(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-24
(45)【発行日】2024-02-01
(54)【発明の名称】スライドレールアセンブリ
(51)【国際特許分類】
A47B 88/407 20170101AFI20240125BHJP
【FI】
A47B88/407
(21)【出願番号】P 2022001575
(22)【出願日】2022-01-07
【審査請求日】2022-01-07
(32)【優先日】2021-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】504297766
【氏名又は名称】川湖科技股▲分▼有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】513240939
【氏名又は名称】川益科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】陳 庚金
(72)【発明者】
【氏名】楊 順和
(72)【発明者】
【氏名】游 凱文
(72)【発明者】
【氏名】王 俊強
【審査官】家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-034111(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0220797(US,A1)
【文献】特開2021-171624(JP,A)
【文献】CHEN,KEN CHING; YANG,SHUN HO; CHANG,WEI CHEN; WANG,CHUN CHIANG,SLIDE RAIL ASSEMBLY,TW I718056 B,Taiwan Intellectual Property Office,2021年02月01日,46
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 67/04、88/00-88/994
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スライドレールアセンブリであって、
レール部材と、
前記レール部材に対して変位可能な第1のブラケット装置と、
を含み、
前記第1のブラケット装置は第1の構造を備え、前記レール部材は第2の構造を備え、
前記第1の構造及び前記第2の構造は、前記第1のブラケット装置及び前記レール部材が互いに対して所定の位置にある場合に、互いをブロックし合うように構成され、
前記第1の構造及び前記第2の構造のうちの一方
は弾性部材であり、
前記第1の構造及び前記第2の構造のうちの他方は空間であり、前記弾性部材は、接続部、操作部及び該接続部と該操作部との間に位置する弾性部を含み、
前記接続部は前記第1のブラケット装置及び前記レール部材のうちの一方に接続され、前記弾性部は第1のブロック区画及び第2のブロック区画を含み、
前記第1のブラケット装置及び前記レール部材が互いに対して前記所定の位置にある場合、前記弾性部材の弾性部の第1のブロック区画及び第2のブロック区画は、前記第1のブラケット装置及び前記レール部材が第1の方向及び第2の方向のいずれかに互いに対して変位するのを防止するために、前記空間の第1の壁部及び第2の壁部にそれぞれ対応し、
前記第2のブロック区画はガイド部を有し、該ガイド部は前記空間の第2の壁部と協働するように構成され、
前記第1の構造及び前記第2の構造が互いをブロックし合い、前記第1のブラケット装置と前記レール部材とを相対変位させるために加えられる外力が、前記弾性部材によって生成される力よりも小さい場合、前記第1のブラケット装置及び前記レール部材は、
前記第1の方向及び
前記第2の方向のいずれにも互いに対して変位するのが防止され、
前記第1の構造及び前記第2の構造が互いをブロックし合い、前記第1のブラケット装置及び前記レール部材を相対変位させるために加えられる外力が、前記弾性部材によって生成される力よりも大きい場合、又は、前記弾性部材の前記操作部を操作することで、前記第1の構造と前記第2の構造とが互いをブロックし合う関係が非破壊的に取り除かれ、
前記第1の方向及び前記第2の方向は反対方向である、スライドレールアセンブリ。
【請求項2】
前記弾性部材が前記第1の構造及び前記第2の構造のうちの他方との互いのブロックを停止されるよう操作されることにより、前記第1のブラケット装置及び前記レール部材が互いに対して前記第1の方向及び前記第2の方向のいずれかに変位できるように構成されている、請求項1に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項3】
前記弾性部材が前記第1の構造及び前記第2の構造のうちの他方との互いのブロックを停止した場合、前記第1のブラケット装置は、前記レール部材から取り外すために、前記レール部材に対して前記第1の方向に変位可能である、請求項2に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項4】
前記第1のブラケット装置は第1の長さを有し、前記スライドレールアセンブリは、該第1の長さとは異なる第2の長さを有する第2のブラケット装置をさらに含み、該第2のブラケット装置は、前記第1のブラケット装置が前記レール部材から取り外された後に、前記レール部材に前記第2の方向に取り付けられるように構成されている、請求項3に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項5】
前記第1のブラケット装置及び前記レール部材が互いに対して前記所定の位置にあり、前記弾性部材が操作された場合、前記弾性部材の弾性部の第1のブロック区画及び第2のブロック区画は、前記空間の第1の壁部及び第2の壁部にそれぞれ対応しなくなるため、前記第1のブラケット装置及び前記レール部材を、前記第1の方向及び前記第2の方向のいずれかに互いに対して変位させることができる、請求項
1に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項6】
前記弾性部材は、前記第1のブラケット装置の端部に隣接する位置に設けられている、請求項
1に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項7】
前記レール部材はブラケット機構をさらに備え、前記第1のブラケット装置はラックの第1のポストに取り付けられるように構成され、前記レール部材は該ブラケット機構を介して前記ラックの第2のポストに取り付けられるように構成されている、請求項1に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項8】
前記第1のブラケット装置は引っ込め位置と伸長位置との間で前記レール部材に対して変位可能であり、該伸長位置は前記所定の位置であり、前記第1のブラケット装置が前記レール部材に対して前記引っ込め位置から前記第1の方向に変位された後で前記伸長位置に到達した場合、前記第1の構造及び前記第2の構造は互いをブロックし合うように構成されている、請求項1に記載のスライドレールアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスライドレールに関し、より具体的にはブラケット装置を備えたスライドレールアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、第1のブラケット及び第2のブラケットを含むブラケットアセンブリが開示されている。第1のブラケット及び第2のブラケットは互いに対して変位可能である。第1のブラケットは第1の部分(例えば、突起)を備え、第2のブラケットは第2の部分(例えば、弾性アーム)を備える。第1のブラケット及び第2のブラケットが互いに対して所定の長さ伸長された場合、第1のフィーチャ及び第2のフィーチャは互いに当接し、安全の観点から、第1のブラケット及び第2のブラケットの相対変位を制限する(すなわち、距離の調整)。
【0003】
特許文献1に開示の第1のブラケット及び第2のブラケットは、互いに対して所定の長さ伸長された場合にブロック機能を有するが、ブロック機能は1つの方向にしかブロックを提供しない。したがって、ブラケットアセンブリをラックに取り付けるには、第1の人がラックの後ろに立って取り付け作業を行い、第2の人がラックの前に立って取り付け作業を補助する必要である。そうすることによってのみ取り付け作業が完了する。したがって、ブラケットアセンブリは利用の便宜性を欠いている。
【0004】
特許文献2には、一人でラックに取り付け可能なスライドレールアセンブリが開示されている。しかしながら、実際には、このスライドレールアセンブリは、スライドレールアセンブリのレールが伸長/引っ込め変位のために構成されているという事実のために、一定の範囲内の深さのラックにしか取り付けることができない。スライドレールアセンブリが取り付けられるラックの深さが前述の範囲の外にある場合(例えば、ラックの深さが小さすぎるか又は大きすぎる場合)、スライドレールアセンブリを取り付けることができないか又は取り付け強度が不十分となる。ユーザのニーズは様々であるため、上記とは別の製品を開発することが重要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許第10980345号明細書
【文献】米国特許第9629460号明細書
【文献】米国特許第10278498号明細書
【文献】米国特許第10194556号明細書
【文献】米国特許出願公開第2021/337695号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の一つの目的は、ブラケット装置を有するスライドレールアセンブリを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の別の目的は、異なる長さの類似のブラケット装置に交換可能であり、一人でラックに取り付けられ、ラックから取り外すことができる着脱可能なブラケット装置を有するスライドレールアセンブリを提供することである。
【0008】
本発明の一態様によれば、スライドレールアセンブリはレール部材及び第1のブラケット装置を含む。第1のブラケット装置はレール部材に対して変位可能である。第1のブラケット装置は第1の構造を備え、レール部材は第2の構造を備える。第1の構造及び第2の構造は、第1のブラケット装置及びレール部材が互いに対して所定の位置にある場合に、互いをブロックし合うように構成されている。第1の構造及び前記第2の構造のうちの一方は弾性部材である。第1の構造及び第2の構造が互いをブロックし合い、第1のブラケット装置とレール部材とを相対変位させるために加えられる外力が、弾性部材によって生成される力よりも小さい場合、第1のブラケット装置及びレール部材は、第1の方向及び第2の方向のいずれにも互いに対して変位するのが防止され、第1の方向及び第2の方向は反対方向である。
【0009】
前記弾性部材はブロックするのを停止し、前記第1の構造及び前記第2の構造のうちの他方によってブロックされるよう操作されることにより、前記第1のブラケット装置及び前記レール部材が互いに対して前記第1の方向及び前記第2の方向のいずれかに変位できるように構成されていることが好ましい。
【0010】
前記弾性部材はブロックを停止し、前記第1の構造及び前記第2の構造のうちの他方によってブロックされている場合、前記第1のブラケット装置は、前記レール部材から取り外すために、前記レール部材に対して前記第1の方向に変位可能であることが好ましい。
【0011】
前記第1のブラケット装置は第1の長さを有し、前記スライドレールアセンブリは、該第1の長さとは異なる第2の長さを有する第2のブラケット装置をさらに含むことが好ましい。該第2のブラケット装置は、前記第1のブラケット装置が前記レール部材から取り外された後に、前記レール部材に前記第2の方向に取り付けられるように構成されている。
【0012】
前記第1の構造及び前記第2の構造のうちの他方は空間であり、前記弾性部材は、接続部、操作部及び該接続部と該操作部との間に位置する弾性部を含み、前記接続部は前記第1のブラケット装置及び前記レール部材のうちの一方に接続され、前記弾性部は第1のブロック区画及び第2のブロック区画を含む。前記第1のブラケット装置及び前記レール部材が互いに対して前記所定の位置にある場合、前記弾性部材の弾性部の第1のブロック区画及び第2のブロック区画は、前記第1のブラケット装置及び前記レール部材が前記第1の方向及び前記第2の方向のいずれかに互いに対して変位するのを防止するために、前記空間の第1の壁部及び第2の壁部にそれぞれ対応する。
【0013】
前記第1のブラケット装置及び前記レール部材が互いに対して前記所定の位置にあり、前記弾性部材が操作された場合、前記弾性部材の弾性部の第1のブロック区画及び第2のブロック区画は、前記空間の第1の壁部及び第2の壁部にそれぞれ対応しなくなるため、前記第1のブラケット装置及び前記レール部材を、前記第1の方向及び前記第2の方向のいずれかに互いに対して変位させることができることが好ましい。
【0014】
前記第2のブロック区画はガイド部を有し、該ガイド部は前記空間の第2の壁部と協働するように構成されていることが好ましい。
【0015】
前記弾性部材は、前記第1のブラケット装置の端部に隣接する位置に設けられていることが好ましい。
【0016】
前記レール部材はブラケット機構をさらに備えることが好ましい。前記第1のブラケット装置はラックの第1のポストに取り付けられるように構成され、前記レール部材は該ブラケット機構を介して前記ラックの第2のポストに取り付けられるように構成されている。
【0017】
前記スライドレールアセンブリは、前記レール部材に対して変位可能な少なくとも1つの可動レールをさらに含むことが好ましい。
【0018】
本発明の別の態様によれば、スライドレールアセンブリはレール部材及び第1のブラケット装置を含む。第1のブラケット装置はレール部材に対して引っ込め位置と伸長位置との間で変位させることができる。第1のブラケット装置は第1の構造を備え、レール部材は第2の構造を備える。第1の構造及び第2の構造のうちの一方は弾性部材である。第1の構造及び第2の構造は、第1のブラケット装置がレール部材に対して引っ込め位置から第1の方向に変位された後で伸長位置に到達した場合に、互いをブロックし合うように構成されている。第1の構造及び第2の構造が互いをブロックし合い、第1のブラケット装置とレール部材とを相対変位させるために加えられる外力が、弾性部材によって生成される力よりも小さい場合、第1のブラケット装置はレール部材に対して第1の方向及び第2の方向のいずれにも変位されるのが防止され、第1の方向及び第2の方向は反対方向である。
【0019】
前記弾性部材はブロックするのを停止し、前記第1の構造及び前記第2の構造のうちの他方によってブロックされるよう操作されることにより、前記第1のブラケット装置が前記レール部材に対して前記第1の方向及び前記第2の方向のいずれかに変位できるように構成されていることが好ましい。
【0020】
前記弾性部材がブロックするのを停止し、前記第1の構造及び前記第2の構造のうちの他方によってブロックされている場合、前記第1のブラケット装置は、前記レール部材から取り外すために、前記レール部材に対して前記第1の方向に変位できることが好ましい。
【0021】
前記第1のブラケット装置は第1の長さを有し、前記スライドレールアセンブリは、該第1の長さとは異なる第2の長さを有する第2のブラケット装置をさらに含むことが好ましい。該第2のブラケット装置は、前記第1のブラケット装置が前記レール部材から取り外された後に、前記レール部材に前記第2の方向に取り付けられるように構成されている。
【0022】
前記第1の構造及び前記第2の構造のうちの他方は空間であり、前記弾性部材は、接続部、操作部及び該接続部と該操作部との間に位置する弾性部を含み、前記接続部は前記第1のブラケット装置及び前記レール部材のうちの一方に接続され、前記弾性部は第1のブロック区画及び第2のブロック区画を含むことが好ましい。前記第1のブラケット装置が前記レール部材に対して前記伸長位置にある場合、前記弾性部材の弾性部の第1のブロック区画及び第2のブロック区画は、前記第1のブラケット装置が前記レール部材に対して前記第1の方向及び前記第2の方向のいずれかに変位するのを防止するために、前記空間の第1の壁部及び第2の壁部にそれぞれ対応する。
【0023】
前記第1のブラケット装置が前記レール部材に対して前記伸長位置にあり、前記弾性部材が操作された場合、前記弾性部材の弾性部の第1のブロック区画及び第2のブロック区画は、前記空間の第1の壁部及び第2の壁部にそれぞれ対応しなくなるため、前記第1のブラケット装置を前記レール部材に対して、前記第1の方向及び前記第2の方向のいずれかに変位させることができることが好ましい。
【0024】
前記第2のブロック区画はガイド部を有し、該ガイド部は前記空間の第2の壁部と協働するように構成されていることが好ましい。
【0025】
前記レール部材はブラケット機構をさらに備えることが好ましい。前記第1のブラケット装置はラックの第1のポストに取り付けられるように構成され、前記レール部材は該ブラケット機構を介して前記ラックの第2のポストに取り付けられるように構成されている。
【0026】
本発明のさらに別の態様によれば、スライドレールアセンブリはレール部材及び第1のブラケット装置を含む。レール部材は空間を有し、該空間は第1の壁部及び第2の壁部を有する。第1のブラケット装置はレール部材に対して変位可能であり、弾性部材を備える。弾性部材は第1のブロック区画及び第2のブロック区画を含む。第1のブラケット装置とレール部材とが互いに対して伸長位置にある場合、弾性部材の第1のブロック区画及び第2のブロック区画は、第1のブラケット装置とレール部材とが第1の方向及び第2の方向のいずれかに互いに対して変位するのを防止するために、前記空間の第1の壁部及び第2の壁部にそれぞれ対応する。前記弾性部材は、前記弾性部材の第1のブロック区画及び第2のブロック区画が前記空間の第1の壁部及び第2の壁部にそれぞれ対応しなくなるよう操作されることにより、前記第1のブラケット装置を前記レール部材から取り外すために前記レール部材に対して前記第1の方向に変位できるように構成されている。
【0027】
前記第1のブラケット装置は第1の長さを有し、前記スライドレールアセンブリは、該第1の長さとは異なる第2の長さを有する第2のブラケット装置をさらに含むことが好ましい。該第2のブラケット装置は、前記第1のブラケット装置が前記レール部材から取り外された後に、前記レール部材に前記第2の方向に取り付けられるように構成されている。第1の方向及び第2の方向は反対方向である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係るスライドレールアセンブリの斜視図であり、スライドレールアセンブリはラックに取り付けられている。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態に係るスライドレールアセンブリの組立斜視図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態に係るスライドレールアセンブリの分解斜視図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態に係るスライドレールアセンブリの弾性部材の斜視図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態に係るスライドレールアセンブリのレール部材及び第1のブラケット装置が互いに対して引っ込められた位置にあることを示す。
【
図6】
図6は、本発明の実施形態に係るスライドレールアセンブリのレール部材及び第1のブラケット装置が互いに対して所定の位置にあることを示す。
【
図7】
図7は、本発明の実施形態に係るスライドレールアセンブリのレール部材が、第1のブラケット装置に対して第1の方向に変位されていることを示す。
【
図8】
図8は、本発明の実施形態に係るスライドレールアセンブリのレール部材が、第1のブラケット装置に対して第1の方向にさらに変位されていることを示す。
【
図9】
図9は、本発明の実施形態に係るスライドレールアセンブリのレール部材が、第1のブラケット装置に対して第1の方向にさらに変位されていることを示す。
【
図10】
図10は、本発明の実施形態に係るスライドレールアセンブリの第1のブラケット装置が、レール部材に対して所定の位置から第1の方向に変位されていることを示す。
【
図11】
図11は、本発明の実施形態に係るスライドレールアセンブリの第1のブラケット装置が、レール部材に対して第1の方向に変位された後にレール部材から取り外されたことを示す。
【
図12】
図12は、本発明の実施形態に係るスライドレールアセンブリの第2のブラケット装置が、スライドレールアセンブリのレール部材に第2の方向に取り付けられていることを示す。
【
図13】
図13は、本発明の実施形態に係るスライドレールアセンブリの第2のブラケット装置が、スライドレールアセンブリのレール部材に取り付けられるために、さらに第2の方向に変位されていることを示す。
【
図14】
図14は、本発明の実施形態に係るスライドレールアセンブリが別のラックに取り付けられていることを示す。
【
図15】
図15は、本発明の実施形態に係るスライドレールアセンブリをラックに取り付ける第1のステップを示す。
【
図16】
図16は、本発明の実施形態に係るスライドレールアセンブリをラックに取り付ける第2のステップを示す。
【
図17】
図17は、本発明の実施形態に係るスライドレールアセンブリをラックに取り付ける第3のステップを示す。
【
図18】
図18は、本発明の実施形態に係るスライドレールアセンブリをラックに取り付ける第4のステップを示す。
【
図19】
図19は、本発明の実施形態に係る、スライドレールアセンブリがラックの第1のポスト及び第2のポストに取り付けられていることを示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1を参照して、本発明の一実施形態に係るスライドレールアセンブリ22はラックに取り付けられている。スライドレールアセンブリ22は、レール部材24及び第1のブラケット装置26を含む。レール部材24はブラケット機構28を備えることが好ましく、ここでは、ブラケット機構28はレール部材24に接続(例えば、限定されないが固定接続)されている。第1のブラケット装置26は、ラックの第1のポスト30aに取り付けられるように構成されている。レール部材24はブラケット機構28を介してラックの第2のポスト30bに取り付けられるように構成されている。第1のポスト30a及び第2のポスト30bは、それらの間に第1の長手距離L1(または第1のラック深さ)を定義する。第1のポスト30a及び第2のポスト30bは実質的に同じ構造構成を有する。
【0030】
スライドレールアセンブリ22は、レール部材24に対して変位可能な少なくとも1つの可動レールをさらに含むことが好ましい。ここでは、少なくとも1つの可動レールは、一例として第1の可動レール32及び第2の可動レール34を含む。レール部材24(例えば、外側レール)、第1の可動レール32(例えば、中間レール)及び第2の可動レール34(例えば、内側レール)は3区画スライドレールアセンブリを構成する。第1の可動レール32は、レール部材24と第2の可動レール34との間に可動に取り付けられている。第2の可動レール34は、スライドレールアセンブリによって保持される物体(図示せず)が取り付けられ、物体が第2の可動レール34を介してラックから引き出されて且つラック内に引っ込めることができるように構成されている。
【0031】
図2及び
図3に示すように、レール部材24は、レール部材24の第1の壁36a、第2の壁36b及び第1の壁36aと第2の壁36bとの間に接続された長手壁38を含む。レール部材24は、第1の端部24a及び第2の端部24b、例えば限定されないが後部及び前部と定義される2つの両端部を有する。ブラケット機構28はレール部材24の第2の端部24bに隣接する。他方、第1のブラケット装置26は、第1の端部24aに隣接した位置で可動に取り付けられている。第1のブラケット装置26は第1の構造40を備え、レール部材24は第2の構造42を備える。
【0032】
第1の構造40及び第2の構造42のうちの一方は弾性部材40’であり、第1の構造40及び第2の構造42のうちの他方は空間42’(例えば、開口)であることが好ましい。ここでは、一例として、第1の構造40が弾性部材40’であり、第2の構造42が空間42’である。より具体的には、レール部材24の長手壁38には空間42’が設けられ、空間42’は少なくとも1つの第1の壁部44と、少なくとも1つの第1の壁部44に面する第2の壁部46とを有する。弾性部材40’は接続部48、操作部50及び接続部48と操作部50との間に位置する弾性部52を含む。接続部48は第1のブラケット装置26に接続されている。弾性部52は少なくとも1つの第1のブロック区画54及び第2のブロック区画56(
図4参照)を含む。
【0033】
第1のブラケット装置26は、延在支持フレーム58、ブラケット60及び締結具62を含むことが好ましい。延在支持フレーム58は、延在支持フレーム58の第1の部分64a、第2の部分64b及び第1の部分64aと第2の部分64bとの間に接続された長手部分66を含む。第1の部分64a及び第2の部分64bの双方は長手部分66に対して屈曲されている。ここで、第1の部分64a及び第2の部分64bは、一例として長手部分66に実質的に垂直に接続されている。
【0034】
延在支持フレーム58の第1の部分64a及び第2の部分64bは第1の屈曲部68及び第2の屈曲部70をそれぞれ有することが好ましい。第1の屈曲部68は第1の部分64aに実質的に垂直に接続され、第2の屈曲部70は第2の部分64bに実質的に垂直に接続されている。
【0035】
延在支持フレーム58の第1の部分64a、第1の屈曲部68、第2の部分64b、第2の屈曲部70及び長手部分66は共に支持フレーム溝72を定義し、空間42’を含むレール部材24の一部を支持フレーム溝72に挿入して、第1のブラケット装置26及びレール部材24を互いに対して長手方向に変位させることができることが好ましい。
【0036】
弾性部材40’の接続部48は第1のブラケット装置26の延在支持フレーム58の長手部分66に接続され(例えば、限定されないが固定接続され)、弾性部材40’の弾性部52は支持フレーム溝72内にあり、弾性部材40’の操作部50は支持フレーム溝72の外側にあることが好ましい。
【0037】
延在支持フレーム58は、例えば限定されないが後部及び前部等の第1の端部58a及び第2の端部58bとしてそれぞれ定義される両端部を有する。ユーザが弾性部材40’の弾性部52を操作するために弾性部材40'の操作部50に容易に力を加えることができるように、弾性部材40’は延在支持フレーム58の第2の端部58bに隣接して設けられている。
【0038】
ブラケット60は延在支持フレーム58の第1の端部58aに隣接して設けられ、ブラケット60は延在壁74及び少なくとも1つの取り付け部材76を含むことが好ましい。延在壁74は、少なくとも1つの接続壁区画78を介して延在支持フレーム58の長手部分66に接続され(例えば、限定固定的に接続され)、延在壁74の大部分は支持フレーム溝72内にある。ブラケット60の少なくとも1つの取り付け部材76は延在壁74の一端に配置され、支持フレーム溝72の外にある。少なくとも1つの取り付け部材76は第1のポスト30aに、正確にはその取り付け孔に取り付けられるように構成されている。
【0039】
ブラケット60の延在壁74は少なくとも1つのラグ80を含み、シャフト82が締結具62及び少なくとも1つのラグ80のスロット84(又は長手孔)の一部を通って延びるため、締結具62はシャフト82を中心にブラケット60に対して枢動できる。シャフト82が締結具62及び少なくとも1つのラグ80のスロット84の一部のみを通って延びるため、締結具62はスロット84の延在方向に沿って限定された範囲で変位することもできる。加えて、延在壁74はスロット84に隣接する当接部81を備える。
【0040】
締結具62は少なくとも1つの締結部83と、締結部83に隣接するガイド部85とを含むことが好ましい。ガイド部85は、例えば、傾斜面又は湾曲面であり、本発明はこの点で限定されない。締結具62は、ブラケット60及び締結具62がスロット84を介して互いに対して限られた範囲で変位された場合に、締結具62がロック位置から非ロック位置に回転できるように、当接部81に対応するガイド区画87(例えば、傾斜面)をさらに含む。
【0041】
第1のブラケット装置26は、締結具62に弾性力を加えるための補助弾性部材86をさらに含むことが好ましい。より具体的には、補助弾性部材86は、ブラケット60の第1の接続部88と締結具62の第2の接続部90にそれぞれ接続される2つの端部を有する。
【0042】
レール部材24は、それぞれ第1の側S1及び第2の側S2と定義される両側を有することが好ましい。第1のブラケット装置26及びブラケット機構28は第1の側S1に位置する一方で、少なくとも1つの可動レール(32及び34)は第2の側S2に位置する。ブラケット機構28は少なくとも1つの取り付け部材92を含む。ブラケット機構28の少なくとも1つの取り付け部材92は第2のポスト30bに、正確にはその取り付け孔に取り付けられるように構成されている。
【0043】
図5は、レール部材24に対して引っ込め位置P1にある第1のブラケット装置26を示す。この位置で、第1のブラケット装置26の第1の構造40(例えば、弾性部材40’)は、レール部材24の第2の構造42(例えば、空間42’)から所定の距離離間され、弾性部材40’の弾性部52は第1の状態K1にある。第1の状態K1にある場合、弾性部材40’の弾性部52はレール部材24の第1の側面S1の面94に当接し、弾性力F1を蓄積する。
【0044】
図5及び
図6に示すように、第1のブラケット装置26及びレール部材24は、互いに対して長手方向に変位させることができる。例えば、第1のブラケット装置26は、レール部材24に対して、引っ込め位置P1(
図5参照)から所定の位置P2(例えば、伸長位置又はより具体的には、
図6に示す完全伸長位置)に第1の方向に長手に変位させることができる。所定の位置P2は、スライドレールアセンブリ22がラックに取り付けられている場合に、第1のブラケット装置26及びレール部材24が互いに対して位置する位置である。
【0045】
第1のブラケット装置26及びレール部材24が互いに対して所定の位置P2にある(ここでは、一例として、レール部材24に対して所定の位置P2にあるのは第1のブラケット装置26である)場合、第1の構造40(例えば、弾性部材40’)及び第2の構造42(例えば、空間42’の壁部)は、第1のブラケット装置26及びレール部材24が、第1の方向D1及び第2の方向D2(
図6参照)のいずれかに互いに対して変位するのを防止するために互いをブロックし合い、第1の方向D1及び第2の方向D2は反対方向である。より具体的には、第1のブラケット装置26及びレール部材24が互いに対して所定の位置P2にある場合、弾性部材40’の弾性部52は、弾性部材40’の弾性部52の第1のブロック区画54及び第2のブロック区画56が空間42’の第1の壁部44及び第2の壁部46にそれぞれ対応することによりブロック機能を提供するよう蓄積した弾性力F1を放出する。この状態において、第1のブラケット装置26及びレール部材24を互いに変位させるために外力が加えられるが、その外力が弾性部材40’によって生成される力よりも小さい場合、第1のブラケット装置26及びレール部材24は、第1の方向D1及び第2の方向D2のいずれかに互いに対して変位されるのが防止される。
【0046】
図7~
図9に示すように、第2のブロック区画56は弾性部52の所定の区画96に対して所定の角度屈曲されているため、ガイド部98を形成する。ガイド部98は、例えば傾斜面又は湾曲面であり、空間42’の第2の壁部46と協働するように構成されている。弾性部52の所定の区画96と第2のブロック区画56とはその間に鈍角の内角(すなわち、90度をよりも大きく、好ましくは100度~130度の範囲の内角)を形成するため、空間42’の第2のブロック区画56と第2の壁部46はブロック機能を提供するために互いに対応することができるが、レール部材24及び第1のブラケット装置26のうちの一方に、弾性部材40’の弾性力を克服するのに十分な大きさの外力を加えることによりブロック機能を取り除くことができる。さらに、ガイド部98は、ブロック機能を非破壊的に取り除くことを可能にする。すなわち、第1のブラケット装置26及びレール部材24は、第1の構造40(例えば、弾性部材40’)及び第2の構造42(例えば、空間42’の壁部)が再度互いにブロックされるように、互いに対して所定の位置P2に戻すことができる。すなわち、第1のブラケット装置26とレール部材24との間の相対変位をもたらすために加えられる外力が弾性部材40’によって生成される力よりも大きい限り、ブロッキング機能を取り除くことができ且つ取り除かれる。
【0047】
例えば、第1のブラケット装置26及びレール部材24が互いに対して所定の位置P2にある場合(
図6参照)、第1のブラケット装置26とレール部材24との間のブロック関係はレール部材24が第1のブラケット装置26に対して変位されるように第1の方向D1に作用する外力を、例えばレール部材24に加えることにより解消できる。その目的は、レール部材24の空間42’の第2の壁部46が弾性部材40’の第2のブロック区画56のガイド部98と接触し、その後に弾性部材40’の弾性部52を第2のブロック区画56のガイド部98により容易に押圧するためである(
図7参照)。外力が、弾性部材40’の弾性部52の弾性力F1を克服するのに十分大きい場合、弾性部材40’の弾性部52は、弾性部材40’の弾性部52の第1のブロック区画54及び第2のブロック区画56が空間42’の第1の壁部44及び第2の壁部46のそれぞれともはや対応しなくなることにより(
図8参照)ブロック機能が取り除かれるように、所定の角度回転するように偏向的に付勢される(
図8参照)。その後、レール部材24は第1のブラケット装置26に対して、レール部材24及び第1のブラケット装置26が互いに対して引っ込められた後に引っ込め位置P1に到達するまで、例えば第1の方向D1(
図9参照)に変位させることができる。
【0048】
図10及び
図11を参照して、第1のブラケット装置26及びレール部材24が互いに対して所定の位置P2にある場合(
図10参照)、弾性部材40’の弾性部52の第1のブロック区画54及び第2のブロック区画56が空間42'の第1の壁部44及び第2の壁部46(
図8も参照)にそれぞれ対応しなくなるようにユーザは弾性部材40’の操作部50に操作力Fを加え得る。例えば、弾性部材40’の弾性部52は、弾性部材42’の第1のブロック区画54及び第2のブロック区画56がそれぞれブロックされず、空間42’の第1の壁部44及び第2の壁部46によってそれぞれブロックされるように(
図8も参照)所定の角度回転するよう偏向的に付勢されることにより、第1のブラケット装置26及びレール部材24を第1の方向D1及び第2の方向D2のいずれかに互いに対して変位させることができる。
【0049】
例えば、弾性部材40’がもはや空間42’の第1の壁部44をブロックせず且つ第1の壁部44によってブロックされなくなった場合(
図8参照)、第1のブラケット装置26はレール部材24に対して第1の方向D1に変位させることができ、その後レール部材24から取り外すことができる(
図11参照)。第1のブラケット装置26は第1の長さX1を有する。
【0050】
図12及び
図13を参照して、スライドレールアセンブリ22は、第1の長さX1とは異なる第2の長さX2を有する第2のブラケット装置100をさらに含む。ここで、第2の長さX2は、一例として、第1の長さX1より小さいか又は短い。第2のブラケット装置100は第1のブラケット装置26と実質的に同じ構造構成を有するため、簡潔性のためにこれ以上は説明しない。第1のブラケット装置26がレール部材24から取り外されると、第2のブラケット装置100はレール部材24に第2の方向D2に取り付けることができる。
【0051】
図14を参照して、第2のブラケット装置100は、別のラック(以下、第2のラックと呼ぶ)の第1のポスト30a’に取り付けることができ、レール部材24は、ブラケット機構28を介して第2のラックの第2のポスト30b’に取り付けることができる。第1のポスト30a’及び第2のポスト30b’は、それらの間の第2の長手距離L2(又は第2のラック深さ)を定義する。したがって、ユーザは、スライドレールアセンブリ22を異なる深さのラックに適合させるために、第1のブラケット装置26を第2のブラケット装置100に又はその逆に置き換え得る。
【0052】
図15~
図17を参照して、レール部材24は第1のブラケット装置26に取り付けられ、第1のブラケット装置26はレール部材24に対して所定の位置P2にある。第1の構造40及び第2の構造42は互いをブロックできるため(例えば、弾性部材40’の弾性部52の第1のブロック区画54及び第2のブロック区画56と空間42’の第1の壁部44及び第2の壁部46とがそれぞれ互いをブロックし合うことにより)、第1のブラケット装置26は、このようなブロックによってレール部材24に対して所定の位置P2に一時的に保持することができる(
図6も参照)。すなわち、第1のブラケット装置26及びレール部材24は、このようなブロックによって互いに対して所定の位置P2に一時的に保持することができる。
【0053】
スライドレールアセンブリ22をラックに取り付けるために、ユーザは、例えば、第2のポスト30bに隣接する位置に立ち、レール部材24を保持しながら第1のポスト30aに第1のブラケット装置26を取り付けることによって取り付けを開始し得る。このプロセスの間、第1のブラケット装置26の締結具62のガイド部85は第1のポスト30aと接触させられ(
図15参照)、次にガイド部85と第1のポスト30aとの接触によって締結具62が所定の角度容易に回転される。その結果、補助弾性部材86は弾性力を蓄積する(
図16参照)。少なくとも1つの取り付け部材76が第1のポスト30aに(正確にはその取り付け孔内に)挿入され、締結具62が第1のポスト30aを越えて移動した場合、補助弾性部材86は蓄積した弾性力を解放し、それにより締結具62を固定状態に導く。固定状態では、締結具62の締結部83は、第1のポスト30aに第1のブラケット装置26を取り付けるステップを完了するために第1のポスト30aに固定される(
図17参照)。
【0054】
第1のブラケット装置26が第1のポスト30aに取り付けられると、
図18及び
図19を参照して、ユーザが第1の方向D1に作用する力をレール部材24に加えることにより、レール部材24は第1のポスト30a上に取り付けられた(又は固定された)第1のブラケット装置26に対して第1の方向D1に変位する。この目的は、レール部材24の空間42’の第2の壁部46が、第2のブロック区画56のガイド部98を介して弾性部材40’の弾性部52を押圧することにより、弾性部52を所定の角度回転させることである(詳細については
図18を参照するか又は
図8及び
図9に関連する説明を参照されたい。詳細はここでは繰り返さない)。その結果、弾性部材40’の弾性部52の第1のブロック区画54及び第2のブロック区画56は空間42’の第1の壁部44及び第2の壁部46のそれぞれに対応しなくなる(すなわち、レール部材24及び第1のブラケット装置26は互いに対して所定の位置P2に位置しなくなる)ため、ブロック機能が取り除かれる(
図18参照)。そして、レール部材24は、例えば、ブラケット機構28の取り付け部材92が第2のポスト30bに(正確にはその取り付け孔に)挿入されるまで、第1のブラケット装置26に対して例えば第2の方向D2に変位してレール部材24を第2のポスト30bに取り付け、それによりスライドレールアセンブリ22をラックに取り付けるプロセスを完了できる(
図19参照)。上記から、スライドレールアセンブリ22をラックに取り付けるプロセスは1人で完了できることが分かる。
【0055】
なお、スライドレールアセンブリ22をラックから取り外すことが望ましい場合、ユーザは、例えば第2のポスト30bに隣接した位置に立って、ブラケット機構28を第2のポスト30bから取り外すことによって取り外しを開始し得る(
図17参照)。その後、ユーザは、ブラケット60及び締結具62を互いに対して限られた範囲で変位させるために、第1のブラケット装置26又はレール部材24を引っ張り得る。その目的は、当接部81及びガイド区画87を互いに相互作用させる事により、締結具62をロック位置(締結具62が第1のポスト30aに係合する位置)から非ロック位置(締結具62が第1のポスト30aから分離される位置)に締結具62を運び、第1のブラケット装置26を第1のポスト30aから取り外すことができるようにすることである。上記から、スライドレールアセンブリ22をラックから取り外すプロセスも1人で完了することが分かる。
【0056】
上記によれば、前述の実施形態で開示したスライドレールアセンブリ22は以下の特徴を有する。
【0057】
1)第1のブラケット装置26及びレール部材24が互いに対して所定の位置P2(例えば、伸長位置)にある場合、第1の構造40(例えば、弾性部材40’)及び第2の構造42(例えば、空間42’)は、第1のブラケット装置26及びレール部材24が互いに対して第1の方向D1及び第2の方向D2のいずれかに変位するのを防止するために互いをブロックする。
【0058】
2)スライドレールアセンブリ22は、第1のブラケット装置26及び第2のブラケット装置100を含み、2つのブラケット装置は異なる長さを有するため、ユーザは、いずれかのブラケット装置をレール部材24に取り付けてスライドレールアセンブリ22を異なる深さのラックに適合させ得る。
【0059】
3)第1のブラケット装置26がレール部材24に対して所定の位置P2にある場合、第1の構造40及び第2の構造42は互いをブロックする、例えば、弾性部材40’の弾性部52の第1のブロック区画54及び(ガイド部98を有する)第2のブロック区画56と、空間42’の第1の壁部44及び第2の壁部46とがそれぞれ互いをブロックし合うため、第1のブラケット装置26がレール部材24に対して所定の位置P2で一時的に保持される。
【0060】
4)スライドレールアセンブリ22をラックに取り付け、スライドレールアセンブリ22をラックから取り外すプロセスを一人で完了することができる。
【0061】
5)第2のブロック区画56は弾性部52の所定の区画96に対して所定の角度屈曲されてガイド部98を形成する。ガイド部98は、レール部材24及び第1のブラケット装置26が所定の位置P2にある場合に、弾性部材40’の弾性部52を所定の角度回転させてレール部材24と第1のブラケット装置26とのブロック関係を終了させるのを容易にする。
【0062】
上述の実施形態を通じて本発明を開示してきたが、本実施形態は本発明の範囲を限定することを意図したものではないことを理解すべきである。出願人が求める特許保護の範囲は添付の特許請求の範囲によって定義される。