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特許74264813-N-シクロプロピルメチル-2-フルオロベンズアミド系化合物、およびその調製方法と使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-24
(45)【発行日】2024-02-01
(54)【発明の名称】3-N-シクロプロピルメチル-2-フルオロベンズアミド系化合物、およびその調製方法と使用
(51)【国際特許分類】
   C07C 237/40 20060101AFI20240125BHJP
   C07C 231/12 20060101ALI20240125BHJP
   C07D 213/81 20060101ALI20240125BHJP
   C07C 237/42 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
C07C237/40 CSP
C07C231/12
C07D213/81
C07C237/42
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022524149
(86)(22)【出願日】2020-10-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-22
(86)【国際出願番号】 CN2020123508
(87)【国際公開番号】W WO2021078293
(87)【国際公開日】2021-04-29
【審査請求日】2022-05-26
(31)【優先権主張番号】201911023411.1
(32)【優先日】2019-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518383921
【氏名又は名称】南通泰禾化工股▲フン▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】呂 ▲亮▼
(72)【発明者】
【氏名】朱 錦涛
(72)【発明者】
【氏名】劉 吉永
(72)【発明者】
【氏名】羅 ▲亮▼明
(72)【発明者】
【氏名】黄 超群
【審査官】土橋 敬介
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第109497062(CN,A)
【文献】国際公開第2013/150988(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C
C07D
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式IIで表される構造を有する、化合物。
【化1】
(Yは、C~Cハロゲン化アルキル基またはC~Cハロゲン化アルコキシ基から選ばれ、
は、水素、C~Cアルキル基、C~Cハロゲン化アルキル基、C~Cシクロアルキル基またはC~Cハロゲン化シクロアルキル基から選ばれ、
は、水素またはハロゲンから選ばれ、
Wは、酸素原子または硫黄原子から選ばれる。)
【請求項2】
式II中、Yは、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロイソプロピル基、トリフルオロメトキシ基またはジフルオロメトキシ基から選ばれ、Rは、水素、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、2-ペンチル基、ネオペンチル基、イソペンチル基、4-メチル-2-ペンチル基、n-ヘキシル基、モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、モノクロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロイソプロピル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、パーフルオロシクロプロピル基、パーフルオロシクロブチル基またはパーフルオロシクロペンチル基から選ばれ、Rは、水素、フッ素または塩素から選ばれ、Wは、酸素原子または硫黄原子から選ばれる、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
式II中、Yは、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基またはジフルオロメトキシ基から選ばれ、Rは、水素またはメチル基から選ばれ、Rは、水素から選ばれ、Wは、酸素原子から選ばれる、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
前記化合物は、下記化合物のうちのいずれか1種である、請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物。
【化2】
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物を調製するための中間体であり、
式IIIで表される構造を有する、化合物。
【化3】
(式III中、
Yは、C~Cハロゲン化アルキル基またはC~Cハロゲン化アルコキシ基から選ばれ
Wは、酸素原子または硫黄原子から選ばれる。)
【請求項6】
式III中、Yは、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロイソプロピル基、トリフルオロメトキシ基またはジフルオロメトキシ基から選ばれ、Wは、酸素原子または硫黄原子から選ばれる、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
式III中、Yは、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基またはジフルオロメトキシ基から選ばれ、Wは、酸素原子から選ばれる、請求項5に記載の化合物。
【請求項8】
請求項1~4のいずれか一項に記載の式IIの化合物の、式Aで表されるm-ジアミド系化合物の調製における使用。
【化4】
基の結合箇所を表し、
Yは、C~Cハロゲン化アルキル基またはC~Cハロゲン化アルコキシ基から選ばれ、
、Z、Z、Z、Zは、同一または異なり、それぞれ独立して水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、シアノ基、ニトロ基、置換または非置換の3~10員ヘテロ環基、C~Cアルキル基、C~Cハロゲン化アルキル基、C~Cアルコキシ基、C~Cハロゲン化アルコキシ基、C~Cアルキルスルフィニル基、C~Cハロゲン化アルキルスルフィニル基、C~Cアルキルスルホニル基またはC~Cハロゲン化アルキルスルホニル基から選ばれる1種または少なくとも2種の組合せであり、
は、水素、C~Cアルキル基、C~Cハロゲン化アルキル基、C~Cシクロアルキル基またはC~Cハロゲン化シクロアルキル基から選ばれ、
は、水素またはハロゲンから選ばれ、
W、W’は、それぞれ独立して酸素原子または硫黄原子から選ばれる。)
【請求項9】
式Aで表されるm-ジアミド系化合物の調製は、
(1)式IIで表される3-N-シクロプロピルメチル-2-フルオロベンズアミド系化合物と式Bで表される化合物を反応させて式Iで表される化合物を得るステップと、
【化5】
(2)式Iで表される化合物と臭化試薬を反応させて式Aで表されるm-ジアミド系化合物を得るステップと、を含み、
【化6】
ただし、Xは、ハロゲンであり、Y、R、R、W、W’およびQの限定は、請求項8における限定と同様である、請求項8に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、有機合成の技術分野に属し、3-N-シクロプロピルメチル-2-フルオロベンズアミド系化合物、およびその調製方法と使用に関する。
【背景技術】
【0002】
CN109497062AおよびCN110028423Aでは、殺虫活性を有する3位N-シクロプロピルメチル誘導体で置換されたm-ジアミド系化合物が開示されている。
【0003】
CN110028423Aでは、3位N-シクロプロピルメチル誘導体で置換されたm-ジアミド系化合物を合成する2つの経路が開示されている。代表的な合成経路として、経路1は、合成の実施例4の中間体KC1とKC2を用い、-70℃の温度で、テトラヒドロフランを溶剤として、リチウムジイソプロピルアミドをアルカリとして目的物を合成し、反応条件が過酷であり、収率が低い。
【化1】
【0004】
経路2は、KC3と、キー中間体KC4を反応させて目的化合物TM2を調製し、収率が37.5%だけである。そして、経路3に示されるキー中間体KC4の合成過程で、KC5とKC6を反応させる時に大量のN,N-ジイソプロピルエチルアミンを添加する必要があり、触媒を添加する必要もあり、収率は59.2%しかない。
【化2】
【化3】
【0005】
従って、当該分野において、穏和な条件下で、殺虫活性を有する3位N-シクロプロピルメチル誘導体で置換されたm-ジアミド化合物を調製可能な中間体化合物をより多く開発することが所望される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】中国特許出願公開第109497062号明細書
【文献】中国特許出願公開第110028423号明細書
【発明の概要】
【0007】
本願は、3-N-シクロプロピルメチル-2-フルオロベンズアミド系化合物、およびその調製方法と使用を提供する。これらの化合物は、ある殺虫活性を有する3位N-シクロプロピルメチル誘導体で置換されたm-ジアミド系化合物を調製するために用いることができる。前記3位N-シクロプロピルメチル誘導体で置換されたm-ジアミド系化合物は、殺虫剤として、即効性がよく、用量が低く、さらに環境保護に優しいなどの特徴を有する。
【0008】
一側面として、本願は、式Iで表される構造を有する3-N-シクロプロピルメチル-2-フルオロベンズアミド系化合物を提供する。
【化4】
(Qは、Q1、Q2またはQ3、すなわち
【化5】
から選ばれ、ただし、
【化6】
は、基の結合箇所を表し、
Yは、C~Cハロゲン化アルキル基またはC~Cハロゲン化アルコキシ基から選ばれ、
、Z、Z、ZおよびZは、同一または異なり、それぞれ独立して水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、シアノ基、ニトロ基、置換または非置換の3~10員ヘテロ環基、C~Cアルキル基、C~Cハロゲン化アルキル基、C~Cアルコキシ基、C~Cハロゲン化アルコキシ基、C~Cアルキルスルフィニル基、C~Cハロゲン化アルキルスルフィニル基、C~Cアルキルスルホニル基またはC~Cハロゲン化アルキルスルホニル基から選ばれる1種または少なくとも2種の組合せであり、
は、水素、C~Cアルキル基、C~Cハロゲン化アルキル基、C~Cシクロアルキル基またはC~Cハロゲン化シクロアルキル基から選ばれ、
は、水素またはハロゲンから選ばれ、
W、W’は、それぞれ独立して酸素原子または硫黄原子から選ばれる。)
【0009】
本願において、好ましい技術態様として、式I中、Qは、Q1、Q2またはQ3から選ばれ、Yは、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロイソプロピル基、トリフルオロメトキシ基またはジフルオロメトキシ基から選ばれ、Rは、水素、メチル基、モノクロロメチル基、モノフルオロメチル基、シクロプロピル基またはパーフルオロシクロプロピル基から選ばれ、Rは、水素、塩素またはフッ素から選ばれ、Z、Z、Z、ZおよびZは、同一または異なり、それぞれ独立して水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、メチルスルホニル基またはトリフルオロメタンスルホニル基から選ばれ
【0010】
本願におけるさらに好ましい技術態様として、3-N-シクロプロピルメチル-2-フルオロベンズアミド系化合物は、一般式Iを有する、表1に示される化合物のうちのいずれか1種である。
【表1】
【0011】
表1に、「H」は、水素原子、「F」は、フッ素原子、「Cl」は、塩素原子、「Br」は、臭素原子、「I」は、ヨウ素原子、「CN」は、シアノ基、「CHCl」は、モノクロロメチル基、「CHF」は、モノフルオロメチル基、「CF」は、トリフルオロメチル基、「OCF」は、トリフルオロメトキシ基、「OCFH」は、ジフルオロメトキシ基、「c-Pr」は、シクロプロピル基、「MeS(O)」は、メチルスルホニル基、「CFS(O)」は、トリフルオロメタンスルホニル基を示す。
【0012】
本願において、さらに好ましい技術態様として、式I中、Yは、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基またはジフルオロメトキシ基から選ばれ、Rは、水素またはメチル基から選ばれ、Rは、水素から選ばれ、Z、Z、Z、ZおよびZは、同一または異なり、それぞれ独立して水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、メチルスルホニル基またはトリフルオロメタンスルホニル基から選ばれ
【0013】
本願において、特に好ましい技術態様として、前記m-ジアミド系化合物は、以下の化合物から選ばれるいずれか1種である。
【化7】
【0014】
本願は、上述したような3-N-シクロプロピルメチル-2-フルオロベンズアミド系化合物(すなわち、一般式Iで表される化合物)を調製するための、式IIで表される構造を有する中間体をさらに含む。
【化8】

(Yは、C~Cハロゲン化アルキル基またはC~Cハロゲン化アルコキシ基から選ばれ、
は、水素、C~Cアルキル基、C~Cハロゲン化アルキル基、C~Cシクロアルキル基またはC~Cハロゲン化シクロアルキル基から選ばれ、
は、水素またはハロゲンから選ばれ、
Wは、酸素原子または硫黄原子から選ばれる。)
【0015】
本願において、好ましい技術態様として、式II中、Yは、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロイソプロピル基、トリフルオロメトキシ基またはジフルオロメトキシ基から選ばれ、Rは、水素、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、2-ペンチル基、ネオペンチル基、イソペンチル基、4-メチル-2-ペンチル基、n-ヘキシル基、モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、モノクロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロイソプロピル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、パーフルオロシクロプロピル基、パーフルオロシクロブチル基またはパーフルオロシクロペンチル基から選ばれ、Rは、水素、フッ素または塩素から選ばれ、Wは、酸素原子または硫黄原子から選ばれる。
【0016】
本願におけるさらに好ましい技術態様として、3-N-シクロプロピルメチル-2-フルオロベンズアミド系化合物は、一般式IIを有する、表2に示される化合物のうちのいずれか1種である。
【表2】
【0017】
表2に、「H」は、水素原子、「F」は、フッ素原子、「Cl」は、塩素原子、「c-Pr」は、シクロプロピル基、「CHCl」は、モノクロロメチル基、「CHF」は、モノフルオロメチル基、「S」は、硫黄原子、「OMe」は、メトキシ基、「CF」は、トリフルオロメチル基、「OCF」は、トリフルオロメトキシ基、「OCFH」は、ジフルオロメトキシ基を示す。
【0018】
本願において、さらに好ましい技術態様として、式II中、Yは、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基またはジフルオロメトキシ基から選ばれ、Rは、水素またはメチル基から選ばれ、Rは、水素から選ばれ、Wは、酸素原子から選ばれる。
【0019】
本願において、特に好ましい技術態様として、式IIで表される化合物は、以下の化合物のうちのいずれか1種である。
【化9】
【0020】
本願は、前記一般式Iで表される化合物と一般式IIで表される化合物を調製するための、式IIIで表される構造を有する中間体をさらに含む。
【化10】
(式III中、Yは、C~Cハロゲン化アルキル基またはC~Cハロゲン化アルコキシ基から選ばれ、
は、酸素原子または硫黄原子から選ばれる。)
【0021】
本願において、さらに好ましい技術態様として、式III中、Yは、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロイソプロピル基、トリフルオロメトキシ基またはジフルオロメトキシ基から選ばれ、Wは、酸素原子または硫黄原子から選ばれる。
【0022】
本願におけるさらにより好ましい技術態様として、一般式IIIで表される化合物は、表3に示される化合物のうちのいずれか1種である。
【表3】
【0023】
本願におけるアルキル基とは、直鎖または分岐鎖形態のアルキル基、たとえば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、n-ヘキシル基などの基を指す。ハロゲン化アルキル基とは、アルキル基における水素原子が1つまたは複数のハロゲン原子で置換された基を指す。アルコキシ基とは、アルキル基の末端に酸素原子が結合された基、たとえば、メトキシ基、エトキシ基、n-プロキシ基、イソプロポキシ基、tert-ブトキシ基などを指す。ハロゲン化アルコキシ基は、アルコキシ基における水素原子が1つまたは複数のハロゲン原子で置換された基を指す。ハロゲンは、F、Cl、BrまたはIである。
【0024】
本願に用いられる用語「C~Cアルキル基」とは、炭素原子数1~6の直鎖または分岐鎖アルキル基を指し、非限定的にメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、n-ヘキシル基などを含む。「C~Cハロゲン化アルキル基」とは、ハロゲン原子で置換された炭素原子数1~6の直鎖または分岐鎖アルキル基、非限定的にトリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、1,1,1-トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロn-プロピル基、ヘプタフルオロイソプロピル基などを含む。「C~Cハロゲン化アルコキシ基」とは、ハロゲン原子で置換された炭素原子数1~6の直鎖または分岐鎖アルコキシ基を指し、非限定的にトリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、2,2,2-トリフルオロエトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、ヘプタフルオロn-プロキシ基、ヘプタフルオロイソプロポキシ基などを含む。本願に用いられる用語「C~Cシクロアルキル基」とは、炭素原子数3~8の環状アルキル基を指し、非限定的にシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などを含む。本願に用いられる用語「C~Cハロゲン化シクロアルキル基」とは、環におけるハロゲンで置換された炭素原子数3~8の環状アルキル基を指し、非限定的に1-クロロシクロプロピル基、1-フルオロシクロプロピル基、パーフルオロシクロプロピル基、1-クロロシクロブチル基、1-クロロシクロペンチル基などを含む。
【0025】
本願において、前記特定の基の前のC~C、C~Cなどは、基に含まれる炭素原子数を示し、たとえばC~Cは、炭素原子数が1、2、3、4、5または6であってもよい基を示し、C~Cは、炭素原子数が3、4、5、6、7または8であってもよい基を示し、等々。
【0026】
なお、本願において、「H」は、水素原子、「F」は、フッ素原子、「Me」は、メチル基、「c-Pr」は、シクロプロピル基、「CHCl」は、モノクロロメチル基、「CHF」は、モノフルオロメチル基、「S」は、硫黄原子、「OMe」は、メトキシ基、「CF」は、トリフルオロメチル基、「OCF」は、トリフルオロメトキシ基、「OCFH」は、ジフルオロメトキシ基を示す。
【0027】
本願に係る一般式Iで表される化合物は、以下の方法により調製され得る。特に明記しない限り、反応式における各々の基の定義は、上述したものと同様である。
【化11】
【0028】
ただし、LGは、フッ素、塩素、臭素、C~C12アルコキシ基、C~C12アルキルオキシアシルオキシ基またはC~C12アルキルアシルオキシ基から選ばれ、Halは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素から選ばれ、R、R、R、Y、Wの限定は、上述したものと同様であるため、ここで繰り返し説明しない。
【0029】
(i):一般式IIIで表される化合物を用いて一般式IVで表される化合物を調製する。
【0030】
このステップにおいて、周知されている方法により、一般式IIIで表される化合物を、塩化チオニル、塩化オキサリル、ホスゲン、塩化ホスホリル、五塩化リン、三塩化リン、臭化チオニル、トリホスゲン、三臭化リンまたはクロロホルメートイソプロピルなどと反応させて、LG基含有の一般式IVで表される化合物を調製する。
【0031】
(ii):一般式IVで表される化合物と一般式Vで表される化合物を反応させて一般式VIで表される化合物を得る。
【0032】
好ましくは、前記一般式IVで表される化合物と一般式Vで表される化合物のモル比は、0.5~2:1、たとえば0.5:1、0.8:1、1:1、1.2:1、1.4:1、1.6:1、1.8:1または2:1である。
【0033】
本願において、ステップ(ii)における反応は、アルカリ性物質の存在下で行われ、前記アルカリ性物質は、有機塩基および/または無機塩基である。
【0034】
好ましくは、前記有機塩基は、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリ-n-ブチルアミン、ピリジン、ピペリジン、3-メチルピリジン、2,6-ジメチルピリジン、N-メチルモルホリン、3-メチルイミダゾール、4-N,N-ジメチルアミノピリジン、アルカリ金属アルコラート、リチウムアミドのうちのいずれか1種または少なくとも2種の組合せである。
【0035】
好ましくは、前記アルカリ金属アルコラートは、ナトリウムメトキシドおよび/またはナトリウムエチラートである。好ましくは、前記リチウムアミドは、リチウムジイソプロピルアミドである。
【0036】
好ましくは、前記無機塩基は、アルカリ金属水酸化物、炭酸塩またはリン酸塩のうちのいずれか1種または少なくとも2種の組合せである。
【0037】
好ましくは、前記アルカリ金属水酸化物は、水酸化リチウム、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムのうちのいずれか1種または少なくとも2種の組合せである。好ましくは、前記炭酸塩は、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウムのうちのいずれか1種または少なくとも2種の組合せである。好ましくは、前記リン酸塩は、リン酸水素二カリウムおよび/またはリン酸三ナトリウムである。
【0038】
好ましくは、ステップ(ii)における反応溶剤は、ハロゲン化炭化水素系、芳香族炭化水素系、鎖状系または環状エーテル系、エステル系、ケトン系、ニトリル系または非プロトン性極性不活性溶剤のうちのいずれか1種または少なくとも2種の組合せである。
【0039】
好ましくは、前記ハロゲン化炭化水素系は、ジクロロメタン、クロロホルムまたは四塩化炭素のうちのいずれか1種または少なくとも2種の組合せである。好ましくは、前記芳香族炭化水素系は、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼンまたはジクロロベンゼンのうちのいずれか1種または少なくとも2種の組合せである。好ましくは、前記鎖状または環状エーテル系は、エチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンまたは1,2-ジメトキシエタンのうちのいずれか1種または少なくとも2種の組合せである。好ましくは、前記エステル系は、酢酸エチルおよび/または酢酸ブチルである。好ましくは、前記ケトン系は、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンのうちのいずれか1種または少なくとも2種の組合せである。好ましくは、前記ニトリル系は、アセトニトリルおよび/またはプロピオニトリルである。好ましくは、前記非プロトン性極性不活性溶剤は、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、スルホラン、ジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミドまたはヘキサメチルホスホルアミドのうちのいずれか1種または少なくとも2種の組合せである。
【0040】
好ましくは、ステップ(ii)における反応温度は、-70℃以上、反応溶剤の沸点以下、たとえば-70℃、-50℃、-30℃、-10℃、-5℃、0℃、15℃、25℃、30℃、35℃、40℃、45℃、50℃、60℃、70℃、75℃、80℃、85℃、90℃などであるか、または溶剤の沸点であって還流状態で反応が行われる。
【0041】
好ましくは、ステップ(ii)における反応時間は、0.5~48時間、たとえば0.5時間、1時間、3時間、5時間、8時間、10時間、12時間、15時間、18時間、20時間、23時間、25時間、28時間、30時間、33時間、35時間、38時間、40時間、44時間または48時間である。
【0042】
(III):一般式VIで表される化合物を還元反応させて一般式IIで表される化合物を得る。
【0043】
一般式VIで表される、ニトロ基を有する芳香族カルボン酸アミド誘導体を還元反応させることにより、一般式IIで表されるアミン基を有する芳香族カルボン酸アミド誘導体を生成することができる。
【0044】
還元反応としては、水素化反応を用いる方法、および金属化合物(たとえば、塩化スズ(II))または金属(亜鉛粉、鉄粉など)を用いる方法が挙げられてもよい。
【0045】
水素化反応を用いる方法は、適当な溶剤で、触媒の存在下、常圧または加圧下で、水素ガス雰囲気において反応が行われるものである。水素化反応における触媒としては、バナジウム-炭素などのバナジウム触媒、コバルト触媒、ルテニウム触媒、白金触媒などであってもよい。溶剤としては、メタノール、エタノールなどのアルコール系、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素系、エチルエーテル、テトラヒドロフランなどの鎖状または環状エーテル系、酢酸エチルなどのエステル系であってもよい。
【0046】
好ましくは、前記水素化反応の圧力は、0.1~10MPa、たとえば0.1MPa、0.5MPa、0.8MPa、1MPa、1.5MPa、2MPa、3MPa、4MPa、5MPa、6MPa、7MPa、8MPa、9MPaまたは10MPaである。
【0047】
好ましくは、前記水素化反応の温度は、-20℃以上、反応溶剤の沸点以下、たとえば-20℃、-10℃、-5℃、0℃、5℃、10℃、15℃、20℃、25℃、30℃、35℃、40℃、45℃、50℃、60℃、70℃、75℃、80℃などであるか、または溶剤の沸点であって還流状態で反応が行われる。
【0048】
好ましくは、前記水素化反応の時間は、0.5~48時間、たとえば0.5時間、1時間、3時間、5時間、8時間、10時間、12時間、15時間、18時間、20時間、23時間、25時間、28時間、30時間、33時間、35時間、38時間、40時間、44時間または48時間である。
【0049】
好ましくは、前記金属化合物または金属を用いる方法は、メタノール、エタノールまたは酢酸エチルのうちのいずれか1種または少なくとも2種の混合溶剤で行われる。
【0050】
好ましくは、前記金属化合物は、塩化スズ(II)であり、前記金属は、亜鉛粉または鉄粉のうちのいずれか1種または少なくとも2種の組合せである。
【0051】
好ましくは、前記金属化合物または金属を用いる方法の反応温度は、-10℃以上、反応溶剤の沸点以下、たとえば-10℃、-5℃、0℃、5℃、10℃、15℃、20℃、25℃、30℃、35℃、40℃、45℃、50℃、60℃、70℃、75℃、80℃などであるか、または溶剤の沸点であって還流状態で反応が行われる。
【0052】
好ましくは、前記金属化合物または金属を用いる方法の反応時間は、0.5~48時間、たとえば0.5時間、1時間、3時間、5時間、8時間、10時間、12時間、15時間、18時間、20時間、23時間、25時間、28時間、30時間、33時間、35時間、38時間、40時間、44時間または48時間である。
【0053】
(iv):一般式IIで表される化合物と一般式VIIで表される化合物を反応させて一般式Iで表される化合物を得る。
【0054】
好ましくは、前記一般式IIで表される化合物と一般式VIIで表される化合物のモル比は、0.5~2:1、たとえば0.5:1、0.8:1、1:1、1.2:1、1.4:1、1.5:1、1.8:1または2:1である。
【0055】
本願において、ステップ(iv)における反応は、アルカリ性物質の存在下で行われ、前記アルカリ性物質は、有機塩基および/または無機塩基である。
【0056】
好ましくは、前記有機塩基は、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、N,N-ジメチルアニリン、ピリジン、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエチラート、tert-ブトキシドナトリウムまたはtert-ブトキシドカリウムのうちのいずれか1種または少なくとも2種の組合せである。
【0057】
好ましくは、前記無機塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたは水素化ナトリウムのうちのいずれか1種または少なくとも2種の組合せである。
【0058】
好ましくは、ステップ(iv)における反応溶剤は、ジクロロメタン、クロロホルム、トルエン、酢酸エチル、アセトン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドまたはヘキサメチルリン酸トリアミドから選ばれるいずれか1種または少なくとも2種の組合せである。
【0059】
好ましくは、ステップ(iv)における反応温度は、室温以上、反応溶剤の沸点以下、たとえば25℃、30℃、35℃、40℃、45℃、50℃、60℃、70℃、75℃、80℃、85℃、90℃などであるか、または溶剤の沸点であって還流状態で反応が行われる。
【0060】
好ましくは、ステップ(iv)における反応時間は、0.5~48時間、たとえば0.5時間、1時間、3時間、5時間、8時間、10時間、12時間、15時間、18時間、20時間、23時間、25時間、28時間、30時間、33時間、35時間、38時間、40時間、44時間または48時間である。他の側面として、本願は、上述した式Iで表される3-N-シクロプロピルメチル-2-フルオロベンズアミド系化合物の、式Aで表されるm-ジアミド系化合物の調製における使用を提供する。
【化12】
(Qは、
【化13】
から選ばれ、ただし、
【化14】
は、基の結合箇所を表し、
Yは、C~Cハロゲン化アルキル基またはC~Cハロゲン化アルコキシ基から選ばれ、
、Z、Z、ZおよびZは、同一または異なり、それぞれ独立して水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、シアノ基、ニトロ基、置換または非置換の3~10員ヘテロ環基、C~Cアルキル基、C~Cハロゲン化アルキル基、C~Cアルコキシ基、C~Cハロゲン化アルコキシ基、C~Cアルキルスルフィニル基、C~Cハロゲン化アルキルスルフィニル基、C~Cアルキルスルホニル基またはC~Cハロゲン化アルキルスルホニル基から選ばれる1種または少なくとも2種の組合せであり、
は、水素、C~Cアルキル基、C~Cハロゲン化アルキル基、C~Cシクロアルキル基またはC~Cハロゲン化シクロアルキル基から選ばれ、
は、水素またはハロゲンから選ばれ、
W、W’は、それぞれ独立して酸素原子または硫黄原子から選ばれる。)
【0061】
好ましくは、式Aで表されるm-ジアミド系化合物を調製する方法は、
(1)式IIで表される化合物と式Bで表される化合物を反応させて式Iで表される化合物を得るステップと、
【化15】
(2)式Iで表される化合物と臭化試薬と反応させて式Aで表されるm-ジアミド系化合物を得るステップと、を含む。
【化16】
【0062】
ただし、Y、R、R、W、W’、Qの限定は、上述したものと同様であるため、ここでは繰り返し説明しない。
【0063】
好ましくは、前記式IIで表される3-N-シクロプロピルメチル-2-フルオロベンズアミド系化合物と式Bで表される化合物のモル比は、0.5~2:1、たとえば0.5:1、0.8:1、1:1、1.2:1、1.4:1、1.6:1、1.8:1または2:1である。
【0064】
本願において、ステップ(1)における反応は、アルカリ性物質の存在下で行われ、前記アルカリ性物質は有機塩基および/または無機塩基である。
【0065】
好ましくは、前記有機塩基は、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、N,N-ジメチルアニリン、ピリジン、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、重炭酸カリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエチラート、tert-ブトキシドナトリウムまたはtert-ブトキシドカリウムのうちのいずれか1種または少なくとも2種の組合せである。
【0066】
好ましくは、前記無機塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたは水素化ナトリウムのうちのいずれか1種または少なくとも2種の組合せである。
【0067】
好ましくは、ステップ(1)における反応溶剤は、ジクロロメタン、クロロホルム、トルエン、酢酸エチル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドまたはヘキサメチルリン酸トリアミドから選ばれるいずれか1種または少なくとも2種の組合せである。
【0068】
好ましくは、ステップ(1)における反応温度は、前記反応温度は、0℃以上、反応溶剤の沸点以下、たとえば25℃、30℃、35℃、40℃、45℃、50℃、60℃、70℃、75℃、80℃、85℃、90℃などであるか、または溶剤の沸点であって還流状態で反応が行われる。
【0069】
好ましくは、ステップ(1)における反応時間は、前記反応時間は、5分間~48時間、たとえば5分間、10分間、20分間、30分間、1時間、3時間、5時間、8時間、10時間、12時間、15時間、18時間、20時間、23時間、25時間、28時間、30時間、33時間、35時間、38時間、40時間、44時間または48時間である。
【0070】
好ましくは、ステップ(2)におけるハロゲン化試薬は、N-ブロモスクシンイミドである。
【0071】
好ましくは、ステップ(2)における反応溶剤は、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジクロロメタン、トリクロロメタン、四塩化炭素または酢酸エチルである。
【0072】
好ましくは、ステップ(2)における反応温度は、0℃以上、反応溶剤の沸点以下、たとえば25℃、30℃、35℃、40℃、45℃、50℃、60℃、70℃、75℃、80℃、85℃、90℃などであるか、または溶剤の沸点であって還流状態で反応が行われる。
【0073】
好ましくは、ステップ(2)における反応時間は、前記反応時間は、5分間~48時間であり、たとえば5分間、10分間、20分間、30分間、1時間、3時間、5時間、8時間、10時間、12時間、15時間、18時間、20時間、23時間、25時間、28時間、30時間、33時間、35時間、38時間、40時間、44時間または48時間である。
【発明の効果】
【0074】
従来技術に対して、本願は、以下の有益な効果を有する。
【0075】
本願は、殺虫剤の調製における中間体として3-N-シクロプロピルメチル-2-フルオロベンズアミド系化合物を提供する。この化合物は、合成しやすく、合成コストが低く、収率が高い。3位N-シクロプロピルメチル誘導体で置換されたm-ジアミド系化合物である殺虫剤を調製するために用いられる場合、従来合成経路における-70℃の低温、無水・無酸素、または有機塩基の大量の利用などの産業化に適しない中間体を回避することができ、条件がより穏和であり、反応リスクを低下させ、さらに環境保護に優しく、収率が高い。
【発明を実施するための形態】
【0076】
以下、具体的な実施例によって、本願の技術態様をさらに説明する。当業者は、前記実施例が本願を理解するためのものに過ぎず、本願を具体的に制限するものと見なすべきではないということを理解すべきである。
【0077】
合成の実施例1
【0078】
3-[N-シクロプロピルメチル)]-2-フルオロ-N-[2-トリフルオロメチル-4-(1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン-2-イル)フェニル]ベンズアミド(化合物の番号2.1)の調製。調製方法は、以下の通りである。
【0079】
(1)N-[2-トリフルオロメチル-4-(1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン-2-イル)-フェニル]-2-フルオロ-3-ニトロベンズアミドの合成
【化17】
反応フラスコに、2-フルオロ-3-ニトロ安息香酸(5.9g、31.9mmol)、トルエン(60mL)、塩化チオニル(7.6g、63.8mmol)を順に添加した。還流条件下で2h撹拌しながら反応させた。減圧下で濃縮させて、2-フルオロ-3-ニトロベンゾイルクロリドを得た。2-トリフルオロメチル-4-(1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン-2-イル)アニリン(10.0g、30.4mmol)を2-フルオロ-3-ニトロベンゾイルクロリドに添加し、10mLのトルエンを添加し、120℃まで昇温して反応させた。8時間後、反応溶液を室温まで冷却させた。酢酸エチル100mL、および水100mLを添加し、液体を分離し抽出し、有機層を取った。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下で濃縮させた。クロマトグラフィーカラムで残留物を精製して(溶離液は、石油エーテル:酢酸エチル=9:1である)、目的生成物(14.1g、黄色固体、収率93.4%)を得た。
【0080】
H NMR(400MHz、DMSO-d)データ(δ[ppm]):10.74(s、1H)、8.35(t、J=8.5Hz、1H)、8.20-8.03(m、3H)、7.96(s、1H)、7.62(t、J=8.0Hz、1H).
【0081】
(2)3-アミノ-N-[2-トリフルオロメチル-4-(1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン-2-イル)フェニル]-2-フルオロベンズアミドの合成
【化18】
N-[2-トリフルオロメチル-4-(1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン-2-イル)フェニル]-2-フルオロ-3-ニトロベンズアミド(5.0g、10.1mmol)をエタノール(50mL)に溶解させた。順に濃塩酸(1.0mL)および二水和塩化スズ(II)(9.1g、40.3mmol)を添加し、2h加熱還流反応した。減圧下で反応溶液を乾燥まで蒸した。10%の水酸化ナトリウム水溶液で溶液のpH値を12に調節し、酢酸エチル(50mL)で抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下で濃縮させた。クロマトグラフィーカラムで残留物を精製して(溶離液は、石油エーテル:酢酸エチル=5:1である)、黄色固体4.3gを得た、収率は91.5%である。
【0082】
H NMR(400MHz、DMSO-d)データ(δ[ppm]):10.14(s、1H)、8.16-8.03(m、2H)、7.93(s、1H)、7.07-6.92(m、2H)、6.86(t、J=5.8Hz、1H)、5.43(s、2H).
【0083】
(3)3-(シクロプロピルメチルアミノ)-2-フルオロ-N-[2-トリフルオロメチル-4-(1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン-2-イル)フェニル]ベンズアミドの合成
【化19】
3-アミノ-N-[2-トリフルオロメチル-4-(1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン-2-イル)-フェニル]-2-フルオロベンズアミド(4.0g、8.6mmol)をN、N-ジメチルホルムアミド(20mL)に溶解させた。順に、ブロモメチルシクロプロパン(1.7g、12.9mmol)および炭酸カリウム(2.4g、17.2mmol)を添加し、120℃まで昇温して反応させた。薄層クロマトグラフィーで反応が進行しなくなることを検出した場合、反応を終了させた。酢酸エチル100mL、および水100mLを添加し、液体を分離し抽出し、有機層を取った。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下で濃縮させた。クロマトグラフィーカラムで残留物を精製して(溶離液は、石油エーテル:酢酸エチル=9:1である)、目的生成物(2.2g、黄色固体、収率49.2%)を得た。
【0084】
H NMR(400MHz、DMSO-d)データ(δ[ppm]):10.18(s、1H)、8.12-8.07(m、1H)、8.04(d、J=8.7Hz、1H)、7.92(s、1H)、7.10(t、J=7.9Hz、1H)、6.94(t、J=8.2Hz、1H)、6.90-6.82(m、1H)、5.82-5.72(m、1H)、3.03(t、J=6.2Hz、2H)、1.12-1.08(m、1H)、0.50-0.42(m、2H)、0.24(q、J=4.4Hz、2H).
【0085】
合成の実施例2
【0086】
3-[N-シクロプロピルメチル)]-2-フルオロ-N-[2-ジフルオロメトキシ-4-(1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン-2-イル)フェニル]ベンズアミド(化合物の番号2.21)の調製。調製方法は、以下の通りである。
【0087】
(1)N-[2-ジフルオロメトキシ-4-(1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン-2-イル)-フェニル]-2-フルオロ-3-ニトロベンズアミドの合成
【化20】
反応フラスコに、順に2-フルオロ-3-ニトロ安息香酸(0.94g、5.1mmol)、トルエン(10mL)、塩化チオニル(1.2g、10.2mmol)を添加し、還流条件下で2h撹拌しながら反応させた。減圧下で濃縮させて、2-フルオロ-3-ニトロベンゾイルクロリドを得た。2-ジフルオロメトキシ-4-(1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン-2-イル)アニリン(2.0g、4.9mmol)を2-フルオロ-3-ニトロベンゾイルクロリドに添加し、5mLのトルエンを添加し、120℃まで昇温して反応させた。8時間後、反応溶液を室温まで冷却させた。酢酸エチル30mL、および水30mLを添加し、液体を分離し抽出し、有機層を取った。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下で濃縮させた。クロマトグラフィーカラムで残留物を精製して(溶離液は、石油エーテル:酢酸エチル=10:1である)、目的生成物(2.3g、黄色固体、収率95.0%)を得た。
【0088】
H NMR(400MHz、DMSO-d)データ(δ[ppm]):10.62(s、1H)、8.42-8.30(m、2H)、8.13-8.04(m、1H)、7.71-7.53(m、3H)、7.35(t、J=72.7Hz、1H).
【0089】
(2)3-アミノ-N-[2-ジフルオロメトキシ-4-(1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン-2-イル)フェニル]-2-フルオロベンズアミドの合成
【化21】
N-[2-ジフルオロメトキシ-4-(1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン-2-イル)フェニル]-2-フルオロ-3-ニトロベンズアミド(1.6g、3.0mmol)をエタノール20mLおよび水5mLの混合溶液に溶解させた。順に、亜鉛粉(0.98g、15.0mmol)および塩化アンモニウム(0.8g、15.0mmol)を添加し、5h加熱還流反応した。減圧下で反応溶液を乾燥まで蒸した。10%の炭酸ナトリウム水溶液で溶液のpH値を9~10に調節した。酢酸エチル(50mL)で抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下で濃縮させた。クロマトグラフィーカラムで残留物を精製して(溶離液は、石油エーテル:酢酸エチル=5:1である)、黄色固体1.31gを得た、収率は94.2%である。
【0090】
H NMR(400MHz、DMSO-d)データ(δ[ppm]):9.97(d、J=5.2Hz、1H)、8.39(d、J=8.8Hz、1H)、7.64(dd、J=8.8、2.0Hz、1H)、7.51(d、J=2.0Hz、1H)、7.62(t、J=72.8Hz、1H)、5.45(s、2H).
【0091】
(3)3-(シクロプロピルメチルアミノ)-2-フルオロ-N-[2-ジフルオロメトキシ-4-(1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン-2-イル)フェニル]ベンズアミドの合成
【化22】
3-アミノ-N-[2-ジフルオロメトキシ-4-(1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン-2-イル)-フェニル]-2-フルオロベンズアミド(4.7g、10.0mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(20mL)に溶解させた。順に、ブロモメチルシクロプロパン(1.62g、12.0mmol)および炭酸カリウム(1.7g、12.0mmol)を添加し、120℃まで昇温して反応させた。薄層クロマトグラフィーで反応が進行しなくなることを検出した場合、反応を終了させた。酢酸エチル100mL、および水100mLを添加し、液体を分離し抽出し、有機層を取った。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下で濃縮させた。クロマトグラフィーカラムで残留物を精製して(溶離液は、石油エーテル:酢酸エチル=10:1である)、目的生成物(2.7g、黄色固体、収率51.9%)を得た。
【0092】
H NMR(400MHz、DMSO-d)データ(δ[ppm]):9.76(d、J=4.8Hz、1H)、8.13(d、J=8.7Hz、1H)、7.40-7.37(m、1H)、7.28-7.21(m、1H)、7.06(5、J=72.0、1H)、6.85(t、J=8.0Hz、1H)、6.73-6.60M、2H)、5.55-5.42(m、1H)、2.82-2.73(m、2H)、0.72-0.65(m、1H)、0.28-0.18(m、2H)、0.05-0.01(m、2H)。
【0093】
合成の実施例3
【0094】
殺虫活性を有する化合物N-[2-ブロモ-4-(1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン-2-イル)-6-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-[N-(シクロプロピルメチル)-4-フルオロベンズアミド]-2-フルオロベンズアミド(CN109497062Aで開示されている化合物の番号62)の調製
【0095】
(1)N-[2-トリフルオロメチル-4-(1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン-2-イル)-フェニル]-3-[N-(シクロプロピルメチル)-4-フルオロベンズアミド]-2-フルオロベンズアミド
【化23】
反応フラスコに、順に3-(シクロプロピルメチルアミノ)-2-フルオロ-N-[2-トリフルオロメチル-4-(1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン-2-イル)フェニル]ベンズアミド(0.30g、0.58mmol)、テトラヒドロフラン(5mL)、ピリジン(69mg、0.86mmol)およびp-フルオロベンゾイルクロリド(0.11g、0.69mmol)を添加し、80℃まで昇温して反応させた。4時間後、反応溶液を室温まで冷却させた。2MのHCl水溶液で反応溶液のpH値を6に調節した。酢酸エチル100mL、および水100mLを添加し、液体を分離し抽出し、有機層を取った。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下で濃縮させた。クロマトグラフィーカラムで残留物を精製して(溶離液は、石油エーテル:酢酸エチル=6:1である)、目的生成物(0.33g、白色固体、収率89.2%)を得た。
【0096】
H NMR(400MHz、DMSO-d)データ(δ[ppm]):10.21(s、1H)、8.09(d、J=8.0Hz、1H)、7.99(d、J=8.0Hz、1H)、7.92(s、1H)、7.61-7.59(m、2H)、7.36-7.22(m、6H)、3.68(d、J=52.0Hz、2H)、1.02(brs、1H)、0.40(d、J=8.0Hz、2H)、0.08(brs、2H)。
【0097】
(2)N-[2-ブロモ-4-(1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン-2-イル)-6-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-[N-(シクロプロピルメチル)-4-フルオロベンズアミド]-2-フルオロベンズアミド
【化24】
N-[2-トリフルオロメチル-4-(1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン-2-イル)-フェニル]-3-[N-(シクロプロピルメチル)-4-フルオロベンズアミド]-2-フルオロベンズアミド(0.15g、0.23mmol)のN、N-ジメチルホルムアミド(4mL)に、N-ブロモスクシンイミド(45mg、0.26mmol)を添加し、室温で撹拌しながら反応させた。4時間後、反応を終了させた。酢酸エチル20mL、および水20mLを添加し、液体を分離し抽出し、有機層を取った。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下で濃縮させた。クロマトグラフィーカラムで残留物を精製して(溶離液は、石油エーテル:酢酸エチル=5:1である)、目的生成物(0.16g、白色固体、収率94.1%)を得た。
【0098】
H NMR(400MHz、DMSO-d)データ(δ[ppm]):10.56(s、1H)、8.41(s、1H)、7.95(s、1H)、7.70-7.56(m、2H)、7.38-7.32(m、3H)、7.09(brs、2H)、3.69(brs、2H)、1.03-1.01(m、1H)、0.41-0.39(m、2H)、0.08-0.06(m、2H)。
【0099】
合成の実施例4
【0100】
殺虫活性を有する化合物N-[2-ブロモ-4-(1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン-2-イル)-6-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-[N-(シクロプロピルメチル)-ベンズアミド]-2-フルオロベンズアミド(CN109497062Aで開示されている化合物の番号4)の調製
【0101】
(1)N-[2-トリフルオロメチル-4-(1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン-2-イル)-フェニル]-3-[N-(シクロプロピルメチル)-ベンズアミド]-2-フルオロベンズアミド
【化25】
反応フラスコに、順に、3-(シクロプロピルメチルアミノ)-2-フルオロ-N-[2-トリフルオロメチル-4-(1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン-2-イル)フェニル]ベンズアミド(0.30g、0.58mmol)、テトラヒドロフラン(5mL)、ピリジン(69mg、0.86mmol)およびベンゾイルクロリド(97mg、0.69mmol)を添加し、80℃まで昇温して反応させた。4時間後、反応溶液を室温まで冷却させた。2MのHCl水溶液で反応溶液のpH値を6に調節した。酢酸エチル100mL、および水100mLを添加し、液体を分離し抽出し、有機層を取った。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下で濃縮させた。クロマトグラフィーカラムで残留物を精製して(溶離液は、石油エーテル:酢酸エチル=6:1である)、目的生成物(0.34g、白色固体、収率94.4%)を得た。
【0102】
H NMR(400MHz、DMSO-d)データ(δ[ppm]):10.21(s、1H)、8.09(d、J=8.0Hz、1H)、7.99(d、J=8.0Hz、1H)、7.92(s、1H)、7.61-7.59(m、2H)、7.36-7.22(m、6H)、3.68(d、J=52.0Hz、2H)、1.02(brs、1H)、0.40(d、J=8.0Hz、2H)、0.08(brs、2H).
【0103】
(2)N-[2-ブロモ-4-(1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン-2-イル)-6-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-[N-(シクロプロピルメチル)-ベンズアミド]-2-フルオロベンズアミド
【化26】
N-[2-トリフルオロメチル-4-(1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン-2-イル)-フェニル]-3-[N-(シクロプロピルメチル)-ベンズアミド]-2-フルオロベンズアミド(0.14g、0.22mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(4mL)に、N-ブロモスクシンイミド(44mg、0.25mmol)を添加し、室温で撹拌しながら反応させた。4時間後、反応を終了させた。酢酸エチル20mL、および水20mLを添加し、液体を分離し抽出し、有機層を取った。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下で濃縮させた。クロマトグラフィーカラムで残留物を精製して(溶離液は、石油エーテル:酢酸エチル=5:1である)、目的生成物(0.14g、白色固体、収率90.3%)を得た。
【0104】
H NMR(400MHz、CDCl-d)データ(δ[ppm]):8.15(d、J=2.1Hz、1H)、8.03(brs、2H)、7.92(d、J=2.1Hz、1H)、7.55(brs、1H)、7.35-7.21(m、5H)、3.84(d、J=93.6Hz、2H)、1.14(brs、1H)、0.59-0.40(m、2H)、0.20(d、J=42.2Hz、2H)。
【0105】
合成の実施例5
【0106】
殺虫活性を有する化合物N-[2-ブロモ-4-(1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン-2-イル)-6-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-[N-(シクロプロピルメチル)-4-クロロベンズアミド]-2-フルオロベンズアミド(CN109497062Aで開示されている化合物の番号41)の調製
【0107】
(1)N-[2-トリフルオロメチル-4-(1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン-2-イル)-フェニル]-3-[N-(シクロプロピルメチル)-4-クロロベンズアミド]-2-フルオロベンズアミド
【化27】
反応フラスコに、順に3-(シクロプロピルメチルアミノ)-2-フルオロ-N-[2-トリフルオロメチル-4-(1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン-2-イル)フェニル]ベンズアミド(0.30g、0.58mmol)、テトラヒドロフラン(5mL)、ピリジン(69mg、0.86mmol)および4-クロロベンゾイルクロリド(120mg、0.69mmol)を添加し、80℃まで昇温して反応させた。4時間後、反応溶液を室温まで冷却させた。2MのHCl水溶液で反応溶液のpH値を6に調節した。酢酸エチル100mL、および水100mLを添加し、液体を分離し抽出し、有機層を取った。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下で濃縮させた。クロマトグラフィーカラムで残留物を精製して(溶離液は、石油エーテル:酢酸エチル=6:1である)、目的生成物(0.36g、白色固体、収率94.2%)を得た。
【0108】
H NMR(400MHz、DMSO-d)データ(δ[ppm]):10.21(s、1H)、8.10(dd、J=8.6、2.1Hz、1H)、7.99(d、J=8.6Hz、1H)、7.92(t、J=2.3Hz、1H)、7.67-762(m、2H)、7.34-7.30(m、5H)、3.69(d、J=23.9Hz、2H)、1.02(brs、1H)、0.40(d、J=8.0Hz、2H)、0.09(brs、2H).
【0109】
(2)N-[2-ブロモ-4-(1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン-2-イル)-6-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-[N-(シクロプロピルメチル)-4-クロロベンズアミド]-2-フルオロベンズアミド
【化28】
N-[2-トリフルオロメチル-4-(1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン-2-イル)-フェニル]-3-[N-(シクロプロピルメチル)-4-クロロベンズアミド]-2-フルオロベンズアミド(0.17g、0.26mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(4mL)に、N-ブロモスクシンイミド(50mg、0.28mmol)を添加し、室温で撹拌しながら反応させた。4時間後、反応を終了させた。酢酸エチル20mL、および水20mLを添加し、液体を分離し抽出し、有機層を取った。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下で濃縮させた。クロマトグラフィーカラムで残留物を精製して(溶離液は、石油エーテル:酢酸エチル=5:1である)、目的生成物(0.18g、白色固体、収率93.7%)を得た。
【0110】
H NMR(400MHz、DMSO-d)データ(δ[ppm]):8.18-7.84(m、4H)、7.53(t、J=7.7Hz、1H)、7.37-7.07(m、4H)、3.81(d、J=85.0Hz、2H)、1.11(brs、1H)、0.49(brs、2H)、0.17(d、J=32.1Hz、2H)。
【0111】
合成の実施例6
【0112】
殺虫活性を有する化合物N-[2-ブロモ-4-(1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン-2-イル)-6-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-[N-(シクロプロピルメチル)-4-ブロモベンズアミド]-2-フルオロベンズアミドの調製
【0113】
(1)N-[2-トリフルオロメチル-4-(1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン-2-イル)-フェニル]-3-[N-(シクロプロピルメチル)-4-ブロモベンズアミド]-2-フルオロベンズアミド
【化29】
【0114】
反応フラスコに、順に3-(シクロプロピルメチルアミノ)-2-フルオロ-N-[2-トリフルオロメチル-4-(1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン-2-イル)フェニル]ベンズアミド(0.30g、0.58mmol)、テトラヒドロフラン(5mL)、ピリジン(69mg、0.86mmol)および4-ブロモベンゾイルクロリド(152mg、0.69mmol)を添加し、80℃まで昇温して反応させた。4時間後、反応溶液を室温まで冷却させた。2MのHCl水溶液で反応溶液のpH値を6に調節した。酢酸エチル100mL、および水100mLを添加し、液体を分離し抽出し、有機層を取った。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下で濃縮させた。クロマトグラフィーカラムで残留物を精製して(溶離液は、石油エーテル:酢酸エチル=6:1である)、目的生成物(0.13g、白色固体、収率32.06%)を得た。
【0115】
H NMR(400MHz、DMSO-d)データ(δ[ppm]):10.23(s、1H)、8.11(d、J=8.7Hz、1H)、8.00(d、J=8.6Hz、1H)、7.93(s、1H)、7.70-7.61(m、2H)、7.46(s、2H)、7.31(dd、J=19.3、11.8Hz、3H)、3.69(d、J=15.9Hz、2H)、1.02(brs、1H)、0.41(d、J=7.8Hz、2H)、0.10(s、2H).
【0116】
(2)N-[2-ブロモ-4-(1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン-2-イル)-6-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-[N-(シクロプロピルメチル)-4-ブロモベンズアミド]-2-フルオロベンズアミド
【化30】
N-[2-トリフルオロメチル-4-(1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン-2-イル)-フェニル]-3-[N-(シクロプロピルメチル)-4-ブロモベンズアミド]-2-フルオロベンズアミド(0.13g、0.18mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(4mL)に、N-ブロモスクシンイミド(36mg、0.20mmol)を添加し、室温で撹拌しながら反応させた。4時間後、反応を終了させた。酢酸エチル20mL、および水20mLを添加し、液体を分離し抽出し、有機層を取った。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下で濃縮させた。クロマトグラフィーカラムで残留物を精製して(溶離液は、石油エーテル:酢酸エチル=5:1である)、目的生成物(56mg、白色固体、収率38.73%)。
【0117】
H NMR(400MHz、CDCl-d)データ(δ[ppm]):400MHz、CDCl-d、δ[ppm]:8.13(d、J=2.0Hz、1H)、8.05(t、J=7.6Hz、1H)、7.90(s、1H)、7.54(t、J=7.8Hz、1H)、7.32(d、J=9.7Hz、2H)、7.21(t、J=6.7Hz、3H)、3.81(d、J=87.9Hz、2H)、1.10(brs、1H)、0.50(brs、2H)、0.18(d、J=35.8Hz、2H)。
【0118】
合成の実施例7
【0119】
殺虫活性を有する化合物N-[2-ブロモ-4-(1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン-2-イル)-6-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-[N-(シクロプロピルメチル)-4-トリフルオロメチルベンズアミド]-2-フルオロベンズアミド(CN109497062Aで開示されている化合物の番号37)の調製
【0120】
(1)N-[2-トリフルオロメチル-4-(1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン-2-イル)-フェニル]-3-[N-(シクロプロピルメチル)-4-トリフルオロメチルベンズアミド]-2-フルオロベンズアミド
【化31】
反応フラスコに、順に3-(シクロプロピルメチルアミノ)-2-フルオロ-N-[2-トリフルオロメチル-4-(1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン-2-イル)フェニル]ベンズアミド(0.30g、0.58mmol)、テトラヒドロフラン(5mL)、ピリジン(69mg、0.86mmol)および4-トリフルオロメチルベンゾイルクロリド(144mg、0.69mmol)を添加し、80℃まで昇温して反応させた。4時間後、反応溶液を室温まで冷却させた。2MのHCl水溶液で反応溶液のpH値を6に調節した。酢酸エチル100mL、および水100mLを添加し、液体を分離し抽出し、有機層を取った。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下で濃縮させた。クロマトグラフィーカラムで残留物を精製して(溶離液は、石油エーテル:酢酸エチル=6:1である)、目的生成物(0.38g、無色液体、収率95.0%)を得た。
【0121】
H NMR(400MHz、DMSO-d)データ(δ[ppm]):10.16(s、1H)、8.12(dd、J=16.7、8.3Hz、1H)、7.98(d、J=8.6Hz、1H)、7.94-7.86(m、2H)、7.73-7.46(m、5H)、7.33(s、1H)、3.75(brs、2H)、1.04(brs、1H)、0.42(d、J=7.2Hz、2H)、0.13(s、2H)。
【0122】
(2)N-[2-ブロモ-4-(1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン-2-イル)-6-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-[N-(シクロプロピルメチル)-4-トリフルオロメチルベンズアミド]-2-フルオロベンズアミド
【化32】
N-[2-トリフルオロメチル-4-(1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン-2-イル)-フェニル]-3-[N-(シクロプロピルメチル)-4-トリフルオロメチルベンズアミド]-2-フルオロベンズアミド(0.14g、0.20mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(4mL)に、N-ブロモスクシンイミド(39mg、0.22mmol)を添加し、室温で撹拌しながら反応させた。4時間後、反応を終了させた。酢酸エチル20mL、および水20mLを添加し、液体を分離し抽出し、有機層を取った。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下で濃縮させた。クロマトグラフィーカラムで残留物を精製して(溶離液は、石油エーテル:酢酸エチル=5:1である)、目的生成物(140mg、白色固体、収率90.9%)を得た。
【0123】
H NMR(400MHz、CDCl-d)データ(δ[ppm]):8.21-7.79(m、4H)、7.66-7.28(m、5H)、3.85(d、J=104.7Hz、2H)、1.12(brs、1H)、0.51(brs、2H)、0.20(d、J=42.7Hz、1H)。
【0124】
合成の実施例8
【0125】
殺虫活性を有する化合物N-[2-ブロモ-4-(1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン-2-イル)-6-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-[N-(シクロプロピルメチル)-4-シアノベンズアミド]-2-フルオロベンズアミド(CN109497062Aで開示されている化合物の番号32)の調製
【0126】
(1)N-[2-トリフルオロメチル-4-(1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン-2-イル)-フェニル]-3-[N-(シクロプロピルメチル)-4-シアノベンズアミド]-2-フルオロベンズアミド
【化33】
反応フラスコに、順に3-(シクロプロピルメチルアミノ)-2-フルオロ-N-[2-トリフルオロメチル-4-(1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン-2-イル)フェニル]ベンズアミド(0.30g、0.58mmol)、テトラヒドロフラン(5mL)、ピリジン(69mg、0.86mmol)および4-シアノベンゾイルクロリド(114mg、0.69mmol)を添加し、80℃まで昇温して反応させた。4時間後、反応溶液を室温まで冷却させた。2MのHCl水溶液で反応溶液のpH値を6に調節した。酢酸エチル100mL、および水100mLを添加し、液体を分離し抽出し、有機層を取った。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下で濃縮させた。クロマトグラフィーカラムで残留物を精製して(溶離液は、石油エーテル:酢酸エチル=6:1である)、目的生成物(0.35g、白色固体、収率92.8%)を得た。
【0127】
H NMR(400MHz、DMSO-d)データ(δ[ppm]):10.20(s、1H)、8.13-8.07(m、1H)、8.02-7.92(m、2H)、7.80-7.57(m、4H)、7.52-7.44(m、2H)、7.34-7.29(m、1H)、3.73(s、2H)、1.03(brs、1H)、0.42(d、J=7.1Hz、2H)、0.12(brs、2H)。
【0128】
(2)N-[2-ブロモ-4-(1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン-2-イル)-6-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-[N-(シクロプロピルメチル)-4-シアノベンズアミド]-2-フルオロベンズアミド
【化34】
N-[2-トリフルオロメチル-4-(1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン-2-イル)-フェニル]-3-[N-(シクロプロピルメチル)-4-シアノベンズアミド]-2-フルオロベンズアミド(0.16g、0.25mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(4mL)に、N-ブロモスクシンイミド(48mg、0.27mmol)を添加し、室温で撹拌しながら反応させた。4時間後、反応を終了させた。酢酸エチル20mL、および水20mLを添加し、液体を分離し抽出し、有機層を取った。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下で濃縮させた。クロマトグラフィーカラムで残留物を精製して(溶離液は、石油エーテル:酢酸エチル=5:1である)、目的生成物(170mg、白色固体、収率93.4%)を得た。
【0129】
H NMR(400MHz、CDCl-d)データ(δ[ppm]):8.14(d、J=2.0Hz、1H)、8.12-7.94(m、2H)、7.91(t、J=1.4Hz、1H)、7.58-7.39(m、4H)、7.32(t、J=7.9Hz、1H)、3.81(dd、J=76.0、18.8Hz、2H)、1.11(brs、1H)、0.5(brs、2H)、0.20(d、J=36.7Hz、2H)。
【0130】
合成の実施例9
【0131】
殺虫活性を有する化合物N-[2-ブロモ-4-(1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン-2-イル)-6-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-3-[N-(シクロプロピルメチル)-4-フルオロベンズアミド]-2-フルオロベンズアミドの調製
【0132】
(1)N-[2-ジフルオロメトキシル-4-(1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン-2-イル)-フェニル]-3-[N-(シクロプロピルメチル)-4-フルオロベンズアミド]-2-フルオロベンズアミド
【化35】
反応フラスコに、順に3-(シクロプロピルメチルアミノ)-2-フルオロ-N-[2-ジフルオロメトキシ-4-(1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン-2-イル)フェニル]ベンズアミド(0.52g、1.0mmol)、テトラヒドロフラン(5mL)、ピリジン(0.12g、1.5mmol)およびp-フルオロベンゾイルクロリド(0.18mg、1.1mmol)を添加し、80℃まで昇温して反応させた。2時間後、反応溶液を室温まで冷却させた。2MのHCl水溶液で反応溶液のpH値を6に調節した。酢酸エチル100mL、および水100mLを添加し、液体を分離し抽出し、有機層を取った。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下で濃縮させた。クロマトグラフィーカラムで残留物を精製して(溶離液は、石油エーテル:酢酸エチル=6:1である)、目的生成物(0.58g、白色固体、収率90.5%)を得た。
【0133】
H NMR(400MHz、DMSO-d6)データ(δ[ppm]):9.88(s、1H)、8.17(d、J=8.7Hz、1H)、7.61-7.40(m、4H)、7.36-6.88(m、6H)、3.72-3.43(m、2H)、0.99-0.87(m、1H)、0.42-0.24(m、2H)、0.002(s、2H)。
【0134】
(2)N-[2-ブロモ-4-(1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン-2-イル)-6-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-3-[N-(シクロプロピルメチル)-4-フルオロベンズアミド]-2-フルオロベンズアミド
【化36】
N-[2-ジフルオロメトキシ-4-(1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン-2-イル)-フェニル]-3-[N-(シクロプロピルメチル)-4-フルオロベンズアミド]-2-フルオロベンズアミド(0.65g、1.0mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(10mL)に、N-ブロモスクシンイミド(196mg、1.1mmol)を添加し、室温で撹拌しながら反応させた。5時間後、反応を終了させた。酢酸エチル30mL、および水30mLを添加し、液体を分離し抽出し、有機層を取った。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下で濃縮させた。クロマトグラフィーカラムで残留物を精製して(溶離液は、石油エーテル:酢酸エチル=5:1である)、目的生成物(0.67g、白色固体、収率93.1%)を得た。
【0135】
H NMR(400MHz、DMSO-d6)データ(δ[ppm]):10.32(s、1H)、7.90(s、1H)、7.67-7.51(m、4H)、7.38-7.33(m、3H)、7.15-7.09(m、2H)、3.70(d、J=20.0Hz、2H)、1.06-1.01(m、1H)、0.41(d、J=8.0Hz、2H)、0.09(brs、2H)。
【0136】
合成の実施例10
【0137】
殺虫活性を有する化合物N-[2-ブロモ-4-(1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン-2-イル)-6-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-[N-(シクロプロピルメチル)-6-フルオロピリジン-3-アミド]-2-フルオロベンズアミドの調製
【化37】
N-[2-トリフルオロメチル-4-(1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン-2-イル)-フェニル]-3-[N-(シクロプロピルメチル)-4-フルオロベンズアミド]-2-フルオロベンズアミド(0.65g、1.0mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(10mL)に、N-ブロモスクシンイミド(196mg、1.1mmol)を添加し、室温で撹拌しながら反応させた。5時間後、反応を終了させた。酢酸エチル30mL、および水30mLを添加し、液体を分離し抽出し、有機層を取った。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下で濃縮させた。クロマトグラフィーカラムで残留物を精製して(溶離液は、石油エーテル:酢酸エチル=5:1である)、目的生成物(0.65g、白色固体、収率90.0%)を得た。
【0138】
H NMR(400MHz、DMSO-d6)データ(δ[ppm]):10.62(s、1H)、8.42(s、1H)、8.15(s、1H)、7.95(s、2H)、7.78(t、J=7.1Hz、1H)、7.62(s、1H)、7.39(t、J=7.8Hz、1H)、7.12(s、1H)、3.74(d、J=45.7Hz、2H)、1.03(brs、1H)、0.42(d、J=6.4Hz、2H)、0.11(d、J=27.7Hz、2H)。
【0139】
本願は上記実施例によって本願に係る3-N-シクロプロピルメチル-2-フルオロベンズアミド系化合物およびその調製方法と使用を説明したが、本願は上記実施例に限定されるものではない、即ち、本願は上記実施例に依存して実施しなければならないものではないことを出願人は声明する。当業者にとって、本願に対する如何なる改良、本願の製品の各原料への等価置換及び補助成分の追加、具体的な実施形態の選択等はいずれも本願の保護範囲及び開示範囲に入ることは明瞭である