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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-25
(45)【発行日】2024-02-02
(54)【発明の名称】制御システム、及び、制御方法
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/00 20060101AFI20240126BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20240126BHJP
【FI】
G08B25/00 510E
G08B25/04 H
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019228323
(22)【出願日】2019-12-18
(65)【公開番号】P2021096698
(43)【公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-08-17
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】松浪 幸誠
(72)【発明者】
【氏名】城戸 清規
(72)【発明者】
【氏名】廣木 誠
【審査官】新井 寛
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-169525(JP,A)
【文献】特開2014-192595(JP,A)
【文献】特開2004-206635(JP,A)
【文献】特開2011-134257(JP,A)
【文献】特開2001-291179(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 19/00 - 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの入力を受け付ける入力受付部と、
セキュリティシステムが、センサが所定の状態に変化してから所定時間の経過後に報知を行う報知モードに設定されているときに、前記センサが前記所定の状態に変化したことを契機に、前記入力受付部を、前記報知モードの設定を解除するための解除入力を受け付け可能な解除準備状態にする制御部とを備え、
前記制御部は、前記解除準備状態の前記入力受付部によって前記解除入力が受け付けられると、前記報知モードの設定を解除し、
前記入力受付部は、前記ユーザの音声入力を前記解除入力として受け付けるマイクロフォンを含み、
前記制御部は、前記センサが前記所定の状態に変化したことを契機に前記マイクロフォンを起動することで、前記入力受付部を前記解除準備状態にする
制御システム。
【請求項2】
前記入力受付部は、表示機能及び前記ユーザの手動入力を前記解除入力として受け付けるタッチ入力機能を有するパネルを含み、
前記制御部は、前記マイクロフォンを起動し、かつ、前記パネルに前記パネルへの操作を求める画面を表示させることで、前記入力受付部を前記解除準備状態にする
請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
前記センサは、電気錠であり、
前記所定の状態は、解錠状態である
請求項1または2に記載の制御システム。
【請求項4】
前記センサは、開閉センサであり、
前記所定の状態は、前記開閉センサが設置された開口が開いた状態である
請求項1または2に記載の制御システム。
【請求項5】
コンピュータによって実行される制御方法であって、
前記制御方法は、
セキュリティシステムが、センサが所定の状態に変化してから所定時間の経過後に報知を行う報知モードに設定されているときに、前記センサが前記所定の状態に変化したことを契機に、ユーザの入力を受け付ける入力受付部を、前記報知モードの設定を解除するための解除入力を受け付け可能な解除準備状態にする準備ステップと
前記解除準備状態の前記入力受付部によって前記解除入力が受け付けられると、前記報知モードの設定を解除する解除ステップとを含み、
前記入力受付部は、前記ユーザの音声入力を前記解除入力として受け付けるマイクロフォンを含み、
前記準備ステップにおいては、前記センサが前記所定の状態に変化したことを契機に前記マイクロフォンを起動することで、前記入力受付部を前記解除準備状態にする
制御方法。
【請求項6】
前記入力受付部は、表示機能及び前記ユーザの手動入力を前記解除入力として受け付けるタッチ入力機能を有するパネルを含み、
前記準備ステップにおいては、前記マイクロフォンを起動し、かつ、前記パネルに前記パネルへの操作を求める画面を表示させることで、前記入力受付部を前記解除準備状態にする
請求項5に記載の制御方法。
【請求項7】
請求項5または6に記載の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御システム、及び、制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、オフィスビル、マンション、及び、戸建住宅など監視対象の建物への侵入者をセンサを用いて監視し、センサが侵入者を検出すると監視センタへ異常通報する警備装置が普及している。特許文献1には、警戒モードに設定されているときに建物への不当な侵入を監視する警備装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-013824号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、ユーザが警戒モード(報知モードとも記載される)の設定の解除を速やかに行うことを支援することができる制御システム、及び、制御方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る制御システムは、ユーザの入力を受け付ける入力受付部と、セキュリティシステムが、センサが所定の状態に変化してから所定時間の経過後に報知を行う報知モードに設定されているときに、前記センサが前記所定の状態に変化したことを契機に、前記入力受付部を、前記報知モードの設定を解除するための解除入力を受け付け可能な解除準備状態にする制御部とを備え、前記制御部は、前記解除準備状態の前記入力受付部によって前記解除入力が受け付けられると、前記報知モードの設定を解除する。
【0006】
本発明の一態様に係る制御方法は、コンピュータによって実行される制御方法であって、セキュリティシステムが、センサが所定の状態に変化してから所定時間の経過後に報知を行う報知モードに設定されているときに、前記センサが前記所定の状態に変化したことを契機に、ユーザの入力を受け付ける入力受付部を、前記報知モードの設定を解除するための解除入力を受け付け可能な解除準備状態にし、前記解除準備状態の前記入力受付部によって前記解除入力が受け付けられると、前記報知モードの設定を解除する。
【0007】
本発明の一態様に係るプログラムは、前記制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の制御システム、及び、制御方法は、ユーザが報知モードの設定の解除を速やかに行うことを支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施の形態に係る制御システムの機能構成を示すブロック図である。
図2図2は、実施の形態に係る制御システムの動作例1の第1シーケンス図である。
図3図3は、認証情報の入力画面の一例を示す図である。
図4図4は、他の画面に重畳表示される、認証情報の入力画面の一例を示す図である。
図5図5は、実施の形態に係る制御システムの動作例1の第2シーケンス図である。
図6図6は、実施の形態に係る制御システムの動作例2のシーケンス図である。
図7図7は、音声入力画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0011】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0012】
(実施の形態)
[構成]
まず、実施の形態に係る制御システムの構成について説明する。図1は、実施の形態に係る制御システムの機能構成を示すブロック図である。
【0013】
図1に示されるように、制御システム10は、制御装置20と、セキュリティシステム30と、携帯端末40と、機器50とを備える。
【0014】
図1に示される建物80は、例えば、集合住宅または戸建住宅などの住宅である。建物80内には、制御装置20及び機器50、並びに、セキュリティシステム30のセキュリティコントローラ31及びセンサ33が設置されている。セキュリティシステム30のセキュリティサーバ32は、クラウド(言い換えれば、クラウドサーバ)として実現される。
【0015】
まず、制御装置20について説明する。制御装置20は、例えば、エネルギーマネジメント機能を有するHEMS(Home Energy Management System)コントローラであり、建物80内に設置され、建物80内に設置された機器50の消費電力を管理する。また、制御装置20は、機器50の状態の取得及び表示、並びに、建物80内(あるいは、建物80の敷地内)に設置された機器50の制御などを行う。制御装置20は、HEMSコントローラに限定されず、エネルギーマネジメント機能を有しない他のホームコントローラ、または、ゲートウェイ装置であってもよい。
【0016】
なお、機器50は、例えば、照明機器及び空調機器などの家電機器であり、機器50の状態とは、例えば、機器50の動作状態、及び、機器50の消費電力の状態を意味する。動作状態には、具体的には、電源オン状態、電源オフ状態、及び、設定状態(機器50が空調機器であれば設定温度、機器50が照明機器であれば明るさなど)などが含まれる。制御装置20は、具体的には、パネル22と、マイクロフォン23と、制御部24と、記憶部25と、第一通信部26と、第二通信部27とを備える。パネル22、及び、マイクロフォン23は、入力受付部28を構成する。
【0017】
パネル22は、ユーザの操作入力を受け付ける。また、パネル22は、制御部24の制御に基づいて、画像を表示する。つまり、パネル22は、表示機能、及び、ユーザの手動入力を受け付けるタッチ入力機能を有する。パネル22は、具体的には、表示パネル及びタッチパネルによって実現される。タッチパネルは、例えば、静電容量方式のタッチパネルであるが、抵抗膜方式のタッチパネルであってもよい。表示パネルは、例えば、液晶パネルまたは有機EL(Electro Luminescence)パネルなどである。
【0018】
マイクロフォン23は、ユーザの音声入力を受け付ける。マイクロフォン23は、音声取得部の一例である。
【0019】
制御部24は、パネル22への画像の表示制御、及び、マイクロフォン23へ入力された音声の音声認識処理などを行う。制御部24は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサによって実現されてもよい。
【0020】
記憶部25は、制御部24が実行する制御プログラムなどが記憶される記憶装置である。記憶部25は、例えば、半導体メモリなどによって実現される。
【0021】
第一通信部26は、制御装置20がセキュリティサーバ32とインターネットなどの広域通信ネットワーク70を介して通信を行うための通信モジュール(通信回路)である。第一通信部26によって行われる通信は、例えば、無線通信であるが、有線通信であってもよい。通信に用いられる通信規格についても特に限定されない。
【0022】
第二通信部27は、制御装置20が、セキュリティコントローラ31、機器50、及び、センサ33と局所通信ネットワークを介して通信を行うための通信モジュール(通信回路)である。第二通信部27によって行われる通信は、例えば、無線通信であるが、有線通信であってもよい。通信に用いられる通信規格についても、特に限定されない。なお、第二通信部27と機器50との間の通信は、例えば、ECHONET Lite(登録商標)に準拠する。
【0023】
次に、セキュリティシステム30について説明する。セキュリティシステム30は、建物80における異常の発生に対処するための所定の情報処理を行うための防犯システムである。所定の情報処理は、例えば、異常の発生をユーザに通知するための情報処理、建物80への訪問者を手配するための情報処理などである。セキュリティシステム30は、例えば、ホームセキュリティサービスなどを提供する事業者によって運営される。セキュリティシステム30は、具体的には、セキュリティコントローラ31と、セキュリティサーバ32と、センサ33とを備える。
【0024】
セキュリティコントローラ31は、ユーザから報知モードの設定操作を受け付ける。セキュリティコントローラ31は、セキュリティサーバ32と広域通信ネットワーク70を用いた通信を行う。また、セキュリティコントローラ31は、制御装置20及びセンサ33と局所通信ネットワークを用いた通信を行う。
【0025】
セキュリティコントローラ31は、報知モードに設定されているときに、センサ33によって建物80への侵入者が検出され、かつ、侵入者が検出されてから所定時間が経過しても報知モードの設定が解除されない場合に、建物80で異常が発生したとみなしてセキュリティサーバ32にその旨を通知する。
【0026】
セキュリティサーバ32へセキュリティコントローラ31から異常が通知されると、セキュリティシステム30を運営する事業者のオペレータが訪問者を手配し、訪問者が建物80に駆け付ける。また、オペレータは、必要に応じて警察署などへ通報を行う。実施の形態では、オペレータとは、コンピュータなどを操作する人間を意味する。
【0027】
センサ33は、セキュリティシステム30が上記報知モードに設定されているときに、建物80への侵入者を検出する。センサ33は、例えば、防犯機器である。センサ33(防犯機器)には、例えば、ドアの開閉状態を検出する電気錠34、及び、窓の開閉状態を検出する窓の開閉センサ35などが含まれる。センサ33には、人感センサ及びガラス破壊センサなどが含まれてもよい。電気錠34は、解錠状態及び施錠状態の2つの状態を有し、窓の開閉センサ35は、窓が開いた状態、及び、窓が閉じた状態の2つの状態を有する。なお、開閉センサ35は、ドアの開閉センサであってもよい。
【0028】
[動作例1]
以下、制御システム10の動作例1について説明する。図2は、制御システム10の動作例1のシーケンス図である。以下の説明では、制御装置20及びセキュリティコントローラ31が同一の建物80に設置されていること(つまり、対応関係にあること)が制御システム10内で共有されているものとする。
【0029】
まず、セキュリティコントローラ31は、ユーザから報知モードの設定を受け付けることで報知モードに設定される(S11)。報知モードは、言い換えれば、警戒モードである。報知モードの設定の受け付けは、例えば、セキュリティコントローラ31が備えるユーザインターフェース装置(図示せず)によって行われるが、制御装置20によって行われてもよい。
【0030】
セキュリティコントローラ31は、セキュリティコントローラ31が報知モードに設定されたこと(通常モードから報知モードに変更されたこと)を示すモード変更通知をセキュリティサーバ32に送信する(S12)。セキュリティサーバ32は、セキュリティコントローラ31からモード変更通知を受信すると、制御装置20にモード変更通知を送信する(S13)。つまり、セキュリティサーバ32は、モード変更通知を中継する。この結果、セキュリティコントローラ31が報知モードに設定されたことが、セキュリティコントローラ31、セキュリティサーバ32、及び、制御装置20によって共有される。
【0031】
報知モードに設定されたセキュリティコントローラ31(セキュリティシステム30)は、例えば、センサ33が所定状態に変化し(S14)、かつ、センサ33が所定状態に変化してから所定時間が経過しても報知モードの設定が解除されないと判定した場合に(S15)、異常通知をセキュリティサーバ32に送信する(S16)。この結果、建物80に訪問者が駆け付ける(S17)。なお、上記所定状態は、言い換えれば、建物80に建物80に居住するユーザ以外の侵入者が発生したと推定される状態である。センサ33が所定状態に変化するとは、例えば、電気錠34が施錠状態から解錠状態に変化すること、及び、窓の開閉センサ35が閉状態から開状態に変化することなどである。
【0032】
ところで、ユーザは、例えば、建物80から外出する際にセキュリティコントローラ31を報知モードに設定する。この場合、ユーザは、建物80に帰宅した際に玄関の電気錠34を解錠した後、上記異常通知が送信されてしまわないように、上記所定時間が経過する前に報知モードの設定を解除する必要がある。所定時間は、より詳細には、0より大きい所定時間であり、例えば、1分以上5分以下の期間(3分間など)である。
【0033】
同様に、ユーザは、例えば、就寝前にセキュリティコントローラ31を報知モードに設定する。この場合、ユーザは起床後に報知モードの設定を解除することを忘れて窓を開けてしまった場合には、上記所定時間が経過する前に報知モードの設定を解除する必要がある。
【0034】
ここで、報知モードの設定を解除する方法としては、例えば、制御装置20のGUI(パネル22)にパスワードまたはPINコードなどの認証情報を入力する方法が挙げられる。しかしながら、一般的な制御システムにおいては、ユーザは、認証情報の入力画面を表示するための操作(つまり、事前操作)をGUIに対して行ってから認証情報の入力を行う必要があり、認証情報の入力に時間がかかってしまうことが課題である。
【0035】
これに対し、制御システム10においては、制御装置20の制御部24は、第二通信部27を介してセンサ33の状態を取得することで、センサ33が所定の状態になったことを検出すると(S18)、パネル22に認証情報の入力画面を表示させる(S19)。つまり、制御部24は、センサ33が所定の状態になった後ユーザがパネル22へ何らかの操作を行う前(パネル22が何らかの操作を受け付ける前)にパネル22に認証情報の入力画面を表示させる。言い換えれば、制御システム10では、センサ33が所定の状態になった後、最初に表示されるユーザの操作が要求される画面は、報知モードの設定を解除するための認証情報の入力画面となる。図3は、認証情報の入力画面の一例を示す図である。
【0036】
制御部24は、パネル22がスリープ状態(黒画)である場合には、パネル22を起動して認証情報の入力画面を表示させる。また、制御部24は、パネル22が他の画面を表示している場合には、当該他の画面に代えて認証情報の入力画面を表示させる(つまり、画面を遷移させる)が、当該他の画面に認証情報の入力画面を重畳表示(言い換えれば、ポップアップ表示)させてもよい。図4は、他の画面に重畳表示される、認証情報の入力画面の一例を示す図である。他の画面は、例えば、機器50を制御するための制御画面などである。
【0037】
このように、センサ33が所定の状態になったことを契機に認証情報の入力画面が表示されれば、ユーザは速やかに報知モードの設定を解除することができる。図5は、異常通知が行われる前に報知モードが解除される場合の制御システム10の動作例1のシーケンス図である。
【0038】
ステップS11~ステップS14、ステップS18、及び、ステップS19は、図2のシーケンス図と同様である。センサ33が所定の状態に変化したタイミングから所定時間が経過する前に、ステップS19で表示された入力画面を通じて正しい認証情報が入力されると、パネル22は、この入力(以下、解除入力とも記載される)を受け付ける(S20)。なお、認証情報の入力画面が表示されている状態は、言い換えれば、報知モードの設定を解除するための解除入力を受け付け可能な解除準備状態である。
【0039】
制御部24は、解除入力が受け付けられると、第一通信部26にセキュリティサーバ32へ設定解除指令を送信させる(S21)。セキュリティサーバ32は、制御装置20から設定解除指令を受信すると、セキュリティコントローラ31に設定解除指令を送信する(S22)。つまり、セキュリティサーバ32は、設定解除指令を中継する。この結果、セキュリティコントローラ31は、報知モードの設定を解除する(S23)。つまり、制御部24は、第一通信部26を用いて設定解除指令を送信することにより、報知モードの設定を解除することができる。
【0040】
以上説明したように、制御システム10は、センサ33が所定の状態になった後ユーザがパネル22へ何らかの操作を行う前にパネル22に認証情報の入力画面を表示させる。これにより、ユーザは認証情報を速やかに入力することができ、セキュリティサーバ32へ誤って異常通知が行われてしまうこと(誤って建物80に訪問者が派遣されてしまうこと)が抑制される。
【0041】
[動作例2]
動作例1では、認証情報の手動入力によって報知モードの設定が解除されたが、報知モードの設定は、音声入力によって解除されてもよい。図6は、このような動作例2のシーケンス図である。
【0042】
ステップS11~ステップS14は、動作例1と同様である。ステップS14の処理と並行して、制御装置20の制御部24は、第二通信部27を介してセンサ33の状態を取得することで、センサ33が所定の状態になったことを検出すると(S18)、マイクロフォン23を起動させ(S19a)、パネル22に音声入力画面を表示させる(S19b)。つまり、制御部24は、センサ33が所定の状態になった後ユーザがパネル22へ何らかの操作を行う前(パネル22が何らかの操作を受け付ける前)にマイクロフォン23を起動し、かつ、パネル22に音声入力画面を表示させる。図7は、音声入力画面の一例を示す図である。
【0043】
マイクロフォン23を起動するとは、マイクロフォン23の電源をオンし、マイクロフォン23を、音声を取得可能な状態にすることである。このとき、制御部24は、マイクロフォン23を通じて入力される音声の音声認識が可能なスタンバイ状態となる。
【0044】
また、制御部24は、パネル22がスリープ状態である場合には、パネル22を起動して音声入力画面を表示させる。また、制御部24は、パネル22が他の画面を表示している場合には、当該他の画面に代えて音声入力画面を表示させる(つまり、画面を遷移させる)が、当該他の画面に音声入力画面を重畳表示(言い換えれば、ポップアップ表示)させてもよい。他の画面は、例えば、機器50を制御するための制御画面などである。
【0045】
センサ33が所定の状態に変化したタイミングから所定時間が経過する前に、マイクロフォン23を通じて音声が入力されると、制御部24は、音声認識処理を行う。制御部24は、例えば、音声に基づく話者認識を行い、話者が音声データ登録済みの所定のユーザ(たとえば、建物80に居住するユーザ)であると判定した場合に、設定解除を許容する。また、制御部24は、音声に基づく単語認識を行い、ユーザが発した単語が所定のパスワードであるか否かを判定し、所定のパスワードであると判定した場合に設定解除を許容してもよい。なお、音声認識処理の一部または全部は、図示されない音声認識サーバによって行われてもよい。
【0046】
このようにマイクロフォン23及び制御部24によって解除入力(正しい音声入力)が受け付けられると(S20a)、制御部24は、第一通信部26にセキュリティサーバ32へ設定解除指令を送信させる(S21)。以降の処理は、動作例1と同様である。なお、マイクロフォン23及び制御部24の音声認識機能が起動され、制御部24が音声認識処理を行うことが可能な状態は、言い換えれば、報知モードの設定を解除するための解除入力を受け付け可能な解除準備状態である。
【0047】
以上説明したように、制御システム10は、制御部24は、センサ33が所定の状態になった後ユーザがパネル22へ何らかの操作を行う前に、マイクロフォン23を起動するなど制御装置20を音声認識が可能な状態にする。これにより、ユーザは速やかに報知モードを解除するための音声入力を行うことができ、セキュリティサーバ32へ誤って異常通知が行われてしまうこと(誤って建物80に訪問者が派遣されてしまうこと)が抑制される。
【0048】
ところで、図7の音声入力画面は、音声を入力してからパネル22へ操作を行うことをユーザに求めている。つまり、報知モードの設定の解除の要件として、音声入力だけでなく手動入力が求められている。これにより、建物80の内部に入ってパネル22を操作しなければ報知モードの設定を解除できないため、制御装置20に建物80の外から音声を認識させるような不正行為による報知モードの設定の解除を抑制することができる。
【0049】
[変形例]
上記実施の形態における情報の伝達経路は一例である。例えば、モード変更通知は、セキュリティコントローラ31からセキュリティサーバ32を介して制御装置20に送信されたが、セキュリティコントローラ31から制御装置20に直接送信されてもよい。つまり、モード変更通知は、セキュリティコントローラ31からセキュリティサーバ32及び制御装置20のそれぞれに送信されてもよい。
【0050】
また、設定解除指令は、制御装置20からセキュリティサーバ32を介してセキュリティコントローラ31に送信されたが、制御装置20から直接に送信されてもよい。つまり、設定解除指令は、制御装置20からセキュリティコントローラ31及びセキュリティサーバ32のそれぞれに送信されてもよい。
【0051】
また、上記実施の形態では、制御装置20は、センサ33が所定の状態になったことを独自に検出した。しかしながら、この検出は、制御装置20が、センサ33が所定の状態になったことを示す通知をセキュリティコントローラ31から受けることで行われてもよい。この場合、センサ33が所定の状態になったことを示す通知は、セキュリティコントローラ31から制御装置20に直接送信されてもよいし、セキュリティコントローラ31からセキュリティサーバ32を介して制御装置20に送信されてもよい。
【0052】
また、上記実施の形態では、セキュリティシステム30は、セキュリティサーバ32を含むクライアントサーバシステムであったが、実質的にセキュリティコントローラ31だけの簡易なシステムであってもよい。この場合、報知モードは、センサ33が所定の状態になった場合にセキュリティコントローラ31が建物80内で警報(警告音)を鳴らす動作モードであってもよい。このように、報知モードにおいて行われる報知には、外部装置への報知(例えば、セキュリティサーバ32へ異常通知を行うこと)の意味だけでなく、建物80及びその周辺に位置する人への報知の意味もある。
【0053】
また、上記実施の形態において、制御装置20によって行われる処理は、制御装置20に代えて、制御装置20と同等の機能を有する携帯端末40によって行われてもよい。つまり、上記実施の形態において、制御装置20は、適宜、携帯端末40に読み代えられてもよい。例えば、携帯端末40は、ユーザの入力を受け付ける入力受付部と、セキュリティシステム30が、センサ33が所定の状態に変化してから所定時間の経過後に報知を行う報知モードに設定されているときに、センサ33が所定の状態に変化したことを契機に、上記入力受付部を、報知モードの設定を解除するための解除入力を受け付け可能な解除準備状態にする制御部とを備えてもよい。これにより、ユーザは、携帯端末40を用いてセキュリティシステム30の報知モードの設定を解除することができる。なお、携帯端末40は、具体的には、スマートフォンまたはタブレット端末などである。
【0054】
[効果等]
制御システム10は、ユーザの入力を受け付ける入力受付部28と、セキュリティシステム30が、センサ33が所定の状態に変化してから所定時間の経過後に報知を行う報知モードに設定されているときに、センサ33が所定の状態に変化したことを契機に、入力受付部28を、報知モードの設定を解除するための解除入力を受け付け可能な解除準備状態にする制御部24とを備える。制御部24は、解除準備状態の入力受付部28によって解除入力が受け付けられると、報知モードの設定を解除する。
【0055】
このような制御システム10によれば、ユーザは入力受付部28を解除準備状態にするための入力などを行う必要がないため、解除入力を速やかに行うことができる。つまり、制御システム10は、報知モードの設定を解除するためにユーザが認証情報の入力を速やかに行うことを支援することができる。また、このような制御システム10は、ユーザが自身の操作等により入力受付部28を解除準備状態にするときに生じる処理(パネル22による操作の検出など)が省略できる。つまり、制御システム10は、情報処理量を低減することができる。
【0056】
また、例えば、入力受付部28は、表示機能及びユーザの手動入力を上記解除入力として受け付けるタッチ入力機能を有するパネル22を含む。制御部24は、パネル22に報知モードの設定を解除するための認証情報の入力画面を表示させることで、入力受付部28を解除準備状態にする。
【0057】
このような制御システム10は、報知モードの設定を解除するためにユーザが認証情報の入力を速やかに行うことを支援することができる。
【0058】
また、例えば、入力受付部28は、ユーザの音声入力を上記解除入力として受け付けるマイクロフォン23を含み、制御部24は、マイクロフォン23を起動することで、入力受付部28を解除準備状態にする。
【0059】
このような制御システム10は、報知モードの設定を解除するためにユーザが音声入力を速やかに行うことを支援することができる。
【0060】
また、例えば、センサ33は、電気錠34であり、所定の状態は、解錠状態である。
【0061】
このような制御システム10は、電気錠34が施錠状態から解錠状態に変化したことを契機に、入力受付部28を解除準備状態にすることができる。
【0062】
また、例えば、センサ33は、開閉センサ35であり、所定の状態は、開閉センサが設置された開口(例えば、窓またはドア)が開いた状態である。
【0063】
このような制御システム10は、開閉センサ35が設置された開口が閉じた状態から開口が開いた状態に変化したことを契機に、入力受付部28を解除準備状態にすることができる。
【0064】
また、制御システム10などのコンピュータによって実行される制御方法は、セキュリティシステム30が、センサ33が所定の状態に変化してから所定時間の経過後に報知を行う報知モードに設定されているときに、センサ33が所定の状態に変化したことを契機に、ユーザの入力を受け付ける入力受付部28を、報知モードの設定を解除するための解除入力を受け付け可能な解除準備状態にし、解除準備状態の入力受付部28によって解除入力が受け付けられると、報知モードの設定を解除する。
【0065】
このような制御方法によれば、ユーザは入力受付部28を解除準備状態にするための入力などを行う必要がないため、解除入力を速やかに行うことができる。つまり、制御システム10は、報知モードの設定を解除するためにユーザが認証情報の入力を速やかに行うことを支援することができる。
【0066】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0067】
また、上記実施の形態では、制御システムは、複数の装置によって実現されたが、単一の装置として実現されてもよい。例えば、制御システムは、制御装置に相当する単一の装置として実現されてもよいし、制御装置と同様の処理を行う携帯端末に相当する単一の装置として実現されてもよい。制御システムが複数の装置によって実現される場合、制御システムが備える構成要素は、複数の装置にどのように振り分けられてもよい。
【0068】
例えば、上記実施の形態における装置間の通信方法については特に限定されるものではない。また、装置間の通信においては、図示されない中継装置が介在してもよい。
【0069】
また、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよいし、複数の処理が並行して実行されてもよい。また、上記実施の形態の動作例1、動作例2、及び、変形例は任意に組み合わされてよい。
【0070】
また、上記実施の形態において、各構成要素は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0071】
また、各構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。例えば、各構成要素は、回路(または集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0072】
また、本発明の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0073】
例えば、本発明は、制御システムなどのコンピュータが実行する制御方法として実現されてもよいし、このような制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよいし、このようなプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
【0074】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0075】
10 制御システム
22 パネル
23 マイクロフォン
28 入力受付部
30 セキュリティシステム
33 センサ
34 電気錠
35 開閉センサ
40 携帯端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7