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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-25
(45)【発行日】2024-02-02
(54)【発明の名称】ドラム式洗濯乾燥機
(51)【国際特許分類】
   D06F 58/02 20060101AFI20240126BHJP
【FI】
D06F58/02 F
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019146480
(22)【出願日】2019-08-08
(65)【公開番号】P2021023720
(43)【公開日】2021-02-22
【審査請求日】2022-07-21
(73)【特許権者】
【識別番号】512128645
【氏名又は名称】青島海爾洗衣机有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER WASHING MACHINE CO.,LTD.
(73)【特許権者】
【識別番号】307036856
【氏名又は名称】アクア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】弁理士法人あい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】辻 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 聡司
【審査官】大内 康裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-202071(JP,A)
【文献】特開2001-133079(JP,A)
【文献】特開2003-287158(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105544143(CN,A)
【文献】特開2014-135954(JP,A)
【文献】特開2017-077270(JP,A)
【文献】特開2002-081819(JP,A)
【文献】実開昭50-007748(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 1/00~60/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体内に収容され、水が溜められる外槽と、
前記外槽内に収容され、前後方向に延びる回転軸線まわりに回転駆動され、洗濯物を収容するドラムと、
前記外槽に接続された取出口および戻し口を有する空気循環路と、
前記空気循環路内に設けられ、前記外槽内の空気を前記取出口から前記空気循環路内に取り出して前記戻し口から前記外槽内に戻すことによって循環させる送風部と、
前記回転軸線よりも低い位置に配置されて冷媒を圧縮するコンプレッサと、前記回転軸線よりも高い位置において前記空気循環路内に設けられ、冷媒と前記空気循環路内の空気との間で熱交換を行う熱交換器と、前記コンプレッサから前記熱交換器に冷媒を送る冷媒循環路の送り側流路と、前記熱交換器から前記コンプレッサに冷媒を戻す前記冷媒循環路の戻し側流路とを有するヒートポンプと、
前記筐体に固定され、前記空気循環路の外で前記冷媒循環路の前記送り側流路および戻し側流路の両方を保持するホルダとを含む、ドラム式洗濯乾燥機。
【請求項2】
前記ホルダは、前記送り側流路が配置された第1溝部と、前記戻し側流路が配置された第2溝部と、前記送り側流路および戻し側流路の間で前記第1溝部および第2溝部を形成する仕切り板とを有する、請求項1に記載のドラム式洗濯乾燥機。
【請求項3】
前記ホルダは、前記仕切り板から前記第1溝部側および第2溝部側に延びる係合部を有する、請求項に記載のドラム式洗濯乾燥機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ドラム式洗濯乾燥機に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に記載のドラム式洗濯乾燥機は、筐体と、筐体内に収容された外槽と、外槽内に収容されたドラムと、乾燥運転時に除湿空気を生成するヒートポンプと、ヒートポンプが生成した除湿空気をドラム内の洗濯物に導く送風ダクトとを含む。ヒートポンプは、筐体の下部に設置された圧縮機と、筐体の上部において送風ダクト内に設置された熱交換器と、圧縮機と熱交換器との間で冷媒を循環させる冷媒配管とを含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-202071号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のように圧縮機と熱交換器とが上下に分離して配置されたヒートポンプをドラム式洗濯乾燥機において実用化する場合には、圧縮機と熱交換器とをつなぐ冷媒配管の構成を工夫しないと、冷媒配管に起因する様々な不具合が生じ得る。
【0005】
この発明は、かかる背景のもとでなされたもので、ヒートポンプにおいて分離して配置されたコンプレッサと熱交換器とをつなぐ冷媒循環路に起因する不具合を防止できるドラム式洗濯乾燥機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、筐体と、前記筐体内に収容され、水が溜められる外槽と、前記外槽内に収容され、前後方向に延びる回転軸線まわりに回転駆動され、洗濯物を収容するドラムと、前記外槽に接続された取出口および戻し口を有する空気循環路と、前記空気循環路内に設けられ、前記外槽内の空気を前記取出口から前記空気循環路内に取り出して前記戻し口から前記外槽内に戻すことによって循環させる送風部と、前記回転軸線よりも低い位置に配置されて冷媒を圧縮するコンプレッサと、前記回転軸線よりも高い位置において前記空気循環路内に設けられ、冷媒と前記空気循環路内の空気との間で熱交換を行う熱交換器と、前記コンプレッサと前記熱交換器との間で冷媒を循環させる冷媒循環路とを有するヒートポンプと、前記筐体に固定され、前記冷媒循環路を保持するホルダとを含む、ドラム式洗濯乾燥機である。
【0007】
また、本発明は、前記ドラム式洗濯乾燥機が、前記ホルダの一部を前記筐体に固定する固定部材をさらに含み、前記ホルダにおいて前記一部以外の部分が、前記筐体に対して非接触であることを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、前記ドラム式洗濯乾燥機が、前記冷媒循環路を被覆する弾性部材をさらに含み、前記ホルダが、前記冷媒循環路が嵌め込まれる溝部と、前記冷媒循環路が前記溝部内で変位できるように前記弾性部材に係合する係合部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ドラム式洗濯乾燥機の乾燥運転では、外槽内の空気が、送風部によって、空気循環路内に取り出されてから外槽内に戻るように循環する。空気循環路内の空気は、ヒートポンプの熱交換器を流れる冷媒との間での熱交換によって熱風となり、空気循環路から外槽に流出してドラム内の洗濯物を乾燥させる。ヒートポンプでは、冷媒を圧縮するコンプレッサと、熱交換器とが、上下に分離して配置され、冷媒循環路によってつながれる。冷媒循環路は、外槽を収容する筐体側のホルダに保持されることによって筐体に固定される。そのため、冷媒循環路が外槽に固定される場合と比べて、外槽の振動が冷媒循環路に伝わりにくいので、外槽の振動に起因する冷媒循環路の破損という不具合を防止できる。
【0010】
また、本発明によれば、冷媒循環路を保持するホルダでは一部だけが筐体に固定されるので、コンプレッサの振動が冷媒循環路を経由してホルダに伝わっても、この振動がホルダから筐体に伝わりにくい。そのため、冷媒循環路に起因する筐体の振動という不具合を防止できる。
【0011】
また、本発明によれば、冷媒循環路は、弾性部材によって被覆された状態でホルダの溝部に嵌め込まれ、ホルダの係合部は、冷媒循環路が溝部内で変位できるように弾性部材に係合する。つまり、冷媒循環路は、弾性部材によって被覆された状態で、ホルダによって緩めに保持されるので、コンプレッサの振動が冷媒循環路に伝わっても、この振動がホルダや筐体に伝わりにくい。そのため、冷媒循環路に起因する筐体の振動という不具合を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、この発明の一実施形態に係るドラム式洗濯乾燥機の模式的な縦断面左側面図である。
図2図2は、ドラム式洗濯乾燥機において筐体内に収容された内部構造を後側から見た斜視図である。
図3図3は、筐体およびヒートポンプの要部についての縦断面正面図である。
図4図4は、ドラム式洗濯乾燥機における筐体およびヒートポンプを前側から見た斜視図である。
図5図5は、ヒートポンプの冷媒循環路を保持するホルダを後側から見た斜視図である。
図6図6は、ホルダを前側から見た斜視図である。
図7図7は、一部に平断面を含むドラム式洗濯乾燥機の要部の斜視図である。
図8図8は、一部に平断面を含むドラム式洗濯乾燥機の要部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。図1は、この発明の一実施形態に係るドラム式洗濯乾燥機1の模式的な縦断面左側面図である。図1の紙面に直交する方向をドラム式洗濯乾燥機1の左右方向Xといい、図1における左右方向をドラム式洗濯乾燥機1の前後方向Yといい、図1における上下方向をドラム式洗濯乾燥機1の上下方向Zという。左右方向Xのうち、図1の紙面における奥側を右側X1といい、図1の紙面における手前側を左側X2という。前後方向Yのうち、図1における左側を前側Y1といい、図1における右側を後側Y2という。上下方向Zのうち、上側を上側Z1といい、下側を下側Z2という。説明の便宜上、右側X1および左側X2は、ドラム式洗濯乾燥機1を後側Y2から見たときを基準として定義される。
【0014】
ドラム式洗濯乾燥機1は、筐体2と、筐体2内に収容された外槽3と、外槽3に接続された給水路4および排水路5と、排水路5を通って外槽3から排出される水から異物を捕獲する排水フィルタ6とを含む。また、ドラム式洗濯乾燥機1は、外槽3内に収容されたドラム7と、ドラム7を回転させるモータ8と、ドラム7内の洗濯物Lを乾燥させる乾燥ユニット9とを含む。
【0015】
筐体2は、ボックス状に形成される。そのため、筐体2は、垂直に延びる前壁2A、後壁2B、左壁2Cおよび右壁2Dと、水平に延びる天壁2Eおよび底壁2Fとを有する。前壁2Aには、筐体2の内外を連通させる開口2Gが形成される。前壁2Aには、開口2Gを開閉する扉10が設けられる。後壁2Bの中央には、カバー2Hによって覆われた縦長の開口2Iが形成される(後述する図4も参照)。底壁2Fは、右壁2Dの下端から左側X2に延びる右底壁2Jと、左壁2Cの下端から右側X1に延びる左底壁2Kとに分離される(後述する図2参照)。右底壁2Jおよび左底壁2Kのそれぞれには、前後方向に並んだ状態で上側Z1へ延びる2本のショックアブソーバ11の下端が連結される(図2も参照)。
【0016】
外槽3は、各ショックアブソーバ11の上端に連結される。これにより、外槽3は、各ショックアブソーバ11を介して、筐体2の底壁2Fによって弾性支持される。外槽3は、水平方向Hに沿って前後方向Yに延びる軸線Jを中心とした円筒状の円周壁3Aと、円周壁3Aの中空部分を後側Y2から塞いだ円盤状の背面壁3Bと、円周壁3Aの前端縁につながったリング状の正面壁3Cとを有する。背面壁3Bは、垂直に配置され、円環状の外周部3Dと、外周部3Dよりも後側Y2へ一段突出した円筒状の中央部3Eとを有する。中央部3Eの中心には、軸線Jに沿って中央部3Eを前後方向Yに貫通した貫通孔3Fが形成される。正面壁3Cは、円周壁3Aの前端縁から軸線J側へ張り出した円環状の第1部3Gと、第1部3Gの内周縁から前側Y1へ突出した円筒状の第2部3Hと、第2部3Hの前端縁から軸線J側へ張り出した円環状の第3部3Iとを有する。第3部3Iの内側には、円周壁3Aの中空部分に前側Y1から連通した出入口3Jが形成される。出入口3Jは、筐体2の開口2Gに対して後側Y2から対向して連通する。
【0017】
給水路4は、蛇口(図示せず)に接続された一端(図示せず)と、外槽3の背面壁3Bにおける例えば中央部3Eに接続された他端4Aとを有する。給水時には、蛇口からの水が給水路4から外槽3内に供給される。外槽3内には、水道水や、水道水に洗剤が溶けた洗剤水などの水が溜められる。給水路4の途中には、給水を開始したり停止したりするために開閉される給水弁12が設けられる。
【0018】
排水路5は、外槽3の下端部、例えば正面壁3Cの第1部3Gの下端部に接続される。外槽3内の水は、排水路5から機外に排出される。排水路5の途中には、排水を開始したり停止したりするために開閉される排水弁13が設けられる。
【0019】
排水フィルタ6は、排水路5において排水弁13よりも外槽3に近い上流部に設けられる。排水フィルタ6の前端は、筐体2の前壁2Aから前側Y1に露出されるので、使用者は、排水フィルタ6の前端を掴んで排水フィルタ6を筐体2に対して着脱させることができる。排水フィルタ6の構成として、公知の構成を用いることができる。
【0020】
ドラム7は、外槽3よりも一回り小さい。ドラム7は、外槽3の円周壁3Aと同軸上に配置された円筒状の円周壁7Aと、円周壁7Aの中空部分を後側Y2から塞いだ円盤状の背面壁7Bと、円周壁7Aの前端縁から軸線J側へ張り出した円環状の環状壁7Cとを有する。ドラム7において少なくとも円周壁7Aには、複数の貫通孔7Dが形成され、外槽3内の水は、貫通孔7Dを介して、外槽3とドラム7との間で行き来する。そのため、外槽3内の水位とドラム7内の水位とは、一致する。ドラム7の背面壁7Bの中心には、軸線Jに沿って後側Y2へ延びる支持軸14が設けられる。支持軸14の後端部は、外槽3の背面壁3Bの貫通孔3Fを通って背面壁3Bよりも後側Y2に配置される。
【0021】
環状壁7Cの内側には、円周壁7Aの中空部分に前側Y1から連通した出入口7Eが形成される。出入口7Eは、外槽3の出入口3Jおよび筐体2の開口2Gに対して後側Y2から対向して連通する。出入口3Jおよび出入口7Eは、開口2Gとともに、扉10によって一括開閉される。ドラム式洗濯乾燥機1の使用者は、開放された開口2G、出入口3Jおよび出入口7Eを介して、ドラム7内に洗濯物Lを出し入れする。
【0022】
モータ8は、外槽3の背面壁3Bの中央部3Eとほぼ同じ外径を有する円盤状であり、筐体2内において、中央部3Eの後側Y2に配置されて中央部3Eに固定される。モータ8は、ドラム7に設けられた支持軸14に連結される。モータ8が発生した駆動力は、支持軸14に伝達され、ドラム7が、支持軸14を伴って軸線Jまわりに回転駆動される。なお、モータ8と支持軸14と間には、モータ8の駆動力を支持軸14に伝達したり遮断したりするクラッチ機構(図示せず)が設けられてもよい。
【0023】
乾燥ユニット9は、外槽3内の空気を循環させるための空気循環路20および送風部21と、循環する空気から異物を捕獲するためのフィルタユニット22と、フィルタユニット22をメンテナンスするための分岐路23および注水弁24とを含む。乾燥ユニット9は、循環する空気を加熱する加熱部としてのヒートポンプ25をさらに含む。
【0024】
空気循環路20は、筐体2内において外槽3の周辺に配置された流路である。空気循環路20は、外槽3よりも高い位置で前後方向Yに延びる途中部分20Aと、途中部分20Aの後端から下側Z2へ延びる後部分20Bと、途中部分20Aの前端から下側Z2へ延びる前部分20Cとを有する。後部分20Bの下端部の前端には、取出口20Dが形成される。取出口20Dは、外槽3の背面壁3Bの外周部3Dにおいて上限水位よりも高い部分に接続され、外槽3内に後側Y2から連通する。前部分20Cの下端には、戻し口20Eが形成される。戻し口20Eは、外槽3の正面壁3Cの第2部3Hの上端部に接続され、外槽3内に上側Z1から連通する。
【0025】
送風部21は、空気循環路20の途中部分20A内において取出口20Dに近い上流側の領域に配置された回転羽根21Aと、回転羽根21Aを回転させる電動のモータ21Bとを含むファンである。回転羽根21Aが回転すると、外槽3内の空気、つまり外槽3内およびドラム7内の空気が、太い破線矢印で示すように、取出口20Dから空気循環路20内に取り出された後に、戻し口20Eから外槽3内に戻される。これにより、外槽3内の空気は、外槽3と空気循環路20とを順に流れるように循環する。
【0026】
フィルタユニット22は、空気循環路20内において回転羽根21Aよりも取出口20D側の領域、詳しくは後部分20B内に配置される。フィルタユニット22は、例えばメッシュシートによって構成されたフィルタFを単数または複数含む。フィルタFは、空気循環路20を流れる空気が通過する位置において、縦に延びた姿勢で配置される。フィルタFが複数設けられる場合には、これらのフィルタFは、空気循環路20における空気の流れ方向に重なって配置される。循環のために取出口20Dから取り出されて空気循環路20内を流れる空気がフィルタFを通過すると、この空気に含まれるリントなどの異物がフィルタFによって捕獲される。
【0027】
分岐路23は、給水路4において給水弁12よりも蛇口に近い上流部から分岐し、フィルタユニット22に接続される。注水弁24は、分岐路23に設けられ、フィルタユニット22のフィルタFへの注水を開始したり停止したりするために開閉される。注水弁24が開くと、給水路4からの水が分岐路23を通ってフィルタユニット22に供給され、フィルタFに上側Z1から注がれる。これにより、フィルタFによって捕獲された異物が、フィルタFから剥がれ落ちて、空気循環路20の取出口20Dから外槽3内に落下し、排水フィルタ6に捕獲される。排水フィルタ6によって捕獲された異物は、適当なタイミングにおいて使用者が排水フィルタ6を取り外してメンテナンスする際に除去される。なお、フィルタユニット22は、フィルタFから異物を剥がすために回動する電動ワイパ(図示せず)を含んでもよい。
【0028】
ヒートポンプ25は、冷媒を圧縮するコンプレッサ26と、冷媒と空気循環路20内の空気との間で熱交換を行う熱交換器27と、コンプレッサ26と熱交換器27との間で冷媒を循環させる冷媒循環路28とを有する。
【0029】
コンプレッサ26として、公知の電動コンプレッサを採用できる。コンプレッサ26は、ドラム7の回転軸線である軸線Jよりも低い位置に配置される。具体的には、図2を参照して、コンプレッサ26は、筐体2の底壁2Fと外槽3の円周壁3Aとの間の下領域Pにおいて前後のショックアブソーバ11の間に配置され、右底壁2Jに固定される。下領域Pは、円周壁3Aの右下外周面と右壁2Dと右底壁2Jとによって区画されて前後方向Yに延びる略三角柱状の空間である。
【0030】
コンプレッサ26は、上下方向Zに延びる円筒状のケーシング30と、ケーシング30の下端に設けられた板状のブラケット31とを有する。ブラケット31は、ケーシング30の下端から突出した複数の突出部31Aを有する。この状態形態では、ブラケット31は、前側Y1へ突出した突出部31Aと、後側Y2へ突出した突出部31Aと、右側X1および左側X2のどちらかへ突出した突出部31Aという3つの突出部31Aを有する。
【0031】
図3は、ブラケット31においてケーシング30から前側Y1へ突出した突出部31Aを通る位置で切断したときの筐体2の右底壁2Jおよびブラケット31の縦断面正面図である。各突出部31Aには、突出部31Aを上下方向Zに貫通した貫通孔31Bが形成され、右底壁2Jにおいて貫通孔31Bの真下の位置には、右底壁2Jを上下方向Zに貫通した貫通孔2Lが形成される。
【0032】
各突出部31Aと右底壁2Jとの間には、防振部材32が配置される。防振部材32は、上下方向Zに延びる貫通穴32Aを有する円筒状のグロメットであり、ゴムなどの弾性材料で構成される。防振部材32の上端部の外周面には、その周方向に沿って延びる溝32Bが形成される。防振部材32の上端部は、突出部31Aの貫通孔31Bに下側Z2から挿入され、突出部31Aにおける貫通孔31Bの周縁部は、防振部材32の溝32Bに嵌め込まれる。ボルト33のねじ部33Aが、右底壁2Jの貫通孔2Lおよび防振部材32の貫通穴32Aに下側Z2から挿入され、貫通穴32Aよりも上側Z1にはみ出して配置される。ねじ部33Aには、ナット34が組み付けられ、防振部材32は、ボルト33の下端に位置する頭部33Bとナット34との間で挟まれる。これにより、ブラケット31の各突出部31Aが防振部材32を介して右底壁2Jに固定されるので、ブラケット31を有するコンプレッサ26全体が右底壁2Jに固定される。
【0033】
図4を参照して、熱交換器27は、空気循環路20の途中部分20A内において送風部21の回転羽根21Aよりも戻し口20Eに近い下流側、具体的には前側Y1の領域に配置される(図1も参照)。途中部分20Aは、前述したように外槽3よりも高い位置に配置されるので、途中部分20A内の熱交換器27は、外槽3の軸線Jよりも高い位置に配置される。なお、図4では、熱交換器27が見えるように、途中部分20Aの一部の図示が省略される。熱交換器27は、加熱側の第1熱交換器27Aと、冷却側の第2熱交換器27Bと、第1熱交換器27Aと第2熱交換器27Bとをつなぐキャピラリチューブ27Cとを有する。
【0034】
途中部分20A内において、この実施形態では、第1熱交換器27Aは、回転羽根21Aよりも下流側つまり前側Y1に配置され、第2熱交換器27Bは、第1熱交換器27Aよりも下流側に配置される。途中部分20A内における第1熱交換器27Aおよび第2熱交換器27Bのレイアウトは、任意に変更できる。第1熱交換器27Aには、複数の放熱フィン27Dが設けられ、第2熱交換器27Bには、複数の冷却フィン27Eが設けられる。第1熱交換器27Aおよび第2熱交換器27Bのそれぞれの内部には、冷媒の流路(図示せず)が設けられる。キャピラリチューブ27Cは、第1熱交換器27A内の流路と、第2熱交換器27B内の流路とをつなぐ。
【0035】
冷媒循環路28は、銅などの金属製のパイプによって構成され、コンプレッサ26と熱交換器27とをつなぐ。冷媒循環路28は、コンプレッサ26から冷媒を取り出した後に熱交換器27を経て再びコンプレッサ26に戻す循環流路である。冷媒循環路28は、コンプレッサ26から冷媒を取り出して第1熱交換器27A内の流路まで送る送り側流路28Aと、第1熱交換器27Aからキャピラリチューブ27Cを経由して第2熱交換器27B内の流路を流れた冷媒をコンプレッサ26に戻す戻し側流路28Bとを有する。第1熱交換器27A内の流路を送り側流路28Aの一部とみなしてもよく、第2熱交換器27B内の流路を戻し側流路28Bの一部とみなしてもよい。送り側流路28Aおよび戻し側流路28Bのそれぞれの外周面の大部分は、ゴムなどによって構成された弾性部材29によって被覆される。
【0036】
ドラム式洗濯乾燥機1は、マイコンが搭載された基板によって構成された制御部35(図1参照)を含む。制御部35には、モータ8、給水弁12、排水弁13、送風部21、注水弁24およびヒートポンプ25などの電気部品が電気的に接続される。制御部35は、これらの電気部品の動作を制御することによって洗濯乾燥運転を実行する。洗濯乾燥運転は、洗い工程と、すすぎ工程と、脱水工程と、乾燥工程とを含む。乾燥工程は、単独の乾燥運転として、洗濯乾燥運転とは別に実行されてもよい。
【0037】
洗い工程の開始に先立って、ドラム7内に洗剤が投入される。制御部35は、洗い工程では、排水弁13を閉じた状態で、給水弁12を所定時間開いて外槽3およびドラム7に給水してから、モータ8によってドラム7を回転させる。これにより、ドラム7内の洗濯物Lが、たたき洗いされる。たたき洗いでは、洗濯物Lがある程度持ち上げられてから水面に自然落下するというタンブリングが繰り返される。タンブリングによる衝撃や、ドラム7に溜まった洗剤水に含まれる洗剤成分によって、洗濯物Lから汚れが取り除かれる。タンブリングの開始から所定時間が経過した後に、制御部35が排水弁13を開いて排水すると、洗い工程が終了する。
【0038】
制御部35は、すすぎ工程では、排水弁13を閉じた状態で、給水弁12を所定時間開いて外槽3およびドラム7に給水してから、モータ8によってドラム7を回転させる。すると、前述したタンブリングが繰り返されるので、洗濯物Lがドラム7内の水道水によってすすがれる。タンブリングの開始から所定時間が経過した後に、制御部35が排水すると、すすぎ工程が終了する。すすぎ工程は、複数回繰り返されてもよい。制御部35は、脱水工程では、排水弁13を開いた状態で、ドラム7を脱水回転させる。ドラム7の脱水回転により生じた遠心力によって、ドラム7内の洗濯物Lが脱水される。脱水により洗濯物Lから染み出た水は、排水路5から機外に排出される。脱水工程は、すすぎ工程後だけでなく、洗い工程後にも実施されてもよい。
【0039】
制御部35は、乾燥工程では、送風部21とヒートポンプ25のコンプレッサ26とを作動させることによって熱風を発生させてドラム7と空気循環路20との間で循環させ、ドラム7内の洗濯物Lに供給する。具体的には、ヒートポンプ25では、冷媒が、コンプレッサ26によって圧縮されることで高温高圧になり、その後、送り側流路28Aを経て第1熱交換器27A内を通過する際に放熱する。第1熱交換器27Aでは、冷媒の放熱によって放熱フィン27Dが高温になる。空気循環路20内を流れる空気は、放熱フィン27Dの周囲を通過する際に加熱されて熱風になる。つまり、空気循環路20内の空気は、第1熱交換器27Aを流れる冷媒との間での熱交換によって熱風となる。この熱風が外槽3に流出してドラム7内の洗濯物Lに供給されることにより、洗濯物Lが乾燥する。
【0040】
一方、第1熱交換器27Aを通過した冷媒は、キャピラリチューブ27Cを通過する際に減圧されることによって低温になり、その後、第2熱交換器27B内を通過する際に冷却フィン27Eを冷やす。乾燥によって洗濯物Lから蒸発した水分を含んだ空気は、空気循環路20内で冷却フィン27Eの周囲を通過する際に除湿される。除湿された空気は、第1熱交換器27Aによって熱風になって、洗濯物Lの乾燥に再利用される。
【0041】
リントなどの異物が、乾燥工程中において熱風に乗って流れるが、前述したようにフィルタユニット22のフィルタFによって捕獲される。制御部35は、乾燥工程中または乾燥工程後の適切なタイミングにおいて、メンテナンス処理として、注水弁24を開いてフィルタFに注水し、フィルタFから異物を取り除く。
【0042】
洗濯運転中、特に脱水工程中では、ドラム7の回転に伴って外槽3やモータ8が振動する。さらに、乾燥工程中では、ヒートポンプ25のコンプレッサ26の作動に応じて振動が発生する。ヒートポンプ25では、コンプレッサ26と熱交換器27とが上下方向Zに離されて配置されて冷媒循環路28によってつながれる構造上、冷媒循環路28が長くなる。この場合、冷媒循環路28が外槽3やモータ8の振動を受けたり、冷媒循環路28自身の振動を筐体2に伝達したりする不具合が想定される。このような不具合を防止するために、ドラム式洗濯乾燥機1は、筐体2に固定されて冷媒循環路28を保持するホルダ40を含む。
【0043】
図5は、筐体2に固定された状態のホルダ40だけを抜き出して後側Y2から見た斜視図である。ホルダ40は、例えば樹脂製であり、湾曲したレール状に形成される。筐体2に固定された状態を基準として、ホルダ40は、左上側へ斜めに延びる下端部40Aと、上側Z1へ延びる上端部40Bと、これらをつなぐ湾曲部40Cとを有する。湾曲部40Cは、下端部40Aから上側Z1へ湾曲した後に上側Z1へ垂直に延び、そして、左側X2へ湾曲してから上側Z1へ湾曲して上端部40Bにつながる。下端部40Aから上端部40Bへ向かう方向、または、上端部40Bから下端部40Aへ向かう方向は、ホルダ40の長手方向である。
【0044】
ホルダ40は、ホルダ40の全体形状と同様に湾曲した左右一対の帯状の側板41と、これらの側板41間に架設されて正面視において各側板41と同様に湾曲した底板42とを一体的に有する。ホルダ40は、これらの側板41間に配置されて底板42から前側Y1へ突出しつつ各側板41と同様に湾曲した仕切り板43も一体的に有する。ホルダ40には、これらの側板41によって挟まれて底板42によって後側Y2から塞がれた溝部40Dが形成される。溝部40Dは、ホルダ40の長手方向における全域において前側Y1へ開放されるとともに、下端部40Aでは右下側へ開放されて、上端部40Bでは上側Z1へ開放される。溝部40Dは、仕切り板43によって、左側X2の第1溝部40Eと右側X1の第2溝部40Fとに分割される。第1溝部40Eおよび第2溝部40Fは、各側板41や仕切り板43と同様に湾曲した細長い溝状空間であって、互いにほぼ同じ大きさを有する(後述する図6も参照)。
【0045】
各側板41の前縁部には、単数または複数のU字状の切欠き41Aが形成される。各側板41では、溝部40Dに臨む内側面41Bとは反対の外側面41Cにおいて切欠き41Aを避けた位置には、前後方向Yに延びる補強用のリブ41Dが複数設けられる。
【0046】
底板42は、各側板41の前後方向Yにおける中央部に連結される。底板42の後面には、後側Y2へ突出した補強用のリブ42Aが複数設けられる。各リブ42Aは、一対の側板41においてホルダ40の長手方向で同じまたは略同じ位置にあるリブ41D同士の間に架設される。これにより、全てのリブ42Aと一対の側板41とは、背面視において、はしご状に配置される。
【0047】
底板42の後面には、後側Y2へ突出したボス42Bが複数設けられる。この実施形態では、ボス42Bは、合計で3つ設けられ、ホルダ40の下端部40Aおよび上端部40Bのそれぞれの近傍に1つずつ配置され、下端部40Aと上端部40Bとの間の途中位置に1つ配置されるように、ホルダ40の長手方向に並んで設けられる。各ボス42Bは、リブ42Aと重なる位置に設けられてもよいし、リブ42Aを避けた位置に設けられてもよい。各ボス42Bの後端面には、前側Y1へ延びるねじ穴42Cが形成される。
【0048】
図6は、筐体2に固定された状態のホルダ40だけを抜き出して前側Y1から見た斜視図である。仕切り板43において、その長手方向における複数の位置のそれぞれには、仕切り板43を板厚方向に貫通した一対の切込み43Aが形成される。仕切り板43において一対の切込み43Aの間の部分は、弾性変形可能な小片状の係合部43Bを構成する。複数の係合部43Bが、仕切り板43の長手方向に並んで設けられる。各係合部43Bの先端部43Cをなす前端部は、第1溝部40Eおよび第2溝部40Fの両方へ延びることにより、T字状の断面を有する(後述する図8も参照)。各係合部43Bの後端部は、根元部43Dを構成する。底板42における各係合部43Bの根元部43Dの周辺には、底板42を貫通した肉抜き穴42Dが形成される。肉抜き穴42Dは、リブ42Aおよびボス42Bを避けた位置において、各係合部43Bの根元部43Dの両側に設けられる(図5参照)。
【0049】
ホルダ40は、第1溝部40Eおよび第2溝部40Fが前側Y1へ開放された姿勢で、筐体2の後壁2Bと外槽3の背面壁3Bとの間に配置される。ホルダ40全体は、後壁2Bの開口2Iを迂回するように開口2Iの右上側に配置される(図4参照)。ホルダ40では、下端部40Aと上端部40Bとの間の湾曲部40Cが、背面壁3Bの中央部3Eおよびモータ8のそれぞれの右外周面に沿った状態で、外槽3およびモータ8から離れて配置される(図2参照)。
【0050】
図7に示すように、ホルダ40の一部である各ボス42Bの後端面は、後壁2Bに前側Y1から接触して配置される。後壁2Bにおいて各ボス42Bのねじ穴42Cと重なる位置には、後壁2Bを前後方向Yに貫通する貫通穴2Mが形成される。固定部材の一例であるボルト45が、後側Y2から貫通穴2Mを通ってねじ穴42Cに組み付けられる。これにより、各ボス42Bが後壁2Bに固定されるので、ホルダ40の全体が筐体2に固定される。
【0051】
図7とは違う位置の断面を示した図8に示すように、ホルダ40では、ボス42B以外の部分が、後壁2Bから前側Y1へ浮いた状態にあることにより、筐体2に対して非接触である。また、ホルダ40では、冷媒循環路28における送り側流路28Aが、溝部40Dにおける第1溝部40Eに前側Y1から嵌め込まれ、冷媒循環路28における戻し側流路28Bが、溝部40Dにおける第2溝部40Fに前側Y1から嵌め込まれる。送り側流路28Aおよび戻し側流路28Bのそれぞれにおいて溝部40Dに嵌め込まれた部分は、ホルダ40に沿って湾曲して配置される(図4参照)。ホルダ40において第1溝部40Eと第2溝部40Fとの間に位置する各係合部43Bの先端部43Cが、送り側流路28Aおよび戻し側流路28Bのそれぞれを被覆した弾性部材29に係合する。各係合部43Bは、弾性変形可能なので、送り側流路28Aおよび戻し側流路28Bのそれぞれが溝部40D内で変位できるように弾性部材29に係合する。
【0052】
送り側流路28Aおよび戻し側流路28Bのそれぞれにおいてコンプレッサ26に接続された部分は、ホルダ40に近付くように後側Y2へ折り曲げられる(図2参照)。送り側流路28Aおよび戻し側流路28Bのそれぞれにおいてホルダ40から上側Z1にはみ出した部分は、熱交換器27に近付くように前側Y1へ折り曲げられる(図2参照)。このように送り側流路28Aおよび戻し側流路28Bのそれぞれをホルダ40の溝部40Dに収容したり溝部40Dの外では折り曲げたりすることによって、冷媒循環路28を最短距離で取り回してコンプレッサ26と熱交換器27とにつなぐことができる。
【0053】
以上のように、冷媒循環路28は、外槽3を収容する筐体2側のホルダ40に保持されることによって筐体2に固定される。そのため、冷媒循環路28が外槽3に固定される場合と比べて、冷媒循環路28が外槽3やモータ8から離されることにより、外槽3やモータ8の振動が冷媒循環路28に伝わりにくいので、外槽3やモータ8の振動に起因する冷媒循環路28の破損という不具合を防止できる。
【0054】
また、ホルダ40では、その一部であるボス42Bだけが筐体2に固定されるので、コンプレッサ26の振動が冷媒循環路28を経由してホルダ40に伝わっても、この振動がホルダ40から筐体2に伝わりにくい。そのため、冷媒循環路28に起因する筐体2の振動という不具合を防止できる。
【0055】
さらに、冷媒循環路28は、弾性部材29によって被覆された状態でホルダ40の溝部40Dに嵌め込まれ、ホルダ40の各係合部43Bは、冷媒循環路28が溝部40D内で変位できるように弾性部材29に係合する。つまり、冷媒循環路28は、弾性部材29によって被覆された状態で、ホルダ40によって緩めに保持される。そのため、冷媒循環路28は、弾性部材29の厚みや係合部43Bの弾性変形量に応じた遊びを持って、溝部40Dに嵌め込まれる。よって、コンプレッサ26の振動が冷媒循環路28に伝わっても、この振動は、弾性部材29や係合部43Bの弾性変形による冷媒循環路28の変位によって吸収されるので、冷媒循環路28からホルダ40や筐体2に伝わりにくい。そのため、冷媒循環路28に起因する筐体2の振動という不具合を防止できる。なお、弾性部材29は、振動を防止する機能の他に、断熱材としての機能も有するので、例えば、冷媒循環路28の送り側流路28Aでは、コンプレッサ26によって圧縮されて高温になった冷媒を、その温度を維持しつつ熱交換器27まで届けることができる。
【0056】
また、前述したように、コンプレッサ26が軸線Jよりも低い位置に配置される一方で、熱交換器27が軸線Jよりも高い位置に配置される。そのため、コンプレッサ26と熱交換器27とは、上下方向Zに分離して配置される。この構成であれば、コンプレッサ26と熱交換器27と一体化される従来の構成と比べて、筐体2の高さ寸法を抑えて筐体2の体積の小型化を図ることができる。
【0057】
さらに、コンプレッサ26と熱交換器27とが分離して配置される場合には、コンプレッサ26が熱交換器27の熱の影響を受けにくくなるし、従来に構成のようにコンプレッサ26および熱交換器27をケースに収容する必要がなくなるので、コンプレッサ26の周囲に熱がこもりにくい。そのため、コンプレッサ26の作動停止後には、コンプレッサ26の自然冷却を促進しやすくなることにより、コンプレッサ26の冷却性の向上も図ることができる。また、熱交換器27を収容するケースを用いた場合には、コンプレッサ26を冷却するための通気口を当該ケースに形成したり、当該通気口を開閉する開閉弁を設けたりしなくても済むので、外槽3や空気循環路20における気密性を向上させて湿気の流出などを防止することができる。
【0058】
この発明は、以上に説明した実施形態に限定されるものではなく、請求項に記載の範囲内において種々の変更が可能である。
【0059】
例えば、ドラム式洗濯乾燥機1では、軸線Jが水平方向Hに沿うようにドラム7が配置される構成に代えて、軸線Jが水平方向Hに傾斜するようにドラム7が配置されてもよい。
【符号の説明】
【0060】
1 ドラム式洗濯乾燥機
2 筐体
3 外槽
7 ドラム
20 空気循環路
20D 取出口
20E 戻し口
21 送風部
25 ヒートポンプ
26 コンプレッサ
27 熱交換器
28 冷媒循環路
29 弾性部材
40 ホルダ
40D 溝部
43B 係合部
45 ボルト
L 洗濯物
J 軸線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8