(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-25
(45)【発行日】2024-02-02
(54)【発明の名称】液体材料供給装置
(51)【国際特許分類】
B01J 4/00 20060101AFI20240126BHJP
B05C 11/10 20060101ALI20240126BHJP
【FI】
B01J4/00 103
B05C11/10
(21)【出願番号】P 2020009648
(22)【出願日】2020-01-24
【審査請求日】2022-11-17
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002686
【氏名又は名称】協明国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 毅
(72)【発明者】
【氏名】笠原 朋樹
(72)【発明者】
【氏名】森 拓也
【審査官】山田 陸翠
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/066660(WO,A1)
【文献】中国実用新案第205312241(CN,U)
【文献】特開平07-024295(JP,A)
【文献】特開平07-155674(JP,A)
【文献】特開2007-062777(JP,A)
【文献】特開2007-137513(JP,A)
【文献】韓国特許第10-1202422(KR,B1)
【文献】中国実用新案第209723539(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2012/0269945(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 4/00- 4/04
B01J 19/00-19/32
B05B 7/00- 7/32
B05C 11/00-11/115
B65D 81/00-81/38
B65D 83/00-83/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体材料が収容可能で密閉可能な容器と、該容器内に加圧用ガスを供給するガス導入部と、該容器内の液体材料を外部に送り出す材料送出部と、該容器内を温度調整する温調部と、を備えた液体材料供給装置であって、
前記容器は
、上方を開口した容器本体と、該容器本体の開口を閉塞するための蓋体とを備え、該容器本体および該蓋体のそれぞれは、それぞれの外郭部が閉塞空間を内部に有するよう
に二層で形成されており、
前記容器本体および前記蓋体のそれぞれに設けられた前記閉塞空間を減
圧して真空状態とすることを可能とした減圧部をさらに備えていることを特徴とする液体材料供給装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記容器内に出し入れ自在であり、かつ前記液体材料を収容可能とした材料収容器をさらに備えていることを特徴とする液体材料供給装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記温調部が前記容器の内壁面側に配設された空冷用配管で構成されていることを特徴とする液体材料供給装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項において、
前記材料送出部は材料送出用配管を有し、該材料送出用配管が前記蓋体に固定可能とされ、前記容器内の下部に至るように配設可能としたことを特徴とする液体材料供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器内に収容された液体材料を外部に送出可能とした液体材料供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の液体材料供給装置として、特許文献1に記載してあるような加圧式のものや、さらに温度調節ができるものが知られている。温度調節により粘度維持や調整を必要とする塗料などの液体材料を外部に供給する装置の場合には、容器内の温度調節ができる温調部を備えるほか、内部の温度調節をより効率的にするための断熱構造をさらに備えることが望ましいとされている。断熱構造としては、例えばウレタン、グラスウールなどの断熱材を用いることを想定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような断熱材は嵩が大きくなるため、小さな外形寸法の液体材料供給装置を形成したい場合には不向きである。また、上記の断熱材は、塗料の冷却に用いる場合には断熱効果が不十分であり、容器の内部の冷却することで容器の外側に結露が生じるおそれもある。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮して提案されたもので、その目的は、容器の断熱効果の向上を図ることができ、かつ装置の小型化を実現できる液体材料供給装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の液体材料供給装置は、液体材料が収容可能で密閉可能な容器と、該容器内に加圧用ガスを供給するガス導入部と、該容器内の液体材料を外部に送り出す材料送出部と、該容器内を温度調整する温調部と、を備えた液体材料供給装置であって、前記容器は、上方を開口した容器本体と、該容器本体の開口を閉塞するための蓋体とを備え、該容器本体および該蓋体のそれぞれは、それぞれの外郭部が閉塞空間を内部に有するように二層で形成されており、前記容器本体および前記蓋体のそれぞれに設けられた前記閉塞空間を減圧して真空状態とすることを可能とした減圧部をさらに備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の液体材料供給装置は上述した構成とされているため、容器の断熱効果の向上を図ることができ、かつ装置の小型化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態に係る液体材料供給装置の模式的縦断面図である。
【
図2】(a)は同液体材料供給装置の模式的な分解図、(b)は材料収容器の模式的底面図、(c)は容器本体の模式的底面図、(d)は同液体材料供給装置を模式的に示した使用態様図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しながら説明する。まず、液体材料供給装置1の概略基本構成について記述する。
【0010】
液体材料供給装置1は、液体材料が収容可能で密閉可能な容器Aと、容器A内に加圧用ガスを供給するガス導入部40と、容器A内の液体材料を外部に送り出す材料送出部60と、容器A内を温度調整する温調部70とを備えている。この容器Aは、その外郭部Bが閉塞空間15,32を内部に有するように二層で形成されている。また液体材料供給装置1は、その閉塞空間15,32を減圧可能とした減圧部50をさらに備えた構成とされている。
【0011】
つまり、本液体材料供給装置1は、容器Aの外郭部Bがジャケット構造とされ、その閉塞空間15,32が減圧部50により、大気圧より低い圧力の真空状態とすることができるような構成とされている。
【0012】
ついで、本液体材料供給装置1の詳細構成および使用態様について、
図1および
図2を参照しながら説明する。なお、
図1および
図2に例示した液体材料供給装置1は、液体材料である塗料3(
図2(a)(d)参照)を樹脂成形品などの被塗装面5(
図2(d)参照)に供給し、被塗装面5を塗装するために用いられる。この種の液体材料供給装置1は例えば、樹脂成形品に表面模様を施す場合に使用される。
【0013】
容器Aは、上方を開口した略円筒形状の容器本体10と、容器本体10の開口11を閉塞するための略円盤形状の蓋体30とを備えている(
図1および
図2参照)。また、本液体材料供給装置1はさらに、容器A内に出し入れ自在であり、かつ液体材料を収容可能とした略円筒形状の材料収容器20を備えている(
図1および
図2(a)参照)。容器本体10、蓋体30および材料収容器20はステンレスで形成されているが、これには限らず他の金属材や合成樹脂材で形成されたものであってもよい。
【0014】
容器本体10は、開口11側の外壁面13bにフランジ部12を備え、蓋体30は、外周面にフランジ部31を備えている。容器本体10の上端の蓋体30と対向する部分には、パッキンが設けてある。容器Aは、容器本体10の開口11を蓋体30で塞いだ状態で両部材を固定する締め具37をさらに備えている。なお、締め具37を用いず、蓋体30を容器本体10の開口11に嵌め込んで密閉できるものであってもよい。
【0015】
容器本体10は、板状体を加工して形成され、その全体が二層構造とされ、二層の板状体間に挟まれてなる内部空間15を有している。この容器本体10の内部空間15は、周壁部13と底部14と間で相互に連通するように全体にわたり形成されている。また、蓋体30も板状体にて形成され、その板状体が二層構造とされ、二層の板状体間に挟まれてなる内部空間32を有している。
【0016】
これらの内部空間15,32は閉塞空間15,32とされる。ようするに、容器本体10と蓋体30とを含む容器Aの外郭部Bは、閉塞空間15,32を内部に有するように、その全体が二層構造とされている。この閉塞空間15,32の厚さ寸法は1~10mmとすることが望ましい。
【0017】
容器本体10の外壁面13bの上部には、内部空間15から外部(側部)に通じるように外側に突出した減圧口51aが形成されている。蓋体30にも、内部空間32から外部(上部)に通じるように上側に突出した減圧口52aが形成されている。
【0018】
容器本体10は、周壁部13を貫通するように開口した空冷用配管の取付開口(入り口17と出口18)を有している。また蓋体30は、ガス導入部40用の開口であるガス導入口41、材料送出部60の材料送出用配管62取付用の材料配管口61およびリリーフバルブ35用のリリーフバルブ用開口33を備えている。これらの開口は蓋体30を貫通するように形成されている。このリリーフバルブ35は容器A内の圧力調整用のバルブとされる。
【0019】
材料収容器20は、上述したように略円筒形状とされ、
図1および
図2(a)に示すように容器本体10に収納可能とされ、かつ出し入れ可能とされる。材料収容器20の外径は、容器本体10の内径よりもやや小とされるが、
図1に示すように、材料収容器20を容器本体10に収納したときに、後述する空冷用配管71を材料収容器20の周囲に螺旋状に配設できる程度の配管用間隙16を有するものが望ましい。また、材料収容器20の高さ寸法は、容器本体10の深さ寸法よりも小とされることが望ましい。
【0020】
材料収容器20は内径を約10cm、深さ寸法を10~20cm程度のものとすれば、例えば樹脂成形品の表面を塗装するための塗料3(
図2参照)として十分な量を収容でき、容器本体10への出し入れも容易にできる。また、容器本体10の寸法は材料収容器20の寸法におうじたものとなり得るため、装置の持ち運びや装置を用いた作業はしやすい。なお、このような寸法の容器Aの場合、真空断熱構造としての効果を上げるためには、外郭部Bの内部空間15,32の厚みを4~6mmとすることが好ましい。
【0021】
また、材料収容器20の内底部21は、周囲側より中央に向けて降下傾斜したすり鉢様に形成されており、裏面の外底側には傾斜底23より下方に延びた支持脚22が形成されている。支持脚22は、
図2(b)の底面図に示すように、円の中心線に沿った2本の脚部が中央でクロスする十字形状とされ、その支持脚22の底面22aは平坦面とされる。
【0022】
ついで、ガス導入部40、材料送出部60、減圧部50および温調部70のそれぞれについて詳述する。
【0023】
ガス導入部40は、加圧用ガスを容器A内に供給するように構成されている。
図1の例のものは、蓋体30に設けたガス導入口41と、ガス導入口41に接続された圧力計継手42と、圧力計43と、開閉弁44と、エアー継手45とを有してなる。このガス導入部40は、加圧ガス源47からのガスを開閉弁44の開閉により、容器A内に供給、停止できるように構成されている。
【0024】
材料送出部60は、容器A内の液体材料を外部に送出するように構成されている。
図1の例のものは、蓋体30に設けた材料配管口61と、材料配管口61に取り付けられた材料送出用配管62とを備えている。
図1の材料送出部60はさらに、蓋体30の外面側に突出した材料送出用配管62の上部に、接続具63を介して取り付けたホース64と、その先端部に配した塗装用の吐出ノズル65とを備えている。
【0025】
材料送出用配管62は、
図1に示すように、蓋体30の略中央に取り付けられており、略直下方向の材料収容器20内空間の下部(内底部21の少し上の空間部)まで延びるように配される。このように、材料送出用配管62は、その下端の材料取り込み口62aが材料収容器20の下部に配されるような長さ寸法とされる。
【0026】
材料収容器20内に上記のような材料送出用配管62を配することで、材料取り込み口62aが材料収容器20の下部の中央に配されることとなり、液体材料が材料収容器20内に少量しか残っていない場合でも、液体材料を効率よく取り込むことができる。
【0027】
減圧部50は、容器Aに形成された内部空間15,32を真空空間にできるように構成されている。
図1に示した例では、容器本体10および蓋体30は相互に別体とされ、それぞれが内部空間15,32を有しており、それぞれの内部空間15,32に対応した減圧部50(本体側減圧部51、蓋側減圧部52)を備えている。
【0028】
本体側減圧部51は、容器本体10に設けた減圧口51aと、真空計継手51bと、真空計51cと、開閉弁51dとを備えており、開閉弁51dに配管を通じて接続された減圧装置55により内部空間15を真空にできるように構成されている。この内部空間15は、真空計継手51b、開閉弁51dを取り付けた状態で閉塞空間15となり得、減圧装置55で減圧され中真空または低真空程度の真空状態となってから開閉弁51dを閉じれば、真空状態が維持される。
【0029】
蓋側減圧部52も、蓋体30に設けた減圧口52aと、真空計継手52bと、真空計52cと、開閉弁52dとを備えており、開閉弁52dに配管を通じて接続された減圧装置55により内部空間32を真空にできるように構成されている。この内部空間32も、真空計継手52b、開閉弁52dを取り付けた状態で閉塞空間32となり得、減圧装置55で減圧され中真空または低真空程度の真空状態となってから開閉弁52dを閉じれば、真空状態が維持される。
【0030】
このように容器本体10の内部空間(閉塞空間)15および蓋体30の内部空間(閉塞空間)32の両者を真空状態にすることで、容器Aを真空断熱構造の容器として利用することができる。
【0031】
温調部70は、容器本体10内を冷却するためのもので、本実施形態のものでは、冷却空気にて容器本体10内を冷却する構成とされている。具体的には、空冷用配管71が材料収容器20の外壁面に螺旋状に巻きつくように、容器本体10の内壁面13aと、材料収容器20の外壁面との間の配管用間隙16に配されている。
【0032】
空冷用配管71は、冷却空気の供給側では空冷用配管71の入り口17、継手72を介して、冷却空気を供給する空冷源に接続され、空気の排出側では空冷用配管71の出口18を介して、開閉可能な排出部(排出弁77)に接続されている。空冷源はエアークーラー73とされ、その上流側には開閉弁75が配され、下流側には継手72に接続されるホース74が配されている。
【0033】
冷却空気供給側の開閉弁75と空気排出側の排出弁77とを開くことで、冷却空気が、螺旋状に配された空冷用配管71内を流れ、その冷却空気により容器本体10の内部が冷却される。そのため、冷却空気の供給量を調整することで、容器本体10内を所定の温度にコントロールすることができる。
【0034】
液体材料供給装置1を以上のような構成としたことにより、容器A内に、加圧ガス源47からの加圧ガスを、ガス導入部40を通じて送りこむことで、温調部70で温度コントロールされた材料収容器20内の液体材料を冷却された状態で外部に送出することができる。
【0035】
したがって、容器A(材料収容器20)内に液体材料である塗料3を収容すれば、容器A内では塗料3を適温の状態に維持することができる。そして、容器A内では塗料3を、低粘度を維持した状態で長時間保存でき、塗装に適した粘度の塗料3を被塗装面5に吐出することができる。
【0036】
特に、本液体材料供給装置1は、蓋体30を含む容器Aの外郭部Bの略全体が真空断熱構造とされているため、断熱効率を高めることができ、外気温にかかわらず液体材料をおおむね一定の温度で長期間維持することができる。また、本液体材料供給装置1はこのような真空断熱構造を採用しているため、他の断熱材を用いたものにくらべ全体を小型化することもできる。このような装置の小型化により、被塗装面5の上を液体材料供給装置1を移動させながら塗装する装置の使用などにおいて、より使いやすくなり得る。また、真空断熱構造は他の断熱材にくらべ断熱効率がよいため、容器Aの外面には結露が生じにくい。
【0037】
なお、容器Aの内部空間15,32を減圧して真空状態にすれば、内部空間15,32が閉塞空間15,32であるため、減圧処理を停止したのちも長期間、閉塞空間15,32を真空状態に維持することができる。そのため、減圧部50には常時、減圧装置55が接続されていなくてもよく、真空断熱効果が弱まったときに減圧装置55を再接続して減圧処理を行えばよい。もちろん、減圧部50が内部空間15,32を常時減圧して真空状態を維持できるような構成であってもよい。
【0038】
このように本実施形態に示した液体材料供給装置1は、減圧部50が減圧装置55を接続するための接続部としての機能を有した構成とされているが、減圧装置55を含んだ構成であってもよい。
【0039】
また、本実施形態に示した液体材料供給装置1は真空断熱構造を有しているため、容器A内の液体材料(塗料3)の温度変化が生じない状態であれば、温調部70を常時動作させなくてもよい。例えば、本液体材料供給装置1を用いて被塗装面5を塗装する場合、塗装作業中は冷却を停止させておいてもよい。
【0040】
以上のように、減圧処理および温度調節(冷却)は常時実行されなくてもよいため、塗装など液体材料供給処理を実施する場合に、本液体材料供給装置1を、減圧装置55や空冷源(エアークーラー73)を切り離した身軽な状態にすることができる。
【0041】
また、容器本体10が、内部に取り外し自在の材料収容器20を有した二重容器構造とされているため、材料収容器20を取り出すことで液体材料の充填、補充をしやすくすることができる(
図2(a)参照)。また、材料収容器20は支持脚22を備えているため、
図2(a)に示すように材料収容器20を容器本体10から取り出した状態であっても、台などの上に安定的に載置でき、よって塗料3の充填、補充操作がしやすくなる。
【0042】
なお、材料収容器20を安定した状態に載置するためには、支持脚22を設ける代わりに、材料収容器20のすり鉢様の内底部21の形状にかかわらず、外底面全体を平面としてもよい。また、他の形状の支持脚22を設けてもよい。さらにまた、材料収容器20を安定状態に設置できる専用の設置台を使用する場合などには、外底部が、すり鉢様の内底部21の形状に合致した湾曲形状などの不安定な底を有した材料収容器20であってもよい。
【0043】
また、材料収容器20の内底部21がすり鉢様に形成してあるため、材料取り込み口62aが材料収容器20内の下部に配されるようにすることで、残り少なくなった液体材料を効率よく外部に送出することができる。
【0044】
さらに、材料送出用配管62を蓋体30に固定可能とされているため、材料送出用配管62が取り付けられた蓋体30を容器本体10から取り外せば、同時に材料送出用配管62を取り外すことができる。したがって、容器Aより蓋体30を取り外すことで容器本体10を大きく開口させることができ、材料充填などをする際に使い勝手がよくなる。また、
図2(a)に示すように、材料収容器20の取り外しも簡単に行うことができる。
【0045】
また、本実施形態で用いられる温調部70は、材料収容器20の外壁面の略全体に空冷用配管71が巻きつくように配してあるので、効率よく材料収容器20内を冷却することができる。なお、空冷用配管71は容器本体10の内壁面13a側の配管用間隙16に配設されているため、材料収容器20を出し入れする際に邪魔になるおそれもない。空冷用配管71は、容器本体10内においてずれないように位置が固定された状態に配設されることが望ましい。
【0046】
本実施形態の容器Aは容器本体10内に材料収容器20を配した二重容器構造となっているが、内部空間15,32を減圧して真空状態にでき、かつ温調部70で容器A内を冷却できる構成であれば、材料収容器20を有しない構造であってもよい。
【0047】
また、容器Aに内部の温度を計測する温度計を設けてもよい。例えば、温度計で容器Aの内部の温度を計測し、その温度に所定の変化が生じたときに、温調部70を動作させる構成としてもよい。また、温調部70が動作しているにも関わらず温度が上昇したときに、内部空間15,32の真空度合が変化したと判断して、減圧動作をさせる構成としてもよい。
【0048】
以上には、液体材料が塗料3である場合について例示したが、他の液体材料を収容できるものであってもよい。また、液体材料は冷却して保存する必要があるものには限らず、加温する必要があるものについても適用が可能である。
【0049】
温調部70としては、空冷式に代えて水冷式のものを採用してもよいし、加温する必要がある液体材料を容器Aに収容するものでは、ヒータなど他の温度調節構造を採用すればよい。
【符号の説明】
【0050】
1 液体材料供給装置
3 塗料(液体材料)
A 容器
B 外郭部
10 容器本体
11 開口
15 閉塞空間(内部空間)
20 材料収容器
21 内底部
22 支持脚
30 蓋体
32 閉塞空間(内部空間)
40 ガス導入部
50 減圧部
51 本体側減圧部
52 蓋側減圧部
55 減圧装置
60 材料送出部
62 材料送出用配管
70 温調部
71 空冷用配管