(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-24
(45)【発行日】2024-02-01
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理システム、および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/69 20140101AFI20240125BHJP
【FI】
A63F13/69 510
(21)【出願番号】P 2022190309
(22)【出願日】2022-11-29
【審査請求日】2023-05-23
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】511249637
【氏名又は名称】株式会社Cygames
(74)【代理人】
【識別番号】100135666
【氏名又は名称】原 弘晃
(74)【代理人】
【識別番号】100131680
【氏名又は名称】竹内 健一
(72)【発明者】
【氏名】田窪 玄
(72)【発明者】
【氏名】四元 宏幸
(72)【発明者】
【氏名】川平 和宏
(72)【発明者】
【氏名】深井 晴香
【審査官】相川 俊
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-086247(JP,A)
【文献】特開2020-110451(JP,A)
【文献】特開2020-039979(JP,A)
【文献】特開2022-051845(JP,A)
【文献】特開2022-039219(JP,A)
【文献】[祝・世界5500万人&国内4700万人突破記念!]自分で選んだキャラクターの出現確率が超UP!「マイピックガチャ」開催!初回10連ガチャは無料で引ける!(5/21 正午よりスタート!),モンスターストライク<モンスト>公式サイト[online],2021年05月20日,[2023年6月5日検索],https://www.monster-strike.com/news/20210520_4.html
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24
A63F 13/00 - 13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類のゲーム媒体から提供対象となるゲーム媒体を決定し、提供対象として決定されたゲーム媒体をプレーヤに提供するゲームのためのプログラムであって、
複数種類の前記ゲーム媒体が、優遇対象として選択可能な前記ゲーム媒体が属する第1グループと優遇対象として選択不可能な前記ゲーム媒体が属する第2グループとに分類されており、
前記第1グループに属する前記ゲーム媒体を提示して前記ゲーム媒体の選択を受け付ける選択受付部と、
選択された前記ゲーム媒体を前記優遇対象として設定する優遇対象設定部と、
複数種類の前記ゲーム媒体のうち前記優遇対象に設定された前記ゲーム媒体が少なくとも前記第1グループに属する前記優遇対象ではない前記ゲーム媒体よりも提供確率が高くなるように前記提供対象となる前記ゲーム媒体を決定する提供対象決定部として、コンピュータを機能させ、
前記提供対象決定部が、
前記ゲーム媒体が特定されている特定抽選結果と、前記ゲーム媒体が特定されていない非特定抽選結果とが存在する抽選を行い、
前記第1グループに属する前記ゲーム媒体は前記非特定抽選結果を得たことに基づいて前記提供対象に決定され、前記第2グループに属する前記ゲーム媒体は前記特定抽選結果を得たことに基づいて前記提供対象に決定され、前記非特定抽選結果を得た場合、前記第1グループに属する前記ゲーム媒体から前記優遇対象の選択結果に応じて前記提供対象の前記ゲーム媒体を決定
し、前記非特定抽選結果は第1抽選結果と第2抽選結果とを含み、前記第1抽選結果を得た場合、前記優遇対象に設定された前記ゲーム媒体を前記提供対象に決定し、前記第2抽選結果を得た場合、前記第1グループに属する前記優遇対象ではない前記ゲーム媒体から前記提供対象を決定するプログラム。
【請求項2】
複数種類のゲーム媒体から提供対象となるゲーム媒体を決定し、提供対象として決定されたゲーム媒体をプレーヤに提供するゲームのための情報処理システムであって、
複数種類の前記ゲーム媒体が、優遇対象として選択可能な前記ゲーム媒体が属する第1グループと優遇対象として選択不可能な前記ゲーム媒体が属する第2グループとに分類されており、
前記第1グループに属する前記ゲーム媒体を提示して前記ゲーム媒体の選択を受け付ける選択受付部と、
選択された前記ゲーム媒体を前記優遇対象として設定する優遇対象設定部と、
複数種類の前記ゲーム媒体のうち前記優遇対象に設定された前記ゲーム媒体が少なくとも前記第1グループに属する前記優遇対象ではない前記ゲーム媒体よりも提供確率が高くなるように前記提供対象となる前記ゲーム媒体を決定する提供対象決定部と、を含み、
前記提供対象決定部が、
前記ゲーム媒体が特定されている特定抽選結果と、前記ゲーム媒体が特定されていない非特定抽選結果とが存在する抽選を行い、
前記第1グループに属する前記ゲーム媒体は前記非特定抽選結果を得たことに基づいて前記提供対象に決定され、前記第2グループに属する前記ゲーム媒体は前記特定抽選結果を得たことに基づいて前記提供対象に決定され、前記非特定抽選結果を得た場合、前記第1グループに属する前記ゲーム媒体から前記優遇対象の選択結果に応じて前記提供対象の前記ゲーム媒体を決定
し、前記非特定抽選結果は第1抽選結果と第2抽選結果とを含み、前記第1抽選結果を得た場合、前記優遇対象に設定された前記ゲーム媒体を前記提供対象に決定し、前記第2抽選結果を得た場合、前記第1グループに属する前記優遇対象ではない前記ゲーム媒体から前記提供対象を決定する情報処理システム。
【請求項3】
複数種類のゲーム媒体から提供対象となるゲーム媒体を決定し、提供対象として決定されたゲーム媒体をプレーヤに提供するゲームのための情報処理方法であって、
複数種類の前記ゲーム媒体が、優遇対象として選択可能な前記ゲーム媒体が属する第1グループと優遇対象として選択不可能な前記ゲーム媒体が属する第2グループとに分類されており、
前記第1グループに属する前記ゲーム媒体を提示して前記ゲーム媒体の選択を受け付ける選択受付ステップと、
選択された前記ゲーム媒体を前記優遇対象として設定する優遇対象設定ステップと、
複数種類の前記ゲーム媒体のうち前記優遇対象に設定された前記ゲーム媒体が少なくとも前記第1グループに属する前記優遇対象ではない前記ゲーム媒体よりも提供確率が高くなるように前記提供対象となる前記ゲーム媒体を決定する提供対象決定ステップと、を含み、
前記提供対象決定ステップにおいて、
前記ゲーム媒体が特定されている特定抽選結果と、前記ゲーム媒体が特定されていない非特定抽選結果とが存在する抽選を行い、
前記第1グループに属する前記ゲーム媒体は前記非特定抽選結果を得たことに基づいて前記提供対象に決定され、前記第2グループに属する前記ゲーム媒体は前記特定抽選結果を得たことに基づいて前記提供対象に決定され、前記非特定抽選結果を得た場合、前記第1グループに属する前記ゲーム媒体から前記優遇対象の選択結果に応じて前記提供対象の前記ゲーム媒体を決定
し、前記非特定抽選結果は第1抽選結果と第2抽選結果とを含み、前記第1抽選結果を得た場合、前記優遇対象に設定された前記ゲーム媒体を前記提供対象に決定し、前記第2抽選結果を得た場合、前記第1グループに属する前記優遇対象ではない前記ゲーム媒体から前記提供対象を決定する情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数種類のゲーム媒体から提供対象となるゲーム媒体を決定し、提供対象として決定されたゲーム媒体をプレーヤに提供するゲームのためのプログラム、情報処理システム、および情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から抽選によりランダムに決定されたゲーム媒体を獲得できる機能を備えたゲームが知られており、抽選対象となる複数種類のゲーム媒体のうち特定のゲーム媒体の提供確率を期間限定で優遇するゲーム媒体の提供方法が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなゲーム媒体の提供に際して提供確率の優遇措置が設けられている場合、提供確率が優遇されているゲーム媒体を未所持のプレーヤにとっては機能を利用する積極的な動機となる一方で、提供確率が優遇されているゲーム媒体を既に所持しているプレーヤには機能を利用する動機が得られないという課題があった。すなわちプレーヤごとにゲーム媒体の所持状況が異なるため、様々なプレーヤ層のニーズを満たすようにゲーム媒体を提供する機能を実装するには多くの開発工数を要するという懸念点があった。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ゲーム媒体を提供する機能の実装に関する開発環境を改善するプログラム、情報処理システム、および情報処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明は、複数種類のゲーム媒体から提供対象となるゲーム媒体を決定し、提供対象として決定されたゲーム媒体をプレーヤに提供するゲームのためのプログラムであって、複数種類の前記ゲーム媒体が、優遇対象として選択可能な前記ゲーム媒体が属する第1グループと優遇対象として選択不可能な前記ゲーム媒体が属する第2グループとに分類されており、前記第1グループに属する前記ゲーム媒体を提示して前記ゲーム媒体の選択を受け付ける選択受付部と、選択された前記ゲーム媒体を前記優遇対象として設定する優遇対象設定部と、複数種類の前記ゲーム媒体のうち前記優遇対象に設定された前記ゲーム媒体が少なくとも前記第1グループに属する前記優遇対象ではない前記ゲーム媒体よりも提供確率が高くなるように前記提供対象となる前記ゲーム媒体を決定する提供対象決定部として、コンピュータを機能させ、前記提供対象決定部が、前記優遇対象の選択結果に依存しない抽選方式で抽選を行い、所定の抽選結果を得た場合、前記第1グループに属する前記ゲーム媒体から前記優遇対象の選択結果に応じて前記提供対象の前記ゲーム媒体を決定するプログラムに関するものである。
【0007】
(2)本発明のプログラムでは、前記抽選に関して、前記ゲーム媒体が特定されている特定抽選結果と、前記ゲーム媒体が特定されていない非特定抽選結果とが存在し、前記第1グループに属する前記ゲーム媒体は前記非特定抽選結果を得たことに基づいて前記提供対象に決定され、前記第2グループに属する前記ゲーム媒体は前記特定抽選結果を得たことに基づいて前記提供対象に決定され、前記非特定抽選結果は第1抽選結果と第2抽選結果とを含み、前記提供対象決定部が、前記第1抽選結果を得た場合、前記優遇対象に設定された前記ゲーム媒体を前記提供対象に決定し、前記第2抽選結果を得た場合、前記第1グループに属する前記優遇対象ではない前記ゲーム媒体から前記提供対象を決定してもよい。
【0008】
(3)本発明は、複数種類のゲーム媒体から提供対象となるゲーム媒体を決定し、提供対象として決定されたゲーム媒体をプレーヤに提供するゲームのための情報処理システムであって、複数種類の前記ゲーム媒体が、優遇対象として選択可能な前記ゲーム媒体が属する第1グループと優遇対象として選択不可能な前記ゲーム媒体が属する第2グループとに分類されており、前記第1グループに属する前記ゲーム媒体を提示して前記ゲーム媒体の選択を受け付ける選択受付部と、選択された前記ゲーム媒体を前記優遇対象として設定する優遇対象設定部と、複数種類の前記ゲーム媒体のうち前記優遇対象に設定された前記ゲーム媒体が少なくとも前記第1グループに属する前記優遇対象ではない前記ゲーム媒体よりも提供確率が高くなるように前記提供対象となる前記ゲーム媒体を決定する提供対象決定部と、を含み、前記提供対象決定部が、前記優遇対象の選択結果に依存しない抽選方式で抽選を行い、所定の抽選結果を得た場合、前記第1グループに属する前記ゲーム媒体から前記優遇対象の選択結果に応じて前記提供対象の前記ゲーム媒体を決定する情報処理システムに関するものである。
【0009】
(4)本発明は、複数種類のゲーム媒体から提供対象となるゲーム媒体を決定し、提供対象として決定されたゲーム媒体をプレーヤに提供するゲームのための情報処理方法であって、複数種類の前記ゲーム媒体が、優遇対象として選択可能な前記ゲーム媒体が属する第1グループと優遇対象として選択不可能な前記ゲーム媒体が属する第2グループとに分類されており、前記第1グループに属する前記ゲーム媒体を提示して前記ゲーム媒体の選択を受け付ける選択受付ステップと、選択された前記ゲーム媒体を前記優遇対象として設定する優遇対象設定ステップと、複数種類の前記ゲーム媒体のうち前記優遇対象に設定された前記ゲーム媒体が少なくとも前記第1グループに属する前記優遇対象ではない前記ゲーム媒体よりも提供確率が高くなるように前記提供対象となる前記ゲーム媒体を決定する提供対象決定ステップと、を含み、前記提供対象決定ステップにおいて、前記優遇対象の選択結果に依存しない抽選方式で抽選を行い、所定の抽選結果を得た場合、前記第1グループに属する前記ゲーム媒体から前記優遇対象の選択結果に応じて前記提供対象の前記ゲーム媒体を決定する情報処理方法に関するものである。
【0010】
上記した本発明のプログラム、情報処理システム、および情報処理方法では、優遇対象として選択可能であるか否かによって複数種類のゲーム媒体が第1グループと第2グループとに分類されており、第1グループに属するゲーム媒体から優遇対象の選択を受け付けて、優遇対象となったゲーム媒体の提供確率を優遇して提供対象のゲーム媒体を決定する。このため、プレーヤごとにゲーム媒体の所持状況を考慮して優遇対象となるゲーム媒体を選択することができる。このように優遇対象の設定に係る判断をプレーヤに委ねることによって優遇対象となるゲーム媒体の設定ごとに抽選用のデータを用意するには第1グループに属するゲーム媒体の数が多くなるほど、多くの開発工数を要することになる。
【0011】
そこで本発明では、優遇対象の選択結果に依存しない抽選方式で抽選を行って、所定の抽選結果を得た場合に第1グループに属するゲーム媒体から優遇対象の選択結果に応じて提供対象となるゲーム媒体を決定するようにしたことによって、プレーヤの優遇対象の選択パターンを考慮して抽選用のデータを予め用意する手間を削減することができる。従って本発明によれば、ゲーム媒体を提供する機能の実装に関する開発環境を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】情報処理システムの全体構成を示す図である。
【
図2】情報処理システムで実現される機能のうち、キャラクタを獲得する機能に関連するサーバーの機能ブロック図である。
【
図3】情報処理システムで実現される機能のうち、キャラクタを獲得する機能に関連するプレーヤ端末の機能ブロック図である。
【
図4】プレーヤ端末で表示される抽選受付画面の一例を示す図である。
【
図5】プレーヤ端末で表示される抽選受付画面の一例を示す図である。
【
図6】プレーヤ端末で実行される抽選ボタンの有効化に関する処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】プレーヤ端末で表示される優遇対象選択ダイアログの一例を示す図である。
【
図8】プレーヤ端末で表示される優遇対象選択ダイアログの一例を示す図である。
【
図9】プレーヤ端末で表示されるプライズ対象選択ダイアログの一例を示す図である。
【
図10】プレーヤ端末で表示されるプライズ対象選択ダイアログの一例を示す図である。
【
図11】サーバーで実行されるキャラクタおよび追加特典の決定に係る処理の一例を示すフローチャートである。
【
図12】提供対象のキャラクタを決定するための抽選に係る抽選テーブルの一例を示す図である。
【
図13】提供対象のキャラクタを決定するためのキャラクタ割当テーブルの一例を示す図である。
【
図14】プレーヤ端末で表示されるガチャ詳細ダイアログの一例を示す図である。
【
図15】プレーヤ端末で表示されるガチャ詳細ダイアログの表示手法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下では、本発明の実施形態について説明する。なお以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0014】
1.情報処理システムの構成
図1は、本実施形態の情報処理システム10の全体構成を示す図である。
図1にしめすように情報処理システム10では、サーバー20と複数のプレーヤ端末40が、インターネット、携帯電話網、LAN、WANなどのネットワーク30により接続されており、いわゆるクライアント・サーバー方式の通信システムが構築されている。そして複数のプレーヤ端末40のそれぞれは、ネットワーク30を介してサーバー20と互いに通信を行って種々の情報を送受信する。また複数のプレーヤ端末40のそれぞれは、ネットワーク30およびサーバー20を介して他のプレーヤ端末40と互いに通信を行って種々の情報を送受信する。
【0015】
サーバー20は、CPU等のプロセッサーからなる制御部21と、ROMやRAM等の主記憶装置、およびHDDやSSD等の補助記憶装置からなる記憶部22と、通信モジュールや通信インターフェースからなる通信部23とを含む。サーバー20は、制御部21が記憶部22に記憶されているプログラムに従って各種の処理を実行する。またサーバー20は、通信部23によってプレーヤ端末40から情報を受信し、制御部21が実行した処理の結果に関する情報等をプレーヤ端末40に送信する。
【0016】
プレーヤ端末40は、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピューター、携帯ゲーム機、店舗や家庭に設置される据え置きゲーム機等である。プレーヤ端末40は、CPU等のプロセッサーからなる制御部41と、ROMやRAM等の主記憶装置、およびフラッシュメモリ、HDD、SDD等の補助記憶装置からなる記憶部42と、タッチパネルやキーボード、マイク等からなる操作・入力部43と、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等からなる表示部44と、通信モジュールや通信インターフェースからなる通信部45とを含む。プレーヤ端末40も、記憶部42に記憶されているプログラムに従って各種の処理を実行する。またプレーヤ端末40は、通信部45によってサーバー20からの情報を受信し、サーバー20や他のプレーヤ端末40に情報を送信する。
【0017】
本実施形態の情報処理システム10は、プレーヤが所有するキャラクタをクエストに出撃させて敵キャラクタと戦わせるゲームを、プレーヤ端末40を通じて提供する機能を有している。特に本実施形態の情報処理システム10は、キャラクタ(ゲーム媒体の一例)を獲得するキャラクタ獲得機能を有しており、以下では、キャラクタ獲得機能がサーバー20とプレーヤ端末40とにおいて分担されて実現される場合を説明する。ただし、先に述べた機能が、サーバー20を主体として実現されてもよいし、プレーヤ端末40を主体として実現されてもよい。
【0018】
図2は、サーバー20の主要な機能を示す機能ブロック図である。
【0019】
情報処理システム10におけるサーバー20は、各種の識別情報によってプレーヤやキャラクタ等を管理する機能、プレーヤ端末20からの要求に応答してゲームの進行に必要な演算を行い、演算結果をプレーヤ端末40に送信する機能を有し、これらの機能を、サーバーデータ記憶部50と、ゲーム演算部60とが協働して実現する。
【0020】
サーバーデータ記憶部50は、プレーヤ管理データベース51を含み、主として記憶部22により実現される。本実施形態では、プレーヤごとに付与されるプレーヤIDに紐付けて、キャラクタリストおよびアイテムリストなどがプレーヤ管理データベース51に記憶されている。
【0021】
キャラクタリストには、プレーヤが所有するキャラクタについて、例えば、キャラクタごとに付与されるキャラクタID、キャラクタのレアリティ、キャラクタのステータスに関するデータが含まれる。また本実施形態では、プレーヤ毎のキャラクタリストにおいて各キャラクタが解放済みであるかどうかが管理されており、キャラクタの初回獲得時に、獲得したキャラクタのキャラクタIDに紐付けて解放済みフラグが設定される。またアイテムリストには、例えば、プレーヤが所有するアイテムやゲーム内通貨に関するデータが含まれる。
【0022】
またサーバーデータ記憶部50は、抽選情報データベース52を含み、抽選情報データベース52には、キャラクタ獲得機能で実行される抽選のためのテーブルデータ(以下、抽選テーブルと称する)が記憶されている。
【0023】
本実施形態では、キャラクタ獲得機能に関して、サーバー20が、提供対象となるキャラクタを決定するためのメイン抽選と、追加特典を決定するためのサブ抽選とを実行可能である。またメイン抽選については2段階抽選となっており、サーバー20が、提供対象のレアリティを決定するための第1抽選と、第1抽選の結果に対応するレアリティのキャラクタから提供対象を決定するための第2抽選とを実行可能である。抽選情報データベース52には、既述の各抽選のための抽選テーブルが記憶されている。なお追加特典には、後述するプライズ対象として選択されたキャラクタのキャラクタピースやピース交換用アイテムなどが存在する。
【0024】
また本実施形態では、メイン抽選における第2抽選に関して、キャラクタが特定されている特定抽選結果と、キャラクタが特定されていない非特定抽選結果とが存在するように抽選テーブルが設定されている。さらに第2抽選における抽選テーブルでは、非特定抽選結果に関して、当たり枠とハズレ枠とが設定されており、第2抽選で非特定抽選結果を得た場合には、後述するキャラクタ割当処理によって提供対象のキャラクタが決定される。
【0025】
ゲーム演算部60は、プレーヤ端末20からの要求に応答してゲームの進行に必要な演算を行い、演算結果をプレーヤ端末40に送信する処理、プレーヤ端末20からの要求に応答してゲームの進行に必要なデータをプレーヤ端末40に送信する処理などを行い、主として制御部41および通信部45により実現される。例えば、キャラクタ獲得機能においてプレーヤ端末20から抽選要求を受け取ると、ゲーム演算部60がメイン抽選を行って提供対象となるキャラクタを決定するとともに、サブ抽選を行って追加特典を決定し、プレーヤ端末40に抽選結果を送信する。なお本実施形態では、キャラクタ獲得機能において提供対象となったキャラクタがプレーヤ管理データベース51のキャラクタリストにおいて未解放である場合、解放済みフラグが設定され、追加特典として提供対象となったアイテムの所持数がプレーヤ管理データベース51のアイテムリストにおいて更新される。また解放済みフラグが設定されているキャラクタが提供対象となった場合には、キャラクタのレアリティを上昇させるために必要となるキャラクタピースと交換可能なピース交換用アイテムに変換され、ピース交換用アイテムの所持数がプレーヤ管理データベース51のアイテムリストにおいて更新される。
【0026】
またゲーム演算部60は、優遇対象設定部61を含む。優遇対象設定部61は、プレーヤによって選択されたキャラクタを優遇対象として設定する処理を行う。本実施形態では、複数種類のキャラクタが、優遇対象として選択可能なキャラクタが属する第1グループと、優遇対象として選択不可能なキャラクタが属する第2グループとに分類されており、プレーヤ端末40において第1グループに属するキャラクタから任意のキャラクタが選択されると、選択されたキャラクタの情報を含む優遇対象設定要求がサーバー20に対して送信される。プレーヤ端末40から優遇対象設定要求を受信すると、優遇対象設定部61が優遇対象設定要求に含まれるキャラクタの情報に基づいて、プレーヤが選択したキャラクタを優遇対象として設定し、プレーヤIDに紐付けてプレーヤ管理データベース51に登録する。
【0027】
またゲーム演算部60は、プライズ対象設定部62を含む。プライズ対象設定部62は、プレーヤによって選択されたキャラクタをプライズ対象として設定する処理を行う。本実施形態では、プレーヤ端末40において第1グループに属するキャラクタから任意のキャラクタが選択されると、選択されたキャラクタの情報を含むプライズ対象設定要求がサーバー20に対して送信される。プレーヤ端末40からプライズ対象設定要求を受信すると、プライズ対象設定部62がプライズ対象設定要求に含まれるキャラクタの情報に基づいて、プレーヤが選択したキャラクタをプライズ対象として設定し、プレーヤIDに紐付けてプレーヤ管理データベース51に登録する。
【0028】
なお本実施形態では、優遇対象のキャラクタとプライズ対象のキャラクタとを、いずれも第1グループに属するキャラクタから選択させる仕様となっているが、優遇対象として選択可能なキャラクタ群と、プライズ対象として選択可能なキャラクタ群とが異なっていてもよい。また優遇対象として選択されたキャラクタを優遇対象として設定するとともにプライズ対象に設定するようにしてもよい。
【0029】
またゲーム演算部60は、提供対象決定部63を含む。提供対象決定部63は、提供対象となるキャラクタを決定する処理を行う。本実施形態では、提供対象決定部63は、複数種類のキャラクタのうち優遇対象に設定されたキャラクタが少なくとも第1グループに属する優遇対象ではないキャラクタよりも提供確率が高くなるように提供対象となるキャラクタを決定する。
【0030】
また提供対象決定部63は、優遇対象の選択結果に依存しない抽選方式でメイン抽選を行い、所定の抽選結果を得た場合、第1グループに属するキャラクタから優遇対象の選択結果に応じて提供対象のキャラクタを決定する。特に本実施形態では、第1グループに属するキャラクタは、メイン抽選における第2抽選で非特定抽選結果を得たことに基づいて提供対象に決定され、第2グループに属するキャラクタは、メイン抽選における第2抽選で特定抽選結果を得たことに基づいて提供対象に決定される。
【0031】
また提供対象決定部63は、メイン抽選における第2抽選において非特定抽選結果を得た場合、第1グループに属するキャラクタから抽選結果に応じたキャラクタを割り当てて提供対象のキャラクタを決定するキャラクタ割当処理を実行する。例えば、メイン抽選における第2抽選において当たり枠を得た場合、優遇対象に設定されたキャラクタを提供対象に決定し、メイン抽選における第2抽選においてハズレ枠を得た場合、第1グループに属する優遇対象ではないキャラクタから提供対象を決定する。
【0032】
また提供対象決定部63は、メイン抽選を行った後に、サブ抽選を行って追加特典のアイテムを決定する処理を行う。サブ抽選では、1等~6等までのいずれかを決定し、抽選結果に対応するアイテムを追加特典の提供対象として決定する。本実施形態では、追加特典となるアイテムの中にキャラクタピースが含まれており、追加特典としてキャラクタピースが提供対象となった場合、プライズ対象として設定されたキャラクタのキャラクタピースが提供される。
【0033】
図3は、プレーヤ端末40の主要な機能を示す機能ブロック図である。
【0034】
本実施形態の情報処理システム10におけるプレーヤ端末40は、
図3に示すように、端末データ記憶部70と、ゲーム実行部80とが協働して、キャラクタ獲得機能を実現する。
【0035】
端末データ記憶部70は、ゲーム実行部80が各種の処理を行うためのデータを記憶するものであり、主として記憶部42により実現される。
【0036】
端末データ記憶部70は、プレーヤデータ記憶部71を含み、プレーヤデータ記憶部71には、プレーヤIDに対応するキャラクタリストおよびアイテムリストに関するデータなどが記憶される。本実施形態では、アプリケーションの起動時および終了時、その他の必要な状況において、プレーヤ端末40のプレーヤデータ記憶部71とサーバー20のプレーヤ管理データベース51との間でプレーヤIDに紐付けられたデータ(キャラクタリストおよびアイテムリストなど)に関する同期処理を行い、プレーヤデータ記憶部71に格納されているデータを利用して、各種ゲーム処理を実行する。本実施形態では、各種ゲーム処理の実行に伴ってキャラクタリストやアイテムリストの変更が必要となった場合、プレーヤデータ記憶部71の記憶内容が更新されるとともにサーバー20のプレーヤ管理データベース51に更新された記憶内容がバックアップされ、両者の記憶内容の同期が行われる。なおキャラクタリストおよびアイテムリスト等のプレーヤIDに紐付けられたデータをアプリケーションの起動時など必要に応じてプレーヤ管理データベース51からプレーヤデータ記憶部71にダウンロードするようにしてもよい。
【0037】
ゲーム実行部80は、ゲーム開始条件が満たされた場合にゲームを開始する処理、複数種類のゲームモードのうち選択されたゲームモードを実行する処理、ゲームを進行させる処理、イベント発生条件が満たされた場合にイベントを発生させる処理、ゲーム結果を演算する処理、ゲーム終了条件が満たされた場合にゲームを終了する処理、サーバー20に演算を要求する処理、サーバー20から演算結果や必要なデータを取得する処理、およびサーバー20にプレーヤ端末40の演算結果やデータを送信する処理などを行い、主として制御部41および通信部45により実現される。本実施形態では、ゲーム実行部80が、キャラクタ獲得機能提供部81を含む。
【0038】
キャラクタ獲得機能提供部81は、プレーヤの入力を受け付けてサーバー20に対して抽選要求を送信し、サーバー20によって決定された提供対象のキャラクタおよび追加特典の情報を取得して、キャラクタおよび追加特典の獲得結果をプレーヤに通知するキャラクタ獲得機能を提供する処理を行う。
【0039】
またキャラクタ獲得機能提供部81は、キャラクタ獲得機能において提供対象となったキャラクタがプレーヤデータ記憶部71のキャラクタリストにおいて未解放である場合、解放済みフラグを設定し、プレーヤデータ記憶部71のアイテムリストに関して、追加特典として提供対象となったアイテムの所持数を更新する。またキャラクタ獲得機能提供部81は、解放済みフラグが設定されているキャラクタが提供対象となった場合には、キャラクタのレアリティを上昇させるために必要となるキャラクタピースと交換可能なピース交換用アイテムに変換し、プレーヤデータ記憶部71のアイテムリストに関して、ピース交換用アイテムの所持数を更新する。
【0040】
またキャラクタ獲得機能提供部81は、選択受付部82を含み、選択受付部82は、キャラクタ獲得機能において、第1グループに属するキャラクタからプレーヤが任意のキャラクタを優遇対象として選択するための入力インターフェースを提供する処理を行う。
【0041】
本実施形態では、優遇対象の選択に係る入力インターフェースとして優遇対象選択ダイアログが設けられており、優遇対象選択ダイアログにおいて、第1グループに属するキャラクタの一覧が提示される。プレーヤは優遇対象選択ダイアログを通じて優遇対象への設定を希望する任意のキャラクタを選択し、選択受付部82は、優遇対象選択ダイアログにおいてキャラクタの選択に係る入力を受け付けると、サーバー20に対して優遇対象の選択結果を含む優遇対象設定要求を送信する。優遇対象設定要求を受信したサーバー20では、優遇対象設定部61がプレーヤの選択したキャラクタを優遇対象として設定し、その後、プレーヤ端末40から抽選要求が行われた場合には、提供対象決定部63が、優遇対象の設定内容を反映して提供対象となるキャラクタを決定する。
【0042】
また選択受付部82は、キャラクタ獲得機能において、第1グループに属するキャラクタからプレーヤが任意のキャラクタをプライズ対象として選択するための入力インターフェースを提供する処理を行う。
【0043】
本実施形態では、プライズ対象の選択に係る入力インターフェースとしてプライズ対象選択ダイアログが設けられており、プライズ対象選択ダイアログにおいて、第1グループに属するキャラクタの一覧が提示される。プレーヤはプライズ対象選択ダイアログを通じてプライズ対象への設定を希望する任意のキャラクタを選択し、選択受付部82は、プライズ対象選択ダイアログにおいてキャラクタの選択に係る入力を受け付けると、サーバー20に対してプライズ対象の選択結果を含むプライズ対象設定要求を送信する。プライズ対象設定要求を受信したサーバー20では、プライズ対象設定部62がプレーヤの選択したキャラクタをプライズ対象として設定し、その後、プレーヤ端末40から抽選要求が行われた場合には、提供対象決定部63が、プライズ対象の設定内容を反映して提供対象となる追加特典となるアイテムを決定する。
【0044】
2.本実施形態の制御手法
以下では、本実施形態の制御手法について、本実施形態のゲームプログラムをスマートフォンとして設けられたプレーヤ端末40のゲームアプリケーションに適用した場合を例に挙げて説明する。
【0045】
本実施形態のゲームプログラムは、複数種類のゲーム機能を提供可能に構成されており、その中でもキャラクタ獲得機能では、抽選により提供対象として決定されたキャラクタを獲得して、他のゲーム機能において使用可能なキャラクタの種類を増やすことができる。また本実施形態では、キャラクタ獲得機能においてキャラクタを獲得できるだけではなく、1回の抽選ごとに追加特典のアイテムを獲得することもできる。すなわち本実施形態では、プレーヤ端末40からの1回分の抽選要求に対して、サーバー20が1体のキャラクタと1個の追加特典とについて提供対象を決定する。
【0046】
そして本実施形態では、キャラクタ獲得機能において提供対象となるキャラクタを決定するに際して、一部のキャラクタを優遇対象として提供確率を優遇し、優遇対象のキャラクタをプレーヤが任意に選択することができる。このためプレーヤは、自身のキャラクタの解放状況を考慮して獲得を所望するキャラクタを優遇対象に選択することができる。
【0047】
また本実施形態では、キャラクタ獲得機能がプレーヤ端末40において「選べるプライズガチャ」として提供され、提供対象となるキャラクタや追加特典の決定に係る抽選は、抽選受付画面に対するプレーヤの入力を契機として行われる。
【0048】
図4は、抽選受付画面の表示例を示す図である。抽選受付画面には、1回の抽選を受けることができる1回抽選ボタン91と、連続した10回の抽選を受けることができる10回抽選ボタン92とが設けられている。1回抽選ボタン91および10回抽選ボタン92に対する入力は、優遇対象のキャラクタおよびプライズ対象のキャラクタの双方が選択済みであることを条件として有効となる。例えば、抽選受付画面への初回遷移時など1回抽選ボタン91および10回抽選ボタン92に対する入力が無効化されている状況では、
図5に示すように、1回抽選ボタン91および10回抽選ボタン92がいずれもグレーアウト表示され、抽選受付画面に遷移した際に優遇対象およびプライズ対象のうち未選択のものについて選択を行うためのダイアログ(優遇対象選択ダイアログ、プライズ対象選択ダイアログ)がポップアップ表示される。また優遇対象選択ダイアログやプライズ対象選択ダイアログは、プレーヤが任意で呼び出すこともできる。抽選受付画面に設けられた優遇対象ボタン93に対するタップ入力が行われると、優遇対象選択ダイアログが表示され、抽選受付画面に設けられたプライズボタン94に対するタップ入力が行われると、プライズ対象選択ダイアログが表示される。
【0049】
図6は、プレーヤ端末40で実行される抽選ボタン(1回抽選ボタン91および10回抽選ボタン92)の有効化に関する処理の一例を示すフローチャートである。
【0050】
まず抽選受付画面に遷移した場合に(ステップS101でY)、優遇対象のキャラクタが選択済みであるか否かがチェックされる(ステップS102)。優遇対象のキャラクタが選択済みである場合には(ステップS102でY)、優遇対象選択処理を省略してプライズ対象のキャラクタが選択済みであるか否かがチェックされる(ステップS104)。一方、優遇対象のキャラクタが選択済みではない場合には(ステップS102でN)、プレーヤに優遇対象のキャラクタを選択させる優遇対象選択処理が行われる(ステップS103)。優遇対象選択処理では、
図7に示す優遇対象選択ダイアログが表示され、プレーヤに優遇対象のキャラクタを選択させる。
【0051】
本実施形態では、キャラクタ獲得機能において提供対象となり得るキャラクタとして、キャラクタC1~キャラクタC50の50体が存在し、そのうち、キャラクタC34、キャラクタC37、およびキャラクタC45の3体が第1グループに分類されており、この3体のキャラクタの中から優遇対象のキャラクタを選択することができる。キャラクタC1~キャラクタC50のうち、キャラクタC34、キャラクタC37、およびキャラクタC45以外のキャラクタは第2グループに分類される。
【0052】
優遇対象選択ダイアログには、選択可能なキャラクタのそれぞれに対応するキャラクタ表示欄111が設けられており、各キャラクタ表示欄111では、キャラクタアイコン、レアリティ(星の数)、キャラクタの解放状況(解放済み/未解放)などが表示されるとともに、選択ボタン112が設けられている。また優遇対象選択ダイアログには、選択可能数表示領域114が設けられており、抽選ボタンの有効化に必要な数の優遇対象のキャラクタの選択が済んでいない場合、選択可能数表示領域114に優遇対象のキャラクタの選択可能数が表示される。
【0053】
優遇対象選択ダイアログが表示されている状況において、いずれかのキャラクタに対応する選択ボタン112に対するタップ入力が行われると、
図8に示すように、選択されたキャラクタ(例えば、キャラクタC34)に対応する選択ボタン112の表記が「選択する」から「選択中」に変更される。そして、いずれかのキャラクタが選択されている状況でOKボタン115に対するタップ入力が行われると、選択されたキャラクタが優遇対象に設定されて優遇対象選択ダイアログを閉じる。具体的には、プレーヤデータ記憶部71に優遇対象の選択結果が保存されるとともに、サーバー20に優遇対象の選択結果を含む優遇対象設定要求が送信される。優遇対象設定要求を受信したサーバー20では、優遇対象の選択結果に従ってプレーヤ管理データベース51にプレーヤIDに紐付けて優遇対象のキャラクタを登録する。なお優遇対象選択ダイアログにはクローズボタン113が設けられており、優遇対象のキャラクタを選択せずに優遇対象選択ダイアログを閉じることもできる。クローズボタン113に対するタップ入力により優遇対象選択ダイアログを閉じる場合には、その優遇対象選択ダイアログでの選択内容については破棄される。優遇対象選択ダイアログが閉じられると、優遇対象のキャラクタが選択されたか否かに関わらずに、プライズ対象のキャラクタが選択済みであるか否かがチェックされる(ステップS104)。
【0054】
また抽選受付画面に設けられている優遇対象ボタン93に対するタップ入力が行われた場合にも優遇対象選択ダイアログを表示させることができる。例えば、優遇対象のキャラクタが選択済みであっても、抽選受付画面から優遇対象選択ダイアログを表示させて、優遇対象のキャラクタを変更することができる。優遇対象のキャラクタが選択済みの状況で優遇対象選択ダイアログが表示される場合、
図8に示すように、優遇対象のキャラクタに対応するキャラクタ表示欄111では、選択ボタン112の表示態様が他のキャラクタとは異なる。すなわち優遇対象となるキャラクタが選択済みである場合、抽選受付画面において優遇対象ボタン93から優遇対象選択ダイアログを呼び出すと、
図8に示すように、優遇対象のキャラクタに対応する選択ボタン112の表記が「選択中」に変化することで優遇対象のキャラクタを確認することができる。優遇対象のキャラクタの変更を望む場合、選択中のキャラクタとは異なるキャラクタの選択ボタン112に対してタップ入力を行うことで変更先のキャラクタの選択ボタン112の表記が「選択中」となっている状況でOKボタン115に対するタップ入力が行われると、サーバー20およびプレーヤ端末40の双方において優遇対象のキャラクタの設定情報が変更される。なおクローズボタン113に対するタップ入力により優遇対象選択ダイアログを閉じる場合には、その優遇対象選択ダイアログでの選択内容については破棄され、優遇対象のキャラクタの選択情報は変更されない。
【0055】
プライズ対象のキャラクタが選択済みである場合には(ステップS104でY)、プライズ選択処理が省略されて優遇対象のキャラクタおよびプライズ対象のキャラクタがいずれも選択済みであるか否かがチェックされる(ステップS106)。一方、プライズ対象のキャラクタが選択済みではない場合(ステップS104でN)、プレーヤにプライズ対象のキャラクタを選択させるプライズ選択処理が行われる(ステップS105)。
【0056】
プライズ選択処理では、
図9に示すプライズ対象選択ダイアログが表示され、プレーヤにプライズ対象のキャラクタを選択させる。本実施形態では、第1グループに属する3体のキャラクタ(キャラクタC34、キャラクタC37、キャラクタC45)の中からプライズ対象のキャラクタを選択することができ、優遇対象のキャラクタと異なるキャラクタをプライズ対象として選択することができる。なおプライズ対象として選択可能なキャラクタは、優遇対象として選択可能なキャラクタと同一である必要はなく、異なっていてもよい。また優遇対象のキャラクタが自動的にプライズ対象のキャラクタとして設定されるようにしてもよい。
【0057】
またプライズ対象選択ダイアログには、選択可能なキャラクタのそれぞれに対応するキャラクタ表示欄121が設けられており、各キャラクタ表示欄121では、キャラクタアイコン、レアリティ(星の数)、キャラクタの解放状況(解放済み/未解放)、キャラクタピース所持数などが表示されるとともに、選択ボタン122が設けられている。
【0058】
そしてプライズ対象選択ダイアログが表示されている状況において、いずれかのキャラクタに対応する選択ボタン122に対するタップ入力が行われると、
図10に示すように、選択されたキャラクタ(例えば、キャラクタC37)に対応する選択ボタン122の表記が「選択する」から「選択中」に変更される。そして、いずれかのキャラクタが選択されている状況でOKボタン124に対するタップ入力が行われると、選択されたキャラクタがプライズ対象に設定されてプライズ対象選択ダイアログを閉じる。具体的には、プレーヤデータ記憶部71にプライズ対象の選択結果が保存されるとともに、サーバー20にプライズ対象の選択結果を含むプライズ対象設定要求が送信される。プライズ対象設定要求を受信したサーバー20では、プライズ対象の選択結果に従ってプレーヤ管理データベース51にプレーヤIDに紐付けてプライズ対象のキャラクタを登録する。なおプライズ対象選択ダイアログにはクローズボタン123が設けられており、プライズ対象のキャラクタを選択せずにプライズ対象選択ダイアログを閉じることもできる。クローズボタン123に対するタップ入力によりプライズ対象選択ダイアログを閉じる場合には、そのプライズ対象選択ダイアログでの選択内容については破棄される。プライズ対象選択ダイアログが閉じられると、プライズ対象のキャラクタが選択されたか否かに関わらずに、優遇対象のキャラクタおよびプライズ対象のキャラクタがいずれも選択済みであるか否かがチェックされる(ステップS106)。
【0059】
また抽選受付画面に設けられているプライズボタン94に対するタップ入力が行われた場合にもプライズ対象選択ダイアログを表示させることができる。例えば、プライズ対象のキャラクタが選択済みであっても、抽選受付画面からプライズ対象選択ダイアログを表示させて、プライズ対象のキャラクタを変更することができる。プライズ対象のキャラクタが選択済みの状況でプライズ対象選択ダイアログが表示される場合、
図10に示すように、プライズ対象のキャラクタに対応するキャラクタ表示欄121では、選択ボタン122の表示態様が他のキャラクタとは異なる。すなわちプライズ対象となるキャラクタが選択済みである場合、抽選受付画面においてプライズボタン94からプライズ対象選択ダイアログを呼び出すと、
図10に示すように、プライズ対象のキャラクタに対応する選択ボタン122の表記が「選択中」に変化することでプライズ対象のキャラクタを確認することができる。プライズ対象のキャラクタの変更を望む場合、選択中のキャラクタとは異なるキャラクタの選択ボタン122に対してタップ入力を行うことで変更先のキャラクタの選択ボタン122の表記が「選択中」となっている状況でOKボタン124に対するタップ入力が行われると、サーバー20およびプレーヤ端末40の双方においてプライズ対象のキャラクタの設定情報が変更される。なおクローズボタン123に対するタップ入力によりプライズ対象選択ダイアログを閉じる場合には、そのプライズ対象選択ダイアログでの選択内容については破棄され、プライズ対象のキャラクタの選択情報は変更されない。
【0060】
そして優遇対象のキャラクタが選択済みであって、かつプライズ対象のキャラクタも選択済みである場合(ステップS106でY)、抽選ボタン(1回抽選ボタン91および10回抽選ボタン92)が有効化される(ステップS107)。優遇対象のキャラクタおよびプライズ対象のキャラクタのうち、いずれか一方でも未選択である場合には(ステップS106でN)、抽選ボタン(1回抽選ボタン91および10回抽選ボタン92)が有効化されずに一連の処理を終了する。抽選受付画面において抽選ボタン(1回抽選ボタン91および10回抽選ボタン92)が有効化されると、
図4に示すように、1回抽選ボタン91および10回抽選ボタン92が通常表示され、キャラクタ獲得機能によるキャラクタおよび追加特典の提供を受けることができるようになる。
【0061】
また本実施形態では、抽選受付画面に遷移する場合、プレーヤ端末40が、優遇対象の設定情報およびピックアップ対象の設定情報、抽選ボタン(1回抽選ボタン91および10回抽選ボタン92)の有効化に関する情報、キャラクタおよび追加特典に関する提供割合に関する情報をサーバー20から受け取って、表示画面やダイアログの表示内容を決定する。すなわち優遇対象のキャラクタとピックアップ対象のキャラクタとについて選択が済んでいる状況で、抽選受付画面に遷移する場合、
図4に示すように、1回抽選ボタン91および10回抽選ボタン92が有効化された状態の抽選受付画面が表示される。
【0062】
図11は、サーバー20で実行されるキャラクタおよび追加特典の提供に係る処理の一例を示すフローチャートである。
【0063】
まずプレーヤ端末40から抽選要求を受信したことに基づいて(ステップS201でY)、メイン抽選を実行する(ステップS202)。本実施形態では、プレーヤ端末40の表示部44に抽選受付画面が表示されている状況において、抽選ボタンに対するタップ入力が行われた場合に、プレーヤ端末40からサーバー20に対して抽選要求が送信される。抽選要求を受信したサーバー20では、メイン抽選として第1抽選と第2抽選とを順に実行して提供対象となるキャラクタを決定する。
【0064】
第1抽選では、提供対象のキャラクタのレアリティを決定する。本実施形態では、キャラクタのレアリティとして星1~星5の5段階が設定されているが、提供対象となり得るキャラクタのレアリティは星1~星3となっている。レアリティは星1<星2<星3<星4<星5の順に高いものとする。なおキャラクタのレアリティを上昇させるためには同じキャラクタのキャラクタピースを集めて、所定量のキャラクタピースを消費することが必要であり、いずれのキャラクタもレアリティを星5まで上昇させることが可能である。
【0065】
本実施形態では、第1抽選における各レアリティの当選確率は、星1が79%、星2が18%、星3が3%となっている。ただし10回の連続抽選を行う場合については、10回目の抽選において星2以上のレアリティのキャラクタを獲得できる仕様となっており、10回目の抽選については、星2が97%、星3が3%の当選確率で実行される。
【0066】
第1抽選でレアリティが決定されると、決定されたレアリティのキャラクタの中から提供対象のキャラクタを決定するための第2抽選を行う。具体的に説明すると、第1抽選で星1のキャラクタを提供することが決定された場合には、星1のキャラクタを抽選対象とし、各キャラクタの当選確率を均等とする第2抽選を行って、当選したキャラクタを提供対象として決定する。また第2抽選で星2のキャラクタを提供することが決定された場合には、星2のキャラクタを抽選対象とし、各キャラクタの当選確率を均等とする第2抽選を行って、当選したキャラクタを提供対象として決定する。また第2抽選で星3のキャラクタを提供することが決定された場合には、星1や星2とは異なる抽選方式で第2抽選が行われる。具体的には、星1のキャラクタや星2のキャラクタから提供対象を決定する第2抽選については、報酬IDとしてキャラクタIDを割り当てて、いずれかの報酬IDを抽出することによりキャラクタが特定された抽選結果を得る。一方、星3のキャラクタについては、プレーヤの選択結果に応じて優遇対象となるキャラクタが設定されるため、星3のキャラクタから提供対象を決定する第2抽選については、優遇対象のキャラクタに関するプレーヤの選択結果に依存しない抽選方式となるように抽選テーブルが用意されている。
【0067】
図12は、星3のキャラクタを提供対象として決定する場合の第2抽選に関する抽選テーブルを模式的に示す図である。
【0068】
本実施形態では、星3のキャラクタとして、キャラクタC31~キャラクタC50の20体が用意されており、キャラクタC34、キャラクタC37、およびキャラクタC45が第1グループに分類され、残りのキャラクタが第2グループに分類されている。星3のキャラクタに関する第2抽選では、
図12に示されている報酬IDのいずれかを抽出し、抽出された報酬IDに基づいて提供対象のキャラクタを決定する。
【0069】
そして本実施形態では、第2グループに属するキャラクタについては6桁の番号からなるキャラクタIDが報酬IDとなっているのに対して、第1グループに属するキャラクタについてはキャラクタIDとは異なる3桁の番号が報酬IDとして設定されている。
【0070】
図12に示すように、第1グループに関しては、当たり枠とハズレ枠とが設けられており、当たり枠が優遇対象を提供するための枠となって当選確率が他の報酬IDよりも当選確率が高くなっている。当たり枠には100番台(101、102、103、・・・)の報酬IDが割り当てられ、本実施形態では、優遇対象が1体であるため、当たり枠には報酬ID「101」が割り当てられている。またハズレ枠には200番台(201、202、203、・・・)の報酬IDが割り当てられ、本実施形態では、優遇対象に選択されなかった残りの2体について、ハズレ枠1として報酬ID「201」が割り当てられ、ハズレ枠2として報酬ID「202」が割り当てられている。このように本実施形態では、星3のキャラクタから提供対象を決定するための第2抽選の抽選テーブルにおいて、第1グループについては報酬IDでキャラクタが特定されておらず、第2グループについては報酬IDがキャラクタIDであることによって報酬IDでキャラクタが特定されている。
【0071】
そして本実施形態では、メイン抽選の第2抽選において、いずれかの報酬IDを抽出した抽選結果を得る。第2抽選の抽選結果が、報酬IDとキャラクタIDとが一致する特定抽選結果であった場合には(ステップS203でN)、報酬IDで特定されるキャラクタが提供対象となる。一方、第2抽選の抽選結果が、報酬IDにキャラクタIDとは異なる番号が割り当てられた非特定抽選結果であった場合(ステップS203でY)、第1グループに属するキャラクタのいずれかを割り当てるキャラクタ割当処理が実行される(ステップS204)。
【0072】
キャラクタ割当処理では、必要に応じてキャラクタ割当テーブルを参照して、第2抽選結果で得られた報酬IDに対応するキャラクタを割り当てる。キャラクタ割当テーブルでは、例えば、
図13に示すように、第1グループに属するキャラクタがキャラクタIDの若い順にソートされて、キャラクタIDの若い順にキャラクタ割当番号が連続的に付与されている。
【0073】
そして第2抽選の結果として得られた報酬IDが当たり枠「101」である場合には、優遇対象のキャラクタ(例えば、キャラクタC34)が提供対象となる。また第2抽選の結果として得られた報酬IDがハズレ枠1「201」である場合には、キャラクタ割当テーブルを参照して、優遇対象ではない2体のキャラクタのうち、最も若いキャラクタ割当番号が「2」が付与されたキャラクタC34が提供対象となる。本実施形態では、第2抽選の結果として得られた報酬IDがハズレ枠1「201」である場合、キャラクタ割当テーブルにおいて優遇対象のキャラクタを除外した上でキャラクタ割当番号が最も若いキャラクタを提供対象として決定する。また第2抽選の結果として得られた報酬IDがハズレ枠2「202」である場合には、キャラクタ割当テーブルを参照して、優遇対象ではない2体のキャラクタのうち、2番目に若いキャラクタ割当番号「3」が付与されたキャラクタC45が提供対象となる。本実施形態では、第2抽選の結果として得られた報酬IDがハズレ枠2「202」である場合、キャラクタ割当テーブルにおいて優遇対象のキャラクタを除外した上でキャラクタ割当番号が2番目に若いキャラクタを提供対象として決定する。
【0074】
なお優遇対象のキャラクタが2体以上選択されている場合には、キャラクタ割当テーブルを参照して、報酬IDに対応するキャラクタを特定することができる。例えば、優遇対象のキャラクタが2体であって、キャラクタC34とキャラクタC45とが優遇対象に設定されているものとする。この場合、第2抽選の当たり枠の報酬IDとして、当たり枠1「101」と当たり枠2「102」とが存在し、第2抽選の抽選結果が当たり枠1「101」である場合、優遇対象の2体のキャラクタのうち、最も若いキャラクタ割当番号「1」が付与されたキャラクタC34が提供対象となり、第2抽選の抽選結果が当たり枠2「102」である場合、優遇対象の2体のキャラクタのうち、2番目に若いキャラクタ割当番号「3」が付与されたキャラクタC45が提供対象となる。
【0075】
このように本実施形態では、優遇対象のキャラクタが設定される星3のキャラクタから提供対象を決定する第2抽選を、第1グループに属するキャラクタを特定せずに抽選結果を得る抽選方式で行うことによって、プレーヤの優遇対象の選択結果に影響されずに共通の抽選テーブルを用いることができる。
【0076】
そしてメイン抽選に基づいて提供対象のキャラクタが決定されると、サブ抽選を行って追加特典を決定する(ステップS205)。本実施形態では、追加特典として、1等、2等、3等、4等、5等、および6等の6種類(1等>2等>3等>4等>5等>6等)が用意されており、1等~3等では、プライズ対象のキャラクタのキャラクタピースが提供され、4等~6等では、キャラクタピースと交換することができるピース交換用アイテムが提供される。
【0077】
本実施形態では、サブ抽選における各追加特典の当選確率は、1等が0.5%、2等が1%、3等が5%、4等が10%、5等が23.5%、6等が60%となっている。ただし10回の連続抽選を行う場合については、10回目の抽選において5等以上の追加特典を獲得できる仕様となっており、10回目の抽選については、1等が0.5%、2等が1%、3等が5%、4等が10%、5等が83.5%の当選確率で実行される。
【0078】
そして提供対象のキャラクタおよび追加特典が決定されると、提供対象の情報を含む抽選結果応答をプレーヤ端末40に送信する(ステップS206)。なおサーバー20では、提供対象のキャラクタおよび追加特典の決定結果に基づきプレーヤ管理データベース51が更新される。提供対象のキャラクタについては、プレーヤIDに紐付くキャラクタリストにおいて解放済みフラグが設定されているか否かをチェックし、解放済みフラグが設定されていない場合には、解放済みフラグを設定する。提供対象のキャラクタについて解放済みフラグが設定されている場合には、キャラクタのレアリティに応じた数量のピース交換用アイテムに変換して、プレーヤIDに紐付くアイテムリストのピース交換用アイテムの所持数を更新する。例えば、提供対象のキャラクタのレアリティが星1であった場合、1個のピース交換用アイテムに変換され、提供対象のキャラクタのレアリティが星2であった場合、10個のピース交換用アイテムに変換され、提供対象のキャラクタのレアリティが星3であった場合、50個のピース交換用アイテムに変換される。またサーバー20から抽選結果応答を受信したプレーヤ端末40では、抽選結果をプレーヤに通知する表示画面を生成して表示部44に表示し、サーバー20側と同様にプレーヤデータ記憶部71におけるキャラクタリストにおけるキャラクタの解放状況に関するデータやアイテムリストにおけるアイテムの所持数に関するデータを更新する。
【0079】
以上に述べた本実施形態では、優遇対象の選択結果に依存しない抽選方式でメイン抽選を行って、所定の抽選結果を得た場合にキャラクタ割当処理によって第1グループに属するキャラクタから優遇対象の選択結果に応じて提供対象となるキャラクタを決定するようにしたことによって、プレーヤの優遇対象の選択パターンを考慮して抽選用のデータを予め用意する手間を削減することができる。従って本実施形態によれば、キャラクタ獲得機能の実装に関する開発環境を改善することができる。
【0080】
また本実施形態では、抽選受付画面において詳細ボタン95に対するタップ入力を行うことでメイン抽選に関するキャラクタの提供割合を確認することができる。
図14は、詳細ボタン95に対するタップ入力が行われたことによって表示されるガチャ詳細ダイアログの例を示す図である。
【0081】
ガチャ詳細ダイアログでは、優遇対象として選択可能なキャラクタの一覧が表示されているとともに、各キャラクタの提供確率を確認することができる。そして本実施形態では、既述のキャラクタ割当処理と同様の手法で、優遇対象の選択結果とキャラクタ割当テーブルに基づく表記を行っている。具体的には、ガチャ詳細ダイアログにおけるキャラクタ詳細に関して、
図15に示すように、当たり枠表示欄、ハズレ枠1表示欄、およびハズレ枠2表示欄が設けられており、当たり枠表示欄には、優遇対象のキャラクタを挿入して表示し、ハズレ枠1表示欄には、優遇対象ではない2体のキャラクタのうちキャラクタIDの最も若いキャラクタ(キャラクタ割当番号の最も若いキャラクタ)を挿入して表示し、ハズレ枠2表示欄には、優遇対象ではない2体のキャラクタのうちキャラクタIDが2番目に若いキャラクタ(キャラクタ割当番号が2番目に若いキャラクタ)を挿入して表示する。
【0082】
このように本実施形態では、キャラクタの提供割合の表記に関して、優遇対象の選択候補を上位に表示し、プレーヤの優遇対象の選択結果に応じてキャラクタの提供割合の表記を変更することができるようにしたことで、プレーヤが各キャラクタの提供割合を正しく、かつ速やかに把握することができる。
【0083】
またガチャ詳細ダイアログにおける優遇対象キャラクタ候補一覧の表記については、優遇対象のキャラクタが選択済みである場合、優遇対象のキャラクタが把握可能な表示態様とすることができる。例えば、優遇対象キャラクタ候補一覧において、優遇対象として選択されているキャラクタのキャラクタ名の横に優遇対象であることを示すバッジアイコンを付与する、優遇対象として選択されているキャラクタのキャラクタ名を強調表示する、優遇対象として選択されているキャラクタのキャラクタ名を通常表示しつつ優遇対象ではないキャラクタのキャラクタ名をグレーアウト表示する等の態様を採用することができる。またガチャ詳細ダイアログにおける優遇対象キャラクタ候補一覧の表記について、優遇対象のキャラクタが未選択である場合、各キャラクタのキャラクタ名をグレーアウト表示する、優遇対象のキャラクタが未選択である旨のメッセージを表示する等の態様を採用することができる。このようにすれば、キャラクタ詳細の表示欄において優遇対象の選択候補となるキャラクタが表示範囲外となっていても優遇対象キャラクタ候補一覧の表記において優遇対象の選択状況(優遇対象の選択の有無、優遇対象のキャラクタ名)を把握することができる。
【0084】
またガチャ詳細ダイアログにおけるキャラクタ詳細の表記については、優遇対象の候補となるキャラクタについては、キャラクタ名を直接的に表示するのではなく、「優遇対象」、「優遇対象外1」、「優遇対象外2」という表示態様であってもよい。優遇対象のキャラクタとして、いずれのキャラクタが選択されているかについては、ガチャ詳細ダイアログの優遇対象キャラクタ候補一覧において確認可能とし、例えば、キャラクタC34、キャラクタC37、キャラクタC45のうちキャラクタC34が優遇対象となっている場合には、キャラクタC34が選択中であることを示すバッジアイコンをキャラクタ名「キャラクタC34」の左側に付与して優遇対象のキャラクタを確認できるようにすることができる。また優遇対象キャラクタ候補一覧に表示される各キャラクタのキャラクタ名の横には、キャラクタに紐付く情報を併記することができる。例えば、本実施形態では、キャラクタ毎に戦闘時の隊列に影響する情報(隊列情報)が紐付けられており、具体的には、前衛、中衛、後衛の分類が存在する。優遇対象キャラクタ候補一覧では、キャラクタ名の右側に各キャラクタの隊列情報(前衛、中衛、後衛)を示すアイコンを表示することでキャラクタに紐付く情報を把握することができるようにしてもよい。優遇対象キャラクタ候補一覧においてキャラクタ名に併記されるキャラクタに紐付く情報については、キャラクタのレアリティ、攻撃タイプ(物理/魔法)、ロール(アタッカー、タンク、補助)など隊列情報以外の情報であってもよい。
【0085】
なお上記実施形態では、キャラクタ獲得機能において、キャラクタに加えて追加特典が提供される仕様であったが、キャラクタのみが提供される仕様であってもよい。この場合には、プレーヤ端末40からの抽選要求に対してメイン抽選とキャラクタ割当処理とを行って提供対象のキャラクタを決定すればよくサブ抽選を行わない構成とすることができる。
【0086】
また上記実施形態では、プレーヤが優遇対象を選択する仕様であったが、一定期間が経過する毎に優遇対象の候補の中で優遇対象となるキャラクタがプレーヤの選択に依らずに変更される仕様であってもよい。
【0087】
またメイン抽選の第2抽選に関して、第1グループについて優遇対象の選択候補の分だけ抽選枠を設けるのではなく、当たり枠とハズレ枠とを各1枠ずつ設けて、当たり枠が当選した場合、優遇対象の選択候補のうち優遇対象のキャラクタを抽選対象とする抽選を行って提供対象のキャラクタを決定し、ハズレ枠が当選した場合、優遇対象の選択候補のうち優遇対象ではないキャラクタを抽選対象とする抽選を行って提供対象のキャラクタを決定するようにしてもよい。上記実施形態に即して説明すると、第2抽選で当たり枠が当選した場合、キャラクタC34を抽選対象とする抽選を行う。この場合、抽選対象が1つであるため、キャラクタC34が抽出され、キャラクタC34が提供対象として決定される。また第2抽選でハズレ枠が当選した場合、キャラクタC37およびキャラクタC45を抽選対象として、抽選対象の数で按分した確率(この場合、50%)でいずれかの抽選対象を抽出し、抽出されたキャラクタが提供対象として決定される。このようにしても第1グループについてはキャラクタを特定しない抽選結果で第2抽選を行うことができるため、上記実施形態の場合と同様の効果を得ることができる。
【0088】
また上記実施形態では、メイン抽選は2段階抽選としたが、メイン抽選を1回の抽選で行うようにしてもよく、1回の抽選で特定抽選結果または非特定抽選結果のいずれかが得られる態様を採用することができる。
【0089】
また上記実施形態におけるキャラクタ獲得機能は、ゲーム媒体をプレーヤに提供する機能の一例に過ぎず、キャラクタ以外のゲーム媒体(例えば、アイテム、装備品など)を提供する機能に関して、上記実施形態の手法を等しく適用することができる。
【0090】
また上記実施形態では、キャラクタ獲得機能をサーバー20とプレーヤ端末40とにおいて分担して実現する場合について説明をしたが、単一の装置でキャラクタ獲得機能に関する全ての機能を実現できるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0091】
10 情報処理システム、
20 サーバー、40 プレーヤ端末、21,41 制御部、22,42 記憶部、
23,45 通信部、43 操作入力部、44 表示部、
50 サーバーデータ記憶部、51 プレーヤ管理データベース、52 抽選情報データベース、
60 ゲーム演算部、61 優遇対象設定部、62 プライズ対象設定部、
63 提供対象決定部、
70 端末データ記憶部、71 プレーヤデータ記憶部、
80 ゲーム実行部、81 キャラクタ獲得機能提供部、82 選択受付部、
【要約】
【課題】ゲーム媒体を提供する機能の実装に関する開発環境を改善するプログラム、情報処理システム、および情報処理方法を提供する。
【解決手段】複数種類のキャラクタが、優遇対象として選択可能なキャラクタが属する第1グループと優遇対象として選択不可能なキャラクタが属する第2グループとに分類されており、複数種類のキャラクタのうち優遇対象に設定されたキャラクタが少なくとも第1グループに属する優遇対象ではないキャラクタよりも提供確率が高くなるように提供対象となるキャラクタを決定し、優遇対象の選択結果に依存しない抽選方式でメイン抽選を行って所定の抽選結果を得た場合、第1グループに属するキャラクタから優遇対象の選択結果に応じて提供対象のキャラクタを決定するキャラクタ割当処理を実行する。
【選択図】
図11