(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-24
(45)【発行日】2024-02-01
(54)【発明の名称】自然通気機能を有する加熱式タバコフィルター及びそれを含む加熱式タバコ
(51)【国際特許分類】
A24D 3/04 20060101AFI20240125BHJP
【FI】
A24D3/04
(21)【出願番号】P 2021568872
(86)(22)【出願日】2021-06-07
(86)【国際出願番号】 CN2021098675
(87)【国際公開番号】W WO2022252247
(87)【国際公開日】2022-12-08
【審査請求日】2022-01-17
(31)【優先権主張番号】202110599704.5
(32)【優先日】2021-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517283640
【氏名又は名称】雲南中煙工業有限責任公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】趙楊
(72)【発明者】
【氏名】申欽鵬
(72)【発明者】
【氏名】雷▲ぴん▼
(72)【発明者】
【氏名】郭丁栄
(72)【発明者】
【氏名】段▲ゆあん▼杏
(72)【発明者】
【氏名】李源棟
(72)【発明者】
【氏名】田永峰
(72)【発明者】
【氏名】李世衛
(72)【発明者】
【氏名】劉凌▲しぇん▼
(72)【発明者】
【氏名】楊柳
(72)【発明者】
【氏名】▲こん▼為民
(72)【発明者】
【氏名】鞏効偉
(72)【発明者】
【氏名】韓▲い▼
(72)【発明者】
【氏名】趙偉
(72)【発明者】
【氏名】秦雲華
(72)【発明者】
【氏名】▲みお▼明明
【審査官】河内 誠
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第110419783(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0090533(US,A1)
【文献】特表2014-509834(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24D 1/20、3/17
A24F 40/00~47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発煙部(1)と組み合わされて加熱式タバコを構成し、
前記発煙部(1)に近い側から口唇端部に近い側にかけて、煙抽出部(2)及びフィルタープラグ部(3)をこの順に備え、前記煙抽出部(2)及び前記フィルタープラグ部(3)の外側に成形紙(4)及びチップペーパー(5)を有し、
前記煙抽出部(2)は、管壁(21)及び中空部(22)を備える中空構造であり、前記管壁(21
)は、通気機能を有し、前記管壁(21)中に通気孔を有し、外気が前記管壁(21)中の
前記通気孔を介して前記中空部(22)内に入ることができ、
前記管壁(21)は、粒子が結着されて押圧成形され、成形後の粒子間の空隙が
前記通気孔となることで、前記管壁(21)自体が通気機能を有することができ、
前記粒子の粒径が200~25000μmであり、前記粒子により中空管の管壁が形成された後、前記管壁(21)の厚さが1.0~2.0mmであり、前記管壁(21)における前記粒子間の空隙が分散しており、空隙率が50~80%である、ことを特徴とする、自然通気機能を有する加熱式タバコフィルター。
【請求項2】
前記成形紙(4)及びチップペーパー(5)は、通気性のものであり、前記成形紙(4)の通気度が1000~10000CUであり、前記チップペーパー(5)の通気度が200~5000CUである、ことを特徴とする、請求項1に記載の自然通気機能を有する加熱式タバコフィルター。
【請求項3】
前記粒子が有機粒子又は無機粒子から選ばれ、
前記無機粒子は、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、ガラスビーズ、二酸化ケイ素、鉄、銅、アルミニウム、金、白金、球状ケイ酸マグネシウム、又は硫酸カルシウムを含み、
前記有機粒子は、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、微結晶セルロース、ショ糖粉末、デキストリン、ラクトース、糖粉末、グルコース、マンニトール、デンプン、メチルセルロース、エチルセルロース、ポリ乳酸、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリε-カプロラクトン、ポリグリコール酸、ポリヒドロキシアルカノエート、デンプン系熱可塑性樹脂、のうちの少なくとも1種を含む、ことを特徴とする、請求項1に記載の自然通気機能を有する加熱式タバコフィルター。
【請求項4】
前記粒子間のバインダーは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ乳酸、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリビニルポリアクリレート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリアクリル、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン、スチレン-アクリロニトリル、スチレン-ブタジエン、スチレン-マレイン酸、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、可塑化セルロースプラスチック、プロピオン酸セルロース、エチルセルロース、これらの誘導体、或いはこれらの共重合体、のうちの少なくとも1種、又はこれらの任意の組み合わせ、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の自然通気機能を有する加熱式タバコフィルター。
【請求項5】
前記チップペーパー(5)にベンチレーション孔がさらに穿設されていることを特徴とする、請求項1に記載の自然通気機能を有する加熱式タバコフィルター。
【請求項6】
前記チップペーパー(5)は、前記煙抽出部(2)の一部のみを巻装し、前記煙抽出部(2)の
前記発煙部(1)に近い側の部分領域の外側には、前記チップペーパー(5)が巻装されておらず前記成形紙(4)のみが巻装され、
この場合に、前記成形紙(4)は、通気性のものであり、
前記発煙部(1)と前記自然通気機能を有する加熱式タバコフィルターとを巻き合わせて加熱式タバコを構成する役割を果たし、
前記チップペーパー(5)は、非通気性のものであり、前記チップペーパー(5)が前記煙抽出部(2)を被覆する領域の大きさを調整することにより、前記煙抽出部(2)の通気量を調整することができる、ことを特徴とする、請求項1に記載の自然通気機能を有する加熱式タバコフィルター。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載の自然通気機能を有する加熱式タバコフィルターを含む加熱式タバコ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱式タバコの分野に属し、具体的には自然通気機能を有する加熱式タバコフィルター及びそれを含む加熱式タバコに関する。
【背景技術】
【0002】
喫煙者の健康志向の高まり及びタバコ製品の個別化体験への要求の高まりにつれて、タバコ業界は、喫煙者の要求の高まりに対応するために、タールや有害物質が低減された様々な加熱式タバコを開発してきた。非燃焼加熱式タバコは、タバコ加熱方式が従来の紙巻きタバコ製品と異なるため、喫煙者のタバコ製品に対する官能的要求を満たすとともに、より健康的な喫煙体験を提供することができる。
【0003】
従来の加熱式タバコは、主に発煙芯材部、中空支持部、降温部及びフィルター部を備え、空気を導入して、通気量を増加させ、煙の温度を効果的に低下させるために、通常、オンラインレーザー穿孔法により加熱式タバコの中空支持部で穿孔し、中空支持部の管壁と、中空支持部を巻装する成形紙及びチップペーパーとを穿孔して通気孔を形成して空気を導入するが、この方法には、1、オンラインレーザー穿孔は、中空支持部の管壁の材料や厚さに対する要求が高く、中空支持部の管壁の材料がオンラインレーザー穿孔の際に破損してはならず、そして、オンラインレーザー穿孔の際に穿孔不能とならないように、中空支持部の管壁が特に厚くてはならない;2、オンラインレーザー穿孔は、レーザーパワーに対する要求が高く、レーザー穿孔装置が中空支持部の管壁を穿孔できない場合に、加熱式タバコの製造不良、煙の温度の高すぎなどの問題が発生する;3、現在、中空支持部と、中空支持部を巻装する成形紙及びチップペーパーとを穿孔して通気孔を形成することにより、外気が通気孔を介して中空支持部の内部に直接入り、通気孔から空気を導入する速度が速く、導入された空気と煙との接触面積が限られ、均一に混合できないため、喫煙者の口内に吸引された煙の量が増加されるものの、煙の濃度が低く、煙に大量の空気が混入され、喫煙品質が大幅に低下してしまう、という問題がある。
【0004】
したがって、煙に対する降温効果を確保しつつ、発煙量及び煙品質を確保することができる加熱式タバコフィルターが望まれている。
【0005】
上記の問題点を解消するために、本発明を提出する。
【発明の概要】
【0006】
本発明の第1態様は、発煙部1と組み合わせて加熱式タバコを構成し、発煙部1に近い側から口唇端部に近い側にかけて、煙抽出部2及びフィルタープラグ部3をこの順に備え、煙抽出部2及びフィルタープラグ部3の外側に成形紙4及びチップペーパー5を有し、
煙抽出部2は、管壁21及び中空部22を備える中空構造であり、管壁21は、穿孔する必要がなく、それ自体が通気機能を有し、管壁21内に通気孔を有し、外気が管壁21内の通気孔を介して中空部22内に入ることができる自然通気機能を有する加熱式タバコフィルターを提供する。ここで、中空部22の断面積が円形に限定されるものではなく、三角形、多角形又は星形などの任意の形状であってもよい。
【0007】
好ましくは、成形紙4及びチップペーパー5は、通気性のものであり、成形紙4の通気度が1000~10000CUであり、チップペーパー5の通気度が200~5000CUである。
【0008】
好ましくは、管壁21は、粒子が結着されて押圧成形され、成形後の粒子間の空隙が通気孔となることで、管壁21自体が通気機能を有するようになり、
粒子の粒径が200~25000μmであり、粒子により中空管の管壁が形成された後、管壁21の厚さが1.0~2.0mmであり、管壁21における粒子間の空隙が分散しており、空隙率が50~80%である。
【0009】
好ましくは、粒子が有機粒子又は無機粒子から選ばれ、無機粒子は、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、ガラスビーズ、二酸化ケイ素、鉄、銅、アルミニウム、金、白金、球状ケイ酸マグネシウム又は硫酸カルシウムを含み、有機粒子は、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、微結晶セルロース、ショ糖粉末、デキストリン、ラクトース、糖粉末、グルコース、マンニトール、デンプン、メチルセルロース、エチルセルロース、ポリ乳酸、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリε-カプロラクトン、ポリグリコール酸、ポリヒドロキシアルカノエート、デンプン系熱可塑性樹脂の少なくとも1種を含む。
【0010】
好ましくは、粒子間のバインダーは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ乳酸、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリビニルポリアクリレート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリアクリル、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン、スチレン-アクリロニトリル、スチレン-ブタジエン、スチレン-マレイン酸、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、可塑化セルロースプラスチック、プロピオン酸セルロース、エチルセルロース、これらの任意の誘導体、これらの任意の共重合体の少なくとも1種、及びこれらの任意の組み合わせを含む。
【0011】
好ましくは、管壁21はセルロースアセテートトウであり、この場合に、セルロースアセテートトウの充填量がレギュラーであり、セルロースアセテートトウが中空管の管壁を形成した後、管壁21の厚さが1.0~3.0mmである。この場合に、セルロースアセテートトウの充填量がレギュラーであるとは、フィルターの円周長が19.8mmである場合に、2000~4500本のフィラメントが充填される。
【0012】
好ましくは、管壁21は通気性セラミックである。
【0013】
好ましくは、チップペーパー5にベンチレーション孔がさらに穿設されている。
【0014】
好ましくは、チップペーパー5は、煙抽出部2の一部のみを巻装し、煙抽出部2の発煙部1に近い側の部分領域の外側には、チップペーパー5が巻装されておらず成形紙4のみが巻装され、この場合に、成形紙4は、通気性のものであり、発煙部1と自然通気機能を有する加熱式タバコフィルターとを巻き合わせて加熱式タバコを構成する役割を果たし、チップペーパー5は、非通気性のものであり、チップペーパー5の煙抽出部2を被覆する領域の大きさを調整することにより、煙抽出部2の通気量を調整することができる。つまり、この加熱式タバコの構造において、成形紙4は、(1)煙抽出部2とフィルタープラグ部3とを巻き合わせて自然通気機能を有する加熱式タバコフィルターを構成する;(2)自然通気機能を有する加熱式タバコフィルターと発煙部1とを巻き合わせて加熱式タバコを構成するという2つの巻き合わせの役割を果たす。チップペーパーは、巻き合わせの役割を果たすことなく、チップペーパーの長さを制御することで煙抽出部2の通気量及び通気位置を制御するとともに、パターンやLOGOなどが印刷されるという役割を果たす。
【0015】
また、本発明の自然通気機能を有する加熱式タバコフィルターは、煙抽出部2及びフィルタープラグ部3のみを備えることに限定されず、実際の必要に応じて、三元複合構造であってもよく、支持部、降温部、香味増強部などの他の機能部をさらに加えてもよい。
【0016】
本発明の第2態様は、本発明の第1態様に記載の自然通気機能を有する加熱式タバコフィルターを含む加熱式タバコを提供する。
【0017】
従来技術に比べて、本発明の有益な効果は、以下の通りである。
1、本発明の自然通気機能を有する加熱式タバコフィルターは、煙抽出部2を備え、煙抽出部2の管壁21は、穿孔する必要がなく、それ自体が通気機能を有し、管壁21内に通気孔を有し、外気が管壁21内の通気孔を介して中空部22内に入ることができ、つまり、管壁21は、自体が空隙を有し、自然通気の効果を有し、成形紙4及びチップペーパー5と合わせて使用することで、降温部の管壁が通気できるようになり、外気が空隙を介して加熱式タバコの内部に入って煙と混合され、加熱式タバコの内部に空気を導入する目的が達成され、穿孔する必要がないため、煙抽出部2の管壁21の穿孔による問題を防止した。
2、本発明の好ましい実施形態において、管壁21は、粒子が結着されて押圧成形され、成形後の粒子間の空隙が自然通気の役割を果たし、粒子により中空管が形成された後、管壁における粒子間の空隙が分散しており、降温部を直接穿孔することに比べて、本発明では、粒子形態の煙抽出部に導入された空気がより分散しており、導入された空気量により降温を達成するとともに、加熱式タバコに空気を均一に導入することができるので、導入された空気と煙とが均一に混合され、従来技術では、穿孔することにより、大量の空気を導入して降温効果を達成することのみを確保するが、空気と煙とが均一に混合できず、煙の品質が悪くなるという問題を解消した。
3、粒子を中実降温部とすると、降温効果が優れるが、煙がフィルターに達して喫煙者に吸引されるためには、中実降温部における粒子の空隙を通過する必要があり、これにより、中実降温部への煙の吸着量が大きくなる。本発明では、空気を導入して煙の温度を低下させるとともに、粒子材料の選択も非常に重要であり、本発明の粒子材料が降温効果を有する材料から選ばれるので、煙が通過する際に、煙抽出部の管壁の材料が同様に煙の温度を低下させる役割を果たすことができる。
4、本発明の好ましい実施形態において、管壁21はセルロースアセテートトウであり、このセルロースアセテートトウは、従来のフィルターのためのセルロースアセテートトウではなく、本発明では管壁21に用いられるセルロースアセテートトウがレギュラートウであるので、セルロースアセテートトウ自体が、網目を有する網戸のように空隙を有し通気性のあるものである。降温部を直接穿孔することに比べて、本発明では、セルロースアセテートトウからなる煙抽出部に導入された空気がより分散しており、導入された空気量により降温を達成するとともに、加熱式タバコに空気を均一に導入することができるので、導入された空気と煙とが均一に混合され、従来技術では、穿孔することにより、大量の空気を導入して降温効果を達成することのみを確保するが、空気と煙とが均一に混合できず、煙の品質が悪くなるという問題を解消した。
5、本発明の好ましい実施形態において、管壁21は、通気性セラミックであってもよく、自然通気機能を有するとともに、支持する役割を果たすこともできる。
6、本発明の好ましい実施形態において、チップペーパー5は、煙抽出部2の一部のみを巻装し、煙抽出部2の発煙部1に近い側の部分領域の外側には、チップペーパー5が巻装されておらず成形紙4のみが巻装され、この場合に、成形紙4は、通気性のものであり、発煙部1と自然通気機能を有する加熱式タバコフィルターとを巻き合わせて加熱式タバコを構成する役割を果たし、チップペーパー5は、非通気性のものであり、チップペーパー5の煙抽出部2を被覆する領域の大きさを調整することにより、煙抽出部2の通気量を調整することができるので、このタバコの構造は、チップペーパー5の長さを制御することにより煙抽出部2の通気量を柔軟に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】実施例1の加熱式タバコにおける煙抽出部の実際の効果を示す構造概略図であり、煙抽出部2の管壁は、粒子が結着されて押圧成形される。
【
図2】実施例1の加熱式タバコにおける煙抽出部の理論的効果を示す構造概略図である。
【
図3】本発明の実施例1の加熱式タバコの構造概略図である。
【
図4】実施例2の加熱式タバコの構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、実施例によって本発明を詳細に説明する。
【0020】
当業者であれば、以下の実施例は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではないことを理解するであろう。実施例に具体的な技術又は条件が明記されていない場合は、当分野の文献に記述された技術又は条件又は製品取扱書に従って行われる。用いられる材料又は設備に製造業者が明記されていない場合は、いずれも購買によって入手可能な通常の製品である。
【0021】
当業者には、本明細書に用いられる単数形「1」、「1つ」、「前記」及び「該」は、特に明記されない限り、複数形も含むことができることは理解されるであろう。さらに、本発明の明細書に用いられる「含む」という用語は、述べられた特徴、整数、ステップ、動作、要素及び/又は構成要素の存在を指すが、1つ又は複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素及び/又はそれらの群の存在又は追加を排除するものではないことを理解されたい。要素が他の要素に「接続される」と称される場合に、他の要素に直接接続されてもよいし、介在要素が存在してもよいことを理解されたい。また、ここで使用される「接続」は、無線接続を含んでもよい。
【0022】
本発明の説明において、別途説明がない限り、「複数」とは2つ以上を意味する。「内」、「上」、「下」などの用語で示される方位又は状態関係は、図面に示される方位又は状態関係に基づくものであり、本発明の説明を容易にし簡略化するためのものに過ぎず、言及される装置又は要素が特定の方位を有し、特定の方位で構成されて動作しなければならないことを指示又は示唆するものではないので、本発明を限定するものとして理解されるべきではない。
【0023】
本発明の説明において、別途明確な規定及び限定がない限り、「取付」、「接続」、「設けられ」などの用語は、広義に理解されるべきである。例えば、固定的に接続されてもよく、取り外し可能に接続されてもよく、又は一体的に接続されてもよい。また、機械的に接続されてもよく、電気的に接続されてもよい。また、直接接続されてもよく、中間部材を介して間接的に接続されてもよい。当業者であれば、上記用語の本発明における具体的な意味を、具体的な状況に応じて理解することができる。
【0024】
当業者には、別途定義されない限り、本明細書に用いられるすべての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有することは理解されるであろう。さらに、一般的に使われる辞書に定義されているような用語は、従来技術の文脈における意味と一致する意味を有するものと理解されるべきであり、本明細書で定義されない限り、理想的又は過度に形式的な意味で解釈されるべきではないことも理解されるであろう。
【0025】
実施例1
図1~
図3に示すように、本実施例の加熱式タバコは、遠唇端から近唇端にかけて、発煙部1、煙抽出部2及びフィルタープラグ部3の順であり、煙抽出部2及びフィルタープラグ部3が成形紙4により巻装されてフィルターを構成し、フィルターがチップペーパー5により発煙部1と巻き合わされて加熱式タバコを構成し、
煙抽出部2は、管壁21及び中空部22を備える中空構造であり、管壁21は、穿孔する必要がなく、それ自体が通気機能を有し、管壁21内に通気孔を有し、外気が管壁21内の通気孔を介して中空部22内に入ることができる。
成形紙4の通気度が1000CUであり、チップペーパー5の通気度が200CUである。
管壁21は、粒子が結着されて押圧成形され、成形後の粒子間の空隙が自然通気の役割を果たし、
粒子の粒径が200~25000μmであり、粒子により中空管の管壁が形成された後、管壁21の厚さが1.5mmであり、管壁21における粒子間の空隙が分散しており、空隙率が50%である。粒子は、無機粒子の酸化アルミニウムである。粒子間のバインダーは、ポリ乳酸である。
【0026】
実施例2
図4に示すように、本実施例の加熱式タバコは、遠唇端から近唇端にかけて、発煙部1、煙抽出部2及びフィルタープラグ部3の順であり、煙抽出部2、フィルタープラグ部3及び発煙部1が成形紙4により巻装され、チップペーパー5は、煙抽出部2の一部のみを巻装し、煙抽出部2の発煙部1に近い側の部分領域の外側には、チップペーパー5が巻装されておらず成形紙4のみが巻装され、この場合に、成形紙4は、通気性のものであり、発煙部1と自然通気機能を有する加熱式タバコフィルターとを巻き合わせて加熱式タバコを構成する役割を果たし、チップペーパー5は、非通気性のものであり、チップペーパー5の煙抽出部2を被覆する領域の大きさを調整することにより、煙抽出部2の通気量を調整することができる。
煙抽出部2は、管壁21及び中空部22を備える中空構造であり、管壁21は、穿孔する必要がなく、それ自体が通気機能を有し、管壁21内に通気孔を有し、外気が管壁21内の通気孔を介して中空部22内に入ることができる。
管壁21はセルロースアセテートトウであり、この場合に、セルロースアセテートトウの充填量がレギュラーであり、セルロースアセテートトウが中空管の管壁を形成した後、管壁21の厚さが1.0である。この場合に、セルロースアセテートトウの充填量がレギュラーであるとは、フィルターの円周長が19.8mmである場合に、2833本のフィラメントが充填される。
【符号の説明】
【0027】
1:発煙部
2:煙抽出部
3:フィルタープラグ部
4:成形紙
5:チップペーパー
21:管壁
22:中空部