(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-24
(45)【発行日】2024-02-01
(54)【発明の名称】バッテリを管理するシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
H02J 13/00 20060101AFI20240125BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20240125BHJP
B60L 53/80 20190101ALI20240125BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20240125BHJP
G16Y 10/40 20200101ALI20240125BHJP
G16Y 40/35 20200101ALI20240125BHJP
【FI】
H02J13/00 301A
H02J7/00 P
B60L53/80
G06Q50/10
G16Y10/40
G16Y40/35
(21)【出願番号】P 2021573265
(86)(22)【出願日】2020-07-15
(86)【国際出願番号】 IB2020000578
(87)【国際公開番号】W WO2021009561
(87)【国際公開日】2021-01-21
【審査請求日】2022-01-28
(32)【優先日】2019-07-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514022545
【氏名又は名称】ゴゴロ インク
(74)【代理人】
【識別番号】100124039
【氏名又は名称】立花 顕治
(74)【代理人】
【識別番号】100210251
【氏名又は名称】大古場 ゆう子
(72)【発明者】
【氏名】チェン チン
(72)【発明者】
【氏名】ウー ジャヤン
(72)【発明者】
【氏名】リョウ エンイ
(72)【発明者】
【氏名】チェン チエンチュン
(72)【発明者】
【氏名】ルーク ホクサム ホレース
【審査官】高野 誠治
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-160171(JP,A)
【文献】特表2017-529821(JP,A)
【文献】特開2014-082136(JP,A)
【文献】特開2009-151953(JP,A)
【文献】特開平11-150809(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 13/00
H02J 7/00
B60L 53/80
G06Q 50/10
G16Y 10/40
G16Y 40/35
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギー貯蔵装置を認証する方法であって、
前記エネルギー貯蔵装置であって、装置に電力供給するように構成されるエネルギー貯蔵装置に取り付けられたデータストレージに記憶された識別情報の第1の部分を受信することと、
前記装置の装置識別に基づいて、前記識別情報の前記第1の部分を分析すること
であって、
前記識別情報の前記第1の部分を分析することは、前記識別情報の前記第1の部分と前記装置識別とを比較すること、および、
前記識別情報の前記第1の部分を分析した結果に基づいて、前記エネルギー貯蔵装置に取り付けられた前記データストレージに記憶された前記識別情報の第2の部分を更新すること
であって、前記識別情報の前記第2の部分を更新することは、前記識別情報の前記第1の部分が前記装置識別の前記第1の部分と一致する場合に、前記装置の前記装置識別に対応する固有のシリアル番号を含むように前記識別情報の前記第2の部分を更新すること
を含む、方法。
【請求項2】
前記識別情報の前記第1の部分は先頭部分を含み、前記先頭部分は、前記装置の前記装置識別の
前記第1の部分に対応する、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記先頭部分は、前記装置が属する装置グループに対応する、
請求項
2に記載の方法。
【請求項4】
前記装置は電動車両であり、前記識別情報の前記第2の部分を更新することは、前記電動車両によって、前記電動車両の前記装置識別に対応する
前記固有のシリアル番号を更新することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記識別情報の前記第2の部分は、前記装置のユニバーサル識別子または
前記固有のシリアル番号を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記識別情報の前記第2の部分が前記装置の前記固有のシリアル番号を含む場合、前記エネルギー貯蔵装置は、エネルギー貯蔵交換ステーションが第1の動作モードで動作しているとき、前記エネルギー貯蔵交換ステーションで充電されることを許可される、
請求項
5に記載の方法。
【請求項7】
前記識別情報の前記第2の部分が前記ユニバーサル識別子を含む場合、前記エネルギー貯蔵装置は、前記エネルギー貯蔵交換ステーションが前記第1の動作モードで動作しているとき、前記エネルギー貯蔵交換ステーションで充電されることを許可されない、請求項
6に記載の方法。
【請求項8】
前記エネルギー貯蔵交換ステーションが第2の動作モードで動作しているとき、前記エネルギー貯蔵交換ステーションは、前記識別情報の前記第2の部分を前記ユニバーサル識別子と置き換えることによって前記識別情報の前記第2の部分を更新するように構成される、
請求項
7に記載の方法。
【請求項9】
前記エネルギー貯蔵交換ステーションが第2の動作モードで動作しているとき、前記エネルギー貯蔵交換ステーションは、前記識別情報の前記第2の部分を消去することによって前記識別情報の前記第2の部分を更新するように構成される、
請求項
7に記載の方法。
【請求項10】
電動車両を動作させる方法であって、
前記電動車両のプロセッサによって、エネルギー貯蔵装置に取り付けられたデータストレージに記憶された識別情報の第1の部分を受信することと、
前記電動車両の前記プロセッサによって、前記電動車両の車両識別を受信することと、
前記識別情報の前記第1の部分を前記電動車両の前記車両識別と比較することと、
前記電動車両の前記プロセッサによって、前記識別情報の前記第1の部分が前記車両識別
の第1の部分と一致する場合に前記エネルギー貯蔵装置に取り付けられた前記データストレージに記憶された前記識別情報の第2の部分を
、前記車両識別に対応する固有のシリアル番号を含むように更新することと、
前記電動車両の前記プロセッサによって、
前記識別情報の前記第1の部分が前記車両識別の前記第1の部分と一致する場合に、前記エネルギー貯蔵装置が前記電動車両に電力供給することを可能にすることと
を含む、方法。
【請求項11】
前記識別情報の前記第1の部分が前記車両識別と一致しない場合に信号をサーバに送信すること
をさらに含む、
請求項1
0に記載の方法。
【請求項12】
前記識別情報の前記第1の部分は先頭部分を含み、前記先頭部分は、前記電動車両の前記車両識別に対応する、
請求項1
0に記載の方法。
【請求項13】
前記識別情報の前記第1の部分は先頭部分を含み、前記先頭部分は、前記電動車両が属する電動車両グループに対応する、
請求項1
0に記載の方法。
【請求項14】
第1のエネルギー貯蔵交換ステーションを動作させる方法であって、
前記第1のエネルギー貯蔵交換ステーションのプロセッサによって、要求に応答して前記第1のエネルギー貯蔵交換ステーションの動作モードを第1の動作モードから第2の動作モードに変更することと、
前記第2の動作モードにおいて、前記第1のエネルギー貯蔵交換ステーションの前記プロセッサによって、前記第1のエネルギー貯蔵交換ステーション内のエネルギー貯蔵装置であって、装置に電力供給するように構成されるエネルギー貯蔵装置、に取り付けられたデータストレージに記憶された識別情報の第1の部分であって、前記装置の装置識別に対応する識別情報の第1の部分、を更新することと、
前記第2の動作モードにおいて、前記エネルギー貯蔵装置を前記第1のエネルギー貯蔵交換ステーションから取り外すことを可能にすることと、
前記エネルギー貯蔵装置が前記第1のエネルギー貯蔵交換ステーションから取り外された後、前記第1のエネルギー貯蔵交換ステーションの前記動作モードを前記第2の動作モードから前記第1の動作モードに変更することであって、前記第1の動作モードにおいては、前記第1のエネルギー貯蔵交換ステーションは、前記エネルギー貯蔵装置の交換を許可することと、
を含む、方法。
【請求項15】
前記識別情報の前記第1の部分は先頭部分を含み、前記装置は電動車両であり、前記先頭部分は、前記電動車両が属する電動車両グループに対応する、
請求項
14に記載の方法。
【請求項16】
前記第1のエネルギー貯蔵交換ステーションの前記プロセッサによって、識別情報の第2の部分をユニバーサル識別子と置き換えることによって前記識別情報の前記第2の部分を更新することをさらに含む、
請求項
14に記載の方法。
【請求項17】
前記第1のエネルギー貯蔵交換ステーションの前記プロセッサによって、識別情報の第2の部分を消去することによって前記識別情報の前記第2の部分を更新することをさらに含む、請求項
14に記載の方法。
【請求項18】
前記エネルギー貯蔵装置が前記第1のエネルギー貯蔵交換ステーションから取り外され、前記第1の動作モードで動作する第2のエネルギー貯蔵交換ステーションにもたらされた後、前記識別情報の第2の部分が前記装置の固有のシリアル番号を含む場合、前記エネルギー貯蔵装置は、前記第2のエネルギー貯蔵交換ステーションで充電されることを許可されることをさらに含む、
請求項
14に記載の方法。
【請求項19】
前記エネルギー貯蔵装置が前記第1のエネルギー貯蔵交換ステーションから取り外され、前記第1の動作モードで動作する第2のエネルギー貯蔵交換ステーションにもたらされた後、前記識別情報の第2の部分がユニバーサル識別子を含む場合、前記エネルギー貯蔵装置は、前記第2のエネルギー貯蔵交換ステーションで充電されることを許可されないことをさらに含む、
請求項
14に記載の方法。
【請求項20】
前記要求は、電動車両に関連付けられた携帯用装置から送信される、
請求項14に記載の方法。
【請求項21】
前記要求は、ユーザ入力から前記第1のエネルギー貯蔵交換ステーションによって受信される、
請求項14に記載の方法。
【請求項22】
前記装置は電動車両であり、前記要求は前記電動車両から送信される、
請求項14に記載の方法。
【請求項23】
前記要求はサーバから送信され、前記サーバは、前記第1のエネルギー貯蔵交換ステーションを含む複数のエネルギー貯蔵交換ステーションと通信するように構成される、
請求項14に記載の方法。
【請求項24】
エネルギー貯蔵交換ステーションを管理する方法であって、
前記エネルギー貯蔵交換ステーション、または、前記エネルギー貯蔵交換ステーションと通信するサーバによって、電動車両内の第1のエネルギー貯蔵装置を交換する要求を受信することと、
前記エネルギー貯蔵交換ステーションが前記電動車両の車両識別を受信することと、
前記車両識別の一部を、第2のエネルギー貯蔵装置に取り付けられたデータストレージ中の前記第2のエネルギー貯蔵装置の識別情報の第1の部分に記憶すること、および
ユニバーサル識別子を、前記第2のエネルギー貯蔵装置に取り付けられた前記データストレージ中の前記第2のエネルギー貯蔵装置の前記識別情報の第2の部分に記憶すること
によって、
前記要求に応答して前記エネルギー貯蔵交換ステーションが前記第2のエネルギー貯蔵装置を準備す
ることと
を含む、方法。
【請求項25】
前記電動車両の固有のシリアル番号が、前記第2のエネルギー貯蔵装置に取り付けられた前記データストレージ中の前記第2のエネルギー貯蔵装置の前記識別情報の前記第2の部分に記憶されていることを確認する信号を受信することをさらに含む、
請求項2
4に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、その開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、2019年7月17日に出願された米国仮出願第62/875,379号の優先権を主張する。
【技術分野】
【0002】
本技術は、交換可能なエネルギー貯蔵装置を管理するシステムおよび方法に関する。より詳細には、本技術は、複数のエネルギー貯蔵交換ステーションが様々な動作モードで動作することを可能にするシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
一部の電動車両は、交換可能なバッテリによって電力供給される。ユーザが消耗したバッテリを交換のためにバッテリ交換ステーションに持ち込んだとき、十分に充電されたバッテリをユーザに提供する前に、ステーションが、十分に充電されたバッテリが確実に許可車両で使用されることになるようにすることが重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特定の状況下では、ステーションが十分に充電されたバッテリを提供するとき、ステーションは、十分に充電されたバッテリによって電力供給されることになる車両が許可されているか否かを検証することができないことがある。例えば、車両共有プログラム下の複数の車両が存在し得る。車両共有プログラムは、ユーザがあるロケーションで車両をピックアップし、その後、バッテリが消耗した車両をランダムなロケーションに置いていくことを可能にする。そのような状況下では、サービス要員(または許可を有する人)は、いくつかの十分に充電されたバッテリを、これらの十分に充電されたバッテリによってどの車両が電力供給されることになるのかを知ることなく、(例えば、バッテリが消耗した共用車両用の)様々なバッテリ交換ステーションからピックアップする必要があり得る。したがって、バッテリ用の望ましいセキュリティ機構を実装することは困難である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
その結果、前述の問題に対処する改善されたシステムおよび方法を有することが有利である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本開示の技術の実施形態を、添付の図面を使用して記述および説明する。
【0007】
【
図1】本開示の技術の実施形態によるシステムを示す概略図である。
【0008】
【
図2】本開示の技術の実施形態によるシステムを示す概略図である。
【0009】
【
図3A】本開示の技術の実施形態によるステーションを示す概略図である。
【0010】
【
図3B】本開示の技術の実施形態による車両を示す概略図である。
【0011】
【
図4】本開示の技術の実施形態による方法を示すフローチャートである。
【
図5】本開示の技術の実施形態による方法を示すフローチャートである。
【
図6】本開示の技術の実施形態による方法を示すフローチャートである。
【
図7】本開示の技術の実施形態による方法を示すフローチャートである。
【0012】
図面は必ずしも正確な縮尺率であるとは限らない。例えば、図中の要素のうちのいくつかの寸法は、様々な実施形態の理解の向上を助けるために、拡大または縮小されていることがある。同様に、いくつかの構成要素および/または動作は、実施形態のうちのいくつかを説明する目的で、異なるブロックに分離されるか、または組み合わされて単一のブロックにされていることがある。さらに、特定の実施形態を例として図面に示し、以下で詳細に説明するが、当業者は、修正形態、均等物、および代替形態が添付の特許請求の範囲内に入ることを認識するであろう。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書において、「いくつかの実施形態」、「1つの実施形態」などへの言及は、説明されている特定の特徴、機能、構造または特性が、本開示の技術の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。本明細書におけるそのような句の出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態に言及するとは限らない。一方、言及される実施形態は、必ずしも相互に排他的であるとは限らない。
【0014】
本開示は、バッテリ、ウルトラキャパシタ、スーパーキャパシタなどのエネルギー貯蔵装置を管理する方法およびシステムに関する。エネルギー貯蔵装置は、データストレージ(例えば、メモリ、フラッシュドライブなど)に結合されてもよく、データストレージは、エネルギー貯蔵装置に対応する識別情報を記憶する。
【0015】
識別情報は、エネルギー貯蔵装置が電力を供給することを許可されている許可車両(または装置)を識別および/または認証するために使用される。例えば、エネルギー貯蔵装置の識別情報は、エネルギー貯蔵装置が許可車両に電力を供給することを可能にする前に検証または認証される。検証または認証は、車両のプロセッサ、ユーザの携帯用装置、またはエネルギー貯蔵装置に取り付けられたコントローラによって行われ得る。
【0016】
エネルギー貯蔵装置は、交換のためにステーションにおいて保管され、ステーションによって充電され得る。例えば、ユーザは、ステーションに行き、消耗したエネルギー貯蔵装置を十分に充電されたものと交換し得る。消耗したエネルギー貯蔵装置を受け取った後、ステーションは、消耗したエネルギー貯蔵装置の識別情報を使用して、それをステーションに持ち込んだユーザを識別し、消耗したエネルギー貯蔵装置によって電力供給された車両が許可車両であることを検証する。十分に充電されたエネルギー貯蔵装置をユーザに提供する前に、ステーションは、消耗したエネルギー貯蔵装置の識別情報を十分に充電されたエネルギー貯蔵装置にコピーする。例では、ステーションは、「通常」モード(または第1の動作モード)で動作する。サービスの管轄区域(例えば、都市、地域、地区など)では、複数のステーションが動作している。
【0017】
特定の状況下では、ステーションは、消耗したエネルギー貯蔵装置を最初に受け取ることなく、十分に充電されたエネルギー貯蔵装置を提供するように依頼され得る。例えば、車両共有またはレンタルプランは、車両をピックアップするかまたはランダムなロケーションで乗り捨てることを可能にし得る。そのような場合、ランダムに乗り捨てられた車両内のエネルギー貯蔵装置が、次のユーザが使用するのに十分な電力を確実に有するようにする必要がある。例えば、サービス要員が、1つまたは複数のステーションで1つまたは複数の十分に充電されたエネルギー貯蔵装置をピックアップし、次いでそれを、交換のために、ランダムに乗り捨てられた車両に送達するために、「ミルクラン」がスケジュールされ得る。そのような場合、サービス要員がステーションで十分に充電されたエネルギー貯蔵装置をピックアップするとき、本技術は、ステーションが「ミルクラン」モードで動作することを可能にし、これにより、ステーションが、十分に充電されたエネルギー貯蔵装置を、挿入されたエネルギー貯蔵装置からの識別情報をこれらの十分に充電されたエネルギー貯蔵装置に書き込むことなく(「通常」モード中に必要とされる)提供することが可能になる。
【0018】
この構成により、本技術は、複数のステーションを「通常」モードまたは「ミルクラン」モードのいずれかで同時に動作させることを可能にする。利点は、複数のステーションが様々なエネルギー・サブスクリプション・プラン(例えば、個人プラン、家族プラン、企業プラン、車両共有プラン、車両レンタルプランなど)のユーザにサービスを提供することが可能であることを含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、識別情報は、文字/数字列のチャンク(例えば、x123y456z789、&98%76$21など)であり得る。そのような実施形態では、識別情報は、全体として識別され得る。いくつかの実施形態では、識別情報は、2つ以上の部分を含み得る。例えば、識別情報は、許可車両が属するグループを示す第1の部分を含み得る。例えば、第1の部分は、グループが「ABC」車両共有フリートであることを示す「プレフィックス」または「ABC」であり得る。識別情報は、個別に許可された車両を指定する第2の部分を含み得る。例えば、第2の部分は、許可車両の「固有のシリアル番号」である「123456」であり得る。別の例として、第2の部分は、許可車両グループの一時的に満たされた、「000000」または「888888」などの「ユニバーサル識別子」であり得る。別の例では、第2の部分は、「ヌル(null)」または空きスペースであり得る。識別情報の第1の部分と第2の部分の両方を使用することにより、本技術は、様々なモードで動作している複数のステーション間での複数のエネルギー貯蔵装置の効果的で安全な管理を可能にする。
【0020】
図1は、本開示の技術の実施形態によるシステム100を示す概略図である。システム100は、第1のステーション101と、第2のステーション103と、サーバ105とを含む。第1のステーション101および第2のステーション103は、ネットワーク107を介してサーバ105と通信し得る。第1のステーション101および第2のステーション103は、交換のための複数のエネルギー貯蔵装置を受け取り、充電し、提供するように構成される。エネルギー貯蔵装置は、車両109などの許可車両に電力供給するために使用され得る。第1のステーション101は、第1の動作モード(例えば、「通常」モード)または第2の動作モード(例えば、「ミルクラン」モード)で動作し得る。異なる動作モードで、第1のステーション101は、異なる方法で提供されるエネルギー貯蔵装置を管理する。
【0021】
第1のステーション101が第1の動作モードで動作するとき、ユーザは、ステーションに行って、消耗したエネルギー貯蔵装置を十分に充電されたものと交換し得る。消耗したエネルギー貯蔵装置を受け取った後、第1のステーション101は、消耗したエネルギー貯蔵装置の識別情報を十分に充電されたエネルギー貯蔵装置にコピーする。
【0022】
第1のステーション101が第2の動作モードで動作するとき、消耗したエネルギー貯蔵装置の識別情報を追加することなく、十分に充電されたエネルギー貯蔵装置10が第1のステーション101から取り外され得る。代わりに、「プレフィックス」または「第1の部分」が、十分に充電されたエネルギー貯蔵装置10において追加される。「プレフィックス」または「第1の部分」の実施形態が、以下で詳細に説明される。十分に充電されたエネルギー貯蔵装置10は、次いで、車両109に電力供給するために車両109に送達され得る。十分に充電されたエネルギー貯蔵装置10は、消耗したエネルギー貯蔵装置12になった後、(例えば、第2のステーション103で)別のエネルギー貯蔵装置を交換するために使用され得る。システム100は、システム100内のエネルギー貯蔵装置を管理するセキュリティ機構を含む。セキュリティ機構は、第1のステーション101および車両109によって実装され得る。いくつかの実施形態では、サーバ105も、セキュリティ機構の実装を容易にし得る。
【0023】
第1に、ステーション側で、第1のステーション101は、第1のステーション101から取り外された十分に充電されたエネルギー貯蔵装置10が、確実に許可車両109に電力供給するためにのみ使用され得るようにするために、セキュリティ機構を実装する。第2に、車両側で、セキュリティ機構は、エネルギー貯蔵装置10からの識別情報1001と車両109からの車両情報1091との間の一致など、特定の基準が満たされない限り、十分に充電されたエネルギー貯蔵装置10から電力を引き出すことのみを可能にすることを含む。いくつかの実施形態では、識別情報1001は、「バッテリ側のサブスクリプションID」と呼ばれ、車両情報1091は、「車両側のサブスクリプションID」と呼ばれる。動作モードに関するセキュリティ機構の詳細が、以下で説明される。
【0024】
(A)第1の動作または「通常」モード
【0025】
(i)第1のステーション側のセキュリティ機構
【0026】
第1のステーション101が第1の動作モードまたは「通常」モードで動作しているとき、ユーザは、最初に、消耗したエネルギー貯蔵装置を第1のステーション101に挿入して、十分に充電されたエネルギー貯蔵装置10と交換する。第1のステーション101は、次いで、挿入された、消耗したエネルギー貯蔵装置(に結合されたデータストレージ)から識別情報を読み取り、それを、ユーザに提供される十分に充電されたエネルギー貯蔵装置10(に結合されたデータストレージ)に識別情報1001として記憶する。そのような実施形態では、第1のステーション101は、挿入された、消耗したエネルギー貯蔵装置からの識別情報全体をコピーし、それを、提供される十分に充電されたエネルギー貯蔵装置10に記憶する。
【0027】
(ii)車両側のセキュリティ機構
【0028】
ユーザが、後で、十分に充電されたエネルギー貯蔵装置10を車両109に挿入するとき、車両109のプロセッサ(例えば、エンジン制御ユニット(engine control unit:ECU))は、十分に充電されたエネルギー貯蔵装置10の識別情報1001が車両109の車両識別1091と一致するかどうかを検証する。一致する場合、プロセッサは、次いで、十分に充電されたエネルギー貯蔵装置10が車両109に電力を供給することを可能にする。一致しない場合、プロセッサは、電力を供給しないように、ならびに/あるいは、サーバ105、携帯用装置(例えば、車両109に関連付けられたユーザのスマートフォン)、および/またはシステム100のオペレータによって予め決定された他の受信側に通知または警報を送信するように、十分に充電されたエネルギー貯蔵装置10に命令し得る。
【0029】
(iii)第2のステーション側のセキュリティ機構
【0030】
十分に充電されたエネルギー貯蔵装置10は、消耗したまたは十分に充電されていないエネルギー貯蔵装置12になった後、交換のために(通常モードで動作する)第2のステーション103に持ち込まれ得る。消耗したエネルギー貯蔵装置12が第2のステーション103に挿入されるとき、第2のステーション103は、識別情報1001をチェックし、識別情報1001が車両109の車両識別1091と一致するかどうかを検証する。一致する場合、第2のステーション103は、消耗したエネルギー貯蔵装置12を受け入れ、交換を承認する。一致しない場合、第2のステーション103は、交換を拒否し、サーバ105、携帯用装置、および/またはシステム100のオペレータによって予め決定された他の受信側に通知または警報を送信し得る。
【0031】
(B)第2の動作または「ミルクラン」モード
【0032】
(i)第1のステーション側のセキュリティ機構
【0033】
第1のステーション101が、第2の動作モードまたは「ミルクラン」モードで動作しているとき、第1のステーション101は、許可を有する人が、ある(例えば、消耗したまたは十分に充電されていない)エネルギー貯蔵装置を最初に挿入することなく、十分に充電されたエネルギー貯蔵装置10を入手することを可能にする。許可を有する人は、例えば、サービス要員、バッテリが消耗した車両を「救う」ために、十分に充電されたバッテリを入手する必要がある人、バッテリ送達サービスプロバイダなどであり得る。
【0034】
そのような実施形態では、許可を有する人は、最初に、第1のステーション101と通信し、十分に充電されたエネルギー貯蔵装置10を要求する(例えば、50%、90%、または98%超の充電状態(State of Charge:SoC)のバッテリを求める)ことがある。例えば、許可を有する人は、ユーザインターフェース(例えば、タッチスクリーンディスプレイ、パネル、キーパッド、他の適切な入力装置など)によって、携帯用装置を介して、および/またはサーバ105を介して、第1のステーション101と通信し得る。いくつかの例では、許可を有する人は、第1のステーション101に物理的に存在する前に、十分に充電されたエネルギー貯蔵装置10を予約し得る。
【0035】
要求を受信し、許可を有する人の身元を検証すると、第1のステーション101は、その中の十分に充電されたエネルギー貯蔵装置10を識別し、次いで、十分に充電されたエネルギー貯蔵装置10(に結合されたデータストレージ)中の識別情報1001を調整する。
【0036】
より具体的には、第1のステーション10は、識別情報1001の第1の部分をプレフィックス「ABC」として設定してもよく、プレフィックス「ABC」は、十分に充電されたエネルギー貯蔵装置10が、グループ「ABC」(例えば、「ABC」車両共有グループに関連付けられた車両)に属する任意の車両に電力供給するために使用され得ることを示す。いくつかの実装形態では、第1のステーション101は、識別情報の第2の部分にユニバーサル識別子(例えば、「000000」、「888888」、または「XXXXXX」)を入れてもよい。いくつかの実施形態では、第1のステーション101は、第2の部分を「ヌル」にするかまたは空のままにし得る。十分に充電されたエネルギー貯蔵装置10の識別情報1001が設定されたとき、許可を有する人は、次いで、十分に充電されたエネルギー貯蔵装置10を第1のステーション101から取り外し得る。いくつかの実装形態では、許可を有する人は、一度に2つ以上のエネルギー貯蔵装置を要求し得る。
【0037】
(ii)車両側のセキュリティ機構
【0038】
許可を有するユーザが、後で、十分に充電されたエネルギー貯蔵装置10を車両109に挿入するとき、車両109のプロセッサは、最初に、十分に充電されたエネルギー貯蔵装置10の識別情報1001の第1の部分(例えば、プレフィックスまたは「ABC」)が車両109の車両識別1091の第1の部分と一致するかどうかを検証し得る。一致する場合、プロセッサは、次いで、十分に充電されたエネルギー貯蔵装置10が車両109に電力を供給することを可能にする。
【0039】
さらに、車両109のプロセッサは、車両識別1091の第2の部分(例えば、「123456」など、車両の固有のシリアル番号)を、十分に充電されたエネルギー貯蔵装置10の識別情報1001の第2の部分に記憶する。この構成により、十分に充電されたエネルギー貯蔵装置10は、後で、通常モードで動作しているステーション(例えば、第2のステーション103)において交換され得る。
【0040】
十分に充電されたエネルギー貯蔵装置10の識別情報1001の第1の部分が、車両109の車両識別1091の第1の部分と一致しない場合、プロセッサは、電力を供給しないように、ならびに/あるいは、サーバ105、携帯用装置(例えば、車両109に関連付けられたユーザのスマートフォン)、および/または他の適切な受信側に通知または警報を送信するように、十分に充電されたエネルギー貯蔵装置10に命令し得る。
【0041】
(iii)第2のステーション側のセキュリティ機構
【0042】
十分に充電されたエネルギー貯蔵装置10は、消耗したまたは十分に充電されていないエネルギー貯蔵装置12になった後、交換のために(第1の動作モードで動作する)第2のステーション103に持ち込まれ得る。消耗したエネルギー貯蔵装置12が第2のステーション103に挿入されるとき、第2のステーション103は、識別情報1001をチェックし、識別情報1001の第2の部分が車両109によって更新されているかどうかを検証する。更新されている場合、第2のステーション103は、消耗したエネルギー貯蔵装置12を受け入れ、交換を承認する。更新されていない場合、第2のステーション103は、交換を拒否し、サーバ105、携帯用装置、および/またはシステム100のオペレータによって予め決定された他の受信側に通知または警報を送信し得る。
【0043】
前述の構成は、複数のエネルギー貯蔵交換ステーションを第1の動作モードおよび第2の動作モードで同時に動作させることを可能にする。複数のエネルギー貯蔵交換ステーションのうちのいくつかは、(「通常」モードで動作し続ける)残りのステーションを中断することなく必要に応じて「通常」モードから「ミルクラン」モードに切り替えられ得るので、有利である。
【0044】
例えば、バッテリ送達サービスの要員は、管轄区域Xの様々なロケーションで(例えば、「ABC」社に属する)2台の電動車両の4つの消耗したバッテリを取り換える必要がある。利用可能性(および/または、バッテリ需要、交換価格など、他の要因)に応じて、要員は、ステーションX1で2つの十分に充電されたバッテリをピックアップし、ステーションX2で2つの十分に充電されたバッテリをピックアップし得る。要員がバッテリをピックアップするとき、ステーションX1およびX2の動作モードは、要員が送信した要求に基づいて通常モードからミルクランモードに切り替えられる。ピックアップ後、ステーションX1およびX2の動作モードは、再び通常モードに切り替えられる。要員は、次いで、これらのバッテリを送達するために「ミルクラン」を開始し得る。その結果、「ミルクラン」は、ステーションX1およびX2における通常のバッテリ交換活動を実質的に中断しない。いくつかの実施形態では、同時に実行される複数の「ミルクラン」があり得る。
【0045】
いくつかの実施形態では、サーバ105は、セキュリティ機構または認証プロセスを容易にするために、第1のステーション101および第2のステーション103ならびに/または車両109と通信し得る。例えば、サーバ105は、「ミルクラン」モードで、第1のステーション101から十分に充電されたエネルギー貯蔵装置10を取り外すことを試みる人の身元を検証し得る(例えば、その人から送信された要求に含まれる情報に基づいて身元を検証する)。別の実施形態では、サーバ105は、消耗したエネルギー貯蔵装置12が車両10に挿入されていることを検証するために、車両109および第2のステーション103と通信し得る。サーバ105はまた、消耗したエネルギー貯蔵装置12の識別情報1001が車両109によって更新されていることを検証するのを助け得る。
【0046】
図2は、本開示の技術の実施形態によるシステム200を示す概略図である。図示のように、システム200は、1つまたは複数のバッテリ交換ステーション201A~Dと、メインサーバ203と、データベース205と、ネットワーク207とを含む。図示のように、バッテリ交換ステーション201A、201Dは、ネットワーク207を介してメインサーバ203に無線で結合される。バッテリ交換ステーション201B、201Cは、有線接続を介して、ネットワーク207を介してメインサーバ203に結合される。メインサーバ203は、さらに、システム200内のバッテリを管理するための情報を記憶し得るデータベース205に結合される。バッテリを管理するための情報は、例えば、本明細書で説明されるバッテリ識別情報(例えば、識別情報1001)および車両識別(例えば、車両識別1091)を含み得る。
【0047】
バッテリ交換ステーション201Aを一例として使用すると、図示の実施形態では、ステーション201Aは、バッテリ交換ラック213と、その上に配置されたユーザインターフェース215(例えば、ディスプレイ)とを含み得る。図示のように、バッテリ交換ラック213は、バッテリを収容する8つのバッテリスロット217a~hを含み得る。動作中、6つのバッテリスロット(例えば、スロット217a、217b、217d、217e、217f、および217h)のみがバッテリによって占有され、残りの2つのスロット(例えば、スロット217cおよび217g)は、交換されるバッテリ(例えば、消耗した、低電力バッテリ)をユーザが挿入するために確保される。いくつかの実施形態では、バッテリ交換ステーション201A~Dは、異なる数のラック、ディスプレイ、および/またはスロットなど、異なる構成を有し得る。いくつかの実施形態では、バッテリ交換ステーション201A~Dは、オペレータがバッテリ交換ステーション201A~Dを好都合に設置または拡張することを可能にするモジュール式構成要素(例えば、モジュール式ラック、モジュール式ディスプレイなど)を含み得る。バッテリ交換ステーション201A~Dは、その中に配置されたバッテリを充電するための電力を受け取り、他の動作を実行する(例えば、メインサーバ203と通信する)ために、1つまたは複数の電源(例えば、送電網、送電線、電力貯蔵施設、発電所/変電所など)に電気的に結合され得る。
【0048】
いくつかの実施形態では、ステーション201Aは、ユーザが1回のトランザクションで特定の数(例えば、2つ)のバッテリを取り外すかまたは挿入することを可能にする。しかしながら、他の実施形態では、ステーション201Aは、ユーザが1回のトランザクションで他の数(例えば、1つ、3つ、4つなど)のバッテリを取り外すかまたは挿入することを可能にし得る。いくつかの実施形態では、ステーション201は、その中に配置されたバッテリの安全を確保するロック機構を有し得る。いくつかの実施形態では、ステーション201は、ロック機構なしで実装され得る。
【0049】
いくつかの実施形態では、メインサーバ203はエッジサーバであってもよく、エッジサーバは、クライアント要求を受信し、サーバ209A~Cなどの他のサーバを介してそれらの要求の履行を調整する。サーバ209A~Cは、さらに、データベース211A~Cに結合される。メインサーバ203およびサーバ209A~Cの各々は、論理的に単一のサーバとして表示されているが、これらのサーバは、各々、同じまたは地理的に異なる物理的ロケーションに位置する複数のコンピューティング装置を包含する分散コンピューティング環境であり得る。
【0050】
いくつかの実施形態では、メインサーバ203およびサーバ209A~Cは、各々、他のサーバ/クライアント装置に対するサーバまたはクライアントとして機能し得る。図示のように、メインサーバ203はデータベース205に接続する。サーバ209A~Cは、各々、データベース211A~Cのうちの1つに接続し得る。上記で説明されたように、メインサーバ203およびサーバ211A~Cの各々は、サーバグループに対応してもよく、これらのサーバの各々は、データベースを共有し得るかまたはそれ自体のデータベースを有し得る。
【0051】
データベース205、211A~Cは、本開示に関連する情報(例えば、バッテリ識別情報、メインサーバ203によって収集された車両/装置識別、メインサーバ203によって分析された情報、メインサーバ203によって生成された情報、ユーザアカウント情報、ユーザ・バッテリ・プラン、ユーザ履歴、ユーザの行動、ユーザの習慣、ユーザの好みなど)を記憶し得る。いくつかの実施形態では、データベース211A~Cのうちの少なくとも1つは、政府機関または民間団体によって維持される公的にアクセス可能なデータベース(例えば、天気予報データベース、渡航勧告データベース、交通情報データベース、ロケーション・サービス・データベース、地図データベースなど)であり得る。いくつかの実施形態では、データベース211A~Cのうちの少なくとも1つは、専有情報(例えば、ユーザアカウント、ユーザクレジット履歴、ユーザサブスクリプション情報など)を提供するプライベートデータベースであり得る。いくつかの実施形態では、サーバ209A~Cおよび/またはデータベース211A~Cは、クラウド・サービス・プロバイダによって動作され、メインサーバ203および/またはデータベース205は、(例えば、ユーザに複数のバッテリ交換プランを提供する)バッテリ・サービス・プロバイダによって動作される。
【0052】
ネットワーク207は、ローカル・エリア・ネットワーク(local area network:LAN)またはワイド・エリア・ネットワーク(wide area network:WAN)であり得るが、他の有線または無線ネットワークでもあり得る。ネットワーク207は、インターネットあるいは何らかの他のパブリックまたはプライベートネットワークであり得る。バッテリ交換ステーション201A~Dは、有線または無線通信によってなど、ネットワークインターフェースを介して、ネットワーク207に接続され得る。メインサーバ203とサーバ209A~Cとの間の接続は、別個の接続として示されているが、これらの接続は、ネットワーク207あるいは別個のパブリックまたはプライベートネットワークを含む、任意の種類のローカル、ワイドエリア、有線、または無線ネットワークであり得る。いくつかの実施形態では、ネットワーク207は、プライベートエンティティ(例えば、会社など)によって使用される、安全を確保されたネットワークを含む。
【0053】
図3Aは、本開示の技術の実施形態によるステーション300を示す概略図である。図示のように、ステーション300は、プロセッサ301と、メモリ303と、ユーザインターフェース305と、通信構成要素307と、バッテリ管理構成要素309と、1つまたは複数のセンサ311と、ストレージ構成要素313と、8つのバッテリスロット317a~hに結合された充電構成要素315とを含む。プロセッサ301は、メモリ303およびステーション300内の他の構成要素(例えば、構成要素305~317)と対話するように構成される。メモリ303は、プロセッサ301に結合され、ステーション300内の他の構成要素または他の情報を制御するための命令を記憶するように構成される。
【0054】
ユーザインターフェース305は、ユーザと対話する(例えば、ユーザ入力を受信し、情報をユーザに提示する)ように構成される。いくつかの実施形態では、ユーザインターフェース305は、タッチスクリーンディスプレイとして実装され得る。他の実施形態では、ユーザインターフェース305は、他の適切なユーザインターフェース装置(ディスプレイを備えたキーボード/キーパッドなど)を含み得る。ストレージ構成要素313は、ステーションシステム300に関連する情報、データ、ファイル、または信号(例えば、センサ313によって測定された情報、バッテリスロット317a~hによって収集された情報、充電命令、ユーザ情報など)を一時的または永続的に記憶するように構成される。通信構成要素307は、他の装置(例えば、バッテリによって電力供給される車両または装置、サーバ33、他のステーション、ユーザまたはサービス要員が携帯するモバイル装置31など)と通信するように構成される。
【0055】
バッテリ管理構成要素309は、バッテリスロット317a~h内に配置されたバッテリを管理および制御するように構成される。バッテリ管理構成要素309は、その中に配置されたバッテリ用のバッテリセキュリティ機構(例えば、
図1を参照して上記で説明されたセキュリティ機構)を実装し得る。いくつかの実施形態では、バッテリ管理構成要素309は、ステーション300に(例えば、ストレージ構成要素313に)記憶された、予め決定された命令またはガイダンスに基づいて、バッテリを管理し得る。いくつかの実施形態では、バッテリ管理構成要素309は、更新命令を要求するためにサーバ33と周期的に通信し得る。
【0056】
いくつかの実施形態では、バッテリ管理構成要素309はまた、バッテリスロット317a~h内に配置されたバッテリに関する情報、ステーション300に関する情報、1つまたは複数の電源35に関する情報、(例えば、通信構成要素307を介してモバイル装置31から受信される)ユーザに関する情報、および/または車両30に関する情報を収集するように構成され得る。バッテリ管理構成要素309は、収集された情報を、さらなる分析または処理のためにサーバ33に送信またはアップロードし得る。
【0057】
センサ311は、ステーション300に関連する情報(例えば、動作温度、環境条件、電力接続、ネットワーク接続など)を測定するように構成される。センサ311はまた、バッテリスロット317a~h内に配置されたバッテリを監視するように構成され得る。測定された情報は、さらなる分析のためにバッテリ管理構成要素309およびサーバ33に送信され得る。
【0058】
充電構成要素315は、バッテリスロット317a~h内に配置されたバッテリの各々に関して充電プロセスを制御するように構成される。いくつかの実施形態では、ステーション300は、他の数のバッテリスロットを含み得る。バッテリスロット317a~hは、その中に配置および/またはロックされたバッテリを収容および充電するように構成される。充電構成要素315は、電源35から電力を受け取り、次いで、その電力を使用して、バッテリスロット317a~h内に配置されたバッテリを充電する。
【0059】
いくつかの実施形態では、ユーザがバッテリスロット317a~hのうちの1つ内にバッテリを配置したとき、ステーション300は、そのバッテリの存在を検出し、そこから情報を引き出し得る。例えば、バッテリ管理構成要素309は、そのバッテリに関連する情報(例えば、バッテリの識別情報、バッテリ使用履歴、充電サイクル、満充電容量、バッテリが電力を供給したかまたはバッテリが関連付けられている車両の車両情報、バッテリが関与したユーザ活動など)を、バッテリの内部の、またはバッテリに結合された、バッテリメモリから引き出し得る。
【0060】
図3Bは、本開示の技術の実施形態による車両30を示す概略図である。車両30は、電動スクータ、電気自動車などとして実装され得る。車両30は、プロセッサ319と、メモリ321と、バッテリ323と、モータ325と、入力装置327と、ダッシュボードディスプレイ329と、ストレージ構成要素331と、1つまたは複数のセンサ333と、通信構成要素335とを含む。プロセッサ319は、メモリ321および車両30内の他の構成要素(例えば、構成要素323~335)と対話するように構成される。メモリ321は、プロセッサ319に結合され、車両30内の他の構成要素または他の情報を制御するための命令を記憶するように構成される。ストレージ構成要素331は、ストレージ構成要素313または207と同様の機能を有し得る。通信構成要素335は、通信構成要素307あるいはストレージ構成要素313または221と同様の機能を有し得る。ダッシュボードディスプレイ329は、情報(例えば、車両30に関連する情報)をユーザに視覚的に提示するように構成される。
【0061】
バッテリ323は、モータ325が車両30を移動させることができるようにモータ325に電力供給するように構成される。バッテリ323は、交換可能なバッテリであり得る。バッテリ323の充電が切れかけているとき、車両30のユーザは、ステーションシステム300においてバッテリ323を交換または取り換え得る。例えば、ユーザは、車両システム30からバッテリ323を取り外し、次いで、バッテリ323をバッテリスロット317a~hのうちの1つ(例えば、その中にバッテリが配置されていない空のバッテリスロット)内に配置し得る。ユーザは、次いで、バッテリスロット317a~h内の十分にまたは完全に充電されたバッテリを取り、次いで、それを車両システム30内に設置し得る。いくつかの実施形態では、ユーザは、十分にまたは完全に充電されたバッテリを車両30に送達するように要求し得る(例えば、ステーションが「ミルクラン」モードで動作する実施形態を参照)。バッテリ323は、バッテリ関連情報(例えば、識別情報1001)を記憶するバッテリメモリ337を含む。
【0062】
図4は、本開示の技術の実施形態による方法400を示すフローチャートである。方法400は、エネルギー貯蔵装置を認証するように構成される。方法400は、車両(例えば、車両109または30)またはエネルギー貯蔵装置によって電力供給される装置(例えば、より小型の携帯用バッテリ交換ステーション、携帯用キオスクなど)によって実装され得る。方法400は、ブロック401において、エネルギー貯蔵装置に取り付けられたデータストレージに記憶された識別情報の第1の部分を受信することによって開始する。エネルギー貯蔵装置は、車両または装置に電力供給するように構成される。いくつかの実施形態では、データストレージは、エネルギー貯蔵装置のハウジング内に配置され、エネルギー貯蔵装置のコントローラによって制御され得る。
【0063】
いくつかの実施形態では、第1の部分は、装置/車両が属する装置または車両のグループを示し得る。例えば、第1の部分は、グループがK社の車両共有フリートであることを示す「プレフィックス」または「CORP-K」であり得る。識別情報は、特定の許可車両を指定する第2の部分を含み得る。例えば、第2の部分は、許可車両の「固有のシリアル番号」である「435678922」であり得る。別の例として、第2の部分は、「000000000」または「#########」などの「ユニバーサル識別子」であり得る。別の例では、第2の部分は、「ヌル」または空きスペースであり得る。
【0064】
ブロック403において、方法400は、車両/装置の車両識別/装置識別に少なくとも部分的に基づいて識別情報の第1の部分を分析することによって続く。エネルギー貯蔵装置がバッテリであるいくつかの実施形態では、「装置識別」または「車両識別」は、装置/車両側で「識別情報」に対応するものであり得る。装置識別はまた、バッテリ側の識別情報の第1および第2の部分に対応する第1および第2の部分を含み得る。そのような実施形態では、識別情報の第1の部分を分析することは、それを装置情報の第1の部分と比較してそれらが一致するかどうかを確かめることを含む。
【0065】
ブロック405において、方法400は、識別情報の第1の部分を分析した結果に基づいて、エネルギー貯蔵装置に取り付けられたデータストレージに記憶された識別情報の第2の部分を更新することによって続く。例えば、分析の結果がバッテリ側の第1の部分と装置/車両側の第1の部分との間の「一致」を示す場合、それは、エネルギー貯蔵装置が装置/車両に電力供給することを許可されていることを示す。言い換えれば、装置/車両とエネルギー貯蔵装置とは、両方とも認証されている。プロセスは、次いで、先に進んで(例えば、バッテリ側で)識別情報の第2の部分を更新してもよく、それにより、エネルギー貯蔵装置は、「通常」モードで動作しているステーションで交換され得る(例えば、
図1の第2のステーション103を参照)。
【0066】
識別情報の第2の部分を更新しなければ、エネルギー貯蔵装置は、別のエネルギー貯蔵装置を交換するために使用されないことがあるか、および/または、「通常」モードで動作しているステーションで充電されないことがある。そのような実施形態では、第2の部分が更新されていないエネルギー貯蔵装置は、(i)許可車両/装置、または(ii)「ミルクラン」モードで動作しているステーションのいずれかに持ち込まれ得る。
【0067】
分析が「不一致」を示す場合、エネルギー貯蔵装置は、装置/車両に電力供給することを許可されていない。この問題に対処するために、警報または通知が生成され得る。
【0068】
ステップ401、403、および405は、車両/装置側で実行されるステップである。いくつかの実施形態では、ステップ401、403、および405の前に、エネルギー貯蔵装置は、第1のエネルギー貯蔵交換ステーション(例えば、
図1の第1のステーション101)によって準備および調整され得る。(例えば、車両共有グループ「ABC」中の車両のために90%充電されたバッテリを求める)要求に応答して、第1のステーションは、エネルギー貯蔵装置に取り付けられたデータストレージに記憶された識別情報を更新し得る。例えば、第1のステーションは、識別情報の第1の部分に「ABC」を書き込み、エネルギー貯蔵装置の識別情報の第2の部分に「000000」(すなわち、ユニバーサル識別子)を書き込み得る。いくつかの実施形態では、識別情報の第2の部分は、消去されるか、あるいは「ヌル」または空きスペースとして設定され得る。この構成により、エネルギー貯蔵装置は、車両共有グループ「ABC」中のいずれかの装置/車両のために使用されるように設定される。
【0069】
いくつかの実施形態では、要求は、電力供給される車両/装置に関連付けられた携帯用装置から送信され得る。例えば、車両/装置のオペレータは、自分のスマートフォンから要求を送信し得る。
【0070】
いくつかの実施形態では、要求は、ユーザ入力を介して第1のステーションで手動で入力され得る。例えば、サービス要員は、(例えば、1つまたは複数のグループに属する複数の車両/装置にバッテリを送達する)「ミルクラン」を開始する前に、(例えば、95%超のSoCを有する3つのバッテリを求める)要求を入力し得る。
【0071】
いくつかの実施形態では、要求は、車両/装置から送信され得る。例えば、車両のプロセッサが、その現在のバッテリが低いことを検出し、そのバッテリが交換のために近くのステーションまで到達することができないと決定した場合、プロセッサは、そのような要求をステーションまたはサーバに送信するプロセスを開始し得る。いくつかの実施形態では、サーバは、そのような要求に優先順位を付け、応答するために、複数のステーションと調整し得る。
【0072】
図5は、本開示の技術の実施形態による方法500を示すフローチャートである。方法500は、エネルギー貯蔵装置によって電力供給される電動車両を動作させる方法である。方法500は、ブロック501において、電動車両のプロセッサによって、エネルギー貯蔵装置に取り付けられたデータストレージに記憶された識別情報の第1の部分を受信することによって開始する。
【0073】
ブロック503において、方法500は、電動車両のプロセッサによって、電動車両の車両識別を受信することによって続く。いくつかの実施形態では、車両識別は、車両/装置内のストレージ構成要素(例えば、
図3Bのストレージ構成要素331)に、またはサーバ(例えば、
図3Bのサーバ33)から、記憶され得る。
【0074】
ブロック505において、方法500は、識別情報の第1の部分を電動車両の車両識別と比較することを含む。識別情報の第1の部分はプレフィックスを含み得る。プレフィックスは、電動車両が属する電動車両グループに対応し得る。
【0075】
ブロック507において、方法500は、電動車両のプロセッサによって、識別情報の第1の部分が車両識別と一致する場合にエネルギー貯蔵装置に取り付けられたデータストレージに記憶された識別情報の第2の部分を更新することによって続く。ブロック509において、方法500は、電動車両のプロセッサによって、エネルギー貯蔵装置が電動車両に電力供給することを可能にすることを含む。識別情報の第2の部分を更新することは、電動車両の車両識別に対応する固有のシリアル番号を更新することを含み得る。
【0076】
いくつかの実施形態では、本方法は、識別情報の第1の部分が車両識別と一致しない場合に信号をサーバに送信することをさらに含む。
【0077】
図6は、本開示の技術の実施形態による方法600を示すフローチャートである。方法600は、エネルギー貯蔵交換ステーションを動作させる方法である。方法600は、ブロック601において、エネルギー貯蔵交換ステーションのプロセッサによって、要求に応答してエネルギー貯蔵交換ステーションの動作モードを第1の動作モードから第2の動作モードに変更することによって開始する。
【0078】
ブロック603において、方法600は、エネルギー貯蔵交換ステーションのプロセッサによって、エネルギー貯蔵交換ステーション内のエネルギー貯蔵装置に取り付けられたデータストレージに記憶された識別情報の第1の部分を更新することによって続く。識別情報の第1の部分は、(例えば、車両のフリートなど、装置が属する装置グループを示す)装置の装置識別に対応する。エネルギー貯蔵装置は、装置に電力供給するように構成される。
【0079】
ブロック605において、方法600は、エネルギー貯蔵装置をエネルギー貯蔵交換ステーションから取り外すことを可能にすることを含む。いくつかの実施形態では、ブロック607において、方法600は、エネルギー貯蔵交換ステーションの動作モードを第2の動作モードから第1の動作モードに変更することによって続いてもよい。
【0080】
方法600は、エネルギー貯蔵交換ステーションのプロセッサによって、(i)識別情報の第2の部分をユニバーサル識別子と置き換えること、または(ii)識別情報の第2の部分を消去することによって識別情報の第2の部分を更新することをさらに含み得る。
【0081】
図7は、本開示の技術の実施形態による方法700を示すフローチャートである。方法700は、エネルギー貯蔵交換ステーションを管理する方法である。方法700は、ブロック701において、電動車両内の第1のエネルギー貯蔵装置を交換する要求を受信することによって開始する。
【0082】
ブロック703において、方法700は、電動車両の車両識別を受信することによって続く。ブロック705において、方法700は、要求に基づいてエネルギー貯蔵交換ステーションを識別することを含む。ブロック707において、方法500は、エネルギー貯蔵交換ステーションが第2のエネルギー貯蔵装置を準備することを許可することによって続く。
【0083】
ある実施形態では、第2のエネルギー貯蔵装置は、(i)車両識別の一部を、第2のエネルギー貯蔵装置に取り付けられたデータストレージ中の第2のエネルギー貯蔵装置の識別情報の第1の部分に記憶すること、および(ii)電動車両の車両識別に対応するユニバーサル識別子を、第2のエネルギー貯蔵装置に取り付けられたデータストレージ中の第2のエネルギー貯蔵装置の識別情報の第2の部分に記憶することによって、準備され得る。
【0084】
ある実施形態では、方法700は、電動車両の固有のシリアル番号が、第2のエネルギー貯蔵装置に取り付けられたデータストレージ中の第2のエネルギー貯蔵装置の識別情報の第2の部分に記憶されていることを確認する信号を受信することをさらに含む。
【0085】
本明細書で説明される実施形態では、「構成要素」は、プロセッサ、制御論理、デジタル信号プロセッサ、コンピューティングユニット、および/あるいは上記で説明された機能を実行するための命令を実行するように構成またはプログラムされた任意の他の適切な装置を含み得る。
【0086】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数のエネルギー貯蔵交換ステーションは、常に「ミルクラン」モードで動作するように指定され得る。例えば、そのようなステーションは、サービス要員のためのサービスまたは保守センターに位置するかまたはその近くにあり得る。いくつかの実施形態では、本技術は、(サービス要員ではない)ユーザが「ミルクラン」モードでエネルギー貯蔵装置をピックアップすることを可能にする。例えば、許可されると、ユーザは、ステーションから離れた車両を「救出」するために、エネルギー貯蔵装置を挿入することなくステーションでエネルギー貯蔵装置をピックアップし得る。いくつかの実施形態では、複数のユーザがユーザグループ(例えば、友人、家族、旅行の仲間など)に含められてもよく、本技術は、ユーザグループ内のユーザが、「ミルクラン」モードで他のユーザのためにエネルギー貯蔵装置をピックアップすることを許可し得る。
【0087】
本技術は特定の例示的な実施形態を参照して説明されたが、本技術が説明された実施形態に限定されず、添付の特許請求の範囲の精神および範囲内で修正および変更を加えて実施され得ることが認識されるであろう。したがって、本明細書および図面は、限定的な意味ではなく例示的な意味において考慮されるべきである。