(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-24
(45)【発行日】2024-02-01
(54)【発明の名称】地中埋設型シェルター及びその構築方法
(51)【国際特許分類】
E04H 9/14 20060101AFI20240125BHJP
E04B 1/04 20060101ALI20240125BHJP
E04B 1/35 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
E04H9/14 Z
E04B1/04 B
E04B1/35 M
E04H9/14 K
(21)【出願番号】P 2023068305
(22)【出願日】2023-04-19
【審査請求日】2023-10-18
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000229667
【氏名又は名称】日本ヒューム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097113
【氏名又は名称】堀 城之
(74)【代理人】
【識別番号】100162363
【氏名又は名称】前島 幸彦
(74)【代理人】
【識別番号】100194283
【氏名又は名称】村上 大勇
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 貴信
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 弘輔
【審査官】土屋 保光
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3098560(JP,U)
【文献】特開2013-142237(JP,A)
【文献】特開2014-231450(JP,A)
【文献】特開2005-054493(JP,A)
【文献】特開2016-098565(JP,A)
【文献】特開2006-037359(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 9/00 - 9/16
E04B 1/04
E04B 1/38 - 1/61
E02D 29/00 -29/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地下に設置される地中埋設型シェルターであって、
前記地中埋設型シェルターの内部の空間は、鉛直方向と垂直な第1の方向、及び、鉛直方向及び前記第1の方向と垂直な第2の方向、において広がり、
前記第2の方向において、互いに離間して一方の端部側、他方の端部側で地中に
おいて、地面を切削した後の前記一方の側の側面、前記他方の側の側面にそれぞれ当接するように、地面を切削した後の底面に設置された側壁部と、
前記一方の端部側の前記側壁部と前記他方の端部側の前記側壁部の上側を連結するように設けられ
、重量コンクリートで構成された頂版と、
の組み合わせが、前記第1の方向に沿って複数組連結されて構成されたことを特徴とする地中埋設型シェルター
【請求項2】
前記第1の方向に沿って複数の前記側壁部、又は複数の前記頂版を貫通する緊張材が固定されたことを特徴とする請求項
1に記載の地中埋設型シェルター。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の地中埋設型シェルターの構築方法であって、
前記側壁部及び前記頂版をプレキャストブロックとして製造し、
前記底面において、前記第1の方向に沿って、前記組み合わせにおける前記一方の端部側の前記側壁部と前記他方の端部側の前記側壁部を、
前記一方の側の側面、前記他方の側の側面にそれぞれ当接させて、前記第2の方向において離間させた形態で複数組配置する側壁部配置工程と、
前記組み合わせの各々における前記一方の端部側の前記側壁部と前記他方の端部側の前記側壁部の上側に、対応する前記頂版の各々を設置して固定する頂版固定工程と、
前記一方の端部側の前記側壁部と前記他方の端部側の前記側壁部の間の底部に底版を設置する底版設置工程と、
を具備することを特徴とする、地中埋設型シェルターの構築方法。
【請求項4】
前記頂版固定工程の後に、
複数の前記側壁部又は複数の前記頂版に対して、前記第1の方向に沿って複数の前記側壁部、又は複数の前記頂版を貫通する緊張材を設置した後に、前記緊張材を介して前記第1の方向に沿ったプレストレスを複数の前記側壁部又は複数の前記頂版に付与する緊張工程を具備することを特徴とする請求項
3に記載の、地中埋設型シェルターの構築方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、避難用に地中に設けられる建築物である地中埋設型シェルター、及びその構築方法に関する。
【背景技術】
【0002】
津波等の自然災害や核兵器等による放射能被曝被害を防ぐために各種の構造のシェルターが提案されている。このうち、放射能等の遮蔽という観点からは、このようなシェルターを地下に設けることが有効である。また、一般的に建築物を構成する材料として用いられるコンクリートは、建築物として要求される機械的強度を有すると共に、中性子に対して一定の遮蔽能力もあるため、シェルターを構成する主材料としても好ましい。このような構造のシェルターは、例えば特許文献1、2等に記載されている。更に、特許文献3に記載されるように、放射線遮蔽用のコンクリートとして、γ線等の遮蔽能力を高めた重量コンクリートも知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平6-346478号公報
【文献】特開2007-297898号公報
【文献】特開2014-231450号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなシェルターを、公共の大型施設としてではなく、特に一般家屋に対応させて設ける場合、すなわち、個人の住宅に付随して小型のシェルターを設ける場合には、これを安価に構築できることが要求される。これに対して、例えば特許文献1、2に記載の技術においては、基本構造が一般的な建築物とは大きく異なる複雑な構造を地中に設けるために、その構築は容易ではなく、これを安価に構築することは困難であった。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、上記の問題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、地下に設置される地中埋設型シェルターであって、前記地中埋設型シェルターの内部の空間は、鉛直方向と垂直な第1の方向、及び、鉛直方向及び前記第1の方向と垂直な第2の方向、において広がり、前記第2の方向において、互いに離間して一方の端部側、他方の端部側で地中において、地面を切削した後の前記一方の側の側面、前記他方の側の側面にそれぞれ当接するように、地面を切削した後の底面に設置された側壁部と、前記一方の端部側の前記側壁部と前記他方の端部側の前記側壁部の上側を連結するように設けられ、重量コンクリートで構成された頂版と、の組み合わせが、前記第1の方向に沿って複数組連結されて構成されたことを特徴とする。
本発明は、前記第1の方向に沿って複数の前記側壁部、又は複数の前記頂版を貫通する緊張材が固定されたことを特徴とする。
本発明は、前記地中埋設型シェルターの構築方法であって、前記側壁部及び前記頂版をプレキャストブロックとして製造し、前記底面において、前記第1の方向に沿って、前記組み合わせにおける前記一方の端部側の前記側壁部と前記他方の端部側の前記側壁部を、前記一方の側の側面、前記他方の側の側面にそれぞれ当接させて、前記第2の方向において離間させた形態で複数組配置する側壁部配置工程と、前記組み合わせの各々における前記一方の端部側の前記側壁部と前記他方の端部側の前記側壁部の上側に、対応する前記頂版の各々を設置して固定する頂版固定工程と、前記一方の端部側の前記側壁部と前記他方の端部側の前記側壁部の間の底部に底版を設置する底版設置工程と、を具備することを特徴とする。
本発明は、前記頂版固定工程の後に、複数の前記側壁部又は複数の前記頂版に対して、前記第1の方向に沿って複数の前記側壁部、又は複数の前記頂版を貫通する緊張材を設置した後に、前記緊張材を介して前記第1の方向に沿ったプレストレスを複数の前記側壁部又は複数の前記頂版に付与する緊張工程を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、構築が容易で安価な地中埋設型シェルターを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施の形態に係る地中埋設型シェルターの斜視図(a)、断面図(b)である。
【
図2】本発明の実施の形態に係る地中埋設型シェルターを構成する部材の斜視図である。
【
図3】本発明の実施の形態に係る地中埋設型シェルターの構築方法を示す斜視図である。
【
図4】本発明の実施の形態に係る地中埋設型シェルターの構築方法を示す断面図である。
【
図5】本発明の実施の形態に係る地中埋設型シェルターの構築方法における緊張材周辺の構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施の形態に係る地中埋設型シェルターについて説明する。
図1は、この地中埋設型シェルター(シェルター)1の斜視図(a)、及び断面図(b)を示す。ここで、斜視図(a)においては、シェルター1のみが示されており、断面図(b)においては、そのy方向(第1の方向)に垂直な断面の地盤G中における形態が示されている。鉛直方向はz方向とされる。
【0010】
図1(a)に示されるように、このシェルター1は、x方向(第2の方向)の両側にそれぞれ離間して設けられた側壁部10A、10Bと、上側でこれらの間に設置された頂版11が、y方向で複数組組み合わせて形成される。底部における側壁部10Aと側壁部10Bの間には底版12が形成される。ここでは、側壁部10A、10B、頂版11が6組用いられているが、実際には、シェルター1の内部空間のy方向における長さに対応し、この数は適宜設定される。
図1(b)に示されるように、側壁部10A、10Bと頂版11は連結具20によって連結される。
【0011】
なお、
図1(a)においては、シェルター1は、y方向の両側で開口しているが、実際にはこの開口を塞ぐように端面壁が設けられる。シェルター1の内部への出入口は、
図1(a)の構造の構築後に、
図1(a)における上側に開口を設けることによって形成してもよいが、この端面壁に出入口を設けてもよい。このような出入口については、適宜設定が可能である。この場合、この端面壁は、
図1(a)においてy方向の両端部側(正側、負側)の側壁部10A、10Bに代わり、あるいはこれらの更に外側において、内部の空間を封止するように配置される。
図1(b)に示されるように、y方向に垂直断面においては、この空間は一組の側壁部10A、10B、頂版11と底版12で仕切られる。
【0012】
図1(a)における6つの側壁部10A、6つの側壁部10B、6つの頂版11は、それぞれ同一の形状とされる。
図2は、これらの個々の形状を示す斜視図である。実際には側壁部10Aと側壁部10Bの形状は同一であり、これらは
図1(a)においてはx方向(第2の方向)で互いに逆向きにされて離間して載置されている。すなわち、全ての側壁部10A、側壁部10B(計12個)は同一の形状を呈する。
【0013】
図2に示された側壁部10A(10B)、頂版11は、施工現場とは別の工場で型枠を用いて製造されたコンクリートブロック(プレキャストブロック)として製造される。
図1(a)ではこれらが6組用いられているが、この数は任意であり、シェルター1を、この数が大きな場合にはy方向において長く、この数が小さな場合にはy方向において短くすることができる。すなわち、同一の側壁部10A等を用い、この数の調整のみによって、シェルターの内部の空間が延伸する長さ(y方向における長さ)を設定することができる。個人の家屋の大きさは様々であり、これに応じて構築できるシェルターの大きさ(長さ)も様々となるが、この長さを上記の組み合わせの数によって容易に設定することができるため、このシェルター1を安価とすることができる。
【0014】
図1(b)に示されるように、底版12は、底面側において離間した側壁部10Aと側壁部10Bの間を埋め込むように形成される。後述するように、底版12は、プレキャストブロックではなく、施工現場で側壁部10A、10Bを設置した後に、コンクリートを打設することによって製造することができる。ただし、プレキャストブロックとして製造した底版12を
図1に示されるように配置してもよい。
【0015】
以上のようにシェルター1を多くの部材で構成し、少なくとも側壁部10A、10B、頂版11をプレキャストブロックで構成すれば、これらの重量を軽く、小さくすることができる。これにより、これらの運搬を容易とし、例えば狭い箇所や高さ制限のある場所における運搬も容易となる。また、施工現場では、これらの部材を構築するためにコンクリートを打設する作業は不要となる。また、
図2に示されるように側壁部10A(10B)、頂版11を別体としたプレキャストブロックとすることにより、これらの各々を異なる材料(異なる種類のコンクリート)で構成することができる。
【0016】
図1(b)の形態においては、遮蔽すべき放射線は主に上側からシェルター1の内部に侵入するため、
図1において特に放射線に対する高い遮蔽能力が要求されるのは、頂版11である。このため、頂版11を構成するコンクリートとしては、例えば特許文献3に記載されたような重量コンクリートを用いることができる。重量コンクリートは、通常のコンクリートに対して鉄成分を含有する骨材が混入されたコンクリート材料であり、通常のコンクリートよりも比重が大きく、中性子やγ線等の遮蔽性能を有する。一方、重量コンクリートで構成されたプレキャストブロックは重いため、その運搬や施工が困難となる。これに対して、
図1に示される構成では、頂版11のそれぞれを単体で小型化することができ、これによってこれらを軽量化することができるため、これらの運搬や施工が容易となる。また、側壁部10A、10Bを重量コンクリートで構成した場合も同様である。
【0017】
以下に、このシェルター1の構築方法について説明する。前記のように、このシェルター1はプレキャストブロックを用いて構築されるため、通常知られるPC(プレキャストコンクリート)工法を用いて構築することができる。この構築作業は、以下に説明するように行われる。
図3、4は、それぞれこの構築方法を説明する斜視図、断面図である。ここで、斜視図(
図3)においては地盤Gの記載は省略されている。
【0018】
ここでは、まず、
図3(a)、
図4(a)に示されるように、地盤Gが切削された後に、その底面に、6つずつの側壁部10A、10Bが、底版12に対応した間隔をもって所定の位置に設置される(側壁部配置工程)。その後、
図3(b)、
図4(b)に示されたように、上記の構造の上側から6つの頂版11を配置して固定する(頂版固定工程)。前記の通り、頂版11は特に放射線遮蔽能力が高いことが要求されるため、重量コンクリートで構成される。この際、これらの間の固定手法として、周知のものを用いることができる。
図3(b)、
図4(b)においては、金属製の連結具20が用いられ、例えば、連結具20を貫通するボルトを、側壁部10A、10B、頂版11側に埋め込まれたナット(ボルト、ナット共に図示せず)に螺合させることによって、これらの間を固定することができる。この固定は、側壁部10A、10B、頂版11側の組み合わせ(この例では6組)毎に行われる。
【0019】
なお、
図3(b)では、側壁部10A、10Bと頂版11が内面側から連結具20を用いて連結されるものとしたが、他の手法を用いてこれらを連結することもできる。例えば、頂版11の上側からボルト等を用いて下側の側壁部10A、10Bに対して頂版11を固定してもよい。また、側壁部10A、10Bと頂版11を外面側から連結具を用いて連結してもよい。
【0020】
次に、
図3(c)、
図4(c)に示されるように、上記の構造(6つの側壁部10A、6つの側壁部10B、6つの頂版11に対してプレストレスを付与する緊張作業が行われる(緊張工程)。ここでは、これらをy方向で貫通する鋼材であるPC鋼棒(緊張材)30が用いられる。
図5は、
図3(c)、
図4(c)中の領域AにおけるPC鋼棒30に関わる構造を示すy方向及びz方向に沿った断面図である。ここでは、最もy方向正側(
図3(c)では紙面手前側)に位置する頂版11とPC鋼棒30の関係が示されている。
【0021】
全ての頂版11には、PC鋼棒30をy方向で貫通させるPC鋼棒貫通孔11Aが
図3(c)の状態で連通するように形成され、y方向の正側、負側でそれぞれPC鋼棒30が突出するように、PC鋼棒30が設置される。
図5に示されるように、突出したPC鋼棒30の先端には、板状のアンカープレート31とナット32が順次装着され、特にナット32はPC鋼棒30に螺合して装着される。なお、
図3(c)、
図4(c)においてはこれらのうちPC鋼棒30以外の記載は省略され、
図3、
図4における
図3(c)、
図4(c)以外においては更にPC鋼棒30についての記載も省略されている。
【0022】
図5においては、PC鋼棒20のy方向正側の端部側の構造が示されているが、y方向負側の端部側においても同様である。このため、緊張作業において、両端部側のナット32を締め付け、両側のアンカープレート31によって、6つの頂版11に対してy方向に沿ったプレストレスを付与することができる。周知のように、このプレストレスによって頂版11の強度を高めることができる。
【0023】
図5においては
図3(c)、
図4(c)における左上側の領域AのPC鋼棒20に関わる構造が示されたが、
図3(c)における他の3つのPC鋼棒20についても同様である。すなわち、この緊張工程によって、頂版11,側壁部10A、10Bにy方向(積層方向)に沿ったプレストレスを付与し、これらの強度を高めることができる。なお、PC鋼棒貫通孔11A内をx方向又はz方向で外部と連通させる孔部を側壁部10A、10B、頂版11に設ければ、この孔部から緊張作業後にPC鋼棒貫通孔11A内をモルタルで充填することができる。
【0024】
その後、
図3(d)、
図4(d)に示されたように、x方向で隣接する側壁部10A、10Bの間にコンクリートを打設して底版12を形成する底版12が形成される(底版設置工程)。なお、側壁部10A、10Bの下側に適宜コンクリートが打設されていてもよい。この場合、側壁部10A、10Bと、底版12を構成するコンクリートは、重量コンクリートではない通常のコンクリート(鉄筋コンクリート)とすることができる。
【0025】
また、底版12もプレキャストブロックとして構成した場合には、底版12を
図3(d)、
図4(d)に示されたように配置してもよい。この場合、底版12と側壁部10A、10Bの間にモルタルを塗布してこれらの間を密封することができる。また、底版12をy方向において適宜分割してもよく、この場合には、この分割を側壁部10A、10Bと同一(図中では6つ)とする必要はない。
【0026】
その後、前記のようにシェルター1の内部への出入口が適宜形成される。以上により、プレキャストブロックとして形成された側壁部10A、10B、頂版11を用いて、シェルター1を構築することができる。このため、最終的に同様の構造となるシェルターを現場打ちにより構築する場合、あるいはプレキャストブロック同士の接合に結合具を用いて行う場合と比べて、短い工期でこのシェルターを構築することができる。各部材をプレキャストブロックとすることにより、各部材を均一かつ高品質とすることもできる。また、放射線の遮蔽能力が特に必要な部材(頂版11)のみを重量コンクリートで構成することによって、各部材の運搬や施工も容易となる。
【0027】
また、上記の例では、側壁部10A(10B)、頂版11は
図2に示された形状とされたが、これらの形状は、シェルター1内部の空間の形状に応じて適宜設定される。また、x方向における側壁部10Aと側壁部10Bの間隔あるいは頂版11の幅も、同様である。ただし、側壁部10Aと側壁部10Bの間隔(底版12の幅)を広くとることにより、個々の側壁部10A(10B)をより小型、軽量とすることができる。また、x方向の幅が異なるシェルター1を、この間隔を変えて構築することができるため、共通の側壁部10A(10B)を用いて構築することができ、この観点からも、シェルター1を安価とするすることができる。
【0028】
以上、本発明を実施形態をもとに説明した。この実施形態は例示であり、それらの各構成要素の組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【符号の説明】
【0029】
1 シェルター(地中埋設型シェルター)
10A、10B 側壁部
11 頂版
11A PC鋼棒貫通孔
12 底版
20 連結具
30 PC鋼棒(緊張材)
31 アンカープレート
32 ナット
【要約】
【課題】構築が容易で安価な地中埋設型シェルターを得る。
【解決手段】このシェルター1は、x方向の両側にそれぞれ離間して設けられた側壁部10A、10Bと、上側でこれらの間に設置された頂版11が、y方向で複数組組み合わせて形成される。底部における側壁部10Aと側壁部10Bの間には底版12が形成される。側壁部10A(10B)、頂版11は、施工現場とは別の工場で型枠を用いて製造されたコンクリートブロック(プレキャストブロック)として製造される。
図1(a)ではこれらが6組用いられているが、この数は任意であり、シェルター1を、この数が大きな場合にはy方向において長く、この数が小さな場合にはy方向において短くすることができる。
【選択図】
図1