(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-24
(45)【発行日】2024-02-01
(54)【発明の名称】収納用ポケット空間を備えたループ構造
(51)【国際特許分類】
A41D 1/06 20060101AFI20240125BHJP
A41D 27/20 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
A41D1/06 N
A41D27/20 C
(21)【出願番号】P 2021543466
(86)(22)【出願日】2019-12-11
(86)【国際出願番号】 US2019065640
(87)【国際公開番号】W WO2020159624
(87)【国際公開日】2020-08-06
【審査請求日】2021-07-27
(32)【優先日】2019-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514144250
【氏名又は名称】ナイキ イノベイト シーブイ
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100174023
【氏名又は名称】伊藤 怜愛
(72)【発明者】
【氏名】アリソン エム ホグバーグ
【審査官】住永 知毅
(56)【参考文献】
【文献】独国実用新案第202012009900(DE,U1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0192062(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0257459(US,A1)
【文献】独国実用新案第29813789(DE,U1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0096628(US,A1)
【文献】実開昭61-198219(JP,U)
【文献】実開昭58-074822(JP,U)
【文献】米国特許第01866428(US,A)
【文献】米国特許第01645502(US,A)
【文献】実開昭48-085816(JP,U)
【文献】特開2015-014067(JP,A)
【文献】実開平01-168525(JP,U)
【文献】登録実用新案第3180738(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D27/00-27/28
A41D1/06-1/16
A45F3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
胴部分、ウエストバンドおよびループ構造を備える下半身用衣服であって、
前記胴部分は、ウエスト開口を有し、
前記ウエストバンドは、前記胴部分の前記ウエスト開口から延び、
前記ウエストバンドは、外側表面と、前記外側表面とは反対側の内側表面と、頂部縁と、前記頂部縁とは反対側の底部縁と、を有し、
前記ループ構造は、
頂部終端と、
前記頂部終端とは反対側の底部終端と、
前記頂部終端と前記底部終端との間に延びる第1側縁と、
前記第1側縁とは反対側の第2側縁であって、前記第2側縁は、前記頂部終端と前記底部終端との間に延び、前記ループ構造の前記頂部終端は、前記ウエストバンドの前記頂部縁に近接して前記ウエストバンドに固定され、前記ループ構造の前記底部終端は、前記ウエストバンドの前記底部縁に近接して前記ウエストバンドに固定される、第2側縁と、
内部材料層と、
ポケット空間を形成するように前記内部材料層に隣接してその外側に位置する外部材料層であって、前記外部材料層は、前記ループ構造の前記第1側縁で前記内部材料層に連続的に貼り付けられ、前記外部材料層は、前記第2側縁の少なくとも一部分で前記内部材料層に非連続的に貼り付けられて、前記ポケット空間へのポケット開口を形成する、外部材料層と、
前記頂部終端と前記底部終端との間に延びる介在部分と、
を備え、
前記ループ構造の前記介在部分は、前記ウエストバンドに貼り付けられておらず、その結果、前記ループ構造と前記ウエストバンドとの間に空間が形成されており、
前記ループ構造の前記介在部分は、少なくとも部分的に前記ループ構造の長さに沿って延在するとともに、前記内部材料層が前記外部材料層に貼り付けられている、少なくとも1つの追加区域を、備えており、
前記少なくとも1つの追加区域は、前記第1側縁と前記第2側縁と
の中間に位置しているとともに、前記頂部終端と前記底部終端との間に位置している、
下半身用衣服。
【請求項2】
前記ループ構造は、前記下半身用衣服の背面に位置する、請求項1に記載の下半身用衣服。
【請求項3】
前記ループ構造の前記底部終端の長さは、前記ループ構造の前記頂部終端より長い、請求項1に記載の下半身用衣服。
【請求項4】
前記ポケット開口は、前記ウエストバンドの少なくとも前記頂部縁に直交するように配向される、請求項1に記載の下半身用衣服。
【請求項5】
前記外部材料層は、前記ループ構造の前記第2側縁上の非貼り付け部分の第1端および第2端の両方で、前記内部材料層に貼り付けられて、前記ポケット空間への前記ポケット開口を形成する、請求項1に記載の下半身用衣服。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の態様は、1つ以上のアイテムを収納するために使用可能であり、衣料品と一体化することの可能なポケット開口およびポケット空間を備えるループ構造を含む。
【背景技術】
【0002】
ズボンまたはショーツなどの衣服には、着用者の運動能力の妨げにならなく、身体活動を行っている間に使用するための、アイテム収納用の便利なポケット空間がない場合がある。
【0003】
本発明の態様の例は、添付図を参照して以下に詳細に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1A】ウエストバンドとポケット空間のあるループ構造とを備える下半身用衣服の一部分の斜視図を図示し、この図では、本発明の態様に従って例示的アイテムが、ポケット開口からポケット空間に挿入されていることが示される。
【
図1B】本発明の態様に従って、例示的アイテムがポケット空間内に収納された、
図1Aの斜視図を図示する。
【
図2A】本発明の態様に従って、
図1Aを切断線2A-2Aで切断した横断面を図示する。
【
図2B】本発明の態様に従って、
図1Bを切断線2B-2Bで切断した横断面を図示する。
【
図3】本発明の態様に従って、
図1Aの下半身用衣服の一部分の背面図を図示する。
【
図4】本発明の態様に従って、ウエストバンドとポケット空間のあるループ構造とを備える別の例示的下半身用衣服の一部分の背面図を図示する。
【
図5】本発明の態様に従って、ウエストバンドとポケット空間のあるループ構造とを備える下半身用衣服の背面図を図示する。
【
図6】本発明の態様に従って、下半身用衣服上に位置するループ構造のポケット空間に例示的アイテムを挿入する着用者を図示する。
【
図7】本発明の態様に従って、
図6のループ構造のポケット空間内に収納された、
図6の例示的アイテムを図示する。
【
図8】本発明の態様に従って、ベース層と、アイテム収納用のポケット空間を備えるループ構造と、を備える例示的トリム部品を図示する。
【
図9】本発明の態様に従って、ループ構造を備えるトリム部品を製造する例示的方法のフロー図を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本発明の主題は、法定要件を満たすために、本発明の特異性をもって記載される。しかし、記載そのものは、本開示の範囲を制限する意図はない。むしろ本発明者は、請求の主題または開示の主題も他の方式で具体化されて、他の現在または将来の技術と関連して、異なるステップ、または本文書に記載されたステップに類似するステップの組み合わせを含み得ると考慮している。さらに、用語「ステップ」および/または「ブロック」は、採用された方法の異なる要素を含意するために本発明において使用され得るにも拘わらず、個々のステップの順序が明示的に記載される場合でない限り、かつその場合を除いて、該用語は、本発明において開示された様々なステップ間の任意の特定の順序という意味を含蓄すると解釈すべきではない。
【0006】
本発明の態様は、高いレベルにおいて、ポケット空間を備えるループ構造に関し、そのポケット空間は、たとえば下半身用衣服上のトリム部品またはウエストバンドと一体化され、ここでループ構造は、1つ以上のアイテムを収納するために使用可能である。本発明の図および記述で示されるように、ループ構造は、衣料品に固定されたウエストバンド上に位置するベルトループを備え得る。多くの場合、ソフトボール用ズボンなどの運動着は、着用者の大腿または臀部に隣接して位置する区域において、下半身用衣服の前面または背面上に位置するポケットを含み得る。このような箇所に位置するポケット内に収納されるリップクリームまたはキーなどのアイテムは、たとえばプレイヤーのベースにスライディングしようとする試みを妨げ得、着用者に不快感を与え得る。このような理由から、身体的運動中にアイテムがポケット空間から落ちることを防止し、着用者の運動または身体能力も妨げない方式で、ポケットがアイテムを収納および確保し得るように構成される、衣料品上に位置するポケットが必要とされる。
【0007】
詳細に説明されるように、ループ構造は、2つの層を備え、2つの層の間にはポケット空間が形成される。ループ構造は、ループ構造の1つの側部上に位置する垂直配向開口を有する。ループ構造の反対側の側部は閉じている。この結果、リップクリームなどのアイテムを挿入および収納するためのポケット空間が形成される。
【0008】
ループ構造および/または下半身用衣服を記述するために本発明で使用される、位置を表す用語、たとえば「前方(front)」、「後方(back)」、「上部(upper)」、「頂部(top)」、「底部(bottom)」、「外側表面(external surface)」、「内側表面(internal surface)」、「内部(inner)」、「外部(outer)」、「垂直配向(vertically oriented)」、などは、直立姿勢で立っている着用者により、想定通りに、そして本発明で示されかつ記載された通りに着用されたループ構造および/または下半身用衣服に関する。このため下半身用衣服を着用した場合、下半身用衣服の前方は、着用者の前方の下胴および前方の脚に隣接して位置するように構成され、下半身用衣服を着用した場合、下半身用衣服の後方は、着用者の後方の下胴および後方の脚に隣接して位置するように構成される。下半身用衣服を着用した場合、ループ構造および/または下半身用衣服の内側表面は、内側方向(つまり着用者の皮膚表面の方向)に向くように構成され、下半身用衣服を着用した場合に、ループ構造および/または下半身用衣服の外側表面は、着用者の皮膚表面から見て外の方向に向くように構成される。加えて、下半身用衣服を着用した場合に、ループ構造および/または下半身用衣服の上部は、ループ構造および/または下半身用衣服の下部に比較して、着用者の頭部の近くに位置するように構成される。別途指定のない限り、本開示におけるすべての測定は、下半身用衣服および/またはループ構造が標準の外気温度および圧力(298.15Kおよび100kPa)にあり、下半身用衣服および/またはループ構造が静止状態(非伸張状態)にある場合に、測定される。
【0009】
さて
図1Aおよび
図1Bに目を向けると、ウエストバンド110およびループ構造102を備える例示的下半身用衣服100の一部分の2つの背面斜視図が図示される。
図1Aにおいて、リップクリームなどのアイテム106は、ポケット開口104からループ構造102のポケット空間108に挿入されているように示される。
図1Bは、2つ目の背面斜視図を示し、その図においてアイテム106は、ループ構造102のポケット空間108に挿入され、収納されている。例示的態様において、ウエストバンド110は、下半身用衣服100のウエスト開口から延びる。ウエストバンド110は、外側表面132と、外側表面132とは反対側の内側表面130と、を有する。またウエストバンド110は、頂部の長手方向縁112と、頂部縁112とは反対側の、底部の長手方向縁114と、を有する。
【0010】
ループ構造102は、頂部終端116および頂部終端116とは反対側の底部終端118、頂部終端116と底部終端118との間に延びる第1側縁120、ならびに第1側縁120とは反対側の第2側縁122を有する。第2側縁122はまた、頂部終端116と底部終端118との間に延びる。以下で詳細に説明されるように、ループ構造102の頂部終端116は、ウエストバンド110の頂部縁112に近接してウエストバンド110に固定され、ループ構造102の底部終端118は、ウエストバンド110の底部縁114に近接してウエストバンド110に固定される。
【0011】
ループ構造102は、内部材料層124および外部材料層126をさらに備える。外部材料層126は、外部材料層126と内部材料層124との間にポケット空間108を形成するように内部材料層124に隣接してその外側に位置する。例示的態様において、外部材料層126は、ループ構造102の第1側縁120で、内部材料層124に連続的に貼り付けられている(
図2Bの146参照)。追加の例示的態様において、外部材料層126は、第2側縁122の少なくとも一部分で内部材料層124に非連続的に貼り付けられて、ポケット空間108へのポケット開口104を形成する。これを異なる方式で説明すると、外部材料層126は、ループ構造102の第2側縁122上で、非貼り付け部分128(
図1Bに示す)の第1端142および第2端144で、内部材料層124に貼り付けられて、ポケット空間108へのポケット開口104を形成する。例示的態様において、ポケット開口104は、ウエストバンド110の少なくとも頂部縁112にほぼ直交するように配向される(直交配向に約±10度以内)。これを言い換えると、ポケット開口104は、ほぼ垂直に配向され得る。
【0012】
いくつかの場合において、ループ構造102は、ベルトループを備え得、このベルトループは、ベルトストラップ105がループ構造102の内側に挿入されることを可能にする。ループ構造102は、頂部終端116と底部終端118との間に延びる介在部分140を備える。例示的態様において、介在部分140は、ウエストバンド110に貼り付けられておらず、その結果、ループ構造102とウエストバンド110との間に空間123が形成され、ベルトストラップ105は、その空間を通って通され得る。より具体的には、空間123は、ループ構造102の内部材料層124とウエストバンド110の外側表面132との間に形成される。例示的態様において、そして示されたように、ループ構造102の底部終端118の長さは、ループ構造102をウエストバンド110および/または下半身用衣服100に確実に取り付けるため、ループ構造102の頂部終端116より長くてもよい。ただし本発明では、ループ構造102の底部終端118およびループ構造102の頂部終端116の長さは同じであってもよく、またはループ構造102の頂部終端116の長さは、ループ構造102の底部終端118の長さより長くてもよいことが考慮される。すべての態様、およびそれの任意の変化は、本発明の態様内にあると考慮される。
【0013】
例示的態様において、介在部分140は、内部材料層124が外部材料層126に貼り付けられる少なくとも1つの追加の貼り付け区域180を備える。貼り付けは、ステッチ、仮縫い、接合、溶接などであり得る。貼り付け区域180は、ウエストバンド110の底部縁114よりウエストバンド110の頂部縁112の近くに位置していると示され、ループ構造102の第1側縁120と第2側縁122との略中間に位置していると示される。貼り付け区域180は、ループ構造102の長さに沿って部分的にのみ延びていると示されるが、本発明では、貼り付け区域180は、ループ構造102の長さ全体または実質的に長さ全体(つまり約80%以上)に沿って延び得ると考慮される。貼り付け区域180の使用は、ポケット空間108の容量を効果的に減少させてアイテム106などのアイテムをポケット空間108中に良好に確保するのに役立ち、その結果、アイテム106は、様々な種類の運動中にその中に留まる。
図1Aおよび
図1Bは、単一の追加の貼り付け区域180を図示し、ここで第1材料層124は、ループ構造102の介在部分140中で第2材料層126に固定されるが、1つを上回る貼り付け区域が存在し得ると考慮される。たとえば
図4および
図5では、3つの貼り付け区域206、208、および210が図示されている。本発明では、追加の貼り付け区域の数についてのすべての変化が考慮される。
【0014】
ループ構造102は、下半身用衣服100の背面(
図5参照)に位置し得る。ただし、ループ構造102は、ウエストバンド110に沿った他の区域(たとえば前面、側面)に位置し得ると考慮される。追加的に、ループ構造102は、ウエストバンド110の外側表面132上に位置していると示されているが、ループ構造102は、追加的にまたは代替としてウエストバンド110の内側表面130上に位置し得、その結果、ポケット空間108およびポケット開口104は、下半身用衣服の内側表面130上に位置すると考慮される。この構成において着用者は、アイテムを内側表面130上のポケット空間108に収納してアイテムを収納できるであろうが、それによってウエストバンド110の外側表面132上でアクセスまたは目視できない。すべての態様、およびそれの任意の変化は、本発明の範囲内にあると考慮される。
【0015】
前述のように
図1Bは、ポケット開口104からポケット空間108に挿入された後のアイテム106を図示する。見られるように、アイテム106は、十分にまたは完全にポケット空間108中に位置する。アイテム106は、リップクリームとして示されているが、ポケット開口104に収まるサイズおよび形状の任意のアイテムがポケット空間108に挿入され得ると考慮される。
【0016】
次に
図2Aに目を向けると、
図1Aを切断線2A-2Aで切断した横断面が図示されている。
図2Aにおいて、ウエストバンド110、ならびにループ構造102の内部材料層124および外部材料層126が示される。追加的に、アイテム106は、ループ構造102のポケット空間108内に収納されて示される。ループ構造102の内部材料層124と外部材料層126との間に形成されたポケット空間108は、アイテム106がポケット空間108中に置かれ、安全な状態にあることの可能な横幅、長さ、および深さを有する。ループ構造102の介在部分140は、ウエストバンド110に貼り付けられておらず、ループ構造102の内部材料層124とウエストバンド110の外側表面132との間で空間123を形成する。この構成体は、アイテム106を収納するためポケット空間108の付加機能も提供しながら、ウエストバンド110が、ベルトストラップを使用してウエストバンド110の外周を締め付け、かつ/または緩めるなどの他の目的にも機能することを可能にする。
【0017】
図2Aは、例示的な一態様において、ループ構造102の頂部終端116がウエストバンド110の内側表面130に貼り付けられ得る様子をさらに図示し、ループ構造102の底部終端118がウエストバンド110の外側表面132に貼り付けられ得る様子を図示する。この構成体は、例示のみであり、本発明ではむしろ、ループ構造102の頂部終端116は、ウエストバンド110の外側表面132に貼り付けられ得ることが考慮される。すべての態様、およびそれの任意の変化は、本発明の態様内にあると考慮される。
【0018】
図2Bは、
図1Bを切断線2B-2Bで切断した2つ目の横断面を図示する。
図2Bで明確に示されているように、アイテム106は、ポケット開口104からポケット空間108に挿入されている。
図2Bは、符号146で示されているように、外部材料層126が、ループ構造102の第1側縁120で、内部材料層124に貼り付けられている様子を図示する。例示的態様において、この箇所での貼り付けは連続的であり、ループ構造102の第2側縁122上にのみアイテム106用の開口を提供する。このような状況から、下半身用衣服100を着ている着用者がループ構造102中に設けられたポケット空間108の利用を希望する場合、着用者は、アイテム106を挿入するためにポケット開口104を利用するであろう。ループ構造102の第1側縁120で外部材料層126を内部材料層124に貼り付けることは、ポケット空間108内に収納されたアイテムのより安全な格納空間を提供し得る。
【0019】
他の態様において、第1側縁120が代わりにポケット開口を有し得、外部材料層126が代わりにループ構造102の第2側縁122で内部材料層124に連続的に貼り付けられ得、それによって
図2Bで現在示されているものとは反対側にポケット空間およびポケット開口を作成することが考慮される。この態様は、たとえば左利きの着用者用にカスタマイズされた衣料アイテムと一体化され得る。
【0020】
さらに別の例示的態様において、本発明では、第1側縁120および第2側縁122の両方はそれぞれ、内部材料層124を外部材料層126に非連続的に貼り付けて、2つの材料層124と126の間に形成されたポケット空間へのポケット開口を形成することによって形成されたポケット開口を備え得ると考慮される。この構成体に関しては、右利きの着用者および左利きの着用者の両方を考慮に入れ得る。すべての態様、およびそれの任意の変化は、本発明の態様内にあると考慮される。
【0021】
次に
図3は、ループ構造102を備える
図1Aの下半身用衣服100の一部分の背面図を図示し、そのループ構造は、本発明の態様に従って下半身用衣服100に固定されたものである。
図3に示すように、ループ構造102は、下半身用衣服100の後面174上に位置するが、本発明では、ループ構造102は、ウエストバンド110上の他の箇所に位置し得ると考慮される。ウエストバンド110は、下半身用衣服100の胴部分170で下半身用衣服100から延びているように示される。より具体的には、胴部分170は、ウエストバンド110の延びによって画定されるウエスト開口172を備える。本発明では、ウエストバンド110は、貼り付け技術、たとえばステッチ、接合、溶接などを使用して、下半身用衣服100に貼り付けられる個別の構成体を備え得ることが考慮される。またウエストバンド110は、たとえば単一の編織または織成イベント中に下半身用衣服100から一体形成され得ることが本発明で考慮される。符号154は、たとえばステッチなどを使用して、ループ構造102がウエストバンド110および下半身用衣服100に貼り付けられたところを示す。
【0022】
図4において、本発明の態様に従ってループ構造204を持つウエストバンド202を備える別の例示的下半身用衣服200の一部分が示される。下半身用衣服200の特徴は、
図3の下半身用衣服100に類似している。たとえば下半身用衣服200は、ウエストバンド202と、ウエストバンド202が下半身用衣服200の胴部分240から延びるループ構造204と、を備える。胴部分240は、ウエスト開口242を含む。ウエストバンド202は、内側表面230と、内側表面230とは反対側の外側表面232と、を有する。さらに、ウエストバンドは、頂部の長手方向縁224と、頂部縁224とは反対側の、底部の長手方向縁228と、を備える。
図4のループ構造204は、頂部終端220と、頂部終端220とは反対側の底部終端222と、頂部終端220と底部終端222との間に延びる第1側縁214と、第1側縁214とは反対側にあり、頂部終端220と底部終端222との間に延びる第2側縁216と、を備える。ループ構造204の頂部終端220は、ウエストバンド202の頂部縁224に近接してウエストバンド202に固定され、ループ構造204の底部終端222は、ウエストバンド202の底部縁228に近接してウエストバンド202に固定される。
【0023】
ループ構造204は、内部材料層244および外部材料層246を有する。外部材料層246は、ポケット空間(図示せず)を形成するように内部材料層244に隣接してその外側に位置する。例示的態様において、外部材料層246は、ループ構造204の第1側縁214で、内部材料層244に連続的に貼り付けられている。外部材料層246は、第2側縁216の少なくとも一部分で内部材料層244に非連続的に貼り付けられて、ポケット空間へのポケット開口218を形成する。
【0024】
図4は、ループ構造204上の追加の貼り付け区域206、208、および210を図示するために提供され、ここで追加の貼り付け区域206、208、および210は、ループ構造204の外部材料層246がループ構造204の内部材料層244に追加的に貼り付けられる区域を表す。追加の貼り付け区域206、208、および210は、ポケット容量を効果的に減少させ、ポケット空間内でアイテム(図示せず)をさらに確保するのに役立つ。貼り付け区域210に関して、貼り付け区域210は、ポケット開口218のサイズを減少させる。追加の貼り付け区域206、208、および210は、ループ構造204の頂部終端220の下位に位置し、ループ構造204の第1側縁214と第2側縁216との間に長手方向に延びる。ループ構造204の頂部終端220と追加の貼り付け区域206、208、および210との間の距離は、ポケット空間の所望の容量によって変化し得る。たとえばリップクリームのように収納目的のアイテムが小さい場合、追加の貼り付け区域206、208、および210は、ペンのようにポケット空間内に収納されるアイテムが大きい場合に比して、ループ構造204の頂部終端220からより大きな距離だけ下位にあってもよい。ポケット空間内に収納されるアイテムの想定のサイズおよび形状によって、より多いまたは少ない追加の貼り付け区域が存在し得ることが考慮される。
【0025】
図5は、
図4の下半身用衣服200の背面図を図示し、ここで下半身用衣服200の全体は、本発明の態様に従って示される。
図4のウエストバンド202およびループ構造204の特徴の一部は、
図5に示される。
図5は、ベルトストラップ231が挿入されている、ベルトループを備えるループ構造204をさらに図示する。下半身用衣服200の背面236上にループ構造204を位置させることによって、下半身用衣服200を着ている着用者は、胴の後ろに手を伸ばし、背面236上に位置するポケット空間にアイテムを挿入して、所望のアイテムを収納する。下半身用衣服200は、ズボンとして示されているが、下半身用衣服200は、他の構成体、たとえばショーツ、カプリ、スカート、スコートなどを備え得る。
【0026】
次に
図6は、
図1Aと
図1B、
図2Aと
図2B、および
図3の下半身用衣服100を着用し、例示的アイテム106(リップクリームとして示す)を、下半身用衣服100の背面190上に位置するループ構造102のポケット空間108に挿入している着用者300を図示する。示されるように、着用者300は、手302を使用してアイテム106をポケット空間108に挿入している。
図7は、ポケット空間108に挿入された後のアイテム106を図示する。前述したようにアイテム106は、ポケット空間108内に収納および確保され、その結果、着用者300は、アイテム106をポケット空間108から落としたり、または所望の活動を妨げることなく、動き回り得るか、またはソフトボールの試合中にベースにスライディングするなどの身体活動に加わり得る。
【0027】
次に
図8は、本発明の態様に従って、ベース層402およびループ構造404を備える例示的トリム部品400を図示する。トリム部品400は、任意の数の長さであり得ることを示すため、破断線を用いて示される。ベース層402は、少なくとも第1長手方向縁406と、第1長手方向縁406とは反対側の第2長手方向縁408と、を備える。ベース層402はまた、第1表面428と、第1表面428とは反対側の第2表面430と、を備える。追加的に、ベース層402は、第1端401と、第1端401とは反対側の第2端403と、を備える。ループ構造404に関して、ループ構造404は、第1終端410と、第1終端410とは反対側の第2終端412と、を有する。ループ構造404の第1終端410は、ベース層402の第1長手方向縁406に近接してベース層402に固定される。例示的態様において、ループ構造404の第1終端410は、ベース層402の第2表面430に固定され得る。例示的態様において、ループ構造404の第2終端412は、ベース層402の第1表面428上でベース層402の第2長手方向縁408に近接してベース層402に固定され得る。
【0028】
ループ構造404は、第1終端410と第2終端412との間に延びる第1側縁414をさらに備える。ループ構造404はまた、第1終端410と第2終端412との間に延びる第2側縁416を有する。本発明に記載の他のループ構造と同様に、ループ構造404は、第1材料層426および第2材料層420を備える。第2材料層420は、ポケット空間(図示せず、ただし
図1A~
図2Bのポケット空間108と同様)を形成するように第1材料層426に隣接してその外側に位置する。また、本発明に記載した前述の態様と同様に、第2材料層420は、ループ構造404の第1側縁414で、第1材料層426に連続的に貼り付けられている。さらに、第2材料層420は、ループ構造の第2側縁416上の非貼り付け部分の第1端422および第2端424の両方で、第1材料層426に貼り付けられ、そこにおいて非貼り付け部分は、ポケット空間へのポケット開口418を形成する。
【0029】
トリム部品400のループ構造404は、第1終端410と第2終端412との間に延びる介在部分440も備える。既述の構成体と同様に、ループ構造404の介在部分440は、ベース層402に貼り付けられておらず、その結果、ループ構造404の介在部分140とベース層402との間に空間が形成される。前述の介在部分140と同様に、ループ構造404の介在部分440は、第1材料層426が第2材料層420に貼り付けられる少なくとも1つの追加の貼り付け区域411を備え得る。
【0030】
トリム部品400は、たとえばブラのサポート衣服のアンダーバンド、シャツまたはズボンの袖口、シャツまたはジャケットのウエストバンド、シャツまたはジャケットの襟、帽子、靴、および同種のものなどの任意の数の物品と一体化され得る。すべての態様、およびそれの任意の変化は、本発明の態様内にあると考慮される。
【0031】
次に
図9は、
図8のトリム部品などのトリム部品を製造するための例示的方法500を説明する。ステップ502で開始すると、少なくとも第1長手方向縁と、第1長手方向縁とは反対側の第2長手方向縁と、を備えるベース層が設けられる。次にステップ504で、ループ構造が設けられる。本発明で論じたように、ループ構造は、第1終端と、第1終端とは反対側の第2終端と、第1終端と第2終端との間に延びる第1側縁と、第1側縁とは反対側の第2側縁であって、第2側縁はまた、第1終端と第2終端との間に延びる、第2側縁と、第1材料層と、ポケット空間を形成するように第1材料層に隣接してその外側に位置する第2材料層であって、第2材料層は、ループ構造の第1側縁で第1材料層に連続的に貼り付けられ、第2材料層は、ループ構造の第2側縁上の非貼り付け部分の第1端および第2端の両方で第1材料層に貼り付けられて、ポケット空間へのポケット開口を形成する、第2材料層と、を備える。次にステップ506で、ループ構造の第1終端は、ベース層の第1長手方向縁に近接してベース層に貼り付けられる。追加的に、ループ構造の第2終端は、ステップ508でベース層の第2長手方向縁に近接してベース層に貼り付けられる。方法500のステップの順序は例示にすぎず、製造上の必要および効率に基づいて組み替えられ得る。追加の方法ステップとして、少なくとも1つの追加区域において、ループ構造の第1材料層をループ構造の第2材料層に貼り付けるステップを備え得る。例示的態様において、1つの追加区域は、ベース層の第2長手方向縁よりベース層の第1長手方向縁の近くに位置し得る。
【0032】
次に続く条項では、本発明で考慮されているコンセプトについて例示的態様を示す。以下の条項のうちいずれか1つは、複数の依存し合う方式で組み合わされて1つ以上の他の条項に従属し得る。さらに、依存し合う条項(前の条項に明示的に従属する条項)の任意の組み合わせは、本発明で考慮されている態様の範囲内にとどまりながら、組み合わされ得る。以下の条項は例であり、制限的ではない。
【0033】
条項1.ベース層およびループ構造を備えるトリム部品であって、
ベース層は、少なくとも第1長手方向縁と、第1長手方向縁とは反対側の第2長手方向縁と、を備え、
ループ構造は、
第1終端と、
第1終端とは反対側の第2終端と、
第1終端と第2終端との間に延びる第1側縁と、
第1側縁とは反対側の第2側縁であって、第2側縁は、第1終端と第2終端との間に延び、ループ構造の第1終端は、ベース層の第1長手方向縁に近接してベース層に固定され、ループ構造の第2終端は、ベース層の第2長手方向縁に近接してベース層に固定される、第2側縁と、
第1材料層と、
ポケット空間を形成するように第1材料層に隣接してその外側に位置する第2材料層であって、第2材料層は、ループ構造の第1側縁で第1材料層に連続的に貼り付けられ、第2材料層は、ループ構造の第2側縁上の非貼り付け部分の第1端および第2端の両方で第1材料層に貼り付けられて、ポケット空間へのポケット開口を形成する、第2材料層と、
を備える、トリム部品。
【0034】
条項2.トリム部品は、ウエストバンド組立体を備える、条項1に記載のトリム部品。
【0035】
条項3.ベース層は、第1表面と、第1表面とは反対側の第2表面と、をさらに備える、条項1または2に記載のトリム部品。
【0036】
条項4.ループ構造の第1終端は、ベース層の第2表面上で第1長手方向縁に近接してベース層に固定される、条項3に記載のトリム部品。
【0037】
条項5.ループ構造の第2終端は、ベース層の第1表面上でベース層の第2長手方向縁に近接してベース層に固定される、条項3または4に記載のトリム部品。
【0038】
条項6.ループ構造は、第1終端と第2終端との間に延びる介在部分を備える、条項1~5のいずれか1つに記載のトリム部品。
【0039】
条項7.ループ構造の介在部分は、ベース層に貼り付けられておらず、その結果、ループ構造の介在部分とベース層との間に空間が形成される、条項6に記載のトリム部品。
【0040】
条項8.ループ構造の介在部分は、ベース層の第1表面に隣接して位置する、条項6または7に記載のトリム部品。
【0041】
条項9.ループ構造の介在部分は、第1材料層が第2材料層に貼り付けられる少なくとも1つの追加区域を備える、条項6~8のいずれか1つに記載のトリム部品。
【0042】
条項10.ループ構造は、ベルトループを備える、条項1~9のいずれか1つに記載のトリム部品。
【0043】
条項11.胴部分、ウエストバンドおよびループ構造を備える下半身用衣服であって、
胴部分は、ウエスト開口を有し、
ウエストバンドは、胴部分のウエスト開口から延び、ウエストバンドは、外側表面と、外側表面とは反対側の内側表面と、頂部縁と、頂部縁とは反対側の底部縁と、を有し、
ループ構造は、
頂部終端と、
頂部終端とは反対側の底部終端と、
頂部終端と底部終端との間に延びる第1側縁と、
第1側縁とは反対側の第2側縁であって、第2側縁は、頂部終端と底部終端との間に延び、ループ構造の頂部終端は、ウエストバンドの頂部縁に近接してウエストバンドに固定され、ループ構造の底部終端は、ウエストバンドの底部縁に近接してウエストバンドに固定される、第2側縁と、
内部材料層と、
ポケット空間を形成するように内部材料層に隣接してその外側に位置する外部材料層であって、外部材料層は、ループ構造の第1側縁で内部材料層に連続的に貼り付けられ、外部材料層は、第2側縁の少なくとも一部分で内部材料層に非連続的に貼り付けられて、ポケット空間へのポケット開口を形成する、外部材料層と、
を備える、下半身用衣服。
【0044】
条項12.ループ構造は、ベルトループを備える、条項11に記載の下半身用衣服。
【0045】
条項13.ループ構造は、頂部終端と底部終端との間に延びる介在部分を備え、ループ構造の介在部分は、ウエストバンドに貼り付けられておらず、その結果、ループ構造とウエストバンドとの間に空間が形成される、条項11または12に記載の下半身用衣服。
【0046】
条項14.ループ構造の介在部分は、内部材料層が外部材料層に貼り付けられる少なくとも1つの追加区域を備える、条項13に記載の下半身用衣服。
【0047】
条項15.ループ構造は、下半身用衣服の背面に位置する、条項11~14のいずれか1つに記載の下半身用衣服。
【0048】
条項16.ループ構造の底部終端の長さは、ループ構造の頂部終端より長い、条項11~15のいずれか1つに記載の下半身用衣服。
【0049】
条項17.ポケット開口は、ウエストバンドの少なくとも頂部縁にほぼ直交するように配向される、条項11~16のいずれか1つに記載の下半身用衣服。
【0050】
条項18.外部材料層は、ループ構造の第2側縁上の非貼り付け部分の第1端および第2端の両方で、内部材料層に貼り付けられて、ポケット空間へのポケット開口を形成する、条項11~17のいずれか1つに記載の下半身用衣服。
【0051】
条項19.トリム部品の製造方法であって、
少なくとも第1長手方向縁と、第1長手方向縁とは反対側の第2長手方向縁と、を備えるベース層を設けるステップと;
ループ構造を設けるステップであって、ループ構造は、第1終端と、第1終端とは反対側の第2終端と、第1終端と第2終端との間に延びる第1側縁と、第1側縁とは反対側の第2側縁であって、第2側縁はまた、第1終端と第2終端との間に延びる、第2側縁と、第1材料層と、ポケット空間を形成するように第1材料層に隣接してその外側に位置する第2材料層であって、第2材料層は、ループ構造の第1側縁で第1材料層に連続的に貼り付けられ、第2材料層は、ループ構造の第2側縁上の非貼り付け部分の第1端および第2端の両方で第1材料層に貼り付けられて、ポケット空間へのポケット開口を形成する、第2材料層と、を備える、ステップと;
ループ構造の第1終端をベース層の第1長手方向縁に近接してベース層に貼り付けるステップと;
ループ構造の第2終端をベース層の第2長手方向縁に近接してベース層に貼り付けるステップと;
を備える、製造方法。
【0052】
条項20.ループ構造の第1材料層は、少なくとも1つの追加区域において、ループ構造の第2材料層に貼り付けられる、条項19に記載の製造方法。
【0053】
条項21.少なくとも1つの追加区域は、ベース層の第2長手方向縁よりベース層の第1長手方向縁の近くに位置する、条項20に記載の製造方法。
【0054】
本開示の態様は、限定的ではなく例示的であるという意図の元に記述されている。代替の態様は、その範囲から逸脱しないことが、当業者には明らかであろう。当業者であれば、本開示の範囲から逸脱することなく前述の改良を実装する代替手段を開発し得る。
【0055】
特定の特徴および下位組み合わせは実用的であり、他の特徴および下位組み合わせに関係なく採用され得、特許請求の範囲内で考慮されていることが理解されよう。様々な図でリストされているすべてのステップは、記載されている特定の順序で実施される必要はない。