(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-25
(45)【発行日】2024-02-02
(54)【発明の名称】通信システム、通信方法、及び、ゲートウェイ
(51)【国際特許分類】
H04L 12/46 20060101AFI20240126BHJP
H04L 12/28 20060101ALI20240126BHJP
H04L 12/44 20060101ALI20240126BHJP
【FI】
H04L12/46 100Z
H04L12/28 100S
H04L12/44 103
(21)【出願番号】P 2019211502
(22)【出願日】2019-11-22
【審査請求日】2022-09-16
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】中北 賢二
【審査官】大石 博見
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-301159(JP,A)
【文献】国際公開第2018/179125(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/28
H04L 12/46
H04L 12/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器と、
前記機器を制御するための制御信号を送信するコントローラと、
前記コントローラによって送信された前記制御信号を中継する
複数の第一ゲートウェイとを備え、
前記第一ゲートウェイは、
前記中継における前記制御信号の送信先の候補となる、前記第一ゲートウェイに通信接続されている1以上の第一通信機器を示す第一ネットワーク構成情報を記憶する記憶部と、
前記コントローラからネットワーク構成情報の要求を受信する通信部と、
前記通信部が前記要求を受信したときに、既に前記記憶部に記憶されている前記第一ネットワーク構成情報を読み出して前記通信部に前記コントローラへ送信させる通信制御部とを備え
、
前記コントローラは、
複数の前記第一ゲートウェイのそれぞれから受信した前記第一ネットワーク構成情報を統合した統合ネットワーク構成情報を生成し、
生成した統合ネットワーク構成情報を記憶し、
生成した統合ネットワーク構成情報を、複数の前記第一ゲートウェイに配信する
通信システム。
【請求項2】
前記1以上の第一通信機器には、前記第一ゲートウェイによって送信された前記制御信号を中継する第二ゲートウェイが含まれ、
前記第二ゲートウェイは、前記中継における前記制御信号の送信先の候補となる、前記第二ゲートウェイに通信接続されている1以上の第二通信機器を示す第二ネットワーク構成情報を記憶し、
前記通信制御部は、前記通信部が前記要求を受信したときに、
前記通信部を用いて前記第二ゲートウェイから前記第二ネットワーク構成情報を取得し、
前記第一ネットワーク構成情報に加えて、取得された前記第二ネットワーク構成情報を前記通信部に前記コントローラへ送信させ、
前記コントローラは、前記第一ネットワーク構成情報、及び、前記第二ネットワーク構成情報を受信すると、前記第一ネットワーク構成情報、及び、前記第二ネットワーク構成情報を統合した統合ネットワーク構成情報を生成し、生成した統合ネットワーク構成情報を記憶する
請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
機器と、
前記機器を制御するための制御信号を送信するコントローラと、
前記コントローラによって送信された前記制御信号を中継する第一ゲートウェイとを備え、
前記第一ゲートウェイは、
前記中継における前記制御信号の送信先の候補となる、前記第一ゲートウェイに通信接続されている1以上の第一通信機器を示す第一ネットワーク構成情報を記憶する記憶部と、
前記コントローラからネットワーク構成情報の要求を受信する通信部と、
前記通信部が前記要求を受信したときに、既に前記記憶部に記憶されている前記第一ネットワーク構成情報を読み出して前記通信部に前記コントローラへ送信させる通信制御部とを備え
、
前記1以上の第一通信機器には、前記第一ゲートウェイによって送信された前記制御信号を中継する第二ゲートウェイが含まれ、
前記第二ゲートウェイは、前記中継における前記制御信号の送信先の候補となる、前記第二ゲートウェイに通信接続されている1以上の第二通信機器を示す第二ネットワーク構成情報を記憶し、
前記通信制御部は、前記通信部が前記要求を受信したときに、
前記通信部を用いて前記第二ゲートウェイから前記第二ネットワーク構成情報を取得し、
前記第一ネットワーク構成情報に加えて、取得された前記第二ネットワーク構成情報を前記通信部に前記コントローラへ送信させ、
前記コントローラは、
前記第一ネットワーク構成情報、及び、前記第二ネットワーク構成情報を受信すると、前記第一ネットワーク構成情報、及び、前記第二ネットワーク構成情報を統合した統合ネットワーク構成情報を生成し、
生成した統合ネットワーク構成情報を記憶し、
生成した統合ネットワーク構成情報を、前記第一ゲートウェイ及び前記第二ゲートウェイに配信する
通信システム。
【請求項4】
機器と、
前記機器を制御するための制御信号を送信するコントローラと、
前記コントローラによって送信された前記制御信号を中継する
複数の第一ゲートウェイとを備え、
前記第一ゲートウェイは、
前記中継における前記制御信号の送信先の候補となる、前記第一ゲートウェイに通信接続されている1以上の第一通信機器を示す第一ネットワーク構成情報を記憶する記憶部と、
前記コントローラからネットワーク構成情報の要求を受信する通信部と、
前記通信部が前記要求を受信したときに、既に前記記憶部に記憶されている前記第一ネットワーク構成情報を読み出して前記通信部に前記コントローラへ送信させる通信制御部とを備え
、
前記コントローラは、
複数の前記第一ゲートウェイのそれぞれから受信した前記第一ネットワーク構成情報を統合した統合ネットワーク構成情報を生成し、
生成した統合ネットワーク構成情報を記憶し、
前記要求を定期的に送信することにより、前記統合ネットワーク構成情報を定期的に更新する
通信システム。
【請求項5】
機器と、
前記機器を制御するための制御信号を送信するコントローラと、
前記コントローラによって送信された前記制御信号を中継する
複数の第一ゲートウェイとを備え、
前記第一ゲートウェイは、
前記中継における前記制御信号の送信先の候補となる、前記第一ゲートウェイに通信接続されている1以上の第一通信機器を示す第一ネットワーク構成情報を記憶する記憶部と、
前記コントローラからネットワーク構成情報の要求を受信する通信部と、
前記通信部が前記要求を受信したときに、既に前記記憶部に記憶されている前記第一ネットワーク構成情報を読み出して前記通信部に前記コントローラへ送信させる通信制御部とを備え
、
前記コントローラは、
複数の前記第一ゲートウェイのそれぞれから受信した前記第一ネットワーク構成情報を統合した統合ネットワーク構成情報を生成し、
生成した統合ネットワーク構成情報を記憶し、
前記統合ネットワーク構成情報の内容をユーザに通知する
通信システム。
【請求項6】
複数の機器と、
複数の前記機器を制御するための制御信号を送信するコントローラと、
前記コントローラによって送信された前記制御信号を中継する
複数の第一ゲートウェイとを備え、
前記第一ゲートウェイは、
前記中継における前記制御信号の送信先の候補となる、前記第一ゲートウェイに通信接続されている1以上の第一通信機器を示す第一ネットワーク構成情報を記憶する記憶部と、
前記コントローラからネットワーク構成情報の要求を受信する通信部と、
前記通信部が前記要求を受信したときに、既に前記記憶部に記憶されている前記第一ネットワーク構成情報を読み出して前記通信部に前記コントローラへ送信させる通信制御部とを備え
、
前記コントローラは、
複数の前記第一ゲートウェイのそれぞれから受信した前記第一ネットワーク構成情報を統合した統合ネットワーク構成情報を生成し、
生成した統合ネットワーク構成情報を記憶し、
複数の前記機器を一斉に同一の動作状態にするためのテスト制御信号を複数の前記機器のそれぞれに送信する
通信システム。
【請求項7】
機器と、
前記機器を制御するための制御信号を送信するコントローラと、
前記コントローラによって送信された前記制御信号を中継する
複数の第一ゲートウェイとを備え、
前記第一ゲートウェイは、
前記中継における前記制御信号の送信先の候補となる、前記第一ゲートウェイに通信接続されている1以上の第一通信機器を示す第一ネットワーク構成情報を記憶する記憶部と、
前記コントローラからネットワーク構成情報の要求を受信する通信部と、
前記通信部が前記要求を受信したときに、既に前記記憶部に記憶されている前記第一ネットワーク構成情報を読み出して前記通信部に前記コントローラへ送信させる通信制御部とを備え
、
前記コントローラは、
複数の前記第一ゲートウェイのそれぞれから受信した前記第一ネットワーク構成情報を統合した統合ネットワーク構成情報を生成し、
生成した統合ネットワーク構成情報を記憶し、
前記統合ネットワーク構成情報に基づいて、前記機器を制御する際のタイムアウト期間の長さを決定し、
前記制御信号を送信してから前記タイムアウト期間が経過するまでの間に前記機器からの応答信号が受信されなった場合に、前記機器の制御が失敗したと判定する
通信システム。
【請求項8】
前記コントローラは、前記統合ネットワーク構成情報に基づいて定まる、前記コントローラと前記機器との間に介在するゲートウェイの数に基づいて、前記タイムアウト期間の長さを決定する
請求項
7に記載の通信システム。
【請求項9】
前記コントローラは、前記統合ネットワーク構成情報に基づいて定まる、前記コントローラと前記機器との間に介在するゲートウェイの数、及び、前記コントローラと前記機器との間に介在するゲートウェイに通信接続されている通信機器の数に基づいて、前記タイムアウト期間の長さを決定する
請求項
8に記載の通信システム。
【請求項10】
前記コントローラは、前記統合ネットワーク構成情報に加えて、前記機器の種別に基づいて、前記タイムアウト期間の長さを決定する
請求項
7~9のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項11】
前記コントローラは、
前記機器を制御する際の基準タイムアウト期間の長さを前記機器または外部装置に問い合わせ、
前記統合ネットワーク構成情報、及び、問い合わせによって得られる前記基準タイムアウト期間の長さに基づいて、前記タイムアウト期間の長さを決定する
請求項
7~9のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項12】
機器と、
前記機器を制御するための制御信号を送信するコントローラと、
前記コントローラによって送信された前記制御信号を中継する
複数の第一ゲートウェイとを備え、
前記第一ゲートウェイは、
前記中継における前記制御信号の送信先の候補となる、前記第一ゲートウェイに通信接続されている1以上の第一通信機器を示す第一ネットワーク構成情報を記憶する記憶部と、
前記コントローラからネットワーク構成情報の要求を受信する通信部と、
前記通信部が前記要求を受信したときに、既に前記記憶部に記憶されている前記第一ネットワーク構成情報を読み出して前記通信部に前記コントローラへ送信させる通信制御部とを備え
、
前記コントローラは、
複数の前記第一ゲートウェイのそれぞれから受信した前記第一ネットワーク構成情報を統合した統合ネットワーク構成情報を生成し、
生成した統合ネットワーク構成情報を記憶し、
前記制御信号を送信してから、前記機器からの応答信号を受信するまでの期間の長さを計測し、
計測した期間の長さに基づいて、前記機器を制御する際のタイムアウト期間の長さを決定する
通信システム。
【請求項13】
前記コントローラは、
前記制御信号を送信してから、前記機器からの応答信号を受信するまでの期間の長さを計測し、計測結果を蓄積し、
蓄積した複数回分の計測結果に基づいて、前記機器を制御する際の前記タイムアウト期間の長さを決定する
請求項
12に記載の通信システム。
【請求項14】
前記通信システムは、複数の前記機器を備え、
前記コントローラは、
複数の前記機器のそれぞれについて当該機器を制御する際の前記タイムアウト期間の長さを決定し、
決定した複数の前記タイムアウト期間の長さのうち最も長いものを、複数の前記機器を一括制御する際のタイムアウト期間の長さとして決定する
請求項
7~13のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項15】
コントローラによって送信された、機器を制御するための制御信号を中継するゲートウェイが実行する通信方法であって、
前記中継における前記制御信号の送信先の候補となる、前記ゲートウェイに通信接続されている1以上の第一通信機器を示す第一ネットワーク構成情報を、前記ゲートウェイが備える記憶部に記憶する記憶ステップと、
前記コントローラからネットワーク構成情報の要求を受信する受信ステップと、
前記受信ステップにおいて前記要求を受信したときに、既に前記記憶部に記憶されている前記第一ネットワーク構成情報を読み出して前記コントローラに送信する送信ステップと
、
前記コントローラによって配信される統合ネットワーク情報を受信するステップとを含
み、
前記統合ネットワーク情報は、前記コントローラが、前記ゲートウェイを含む複数のゲートウェイのそれぞれから受信した前記第一ネットワーク構成情報を統合することによって生成され、複数の前記ゲートウェイに配信される
通信方法。
【請求項16】
コントローラによって送信された、機器を制御するための制御信号を中継するゲートウェイが実行する通信方法であって、
前記中継における前記制御信号の送信先の候補となる、前記ゲートウェイに通信接続されている1以上の第一通信機器を示す第一ネットワーク構成情報を、前記ゲートウェイが備える記憶部に記憶する記憶ステップと、
前記コントローラからネットワーク構成情報の要求を受信する受信ステップと、
前記受信ステップにおいて前記要求を受信したときに、既に前記記憶部に記憶されている前記第一ネットワーク構成情報を読み出して前記コントローラに送信する送信ステップと
、
前記コントローラによって配信される統合ネットワーク情報を受信するステップとを含
み、
前記1以上の第一通信機器には、前記ゲートウェイである第一ゲートウェイによって送信された前記制御信号を中継する第二ゲートウェイが含まれ、
前記第二ゲートウェイは、前記中継における前記制御信号の送信先の候補となる、前記第二ゲートウェイに通信接続されている1以上の第二通信機器を示す第二ネットワーク構成情報を記憶し、
前記送信ステップにおいては、前記第二ゲートウェイから前記第二ネットワーク構成情報を取得し、前記第一ネットワーク構成情報に加えて、取得された前記第二ネットワーク構成情報を前記コントローラへ送信し、
前記統合ネットワーク情報は、前記コントローラが、前記第一ネットワーク構成情報及び前記第二ネットワーク構成情報を統合することによって生成され、前記第二ゲートウェイにも配信される
通信方法。
【請求項17】
コントローラによって送信された、機器を制御するための制御信号を中継するゲートウェイであって、
前記中継における前記制御信号の送信先の候補となる、前記ゲートウェイに通信接続されている1以上の第一通信機器を示す第一ネットワーク構成情報を記憶する記憶部と、
前記コントローラからネットワーク構成情報の要求を受信する通信部と、
前記通信部が前記要求を受信したときに、既に前記記憶部に記憶されている前記第一ネットワーク構成情報を読み出して前記通信部に前記コントローラへ送信させる通信制御部とを備え、
前記通信部は、
前記コントローラによって配信される統合ネットワーク情報を受信し、
前記統合ネットワーク情報は、前記コントローラが、前記ゲートウェイを含む複数のゲートウェイのそれぞれから受信した前記第一ネットワーク構成情報を統合することによって生成され、複数の前記ゲートウェイに配信される
ゲートウェイ。
【請求項18】
コントローラによって送信された、機器を制御するための制御信号を中継するゲートウェイであって、
前記中継における前記制御信号の送信先の候補となる、前記ゲートウェイに通信接続されている1以上の第一通信機器を示す第一ネットワーク構成情報を記憶する記憶部と、
前記コントローラからネットワーク構成情報の要求を受信する通信部と、
前記通信部が前記要求を受信したときに、既に前記記憶部に記憶されている前記第一ネットワーク構成情報を読み出して前記通信部に前記コントローラへ送信させる通信制御部とを備え
、
前記1以上の第一通信機器には、前記ゲートウェイである第一ゲートウェイによって送信された前記制御信号を中継する第二ゲートウェイが含まれ、
前記第二ゲートウェイは、前記中継における前記制御信号の送信先の候補となる、前記第二ゲートウェイに通信接続されている1以上の第二通信機器を示す第二ネットワーク構成情報を記憶し、
前記通信制御部は、前記通信部が前記要求を受信したときに、前記通信部を用いて前記第二ゲートウェイから前記第二ネットワーク構成情報を取得し、前記第一ネットワーク構成情報に加えて、取得された前記第二ネットワーク構成情報を前記通信部に前記コントローラへ送信させ、
前記通信部は、前記コントローラによって配信される統合ネットワーク情報を受信し、
前記統合ネットワーク情報は、前記コントローラが、前記第一ネットワーク構成情報及び前記第二ネットワーク構成情報を統合することによって生成され、前記第二ゲートウェイにも配信される
ゲートウェイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システム、通信方法、及び、ゲートウェイに関する。
【背景技術】
【0002】
機器の制御に関する様々な技術が提案されている。特許文献1には、携帯機側での消費電力を抑制しつつ最適な応答性を確保することができる、車両の遠隔制御システムが開示されている。また、これとは別の技術として、住宅で使う電気またはガスなどのエネルギーの使用量を管理するHEMS(Home Energy Management System)を利用して、住宅内に設置された家電機器を制御する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記HEMSのようなシステムにおいて機器を制御するためには、システムが有する通信ネットワークにおける機器の接続関係を認識することが重要である。
【0005】
本発明は、通信ネットワークにおける機器の接続関係を容易に認識することができる通信システム、通信方法、及び、通信機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る通信システムは、機器と、前記機器を制御するための制御信号を送信するコントローラと、前記コントローラによって送信された前記制御信号を中継する第一ゲートウェイとを備え、前記第一ゲートウェイは、前記中継における前記制御信号の送信先の候補となる、前記第一ゲートウェイに通信接続されている1以上の第一通信機器を示す第一ネットワーク構成情報を記憶する記憶部と、前記コントローラからネットワーク構成情報の要求を受信する通信部と、前記通信部が前記要求を受信したときに、既に前記記憶部に記憶されている前記第一ネットワーク構成情報を読み出して前記通信部に前記コントローラへ送信させる通信制御部とを備える。
【0007】
本発明の一態様に係る通信方法は、コントローラによって送信された、機器を制御するための制御信号を中継するゲートウェイが実行する通信方法であって、前記中継における前記制御信号の送信先の候補となる、前記ゲートウェイに通信接続されている1以上の第一通信機器を示す第一ネットワーク構成情報を、前記ゲートウェイが備える記憶部に記憶する記憶ステップと、前記コントローラからネットワーク構成情報の要求を受信する受信ステップと、前記受信ステップにおいて前記要求を受信したときに、既に前記記憶部に記憶されている前記第一ネットワーク構成情報を読み出して前記コントローラに送信する送信ステップとを含む。
【0008】
本発明の一態様に係るゲートウェイは、コントローラによって送信された、機器を制御するための制御信号を中継するゲートウェイであって、前記中継における前記制御信号の送信先の候補となる、前記ゲートウェイに通信接続されている1以上の第一通信機器を示す第一ネットワーク構成情報を記憶する記憶部と、前記コントローラからネットワーク構成情報の要求を受信する通信部と、前記通信部が前記要求を受信したときに、既に前記記憶部に記憶されている前記第一ネットワーク構成情報を読み出して前記通信部に前記コントローラへ送信させる通信制御部とを備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明の通信システム、通信方法、及び、ゲートウェイは、通信ネットワークにおける機器の接続関係を容易に認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る通信システムの通信ネットワークの構成を示す図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係るコントローラの機能構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施の形態に係るゲートウェイの機能構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、実施の形態に係る通信システムの動作例1のシーケンス図である。
【
図5】
図5は、実施の形態に係る通信システムの動作例2のフローチャートである。
【
図6】
図6は、統合ネットワーク構成情報の内容を示す画像の一例である。
【
図7】
図7は、実施の形態に係る通信システムの動作例3のフローチャートである。
【
図8】
図8は、機器種別ごとの基準タイムアウト期間の長さを示すテーブル情報の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、機種ごとの遅延時間の長さを示すテーブル情報の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、一括制御を行う際のタイムアウト期間の決定方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0012】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0013】
(実施の形態)
[通信ネットワークの構成]
まず、実施の形態に係る通信システムの通信ネットワークの構成について説明する。
図1は、実施の形態に係る通信システムの通信ネットワークの構成を示す図である。
図1に示される通信ネットワークは、インターネットなどの広域通信ネットワークではなく、局所無線通信ネットワークである。
【0014】
実施の形態に係る通信システム10は、コントローラ20と、複数のゲートウェイと、複数の機器A~Dとを備える。複数のゲートウェイには、第一ゲートウェイA及びB、第二ゲートウェイA~C、並びに、第三ゲートウェイが含まれる。
【0015】
通信システム10は、ゲートウェイを少なくとも1つ備えればよく、また、機器を少なくとも1つ備えればよい。なお、以下の実施の形態において、単に「ゲートウェイ」と記載されている箇所は、第一ゲートウェイA及びB、第二ゲートウェイA~C、並びに、第三ゲートウェイのうちの任意の1つを意味する。同様に、単に「機器」と記載されている場合は、機器A~Dのうちの任意の1つを意味する。
【0016】
第○ゲートウェイとは、通信ネットワークにおいて当該ゲートウェイのコントローラ20までの近さを示す表現であり、上位のものから順に第一ゲートウェイ、第二ゲートウェイ、及び、第三ゲートウェイと表現される。「上位」とは、通信ネットワークにおいて、コントローラ20側(
図1における左側)を意味し、「下位」とは、機器側(
図1における右側)を意味する。例えば、1つの通信機器(通信機器は、ゲートウェイ及び機器のいずれかを意味する)のコントローラ20側に位置する通信機器は、上記1つの通信機器の上位の通信機器と表現され、上記1つの通信機器の機器側に位置する通信機器は、上記1つの通信機器の下位の通信機器と表現される。
【0017】
コントローラ20は、ユーザの操作を受け付け、受け付けたユーザの操作に応じて機器A~Dを制御するための制御信号を送信する。機器A~Dは、コントローラ20の制御対象の機器である。機器A~Dのそれぞれは、例えば、通信モジュール(通信回路)を備え、コントローラ20によって送信される制御信号にしたがって動作する。機器A~Dのそれぞれは、例えば、照明機器、空調機器、または、電動シャッターなどの家電機器である。
【0018】
図1に示される通信ネットワークにおいては、コントローラ20と機器と間に少なくとも1つのゲートウェイが介在し、コントローラ20が送信した制御信号は少なくとも1つのゲートウェイによって中継された後、機器によって受信される。
【0019】
図1のような通信ネットワークは、例えば、以下のような方法で生成される。ユーザは、操作等により第一ゲートウェイAを登録モードに遷移させ、この状態でコントローラ20が有する登録ボタンを押下する。これにより、第一ゲートウェイAがコントローラ20の直下の通信機器(直接通信が可能な機器)として登録される。具体的には、登録情報(言い換えれば、ネットワーク構成情報)がコントローラ20の記憶部に記憶される。第一ゲートウェイBをコントローラ20に登録する場合も同様である。
【0020】
また、ユーザは、操作等により機器Aを登録モードに遷移させ、この状態で第一ゲートウェイAが有する登録ボタンを押下する。これにより、機器Aが第一ゲートウェイAの直下の第一通信機器として登録される。具体的には、第一登録情報(言い換えれば、第一ネットワーク構成情報)が第一ゲートウェイAの記憶部に記憶される。第二ゲートウェイA及びBを第一ゲートウェイAに登録する場合、及び、第二ゲートウェイCを第一ゲートウェイBに登録する場合も同様である。
【0021】
また、ユーザは、操作等により機器Bを登録モードに遷移させ、この状態で第二ゲートウェイAが有する登録ボタンを押下する。これにより、機器Bが第二ゲートウェイAの直下の第二通信機器として登録される。具体的には、第二登録情報(言い換えれば、第二ネットワーク構成情報)が第二ゲートウェイBの記憶部に記憶される。第三ゲートウェイを第二ゲートウェイBに登録する場合、及び、機器Dを第二ゲートウェイCに登録する場合も同様である。
【0022】
そして、ユーザは、操作等により機器Cを登録モードに遷移させ、この状態で第三ゲートウェイが有する登録ボタンを押下する。これにより、機器Cが第三ゲートウェイの直下の第三通信機器として登録される。具体的には、第三登録情報(言い換えれば、第三ネットワーク構成情報)が第三ゲートウェイの記憶部に記憶される。
【0023】
なお、以上説明したような通信ネットワークの生成方法は、一例であり、通信ネットワークは、その他の方法で生成されてもよい。
【0024】
[コントローラの機能構成]
次に、コントローラ20の機能構成について説明する。
図2は、コントローラ20の機能構成を示すブロック図である。
【0025】
コントローラ20は、例えば、エネルギーマネジメント機能を有するHEMSコントローラであり、建物内に設置され、建物内(あるいは、建物の敷地内)に設置された機器の消費電力を管理する。また、コントローラ20は、機器の状態の取得及び表示、並びに、機器の制御などを行う。コントローラ20は、HEMSコントローラに限定されず、エネルギーマネジメント機能を有しない他のホームコントローラであってもよい。
【0026】
コントローラ20は、具体的には、受付部21と、表示部22と、情報処理部23と、記憶部24と、通信部25とを備える。
【0027】
受付部21は、機器の制御を指示するための操作をユーザから受け付ける。受付部21は、例えば、タッチパネルであるが、ハードウェアボタンであってもよい。また、受付部21は、機器の制御を指示するための音声をユーザから受け付けるマイクロフォンであってもよい。
【0028】
表示部22は、情報処理部23の制御に基づいて、画像を表示する。表示部22は、例えば、液晶パネルまたは有機EL(Electro Luminescence)パネルなどの表示パネルである。
【0029】
情報処理部23は、表示部22への画像の表示制御などを行う。情報処理部23は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサによって実現されてもよい。
【0030】
記憶部24は、情報処理部23が実行するコンピュータプログラムなどが記憶される記憶装置である。記憶部24は、例えば、半導体メモリなどによって実現される。
【0031】
通信部25は、コントローラ20がゲートウェイまたは機器と無線通信を行うための通信回路(通信モジュール)である。通信部25による通信に用いられる通信規格は特に限定されない。通信部25と機器との通信に用いられる通信規格、及び、通信部25とゲートウェイとの通信に用いられる通信規格が異なるような場合、通信部25には、機器と通信するための通信回路、及び、ゲートウェイと通信を行うための通信回路の2種類の通信回路が含まれる。また、通信部25には、インターネットなどの広域通信ネットワークを介した通信を行うための通信回路が含まれてもよい。なお、通信部25と機器との間の通信は、例えば、ECHONET Lite(登録商標)に準拠する。
【0032】
[ゲートウェイの機能構成]
次に、ゲートウェイの機能構成について説明する。
図3は、ゲートウェイの機能構成を示すブロック図である。
図3に示されるゲートウェイ30は、第一ゲートウェイA及びB、第二ゲートウェイA~C、並びに、第三ゲートウェイのうちの任意の1つである。
【0033】
ゲートウェイ30は、コントローラ20によって送信された制御信号を中継する。ゲートウェイ30は、具体的には、コントローラ20または他のゲートウェイから受信した制御信号を、直下の通信機器に送信することにより、制御信号を中継する。ゲートウェイ30は、通信部31と、通信制御部32と、記憶部33とを備える。
【0034】
通信部31は、ゲートウェイ30がコントローラ20、他のゲートウェイ、または、機器と無線通信を行うための通信回路(通信モジュール)である。通信部31による通信に用いられる通信規格は特に限定されない。通信部31と機器との通信に用いられる通信規格、及び、通信部31と他のゲートウェイまたはコントローラ20との通信に用いられる通信規格が異なるような場合、通信部31には、機器と通信するための通信回路、及び、他のゲートウェイまたはコントローラ20と通信を行うための通信回路の2種類の通信回路が含まれる。なお、通信部31と機器との間の通信は、例えば、ECHONET Lite(登録商標)に準拠する。
【0035】
通信制御部32は、制御信号の中継に関する制御などを行う。通信制御部32は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサによって実現されてもよい。
【0036】
記憶部33は、通信制御部32が実行するコンピュータプログラムなどが記憶される記憶装置である。記憶部33は、例えば、半導体メモリなどによって実現される。
【0037】
なお、ゲートウェイ30は、さらに、ユーザの操作等を受け付け、受け付けられた操作等に基づいて機器に制御信号を送信する機能を有してもよい。つまり、ゲートウェイ30は、ゲートウェイ機能に加えて、機器の制御機能(コントローラ20と同様の機能)を有していてもよい。
【0038】
[動作例1]
次に、通信システム10の動作について説明する。上述のように、一般的には、コントローラ20、第一ゲートウェイA及びB、第二ゲートウェイA~C、並びに、第三ゲートウェイなどの複数の通信機器のそれぞれは、通信ネットワークにおいて当該通信機器の直下に位置する他の通信機器の識別情報を登録情報(ネットワーク構成情報)として記憶部に記憶している。例えば、コントローラ20は、コントローラ20の直下に位置する第一ゲートウェイA及びBの識別情報を登録情報(ネットワーク構成情報)として記憶部24に記憶しており、コントローラ20が直接通信を行う相手が第一ゲートウェイA及びBのいずれかであることは認識している。また、コントローラ20は、機器A~Dが通信ネットワーク内に存在していることについても認識している。
【0039】
しかしながら、コントローラ20は、通信ネットワークにおいて、第一ゲートウェイA及びBよりも下位の通信機器がどのような接続関係になっているかについては認識していない。
【0040】
ここで、コントローラ20は、コントローラ20が機器B宛ての制御信号を送信してからタイムアウト期間内に機器Bからの応答信号が得られなかった場合、通信エラーと判定する。このとき、コントローラ20は、下位の通信機器がどのような接続関係になっているかを認識していないため、通信エラーの原因が、機器Bの第二ゲートウェイAへの登録が解除されたことであるか、第二ゲートウェイAの第一ゲートウェイAへの登録が解除されたことであるかを把握することができない。したがって、誤って登録解除されてしまった場合の通信ネットワークの再構成(復旧)に時間を要してしまう。
【0041】
このような課題を解決するために、コントローラ20は、複数のゲートウェイの各々が記憶しているネットワーク構成情報を収集し、通信ネットワーク全体の構成を示す統合ネットワーク構成情報を生成する。以下、このような通信システム10の動作例1について説明する。
図4は、通信システム10の動作例1のシーケンス図である。
【0042】
なお、
図4では、一例として、
図1の破線で囲まれた部分におけるネットワーク構成情報の収集方法が示されている。また、以下の動作例1の説明では、第一ゲートウェイAが備える、通信部31、通信制御部32、記憶部33は、第一の通信部31、第一の通信制御部32、及び、第一の記憶部33とも表現され、第二ゲートウェイAが備える通信部31、通信制御部32、及び、記憶部33は、第二の通信部31、第二の通信制御部32、及び、第二の記憶部33とも表現される。
【0043】
第一ゲートウェイAが備える記憶部33は、第一ゲートウェイAの直下に通信接続されている1以上の第一通信機器の識別情報を第一ネットワーク構成情報として記憶している(S11)。1以上の第一通信機器は、言い換えれば、制御信号の中継において制御信号の送信先の候補となる通信機器であり、具体的には、機器A、第二ゲートウェイA、及び、第二ゲートウェイBである。
【0044】
同様に、第二ゲートウェイAが備える記憶部33は、第二ゲートウェイAの直下に通信接続されている1以上の第二通信機器の識別情報を第二ネットワーク構成情報として記憶している(S12)。1以上の第二通信機器は、言い換えれば、制御信号の中継において制御信号の送信先の候補となる通信機器であり、具体的には、機器Bである。
【0045】
コントローラ20の情報処理部23は、ネットワーク構成情報の要求を第一ゲートウェイAに送信する(S13)。第一ゲートウェイAが備える通信部31(第一の通信部31)は、コントローラ20からネットワーク構成情報の要求を受信する。
【0046】
第一の通信制御部32は、第一の通信部31が上記要求を受信したときに、既に第一の記憶部33に記憶されている第一ネットワーク構成情報を読み出し、読み出した第一ネットワーク構成情報を第一の通信部31にコントローラ20へ送信させる(S14)。
【0047】
また、第一の通信制御部32は、読み出した第一ネットワーク構成情報にゲートウェイの識別情報が含まれているか否かを判定する(S15)。つまり、第一の通信制御部32は、第一ゲートウェイAの直下にゲートウェイが通信接続されているか否かを判定する。ここでは、第一の通信制御部32は、第一ネットワーク構成情報に第二ゲートウェイAの識別情報が含まれていると判定し、第一の通信部31を用いて第二ゲートウェイAから第二ネットワーク構成情報を取得する。具体的には、第一の通信制御部32は、ネットワーク構成情報の要求を通信部25に第二ゲートウェイAへ送信させる(S16)。
【0048】
第二ゲートウェイAが備える通信制御部32(第二の通信制御部32)は、第二の通信部31が上記要求を受信したときに、既に第二の記憶部33に記憶されている第二ネットワーク構成情報を読み出し、読み出した第二ネットワーク構成情報を第二の通信部31に第一ゲートウェイAへ送信させる(S17)。第二ネットワーク構成情報は、第一ゲートウェイAによって中継され、コントローラ20の通信部25によって受信される(S18)。このように、第一ゲートウェイAは、ステップS14で送信した第一ネットワーク構成情報に加えて、第二ゲートウェイAから取得した第二ネットワーク構成情報を第一の通信部31にコントローラ20へ送信させる。
【0049】
また、第二ゲートウェイAが備える通信制御部32は、読み出した第二ネットワーク構成情報にゲートウェイの識別情報が含まれているか否かを判定する(S19)。つまり、第二の通信制御部32は、第二ゲートウェイAの直下にゲートウェイが通信接続されているか否かを判定する。ここでは、第二の通信制御部32は、第二ネットワーク構成情報にゲートウェイの識別情報が含まれていないと判定する(第二ゲートウェイAの直下には機器Bしか通信接続されていない)ため、さらに下位の通信機器にネットワーク構成情報を要求することはしない。
【0050】
コントローラ20の情報処理部23は、通信部25によって第一ネットワーク構成情報、及び、第二ネットワーク構成情報が受信されると、第一ネットワーク構成情報、及び、第二ネットワーク構成情報を統合した統合ネットワーク構成情報を生成し、生成した統合ネットワーク構成情報を記憶部24に記憶する(S19)。
【0051】
以上説明したような動作は、通信ネットワークに含まれる全てのゲートウェイを対象に行われる。例えば、コントローラ20は、第一ゲートウェイAから、さらに、第二ゲートウェイBの第二ネットワーク構成情報、及び、第三ゲートウェイの第三ネットワーク構成情報も受信する。また、コントローラ20は、第一ゲートウェイAだけでなく第一ゲートウェイBからも第一ネットワーク構成情報を受信する。また、コントローラ20は、第一ゲートウェイBからは、第二ゲートウェイCの第二ネットワーク構成情報も受信する。
【0052】
この結果、コントローラ20は、受信された全てのネットワーク構成情報を統合した、
図1の通信ネットワークの全体構成(ツリー構造)を示す統合ネットワーク構成情報を生成することができる。これにより、コントローラ20は、通信ネットワークにおいて、第一ゲートウェイA及びBよりも下位の通信機器がどのような接続関係になっているかを認識することができる。
【0053】
なお、コントローラ20及び複数のゲートウェイのそれぞれは、定期的に直下の通信機器に問い合わせ(生存確認)を行うことにより、ネットワーク構成情報を更新している。したがって、コントローラ20は、ネットワーク構成情報の要求を定期的に送信することにより、統合ネットワーク構成情報を定期的に更新することができる。
【0054】
また、必須ではないが、ステップS19の後、コントローラ20の情報処理部23は、生成した統合ネットワーク構成情報を通信ネットワークに含まれる全てのゲートウェイに配信してもよい(S20)。例えば、コントローラ20及び複数のゲートウェイのそれぞれは、統合ネットワーク情報を受信すると、直下のゲートウェイに統合ネットワーク情報を送信するようなアルゴリズムを有していてもよい。
【0055】
これにより、各ゲートウェイは、統合ネットワーク構成情報を記憶することができる。統合ネットワーク構成情報の配信により、通信ネットワークの状態がコントローラ20及び複数のゲートウェイによって共有されれば、ロバストな通信システム10が実現される。
【0056】
[動作例2]
通信システム10は、現在の通信ネットワークの状態がどのような状態であるかをユーザ(通信システムの施工作業を行う者、または、一般ユーザ)に通知してもよい。
図5は、このような通信システム10の動作例2のフローチャートである。
【0057】
コントローラ20の受付部21は、所定の操作をユーザから受け付ける(S21)。情報処理部23は、所定の操作が受け付けられたことを契機に記憶部24内の統合ネットワーク構成情報を参照し、統合ネットワーク構成情報の内容(通信ネットワークの状態)を表示部22に画像として表示させる(S22)。
図6は、統合ネットワーク構成情報の内容を示す画像の一例である。
【0058】
このように、統合ネットワーク構成情報の内容が画像の表示によってユーザに通知されれば、ユーザは、現在の通信ネットワークの状態を容易に把握することができる。例えば、ユーザは、登録されているはずの機器が登録されていないことなどを容易に把握することができる。なお、
図6のような画像がコントローラ20の表示部22に表示されることは必須ではない。例えば、通信部25がサーバ装置と通信可能である場合、画像は、サーバ装置にアクセスする情報端末(パーソナルコンピュータ、スマートフォン、または、タブレット端末など)の表示部に表示されてもよい。
【0059】
[動作例3]
例えば、コントローラ20の通信ネットワークに参入している機器A~Dがいずれも照明機器であるような場合、建物内に設置された複数の照明機器のうちどの照明機器が機器A~Dに相当するものなのかを、ユーザが一見して把握することは難しい。以下では、ユーザが機器A~Dの実物を把握することを支援するための通信システム10の動作例3について説明する。
図7は、通信システム10の動作例3のフローチャートである。
【0060】
コントローラ20の受付部21は、所定の操作をユーザから受け付ける(S31)。情報処理部23は、所定の操作が受け付けられたことを契機に、機器A~Dを一斉に同一の動作状態にするためのテスト制御信号を通信部25に送信させる(S32)。テスト用制御信号は、通信ネットワークに含まれる複数のゲートウェイによって中継され、機器A~Dによって受信される。テスト用制御信号は、ブロードキャスト送信されてもよいし、統合ネットワーク構成情報に基づいて、機器の宛先を指定して送信されてもよい。テスト用制御信号を受信した機器A~Dのそれぞれは、テスト制御信号によって指示される動作を行う。例えば、機器A~Dが照明機器である場合、機器A~Dは、点滅動作などを行う。
【0061】
このように、テスト制御信号に基づいて機器A~Dが一斉に同一の動作を行えば、ユーザは、機器A~Dに相当する機器を容易に把握することができる。
【0062】
[タイムアウト期間の決定例1]
ところで、コントローラ20によって機器が制御される場合、情報処理部23は、機器へ制御信号を送信してからタイムアウト期間が経過するまでの間に機器からの応答信号(制御信号によって指示される動作が完了したことを示す信号)が受信されると、機器の制御が成功したと判定する。一方、情報処理部23は、機器へ制御信号を送信してからタイムアウト期間が経過するまでの間に機器からの応答信号が受信されなった場合に、機器の制御が失敗したと判定する。
【0063】
ここで、一般的に、通信ネットワークにおいてコントローラ20との間に介在するゲートウェイの数が多い機器ほど、当該機器に制御信号が到達するまでの時間が長くなると考えられるため、タイムアウト期間を長く設定する必要がある。制御信号が到達するまでの時間が長い機器に合わせた共通のタイムアウト期間が設定されると、本来このような長いタイムアウト期間を設定する必要のない機器の制御が失敗したと判定されるまでの時間が長くなってしまうという課題がある。
【0064】
そこで、コントローラ20は、統合ネットワーク構成情報に基づいて、機器ごとに個別にタイムアウト期間を設定(決定)してもよい。
【0065】
例えば、基準タイムアウト期間の長さをTbase、ゲートウェイ1台あたりの遅延時間をTdelay、マージンをTmergin(≧0)とすると、情報処理部23は、機器に対するタイムアウト期間Ttimeoutを、以下の式1に基づいて算出する。
【0066】
Ttimeout=Tbase+n×Tdelay+Tmergin ・・(式1)
【0067】
(式1)において、nは、コントローラ20と機器との間に介在するゲートウェイの数であり、情報処理部23は、統合ネットワーク構成情報を参照することにより、nの値を特定することができる。
図1の例では、機器Aの場合はコントローラ20との間にゲートウェイが1台介在するので、n=1、機器B及びDの場合はn=2、機器Cの場合はn=3である。なお、T
base、T
delay、及び、T
merginの値は、設計者等によって経験的または実験的に決定され、記憶部24にあらかじめ記憶される。
【0068】
このように、コントローラ20は、統合ネットワーク構成情報に基づいて、機器を制御する際のタイムアウト期間の長さを決定することができる。具体的には、コントローラ20は、統合ネットワーク構成情報に基づいて定まる、コントローラ20と機器との間に介在するゲートウェイの数に基づいて、タイムアウト期間Ttimeoutの長さを決定する。これにより、コントローラ20は、タイムアウト期間Ttimeoutの長さを機器ごとに異ならせることができる。
【0069】
[タイムアウト期間の決定例2]
ところで、基準タイムアウト期間Tbaseの長さは、機器の種別によって最適な値が異なる。例えば、機器が照明機器であるときと、機器が空調機器であるときでは最適な値が異なる。そこで、コントローラ20は、基準タイムアウト期間Tbaseの長さを、機器の種別に応じて変更し、(式1)に適用してもよい。
【0070】
例えば、コントローラ20の情報処理部23は、通信部25を用いて機器A~Dに問い合わせを行うことなどにより、機器A~Dの機器種別をあらかじめ特定しておく。そうすると、
図8に示されるような機器種別ごとの基準タイムアウト期間T
baseの長さを示すテーブル情報が記憶部24に記憶されていれば、情報処理部23は、機器A~Dの基準タイムアウト期間T
baseの長さを機器A~Dの種別に応じて異ならせることができる。
図8は、機器種別ごとの基準タイムアウト期間T
baseの長さを示すテーブル情報の一例を示す図である。なお、このようなテーブル情報は、設計者等によって経験的または実験的に定められ、記憶部24にあらかじめ記憶される。
【0071】
このように、コントローラ20は、基準タイムアウト期間Tbaseの長さを、機器の種別に応じて変更することで、タイムアウト期間Ttimeoutの長さを、より適切な長さにすることができる。
【0072】
[タイムアウト期間の決定例3]
基準タイムアウト期間Tbaseの長さは、同じ種別の機器でも最適な値が異なる場合がある。例えば、機器がA社によって製造された照明機器であるときと、B社によって製造された照明機器では最適な値が異なる。そこで、コントローラ20の情報処理部23は、通信部25を用いて、基準タイムアウト期間Tbaseの長さを機器に問い合わせ、問い合わせによって得られる基準タイムアウト期間Tbaseの長さを(式1)に適用してタイムアウト期間Ttimeoutを決定してよい。なお、情報処理部23は、機器ではなく、機器の基準タイムアウト期間Tbaseの長さを管理しているサーバ装置(例えば、機器の製造メーカが使用するサーバ装置。外部装置の一例。)に基準タイムアウト期間Tbaseの長さを問い合わせてもよい。
【0073】
このように、コントローラ20は、基準タイムアウト期間Tbaseの長さを、問い合わせによって得られる長さにすることで、タイムアウト期間Ttimeoutの長さを、より適切な長さにすることができる。
【0074】
[タイムアウト期間の決定例4]
また、上記(式1)では、ゲートウェイ1台あたりの遅延時間T
delayの長さは、ゲートウェイの機種(言い換えれば、モデル、型番)に関係なく一定である。しかしながら、ゲートウェイ1台あたりの遅延時間T
delayの長さは、ゲートウェイの機種ごとに異なる長さであってもよい。例えば、コントローラ20の情報処理部23は、通信部25を用いて機器A~Dに問い合わせを行うことなどにより、ゲートウェイの機種をあらかじめ特定しておく。そうすると、
図9に示されるような機種ごとの遅延時間T
delayの長さを示すテーブル情報があらかじめ記憶部24に記憶されていれば、情報処理部23は、遅延時間T
delayの長さをゲートウェイの機種に応じて異ならせることができる。
図9は、機種ごとの遅延時間T
delayの長さを示すテーブル情報の一例を示す図である。なお、このようなテーブル情報は、設計者等によって経験的または実験的に決定され、記憶部24にあらかじめ記憶される。
【0075】
このように、コントローラ20は、遅延時間Tdelayの長さを、ゲートウェイの機種ごとに異ならせることによって、タイムアウト期間Ttimeoutの長さを、より適切な長さにすることができる。
【0076】
[タイムアウト期間の決定例5]
また、上記(式1)では、ゲートウェイ1台あたりの遅延時間Tdelayは、言い換えれば、ゲートウェイが中継処理を行うのに必要な時間であり、当該ゲートウェイの直下に通信接続されている通信機器の数によって異なると考えられる。具体的には、通信接続されている通信機器の数が多くなるほど、遅延時間Tdelayは長くなると考えられる。
【0077】
そこで、ゲートウェイ1台あたりの遅延時間Tdelayは、当該ゲートウェイの直下に通信接続されている通信機器の数に応じて変更されてもよい。例えば、ゲートウェイ1台あたりの遅延時間Tdelayは、当該ゲートウェイ直下に通信接続されている通信機器の数をmとして、以下の(式2)で表現される。
【0078】
Tdelay=Tdelay1+(m-1)×ΔTdelay・・(式2)
【0079】
なお、(式2)において、Tdelay1は、ゲートウェイに1台だけ通信機器が通信接続されているときの遅延時間の長さであり、ΔTdelayは、ゲートウェイに通信接続される機器が1台追加されることにより生じる遅延量である。Tdelay1、及び、ΔTdelayの値は、設計者等によって経験的または実験的に決定され、記憶部24にあらかじめ記憶される。
【0080】
具体的にどのようにタイムアウト期間T
timeoutが決定されるかについて説明する。例えば、
図1において、第一ゲートウェイAにおける遅延時間T
delayは、第一ゲートウェイAの直下に通信接続されている機器の数が3であることから、(式2)においてm=3を代入することでT
delay=T
delay1+2×ΔT
delayと定まる。
【0081】
また、第二ゲートウェイAにおける遅延時間Tdelayは、第二ゲートウェイAの直下に通信接続されている機器の数が1であることから、(式2)においてm=1を代入することでTdelay=Tdelay1と定まる。
【0082】
そうすると、機器Bを制御する際のタイムアウト期間Ttimeoutは、第一ゲートウェイAにおける遅延時間、第二ゲートウェイAにおける遅延時間、基準タイムアウト期間Tbase、及び、マージンTmerginの和となる。つまり、Ttimeout=Tbase+2×Tdelay1+2×ΔTdelay+Tmerginとなる。
【0083】
このように、コントローラ20は、遅延時間Tdelayの長さを、ゲートウェイの直下に通信接続されている通信機器の数に応じて異ならせることによって、タイムアウト期間Ttimeoutの長さを、より適切な長さにすることができる。
【0084】
[タイムアウト期間の決定例6]
コントローラ20は、実際に制御信号を送信し、応答信号を受信するまでの時間を計測することで、統合ネットワーク構成情報を使用せずにタイムアウト期間Ttimeoutを決定してもよい。
【0085】
例えば、施工時または施工後の通常使用時に、受付部21によって所定の操作がユーザから受け付けられると、情報処理部23は、所定の操作が受け付けられたことをトリガに制御信号を通信部25に機器へ送信させる。また、情報処理部23は、制御信号の送信時刻を基準として、機器から応答信号を受信するまでの時間を計測する。その後、情報処理部23は、計測された時間(制御信号を送信してから応答信号を受信するまでの時間)+所定値(>0)をタイムアウト期間Ttimeoutとして決定する。
【0086】
このように、コントローラ20は、実測の結果を使用することで、タイムアウト期間Ttimeoutの長さを、より適切な長さにすることができる。
【0087】
また、情報処理部23は、制御信号を送信してから応答信号を受信するまでの時間を複数回計測してもよい。具体的には、情報処理部23は、制御信号を送信してから応答信号を受信するまでの時間を計測し、計測結果を記憶部24に蓄積する処理を何度か繰り返す。情報処理部23は、蓄積された複数回分の計測結果に基づいて、計測された時間の最大値+所定値(>0)をタイムアウト期間Ttimeoutとして決定する。情報処理部23は、蓄積された複数回分の計測結果に基づいて、計測された時間の平均値+所定値(>0)をタイムアウト期間Ttimeoutとして決定してもよい。
【0088】
なお、このような時間の計測は、例えば、施工時、通信ネットワークへの新たな機器の登録時、または、通信ネットワークからの機器の登録解除時などに、通信タイムアウト期間Ttimeoutを決定するためだけに行われる。しかしながら、時間の計測は、一般ユーザが機器を動作させるときに送信される制御信号を利用して行われてもよい。つまり、一般ユーザが日常的にコントローラ20を使用しているときに、バックグラウンドでタイムアウト期間Ttimeoutが決定されてもよい。
【0089】
このように、コントローラ20は、蓄積した複数回分の計測結果を使用することで、タイムアウト期間Ttimeoutの長さを、より適切な長さにすることができる。
【0090】
[タイムアウト期間の決定例7]
ところで、コントローラ20は、複数の機器を一括制御することができる。このような機器の一括制御は、例えば、シーン制御である。シーン制御は、通信システム10が設置された建物内を所定の室内環境に近づけるために、建物内に配置された2以上の機器を一括して動作させる制御である。
【0091】
シーン制御においては、起床、外出、及び、就寝などの生活シーン(シーン名称)のそれぞれに対して、機器の制御内容が紐づけられた制御情報が用いられる。このような制御情報は、記憶部24にあらかじめ記憶されている。
【0092】
例えば、ユーザは、受付部21に対して「起床」のシーン制御の実行を指示する操作を行うと、コントローラ20は、記憶部24に記憶された制御情報に基づいて、「起床」のシーン制御を実行する。「起床」のシーン制御は、例えば、照明機器及び空調機器があらかじめ登録された設定(明るさ、設定温度など)でオンし、電動シャッターが開くような制御である。「起床」のシーン制御の実行が指示されたときに、どのような機器がどのような動作を行うかは、上記制御情報によって定められ、制御情報はユーザによって登録される。
【0093】
このような機器の一括制御を行う際のタイムアウト期間T
timeoutの決定方法について説明する。
図10は、一括制御を行う際のタイムアウト期間T
timeoutの決定方法のフローチャートである。
【0094】
まず、コントローラ20の情報処理部23は、一括制御の対象となる複数の機器(「起床」のシーン制御の場合は、照明機器、空調機器、及び、電動シャッター)のそれぞれについて当該機器を制御する際のタイムアウト期間Ttimeoutの長さを決定する(S41)。タイムアウト期間Ttimeoutの決定方法としては、上記決定例1~6いずれの方法が用いられてもよい。また、上記決定例1~6の2つ以上が組み合わされてもよい。
【0095】
次に、情報処理部23は、決定した複数のタイムアウト期間Ttimeoutの長さのうち最も長いものを、複数の機器を一括制御する際のタイムアウト期間Ttimeoutの長さとして決定する(S42)。
【0096】
このように、コントローラ20は、複数の機器を一括制御する際のタイムアウト期間Ttimeoutの長さを、より適切な長さにすることができる。
【0097】
[効果等]
以上説明したように、通信システム10は、機器と、機器を制御するための制御信号を送信するコントローラ20と、コントローラ20によって送信された制御信号を中継する第一ゲートウェイとを備える。第一ゲートウェイは、中継における制御信号の送信先の候補となる、第一ゲートウェイに通信接続されている1以上の第一通信機器を示す第一ネットワーク構成情報を記憶する記憶部33と、コントローラ20からネットワーク構成情報の要求を受信する通信部31と、通信部31が要求を受信したときに、既に記憶部33に記憶されている第一ネットワーク構成情報を読み出して通信部31にコントローラ20へ送信させる通信制御部32とを備える。
【0098】
このような通信システム10によれば、コントローラ20は、第一ゲートウェイに通信接続されている通信機器を容易に認識することができる。
【0099】
また、例えば、通信システム10は、複数の第一ゲートウェイを備え、コントローラ20は、複数の第一ゲートウェイのそれぞれから受信した第一ネットワーク構成情報を統合した統合ネットワーク構成情報を生成し、生成した統合ネットワーク構成情報を記憶する。
【0100】
このような通信システム10によれば、コントローラ20は、複数の第一ゲートウェイのそれぞれに通信接続されている通信機器のを容易に認識することができる。
【0101】
また、例えば、コントローラ20は、生成した統合ネットワーク構成情報を、複数の第一ゲートウェイに配信する。
【0102】
このように統合ネットワーク構成情報が共有されれば、ロバストな通信システム10が実現される。
【0103】
また、例えば、1以上の第一通信機器には、第一ゲートウェイによって送信された制御信号を中継する第二ゲートウェイが含まれ、第二ゲートウェイは、中継における制御信号の送信先の候補となる、第二ゲートウェイに通信接続されている1以上の第二通信機器を示す第二ネットワーク構成情報を記憶する。通信制御部32は、通信部31が要求を受信したときに、通信部31を用いて第二ゲートウェイから第二ネットワーク構成情報を取得し、第一ネットワーク構成情報に加えて、取得された第二ネットワーク構成情報を通信部31にコントローラ20へ送信させる。コントローラ20は、第一ネットワーク構成情報、及び、第二ネットワーク構成情報を受信すると、第一ネットワーク構成情報、及び、第二ネットワーク構成情報を統合した統合ネットワーク構成情報を生成し、生成した統合ネットワーク構成情報を記憶する。
【0104】
このような通信システム10によれば、コントローラ20は、第一ゲートウェイに通信接続されている通信機器の状態、及び、第二ゲートウェイに通信接続されている通信機器を容易に認識することができる。
【0105】
また、例えば、コントローラ20は、生成した統合ネットワーク構成情報を、第一ゲートウェイ及び第二ゲートウェイに配信する。
【0106】
このように統合ネットワーク構成情報が共有されれば、ロバストな通信システム10が実現される。
【0107】
また、例えば、コントローラ20は、要求を定期的に送信することにより、統合ネットワーク構成情報を定期的に更新する。
【0108】
このような通信システム10によれば、コントローラ20は、第一ゲートウェイに通信接続されている通信機器の最新の状態を認識しやすくなる。
【0109】
また、例えば、コントローラ20は、統合ネットワーク構成情報の内容をユーザに通知する。
【0110】
このような通信システム10によれば、ユーザは、第一ゲートウェイに通信接続されている通信機器の状態を容易に認識することができる。したがって、ユーザは、通信ネットワークの再構成作業などを容易に行うことができる。
【0111】
また、例えば、通信システム10は、複数の機器を備え、コントローラ20は、複数の機器を一斉に同一の動作状態にするためのテスト制御信号を複数の機器のそれぞれに送信する。
【0112】
このような通信システム10によれば、ユーザは、複数の機器に相当する実物の機器を容易に把握することができる。
【0113】
また、例えば、コントローラ20は、統合ネットワーク構成情報に基づいて、機器を制御する際のタイムアウト期間の長さを決定し、制御信号を送信してからタイムアウト期間が経過するまでの間に機器からの応答信号が受信されなった場合に、機器の制御が失敗したと判定する。
【0114】
このようなコントローラ20は、統合ネットワーク構成情報に基づいて、タイムアウト期間の長さを決定することができる。
【0115】
また、例えば、コントローラ20は、統合ネットワーク構成情報に基づいて定まる、コントローラ20と機器との間に介在するゲートウェイの数に基づいて、タイムアウト期間の長さを決定する。
【0116】
このようなコントローラ20は、ゲートウェイの数を考慮してタイムアウト期間の長さを決定することができる。
【0117】
また、例えば、コントローラ20は、統合ネットワーク構成情報に基づいて定まる、コントローラ20と機器との間に介在するゲートウェイの数、及び、コントローラと機器との間に介在するゲートウェイに通信接続されている通信機器の数に基づいて、タイムアウト期間の長さを決定する。
【0118】
このようなコントローラ20は、ゲートウェイに通信接続されている通信機器の数を考慮してタイムアウト期間の長さを決定することができる。
【0119】
また、例えば、コントローラ20は、統合ネットワーク構成情報に加えて、機器の種別に基づいて、タイムアウト期間の長さを決定する。
【0120】
このようなコントローラ20は、機器の種別を考慮してタイムアウト期間の長さを決定することができる。
【0121】
また、例えば、コントローラ20は、機器を制御する際の基準タイムアウト期間の長さを機器または外部装置に問い合わせ、統合ネットワーク構成情報、及び、問い合わせによって得られる基準タイムアウト期間の長さに基づいて、タイムアウト期間の長さを決定する。
【0122】
このようなコントローラ20は、基準タイムアウト期間の長さを問い合わせることで、より適切なタイムアウト期間の長さを決定することができる。
【0123】
また、例えば、コントローラ20は、制御信号を送信してから、機器からの応答信号を受信するまでの期間の長さを計測し、計測した期間の長さに基づいて、機器を制御する際のタイムアウト期間の長さを決定する。
【0124】
このようなコントローラ20は、応答信号を受信するまでの期間の長さを実測することにより、より適切なタイムアウト期間の長さを決定することができる。
【0125】
また、例えば、制御信号を送信してから、機器からの応答信号を受信するまでの期間の長さを計測し、計測結果を蓄積し、蓄積した複数回分の計測結果に基づいて、機器を制御する際の前記タイムアウト期間の長さを決定する。
【0126】
このようなコントローラ20は、応答信号を受信するまでの期間の長さを複数回実測することにより、より適切なタイムアウト期間の長さを決定することができる。
【0127】
また、例えば、通信システム10は、複数の機器を備える。コントローラ20は、複数の機器のそれぞれについて当該機器を制御する際のタイムアウト期間の長さを決定し、決定した複数のタイムアウト期間の長さのうち最も長いものを、複数の機器を一括制御する際のタイムアウト期間の長さとして決定する。
【0128】
このようなコントローラ20は、機器を一括して制御する際に用いられるタイムアウト期間の長さを決定することができる。
【0129】
また、コントローラ20によって送信された、機器を制御するための制御信号を中継するゲートウェイ30が実行する通信方法は、中継における制御信号の送信先の候補となる、ゲートウェイ30に通信接続されている1以上の第一通信機器を示す第一ネットワーク構成情報を、ゲートウェイ30が備える記憶部33に記憶する記憶ステップ(S11)と、コントローラ20からネットワーク構成情報の要求を受信する受信ステップ(S13)と、受信ステップ(S13)において要求を受信したときに、既に記憶部33に記憶されている第一ネットワーク構成情報を読み出してコントローラ20に送信する送信ステップ(S14)とを含む。
【0130】
このような通信方法によれば、コントローラ20は、第一ゲートウェイに通信接続されている通信機器の状態を容易に認識することができる。
【0131】
また、ゲートウェイ30は、コントローラによって送信された、機器を制御するための制御信号を中継する。ゲートウェイ30は、中継における制御信号の送信先の候補となる、ゲートウェイ30に通信接続されている1以上の第一通信機器を示す第一ネットワーク構成情報を記憶する記憶部33と、コントローラからネットワーク構成情報の要求を受信する通信部31と、通信部31が要求を受信したときに、既に記憶部33に記憶されている第一ネットワーク構成情報を読み出して通信部31にコントローラへ送信させる通信制御部32とを備える。
【0132】
このような通信機器によれば、コントローラ20は、第一ゲートウェイに通信接続されている通信機器の状態を容易に認識することができる。
【0133】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0134】
例えば、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよいし、複数の処理が並行して実行されてもよい。また、上記実施の形態の動作例、及び、タイムアウト期間の決定例は任意に組み合わされてよい。
【0135】
また、上記実施の形態において、各構成要素は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0136】
また、各構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。例えば、各構成要素は、回路(または集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0137】
また、本発明の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0138】
例えば、本発明は、ゲートウェイまたはコントローラとして実現されてもよい。例えば、コントローラは、機器を制御するための制御信号を当該制御信号を中継する第一ゲートウェイに送信し、中継における前記制御信号の送信先の候補となる、第一ゲートウェイに通信接続されている1以上の第一通信機器を示す第一ネットワーク構成情報の要求を第一ゲートウェイに送信し、要求を送信したことに応じて、要求が第一ゲートウェイによって受信されたときに既に第一ゲートウェイの記憶部に記憶されている第一ネットワーク構成情報を受信する通信部を備える。
【0139】
また、本発明は、ゲートウェイまたはコントローラが実行する通信方法として実現されてもよい。本発明は、このような通信方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよいし、このようなプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
【0140】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0141】
10 通信システム
20 コントローラ
21 受付部
22 表示部
23 情報処理部
24 記憶部
25 通信部
30 ゲートウェイ
31 通信部
32 通信制御部
33 記憶部