(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-25
(45)【発行日】2024-02-02
(54)【発明の名称】決済端末
(51)【国際特許分類】
G07G 1/00 20060101AFI20240126BHJP
【FI】
G07G1/00 331Z
(21)【出願番号】P 2023126412
(22)【出願日】2023-08-02
【審査請求日】2023-08-02
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 薫
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 健之
(72)【発明者】
【氏名】溝口 敦士
【審査官】永安 真
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-125589(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00 - 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のケーブルを接続可能な決済端末であって、
筐体と、
前記筐体の第1面に設けられ、複数のケーブルのそれぞれを接続可能な複数のコネクタと、を備え、
前記複数のコネクタは、第1ケーブルを接続可能な第1コネクタと、第2ケーブルを接続可能な第2コネクタとを含み、
前記筐体は、前記第1面の端縁に接続される第2面を有し、
前記第2コネクタは、前記筐体の第1方向において、前記第1コネクタよりも前記第2面側に配置され、
前記第1コネクタにおける前記第1ケーブルが接続される第1接続面の向きと、前記第2コネクタにおける前記第2ケーブルが接続される第2接続面の向きとが異なる、
決済端末。
【請求項2】
前記筐体の前記第1面に設けられ、前記第1接続面に接続された前記第1ケーブルの少なくとも先端部の周囲に形成される第1凹部と、
前記筐体の前記第1面において、前記第1凹部に連通するように設けられ、前記第1方向において、前記第1凹部よりも前記第2面側に形成される第2凹部と、をさらに備え、
前記第1接続面の向きの方向において、前記第2凹部のサイズは、前記第1凹部のサイズよりも小さい、
請求項1に記載の決済端末。
【請求項3】
前記第1ケーブルの前記先端部は、前記第1コネクタに挿入される第1先端部と、前記第1先端部に直交するように接続する第2先端部と、を有し、
前記第1ケーブルを前記第1コネクタに接続する場合において、
前記第1先端部が、前記第1凹部に露出した前記第1接続面に挿入された状態において、前記第1ケーブルを動かすことにより、前記第2先端部を少なくとも前記第2凹部に収納する、
請求項2に記載の決済端末。
【請求項4】
前記第1方向に直交するとともに、前記第1面の前記端縁に沿う第2方向において、前記第1コネクタに接続された前記第1ケーブルの配置位置と、前記第2コネクタに挿入された前記第2ケーブルの配置位置と、が重なっており、
前記第1方向及び前記第2方向に直交する第3方向において、前記第1コネクタに接続された前記第1ケーブルの配置位置と、前記第2コネクタに挿入された前記第2ケーブルの配置位置と、が異なる、
請求項1に記載の決済端末。
【請求項5】
前記複数のコネクタは、第3ケーブルに接続可能な第3コネクタを含み、
前記第3コネクタは、前記第1方向において、前記第1コネクタよりも前記第2面側に配置され、
前記第2コネクタは、前記第1方向において、前記第3コネクタよりも前記第2面側に配置され、
前記第2ケーブルは、前記第2コネクタから脱離することを防止するための脱離防止機構を有し、
前記決済端末は、前記第1方向において、前記第2コネクタよりも前記第2面側とは反対側に、前記第2ケーブルを用いた通信に関する処理に用いられる第1回路が配置される回路配置領域を有する、
請求項
1に記載の決済端末。
【請求項6】
前記第1コネクタが電源コネクタであり、前記第1ケーブルが電源ケーブルであり、
前記第2コネクタが電源コネクタ以外の他のコネクタであり、前記第2ケーブルが電源ケーブル以外の他のケーブルである、
請求項1に記載の決済端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、決済端末に関する。
【背景技術】
【0002】
決済端末は、一般的に、入出力される情報の種類に応じて複数のケーブルが接続可能な構造を有する。特許文献1は、決済端末として、複数のケーブルを接続可能な情報処理装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
決済端末に複数のケーブルを接続する場合、各ケーブルに応じた複数のコネクタが、決済端末の筐体における所定方向(例えば筐体の横方向)に並べられて配置される。コネクタ及び接続されたケーブルを所定の方向に配置する構造は、筐体の所定方向の長さが増大し、決済端末の大型化を招くことになる。
【0005】
また、上記の様な決済端末においては、各コネクタの向きが同じであるのが一般的である。各コネクタが同じ方向を向くなら、各ケーブルの挿抜方向も同じとなる。複数のケーブルの挿抜方向が同じである場合、例えば予期せぬアクシデントにより、複数のケーブルがまとめて脱離する可能性が高くなる。このような脱離を抑制するためには、ケーブルを筐体に引っ掛けるフック等の様な、脱離防止するための専用部材等が別途必要になり、構造が複雑化し、製造コストも増大する。
【0006】
本開示は、大型化の抑制と、ケーブルの抜け防止とを容易に実現できる決済端末を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の決済端末は、複数のケーブルを接続可能な決済端末であって、筐体と、前記筐体の第1面に設けられ、複数のケーブルのそれぞれを接続可能な複数のコネクタと、を備え、前記複数のコネクタは、第1ケーブルを接続可能な第1コネクタと、第2ケーブルを接続可能な第2コネクタとを含み、前記筐体は、前記第1面の端縁に接続される第2面を有し、前記第2コネクタは、前記筐体の第1方向において、前記第1コネクタよりも前記第2面側に配置され、前記第1コネクタにおける前記第1ケーブルが接続される第1接続面の向きと、前記第2コネクタにおける前記第2ケーブルが接続される第2接続面の向きと、が異なる。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、複数のコネクタに関し、筐体の側面からの配置位置をずらすことにより、決済端末の大型化を抑制することができる。また、コネクタの接続面の向きが異なるので、コネクタに挿入された少なくとも1つのケーブルの抜けをより確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図3】ケーブルが接続されていない決済端末の側面図
【
図4】ケーブルが接続されている決済端末の底面側の斜視図
【
図5】電源ケーブルの接続工程の第1ステップにおける決済端末の斜視図
【
図6】電源ケーブルの接続工程の第2ステップにおける決済端末の斜視図
【
図7】筐体の内部の一部を示す平面図であり、筐体の底面側の板を外した状態を示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、適宜図面を参照しながら、実施形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になることを避け、当業者の理解を容易にするためである。尚、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるものであり、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
【0011】
図1は、本開示の実施形態に係る決済端末100の上面図である。各図では、X軸方向はタッチパネル面に沿う一方向(例えば短手方向)であり、Y軸方向はタッチパネル面に沿いX方向と垂直な方向(例えば長手方向)である。Z軸方向はタッチパネル面に垂直な方向(例えば厚さ方向又は高さ方向)である。
【0012】
決済端末100は、筐体10と、保護板20と、NFC(Near Field Communication)アンテナ120と、タッチパネル130と、LCD(Liquid Crystal Display)モジュール140と、を備える。また、決済端末100は、第1カードスロット16sと、第2カードスロット17sと、カメラ25と、を備える。決済端末100は、決済処理を行う電子機器の一種である。
【0013】
決済端末100は、商品等の購入者が複数の決済方式を選択することができる、複合タイプである。複数の決済方式は、例えば、クレジットカード決済、電子マネー決済、コード(例えばQRコード(登録商標))決済、及び現金決済を含む。クレジットカード決済は、例えば、磁気カード決済、接触ICカード決済、及び非接触ICカード決済を含む。電子マネーは、複数種類の電子マネーが存在してよい。電子マネー決済及び非接触ICカード決済は、非接触通信(例えば近距離無線通信:NFC(Near field communication))を用いて決済が行われるので、ここではまとめて非接触型決済とも称する。
【0014】
複数の決済方式は、対応する複数の決済インタフェースのそれぞれを用いて行われる。複数の決済インタフェースは、例えばクレジットカード、電子マネーカードC32、コード、及び現金を含む。クレジットカードは、例えば、磁気カードC1、接触ICカードC2、及び非接触ICクレジットカードC31を含む。
【0015】
磁気カードC1は、第1カードスロット16sに挿入されて決済に使用される。接触ICカードC2は、第2カードスロット17sに挿入されて決済に使用される。非接触ICクレジットカードC31及び電子マネーカードC32は、NFCアンテナ120に接近させて決済に使用される。非接触ICクレジットカードC31及び電子マネーカードC32を、まとめて「非接触ICカードC3」とも称する。
【0016】
筐体10は、決済端末100の外装を構成し、他の部品を収納する。保護板20はタッチパネル130の上面に配置され、タッチパネル130を保護する。
【0017】
NFCアンテナ120は、近距離無線通信用の通信アンテナ(近距離無線通信アンテナ)である。NFCアンテナ120は、近距離無線通信により、非接触型ICカード又は高周波識別装置タグ等の通信媒体を検出し、検出した通信媒体との間で無線通信する。NFCアンテナ120は、例えば、決済端末100に近接した通信媒体である非接触ICカードC3との間で近距離無線通信を行い、情報を送受する。決済端末100は、NFCアンテナ120を介して非接触ICカードC3の情報を読み取り、又は非接触ICカードC3に情報を書き込んでよい。
【0018】
例えば、ユーザが、NFCアンテナ120と通信可能な非接触ICカードC3を把持し、決済端末100に近づける。これにより、非接触ICカードC3とNFCアンテナ120との間で非接触無線通信が行われ、決済に関する情報等が送受される。
【0019】
タッチパネル130は、ユーザの指又はスタイラスペン等の指示体による入力を電気的に検出するユーザーインターフェースを提供する。タッチパネル130は、抵抗膜方式又は静電容量方式等の種々の方式のものがあるが、特にその種類は限定されない。タッチパネル130は、例えば、店員等や顧客による決済処理に関する各種のデータや情報(例えば決済方法の選択、暗証番号、PIN(Personal Identification Number)、又は電子サイン等)の入力操作を受け付け、この入力を検出する。タッチパネル130は、NFCアンテナ120の近傍に配置される。例えば、タッチパネル130の検出領域DRの少なくとも一部とNFCアンテナ120の通信可能領域NRとが重なる。
【0020】
LCDモジュール140は、いわゆる液晶表示装置であり、液晶セル、偏光板など種々の部材を含むが、その種類は特に限定されない。また、LCDモジュール140の代わりに他の表示装置(例えば有機エレクトロルミネッセンス)を用いてもよい。LCDモジュール140は、例えば、決済処理に関する各種のデータや情報を表示する。
【0021】
決済端末100は、設置位置が固定された機器(据え置き型)であってもよいし、ユーザによって持ち運び可能な機器(可搬型、ハンドヘルド型)であってもよい。また、設置位置が固定された機器に非接触ICカードC3が埋め込まれ、ユーザが持ち運び可能な決済端末100を非接触ICカードC3の部分に近づけてもよい。決済端末100は、例えばスマートフォンと同様のサイズでよい。決済端末100は、例えば筐体10が平面視で矩形であるが、他の形状であってもよい。また、NFCアンテナ120は、例えば平面視で矩形であるが、他の形状であってもよい。
【0022】
図2は、決済端末100の底面図である。
図3は、決済端末100の側面図である。決済端末100は、複数のケーブル200が接続可能である。各ケーブルは、決済端末100に入出力される情報の種類、規格等に対応している。
図1、
図3は、ケーブル200が接続されていない状態の図であり、
図2はケーブル200が接続された状態の図である。
【0023】
決済端末100の筐体10は例えば樹脂製であり、底面11(第1面の一例)と、底面11と反対側の上面13(
図1参照)とを備えている。上述したタッチパネル130、LCDモジュール140は上面13側に設けられ、ユーザは主として上面13から決済端末100を視認し、操作する。
【0024】
底面11は、決済端末100が配置面に配される側の面であり、複数のケーブル200のそれぞれを接続可能な複数のコネクタ30が設けられている。
【0025】
コネクタ30は、第1コネクタ及び第2コネクタを含む。ケーブル200は、第1コネクタに接続される第1ケーブル及び第2コネクタに接続される第2ケーブルを含む。第1コネクタ、第1ケーブル、第2コネクタ、第2ケーブルの具体例は、以下である。
【0026】
第1コネクタは、例えば電源コネクタ31である(
図5、
図7参照)。第1ケーブルは、例えば電源ケーブル210である。第2コネクタは、例えばLANコネクタ32、マイクロUSBコネクタ33、シリアルコネクタ34、又はUSBタイプAコネクタ35である。第2ケーブルは、例えばLANケーブル220、マイクロUSBケーブル230、シリアルケーブル240、又はUSBタイプAケーブル250である。
【0027】
すなわち、第1コネクタが例えば電源コネクタ31であり、第1ケーブルが例えば電源ケーブル210である。また、第2コネクタが例えば電源コネクタ31以外の他のコネクタであり、第2ケーブルが例えば電源ケーブル210以外の他のケーブルである。
図5及び
図7で示す電源コネクタ31は、電力を供給する電源ケーブル210に接続可能であり、外部の電源から決済端末100を動作させる電力を供給する。
【0028】
LANコネクタ32は、LANケーブル220に接続可能である。マイクロUSBコネクタ33は、マイクロUSBケーブル230に接続可能である。シリアルコネクタ34は、シリアルケーブル240に接続可能である。USBタイプAコネクタ35は、USBタイプAケーブル250に接続可能である。これらの第2コネクタ及び第2ケーブルは、それぞれが準拠する規格に従って、決済端末100と外部の装置との間で、信号(場合によっては電力も含む)を送受信するために用いられる。
【0029】
ただし、第2コネクタ及び第2ケーブルの一部は、後述する第3コネクタ及び第3ケーブルでもある。
【0030】
筐体10は、底面11の一の端縁15に接続される第2面である側面12を有する。実施形態では、側面12は、端縁15から底面11に対し、垂直に起立する。そして、上述した第2コネクタは、いずれも、筐体10の第1方向の一例である長手方向(Y軸方向)において、第1コネクタよりも側面12の側に配置されている。
【0031】
図4は、ケーブル200が接続された決済端末100の底面11側の斜視図であり、
図2と同じ状態を示す。筐体10の底面11には、電源ケーブル210の少なくとも先端部211の周囲に形成される第1凹部41が形成されている。底面11には、第1凹部41に連通し、第1方向(長手方向、Y軸方向)において、第1凹部41よりも側面12の側に形成される第2凹部42も形成されている。第1凹部41及び第2凹部42は、底面11が掘り下げられた凹部形状の空間であり、例えば樹脂製である筐体10の射出成型等において、容易に形成することができる。
【0032】
図5は、電源ケーブル210の接続工程の第1ステップにおける決済端末100の斜視図であり、
図6は、電源ケーブル210の接続工程の第2ステップにおける決済端末100の斜視図である。電源ケーブル210は、第1ステップ、第2ステップを経て、
図2、
図4に示す接続状態に至る。以下、これらのステップについて説明する。
【0033】
ユーザは、
図5に示す様に、電源ケーブル210の先端部211を、底面11に略直交する方向から第1凹部41に配置する。電源ケーブル210の先端部211は、L字状を有するように折れ曲がっている。先端部211は、電源コネクタ31に挿入される第1先端部213と、第1先端部213に直交するように接続する第2先端部214と、を有しており、第2先端部214の長手方向は、電源ケーブル210の長手方向と一致する。第2先端部214は、例えば、電源ケーブル210の長手方向において、肉厚の部分までの領域と解してよい。
【0034】
次にユーザは、
図5の矢印方向、すなわち、筐体10の第1方向に直交するとともに、底面11の端縁15に沿う第2方向(短手方向、X軸方向)に電源ケーブル210をスライドさせて動かす。この操作により、
図6に示す様に、第1先端部213が電源コネクタ31に挿入されるとともに接続される。
【0035】
第1先端部213は、電源コネクタ31に挿入される部分であり、第1先端部213が電源コネクタ31に接続する
図5の矢印方向は、第2先端部214、ひいては電源ケーブル210の長手方向とは一致していない。電源コネクタ31において、電源ケーブル210が接続される面、すなわち
図5の矢印方向に直交する面を第1接続面C1と定義する(
図5参照)。第1接続面C1は、電源コネクタ31の最先端面と同義であり、第1凹部41において露出している。第1接続面C1の向きは、
図5の矢印方向の向き、すなわち第2方向である。
【0036】
一方、第1ケーブルである電源ケーブル210以外の他のケーブル、すなわち、第2ケーブル(例えばLANケーブル220、マイクロUSBケーブル230、シリアルケーブル240、又はUSBタイプAケーブル250)の長手方向は、電源ケーブル210の長手方向と一致するとともに、それぞれの第2コネクタ(例えばLANコネクタ32、マイクロUSBコネクタ33、シリアルコネクタ34、又はUSBタイプAコネクタ35)に接続する方向も、ケーブルの長手方向である。第2コネクタにおいて、各ケーブルが接続される面を第2接続面C2と定義する(
図3参照)。第2接続面C2は、第2コネクタの最先端面と同義であり、
図3で示す様に、側面12の方向から見たときに露出する様に現れる面である。第2接続面C2の向きは、
図5の矢印方向の向きとは異なっており、
図5の矢印方向に直交する方向、すなわち第1方向である。
【0037】
すなわち、第1コネクタにおける第1ケーブルが接続される第1接続面C1の向きと、第2コネクタにおける第2ケーブルが接続される第2接続面C2の向きとが異なっており、具体的には二つの接続面の向きは直交する。
図3に示す様に、第2接続面C2のすべては、筐体10の第1方向(長手方向、Y軸方向)を向いている。一方、
図5に示す様に、第1接続面C1は、筐体10の第1方向に直交するとともに、底面11の端縁15に沿う第2方向(短手方向、X軸方向)を向いている。
【0038】
さらにユーザは、
図6の様に、第1先端部213が、第1凹部41に露出した第1接続面C1(
図5参照)に挿入された状態から、電源ケーブル210を
図6の矢印方向に動かす、すなわち電源ケーブル210を、第1先端部213を中心として、YZ面に平行に回転させる。この操作により、少なくとも第2先端部214の一部が、少なくとも第2凹部42に収納され、
図2、
図4に示す接続状態が完成する。本実施形態では、第2先端部214は、第2凹部42にも収納される。
【0039】
本実施形態の決済端末100においては、複数のコネクタ30に関し、第1コネクタ(例えば電源コネクタ31)と第2コネクタとの間で、筐体10の側面12からの配置位置をずらしている。これにより、複数のコネクタ30の一部は横並びにならず、筐体10におけるコネクタ30の並び方向、例えば筐体10の幅方向のサイズが大きくなることを防ぎ、決済端末100の大型化を抑制することができる。
【0040】
また、複数のコネクタ30において、第1コネクタの第1接続面C1の向きと、第2コネクタの第2接続面C2の向きが異なっており、このことは第1ケーブル(例えば電源ケーブル210)が抜ける抜け方向と、第2ケーブルが抜ける抜け方向と、が異なることを意味する。よって、特別にフック等の脱離防止用の専用部材を設けなくても、コネクタ30に挿入された少なくとも1つのケーブル、具体的には第1接続面C1に接続された電源ケーブル210の抜けをより容易に防止することができる。
【0041】
また、
図2に示す様に、本実施形態においては、第1接続面C1の向きの方向(第2方向)において、第2凹部42のサイズ(長さ)L2は、第1凹部41のサイズ(長さ)L1よりも小さくなるように設定されている。
【0042】
よって、第2凹部42によって、第1コネクタ(例えば電源コネクタ31)に接続(挿入)された第1ケーブル(例えば電源ケーブル210)の動きが規制されるので、第1ケーブルの位置及び接続が安定する。また、第1凹部41のサイズが第2凹部42のサイズよりも大きいため、
図5及び
図6に示すステップにおいて、ユーザが先端部211の操作を容易に行うことができ、第1ケーブルの第1コネクタへの接続を容易に行うことができる。
【0043】
さらに、
図5に示す様に、第1先端部213を第1コネクタの第1接続面C1に挿入した後、
図6に示す様に、第1ケーブルを動かす(回転させる)ことにより、第2先端部214が少なくとも第2凹部42に収納されるため、第1ケーブルの第1コネクタへの接続を容易に行うことができるとともに、第1ケーブルの動きをも同時に規制することができる。
【0044】
特に、本実施形態の決済端末100においては、第2方向(短手方向、X軸方向)において、第1コネクタに接続された第1ケーブルの配置位置と、第2コネクタに挿入された第2ケーブルの配置位置と、が重なっている。すなわち、
図2、
図4に示す様に、第1ケーブルの一例である電源ケーブル210の配置位置と、第2ケーブルの一例であるマイクロUSBケーブル230の配置位置とが、第2方向において重なっている。
【0045】
一方、第1方向及び第2方向に直交する第3方向、すなわちZ軸方向(厚さ方向又は高さ方向)においては、第1コネクタに接続された第1ケーブルの配置位置と、第2コネクタに挿入された第2ケーブルの配置位置と、が異なっている。すなわち、
図2及び
図4に示す様に、第1ケーブルである電源ケーブル210の配置位置と、第2ケーブルの一例であるマイクロUSBケーブル230の配置位置とが、第3方向において異なっている。
【0046】
これにより、決済端末100は、2つのケーブルを、筐体10の第2方向では重なりつつ、第3方向ではずらして配置できるため、筐体10におけるコネクタの並び方向のサイズが増大することを抑制できる。
【0047】
なお、上述の説明においては、第2コネクタは、第1コネクタ(例えば電源コネクタ31)以外のコネクタを意味し、第2ケーブルは、第1ケーブル(例えば電源ケーブル210)以外のコネクタを意味する。さらに、第2コネクタ、第2ケーブルの中で、以下のように第3コネクタ、第3ケーブルをカテゴリ分けする。
【0048】
第3コネクタは、例えばマイクロUSBコネクタ33、シリアルコネクタ34、又はUSBタイプAコネクタ35である。第3ケーブルは、例えばマイクロUSBケーブル230、シリアルケーブル240、又はUSBタイプAケーブル250
【0049】
第3コネクタ及び第3ケーブルを規定することにより、第2コネクタはLANコネクタ32となり、第2ケーブルはLANケーブル220となる。
図2、
図4~
図6に示す様に、第2コネクタの配置位置と第3コネクタとの配置位置は異なることになる。
【0050】
具体的には、第3コネクタが、第1方向において、第1コネクタよりも側面12側に配置され、第2コネクタの一例であるLANコネクタ32は、第1方向において、第3コネクタよりも側面12側に配置される。そして、第2ケーブルの一例であるLANケーブル220は、第2コネクタの一例であるLANコネクタ32から脱離することを防止するための脱離防止機構を有している。脱離防止機構は、例えば一般的に用いられているLANコネクタ側の凹部とLANケーブル側の片持ち梁の組み合わせである。
【0051】
図7は、筐体10の内部の一部を示す平面図であり、筐体10の底面11側の板を外した状態を示す。決済端末100は、第1方向において、第2コネクタの一例であるLANコネクタ32よりも側面12側とは反対側に、LAN用回路51が配置される回路配置領域Aを有する。LAN用回路51は、第2ケーブルの一例であるLANケーブル220を用いた通信に関する処理に用いられる第1回路の一例である。
【0052】
これにより、決済端末100は、第2コネクタ(例えばLANコネクタ32)と第3コネクタとを、第2ケーブル(例えばLANケーブル220)及び第3ケーブルの挿抜方向においてずらして配置できる。よって、決済端末100は、多数のケーブルが存在する場合でも、コネクタの並び方向のサイズが増大することを抑制できる。
【0053】
また、決済端末100は、LANケーブル220を用いた通信のためにLAN用回路51が必須である場合でも、第2コネクタ(LANコネクタ32)と第3コネクタとのケーブルの挿抜方向における位置のずれ(段差)を利用して、効率的に回路を配置できる。
【0054】
また、第3コネクタが第2コネクタ(例えばLANコネクタ32)よりも側面12から離れて配置されることにより、決済端末100は、第3コネクタに接続された第3ケーブルが側面12に到達するまでにある程度の距離を確保できる。よって、決済端末100は、フック等の脱離防止用の専用部材を設置するスペースを確保でき、抜け止め防止を図ることができる。
【0055】
本実施形態では、第1コネクタが例えば電源コネクタ31であり、第1ケーブルが例えば電源ケーブル210であり、第2コネクタ(及び第3コネクタ)が例えば電源コネクタ以外の他のコネクタであり、第2ケーブル(及び第3ケーブル)が例えば電源ケーブル以外の他のケーブルである。
【0056】
これにより、決済端末100は、重要な電源コネクタの接続面(第1接続面C1)の向きが他のコネクタの接続面(第2接続面C2)の向きと異なることになるため、電源ケーブルの抜けをより確実に防止することができる。
【0057】
以上により、本開示には少なくとも以下の事項が記載されている。なお、括弧内には、上記した実施形態において対応する構成要素等を例示しているが、これに限定されるものではない。
【0058】
(項目1)
複数のケーブル(ケーブル200)を接続可能な決済端末(決済端末100)であって、
筐体(筐体10)と、
前記筐体の第1面(底面11)に設けられ、複数のケーブルのそれぞれを接続可能な複数のコネクタ(コネクタ30)と、を備え、
前記複数のコネクタは、第1ケーブル(電源ケーブル210)を接続可能な第1コネクタ(電源コネクタ31)と、第2ケーブル(LANケーブル220、マイクロUSBケーブル230、シリアルケーブル240、又はUSBタイプAケーブル250)を接続可能な第2コネクタ(LANコネクタ32、マイクロUSBコネクタ33、シリアルコネクタ34、又はUSBタイプAコネクタ35)とを含み、
前記筐体は、前記第1面の端縁(端縁15)に接続される第2面(側面12)を有し、
前記第2コネクタは、前記筐体の第1方向において、前記第1コネクタよりも前記第2面側に配置され、
前記第1コネクタにおける前記第1ケーブルが接続される第1接続面(第1接続面C1)の向きと、前記第2コネクタにおける前記第2ケーブルが接続される第2接続面(第2接続面C2)の向きとが異なる、
決済端末。
【0059】
これにより、決済端末は、複数のコネクタに関し、筐体の側面からの配置位置をずらすことにより、複数のコネクタの一部が横並びにならず、筐体におけるコネクタの並び方向、例えば筐体の幅方向のサイズが大きくなることを防ぎ、決済端末の大型化を抑制することができる。
【0060】
また、複数のコネクタにおいて、コネクタの接続面の向きが異なる。そのため、決済端末は、特別にフック等の脱離防止用の専用部材を設けなくても、コネクタに挿入された少なくとも1つのケーブルの抜けを容易に防止することができる。
【0061】
(項目2)
前記筐体の前記第1面に設けられ、前記第1接続面に接続された前記第1ケーブルの少なくとも先端部(先端部211)の周囲に形成される第1凹部(第1凹部41)と、
前記筐体の前記第1面において、前記第1凹部に連通するように設けられ、前記第1方向において、前記第1凹部よりも前記第2面側に形成される第2凹部(第2凹部42)と、を更に備え、
前記第1接続面の向きの方向において、前記第2凹部のサイズは、前記第1凹部のサイズよりも小さい、
項目1に記載の決済端末。
【0062】
これにより、決済端末は、第2凹部によって、第1コネクタに接続(挿入)された第1ケーブルの動きが規制されるので、第1ケーブルの位置及び接続が安定する。また、第1凹部のサイズが第2凹部のサイズよりも大きいため、ユーザは、第1ケーブルの第1コネクタへの接続を容易に行うことができる。
【0063】
(項目3)
前記第1ケーブルの前記先端部は、前記第1コネクタに挿入される第1先端部(第1先端部213)と、前記第1先端部に直交するように接続する第2先端部(第2先端部214)と、を有し、
前記第1ケーブルを前記第1コネクタに接続する場合において、
前記第1先端部が、前記第1凹部に露出した前記第1接続面に挿入された状態において、前記第1ケーブルを動かすことにより、前記第2先端部を少なくとも前記第2凹部に収納する、
項目2に記載の決済端末。
【0064】
これにより、決済端末は、第1先端部を第1コネクタの第1接続面に挿入した後、第1ケーブルを動かすことにより、第2先端部が少なくとも第2凹部に収納される。よって、ユーザが第1ケーブルの第1コネクタへの接続を容易に行うことができるとともに、決済端末が第1ケーブルの動きを同時に規制することができる。
【0065】
(項目4)
前記第1方向に直交するとともに、前記第1面の前記端縁に沿う第2方向において、前記第1コネクタに接続された前記第1ケーブルの配置位置と、前記第2コネクタに挿入された前記第2ケーブルの配置位置と、が重なっており、
前記第1方向及び前記第2方向に直交する第3方向において、前記第1コネクタに接続された前記第1ケーブルの配置位置と、前記第2コネクタに挿入された前記第2ケーブルの配置位置と、が異なる、
項目1に記載の決済端末。
【0066】
これにより、決済端末は、2つのケーブルを、筐体の第2方向では重なりつつ、第3方向ではずらして配置できるため、筐体におけるコネクタの並び方向のサイズが増大することを抑制できる。
【0067】
(項目5)
前記複数のコネクタは、第3ケーブル(マイクロUSBケーブル230、シリアルケーブル240、又はUSBタイプAケーブル250)に接続可能な第3コネクタ(マイクロUSBコネクタ33、シリアルコネクタ34、又はUSBタイプAコネクタ35)を含み、
前記第3コネクタは、前記第1方向において、前記第1コネクタよりも前記第2面側に配置され、
前記第2コネクタは、前記第1方向において、前記第3コネクタよりも前記第2面側に配置され、
前記第2ケーブルは、前記第2コネクタから脱離することを防止するための脱離防止機構を有し、
前記決済端末は、前記第1方向において、前記第2コネクタよりも前記第2面側とは反対側に、前記第2ケーブルを用いた通信に関する処理に用いられる第1回路(LAN用回路51)が配置される回路配置領域(回路配置領域A)を有する、
項目1に記載の決済端末。
【0068】
これにより、決済端末は、第2コネクタと第3コネクタとを第2ケーブル及び第3ケーブルの挿抜方向においてずらして配置でき、多数のケーブルが存在する場合でも、コネクタの並び方向のサイズが増大することを抑制できる。
【0069】
また、決済端末は、第2ケーブルを用いた通信のために第1回路が必須である場合でも、第2コネクタと第3コネクタとのケーブルの挿抜方向における位置のずれ(段差)を利用して、効率的に回路を配置できる。
【0070】
また、第3コネクタが第2コネクタよりも第2面から離れて配置されることにより、決済端末は、第3コネクタに接続された第3ケーブルが第2面に到達するまでにある程度の距離を確保できる。よって、決済端末は、フック等の脱離防止用の専用部材を設置するスペースを確保でき、抜け止め防止を図ることができる。
【0071】
(項目6)
前記第1コネクタが電源コネクタであり、前記第1ケーブルが電源ケーブルであり、
前記第2コネクタが電源コネクタ以外の他のコネクタであり、前記第2ケーブルが電源ケーブル以外の他のケーブルである、
項目1に記載の決済端末。
【0072】
これにより、重要な電源コネクタの接続面の向きが他のコネクタの接続面の向きと異なることになる。よって、決済端末は、電源ケーブルの抜けをより確実に防止することができる。
【0073】
以上、図面を参照しながら各種の実施形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本開示は、決済端末に関し、大型化の抑制と、ケーブルの抜け防止の実現に有用である。
【符号の説明】
【0075】
10 筐体
11 底面
12 側面
13 上面
15 端縁
16s 第1カードスロット
17s 第2カードスロット
20 保護板
25 カメラ
30 コネクタ
31 電源コネクタ
32 LANコネクタ
33 マイクロUSBコネクタ
34 シリアルコネクタ
35 USBタイプAコネクタ
41 第1凹部
42 第2凹部
51 LAN用回路
100 決済端末
120 NFCアンテナ
130 タッチパネル
140 LCDモジュール
200 ケーブル
210 電源ケーブル
211 先端部
213 第1先端部
214 第2先端部
220 LANケーブル
230 マイクロUSBケーブル
240 シリアルケーブル
250 USBタイプAケーブル
A 回路配置領域
C1 第1接続面
C2 第2接続面
【要約】
【課題】大型化の抑制とケーブルの抜け防止とを容易に実現できる決済端末を提供する。
【解決手段】複数のケーブルを接続可能な決済端末であって、筐体と、筐体の第1面に設けられ、複数のケーブルのそれぞれを接続可能な複数のコネクタと、を備え、複数のコネクタは、第1ケーブルを接続可能な第1コネクタと、第2ケーブルを接続可能な第2コネクタとを含み、筐体は、第1面の端縁に接続される第2面を有し、第2コネクタは、筐体の第1方向において、第1コネクタよりも第2面側に配置され、第1コネクタにおける第1ケーブルが接続される第1接続面の向きと、第2コネクタにおける第2ケーブルが接続される第2接続面の向きと、が異なる。
【選択図】
図6