(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-25
(45)【発行日】2024-02-02
(54)【発明の名称】キャビネット、及び照明装置
(51)【国際特許分類】
F21V 33/00 20060101AFI20240126BHJP
F21V 29/503 20150101ALI20240126BHJP
F21V 29/70 20150101ALI20240126BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20240126BHJP
F21V 29/507 20150101ALI20240126BHJP
F21V 21/00 20060101ALI20240126BHJP
A47B 67/02 20060101ALI20240126BHJP
A47K 1/02 20060101ALI20240126BHJP
F21Y 101/00 20160101ALN20240126BHJP
F21Y 103/00 20160101ALN20240126BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240126BHJP
F21Y 115/15 20160101ALN20240126BHJP
【FI】
F21V33/00 130
F21V33/00 110
F21V29/503
F21V29/70
F21S2/00 443
F21S2/00 444
F21V29/507
F21V21/00 130
F21V21/00 140
A47B67/02 503A
A47K1/02 C
F21Y101:00 100
F21Y103:00
F21Y115:10
F21Y115:15
(21)【出願番号】P 2020073139
(22)【出願日】2020-04-15
【審査請求日】2023-01-23
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金子 司
(72)【発明者】
【氏名】村井 香織
(72)【発明者】
【氏名】松崎 大樹
【審査官】安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-076443(JP,A)
【文献】特開2014-222571(JP,A)
【文献】特開2016-185221(JP,A)
【文献】特開2015-026492(JP,A)
【文献】特開2015-222695(JP,A)
【文献】特開2013-084469(JP,A)
【文献】特開2015-109216(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 33/00
F21V 29/503
F21V 29/70
F21S 2/00
F21V 29/507
F21V 21/00
A47B 67/02
A47K 1/02
F21Y 101/00
F21Y 103/00
F21Y 115/10
F21Y 115/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前方に開口する収容空間を有するキャビネット本体と、
前記キャビネット本体に取り付けられる照明装置とを備え、
前記照明装置は、
前記照明装置の外面を構成するケースと、
照明光を発する照明部と、
前記照明部と前記ケースとを熱的に結合する伝熱部材とを有し、
前記照明部及び前記伝熱部材が、前記ケースに収納さ
れ、
前記照明部は、
光源と、
導光部材と、を有し、
前記伝熱部材は、前記光源からの熱を受ける受熱部と、前記受熱部から前記ケースの中央部側に向かって突出し、前記ケースに熱を伝える伝熱部と、を有し、
前記光源と前記導光部材と前記受熱部と前記伝熱部が、前記ケースに収納される、
キャビネット。
【請求項2】
前記照明部は、
前記光源を収納する光源ケー
スを有し、
前記伝熱部材が前記光源ケースに取り付けられ、
前記光源ケースが、前記ケースに収納される、
請求項1に記載のキャビネット。
【請求項3】
前記光源、前記光源ケース及び前記伝熱部材が、前記ケースにおける左右方向の端部に収納さ
れ、
前記導光部材は、左右方向に延び
、
前記光源ケースは、前記導光部材における左右方向の端部を保持し、
前記光源は、前記導光部材に向かって光を照射する、
請求項2に記載のキャビネット。
【請求項4】
前記ケースが前記キャビネット本体に接した状態で取り付けられる、
請求項1~3のいずれか1項に記載のキャビネット。
【請求項5】
前記ケースは、
前記キャビネット本体に対して固定される固定部と、
前記固定部につながり、前記照明部及び前記伝熱部材を収納する収納部とを有する、
請求項1~4のいずれか1項に記載のキャビネット。
【請求項6】
前記ケースは、
前記固定部と前記収納部とをつなぐ連結部を更に有する、
請求項5に記載のキャビネット。
【請求項7】
前記照明装置は、
前記固定部に取り付けられ、かつ、前記キャビネット本体に取付可能な取付具を更に有し、
前記固定部は、前記取付具の少なくとも一部を収納する、
請求項5又は請求項6に記載のキャビネット。
【請求項8】
前記取付具は、
前記固定部に嵌め込まれる嵌込部と、
前記ケースの外側に位置し、前記キャビネット本体の前面に取付可能な固着部とを有する、
請求項7に記載のキャビネット。
【請求項9】
前記ケースは、
前記ケースの左右方向の両端のうち少なくとも一方に形成された端開口部を有し、
前記照明装置は、
前記端開口部及び前記取付具を覆うサイドカバーを更に有する、
請求項8に記載のキャビネット。
【請求項10】
前記サイドカバーは、前記ケースとは反対側に向かって凹んだキャップ状に形成され、
前記サイドカバーの左右幅が、前記サイドカバーの前端に近い部分ほど小さい、
請求項9に記載のキャビネット。
【請求項11】
前記ケースは、
前記ケースの左右方向の両端のうち少なくとも一方に形成された端開口部を有し、
前記照明装置は、
前記端開口部を覆うサイドカバーを更に有し、
前記サイドカバーは、
前記端開口部に圧入される圧入部と、
前記ケースに引っ掛けられる係止部とを有する、
請求項1~8のいずれか1項に記載のキャビネット。
【請求項12】
前記圧入部は、前記端開口部の周縁に沿って延びる圧入リブを有した、
請求項11に記載のキャビネット。
【請求項13】
前記係止部は、
上係止片と、
下係止片とを有し、
前記上係止片は、
前記ケースの上端部に嵌合して引っ掛かる上嵌合部を有し、
前記下係止片は、
前記ケースの下端部に嵌合して引っ掛かる下嵌合部を有し、
前記上嵌合部と前記下嵌合部とが上下方向に見て異なる位置に配される、
請求項11又は請求項12に記載のキャビネット。
【請求項14】
前記係止部は、
前記ケースに向かって突出し、先端部が前記ケースに引っ掛かる係止片を有し、
前記係止片は、左右方向と直交する方向から見て、非直線状である、
請求項11又は請求項12に記載のキャビネット。
【請求項15】
前記ケースは、前記キャビネット本体の前面よりも前方に位置し、
前記照明部は、前向き成分及び下向き成分のうち少なくとも一方を含む向きに照明光を発し、
前記ケースは、前記照明部から発せられた照明光が通過する窓部を有する、
請求項1~14のいずれか1項に記載のキャビネット。
【請求項16】
前記ケースは、金属製である、
請求項1~15のいずれか1項に記載のキャビネット。
【請求項17】
請求項1~16のいずれか1項に記載のキャビネットの照明装置として使用される照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、キャビネット、及び照明装置に関し、詳しくは、照明装置を備えたキャビネット、及びこれに用いられる照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ミラーキャビネットを備えた洗面化粧台が開示されている。このミラーキャビネットの上部には、照明装置が取り付けられる。照明装置は、導光部材を収容する導光部材用ハウジングと、光源が内装された光源用ハウジングとを有する。光源用ハウジングは、導光部材用ハウジングに係脱自在に装着される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した照明装置は、光源が内装された光源用ハウジングが照明装置の外部に露出する。このため、光源用ハウジングに外力が加わり、照明装置に不具合が生じる恐れがある。
【0005】
本開示は上記事由に鑑みてなされており、照明光を発する照明部に外力が加わり難く、不具合が生じ難いキャビネット及び照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係るキャビネットは、前方に開口する収容空間を有するキャビネット本体と、前記キャビネット本体に取り付けられる照明装置とを備える。前記照明装置は、前記照明装置の外面を構成するケースと、照明光を発する照明部と、前記照明部と前記ケースとを熱的に結合する伝熱部材とを有する。前記照明部及び前記伝熱部材が、前記ケースに収納される。
【0007】
本開示の一態様に係る照明装置は、前記キャビネットの照明装置として使用される照明装置である。
【発明の効果】
【0008】
前記一態様に係るキャビネット及び照明装置にあっては、照明光を発する照明部に外力が加わり難く、不具合が生じ難い。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、一実施形態に係るキャビネットを備えた洗面化粧台の斜視図である。
【
図2】
図2は、同上のキャビネットの上端部を示した斜視図である。
【
図3】
図3は、同上のキャビネットの上部であって、扉の図示を省略した斜視図である。
【
図4】
図4は、同上のキャビネットの上端部の分解斜視図である。
【
図5】
図5は、同上のキャビネットが備える照明装置の端部の分解斜視図である。
【
図7】
図7は、同上のキャビネットが備える、キャビネット本体及び支持具を示した斜視図である。
【
図8】
図8は、同上のキャビネットとは別のキャビネットの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(1)実施形態
(1.1)キャビネット
図1に本実施形態のキャビネット2を備えた洗面化粧台1を示す。洗面化粧台1は、キャビネット2に加えて、洗面台10を備える。洗面台10は、例えば、化粧室又は脱衣室等の部屋の床に壁90に沿って設置される。
【0011】
キャビネット2は、
図1に示すように、洗面台10の上方に位置するように、部屋の壁90に取り付けられる。以下、キャビネット2について、
図1に示す設置状態における方向を用いて説明する。具体的には、キャビネット2から壁90に向かう方向を後方とし、洗面化粧台1から壁90と反対側に向かう方向を前方とする。また、キャビネット2を前方から見たときを基準にして、左右方向を定義する。
【0012】
本実施形態のキャビネット2は、鏡(後述する扉20)を備えたミラーキャビネットである。なお、キャビネット2は、ミラーキャビネット以外のキャビネットであってもよい。
【0013】
(1.2)キャビネット本体
キャビネット2は、キャビネット本体3を備える。キャビネット本体3は、キャビネット2の主体を構成する。キャビネット本体3は、合成樹脂製である。なお、キャビネット本体3は、例えば、木材又は金属等、合成樹脂以外の材料から形成されてもよい。
【0014】
図1~
図3に示すように、キャビネット本体3は、後壁部30、天井部31、底部32及び一対の側壁部33,34を有する。
【0015】
後壁部30の後面は、キャビネット本体3の後面である。天井部31及び底部32は、それぞれ、後壁部30の上端部及び下端部から前方に向かって突出する。天井部31の上面は、キャビネット本体3の上面であり、底部32の下面は、キャビネット本体3の下面である。一対の側壁部33,34は、後壁部30の左右端部からそれぞれ前方に向かって突出する。一対の側壁部33,34は、天井部31と底部32との左右両側の端部同士をつなぐ。一対の側壁部33,34のうち左側の側壁部33の外面は、キャビネット本体3の左側面であり、右側の側壁部34の外面は、キャビネット本体3の右側面である。
【0016】
天井部31の前面、底部32の前面及び一対の側壁部33,34の前面は、前後方向において同位置に位置する。天井部31の前面、底部32の前面及び一対の側壁部33,34の前面の各々は、キャビネット本体3の前面である。天井部31の前面は、キャビネット本体3の上端部の前面である。
【0017】
図3に示すように、キャビネット本体3は、複数の仕切壁35を更に有する。複数の仕切壁35は、一対の側壁部33,34の間において、左右方向に間隔をあけて並ぶ。本実施形態のキャビネット本体3は、二つの仕切壁35を有する。各仕切壁35は、上下方向に延び、天井部31と底部32(
図1参照)とをつなぐ。各仕切壁35の前面は、天井部31の前面よりも後方に位置する。
【0018】
後壁部30、天井部31、底部32及び一対の側壁部33,34で囲まれた領域は、複数の仕切壁35によって、左右方向に並ぶ複数の収容空間36に仕切られている。本実施形態のキャビネット本体3は、三つの収容空間36を有する。なお、キャビネット本体3が有する収容空間36の数は限定されず、一つであってもよいし、二つ又は四つ以上であってもよい。
【0019】
各収容空間36は、前方に開口する。各収容空間36には、物品を収容可能である。各収容空間36に収容される物品は、例えば、化粧品、歯ブラシ、コップ、髭剃り等である。
【0020】
(1.3)扉
図1に示すように、キャビネット2は、キャビネット本体3が有する収容空間36の数と同数(三つ)の複数の扉20を更に備える。各扉20は、キャビネット本体3の前面に取り付けられる。複数の扉20と複数の収容空間36とは、それぞれ、一対一で対応する。各扉20は、対応する収容空間36を開閉する。
【0021】
各扉20は、表面が鏡面になった鏡(鏡扉)である。各扉20は、キャビネット本体3に対して、縦軸回りに回転可能である。複数の扉20は、三面鏡として利用される。
【0022】
(1.4)照明装置
図2及び
図3に示すように、キャビネット2は、照明装置4を更に備える。すなわち、照明装置4は、キャビネット2の照明装置として利用される。照明装置4は、キャビネット本体3に取り付けられる。照明装置4は、キャビネット本体3の前方を照明する。
【0023】
照明装置4は、照明装置本体5、複数の支持具7及び複数の取付具8(
図4参照)を有する。照明装置本体5は、照明装置4の主体を構成する。照明装置本体5は、照明光を発する。複数の支持具7は、キャビネット本体3に取り付けられて、照明装置本体5を支持する。複数の取付具8は、照明装置本体5をキャビネット本体3に取り付けるために用いられる。
【0024】
(1.5)照明装置本体
照明装置本体5は、複数の支持具7によって支持された状態で、複数の取付具8を介して天井部31の前面に取り付けられる。
図2に示すように、照明装置本体5は、複数の扉20が閉じた状態で、複数の扉20よりも前方に突出し、複数の扉20の上方に位置する。
【0025】
図4に示すように、照明装置本体5は、ケース50と、照明部6とを有する。ケース50は、照明装置本体5の外殻であり、照明装置4の外面を構成する。照明部6は、ケース50に収容され、ケース50に取り付けられる。照明部6は、照明光を発する。照明部6から発せられた照明光は、ケース50の内部からケース50の外部に出る。
【0026】
照明装置本体5は、伝熱部材55を更に有する。伝熱部材55は、ケース50に収納され、ケース50に取り付けられる。伝熱部材55は、照明部6とケース50とを熱的に結合する。照明部6で発生した熱は、伝熱部材55を介してケース50に伝わり、ケース50で放散する。
【0027】
(1.6)ケース
ケース50は、キャビネット本体3の天井部31の前面に沿って配置される。ケース50は、熱伝導性の優れた金属から形成されている。このため、照明部6から伝熱部材55を介してケース50に伝わった熱は、ケース50において放散されやすい。ケース50は、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金から形成される。なお、ケース50は、ステンレス等、アルミニウム以外の金属から形成されてもよい。また、ケース50は、例えば、合成樹脂等、金属以外の材料から形成されてもよい。
【0028】
ケース50は、前方から見て横長の形状を有し、左右方向に直線状に延びている。ケース50の長さ方向は、左右方向と平行である。ケース50は、天井部31の左右方向の略全長にわたる。ケース50は、例えば、押出成形によって形成された中空形材から形成される。なお、ケース50は、押出成形以外の方法で形成されてもよい。
【0029】
ケース50の左右方向と直交する断面の形状は、ケース50の左右方向の全長にわたって略同じである。ケース50は、ケース50の左右方向の全長にわたって中空である。ケース50は、一対の端開口部51を有する。一対の端開口部51は、ケース50の左右方向の両端にそれぞれ形成された開口部である。
【0030】
ケース50内の空間は、各端開口部51を介してケース50の左右方向の外側に向かって開口する。ケース50の左右両側の端面の各々は、左右方向と直交する平面である。
【0031】
図5に示すように、ケース50は、固定部52、収納部53及び連結部54を有する。固定部52、収納部53及び連結部54の各々は、ケース50の左右方向の全長にわたって形成されている。
【0032】
固定部52は、キャビネット本体3に対して取り付けられる。収納部53は、照明部6(
図4参照)と伝熱部材55とを収納する。連結部54は、固定部52と収納部53とをつなぐ。
【0033】
固定部52は、ケース50の後端部を構成する。固定部52は、キャビネット本体3の天井部31(
図4参照)の前面に沿って配置される。固定部52は、後方及び左右両方向に開口する箱状に形成されている。固定部52の内側には、後方及び左右両方向に開口する取付具配置空間520が形成されている。取付具配置空間520には、各取付具8の一部が収納される。
【0034】
固定部52は、キャビネット本体3に取り付けられた複数の支持具7(
図6参照)によって支持される。固定部52は、複数の取付具8を介してキャビネット本体3(
図4参照)に取り付けられる。
【0035】
収納部53は、ケース50の前端部を構成する。収納部53は、左右両方向及び下方に開口する箱状に形成されている。収納部53の内側には、左右両方向及び下方に開口する照明部収納空間530が形成されている。照明部収納空間530には、照明部6(
図4参照)が収納される。
【0036】
収納部53は、窓部531を有する。窓部531は、収納部53の下端部に形成された開口部である。窓部531は、照明部6から発せられた照明光をケース50の外部に出す。窓部531は、収納部53の左右方向の全長にわたって形成されている。照明部収納空間530は、窓部531を介して下方に開口する。
【0037】
連結部54は、固定部52と収納部53との間に位置している。連結部54は、上連結片540と、下連結片541とを有する。上連結片540は、固定部52の上端部と収納部53の上端部とをつないでいる。下連結片541は、固定部52の下端部と収納部53の下端部とをつないでいる。
【0038】
連結部54は、連結部54の上連結片540と下連結片541との間に位置する内部空間542を有する。内部空間542は、固定部52内側の取付具配置空間520と、収納部53内側の照明部収納空間530との間に位置している。
【0039】
取付具配置空間520と内部空間542とは、固定部52の前端部によって仕切られている。照明部収納空間530と内部空間542とは、収納部53の後端部によって仕切られている。取付具配置空間520、内部空間542及び照明部収納空間530の各々は、互いに通じていない独立した空間である。ケース50の内部が、取付具配置空間520、内部空間542及び照明部収納空間530の三つの空間に仕切られることで、照明部収納空間530は、狭い空間になる。このため、照明部6から発光した光が収納部53の内面で反射して窓部531から出やすくなり、照明装置4の発光効率を向上することができる。
【0040】
(1.7)照明部
照明部6は、
図6に示す導光部材60を有する。導光部材60は、ケース50の収納部53に収納される。導光部材60は、左右方向に直線状に延びた棒状に形成されている。導光部材60の左右方向の寸法は、ケース50の左右方向の寸法と略同じである。導光部材60は、ケース50の左右方向の略全長にわたる。
【0041】
導光部材60は、透光性を有する。導光部材60は、例えば、アクリル樹脂又はポリカーボネート樹脂等の透明な合成樹脂から形成される。導光部材60は、例えば、押出成形品から形成される。導光部材60の左右方向と直交する断面の形状は、導光部材60の左右方向の全長にわたって同じである。
【0042】
導光部材60は、一対の入射部600(
図5参照)、拡散部601、反射部602及び出射部603を有する。一対の入射部600は、それぞれ、導光部材60の左右方向の両側の端面である。各入射部600は、光源63(
図5参照)から発せられた光が入射する部分である。なお、導光部材60は、導光部材60の左右方向の一方の端面で構成された入射部600を一つだけ有してもよい。
【0043】
拡散部601は、導光部材60の上端部である。拡散部601は、一対の入射部600から導光部材60に入射した光を拡散して反射する。拡散部601は、導光部材60の左右方向の全長にわたっている。拡散部601は、導光部材60を二色成形することによって形成される。拡散部601の色は、光の反射率が高い白色系である。本開示における「白色系」は、白色だけでなく、黒よりも白に近い淡色を含む。
【0044】
反射部602は、導光部材60の前面及び後面である。反射部602は、拡散部601で反射した光及び入射部600から入射した光を出射部603に向かうように反射する。反射部602は、導光部材60の左右方向の全長にわたっている。
【0045】
なお、拡散部601は導光部材60を二色成形することによって形成されたものに限定されず、例えば、導光部材60の外周面に設けられた複数の拡散溝若しくは凹凸、導光部材60の外周面に塗布された塗料又は導光部材60の外周面に設けられた金属箔等であってもよい。
【0046】
出射部603は、導光部材60の下面である。出射部603は、拡散部601又は反射部602から来た光を、照明光として導光部材60の外部に出射する。出射部603は、導光部材60の左右方向の全長にわたっている。出射部603は、前斜め下方を向く面であり、前向き成分及び下向き成分の両者を含む向きに照明光を出射する。なお、出射部603は、前向き成分及び下向き成分のうちいずれか一方のみを含む向きに照明光を出射するように構成されてもよい。
【0047】
ケース50の収納部53は、導光部材60を保持する保持部532を有する。保持部532は、収納部53の上端部に形成されている。保持部532は、左右方向に延び、収納部53の左右方向の全長にわたった溝である。保持部532には、左右方向の外側から導光部材60の拡散部601が挿入される。保持部532は、導光部材60の拡散部601を、上下方向及び前後方向の移動を規制した状態で保持する。
【0048】
照明部6は、
図5に示す、光源ケース62、光源63、回路基板64、光源側伝熱シート65及びケース側伝熱シート66を、それぞれ一対ずつ有する。本実施形態の照明装置4は、一対の光源ユニット61(
図4参照)を有し、各光源ユニット61が光源ケース62、光源63、回路基板64、光源側伝熱シート65及びケース側伝熱シート66を一つずつ有する。
【0049】
図4に示すように、一対の光源ユニット61は、それぞれ、ケース50の左右方向の両端部に収納される。導光部材60は、一対の光源ユニット61の間に位置する。一対の光源ユニット61は、それぞれ、導光部材60の一対の入射部600と一対一で対応する。
【0050】
光源ケース62は、
図5に示す光源63及び回路基板64を収納する。光源ケース62は、合成樹脂製であり、具体的には、ポリプロピレンから形成される。なお、光源ケース62は、ポリプロピレン以外の合成樹脂から形成されてもよいし、合成樹脂以外の材料から形成されてもよい。
【0051】
光源ケース62の外面の色は、光の反射率が高い白色系である。このため、光源63から発した光を導光部材60側に反射して有効に利用することができ、照明装置4の発光効率が向上する。なお、光源ケース62の外面の色は、白色系以外の色であってもよい。
【0052】
光源63は、発光ダイオードである。なお、光源63は、発光ダイオードに限定されず、例えば、白熱灯、蛍光灯又は有機EL(Electro Luminescence)等であってもよい。
【0053】
光源63は、回路基板64に実装される。回路基板64は、例えば、プリント配線板である。回路基板64は、光源63に電気的に接続される回路を有する。光源ケース62は、光源ケース62を左右方向に貫通する収納孔620を有する。回路基板64は、収納孔620に嵌め込まれ、光源ケース62によってケース50の左右方向の中央部側への移動が規制される。また、回路基板64は、光源ケース62によって上下方向及び前後方向の移動が規制される。
【0054】
(1.8)伝熱部材
照明装置本体5は、照明装置本体5が有する光源63の数と同数の伝熱部材55を有する。すなわち、照明装置本体5は、一対の伝熱部材55を有する。一対の伝熱部材55は、左右対称形状である。
【0055】
本実施形態では、各光源ユニット61が伝熱部材55を有する。伝熱部材55は、光源ケース62に取り付けられる。
【0056】
伝熱部材55は、回路基板64及びケース50に熱的に結合される。光源63が発光したとき、光源63から発せられた熱は、回路基板64及び伝熱部材55を介してケース50に伝わり、ケース50で放散する。
【0057】
伝熱部材55は、アルミニウム又はアルミニウム合金から形成されており、光源ケース62よりも熱伝導率が高い。なお、各伝熱部材55は、ステンレス等、アルミニウム以外の金属から形成されてもよい。また、伝熱部材55は、熱伝導率が高い合成樹脂等、金属以外の材料から形成されてもよい。
【0058】
伝熱部材55は、固着具550によって光源ケース62に取り付けられる。固着具550は、ねじである。なお、固着具550は、ねじに限定されず、ボルト及びナット、釘、あるいはリベット等であってもよい。
【0059】
伝熱部材55は、受熱部551と伝熱部552とを有する。受熱部551は、回路基板64に熱的に結合され、光源63から回路基板64に伝わった熱を受ける。伝熱部552は、ケース50に熱的に結合され、受熱部551の熱をケース50に伝える。
【0060】
各光源ユニット61の光源側伝熱シート65及びケース側伝熱シート66の各々は、例えば、シリコーン等、熱伝導性及び電気絶縁性の高い材料から形成される。各伝熱シート65,66は、光源ケース62よりも熱伝導率が高い。
【0061】
光源側伝熱シート65は、回路基板64における光源63が実装された面とは反対側(導光部材60とは反対側)の面に接する。受熱部551は、厚み方向が左右方向と平行な板状に形成されている。受熱部551は、光源側伝熱シート65における回路基板64とは反対側の面に接する。
【0062】
光源側伝熱シート65及び回路基板64は、受熱部551と光源ケース62との間に挟まれて固定される。光源側伝熱シート65は、回路基板64と伝熱部材55とを電気的に絶縁する。光源側伝熱シート65は、回路基板64の熱を受熱部551に伝える。なお、受熱部551は、光源側伝熱シート65を介さず、回路基板64に直接接してもよい。
【0063】
受熱部551は、光源側伝熱シート65よりも後方に突出した突出部分553を有する。突出部分553には、前述した固着具550を通過させるための孔554が形成されている。
【0064】
伝熱部552は、受熱部551の後端部(突出部分553の後端部)から、左右方向におけるケース50の中央部側に向かって突出する。伝熱部552は、厚み方向が上下方向と平行な板状に形成されている。
【0065】
ケース側伝熱シート66は、伝熱部552の上面に接し、かつ、ケース50の内面(詳しくは、収納部53の上端部の内面)に接する。ケース側伝熱シート66は、伝熱部552とケース50との間に挟まれて固定される。ケース側伝熱シート66は、伝熱部材55とケース50とを電気的に絶縁する。ケース側伝熱シート66は、伝熱部552の熱をケース50に伝える。すなわち、伝熱部552は、ケース側伝熱シート66を介して、ケース50に熱的に結合される。なお、伝熱部552は、ケース側伝熱シート66を介さず、ケース50に直接接してもよい。
【0066】
光源ユニット61は、ケース50に収納される。具体的に光源ケース62は、大部分が、ケース50の収納部53(照明部収納空間530)と、上連結片540と下連結片541との間(内部空間542)とに、収納される。伝熱部材55は、全体がケース50における収納部53に収納され、上連結片540と下連結片541との間には位置しない。
【0067】
なお、光源ケース62は、収納部53にのみ収納されてもよい。また、本実施形態の光源ケース62は、一部がケース50の外側に位置するが、全体がケース50に収納されてもよい。また、伝熱部材55は、収納部53と、上連結片540と下連結片541との間とに収納されてもよい。また、本実施形態の伝熱部材55は、全体がケース50に収納されるが、大部分のみがケース50に収納されてもよい。
【0068】
光源ユニット61の光源ケース62の収納孔620には、導光部材60の左右方向の端部が嵌め込まれて保持される。導光部材60は、各光源ユニット61の光源ケース62によって、ケース50の左右方向の外側に向かって移動することが規制される。
【0069】
各光源ユニット61の光源63は、導光部材60の対応する入射部600に対向する。各光源ユニット61の光源63は、導光部材60の対応する入射部600に向かって光を発する。各光源ユニット61の光源63から発せられた光は、対応する入射部600から導光部材60に入射する。
【0070】
各入射部600から導光部材60に入射した光は、他方の入射部600側に進み、この過程において拡散部601(
図6参照)で拡散して反射し、この後、反射部602(
図6参照)で反射した後あるいは直接、出射部603に至り、この後、出射部603から出射する。
【0071】
ケース50は、一対の固着具用孔500を更に有する。一対の固着具用孔500は、ケース50の左右方向の両端部にそれぞれ形成されており、収納部53の上端部を上下方向に貫通している。各固着具用孔500は、対応する光源ユニット61の伝熱部材55をケース50に取り付けるための固着具501が通過する孔である。
【0072】
本実施形態の固着具501は、ねじである。各光源ユニット61の伝熱部材55は、対応する固着具用孔500を通過して伝熱部552にねじ込まれた固着具501により、ケース50に取り付けられる。このように伝熱部材55がケース50に取り付けられることで、光源ユニット61はケース50に固定される。なお、本実施形態の固着具501は、ケース側伝熱シート66を貫通するが、ケース側伝熱シート66を貫通しなくてもよい。また、固着具501は、ねじに限定されず、ボルト及びナット、釘、あるいはリベット等であってもよい。
【0073】
なお、本実施形態の照明部6は、照明光を発する発光部分が導光部材60であるが、これに限定されない。例えば、照明部6の発光部分は、左右方向に間隔をあけて並ぶ複数の光源であってもよい。この場合、光源は、例えば、発光ダイオードである。なお、この光源も発光ダイオードに限定されず、白熱灯、蛍光灯又は有機EL等であってもよい。
【0074】
(1.9)透光カバー
照明装置本体5は、透光カバー56を更に有する。透光カバー56は、ケース50の窓部531を覆う。透光カバー56は、透光性を有する。透光カバー56は、合成樹脂製であり、具体的には、アクリル樹脂から形成されている。なお、透光カバー56は、アクリル樹脂以外の合成樹脂から形成されてもよいし、合成樹脂以外の材料から形成されてもよい。
【0075】
導光部材60の出射部603から出射した照明光は、透光カバー56を透過し、ケース50の前斜め下方に出る。これにより、ミラーキャビネット2の前方領域が、照明装置4によって照明される。
【0076】
ケース50の窓部(開口部)531の前後の縁部には、一対の嵌合溝533がそれぞれ形成されている。各嵌合溝533は、左右方向に延び、ケース50の左右方向の全長にわたっている。透光カバー56の前後の縁部は、一対の嵌合溝533に、それぞれ、左右方向の外側から挿入されて保持される。一対の嵌合溝533は、透光カバー56の前後の縁部の前後方向及び上下方向の移動を規制する。なお、透光カバー56は、省略可能である。
【0077】
(1.10)支持具
図3に示すように、照明装置4は、照明装置本体5を支持する複数の支持具として、左右一対の支持具7を有する。なお、照明装置4が有する支持具7の数は、二つに限定されず、一つであってもよいし、三つ以上であってもよい。
【0078】
一対の支持具7は、キャビネット本体3の天井部31の前面に左右方向に間隔をあけて取り付けられ、照明装置本体5のケース50を支持する。一対の支持具7が照明装置本体5を支持した状態で、ケース50の後面(固定部52の後面)は、キャビネット本体3の天井部31の前面に接する。
【0079】
各支持具7は、合成樹脂製である。なお、各支持具7は、例えば、金属等、合成樹脂以外の材料から形成されてもよい。一対の支持具7は、互いに形状及び大きさが同じである。
【0080】
キャビネット本体3は、照明装置4が有する支持具7の数と同数の凹部310を有する。すなわち、キャビネット本体3は、一対の凹部310を有する。一対の凹部310は、天井部31の前面に左右方向に間隔をあけて形成されている。各凹部310は、
図7に示すように、上下方向に直線状に延び、天井部31の前面の上下方向の全長にわたる溝である。各凹部310は、前方、上方及び下方に開口している。一対の凹部310と、一対の支持具7とは、それぞれ一対一で対応する。各支持具7は、対応する凹部310に収納される。
【0081】
各凹部310は、照明装置4とは別の照明装置4A(
図8参照)の一部を収納するために用いることができる。このため、キャビネット本体3を、
図8に示すように、照明装置4とは別の照明装置4Aを備えるキャビネット2Aに利用することができる。キャビネット2Aは、キャビネット本体3と、一対の照明装置4Aとを備える。各照明装置4Aは、縦長の形状を有する。各照明装置4Aは、上端部がキャビネット本体3の対応する凹部310に収納された状態で、仕切壁35(
図3参照)の前面に取り付けられる。
【0082】
図7に示すように、各支持具7は、取付部70と、支持部71とを有する。取付部70は、キャビネット本体3に取り付けられる。支持部71は、取付部70から前方に突出し、照明装置本体5(
図3参照)を下方から支持する。
【0083】
取付部70は、上下方向に延びた直方体状に形成されている。取付部70は、キャビネット本体3の対応する凹部310に嵌め込まれて収納された状態で、キャビネット本体3に取り付けられる。
【0084】
取付部70の左右両側の側面の各々には、前後方向に延び、後方に開口した溝705が形成されている。キャビネット本体3の各凹部310の左右の内側面には、突起316が設けられている。各支持具7の左右の溝705には、対応する凹部310の左右の突起316がそれぞれ嵌め込まれる。これにより、各支持具7の上下方向の移動が規制される。
【0085】
図9に示すように、取付部70は、キャビネット本体3に引っ掛けられる引掛部700を更に有する。引掛部700は、複数の引掛片701を有する。本実施形態の引掛部700は、四つの引掛片701を有する。なお、引掛部700が有する引掛片701の数は、限定されず、一つ~三つ、あるいは五つ以上であってもよい。
【0086】
各引掛片701は、取付部70の後面から後方に突出する。各引掛片701は、引掛片701の先端部に形成された爪部702を有する。
【0087】
図7に示すように、キャビネット本体3の各凹部310は、対応する支持具7が固定される固定部分311を有する。固定部分311は、凹部310の奥部(溝底)を構成する。固定部分311の上面は、キャビネット本体3の上面の一部である。ただし、固定部分311の上面は、天井部31の他の上面よりも下方に位置している。
【0088】
固定部分311には、対応する支持具7が引っ掛けられる複数の引掛孔313が形成されている。固定部分311は、複数の引掛孔313として、支持具7が有する引掛片701の数と同数の引掛孔313を有する。すなわち、固定部分311は、四つの引掛孔313を有する。四つの引掛孔313と四つの引掛片701とは、それぞれ一対一で対応する。
【0089】
支持具7の各引掛孔313は、固定部分311を前後方向に貫通している。各引掛片701は、対応する引掛孔313を通過する。これにより、取付部70の上下方向及び左右方向の移動が規制される。各引掛片701は、爪部702が対応する引掛孔313の周縁部に引っ掛かる。これにより、取付部70の前方への移動が規制される。
【0090】
取付部70は、固着具用孔703を更に有する。固着具用孔703は、支持具7をキャビネット本体3に取り付けるための固着具21が通過可能な孔である。固着具用孔703は、取付部70を前後方向に貫通している。固着具用孔703は、取付部70において複数の引掛片701よりも上方に位置している。
【0091】
取付部70は、固着具用孔703を通過した固着具21によって、キャビネット本体3に取り付けられる。固着具21は、ねじであり、キャビネット本体3の各固定部分311には、固着具21がねじ込まれるねじ孔314が形成されている。なお、固着具21は、ねじに限定されず、ボルト及びナット、釘、あるいはリベット等であってもよい。また、取付部70は、固着具21及び引掛部700のうちの一方だけを利用してキャビネット本体3に取り付けられてもよい。
【0092】
支持部71は、取付部70における上下方向の中間部から前方に向かって突出する。支持部71は、厚み方向が上下方向と平行な板状部710を有する。
【0093】
図4に示すように、支持具7がキャビネット本体3に取り付けられた状態で、板状部710の前端部は、キャビネット本体3の天井部31の前面よりも前方に突出する。板状部710の前端部の左右方向の両端部は、取付部70よりも左右方向の外側に突出する。板状部710の上面(後述する凹溝73を除く)は、水平である。照明装置本体5のケース50は、板状部710の前端部の上面に載り、板状部710は、ケース50を下方から支持する。
【0094】
図7に示すように、各支持具7は、規制部72を更に有する。規制部72は、取付部70から前方に突出する。本実施形態の規制部72は、取付部70の上端部から前方に突出しており、支持部71の上方に位置している。
【0095】
規制部72は、厚み方向が上下方向と平行で、水平な下面を有する板状に形成されている。規制部72の前端部は、キャビネット本体3の天井部31の前面よりも前方に突出する。規制部72の前端面は、板状部710の前端面と前後方向において同位置に位置する。規制部72の上面は、取付部70の上面と面一であり、取付部70の上面に連続する。本開示における「面一」とは、二つの面の間に、全く段差がない状態だけでなく、見栄え良くできるのであれば、二つの面の間にわずかな段差がある場合も含まれる。
【0096】
図6に示すように、規制部72の下面は、照明装置本体5のケース50の上面に沿い、ケース50の上面に対向する。規制部72は、規制部72の下面がケース50の上面に接触することで、照明装置本体5の上方への移動を規制する。
【0097】
図7に示す取付部70の前面において支持部71よりも下方に位置する部分は、キャビネット本体3の天井部31の前面と面一になる。取付部70の前面において支持部71よりも下方に位置する部分は、扉20(
図2参照)の上端部と、同じ高さに位置する。
【0098】
取付部70の前面において、支持部71よりも上方に位置し、かつ、規制部72よりも下方に位置する部分は、照明装置本体5のケース50(
図4参照)の後面に対向する対向面706である。
【0099】
対向面706は、キャビネット本体3の天井部31の前面よりも後方に位置する。対向面706には、前方に開口した凹所704が形成されている。凹所704の奥部には、前述した固着具用孔703が形成されている。
【0100】
凹所704の下底面は、板状部710の上面に面一に連続する。板状部710の上面及び凹所704の下底面には、前後方向に延びる凹溝73が形成されている。凹溝73は、前方から見て下方に凹んだ円弧状に形成されている。取付部70をキャビネット本体3に固着具21で取り付ける際、凹溝73には、固着具21及び固着具21を操作するための工具を位置させることができる。このため、取付部70をキャビネット本体3に取り付ける作業が容易になる。前記工具は、例えば、ねじ回し等である。
【0101】
各支持具7は、少なくとも一つの接触部74,711を有する。接触部74,711は、後方、左方又は右方に向かって突出し、キャビネット本体3に接触する。本実施形態の各支持具7は、少なくとも一つの接触部として、一つの上面接触部74と、二つの前面接触部711とを有する。つまり、各支持具7は、合計三つの接触部74,711を有する。
【0102】
上面接触部74は、取付部70の上端部から後方に突出する。上面接触部74は、キャビネット本体3の上面に接触する。上面接触部74は、後方から見て、横倒しされたH字状に形成されており、
図9に示すように、上片部740、下片部741及び連結片部742を有する。
【0103】
上面接触部74の上片部740は、厚み方向が上下方向と平行な板状に形成されており、取付部70の上端部から後方に突出する。
図4に示すように、支持具7の取付部70の上端部と、対応する凹部310の上端開口部の後縁部との間は、上片部740によって閉塞される。
【0104】
上片部740の上面は、上面接触部74の上面である。上片部740の上面は、取付部70の上面と面一であり、取付部70の上面に連続する。上片部740の上面は、キャビネット本体3の天井部31の上面と面一になる。本実施形態の各支持具7の上面は、規制部72の上面、取付部70の上面及び上片部740の上面で構成されている。各支持具7の上面は、キャビネット本体3の天井部31の上面と面一になる。このため、キャビネット2の見栄えが良くなる。
【0105】
図9に示すように、下片部741は、厚み方向が上下方向と平行な板状に形成されている。下片部741は、取付部70における上片部740よりも下方に位置する箇所から後方に突出し、上片部740の下方に位置する。上片部740は、下片部741よりも後方に突出する。下片部741の下面は、上面接触部74の下面である。下片部741の下面は、規制部72よりも下方に位置し、かつ、支持部71及び固着具用孔703よりも上方に位置する。
【0106】
連結片部742は、厚み方向が左右方向と平行な板状に形成されている。連結片部742は、取付部70における上片部740と下片部741との間の部分から後方に突出する。連結片部742は、上片部740と下片部741とをつないでいる。
【0107】
図6に示すように、下片部741の下面は、凹部310の固定部分311の上面に対向する。支持具7に下向きの荷重が加わったとき、支持具7は、下片部741の下面が、キャビネット本体3の対応する凹部310の固定部分311の上面に接触することで、キャビネット本体3によって下方から支持される。この場合、固定部分311の上面が、支持具7を下方から支持する。
【0108】
図7に示す各前面接触部711は、キャビネット本体3の前面に接触する。支持部71の板状部710における左右方向の両端部の各々は、前面接触部711を構成している。すなわち、各支持具7の二つの前面接触部711のうちの一方は、板状部710の前端部において取付部70よりも左方に突出した部分であり、他方は、板状部710の前端部において取付部70よりも右方に突出した部分である。各前面接触部711の後面は、鉛直な面である。
【0109】
各前面接触部711の後面は、キャビネット本体3の天井部31の前面に対向する。支持具7に下向きの荷重が加わったとき、支持具7は、各前面接触部711の後面が天井部31の前面に接触することで、支持具7に発生する取付部70を中心とした回転力を受ける。すなわち、照明装置本体5に下向きの荷重が加わったとき、この荷重は各支持具7を介してキャビネット本体3で受けられる。
【0110】
なお、支持具7が有する前面接触部711の数は、限定されず、例えば、一つであってもよいし、三つ以上であってもよい。また、支持具7は、接触部711として、上面接触部74だけを有してもよいし、前面接触部711だけを有してもよい。
【0111】
(1.11)取付具
照明装置4は、照明装置本体5をキャビネット本体3に取り付ける複数の取付具として、左右一対の取付具8(
図4参照)を有する。なお、照明装置4が有する取付具8の数は、二つに限定されず、一つであってもよいし、三つ以上であってもよい。
【0112】
ケース50の固定部52の左右方向の両端部は、それぞれ、
図10に示すように、一対の取付具8を介してキャビネット本体3の天井部31の前面に取り付けられる。この場合、ケース50は、固定部52の後面が天井部31の前面に接した状態で、キャビネット本体3に取り付けられる。
【0113】
各取付具8は、ケース50の固定部52に取り付けられ、かつ、キャビネット本体3に取付可能である。各取付具8は、合成樹脂製であり、具体的には、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)樹脂から形成される。なお、各取付具8は、ABS樹脂以外の合成樹脂から形成されてもよいし、金属等、合成樹脂以外の材料から形成されてもよい。
【0114】
各取付具8は、キャビネット本体3の天井部31の前面に沿って配置される。
図5に示すように、各取付具8は、嵌込部80と、固着部81とを有する。嵌込部80は、ケース50の固定部52に嵌め込まれて取り付けられ、固定部52に収納される。固着部81は、ケース50の外側に位置し、固着具40によってキャビネット本体3の前面に固定される。なお、本実施形態の取付具8は、嵌込部80だけが固定部52に収納されるが、取付具8の全部が固定部52に収納されてもよい。すなわち、取付具8は、少なくとも一部が固定具52に収納されればよい。
【0115】
嵌込部80は、箱状の固定部52の内側に左右方向の外側から挿入されることで、固定部52に嵌め込まれる。嵌込部80は、嵌込部80の外面に形成された複数の突起800を有する。嵌込部80は、複数の突起800が固定部52の内面に押し当たった状態で固定部52に圧入される。これにより、嵌込部80は、固定部52に固定される。
【0116】
固着部81は、嵌込部80からケース50の左右方向の外側に向かって突出する。固着部81は、固着具用孔810を有する。固着具用孔810は、固着部81を前後方向に貫通している。固着具用孔810は、取付具8をキャビネット本体3に取り付けるための固着具40が通過可能な孔である。固着部81は、固着具用孔810を通過した固着具40によって、キャビネット本体3の天井部31の前面に固定される。
【0117】
固着具40は、ねじであり、キャビネット本体3の天井部31には、固着具40がねじ込まれるねじ孔315(
図10参照)が形成されている。なお、固着具40は、ねじに限定されず、ボルト及びナット、釘、あるいはリベット等であってもよい。
【0118】
(1.12)サイドカバー
図2に示すように、照明装置本体5は、左右一対のサイドカバー57を更に有する。一対のサイドカバー57は、それぞれ、ケース50の左右の端開口部51(
図5参照)を覆うようにケース50に取り付けられる。各サイドカバー57は、合成樹脂製であり、具体的には、ABS樹脂から形成される。なお、各サイドカバー57は、ABS樹脂以外の合成樹脂から形成されてもよいし、金属等、合成樹脂以外の材料から形成されてもよい。
【0119】
一対のサイドカバー57は、左右対称形状である。
図11に示すように、各サイドカバー57は、サイドカバー57の主体を構成するカバー本体570を有する。カバー本体570は、ケース50とは反対側に向かって凹んだキャップ状に形成されている。カバー本体570は、
図4に示す、ケース50の端開口部51、ケース50に収納された照明部6及び取付具8、並びに固着具40を覆う。
【0120】
図11に示すように、カバー本体570は、蓋部571、上片572、下片573及び前片574を有する。蓋部571は、左右方向と交差する面に沿って広がった板状に形成されており、ケース50の端開口部51(
図4参照)に対向する。蓋部571は、前端に近い部分ほどケース50に近づくように傾斜又は湾曲している。
【0121】
上片572は、蓋部571の上縁部からケース50に向かって突出し、蓋部571の上縁部の全長にわたって形成されている。下片573は、蓋部571の下縁部からケース50に向かって突出し、蓋部571の下縁部の全長にわたって形成されている。前片574は、蓋部571の前縁部からケース50に向かって突出し、蓋部571の前縁部の全長にわたって形成されている。前片574の上下の端部は、それぞれ、上片572の前端部及び下片573の前端部につながっている。
【0122】
上片572のケース50側の端面、下片573のケース50側の端面及び前片574のケース50側の端面は、面一で連続しており、カバー本体570のケース50側の端面を構成している。カバー本体570のケース50側の端面は、左右方向と直交する平面である。
【0123】
各サイドカバー57は、カバー本体570のケース50側の端面と、
図4に示す、ケース50の左側又は右側の端面とが突き合わされた状態で、ケース50に取り付けられる。光源ユニット61は、光源ケース62が蓋部571に当たることで、ケース50の左右方向の外側への移動が規制される。
【0124】
図11に示す下片573のケース50側の端面には、ケース50に向かって開口した嵌込溝575が形成されている。
図4に示す透光カバー56の左右方向の端部は、嵌込溝575に嵌め込まれる。これにより、透光カバー56の上下方向及び前後方向の移動が規制される。また、透光カバー56は、ケース50に取り付けられたサイドカバー57により、ケース50の左右方向の外側への移動が規制される。
【0125】
各サイドカバー57は、カバー本体570の外面だけがケース50の外側に露出する。カバー本体570の左右方向の寸法である、各サイドカバー57の左右幅bは、サイドカバー57の前端に近い部分ほど徐々に小さくなっている。このため、サイドカバー57の後部によってケース50から突出した取付具8を覆いつつ、サイドカバー57の前部の左右幅bを小さくすることができる。したがって、照明装置4の前部においては、照明装置4の左右方向の全長に対して、照明光が発せられる部分が占める割合を大きくすることができ、照明装置4の見栄えを良くすることができる。また、サイドカバー57の前部の左右幅bを小さくすることで、利用者がサイドカバー57に接触し難くなり、不意にサイドカバー57が外れることが抑制される。
【0126】
図11に示すように、各サイドカバー57は、ケース50の端開口部51に圧入される圧入部576を更に有する。圧入部576は、複数の圧入リブ577~579を有する。本実施形態の圧入部576は、複数の圧入リブとして、上圧入リブ577、下圧入リブ578及び前圧入リブ579の三つの圧入リブ577~579を有する。
【0127】
上圧入リブ577は、上片572のケース50側の端面に形成されており、上片572からケース50に向かって突出する。上圧入リブ577は、上片572の前後方向の中間部に位置し、上片572に沿って前後方向に延びている。上圧入リブ577は、
図4に示すケース50の端開口部51から収納部53に圧入され、収納部53内に位置する。
【0128】
図11に示すように、上圧入リブ577は、複数の突起5770,5771を有する。上圧入リブ577は、複数の突起として、二つの上突起5770と、一つの後突起5771とを有する。二つの上突起5770は、上圧入リブ577の上面に前後方向に間隔をあけて形成されている。後突起5771は、上圧入リブ577の後端面に形成されている。
【0129】
各突起5770,5771は、左右方向に延びている。各上突起5770は、ケース50の収納部53の上端部の内面に押し当たる。後突起5771は、ケース50の収納部53の後端部の内面に押し当たる。
【0130】
下圧入リブ578は、下片573のケース50側の端面に形成されており、下片573からケース50に向かって突出する。下圧入リブ578は、下片573の前後方向の中間部に位置し、上片572に沿って前後方向に延びている。下圧入リブ578は、上圧入リブ577の下方に位置している。下圧入リブ578は、
図4に示すケース50の端開口部51から収納部53に圧入され、収納部53内に位置する。
【0131】
図11に示すように下圧入リブ578は、複数の突起5780,5781を有する。下圧入リブ578は、複数の突起として、二つの下突起5780と、一つの後突起5781とを有する。二つの下突起5780は、下圧入リブ578の下面に前後方向に間隔をあけて形成されている。後突起5781は、下圧入リブ578の後端面に形成されている。
【0132】
各突起5780,5781は、左右方向に延びている。各下突起5780は、
図4に示すケース50の収納部53の下端部の内面に押し当たる。後突起5781は、ケース50の収納部53の後端部の内面に押し当たる。
【0133】
図11に示すように、前圧入リブ579は、サイドカバー57の前片574、上片572及び下片573のケース50側の端面に形成されている。前圧入リブ579は、前片574、上片572及び下片573からケース50に向かって突出する。前圧入リブ579は、上圧入リブ577及び下圧入リブ578の前方に位置している。前圧入リブ579は、左右方向に見て、前片574、上片572及び下片573に沿って延びており、左右方向に見て後方に開口したU字状に形成されている。
【0134】
前圧入リブ579の前面には、上下方向に間隔をあけて複数の突起5790が形成されている。各突起5790は、左右方向に延びている。各突起5790は、
図4に示すケース50の収納部53の前端部の内面に押し当たる。
【0135】
図11に示すサイドカバー57の圧入部576は、ケース50の収納部53(
図4参照)に嵌まり込む。これにより、サイドカバー57の上下方向及び前後方向の移動が規制される。また、圧入部576は、複数の圧入リブ577~579の各突起5770,5771,5780,5781,5790が収納部53の内面に押し当たった状態で、収納部53に圧入される。このため、サイドカバー57の左右方向の移動も、圧入部576によって規制される。また、各圧入リブ577~579は、ケース50の端開口部51の周縁部(詳しくは、収納部53の内面)に沿って延び、ケース50内の光が、ケース50とサイドカバー57との間から漏れ出すことを抑制する。このため、照明装置4の発光効率を向上することができる。
【0136】
各サイドカバー57は、ケース50に引っ掛けられる係止部58を更に有する。すなわち、各サイドカバー57は、圧入部576が
図4に示すケース50に圧入され、かつ、係止部58がケース50に引っ掛かった状態で、ケース50に取り付けられる。このため、各サイドカバー57をケース50から外れ難くすることができる。
【0137】
図11に示すように、係止部58は、複数の係止片580,581を有する。本実施形態の係止部58は、複数の係止片として、上係止片580と下係止片581との二つの係止片を有する。
【0138】
上係止片580は、カバー本体570の上片572のケース50側の端面に形成されており、上片572からケース50に向かって突出する。上係止片580は、上圧入リブ577の後方に位置している。下係止片581は、カバー本体570の下片573のケース50側の端面に形成されており、下片573からケース50に向かって突出する。下係止片581は、下圧入リブ578の後方に位置し、上係止片580の下方に位置している。
【0139】
二つの係止片580,581は、前後対称形状である。各係止片580,581は、上下方向に見てL字状に形成されており、上下方向に見て非直線状である。具体的に各係止片580,581は、カバー本体570からケース50に向かって突出した基部582と、基部582のケース50側の端部から前方又は後方に突出した先部583とを有する。
【0140】
上係止片580の基部582から突出する先部583の突出方向と、下係止片581の基部582から突出する先部583の突出方向とは、逆方向である。上係止片580の先部583は、基部582から前方に突出し、下係止片581の先部583は、基部582から後方に突出する。
【0141】
各係止片580,581は、ケース50に嵌合して引っ掛かる嵌合部584を更に有する。上係止片580は、嵌合部584として、ケース50の上端部に嵌合して引っ掛かる上嵌合部584を有する。上嵌合部584は、上係止片580の先端部(先部583の前端部)から上方に突出する。下係止片581は、嵌合部584として、ケース50の下端部に嵌合して引っ掛かる下嵌合部584を有する。下嵌合部584は、下係止片581の先端部(先部583の後端部)から下方に突出する。
【0142】
ケース50は、
図4に示す係合部502を有する。係合部502は、係止部58が引っ掛かる部分である。係合部502は、複数の引掛部分503を有する。係合部502は、複数の引掛部分として、上係止片580が引っ掛かる上引掛部分503と、下係止片581が引っ掛かる下引掛部分503とを有する。上引掛部分503は、ケース50の上連結片540に形成された貫通孔である。下引掛部分503は、ケース50の下連結片541に形成された貫通孔である。
【0143】
図11に示す上係止片580は、上嵌合部584が上引掛部分(貫通孔)503に嵌まることで、ケース50の上端部に引っ掛かり、左右方向及び前後方向の移動が規制される。下係止片581は、下嵌合部584が下引掛部分(貫通孔)503に嵌まることでケース50の下端部に引っ掛かり、左右方向及び前後方向の移動が規制される。
【0144】
サイドカバー57の圧入部576が、ケース50の端開口部51に嵌め込まれる際、各係止片580,581は、ケース50の内面に押されて弾性変形し、この後、各係止片580,581の嵌合部584が対応する引掛部分503に嵌まり込む際に復元する。
【0145】
前述したように、各係止片580,581は、左右方向と直交する方向に見て非直線状である。このため、カバー本体570から突出する各係止片580,581のケース50側への突出量を抑えつつ、各係止片580,581を長くして弾性変形しやすくすることができる。したがって、サイドカバー57をケース50に容易に取り付けることが可能になる。なお、本実施形態の各係止片580,581は、上下方向に見てL字状に形成されているが、各係止片580,581の上下方向に見た際の形状は、限定されない。例えば、各係止片580,581は、上下方向に見て、S字状又は矩形枠状等に形成されてもよい。また、各係止片580,581は、前後方向に見て、非直線状であってもよい。
【0146】
上嵌合部584は、下嵌合部584よりも前方に位置しており、上嵌合部584と下嵌合部584とは、上下方向に見て異なる位置に配される。このため、ケース50に取り付けられたサイドカバー57が、上嵌合部584及び下嵌合部584を支点として回転し難くなり、サイドカバー57をしっかりとケース50に取り付けることができる。また、下嵌合部584は、上嵌合部584よりも後方に位置する。このため、照明装置4よりも下側に位置する利用者から見て、下嵌合部584が目立ち難く、照明装置4の見栄えを良くすることができる。
【0147】
なお、上嵌合部584は、下嵌合部584よりも前方に位置してもよい。また、上嵌合部584と下嵌合部584とは、左右方向において異なる位置に配されてもよいし、上下方向に見て重なる位置に配されてもよい。
【0148】
(1.13)照明装置の施工
照明装置4は、例えば、以下に示すように、キャビネット本体3に施工される。まず、作業者は、左右一対の支持具7の各々を、
図7に示すキャビネット本体3の天井部31に取り付ける。このとき、支持具7は、キャビネット本体3の対応する凹部310に嵌め込まれて、各引掛片701が対応する引掛孔313の縁部に引っ掛かり、この後、固着具用孔703に前方から固着具21が通され、この固着具21が天井部31のねじ孔314にねじ込まれることにより、天井部31に取り付けられる。
【0149】
次に作業者は、
図4に示すようにサイドカバー57が取り外された照明装置本体5の固定部52を、各支持具7の板状部710の前端部と規制部72の前端部との間に嵌め込む。これにより、照明装置本体5は、一対の支持具7で保持され、上下方向の移動が規制される。
【0150】
続いて作業者は、照明装置本体5の左右一対の取付具8を、キャビネット本体3の天井部31に取り付ける。このとき、各取付具8は、固着具用孔810に前方から固着具40が通され、この固着具40が天井部31のねじ孔315にねじ込まれることにより、天井部31に取り付けられる。
【0151】
次に作業者は、照明装置本体5に左右一対のサイドカバー57を取り付ける。このとき、各サイドカバー57は、圧入部576がケース50の左右方向の外側からケース50の収納部53に圧入され、係止部58がケース50の係合部502に引っ掛かることで、ケース50に取り付けられる。
【0152】
なお、上記実施形態の洗面化粧台1の各要素の形状、大きさ、位置、数及び材質等は、適宜変更可能である。
【0153】
(2)態様
上記実施形態で説明したように、第1の態様のキャビネット(2)は、キャビネット本体(3)と、照明装置(4)とを備える。キャビネット本体(3)は、前方に開口する収容空間(36)を有する。照明装置(4)は、キャビネット本体(3)に取り付けられる。照明装置(4)は、ケース(50)、照明部(6)及び伝熱部材(55)を有する。ケース(50)は、照明装置(4)の外面を構成する。照明部(6)は、照明光を発する。伝熱部材(55)は、照明部(6)とケース(50)とを熱的に結合する。照明部(6)及び伝熱部材(55)が、ケース(50)に収納される。
【0154】
この態様によれば、照明部(6)及び伝熱部材(55)がケース(50)に収納されるため、照明部(6)に外力が加わり難く、照明装置(4)の不具合が生じ難い。
【0155】
第2の態様は、第1の態様との組み合わせにより実現され得る。第2の態様では、照明部(6)は、光源(63)と光源ケース(62)とを有する。光源ケース(62)は、光源(63)を収納する。伝熱部材(55)が光源ケース(62)に取り付けられる。光源ケース(62)が、ケース(50)に収納される。
【0156】
この態様によれば、ケース(50)に、光源(63)と伝熱部材(55)とをまとめて収納することができ、照明装置(4)を小型化したり、外観上、照明装置(4)において光を発する部分が占める割合を大きくして見栄えを良くしたりすることができる。また、光源(63)に外力が加わり難く、光源(63)の不具合が生じ難い。
【0157】
第3の態様は、第2の態様との組み合わせにより実現され得る。第3の態様では、光源(63)、光源ケース(62)及び伝熱部材(55)が、ケース(50)における左右方向の端部に収納される。照明部(6)は、導光部材(60)を更に有する。導光部材(60)は、左右方向に延び、ケース(50)に収納される。光源ケース(62)は、導光部材(60)における左右方向の端部を保持する。光源(63)は、導光部材(60)に向かって光を照射する。
【0158】
この態様によれば、外力が光源(63)及び導光部材(60)に加わり難くなる。このため、例えば、光源(63)又は導光部材(60)に外力が加わって、導光部材(60)に対する光源(63)の位置が変わり、発光効率が低下することを抑制することができる。
【0159】
第4の態様は、第1~第3のいずれか一つの態様との組み合わせにより実現され得る。第4の態様では、ケース(50)がキャビネット本体(3)に接した状態で取り付けられる。
【0160】
この態様によれば、ケース(50)がキャビネット本体(3)に接した状態で取り付けられる照明装置(4)において、照明部(6)に外力が加わり難くすることができる。
【0161】
第5の態様は、第1~第4のいずれか一つの態様との組み合わせにより実現され得る。第5の態様では、ケース(50)は、固定部(52)と、収納部(53)とを有する。固定部(52)は、キャビネット本体(3)に対して固定される。収納部(53)は、固定部(52)につながり、照明部(6)及び伝熱部材(55)を収納する。
【0162】
この態様によれば、収納部(53)に光源(63)と伝熱部材(55)とをまとめて収納することができる。
【0163】
第6の態様は、第5の態様との組み合わせにより実現され得る。第6の態様では、ケース(50)は、連結部(54)を更に有する。連結部(54)は、固定部(52)と収納部(53)とをつなぐ。
【0164】
この態様によれば、連結部(54)を介して固定部(52)につながった収納部(53)に、光源(63)と伝熱部材(55)とをまとめて収納することができる。
【0165】
第7の態様は、第5又は第6の態様との組み合わせにより実現され得る。第7の態様では、照明装置(4)は、取付具(8)を更に有する。取付具(8)は、固定部(52)に取り付けられ、かつキャビネット本体(3)に取付可能である。固定部(52)は、取付具(8)の少なくとも一部を収納する。
【0166】
この態様によれば、取付具(8)をキャビネット本体(3)に取り付けることで、照明装置(4)をキャビネット本体(3)に対して固定することができる。
【0167】
第8の態様は、第7の態様との組み合わせにより実現され得る。第8の態様では、取付具(8)は、嵌込部(80)と、固着部(81)とを有する。嵌込部(80)は、固定部(52)に嵌め込まれる。固着部(81)は、ケース(50)の外側に位置し、キャビネット本体(3)の前面に取付可能である。
【0168】
この態様によれば、取付具(8)の嵌込部(80)を固定部(52)に嵌め込み、固着部(81)をキャビネット本体(3)の前面に取り付けることで、照明装置(4)をキャビネット本体(3)に対して固定することができる。
【0169】
第9の態様は、第8の態様との組み合わせにより実現され得る。第9の態様では、ケース(50)は、端開口部(51)を有する。端開口部(51)は、ケース(50)の左右方向の両端のうち少なくとも一方に形成される。照明装置(4)は、サイドカバー(57)を更に有する。サイドカバー(57)は、端開口部(51)及び取付具(8)を覆う。
【0170】
この態様によれば、ケース(50)の端開口部(51)と取付具(8)とをサイドカバー(57)で覆うことができ、外観を向上することができる。
【0171】
第10の態様は、第9の態様との組み合わせにより実現され得る。第10の態様では、サイドカバー(57)は、ケース(50)とは反対側に向かって凹んだキャップ状に形成される。サイドカバー(57)の左右幅(B)が、サイドカバー(57)の前端に近い部分ほど小さい。
【0172】
この態様によれば、サイドカバー(57)の後端部によって取付具(8)を覆いつつ、サイドカバー(57)の前端部の左右幅(B)を小さくすることができる。このため、照明装置(4)を前側から見たときに、照明装置(4)において光を発する部分が占める割合を大きくすることができて見栄えが良い。
【0173】
第11の態様は、第1~第8のいずれか一つの態様との組み合わせにより実現され得る。第11の態様では、ケース(50)は、端開口部(51)を有する。端開口部(51)は、ケース(50)の左右方向の両端のうち少なくとも一方に形成される。照明装置(4)は、サイドカバー(57)を更に有する。サイドカバー(57)は、端開口部(51)を覆う。サイドカバー(57)は、圧入部(576)と、係止部(58)とを有する。圧入部(576)は、端開口部(51)に圧入される。係止部(58)は、ケース(50)に引っ掛けられる。
【0174】
この態様によれば、ケース(50)の端開口部(51)をサイドカバー(57)で覆うことができる。また、サイドカバー(57)は、圧入部(576)を端開口部(51)に圧入し、かつ、係止部(58)をケース(50)に引っ掛けた状態で、ケース(50)に取り付けることができる。このため、サイドカバー(57)が、ケース(50)に対してがたつき難く、かつ、ケース(50)から外れ難い。
【0175】
第12の態様は、第11の態様との組み合わせにより実現され得る。第12の態様では、圧入部(576)は、端開口部(51)の周縁に沿って延びる圧入リブ(577~579)を有する。
【0176】
この態様によれば、圧入リブ(577~579)により、ケース(50)の内部の光がケース(50)の外部に漏れ出すことが抑制される。このため、照明装置(4)の発光効率を向上できる。
【0177】
第13の態様は、第11又は第12の態様との組み合わせにより実現され得る。第13の態様では、係止部(58)は、上係止片(580)と、下係止片(581)とを有する。上係止片(580)は、上嵌合部(584)を有する。上嵌合部(584)は、ケース(50)の上端部に嵌合して引っ掛かる。下係止片(581)は、下嵌合部(584)を有する。下嵌合部(584)は、ケース(50)の下端部に嵌合して引っ掛かる。上嵌合部(584)と下嵌合部(584)とが上下方向に見て異なる位置に配される。
【0178】
この態様によれば、サイドカバー(57)を、上係止片(580)の上嵌合部(584)をケース(50)の上端部に嵌合して引っ掛け、下係止片(581)の下嵌合部(584)をケース(50)の下端部に嵌合して引っ掛けた状態で、ケース(50)に取り付けることができる。また、この場合、上嵌合部(584)と下嵌合部(584)とが水平方向において異なる位置に配されるため、ケース(50)に取り付けられたサイドカバー(57)が、上嵌合部(584)及び下嵌合部(584)を支点として回転し難くなる。このため、サイドカバー(57)をしっかりとケース(50)に取り付けることができる。
【0179】
第14の態様は、第11又は第12の態様との組み合わせにより実現され得る。第14の態様では、係止部(58)は、係止片(580,581)を有する。係止片(580,581)は、ケース(50)に向かって突出し、先端部がケース(50)に引っ掛かる。係止片(580,581)は、左右方向と直交する方向から見て、非直線状である。
【0180】
この態様によれば、係止片(580,581)のケース(50)側への突出量を抑えつつ、係止片(580,581)を長くして弾性変形しやすくすることができ、これにより、サイドカバー(57)をケース(50)に容易に取り付けることが可能になる。
【0181】
第15の態様は、第1~第14のいずれか一つの態様との組み合わせにより実現され得る。第15の態様では、ケース(50)は、キャビネット本体(3)の前面よりも前方に位置する。照明部(6)は、前向き成分及び下向き成分のうち少なくとも一方を含む向きに照明光を発する。ケース(50)は、照明部(6)から発せられた照明光が通過する窓部(531)を有する。
【0182】
この態様によれば、照明部(6)から窓部(531)を通過した照明光により、キャビネット本体(3)よりも前方を照明することができる。
【0183】
第16の態様は、第1~第15のいずれか一つの態様との組み合わせにより実現され得る。第16の態様では、ケース(50)は、金属製である。
【0184】
この態様によれば、照明部(6)から伝熱部材(55)を介してケース(50)に伝わった熱を、金属製のケース(50)により、効率良く放散させることができる。
【0185】
第17の態様の照明装置(4)は、第1~第16のいずれか一つの態様のキャビネット(2)の照明装置(4)として利用される。
【0186】
この態様によれば、照明部(6)及び伝熱部材(55)がケース(50)に収納されるため、照明部(6)に外力が加わり難く、照明装置(4)の不具合が生じ難い。
【符号の説明】
【0187】
B サイドカバーの幅
2 キャビネット
3 キャビネット本体
36 収容空間
4 照明装置
50 ケース
51 端開口部
52 固定部
53 収納部
531 窓部
54 連結部
55 伝熱部材
57 サイドカバー
576 圧入部
577 上圧入リブ(圧入リブ)
578 下圧入リブ(圧入リブ)
579 前圧入リブ(圧入リブ)
58 係止部
580 上係止片(係止片)
581 下係止片(係止片)
584 上嵌合部
584 下嵌合部
6 照明部
60 導光部材
62 光源ケース
63 光源
8 取付具
80 嵌込部
81 固着部