及びメタクリルバイオモノマーの割合は10~40重量%であり、複数のポリマー又はコポリマーの割合は1~16重量%であり、無機充填物質粒子の割合は44~89重量%である。
【0007】
本発明による注型コンパウンドは、特に使用される架橋物質に関して、大部分が生物学的又は天然の材料からなることを特徴とする。本発明では、さまざまな単官能性のモノマーからなる混合物が使用される。本発明によると、単官能性のアクリルモノマー及びメタクリルモノマーの使用される混合物は、部分的にはリサイクルされた材料からなり、部分的には植物又は動物に由来するモノマーからなり、少なくとも1つのモノマーはリサイクルされたモノマーであり、少なくとも1つのモノマーはバイオベースであり、すなわち植物又は動物に由来する。すなわち、ここではリサイクルされた割合を除けば、石油化学的に得られたポリマーはほとんど使用されず、その割合も、場合によってはリサイクルされたバイオベース材料からなる。いずれの場合にも、石油化学をベースとする新しい材料が、リサイクルされた単官能性のモノマー割合の規模で使用されることはない。多官能性のモノマーとしては、植物又は動物に由来するモノマーのみが使用される。単官能性のモノマーであれ多官能性のモノマーであれ、植物または動物に由来するモノマーが使用される限りにおいて、これを「バイオモノマー」と呼ぶことができ、バイオモノマーとはバイオポリマーのモノマーである。「多官能性の」という概念は、2官能性、3官能性、及びそれ以上の官能性のバイオモノマーを含む。
【0008】
使用されるポリマー又はコポリマーも、同じく純粋に植物又は動物に由来するのが好ましく、すなわち、これらの物質も石油化学由来ではない。ただし、ここでは植物/動物由来の物質の使用の代替として、リサイクル材料からなるポリマー又はコポリマーを使用するという選択肢もある。確かに、このような材料は多くの場合に石油化学に由来するが、新しい材料は使用されず、すでに存在しているがリサイクルされた材料が再利用され、このことは環境の観点からして同じく好ましい。バイオモノマーとリサイクル材料が使用されることで、本発明による注型コンパウンドの内部では結合剤においてさえ、従来使われている石油化学ベースの物質が持続可能な材料によって全面的に置き換えられる。純粋に植物又は動物に由来するポリマー又はコポリマーが使用されるのも当然ながら好ましく、それにより、上述したように充填物質も純粋に天然由来であるので、このケースでは、単官能性のリサイクルされたモノマー材料を除き、全面的に天然材料からなる注型コンパウンドがもたらされる。したがって、これに伴って本発明による注型コンパウンドから製造される成形体は、主として生物学的な、すなわち天然の材料からなるバイオ成形体である。充填物質粒子と、再生可能な源から製造される架橋材料とからバイオ複合素材又はバイオコンポジット材料を製造することは、石油化学で製造される材料の消費量及びこれに伴って石油消費量を削減し、環境に対してプラスに作用する。
【0009】
植物又は動物に由来する単官能性のアクリルバイオポリマー及び/又はメタクリルバイオポリマー、植物または動物に由来する多官能性のアクリルバイオポリマー及び/又はメタクリルバイオポリマー、及び、植物又は動物に由来するポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリオール、ポリエステルから選択されるバイオベースのポリマー又はコポリマーとして本件で理解されるのは、IUPAC Recommendations 2012,ピュア・アンド・アプライド・ケミストリー(Pure Appl.Chem.)2012年、Vol.84,No.2,pp.377~410, 「Terminology for biorelated polymers and applications(IUPAC Recommendations 2012)」(http://publications.iupac.org/pac/pdf/2012/pdf/8402x0377.pdf)に記載のものであり、それによると「biobased」(すなわち「バイオベースの」)という概念は381頁の定義に基づき、「バイオマスに由来するバイオ製品から全面的又は部分的に構成され、又は誘導されたもの(植物、動物、及び海洋性又は森林性の材料を含む)」として定義され、すなわち、バイオベースの(植物性または動物性の)半製品又は出発物質を使用することも、相応のバイオベースの、すなわち植物性又は動物性の由来を有する、モノマー又はポリマー又はコポリマーの製造につながる。
【0010】
注型コンパウンド又は成形体を、すなわちたとえば台所流し台を製造するために、主として天然の材料が使用されるにもかかわらず、驚くべきことにこの成形体は、石油化学で得られた周知の架橋材料から製造される注型コンパウンド又はそのような種類の成形体と比較したとき、非常に良好な、さらに部分的にはいっそう改善された機械的特性を、特に衝撃強さや引っかき強度に関して示すことが判明している。
【0011】
台所流し台、シャワー槽、浴槽、洗面台、作業プレートなどのバイオコンポジット成形体を、高価値な単官能性及び多官能性のバイオアクリレートモノマー及びバイオメタクリレートモノマーから製造することは、高い技術的な性能要求と、いっそう高いBio Renewable Carbon Content(BRC)(再生可能な炭素の占める割合、又はバイオベース炭素含有率)とを製品中で組み合わせることを可能にする。単官能性及び多官能性のバイオアクリレートモノマー及びバイオメタクリレートモノマーを製造するには数多くのさまざまなバイオ利用可能な源が存在し、それは、たとえば植物油、動物油脂、木材などである。バイオモノマー中のBRCは、最大で90%を実現することができる。
【0012】
バイオコンポジット材料からなる成形体は無機充填物質の混合物で成り立っており、この充填物質は、単官能性及び多官能性のモノマーの架橋重合プロセスを通じてポリマーマトリクスに埋設され、再生可能原料の使用によって高い持続性作用を実現する。
【0013】
単官能性のモノマーと多官能性のバイオモノマーとの重量比率は、本発明によると2:1~80:1、好ましくは4:1~70:1、特に5:1~60:1であるのがよい。
【0014】
単官能性のモノマーは、リサイクルされたアクリレートの形態で、又は植物若しくは動物に由来するバイオベースのアクリレートの形態で使用することができる。
【0015】
これは、n-ブチルアクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、tert.-ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、イソデシルアクリレート、ジヒドロジシクロペンタジエニルアクリレート、エチルジグリコールアクリレート、ヘプタデシルアクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルカプロラクトンアクリレート、ポリカプロラクトンアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、テルチオブチルアクリレート、2(2-エトキシ)エチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2-フェノキシエチルアクリレート、エトキシル化4-フェニルアクリレート、トリメチルシクロヘキシルアクリレート、オクチルデシルアクリレート、トリデシルアクリレート、エトキシル化4-ノニルフェノールアクリレート、イソボルニルアクリレート、環式トリメチルオルプロパン-ホルマールアクリレート、エトキシル化4-ラウリルアクリレート、ポリエステルアクリレート、ステアリルアクリレート、多分岐ポリエステルアクリレート、メラミンアクリレート、シリコンアクリレート、エポキシアクリレートから選択することができる。
【0016】
さらに単官能性のモノマーは、リサイクルされたメタクリレートの形態で、又は植物若しくは動物に由来するバイオベースのメタクリレートの形態で使用することができる。これは、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、tert-ブチルメタクリレート、ベヘニルメタクリレート、べヘニルポリエチレングリコールメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ステアリルポリエチレングリコールメタクリレート、イソトリデシルメタクリレート、ウレイドメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、3,3,5-トリメチルジクロヘキサノールメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ヘキシルエチルメタクリレート、グリセロールホルマールメタクリレート、ラウリルテトラデシルメタクリレート、エボニック社製商品名VISIOMER TerraC17,4-メタクリレートから選択することができる。
【0017】
多官能性のバイオモノマーは、バイオベースのアクリレートの形態で、すなわち植物又は動物に由来するアクリレートの形態で使用することができる。これは、1,6ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリブタジエンジアクリレート、3メチル-1,5-ペンタンジオールジアクリレート、エトキシル化ビスフェノールAジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、エトキシル化ヘキサンジオールジアクリレート、1,10デカンジオールジアクリレート、エステルジオールジアクリレート、アルコキシル化ジアクリレート、トリジクロデカンジメタノールジアクリレート、プロポキシル化ネオペンチルグリコールジアクリレート、ペンタエリトリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジ-トリメチロールプロパンテトラアクリレート、Tris(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、ジ-ペンタエリトリトールペンタアクリレート、エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレート、プロポキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシル化ペンタエリトリトールテトラアクリレート、プロポキシル化グリセリルトリアクリレート、脂肪族ウレタンジアクリレート、脂肪族ウレタンヘキサアクリレート、脂肪族ウレタントリアクリレート、芳香族ウレタンジアクリレート、芳香族ウレタントリアクリレート、芳香族ウレタンヘキサアクリレート、ポリエステルヘキサアクリレート、エポキシ化ソヤオイルアクリレートから選択することができる。
【0018】
さらに多官能性のバイオモノマーは、バイオベースのメタクリレートの形態で、すなわち植物又は動物に由来するメタクリレートの形態で使用することができる。これは、トリエチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,4-ブタンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、1,6-ヘキサンジオールジメタクリレート、1,10-デカンジオールジメタクリレート、1,3-ブチレングリコールジメタクリレート、エトキシル化ビスフェノールAジメタクリレート、トリジクロデカンジメタノールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレートから選択することができる。
【0019】
本発明によると、単官能性又は多官能性のアクリレート及び/又はメタクリレートと、特にポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリオール、又はポリエステルから選択される、複数のポリマー又はコポリマーとの重量比率は90:10~60:40であるのがよく、好ましくは85:15~70:30である。
【0020】
無機充填物質粒子も天然の、すなわち生物学的な由来のものであり、人工的に製造されるのではない。これはSiO2,Al2O3,TiO2,ZrO2,Fe2O3,ZnO,Cr2O5、炭素、金属、又は合金から選択することができ、2つ又はそれ以上の異なる充填物質粒子の混合物を使用することもできる。混合比率は任意であってよい。
【0021】
このとき、無機充填物質粒子は0.010~8000μm、好ましくは0.05~3000μm、特に0.1~1300μmの粒度を有するのがよい。さらに無機充填物質粒子は、1.0~1000のアスペクト比(長さ:個別粒子の幅)を有するのがよい。
【0022】
簡易な加工可能性のために、得られる注型コンパウンドの粘性は、適当な射出装置により注型コンパウンドを圧力のもとで鋳型の中へ、その成形キャビティを完全に充填するように射出することができるように調整されるのがよい。
【0023】
注型コンパウンドに加えて本発明は、本発明による注型コンパウンドから製造される成形体も対象とする。したがってこの成形体は、注型コンパウンドがバイオモノマー、バイオポリマー、及びバイオコポリマーを含んでいるので、バイオコンポジット体すなわちたとえばバイオコンポジット台所流し台等である。
【0024】
このとき、さまざまに異なる成形体型式を製造することができる。たとえば成形体は、台所流し台、シャワー槽、洗面台、浴槽、作業プレート、又は床面パネル、壁面パネル、若しくは天井パネルであってよいが、これらの列挙は完結したものではない。
【0025】
すでに説明したとおり、得られる成形体は、注型コンパウンドが構成されるバイオベースの出発材料の使用にもかかわらず、非常に良好な特性、特に機械的特性を有することが示されている。成形体の重合バイオコンポジット材料は、2~5mJ/mm2の衝撃強さを有するのがよく、-30~300℃の熱的な安定性も有するのがよい。
【0026】
上に説明した本発明の利点は、1つ、2つ、又はそれ以上の単官能性バイオモノマーの使用が、最終製品すなわち完成した成形体の熱的、機械的、及び表面特性を、製品要求に応じて変更するのを可能にするということである。衝撃強さは、たとえば良好な柔軟性を有するバイオ・ラウリルメタクリレートモノマーの添加によって改善することができる。
【0027】
バイオコンポジット材料中のバイオ・ラウリルメタクリレートの濃度は、約0.5~約10重量%であるのが好ましく、特に0.7~5.0重量%である。わずかな量の柔軟なバイオ・ラウリルメタクリレートが、衝撃強さの改善につながることが確認されている。
【0028】
上に説明した本発明のさらに別の利点は、完成した成形体の熱的な耐久性を、たとえばいっそう高い熱的な安定性を有するバイオ・イソボルニルメタクリレートモノマーの添加によって改善できることである。
【0029】
バイオコンポジット材料中のバイオ・イソボルニルメタクリレートの濃度は約1.0~約20重量%であるのが好ましく、特に2.0~17.0重量%である。わずかな量のバイオ・イソボルニルメタクリレートが、引っかき強度の改善につながることが確認されている。
【0030】
本発明のさらに別の利点は、たとえば改善された耐候性を有するバイオ・イソボルニルアクリレートモノマーの添加によって耐老化性を改善できることにある。バイオコンポジット材料中のバイオ・イソボルニルアクリレートの濃度は約1.0~約10重量%であるのが好ましく、特に2.0~7.0重量%である。わずかな量のバイオ・イソボルニルアクリレートが、耐老化性の改善につながることが確認されている。
【0031】
本発明のさらに別の利点は、たとえばバイオ-(1,10-デカンジオールジアクリレート)2官能性モノマーの添加によって、化学的な耐久性が改善されることにある。バイオコンポジット材料中のバイオ-(1,10-デカンジオールジアクリレート)の濃度は約0.15~約10重量%であるのが好ましく、特に0.3~5.0重量%である。わずかな量のバイオ-(1,10-デカンジオールジアクリレート)が、化学的な耐久性の改善につながることが確認されている。
【0032】
本発明のさらに別の利点は、たとえばバイオ-(プロポキシル化(3)グリセリルトリアクリレート)3官能性モノマーの添加により、非常に良好な充填物質湿潤に基づいて充填物質分散が高められることにある。バイオコンポジット材料中のバイオ-(プロポキシル化(3)グリセリルトリアクリレート)の濃度は約0.1~約5重量%であるのが好ましく、特に0.3~2.0重量%である。わずかな量のバイオ-(プロポキシル化(3)グリセリルトリアクリレート)が、マトリクス中の充填物質分布の改善につながるとともに、改良された熱的及び機械的な特性につながることが確認されている。
【0033】
本発明のさらに別の利点は、たとえばいっそう高い耐摩耗性を有するバイオ・ポリエチレングリコールジメタクリレート2官能性モノマーの添加によって、成形対象物のバイオコンポジット配合物の耐摩耗性を改善できることにある。バイオコンポジット材料中のバイオ・ポリエチレングリコールジメタクリレートの濃度は約0.1~約10重量%であるのが好ましく、特に0.3~5.0重量%である。わずかな量のバイオ・ポリエチレングリコールジメタクリレートが、耐摩耗性の改善につながることが確認されている。
【0034】
本発明のさらに別の利点は、たとえばいっそう高い引っかき強度を有するバイオ・ジペンタエリトリトールペンタアクリレート多官能性モノマーの添加によって、成形体の引っかき強度を改善できることにある。バイオコンポジット材料中のバイオ・ジペンタエリトリトールペンタアクリレートの濃度は約0.1~約7重量%であるのが好ましく、特に0.3~5.0重量%である。わずかな量のバイオ・ジペンタエリトリトールペンタアクリレートが、引っかき強度の改善につながることが確認されている。
【0035】
無機充填物質は、SiO2の形態で、石英粒子、クリストバライト粒子、発熱性珪酸粒子、曝気された珪酸粒子、珪酸繊維、珪酸フィブリル、珪酸塩粒子、たとえば層状珪酸塩;Al2O3粒子、TiO2粒子、Fe2O3粒子、ZnO粒子、Cr2O5粒子、すす粒子、炭素ナノチューブ粒子、グラファイト粒子又はグラフェン粒子の形態で使用することができる。
【0036】
ポリマーマトリクス中での無機充填物質の卓越した安定的な分散を得るために、モノマー混合物は、リサイクルされた、又はバイオベースの資源からなるポリマー及び/又はコポリマーのバイオベースの組成を適切な粘性の調整のために含むことができる。
【0037】
さらに本発明は、上に説明した種類の成形体を製造する方法に関し、この方法では、同じく上に説明した種類の注型コンパウンドが使用され、この注型コンパウンドが鋳型に入れられ、その中で室温に比べて高い温度で重合され、次いで、重合した成形体が鋳型から取り出されて冷却される。
【0038】
このとき重合中の温度は60~140℃であるのがよく、好ましくは75~130℃、特に80~110℃である。
【0039】
さらに、注型コンパウンドが重合のために鋳型の中にとどまる保持時間は15~50分であるのがよく、好ましくは20~45分、特に25~35分である。
【0040】
熱硬化可能なバイオベースの注型コンパウンドからの成形体の製造は、次の事項を含む多段階のプロセスである。
-ポリマーマトリクス成分が製造され、
-ポリマーマトリクス中に無機充填物質が分散され、
-台所流し台、洗面台、浴槽、作業プレートが架橋重合される。
【発明を実施するための形態】
【0041】
次に、本発明による注型コンパウンド、本発明による成形体、及び本発明による方法を詳しく説明するために複数の実験例を掲げる。
【0042】
実施例1
さまざまな単官能性モノマーからなるポリマーマトリクス成分の製造
使用する成分
(a)単官能性モノマー
単官能性のバイオベースのモノマー
イソボルニルメタクリレート(IBOMA,Evonik Performance Materials GmbH)、ラウリルメタクリレート(LMA,Arkema France)、イソボルニルアクリレート(IBOA;Miwon Specialty Chemical Co.,Ltd)、エチルメタクリレート(BCH Bruhl Chemikalien Handel GmbH)
これらの成分はいずれも植物又は動物に由来するものであり、たとえばVISIOMER(登録商標)Terra IBOMAは松脂から製造される。
【0043】
単官能性のリサイクルされたモノマー
単官能性のリサイクルされたモノマーメタクリレート(rec.-MMA、Monomeros del Valles,S.L.)
(b)多官能性モノマー
1,10-(デカンジオールジアクリレート)(Arkema France)
(c)ポリマー
アクリルガラス微粉砕品XP85(リサイクルされたPMMA,Kunststoff-und Farben-GmbH)及びAqualon EC-N100 0100(バイオベースのエチルセルロース,Ashland Industrie Deutschland GmbH)
(d)充填物質
SiO2[80%石英 粒度0.06~0.3mm(Dorfner GmbH);20%石英粉末、粒度0.1~0.70μm(Quarzwerke GmbH)及びTiO2粒子(Crystal International B.V.)
(e)添加剤
バイオベースの分散添加剤(0.1%)(BYK Chemie GmbH)及びチキソトロピー添加剤(0.1%)(BYK Chemie GmbH)
ポリマーマトリクスの製造のための組成を、表1の単官能性モノマー:イソボルニルメタクリレート(Evonik Performance Materials GmbH)、ラウリルメタクリレート LMA,Arkema France)、イソボルニルアクリレート(Miwon Specialty Chemical Co.,Ltd)、エチルメタクリレート(BCH Bruhl Chemikalien Handel GmbH)の混合物へのアクリルガラス微粉砕品XP85(リサイクルされたPMMA,Kunststoff-und Farben-GmbH)及びAqualon EC-N100 0100(バイオポリマーとしてのバイオベースのエチルセルロース,Ashland Industrie Deutschland GmbH)の溶解によって製作する。反応混合物を40℃に加熱して、澄んだ溶液が得られるまで100分のあいだ溶解性を促進させた。マトリクス成分の比較のために組成を準備し、表1にまとめた。
【0044】
【0045】
表1のすべての試料を、アクリルガラス微粉砕品XP85及びAqualon EC-N100 011(95:5)のための溶剤として、反応産物の粘性の向上のために80:20の比率で使用し(120~155cPs、ブルックフィールド粘度計DVI Prime)、続いて20重量%のバイオ-(1,10デカンジオールジアクリレート)(Arkema France)を添加した。
【0046】
バイオ-(1,10-DDDA)を添加した試料1~3のアクリルガラス微粉砕品XP85及びAqualon EC-N100 011からなる澄んだ溶液を、無機充填物質(70重量%)からなる混合物の分散のために使用し、この混合物は、95重量%のSiO2[80%石英 粒度0.06~0.3mm(Dorfner GmbH)、20%石英粉末、粒度0.1~0.70μm(Quarzwerke GmbH)]、及び5%のTiO2粒子(Crystal International B.V.)を含んでいる。さらに、バイオベースの分散添加剤(0.1%)(BYK Chemie)とチキソトロピー添加剤(0.1%)(BYK Chemie)を添加した。こうして製造した注型コンパウンドを20分のあいだ撹拌した(Dispermat AE-3M,VMA-Getzmann GmbH)。この注型コンパウンドから、鋳型の中に注型コンパウンドを注いで35分のあいだ110℃で重合させることによって、台所流し台の形態の成形体を製造した。
【0047】
試料1~3に基づく台所流し台の機械的及び熱的な特性
【0048】
【0049】
衝撃強さ測定のために、80×6mmのサイズの12個の試料を流し台から切断する。測定はZwickRoell HIT P器具で実施する。
【0050】
引っかき強度測定のために、1つの試料(100×100mm)を切断し、引っかきの前後のトポグラフィを測定した(Mitutoyo Surftest SJ500P)。
【0051】
テーバー摩耗テストのために、1つの試料(100×100mm)を切断し、Elcometer1720で摩耗テストを実施する。
【0052】
*この方法は試験規則DIN EN13310に依拠しており、この試験規則では試験体が180℃の温度で20分のあいだ、流し台の表面に目に見える変化を残すことなく、台所流し台の中央に配置される。
【0053】
**この試験は試験規則DIN EN 13310に依拠しており、この試験規則では、流し台が1000回のサイクルで冷水と温水により処理される。T=90℃の温水が90秒のあいだ流し台に流れ込み、続いて30秒のあいだ緩和がなされ、これに続く90秒のあいだ引き続き冷水(T=15℃)を流す。このサイクルが30秒の緩和によって終了する。
【0054】
対照用流し台の複合材料は、独国特許出願明細書DE3832351A1に基づき、石油化学に由来する有機化合物を使用して製造した。
【0055】
表が示すとおり、すべての実験例が、モノマーとポリマーに関してバイオベースでない成分からなる周知の対照用流し台の特性に少なくとも相当する、又は多くのケースで対照用流し台よりもさらに改善された、測定された特性を示している。特に衝撃強さは、サンプル1~3において部分的に有意に改善されている。
【0056】
実施例2
さまざまな多官能性モノマーを有するポリマーマトリクス成分の製造
使用する成分
(a)単官能性モノマー
62:38の比率におけるリサイクルされたMMAとバイオベースのLMA(リサイクルされたモノマーメタクリレート(rec.-MMA、Monomeros del Valles,S.L)、及びバイオモノマーとしてラウリルメタクリレート(LMA,Arkema France))
(b)多官能性モノマー
1,10-(デカンジオールジアクリレート)、プロポキシル化(3)グリセリルトリアクリレート(Arkema France)、ポリエチレングリコールジメタクリレート(Arkema France)、及びエポキシ化ソヤオイルジアクリレート(Miwon Specialty Chemical Co.,Ltd)
(c)ポリマー
アクリルガラス微粉砕品XP85(リサイクルされたPMMA(Kunststoff-und Farben-GmbH)及びAqualon EC-N100 0100(エチルセルロース,Ashland Industrie Deutschland GmbH)
(d)充填物質
SiO2[80%石英 粒度0.06~0.3mm(Dorfner GmbH);20%石英粉末、粒度0.1~0.70μm(Quarzwerke GmbH)]及びTiO2粒子(Crystal International B.V.)
(e)添加剤
バイオベースの分散添加剤(0.1%)(BYK Chemie GmbH)及びチキソトロピー添加剤(0.1%)(BYK Chemie GmbH)
ポリマーマトリクスの製造のための組成を、アクリルガラス微粉砕品XP85(リサイクルされたPMMA(Kunststoff-und Farben-GmbH)及びAqualon EC-N100 0100(エチルセルロース,Ashland Industrie Deutschland GmbH)の、62:38の比率における単官能性モノマーrec.MMA及びLMAからなる混合物への溶解によって製作する。反応混合物を40℃に加熱して、150分のあいだ溶解性を促進させ、続けて、多官能性モノマー:1,10DDDA、プロポキシル化(3)グリセリルトリアクリレート(Arkema France)、ポリエチレングリコールジメタクリレート(PEG-DMA,Arkema France)、エポキシ化ソヤオイルアクリレート(Miwon Specialty Chemical Co.,Ltd)を添加して、ポリマーマトリクスの形成のための組成を完成させた。マトリクス成分を比較するために、それぞれ異なる多官能性モノマーからなる組成を製作しており、表3にまとめてある。多官能性モノマーの濃度は、単官能性モノマーの量に対する重量%で記載している。
【0057】
【0058】
試料4~6に基づく台所流し台の機械的及び熱的な特性
【0059】
【0060】
表4の測定値が示すとおり、この実験例の枠内においても成形体は部分的に、特に衝撃強さと引っかき強度に関して、著しく改善された機械的特性を示している。すなわち、バイオベースの出発材料を使用することで、環境の観点から好都合な改善が実現されるばかりでなく、特に成形体の機械的特性の改善も実現される。
【0061】
実施例3
さまざまなリサイクルポリマー又はバイオポリマーを有するポリマーマトリクス成分の製造
使用する成分
(a)単官能性モノマー
62:38の比率におけるリサイクルされたMMAとバイオベースのLMA(リサイクルされたモノマーメタクリレート(rec.MMA、Monomeros del Valles、S,L)及びラウリルメタクリレート(LMA,Arkema France))
多官能性バイオモノマー
14:14の比率におけるバイオ-(1,10-デカンジオールジアクリレート)(Arkema France)とプロポキシル化(3)グリセリルトリアクリレート(Arkema France)
(b)ポリマー
リサイクルされたポリマー及びバイオポリマー及びバイオコポリマー:リサイクルされたPMMA(Kunststoff-und Farben-GmbH)、キャスターオイルポリマー(D.O.G Deutsche Oelfabrik Ges.f.chem.Erz.mbH&Co.KG)
(d)充填物質
SiO2[80%石英 粒度0.06~0.3mm(Dorfner GmbH);20%石英粉末、粒度0.1~0.70μm(Quarzwerke GmbH)]及びTiO2粒子(Crystal International B.V.)
(e)添加剤
バイオベースの分散添加剤(0.1%)(BYK Chemie)及びチキソトロピー添加剤(0.1%)(BYK Chemie)
ポリマーマトリクスの製造のための組成を、単官能性モノマーrec.MMAとLMAとの68:32の比率の混合物への、リサイクルされたポリマー及び/又はバイオポリマー及び/又はバイオコポリマー(リサイクルされたPMMA(Kunststoff-und Farben-GmbH)、キャスターオイルポリマー(D.O.G Deutsche Oelfabrik Ges.f.chem.Erz.mbH&Co.KG)の溶解によって製作する。反応混合物を40℃に加熱して、100分のあいだ溶解性を促進させ、続けて、バイオ(1,10-デカンジオールジアクリレート)(Arkema France)及びプロポキシル化(3)グリセリルトリアクリレート(Arkema France)を14:14の比率で添加して、ポリマーマトリクスの形成のための組成を完成させた。マトリクス成分を比較するために、それぞれ異なるリサイクルされたポリマー及びバイオポリマーからなる組成を製作しており、表5にまとめてある。バイオモノマーの濃度は、単官能性モノマーの量に対する重量%で記載している。
【0062】
【0063】
実施例1で説明した方法に従って台所流し台を製造した。
【0064】
試料7に基づく台所流し台の機械的及び熱的な特性
【0065】