(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-24
(45)【発行日】2024-02-01
(54)【発明の名称】フィルタ
(51)【国際特許分類】
H01P 1/205 20060101AFI20240125BHJP
H01P 7/04 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
H01P1/205 C
H01P7/04
(21)【出願番号】P 2022029214
(22)【出願日】2022-02-28
【審査請求日】2022-08-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000201777
【氏名又は名称】双信電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077665
【氏名又は名称】千葉 剛宏
(74)【代理人】
【識別番号】100116676
【氏名又は名称】宮寺 利幸
(74)【代理人】
【識別番号】100191134
【氏名又は名称】千馬 隆之
(74)【代理人】
【識別番号】100136548
【氏名又は名称】仲宗根 康晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136641
【氏名又は名称】坂井 志郎
(74)【代理人】
【識別番号】100180448
【氏名又は名称】関口 亨祐
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 瞬
(72)【発明者】
【氏名】磯野 浩之
(72)【発明者】
【氏名】足立 和哉
(72)【発明者】
【氏名】小坂 一馬
【審査官】白井 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-129740(JP,A)
【文献】特開2020-198482(JP,A)
【文献】特開2020-065230(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01P 1/205
H01P 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体基板の一方の主面側に形成された第1遮蔽導体と、
前記誘電体基板の他方の主面側に形成された第2遮蔽導体と、
前記誘電体基板の第1側面に形成された第3遮蔽導体と、
前記第1側面に対面する第2側面に形成された第4遮蔽導体と、
前記誘電体基板内に形成されたビア電極部と、前記第1遮蔽導体に対面するとともに前記ビア電極部の一端に接続されたキャパシタ電極とを有する共振器と、
前記第1遮蔽導体に一端が接続されているとともに、前記第2遮蔽導体に他端が接続されている遮蔽ビア電極部と、
を備え、
前記遮蔽ビア電極部は、前記ビア電極部が形成された領域を前記第3遮蔽導体及び前記第4遮蔽導体のうちの少なくとも一方に向かって延長した延長領域内に選択的に形成されて
おり、
前記ビア電極部と前記第3遮蔽導体との間の距離は、前記ビア電極部と前記第4遮蔽導体との間の距離より小さく、
前記遮蔽ビア電極部は、前記ビア電極部が形成された前記領域を前記第3遮蔽導体に向かって延長した前記延長領域内に選択的に形成されている、フィルタ。
【請求項2】
誘電体基板の一方の主面側に形成された第1遮蔽導体と、
前記誘電体基板の他方の主面側に形成された第2遮蔽導体と、
前記誘電体基板の第1側面に形成された第3遮蔽導体と、
前記第1側面に対面する第2側面に形成された第4遮蔽導体と、
前記誘電体基板内に形成されたビア電極部と、前記第1遮蔽導体に対面するとともに前記ビア電極部の一端に接続されたキャパシタ電極とを有する共振器と、
前記第1遮蔽導体に一端が接続されているとともに、前記第2遮蔽導体に他端が接続されている遮蔽ビア電極部と、
を備え、
前記遮蔽ビア電極部は、前記ビア電極部が形成された領域を前記第3遮蔽導体及び前記第4遮蔽導体のうちの少なくとも一方に向かって延長した延長領域内に選択的に形成されており、
前記ビア電極部と前記第4遮蔽導体との間の距離は、前記ビア電極部と前記第3遮蔽導体との間の距離より小さく、
前記遮蔽ビア電極部は、前記ビア電極部が形成された前記領域を前記第4遮蔽導体に向かって延長した前記延長領域内に選択的に形成されている、フィルタ。
【請求項3】
誘電体基板の一方の主面側に形成された第1遮蔽導体と、
前記誘電体基板の他方の主面側に形成された第2遮蔽導体と、
前記誘電体基板の第1側面に形成された第3遮蔽導体と、
前記第1側面に対面する第2側面に形成された第4遮蔽導体と、
前記誘電体基板内に形成されたビア電極部と、前記第1遮蔽導体に対面するとともに前記ビア電極部の一端に接続されたキャパシタ電極とを有する共振器と、
前記第1遮蔽導体に一端が接続されているとともに、前記第2遮蔽導体に他端が接続されている遮蔽ビア電極部と、
を備え、
前記遮蔽ビア電極部は、前記ビア電極部が形成された領域を前記第3遮蔽導体及び前記第4遮蔽導体のうちの少なくとも一方に向かって延長した延長領域内に選択的に形成されており、
複数の前記遮蔽ビア電極部のうちの第1遮蔽ビア電極部は、前記ビア電極部が形成された前記領域を前記第3遮蔽導体に向かって延長した前記延長領域である第1延長領域内に選択的に形成されており、
複数の前記遮蔽ビア電極部のうちの第2遮蔽ビア電極部は、前記ビア電極部が形成された前記領域を前記第4遮蔽導体に向かって延長した前記延長領域である第2延長領域内に選択的に形成されている、フィルタ。
【請求項4】
請求項
3に記載のフィルタにおいて、
前記ビア電極部と前記第3遮蔽導体との間の距離と、前記ビア電極部と前記第4遮蔽導体との間の距離は、同等である、フィルタ。
【請求項5】
請求項
1に記載のフィルタにおいて、
前記遮蔽ビア電極部は、前記第3遮蔽導体の近傍に備えられている、フィルタ。
【請求項6】
請求項
2に記載のフィルタにおいて、
前記遮蔽ビア電極部は、前記第4遮蔽導体の近傍に備えられている、フィルタ。
【請求項7】
請求項
3又は
4に記載のフィルタにおいて、
前記第1遮蔽ビア電極部は、前記第3遮蔽導体の近傍に備えられており、
前記第2遮蔽ビア電極部は、前記第4遮蔽導体の近傍に備えられている、フィルタ。
【請求項8】
請求項1~
7のいずれか1項に記載のフィルタにおいて、
前記遮蔽ビア電極部は、少なくとも1つの遮蔽ビア電極によって構成されている、フィルタ。
【請求項9】
請求項1~
8のいずれか1項に記載のフィルタにおいて、
前記第3遮蔽導体及び前記第4遮蔽導体は、前記誘電体基板の長手方向である第1方向に沿って形成されている、フィルタ。
【請求項10】
請求項1~
9のいずれか1項に記載のフィルタにおいて、
前記共振器には、1つの前記ビア電極部が備えられている、フィルタ。
【請求項11】
請求項1~
10のいずれか1項に記載のフィルタにおいて、
前記ビア電極部は、複数のビア電極によって構成されている、フィルタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
誘電体基板の一方の主面側に形成された遮蔽導体に対面するストリップ線路と、一端が誘電体基板の他方の主面側に形成された遮蔽導体に接続され、他端がストリップ線路に接続されたビア電極とを有する共振器が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
より良好なフィルタ特性を実現する技術が待望されている。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によるフィルタは、誘電体基板の一方の主面側に形成された第1遮蔽導体と、前記誘電体基板の他方の主面側に形成された第2遮蔽導体と、前記誘電体基板の第1側面に形成された第3遮蔽導体と、前記第1側面に対面する第2側面に形成された第4遮蔽導体と、前記誘電体基板内に形成されたビア電極部と、前記第1遮蔽導体に対面するとともに前記ビア電極部の一端に接続されたキャパシタ電極とを有する共振器と、前記第1遮蔽導体に一端が接続されているとともに、前記第2遮蔽導体に他端が接続されている遮蔽ビア電極部と、を備え、前記遮蔽ビア電極部は、前記ビア電極部が形成された領域を前記第3遮蔽導体及び前記第4遮蔽導体のうちの少なくとも一方に向かって延長した延長領域内に選択的に形成されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、良好な特性を有するフィルタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、一実施形態によるフィルタを示す斜視図である。
【
図2】
図2は、一実施形態によるフィルタを示す平面図である。
【
図3A】
図3Aは、一実施形態によるフィルタの一部を示す断面図である。
【
図3B】
図3Bは、一実施形態によるフィルタの一部を示す断面図である。
【
図4】
図4は、一実施形態によるフィルタを示す斜視図である。
【
図5】
図5は、一実施形態によるフィルタを示す斜視図である。
【
図6】
図6は、一実施形態によるフィルタを示す平面図である。
【
図7】
図7は、一実施形態によるフィルタを示す斜視図である。
【
図8】
図8は、一実施形態によるフィルタを示す平面図である。
【
図9】
図9は、一実施形態によるフィルタを示す斜視図である。
【
図10】
図10は、一実施形態によるフィルタを示す平面図である。
【
図11】
図11は、一実施形態によるフィルタを示す平面図である。
【
図12】
図12は、変形実施形態によるフィルタの例を示す平面図である。
【
図13】
図13は、変形実施形態によるフィルタの例を示す平面図である。
【
図14】
図14は、変形実施形態によるフィルタの例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[一実施形態]
一実施形態によるフィルタについて図面を用いて説明する。
図1は、本実施形態によるフィルタを示す斜視図である。
図2は、本実施形態によるフィルタを示す平面図である。
図3A及び
図3Bは、本実施形態によるフィルタの一部を示す断面図である。
図4及び
図5は、本実施形態によるフィルタを示す斜視図である。
図6は、本実施形態によるフィルタを示す平面図である。
図7は、本実施形態によるフィルタを示す斜視図である。
図8は、本実施形態によるフィルタを示す平面図である。
図9は、本実施形態によるフィルタを示す斜視図である。
図10及び
図11は、本実施形態によるフィルタを示す平面図である。簡略化を図るべく、
図1~
図11においては、一部の構成要素が適宜省略されている。
図1~
図11には、4つの共振器11A~11Dが備えられている場合の例が示されているが、共振器11A~11Dの数は4つに限定されない。
【0010】
図1に示すように、本実施形態によるフィルタ10には、誘電体基板14が備えられている。誘電体基板14は、例えば直方体状に形成されているが、これに限定されない。誘電体基板14は、複数のセラミックスシート(誘電体セラミックスシート)を積層することにより構成されている。
【0011】
誘電体基板14は、2つの主面14a、14bと、4つの側面14c~14fとを有している。側面14c及び側面14dの法線方向に沿う方向を、X方向とする。より具体的には、側面14c、14dの法線方向を、X方向とする。換言すれば、誘電体基板14の長手方向を、X方向とする。側面14e及び側面14fの法線方向に沿う方向を、Y方向とする。より具体的には、側面14e、14fの法線方向を、Y方向とする。主面14a、14bの法線方向に沿う方向を、Z方向とする。より具体的には、主面14a、14bの法線方向を、Z方向とする。
【0012】
誘電体基板14のうちの主面14b側には、遮蔽導体(下部遮蔽導体)12Aが形成されている。即ち、誘電体基板14の下側には、遮蔽導体12Aが形成されている。誘電体基板14のうちの主面14a側には、遮蔽導体(上部遮蔽導体)12Bが形成されている。即ち、誘電体基板14の上側には、遮蔽導体(上部遮蔽導体)12Bが形成されている。
【0013】
誘電体基板14の側面14cには、入出力端子(第1入出力端子)22Aが形成されている。誘電体基板14の側面14dには、入出力端子(第2入出力端子)22Bが形成されている。入出力端子22Aは、入出力パターン80Aを介して遮蔽導体12Bに結合されている。また、入出力端子22Bは、入出力パターン80Bを介して遮蔽導体12Bに結合されている。
【0014】
誘電体基板14の側面14eには、遮蔽導体12Caが形成されている。誘電体基板14の側面14fには、遮蔽導体12Cbが形成されている。遮蔽導体12Ca、12Cbは、板状に形成されている。遮蔽導体12Ca、12Cbは、誘電体基板14の長手方向に沿って形成されている。
【0015】
誘電体基板14内には、遮蔽導体12Aに対面するキャパシタ電極(ストリップ線路)18A~18Dが形成されている。
図1においてはキャパシタ電極18A~18Dが正方形で示されているが、キャパシタ電極18A~18Dの形状は正方形に限定されない。例えば、キャパシタ電極18A~18Dの形状は長方形であってもよい。なお、個々のキャパシタ電極を区別せずに説明する際には、符号18を用い、個々のキャパシタ電極を区別して説明する際には、符号18A~18Dを用いる。
【0016】
誘電体基板14内には、ビア電極部20A~20Dが更に形成されている。なお、個々のビア電極部を区別せずに説明する際には、符号20を用い、個々のビア電極部を区別して説明する際には符号20A~20Dを用いる。
【0017】
ビア電極部20は、複数のビア電極24によって構成されている。ビア電極24は、誘電体基板14に形成されたビアホールにそれぞれ埋め込まれている。ビア電極部20を構成する複数のビア電極24は、上面から見たとき、仮想の環26に沿って配列されている。より具体的には、ビア電極部20を構成する複数のビア電極24は、上面から見たとき、仮想の円に沿って配列されている。複数のビア電極24を仮想の環26に沿うように配列することによってビア電極部20が構成されているため、当該ビア電極部20は、当該仮想の環26に対応する大径のビア電極のように振る舞い得る。ビア電極部20が比較的径の小さい複数のビア電極24によって構成されているため、製造プロセスの簡略化を図ることができる。また、径が比較的小さい複数のビア電極24によってビア電極部20が構成されているため、ビア電極部20の径のバラツキを小さくすることができる。また、径が比較的小さい複数のビア電極24によってビア電極部20が構成されているため、ビアに埋め込まれる銀等の材料が少なくて済み、コストダウンを実現することができる。
【0018】
ビア電極部20の一端(下端)は、キャパシタ電極18に接続されている。ビア電極部20の他端(上端)は、遮蔽導体12Bに接続されている。このように、ビア電極部20は、キャパシタ電極18から遮蔽導体12Bにかけて形成されている。
【0019】
キャパシタ電極18Aとビア電極部20Aとにより、構造体16Aが構成されている。キャパシタ電極18Bとビア電極部20Bとにより、構造体16Bが構成されている。キャパシタ電極18Cとビア電極部20Cとにより、構造体16Cが構成されている。キャパシタ電極18Dとビア電極部20Dとにより、構造体16Dが構成されている。なお、個々の構造体を区別せずに説明する際には符号16を用い、個々の構造体を区別して説明する際には符号16A~16Dを用いる。
【0020】
フィルタ10には、構造体16をそれぞれ含む複数の共振器11A~11Dが備えられている。なお、個々の共振器を区別せずに説明する際には、符号11を用い、個々の共振器を区別して説明する際には、符号11A~11Dを用いる。
【0021】
共振器11Aと共振器11Bとは互いに隣接するように配列されている。共振器11Bと共振器11Cとは、互いに隣接するように配列されている。共振器11Cと共振器11Dとは、互いに隣接するように配列されている。複数の共振器11の各々には、ビア電極部20が1つずつ備えられている。
【0022】
図2に示すように、ビア電極部20Aとビア電極部20Bとビア電極部20Cとビア電極部20Dとは、X方向において互いにずらされている。ビア電極部20Bの中心P2のX方向における位置は、ビア電極部20Aの中心P1のX方向における位置と、ビア電極部20Cの中心P3のX方向における位置との間である。ビア電極部20Cの中心P3のX方向における位置は、ビア電極部20Bの中心P2のX方向における位置と、ビア電極部20Dの中心P4のX方向における位置との間である。
【0023】
ビア電極部20Aの中心P1のY方向における位置と、ビア電極部20Cの中心P3のY方向における位置とは同等である。ビア電極部20Bの中心P2のY方向における位置と、ビア電極部20Dの中心P4のY方向における位置とは同等である。ビア電極部20B及びビア電極部20Dは、ビア電極部20A及びビア電極部20Cに対して、Y方向においてずらされている。ビア電極部20A及びビア電極部20Cは、側面14e側に位置している。即ち、ビア電極部20A、20Cと遮蔽導体12Caとの間の距離は、ビア電極部20A、20Cと遮蔽導体12Cbとの間の距離より小さい。ビア電極部20B、20Dは、側面14f側に位置している。即ち、ビア電極部20B、20Dと遮蔽導体12Cbとの間の距離は、ビア電極部20B、20Dと遮蔽導体12Caとの間の距離より小さい。
【0024】
このように、本実施形態では、ビア電極部20Aの中心P1の位置とビア電極部20Bの中心P2の位置とが、X方向において互いにずらされているのみならず、Y方向においても互いにずらされている。このため、本実施形態によれば、ビア電極部20A、20B間のX方向における距離を大きくすることなく、ビア電極部20A、20B間の距離を大きくすることができる。また、本実施形態によれば、ビア電極部20Bの中心P2の位置とビア電極部20Cの中心P3の位置とが、X方向において互いにずらされているのみならず、Y方向においても互いにずらされている。このため、本実施形態によれば、ビア電極部20B、20C間のX方向における距離を大きくすることなく、ビア電極部20B、20C間の距離を大きくすることができる。また、本実施形態によれば、ビア電極部20Cの中心P3の位置とビア電極部20Dの中心P4の位置とが、X方向において互いにずらされているのみならず、Y方向においても互いにずらされている。このため、本実施形態によれば、ビア電極部20C、20D間のX方向における距離を大きくすることなく、ビア電極部20C、20D間の距離を大きくすることができる。このように、本実施形態によれば、隣接する共振器11A~11DのX方向における距離を大きくすることなく、隣接する共振器11A~11D間の結合度を小さくすることができる。従って、本実施形態によれば、フィルタ10のサイズを小さく保ちつつ、特性の良好なフィルタ10を得ることができる。
【0025】
4つのビア電極部20A~20Dのうち、入出力端子22Aに最も接近しているビア電極部20は、ビア電極部20Aである。ビア電極部20Aの中心P1の位置と入出力端子22Aの位置との間のX方向における距離は、ビア電極部20Bの中心P2の位置と入出力端子22Aの位置との間のX方向における距離よりも小さい。ビア電極部20Aの中心P1の位置と入出力端子22Aの位置との間のY方向における距離は、ビア電極部20Bの中心P2の位置と入出力端子22Aの位置との間のY方向における距離と同等である。
【0026】
4つのビア電極部20A~20Dのうち、入出力端子22Bに最も接近しているビア電極部20は、ビア電極部20Dである。ビア電極部20Dの中心P4の位置と入出力端子22Bの位置との間のX方向における距離は、ビア電極部20Cの中心P3の位置と入出力端子22Bの位置との間のX方向における距離よりも小さい。ビア電極部20Dの中心P4の位置と入出力端子22Bの位置との間のY方向における距離は、ビア電極部20Cの中心P3の位置と入出力端子22Bの位置との間のY方向における距離と同等である。
【0027】
共振器11A~11Dは、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称の位置に配されている。即ち、共振器11Aと共振器11Dとが、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称の位置に配されている。また、共振器11Bと共振器11Cも、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称の位置に配置されている。本実施形態において、共振器11A~11Dを点対称に配置しているのは、良好な周波数特性を得るためである。
【0028】
ビア電極部20Aの中心P1及びビア電極部20Cの中心P3のY方向における位置は、誘電体基板14の中心CのY方向における位置に対して、側面14e側に位置している。ビア電極部20Bの中心P2及びビア電極部20Dの中心P4のY方向における位置は、誘電体基板14の中心CのY方向における位置に対して、側面14f側に位置している。入出力端子22Aの中心及び入出力端子22Bの中心のY方向における位置は、誘電体基板14の中心CのY方向における位置と同等に設定されている。
【0029】
図5に示すように、誘電体基板14内には、結合容量電極(平板電極)70A~70Fが形成されている。結合容量電極70Aは、共振器11Aに備えられている。結合容量電極70Bは、共振器11Dに備えられている。結合容量電極70Cは、共振器11Bに備えられている。結合容量電極70Dは、共振器11Cに備えられている。結合容量電極70E、70Fは、平面視における誘電体基板14の中心C(
図2参照)の近傍に備えられている。結合容量電極70A~70Fは、同じ層に形成されている。換言すれば、結合容量電極70A~70Fは、不図示の同一のセラミックスシート上に形成されている。個々の結合容量電極を区別せずに説明する際には、符号70を用い、個々の結合容量電極を区別して説明する際には、符号70A~70Fを用いる。結合容量電極70とキャパシタ電極18との間には、不図示の一以上のセラミックスシートが存在する。結合容量電極70は、例えば印刷法によって形成され得る。
【0030】
結合容量電極70は、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称の位置に配されている。即ち、結合容量電極70Aと結合容量電極70Bとが、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称の位置に配されている。また、結合容量電極70Cと結合容量電極70Dも、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称の位置に配置されている。また、結合容量電極70Eと結合容量電極70Fも、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称の位置に配置されている。本実施形態において、結合容量電極70を点対称に配置しているのは、良好な周波数特性を得るためである。
【0031】
結合容量電極70Aは、ビア電極部20Aに接続されている。結合容量電極70Aの下面は、ビア電極部20Aの一部を介して、キャパシタ電極18Aの上面に接続されている。
【0032】
結合容量電極70Bは、ビア電極部20Dに接続されている。結合容量電極70Bの下面は、ビア電極部20Dの一部を介して、キャパシタ電極18Dの上面に接続されている。
【0033】
結合容量電極70Cは、ビア電極部20Bに接続されている。結合容量電極70Cの下面は、ビア電極部20Bの一部を介して、キャパシタ電極18Bの上面に接続されている。
【0034】
結合容量電極70Dは、ビア電極部20Cに接続されている。結合容量電極70Dの下面は、ビア電極部20Cの一部を介して、キャパシタ電極18Cの上面に接続されている。
【0035】
図6に示すように、結合容量電極70Aは、部分パターン(電極パターン)70A1~70A3を含む。部分パターン70A1は、ビア電極部20Aに接続されている。部分パターン70A2の一端は、部分パターン70A1に接続されている。部分パターン70A2は、+X方向に突出している。部分パターン70A3の一端は、部分パターン70A1に接続されている。部分パターン70A3は、+Y方向に突出している。
【0036】
結合容量電極70Bは、部分パターン70B1~70B3を含む。部分パターン70B1は、ビア電極部20Dに接続されている。部分パターン70B2の一端は、部分パターン70B1に接続されている。部分パターン70B2は、-X方向に突出している。部分パターン70B3の一端は、部分パターン70B1に接続されている。部分パターン70B3は、-Y方向に突出している。
【0037】
結合容量電極70Cは、部分パターン70C1~70C3を含む。部分パターン70C1は、ビア電極部20Bに接続されている。部分パターン70C2の一端は、部分パターン70C1に接続されている。部分パターン70C2は、-X方向に突出している。部分パターン70C3の一端は、部分パターン70C1に接続されている。部分パターン70C3は、+X方向に突出している。
【0038】
結合容量電極70Dは、部分パターン70D1~70D3を含む。部分パターン70D1は、ビア電極部20Cに接続されている。部分パターン70D2の一端は、部分パターン70D1に接続されている。部分パターン70D2は、+X方向に突出している。部分パターン70D3の一端は、部分パターン70D1に接続されている。部分パターン70D3は、-X方向に突出している。
【0039】
結合容量電極70EのY方向における位置は、結合容量電極70A、70DのY方向における位置と、結合容量電極70B、70CのY方向における位置との間である。結合容量電極70EのX方向における位置は、結合容量電極70Aに備えられた部分パターン70A3のX方向における位置と、結合容量電極70FのX方向における位置との間である。結合容量電極70Eは、結合容量電極70Cに接続されている。
【0040】
結合容量電極70FのY方向における位置は、結合容量電極70A、70DのY方向における位置と、結合容量電極70B、70CのY方向における位置との間である。結合容量電極70FのX方向における位置は、結合容量電極70Bに備えられた部分パターン70B3のX方向における位置と、結合容量電極70EのX方向における位置との間である。結合容量電極70Fは、結合容量電極70Dに接続されている。
【0041】
図5に示すように、誘電体基板14内には、結合容量電極(平板電極)72A~72Eが更に形成されている。結合容量電極72A~72Eは、同じ層に形成されている。換言すれば、結合容量電極72A~72Eは、同一の不図示のセラミックスシート上に形成されている。個々の結合容量電極を区別せずに説明する際には、符号72を用い、個々の結合容量電極を区別して説明する際には、符号72A~72Fを用いる。結合容量電極72と結合容量電極70との間には、不図示の一以上のセラミックスシートが存在する。結合容量電極72は、例えば印刷法によって形成され得る。
【0042】
結合容量電極72は、平面視における誘電体基板14の中心C(
図2参照)を対称の中心として、点対称の位置に配されている。即ち、結合容量電極72Aと結合容量電極72Bとが、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称の位置に配されている。また、結合容量電極72Cと結合容量電極72Dも、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称の位置に配置されている。本実施形態において、結合容量電極72を点対称に配置しているのは、良好な周波数特性を得るためである。
【0043】
図6に示すように、結合容量電極72Aの長手方向は、Y方向である。結合容量電極72Aの一端は、平面視において、結合容量電極70Aと重なり合っている。より具体的には、結合容量電極72Aの一端は、平面視において、部分パターン70A3と重なり合っている。結合容量電極72Aの他端は、平面視において、結合容量電極70Cと重なり合っている。より具体的には、結合容量電極72Aの他端は、平面視において、部分パターン70C2と重なり合っている。結合容量電極70Aと結合容量電極72Aと結合容量電極70Cとにより、容量結合構造71Aが構成される。
【0044】
結合容量電極72Bの長手方向は、Y方向である。結合容量電極72Bの一端は、平面視において、結合容量電極70Dと重なり合っている。より具体的には、結合容量電極72Bの一端は、平面視において、部分パターン70D2と重なり合っている。結合容量電極72Bの他端は、平面視において、結合容量電極70Bと重なり合っている。より具体的には、結合容量電極72Bの他端は、平面視において、部分パターン70B3と重なり合っている。結合容量電極70Bと結合容量電極72Bと結合容量電極70Dとにより、容量結合構造71Bが構成される。
【0045】
結合容量電極72Cの長手方向は、X方向である。結合容量電極72Cの一端は、平面視において、結合容量電極70Aと重なり合っている。より具体的には、結合容量電極72Cの一端は、平面視において、部分パターン70A2と重なり合っている。結合容量電極72Cの他端は、平面視において、結合容量電極70Dと重なり合っている。より具体的には、結合容量電極72Cの他端は、平面視において、部分パターン70D3と重なり合っている。結合容量電極70Aと結合容量電極72Cと結合容量電極70Dとにより、容量結合構造71Cが構成される。結合容量電極72Cの延長領域上には、ビア電極部20Aとビア電極部20Cとが位置している。即ち、結合容量電極72Cの一端の延長領域上には、ビア電極部20Aが位置しており、結合容量電極72Cの他端の延長領域上には、ビア電極部20Cが位置している。
【0046】
結合容量電極72Dの長手方向は、X方向である。結合容量電極72Dの一端は、平面視において、結合容量電極70Bと重なり合っている。より具体的には、結合容量電極72Dの一端は、平面視において、部分パターン70B2と重なり合っている。結合容量電極72Dの他端は、平面視において、結合容量電極70Cと重なり合っている。より具体的には、結合容量電極72Dの他端は、平面視において、部分パターン70C3と重なり合っている。結合容量電極70Bと結合容量電極72Dと結合容量電極70Cとにより、容量結合構造71Dが構成される。結合容量電極72Dの延長領域上には、ビア電極部20Bとビア電極部20Dとが位置している。即ち、結合容量電極72Dの一端の延長領域上には、ビア電極部20Dが位置しており、結合容量電極72Cの他端の延長領域上には、ビア電極部20Bが位置している。
【0047】
結合容量電極72Eの長手方向は、X方向である。結合容量電極72Eの一端は、平面視において、結合容量電極70Eと重なり合っている。結合容量電極72Eの他端は、平面視において、結合容量電極70Fと重なり合っている。
【0048】
結合容量電極72の厚さ方向における結合容量電極72と結合容量電極70との間の距離である電極間距離d1(
図3A参照)は、例えば0.12mm程度であるがこれに限定されない。電極間距離d1が、例えば0.06mmであってもよい。電極間距離d1は、これらの値に限定されない。
【0049】
結合容量電極72Aの幅方向(X方向)における結合容量電極72Aの寸法W12は、結合容量電極72Aの幅方向における部分パターン70A3の寸法W11よりも小さい。即ち、X方向における結合容量電極72Aの寸法W12は、X方向における部分パターン70A3の寸法W11よりも小さい。結合容量電極72Aと部分パターン70A3とが平面視において重なり合っている領域(部位)73A1の両側には、結合容量電極72Aが部分パターン70A3と重なり合っていない領域(部位)73A2、73A3が存在している。領域73A2は、領域73A1に対して-X側に位置する。領域73A3は、領域73A1に対して+X側に位置する。結合容量電極72Aの幅方向における部分パターン70A3の寸法W11は、例えば0.54mmに設定されている。結合容量電極72Aの幅方向における結合容量電極72Aの寸法W12は、例えば0.18mmに設定されている。
【0050】
結合容量電極72Aの幅方向における結合容量電極72Aの寸法W12は、結合容量電極72Aの幅方向における部分パターン70C2の寸法よりも小さい。即ち、X方向における結合容量電極72Aの寸法W12は、X方向における部分パターン70C2の寸法よりも小さい。結合容量電極72Aと部分パターン70C2とが平面視において重なり合っている領域73B1の両側には、結合容量電極72Aが部分パターン70C2と重なり合っていない領域73B2、73B3が存在している。領域73B2は、領域73B1に対して-X側に位置する。領域73B3は、領域73B1に対して+X側に位置する。
【0051】
結合容量電極72Bの幅方向(X方向)における結合容量電極72Bの寸法W12は、結合容量電極72Bの幅方向における部分パターン70B3の寸法W11よりも小さい。即ち、X方向における結合容量電極72Bの寸法W12は、X方向における部分パターン70B3の寸法W11よりも小さい。結合容量電極72Bと部分パターン70B3とが平面視において重なり合っている領域73C1の両側には、結合容量電極72Bが部分パターン70B3と重なり合っていない領域73C2、73C3が存在している。領域73C2は、領域73C1に対して-X側に位置する。領域73C3は、領域73C1に対して+X側に位置する。結合容量電極72Bの幅方向における部分パターン70B3の寸法W11は、例えば0.54mmに設定されている。結合容量電極72Bの幅方向における結合容量電極72Bの寸法W12は、例えば0.18mmに設定されている。
【0052】
結合容量電極72Bの幅方向における結合容量電極72Bの寸法W12は、結合容量電極72Bの幅方向における部分パターン70D2の寸法W11よりも小さい。即ち、X方向における結合容量電極72Bの寸法W12は、X方向における部分パターン70D2の寸法W11よりも小さい。結合容量電極72Bと部分パターン70D2とが平面視において重なり合っている領域73D1の両側には、結合容量電極72Bが部分パターン70D2と重なり合っていない領域73D2、73D3が存在している。領域73D2は、領域73D1に対して-X側に位置する。領域73D3は、領域73D1に対して+X側に位置する。
【0053】
結合容量電極72Cの幅方向(Y方向)における結合容量電極72Cの寸法W22は、結合容量電極72Cの幅方向における部分パターン70A2の寸法W21よりも小さい。即ち、Y方向における結合容量電極72Cの寸法W22は、Y方向における部分パターン70A2の寸法W21よりも小さい。結合容量電極72Cと部分パターン70A2とが平面視において重なり合っている領域73E1の両側には、結合容量電極72Cが部分パターン70A2と重なり合っていない領域73E2、73E3が存在している。領域73E2は、領域73E1に対して-Y側に位置する。領域73E3は、領域73E1に対して+Y側に位置する。結合容量電極72Cの幅方向における部分パターン70A2の寸法W21は、例えば0.56mmに設定されている。結合容量電極72Cの幅方向における結合容量電極72Cの寸法W22は、例えば0.34mmに設定されている。
【0054】
結合容量電極72Cの幅方向における結合容量電極72Cの寸法W22は、結合容量電極72Cの幅方向における部分パターン70D3の寸法W21よりも小さい。即ち、Y方向における結合容量電極72Cの寸法W22は、Y方向における部分パターン70D3の寸法W21よりも小さい。結合容量電極72Cと部分パターン70D3とが平面視において重なり合っている領域73F1の両側には、結合容量電極72Cが部分パターン70D3と重なり合っていない領域73F2、73F3が存在している。領域73F2は、領域73F1に対して-Y側に位置する。領域73F3は、領域73F1に対して+Y側に位置する。結合容量電極72Cの幅方向における部分パターン70D3の寸法W21は、例えば0.56mmに設定されている。
【0055】
結合容量電極72Dの幅方向(Y方向)における結合容量電極72Dの寸法W22は、結合容量電極72Dの幅方向における部分パターン70C3の寸法W21よりも小さい。即ち、Y方向における結合容量電極72Dの寸法W22は、Y方向における部分パターン70C3の寸法W21よりも小さい。結合容量電極72Dと部分パターン70C3とが平面視において重なり合っている領域73G1の両側には、結合容量電極72Dが部分パターン70C3と重なり合っていない領域73G2、73G3が存在している。領域73G2は、領域73G1に対して-Y側に位置する。領域73G3は、領域73G1に対して+Y側に位置する。結合容量電極72Dの幅方向における部分パターン70C3の寸法W21は、例えば0.56mmに設定されている。結合容量電極72Dの幅方向における結合容量電極72Dの寸法W22は、例えば0.34mmに設定されている。
【0056】
結合容量電極72Dの幅方向における結合容量電極72Dの寸法W22は、結合容量電極72Dの幅方向における部分パターン70B2の寸法W21よりも小さい。即ち、Y方向における結合容量電極72Dの寸法W22は、Y方向における部分パターン70B2の寸法W21よりも小さい。結合容量電極72Dと部分パターン70B2とが平面視において重なり合っている領域73H1の両側には、結合容量電極72Dが部分パターン70B2と重なり合っていない領域73H2、73H3が存在している。領域73H2は、領域73H1に対して-Y側に位置する。領域73H3は、領域73H1に対して+Y側に位置する。結合容量電極72Dの幅方向における部分パターン70B2の寸法W21は、例えば0.56mmに設定されている。
【0057】
結合容量電極72A、72Bの幅方向における部分パターン70A3、70B3の寸法W11から結合容量電極72A、72Bの幅方向における結合容量電極72A、72Bの寸法W12を減算することによって得られる値である寸法差ΔW1は、電極間距離d1の1.4倍以上であることが好ましい。寸法差ΔW1、即ち、寸法差(W11-W12)は、電極間距離d1の2.6倍以上であることがより好ましい。本実施形態では、寸法差ΔW1は、電極間距離d1の3倍に設定されている。
【0058】
寸法差ΔW1が上記のように比較的大きく設定されているため、領域73A2、73A3、73B2、73B3、73C2、73C3、73D2、73D3のX方向における寸法L1は、比較的大きい。結合容量電極72A、72Bの幅方向における部分パターン70A3、70B3の寸法W11が0.54mmであり、結合容量電極72A、72Bの幅方向における結合容量電極72A、72Bの寸法W12が0.18mmである場合、寸法差ΔW1は0.36mmである。寸法差ΔW1が0.36mmである場合、寸法L1は0.18mmである。この場合、寸法L1は、電極間距離d1の例えば1.5倍である。このように、寸法差ΔW1が、電極間距離d1の3倍である場合、寸法L1は、電極間距離d1の例えば1.5倍である。
【0059】
結合容量電極72C、72Dの幅方向における部分パターン70A2、70B2、70C3、70D3の寸法W21から結合容量電極72C、72Dの幅方向における結合容量電極72C、72Dの寸法W22を減算することによって得られる値である寸法差ΔW2は、電極間距離d1の1.4倍以上であることが好ましい。本実施形態では、寸法差ΔW2、即ち、寸法差(W21-W22)は、電極間距離d1の1.84倍に設定されている。
【0060】
寸法差ΔW2が上記のように比較的大きく設定されているため、領域73E2、73E3、73F2、73F3、73G2、73G3、73H2、73H3のY方向における寸法L2は、比較的大きい。結合容量電極72C、72Dの幅方向における部分パターン70A2、70B2、70C3、70D3の寸法W21が0.56mmであり、結合容量電極72C、72Dの幅方向における結合容量電極72C、72Dの寸法W22が0.34mmである場合、寸法差ΔW2は0.22mmである。寸法差ΔW2が0.22mmの場合、寸法L2は0.11mmである。この場合、寸法L2は、電極間距離d1の例えば0.92倍である。このように、寸法差ΔW2が、電極間距離d1の1.84倍である場合、寸法L2は、電極間距離d1の0.92倍である。
【0061】
製造時における位置ずれの最大値は、例えば0.03mm程度である。製造時における位置ずれの最大値が0.03mmである場合、寸法L1、L2は例えば0.03mmに設定され得る。これに対し、本実施形態では、寸法L1、L2を比較的大きく設定している。本実施形態において、寸法L1、L2を比較的大きく設定しているのは、以下のような理由による。即ち、寸法L1、L2が比較的小さい場合には、ある程度の位置ずれが製造時において生じると、容量結合構造71A~71Dの静電容量が大きく変動する。容量結合構造71A~71Dの静電容量が大きく変動すると、良好なフィルタ特性が得られない。寸法L1、L2が比較的大きい場合には、ある程度の位置ずれが製造時において生じても、容量結合構造71A~71Dの静電容量はあまり変動しない。このような理由により、本実施形態では、寸法L1、L2を比較的大きく設定している。
【0062】
寸法L2が寸法L1より小さく設定されているのは、以下のような理由による。即ち、製造時の位置ずれに起因して容量結合構造71Cの静電容量が変動するのを抑制する観点からは、寸法L2を比較的大きくすることが好ましい。寸法L2を比較的大きく設定した場合には、結合容量電極72C、72Dと部分パターン70A2、70D3、70B2、70C3とが平面視において重なり合っている領域73E1、73F1、73H1、73H1の面積を確保すべく、結合容量電極72C、72DのX方向における寸法を大きくすることが好ましい。しかしながら、結合容量電極72CのX方向における寸法を大きくした場合には、結合容量電極72Cとビア電極部20Aとの間のX方向における距離が短くなり、結合容量電極72Cとビア電極部20Cとの間のX方向における距離が短くなる。また、結合容量電極72DのX方向における寸法を大きくした場合には、結合容量電極72Dとビア電極部20Bとの間のX方向における距離が短くなり、結合容量電極72Dとビア電極部20Dとの間のX方向における距離が短くなる。結合容量電極72Cとビア電極部20Aとの間のX方向における距離が短くなり、結合容量電極72Cとビア電極部20Cとの間のX方向における距離が短くなると、フィルタ特性に悪影響が生ずることが懸念される。また、結合容量電極72Dとビア電極部20Bとの間のX方向における距離が短くなり、結合容量電極72Dとビア電極部20Dとの間のX方向における距離が短くなると、フィルタ特性に悪影響が生ずることが懸念される。一方、結合容量電極72A、72Bの少なくとも一端の延長領域上には、ビア電極部20のいずれもが位置していない。ビア電極部20Bは、結合容量電極72Aに対して+X方向に離間した位置に配されている。このため、結合容量電極72Aを+Y方向に延長しても、結合容量電極72Aとビア電極部20Bとの間の距離は小さくならない。また、ビア電極部20Cは、結合容量電極72Bに対して-X方向に離間した位置に配されている。このため、結合容量電極72Bを-Y方向に延長しても、結合容量電極72Bとビア電極部20Cとの間の距離は小さくならない。結合容量電極72Aを+Y方向に延長しても特段の問題は生じない。また、結合容量電極72Bを-Y方向に延長しても特段の問題は生じない。このような理由により、寸法L2は寸法L1より小さく設定されている。
【0063】
結合容量電極72Eの幅方向における当該結合容量電極72Eの寸法は、結合容量電極72Eの幅方向における結合容量電極70Eの寸法よりも小さい。即ち、Y方向における結合容量電極72Eの寸法は、Y方向における結合容量電極70Eの寸法よりも小さい。結合容量電極72Eの幅方向における結合容量電極70Eの寸法は、例えば0.5mmに設定されている。結合容量電極72Eの幅方向における当該結合容量電極72Eの寸法は、例えば0.29mmに設定されている。
【0064】
結合容量電極72Eの幅方向における当該結合容量電極72Eの寸法は、結合容量電極72Eの幅方向における結合容量電極70Fの寸法よりも小さい。即ち、Y方向における結合容量電極72Eの寸法は、Y方向における結合容量電極70Fの寸法よりも小さい。結合容量電極72Eの幅方向における結合容量電極70Fの寸法は、例えば0.5mmに設定されている。
【0065】
結合容量電極72Eの幅方向における結合容量電極70E、70Fの寸法W31から結合容量電極72Eの幅方向における当該結合容量電極72Eの寸法W32を減算することによって得られる値である寸法差ΔW3は、電極間距離d1の1.4倍以上であることが好ましい。本実施形態では、寸法差ΔW3、即ち、寸法差(W31-W32)は、電極間距離d1の1.75倍に設定されている。
【0066】
図5に示すように、誘電体基板14内には、結合容量電極(平板電極)74A、74Bが形成されている。結合容量電極74A、74Bは、同じ層に形成されている。換言すれば、結合容量電極74A、74Bは、同一の不図示のセラミックスシート上に形成されている。個々の結合容量電極を区別せずに説明する際には、符号74を用い、個々の結合容量電極を区別して説明する際には、符号74A、74Bを用いる。結合容量電極72と結合容量電極74との間には、不図示の一以上のセラミックスシートが存在する。
【0067】
結合容量電極74は、平面視における誘電体基板14の中心C(
図2参照)を対称の中心として、点対称の位置に配されている。即ち、結合容量電極74Aと結合容量電極74Bとが、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称の位置に配されている。本実施形態において、結合容量電極74を点対称に配置しているのは、良好な周波数特性を得るためである。
【0068】
図6に示すように、結合容量電極74Aは、部分パターン(電極パターン)74A1~74A3を含む。部分パターン74A1は、ビア電極部20Bに接続されている。部分パターン74A3は、部分パターン74A1に対して-Y側に位置している。部分パターン74A3は、部分パターン74A2を介して部分パターン74A1に接続されている。部分パターン74A3は、平面視において、結合容量電極70Eと重なり合っている。部分パターン74A3のサイズは、結合容量電極70Eのサイズと同等である。結合容量電極72Eの一端は、結合容量電極70Eと部分パターン74A3とによって挟まれている。
【0069】
結合容量電極74Bは、部分パターン74B1~74B3を含む。部分パターン74B1は、ビア電極部20Cに接続されている。部分パターン74B3は、部分パターン74B1に対して+Y側に位置している。部分パターン74B3は、部分パターン74B2を介して部分パターン74B1に接続されている。部分パターン74B3は、平面視において、結合容量電極70Fと重なり合っている。部分パターン74B3のサイズは、結合容量電極70Fのサイズと同等である。結合容量電極72Eの他端は、結合容量電極70Fと部分パターン74B3とによって挟まれている。結合容量電極70Eと結合容量電極70Fと結合容量電極72Eと結合容量電極74Aと結合容量電極74Bとにより、容量結合構造71Eが構成される。
【0070】
図7に示すように、誘電体基板14内には、結合容量電極(櫛歯電極)76A~76Dが更に形成されている。結合容量電極76A~76Dは、同じ層に形成されている。換言すれば、結合容量電極76A~76Dは、同一の不図示のセラミックスシート上に形成されている。個々の結合容量電極を区別せずに説明する際には、符号76を用い、個々の結合容量電極を区別して説明する際には、符号76A~76Dを用いる。結合容量電極74(
図5参照)と結合容量電極76との間には、不図示の一以上のセラミックスシートが存在する。
【0071】
結合容量電極76は、平面視における誘電体基板14の中心C(
図2参照)を対称の中心として、点対称の位置に配されている。即ち、結合容量電極76Aと結合容量電極76Bとが、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称の位置に配されている。また、結合容量電極76Cと結合容量電極76Dも、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称の位置に配置されている。本実施形態において、結合容量電極76を点対称に配置しているのは、良好な周波数特性を得るためである。
【0072】
図8に示すように、結合容量電極76Aは、部分パターン(電極パターン)76A1~76A4を含む。部分パターン76A1は、ビア電極部20Aに接続されている。部分パターン76A2の長手方向は、X方向である。部分パターン76A2の一端は、部分パターン76A1に接続されている。部分パターン76A2は、+X方向に突出している。部分パターン76A3の一端は、部分パターン76A2の他端に接続されている。部分パターン76A3の長手方向は、Y方向である。部分パターン76A3は、-Y方向に突出している。即ち、部分パターン76A3は、側面14eに向かって突出している。部分パターン76A4の一端は、部分パターン76A1に接続されている。部分パターン76A4の長手方向は、Y方向である。部分パターン76A4は、+Y方向に突出している。部分パターン76A4は、部分パターン76A3の長手方向に沿うように突出している。
【0073】
結合容量電極76Bは、部分パターン76B1~76B4を含む。部分パターン76B1は、ビア電極部20Dに接続されている。部分パターン76B2の長手方向は、X方向である。部分パターン76B2の一端は、部分パターン76B1に接続されている。部分パターン76B2は、-X方向に突出している。部分パターン76B3の一端は、部分パターン76B2の他端に接続されている。部分パターン76B3の長手方向は、Y方向である。部分パターン76B3は、+Y方向に突出している。部分パターン76B3は、部分パターン76A3の長手方向に沿うように突出している。部分パターン76B4の一端は、部分パターン76B1に接続されている。部分パターン76B4の長手方向は、Y方向である。部分パターン76B4は、-Y方向に突出している。部分パターン76B4は、部分パターン76A3の長手方向に沿うように突出している。
【0074】
結合容量電極76Cは、部分パターン76C1~76C6を含む。部分パターン76C1は、ビア電極部20Bに接続されている。部分パターン76C2の長手方向は、X方向である。部分パターン76C2の一端は、部分パターン76C1に接続されている。部分パターン76C2は、-X方向に突出している。部分パターン76C3の一端は、部分パターン76C2の他端に接続されている。部分パターン76C3の長手方向は、Y方向である。部分パターン76C3は、-Y方向に突出している。部分パターン76C3は、部分パターン76A3の長手方向に沿うように突出している。部分パターン76C4の一端は、部分パターン76C1に接続されている。部分パターン76C4の長手方向は、Y方向である。部分パターン76C4は、-Y方向に突出している。部分パターン76C4は、部分パターン76A3の長手方向に沿うように突出している。部分パターン76C5の長手方向は、X方向である。部分パターン76C5の一端は、部分パターン76C1に接続されている。部分パターン76C5は、+X方向に突出している。部分パターン76C6の一端は、部分パターン76C5の他端に接続されている。部分パターン76C6の長手方向は、Y方向である。部分パターン76C6は、+Y方向に突出している。即ち、部分パターン76C6は、側面14fに向かって突出している。部分パターン76C6は、部分パターン76A3の長手方向に沿うように突出している。
【0075】
結合容量電極76Dは、部分パターン76D1~76D6を含む。部分パターン76D1は、ビア電極部20Cに接続されている。部分パターン76D2の長手方向は、X方向である。部分パターン76D2の一端は、部分パターン76D1に接続されている。部分パターン76D2は、+X方向に突出している。部分パターン76D3の一端は、部分パターン76D2の他端に接続されている。部分パターン76D3の長手方向は、Y方向である。部分パターン76D3は、+Y方向に突出している。部分パターン76D3は、部分パターン76A3の長手方向に沿うように突出している。部分パターン76D4の一端は、部分パターン76D1に接続されている。部分パターン76D4の長手方向は、Y方向である。部分パターン76D4は、+Y方向に突出している。部分パターン76D4は、部分パターン76A3の長手方向に沿うように突出している。部分パターン76D5の長手方向は、X方向である。部分パターン76D5の一端は、部分パターン76D1に接続されている。部分パターン76D5は、-X方向に突出している。部分パターン76D6の一端は、部分パターン76D5の他端に接続されている。部分パターン76D6の長手方向は、Y方向である。部分パターン76D6は、-Y方向に突出している。即ち、部分パターン76D6は、側面14eに向かって突出している。
【0076】
部分パターン76A3と部分パターン76D6とは、互いに隣接している。部分パターン76A3と部分パターン76D6とが互いに隣接しているため、結合容量電極76Aと結合容量電極76Dとは容量結合する。結合容量電極76Aと結合容量電極76Dとにより、容量結合構造77Aが構成される。
【0077】
部分パターン76A2のY方向における位置と、部分パターン76D5のY方向における位置は、同等である。部分パターン76A3と部分パターン76D6とは、いずれも-Y方向に突出している。即ち、部分パターン76A3と部分パターン76D6とは、側面14eに向かって突出している。部分パターン76A3、76D6のY方向における位置は、部分パターン76A2、76D5のY方向における位置と、遮蔽導体12CaのY方向における位置との間である。
【0078】
部分パターン76A3と部分パターン76D6とをいずれも側面14eに向かって突出させているのは、以下のような理由による。即ち、部分パターン76A3と部分パターン76D6とをいずれも-Y方向に突出させているのは、以下のような理由による。部分パターン76A3と部分パターン76D6とをいずれも+Y方向に突出させた場合には、部分パターン76A3、76D6が、部分パターン76C3、76C4等に近接する。部分パターン76A3、76D6と部分パターン76C3、76C4等とが互いに近接すると、部分パターン76A3、76D6と部分パターン76C3、76C4等とが互いに容量結合する。部分パターン76A3、76D6と部分パターン76C3、76C4等とが互いに容量結合することは好ましくない。一方、部分パターン76A3と部分パターン76D6とをいずれも-Y方向に突出させた場合には、これらの部分パターン76A3、76D6が、部分パターン76C3、76C4等に近接しない。部分パターン76A3、76D6と部分パターン76C3、76C4等とが互いに近接しないため、部分パターン76A3、76D6と部分パターン76C3、76C4とが互いに容量結合しない。このような理由により、本実施形態では、部分パターン76A3と部分パターン76D6とをいずれも側面14eに向かって突出させている。
【0079】
部分パターン76B3と部分パターン76C6とは、互いに隣接している。部分パターン76B3と部分パターン76C6とが互いに隣接しているため、結合容量電極76Bと結合容量電極76Cとは容量結合する。結合容量電極76Bと結合容量電極76Cとにより、容量結合構造77Bが構成される。
【0080】
部分パターン76B2のY方向における位置と、部分パターン76C5のY方向における位置は、同等である。部分パターン76B3と部分パターン76C6とは、いずれも+Y方向に突出している。即ち、部分パターン76B3と部分パターン76C6とは、側面14fに向かって突出している。部分パターン76B3、76C6のY方向における位置は、部分パターン76B2、76C5のY方向における位置と、遮蔽導体12CbのY方向における位置との間である。
【0081】
部分パターン76B3と部分パターン76C6とをいずれも側面14fに向かって突出させているのは、以下のような理由による。即ち、部分パターン76B3と部分パターン76C6とをいずれも+Y方向に突出させているのは、以下のような理由による。部分パターン76B3と部分パターン76C6とをいずれも-Y方向に突出させた場合には、これらの部分パターン76B3、76C6が、部分パターン76D3、76D4等に近接する。部分パターン76B3、76C6と部分パターン76D3、76D4等とが互いに近接すると、部分パターン76B3、76C6と部分パターン76D3、76D4等とが互いに容量結合する。部分パターン76B3、76C6と部分パターン76D3、76D4等とが互いに容量結合することは好ましくない。一方、部分パターン76B3と部分パターン76C6とをいずれも+Y方向に突出させた場合には、これらの部分パターン76B3、76C6が、部分パターン76D3、76D4等に近接しない。部分パターン76B3、76C6と部分パターン76D3、76D4等とが互いに近接しないため、部分パターン76B3、76C6と部分パターン76D3、76D4とが互いに容量結合しない。このような理由により、本実施形態では、部分パターン76B3と部分パターン76C6とをいずれも側面14fに向かって突出させている。
【0082】
部分パターン76A4と部分パターン76C3とは、互いに隣接している。部分パターン76A4と部分パターン76C3とが互いに隣接しているため、結合容量電極76Aと結合容量電極76Cとは容量結合する。結合容量電極76Aと結合容量電極76Cとにより、容量結合構造77Cが構成される。
【0083】
部分パターン76B4と部分パターン76D3とは、互いに隣接している。部分パターン76B4と部分パターン76D3とが互いに隣接しているため、結合容量電極76Bと結合容量電極76Dとは容量結合する。結合容量電極76Bと結合容量電極76Dとにより、容量結合構造77Dが構成される。
【0084】
部分パターン76C4と部分パターン76D4とは、互いに隣接している。部分パターン76C4と部分パターン76D4とが互いに隣接しているため、結合容量電極76Cと結合容量電極76Dとは容量結合する。結合容量電極76Cと結合容量電極76Dとにより、容量結合構造77Eが構成される。
【0085】
図9に示すように、誘電体基板14内には、結合容量電極(櫛歯電極)78A~78Cが更に形成されている。結合容量電極78A~78Cは、同じ層に形成されている。換言すれば、結合容量電極78A~78Cは、同一の不図示のセラミックスシート上に形成されている。個々の結合容量電極を区別せずに説明する際には、符号78を用い、個々の結合容量電極を区別して説明する際には、符号78A~78Cを用いる。結合容量電極76と結合容量電極78との間には、不図示の一以上のセラミックスシートが存在する。
【0086】
結合容量電極78は、平面視における誘電体基板14の中心C(
図2参照)を対称の中心として、点対称の位置に配されている。即ち、結合容量電極78Aと結合容量電極78Bとが、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称の位置に配されている。また、結合容量電極78Cも、平面視における誘電体基板14の中心Cを対称の中心として、点対称に形成されている。本実施形態において、結合容量電極78を点対称に配置しているのは、良好な周波数特性を得るためである。
【0087】
図10に示すように、結合容量電極78Aは、部分パターン78A1、78A2を含む。部分パターン78A1は、ビア電極部20Aに接続されている。部分パターン78A2の長手方向は、Y方向である。
【0088】
結合容量電極78Bは、部分パターン78B1、78B2を含む。部分パターン78B1は、ビア電極部20Dに接続されている。部分パターン78B2の長手方向は、Y方向である。
【0089】
結合容量電極78Cは、部分パターン78C1~78C3を含む。部分パターン78C1の長手方向は、Y方向である。部分パターン78C1は、部分パターン78A2に隣接している。部分パターン78C2の長手方向は、Y方向である。部分パターン78C2は、部分パターン78B2に隣接している。部分パターン(中継パターン)78C3の一端は、部分パターン78C1に接続されている。部分パターン78C3の他端は、部分パターン78C2に接続されている。部分パターン78A2と部分パターン78C1とが互いに隣接しているため、結合容量電極78Aと結合容量電極78Cとは容量結合する。部分パターン78B2と部分パターン78C2とが互いに隣接しているため、結合容量電極78Bと結合容量電極78Cとは容量結合する。
【0090】
図9に示すように、誘電体基板14内には、入出力パターン80A、80Bが更に形成されている。入出力パターン80A、80Bは、同じ層に形成されている。換言すれば、入出力パターン80A、80Bは、同一の不図示のセラミックスシート上に形成されている。個々の入出力パターンを区別せずに説明する際には、符号80を用い、個々の入出力パターンを区別して説明する際には、符号80A、80Bを用いる。結合容量電極78と入出力パターン80との間には、不図示の一以上のセラミックスシートが存在する。
【0091】
図10に示すように、入出力パターン80Aは、部分パターン80A1、80A2を含む。部分パターン80A1の一端は、入出力端子22Aに接続されている。部分パターン80A1の他端は、部分パターン80A2に接続されている。部分パターン80A2は、ビア電極部20Aに接続されている。このように、入出力端子22Aは、入出力パターン80Aを介してビア電極部20Aに接続されている。
【0092】
入出力パターン80Bは、部分パターン80B1、80B2を含む。部分パターン80B1の一端は、入出力端子22Bに接続されている。部分パターン80B1の他端は、部分パターン80B2に接続されている。部分パターン80B2は、ビア電極部20Dに接続されている。このように、入出力端子22Bは、入出力パターン80Bを介してビア電極部20Dに接続されている。
【0093】
このように、入出力端子22Aが入出力パターン80Aを介してビア電極部20Aに導通しており、入出力端子22Bが入出力パターン80Bを介してビア電極部20Dに導通している。本実施形態では、入出力パターン80A、80BのZ方向における位置を適宜設定することにより、外部Qが適宜調整され得る。即ち、本実施形態では、ビア電極部20A、20Dの長手方向における入出力パターン80A、80Bの位置を適宜設定することにより、外部Qが適宜調整され得る。
【0094】
図9に示すように、誘電体基板14内には、遮蔽ビア電極部81A~81Dが形成されている。個々の遮蔽ビア電極部を区別せずに説明する際には、符号81を用い、個々の遮蔽ビア電極部を区別して説明する際には、符号81A~81Dを用いる。
【0095】
遮蔽ビア電極部81Aには、遮蔽ビア電極82Aと遮蔽ビア電極82Bとが備えられている。遮蔽ビア電極部81Bには、遮蔽ビア電極82Cと遮蔽ビア電極82Dとが備えられている。遮蔽ビア電極部81Cには、遮蔽ビア電極82Eと遮蔽ビア電極82Fとが備えられている。遮蔽ビア電極部81Dには、遮蔽ビア電極82Gと遮蔽ビア電極82Hとが備えられている。個々の遮蔽ビア電極を区別せずに説明する際には、符号82を用い、個々の遮蔽ビア電極を区別して説明する際には、符号82A~82Hを用いる。
図9に示す例においては、1つの遮蔽ビア電極部81に2つの遮蔽ビア電極82が備えられているが、1つの遮蔽ビア電極部81が1つの遮蔽ビア電極82によって構成されてもよい。
【0096】
遮蔽ビア電極部81の一端は、遮蔽導体12Aに接続されている。遮蔽ビア電極部81の他端は、遮蔽導体12Bに接続されている。
【0097】
図11に示すように、遮蔽ビア電極部81Aは、ビア電極部20Aが位置する領域を-Y方向に延長した延長領域84A内において、遮蔽導体12A、12Bに接続されている。即ち、遮蔽ビア電極部81Aは、ビア電極部20Aが位置する領域を遮蔽導体12Caに向かって延長した延長領域84A内において、遮蔽導体12A、12Bに接続されている。このように、遮蔽ビア電極部81Aは、延長領域84A内に選択的に形成されている。遮蔽ビア電極部81Aは、遮蔽導体12Caの近傍に位置している。なお、ビア電極部20が位置する領域は、仮想の環26に対応する領域である。
【0098】
遮蔽ビア電極部81Bは、ビア電極部20Dが位置する領域を+Y方向に延長した延長領域84D内において、遮蔽導体12A、12Bに接続されている。即ち、遮蔽ビア電極部81Bは、ビア電極部20Dが位置する領域を遮蔽導体12Cbに向かって延長した延長領域84D内において、遮蔽導体12A、12Bに接続されている。遮蔽ビア電極部81Bは、延長領域84B内に選択的に形成されている。遮蔽ビア電極部81Bは、遮蔽導体12Cbの近傍に位置している。
【0099】
遮蔽ビア電極部81Cは、ビア電極部20Bが位置する領域を+Y方向に延長した延長領域84B内において、遮蔽導体12A、12Bに接続されている。即ち、遮蔽ビア電極部81Cは、ビア電極部20Bが位置する領域を遮蔽導体12Caに向かって延長した延長領域84B内において、遮蔽導体12A、12Bに接続されている。遮蔽ビア電極部81Cは、延長領域84B内に選択的に形成されている。遮蔽ビア電極部81Cは、遮蔽導体12Cbの近傍に位置している。
【0100】
遮蔽ビア電極部81Dは、ビア電極部20Cが位置する領域を-Y方向に延長した延長領域84C内において、遮蔽導体12A、12Bに接続されている。即ち、遮蔽ビア電極部81Dは、ビア電極部20Cが位置する領域を遮蔽導体12Cbに向かって延長した延長領域84C内において、遮蔽導体12A、12Bに接続されている。遮蔽ビア電極部81Dは、延長領域84C内に選択的に形成されている。遮蔽ビア電極部81Dは、遮蔽導体12Caの近傍に位置している。個々の延長領域を区別せずに説明する際には、符号84を用い、個々の延長領域を区別して説明する際には、符号84A~84Dを用いる。
【0101】
本実施形態において、遮蔽ビア電極部81を形成しているのは、以下のような理由による。即ち、誘電体基板14を切断する際に位置ずれが生じると、ビア電極部20と側面14e、14fとの間の距離が変動する。ビア電極部20と側面14e、14fとの間の距離が変動すると、ビア電極部20と遮蔽導体12Ca、12Cbとの間の距離が変動する。ビア電極部20と遮蔽導体12Ca、12Cbとの間の距離の変動は、フィルタ特性等の変動を招く。一方、遮蔽ビア電極部81は、側面14e、14fに形成されるわけではないため、誘電体基板14を切断する際の位置ずれの影響を受けない。即ち、誘電体基板14を切断する際に位置ずれが生じた場合であっても、遮蔽ビア電極部81とビア電極部20との間の距離は変動しない。このような理由により、本実施形態では、遮蔽ビア電極部81を形成している。
【0102】
本実施形態において、遮蔽ビア電極部81を延長領域84内に選択的に形成しているのは、以下のような理由による。即ち、遮蔽ビア電極部81は、誘電体基板14にレーザビームを照射することによってビアホールを形成し、当該ビアホールに導電体を埋め込むことによって形成され得る。即ち、遮蔽ビア電極部81を形成するためには、ある程度の工数を要する。このため、遮蔽ビア電極部81を側面14e、14fに沿って単に多数配列した場合には、良好な生産性が得られない。一方、延長領域84のみに遮蔽ビア電極部81を配置するだけでも、誘電体基板14を切断する際の位置ずれに起因するフィルタ特性等のばらつきを抑制し得る。このような理由により、本実施形態では、遮蔽ビア電極部81を延長領域84内に選択的に形成している。
【0103】
このように、本実施形態によれば、遮蔽ビア電極部81A~81Dが備えられているため、誘電体基板14を切断する際に位置ずれが生じた場合であっても、フィルタ特性の変動を抑制し得る。しかも、本実施形態によれば、遮蔽ビア電極部81A~81Dは延長領域84A~84D内に選択的に形成されているため、コストの増加を抑制し得る。即ち、本実施形態によれば、コストの増加を抑制しつつ、良好なフィルタ10を提供することができる。
【0104】
[変形実施形態]
本発明は、上述した実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を取り得る。
【0105】
例えば、上記実施形態では、フィルタ10に4つの共振器11が備えられている場合を例に説明したが、これに限定されない。例えば、フィルタ10に5つの共振器11が備えられていてもよい。
図12は、変形実施形態によるフィルタの例を示す平面図である。5つの共振器11がフィルタ10に備えられている場合の例が、
図12には示されている。
図12に示すように、フィルタ10には、5つの共振器11A~11Eが備えられている。即ち、フィルタ10には、共振器11A、共振器11B、共振器11C、共振器11D、及び、共振器11Eが備えられている。なお、共振器一般について説明する際には、符号11を用い、個々の共振器について説明する際には、符号11A~11Eを用いる。
【0106】
共振器11Aには、キャパシタ電極18Aとビア電極部20Aとが備えられている。共振器11Bには、キャパシタ電極18Bとビア電極部20Bとが備えられている。共振器11Cには、キャパシタ電極18Cとビア電極部20Cとが備えられている。共振器11Dには、キャパシタ電極18Dとビア電極部20Dとが備えられている。共振器11Eには、キャパシタ電極18Eとビア電極部20Eとが備えられている。
【0107】
共振器11Aと共振器11Bとは互いに隣接するように配列されている。共振器11Bと共振器11Eとは、互いに隣接するように配列されている。共振器11Eと共振器11Cとは互いに隣接するように配列されている。共振器11Cと共振器11Dとは、互いに隣接するように配列されている。入出力端子22Aは、入出力パターン32aを介して遮蔽導体12Bに結合されている。また、入出力端子22Bは、入出力パターン32bを介して遮蔽導体12Bに結合されている。
【0108】
ビア電極部20A、ビア電極部20B、ビア電極部20E、ビア電極部20C及びビア電極部20Dは、X方向において互いにずらされている。ビア電極部20Eの中心P5の位置は、誘電体基板14の中心Cの位置と同等である。ビア電極部20Eと遮蔽導体12Caとの間の距離と、ビア電極部20Eと遮蔽導体12Cbとの間の距離は、同等である。
【0109】
ビア電極部20Eの中心P5のX方向における位置は、ビア電極部20Aの中心P1のX方向における位置と、ビア電極部20Dの中心P4のX方向における位置との間である。好ましくは、ビア電極部20Eの中心P5のX方向における位置と、ビア電極部20Aの中心P1のX方向における位置との間の距離は、ビア電極部20Eの中心P5のX方向における位置と、ビア電極部20Dの中心P4のX方向における位置との間の距離と等しい。
【0110】
ビア電極部20Eの中心P5のY方向における位置は、ビア電極部20Aの中心P1のY方向における位置と、ビア電極部20Dの中心P4のY方向における位置との間である。好ましくは、ビア電極部20Eの中心P5のY方向における位置と、ビア電極部20Aの中心P1のY方向における位置との間の距離は、ビア電極部20Eの中心P5のY方向における位置と、ビア電極部20Dの中心P4のY方向における位置との間の距離と等しい。
【0111】
ビア電極部20Aの中心P1のY方向における位置と、ビア電極部20Cの中心P3のY方向における位置とは同等である。同様に、ビア電極部20Bの中心P2のY方向における位置と、ビア電極部20Dの中心P4のY方向における位置とは同等である。
【0112】
ビア電極部20Bの中心P2のX方向における位置は、ビア電極部20Aの中心P1のX方向における位置と、ビア電極部20Eの中心P5のX方向における位置との間である。ビア電極部20Cの中心P3のX方向における位置は、ビア電極部20Dの中心P4のX方向における位置と、ビア電極部20Eの中心P5のX方向における位置との間である。
【0113】
誘電体基板14内には、遮蔽ビア電極部81A~81D、81Ea、81Ebが形成されている。遮蔽ビア電極部81A~81Dは、上述した遮蔽ビア電極部81A~81Dと同様であるため、説明を省略する。遮蔽ビア電極部81Eaには、遮蔽ビア電極82Iと遮蔽ビア電極82Jとが備えられている。遮蔽ビア電極部81Ebには、遮蔽ビア電極82Kと遮蔽ビア電極82Lとが備えられている。個々の遮蔽ビア電極部を区別せずに説明する際には、符号81を用い、個々の遮蔽ビア電極部を区別して説明する際には、符号81A~81D、81Ea、81Ebを用いる。遮蔽ビア電極部81の一端は、遮蔽導体12Aに接続されている。遮蔽ビア電極部81の他端は、遮蔽導体12Bに接続されている。
【0114】
遮蔽ビア電極部81Eaは、ビア電極部20Eが位置する領域を-Y方向に延長した延長領域84Ea内において、遮蔽導体12A、12Bに接続されている。即ち、遮蔽ビア電極部81Eaは、ビア電極部20Eが位置する領域を遮蔽導体12Caに向かって延長した延長領域84Ea内において、遮蔽導体12A、12Bに接続されている。このように、遮蔽ビア電極部81Eaは、延長領域84Ea内に選択的に形成されている。遮蔽ビア電極部81Eaは、遮蔽導体12Caの近傍に位置している。
【0115】
遮蔽ビア電極部81Ebは、ビア電極部20Eが位置する領域を+Y方向に延長した延長領域84Eb内において、遮蔽導体12A、12Bに接続されている。即ち、遮蔽ビア電極部81Ebは、ビア電極部20Eが位置する領域を遮蔽導体12Cbに向かって延長した延長領域84Eb内において、遮蔽導体12A、12Bに接続されている。このように、遮蔽ビア電極部81Ebは、延長領域84Eb内に選択的に形成されている。遮蔽ビア電極部81Ebは、遮蔽導体12Cbの近傍に位置している。
【0116】
このように、フィルタ10に5つの共振器11が備えられていてもよい。
【0117】
図13は、変形実施形態によるフィルタの例を示す平面図である。
図13に示す例においては、1つの遮蔽ビア電極部81が1つの遮蔽ビア電極82によって構成されている。遮蔽ビア電極部81Aは、遮蔽ビア電極82Aによって構成されている。遮蔽ビア電極部81Bは、遮蔽ビア電極82Cによって構成されている。遮蔽ビア電極部81Cは、遮蔽ビア電極82Eによって構成されている。遮蔽ビア電極部81Dは、遮蔽ビア電極82Gによって構成されている。遮蔽ビア電極部81Eaは、遮蔽ビア電極82Iによって構成されている。遮蔽ビア電極部81Ebは、遮蔽ビア電極82Kによって構成されている。このように、1つの遮蔽ビア電極部81が1つの遮蔽ビア電極82によって構成されていてもよい。
【0118】
図14は、変形実施形態によるフィルタの例を示す平面図である。
図14に示す例においては、遮蔽ビア電極部81Eaが、ビア電極部20Eと遮蔽導体12Caとの中間の部位に位置している。
図14に示す例においては、遮蔽ビア電極部81Eaが遮蔽導体12Caの近傍に位置していない。遮蔽ビア電極部81Eaと遮蔽導体12Caとの間のY方向における距離は、遮蔽ビア電極部81A、81Dと遮蔽導体12Caとの間のY方向における距離よりも大きい。
図14に示す例においては、遮蔽ビア電極部81Ebが、ビア電極部20Eと遮蔽導体12Cbとの中間の部位に位置している。即ち、
図14に示す例においては、遮蔽ビア電極部81Ebが遮蔽導体12Cbの近傍に位置していない。遮蔽ビア電極部81Ebと遮蔽導体12Cbとの間のY方向における距離は、遮蔽ビア電極部81B、81Cと遮蔽導体12Cbとの間のY方向における距離よりも大きい。このように、遮蔽ビア電極部81Eaを、ビア電極部20Eと遮蔽導体12Caとの中間の部位に位置させてもよい。また、遮蔽ビア電極部81Ebを、ビア電極部20Eと遮蔽導体12Cbとの中間の部位に位置させてもよい。
【0119】
また、フィルタ10に6つ以上の共振器11が備えられていてもよい。
【0120】
また、上記実施形態では、入出力端子22A、22Bが入出力パターン80A、80Bを介してビア電極部20A、20Dに接続されている場合を例に説明したが、これに限定されない。例えば、入出力端子22A、22Bが入出力パターン32a、32b(
図12参照)を介して遮蔽導体12Bに接続されてもよい。
【0121】
また、
図12~
図14を用いて上述した変形実施形態においては、入出力端子22A、22Bが入出力パターン32a、32bを介して遮蔽導体12Bに接続されている場合を例に説明したが、これに限定されない。例えば、入出力端子22A、22Bが入出力パターン80A、80B(
図2参照)を介してビア電極部20A、20Dに接続されてもよい。
【0122】
上記の実施形態から把握し得る発明について、以下に記載する。
【0123】
フィルタ(10)は、誘電体基板(14)の一方の主面(14b)側に形成された第1遮蔽導体(12A)と、前記誘電体基板の他方の主面(14a)側に形成された第2遮蔽導体(12B)と、前記誘電体基板の第1側面(14e)に形成された第3遮蔽導体(12Ca)と、前記第1側面に対面する第2側面(14f)に形成された第4遮蔽導体(12Cb)と、前記誘電体基板内に形成されたビア電極部(20A~20E)と、前記第1遮蔽導体に対面するとともに前記ビア電極部の一端に接続されたキャパシタ電極(18A~18E)とを有する共振器(11A~11E)と、前記第1遮蔽導体に一端が接続されているとともに、前記第2遮蔽導体に他端が接続されている遮蔽ビア電極部(81A~81D、81Ea、81Eb)と、を備え、前記遮蔽ビア電極部は、前記ビア電極部が形成された領域を前記第3遮蔽導体及び第4遮蔽導体のうちの少なくとも一方に向かって延長した延長領域(84A~84D、84Ea、84Eb)内に選択的に形成されている。このような構成によれば、遮蔽ビア電極部が備えられているため、誘電体基板を切断する際に位置ずれが生じた場合であっても、フィルタ特性の変動を抑制し得る。しかも、このような構成によれば、遮蔽ビア電極部は延長領域内に選択的に形成されているため、コストの増加を抑制し得る。即ち、このような構成によれば、コストの増加を抑制しつつ、良好なフィルタを提供することができる。
【0124】
上記のフィルタにおいて、前記ビア電極部(20A、20C)と前記第3遮蔽導体との間の距離は、前記ビア電極部と前記第4遮蔽導体との間の距離より小さく、前記遮蔽ビア電極部(81A、81D)は、前記ビア電極部が形成された前記領域を前記第3遮蔽導体に向かって延長した前記延長領域(84A、84C)内に選択的に形成されていてもよい。
【0125】
上記のフィルタにおいて、前記ビア電極部(20B、20D)と前記第4遮蔽導体との間の距離は、前記ビア電極部と前記第3遮蔽導体との間の距離より小さく、前記遮蔽ビア電極部(81B、81C)は、前記ビア電極部が形成された前記領域を前記第4遮蔽導体に向かって延長した前記延長領域(84B、84D)内に選択的に形成されていてもよい。
【0126】
上記のフィルタにおいて、複数の前記遮蔽ビア電極部のうちの第1遮蔽ビア電極部(81Ea)は、前記ビア電極部(18E)が形成された前記領域を前記第3遮蔽導体に向かって延長した前記延長領域である第1延長領域(84Ea)内に選択的に形成されており、複数の前記遮蔽ビア電極部のうちの第2遮蔽ビア電極部(81Eb)は、前記ビア電極部が形成された前記領域を前記第4遮蔽導体に向かって延長した前記延長領域である第2延長領域(84Eb)内に選択的に形成されていてもよい。
【0127】
上記のフィルタにおいて、前記ビア電極部と前記第3遮蔽導体との間の距離と、前記ビア電極部と前記第4遮蔽導体との間の距離は、同等であってもよい。
【0128】
上記のフィルタにおいて、前記遮蔽ビア電極部は、前記第3遮蔽導体の近傍に備えられていてもよい。
【0129】
上記のフィルタにおいて、前記遮蔽ビア電極部は、前記第4遮蔽導体の近傍に備えられていてもよい。
【0130】
上記のフィルタにおいて、前記第1遮蔽ビア電極部は、前記第3遮蔽導体の近傍に備えられており、前記第2遮蔽ビア電極部は、前記第4遮蔽導体の近傍に備えられていてもよい。
【0131】
上記のフィルタにおいて、前記遮蔽ビア電極部は、少なくとも1つの遮蔽ビア電極(82A~82L)によって構成されていてもよい。
【0132】
上記のフィルタにおいて、前記第3遮蔽導体及び前記第4遮蔽導体は、前記誘電体基板の長手方向である第1方向(X)に沿って形成されていてもよい。
【0133】
上記のフィルタにおいて、前記共振器には、1つの前記ビア電極部が備えられていてもよい。
【0134】
上記のフィルタにおいて、前記ビア電極部は、複数のビア電極(24)によって構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0135】
10:フィルタ 11A~11E:共振器
12A、12B、12Ca、12Cb:遮蔽導体
14:誘電体基板 14a、14b:主面
14c~14f:側面 16A~16D:構造体
18、18A~18D:キャパシタ電極
20A~20D:ビア電極部 22A、22B:入出力端子
24:ビア電極 26:環
32a、32b、80A、80B:入出力パターン
70、70A~70F、72、72A~72E、74、74A、74B、76、76A~76D、78、78A~78C:結合容量電極
70A1~70A3、70B1~70B3、70C1~70C3、70D1~70D3、74A1~74A3、74B1~74B3、76A1~76A4、76B1~76B4、76C1~76C6、76D1~76D6、78A1、78A2、78B1、78B2、78C1、78C2、78C3、80A1、80A2、80B1、80B2:部分パターン
71A~71D、77A~77E:容量結合構造
73A1~73A3、73B1~73B3、73C1~73C3、73D1~73D3:領域、73E1~73E3、73F1~73F3、73G1~73G3、73H1~73H3:領域
81A~81D:遮蔽ビア電極部 82A~82H:遮蔽ビア電極
84A~84D:延長領域 C、P1~P4:中心
L1、L2、W11、W12、W21、W22:寸法