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特許7426505ソース線プルダウン回路においてストラップセルを使用する不揮発性メモリシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-24
(45)【発行日】2024-02-01
(54)【発明の名称】ソース線プルダウン回路においてストラップセルを使用する不揮発性メモリシステム
(51)【国際特許分類】
   G11C 16/26 20060101AFI20240125BHJP
   G11C 16/10 20060101ALI20240125BHJP
   G11C 16/14 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
G11C16/26 130
G11C16/10 143
G11C16/14 110
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022562523
(86)(22)【出願日】2020-10-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-06
(86)【国際出願番号】 US2020056430
(87)【国際公開番号】W WO2021211164
(87)【国際公開日】2021-10-21
【審査請求日】2022-12-12
(31)【優先権主張番号】202010304167.2
(32)【優先日】2020-04-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】17/074,103
(32)【優先日】2020-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500147506
【氏名又は名称】シリコン ストーリッジ テクノロージー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SILICON STORAGE TECHNOLOGY, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】シン、レオ
(72)【発明者】
【氏名】ワン、チュンミン
(72)【発明者】
【氏名】リウ、シアン
(72)【発明者】
【氏名】ドー、ナン
(72)【発明者】
【氏名】リン、グァンミン
(72)【発明者】
【氏名】ズー、ヤオファ
【審査官】小林 紀和
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2020/0083237(US,A1)
【文献】特表2018-526762(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0008141(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 16/26
G11C 16/10
G11C 16/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリシステムであって、
第1のビット線端子及び第1のソース線端子を含むメモリセルと、
第2のビット線端子及び第2のソース線端子を含むストラップセルと、
前記第1のソース線端子及び前記第2のソース線端子に結合されたソース線と、
前記第2のビット線端子を、前記メモリセルが読み出されているか又は消去されているときには接地に、前記メモリセルがプログラムされているときには電圧源に、選択的に結合するプルダウン回路と、を備える、メモリシステム。
【請求項2】
前記メモリセルが第1のワード線端子を含み、前記ストラップセルが第2のワード線端子を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記メモリセルが第1の制御ゲート端子を備え、前記ストラップセルが第2の制御ゲート端子を備える、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記メモリセルが第1の消去ゲート端子を備え、前記ストラップセルが第2の消去ゲート端子を備える、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記ストラップセルがソース線ストラップセルであり、前記第2のソース線端子がソース線接点に接続されている、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記ストラップセルがワード線ストラップセルであり、前記第2のワード線端子がワード線接点に接続されている、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記ストラップセルが制御ゲートストラップセルであり、第2の制御線端子が制御ゲート接点に接続されている、請求項4に記載のシステム。
【請求項8】
前記ストラップセルが消去ゲートストラップセルであり、前記第2の消去ゲート端子が消去ゲート接点に接続されている、請求項4に記載のシステム。
【請求項9】
前記ストラップセルがソース線ストラップセルであり、前記第2のソース線端子がソース線接点に接続されている、請求項3に記載のシステム。
【請求項10】
前記ストラップセルがワード線ストラップセルであり、前記第2のワード線端子がワード線接点に接続されている、請求項3に記載のシステム。
【請求項11】
前記ストラップセルが制御ゲートストラップセルであり、第2の制御線端子が制御ゲート接点に接続されている、請求項3に記載のシステム。
【請求項12】
前記ストラップセルがソース線ストラップセルであり、前記第2のソース線端子がソース線接点に接続されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項13】
前記ストラップセルがワード線ストラップセルであり、前記第2のワード線端子がワード線接点に接続されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項14】
前記ストラップセルがソース線ストラップセルであり、前記第2のソース線端子がソース線接点に接続されている、請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の主張)
本出願は、2020年4月17日に出願された中国特許出願第202010304167.2号及び、2020年10月19日に出願された米国特許出願第17/074,103号に対する利益を主張する。
【0002】
(技術分野)
本発明は、ソース線プルダウン回路におけるアレイ内で既存のストラップセルを利用する不揮発性メモリデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
不揮発性メモリセルは、当該技術分野において周知である。先行技術で知られている不揮発性メモリセルの例を図1図6に示す。
【0004】
図1は、積み上げゲート型の不揮発性メモリセル110を示す。各メモリセル110は、半導体基板12内に形成されたソース領域(ソース線端子とも称される)14とドレイン領域16と、を含み、ソース領域14とドレイン領域16の間にはチャネル領域18がある。浮遊ゲート20は、チャネル領域18の上方に形成され、チャネル領域18から絶縁され(チャネル領域18の導電率を制御し)、かつドレイン領域16及びソース領域14の各々の一部分の上方に形成される。制御ゲート端子22(ここではワード線に結合されている)は、浮遊ゲート20の上方に配設され、浮遊ゲートから絶縁される。ゲート酸化物によって、浮遊ゲート20、制御ゲート端子22同士が絶縁され、かつ、これらが基板12から絶縁される。ビット線端子24はドレイン領域16に結合される。
【0005】
プログラミングは、チャネル18から、ドレイン領域16に隣接するチャネル領域内の浮遊ゲート20へのホット電子注入を使用して実行される。
【0006】
消去は、浮遊ゲート20から基板12へのファウラーノルドハイム(Fowler Nordheim)電子トンネリングを使用して実行される。
【0007】
読み出しは、ドレイン領域16及び制御ゲート端子22に正の読み出し電圧を印加することによって実行される(これにより、チャネル領域18がオンになる)。浮遊ゲート20が正に帯電する(すなわち、電子を消去する)と、浮遊ゲート20の下方のチャネル領域18も同様にオンになり、電流はチャネル領域18を流れ、これは、消去された状態つまり「1」の状態として検知される。浮遊ゲート20が負に帯電する(すなわち、電子でプログラムされる)と、浮遊ゲート20の下方のチャネル領域はほとんど又は完全にオフになり、電流はチャネル領域18を流れず(又はほとんど流れず)、これは、プログラムされた状態つまり「0」の状態として検知される。
【0008】
表1は、読み出し、消去、及びプログラム動作を実行するためのメモリセル110及び基板12の端子に印加され得る典型的な電圧範囲を示す。
表1:図1の積み上げゲート型の不揮発性メモリセル110の動作
【表1】
「読み出し1」は、セル電流がビット線に出力される読み出しモードである。「読み出し2」は、セル電流がソース線端子14に出力される読み出しモードである。プログラムモードでは、セルのプログラミングを阻止するために、ビット線端子がVDD(典型的には3~5V)に設定され、ソース線端子が0Vに設定され、セルをプログラムするために、ビット線端子が0Vに設定され、ソース線端子がVDD(典型的には3~5V)に設定される。
【0009】
図2は、スプリットゲート型の不揮発性メモリセル210を示す。各メモリセル210は、半導体基板12内に形成されたソース領域(ソース線端子)14とドレイン領域16と、を含み、ソース領域14とドレイン領域16の間にはチャネル領域18がある。浮遊ゲート20は、チャネル領域18の第1の部分の上方に絶縁されて形成され(並びに、チャネル領域18の第1の部分の導電性を制御して)、ソース領域14の一部分の上方にかけて形成される。ワード線端子22(典型的には、ワード線に結合される)は、チャネル領域18の第2の部分の上方に配設され、チャネル領域18の第2の部分から絶縁された、(並びに、チャネル領域18の第2の部分の導電性を制御する)第1の部分と、浮遊ゲート20の上方で上に延在する第2の部分と、を有する。浮遊ゲート20及びワード線端子22は、ゲート酸化物によって基板12から絶縁される。ビット線端子24はドレイン領域16に結合される。
【0010】
ワード線端子22に高圧正電圧を印加することによって、メモリセル210に対して消去が行われ(電子が浮遊ゲートから除去される)、これによって、浮遊ゲート20の電子は、浮遊ゲート20からワード線端子22までそれらの間にある絶縁体の中をファウラーノルドハイム(Fowler-Nordheim)トンネリングを介して通過する。
【0011】
メモリセル210は、ワード線端子22に正電圧、及びソース領域14に正電圧を印加することによってプログラムされる(電子が浮遊ゲートに印加される)。電子電流は、ドレイン領域16からソース領域14(ソース線端子)に向かって流れる。電子は加速し、ワード線端子22と浮遊ゲート20との間の間隙に達すると、励起される(発熱する)。熱せられた電子の一部が、浮遊ゲート20からの静電引力に起因して、浮遊ゲート20にゲート酸化物を介して注入される。
【0012】
メモリセル210は、ドレイン領域16及びワード線端子22に正の読み出し電圧を印加する(ワード線端子の下方のチャネル領域18の部分をオンにする)ことによって、読み出される。浮遊ゲート20が正に帯電する(すなわち、電子を消去する)と、浮遊ゲート20の下方のチャネル領域18の部分も同様にオンになり、電流はチャネル領域18を流れ、これは、消去された状態つまり「1」の状態として検知される。浮遊ゲート20が負に帯電する(すなわち、電子でプログラムされる)と、浮遊ゲート20の下方のチャネル領域の部分はほとんど又は完全にオフになり、電流はチャネル領域18を流れず(又はほとんど流れず)、これは、プログラムされた状態つまり「0」の状態として検知される。
【0013】
表2は、読み出し、消去、及びプログラム動作を実行するためのメモリセル210の端子に印加され得る典型的な電圧範囲を示す。
表2:図2の不揮発性メモリセル210の動作
【表2】
「読み出し1」は、セル電流がビット線に出力される読み出しモードである。「読み出し2」は、セル電流がソース線端子14に出力される読み出しモードである。
【0014】
図3は、スプリットゲート型の不揮発性メモリセル310を示す。メモリセル310は、図2のメモリセル210と類似しているが、制御ゲート(control gate、CG)端子28が追加されている。制御ゲート端子28は、プログラミング中に高い正電圧(例えば、10V)、消去中に低い又は負電圧(例えば、0v/-8V)、読み出し中に低い又は中程度電圧(例えば、0v/2.5V)でバイアスされる。他の端子は、図2の端子と同様にバイアスされる。
【0015】
図4は、スプリットゲート型の不揮発性メモリセル410を示す。メモリセル410は、ソース領域(ソース線端子)14と、ドレイン領域16と、チャネル領域18の第1の部分の上方にある浮遊ゲート20と、チャネル領域18の第2の部分の上方にある選択ゲート22(典型的には、ワード線WLに結合される)と、浮遊ゲート20の上方にある制御ゲート28と、ソース領域14の上方にある消去ゲート30と、を備える。ここで、浮遊ゲート20を除く全てのゲートは非浮遊ゲートであり、つまり、それらは電圧源に電気的に接続される又は接続可能である。プログラミングは、熱せられた電子がチャネル領域18から浮遊ゲート20にその電子自体を注入することによって実行される。消去は、電子が浮遊ゲート20から消去ゲート30へトンネリングすることによって実行される。
【0016】
表3は、読み出し、消去、及びプログラム動作を実行するためのメモリセル410の端子に印加され得る典型的な電圧範囲を示す。
表3:図4の不揮発性メモリセル410の動作
【表3】
「読み出し1」は、セル電流がビット線に出力される読み出しモードである。「読み出し2」は、セル電流がソース線端子に出力される読み出しモードである。
【0017】
図5は、スプリットゲート型の不揮発性メモリセル510を示す。メモリセル510は、メモリセル510が消去ゲート(erase gate、EG)端子を含まないことを除いて、図4のメモリセル410と同様である。プログラミングは、熱せられた電子がチャネル領域18から浮遊ゲート20にその電子自体を注入することによって実行される。消去は、基板12を高い電圧にバイアスし、制御ゲートCG端子28を低い又は負電圧にバイアスすることによって実行され、その結果、浮遊ゲート20からチャネル領域18へと電子をトンネリングさせる。代替的に、消去は、電子が浮遊ゲート20からワード線端子22にトンネルするように、ワード線端子22を正の電圧にバイアスし、制御ゲート端子28を負の電圧にバイアスすることによって実行される。プログラミング及び読み出しは、図4のものと同様である。
【0018】
図6は、スプリットゲート型の不揮発性メモリセル610を示す。メモリセル610は、メモリセル610が別個の制御ゲート端子を有しないことを除いて、図4のメモリセル410と同一である。(消去ゲート端子の使用を通じて消去が起こる)消去動作及び読み出し動作は、制御ゲートバイアスが印加されないことを除いて、図4のものと同様である。プログラミング動作もまた、制御ゲートバイアスなしで行われるため、結果として、プログラム動作中は、制御ゲートバイアスの不足を補償するため、より高い電圧がソース線端子14に印加されなければならない。
【0019】
表4は、読み出し、消去、及びプログラム動作を実行するためのメモリセル610の端子に印加され得る典型的な電圧範囲を示す。
表4:図6の不揮発性メモリセル610の動作
【表4】
「読み出し1」は、セル電流がビット線に出力される読み出しモードである。「読み出し2」は、セル電流がソース線端子に出力される読み出しモードである。
【0020】
図1図6に示した種類のメモリセルは、典型的には、行及び列に配置されてアレイを形成する。消去動作は、各ワード線が、メモリセルの一つの行を制御し、その行の各セルのワード線端子22に結合され、消去ゲート線(存在する場合)が、メモリセルの行のペアによって共有され、それらの行のペアの各セルの消去ゲート端子30に結合されているため、一度に行全体又は行のペアで実行される。ソース線は、典型的には、メモリセルの1つの行又はメモリセルの2つの隣接する行のソース線端子14に結合される。ビット線は、典型的には、メモリセル24の1つの列のビット線端子24に結合される。
【0021】
図1図6の先行技術のメモリセルの各々に関して、及び上の表から分かり得るように、しばしば、ソース線を接地、すなわち、0ボルトまでプルダウンすること、かつ当該プルダウンを比較的迅速に行うことが必要である。
【0022】
図7は、それを行うための典型的な先行技術の技法を示す。メモリシステム700は、メモリセル710と、ワード線722と、制御ゲート線726と、消去ゲート線728と、ビット線720と、ソース線714とを備える。メモリセル710は、図1図6に示される種類、すなわち、メモリセル110、メモリセル210、メモリセル310、メモリセル410、メモリセル510、メモリセル610、又は別の種類のメモリセルのうちのいずれかとすることができる。ソース線714は、ここでは単一のNMOSトランジスタを含むプルダウントランジスタ730に結合される。プルダウントランジスタ730のゲートが活性化されたときに、ソース線714は、接地にプルダウンされる。フラッシュメモリシステムでは、多数のプルダウン回路が必要になり、各ソース線714は、ソース線714の静電容量に応じて2つ以上のプルダウン回路を必要とし得る。プルダウントランジスタ714は、表1~4に示すように、低電圧動作には約0~1.2V、及び高電圧動作には4~5~11.5Vの動作電圧を必要とする。これは、プルダウントランジスタ730が、高電圧トランジスタ型(例えば、11.5Vトランジスタ)又はIOトランジスタ型(例えば、2.5V又は3Vトランジスタ)の一方又は両方を必要とし、これにより、ダイスペースが占有され、システムの全体的なコスト及び複雑さを増加させることを意味する。両方のタイプが存在する状況では、それらは典型的には、一方の端部で接地に接続され、他方の端部でマルチプレクサに接続されることになり、マルチプレクサは、制御信号に応答してトランジスタのうちの1つをソース線に接続する。更に、プルダウントランジスタは、メモリセル710がプログラムされたときに過剰ストレス及びブレークダウンを引き起こす可能性がある。
【0023】
出願人は、参照により本明細書に組み込まれる、「Flash Memory System Using Dummy Memory Cell As Source Line Pull Down Circuit」と題する国際公開第2017/044251(A1)号でメモリシステム700の改良版を提示した。このメモリシステムは、図8及び図9に示される。
【0024】
図8を参照すると、フラッシュメモリシステム800は、例示的なメモリセル710と、例示的なダミーメモリセル810とを備える。ダミーメモリセル810は、ダミーメモリセル810がデータを記憶するために使用されないことを除いて、メモリセル710と同じ構成である。メモリセル710のソース線714は、典型的にメモリセル710及びダミーメモリセル810がアレイ内の同じ行にある場合であるように、ダミーメモリセル810のソース線814に結合される。ワード線722はワード線822に結合され、ビット線720は列のメモリセル800間で共有される。
【0025】
示される実施例において、メモリセル710及びダミーメモリセル810は、図4のメモリセル410の設計に従う。メモリセル710及びダミーメモリセル810はまた、図3のメモリセル310若しくは図5のメモリセル510の設計(その場合、消去ゲート728及び828は存在しない)、図6のメモリセル610の設計(その場合、制御ゲート726及び826は存在しない)、又は図1のメモリセル110若しくは図2のメモリセル210の設計(その場合、消去ゲート728及び828並びに制御ゲート726及び826は存在しない)にも従うことができることを理解されたい。
【0026】
メモリセル710が読み出しモード又は消去モードにあるとき、ソース線814は、ダミーメモリセル810及びダミービット線820を介して接地に結合され、これは、接地に切り替え可能に結合され、その結果、ソース線714及びソース線814、ビット線820に電気的に接続されている他のものは全て接地されている。ダミーメモリセル810は、読み出し動作の前に消去することが必要である。
【0027】
メモリセル710がプログラムモードであるときに、ダミービット線820は、VDDなどの阻止電圧に切り替え可能に結合される。これは、ダミーメモリセル810を、ダミーメモリセル810を消去状態に維持するプログラム阻止モードにする。ソース線714の接地へのプルダウンを強化するために、各メモリセル710のための複数のダミーメモリセル810が存在し得る。
【0028】
図9は、フラッシュメモリシステム900を示し、これは、例示的なメモリセル920と、例示的なダミーメモリセル回路910とを備える。ダミーメモリセル回路910は、互いに結合された複数のダミーメモリセルを備える。この実施例において、メモリセル920からのソース線930(SL0とも標識される)及びソース線940(SL1とも標識される)は、ダミーメモリセル回路910のソース線端子に結合される。この実施例において、ソース線930SL0及びソース線940SL1は、互いに接続される。
【0029】
したがって、メモリセル920の1つ又は複数のセクタ全体のソース線は、1つ又は複数のセクタの一部である同じ行のセルからのダミーメモリセルを備えるダミーメモリセル回路910のソース線に、共に結合され得る。
【0030】
メモリセル920が読み出しモード又は消去モードであるときに、ダミーメモリセル回路910は、ダミービット線を通して接地に結合される。ダミーメモリセルは、読み出し動作の前に消去する必要がある。消去されたダミーメモリセルは、ダミービット線を介して接地に結合されると、ソース線930及び940を接地する。
【0031】
メモリセル920がプログラムモードであるときに、ダミーメモリセル回路910のダミービット線は、VDDなどの阻止電圧に結合される。これにより、ダミーメモリセル回路910のダミーメモリセルがプログラム阻止モードに置かれ、これは、ダミーメモリセルを消去状態に維持する。
【0032】
任意選択で、ワード線950(WL_rdcellpdwnとも標識され、メモリセル920のワード線とは別体である)、及び制御ゲート960(CG_rdcellpdwnとも標識され、メモリセル920の制御ゲートとは別体である)は、ダミーメモリセル回路910のダミーメモリセルにわたる電流低下を最小にするために、読み出しモード又はスタンバイモード中に、VDD以上などの、メモリセル920の電圧とは異なる電圧でバイアスされる。
【0033】
図8及び図9のシステムは、図7の先行技術のシステムに勝る多数の利点を有する。第1に、ソース線プルダウン電流は、多数のダミーメモリセル及び金属経路の間で分配され、結果として、電磁干渉がより低くなり、また、復号相互接続が少なくなる。第2に、先行技術のプルダウン高電圧トランジスタと比較して、ダミーメモリセルにわたる消費電力が少ない。第3に、本実施形態は、高電圧トランジスタプルダウンのソリューションに対して、必要とされるダイスペースが少ない。第4に、本実施形態のバイアス制御及び論理制御は、先行技術のプルダウントランジスタのバイアス制御及び論理制御よりも単純である。結果として、プログラミングモード中の過剰ストレス及びブレークダウンがより少なくなる。
【0034】
しかしながら、図8及び図9の実施形態は、ダミーメモリセル回路のダミーメモリセルのための追加のダイスペースを必要とする。これにより、ダイのサイズ、複雑さ、及び製造コストが増加する。
【0035】
先行技術のメモリシステムはまた、ストラップセルも含む。図10A図10B図10C、及び図10Dは、それぞれ、例示的なメモリセル1010及び例示的なストラップセル1020、すなわち、例示的なストラップセル1020-1、1020-2、1020-3、及び1020-4を含む、それぞれ、先行技術のメモリシステム1000-1、1000-2、1000-3、及び1000-4を示す。ストラップセル1020は、消去ゲート線、ソース線、制御ゲート線、及びワード線のうちの1つ以上と、アレイの外側の別の構造(ドライバ、低電圧デコーダ、又は高電圧デコーダなど)との間で物理的な接続を行うことができるエリアとして、典型的にはアレイ内に存在するストラップ行又はストラップ列の一部である。ストラップセル1020は、メモリセル1010と同じ構成要素の一部を含むが、必ずしも全てを含むとは限らない。
【0036】
図10A図10B図10C、及び図10Dに示される実施例の各々において、メモリセル1010が図4のメモリセル410の設計に従う場合には、メモリセル1010は、第1のビット線端子1011、第1のワード線端子1012、第1の制御ゲート端子1013、第1の消去ゲート端子1014、及び第1のソース線端子1015を備える。ストラップセル1020は、4つの異なる種類のストラップセル、すなわち、消去ゲートストラップセル1020-1(図10Aに示される)、ソース線ストラップセル1020-2(図10Bに示される)、制御ゲートストラップセル1020-3(図10Cに示される)、及びワード線ストラップセル1020-4(図10Dに示される)のうちの1つであり得る。
1. 消去ゲートストラップセル
【0037】
図10Aを参照すると、ストラップセル1020は、第2のビット線端子1021、第2のワード線端子1022、第2の制御ゲート端子1023、第2の消去ゲート端子1024、第2のソース線端子1025、及び消去ゲート接点1034を含む消去ゲートストラップセル1020-1とすることができ、消去ゲート接点1034は、プログラム、消去、及び読み出し動作中に必要に応じて、第2の消去ゲート端子1024に接続された消去ゲート線1104を駆動するメモリセル1010及びストラップセル1020-1を含むアレイの外側の構造(低電圧又は高電圧デコーダなど)に第2の消去ゲート端子1024を接続する。第2の消去ゲート端子1024は、メモリセル1010と同じ行にあるため、消去ゲート線1104に更に接続される。メモリセル1010は、第1のワード線端子1012、第1の制御ゲート端子1013、第1の消去ゲート端子1014、第1のソース線端子1015、及び第1のビット線端子1011を含む。
【0038】
図11Aは、消去ゲートストラップセル1020-1を含むアレイの例を示す。アレイ1100-1は、ビット線1101、ワード線1102a及び1102b、制御ゲート線1103a及び1103b、消去ゲート線1104、及びソース線1105を含む。ソース線1105は、消去ゲート線1104の下に位置し、したがって、この図から、それらが三次元空間内で分離している場合であっても同じ線であるように見える。
【0039】
例示的なメモリセル1010が示されている。セル1010のワード線端子(図10の第1のワード線端子1012など)は、ワード線1102aに結合され、メモリセル1010の制御ゲート端子(図10の第1の制御ゲート端子1013など)は、制御ゲート線1103aに結合され、セル1010の消去ゲート端子(図10の第1の消去ゲート端子1014など)は、消去ゲート線1104に結合され、メモリセル1010のソース線端子(図10の第1のソース線端子1015など)は、ソース線1105に結合される。
【0040】
ビット線1101は、ビット線接点1106を介してアレイ1100の外側の構造(各ビット線の両端に位置する)に結合される。
【0041】
アレイ1100はまた、例示的な消去ゲートストラップセル1020-1を含む消去ゲートストラップ1110を備える。消去ゲートストラップ1110は、同じ行にあるため、消去ゲート線1104に結合され、したがってメモリセル1010の消去ゲート線1104及び消去ゲート端子1014は、消去ゲート接点1034に結合される。ストラップセル1020-1及び消去ゲートストラップ1110は、いずれのビット線接点にも接続されておらず、したがって、アレイ1100の外側の構造に対応するビット線に接続されていない。結果として、ストラップセル1020-1及び消去ゲートストラップ1110は、先行技術ではプルダウン機能を有さない。
2. ソース線ストラップセル
【0042】
図10Bを参照すると、ストラップセル1020は、ソース線ストラップセル1020-2であり得る。ソース線ストラップセル1020-2は、第2のビット線端子1021、第2のワード線端子1022、第2の制御ゲート端子1023、第2のソース線端子1025、及びソース線接点1035を含み、消去ゲート端子を含まない(ソース線接点1035用のスペースを提供するため)。ソース線接点1035は、プログラム、消去、及び読み出し動作中に必要に応じて、第2のソース線端子1025に接続されたソース線を駆動するメモリセル1010及びストラップセル1020-2を含んでいるアレイの外側の構造(低電圧又は高電圧デコーダなど)に接続する。メモリセル1010は、第1のワード線端子1012、第1の制御ゲート端子1013、第1の消去ゲート端子1014、第1のソース線端子1015、及び第1のビット線端子1011を含む。
【0043】
図11Bは、ソース線ストラップセル1020-2を含んでいるアレイの例を示す。アレイ1100-2-2は、例示的なソース線ストラップセル1020-2を含む、消去ゲートストラップ1110がソース線ストラップ1120に置き換えられていることを除いて、図11Aのアレイ1100-1と同様である。
【0044】
ソース線ストラップ1120は、同じ行にあり、したがってソース線1105及びメモリセル1010のソース線端子1015がソース線接点1035に結合されているため、ソース線1105に結合されている。ソース線ストラップセル1020-2及びソース線ストラップ1120は、いずれのビット線接点にも接続されておらず、したがって、それらの関連付けられたビット線を介してアレイ1100-2の外側の構造に接続されていない。結果として、ソース線ストラップセル1020-2及びソース線ストラップ1120は、先行技術においてプルダウン機能を実行しない。
3. 制御ゲートストラップセル
【0045】
図10Cを参照すると、ストラップセル1020は、制御ゲートストラップセル1020-3であり得る。制御ゲートストラップセル1020-3は、第2のビット線端子1021、第2のワード線端子1022、第2の制御ゲート端子1023、第2のソース線端子1025、制御ゲート接点1033、及びソース線接点1035を含み、消去ゲート端子を含まない(ソース線接点1035用のスペースを提供するため)。制御ゲート接点1033及びソース線接点1035は、プログラム、消去、及び読み出し動作中に必要に応じて、それぞれ、第2の制御ゲート端子1023及びソース線端子1025に接続された制御ゲート線1103a及びソース線1105を駆動するメモリセル1010及びストラップセル1020-3を含んでいるアレイの外側の構造(低電圧又は高電圧デコーダなど)に接続する。メモリセル1010は、第1のワード線端子1012、第1の制御ゲート端子1013、第1の消去ゲート端子1014、第1のソース線端子1015、及び第1のビット線端子1011を含む。
【0046】
図11Cは、制御ゲート線ストラップセル1130を含んでいるアレイの例を示す。アレイ1100-3は、消去ゲートストラップ1110又はソース線ストラップ1120が、それぞれ、例示的な制御ゲートストラップセル1020-3を含む制御ゲート線ストラップ1130と置き換えられていることを除いて、図11A及び図11Bのそれぞれアレイ1100-1及び1100-2と同様である。制御ゲート線ストラップ1130、特に制御ゲートストラップセル1020-3(そのうちの1つが呼び出される)は、それぞれ、同じ行にあるため、制御ゲート線1103a及び1103bに結合され、したがって、それぞれ、制御ゲート線1103a、110b、及びメモリセル1010の制御ゲート端子1013は、それぞれ、制御ゲート線接点1033a及び1033bに結合される。ソース線1105は、同じ行にあるため、第2のソース線端子1025に結合され、したがって、ソース線1105はソース線接点1035に結合される。制御ゲート線ストラップセル1020-3及び制御ゲート線ストラップ1130は、いずれのビット線接点にも接続されておらず、したがって、それらの関連付けられたビット線を介してアレイ1100-3の外側の構造に接続されていない。結果として、制御ゲート線ストラップセル1020-3及び制御ゲート線ストラップ1130は、先行技術においてプルダウン機能を実行しない。
4. ワード線ストラップセル
【0047】
図10Dを参照すると、ストラップセル1020は、ワード線ストラップセル1020-4であり得る。ワード線ストラップセル1020-4は、第2のビット線端子1021、第2のワード線端子1022、第2の制御ゲート端子1023、第2のソース線端子1025、ワード線接点1032、及びソース線接点1035を含み、消去ゲート端子を含まない(ソース線接点1035にスペースを提供するため)。ワード線接点1032及びソース線接点1035は、プログラム、消去、及び読み出し動作中に必要に応じて、それぞれ、ワード線接点1032及びソース線接点1035に接続されたワード線及びソース線を駆動するメモリセル1010及びストラップセル1020-4を含んでいるアレイの外側の構造(低電圧又は高電圧デコーダなど)に接続する。メモリセル1010は、第1のワード線端子1012、第1の制御ゲート端子1013、第1の消去ゲート端子1014、第1のソース線端子1015、及び第1のビット線端子1011を含む。
【0048】
図11Dは、ワード線ストラップセル1020-4を含んでいるアレイの例を示す。アレイ1100-4は、消去ゲートストラップ1110、ソース線ストラップ1120又は制御ゲート線ストラップ1130が、それぞれ、例示的なワード線ストラップセル1020-4を含むワード線ストラップ1140と置き換えられていることを除いて、図11A図11B、及び図11Cのそれぞれアレイ1100-1、1100-2、及び1100-3と同様である。
【0049】
ワード線ストラップ1140、特にワード線ストラップセル1020-4(そのうちの1つが呼び出される)は、それぞれ同じ行にあるため、ワード線1102a及び1102bに結合され、したがって、ワード線1102a及び1102b並びにメモリセル1010のワード線端子1012は、それぞれ、ワード線接点1032a及び1032bに結合される。ソース線1105は、同じ行にあるため、第2のソース線端子1025に結合され、したがって、ソース線1105がソース線接点1035に結合される。ストラップセル1020-4及びワード線ストラップ1140は、いずれのビット線接点にも接続されておらず、したがって、それらの関連付けられたビット線を介してアレイ1100-4の外側の構造に接続されていない。したがって、ワード線ストラップセル1020-4及びワード線ストラップ1140は、先行技術においてプルダウン機能を実行しない。
【0050】
図10A図10D及び図11A図11Dを再び参照すると、上記したように、メモリセル1010及びストラップセル1020が同じ行に位置するため、メモリセル1010の第1のソース線端子1015は、ストラップセル1020の第2のソース線端子1025と同じソース線に結合され、メモリセル1010の第1のワード線端子1012は、ストラップセル1020の第2のワード線端子1022と同じワード線に結合され、メモリセル1010の第1の制御ゲート端子1013は、ストラップセル1020の第2の制御ゲート端子1023と同じ制御ゲート線に結合され、メモリセル1010の第1の消去ゲート端子1014は、ストラップセル1020の第2の消去ゲート端子1024(存在する場合)と同じ消去ゲート線に結合される。
【0051】
図10A図10D及び図11A図11Dに示される例では、メモリセル1010及びストラップセル1020は、ストラップセル1020-2、1020-3、及び1030-4について上述したものを除いて、図4のメモリセル410の設計に従う。メモリセル1010及びストラップセル1020はまた、図3のメモリセル310又は図5のメモリセル510の設計(その場合、第1及び第2の消去ゲート端子1014及び1024は存在しない)、図6のメモリセル610の設計(その場合、第1及び第2の制御ゲート端子1013及び1023は存在しない)、又は図1のメモリセル110若しくは図2のメモリセル210の設計(その場合、第1及び第2の消去ゲート端子1014及び1024並びに第1及び第2の制御ゲート端子1013及び1023は存在しない)に従うことができる。
【0052】
したがって、ストラップセルは、メモリセルを含んでいるアレイの外側の構造(低電圧デコーダ又は高電圧デコーダなど)に接続する消去ゲート接点、制御ゲート接点、ソース線接点、及びワード線接点のうちの少なくとも1つを含む、データを記憶するために使用されないセルである。それぞれの消去ゲート接点、制御ゲート接点、ソース線接点、及びワード線接点は、金属線に接続する垂直接点であり、金属線は、メモリセルを含んでいるアレイの外側の構造(低電圧デコーダ又は高電圧デコーダなど)に接続される。
【0053】
出願人によって開示され、図8又は図9を参照して上で考察された前の設計よりも少ないダイスペースを利用するフラッシュメモリシステム内でソース線を接地させるための新しい技法が、必要とされている。
【発明の概要】
【0054】
下で説明される実施形態において、フラッシュメモリデバイスは、ソース線プルダウン回路においてアレイ内に既存のストラップセルを利用する。
【0055】
一実施形態では、メモリシステムは、第1のビット線端子及び第1のソース線端子を含むメモリセルと、第2のビット線端子及び第2のソース線端子を含むストラップセルと、第1のソース線端子及び第2のソース線端子に結合されたソース線と、第2のビット線端子を、メモリセルが読み出し又は消去されているときには接地に、メモリセルがプログラムされているときには電圧源に、選択的に結合するプルダウン回路と、を備える。
【0056】
特定の実施形態では、メモリセルは、第1のワード線端子を含み、ストラップセルは、第2のワード線端子を含む。特定の実施形態では、メモリセルは、第1の制御ゲート端子を含み、ストラップセルは第2の制御ゲート端子を含む。特定の実施形態では、メモリセルは第1の消去ゲート端子を含み、ストラップセルは第2の消去ゲート端子を含む。
【0057】
特定の実施形態では、ストラップセルはソース線ストラップセルであり、第2のソース線端子はソース線接点に接続されている。特定の実施形態では、ストラップセルはワード線ストラップセルであり、第2のワード線端子はワード線接点に接続されている。特定の実施形態では、ストラップセルは制御ゲートストラップセルであり、第2の制御線端子は制御ゲート接点に接続されている。特定の実施形態では、ストラップセルは消去ゲートストラップセルであり、第2の消去ゲート端子は消去ゲート接点に接続されている。
【0058】
【0059】
【0060】
【0061】
【0062】
【0063】
【0064】
【0065】
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】
【0070】
【0071】
【0072】
【0073】
【0074】
【0075】
【0076】
【0077】
【0078】
【0079】
【0080】
【図面の簡単な説明】
【0081】
図1】本発明を適用することができる先行技術の積み上げゲート型の不揮発性メモリセルの断面図である。
図2】本発明を適用することができる先行技術のスプリットゲート型の不揮発性メモリセルの断面図である。
図3】本発明を適用することができる先行技術のスプリットゲート型の不揮発性メモリセルの断面図である。
図4】本発明を適用することができる先行技術のスプリットゲート型の不揮発性メモリセルの断面図である。
図5】本発明を適用することができる先行技術のスプリットゲート型の不揮発性メモリセルの断面図である。
図6】本発明を適用することができる先行技術のスプリットゲート型の不揮発性メモリセルの断面図である。
図7】プルダウントランジスタをソース線に結合させた、先行技術のメモリセルを示す。
図8】ダミーメモリセルがソース線のプルダウン回路として使用される出願人によって以前に開示された設計を示す。
図9】複数のダミーメモリセルがソース線のプルダウン回路として使用される出願人によって以前に開示された別の設計を示す。
図10A】先行技術のメモリセル及び消去ゲートストラップセルを示す。
図10B】先行技術のメモリセル及びソース線ストラップセルを示す。
図10C】先行技術のメモリセル及び制御ゲートストラップセルを示す。
図10D】先行技術のメモリセル及びワード線ストラップセルを示す。
図11A】消去ゲートストラップを含む先行技術のメモリアレイを示す。
図11B】ソース線ストラップを含む先行技術のメモリアレイを示す。
図11C】制御ゲートストラップを含む先行技術のメモリアレイを示す。
図11D】ワード線ストラップを含む先行技術のメモリアレイを示す。
図12】ストラップセルがソース線のプルダウン回路として使用される実施形態を示す。
図13】ソース線プルダウン回路で使用される消去ゲートストラップを含むメモリアレイの実施形態のレイアウト図を示す。
図14】ソース線プルダウン回路で使用される消去ゲートストラップを含むメモリアレイの別の実施形態のレイアウト図を示す。
図15】ソース線プルダウン回路で使用される消去ゲートストラップを含むメモリアレイの別の実施形態のレイアウト図を示す。
図16】ソース線プルダウン回路で使用されるソース線ストラップを含むメモリアレイの実施形態のレイアウト図を示す。
図17】ソース線プルダウン回路で使用される制御ゲートストラップを含むメモリアレイの実施形態のレイアウト図を示す。
図18】ソース線プルダウン回路で使用されるワード線ストラップを含むメモリアレイの実施形態のレイアウト図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0082】
図12は、ストラップセルがソース線のためのプルダウン回路として使用される実施形態を示す。メモリシステム1200は、図10A図10Dに関してメモリセル1010について前述した同じ構成要素を含むメモリセル1010を備え、特定のメモリセル1010は、第1のワード線端子1012、第1の制御ゲート端子1013、第1の消去ゲート端子1014、第1のソース線端子1015、及び第1のビット線端子1011を含む。メモリシステム1200はまた、図10A図10D及び図11A図11Dに関して前述したストラップセル1020-1、1020-2、1020-3、及び1020-4のいずれかであり得るストラップセル1020を備える。
【0083】
先行技術とは異なり、ストラップセル1020の第2のビット線端子1021は、(例えば、層間のビアを含むことができる)プルダウン回路接点1201に接続され、これは次いで、メモリアレイの外側をプルダウン回路1210に接続する。プルダウン回路1210は、制御信号に応答して、接地又はVDDなどの電圧源に選択的に接続されるスイッチ1211を含む。
【0084】
メモリセル1010が読み出しモード又は消去モードにあるとき、第1のソース線端子1015は、ソース線1105に結合され、このソース線は、接地までストラップセル1020及びプルダウン回路1210に結合される。したがって、第1のソース線端子1015、ソース線1105、及び第2のソース線端子1025は、ストラップセル1020を介して接地へとプルダウンされる。任意選択で、2つ以上のストラップセル1020を第1のソース線端子1015に結合して、第1のソース線端子1015及びソース線1105の接地へのプルダウンを強化して、第1のソース線端子1015及びソース線1105をより速く接地させることができる。
【0085】
メモリセル1010がプログラムモードにあるとき、第2のビット線端子1021は、プルダウン回路1210においてスイッチ1211を介してVDDなどの阻止電圧源に結合される。これにより、ストラップセル1020は、メモリセル1010がプログラムされている間でも、ストラップセル1020を消去状態に維持するプログラム阻止モードになる。
【0086】
ストラップセル1020は、ニュートラルな状態で生成され、そこでは、電流を伝導する(消去状態と同等)。メモリセル1010が消去されると、ストラップセル1020も同様に消去電位を経験し、したがって、常に消去された状態に留まるか、又は任意選択で、消去されず、電流がストラップセル1020を通って流れるニュートラルな状態に保たれる。なぜなら、メモリセル1010がプログラムされると、ストラップセル1020は、プルダウン回路1210に応答して阻止プログラム電位を経験するからである。
【0087】
図13図18は、それぞれ、ストラップセル1020のための4つの種類のストラップセル(消去ゲートストラップセル1020-1、ソース線ストラップセル1020-2、制御ゲートストラップセル1020-3、及びワード線ストラップセル1020-4)を利用する実施形態の例示的なレイアウトを示す。
【0088】
図13は、消去ゲートストラップ1310内のビット線端子1021(図示されていないが、図10A図10Dに見られる)がビット線の両端でプルダウン回路接点1201に接続されており、これは、次いで、それぞれのプルダウン回路1210(ここでは図示しないが、図12に示される)の切り替え可能な接点に接続することを除いて、アレイ1100-1に類似しているアレイ1300を示す。セル1010及び消去ゲートストラップセル1020-1は、ソース線1105を共有し、ソース線1105は、読み出しモード又は消去モード中にプルダウン回路接点1201及びそれぞれのプルダウン回路1210を介して接地にプルダウンされ、図12を参照して前に考察されたように、プログラムモード中にプルダウン回路1210に応答して、プルダウン回路接点1201を介してVDDに引っ張られる。
【0089】
図14は、消去ゲートストラップ1410が消去ゲートストラップ1310よりも広いことを除いて、アレイ1300と同様であるアレイ1400を示し、消去ゲートストラップセル1020-2は、この例では、アレイ1300よりも2倍だけアレイ1400において広い。これにより、プルダウン能力が増加する。セル1010及び消去ゲートストラップセル1020-2は、ソース線1105を共有し、ソース線1105は、読み出しモード又は消去モード中にプルダウン回路1210に応答してプルダウン回路接点1201を介して接地にプルダウンされ、図12を参照して前に考察されたように、プログラムモード中にプルダウン回路1210に応答して、プルダウン回路接点1201を介してVDDに引っ張られる。
【0090】
図15は、(1)消去ゲートストラップ1410が、各々がメモリセルの列と同様のサイズである消去ゲートストラップセルの2つの列を含む、消去ゲートストラップ1510に置き換えられていること、(2)消去ゲートストラップセル1020-2が、1つの代わりに2つあること、及び(3)消去ゲートストラップ1510が、2つの代わりに、それぞれのビット線端子に各々接続された4つのプルダウン回路接点1201を有することを除いて、図14のアレイ1400と同様のアレイ1500を示す。アレイ1500は、通常のセルの列と2列の消去ゲートストラップセルの間の相対的な均一性に起因して、アレイ1400よりも製造が容易であり得る。
【0091】
図16は、ソース線ストラップ1610を含むアレイ1600を示す。アレイ1600は、ソース線ストラップ1610のビット線端子が、ビット線の両端でプルダウン回路接点1201に接続され、これが次にそれぞれのプルダウン回路1210(ここでは図示しないが、図12に示される)の切り替え可能な接点に接続することを除いて、図11Bのアレイ1100-2と同様である。セル1010及びソース線ストラップセル1020-2は、ソース線1105を共有し、共有されたソース線1105は、読み出しモード又は消去モード中にプルダウン回路1210に応答してプルダウン回路接点1201を介して接地にプルダウンされ、図12を参照して前に考察されたように、プログラムモード中にプルダウン回路1210に応答して、プルダウン回路接点1201を介してVDDに引っ張られる。
【0092】
図17は、制御ゲート線ストラップ1710を含むアレイ1700を示す。アレイ1700は、制御ゲート線ストラップ1710のビット線端子が、ビット線の両端でプルダウン回路接点1201に接続され、これが次にそれぞれのプルダウン回路1210(ここでは図示しないが、図12に示される)の切り替え可能な接点に接続することを除いて、図11Cのアレイ1100-3と同様である。セル1010及び制御ゲートストラップセル1020-3は、ソース線1105を共有し、ソース線1105は、読み出しモード又は消去モード中にプルダウン回路1210に応答して、プルダウン回路接点1201を介して接地にプルダウンされ、図12を参照して前に考察されたように、プログラムモード中にプルダウン回路1210に応答して、プルダウン回路接点1201を介してVDDに引っ張られる。
【0093】
図18は、ワード線ストラップ1810を含むアレイ1800を示す。アレイ1800は、ワード線ストラップ1810のビット線端子がそれぞれ、ビット線の両端でプルダウン回路接点1201に接続され、これは次にそれぞれのプルダウン回路1210(ここでは図示されていないが、図12に示される)の切り替え可能な接点に接続することを除いて、図11Dのアレイ1100-4と同様である。セル1010及びワード線ストラップセル1020-4はソース線1105を共有し、ソース線1105は、読み出しモード又は消去モード中にプルダウン回路1210に応答して、プルダウン回路接点1201を介して接地にプルダウンされ、図12を参照して前に考察されたように、プログラムモード中にプルダウン回路1210に応答して、プルダウン回路接点1201を介してVDDに引っ張られる。
【0094】
上記の実施形態は、図8及び図9の先行技術のシステムのシステムよりも小さいダイスペースを利用する。これは、製造の複雑さとコストを低減する大幅な改善である。
【0095】
本明細書で使用される場合、「~の上方に(over)」及び「~に(on)」という用語は両方とも、「上に直接」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されていない)、及び「上に間接的に」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されている)を包括的に含むことに留意されるべきである。同様に、「隣接した」という用語は「直接隣接した」(中間物質、要素、又は空間がそれらの間に何ら配設されない)、及び「間接的に隣接した」(中間物質、要素、又は空間がそれらの間に配設される)を含み、「結合された」は、「に直接結合された」(中間物質、又は要素がそれらの間で要素を電気的に接続しない)、及び「に間接的に結合された」(中間物質、又は要素がそれらの間で要素を電気的に接続する)を含む。例えば、要素を「基板の上方に」形成することは、その要素を直接基板に、中間材料/要素をそれらの間に伴わずに形成すること、及びその要素を基板に間接的に1つ以上の中間材料/要素をそれらの間に伴って形成することを含み得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図10D
図11A
図11B
図11C
図11D
図12
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図14
図15
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図17
図18