IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ナビタイムジャパンの特許一覧

特許7426688情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、および情報処理方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-25
(45)【発行日】2024-02-02
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/0834 20230101AFI20240126BHJP
   H04L 51/04 20220101ALI20240126BHJP
【FI】
G06Q10/0834
H04L51/04
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2019194628
(22)【出願日】2019-10-25
(65)【公開番号】P2021068305
(43)【公開日】2021-04-30
【審査請求日】2022-09-01
(73)【特許権者】
【識別番号】500168811
【氏名又は名称】株式会社ナビタイムジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100152205
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 昌司
(72)【発明者】
【氏名】半間 一臣
(72)【発明者】
【氏名】松中 秀行
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 耕介
【審査官】松田 岳士
(56)【参考文献】
【文献】特許第6585319(JP,B1)
【文献】特開2015-069535(JP,A)
【文献】特開2003-058482(JP,A)
【文献】特開2011-033445(JP,A)
【文献】特表2019-500681(JP,A)
【文献】特開2003-296426(JP,A)
【文献】特開2016-218571(JP,A)
【文献】特表2019-521428(JP,A)
【文献】特開2012-173748(JP,A)
【文献】特開2019-095867(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
H04L 51/00-51/58
H04L 67/00-67/75
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
案件に関する案件関連情報と、複数の案件候補者に関する複数の案件候補者関連情報とに基づいて選択された複数の案件候補者をメンバーとする、前記案件に係るチャットルームを作成するチャットルーム作成手段と、
前記案件関連情報および前記案件候補者関連情報から生成された移動経路情報に基づいて案件候補者に固有の個別情報を生成し、または、前記案件が配送トラックによる荷物の配送であり、前記案件候補者が配送トラックのドライバーである場合、前記ドライバーの未配送件数、総業務時間または配送スケジュールに基づいて前記個別情報を生成する個別情報生成手段と、
前記選択された案件候補者に前記チャットルームを提示し、前記チャットルームに当該案件候補者の個別情報を提示する情報提示手段と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
案件候補者選択基準を取得する情報取得手段と、
前記案件候補者選択基準に基づいて、前記複数の案件候補者関連情報を格納する案件候補者データベースから複数の案件候補者を選択するメンバー選択手段と、
をさらに備え、
前記チャットルーム作成手段は、前記メンバー選択手段により選択された前記複数の案件候補者をメンバーとするチャットルームを作成することを特徴とする請求項に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記メンバー選択手段は、前記案件関連情報に含まれる前記案件に係る位置と、前記案件候補者関連情報に含まれる案件候補者の位置とから生成された移動経路情報に基づいて前記複数の案件候補者を選択することを特徴とする請求項に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記メンバー選択手段は、前記案件関連情報に含まれる条件と、前記案件候補者関連情報に含まれる条件との間のマッチング率に基づいて前記複数の案件候補者を選択することを特徴とする請求項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記チャットルームが作成された後、前記チャットルームのメンバーを更新するメンバー更新手段をさらに備えることを特徴とする請求項のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記チャットルーム作成手段は、前記メンバー選択手段により選択された前記複数の案件候補者の一部を前記チャットルームの当初メンバーとし、
前記メンバー更新手段は、前記チャットルームが表示されてから経過した時間に応じて残りの案件候補者を順次チャットルームのメンバーに加えることを特徴とする請求項に記載の情報処理システム。
【請求項7】
案件候補者選択基準を取得する情報取得手段と、
前記案件候補者選択基準に基づいて複数の案件候補者関連情報を並べ替えるソート手段と、
前記並べ替えられた複数の案件候補者関連情報を選択可能に表示する別の情報提示手段と、
をさらに備え、
前記チャットルーム作成手段は、前記並べ替えられた複数の案件候補者関連情報の中から選択された複数の案件候補者関連情報の案件候補者をメンバーとするチャットルームを作成することを特徴とする請求項に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記案件候補者選択基準は、前記案件に係る位置から近い順、ドライバーの現在地から前記案件に係る位置までの移動時間が短い順、前記案件を引き受けることにより追加される配送時間の少ない順、およびドライバーの対応評価の高い順のうち少なくともいずれか一つであることを特徴とする、請求項のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記情報取得手段は、配送会社の管理者により使用される管理者端末に設けられることを特徴とする、請求項のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記情報取得手段は、荷主により使用される荷主端末に設けられることを特徴とする、請求項のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記案件はイベントへの参加であり、前記案件候補者は前記イベントの参加候補者であることを特徴とする請求項1~のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項12】
前記メンバー選択手段は、集合時刻までに前記案件に係る位置に到着可能な案件候補者の全部または一部を前記チャットルームのメンバーとして選択することを特徴とする、請求項のいずれかを引用する請求項11に記載の情報処理システム。
【請求項13】
サーバと通信可能に接続された端末装置において実行される情報処理プログラムであって、
前記サーバは、
案件に関する案件関連情報と、複数の案件候補者に関する複数の案件候補者関連情報とに基づいて選択された複数の案件候補者をメンバーとする、前記案件に係るチャットルームを作成するチャットルーム作成手段と、
前記案件関連情報および前記案件候補者関連情報から生成された移動経路情報に基づいて案件候補者に固有の個別情報を生成し、または、前記案件が配送トラックによる荷物の配送であり、前記案件候補者が配送トラックのドライバーである場合、前記ドライバーの未配送件数、総業務時間または配送スケジュールに基づいて前記個別情報を生成する個別情報生成手段とを有し、
前記情報処理プログラムは、コンピュータを、
前記選択された案件候補者に前記チャットルームを提示し、前記チャットルームに当該案件候補者の個別情報を提示する情報提示手段として機能させるための情報処理プログラム。
【請求項14】
コンピュータを、
案件に関する案件関連情報と、複数の案件候補者に関する複数の案件候補者関連情報とに基づいて選択された複数の案件候補者をメンバーとする、前記案件に係るチャットルームを作成するチャットルーム作成手段、および
前記案件関連情報および前記案件候補者関連情報から生成された移動経路情報に基づいて案件候補者に固有の個別情報を生成し、または、前記案件が配送トラックによる荷物の配送であり、前記案件候補者が配送トラックのドライバーである場合、前記ドライバーの未配送件数、総業務時間または配送スケジュールに基づいて前記個別情報を生成する個別情報生成手段
として機能させるための情報処理プログラム。
【請求項15】
通信可能に接続された複数のコンピュータによって構成される情報処理システムであって、
案件に関する案件関連情報と、複数の案件候補者に関する複数の案件候補者関連情報とに基づいて選択された複数の案件候補者をメンバーとする、前記案件に係るチャットルームを作成するチャットルーム作成手段と、
前記案件関連情報および前記案件候補者関連情報から生成された移動経路情報に基づいて案件候補者に固有の個別情報を生成し、または、前記案件が配送トラックによる荷物の配送であり、前記案件候補者が配送トラックのドライバーである場合、前記ドライバーの未配送件数、総業務時間または配送スケジュールに基づいて前記個別情報を生成する個別情報生成手段と、
前記選択された案件候補者に前記チャットルームを提示し、前記チャットルームに当該案件候補者の個別情報を提示する情報提示手段と、
を備えた情報処理システムを機能させるために、
上記コンピュータの少なくとも1つを上記手段の少なくとも1つとして機能させるための情報処理プログラム。
【請求項16】
通信可能に接続された複数のコンピュータによって、請求項1~12のいずれかに記載の情報処理システムを機能させるために、
上記コンピュータのうちの1つを請求項1~12のいずれかに記載の情報処理システムにおける各手段の少なくとも1つとして機能させるための情報処理プログラム。
【請求項17】
コンピュータを、請求項1~12のいずれかに記載の情報処理システムにおける各手段の少なくとも1つとして機能させるための情報処理プログラム。
【請求項18】
通信可能に接続された複数の情報処理装置によって、
案件に関する案件関連情報と、複数の案件候補者に関する複数の案件候補者関連情報とに基づいて選択された複数の案件候補者をメンバーとする、前記案件に係るチャットルームを作成するチャットルーム作成手段と、
前記案件関連情報および前記案件候補者関連情報から生成された移動経路情報に基づいて案件候補者に固有の個別情報を生成し、または、前記案件が配送トラックによる荷物の配送であり、前記案件候補者が配送トラックのドライバーである場合、前記ドライバーの未配送件数、総業務時間または配送スケジュールに基づいて前記個別情報を生成する個別情報生成手段と、
前記選択された案件候補者に前記チャットルームを提示し、前記チャットルームに当該案件候補者の個別情報を提示する情報提示手段と、
を備えた情報処理システムを構成するために、
上記手段の少なくとも1つを備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項19】
コンピュータを、
案件に関する案件関連情報と、複数の案件候補者に関する複数の案件候補者関連情報とに基づいて選択された複数の案件候補者をメンバーとする、前記案件に係るチャットルームを作成するチャットルーム作成手段、
前記案件関連情報および前記案件候補者関連情報から生成された移動経路情報に基づいて案件候補者に固有の個別情報を生成し、または、前記案件が配送トラックによる荷物の配送であり、前記案件候補者が配送トラックのドライバーである場合、前記ドライバーの未配送件数、総業務時間または配送スケジュールに基づいて前記個別情報を生成する個別情報生成手段、および
前記選択された案件候補者に前記チャットルームを提示し、前記チャットルームに当該案件候補者の個別情報を提示する情報提示手段
として機能させるための情報処理プログラム。
【請求項20】
チャットルーム作成手段が、案件に関する案件関連情報と、複数の案件候補者に関する複数の案件候補者関連情報とに基づいて選択された複数の案件候補者をメンバーとする、前記案件に係るチャットルームを作成するステップと、
個別情報生成手段が、前記案件関連情報および前記案件候補者関連情報から生成された移動経路情報に基づいて案件候補者に固有の個別情報を生成し、または、前記案件が配送トラックによる荷物の配送であり、前記案件候補者が配送トラックのドライバーである場合、前記ドライバーの未配送件数、総業務時間または配送スケジュールに基づいて前記個別情報を生成するステップと、
情報提示手段が、前記選択された案件候補者に前記チャットルームを提示し、前記チャットルームに当該案件候補者の個別情報を提示するステップと、
を備えることを特徴とする情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、および情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
物流業界では近年、電子商取引(EC)による荷物の取扱い量が増加するとともに、要求されるサービスのレベルも高くなっている。その一方、慢性的な人手不足の状況が続いている。このため、業務効率を向上させたり、機動的な対応を可能とすることが急務となっている。
【0003】
特許文献1には、ドライバー(配達員)と配送先間で通信を行うことで、訪問時に会える可能性を高めることを目的とした訪問管理システムが記載されている。しかしながら、配送先に関して複数のドライバー間でコミュニケーションを行うことはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2015/092860号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、案件に応じた適切なチャットルームを作成できる情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、および情報処理方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る情報処理システムは、
案件に関する案件関連情報と、複数の案件候補者に関する複数の案件候補者関連情報とに基づいて選択された複数の案件候補者をメンバーとする、前記案件に係るチャットルームを作成するチャットルーム作成手段と、
前記選択された複数の案件候補者に前記チャットルームを提示する複数の情報提示手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、案件に応じた適切なチャットルームを作成できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1の実施形態に係る情報処理システムの概略的構成を示す図である。
図2】第1の実施形態に係るドライバー端末の概略的構成を示す図である。
図3】第1の実施形態に係る管理者端末の概略的構成を示す図である。
図4】第1の実施形態に係るサーバの概略的構成を示す図である。
図5】第1の実施形態に係る案件データベースの一例を示す図である。
図6】第1の実施形態に係るドライバーデータベースの一例を示す図である。
図7A】第1の実施形態に係る情報処理システムの管理者端末とサーバ間における処理動作の一例を示すシーケンス図である。
図7B図7Aに続く、第1の実施形態に係る情報処理システムの管理者端末とサーバ間における処理動作の一例を示すシーケンス図である。
図7C図7Bに続く、第1の実施形態に係る情報処理システムの管理者端末とサーバ間における処理動作の一例を示すシーケンス図である。
図7D図7Cに続く、第1の実施形態に係る情報処理システムのドライバー端末とサーバ間における処理動作の一例を示すシーケンス図である。
図8】第1の実施形態に係る管理者端末に表示される指示メニューの画面例である。
図9】第1の実施形態に係る管理者端末に表示されるドライバー選択基準を選択するための画面例である。
図10】第1の実施形態に係る管理者端末に表示されるチャットルームの画面例である。
図11】第1の実施形態に係るドライバー端末に表示されるチャットルームの画面例である。
図12】第1の実施形態に係るドライバー端末に表示されるチャットルームの画面例である。
図13】第1の実施形態の変形例に係る管理者端末の概略的構成を示す図である。
図14A】第1の実施形態の変形例に係る情報処理システムの管理者端末とサーバ間における処理動作の一例を示すシーケンス図である。
図14B図14Aに続く、第1の実施形態の変形例に係る情報処理システムの管理者端末とサーバ間における処理動作の一例を示すシーケンス図である。
図15】第1の実施形態の変形例に係る管理者端末に表示される画面例である。
図16】第2の実施形態に係る情報処理システムの概略的構成を示す図である。
図17A】第2の実施形態に係る情報処理システムの荷主端末とサーバ間における処理動作の一例を示すシーケンス図である。
図17B図17Aに続く、第2の実施形態に係る情報処理システムの荷主端末とサーバ間における処理動作の一例を示すシーケンス図である。
図18】第3の実施形態に係る情報処理システムの概略的構成を示す図である。
図19】第3の実施形態に係るサーバの概略的構成を示す図である。
図20】第3の実施形態に係る案件データベースの一例を示す図である。
図21】第3の実施形態に係る参加候補者データベースの一例を示す図である。
図22A】第3の実施形態に係る情報処理システムの携帯端末とサーバ間における処理動作の一例を示すシーケンス図である。
図22B図22Aに続く、第3の実施形態に係る情報処理システムの携帯端末とサーバ間における処理動作の一例を示すシーケンス図である。
図23】第3の実施形態に係る携帯端末に表示されるチャットルーム画面の一例である。
図24】第3の実施形態に係る携帯端末に表示されるチャットルーム画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る第1ないし第3の実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0010】
(第1の実施形態)
まず、図1を参照して、第1の実施形態に係る情報処理システム1の概略的な構成について説明する。この情報処理システム1は、複数のドライバー端末(携帯端末)10と、管理者端末20と、サーバ30と、ネットワーク40とを備えている。
【0011】
ドライバー端末10は、荷物の配送トラックTのドライバー(運転者、作業者)が携帯する情報処理装置であり、ドライバーの位置情報や業務状況などの情報をサーバ30に送信する。このドライバー端末10は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、ノートパソコン等のモバイル端末である。
【0012】
図1に示すように、ドライバー端末10とサーバ30とはインターネット等のネットワーク40を介して互いに通信可能に接続されている。なお、ネットワーク40は、有線回線および無線回線のいずれでもよく、回線の種類や形態は問わない。
【0013】
管理者端末20は、配送会社の管理者が使用するための端末である。管理者端末20は、例えば、デスクトップパソコン、ノートパソコン、タブレット端末、スマートフォン等である。管理者端末20は、例えば、サーバ30から受信した案件関連情報に基づいてドライバーに案件(本実施形態では、荷物の配送)を依頼するために用いられる。
【0014】
ここで、「案件関連情報」とは、案件に関する情報のことである。本実施形態では、案件関連情報は、荷物の配送に関連する情報であり、例えば、荷物の配送先の名称や位置(住所、緯度・経度情報など)、作業予定時間、手数料(単価)などである。
【0015】
図1に示すように、管理者端末20はサーバ30に互いに通信可能に接続されている。なお、管理者端末20は、1台に限らず、複数台が設けられてもよい。
【0016】
サーバ30は、後ほど詳しく説明するように、案件関連情報および複数の移動者関連情報に基づいて複数のドライバーを選択し、選択した複数のドライバーをメンバーとする、案件に係るチャットルームを作成する。ここで、「移動者関連情報」とは、移動者に関する情報のことであり、本実施形態では、ドライバーに関する情報(ドライバー関連情報)である。
【0017】
このドライバー関連情報は、例えば、ドライバー識別情報(ドライバーのID、名前)、ドライバー端末情報(ドライバー端末のID、位置情報)を含む。ドライバー関連情報は、スキル、経験等のドライバー属性情報を含んでもよい。また、ドライバー属性情報は、業務状況(現在業務中であるかどうか)、希望条件(希望料金等のマッチング条件)、活動エリア(関東、関西など)、未配送件数、総業務時間などに関する情報を含んでもよい。
【0018】
次に、ドライバー端末10、管理者端末20およびサーバ30の各々について、詳細な構成を順に説明する。
【0019】
<ドライバー端末>
図2を参照して、配送トラックTのドライバーが携帯するドライバー端末10の詳細について説明する。
【0020】
ドライバー端末10は、制御部11と、通信部12と、記憶部13と、操作入力部14と、表示部15と、測位部16とを備えている。
【0021】
制御部11は、操作入力部14等を介して各種情報を取得する情報取得部111と、表示部15を制御して情報をドライバーに提示する情報提示部112とを有している。情報提示部112は、表示部15だけでなく、ドライバー端末10が有する音声出力手段(スピーカー)などを制御してドライバーに情報を提示してもよい。
【0022】
なお、本実施形態において制御部11の各部は、ドライバー端末10内のプロセッサが所定のプログラムを実行することにより実現される。なお、制御部11の各部のうち少なくとも一部がハードウェアにより実現されてもよい。
【0023】
通信部12は、ネットワーク40を介してサーバ30との間で情報を送受信するためのインターフェースである。なお、ドライバー端末10は、通信部12を介して他のドライバー端末10、管理者端末20と情報を送受信してもよい。
【0024】
記憶部13は、通信部12を介して送受信されるデータが記憶される。その他、記憶部13には、制御部11で実行されるプログラムや、当該プログラムによる処理に必要なデータが記憶されてもよい。この記憶部13は、例えば半導体メモリ(SSD等)、ハードディスクなどの記憶デバイスにより構成される。
【0025】
操作入力部14は、ドライバー端末10のユーザが情報を入力するためのインターフェースであり、例えばタッチパネル、キーボード、マウス、マイクロフォン(内蔵マイク等)などの情報入力手段である。
【0026】
表示部15は、液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイ等の映像表示手段であり、ドライバー端末10のユーザに対して各種情報を表示する。なお、表示部15がタッチパネルの場合には、表示部15が操作入力部14を兼ねてもよい。
【0027】
測位部16は、ドライバー端末10の現在位置を測位して取得するものであり、GPS(Global Positioning System)、WiFi測位等の測位手段により構成され、ドライバー端末10の現在位置を測位する。
【0028】
制御部11の情報取得部111は、操作入力部14を介してドライバーが入力した情報(管理者や他のドライバーへのメッセージ、ドライバー属性情報など)を取得する。その他、情報取得部111は、通信部12を介して、サーバ30、他のドライバー端末10から送信された各種情報を取得する。
【0029】
情報取得部111は、測位部16を介してドライバー端末10の位置情報を取得する。取得された位置情報は、サーバ30に送信され、後述のドライバーデータベース(案件候補者データベース)332に記憶される。なお、測位部16がドライバー端末10に設けられていない場合や、測位部16が使用可能な状態でない場合であっても、情報取得部111は、ドライバー端末10と通信可能に接続されたWiFiルータ等の他の電子機器から位置情報を取得してもよい。
【0030】
<管理者端末>
次に、図3を参照して、配送会社の管理者が使用する管理者端末20の詳細について説明する。
【0031】
管理者端末20は、制御部21と、通信部22と、記憶部23と、操作入力部24と、表示部25とを備えている。
【0032】
制御部21は、操作入力部24等を介して各種情報を取得する情報取得部211と、表示部25を制御する情報提示部212とを有する。
【0033】
情報取得部211は、管理者が選択する後述のドライバー選択基準(案件候補者選択基準)を取得する。また、情報取得部211は、操作入力部24を介して管理者が入力した案件関連情報を受け付けてもよい。
【0034】
情報提示部212は、表示部25だけでなく、管理者端末20が有する音声出力手段(スピーカー)などを制御して管理者に情報を提示してもよい。
【0035】
なお、本実施形態において制御部21の各部は、管理者端末20内のプロセッサが所定のプログラムを実行することにより実現される。なお、制御部21の各部のうち少なくとも一部がハードウェアにより実現されてもよい。
【0036】
通信部22は、ネットワーク40を介してサーバ30と情報を送受信するためのインターフェースである。管理者端末20は、通信部22を介して複数のドライバー端末10との間で情報を送受信してもよい。
【0037】
記憶部23は、通信部22を介して送受信されるデータが記憶される。その他、記憶部23には、制御部21で実行されるプログラムや、当該プログラムによる処理に必要なデータが記憶されてもよい。この記憶部23は、例えば半導体メモリ(SSD等)、ハードディスクなどの記憶デバイスにより構成される。
【0038】
操作入力部24は、管理者端末20のユーザが情報を入力するためのインターフェースであり、例えばキーボード、マウス、タッチパネル、マイクロフォン(内蔵マイク等)などの情報入力手段である。
【0039】
表示部25は、液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイ等の映像表示手段であり、管理者端末20のユーザ(管理者)に対して各種情報を表示する。なお、表示部25がタッチパネルの場合には、表示部25が操作入力部24を兼ねてもよい。
【0040】
<サーバ>
次に、図4を参照して、チャットルームの作成などを行うサーバ30の詳細について説明する。
【0041】
サーバ30は、制御部31と、通信部32と、記憶部33とを備えている。
【0042】
制御部31は、情報取得部311と、個別情報生成部312と、経路探索部313と、メンバー選択部314と、チャットルーム作成部315と、メンバー更新部316とを有する。本実施形態において制御部31の各部は、サーバ30内のプロセッサが所定のプログラムを実行することにより実現される。
【0043】
なお、制御部31の各部のうち少なくとも一部がハードウェアにより実現されてもよい。また、本実施形態においてサーバ30は一つの情報処理装置として構成されているが、これに限られず、情報処理システム1は、互いに通信可能な複数のサーバを有し、それらのサーバが協働することでサーバ30の機能を果たしてもよい。
【0044】
制御部31の各部の詳細について以下に説明する。
【0045】
情報取得部311は、ドライバー端末10や管理者端末20から送信された情報を、通信部32を介して取得する。例えば、情報取得部311は、管理者端末20から送信された案件やドライバー選択基準を取得する。また、情報取得部311は、記憶部33に記憶されたデータベースを検索し、所望の案件関連情報やドライバー関連情報などを取得する。
【0046】
個別情報生成部312は、各ドライバーに固有の個別情報を生成する。この個別情報は、本実施形態において個別情報は、ドライバーが案件を引き受け可能かどうか判断するための情報である。例えば、個別情報は、経路探索部313により得られた移動経路情報(案件に係る位置までの移動経路、移動時間、移動距離など)を含む。その他、個別情報は、未配送件数、総業務時間など、そのドライバーに固有の情報を含んでもよい。個別情報が移動経路情報を含む場合、個別情報生成部312は、案件関連情報に含まれる案件に係る位置と、ドライバー関連情報に含まれるドライバー(ドライバー端末10)の現在位置とに基づいて個別情報を生成する。
【0047】
経路探索部313は、記憶部33の経路ネットワークデータベース333を用いて、ドライバーの現在位置から案件に係る位置(集荷場所、配送先など)までの移動経路を探索し、移動経路情報を生成する。この移動経路情報には、移動経路のほか、移動時間、料金(例えば高速料金)などの情報も含まれる。なお、経路探索部313は、サーバ30内に設けられる場合に限られず、サーバ30と通信可能に接続された他のサーバ(経路探索サーバ)に設けられてもよい。
【0048】
メンバー選択部314は、チャットルームのメンバーとなる複数のドライバーを選択する。このメンバー選択部314は、ドライバー選択基準に基づいて、複数のドライバー関連情報を格納するドライバーデータベース332から複数のドライバー(案件候補者)を選択する。ドライバー選択基準が「近い順」の場合、メンバー選択部314は、案件関連情報とドライバー関連情報に基づいて生成される個別情報に基づいて、現在地から案件に係る位置までの移動距離が短い順に複数のドライバーを選択する。また、ドライバー選択基準が対応評価順の場合、メンバー選択部314は、ドライバー関連情報に含まれる対応評価情報に基づいて複数のドライバーを選択する。
【0049】
なお、メンバー選択部314が選択するドライバーの数は、予め定められた数でもよいし、管理者が指定した数でもよいし、案件の内容に応じた数などであってもよい。
【0050】
チャットルーム作成部315は、メンバー選択部314により選択された複数のドライバーをメンバーとするチャットルームを作成する。このチャットルームは、案件ごとに作成されるものである。
【0051】
メンバー更新部316は、メンバー選択部314により選択されたメンバーを更新(メンバーの追加または削除)する。例えば、メンバー更新部316は、管理者端末20から受信したメンバー更新リクエストに従ってチャットルームのメンバーを更新する。あるいは、メンバー更新部316は、チャットルームが表示されてからの経過時間に応じてメンバーを追加してもよい。
【0052】
通信部32は、ドライバー端末10および管理者端末20との間で情報を送受信するためのインターフェースである。
【0053】
記憶部33は、通信部32を介して送受信されるデータが記憶される。その他、記憶部33には、制御部31で実行されるプログラムや、当該プログラムによる処理に必要なデータが記憶されてもよい。この記憶部33は、例えば半導体メモリ(SSD等)、ハードディスクなどの記憶デバイスにより構成される。なお、記憶部33は、サーバ30と通信可能に接続された別のサーバに設けられてもよい。
【0054】
記憶部33には、案件データベース331、ドライバーデータベース332および経路ネットワークデータベース333が記憶される。
【0055】
案件データベース331は、複数の案件関連情報を記憶したデータベースである。図5は本実施形態に係る案件データベース331の一例を示している。この例では、案件ごとに、案件ID、配送先名称、配送先位置、作業予定時間および手数料が記憶されている。その他、案件関連情報には、集荷場所の名称、位置、担当するドライバーに対する希望条件(例えば対応実績)が含まれてもよい。
【0056】
ドライバーデータベース332は、複数のドライバー関連情報を記憶したデータベースである。図6は本実施形態に係るドライバーデータベース332の一例を示している。この例では、ドライバーごとに、ドライバー識別情報(ID、名前)、ドライバー端末情報(ID、位置情報)およびドライバー属性情報が記憶されている。ドライバー属性情報には、業務状況(現在業務中であるかどうか)、スキル/経験および希望条件(マッチング条件)が含まれている。その他、ドライバー属性情報には、関係者(荷主、受取者、管理者など)による評価(対応評価)が含まれていてもよい。
【0057】
経路ネットワークデータベース333は、経路探索部313が経路探索を実行する際に使用されるデータベースであり、経路ネットワーク情報として道路ネットワーク情報を含んでいる。道路網の情報は、例えば交差点等の道路網表現上の結節点(ノード)のデータと、結節点間の道路区間であるリンクのデータとの組み合わせによって表現される。なお、道路ネットワーク情報は、移動手段ごとに別データを所持してもよいし、リンクに移動手段ごとのコストを設定してもよい。
【0058】
記憶部33には、地図情報データベース、POI(Point Of Interest)情報データベース、時刻表情報データベースを含んでいてもよい。地図情報データベースは、主に地図表示用、あるいは地点検索(例えば、緯度経度検索)用に用いられる。POI情報データベースは、地点の位置情報や名称情報等を含むPOI情報のデータベースであり、主に地点検索(例えば、フリーキーワード検索やカテゴリ検索)や、経路探索条件の地点設定等に用いられる。時刻表情報データベースは、鉄道やバス等の公共交通機関の時刻表を考慮した経路探索を行う場合に利用される(主として第3の実施形態で使用される)。
【0059】
<第1の実施形態に係る情報処理システムの動作>
次に、図7A図7Dのシーケンス図を参照しつつ、第1の実施形態に係る情報処理システムの動作の一例について説明する。なお、案件については、事前に、管理者端末20からサーバ30の案件データベース331に登録されているものとする。
【0060】
管理者端末20の制御部21は、案件が選択されたかどうかを判定する(ステップS1)。案件の選択は、管理者が管理者端末20に案件識別情報(案件名称、案件番号など)を入力したり、あるいは、管理者端末20の表示部25に表示された地図画面上で集荷場所または配送先を選択することなどにより行われる。
【0061】
案件が選択された場合(S1:Yes)、管理者端末20は、ステップS1で選択された案件を識別するための案件IDをサーバ30に送信する(ステップS2)。そして、サーバ30は案件IDを受信する(ステップS3)。
【0062】
サーバ30の情報取得部311は、受信した案件IDをキーとして案件データベース331を検索し、案件IDに対応する案件関連情報を取得する(ステップS4)。その後、サーバ30は、取得した案件関連情報を管理者端末20に送信する(ステップS5)。
【0063】
管理者端末20は、サーバ30から案件関連情報を受信する(ステップS6)。管理者端末20は、サーバ30から受信した案件関連情報に基づく指示メニューを表示部25に表示する(ステップS7)。図8は、管理者端末20に表示された指示メニューの画面の一部を示している。図8では、地図上で案件に係る位置がピンPで選択されるとともに、吹き出し形式で集荷場所(N物流センター)および住所とともに指示メニューM1が表示されている。
【0064】
指示メニューM1は、図8に示すように、「周辺の作業者を検索」、「ここへ行ってもらう」、「ここへ行ってもらう(チャット)」などの指示メニューを含んでいる。ここで、「周辺の作業者を検索」は、案件に係る位置の周辺にいる作業者(ドライバー)を検索して一覧表示するためのメニューであり、「ここへ行ってもらう」は管理者がドライバーを指定して配送依頼を行うためのメニューである。そして、「ここへ行ってもらう(チャット)」が複数のドライバー間でチャットを行い、案件担当を決める(チャット配送依頼)ためのメニューである。
【0065】
管理者端末20の制御部21は、チャット配送依頼がなされたかどうかを判定する(ステップS8)。図8の指示メニューM1において、「ここへ行ってもらう(チャット)」が選択された場合、チャット配送依頼がなされたと判定される。
【0066】
チャット配送依頼がなされた場合(S8:Yes)、管理者端末20の表示部25は複数のドライバー選択基準を表示する(ステップS9)。すなわち、情報提示部212は、表示部25を制御して複数のドライバー選択基準を表示させる。図9は、管理者端末20に表示された選択基準メニューM2の画面例を示している。選択基準メニューM2は、「近い順」、「移動時間順」、「追加配送時間順」および「対応評価順」を含んでいる。ここで、「近い順」は、ドライバーの現在地が案件に係る位置から近い順にドライバーを選択することを示している。「移動時間順」は、ドライバーの現在地から案件に係る位置までの移動時間が短い順にドライバーを選択することを示している。「追加配送時間順」は、案件を引き受けることにより追加される配送時間の少ない順(すなわち、ドライバーの負荷が少ない順)にドライバーを選択することを示している。「対応評価順」は、対応評価の高い順にドライバーを選択することを示している。管理者端末20のユーザは表示部25に表示されたこれらのドライバー選択基準の中から希望する選択時順を選択する。
【0067】
管理者端末20の制御部21は、管理者によりドライバー選択基準が選択されたかどうかを判定する(ステップS10)。本ステップでは、選択基準メニューM2からドライバー選択基準が選択されたかどうかを判定する。
【0068】
ドライバー選択基準が選択されると(S10:Yes)、管理者端末20は案件IDとともにドライバー選択基準をサーバ30に送信する(ステップS11)。そして、サーバ30は、案件IDおよびドライバー選択基準を受信する(ステップS12)。
【0069】
その後、サーバ30の個別情報生成部312は、各ドライバーについて個別情報を生成する(ステップS13)。この個別情報は、例えば以下のようにして生成される。まず、経路探索部313が、管理者端末20から受信した案件IDに対応する案件関連情報に含まれる案件に係る位置と、ドライバーデータベース332のドライバー関連情報に含まれるドライバー端末の現在位置とに基づいて現在地から案件に係る位置までの移動経路を探索し、移動距離および移動時間を含む移動経路情報を生成する。そして、個別情報生成部312は、生成された移動経路情報に基づいて個別情報を生成する。例えば、移動経路情報に含まれる情報(移動距離など)と、ドライバー関連情報に含まれる情報(未配送件数など)とを組み合わせて個別情報を生成する。
【0070】
なお、個別情報生成部312は、移動経路情報をそのまま個別情報としてもよい。
【0071】
また、個別情報生成部312は、各ドライバーについて配送スケジュールを個別情報として生成してもよい。この場合、データベース(例えばドライバーデータベース332)に予め登録された配送スケジュールに基づいて個別情報が生成される。個別情報は、データベースの配送スケジュールそのままであってもよいし、あるいは案件を引き受けた場合の配送スケジュール(更新された配送スケジュール)であってもよい。
【0072】
上記のような個別情報の生成は、ドライバーデータベース332に含まれる全てのドライバーについて行ってもよいし、所定の基準に基づいて抽出されたドライバーについてのみ行ってもよい。後者の場合、ドライバー属性情報に含まれる活動エリアなどの情報に基づいて、個別情報を生成するドライバーを抽出してもよい。例えば、個別情報生成部312は、案件関連情報の位置を活動エリアに含むドライバーを抽出し、抽出されたドライバーについてのみ個別情報を生成してもよい。
【0073】
上記のようにして個別情報が生成された後、メンバー選択部314は、ステップS12で受信されたドライバー選択基準と、ステップS13で生成された個別情報とに基づいて、ドライバーデータベース332から複数のドライバーを選択する(ステップS14)。例えば、ドライバー選択基準が「近い順」である場合、個別情報に含まれる移動距離を参照し、移動距離の短い順にドライバーを所定数選択する。
【0074】
次に、チャットルーム作成部315は、ステップS14で選択された複数のドライバーをメンバーとするチャットルームを作成する(ステップS15)。本ステップにおいて、チャットルームをドライバー端末10および管理者端末20で表示するために必要な情報(チャットルーム情報)が生成される。
【0075】
次に、サーバ30は、ステップS15で生成されたチャットルーム情報を管理者端末20に送信する(ステップS16)。管理者端末20は、サーバ30から送信されたチャットルーム情報を受信し(ステップS17)、受信したチャットルーム情報を用いてチャットルームを表示部25に表示する(ステップS18)。
【0076】
図10は、ステップS18において、管理者端末20に表示されたチャットルームの画面例である。画面の左側では「トーク一覧」のタブが選択されており、作成済みの複数のチャットルーム(チャットルーム#1~#5)が表示されている。なお、「連絡先」のタブが選択された場合にはドライバーの連絡先の一覧が表示される。
【0077】
図10の画面中央から右側の領域には、管理者が選択したチャットルーム(ここではチャットルーム#1)の詳細(チャット内容)が表示されている。チャットルームの上段には、自身以外のメンバー(ドライバーA、ドライバーB、ドライバーC)が表示されている。本例では、チャットルームのメンバーは管理者、ドライバーA、ドライバーBおよびドライバーCの4名である。また、図10の画面では、管理者のメッセージ([緊急配車]「N物流センター」に行ってください。)がチャットルームの吹き出し内に表示されている。
【0078】
なお、図10の画面において、検索ボックスSBは、ドライバーの氏名またはチャットルームの名称を入力することで、ドライバーまたはチャットルームの検索を行うためのものである。メッセージボックスMBおよびメッセージ送信ボタンB1は、管理者がチャットルームのメンバーにメッセージを送信する際に使用される。
【0079】
続いて、サーバ30は、ステップS13で生成された個別情報と、ステップS15で生成されたチャットルーム情報とを、ステップS14で選択されたドライバーのドライバー端末10にそれぞれ送信する(ステップS19)。
【0080】
選択されたドライバーのドライバー端末10はそれぞれ、サーバ30からチャットルーム情報および個別情報を受信する(ステップS20)。
【0081】
各ドライバー端末10は、プッシュ通知等によりチャットルームに招待された旨の通知を行い、サーバ30から受信した情報を用いてチャットルームおよび個別情報を表示部15に表示する(ステップS21)。なお、本ステップでは、ドライバー端末10の情報提示部112は、ステップS13で生成された複数の個別情報のうち、当該ドライバー端末10に対応する個別情報をチャットルームに提示する。
【0082】
図11は、ステップS21において、あるドライバー端末10に表示されたチャットルームの画面(左図)と、吹き出しの拡大図(右図)を示している。吹き出し内には、管理者のメッセージ([緊急配車]「N物流センター」に行ってください。)に加えて、ドライバーに固有の個別情報(移動時間/距離、未配送件数、総業務時間)が表示されている。
【0083】
メッセージ中の「作業時間」は、案件の遂行に要する時間であり、各ドライバー端末10間で共通の内容である。なお、ドライバーのスキル・経験を考慮して作業時間を個別に算出し、算出された時間を表示してもよい。
【0084】
メッセージ中の「地点情報」は選択可能に表示されており、ドライバーにより押下されると、案件の位置情報(住所、地図、あるいは現在地からの移動経路など)が表示される。なお、本願において「押下」とは、タップ、タッチ、クリック、ダブルクリック、スワイプまたは音声入力等の操作入力部14を介して行いうる操作のことである。
【0085】
なお、個別情報として、現在地から案件に係る位置までの移動経路を表示してもよい。移動経路は、地図上にグラフィカルに表示してもよいし、テキスト表示してもよい。
【0086】
図11の画面において、ドライバーが、吹き出し内の「引き受ける」を押下すると、当該ドライバーが案件を引き受けた旨のメッセージが管理者端末20および他のドライバー端末10に送信され、表示される。また、メッセージボックスMBにメッセージを入力し、メッセージ送信ボタンB1を押下することで、入力したメッセージが管理者端末20および他のドライバー端末10に送信され、表示される。
【0087】
図12は、図11の画面からしばらく時間が経過した後における、ドライバーCのドライバー端末10に表示されたチャットルームの画面である。この画面では、管理者の配車依頼に対して、ドライバーAは現在の業務状況を報告し(「荷降ろしがまだかかるので厳しいです」)、ドライバーBは自身の状況や経験について述べ(「近くにいますがこの辺は道が複雑ですぐに着けるか不安です」)、ドライバーCは配車依頼を引き受け可能であると述べている(「少し離れていますが道わかりますので私が向かいます」)。このように、ドライバーの現在地と案件に係る位置等、案件との関係で絞り込まれたドライバーがチャットルームで自由に情報のやりとりを行うことで、最終的に配送を引き受けるドライバー(案件対応者)が決定される。
【0088】
さらに、チャットルームに表示される配車依頼には、移動時間や移動距離など、各ドライバーに固有の個別情報も提示される。このため、各ドライバーは自身と案件との関係(案件の引き受け易さ)を把握した上で他のドライバーと自由にコミュニケーションをとり、案件を引き受けるかどうかについて迅速かつ適切に判断することができる。その結果、適任者が自律的に決定されることが期待できる。
【0089】
なお、複数のドライバーが案件を引き受け可能であると回答した場合、当該ドライバー間でやりとりを続けて最終的な対応者を決定してもよいし、あるいは、管理者が管理者端末20から各ドライバー端末10にメッセージを送り、対応者を決めてもよい。
【0090】
また、ドライバー端末10には、複数のチャットルームのサマリ(チャットルームの名称など)が一覧表示され、ドライバーがいずれかを選択することで、チャットルームの詳細(図11図12のようなチャット画面)が表示部15に表示されるようにしてもよい。この場合、チャットルームのサマリは、優先順位の高い案件順(緊急度の高い案件順など)に表示されてもよいし、ドライバー選択基準との合致率が高い順、またはドライバーの希望条件との合致率が高い順に表示されるようにしてもよい。
【0091】
以上説明したように、第1の実施形態によれば、管理者が選択したドライバー選択基準に基づいて複数のドライバーが自動で選択され、選択されたドライバーをメンバーとする、案件ごとのチャットルームが作成される。そして、選択された複数のドライバーのドライバー端末10にはそれぞれ、作成されたチャットルームが表示される。このように案件に応じた適切なチャットルームを作成することができ、その結果、案件対応者をドライバー間で自律的に、効率的に決定したり、緊急案件についても機動的に柔軟な対応をとることができる。
【0092】
また、配送会社の観点から見れば、管理者は所定のドライバー選択基準に沿って選択された複数のドライバーに配送依頼の打診を一斉に行うことができるとともに、選択された複数のドライバーはチャットルームでコミュニケーションをとり、案件を引き受け可能であると判断した場合には1タップ(「引き受ける」の押下)で案件引き受けを表明することができる。したがって、業務効率を格段に向上させることが可能となる。
【0093】
さらに、第1の実施形態によれば、チャットルームの案件依頼メッセージに、ドライバーに固有の個別情報を表示することで、ドライバーは、移動時間等を容易に把握することができ、案件を引き受け可能かどうかについて迅速に判断を下すことができるようになる。
【0094】
なお、上記のシーケンスでは、個別情報を生成した後に、チャットルームのメンバーを選択したが、メンバーの選択にあたって個別情報が要求されない場合(例えばドライバー選択基準が対応評価順の場合など)、個別情報を生成する前にドライバー選択基準に基づいてチャットルームのメンバーを選択してもよい。また、この場合、個別情報の生成は必須でなく、個別情報は生成されなくてもよい。
【0095】
また、個別情報は、メンバー選択部314がチャットルームのメンバーを選択するためにのみ用い、各メンバーのドライバー端末10には表示しないようにしてもよい。
【0096】
また、メンバー選択部314は、案件関連情報に含まれる条件(単価等)と、ドライバー関連情報に含まれる条件(希望条件)との間のマッチング率に基づいてドライバーを複数選択してもよい。
【0097】
また、本実施形態ではチャットルームのメンバーは自動的に選択されるが、チャットルーム作成後に、管理者がドライバーを追加または削除してもよい。例えば、図10の検索ボックスSBにドライバー名を入力、検索した後、検索されたドライバーとともに表示される追加ボタン(図示せず)を押下することで当該ドライバーをチャットルームのメンバーに追加する。このようなメンバー更新動作は、管理者端末20からメンバー更新リクエストをサーバ30に送信することで、サーバ30のメンバー更新部316により行われる。
【0098】
また、本実施形態ではメンバー選択部314により選択されたドライバーを全てチャットルームの当初メンバーとしたが、これに限られない。例えば、チャットルーム作成部315は、メンバー選択部314により選択された複数のドライバーの一部(ドライバー選択基準との合致率の高い順に選択したドライバー等)をチャットルームの当初メンバーとし、その後、メンバー更新部316は、チャットルームが表示されてから経過した時間に応じて残りのドライバーを順次チャットルームのメンバーに加えてもよい。例えば、メンバー選択部314により10人のドライバーが選択された場合、そのうち5人を当初のメンバーとしてチャットルームを作成し、その後所定時間が経過するたびに残りのドライバーから所定人数ずつチャットルームのメンバーに追加する。
【0099】
また、本実施形態では、個別情報生成部312で生成された複数の個別情報は、それぞれ対応するドライバー端末10にのみ表示されたが、これに限られず、生成された全ての個別情報を、選択された複数のドライバーのドライバー端末10の各々に表示するようにしてもよい。
【0100】
<第1の実施形態の変形例(ドライバーの手動選択)>
上述の第1の実施形態では、チャットルームのメンバーは管理者が選択したドライバー選択基準に基づいて自動的に選択された。これに対し、本変形例では、管理者が、ドライバー選択基準に沿って並べられたドライバーの中から、チャットルームのメンバーを選択する。
【0101】
図13は、本変形例に係る管理者端末の概略的な構成を示している。図3で説明した管理者端末との相違点は、制御部21がソート部213をさらに有する点である。このソート部213は、管理者により選択されたドライバー選択基準に基づいて、複数のドライバー関連情報を並べ替える。
【0102】
本変形例において、ドライバー端末10は、第1の実施形態で説明したドライバー端末と同じ構成である。サーバ30については、第1の実施形態と同じ構成のものであってもよいが、メンバー選択部314は省いてもよい。
【0103】
<第1の実施形態の変形例に係る情報処理システムの動作>
次に、図14Aおよび図14Bのシーケンス図を参照しつつ、本変形例に係る情報処理システムの動作の一例について説明する。なお、管理者端末20に案件メニューM1を表示するまでの処理(すなわち、図7AのステップS1~S7)は本変形例でも同様であるので、それ以後の処理から説明する。
【0104】
管理者端末20の制御部21は、チャット配送依頼がなされたかどうかを判定する(ステップS31)。前述の図8の指示メニューM1において、「ここへ行ってもらう(チャット)」が選択された場合、チャット配送依頼がなされたと判定される。
【0105】
チャット配送依頼がなされた場合(S31:Yes)、管理者端末20は、案件IDをドライバーリクエストとともにサーバ30に送信し(ステップS32)、サーバ30は案件IDおよびドライバーリクエストを受信する(ステップS33)。
【0106】
案件IDおよびドライバーリクエストを受信すると、サーバ30の情報取得部311は、ドライバーデータベース332から複数のドライバー関連情報を取得する(ステップS34)。本ステップで取得されるドライバー関連情報の数は、予め定められた数でもよいし、管理者が指定した数でもよいし、案件の内容に応じた数などであってもよい。あるいは、本ステップにおいて取得される複数のドライバー関連情報は、活動エリア等のドライバー属性情報を用いてドライバーデータベース332から抽出されたものであってもよい。例えば、(受信した案件IDに基づいて抽出された)案件関連情報の位置を活動エリアに含むドライバーのドライバー関連情報を抽出してもよい。
【0107】
次に、サーバ30の個別情報生成部312は、ステップS34で取得されたドライバー関連情報の各ドライバーについて個別情報を生成する(ステップS35)。本ステップの詳細は、前述のステップS13と同様であるので詳しい説明は省略する。その後、サーバ30は、ステップS34で取得された複数のドライバー関連情報と、ステップS35で生成された複数の個別情報を各々対応付けて管理者端末20に送信する(ステップS36)。
【0108】
そして、管理者端末20は、複数のドライバー関連情報と、各ドライバー関連情報に対応付けられた複数の個別情報を受信する(ステップS37)。そして、管理者端末20は、ドライバー関連情報を個別情報と対応付けて表示部25に一覧表示する(ステップS38)。図15は、ステップS38において、管理者端末20に表示される画面例を示している。この例では、領域A1およびA2に表示されたドライバー関連情報と、領域A3に表示された個別情報とが対応付けて表示されている。なお、画面中、「ルーム選択」タブを選ぶと、作成済みの1つまたは複数のチャットルームがリスト表示される。
【0109】
そして、管理者端末20の制御部21は、ドライバー選択基準が選択されたかどうかを判定する(ステップS39)。図15の画面例の場合、プルダウンメニューPMからドライバー選択基準が選択されたかどうかが判定される。なお、ドライバー選択基準の選択は、プルダウンメニュー形式によるものに限られず、チェックボックスの選択形式でもよい。この場合、複数のドライバー選択基準が選択されてもよい。
【0110】
ドライバー選択基準が選択されると(S39:Yes)、管理者端末20のソート部213は、ドライバー選択基準に基づいて、複数のドライバー関連情報を並べ替える(ステップS40)。例えば、ドライバー選択基準として「近い順」が選択された場合、移動距離の短い順にドライバー関連情報を並べ替える。そして、管理者端末20は、並べ替えられたドライバー関連情報(および個別情報)を表示部25に一覧表示する(ステップS41)。管理者は、並べ替えられたドライバー関連情報を見て、チャットルームのメンバーを選択する。図15の画面例の場合、管理者はチェックボックスCBをチェックすることで、チャットルームのメンバーを選択する。
【0111】
管理者端末20の制御部21は、チャットルームの作成指示がなされたかどうかを判定する(ステップS42)。図15の画面例の場合、チャットルーム作成ボタンB2が押下されたかどうかを判定する。なお、メッセージボックスMBにメッセージが入力されている場合は、メッセージ送信ボタンB1が押下されたことを以てチャットルームの作成指示がなされたと判定してもよい。
【0112】
チャットルームの作成指示がなされた場合(S42:Yes)、管理者が選択した複数のドライバーのIDをチャットルーム作成リクエストとともにサーバ30に送信し、(ステップS43)、サーバ30は複数のドライバーIDおよびチャットルーム作成リクエストを受信する(ステップS44)。
【0113】
次に、サーバ30のチャットルーム作成部315は、ステップS44で受信した複数のドライバーをメンバーとするチャットルームを作成する(ステップS45)。本ステップにおいて、チャットルームをドライバー端末10で表示するために必要なチャットルーム情報が生成される。
【0114】
以降の処理フローについては、第1の実施形態で説明した処理(ステップS16(図7C)~ステップS21(図7D))と同様であるので説明を省略する。
【0115】
上記のように、第1の実施形態の変形例では、ドライバー選択基準に基づいて並べ替えられたドライバーの中から管理者がチャットルームのメンバーを選択する。そして、選択された複数のドライバーのドライバー端末10の各々にチャットルームが表示される。その結果、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0116】
なお、第1の実施形態の別の変形例として、ステップS14(図7C)でサーバ30のメンバー選択部314が選択したドライバーを管理者端末20に送信し、その中から管理者がチャットルームのメンバーを選択し、サーバ30は管理者により選択されたドライバーをメンバーとするチャットルームを作成するようにしてもよい。
【0117】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第1の実施形態では配送会社の管理者がドライバーに配送依頼を行ったが、第2の実施形態では荷主がドライバーに直接配送依頼を行う。以下、第1の実施形態との相違点を中心に第2の実施形態について説明する。
【0118】
図16は、第2の実施形態に係る情報処理システム1Aの概略的構成を示している。情報処理システム1Aは、複数のドライバー端末(携帯端末)10Aと、荷主端末20Aと、サーバ30Aと、ネットワーク40とを備えている。
【0119】
ドライバー端末10Aは、第1の実施形態と同様の構成であるので説明は省略する。
【0120】
荷主端末20Aは、荷物の配送を依頼する荷主が使用する端末であり、ネットワーク40を介してドライバー端末10Aおよびサーバ30Aと通信可能に接続されている。荷主端末20Aは、例えば、デスクトップパソコン、ノートパソコン、タブレット端末、スマートフォン等である。なお、図16に示すように、通常、複数台の荷主端末20Aがネットワーク40を介してサーバ30Aに接続される。
【0121】
荷主端末20Aは、荷主が入力した配送依頼情報(荷物の重量・サイズ、数、集荷場所、配送先など)を受け付ける。本ステップにおいて、荷主端末20Aは、ドライバー選択基準も受け付ける。なお、荷主端末20Aの構成は、図3を参照して説明した管理者端末20の構成と同様である。
【0122】
サーバ30Aは、荷主端末20Aから送信された配送依頼情報およびドライバー選択基準に基づいてチャットルームを作成する。なお、サーバ30Aの構成は図4を参照して説明したサーバ30の構成と同様である。
【0123】
<第2の実施形態に係る情報処理システムの動作>
次に、図17Aおよび図17Bのシーケンス図を参照して、第2の実施形態に係る情報処理システム1Aの動作の一例について説明する。
【0124】
荷主端末20Aは、表示部25に配送依頼受付画面を表示する(ステップS51)。荷主は、操作入力部24を介して配送依頼受付画面に配送依頼情報を入力する。配送依頼情報は、例えば、荷主情報(名前、住所、連絡先等)、配送情報(集荷場所、配送先、集荷希望日時、配送希望日時)、荷物情報(サイズ、重量、個数等)などを含む。また、荷主は、配送依頼受付画面に表示された複数のドライバー選択基準から少なくとも一つのドライバー選択基準を選択する。ドライバー選択基準には、例えば、料金の安い順、対応評価の高い順などがある。複数のドライバー選択基準が選択されてもよい。
【0125】
次に、荷主端末20Aの制御部21は、荷主から配送依頼情報(案件関連情報)が入力されたかどうかを判定し(ステップS52)、配送依頼情報が入力された場合(S52:Yes)、ドライバー選択基準が選択されたかどうかを判定する(ステップS53)。ドライバー選択基準が選択された場合(S53:Yes)、荷主端末20Aはサーバ30Aに配送依頼情報およびドライバー選択基準を送信する(ステップS54)。
【0126】
サーバ30Aは、配送依頼情報およびドライバー選択基準を受信する(ステップS55)。本ステップにおいて受信された配送依頼情報は、案件関連情報として案件データベース331に登録されてもよい。
【0127】
次に、メンバー選択部314は、受信したドライバー選択基準に基づいて、ドライバーデータベース332から複数のドライバーを選択する(ステップS56)。例えば、ドライバー選択基準が料金の安い順である場合、ドライバーデータベース332のドライバー関連情報の希望条件を参照し、料金の安い順にドライバーを所定数選択する。ドライバー選択基準が対応評価順である場合、ドライバーデータベース332のドライバー関連情報の対応評価を参照し、対応評価の高い順に所定数のドライバーを選択する。なお、ドライバー選択基準として複数の基準が選択されている場合(例えば料金の安い順および対応評価順)、メンバー選択部314はいずれの基準も満足するドライバーをメンバーとして選択する。
【0128】
次に、チャットルーム作成部315は、ステップS56で選択された複数のドライバーをメンバーとするチャットルームを作成する(ステップS57)。そして、個別情報生成部312は、各ドライバーについて個別情報を生成する(ステップS58)。例えば、個別情報として、ドライバーの現在位置、配送先および配送希望日時を含む経路探索条件に基づく経路探索により得られた移動経路を含む情報が生成される。
【0129】
その後、サーバ30Aは、ステップS57で生成されたチャットルーム情報と、ステップS58で生成された個別情報とを、ステップS56で選択されたドライバーのドライバー端末10Aにそれぞれ送信する(ステップS59)。選択されたドライバーのドライバー端末10Aはそれぞれ、サーバ30Aからチャットルーム情報および個別情報を受信する(ステップS60)。
【0130】
そして、ドライバー端末10Aは、サーバ30Aから受信した情報を用いてチャットルームおよび個別情報を表示部15に表示する(ステップS61)。本ステップでは、ドライバー端末10Aの情報提示部112は、ステップS58で生成された複数の個別情報のうち当該ドライバー端末10Aに対応する個別情報をチャットルームに提示する。
【0131】
その後、チャットルームが開かれたドライバー端末10A間で情報のやりとりが行われ、あるドライバーが配送を引き受けると、当該ドライバーに関するドライバー関連情報(ドライバーの氏名、連絡先など)を含む引き受け通知が、配送依頼を行った荷主端末20Aに送信される。
【0132】
なお、上記の説明ではチャットルーム情報はドライバー端末10Aにのみ送信されたが、荷主端末20Aにも送信されてよい。この場合、荷主は、ドライバー同士のやりとりをモニタするだけでなく、質問や確認等のためにドライバーにメッセージを送信してもよい。
【0133】
また、複数のドライバーが配送を引き受ける旨を表明した場合、配送を引き受ける旨を表明したドライバーの情報を荷主端末20Aに送信し、荷主にドライバーを選択させるようにしてもよい。あるいは、サーバ30Aは、ドライバー選択基準により合致する方のドライバーを案件担当者に決定し、決定したドライバーを荷主端末20Aに通知するようにしてもよい。
【0134】
以上説明したように、第2の実施形態によれば、荷主の選んだドライバー選択基準に基づいてドライバーが複数選択され、選択されたドライバーをメンバーとするチャットルームが作成される。このように案件に応じた適切なチャットルームを作成することができ、その結果、荷主にとって適切なドライバーを自律的に決定することができる。
【0135】
なお、上記の説明では、ステップS56において、サーバ30Aがチャットルームのメンバーとなるドライバーを選択したが、これに限られず、第1の実施形態の変形例の場合のように、荷主がチャットルームのメンバーを選択してもよい。
【0136】
また、ドライバー選択基準が配送日時の早い順である場合など、移動経路情報等の個別情報を生成しないとチャットルームのメンバーとなるドライバーを選択できない場合は、個別情報を生成するステップを、ドライバーを選択するステップの前に実行してもよい。
【0137】
なお、第2の実施形態において、ドライバーデータベース332のドライバー関連情報は、ドライバーが所属する配送会社の識別情報(名称、ID等)を含んでもよい。そして、複数の配送会社のドライバーからチャットルームのメンバーを選択するようにしてもよい。これにより、荷主は、より多くのドライバーの中からより適したドライバーに荷物の配送を依頼することができる。
【0138】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。第1および第2の実施形態は荷物の配送という物流の観点からの実施形態であったが、第3の実施形態は、物流以外(非物流)の観点からの実施形態である。具体的には、本実施形態では、飲み会の参加候補者を所定の基準により絞り込み、絞り込まれた候補者をメンバーとするチャットルームを作成する。
【0139】
図18は、第3の実施形態に係る情報処理システム1Bの概略的構成を示している。情報処理システム1Bは、複数の携帯端末10Bと、サーバ30Bと、ネットワーク40とを備えている。
【0140】
携帯端末10Bは、参加候補者が携帯する端末であり、前述のドライバー端末10,10Aと同様の構成を有している。この携帯端末10Bは、例えば、スマートフォン、タブレット端末、ノートパソコン等のモバイル端末である。
【0141】
サーバ30Bは、ネットワーク40を介して複数の携帯端末10Bに通信可能に接続されている。このサーバ30Bは、図19に示すように、制御部31と、通信部32と、記憶部33とを備えている。制御部31および通信部32は、第1の実施形態で説明したサーバ30と同様であるので詳しい説明は省略する。
【0142】
記憶部33には、案件データベース331Aと、参加候補者データベース(案件候補者データベース)332Aと、経路ネットワークデータベース333Aとが記憶されている。
【0143】
図20は、第3の実施形態の案件データベース331Aの一例を示している。この案件データベース331Aは、案件(飲み会)に関する複数の案件関連情報を記憶したデータベースである。図20の例では、案件ごとに、案件ID、集合場所(名称、位置)、集合時刻(飲み会の開始時刻)および人数(幹事が希望する参加人数)が記憶されている。集合場所の名称は、飲み会が開催される店の名称(例えば居酒屋A)でもよいし、事前に集合する場所の名称(例えばB駅西口)でもよい。集合場所の位置を示す情報(案件位置情報)は、集合場所の住所または名称でもよいし、緯度・経度情報等であってもよい。
【0144】
図21は、参加候補者データベース332Aの一例を示している。この参加候補者データベース332Aは、複数の参加候補者関連情報を記憶したデータベースである。この例では、参加候補者関連情報は、識別情報(参加候補者のIDおよび名前)、携帯端末情報(参加候補者の携帯端末のIDおよび位置情報)および属性情報を有する。ここで、携帯端末の位置情報は、参加候補者の位置を示す参加候補者位置情報である。参加候補者の属性情報には、飲み会への参加実績、参加希望条件(開催場所、予算など)が含まれる。その他、属性情報には、性別、年齢、住所、職業等の情報が含まれてもよい。
【0145】
第3の実施形態の経路ネットワークデータベース333Aは、公共交通機関を利用した移動経路を探索できるように、経路ネットワーク情報として交通ネットワーク情報を含む。この交通ネットワーク情報は、公共交通機関のネットワーク情報であり、鉄道、バス、飛行機等の公共交通網を規定する情報である。交通ネットワーク情報は、公共交通網の情報として、交通機関の路線情報、時刻表情報および料金情報等をさらに含む。
【0146】
<第3の実施形態に係る情報処理システムの動作>
次に、図22Aおよび図22Bのシーケンス図を参照して、第3の実施形態に係る情報処理システム1Bの動作の一例について説明する。
【0147】
まず、幹事の携帯端末10Bの制御部11は、チャットルームの作成依頼画面を表示部15に表示する(ステップS71)。この作成依頼画面を介して、幹事は、集合場所、集合時刻および人数等を案件関連情報として入力するとともに、参加者選択基準を入力する。この参加者選択基準として例えば、参加候補者の現在地から集合場所までの移動時間が所定時間以下である等が挙げられる。
【0148】
次に、幹事の携帯端末10Bの制御部11は、チャットルームの作成依頼がなされたかどうかを判定する(ステップS72)。例えば、作成依頼画面に表示されるチャットルーム作成ボタン(図示せず)が押下された場合、チャットルームの作成依頼がなされたと判定する。
【0149】
チャットルームの作成依頼がなされた場合(S72:Yes)、入力された案件関連情報、参加者選択基準およびチャットルーム作成リクエストをサーバ30Bに送信する(ステップS73)。
【0150】
サーバ30Bは、携帯端末10Bから案件関連情報、参加者選択基準およびチャットルーム作成リクエストを受信した後(ステップS74)、受信した案件関連情報を案件データベース331Aに保存する(ステップS75)。
【0151】
その後、サーバ30Bの個別情報生成部312は、各参加候補者について個別情報を生成する(ステップS76)。より詳しくは、参加候補者が飲み会に参加するかどうか判断するための個別情報を参加候補者ごとに生成する。個別情報は、例えば以下のようにして生成される。まず、サーバ30Bの経路探索部313が、案件関連情報に含まれる案件に係る位置(集合場所)および集合時刻と、参加候補者データベース332Aの携帯端末情報の現在位置とに基づいて、現在地から移動して集合時刻前に集合場所に到着する経路を探索して移動経路情報を生成する。移動経路情報は、例えば、出発時刻、到着時刻、移動手段、移動時間および運賃を含む。そして、個別情報生成部312は、生成された移動経路情報に基づいて個別情報を生成する。例えば、移動経路情報と、参加候補者関連情報に含まれる情報(参加実績など)とを組み合わせて個別情報を生成する。あるいは、個別情報生成部312は移動経路情報をそのまま個別情報としてもよい。
【0152】
上記のような個別情報の生成は、参加候補者データベース332Aに含まれる全ての参加候補者について行ってもよいし、所定の基準に基づいて抽出された参加候補者について行ってもよい。後者の場合、参加候補者関連情報に基づいて、個別情報を生成する参加候補者を抽出してもよい。例えば、参加実績のある参加候補者を抽出し、抽出された参加候補者についてのみ個別情報を生成してもよい。
【0153】
上記のようにして個別情報が生成された後、サーバ30Bのメンバー選択部314は、ステップS74で受信された参加者選択基準と、ステップS76で生成された個別情報とに基づいて、参加候補者データベース332Aから複数の参加候補者を選択する(ステップS77)。例えば、参加者選択基準が「移動時間が短い順」である場合、メンバー選択部314は、個別情報の移動時間を参照し、移動時間が短い順に参加候補者を所定数選択する。あるいは、メンバー選択部314は、集合場所への到着時刻が集合時刻以前である(すなわち、集合時刻前に集合場所に到着可能な)参加候補者の全部または一部をメンバーとして選択してもよい。
【0154】
次に、サーバ30Bのチャットルーム作成部315は、ステップS77で選択された複数の参加候補者をメンバーとするチャットルームを作成する(ステップS78)。本ステップにおいて、チャットルームを携帯端末10Bで表示するために必要なチャットルーム情報が生成される。
【0155】
次に、サーバ30Bは、ステップS76で生成された個別情報と、ステップS78で生成されたチャットルーム情報とを、ステップS77で選択された参加候補者の携帯端末10Bにそれぞれ送信する(ステップS79)。
【0156】
そして、選択された参加候補者の携帯端末10Bはそれぞれ、サーバ30Bからチャットルーム情報および個別情報を受信する(ステップS80)。そして、各携帯端末10Bは、サーバ30Bから受信した情報を用いてチャットルームおよび個別情報を表示部15に表示する(ステップS81)。ステップS81では、携帯端末10Bの情報提示部112は、ステップS76で生成された複数の個別情報のうち当該携帯端末10Bに対応する個別情報をチャットルームに提示する。
【0157】
図23は、ステップS81において、選択された参加候補者の携帯端末10Bに表示されたチャットルームの画面例である。吹き出し内には、チャットルームのメンバーA(幹事)のメッセージに加えて、参加候補者に固有の個別情報(移動時間、運賃)が表示されている。メッセージ中の「移動経路」および「集合場所」は選択可能に表示されている。ユーザが「移動経路」を選択すると、移動経路の詳細(出発時刻、到着時刻、移動手段、乗換など)が表示され、「集合場所」を選択すると、集合場所の地図や住所などが表示される。
【0158】
図23の画面において、参加候補者が、吹き出し内の「参加申込」を押下すると、当該参加候補者が飲み会に参加する旨のメッセージが幹事および他の参加候補者の携帯端末10Bに送信される。また、参加候補者は、メッセージボックスMBにメッセージを入力し、メッセージ送信ボタンB1を押下することで、入力したメッセージを幹事および他の参加候補者の携帯端末10Bに送信することも可能である。
【0159】
図24は、図23の画面からしばらく時間が経過した後における、携帯端末10Bに表示されたチャットルームの別の画面例である。この画面では、幹事の参加依頼に対して、各参加候補者が飲み会に参加するかどうかを表明している。このように、案件との関係で絞り込まれた参加候補者がチャットルームで幹事および他の参加候補者と自由にコミュニケーションをとることで、飲み会の参加者が決定される。
【0160】
さらに、チャットルームに表示される参加依頼には、移動時間など、各参加候補者に固有の個別情報が表示されるため、各参加候補者は飲み会に参加するかどうかについて素早く適切に判断することができる。
【0161】
なお、参加希望者が開催人数(案件関連情報の「人数」)に達した場合、サーバ30Bは、参加を締め切る旨のメッセージを参加候補者の各携帯端末10Bに送信してもよい。
【0162】
以上説明したように、第3の実施形態によれば、ある携帯端末10Bのユーザ(飲み会の幹事)が選択した参加者選択基準に基づいて参加候補者が自動で複数選択され、選択された参加候補者をメンバーとするチャットルームが作成される。そして、選択された複数の参加候補者の携帯端末10Bにはそれぞれチャットルームが表示される。このように案件に応じた適切なチャットルームを作成することができ、チャットルームを通じて幹事と参加候補者間および参加候補者同士間の円滑なコミュニケーションを図ることができる。
【0163】
さらに、チャットルームの参加依頼メッセージに参加候補者に固有の個別情報を表示することで、参加候補者は、飲み会に参加可能かどうかについて容易かつ迅速に判断を下すことができるようになる。
【0164】
なお、第1の実施形態で述べたように、メンバーの選択にあたって個別情報が要求されない場合(例えば参加者選択基準が参加実績順の場合など)、個別情報を生成する前に参加者選択基準に基づいてチャットルームのメンバーを選択してもよい。また、この場合、個別情報の生成は必須でなく、個別情報を生成しなくてもよい。
【0165】
また、チャットルーム作成後に、幹事がチャットルームのメンバーとなる参加候補者を追加してもよい。また、第1の実施形態の変形例のように、幹事が、参加者選択基準に基づいて並べ替えられた参加候補者の中から、チャットルームのメンバーを選択してもよい。
【0166】
なお、第3の実施形態では、飲み会への参加を例に説明したが、「案件」は飲み会への参加に限られず、各種集会ないしイベントへの参加であってもよい。
【0167】
以上、本発明に係る3つの実施形態および変形例について説明した。本発明において、「案件」はドライバーによる荷物の配送や飲み会等のイベントへの参加などに限定されるものでなく、携帯端末を有する人が案件に係る位置に移動することを伴うものであればよい。また、ドライバー関連情報や参加候補者関連情報などの案件候補者関連情報は、配送先や飲み会の場所など案件に係る位置のほか、配送手数料、作業予定時間および集合時刻などの位置情報以外の情報であってもよい。
【0168】
なお、サーバ30,30A,30B内の構成要件の少なくとも一部がそれぞれ携帯端末10,10A,10B内にあってもよい。
【0169】
また、上述した実施形態で説明した情報処理システムの少なくとも一部は、ハードウェアで構成してもよいし、ソフトウェアで構成してもよい。ソフトウェアで構成する場合には、情報処理システムの少なくとも一部の機能を実現するプログラムをフレキシブルディスクやCD-ROM等の記録媒体に収納し、コンピュータに読み込ませて実行させてもよい。記録媒体は、磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能なものに限定されず、ハードディスク装置やメモリなどの固定型の記録媒体でもよい。あるいは、情報処理システムの少なくとも一部の機能を実現するプログラムを、インターネット等の通信回線(無線通信も含む)を介して頒布してもよい。さらに、同プログラムを暗号化したり、変調をかけたり、圧縮した状態で、インターネット等の有線回線や無線回線を介して、あるいは記録媒体に収納して頒布してもよい。
【0170】
また、情報処理システムの少なくとも一部の機能を実現するプログラムを、インターネット等の通信回線(無線通信も含む)を介して頒布してもよい。さらに、同プログラムを暗号化したり、変調をかけたり、圧縮した状態で、インターネット等の有線回線や無線回線を介して、あるいは記録媒体に収納して頒布してもよい。
【0171】
さらに、一つまたは複数の情報処理装置によって情報処理システムを機能させてもよい。複数の情報処理装置を用いる場合、情報処理装置のうちの1つをコンピュータとし、当該コンピュータが所定のプログラムを実行することにより情報処理システムの少なくとも1つの手段として機能が実現されてもよい。
【0172】
上記の記載に基づいて、当業者であれば、本発明の追加の効果や種々の変形を想到できるかもしれないが、本発明の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではない。特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。
【符号の説明】
【0173】
1,1A,1B 情報処理システム
10,10A ドライバー端末
10B 携帯端末
11 制御部
111 情報取得部
112 情報提示部
12 通信部
13 記憶部
14 操作入力部
15 表示部
16 測位部
20 管理者端末
20A 荷主端末
21 制御部
211 情報取得部
212 情報提示部
213 ソート部
22 通信部
23 記憶部
24 操作入力部
25 表示部
30,30A,30B サーバ
31 制御部
311 情報取得部
312 個別情報生成部
313 経路探索部
314 メンバー選択部
315 チャットルーム作成部
316 メンバー更新部
32 通信部
33 記憶部
331,331A 案件データベース
332 ドライバーデータベース
332A 参加候補者データベース
333,333A 経路ネットワークデータベース
40 ネットワーク
A1,A2,A3 領域
B 荷物
B1 メッセージ送信ボタン
B2 チャットルーム作成ボタン
CB チェックボックス
M1 指示メニュー
M2 選択基準メニュー
MB メッセージボックス
P ピン
PM プルダウンメニュー
SB 検索ボックス
T 配送トラック
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14A
図14B
図15
図16
図17A
図17B
図18
図19
図20
図21
図22A
図22B
図23
図24