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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-25
(45)【発行日】2024-02-02
(54)【発明の名称】導光板照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20240126BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20240126BHJP
   G02B 6/00 20060101ALI20240126BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240126BHJP
【FI】
F21S2/00 439
F21S2/00 443
F21V23/00 120
F21S2/00 444
G02B6/00 331
F21Y115:10 500
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019119054
(22)【出願日】2019-06-26
(65)【公開番号】P2021005501
(43)【公開日】2021-01-14
【審査請求日】2022-03-22
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】棚橋 理
【審査官】河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-036392(JP,A)
【文献】国際公開第2013/141020(WO,A1)
【文献】特開2011-009189(JP,A)
【文献】特開2011-044348(JP,A)
【文献】特開2018-085212(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 23/00
G02B 6/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子と蛍光体とを有する光源と、
前記光源の発する光が入射する入射面と、前記入射面から入射した光を出射させる出射面と、前記出射面の反対側の面である裏面とを有する導光板と、
前記光源と前記導光板とを収容する筐体とを備え、
前記導光板は、前記出射面及び前記裏面の少なくとも一方に形成され、前記出射面から光を出射させるための複数の光取出構造を有し、
前記入射面及び前記出射面で規定される前記導光板の角部と前記光源とを通過する直線と、前記光源の発光面を延長した仮想面とがなす鋭角の角度αは、以下の(式1)で表され、
【数1】
tは、前記導光板の厚みであり、
wは、前記導光板の厚み方向と平行な前記光源の幅であり、
zは、前記光源から前記入射面までの距離であり、
前記筐体は、その一部が前記直線よりも前記出射面側に設けられ、前記角度αの範囲から出射する光を遮光する遮光部を有し、
前記出射面における、前記入射面から規定位置までの距離x1、及び、前記複数の光取出構造のうちの前記入射面に最も近い位置に配置されている1以上の光取出構造までの距離x2のうちのいずれかの距離において、前記入射面から遠い方の距離を起点とし、かつ、前記出射面から出射された光の出射方向と前記出射面とがなす鋭角の角度βは、以下の(式2)で表され、
【数2】
τは、前記1以上の光取出構造を構成する任意の面の延長線と前記出射面とがなす鋭角の角度であり、
λは、前記1以上の光取出構造を構成する任意の面の法線方向と、前記1以上の光取出構造によって出射された光が前記出射面に対して最大角となる最大角光出射方向とがなす鋭角の角度であり、
前記距離x1は、以下の(式3)で表され、
【数3】
θは、前記導光板に導かれる光において、前記導光板と前記導光板の外部との界面における臨界角であり、
前記遮光部は、前記最大角光出射方向と前記出射面との角度の2分の1となる前記角度βであって、前記入射面から遠い方の距離を起点としたときの前記角度βを形成する主方向よりも前記入射面側に設けられ
前記遮光部は、前記出射面と対向する位置に配置される端縁を有し、
前記複数の光取出構造のうちの一部の光取出構造は、前記光源の発する光の光軸において、前記遮光部の前記端縁よりも前記光源側に配置される
導光板照明装置。
【請求項2】
x1≒1.35tである
請求項1に記載の導光板照明装置。
【請求項3】
β≒16°である
請求項1又は2に記載の導光板照明装置。
【請求項4】
前記複数の光取出構造は、前記出射面に形成される
請求項1~3のいずれか1項に記載の導光板照明装置。
【請求項5】
前記複数の光取出構造は、凹部又は凸部で形成されるプリズムであり、
前記複数の光取出構造を構成する任意の面の延長線と前記出射面とがなす鋭角の角度τは、15°以上55°以下である
請求項1~4のいずれか1項に記載の導光板照明装置。
【請求項6】
前記導光板の厚みは、前記入射面から離れるほど薄くなる
請求項1~5のいずれか1項に記載の導光板照明装置。
【請求項7】
前記導光板は、前記出射面から出射された光が照射される照射面に対して傾斜する姿勢で、前記筐体に支持される
請求項1~6のいずれか1項に記載の導光板照明装置。
【請求項8】
さらに、前記裏面に設けられ、前記導光板を導光する光を反射する反射板を備える
請求項1~7のいずれか1項に記載の導光板照明装置。
【請求項9】
さらに、前記筐体に収容され、前記光源を点灯制御するための電源回路を備え、
前記電源回路は、前記光源の鉛直上方に配置される
請求項1~8のいずれか1項に記載の導光板照明装置。
【請求項10】
さらに、前記光源を実装し、かつ、前記電源回路を実装する基板を備える
請求項9に記載の導光板照明装置。
【請求項11】
前記筐体は、さらに、前記導光板を収容する第1収容部と、前記電源回路を収容する第2収容部とを有し、
前記遮光部は、
前記第2収容部に形成され、
前記遮光部の一部が、前記光源及び前記入射面に近づくように延びている
請求項9又は10に記載の導光板照明装置。
【請求項12】
前記遮光部は、前記出射面と交差するように配置され、前記入射面と前記光源との間から漏れた光を遮光するための側壁部を有し、
前記側壁部は、前記端縁を有する
請求項1~11のいずれか1項に記載の導光板照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、導光板照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
導光板照明装置の従来の技術として、導光体と、蛍光灯からなるランプと、枠体とを有するバックライトが開示されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、導光体は、側面が光入射面をなし、光入射面とほぼ直交する平面が光出射面をなす。光出射面には、プリズムシートが設けられる。また、ランプは、導光体の側面に光を入射する。また、枠体は、導光体の端部に設けられ、ランプと導光体とを一体化している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第3067717号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に係るバックライトにおいて、蛍光体のランプの代わりに、発光素子と蛍光体とを有する光源を用いた場合、光源の発光面から出射される光は、蛍光体を通過する長さによって光色が変化する。通常、発光面の中央部分から出射する光は、蛍光体を通過する長さが短いために高色温度の光となるが、光源の発光面の端縁側から出射する光は、蛍光体を通過する長さが長いために低色温度の光となる。光源の表面から「浅い角度」で出射する低色温度の光は、導光板に入射されにくいために漏れ光となって、光源と導光板の間から漏れ出る。つまり、従来のバックライトと同じ構成では、所望の色と異なる色の光までもが照明器具外に出射されてしまう。
【0005】
そこで、本開示は、所望の色と異なる色の光が外部に漏れてしまうことを抑制することができる導光板照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本開示に係る導光板照明装置の一態様は、発光素子と蛍光体とを有する光源と、前記光源の発する光が入射する入射面と、前記入射面から入射した光を出射させる出射面と、前記出射面の反対側の面である裏面とを有する導光板と、前記光源と前記導光板とを収容する筐体とを備え、前記導光板は、前記出射面及び前記裏面の少なくとも一方に形成され、前記出射面から光を出射させるための複数の光取出構造を有し、前記入射面及び前記出射面で規定される前記導光板の角部と前記光源とを通過する直線と、前記光源の発光面を延長した仮想面とがなす鋭角の角度αは、以下の(式1)で表され、
【数1】
tは、前記導光板の厚みであり、wは、前記導光板の厚み方向と平行な前記光源の幅であり、zは、前記光源から前記入射面までの距離であり、前記筐体は、その一部が前記直線よりも前記出射面側に設けられ、前記角度αの範囲から出射する光を遮光する遮光部を有し、前記出射面における、前記入射面から規定位置までの距離x1、及び、前記複数の光取出構造のうちの前記入射面に最も近い位置に配置されている1以上の光取出構造までの距離x2のうちのいずれかの距離において、前記入射面から遠い方の距離を起点とし、かつ、前記出射面から出射された光の出射方向と前記出射面とがなす鋭角の角度βは、以下の(式2)で表され、
【数2】
τは、前記1以上の光取出構造を構成する任意の面の延長線と前記出射面とがなす鋭角の角度であり、λは、前記1以上の光取出構造を構成する任意の面の法線方向と、前記1以上の光取出構造によって出射された光が前記出射面に対して最大角となる最大角光出射方向とがなす鋭角の角度であり、前記距離x1は、以下の(式3)で表され、
【数3】
θは、前記導光板に導かれる光において、前記導光板と前記導光板の外部との界面における臨界角であり、
前記遮光部は、前記最大角光出射方向と前記出射面との角度の2分の1となる前記角度βであって、前記入射面から遠い方の距離を起点としたときの前記角度βを形成する主方向よりも前記入射面側に設けられ、前記遮光部は、前記出射面と対向する位置に配置される端縁を有し、前記複数の光取出構造のうちの一部の光取出構造は、前記光源の発する光の光軸において、前記遮光部の前記端縁よりも前記光源側に配置される
【発明の効果】
【0007】
本開示に導光板照明装置によれば、所望の色と異なる色の光が外部に漏れてしまうことを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施の形態に係る導光板照明装置の全体構成を示す斜視図である。
図2図2は、図1のII-II線における、実施の形態に係る導光板照明装置の断面図である。
図3図3は、実施の形態に係る導光板照明装置における遮光部の位置を例示する模式図である。
図4A図4Aは、光源及び導光板を拡大した部分拡大断面図である。
図4B図4Bは、光源及び導光板を拡大した図であり、角度λ、τ、θの関係を示す説明図である。
図5図5は、導光板において、入射面に最も近い位置の光取出構造での角度βを示す説明図である。
図6図6は、光源において、発光素子から出射する光の光路長によって変化する光の色を例示する説明図である。
図7図7は、実施の形態の変形例1に係る導光板照明装置の断面図である。
図8図8は、実施の形態の変形例2に係る導光板照明装置の断面図である。
図9図9は、実施の形態の変形例3に係る導光板照明装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態等は、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0010】
なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
【0011】
また、以下の実施の形態において、略平行等の表現を用いている。例えば、略平行は、平行であることを意味するだけでなく、実質的に平行である、すなわち、例えば数%程度の誤差を含むことも意味する。また、略平行は、本開示による効果を奏し得る範囲において平行という意味である。他の「略」を用いた表現、さらに「≒」を用いた表現、「約」を用いた表現についても同様である。
【0012】
以下の説明において、光源が出射する光の光軸の方向と平行な方向をX軸方向とし、導光板照明装置の長さ方向である長手方向と平行な方向をY軸方向とし、X軸方向及びY軸方向と直交する方向をZ軸方向と規定する。
【0013】
以下、本開示の実施の形態に係る導光板照明装置について説明する。
【0014】
(実施の形態)
[構成:導光板照明装置1]
図1は、実施の形態に係る導光板照明装置1の全体構成を示す斜視図である。
【0015】
図1に示すように、導光板照明装置1は、導光板10を用いた照明装置であり、例えば、天井、壁等の造営材に設置される。導光板照明装置1は、造営材等の照射面に光を照射することで、空間を照明することができる照明器具である。例えば、導光板照明装置1は、壁の天井側のコーナ部分に設けられ、光が照射される天井の照射面全体を照明できるように、X軸プラス方向側に向けて光を出射することができる。ここで、造営材は、天井及び壁等を構成する部材である。また、本実施の形態の導光板照明装置1では、エッジライト方式の導光板10を用いている。
【0016】
図2は、図1のII-II線における、実施の形態に係る導光板照明装置1の断面図である。図1及び図2に示すように、導光板照明装置1は、導光板10と、複数の光源20と、基板30と、筐体40と、放熱部50と、反射板60と、電源回路70とを備える。
【0017】
<導光板10>
導光板10は、光源20が発した光が入射し、この光を導光させる光学部材である。導光板10は、アクリル、ポリカーボネート等の樹脂又はガラス等の透光性の部材であるが、透光性があればその他どのような材料で形成されてもよい。
【0018】
本実施の形態では、導光板10の形状は、平面視で矩形状である。なお、導光板10の形状は、平面視で矩形状に限らず、平面視で、円形状、多角形状等であってもよい。
【0019】
導光板10は、入射面11と、出射面12と、対向面13とを有する。
【0020】
入射面11は、複数の光源20の発する光が入射する面であり、複数の光源20と対向する面である。入射面11は、出射面12の端縁と対向面13の端縁とに接続される面であり、導光板10のX軸マイナス方向側の側面である。入射面11は、Y-Z平面に対して略平行な平面であり、略均一な平面をなしている。
【0021】
出射面12は、入射面11から入射した光、つまり導光板10を導光した光を出射させる面であり、照射面に光を照射させるための光出射面である。例えば、出射面12は、対向面13で反射した光が出射する。出射面12は、導光板10のZ軸プラス方向側の面である。出射面12は、X-Y平面に対して略平行な平面であり、略均一な平面をなしている。
【0022】
出射面12は、導光板10が筐体40に収容された状態で、後述する筐体40の第1収容部41の開口から露出している。このため、出射面12から出射した光は、導光板照明装置1の外部に出射することができる。
【0023】
対向面13は、出射面12に対して対向する面、つまり出射面12と反対側の面であり、導光板10を導光した光を出射面12に向けて反射する面である。対向面13は、導光板10のZ軸マイナス方向側の面であり、第1収容部41の底部(第1収容部41のZ軸マイナス方向側の部分)と対向している。対向面13は、X-Y平面に対して略平行な平面であり、略均一な平面をなしている。対向面13は、裏面の一例である。
【0024】
また、出射面12及び対向面13の少なくとも一方には、光取出構造12aが形成されている。本実施の形態では、光取出構造12aは、出射面12に形成されている。
【0025】
光取出構造12aが出射面12に形成されている場合、導光板10を導光する光が光取出構造12aに入射した場合に、直接的に光を出射する。また、光取出構造12aが対向面13に形成されている場合、導光板10を導光する光が光取出構造12aに入射した場合に、出射面12に向けて反射することで、間接的に光を出射する。
【0026】
光取出構造12aは、配光制御機能を有する。光取出構造12aは、導光板10を導光した光を、規定の方向に向けて光を出射する。本実施の形態では、光取出構造12aは、X軸プラス方向とZ軸プラス方向との間の方向に向けて光を出射するように、配光制御する。
【0027】
光取出構造12aは、出射面12及び対向面13の少なくとも一方において、入射面11の近傍部分まで形成されている。具体的には、光取出構造12aの最前列は、導光板10と後述する第2収容部42とをZ軸方向から視た場合に、第2収容部42と重なっている。ここで、光取出構造12aの最前列は、複数の光取出構造12aのうち、入射面11に最も近い位置であり、入射面11側に形成されているY軸方向に沿った1以上の光取出構造12aの列である。また、光取出構造12aの最前列は、第2収容部42の遮光部42aよりもX軸マイナス方向側に形成されている、つまり、筐体40の奥まった位置まで形成されている。
【0028】
光取出構造12aは、凹部又は凸部で形成されるプリズムであり、微細構造をなしている。凹部又は凸部は、例えば円錐状及び角錐状等の錐状、円錐台状及び角錐台状等の錐台状、円柱状及び角柱状等の柱状である。本実施の形態では、光取出構造12aは、略円錐状の凹部であり、所定の規則で配列されている。光取出構造12aは、基材に対してレーザー加工等の熱加工により掘削してもよく、金型成型により製造してもよく、ダイヤモンドバイト等の切削装置によって形成してもよい。また、出射面12及び対向面13の少なくとも一方に、一様な光取出構造12aを形成した後に、その一部を切り出すことで、導光板10を製造してもよい。この場合、入射面11の近傍まで光取出構造12aが形成された導光板10を得ることができる。
【0029】
<光源20>
複数の光源20は、導光板10の入射面11と対向するように配置され、導光板10の入射面11に向けて光を出射する発光モジュールである。つまり、複数の光源20は、光を出射する方向(光軸)がX軸プラス方向に向くように、配置されている。複数の光源20が発する光を出射する方向(X軸プラス方向)には、導光板10が配置されている。
【0030】
また、複数の光源20は、基板30に実装されている。複数の光源20は、Y軸方向に所定の間隔で並べられている。実装とは、基板30に印刷された半田及びこの半田に装着された光源20がリフローによって半田を介して基板30に接合されたことを意味する。
【0031】
また、光源20は、電源回路70に電気的に接続され、電源回路70からの電力が供給される。光源20は、電源回路70に設けられている図示しない制御部により制御されて点灯及び消灯を行う。また、光源20は、電源回路70に設けられている制御部により制御されて調光調色を行う。例えば、光源20は、青色LEDチップと黄色蛍光体含有樹脂との組み合わせにより白色光を放出する表面実装型LED素子を採用する。
【0032】
複数の光源20のそれぞれは、例えば、SMD(Surface Mount Device)型のLED(Light Emitting Diode)素子である。複数の光源20のそれぞれは、LEDチップである発光素子21と、発光素子21が発する光を波長変換することで蛍光を発する蛍光体とを有する。なお、光源20として、COB(Chip On Board)型の発光モジュールが用いられてもよい。
【0033】
発光素子21は、樹脂成型されたキャビティの中に配置されたLEDチップであり、導光板照明装置1の出射光となる光を出射する。発光素子21は、キャビティ内に蛍光体を含有する樹脂によって封入される。つまり、SMD型のLED素子とは、発光素子21がこの樹脂によって封入されたパッケージ型のLED素子である。
【0034】
<基板30>
基板30は、複数の光源20及び電源回路70を実装するための実装基板であって、例えばセラミックス基板、樹脂基板又は絶縁被覆されたメタルベース基板などである。基板30には、光源20を発光させるための直流電力を外部から受電するための一対の電極端子(正電極端子及び負電極端子)が形成されている。
【0035】
基板30は、Y軸方向に長尺な、矩形状の回路基板である。基板30は、複数の光源20がY軸方向に等間隔に並ぶように、これらの光源20を実装している。また、基板30は、電源回路70を実装し、電源回路70よりもZ軸マイナス方向側に複数の光源20を実装している。また、基板30は、複数の光源20及び電源回路70をX軸プラス方向側の面に実装している。このように、一枚の基板30は、複数の光源20及び電源回路70を、同一の面に実装している。
【0036】
また、基板30は、その一部が第2収容部42に収容され、第2収容部42から、第1収容部41に跨って配設されている。また、基板30は、筐体40の天井部42b1(第2収容部42のZ軸プラス方向側の部分)近傍まで配設されている。これにより、基板30は、電源回路70を、光源20の鉛直上方に配置できる。
【0037】
基板30は、光源20及び電源回路70が発した熱を放熱するように放熱部50に熱的に接続されている。本実施の形態では、基板30は、ボルト等の締結部によって放熱部50に固定され、基板30のX軸マイナス方向側の面に放熱部50が密着している。基板30は、放熱部50によって、Y-Z平面に対して略平行となる姿勢で筐体40内に支持されている。
【0038】
<筐体40>
筐体40は、Y軸方向に長尺な収容体であり、導光板10、ヒートシンク、反射板60、光源20、基板30及び電源回路70を収容する。筐体40は、光源20及び導光板10を収容した状態で、光源20が発する光を導光板10に入射させる姿勢であり、かつ、導光板10の出射面12から光を出射させる姿勢で、光源20及び導光板10を保持する。
【0039】
筐体40は、アルミ等の金属製の材料で構成されている。このため、筐体40は、遮光性を有する。なお、筐体40は、樹脂等の材料で構成されていてもよい。
【0040】
筐体40は、Y軸方向に視て、L字状をなしている。筐体40は、X-Y平面と略平行な導光板10と光源20とを収容する第1収容部41と、第1収容部41に対して立上るように形成され、Y-Z平面と略平行な第2収容部42とを有する。
【0041】
第1収容部41は、Z軸プラス方向側の部分が開かれた開口を有し、Y軸方向に長尺な受け皿状又はトレイ状である。第1収容部41は、開口を介して導光板10を収容するための空間を形成し、導光板10をX-Y平面と略平行な姿勢で支持する。具体的には、第1収容部41は、導光板10のZ軸マイナス方向側に設けられ、導光板10の出射面12を露出させた状態で、導光板10を支持する。
【0042】
第2収容部42は、第1収容部41と接続され、電源回路70と基板30の一部とを収容する筐体40である。第2収容部42が形成する空間は、第1収容部41が形成する空間と連続している。
【0043】
第2収容部42は、入射面11と光源20との間から漏れた光を遮光する遮光部42aを有する。遮光部42aは、Y軸方向に長尺であり、折り曲げられた板状である。遮光部42aは、入射面11と光源20との間から漏れた光を遮光するため、第2収容部42のX軸プラス方向側の部分であり、Y-Z平面に対して略平行な部分である側壁部42a1と、第2収容部42のZ軸プラス方向側の部分であり、X-Y平面に対して略平行な部分である天井部42b1とを有する。なお、遮光部42aは、より確実に光を遮光するため、第2収容部42のY軸方向における両側面の部分を有していてもよい。
【0044】
遮光部42aについて図3を用いて説明する。図3は、実施の形態に係る導光板照明装置1における遮光部42aの位置を例示する模式図である。
【0045】
図3に示すように、遮光部42aの下端部分であるZ軸マイナス方向側の端縁42a3(以下、遮光部42aの端縁42a3という)は、出射面12と対向する位置に配置され、Z軸方向から視て、後述する光取出構造12aと重なっている。遮光部42aの端縁42a3は、遮光部42aの側壁部42a1の一部である。また、遮光部42aの端縁42a3は、導光板10の入射面11よりもX軸プラス方向に設けられる。具体的には、筐体40及び導光板10をY軸方向に視た場合に、遮光部42aの端縁42a3は、入射面11及び出射面12で規定される導光板10の角部P1と光源20とを通過する直線V1よりも出射面12側に設けられ、図3及び図4Aに示すように、角度αの全範囲から出射する光を遮光するように設けられる。図4Aは、光源20及び導光板10を拡大した部分拡大断面図である。また、図4Aでは、便宜上、電源回路70、放熱部50等を省略して示している。
【0046】
直線V1と、光源20の発光面を延長した仮想面V2とがなす鋭角の角度αは、以下の(式1)で表される。
【0047】
【数2】
【0048】
tは、導光板10のZ軸方向の厚みである。wは、導光板10の厚み方向(Z軸方向)と平行な光源20の幅である。zは、光源20から入射面11までの距離である。
【0049】
さらに、遮光部42aは、筐体40及び導光板10をY軸方向に視た場合に、角度βの範囲に存在せず、光取出構造12aからの光の主たる出射方向(以下、主方向という)よりも入射面11側に設けられる。主方向は、光取出構造12aから出射される光の指向性において、最も光の強度の強い軸方向である。主方向は、光の出射方向の一例である。
【0050】
角度βについて、さらに図4B及び図5を用いて説明する。図4Bは、光源20及び導光板10を拡大した図であり、角度λ、τ、θの関係を示す説明図である。図5は、導光板10において、入射面11に最も近い位置の光取出構造12aでの角度βを示す説明図である。
【0051】
図4A図4B及び図5に示すように、角度βは、出射面12における、入射面11から規定位置までの距離x1(=出射開始オフセット量)、及び、入射面11に最も近い位置に配置されている1以上の光取出構造12aまでの距離x2のうちのいずれかの距離において、入射面11から遠い方の距離を起点とし、かつ、出射面12から出射された主方向と出射面12とがなす鋭角の角度である。図4A及び図5に示すように、本実施の形態では、角度βは、光取出構造12aの最前列から出射された主方向と出射面12とがなす鋭角の角度を例示する。なお、角度βは、ランバートな配光を有する光を入射面11に入射させた場合を想定している。また、入射面11から規定位置までの領域は非発光領域となる。つまり、図4Aの例では入射面11から距離x1の領域が非発光領域となる。また、出射面12において、非発光領域以外の領域(入射面11から距離x1の地点よりもX軸プラス方向側)では、光取出構造12aを設けることで、配光制御された光を出射することができる。つまり、導光板10の出射面12は、入射面11側に沿って形成された非発光領域と、非発光領域以外の発光領域とを有する。なお、距離x1については、後述する(式3)で示す。
【0052】
図4B及び図5に示すように、角度βは、以下の(式2)で表される。
【0053】
【数3】
【0054】
τは、光取出構造12aにおける任意の面12a1の延長線と出射面12とがなす鋭角の角度である。任意の面12a1は、本実施の形態では、円錐状の光取出構造12aの内周面である。本実施の形態では、角度τは、15°以上55°以下である。また、本実施の形態では、β≒16°である。
【0055】
また、λは、光取出構造12aにおける任意の面12a1の法線方向と、光取出構造12aによって出射された光が出射面12に対して最大角となる最大角光出射光の方向である最大角光出射方向とがなす鋭角の角度である。最大角光出射方向とは、光取出構造12aから出射される光の指向性において、出射面12に対する最も角度の大きい光の出射方向である。最大角光出射方向と出射面12とがなす角度は、約2βとなる。
【0056】
図4Aに示すように、距離x1は、以下の(式3)で表される。
【0057】
【数4】
【0058】
本実施の形態では、x1≒1.35tである。これは、空気の屈折率を1とし、導光板10の屈折率を1.5とすると、臨界角θは、スネルの法則を用いて、約42°となる。これにより、距離x1が導出される。
【0059】
つまり、遮光部42aの端縁42a3は、入射面11及び出射面12で規定される導光板10の角部P1と光源20とを通過する直線V1よりも出射面12側であり、かつ、出射面12から出射された光の主たる出射方向となる主方向よりも導光板10の入射面11側に位置する。つまり、入射面11から距離x1までの間の非発光領域からは、ほとんど光が出射されないため、直線V1から主方向(なお、最大角光出射方向でもよい)までの間である図3及び図4Aの狭い間隔のドットのハッチングで示す領域Hに遮光部42aが配置されても、遮光部42aは、発光領域から出射される配光制御された光(特に主方向の光)を遮らない。例えば、x1>x2であれば、入射面11に最も近い位置に配置されている1以上の光取出構造12aからは、配光制御された光がほとんど出射されない。また例えば、x2>x1であっても、遮光部42aは、入射面11に最も近い位置に配置されている1以上の光取出構造12aから配光制御された光を遮光しない。このように、距離x1と距離x2とのうち、入射面11から遠い方の距離を採用することで、遮光部42aは、光源20と導光板10との間からの漏れ光を遮光するとともに、主方向に出射される配光制御された光を遮ることがない。
【0060】
なお、遮光部42aの内面(電源回路70側の面)は、光を吸収する性質を有していてもよい。また、遮光部42aの内面には、光を吸収する光吸収部材が設けられていてもよい。
【0061】
図1及び図2に示すように、また、導光板10の出射面12が天井と対向するように導光板照明装置1を壁に設置した場合、第2収容部42は、第1収容部41よりも鉛直上方(Z軸プラス方向の一例)に位置する。このため、第2収容部42は、導光板10、光源20及び遮光部42aよりも電源回路70を鉛直上方に配置することができる。
【0062】
<放熱部50>
放熱部50は、Y軸方向に視てL字状に形成された金属製の部材である。放熱部50は、筐体40に収容された状態で、筐体40の内部に支持されている。
【0063】
放熱部50は、収容部に収容され、平板部51と、立上り部52と有する。
【0064】
平板部51は、X-Y平面に対して略平行であり、Y軸方向において、基板30の長さと同等の長さである。平板部51は、スペーサ及び反射板60を介してボルト等の締結部によって導光板10に固定される。つまり、締結部は、導光板10、反射板60及び平板部51を挿通することで、ネジ締めしている。なお、締結部は、第1収容部41の底部も締結していてもよい。
【0065】
立上り部52は、平板部51のX軸マイナス方向側の端縁からZ軸プラス方向に立上る部分である。立上り部52は、Y-Z平面に対して略平行であり、Y軸方向において、基板30の長手方向(Y軸方向)の長さと同等の長さである。立上り部52のX軸プラス方向側に面には、基板30が密着している。立上り部52は、ボルト等の締結部によって、基板30を支持している。立上り部52は、基板30と同等の大きさであり、筐体40の天井部42b1近傍まで配設されている。
【0066】
放熱部50は、光源20及び電源回路70で発生した熱を効率良く筐体40に放熱させるために、アルミニウム(Al)、銅(Cu)又は鉄(Fe)等の熱伝導率の高い金属材料を主成分として構成されていてもよい。また、放熱部50は、金属製に限らず、熱伝導率の高い樹脂材料を用いて構成してもよい。
【0067】
放熱部50は、筐体40にも熱的に接続されており、筐体40もヒートシンクとしての役割を果たす。
【0068】
<反射板60>
反射板60は、導光板10から対向面13に出射した光を、出射面12に向けて反射する反射材である。反射板60は、導光板10の対向面13の少なくとも一部を覆うように設けられている。反射板60において、対向面13と対向する面は、光を反射させる加工、例えば鏡面加工されている。なお、反射板60は、導光板10に設けられていなくてもよく、導光板照明装置1に必須の構成要素ではない。
【0069】
反射板60は、例えば、アルミニウム等の金属製の部材によって形成される。なお、反射板60は、金属膜を付加した樹脂材料でもよく、白色樹脂材料、又は、白色塗装した金属製の材料によって形成されてもよい。
【0070】
<電源回路70>
電源回路70は、筐体40に収容され、光源20を点灯及び消灯させる点灯制御を行う。電源回路70は、基板30に複数の電子部品が実装された点灯回路である。電源回路70は、複数の光源20を発光させるための駆動電力を生成する。例えば、電源回路70は、AC/DCコンバータ等を有する。電源回路70は、商用電源から供給される交流電力を直流電力に電力変換し、電力変換した直流電力を光源20に供給する。これにより、光源20が発光する。
【0071】
また、電源回路70は、光源20の鉛直上方に配置される。つまり、電源回路70は、筐体40の第2収容部42に収容され、導光板10、光源20及び遮光部42aの端縁42a3よりもZ軸プラス方向側に配置される。電源回路70は、筐体40の天井部42b1近傍に配設されている。
【0072】
なお、電源回路70は基板30において、複数の光源20と反対側の面に実装されていてもよい。
【0073】
[作用効果]
次に、本実施の形態における導光板照明装置1の作用効果について説明する。
【0074】
上述したように、本実施の形態に係る導光板照明装置1は、発光素子21と蛍光体22とを有する光源20と、光源20の発する光が入射する入射面11と、入射面11から入射した光を出射させる出射面12と、出射面12の反対側の面である対向面13とを有する導光板10と、光源20と導光板10とを収容する筐体40とを備える。また、導光板10は、出射面12及び対向面13の少なくとも一方に形成され、出射面12から光を出射させるための複数の光取出構造12aを有する。また、入射面11及び出射面12で規定される導光板10の角部P1と光源20とを通過する直線V1と、光源20の発光面を延長した仮想面V2とがなす鋭角の角度αは、以下の(式4)で表される。
【0075】
【数5】
【0076】
tは、導光板10の厚みである。wは、導光板10の厚み方向と平行な光源20の幅である。zは、光源20から入射面11までの距離である。そして、筐体40は、その一部が直線V1よりも出射面12側に設けられ、角度αの範囲から出射する光を遮光する遮光部42aを有する。
【0077】
例えば、図6に示すように、発光素子21と蛍光体22とを有する光源20を導光板照明装置1に用いた場合、光源20の発光面から出射される光は、蛍光体22を通過する長さによって光色が変化する。発光面20aの中央部分から出射される光は、発光素子21から発光面20aまでの距離が短い、つまり蛍光体22を通過する距離が短く、波長変換されない光を含むため、高色温度となる。一方、発光面20aの端縁側から出射される光は、発光面20aの中央部分から出射される光の光路長よりも発光素子21から発光面20aまでの距離が長い、つまり蛍光体22を通過する距離が長く、ほとんどの光が波長変換されるため、低色温度となる。図6は、光源20において、発光素子21から出射する光の光路長によって変化する光の色を例示する説明図である。
【0078】
このような、低色温度の光は、導光板10の入射面11に入射されずに、漏れ光となることがある。この漏れ光は、低色温度であるため、導光板10の入射面11に入射された高色温度の光とは異なる色である。この低色温度の光が導光板照明装置1から漏れた場合、照射面に照射された光の色の均整がとれず、照射面の見栄えが悪くなる。
【0079】
しかし、本実施の形態によれば、遮光部42aは、入射面11及び出射面12で規定される導光板10の角部P1と光源20とを通過する直線V1よりも出射面12側に設けられているため、光源20と入射面11との間から出射された低色温度の光を遮光することができる。このため、この導光板照明装置1は、筐体40からこのような低色温度の光が出射されることを抑制する。
【0080】
また、導光板10の入射面11には、高色温度の光が入射されるため、導光板10の出射面12から、高色温度の光、つまり所望の光が出射される。
【0081】
したがって、導光板照明装置1によれば、所望の色と異なる色の光が、導光板照明装置1の外部に漏れてしまうことを抑制することができる。
【0082】
また、本実施の形態に係る導光板照明装置1は、出射面12における、入射面11から規定位置までの距離x1、及び、複数の光取出構造12aのうちの入射面11に最も近い位置に配置されている1以上の光取出構造12aまでの距離x2のうちのいずれかの距離において、入射面11から遠い方の距離を起点とし、かつ、出射面12から出射された光の出射方向と出射面12とがなす鋭角の角度βは、以下の(式5)で表される。
【0083】
【数6】
【0084】
τは、1以上の光取出構造12aを構成する任意の面12a1の延長線と出射面12とがなす鋭角の角度である。λは、1以上の光取出構造12aを構成する任意の面12a1の法線方向と、1以上の光取出構造12aによって出射された光が出射面12に対して最大角となる最大角光出射方向とがなす鋭角の角度である。また、距離x1は、以下の(式6)で表される。
【0085】
【数7】
【0086】
そして、遮光部42aは、角度βの起点となる位置における、出射面12から出射された光の出射方向よりも入射面11側に設けられる。
【0087】
近年では、例えば、導光板から出射させる光をできるだけ遠くに照射したいという要望がある。その一方で、デザイン上の観点から、導光板照明装置の全幅(X軸方向の幅)を小さくしたいという要望がある。このため、導光板のX軸方向の幅を小さくすれば、導光板照明装置の全幅は小さくなるが、導光板の導光長が短くなるため、導光板の光取出構造によって制御された制御光の割合は少なくなってしまう。このため、導光板の出射面から遠くに出射される光(配光制御された光)をできるだけ確保したい。そこで、導光板の入射面近傍まで光取出構造を設けることで、出射面から出射する光の光量を確保したい。また、光取出構造から出射される光は、配光制御された光であるため、このような光を可能な限り遮光部に遮光させたくない。言い換えれば、配光制御された光を有効活用したい。
【0088】
そこで、本実施の形態では、光取出構造12aから出射される光の方向、つまり最大角光出射方向と出射面12との角度の2分の1となる方向(つまり、主方向)よりも入射面11側に、遮光部42aを配置する。光取出構造12aから出射される主方向は、光取出構造12aからの光の強度が最も強い。このため、この導光板照明装置1では、遮光部42aが光取出構造12aから出射される強度の強い光(例えば主方向の光)を遮らないため、導光板10の出射面12から有効に光を出射することができる。
【0089】
また、本実施の形態に係る導光板照明装置1では、入射面11から距離x1までの間の非発光領域からは、ほとんど光が出射されないため、直線V1から主方向の間である図4Aの領域Hに遮光部42aが配置されても、遮光部42aは、発光領域から出射される配光制御された光(特に主方向の光)を遮らない。このことから、距離x1と距離x2とのうち、入射面11から遠い方の距離を採用しているため、遮光部42aは、光源20と入射面11との間から出射された低色温度の光を遮光するだけでなく、出射面12から出射される光(特に主方向の光)を遮光しない。
【0090】
また、本実施の形態に係る導光板照明装置1において、x1≒1.35tである。
【0091】
この場合においても、この導光板照明装置1は、導光板10を導光した光を、より確実に出射面12から効率よく出射させることができる。
【0092】
また、本実施の形態に係る導光板照明装置1において、β≒16°である。
【0093】
これによれば、遮光部42aが発光領域から出射した光を遮光しないように配置されるため、この導光板照明装置1では、導光板10から出射する光を、出射面12からより効率よく出射させることができる。
【0094】
また、本実施の形態に係る導光板照明装置1において、複数の光取出構造12aは、出射面12に形成される。
【0095】
これによれば、光取出構造12aが導光板10を導光した直接光を出射させるため、対向面13に光取出構造12aを形成する場合に比べて、導光板10を導光した光を、出射面12から効率よく出射させることができる。
【0096】
また、本実施の形態に係る導光板照明装置1において、複数の光取出構造12aは、凹部又は凸部で形成されるプリズムである。そして、複数の光取出構造12aを構成する任意の面12a1の延長線と出射面12とがなす鋭角の角度τは、(i)15°以上55°以下である。
【0097】
例えば、角度τが(ii)15°未満の場合、光取出構造から出射される光の取出し効率が低下する傾向にある。一方で角度τが(iii)55°以上の場合、出射面から出射する光の主方向が導光板の出射面の法線方向に近づくため、X軸プラス方向への配光比率が減少する。
【0098】
しかし、本実施の形態では、角度τが、(ii)又は(iii)の場合に比べて、光取出構造12aからX軸プラス方向へ出射される光の取出し効率を高くすることができる。これは、例えば光取出構造12aを円錐状の凹部とし、開口径が同一の条件では、角度τが(ii)の場合よりも(i)の方が光取出構造12aが深くなるため、出射面12の面積が増える。このため、導光板10を導光する光が光取出構造12aに入射し易くなる。また、角度τが(iii)の場合よりも(i)の方が、主方向がX軸プラス方向へ傾くため、目的とする浅い方向の光が出射され易くなる。浅い方向とは、角度βが出射面12側に近づくようにX軸プラス方向に傾く方向である。
【0099】
また、本実施の形態に係る導光板照明装置1は、さらに、対向面13に設けられ、導光板10を導光する光を反射する反射板60を備える。
【0100】
これによれば、導光板10を導光して光出射構造12aで全反射して対向面13から出射した光は、反射板60によって出射面12に向けて反射されるため、対向面13から出射する光を出射面12側から出射させることができる。つまり、この導光板照明装置1では、対向面13に反射板60を設けていない場合に比べて、出射面12から出射する光量が低下することを抑制することができる。言い換えれば、この導光板照明装置1では、出射面12から効率的に光を出射させることができる。
【0101】
また、本実施の形態に係る導光板照明装置1は、さらに、筐体40に収容され、光源20を点灯制御するための電源回路70を備える。そして、電源回路70は、光源20の鉛直上方に配置される。
【0102】
これによれば、電源回路70を光源20の鉛直上方に配置することで、光源20の裏面側に電源回路70を配置する場合に比べて、導光板照明装置1のX軸方向の幅が大きくなることを抑制することができる。
【0103】
また、電源回路70は、筐体40に収容されているため、導光板照明装置1の外部から電源回路70を視認することができ難くなる。このため、導光板照明装置1の見栄えが悪化し難い。
【0104】
また、本実施の形態に係る導光板照明装置1は、さらに、光源20を実装し、かつ、電源回路70を実装する基板30を備える。
【0105】
これによれば、光源20と電源回路70とを1つの基板30で共有しているため、光源20の基板30と、電源回路70との基板30とを別々に設ける必要もない。この分だけ、導光板照明装置1を小型化することができる。
【0106】
(実施の形態の変形例1)
[構成]
本変形例に係る導光板照明装置1について図7を用いて説明する。
【0107】
図7は、実施の形態の変形例1に係る導光板照明装置1の断面図である。
【0108】
本変形例の導光板照明装置1の構成は、特に明記しない場合、実施の形態と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。
【0109】
本変形例では、図7に示すように、筐体140をY軸方向に視た場合に、筐体140における第2収容部42の遮光部142aは、その一部の端部が、光源20及び入射面11に近づくように延びている。つまり、遮光部142aの側壁部142a1は、遮光部142aの天井部142b1から、電源回路70を覆うように湾曲して、光源20及び入射面11に近づくように、光源20及び入射面11の近傍に渡って配置される。
【0110】
筐体140と導光板10とをZ軸方向から視た場合に、遮光部142aの側壁部142a1における端部の端縁142a3は、光取出構造12aの最前列と重なっていてもよく、この列と重なっていなくてもよい。つまり、この場合、側壁部142a1の端縁142a3は、この列よりも入射面11側又はX軸プラス方向側に配置されていてもよい。
【0111】
このように、本実施の形態に係る導光板照明装置1において、筐体140は、さらに、導光板10を収容する第1収容部41と、出射面12に対して立設した状態の基板30の少なくとも一部を収容する第2収容部42とを有する。また、遮光部142aは、第2収容部42に形成される。そして、遮光部142aは、遮光部142aの一部が、光源20及び入射面11に近づくように延びている。
【0112】
これによれば、遮光部142aの端部を光源20及び入射面11に近づけた状態で配置することができる。このため、光取出構造12aの最前列から出射する配光制御された光を遮り難くなる。このため、導光板10の出射面12から出射された光を照明光として、より有効に利用することができる。さらに、遮光部142aは、光源20からの光で導光板12に入射されない漏れ光を遮光し、電源回路70を外部から見えにくくできる。
【0113】
(実施の形態の変形例2)
[構成]
本変形例に係る導光板照明装置1について図8を用いて説明する。
【0114】
図8は、実施の形態の変形例2に係る導光板照明装置1の断面図である。
【0115】
本変形例の導光板照明装置1の構成は、特に明記しない場合、実施の形態と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。
【0116】
本変形例の導光板照明装置1に用いられる導光板10は、図8に示すように、導光板10の厚みは、入射面11から離れるほど薄くなる。つまり、導光板10の厚みは、入射面11からX軸プラス方向に向かうにつれて、薄くなる。このため、導光板10におけるX軸プラス方向側の端縁は、先細りになっている。なお、導光板照明装置1をX軸マイナス方向に視た場合に、導光板10におけるX軸プラス方向側の端縁は、第1収容部41と重なっている。このため、第1収容部41は、導光板10におけるX軸プラス方向側の端縁から、グレアとなる光が出射されることを抑制する。
【0117】
このように、本実施の形態に係る導光板照明装置1において、導光板10の厚みは、入射面11から離れるほど薄くなる。
【0118】
例えば、導光板の出射面から出射する光の光量は、入射面から離れるにしたがって、低下する傾向にある。
【0119】
しかし、本実施の形態によれば、入射面11から遠ざかるにしたがって、導光板10の出射面12と対向面13とがなす角度により、出射面12及び対向面13から「浅い角度」で光が出射する。「浅い角度」とは、角度βが出射面12に近づくようにX軸プラス方向に傾いたときの主方向と出射面12との角度である。入射面11から出射面12に向かって入射した光は、主方向に向かう「浅い角度」の光となって出射面12から出射する。また、導光板10を導光する光で対向面13から出射した光は、反射板60で反射され、主方向に向かう「浅い角度」の光となって出射面12から出射する。このため、出射面12と対向面13とが平行な導光板10の場合に比べて、導光板10から「浅い角度」の光が取出され易くなる。つまり、出射面12と対向面13とが平行な導光板10の場合に比べて、主方向又はそれよりも「浅い角度」の光を出射させ易くなる。このため、導光板照明装置1は、より遠くの照射面まで光を照射することができる。
【0120】
(実施の形態の変形例3)
[構成]
本変形例に係る導光板照明装置1について図9を用いて説明する。
【0121】
図9は、実施の形態の変形例3に係る導光板照明装置1の断面図である。
【0122】
本変形例の導光板照明装置1の構成は、特に明記しない場合、実施の形態と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。
【0123】
本変形例では、便宜上、導光板10、複数の光源20、基板30、筐体140、放熱部50、反射板60及び電源回路70を一体化した構成を照明器具本体と呼ぶ。本変形例では、図9に示すように、この照明器具本体は、筐体140に収容されている。照明器具本体は、導光板10の出射面12がX-Y平面に対して傾斜し、かつ、基板30の実装面がY-Z平面に対して傾斜、つまり、光源20が出射する光軸がX軸方向に対して傾斜するように、筐体140に収容された状態で筐体140内に保持されている。ここで、基板30の実装面は、X軸プラス方向側の面であり、光源20及び電源回路70を実装している面である。
【0124】
本変形例では、対向面13は、X-Y平面に対して傾斜している。このため、反射板60もX-Y平面に対して傾斜している。
【0125】
出射面12、対向面13及び反射板60は、導光板10の入射面11と反対側(X軸プラス方向)に向かって下り傾斜している。
【0126】
このように、本実施の形態に係る導光板照明装置1において、導光板10は、出射面12から出射された光が照射される照射面に対して傾斜する姿勢で、筐体140に支持される。
【0127】
これによれば、導光板10の出射面12は、照射面に対して傾いているため、導光板照明装置1は、より遠くの照射面まで光を照射することができる。
【0128】
(その他変形例)
以上、本開示に係る導光板照明装置について、実施の形態及び実施の形態の変形例1~3に基づいて説明したが、本開示は、上記の各実施の形態及び実施の形態の変形例1~3に限定されるものではない。
【0129】
例えば、上記の各実施の形態及び実施の形態の変形例1~3に係る導光板照明装置において、出射面及び対向面の少なくとも一方に形成されている光取出構造の単位面積当たりの密度は、導光制御面から遠ざかるにつれて高くなっていてもよい。
【0130】
なお、上記の各実施の形態及び実施の形態の変形例1~3に対して当業者が思い付く各種変形を施して得られる形態や、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態及び実施の形態の変形例1~3における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
【符号の説明】
【0131】
1 導光板照明装置
10 導光板
11 入射面
12 出射面
12a 光取出構造
13 対向面(裏面)
20 光源
21 発光素子
22 蛍光体
30 基板
40、140 筐体
41 第1収容部
42 第2収容部
42a、142a 遮光部
60 反射板
70 電源回路
P1 角部
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9