IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士機械製造株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-生産支援装置 図1
  • 特許-生産支援装置 図2
  • 特許-生産支援装置 図3
  • 特許-生産支援装置 図4
  • 特許-生産支援装置 図5
  • 特許-生産支援装置 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-24
(45)【発行日】2024-02-01
(54)【発明の名称】生産支援装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/02 20060101AFI20240125BHJP
【FI】
H05K13/02 Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022553400
(86)(22)【出願日】2020-10-02
(86)【国際出願番号】 JP2020037582
(87)【国際公開番号】W WO2022070410
(87)【国際公開日】2022-04-07
【審査請求日】2023-02-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000604
【氏名又は名称】弁理士法人 共立特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 敏也
【審査官】小川 悟史
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-197927(JP,A)
【文献】特開平09-260893(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の部品を保持した第一のキャリアテープの使用中に第二の前記キャリアテープを挿入部に挿入する挿入作業が可能であり、かつ第一の前記キャリアテープを使い切ったときに第二の前記キャリアテープを前記挿入部から供給部へ送る自動装填機能を有するオートローディングフィーダ、および、前記自動装填機能を有さないマニュアルローディングフィーダの併用が可能であって、前記部品を基板に装着して基板製品を生産する部品装着機に適用される生産支援装置であって、
複数の製品種の前記基板製品を生産した生産実績を記憶する記憶部と、
前記生産実績に基づいて、過去に生産した前記基板製品に使用された前記部品の使用数を部品種ごとに集計する集計部と、
今後に生産する前記基板製品を対象として、過去に生産した前記基板製品で前記使用数が多い前記部品種を前記オートローディングフィーダに優先的に割り当てる割り当て部と、
を備える生産支援装置。
【請求項2】
前記割り当て部は、前記部品種の種類数に対して使用可能な前記オートローディングフィーダの台数が不足する場合に限り、前記マニュアルローディングフィーダを併用する、請求項1に記載の生産支援装置。
【請求項3】
前記集計部は、直近の所定期間の前記生産実績に基づいて、前記部品の前記使用数を前記部品種ごとに集計する、請求項1または2に記載の生産支援装置。
【請求項4】
前記記憶部は、前記生産実績に加えて、今後に生産する前記基板製品の少なくとも一つ以上の前記製品種の生産計画を記憶し、
前記集計部は、前記生産計画に含まれる前記製品種を含んだ前記生産実績に基づいて、前記部品の前記使用数を前記部品種ごとに集計する、
請求項1または2に記載の生産支援装置。
【請求項5】
前記オートローディングフィーダおよび前記マニュアルローディングフィーダの各々に割り当てられた前記部品種の前記使用数に基づいて、前記オートローディングフィーダおよび前記マニュアルローディングフィーダを前記部品装着機に配列する配列位置を決定する配列決定部をさらに備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の生産支援装置。
【請求項6】
前記配列決定部は、今後に生産する前記基板製品の複数の前記製品種に対して前記オートローディングフィーダの前記配列位置を固定する、請求項5に記載の生産支援装置。
【請求項7】
前記マニュアルローディングフィーダは、
第一の前記キャリアテープを使い切る以前に、第一の前記キャリアテープと第二の前記キャリアテープを接続するスプライシング作業を必要とし、または、
第一の前記キャリアテープを使い切ったときに、第二の前記キャリアテープを前記挿入部に挿入する挿入作業に続いて、第二の前記キャリアテープを前記挿入部から前記供給部へ送る装填動作を実施する、
請求項1~6のいずれか一項に記載の生産支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、オートローディングフィーダおよびマニュアルローディングフィーダの併用が可能な部品装着機に適用される生産支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリント配線が施された基板に対基板作業を実施して、基板製品を量産する技術が普及している。対基板作業を実施する対基板作業機の代表例として、部品の装着作業を実施する部品装着機がある。多くの部品装着機は、キャリアテープを使用して部品を供給するオートローディングフィーダおよびマニュアルローディングフィーダの併用が可能となっている。オートローディングフィーダでは、現在使用しているキャリアテープの部品残数に関わらず、次のキャリアテープを挿入する部品補給作業が可能である。一方、マニュアルローディングフィーダでは、キャリアテープを使い切る少し前に、次のキャリアテープを接続するスプライシング作業により部品を補給する。上記した二種類のフィーダを併用する技術例が特許文献1に開示されている。
【0003】
特許文献1に開示された部品種割り振りの最適化装置は、部品種ごとに求めたスプライシング作業の実施頻度が大きい順番に優先度の順位付け行い、優先度の高い部品種から順番にオートローディングフィーダに割り振る(割り当てる)。これによれば、オートローディングフィーダを有効活用してスプライシング作業を軽減でき、さらに基板製品の生産効率の向上に寄与できる、とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2016/142989号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、複数のマニュアルローディングフィーダを用いる場合に、フィーダの各々でキャリアテープを使い切る時期が接近する場合がある。この場合、部品残数がある程度以下になってからでないとスプライシング作業を実施できないため、複数のスプライシング作業が重なり(スプライシングラッシュ)、部品切れによる生産中断を招くおそれが生じる。また、スプライシング作業を実施しない場合には、キャリアテープの挿入作業が頻繁になる。いずれの場合でも、オペレータに大きな負担がかかる。
【0006】
この対策として、特許文献1に例示されるように、オートローディングフィーダを併用することは、作業の平準化に有効である。また、オートローディングフィーダは、マニュアルローディングフィーダと比較して高価であり、かつ保有台数が限られるため、優先的に使用することによってコストパフォーマンスが高められる。しかしながら、特許文献1の技術では、次に生産する基板製品の製品種を考慮して、優先度の高い部品種をオートローディングフィーダに割り当てるが、必ずしも最適化されるとは限らない。
【0007】
例えば、次の製品種に対して使用数の多い部品種がオートローディングフィーダに割り当てられても、次の次以降の製品種に対して全く使用されず、いたずらにオートローディングフィーダが休止することがある。逆に、次の製品種に対して使用数の少ない部品種がマニュアルローディングフィーダに割り当てられたとき、次の次以降の製品種に対して使用数が多く、頻繁にスプライシング作業または挿入作業が必要となることがある。
【0008】
また、そもそも基板製品の生産計画が不明である場合も想定される。例えば、基板製品の製品種、生産枚数、納期等を一元的に管理して基板製品の生産順序や生産日程、使用する基板生産ライン等を計画する管理部署と、管理部署からの指示にしたがって基板生産ラインを運用する生産部署とが別部署となっている場合がある。この場合、部署ごとに情報管理システムが相違して、または情報のセキュリティー管理の制約から、あるいは手間が掛かることに起因して生産計画の共有が難しくなる。また、生産計画を共有できても、計画変更が発生したり、計画変更の連絡が遅れたりすることがあり得る。
【0009】
一方、基板生産ラインは、複数の製品種の基板製品を繰り返して生産する場合が多い。あるいは、複数の基板生産ラインの各々は、ラインごとの特性を有するので、特性に適合する類似した複数の基板種を受け持つ場合が多い。してみると、基板製品の今後の生産計画でなく、基板製品の過去の生産実績に基づいて、部品装着機で使用するオートローディングフィーダに部品種を適正に割り当てることが可能である。
【0010】
それゆえ、本明細書では、保有台数が限られたオートローディングフィーダに対して、基板に装着する部品の複数の部品種を適正に割り当てて、オートローディングフィーダの有効利用を可能とする生産支援装置を提供することを解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本明細書は、複数の部品を保持した第一のキャリアテープの使用中に第二の前記キャリアテープを挿入部に挿入する挿入作業が可能であり、かつ第一の前記キャリアテープを使い切ったときに第二の前記キャリアテープを前記挿入部から供給部へ送る自動装填機能を有するオートローディングフィーダ、および、前記自動装填機能を有さないマニュアルローディングフィーダの併用が可能であって、前記部品を基板に装着して基板製品を生産する部品装着機に適用される生産支援装置であって、複数の製品種の前記基板製品を生産した生産実績を記憶する記憶部と、前記生産実績に基づいて、生産に使用された前記部品の使用数を部品種ごとに集計する集計部と、今後の生産を対象として、前記使用数が多い前記部品種を前記オートローディングフィーダに優先的に割り当てる割り当て部と、を備える生産支援装置を開示する。
【発明の効果】
【0012】
本明細書で開示する生産支援装置では、複数の製品種の生産実績に基づいて、使用された部品の使用数を部品種ごとに集計し、今後の生産を対象として、使用数が多い部品種をオートローディングフィーダに優先的に割り当てる。ここで、基板生産ラインや部品装着機は、複数の製品種の基板製品を繰り返して生産し、あるいは、類似した複数の製品種を受け持つ場合が多い。このため、生産実績における部品の使用数と、今後の生産における部品の使用数との間に強い相関関係が生じる。したがって、保有台数が限られたオートローディングフィーダに対して、今後の使用数が多いと推定される部品種を優先的に割り当てることができ、オートローディングフィーダの有効利用を可能とすることができる。これにより、部品補給作業の実施時期に自由度が生じて作業が平準化され、作業性が良好となる。さらに、マニュアルローディングフィーダの使用が抑制されるため、スプライシングラッシュや部品切れが減少する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態の生産支援装置を適用する部品装着機の全体構成を簡略化して模式的に示す平面図である。
図2】オートローディングフィーダの構成例を示す側面図である。
図3】実施形態の生産支援装置の機能構成を示すブロック図である。
図4】生産支援装置の動作を説明する動作フローの図である。
図5】生産支援装置の動作によってオートローディングフィーダに割り当てられた部品種、ならびに、オートローディングフィーダおよびマニュアルローディングフィーダの配列位置を例示説明する一覧表の図である。
図6】応用例において、オートローディングフィーダに割り当てられた部品種、ならびに、オートローディングフィーダおよびマニュアルローディングフィーダの配列位置を例示説明する一覧表の図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
1.部品装着機1の構成
まず、実施形態の生産支援装置3を適用する部品装着機1の構成について、図1を参考にして説明する。図1の紙面右側から左側に向かう方向が基板Kを搬入出するX軸方向、紙面下側の後方から紙面上側の前方に向かう方向がY軸方向である。部品装着機1は、基板搬送装置12、着脱可能なマニュアルローディングフィーダ7およびオートローディングフィーダ9、部品移載装置14、部品カメラ15、および制御装置16などが基台19に組み付けられて構成される。部品装着機1は、複数の製品種の基板製品を生産する。マニュアルローディングフィーダ7およびオートローディングフィーダ9を併用できない部品装着機1や、長期間にわたり一つの製品種の基板製品のみを生産する部品装着機1に対して、生産支援装置3は適用されない。
【0015】
基板搬送装置12は、基板Kを装着実施位置に搬入し位置決めし搬出する。基板搬送装置12は、第1ガイドレール121および第2ガイドレール122、一対のコンベアベルト、およびクランプ装置などで構成される。第1ガイドレール121および第2ガイドレール122は、基台19の上面中央を横断して搬送方向(X軸方向)に延在し、かつ互いに平行して基台19に組み付けられる。第1ガイドレール121および第2ガイドレール122の向かい合う内側に、図略の無端環状の一対のコンベアベルトが並設される。一対のコンベアベルトは、コンベア搬送面に基板Kの両縁をそれぞれ戴置した状態で輪転して、基板Kを基台19の中央部に設定された装着実施位置に搬入および搬出する。装着実施位置の下方に、図略のクランプ装置が設けられる。クランプ装置は、基板Kを押し上げて水平姿勢でクランプし、装着実施位置に位置決めする。これにより、部品移載装置14が装着実施位置で装着動作を行えるようになる。
【0016】
マニュアルローディングフィーダ7およびオートローディングフィーダ9は、幅方向寸法が小さな扁平形状に形成される。マニュアルローディングフィーダ7およびオートローディングフィーダ9は、基台19に装備された共通パレット81上の配列位置(スロット位置)である第1スロットSL1~第9スロットSL9に配列される。マニュアルローディングフィーダ7およびオートローディングフィーダ9は、複数の部品を保持したキャリアテープ(85、86)(図2参照)を用いて部品を供給する。
【0017】
図1に示される例では、第4スロットSL4および第5スロットSL5にオートローディングフィーダ9が配列され、その他のスロット(SL1~SL3、SL6~SL9)にマニュアルローディングフィーダ7が配列されている。オートローディングフィーダ9の後方には、共通パレット81に着脱可能とされたリール保持装置82が配置される。一方、マニュアルローディングフィーダ7は、リール保持部が一体的に設けられてもよいし、別体のリール保持部が付属されてもよい。実際の部品装着機は、さらに多数のスロットを有して、さらに多数のフィーダ(7、9)が配列される。
【0018】
部品移載装置14は、マニュアルローディングフィーダ7およびオートローディングフィーダ9の供給部94(図2参照)から部品を吸着採取し、位置決めされた基板Kまで搬送して装着する。部品移載装置14は、X軸方向およびY軸方向に水平移動可能なXYロボットタイプの装置である。部品移載装置14は、一対のY軸レール141およびY軸レール142、Y軸スライダ143、X軸スライダ144、装着ヘッド145、および基板カメラ146などで構成される。Y軸レール141およびY軸レール142は、基台19の両方の側面寄りに配置されて、前後方向(Y軸方向)に延在する。Y軸レール141およびY軸レール142の上側に、Y軸スライダ143がY軸方向に移動可能に装架される。Y軸スライダ143は、図略のY軸ボールねじ機構により駆動される。
【0019】
X軸スライダ144は、Y軸スライダ143にX軸方向に移動可能に装架される。X軸スライダ144は、図略のX軸ボールねじ機構により駆動される。X軸スライダ144の後側に、装着ヘッド145が設けられる。装着ヘッド145は、1本の吸着ノズル、または複数本の吸着ノズルをもつノズルツールを下側に有する。基板カメラ146は装着ヘッド145と並んでX軸スライダ144に設けられる。基板カメラ146は、基板Kに付設されたフィデューシャルマークを撮像して、基板Kの正確な位置を検出する。
【0020】
部品カメラ15は、基板搬送装置12とフィーダ(7、9)との間の基台19の上面の幅方向の中央位置に、上向きに設けられる。部品カメラ15は、装着ヘッド145がフィーダ(7、9)から基板K上に移動する途中で、吸着ノズルに吸着されている部品の状態を撮像する。部品カメラ15の撮像データは画像処理され、部品の吸着姿勢の誤差や回転角のずれなどが検出される。制御装置16は、画像処理の結果に基づき、必要に応じて部品装着動作を微調整し、装着が困難な場合には当該の部品を廃棄する制御を行う。
【0021】
ここで、フィーダ(7、9)を配列する配列位置(スロット位置)に応じて、部品移載装置14の部品装着動作の動作効率が変化する。詳述すると、部品カメラ15に最も近い第5スロットSL5のフィーダ(7、9)から部品を吸着する場合に、装着ヘッド145の移動距離および移動時間が最も小さくなり、動作効率は最も高くなる。逆に、部品カメラ15から最も離れた第1スロットSL1や第9スロットSL9から部品を吸着する場合に、動作効率は最も低くなる。したがって、部品移載装置14の動作効率に関して、第5スロットSL5が最も有利であり、以下、第4スロットSL4および第6スロットSL6、第3スロットSL3および第7スロットSL7、第2スロットSL2および第8スロットSL8、第1スロットSL1および第9スロットSL9の順で不利になる。
【0022】
制御装置16は、基板Kに装着する部品の部品種、装着個数、装着位置、および装着順序、適合する吸着ノズルなどを指定した装着シーケンスデータを保持している。装着シーケンスデータは、基板製品の製品種ごとに相違する。制御装置16は、基板カメラ146および部品カメラ15の撮像データ、ならびに図略のセンサの検出データなどに基づき、装着シーケンスデータにしたがって部品装着動作を制御する。基板搬送装置12、各フィーダ(7、9)、部品移載装置14、および部品カメラ15は、制御装置16からの制御にしたがい、所定の動作を行う。また、制御装置16は、生産した基板製品の生産枚数や、部品の装着に要した装着時間、部品の吸着エラーの発生回数などの稼動状況データを逐次収集して更新する。
【0023】
2.オートローディングフィーダ9の構成例
次に、オートローディングフィーダ9およびリール保持装置82の構成例について、図2を参考にして説明する。図示されるように、共通パレット81は、基台19の上側に着脱可能に装備される。共通パレット81は、フィーダ装着部811およびリール装着部815を有する。フィーダ装着部811は、略矩形の平面部812の前側に直立部813が設けられて形成されており、側面視で略L形状である。平面部812には、前後方向に延びる9条の第1スロットSL1~第9スロットSL9が幅方向に並んで設けられる。フィーダ(7、9)は、スロットの後方から前方の直立部813に向かって挿入され、装着される。
【0024】
オートローディングフィーダ9は、後端の中間高さ付近に挿入部91を有し、後端の上部寄りに挿入レバー92を有する。挿入レバー92を持ち上げることで、挿入部91に2本のキャリアテープ(85、86)を順番に挿入できるようになっている。オートローディングフィーダ9の挿入部91から前端上部に向けてガイドレール93が設けられる。ガイドレール93の前端付近の上面に、供給部94が設定される。ガイドレール93の挿入部91に近い後部寄りの上面に、待機位置96が設定される。
【0025】
待機位置96の上方に、テープ制御部95が設けられる。テープ制御部95は、第一のキャリアテープ85の待機位置96からの送り出しを許容しつつ、第二のキャリアテープ86を待機位置96に待機させる。テープ制御部95の具体的な構成は、例えば、特開2014-82454号に開示されている。オートローディングフィーダ9は、さらに、サーボモータやスプロケットなどで構成される図略のテープ送り機構を備える。テープ送り機構は、第一のキャリアテープ85をガイドレール93に沿わせつつ供給部94に向けてピッチ送りし、複数の部品を順番に供給する。
【0026】
オートローディングフィーダ9において、第一のキャリアテープ85の使用中に、第二のキャリアテープ86を挿入部91に挿入する挿入作業が可能である。かつ、オートローディングフィーダ9は、第一のキャリアテープ85を使い切ったときに、第二のキャリアテープ86を挿入部91から供給部94まで送る自動装填機能を有する。したがって、第一のキャリアテープ85と第二のキャリアテープ86を接続するスプライシング作業は不要である。また、第二のキャリアテープ86の挿入作業の実施時期、換言すると部品補給作業の実施時期は、第一のキャリアテープ85を挿入した直後でもよいし、第一のキャリアテープ85による生産が行われている途中の任意の時期でもよい。
【0027】
共通パレット81のリール装着部815は、2本のアーム部材816、前渡し板817、および後渡し板818などで構成される。2本のアーム部材816は、フィーダ装着部811の両側からそれぞれ水平後方に延び、続いて後下方向へと傾斜して延び、さらに水平後方に延びるように形成される。2本のアーム部材816の傾斜部分を連結するように、前渡し板817が渡される。2本のアーム部材816の後方の水平部分を連結するように、後渡し板818が渡される。前渡し板817および後渡し板818の上側に、1個または複数のリール保持装置82が着脱可能に装備される。
【0028】
リール保持装置82は、前側に第一のリール83を回転可能に保持し、後側に第二のリール84を回転可能に保持する。第一のリール83から第一のキャリアテープ85が引き出され、第二のリール84から第二のキャリアテープ86が引き出される。リール保持装置82は、幅方向(リール軸線の方向)の大きさが限定されず、幅方向に1個または複数個のリール(83、84)を並べて保持する。したがって、リール保持装置82は、1台または複数台のオートローディングフィーダ9に対応して、その後方に装着される。
【0029】
一方、マニュアルローディングフィーダ7は、一つのリールを用いる。マニュアルローディングフィーダ7が第一のキャリアテープを使い切る以前に、作業者は、新しいリールを用意して、第一のキャリアテープと第二のキャリアテープを接続するスプライシング作業を行う必要がある。スプライシング作業が行われなかった場合、マニュアルローディングフィーダ7は、第一のキャリアテープを使い切り、部品切れとなる。
【0030】
この場合、オペレータは、事後的に、第二のキャリアテープをマニュアルローディングフィーダ7の挿入部に挿入する挿入作業を行う。すると、マニュアルローディングフィーダ7は、第二のキャリアテープを挿入部から供給部へ送る装填動作を実施する。スプライシング作業や挿入作業を実施すべき時期は、部品装着動作の進捗状況に制約されるため、作業性が良好でない。マニュアルローディングフィーダ7は、各種の公知技術に開示された構成とすることができるので、詳細な説明は省略する。
【0031】
オートローディングフィーダ9は、マニュアルローディングフィーダ7よりも遅れて商品化された新型であり、かつ、マニュアルローディングフィーダ7と比較して高価である。このため、オートローディングフィーダ9の保有台数は限られる。一方、マニュアルローディングフィーダ7の保有台数は十分にある。仮に、部品装着機1のスロット総数以上の台数のオートローディングフィーダ9が常に使用可能である場合、生産支援装置3を適用する必要はなくなる。
【0032】
3.実施形態の生産支援装置3の構成
次に、実施形態の生産支援装置3の構成について、図3を参考にして説明する。生産支援装置3は、コンピュータ装置を用いて構成される。生産支援装置3は、前記した制御装置16の一部分であってもよく、制御装置16と別体に形成され制御装置16に通信接続されてもよい。生産支援装置3は、マンマシンインターフェースとしての入力部および表示部を有する。さらに、生産支援装置3は、ソフトウェアで実現された四つの機能部、すなわち記憶部41、集計部42、割り当て部43、および配列決定部44を備える。四つの機能部は、部品装着機1が生産する基板製品の製品種を変更する段取り替え時期に動作し、製品種の生産途中では動作しない。
【0033】
記憶部41は、段取り替え時期が到来するごとに動作する。記憶部41は、部品装着機1が直近に生産した基板製品の生産実績を逐次記憶する。生産実績は、少なくとも基板製品の生産順序、製品種、および生産枚数のデータを含む。生産実績は、例えば、データベース45に記憶される。データベース45には、製品種ごとに相違する装着シーケンスデータが併せて記憶される。記憶部41は、過去の生産実績に加えて、今後に生産する基板製品の少なくとも一つ以上の製品種の生産計画を記憶してもよい。生産計画のデータは、他のコンピュータ装置から転送され、あるいは、オペレータにより入力部から入力される。
【0034】
集計部42は、段取り替え時期のいくつかで、記憶部41に続いて動作する。集計部42は、生産実績に基づいて、生産に使用された部品の使用数を部品種ごとに集計する。この集計は、データベース45内の生産実績に含まれる製品種および生産枚数のデータ、ならびに装着シーケンスデータに含まれる部品種ごとの装着個数(基板製品1枚当たりの装着個数)のデータを用いて行うことができる。集計部42は、直近の所定期間を集計期間に設定して集計を行う。集計部42は、段取り替え時期の発生頻度に応じて、所定期間を適正に設定することができる。
【0035】
例えば、1日のうちに複数回の段取り替え時期が発生する場合、所定期間は1日に設定される。また、数日ないしは1週間程度の間に1回の段取り替え時期が発生する場合、所定期間は1月に設定される。これらの例に示されるように、所定期間は、複数の製品種の生産期間を含むことが好ましい。上記の例に限定されず、所定期間は、1週間や3月であってもよく、可変に設定変更できるようになっていてもよい。さらに、所定期間は、時間を用いて設定する以外に、基板製品の生産枚数を用いて設定してもよい。集計部42の集計動作は、今後の生産において使用数が多い部品種を推定するために行われる。
【0036】
ここで、部品装着機1は、複数の製品種の基板製品を繰り返して生産する場合が多い。あるいは、部品装着機1は、保有する性能や特性に適合する類似した複数の基板種を受け持つ場合が多い。例えば、類似した複数の基板種において、基板Kに装着される部品の大多数の部品種が一致し、極く一部の部品種のみが相違する。このため、生産実績における部品の使用数と、今後の生産における部品の使用数との間に強い相関関係が生じる。したがって、基板製品の今後の生産計画が不明であっても、基板製品の過去の生産実績を参考にして、集計部42は、今後の使用数が多い部品種を推定することができる。
【0037】
また、記憶部41が生産計画を記憶している場合、集計部42は、生産計画を参考にして、直近以外の集計期間を設定してもよい。換言すると、集計部42は、生産計画に含まれる製品種を含んだ生産実績に基づいて、部品の使用数を部品種ごとに集計することができる。補足すると、生産実績および生産計画に共通に含まれる製品種は、繰り返して生産されるリピート製品種であるので、集計部42は、リピート製品種について集計を行うことになる。これによれば、集計部42は、今後の使用数が多い部品種を高い精度で推定することができる。
【0038】
割り当て部43は、集計部42に続いて動作する。割り当て部43は、今後の生産を対象として、集計部42の集計結果の使用数が多い部品種をオートローディングフィーダ9に優先的に割り当てる。割り当て部43が割り当てた結果は、集計部42が次回の集計を行うまで適用され、多くの場合に今後の複数の製品種に適用される。また、割り当て部43は、部品種の種類数に対して使用可能なオートローディングフィーダ9の台数が不足する場合に限り、マニュアルローディングフィーダ7を併用する。
【0039】
配列決定部44は、割り当て部43に続いて動作する。配列決定部44は、オートローディングフィーダ9およびマニュアルローディングフィーダ7の各々に割り当てられた部品種の使用数に基づいて、オートローディングフィーダ9およびマニュアルローディングフィーダ7を部品装着機1に配列する配列位置(スロット位置)を決定する。配列決定部44が決定した結果は、集計部42が次回の集計を行うまで適用される。さらに、配列決定部44は、今後に生産する基板製品の複数の製品種に対してオートローディングフィーダ9の配列位置を固定する。記憶部41、集計部42、割り当て部43、および配列決定部44の機能および動作については、次の動作の説明の中で具体例を用いて述べる。
【0040】
4.生産支援装置3の動作
次に、実施形態の生産支援装置3の動作について、図4および図5を参考にして説明する。図4に示される生産支援装置3の動作フローは、部品装着機1の稼働中に繰り返して実行される。また、図5の一覧表は、動作フローが実行された結果の一例を示している。図5の左側には記憶部41によって記憶された生産実績が示され、二重縦線の右側には集計部42、割り当て部43、および配列決定部44の動作結果が示されている。また、基板製品1枚当たりの部品種ごとの装着個数は、装着シーケンスデータに含まれるデータである。なお、記憶部41は、今後の生産計画を記憶していないものとする。
【0041】
図4のステップS1で、生産支援装置3は、部品装着機1が生産する基板製品の製品種を変更する段取り替えの時期であるか否かを判定する。ある製品種の生産途中であって段取り替えの時期でない場合、生産支援装置3は、直ちに動作フローを終了する。段取り替えの時期である場合、生産支援装置3は、動作フローの実行をステップS2に進める。
【0042】
ステップS2で、記憶部41は、部品装着機1が直近に生産した基板製品の生産実績を記憶する。図5の例で、ステップS2は、既に8回以上実行されており、生産実績は、基板製品の生産順序1~8を用いて示される。生産順序1は最も古く、生産順序8は直近で最も新しい。生産順序1において、製品種Aの基板製品が100枚生産されている。製品種Aの基板製品の1枚当たりに装着された部品の装着個数は、部品種P1が4個、部品種P2が2個、部品種P3が1個、部品種P4が1個である。また、生産順序2~8において、製品種B、C、D、A、B、C、Eの基板製品がそれぞれ生産され、生産枚数および部品種ごとの装着個数は図5に示されるとおりである。
【0043】
次のステップS3で、集計部42は、前回のステップS4~ステップS7の実行後に所定の経過期間が経過しているか否かを判定する。ここで、所定の経過期間は、集計部42が集計を行う所定期間(集計期間)より短く設定されているものとする。これに限定されず、所定の経過期間および集計を行う集計期間は、独立して設定可能であり、かつ、両者の大小関係は限定されない。所定の経過期間を過小に設定すると、多くの段取り替え時期にフィーダ(7、9)の交換作業ないしは配列位置の変更作業を行うことになり、作業の手間が増えかつ煩雑となる。逆に、所定の経過期間を過大に設定すると、経過期間の途中で部品種の不足により生産できない製品種が発生しがちになる。
【0044】
本実施形態において、生産順序5の後の段取り替え時期にステップS4~ステップS7が実行されて、フィーダ(7、9)の交換作業ないしは配列位置の変更作業が行われたとする。さらに、生産順序6、7の後の段取り替え時期に未だ経過時間が経過しておらず、生産順序8の後の段取り替え時期に経過時間が経過しているとする。この場合、集計部42は、生産順序6、7の後の段取り替え時期に、ステップS3の実行に続いて動作フローを終了する。また、集計部42は、生産順序8の後の段取り替え時期に、動作フローの実行をステップS3からステップS4に進める。
【0045】
ステップS4で、集計部42は、直近の所定期間に相当する生産順序5~8を集計期間として集計を行う。図5の例で、集計部42は、部品種P1の使用数として、生産順序5の製品種Aで4個×100、生産順序6の製品種Bで1個×50、生産順序7の製品種Cで2個×50、生産順序8の製品種Eで0個、を加算して550個を求める。集計部42は、同様の計算により、部品種P2の使用数250個、部品種P3の使用数150個、部品種P4の使用数100個、部品種P5の使用数230個、部品種P6の使用数180個、部品種P7の使用数130個、および部品種P8の使用数130個をそれぞれ求める。
【0046】
次のステップS5で、割り当て部43は、使用可能なオートローディングフィーダ9の台数を取得する。使用可能な台数は、保有する全てのオートローディングフィーダ9から他の部品装着機で使用中のもの、キャリアテープ(85、86)の幅寸法等の仕様が適合しないもの、およびメンテナンスや故障で使用できないものを差し引いた台数となる。したがって、使用可能な台数は、時に応じて変化する。以降では、使用可能な台数は4台であるとする。
【0047】
次のステップS6で、割り当て部43は、集計部42の集計結果の使用数が多い部品種をオートローディングフィーダ9に優先的に割り当てる。図5の例で、割り当て部43は、使用数が多い順番に部品種P1、部品種P2、部品種P5、および部品種P6を4台のオートローディングフィーダ9に割り当てる(図5のALF割り当ての欄に〇で示す)。ここで、部品種P1~P8の種類数が8種類であるのに対して使用可能なオートローディングフィーダ9が4台しかなく不足している。
【0048】
したがって、割り当て部43は、マニュアルローディングフィーダ7を併用する。具体的に、割り当て部43は、残された部品種P3、部品種P4、部品種P7、および部品種P8をマニュアルローディングフィーダ7に割り当てる。仮に、使用可能なオートローディングフィーダ9が8台ある場合、割り当て部43は、オートローディングフィーダ9を全て使用し、マニュアルローディングフィーダ7を併用しない。
【0049】
次のステップS7で、配列決定部44は、複数のフィーダ(7、9)の各々に割り当てられた部品種の使用数に基づいて、フィーダ(7、9)の配列位置(スロット位置)を決定する。図5の例で、配列決定部44は、使用数が最も多い部品種P1のオートローディングフィーダ9の配列位置を、最も有利な第5スロットSL5に決定する。さらに、配列決定部44は、使用数が2~4番目に多い部品種P2、部品種P5、および部品種P6のオートローディングフィーダ9の配列位置を、相対的に有利な第4スロットSL4、第6スロットSL6、および第3スロットSL3に決定する。
【0050】
一方、配列決定部44は、使用数が5~8番目と少ない部品種P3、部品種P7、部品種P8、および部品種P4のマニュアルローディングフィーダ7の配列位置を、相対的に不利な第7スロットSL7、第2スロットSL2、第8スロットSL8および第1スロットSL1に決定する。割り当て部43の割り当て結果および配列決定部44の決定結果は、表示部に表示される。これで、動作フローが終了する。
【0051】
オペレータは、表示内容を確認して、フィーダ(7、9)の段取り替え作業を行う。この後、部品装着機1は、次および次以降の製品種の基板製品の生産を行う。ここで、今後の使用数が多いと推定される部品種をオートローディングフィーダ9に割り当てているので、第二のキャリアテープ86の挿入作業の実施時期に自由度が生じ、作業性が良好となる。また、今後の使用数が少ないと推定される部品種をマニュアルローディングフィーダ7に割り当てているので、スプライシング作業の回数が少なくなる。
【0052】
さらに、使用可能なオートローディングフィーダ9の全数を有効利用することができるので、コストパフォーマンスが向上する。加えて、今後の使用数が多いと推定される部品種を割り当てたオートローディングフィーダ9を有利な配列位置(スロット位置)に配列するので、部品装着動作を行う装着ヘッド145の移動距離および移動時間が小さくなる。その結果、部品移載装置14の動作効率を高くすることができる。
【0053】
なお、4台のオートローディングフィーダ9の配列位置(SL3~SL6)は、今後に生産する基板製品の複数の製品種に対して固定される。これによれば、集計部42が次回の集計を行う以前の段取り替え時期に、オートローディングフィーダ9の配列位置(SL3~SL6)を変更する段取り替え作業は不要となる。仮に、生産実績に無い特異な製品種の生産が予定されて、段取りされたフィーダ(7、9)では生産を行えない場合、オペレータは、マニュアルローディングフィーダ7の段取り替え作業により対応する。
【0054】
実施形態の生産支援装置3では、複数の製品種(A~E)の生産実績に基づいて、使用された部品の使用数を部品種(P1~P8)ごとに集計し、今後の生産を対象として、使用数が多い部品種(P1、P2、P5、P6)をオートローディングフィーダ9に優先的に割り当てる。ここで、基板生産ラインや部品装着機1は、複数の製品種(A~C)の基板製品を繰り返して生産し、あるいは、類似した複数の製品種を受け持つ場合が多い。このため、生産実績における部品の使用数と、今後の生産における部品の使用数との間に強い相関関係が生じる。したがって、保有台数が限られたオートローディングフィーダ9に対して、今後の使用数が多いと推定される部品種(P1、P2、P5、P6)を優先的に割り当てることができ、オートローディングフィーダ9の有効利用を可能とすることができる。これにより、部品補給作業の実施時期に自由度が生じて作業が平準化され、作業性が良好となる。
【0055】
さらに、マニュアルローディングフィーダ7の使用が抑制される。具体的には、マニュアルローディングフィーダ7は、オートローディングフィーダ9の台数が不足する場合に限って併用され、かつ、今後の使用数が少ないと推定される部品種(P3、P4、P7、P8)が割り当てられる。したがって、スプライシング作業の回数が少なくなり、スプライシングラッシュや部品切れが減少する。
【0056】
5.動作の応用例
次に、実施形態の生産支援装置3の動作の応用例について、図5および図6を参考にして説明する。応用例において、記憶部41は、生産順序8の後の段取り替え時期に「今後に製品種A、B、Cを順番に生産する、ただし現時点でそれぞれの生産枚数は未定」という生産計画を記憶している。この場合、集計部42は、生産計画を参考にして、直近以外の集計期間を設定することができる。図5に示される生産実績において、生産計画と同様に製品種A、B、Cを順番に生産した実績が生産順序1~3、および生産順序4~7に存在する。つまり、製品種A、B、Cは、リピート製品種に該当する。したがって、集計部42は、リピート製品種について集計を行う。
【0057】
具体的には、動作フローのステップS4で、集計部42は、生産順序8の後の段取り替え時期に、生産順序5~7の製品種A、B、Cを集計期間として集計を行う。すなわち、図6に示されるように、集計部42は、部品種P5の使用数として、生産順序5の製品種Aで0個、生産順序6の製品種Bで2個×50、生産順序7の製品種Cで1個×50、を加算して150個を求める。集計部42は、同様の計算により、部品種P1の使用数550個、部品種P2の使用数250個、部品種P3の使用数150個、部品種P4の使用数100個、部品種P6の使用数100個、部品種P7の使用数50個、および部品種P8の使用数50個をそれぞれ求める。
【0058】
次のステップS5で、割り当て部43は、使用可能なオートローディングフィーダ9の台数が4台であることを取得する。次のステップS6で、割り当て部43は、使用数が多い順番に部品種P1、部品種P2、部品種P3、および部品種P5をオートローディングフィーダ9に割り当てる(図6のALF割り当ての欄に〇で示す)。また、割り当て部43は、残された部品種P4、部品種P6、部品種P7、および部品種P8をマニュアルローディングフィーダ7に割り当てる。
【0059】
次のステップS7で、配列決定部44は、図6に示されるように、使用数が最も多い部品種P1のオートローディングフィーダ9の配列位置を、最も有利な第5スロットSL5に決定する。さらに、配列決定部44は、使用数が2~4番目に多い部品種P2、部品種P3、および部品種P5のオートローディングフィーダ9の配列位置を、相対的に有利な第4スロットSL4、第6スロットSL6、および第3スロットSL3に決定する。
【0060】
一方、配列決定部44は、使用数が5~8番目と少ない部品種P4、部品種P6、部品種P7、および部品種P8のマニュアルローディングフィーダ7の配列位置を、相対的に不利な第7スロットSL7、第2スロットSL2、第8スロットSL8、および第1スロットSL1に決定する。図6に示された割り当て部43の割り当て結果および配列決定部44の決定結果は、図5と相違する。
【0061】
応用例によれば、集計部42は、偶発性の高い生産順序8の製品種Eを除外して、生産順序5~7のリピート製品種を集計期間とするので、今後の使用数が多い部品種を高い精度で推定することができる。その結果、オートローディングフィーダ9で作業性が良好となる効果、および、マニュアルローディングフィーダ7でスプライシング作業の回数が少なくなる効果が確実なものとなる。さらに、オートローディングフィーダ9を有効利用できる効果や、部品移載装置14の動作効率を高くする効果が確実なものとなる。
【0062】
6.実施形態の応用および変形
なお、部品装着機1やオートローディングフィーダ9の構成は、様々に変形可能である。また、配列決定部44は、省略されてもよい。この場合、複数のフィーダ(7、9)の配列位置の決定は、別のソフトウェアによって行われ、あるいはオペレータによって行われる。本実施形態および応用例は、その他にも様々な応用や変形が可能である。
【符号の説明】
【0063】
1:部品装着機 3:生産支援装置 41:記憶部 42:集計部 43:割り当て部 44:配列決定部 45:データベース 7:マニュアルローディングフィーダ 81:共通パレット 82:リール保持装置 85:第一のキャリアテープ 86:第二のキャリアテープ 9:オートローディングフィーダ 91:挿入部 94:供給部 K:基板 A~E:製品種 P1~P8:部品種 SL1~SL9:第1~第9スロット
図1
図2
図3
図4
図5
図6