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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-25
(45)【発行日】2024-02-02
(54)【発明の名称】ゲーム装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 9/00 20060101AFI20240126BHJP
【FI】
A63F9/00 508Z
A63F9/00 508H
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020026677
(22)【出願日】2020-02-19
(62)【分割の表示】P 2019154754の分割
【原出願日】2019-08-27
(65)【公開番号】P2021030052
(43)【公開日】2021-03-01
【審査請求日】2022-08-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000169477
【氏名又は名称】株式会社コナミアミューズメント
(72)【発明者】
【氏名】新畑 由矢
(72)【発明者】
【氏名】山根 生也
(72)【発明者】
【氏名】菅 慎哉
【審査官】相川 俊
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-162255(JP,A)
【文献】特開2003-320084(JP,A)
【文献】特開2012-205796(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
A63F 7/22 - 7/40
A63F 9/00 - 9/20
A63F 9/26 - 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
全周にわたる任意の方向から衝突する遊技体を径方向に付勢可能である円環状の打撃部を具備する第1付勢体及び第2付勢体と、
前記第1付勢体及び前記第2付勢体を含み、かつ、前記遊技体が供給される第1空間を形成する壁部と、
を備え、
前記壁部は、前記第1付勢体及び前記第2付勢体のそれぞれの周囲の一部の範囲以外に設けられており、
前記第1付勢体及び前記第2付勢体のそれぞれの前記範囲にのみ、前記遊技体を衝突可能にしたことを特徴とする
ゲーム装置。
【請求項2】
前記遊技体が供給される第2空間を包囲する周壁部と、
前記周壁部を回転させる機構と、
を備え、
前記周壁部は、前記第2空間と前記第1空間とを連通させる連通口を有し、
前記周壁部が回転することで、前記遊技体が前記連通口を通過できない状態から、前記遊技体が前記連通口を通過可能な状態へ遷移する
請求項1に記載のゲーム装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば球体等の遊技体を利用したゲーム装置が従来から提案されている。例えば特許文献1には、球体が転動するゲーム盤面を具備するゲーム機が開示されている。ゲーム盤面には、接触した球体を弾く抽選機構と、周辺に向けて球体を付勢する付勢部材とが設置される。電子抽選での当選を条件としてゲーム盤面の面上に球体が供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第4399470号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年のゲーム装置においては、遊技体を利用した効果的な演出が要求される。以上の事情を考慮して、本発明は、遊技体を利用した効果的な演出を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するために、本発明のひとつの態様に係るゲーム装置は、遊技体が供給される第1空間と、前記第1空間に相互に間隔をあけて設置され、前記遊技体を付勢する複数の付勢体と、前記遊技体を利用した第1抽選を実行するための第2空間とを具備し、前記第1空間から前記第2空間に対する遊技体の移動が阻害される滞留状態から、前記複数の付勢体により付勢された前記遊技体が前記第1空間から前記第2空間に移動する連通状態に遷移する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1実施形態に係るゲーム装置の構成を例示する平面図である。
図2】ゲーム装置の機能的な構成を例示するブロック図である。
図3】遊技装置の構成を例示する平面図である。
図4】遊技装置の構成を例示する斜視図である。
図5】制御装置の機能を例示するブロック図である。
図6】通常ゲーム処理の具体的な手順を例示するフローチャートである。
図7】抽選イベントの説明図である。
図8】第1抽選装置の構成を例示する平面図である。
図9図8におけるa-a線の断面図である。
図10】付勢体の側面図である。
図11】可動体の移動に関する説明図である。
図12】第1制御処理の具体的な手順を例示するフローチャートである。
図13】第1抽選装置と第2抽選装置との間の説明図である。
図14】第2抽選装置の構成を例示する平面図である。
図15図14におけるb-b線の断面図である。
図16】各抽選要素の概要の説明図である。
図17】単位表示部の構成を例示する断面図である。
図18】第2制御処理の具体的な手順を例示するフローチャートである。
図19】第2制御処理の具体的な手順を例示するフローチャートである。
図20】報酬履歴データの説明図である。
図21】報酬画像の模式図である。
図22】表示制御処理の具体的な手順を例示するフローチャートである。
図23】第2実施形態の第1抽選イベントにおける経過報酬の付与の説明図である。
図24】変形例における遊技装置の開口の説明図である。
図25】変形例における表示制御処理の具体的な手順を例示するフローチャートである。
図26】変形例における報酬画像の模式図である。
図27】変形例における報酬履歴データの模式図である。
図28】変形例における表示制御処理の具体的な手順を例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。以下に記載する実施の形態は、技術的に好適な種々の限定を含む。本発明の範囲は、以下に例示する形態には限定されない。
【0008】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係るゲーム装置1の構成を例示する平面図である。ゲーム装置1は、例えば遊技施設に設置される遊技システムである。遊技施設は、例えばゲームセンターまたはカジノ等の娯楽施設、またはショッピングセンター等の商業施設である。ゲーム装置1は、遊技施設内の遊技者(すなわちゲーム装置1の利用者)にゲームを提供する。なお、ゲーム装置1は、単体の装置として実現されるほか、相互に別体で構成された複数の装置の集合(すなわちシステム)としても実現される。
【0009】
遊技者は、遊技媒体を使用することでゲームをプレイする。遊技媒体は、ゲームに使用される有体または無体の価値媒体である。有体の遊技媒体は、例えばトークンコイン(メダル)、コイン(貨幣)またはチケットである。無体の遊技媒体は、例えば電子メダル、クレジットまたはポイントである。無体の遊技媒体の数量は、例えばICカード等の記録媒体に電子データとして記憶される。遊技者は、遊技媒体の使用によりゲームをプレイし、当該ゲームの進行に応じた数量の遊技媒体を報酬として獲得する。ゲームのプレイのために使用される遊技媒体と遊技者に報酬として付与される遊技媒体とは、同種および異種の何れでもよい。遊技媒体の使用は、遊技媒体の投入または消費(あるいはベット)とも換言され、遊技媒体の付与は、遊技媒体の払出とも換言される。
【0010】
なお、遊技者は、ゲームにおいて使用される遊技媒体を、当該遊技媒体とは別種の価値媒体と引換に取得してもよい。例えばトークンコイン、コイン(貨幣)または電子マネー等の各種の価値媒体の所定量と引換に、遊技者は、ゲームにて使用されるクレジット等の遊技媒体を取得する。以上の説明から理解される通り、ゲームにて使用される遊技媒体と、当該遊技媒体の取得(例えば購入)のために消費される価値媒体と、遊技者に報酬として付与される遊技媒体とは、同種および異種の何れでもよい。
【0011】
図1に例示される通り、第1実施形態のゲーム装置1は、複数の遊技装置20と第1抽選装置30と複数の第2抽選装置40とを具備する。以下の説明においては、鉛直方向におけるゲーム装置1の中心軸を中心とする仮想的な円形の円周に沿う方向を「X方向」と表記し、当該円形の半径の方向を「Y方向」と表記する。また、X-Y平面に直交する方向を「Z方向」と表記する。Z方向は、鉛直方向に相当する。X方向(周方向)は「第1方向」の一例であり、Y方向(径方向)は「第2方向」の一例である。
【0012】
複数の遊技装置20の各々は、遊技者が特定のゲーム(以下「通常ゲーム」という)をプレイするためのユニットである。複数の遊技装置20は、第1抽選装置30を包囲するようにX方向に沿って配列される。相異なる遊技者による通常ゲームが複数の遊技装置20において並列に進行する。また、第2抽選装置40は遊技装置20毎に設置される。なお、X方向に隣合う2個の遊技装置20の組毎に第2抽選装置40を設置してもよい。すなわち、相異なる2人の遊技者により第2抽選装置40を共用してもよい。
【0013】
図2は、ゲーム装置1の機能的な構成を例示するブロック図である。図2に例示される通り、ゲーム装置1は、複数の遊技装置20と第1抽選装置30と複数の第2抽選装置40とに加えて、制御装置11と記憶装置12と通信装置13とを具備する。制御装置11は、例えばゲーム装置1の各要素を制御する単数または複数のプロセッサである。具体的には、例えばCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の1種類以上のプロセッサにより、制御装置11が構成される。第1実施形態の制御装置11は、各遊技装置20と第1抽選装置30と各第2抽選装置40との各々の動作を制御する。
【0014】
記憶装置12は、制御装置11が実行するプログラムと制御装置11が使用する各種のデータとを記憶する単数または複数のメモリである。例えば半導体記録媒体および磁気記録媒体等の公知の記録媒体で構成される。なお、複数種の記録媒体の組合せにより記憶装置12を構成してもよい。第1実施形態の記憶装置12は、各遊技装置20を制御するためのプログラムP0と、第1抽選装置30を制御するためのプログラムP1と、第2抽選装置40を制御するためのプログラムP2と、画像表示を制御するためのプログラムP3とを記憶する。
【0015】
通信装置13は、例えばインターネット等の通信網2を介して他の装置と通信する。第1実施形態の通信装置13は、情報管理装置3との間で通信する。情報管理装置3は、ゲーム装置1において使用されるデータを記憶するサーバ装置である。
【0016】
[A:遊技装置20]
図3は、任意の1個の遊技装置20の構成を例示する平面図であり、図4は、遊技装置20の構成を例示する斜視図である。第1実施形態の遊技装置20は、遊技者に通常ゲームを提供する機構である。第1実施形態の通常ゲームは、プッシャーゲームである。図1および図3に例示される通り、遊技装置20は、操作パネル21と表示装置22と固定テーブル23と可動テーブル24と投入機構251と投入機構252と支持構造体26と検出装置271と検出装置272とを具備する。表示装置22は、制御装置11から指示された画像を表示する。例えば液晶表示パネルまたは有機EL表示パネル等の各種の表示パネルが表示装置22として利用される。
【0017】
操作パネル21は、遊技者からの指示を受付ける入力機器である。具体的には、操作パネル21は、図1に例示される通り、操作子211と受付部212と払出部213とを具備する。操作子211は、遊技者が操作可能な操作ボタンである。受付部212は、遊技媒体の投入を受付ける。例えばトークンコイン等の有体の遊技媒体の投入を受付ける投入口、または、例えばクレジット等の無体の遊技媒体をICカード等の記録媒体から取得する読出回路が、受付部212として利用される。払出部213は、遊技者に付与された報酬を払出す。例えばトークンコイン等の有体の遊技媒体を排出する払出口、または、例えばクレジット等の無体の遊技媒体を記録媒体に書込む書込回路が、払出部213として利用される。
【0018】
固定テーブル23は、略水平に設置された板状部材である。具体的には、固定テーブル23は、X方向に沿う円弧型に成形された板状部材である。可動テーブル24は、固定テーブル23の表面(以下「載置面」という)Fa1上においてX方向に沿って往復する立体的な構造体(いわゆるプッシャーテーブル)である。遊技装置20におけるX方向は、遊技者の左右の方向に相当し、「第1方向」の一例である。また、可動テーブル24は「可動体」の一例である。
【0019】
投入機構251は、可動テーブル24の表面(以下「載置面」という)Fa2に向けて遊技体Qa1を投入する機構である。第1実施形態の遊技体Qa1は、円盤状のトークンコインである。例えば遊技者が使用した遊技媒体を投入機構251が遊技体Qa1として投入してもよいし、遊技者が使用した無体の遊技媒体に対応する数量の遊技媒体を投入機構251が遊技体Qa1として投入してもよい。投入機構251が遊技体Qa1を投入する方向および時点は、例えば操作子211に対する遊技者からの指示に応じて制御される。
【0020】
支持構造体26は、遊技装置20の各要素を支持する構造体である。具体的には、支持構造体26は、第1壁部261と第2壁部262と第3壁部263と第4壁部264とを具備する。第1壁部261は、載置面Fa1の第1周縁E1から離間した位置でY方向に延在する部分である。第1周縁E1は、載置面Fa1においてX方向の正側に位置する周縁である。すなわち、第1周縁E1は、遊技者からみて載置面Fa1における右端または左端である。図3および図4に例示される通り、載置面Fa1の第1周縁E1と第1壁部261との間にはY方向に長尺な開口Oa1が形成される。
【0021】
第2壁部262は、載置面Fa1の第2周縁E2に沿って当該載置面Fa1から突出する壁部である。第2周縁E2は、載置面Fa1においてY方向の負側に位置する周縁(すなわち載置面Fa1の内周縁)である。すなわち、遊技装置20に対して遊技者側を「前方」として反対側を「後方」とした場合、第2周縁E2は、載置面Fa1における後端である。第3壁部263は、載置面Fa1の第3周縁E3に沿って当該載置面Fa1から突出する壁部である。第3周縁E3は、載置面Fa1においてY方向の正側に位置する周縁(すなわち載置面Fa1の外周縁)である。すなわち、第3周縁E3は、載置面Fa1における前端である。以上の説明から理解される通り、可動テーブル24は、第2壁部262と第3壁部263との間の空間内においてX方向に沿って往復する。第2壁部262は、遊技者からみて固定テーブル23の奥側に位置し、第3壁部263は、遊技者からみて固定テーブル23の手前側に位置する。
【0022】
第4壁部264は、可動テーブル24の載置面Fa2上においてY方向に延在する部分である。すなわち、第4壁部264は載置面Fa2に対向する。載置面Fa2と第2壁部262との間隔は、遊技体Qa1の外形寸法の最小値(例えば遊技体Qa1の厚さ)を下回る。
【0023】
図3に例示される通り、固定テーブル23の載置面Fa1と可動テーブル24の載置面Fa2とには多数の遊技体Qa1が稠密に積層される。可動テーブル24の載置面Fa2に載置された遊技体Qa1は、可動テーブル24がX方向の負側に移動するときに第4壁部264によりX方向の正側に押圧される。第4壁部264により押圧されることで載置面Fa2上の遊技体Qa1が順次にX方向の正側に移動し、可動テーブル24の周縁部の近傍に位置する余剰の遊技体Qa1が、載置面Fa2から固定テーブル23の載置面Fa1に落下する。載置面Fa1上の複数の遊技体Qa1は、X方向の正側に移動する可動テーブル24により押圧されることで順次にX方向の正側に移動し、固定テーブル23の第1周縁E1の近傍に位置する余剰の遊技体Qa1が当該第1周縁E1から開口Oa1に落下する。
【0024】
検出装置271は、載置面Fa1の第1周縁E1から開口Oa1に落下する遊技体Qa1を検出するためのセンサである。検出装置271が検出した遊技体Qa1の個数に応じた報酬が遊技者に付与される。例えば、検出装置271が検出した遊技体Qa1の個数に応じた数量の遊技媒体が払出部213から報酬として排出される。
【0025】
図3および図4に例示される通り、第2壁部262には開口Oa2が形成される。開口Oa2は、載置面Fa1の第2周縁E2に沿う開口である。載置面Fa1と第2壁部262とが交差する位置に開口Oa2が形成される。したがって、遊技者は開口Oa2を視認できる。なお、載置面Fa1に開口Oa2を形成してもよい。載置面Fa1上の複数の遊技体Qa1が可動テーブル24により押圧されると、第2周縁E2の近傍に位置する余剰の遊技体Qa1は、Y方向の負側に移動することで載置面Fa1から開口Oa2に落下する。
【0026】
検出装置272は、載置面Fa1の第2周縁E2から開口Oa2に落下する遊技体Qa1を検出するためのセンサ(いわゆるチャッカ)である。検出装置272は、載置面Fa1からみてY方向の負側に設置される。例えば開口Oa2に落下した遊技体Qa1が受光素子に対する照射光を遮断することを検出する光学センサ、または、開口Oa2の直下に設置された検出体に遊技体Qa1が接触することを検出する接触センサが、検出装置272として利用される。
【0027】
第1実施形態においては、検出装置272が遊技体Qa1を検出した場合に抽選(以下「通常抽選」という)が実行される。第1実施形態における通常抽選は、遊技者の当選または落選(非当選,ハズレ)を確率的に選択する電子抽選である。例えば、複数の候補からリール毎に確率的に選択される絵柄の組合せに応じて当選または落選が決定されるビデオスロットが、通常抽選の好適例である。
【0028】
図3および図4に例示される通り、第3壁部263には開口Oa3が形成される。開口Oa3は、載置面Fa1の第3周縁E3に沿う開口である。ゲーム装置1の管理者(例えば遊技施設の従業者)は、開口Oa3の面積を適宜に調整することが可能である。開口Oa3と遊技者との間には第3壁部263が位置するから、遊技者から開口Oa3は視認できない。なお、載置面Fa1に開口Oa3を形成してもよい。載置面Fa1上の複数の遊技体Qa1が可動テーブル24により押圧されると、第3周縁E3の近傍に位置する余剰の遊技体Qa1は、Y方向の正側に移動することで載置面Fa1から開口Oa3に落下する。開口Oa1から落下した遊技体Qa1は報酬に寄与し、開口Oa2から落下した遊技体Qa1は通常抽選に寄与するのとは対照的に、開口Oa3に落下した遊技体Qa1は、報酬および通常抽選の何れにも寄与しない(いわゆる親落ち)。したがって、遊技者が通常ゲームに使用した遊技媒体の数量と当該遊技者に付与された報酬の数量との比率(ペイアウト率)を、第3周縁E3における開口Oa3の面積に応じて調整することが可能である。
【0029】
従前のプッシャーゲームにおいては、可動テーブル24が往復する方向の第1周縁E1から落下した遊技体Qa1に応じた報酬が付与される。すなわち、第1周縁E1から遊技体Qa1を落下させることが、プッシャーゲームの基本的な目的である。以上の観点からすると、可動テーブル24が往復する方向に交差する方向の第2周縁E2から遊技体Qa1が落下しても、親落ちとして報酬に加味しないという運用が通常である。以上に説明した通常の事情とは対照的に、第1実施形態においては、可動テーブル24が往復するX方向に交差するY方向に位置する第2周縁E2から遊技体Qa1が落下した場合に、通常抽選が実行される。以上の説明から理解される通り、第1実施形態は、従前のプッシャーゲームにおける親落ちを遊技者の利益(通常抽選の権利の獲得)に加味するという特徴的な構成を採用する。なお、第1実施形態においては、通常抽選のための開口Oa2の面積は固定である一方、報酬に加味されない開口Oa3の面積は調整可能である。したがって、通常ゲームのゲーム性(特に通常抽選の開始の契機)に対して過度に影響することなく、ペイアウト率を調整することが可能となる。
【0030】
図3の投入機構252は、通常抽選で遊技者が当選した場合に、遊技体Qa2を載置面Fa1上に投入する。遊技体Qa2は、例えば外径が遊技体Qa1を上回る球体である。載置面Fa1上の遊技体Qa2は、可動テーブル24による押圧で遊技体Qa1とともに第1周縁E1側に移動し、最終的には載置面Fa1の第1周縁E1から開口Oa1に落下する。他方、遊技体Qa2のサイズは、第2周縁E2に沿う開口Oa2のサイズを上回る。したがって、遊技体Qa2は、第2周縁E2から開口Oa2には落下しない。同様に、遊技体Qa2のサイズは、第3周縁E3に沿う開口Oa3のサイズを上回る。したがって、遊技体Qa2は、第3周縁E3から開口Oa3には落下しない。なお、遊技体Qa1および遊技体Qa2の形状は任意である。
【0031】
第2壁部262または第3壁部263の内壁面に設置された突起部により、開口Oa2または開口Oa3に遊技体Qa2が落下することを阻止してもよい。例えば、載置面Fa1と突起部との間隔が、遊技体Qa2の高さを上回り、かつ、遊技体Qa1の高さを下回るように、第2壁部262または第3壁部263に突起部が形成される。以上の構成によれば、開口Oa2または開口Oa3に対する遊技体Qa2の落下が突起部により阻止されるから、開口Oa2または開口Oa3の面積を任意に選定できる。したがって、例えば開口Oa3の面積を調整することでペイアウト率を調整し易いという利点がある。
【0032】
開口Oa1に落下する遊技体Qa1を検出する検出装置271は、載置面Fa1から開口Oa1に落下する遊技体Qa2も検出する。開口Oa1に落下した遊技体Qa2の個数Nが所定値Nth(例えば3個)に到達した場合、特別な報酬(以下「特別報酬」という)を遊技者が獲得するための抽選イベントが開始される。抽選イベントは、第1抽選装置30および第2抽選装置40を利用したゲームイベントである。
【0033】
図5は、制御装置11の機能を例示するブロック図である。記憶装置12に記憶されたプログラムP0を制御装置11が実行することで、通常ゲームに関する複数の機能(報酬付与部71および抽選制御部72)が実現される。報酬付与部71は、載置面Fa1の第1周縁E1から開口Oa1に落下する遊技体Qa1に応じた報酬を遊技者に付与する。抽選制御部72は、載置面Fa1の第2周縁E2から開口Oa2に落下した遊技体Qa1を検出装置272が検出した場合に通常抽選を実行する。
【0034】
図6は、通常ゲームに関して制御装置11が実行する処理(以下「通常ゲーム処理」という)Saの具体的な手順を例示するフローチャートである。例えば所定の時間毎に発生する割込を契機として通常ゲーム処理Saが実行される。
【0035】
通常ゲーム処理Saを開始すると、報酬付与部71は、検出装置271が遊技体Qa1を検出したか否かを判定する(Sa1)。すなわち、載置面Fa1の第1周縁E1から開口Oa1に遊技体Qa1が落下したか否かが判定される。検出装置271が遊技体Qa1を検出した場合(Sa1:YES)、報酬付与部71は、所定量の遊技媒体を報酬として払出部213から排出する(Sa2)。すなわち、第1周縁E1から遊技体Qa1が落下するたびに所定量の報酬が遊技者に付与される。検出装置271が遊技体Qa1を検出しない場合(Sa1:NO)、遊技者に報酬は付与されない。
【0036】
報酬付与部71は、検出装置271が遊技体Qa2を検出したか否かを判定する(Sa3)。すなわち、載置面Fa1の第1周縁E1から開口Oa1に遊技体Qa2が落下したか否かが判定される。検出装置271が遊技体Qa2を検出した場合(Sa3:YES)、報酬付与部71は、第1周縁E1から落下した遊技体Qa2の個数Nが所定値Nthに到達したか否かを判定する(Sa4)。遊技体Qa2の個数Nが所定値Nthに到達した場合(Sa4:YES)、第1抽選装置30および第2抽選装置40を利用した抽選イベントが開始される(Sa5)。抽選イベントの開始とともに、遊技体Qa2の個数Nはゼロに初期化される。
【0037】
他方、検出装置271が遊技体Qa2を検出しない場合(Sa3:NO)、または、遊技体Qa2の個数Nが所定値Nthに到達しない場合(Sa4:NO)、抽選制御部72は、検出装置272が遊技体Qa1を検出したか否かを判定する(Sa6)。すなわち、載置面Fa1の第2周縁E2から開口Oa2に遊技体Qa1が落下したか否かが判定される。検出装置272が遊技体Qa1を検出した場合(Sa6:YES)、抽選制御部72は、通常抽選を実行する(Sa7)。具体的には、抽選制御部72は、通常抽選を表すゲーム画面を表示装置22に表示させたうえで、遊技者の当選または落選を抽選により判定する。遊技者が通常抽選に当選した場合(Sa8:YES)、抽選制御部72は、当選を表す画面を表示装置22に表示させ、投入機構252を制御することで載置面Fa1上に遊技体Qa2を投入する(Sa9)。他方、遊技者が通常抽選に当選しない場合(Sa8:NO)、遊技体Qa2が投入されることなく通常ゲーム処理Saは終了する。
【0038】
以上に説明した通り、第1実施形態においては、載置面Fa1においてX方向に位置する第1周縁E1から遊技体Qa1が落下した場合に遊技者に報酬が付与されるほか、Y方向に位置する第2周縁E2から遊技体Qa1が落下した場合に通常抽選が実行される。したがって、遊技体Qa1をX方向に移動させることのみを目的とする構成(例えば第2周縁E2からの遊技体Qa1の落下が報酬に加味されない構成)と比較して、通常ゲームを多様化することが可能である。また、載置面Fa1からみてY方向に検出装置272が設置されるから、載置面Fa1に対してX方向に検出装置272を設置する構成と比較して、X方向における遊技装置20のサイズを低減し易いという利点もある。
【0039】
また、第1実施形態におけるX方向は、遊技者からみて左右の方向である。すなわち、可動テーブル24は、遊技者からみて左右の方向に沿って往復する。したがって、遊技者からみて前後の方向に沿って可動テーブル24が往復する構成と比較して、載置面Fa1に必要な奥行が低減されるという利点がある。また、第2周縁E2は載置面Fa1における後端であるから、遊技者から視認し易いという利点もある。
【0040】
図7は、抽選イベントの説明図である。第1実施形態における抽選イベントは、第1抽選イベントと第2抽選イベントとを含む。第2抽選イベントは、特別報酬を遊技者に付与するか否かを抽選により決定するゲームイベントである。第1抽選イベントは、第2抽選イベントを開始するか否かを抽選により決定するゲームイベントである。特別報酬は、例えば多量の遊技体Qa1(いわゆるジャックポット)である。具体的には、特別報酬として遊技者に付与された多量の遊技体Qa1が、固定テーブル23の載置面Fa1および可動テーブル24の載置面Fa2に投入される。ただし、特別報酬の内容または特別報酬を付与する方法は、以上の例示に限定されない。例えば、多量の遊技媒体を払出部213から特別報酬として遊技者に対して排出してもよい。なお、第1抽選イベントは「第2抽選」の一例である。
【0041】
図1の第1抽選装置30は、第1抽選イベントに利用される。第2抽選装置40は、第2抽選イベントに利用される。第1抽選イベントおよび第2抽選イベントの各々は、遊技体Qbを利用した物理抽選である。遊技体Qbは、平面上で転動可能な立体物である。第1実施形態においては球体を遊技体Qbとして例示する。ただし、多面体または円盤等の他の形状の遊技体Qbを利用してもよい。第1実施形態の遊技体Qbは、例えば鉄等の磁性体(特に強磁性体)で構成される。したがって、遊技体Qbは、例えば永久磁石または電磁石等の磁石により引寄せられる。
【0042】
[B:第1抽選装置30]
図8は、第1抽選装置30の構成を例示する平面図であり、図9は、図8におけるa-a線の断面図である。図8および図9に例示される通り、第1抽選装置30は、遊技機構31と駆動機構33と複数の付勢体34と投入機構35と検出機構36とを具備する物理抽選機構である。
【0043】
遊技機構31は、遊技体Qbが転動する遊技面Fbを含む扁平な構造体である。第1実施形態の遊技機構31は、回転体311と基体部312と周壁部32とを具備する。回転体311は、円形状の板状部材である。回転体311の表面Fb1は、外周縁から中心にかけて僅かに下降する傾斜面である。回転体311の表面Fb1には、当該表面Fb1から突出する突起部37が設置される。突起部37は、Z方向からの平面視で回転体311の中心を通過する直線状の部分である。突起部37は、回転体311と一体に形成される。ただし、回転体311とは別体で形成された突起部37を表面Fb1に固定してもよい。
【0044】
基体部312は、平面視で回転体311を包囲する円環状の構造体である。すなわち、基体部312に形成された円形状の開口内に回転体311が設置される。基体部312の表面Fb2は、外周縁から内周縁にかけて下降する傾斜面である。基体部312の表面Fb2には、当該表面Fb2から突出する複数の突起部38が形成される。複数の突起部38は、相互に間隔をあけてX方向(周方向)に配列する。各突起部38は、基体部312と一体に形成される。ただし、基体部312とは別体で形成された突起部38を表面Fb2に固定してもよい。基体部312の内径は、回転体311の外径を僅かに上回る。基体部312の内周面と回転体311の外周面とは、遊技体Qbの外径よりも充分に小さい隙間をあけて相互に隣接する。以上の構成により、図9に例示される通り、回転体311の表面Fb1と基体部312の表面Fb2とは、遊技体Qbが転動する遊技面Fbを構成する。遊技面Fbには突起部37と複数の突起部38とが形成される。
【0045】
周壁部32は、遊技面Fbの周縁に沿って当該遊技面Fbから突出する周壁である。具体的には、周壁部32は、基体部312の外周縁に沿って円環状に設置される。周壁部32は、遊技面Fbの面上から遊技体Qbが放出されることを阻止する。第1実施形態の周壁部32は、図8に例示される通り、複数の固定壁321と複数の可動壁322とで構成される。複数の固定壁321は、遊技面Fbの周縁に沿って固定的に設置された周壁である。複数の固定壁321は、相互に間隔をあけてX方向に配列する。複数の可動壁322は、各固定壁321の間隔内においてX方向に配列する。各可動壁322は、可動の構造体である。具体的には、各可動壁322は、図9に矢印で図示される通り、遊技面Fbから突出する有効状態と、遊技機構31の内部に収容された無効状態との一方から他方に制御される。有効状態は、遊技体Qbの移動を阻止する壁部として可動壁322が有効に機能する状態である。他方、無効状態は、可動壁322の頂上部が遊技面Fbの下方に位置する状態である。すなわち、無効状態は、遊技体Qbの移動を阻止する壁部として可動壁322が機能しない状態である。図8に例示される通り、可動壁322が無効状態に遷移することで開口Obが形成される。遊技体Qbは開口Obに進入可能である。すなわち、遊技体Qbは、無効状態にある可動壁322の上方の開口を通過することで遊技機構31の外部に放出される。以上の説明から理解される通り、遊技機構31の遊技面Fbと周壁部32とで画定される空間C0内において第1抽選イベントが実行される。
【0046】
駆動機構33は、制御装置11による制御のもとで遊技機構31および各可動壁322を駆動する。具体的には、駆動機構33は、遊技機構31の回転体311を回転させる。また、駆動機構33は、各可動壁322を上下に移動させることで有効状態および無効状態の一方から他方に遷移させる。例えばモータ等が駆動機構33として利用される。
【0047】
複数の付勢体34は、相互に間隔をあけて遊技面Fbに設置される。具体的には、複数の付勢体34は、回転体311の周囲にX方向に沿って設置される。各付勢体34は、遊技面Fb上の遊技体Qbを当該遊技面Fbに沿って付勢する構造体である。具体的には、各付勢体34は、当該付勢体34に衝突した遊技体Qbを反対の方向に反発する。
【0048】
図10は、付勢体34の側面図である。図10に例示される通り、第1実施形態の付勢体34は、遊技体Qbを遊技面Fbに沿って打撃する打撃機構(バンパー)であり、本体部341と検知部342と打撃部343とを具備する。本体部341は、遊技面Fbから突出する円柱状の構造体である。検知部342は、本体部341の基端部(遊技面Fbの近傍)に設置され、打撃部343は、検知部342を挟んで遊技面Fbとは反対側に設置される。
【0049】
検知部342は、本体部341を包囲する円環状の板状部材である。検知部342は、内周縁から外周縁にかけて下降する傾斜面を含む。打撃部343は、本体部341を包囲する円環状の部材である。打撃部343は、外周縁から内周縁にかけて下降する傾斜面を含む。本体部341には、検知部342に荷重が作用すると打撃部343を瞬間的に下降させる機構が搭載される。以上の構成において、付勢体34に接近した遊技体Qbが検知部342の上面に移動すると、打撃部343が瞬間的に下降する。したがって、遊技体Qbは、打撃部343の傾斜面により打撃されることで付勢体34の径方向に付勢される。付勢体34は、当該付勢体34を中心とした全周にわたる任意の方向から到来する遊技体Qbを付勢可能である。
【0050】
図8の投入機構35は、遊技体Qbを遊技面Fb上に投入する。投入機構35により投入された遊技体Qbは、遊技面Fbに沿って転動する。具体的には、遊技体Qbは、基体部312の表面Fb2に沿って回転体311に接近しながら、各付勢体34による付勢と、突起部37または各突起部38に対する衝突と、周壁部32に対する衝突とにより、遊技面Fb上を不規則に移動する。遊技体Qbは、遊技面Fbに接触した状態で当該遊技面Fbに沿って移動するほか、遊技面Fb上を移動しながら突起部37または各突起部38に随時に衝突することで遊技面Fbから上方に跳上がる。すなわち、遊技体Qbは遊技面Fbから離間する。
【0051】
検出機構36は、遊技面Fbから離間した遊技体Qbを検出するための機構である。図9に例示される通り、検出機構36は、支持体361と移動部材362と駆動機構363と対向部材364と検出装置365とを具備する。支持体361は、遊技面Fbに対して間隔をあけて対向する構造体である。すなわち、支持体361はゲーム装置1の天井を構成する。支持体361において遊技面Fbに対向する部位には開口が形成される。移動部材362は、支持体361の開口から遊技面Fbに向けて突出する柱状または錐台状の構造体である。移動部材362は回転体311と同心に形成される。すなわち、移動部材362の中心軸と回転体311の回転軸とは一致する。
【0052】
対向部材364は、遊技面Fbの上方に位置する部材である。具体的には、対向部材364は、移動部材362の下端に設置され、遊技面Fbに対して間隔をあけて対向する。第1実施形態の対向部材364は、永久磁石または電磁石等の磁石で構成される。したがって、磁性体で構成された遊技体Qbは対向部材364に付着可能である。
【0053】
駆動機構363は、制御装置11による制御のもとで移動部材362をZ方向に移動させる。例えばモータ等が駆動機構363として利用される。図11は、移動部材362の移動に関する説明図である。図11に例示される通り、駆動機構363は、静止状態と駆動状態との一方から他方に移動部材362を遷移させる。
【0054】
静止状態は、移動部材362が静止した状態である。静止状態において、対向部材364の下端面は、Z方向における地点z1に位置する。具体的には、対向部材364の下端面は、遊技体Qbの外径を上回る間隔δ1をあけて遊技面Fbに対向する。
【0055】
他方、駆動状態は、移動部材362が移動する状態である。具体的には、駆動機構363は、移動部材362をZ方向に往復させる。したがって、駆動状態において、対向部材364は、遊技面Fbから離間する方向(すなわちZ方向の負側)および遊技面Fbに接近する方向(すなわちZ方向の正側)に反復的に往復する。具体的には、対向部材364は、Z方向における地点z2を中心とした範囲Rz内においてZ方向に沿って往復する。範囲Rzは、静止状態における地点z1よりも遊技面Fbに近い範囲(すなわち地点z1に対して鉛直方向における下方の範囲)である。すなわち、駆動状態においては、駆動機構363は、静止状態と比較して対向部材364を遊技面Fbに接近させる。
【0056】
範囲Rzの上端の地点zHに対向部材364が位置する状態において、当該対向部材364は、遊技体Qbの外径を上回る間隔δHをあけて遊技面Fbに対向する。また、範囲Rzの下端の地点zLに対向部材364が位置する状態でも、当該対向部材364は、遊技体Qbの外径を上回る間隔δLをあけて遊技面Fbに対向する。
【0057】
前述の通り、遊技面Fb上で転動する遊技体Qbは当該遊技面Fbから上方に跳上がる場合がある。静止状態においては、対向部材364と遊技体Qbとの間隔δ1が充分に確保されるから、遊技体Qbが遊技面Fbから鉛直方向に離間した場合でも、当該遊技体Qbは対向部材364に接触しない。他方、駆動状態において対向部材364が遊技面Fbに接近した状態においては、対向部材364と遊技体Qbとの間隔が静止状態と比較して低減される。したがって、遊技面Fbから鉛直方向に離間した遊技体Qbは対向部材364に接触する場合がある。対向部材364に接触した遊技体Qbは、当該対向部材364に磁力により付着する。遊技体Qbが対向部材364に付着する確率は、Z方向における対向部材364の位置に応じて刻々と変動する。具体的には、範囲Rzの下端の地点zLに対向部材364が近いほど、遊技体Qbが対向部材364に接触する確率が増加する。以上の説明から理解される通り、対向部材364が地点zLに近付く期間内に遊技体Qbが遊技面Fbから跳上がるという限定的な状態において、遊技体Qbは対向部材364に付着することが可能である。
【0058】
図9の検出装置365は、対向部材364に対する遊技体Qbの接触を検出する。第1実施形態の検出装置365は、対向部材364に対する遊技体Qbの付着を検出する。遊技体Qbが対向部材364に付着した状態においては、遊技体Qbの荷重が対向部材364に作用する。したがって、対向部材364に作用する荷重を検出する荷重センサ(例えば歪ゲージ)が検出装置365として好適に利用される。なお、遊技体Qbの有無を光学的に検出する光学センサ、または、遊技体Qbの付着により磁界の変動を検出する磁気センサを、検出装置365として利用してもよい。以上に説明した通り、第1抽選イベントは、遊技面Fb上で1個の遊技体Qbを転動させながら当該遊技体Qbを対向部材364に付着させるゲームイベントである。対向部材364に対する遊技体Qbの付着を契機として第1抽選イベントから第2抽選イベントに遷移する。
【0059】
図5に例示される通り、記憶装置12に記憶されたプログラムP1を制御装置11が実行することで、第1抽選イベントに関する第1制御部73が実現される。第1制御部73は、第1抽選装置30の各要素を制御する。例えば、第1制御部73は、対向部材364に対する遊技体Qbの付着を検出装置365が検出した場合に遊技者に特典を付与する。前述の通り、遊技体Qbが対向部材364に付着した場合には、第1抽選イベントから第2抽選イベントに遷移する。すなわち、第1制御部73は、第2抽選イベントをプレイする権利を遊技者に特典として付与する。
【0060】
図12は、第1抽選イベントに関して制御装置11が実行する処理(以下「第1制御処理」という)Sbの具体的な手順を例示するフローチャートである。遊技装置20の開口Oa1に落下した遊技体Qa2の個数Nが所定値Nthに到達することを契機として第1制御処理Sbが開始される。
【0061】
第1制御処理Sbを開始すると、第1制御部73は、投入機構35を制御することで1個の遊技体Qbを遊技面Fb上に投入する(Sb1)。遊技面Fbに投入された遊技体Qbは、当該遊技面Fb上を不規則に移動する。第1制御部73は、遊技体Qbが可動壁322に衝突したか否かを判定する(Sb2)。遊技体Qbが可動壁322に衝突した場合(Sb2:YES)、第1制御部73は、遊技機構31の内部に当該可動壁322を収容することで当該可動壁322を無効状態に制御する(Sb3)。可動壁322が無効状態に遷移することで形成された開口Obに遊技体Qbは進入可能である。
【0062】
第1制御部73は、複数の付勢体34の何れかに遊技体Qbが衝突したか否かを判定する(Sb4)。遊技体Qbが付勢体34に衝突した場合(Sb4:YES)、第1制御部73は、遊技者に報酬を付与する(Sb5)。例えば、第1制御部73は、所定量の遊技体Qa1を投入機構251により載置面Fa2に投入する。なお、所定量の遊技媒体を報酬として払出部213から排出してもよい。以上の例示の通り、遊技体Qbが付勢体34に衝突するたびに所定量の報酬が遊技者に付与される。遊技体Qbが付勢体34に衝突しない場合(Sb4:NO)、遊技者に報酬は付与されない。
【0063】
第1制御部73は、付勢体34に対する遊技体Qbの衝突により遊技者に付与された報酬の累積値(以下「累積報酬量」という)Wが所定の閾値Wthに到達したか否かを判定する(Sb6)。累積報酬量Wが閾値Wthに到達した場合(Sb6:YES)、第1制御部73は、駆動機構363を制御することで移動部材362を静止状態から駆動状態に遷移させる(Sb7)。駆動状態においては、対向部材364は、図11の例示の通り、静止状態における地点z1よりも下方の地点z2を中心とする範囲Rz内においてZ方向に往復する。以上の説明から理解される通り、累積報酬量Wが閾値Wthに到達するという所定の条件が成立した場合に、対向部材364は遊技面Fbに接近する。したがって、所定の条件の成否に応じて、遊技体Qbが対向部材364に接触する確率を制御できる。他方、累積報酬量Wが閾値Wthに到達していない場合(Sb6:NO)、移動部材362は静止状態に維持される。
【0064】
第1制御部73は、対向部材364に対する遊技体Qbの付着を検出装置365が検出したか否かを判定する(Sb8)。遊技体Qbが対向部材364に付着した場合(Sb8:YES)、第1制御部73は、第2抽選イベントの開始を第2抽選装置40に対して指示する(Sb9)。すなわち、第2抽選イベントを実行する権利が遊技者に特典として付与される。他方、対向部材364に対する遊技体Qbの付着が検出されない場合(Sb8:NO)、第2抽選イベントは開始されない。以上の説明から理解される通り、第1実施形態における第1制御部73は、対向部材364に対する遊技体Qbの付着を検出装置365が検出した場合に遊技者に特典を付与する要素(特典付与部)として機能する。第2抽選イベントの開始により第1抽選イベントは終了する。
【0065】
第1制御部73は、周壁部32に形成された開口Obに遊技体Qbが進入したか否かを判定する(Sb10)。遊技体Qbが開口Obに進入した場合(Sb10:YES)、第1制御部73は、第1抽選イベントを終了する。第1抽選イベントが終了すると、遊技者は、遊技装置20による通常ゲームを再開する。他方、遊技体Qbが開口Obに進入していない場合(Sb10:NO)、第1制御部73は、処理をステップSb2に移行し、以上に例示した各処理(Sb2~Sb10)を実行する。なお、第1抽選イベントが終了する場合(Sb8:YES,Sb10:YES)、第1制御部73は、駆動機構363により移動部材362を静止状態に制御する。
【0066】
なお、第1抽選イベントにおいては、複数の遊技体Qbを投入機構35から遊技面Fb上に投入してもよい(Sb1)。複数の遊技体Qbが投入される構成では、何れか1個の遊技体Qbが開口Obに進入した場合に第1抽選イベントを終了してもよいし、全部の遊技体Qbが開口Obに進入した場合に第1抽選イベントを終了してもよい。
【0067】
以上に説明した通り、第1実施形態においては、遊技面Fbに沿って移動する遊技体Qbが当該遊技面Fbから離間することで対向部材364に接触した場合に遊技者に特典が付与される。したがって、遊技面Fbに沿う移動に加えて当該遊技面Fbから上方に離間する動作を含む遊技体Qbの多様な動作を第1抽選イベントに利用できるという利点がある。また、遊技体Qbが対向部材364に付着するから、遊技面Fbから離間した遊技体Qbが対向部材364に接触したことを遊技者が視覚的に確認できるという利点もある。
【0068】
第1実施形態によれば、付勢体34により付勢された遊技体Qbを突起部37または各突起部38に衝突させる簡便な構成により、当該遊技体Qbを遊技面Fbから離間させることができる。また、基体部312の表面Fb2は、回転体311に向けて下降する傾斜面であるから、基体部312の表面Fb2上を遊技体Qbが回転体311に向けて移動する。したがって、遊技体Qbが対向部材364に接触するという期待感を遊技者に付与できる。
【0069】
なお、第1実施形態において、突起部38は遊技面Fbに固定される一方、突起部37は、回転体311に設置されることで回転する。したがって、突起部37が遊技体Qbを弾く強度は、突起部38が遊技体Qbを弾く強度を上回る。すなわち、突起部37に対する衝突で遊技体Qbが対向部材364に付着する可能性は、突起部38に対する衝突で遊技体Qbが対向部材364に付着する可能性を上回る。したがって、遊技面Fbにおいて回転体311の近傍の領域(すなわち遊技面Fbの中央部)を、遊技体Qbが対向部材364に付着する可能性が高いチャンスゾーンとして遊技者に認識させることが可能である。
【0070】
第1実施形態においては、遊技面Fbの周縁に向かう遊技体Qbが周壁部32に衝突するから、遊技体Qbが遊技面Fbの外側に移動することが抑制される。したがって、遊技体Qbが遊技面Fb上を移動する状態を長時間にわたり継続させ易いという利点がある。また、遊技体Qbは、対向部材364に接触するほか開口Obに進入する可能性がある。したがって、開口Obが形成されない構成と比較して、多様なゲームを実現できるという利点がある。
【0071】
また、対向部材364が遊技面Fbに接近することで、遊技体Qbが対向部材364に接触する確率が上昇し、対向部材364が遊技面Fbから離間することで、遊技体Qbが対向部材364に接触する確率が低下する。すなわち、対向部材364を往復させる簡便な構成により、遊技体Qbが対向部材364に接触する可能性を経時的に変化させることが可能である。
【0072】
第1抽選イベントにおいて対向部材364に付着した遊技体Qbは、第1抽選装置30から第2抽選装置40に搬送されたうえで第2抽選イベントに使用される。図13は、第1抽選装置30から第2抽選装置40に遊技体Qbを移動させる構成の説明図である。
【0073】
第1抽選装置30と第2抽選装置40との間には、第1移動経路61と疑似経路63と第2移動経路62とが設置される。第1移動経路61および第2移動経路62の各々は、遊技体Qbが移動する経路である。例えば、遊技体Qbの外径を下回る間隔で2本の棒状部材を並行させたレールが、第1移動経路61および第2移動経路62として利用される。
【0074】
第1移動経路61は、第1抽選装置30から第1貯留容器64まで遊技体Qbを移動させる経路である。第2移動経路62は、第2貯留容器65から第2抽選装置40まで遊技体Qbを移動させる経路である。第1貯留容器64および第2貯留容器65の各々は、遊技体Qbを貯留する容器である。
【0075】
疑似経路63は、第1移動経路61と第2移動経路62との間に設置され、遊技体Qbの移動を疑似的に表現する。具体的には、疑似経路63は、第1移動経路61側の端部aから第2移動経路62側の端部bまで延在する経路部材631と、当該経路部材631に沿って設置された複数の発光素子632とを具備する。複数の発光素子632の何れかを一時的に発光させることで遊技体Qbが疑似的に表現される。すなわち、複数の発光素子632のうち発光させる対象を、端部a側の発光素子632から端部b側の発光素子632まで配列順で経時的に切替えることで、遊技体Qbの移動が疑似的に表現される。
【0076】
具体的には、制御装置11は、対向部材364から供給される遊技体Qbが第1移動経路61を通過して第1貯留容器64に到達した時点において、複数の発光素子632のうち端部a側の発光素子632を発光させる。制御装置11は、発光の対象となる発光素子632を配列の順番で経時的に切替える。そして、制御装置11は、複数の発光素子632のうち端部b側の発光素子632が発光した時点において、第2貯留容器65に貯留された遊技体Qbを第2移動経路62に供給する。遊技体Qbは、第2移動経路62を通過して第2抽選装置40に供給される。以上の説明から理解される通り、第1抽選装置30から第2抽選装置40までの経路の一部が疑似経路63で構成される。したがって、第1抽選装置30から第2抽選装置40まで連続する経路を必要とせずに、第1抽選装置30から第2抽選装置40に遊技体Qbが移動することを遊技者に知覚させることが可能である。なお、疑似経路63の一部または全部を、表示装置22による画像(遊技体Qbの移動を表す画像)の表示に置換してもよい。
【0077】
[C:第2抽選装置40]
図14は、第2抽選装置40の構成を例示する平面図であり、図15は、図14におけるb-b線の断面図である。図14および図15に例示される通り、第2抽選装置40は、第1構造体41と第2構造体42と搬送構造体43とを具備する。なお、図14においては搬送構造体43の図示が便宜的に省略されている。
【0078】
第1構造体41は、遊技体Qbが供給される第1空間C1を形成する。具体的には、第1構造体41は、底面部411と第1側壁部412と第2側壁部413と後壁部414と第1付勢体441と第2付勢体442とを具備する。なお、以下の説明においては、第1付勢体441と第2付勢体442とを特に区別する必要がない場合には単に「付勢体44」と表記する。
【0079】
底面部411は、第1空間C1の底面を構成する板状部材である。図15に例示される通り、第1側壁部412と第2側壁部413と後壁部414とは、底面部411の表面Fc0から鉛直方向の上方に突出する。第1側壁部412の内壁面Fc1と第2側壁部413の内壁面Fc2と後壁部414の内壁面Fc3との各々の高さは、遊技体Qbの外径の半分を上回る。
【0080】
図14に例示される通り、第1側壁部412と第2側壁部413とは底面部411の表面Fc0を挟んで相互に対向する。後壁部414は、底面部411の表面Fc0からみて第2構造体42とは反対側に位置する。第1側壁部412の内壁面Fc1と第2側壁部413の内壁面Fc2と後壁部414の内壁面Fc3とで三方を包囲された空間が第1空間C1である。第1空間C1における後壁部414の内壁面Fc3とは反対側には、第2構造体42に連通する開口Ocが形成される。
【0081】
第1付勢体441と第2付勢体442とは、第1空間C1内に相互に間隔をあけて設置される。具体的には、第1付勢体441は、第1側壁部412の内壁面Fc1と後壁部414の内壁面Fc3との間に設置される。同様に、第2付勢体442は、第2側壁部413の内壁面Fc2と後壁部414の内壁面Fc3との間に設置される。各付勢体44は、図10に例示した付勢体34と同様の構成であり、遊技体Qbが衝突すると当該遊技体Qbを反対の方向に付勢(すなわち反発)する。遊技体Qbが各付勢体44に衝突するたびに、数量Kの報酬が遊技者に付与される。例えば、各付勢体44に対する遊技体Qbの衝突毎にK個の遊技体Qa1が遊技装置20の載置面Fa2に投入される。
【0082】
図14には、第1付勢体441を中心とした範囲Rc1と第2付勢体442を中心とした範囲Rc2とが図示されている。範囲Rc1は、第1側壁部412の内壁面Fc1と後壁部414の内壁面Fc3との間の範囲である。すなわち、範囲Rc1は、第1付勢体441の周囲における一部の角度にわたる範囲である。第1付勢体441は、範囲Rc1内の任意の方向から当該第1付勢体441に衝突する遊技体Qbを反対の方向に付勢する。すなわち、第1付勢体441に衝突した遊技体Qbは、範囲Rc1内の方向に付勢される。第2付勢体442の少なくとも一部は範囲Rc1内に設置される。
【0083】
同様に、範囲Rc2は、第2側壁部413の内壁面Fc2と後壁部414の内壁面Fc3との間の範囲である。すなわち、範囲Rc2は、第2付勢体442の周囲における一部の角度にわたる範囲である。第2付勢体442は、範囲Rc2内の任意の方向から当該第2付勢体442に衝突する遊技体Qbを反対の方向に付勢する。すなわち、第2付勢体442に衝突した遊技体Qbは、範囲Rc2内の方向に付勢される。第1付勢体441の少なくとも一部は範囲Rc2内に設置される。範囲Rc1および範囲Rc2の各々の角度は、例えば120度以下(好適には90度以下)に設定される。
【0084】
第1空間C1には図13の第2移動経路62から遊技体Qbが供給される。第1空間C1に供給される遊技体Qbは、当該第1空間C1の各内壁面(Fc1,Fc2,Fc3)と各付勢体44とに対する衝突を繰返しながら転動する。第1実施形態においては、前述の通り、第2付勢体442を含む範囲Rc1内に第1付勢体441が遊技体Qbを付勢し、第1付勢体441を含む範囲Rc2内に第2付勢体442が遊技体Qbを付勢する。したがって、遊技体Qbが第1付勢体441と第2付勢体442との間で高速に往復する状態が維持され易い。
【0085】
図14および図15に例示される通り、第2構造体42は、第2空間C2を形成する。具体的には、第2構造体42は、抽選盤421と駆動機構422とを具備する。抽選盤421は、抽選部材45と周壁部46とを具備する円形状の構造体(いわゆるクルーン)である。抽選部材45と周壁部46とは一体に形成される。ただし、抽選部材45とは別体で形成された周壁部46を抽選部材45に固定してもよい。以下の説明においては、抽選盤421の中心軸を中心とする仮想的な円形の円周に沿う方向を「周方向」と表記し、当該円形の半径の方向を「径方向」と表記する。
【0086】
抽選部材45は、回転可能に支持された円盤状の構造体である。第1実施形態の抽選部材45は、図14に例示される通り、抽選部451と表示部452とを具備する。抽選部451は、平面視で円形状の部分である。抽選部451の表面は、外周縁から中心にかけて僅かに下降する傾斜面である。抽選部451には、複数(例えば5個)の抽選孔Hと突起部453とが形成される。各抽選孔Hは、遊技体Qbが進入可能な円形状の開口である。複数の抽選孔Hは、相互に間隔をあけて周方向に配列する。抽選孔Hに進入した遊技体Qbは当該抽選孔Hの内部に保持される。突起部453は、抽選部451の中央に円形状に形成され、当該抽選部451の表面から突出する。したがって、抽選部451の表面上の遊技体Qbは抽選孔Hに誘導される。
【0087】
表示部452は、抽選部451を包囲する円環状の部分である。表示部452の表面は、外周縁から内周縁にかけて下降する傾斜面である。表示部452は、制御装置11からの指示に応じて画像を表示させる。第1実施形態の表示部452は、相異なる抽選孔Hに対応する複数の部分(以下「単位表示部」という)Uに区画される。複数の単位表示部Uは、周方向に配列する。表示部452は、複数の単位表示部Uの各々に画像を表示可能である。
【0088】
周壁部46は、抽選部材45を包囲する円環状の構造体であり、抽選部材45の表面から突出する。周壁部46の頂上部の高さは、第1構造体41における第1側壁部412および第2側壁部413の高さと略同等である。抽選部材45を底面として周壁部46により包囲された空間が第2空間C2である。
【0089】
周壁部46には複数の連通口461が形成される。具体的には、周方向に相互に間隔をあけて複数(例えば3個)の連通口461が周壁部46の外周面に形成される。各連通口461は、第1空間C1と第2空間C2とを連通させる開口である。各連通口461は、遊技体Qbが通過可能なサイズに形成される。周壁部46には、相異なる連通口461に対応する複数の導入路462が形成される。各導入路462は、連通口461から抽選部材45の表面まで周方向に延在する通路である。
【0090】
以上の構成において、第1空間C1から連通口461を通過した遊技体Qbは、導入路462の面上を転動することで抽選部材45の表面に移動する。すなわち、連通口461および導入路462は、遊技体Qbを第1空間C1から第2空間C2に移動させるための経路である。遊技体Qbは、導入路462で加速されたうえで第2空間C2に供給される。遊技体Qbが導入路462により加速されることで、特定の抽選孔Hに遊技体Qbが集中的に進入する可能性が低減される。すなわち、導入路462は、遊技体Qbが進入する抽選孔Hのランダム性に寄与する。連通口461と導入路462とを経由して第2空間C2に供給された遊技体Qbは、表示部452の表面で周方向に転動しながら徐々に抽選部材45に接近し、最終的には複数の抽選孔Hの何れかに進入する。
【0091】
駆動機構422は、抽選盤421を回転させる。具体的には、抽選部材45および周壁部46が一体的に回転する。例えばモータ等が駆動機構422として利用される。駆動機構422が抽選盤421を回転させることで、第1空間C1の開口Oc内に連通口461が位置する状態(以下「連通状態」という)と、第1空間C1の開口Oc内に連通口461が位置しない状態(以下「滞留状態」という)との一方から他方に順次に遷移する。連通状態は、第1空間C1と第2空間C2とが連通口461を介して相互に連通する状態である。連通状態において、第1空間C1内の遊技体Qbは、連通口461と導入路462とを通過することで第2空間C2に移動する。他方、滞留状態は、遊技体Qbによる連通口461の通過が阻害される状態である。具体的には、滞留状態において、第1空間C1内の遊技体Qbは、周壁部46の外周面に衝突することで第1空間C1内に滞留する。
【0092】
図15の搬送構造体43は、遊技体Qbを第2空間C2から第1空間C1に搬送するための構造体である。第1実施形態の搬送構造体43は、搬送板431と射出機構432と衝突部433とを具備する。搬送板431は、第1空間C1と第2空間C2とを被覆する板状部材である。搬送板431は、光透過性の材料で形成される。したがって、遊技者は、搬送板431を介して、第1空間C1または第2空間C2における遊技体Qbの様子を視認できる。
【0093】
搬送板431には開口Od1と開口Od2とが形成される。開口Od1および開口Od2の各々は、遊技体Qbが通過可能な貫通孔である。開口Od1は、平面視で第1空間C1に重なる。具体的には、開口Od1は、第1付勢体441と第2付勢体442との間の空間に平面視で重なる。開口Od2は、平面視で第2空間C2に重なる。具体的には、開口Od2は、複数の抽選孔Hの何れかに平面視で重なる位置に形成される。
【0094】
搬送板431の表面(以下「転動面」という)Fdは、開口Od2から開口Od1にかけて下降する傾斜面である。したがって、搬送板431の転動面Fdに供給された遊技体Qbは、開口Od1に向けて転動し、最終的には開口Od1を通過して第1空間C1に落下する。以上の説明から理解される通り、搬送板431の転動面Fdは、遊技体Qbを第2空間C2から第1空間C1に移動させる供給路として機能する。
【0095】
射出機構432は、抽選盤421の下方において開口Od2に重なる位置に設置される。射出機構432は、開口Od2の直下の抽選孔Hに保持された遊技体Qbを鉛直方向の上方に射出する。具体的には、抽選孔Hに保持された遊技体Qbは、抽選盤421の回転により開口Od2の直下に移動した段階で射出機構432により当該抽選孔Hから射出される。射出機構432により鉛直方向の上方に射出された遊技体Qbは開口Od2を通過する。
【0096】
衝突部433は、平面視で開口Od2に重なる構造体である。具体的には、衝突部433は、開口Od2の周縁から開口Od1に向けて湾曲する湾曲面(例えば円弧面)を含む。射出機構432により射出された遊技体Qbは、開口Od2を通過して衝突部433の湾曲面に衝突する。衝突部433に対する衝突により、遊技体Qbの移動の方向は鉛直方向から水平方向に変化する。したがって、衝突部433に衝突した遊技体Qbは、搬送板431の転動面Fdに供給される。以上の説明から理解される通り、抽選孔Hに保持された遊技体Qbは、射出機構432による射出と衝突部433に対する衝突とにより搬送板431の転動面Fdに到達し、当該転動面Fd上を転動することで開口Od1から第1空間C1に供給される。
【0097】
なお、例えば射出機構432による射出の速度が充分であれば、転動面Fdが傾斜していなくても遊技体Qbは開口Od1まで転動可能である。以上のように遊技体Qbが開口Od1に誘導される構成では、転動面Fdは傾斜面である必要はなく、水平方向の平面でもよい。また、以上の説明では、抽選孔Hに保持された遊技体Qbを射出機構432の射出により開口Od1に移動させたが、抽選孔Hに進入した遊技体Qbを第1空間C1に移動させるための構成は以上の例示に限定されない。例えば、抽選孔Hを通過した遊技体Qbを抽選盤421の下方で回収し、抽選盤421に重ならない搬送機構により当該遊技体Qbを第1空間C1に移動させてもよい。また、抽選孔Hを通過した遊技体Qbを回収する一方、当該遊技体Qbとは別個の遊技体Qbを搬送機構により第1空間C1に供給してもよい。以上の構成において、遊技者は、抽選孔Hを通過した遊技体Qbが第1空間C1に供給されたかのように認識し得る。
【0098】
複数の抽選孔Hの各々には複数の抽選要素L(La,Lb,Lc)の何れかが割当てられる。遊技体Qbを複数の抽選孔Hの何れかに進入させる動作は、複数の抽選要素Lのうち遊技体Qbが進入した抽選孔Hに対応する抽選要素Lを確率的に選択する物理抽選(以下「特別抽選」という)に相当する。すなわち、複数の抽選要素Lのうち遊技体Qbが進入した抽選孔Hに対応する1個の抽選要素Lが、特別抽選の結果である。以上の説明から理解される通り、第2空間C2は、遊技体Qbを利用した特別抽選を実行するための空間である。すなわち、第2抽選イベントは、第1空間C1における遊技体Qbの高速な移動と、第2空間C2内における特別抽選と、第2空間C2から第1空間C1への遊技体Qbの移動との循環で構成される。なお、特別抽選は「第1抽選」または「抽選処理」の一例である。
【0099】
各抽選孔Hに対応する単位表示部Uは、当該抽選孔Hに対応する抽選要素Lを表す画像を表示する。図16は、各抽選要素Lの概要の説明図である。抽選要素Laが割当てられた抽選孔Hに対応する単位表示部Uは、「NEXT ROUND」を表す画像G1を表示する。抽選要素Laは、第2抽選イベントの継続と特別報酬の数量Maの更新とを意味する。抽選要素Lbが割当てられた抽選孔Hに対応する単位表示部Uは、「ODDS UP」を表す画像G2を表示する。抽選要素Lbは、第2抽選イベントの継続と報酬の数量Kの更新と特別報酬の数量Maの更新とを意味する。すなわち、各付勢体44に対する遊技体Qbの衝突毎に遊技者に付与される報酬の数量Kが、例えば電子抽選により選択された数値に更新される。なお、抽選要素Lbの選択毎に数量Kを所定値ずつ増加させてもよい。
【0100】
抽選要素Lcが割当てられた抽選孔Hに対応する単位表示部Uは、「WIN」を表す画像G3を表示する。抽選要素Lcは、遊技者に対する特別報酬(JACKPOT)の付与を意味する。すなわち、第2抽選イベントにおいて抽選要素Lcに対応する抽選孔Hに遊技体Qbが進入することは、特別抽選における当選を意味する。特別報酬の数量Maは、特別抽選において抽選要素Laまたは抽選要素Lbが選択されるたびに所定値ずつ増加する。なお、例えば特別抽選での落選を意味する抽選要素Lが抽選孔Hに割当てられてもよい。
【0101】
図17は、単位表示部Uの構成を例示する断面図である。図17に例示される通り、単位表示部Uは、発光素子Ly0と第1層Ly1と第2層Ly2と第3層Ly3とで構成される。第1層Ly1と第2層Ly2と第3層Ly3とは積層される。具体的には、第3層Ly3は第2層Ly2に対して遊技者側(例えば鉛直方向の上方)に位置し、第1層Ly1は第2層Ly2に対して遊技者とは反対側(例えば鉛直方向の下方)に位置する。
【0102】
第1層Ly1は、画像G1が表面に形成された光透過性の基板である。画像G1は、第1色(例えば赤色)の光成分を透過させる色材で形成される。第2層Ly2は、画像G2が表面に形成された光透過性の基板である。画像G2は、第2色(例えば青色)の光成分を透過させる色材で形成される。第3層Ly3は、画像G3が表面に形成された半透過反射性の基板である。
【0103】
発光素子Ly0は、第1色と第2色とを含む複数色の何れかで発光可能な光源である。発光素子Ly0からの出射光の一部は第1層Ly1から第3層Ly3を通過して遊技者に到達する。発光素子Ly0が消灯した状態においては、遊技者は、最外層の第3層Ly3に形成された画像G3を視認可能である。他方、発光素子Ly0が第1色で発光する状態においては、遊技者は、第2層Ly2に第2色で形成された画像G2を視認可能である。また、発光素子Ly0が第2色で発光する状態においては、遊技者は、第1層Ly1に第1色で形成された画像G1を視認可能である。以上の説明から理解される通り、第1実施形態の単位表示部Uは、発光素子Ly0の発光色に応じて表示画像が変化する。なお、液晶表示パネルまたは有機ELパネル等の表示パネルを単位表示部Uとして利用してもよい。
【0104】
図5に例示される通り、記憶装置12に記憶されたプログラムP2を制御装置11が実行することで、第2抽選イベントに関する第2制御部74が実現される。第2制御部74は、第2抽選装置40の各要素を制御する。第2制御部74は「制御部」の一例である。
【0105】
図18および図19は、第2抽選イベントに関して制御装置11が実行する処理(以下「第2制御処理」という)Scの具体的な手順を例示するフローチャートである。第1制御部73により第2抽選イベントの開始が指示されると(Sb9)、第1空間C1に遊技体Qbが供給されたうえで第2制御処理Scが開始される。
【0106】
図18に例示される通り、第2制御処理Scを開始すると、第2制御部74は、付勢体44(441,442)に遊技体Qbが衝突したか否かを判定する(Sc1)。付勢体44に遊技体Qbが衝突した場合(Sc1:YES)、第2制御部74は、遊技者に報酬を付与する(Sc2)。具体的には、第2制御部74は、K個の遊技体Qa1を投入機構251により遊技装置20の載置面Fa2に投入する。他方、付勢体44に遊技体Qbが衝突しない場合(Sc1:NO)、遊技者に報酬は付与されない。
【0107】
遊技体Qbは、第1空間C1の各内壁面(Fc1,Fc2,Fc3)と各付勢体44とに対する衝突を繰返しながら高速に転動する。そして、遊技体Qbは、第1空間C1の開口Ocの内側に連通口461が位置する期間内に当該連通口461に進入することで、第1空間C1から第2空間C2に移動する。すなわち、複数の抽選要素Lの何れかを確率的に選択する特別抽選が開始される。
【0108】
第2制御部74は、複数の抽選孔Hの何れかに遊技体Qbが進入したか否かを判定する(Sc3)。遊技体Qbが抽選孔Hに進入しない場合(Sc3:NO)、第2制御部74は、処理をステップSc1に移行して、付勢体44に対する遊技体Qbの衝突の有無を判定する。他方、遊技体Qbが抽選孔Hに進入した場合(Sc3:YES)、第2制御部74は、図19に例示される通り、遊技体Qbが進入した抽選孔Hに対応する抽選要素L(以下「当選要素」という)に応じた処理を実行する(Sc4~Sc12)。
【0109】
第2制御部74は、当選要素が抽選要素Laであるか否かを判定する(Sc4)。当選要素が抽選要素La(NEXT ROUND)である場合(Sc4:YES)、第2制御部74は、特別報酬の数量Maを所定値だけ増加させる(Sc5)。そして、第2制御部74は、射出機構432を動作させることで、抽選孔H内の遊技体Qbを第2空間C2から第1空間C1に移動させる(Sc6)。第2制御部74は、処理をステップSc1に移行する。すなわち、第2抽選イベントが継続される。
【0110】
当選要素が抽選要素Laでない場合(Sc4:NO)、第2制御部74は、当選要素が抽選要素Lbであるか否かを判定する(Sc7)。当選要素が抽選要素Lb(ODDS UP)である場合(Sc7:YES)、第2制御部74は、特別報酬の数量Maを所定値だけ増加させる(Sc8)。また、第2制御部74は、遊技体Qbが付勢体44に衝突した場合に遊技者に付与される報酬の数量Kを更新する(Sc9)。そして、第2制御部74は、射出機構432を動作させることで、抽選孔H内の遊技体Qbを第2空間C2から第1空間C1に移動させる(Sc10)。第2制御部74は、処理をステップSc1に移行する。すなわち、第2抽選イベントが継続される。以上の説明から理解される通り、特別抽選により抽選要素Laまたは抽選要素Lbが選択されるたびに、特別報酬の数量Maが所定値ずつ増加する。すなわち、第2抽選イベントが継続される回数(抽選要素Laまたは抽選要素Lbが選択される回数)が多いほど、特別報酬の数量Maは大きい数値となる。以上の説明から理解される通り、第2制御部74は、特別報酬において当選した場合に遊技者に付与される特別報酬の数量Ma(第1報酬量)を第2抽選イベントの進行に応じて変化させる要素(報酬量制御部)として機能する。
【0111】
当選要素が抽選要素Lbでない場合(Sc7:NO)には、当選要素が抽選要素Lcであることを意味する。当選要素が抽選要素Lcである場合(Sc7:NO)、第2制御部74は、数量Maの特別報酬を遊技者に付与する(Sc11)。例えば、第2制御部74は、Ma個の遊技体Qa1を投入機構251により遊技装置20の載置面Fa2に投入する。特別報酬を遊技者に付与すると、第2制御部74は、第1抽選イベントの再開を第1抽選装置30に対して指示し(Sc12)、第2制御処理Scを終了する。なお、第2制御処理Sc(第2抽選イベント)が終了した場合、遊技体Qbは、射出機構432とは別個の回収機構により抽選孔Hから回収される。
【0112】
以上の説明から理解される通り、第2制御部74は、特別抽選により抽選要素Laまたは抽選要素Lbが選択された場合に、第2空間C2から搬送板431の転動面Fd(供給路)を介して第1空間C1に遊技体Qbを移動させ、かつ、遊技者に付与される特別報酬を増加させる。また、第2制御部74は、特別抽選により抽選要素Lcが選択された場合に、遊技者に特別報酬を付与する。第1実施形態においては、特別抽選における抽選要素Laまたは抽選要素Lbの選択毎に特別報酬が増加される。したがって、第2空間C2から第1空間C1に対する遊技体Qbの移動により特別報酬が増加されるという期待感を遊技者に付与することが可能である。なお、抽選要素Laおよび抽選要素Lbは「第1抽選要素」の一例であり、抽選要素Lcは「第2抽選要素」の一例である。
【0113】
第1制御部73は、第2制御部74からの指示に応じて図12の第1制御処理Sbを再開する。すなわち、第2抽選イベントにおける特別抽選の結果に応じて、当該特別抽選を開始するか否かを抽選により決定する第1抽選イベントが空間C0内において開始される。第1抽選イベントにおいて遊技体Qbが開口Obに進入するまで、第1抽選イベントと第2抽選イベントとが反復的に実行される。以上の通り、第1実施形態によれば、第1抽選イベントと第2抽選イベントとを含む多様な抽選を実現することが可能である。なお、空間C0は「第3空間」の一例である。
【0114】
以上に説明した通り、第1実施形態においては、滞留状態において、第1空間C1から第2空間C2に対する遊技体Qbの移動が阻害される。したがって、遊技体Qbは、各付勢体44により反復的に付勢されながら第1空間C1内に滞留する。他方、連通状態においては、第1付勢体441または第2付勢体442により付勢された遊技体Qbが第1空間C1から第2空間C2に移動可能である。したがって、第1空間C1を経由せずに第2空間C2に遊技体Qbを供給する構成と比較して、第1空間C1内において遊技体Qbが反復的に付勢される効果的な演出を遊技者に視認させたうえで、連通状態において当該遊技体Qbを利用した特別抽選を実行できる。
【0115】
第1実施形態においては、遊技体Qbが連通口461を通過できる状態と連通口461の通過が阻害される状態とを切替える簡便な構成により、連通状態および滞留状態の一方から他方に遷移させることが可能である。また、連通口461が形成された周壁部46が回転するから、第1空間C1から第2空間C2に対して過度に容易に遊技体Qbが移動する可能性を低減できる。すなわち、遊技体Qbを適度に第1空間C1内に滞留させることが可能である。
【0116】
また、第1実施形態においては、連通状態において第1空間C1から第2空間C2に移動した遊技体Qbが、当該第2空間C2から第1空間C1に移動する。すなわち、第1空間C1と第2空間C2との間で遊技体Qbが循環する。したがって、第1空間C1内における遊技体Qbの滞留と、第2空間C2内において遊技体Qbを利用した特別抽選とを反復することが可能である。
【0117】
[D:画像表示]
前述の通り、第2抽選イベントにおける特別報酬の数量(以下「暫定報酬量」という)Maは、当該第2抽選イベントの進行に応じて変化する。前述の説明の通り、暫定報酬量Maは、特別抽選において当選した場合に遊技者に付与される特別報酬の数量である。暫定報酬量Maは、記憶装置12に記憶され、第2制御処理ScのステップSc5またはステップSc8において更新される。第1実施形態においては、暫定報酬量Maを表す画像(以下「報酬画像」という)が表示装置22に表示される。
【0118】
図5に例示される通り、記憶装置12に記憶されたプログラムP3を制御装置11が実行することで、表示装置22に報酬画像を表示するための複数の機能(報酬量取得部75,表示制御部76)が実現される。なお、暫定報酬量Maを第2抽選イベントの進行に応じて変化させる第2制御部74の機能(報酬量制御部/Sc5,Sc8)が、制御装置11によるプログラムP3の実行により実現されてもよい。
【0119】
報酬量取得部75は、暫定報酬量Maと比較されるべき報酬量(以下「参照報酬量」という)Mbを取得する。具体的には、報酬量取得部75は、通信装置13により情報管理装置3と通信することで、当該情報管理装置3から参照報酬量Mbを取得する。暫定報酬量Maは「第1報酬量」の一例であり、参照報酬量Mbは「第2報酬量」の一例である。
【0120】
図20は、情報管理装置3が記憶する情報の説明図である。図20に例示される通り、情報管理装置3は、報酬履歴データDを記憶する。報酬履歴データDは、第2抽選イベントにおいて過去に任意の遊技者に付与された複数の報酬量Mc(Mc1,Mc2,…)が登録されたデータテーブルである。すなわち、任意の遊技者に特別報酬が付与された過去の第2抽選イベント毎に報酬量Mcが報酬履歴データDに登録される。第1実施形態の報酬履歴データDには、複数の報酬量Mcの各々について、当該報酬量Mcの特別報酬の獲得に関する付属データA(A1,A2,…)が登録される。任意の1個の報酬量Mcに対応する付属データAは、例えば、当該報酬量Mcを獲得した遊技者の氏名(以下「獲得者」という)a1と、特別報酬が獲得された遊技施設の名称(以下「獲得施設」という)a2と、特別報酬が獲得された日時(以下「獲得日時」という)a3とを含む。
【0121】
報酬量取得部75は、報酬履歴データDに登録された複数の報酬量Mcのうち、現在の暫定報酬量Maに対応する報酬量Mcを参照報酬量Mbとして情報管理装置3から取得する。第1実施形態の報酬量取得部75は、複数の報酬量Mcのうち暫定報酬量Maを上回る報酬量Mcを参照報酬量Mbとして取得する。具体的には、複数の報酬量Mcのうち、暫定報酬量Maを上回り、かつ、当該暫定報酬量Maに最も近い報酬量Mcが、参照報酬量Mbとして取得される。また、第1実施形態の報酬量取得部75は、暫定報酬量Maに対応する参照報酬量Mbに加えて、当該参照報酬量Mbに対応する付属データAを情報管理装置3から取得する。
【0122】
表示制御部76は、報酬画像を表示装置22に表示させる。第1実施形態の報酬画像は、暫定報酬量Maと報酬量取得部75が取得した参照報酬量Mbとを比較するための画像である。すなわち、報酬画像は、暫定報酬量Maと参照報酬量Mbとを対比的に表示する画像である。
【0123】
図21は、報酬画像Gwの模式図である。図21に例示される通り、報酬画像Gwは、第1領域g1と第2領域g2とを含む画像である。第1領域g1には、暫定報酬量Maに対応する第1オブジェクトB1と、参照報酬量Mbに対応する第2オブジェクトB2とが表示される。第1オブジェクトB1は、暫定報酬量Maを表す画像である。第1オブジェクトB1は、暫定報酬量Maの獲得を目指す現在の遊技者を表す画像とも換言される。他方、第2オブジェクトB2は、参照報酬量Mbを表す画像である。第2オブジェクトB2は、参照報酬量Mbの特別報酬を過去に獲得した遊技者を表す画像とも換言される。以上の通り、第1実施形態においては、暫定報酬量Maに対応する第1オブジェクトB1と参照報酬量Mbに対応する第2オブジェクトB2とを含む報酬画像Gwが表示されるから、暫定報酬量Maと参照報酬量Mbとを遊技者が容易に比較できるという利点がある。なお、図21に例示される報酬画像Gwにおいては、暫定報酬量Maおよび参照報酬量Mbの各々の数値も表示される。
【0124】
第1オブジェクトB1および第2オブジェクトB2の各々は、自動車等の移動体を表す。第1実施形態の報酬画像Gwは、第1オブジェクトB1と第2オブジェクトB2との競走を表す画像である。具体的には、参照報酬量Mbが暫定報酬量Maを上回る場合には、第2オブジェクトB2が第1オブジェクトB1に先行し、暫定報酬量Maが参照報酬量Mbを上回る場合には、第1オブジェクトB1が第2オブジェクトB2に先行する。したがって、第1オブジェクトB1と第2オブジェクトB2との先後に応じて暫定報酬量Maと参照報酬量Mbとの大小を遊技者が視覚的および直観的に把握できるという利点がある。
【0125】
また、表示制御部76は、第1オブジェクトB1と第2オブジェクトB2との距離dを、暫定報酬量Maと参照報酬量Mbとの差異δM(δM=|Ma-Mb|)に応じて制御する。距離dは、例えば第1オブジェクトB1の先端と第2オブジェクトB2の先端との距離である。具体的には、表示制御部76は、差異δMが大きいほど、第1オブジェクトB1と第2オブジェクトB2との距離dを増加させる。以上の構成によれば、第1オブジェクトB1と第2オブジェクトB2との表示上の距離dに応じて暫定報酬量Maと参照報酬量Mbとの差異δMを遊技者が視覚的および直観的に把握できるという利点がある。
【0126】
報酬画像Gwの第2領域g2には、参照報酬量Mbとともに情報管理装置3から取得した付属データAが表示される。具体的には、獲得者a1と獲得施設a2と獲得日時a3とが第2領域g2に表示される。
【0127】
図22は、報酬画像Gwの表示に関して制御装置11が実行する処理(以下「表示制御処理」という)Sdの具体的な手順を例示するフローチャートである。第2抽選イベントが開始されると、当該第2抽選イベントの進行に並行して表示制御処理Sdが実行される。すなわち、表示装置22に表示された報酬画像Gwは第2抽選イベントの進行に応じて随時に更新される。
【0128】
表示制御処理Sdを開始すると、報酬量取得部75は、現在の暫定報酬量Maを記憶装置12から取得し、当該暫定報酬量Maに対応する参照報酬量Mbを情報管理装置3から取得する(Sd1)。具体的には、報酬量取得部75は、暫定報酬量Maを含む情報要求を通信装置13から情報管理装置3に送信する。情報管理装置3は、報酬履歴データDに登録された複数の報酬量Mcのうち情報要求内の暫定報酬量Maに対応する報酬量Mcを参照報酬量Mbとして選択し、当該参照報酬量Mbを要求元のゲーム装置1に送信する。報酬量取得部75は、通信装置13が情報管理装置3から受信した参照報酬量Mbを取得する。
【0129】
表示制御部76は、暫定報酬量Maと参照報酬量Mbとを比較するための報酬画像Gwを表示装置22に表示させる(Sd2)。具体的には、第1オブジェクトB1と第2オブジェクトB2とを、暫定報酬量Maと参照報酬量Mbとの差異δMに応じた間隔dで配置した報酬画像Gwの画像データを生成し、当該画像データを表示装置22に供給することで報酬画像Gwを表示させる。
【0130】
表示制御部76は、第2抽選イベントが終了したか否かを判定する(Sd3)。第2抽選イベントが終了していない場合(Sd3:NO)、表示制御部76は、処理をステップSd2に移行する。すなわち、表示制御部76は、報酬画像Gwを更新する。例えば、暫定報酬量Maが増加することで参照報酬量Mbに近付いた場合、表示制御部76は、第1オブジェクトB1と第2オブジェクトB2との間隔dを減少させる。また、暫定報酬量Maが参照報酬量Mbを超えた場合、表示制御部76は、第1オブジェクトB1を第2オブジェクトB2の前方に移動させる。すなわち、第1オブジェクトB1が第2オブジェクトB2を逆転する様子が表示される。以上の例示の通り、第1実施形態の表示制御部76は、第2抽選イベントの進行に応じて報酬画像Gwを実時間的に更新する。
【0131】
第2抽選イベントが終了した場合(Sd3:YES)、報酬量取得部75は、今回の第2抽選イベントにおいて遊技者に付与された特別報酬の数量Ma(すなわち暫定報酬量Maの確定値)を報酬量Mcとして報酬履歴データDに登録する(Sd4)。具体的には、報酬量取得部75は、暫定報酬量Maと付属データAとを含む登録要求を通信装置13から情報管理装置3に送信する。付属データAは、今回の第2抽選イベントをプレイした遊技者に関する情報(獲得者a1,獲得施設a2および獲得日時a3)を含む。情報管理装置3は、登録要求に含まれる暫定報酬量Maと付属データAとを報酬履歴データDに登録する。登録要求の送信(Sd4)により表示制御処理Sdは終了する。
【0132】
以上に説明した通り、第1実施形態においては、特別抽選において当選した場合に遊技者に付与される暫定報酬量Maと、過去のゲームにおいて付与された参照報酬量Mbとを比較するための報酬画像Gwが表示される。したがって、多数の報酬の獲得を目指す誘因を遊技者に付与することが可能である。第1実施形態においては特に、暫定報酬量Maを上回る参照報酬量Mbが設定されるから、参照報酬量Mbを上回る報酬の獲得を目指す誘因を遊技者に付与することが可能である。また、報酬画像Gwは、第2抽選イベントの進行に並行して更新されるから、遊技者は、暫定報酬量Maの変化を実時間的に確認できる。
【0133】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態を説明する。なお、以下に例示する各形態において機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0134】
第1実施形態の例示の通り、第1抽選イベントは、遊技体Qbが対向部材364に付着した場合に終了する。第2実施形態においては、第1抽選イベントの実行中に特定の報酬(以下「経過報酬」という)が遊技者に付与される。第2実施形態の経過報酬は、通常ゲームを有利に進行させるためのアイテムである。例えば、通常抽選に当選する確率を上昇させるアイテムが経過報酬として例示される。ただし、経過報酬の内容は以上の例示に限定されない。
【0135】
図23は、第1抽選イベントにおける経過報酬の付与の説明図である。図23に例示される通り、遊技者は、第1抽選イベントの開始前に、複数の動作モードの何れかを選択する。複数の動作モードの各々においては、遊技者に経過報酬が付与される条件、または移動部材362を駆動状態に遷移させるための条件が相違する。なお、複数の動作モードの何れかを抽選により確率的に選択してもよい。
【0136】
第1動作モードおよび第2動作モードにおいては、累積報酬量Wが閾値Wthに到達するまでの過程において累積報酬量Wが複数の所定値(以下「経過値」という)ωの各々に到達するたびに抽選(以下「途中抽選」という)が実行される。途中抽選は、当選および落選の何れかを確率的に選択する電子抽選である。途中抽選に当選した場合に遊技者に経過報酬が付与される。他方、途中抽選に落選した場合には遊技者に経過報酬は付与されない。なお、累積報酬量Wが到達した経過値ωが大きいほど、途中抽選により貴重な経過報酬(例えば効果が大きいアイテム)を遊技者が獲得できるようにしてもよい。また、累積報酬量Wが経過値ωに到達するたびに、途中抽選を実行することなく遊技者に経過報酬を付与してもよい。なお、図23においては閾値Wthが100である場合が例示されている。
【0137】
第1動作モードにおいては、累積報酬量Wの数値範囲(0~Wth)内に複数の経過値ωが均等に分布する。すなわち、複数の経過値ωは一定の間隔(例えば20間隔)で数値範囲内に分布する。他方、第2動作モードにおいては、累積報酬量Wの数値範囲内において閾値Wthに近い範囲に複数の経過値ωが偏在する。例えば、数値範囲内において中点(Wth/2)から閾値Wthまでの後半の範囲内に複数の経過値ωが分布する。以上の説明から理解される通り、第1動作モードにおいては、第1抽選イベントの開始から終了までにわたり均等に発生する機会において経過報酬を獲得可能である。他方、第2動作モードにおいては、第1抽選イベントの終盤に到達した段階で初めて経過報酬が獲得可能となる。以上の例示の通り、遊技者の嗜好や性向に適合した第1抽選イベントを実現できる。
【0138】
第3動作モードにおいては、累積報酬量Wの閾値Wthが第1動作モードおよび第2動作モードと比較して小さい。したがって、第1抽選イベントを開始してから早い段階で累積報酬量Wが閾値Wthに到達し、遊技体Qbが対向部材364に付着し得る駆動状態に遷移する可能性がある。ただし、第3動作モードにおいては、第1抽選イベントの開始の段階から、全部の可動壁322が無効状態に維持される。すなわち、遊技体Qbが周壁部32の開口Obに進入する可能性(すなわち第1抽選イベントが終了する可能性)が、第1動作モードまたは第2動作モードと比較して充分に高い。以上の説明から理解される通り、第3動作モードは、第1抽選イベントが終了する可能性を承知のうえで早期に当選を獲得したい遊技者に好適な動作モードである。
【0139】
[変形例]
以上に例示した各形態は多様に変形され得る。前述の各形態に適用され得る具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様を、相互に矛盾しない範囲で併合してもよい。
【0140】
[A:遊技装置20に関する変形例]
[変形例A1]
第2周縁E2から落下する遊技体Qa1が通過する開口Oa2の面積を調整できる構成が想定される。図24は、変形例A1における開口Oa2の説明図である。図24に例示される通り、開口Oa2の面積を調整するための調整機構28が当該開口Oa2に設置される。調整機構28は、第1調整体281と第2調整体282とを具備する。第1調整体281および第2調整体282の各々は、開口Oa2を部分的に閉塞する構造体である。ゲーム装置1の管理者は、第1調整体281および第2調整体282を手動により移動させることで、開口Oa2の面積を調整可能である。図24の検出範囲R0は、第2周縁E2における一部の範囲である。具体的には、検出範囲R0は、第2周縁E2から落下する遊技体Qa1を検出する検出装置272に対応する範囲である。例えば、検出装置272において遊技体Qa1を検出可能な部位に平面視で重なるように検出範囲R0が選定される。
【0141】
他方、図24の範囲R1および範囲R2は、検出範囲R0の外側の範囲である。すなわち、範囲R1および範囲R2は、検出装置272において遊技体Qa1を検出可能な部位に平面視で重ならない範囲である。第1調整体281は、範囲R1内において移動可能である。すなわち、第1調整体281の周縁e1は、第2壁部262に形成された開口Oa2'の左端eL1から検出範囲R0の左端eL2までの範囲R1内において移動可能である。他方、第2調整体282の周縁e2は、開口Oa2'の右端eR1から検出範囲R0の右端eR2までの範囲R2内において移動可能である。第1調整体281の周縁e1から第2調整体282の周縁e2までの範囲が調整後の開口Oa2に相当する。以上の説明から理解される通り、調整機構28は、第2周縁E2のうち検出装置272に対応する検出範囲R0の外側において開口Oa2の面積を調整する。すなわち、第1調整体281および第2調整体282の位置に関わらず検出範囲R0は開口する。なお、管理者からの指示に応じて第1調整体281または第2調整体282を移動させるモータ等の機構を設置してもよい。また、第1調整体281および第2調整体282の一方を省略してもよい。
【0142】
以上の変形例によれば、検出装置272により検出される遊技体Qbが通過する開口Oa2の面積が調整される。したがって、通常抽選が実行される頻度を調整できる。第2周縁E2のうち検出装置272に対応する検出範囲R0の外側において開口Oa2の面積が調整されるから、調整機構28による調整の結果が検出装置272による遊技体Qbの検出に対して過度に影響する可能性を低減できる。
【0143】
なお、以上の説明では、検出装置272が開口Oa2に重なる構成を例示したが、開口Oa2に重ならない位置に検出装置272を設置してもよい。以上の構成では、載置面Fa1から開口Oa2に落下した遊技体Qbは、所定の経路を介して検出装置272に誘導される。以上の例示から理解される通り、検出装置272に平面視で重なる範囲は、検出範囲R0の一例である。検出範囲R0は、前述の通り、検出装置272に対応する範囲として包括的に表現される。以上の構成によれば、調整機構28による開口Oa2の調整幅を確保し易いという利点がある。
【0144】
[変形例A2]
前述の各形態においては、可動テーブル24が周方向に移動する構成を例示したが、可動テーブル24の移動の方向は任意である。例えば、遊技者に対して前後の方向(前述のY方向)に可動テーブル24が移動してもよい。可動テーブル24が前後に移動する構成においては、固定テーブル23においてX方向に位置する右側または左側の周縁から落下した遊技体Qa1が開口Oa2を通過する。以上の例示から理解される通り、載置面Fa1において可動テーブル24が移動する方向に交差する方向(第2方向)に位置する第2周縁E2から遊技体Qa1が落下する構成が好適である。
【0145】
[B:第1抽選装置30に関する変形例]
[変形例B1]
前述の各形態においては、累積報酬量Wが閾値Wthに到達した場合に移動部材362を駆動状態に遷移させたが、移動部材362を駆動状態に遷移させるための条件は以上の例示に限定されない。例えば、遊技体Qbが付勢体34に衝突した回数の累積値が所定の閾値に到達することを条件として、移動部材362を駆動状態に遷移させてもよい。以上の例示から理解される通り、所定の条件が成立した場合に対向部材364が遊技面Fbに接近する構成が好適である。
【0146】
[変形例B2]
前述の各形態においては、遊技体Qbを突起部37または突起部38に衝突させることで当該遊技体Qbを遊技面Fbから離間させたが、遊技体Qbを遊技面Fbから離間させるための構成は以上の例示に限定されない。例えば、遊技体Qbを遊技面Fbから上方に打上げる射出機構を遊技面Fbに設置してもよい。また、遊技面Fbを鉛直方向に振動させることで遊技体Qbを遊技面Fbから鉛直方向に離間させてもよい。
【0147】
[変形例B3]
前述の各形態においては、遊技体Qbを打撃する付勢体34を例示したが、遊技体Qbを遊技面Fbに沿って付勢するための構成は以上の例示に限定されない。例えば、遊技体Qbを押圧することで遊技面Fbに沿って付勢する構成、または、遊技体Qbを磁力により遊技面Fbに沿って付勢する構成も想定される。また、各付勢体34の位置は任意である。例えば、遊技面Fbの外周に沿って付勢体34を設置してもよい。例えば、複数の付勢体34の配列により壁部を構成してもよい。
【0148】
[変形例B4]
第1抽選イベントを複数の段階で構成してもよい。例えば、第1抽選イベントが開始された直後の第1段階においては、前述の各形態における例示の通り、第1抽選装置30の遊技面Fb上に1個の遊技体Qbが投入される。他方、第2段階においては、第1抽選装置30の遊技面Fb上に複数の遊技体Qbが投入される。例えば、第2抽選イベントにおいて所定値を上回る数量の特別報酬が遊技者に付与された場合に、第1段階から第2段階に遷移する。前述の報酬画像Gwは、第2段階への遷移後の第2抽選イベントにおいて表示されてもよい。すなわち、第1段階においては報酬画像Gwを表示しなくてもよい。
【0149】
[変形例B5]
前述の各形態においては、周壁部32に形成された開口Obに遊技体Qbが進入する構成を例示したが、遊技体Qbの進入が第1抽選イベントの終了の契機となる開口の位置は、以上の例示に限定されない。例えば、遊技面Fbに形成された開口に遊技体Qbが進入した場合に第1抽選イベントを終了してもよい。
【0150】
[変形例B6]
前述の各形態においては、累積報酬量Wが閾値Wthに到達した場合に移動部材362を遊技面Fbに接近させたが、移動部材362の移動は省略される。すなわち、第1抽選イベントの開始から終了までに全体にわたり、遊技体Qbが対向部材364に付着可能な状態に移動部材362が維持されてもよい。
【0151】
[変形例B7]
前述の各形態においては、遊技体Qbが磁力により対向部材364に付着する構成を例示したが、遊技体Qbを対向部材364に付着させるための構成は以上の例示に限定されない。例えば、遊技体Qbを吸気により吸引する吸引機構、または、粘着性の材料で形成された粘着体により遊技体Qbを付着させる機構を、対向部材364として利用してもよい。
【0152】
[変形例B8]
所定の条件が成立した場合に、第1抽選イベントを強制的に終了してもよい。例えば、累積報酬量Wが所定の閾値に到達した場合、または、第1抽選イベントが所定の時間にわたり継続した場合に、第1抽選イベントを強制的に終了してもよい。また、累積報酬量Wに上限値を設定してもよい。例えば、累積報酬量Wが上限値に到達した場合には、付勢体34に遊技体Qbが衝突した場合でも累積報酬量Wを増加させない構成が想定される。
【0153】
[変形例B9]
前述の各形態においては、対向部材364に1個の遊技体Qbが付着する構成を例示したが、複数の遊技体Qbが対向部材364に付着してもよい。また、検出装置265は、対向部材364に付着した遊技体Qbの個数を検出してもよい。対向部材364に付着した遊技体Qbの個数に応じて、第2抽選イベントに利用される遊技体Qcの個数を設定する構成、または、対向部材364に付着した遊技体Qbの個数に応じた数量の報酬を遊技者に付与する構成も想定される。
【0154】
[C:第2抽選装置40に関する変形例]
[変形例C1]
前述の各形態においては、第2抽選装置40の第1構造体41が2個の付勢体44(第1付勢体441および第2付勢体442)を具備する構成を例示したが、第1空間C1に設置される付勢体44の個数は2個に限定されない。すなわち、第1空間C1に1個の付勢体44が設置された構成、または、第1空間C1に3個以上の付勢体44が設置された構成も採用される。
【0155】
[変形例C2]
前述の各形態においては、遊技体Qbを打撃する付勢体44を例示したが、遊技体Qbを付勢するための構成は以上の例示に限定されない。例えば、各付勢体44が遊技体Qbを押圧する構成、または、各付勢体44が磁力により遊技体Qbを付勢する構成も採用される。また、第2構造体42に対して接近および離間する方向に後壁部414を往復させる構成も想定される。後壁部414は、第2構造体42に接近する過程において、遊技体Qbを第2構造体42側に付勢する付勢体として機能する。
【0156】
[変形例C3]
前述の各形態においては、抽選部材45と周壁部46とを含む抽選盤421を駆動機構422が回転させたが、抽選部材45を固定した状態で周壁部46のみを回転させてもよい。すなわち、周壁部46が回転することで、連通状態と滞留状態との一方から他方に順次に遷移する。
【0157】
[変形例C4]
所定の条件が成立した場合に、第2抽選イベントを強制的に終了してもよい。例えば、付勢体44に対する遊技体Qbの衝突により遊技者に付与された報酬の累積値が所定の閾値に到達した場合、または、第2抽選イベントが所定の時間にわたり継続した場合に、第2抽選イベントを強制的に終了してもよい。また、第2抽選イベントにおける報酬の累積値が所定の上限値に到達した場合には、付勢体44に遊技体Qbが衝突した場合でも遊技者に報酬を付与しない構成が想定される。
【0158】
[D:画像表示に関する変形例]
[変形例D1]
暫定報酬量Maが参照報酬量Mbを超えた場合に参照報酬量Mbを更新してもよい。図25は、変形例D1における表示制御処理Sdの具体的な手順を例示するフローチャートである。第1実施形態と同様に、報酬量取得部75は、暫定報酬量Maに対応する参照報酬量Mbを情報管理装置3から取得し(Sd1)、表示制御部76は、暫定報酬量Maと参照報酬量Mbとを比較するための報酬画像Gwを表示装置22に表示させる(Sd2)。表示制御部76は、現在の暫定報酬量Maが参照報酬量Mbを上回るか否かを判定する(Sd5)。暫定報酬量Maが参照報酬量Mbを下回る場合(Sd5:NO)、表示制御部76は、第1実施形態と同様に、第2抽選イベントが終了したか否かを判定する(Sd3)。第2抽選イベントが終了していない場合(Sd3:NO)、表示制御部76は、報酬画像Gwを更新する(Sd2)。
【0159】
以上に説明した報酬画像Gwの更新に並行して、第2抽選イベントにおいて抽選要素Laまたは抽選要素Lbの抽選孔Hに遊技体Qbが進入するたびに、暫定報酬量Maは所定量ずつ増加する。暫定報酬量Maが参照報酬量Mbを超えた場合(Sd5:YES)、処理はステップSd1に移行する。すなわち、報酬量取得部75は、現在の暫定報酬量Maに対応する参照報酬量Mbを情報管理装置3から取得する(Sd1)。例えば、現在の暫定報酬量Maを上回る参照報酬量Mbが取得される。すなわち、報酬量取得部75は、前回のステップSd1において取得した参照報酬量Mbを上回る新たな参照報酬量Mbを取得する。表示制御部76は、更新後の参照報酬量Mbと暫定報酬量Maとを比較するための報酬画像Gwを表示装置22に表示させる(Sd2)。
【0160】
以上の通り、暫定報酬量Maが参照報酬量Mbを超えるたびに、報酬履歴データDに登録された複数の報酬量Mcのうち現在の暫定報酬量Maに対応する新たな参照報酬量Mbが取得される。したがって、参照報酬量Mbを上回る報酬の獲得を目指す誘因を遊技者に継続的に付与することが可能である。
【0161】
なお、変形例D1のように参照報酬量Mbが随時に更新される構成においては、報酬量取得部75が、暫定報酬量Maに近い複数の報酬量Mcを情報管理装置3から事前に取得してもよい。報酬量取得部75が取得した複数の報酬量Mcは記憶装置12に記憶される。報酬量取得部75は、記憶装置12に記憶された複数の報酬量Mcのうち暫定報酬量Maに対応する1個の報酬量Mcを参照報酬量Mbとして取得する。以上の構成によれば、情報管理装置3との通信の回数を削減できる。
【0162】
[変形例D2]
前述の各形態においては、暫定報酬量Maに対応する1個の参照報酬量Mbを取得したが、暫定報酬量Maに対応する複数の参照報酬量Mbを報酬量取得部75が取得してもよい。例えば、報酬量取得部75は、暫定報酬量Maに近い順番で所定個の参照報酬量Mbを各々の付属データAとともに情報管理装置3から取得する。なお、暫定報酬量Maを含む所定の範囲内にある可変の個数の参照報酬量Mbを、報酬量取得部75が情報管理装置3から取得してもよい。報酬量取得部75は、複数の参照報酬量Mbの各々について付属データAを取得する。
【0163】
表示制御部76は、暫定報酬量Maと複数の参照報酬量Mbとを比較するための報酬画像Gwを表示装置22に表示させる。例えば、図26に例示される通り、相異なる参照報酬量Mbに対応する複数の第2オブジェクトB2が、暫定報酬量Maに対応する第1オブジェクトB1とともに表示装置22に表示される。報酬画像Gwにおいては、付属データAが表す情報が第2オブジェクトB2毎に表示される。また、各参照報酬量Mbに対応する第2オブジェクトB2と第1オブジェクトB1との距離dは、当該参照報酬量Mbと暫定報酬量Maとの差異δMに応じて可変に設定される。以上の構成によれば、暫定報酬量Maに対応する複数の参照報酬量Mbが表示されるから、多数の報酬の獲得を目指す誘因を遊技者に付与できるという効果は格別に顕著である。
【0164】
なお、変形例D2のように複数の参照報酬量Mbを報酬画像Gwに表示する構成においては、複数の参照報酬量Mbのうち少なくともひとつの参照報酬量Mbが暫定報酬量Maを上回る構成が好適である。以上の構成によれば、複数の参照報酬量Mbの全部が暫定報酬量Maを下回る構成と比較して、より多数の報酬の獲得を目指す誘因を遊技者に付与できる。
【0165】
[変形例D3]
図27は、変形例における報酬履歴データDの模式図である。前述の各形態においては、過去の第2抽選イベントにおいて最終的に遊技者に付与された報酬量Mcが報酬履歴データDに登録される。変形例D3の報酬履歴データDには、過去の第2抽選イベントにおける報酬量Mcの時系列が登録される。具体的には、第2抽選イベントの実行中における所定の期間(以下「単位期間」という)毎に、当該単位期間における暫定報酬量Maが報酬量Mcとして報酬履歴データDに登録される。すなわち、過去の第2抽選イベントにおける途中の時点における報酬量Mcが報酬履歴データDに登録される。
【0166】
図28は、変形例D3における表示制御処理Sdの具体的な手順を例示するフローチャートである。第1実施形態と同様に、報酬量取得部75は、暫定報酬量Maに対応する参照報酬量Mbを情報管理装置3から取得する(Sd1)。具体的には、第2抽選イベント内の最初の単位期間において、報酬量取得部75は、報酬履歴データDに登録された報酬量Mcの時系列のうち、最初の単位期間に対応し、かつ、暫定報酬量Maに対応する報酬量Mcを、参照報酬量Mbとして取得する。また、表示制御部76は、暫定報酬量Maと参照報酬量Mbとを比較するための報酬画像Gwを表示装置22に表示させる(Sd2)。
【0167】
報酬量取得部75は、直前の単位期間の終点から単位期間が経過したか否かを判定する(Sd6)。なお、第2抽選イベントにおける最初の単位期間内においては、第2抽選イベントの始点から単位期間が経過したか否かが判定される。単位期間が経過していない場合(Sd6:NO)、表示制御部76は、第1実施形態と同様に、第2抽選イベントが終了したか否かを判定する(Sd3)。第2抽選イベントが終了していない場合(Sd3:NO)、表示制御部76は、報酬画像Gwを更新する(Sd2)。
【0168】
他方、単位期間が経過した場合(Sd6:YES)、報酬量取得部75は、新たな単位期間に対応する参照報酬量Mbを情報管理装置3から取得する(Sd1)。具体的には、報酬量取得部75は、取得済の参照報酬量Mbの遊技者について報酬履歴データDに登録された報酬量Mcの時系列のうち、新たな単位期間に対応する報酬量Mcを、参照報酬量Mbとして取得する。すなわち、変形例D3の報酬量取得部75は、過去の第2抽選イベントにおける途中の時点での報酬量Mcを参照報酬量Mbとして取得する。報酬量取得部75が取得した参照報酬量Mbに応じて表示制御部76が報酬画像Gwを更新する動作(Sd2)は第1実施形態と同様である。
【0169】
以上に説明した通り、変形例D3においては、過去の第2抽選イベントにおける途中の時点での報酬量Mcが参照報酬量Mbとして取得されるから、第2抽選イベントの各時点において、多数の報酬の獲得を目指す誘因を遊技者に付与することが可能である。また、第2抽選イベントの途中においては最終的な参照報酬量Mb(すなわち遊技者が目指すべき目標)を遊技者が把握できないから、第2抽選イベントの継続中に遊技者の緊張感を持続できるという利点もある。
【0170】
[変形例D4]
報酬履歴データDに登録された複数の報酬量Mcのうち所定の条件を充足する2以上の報酬量Mcから、暫定報酬量Maに対応する参照報酬量Mbを報酬量取得部75が取得してもよい。例えば、複数の報酬量Mcのうち獲得日時a3が現在に近い2以上の報酬量Mcから参照報酬量Mbを選択してもよい。また、例えば複数の報酬量Mcのうち特定の獲得施設a2に対応する2以上の報酬量Mcから参照報酬量Mbを選択してもよい。複数の報酬量Mcのうち第2抽選イベントを実行する遊技者本人について登録された2以上の報酬量Mcから参照報酬量Mbを取得してもよい。
【0171】
[変形例D5]
暫定報酬量Maに対応する第1オブジェクトB1を遊技者がカスタマイズできる構成も採用される。例えば、第1オブジェクトB1の能力値または当該第1オブジェクトB1に付加されるアイテムを、第2抽選イベントの進行の度合または遊技者からの指示に応じて変更してもよい。第1オブジェクトB1に関する能力値またはアイテムは、例えば付属データAに登録される。報酬画像Gwに表示される第2オブジェクトB2の能力値またはアイテムを、付属データAに応じて変更してもよい。
【0172】
[変形例D6]
第2抽選イベントが開始された直後においては、暫定報酬量Maが、過去の第2抽選イベントにおいて実際に遊技者に付与された報酬量Mcよりも充分に小さいことが想定される。そこで、第2抽選イベントが開始されてから相応の時間が経過した段階において、暫定報酬量Maと参照報酬量Mbとを比較する報酬画像Gwの表示を開始してもよい。例えば、暫定報酬量Maが所定の閾値を超えた段階で報酬画像Gwの表示(表示制御処理Sd)を開始する構成が想定される。
【0173】
[E:その他の変形例]
[変形例E1]
前述の各形態においては、第1抽選イベントを実行する第1抽選装置30と第2抽選イベントを実行する第2抽選装置40とを具備するゲーム装置1を例示した。しかし、第1抽選装置30または第2抽選装置40について各形態で例示した構成は、抽選を要件としないゲーム装置にも同様に適用される。例えば、第1抽選装置30または第2抽選装置40の構成は、遊技体Qbを反復的に打撃するピンボール等のゲームを実行するゲーム装置においても同様に適用される。
【0174】
[変形例E2]
前述の各形態におけるゲーム装置1の機能は、制御装置11を構成する1以上のプロセッサと記憶装置12に記憶されたプログラム(P0,P1,P2,P3)との協働により実現される。以上のプログラムは、コンピュータが読取可能な記録媒体に格納された形態で提供されてコンピュータにインストールされ得る。記録媒体は、例えば非一過性(non-transitory)の記録媒体であり、CD-ROM等の光学式記録媒体(光ディスク)が好例であるが、半導体記録媒体または磁気記録媒体等の公知の任意の形式の記録媒体も包含される。なお、非一過性の記録媒体とは、一過性の伝搬信号(transitory, propagating signal)を除く任意の記録媒体を含み、揮発性の記録媒体も除外されない。また、配信装置が通信網を介してプログラムを配信する構成では、当該配信装置においてプログラムを記憶する記憶装置が、前述の非一過性の記録媒体に相当する。
【0175】
[付記]
以上の記載から、例えば以下のように本発明の好適な態様が把握される。なお、各態様の理解を容易にするために、以下では、図面の符号を便宜的に括弧書で併記するが、本発明を図示の態様に限定する趣旨ではない。
【0176】
[付記A1]
本発明のひとつの態様(付記A1)に係るゲーム装置(1)は、遊技体(Qb)が移動する遊技面(Fb)を含む遊技機構(31)と、前記遊技面(Fb)上の前記遊技体(Qb)を当該遊技面(Fb)に沿って付勢する付勢体(34)と、前記遊技体(Qb)の高さを上回る間隔をあけて前記遊技面(Fb)の上方に設置された対向部材(364)と、前記対向部材(364)に対する前記遊技体(Qb)の接触を検出する検出部(365)と、前記対向部材(364)に対する前記遊技体(Qb)の接触を前記検出部(365)が検出した場合に遊技者に特典を付与する特典付与部(73)とを具備する。以上の態様においては、遊技面(Fb)に沿って移動する遊技体(Qb)が当該遊技面(Fb)から離間する(例えば当該遊技面(Fb)から跳上がる)ことで対向部材(364)に接触した場合に特典が付与される。したがって、遊技面(Fb)に沿う移動に加えて当該遊技面(Fb)から上方に離間する動作を含む遊技体(Qb)の多様な動作をゲームに利用することが可能である。
【0177】
「遊技体(Qb)」は、ゲームに使用される移動可能な立体物である。遊技体(Qb)の典型例は球体であるが、例えば多面体または円盤等の任意の形状の遊技体(Qb)が利用される。また、「遊技面(Fb)」は、遊技体(Qb)が移動する盤面であり、例えば平面または曲面で構成される。遊技面(Fb)の平面形状は任意である。例えば円形状または多角形状の遊技面(Fb)が好適に採用される。
【0178】
「付勢」は、遊技体(Qb)に対して力を作用させることを意味する。「遊技面(Fb)に沿って付勢する」とは、付勢体(34)から遊技体(Qb)に作用する力の主要な成分が遊技面(Fb)に沿うことを意味し、付勢体(34)から遊技体(Qb)に作用する力が遊技面(Fb)に平行な方向以外の成分(例えば遊技面(Fb)に交差する方向の成分)を含んでもよい。付勢体(34)の典型例は、遊技体(Qb)を遊技面(Fb)に沿って打撃する打撃機構(バンパー)であるが、例えば磁力により遊技体(Qb)を付勢する機構を付勢体(34)として利用してもよい。また、付勢体(34)は、典型的には遊技面(Fb)に設置されるが、付勢体(34)が設置される位置は遊技面(Fb)に限定されない。例えば、遊技面(Fb)に対向する要素に付勢体(34)が設置された構成(付勢体(34)は遊技面(Fb)に接触しない構成)も想定される。
【0179】
「対向部材(364)に対する遊技体(Qb)の接触」は、対向部材(364)に対して遊技体(Qb)が直接的に接触する狭義の接触のほか、遊技体(Qb)が対向部材(364)に直接的には接触していないが遊技体(Qb)が対向部材(364)に対して充分に接近した状態をも含む広義に解釈される。
【0180】
「遊技体(Qb)の高さ」は、例えば遊技体(Qb)が球体である場合には当該球体の外径であり、遊技体(Qb)が板状である場合には当該遊技体(Qb)の板厚である。すなわち、対向部材(364)が、「遊技体(Qb)の高さを上回る間隔をあけて遊技面(Fb)の上方に設置され」た状態とは、遊技体(Qb)が遊技面(Fb)に接触して静止した状態では、当該遊技体(Qb)は対向部材(364)に接触せず、遊技体(Qb)が遊技面(Fb)から離間した場合に当該遊技体(Qb)が対向部材(364)に接触可能であることを意味する。
【0181】
遊技者に付与される特典の内容は任意である。例えば所定量の遊技媒体または各種のアイテム等の報酬(配当)が特典として遊技者に付与されてもよいし、特定のイベントに参加する権利が特典として遊技者に付与されてもよい。
【0182】
[付記A2]
付記A1の具体例(付記A2)に係るゲーム装置(1)は、前記遊技面(Fb)から突出する突起部(37,38)を具備し、前記付勢体(34)により付勢された前記遊技体(Qb)が前記突起部(37,38)に衝突することで、当該遊技体(Qb)は前記遊技面(Fb)から離間する。以上の態様によれば、付勢体(34)により付勢された遊技体(Qb)を突起部(37,38)に衝突させる簡便な構成により当該遊技体(Qb)を遊技面(Fb)から離間させることができる。
【0183】
[付記A3]
付記A2の具体例(付記A3)において、前記遊技機構(31)は、基体部(312)と、前記基体部(312)に対して回転する回転体(311)とを含み、前記遊技面(Fb)は、前記基体部(312)の表面と前記回転体(311)の表面とを含み、前記突起部(37)は、前記回転体(311)の表面に設置される。以上の態様においては、突起部(37)が表面に設置された回転体(311)が回転する。遊技面(Fb)を移動する遊技体(Qb)は、突起部(37)に衝突することで遊技面(Fb)から離間し、結果的に対向部材(364)に接触する。以上の構成によれば、簡便な構成により遊技体(Qb)を多様に動作させることが可能である。
【0184】
[付記A4]
付記A3の具体例(付記A4)において、前記基体部(312)の表面(Fb2)は、前記回転体(311)に向けて降下する傾斜面である。以上の態様においては、基体部(312)の表面上を遊技体(Qb)が回転体(311)に向けて移動する。したがって、遊技体(Qb)が対向部材(364)に接触するという期待感を遊技者に付与できる。なお、「傾斜面」は、円錐台の側面のような曲面でもよいし、水平面に対して傾斜する複数の平面を円周上に配列した表面でもよい。
【0185】
[付記A5]
付記A1から付記A4の何れかの具体例(付記A5)において、前記遊技機構(31)は、前記遊技面(Fb)の周縁に沿って当該遊技面(Fb)から突出する周壁部(32)を含む。以上の態様においては、遊技面(Fb)の周縁に向かう遊技体(Qb)が周壁部(32)に衝突するから、遊技体(Qb)が遊技面(Fb)の外側に移動することが抑制される。したがって、遊技体(Qb)が遊技面(Fb)上を移動する状態を長時間にわたり継続させ易いという利点がある。なお、「周壁部(32)」は、遊技面(Fb)の全周にわたり連続してもよいし、遊技面(Fb)の周縁に沿って相互に間隔をあけて設置された複数の部分で構成されてもよい。
【0186】
[付記A6]
付記A1から付記A6の何れかの具体例(付記A6)において、前記遊技機構(31)は、前記遊技体(Qb)が進入可能な開口(Ob)を含む。以上の態様においては、遊技体(Qb)が、対向部材(364)に接触するほか開口(Ob)に進入する可能性がある。したがって、開口(Ob)が形成されない構成と比較して、多様なゲームを実現することが可能である。
【0187】
「開口(Ob)」は、遊技体(Qb)が進入可能な開口である。例えば、遊技面(Fb)に形成された開口、または、遊技面(Fb)の周縁に沿って当該遊技面(Fb)から突出する周壁部(32)に形成された開口が、開口(Ob)として例示される。開口(Ob)に対する遊技体(Qb)の進入がゲームにおける当選および落選(非当選,ハズレ)の何れを意味するのかは不問である。
【0188】
[付記A7]
付記A1から付記A6の何れかの具体例(付記A7)において、前記遊技体(Qb)は、前記対向部材(364)に付着可能である。以上の態様においては、遊技体(Qb)が対向部材(364)に付着するから、遊技面(Fb)から離間した遊技体(Qb)が対向部材(364)に接触したことを遊技者が視覚的に確認できるという利点がある。
【0189】
遊技体(Qb)を対向部材(364)に付着させるための構成は任意である。例えば、遊技体(Qb)が磁性体で形成される場合、遊技体(Qb)が磁力により付着する磁石(永久磁石または電磁石)が対向部材(364)として利用される。ただし、遊技体(Qb)を吸引する吸引機構、または、粘着性の材料により遊技体(Qb)が付着する粘着体も、対向部材(364)として利用される。
【0190】
[付記A8]
付記A1から付記A7の何れかの具体例(付記A8)において、所定の条件が成立した場合に、前記対向部材(364)は前記遊技面(Fb)に接近する。以上の態様においては、所定の条件が成立した場合に、遊技体(Qb)が遊技面(Fb)に接近する。したがって、所定の条件の成否に応じて、遊技体(Qb)が対向部材(364)に接触する確率を制御できる。
【0191】
「所定の条件」の具体的な内容は任意である。例えば、ゲーム装置(1)の特定の部位(例えば付勢体(34))に遊技体(Qb)が接触した回数が所定の閾値を上回ることが、所定の条件の好適例である。
【0192】
遊技面(Fb)に接近した対向部材(364)の位置は任意である。典型的には、遊技面(Fb)に対して遊技体(Qb)の高さを上回る間隔をあけた位置まで対向部材(364)が遊技面(Fb)に接近する構成が想定される。ただし、遊技面(Fb)に対して遊技体(Qb)の高さを下回る間隔をあけた位置まで対向部材(364)を接近させてもよい。
【0193】
[付記A9]
付記A1から付記A8の何れかの具体例(付記A9)において、前記対向部材(364)は、前記遊技面(Fb)から離間する方向および当該遊技面(Fb)に接近する方向に反復的に往復する。以上の態様においては、遊技面(Fb)に対向部材(364)が接近することで、当該対向部材(364)に遊技体(Qb)が接触する確率が上昇し、対向部材(364)が遊技面(Fb)から離間することで、当該対向部材(364)に遊技体(Qb)が接触する確率が低下する。すなわち、対向部材(364)を往復させる簡便な構成により、遊技体(Qb)が対向部材(364)に接触する可能性を経時的に変化させることが可能である。なお、対向部材(364)は、典型的には鉛直線に沿って上下に往復するが、鉛直線に対して傾斜する軸線に沿って対向部材(364)が往復してもよい。
【0194】
[付記B1]
本発明のひとつの態様(付記B1)に係るゲーム装置(1)は、遊技体(Qb)が供給される第1空間(C1)と、前記第1空間(C1)に相互に間隔をあけて設置され、前記遊技体(Qb)を付勢する複数の付勢体(44)と、前記遊技体(Qb)を利用した第1抽選を実行するための第2空間(C2)とを具備し、前記第1空間(C1)から前記第2空間(C2)に対する遊技体(Qb)の移動が阻害される滞留状態から、前記複数の付勢体(44)により付勢された前記遊技体(Qb)が前記第1空間(C1)から前記第2空間(C2)に移動する連通状態に遷移する。以上の態様において、滞留状態では、第1空間(C1)から第2空間(C2)に対する遊技体(Qb)の移動が阻害される。したがって、遊技体(Qb)は、複数の付勢体(44)により反復的に付勢されながら第1空間(C1)内に滞留する。他方、連通状態では、各付勢体(44)により付勢された遊技体(Qb)が第1空間(C1)から第2空間(C2)に移動する。したがって、第1空間(C1)を経由せずに第2空間(C2)に遊技体(Qb)を供給する構成と比較して、第1空間(C1)内において遊技体(Qb)が反復的に付勢される効果的な演出を遊技者に視認させたうえで、連通状態において当該遊技体(Qb)を利用した第1抽選を実行できる。
【0195】
「遊技体(Qb)」は、ゲームに使用される移動可能な立体物である。遊技体(Qb)の典型例は球体であるが、例えば多面体または円盤等の任意の形状の遊技体(Qb)が利用される。
【0196】
「第1空間(C1)」は、複数の付勢体(44)が設置された空間である。各付勢体(44)により付勢された遊技体(Qb)は、第1空間(C1)の内壁面または各付勢体(44)に順次に衝突しながら当該第1空間(C1)内を移動する。「第2空間(C2)」は、遊技体(Qb)を利用した第1抽選が実行される空間である。なお、第1空間(C1)および第2空間(C2)の各々は、遊技体(Qb)の移動を制限する壁面により画定される空間であり、密閉された空間には限定されない。
【0197】
「付勢」は、遊技体(Qb)に対して力を作用させることを意味する。付勢体(44)の典型例は、遊技体(Qb)を遊技面に沿って打撃する打撃機構(バンパー)であるが、例えば磁力により遊技体(Qb)を付勢する機構を付勢体(44)として利用してもよい。また、付勢体(44)は、典型的には、遊技体(Qb)が移動する遊技面に設置されるが、付勢体(44)が設置される位置は遊技面に限定されない。例えば、遊技面に対向する要素に付勢体(44)が設置された構成(付勢体(44)は遊技面に接触しない構成)も想定される。
【0198】
[付記B2]
付記B1の具体例(付記B2)において、前記複数の付勢体(44)は、第1付勢体(441)と第2付勢体(442)とを含み、前記第1付勢体(441)は、当該第1付勢体(441)の周囲において前記第2付勢体(442)を含む一部の角度にわたる範囲(Rc1)内に前記遊技体(Qb)を付勢し、前記第2付勢体(442)は、当該第2付勢体(442)の周囲において前記第1付勢体(441)を含む一部の角度にわたる範囲(Rc2)内に前記遊技体(Qb)を付勢する。以上の態様においては、第2付勢体(442)を含む範囲(Rc1)内に第1付勢体(441)が遊技体(Qb)を付勢し、第1付勢体(441)を含む範囲(Rc2)内に第2付勢体(442)が遊技体(Qb)を付勢する。したがって、遊技体(Qb)が第1付勢体(441)と第2付勢体(442)との間で反復的に往復する状態が維持され易いという利点がある。
【0199】
[付記B3]
付記B1または付記B2の具体例(付記B3)において、前記連通状態において、前記遊技体(Qb)は、前記第1空間(C1)と前記第2空間(C2)とを連通させる連通口(461)を通過することで前記第1空間(C1)から前記第2空間(C2)に移動し、前記滞留状態においては、前記遊技体(Qb)による前記連通口(461)の通過が阻害される。以上の態様によれば、遊技体(Qb)が連通口(461)を通過できる状態と連通口(461)の通過が阻害される状態とを切替える簡便な構成により、連通状態および滞留状態の一方から他方に遷移させることが可能である。
【0200】
遊技体(Qb)による連通口(461)の通過が阻害される状態とは、例えば第1空間(C1)と第2空間(C2)とが相互に連通しない状態、または、連通口(461)の面積が連通状態における面積を下回る状態である。
【0201】
[付記B4]
付記B3の具体例(付記B4)に係るゲーム装置(1)は、前記第2空間(C2)を包囲する周壁部(46)と、前記周壁部(46)を回転させる駆動機構(422)とを具備し、前記連通口(461)は、前記周壁部(46)に形成された開口である。以上の態様においては、連通口(461)が形成された周壁部(46)が回転するから、第1空間(C1)から第2空間(C2)に過度に安易に遊技体(Qb)が移動する可能性を低減できる。すなわち、第1空間(C1)内に遊技体(Qb)を適度に滞留させることが可能である。
【0202】
駆動機構(422)は、周壁部(46)のみを回転させる機構のほか、周壁部(46)が設置された抽選部材(45)を回転させる機構(周壁部(46)が抽選部材(45)とともに回転する構成)も包含する。
【0203】
[付記B5]
付記B1から付記B4の何れかの具体例(付記B5)に係るゲーム装置(1)は、前記遊技体(Qb)を前記第2空間(C2)から前記第1空間(C1)に移動させる供給路(Fd)を具備する。以上の態様においては、連通状態において第1空間(C1)から第2空間(C2)に移動した遊技体(Qb)が、当該第2空間(C2)から第1空間(C1)に移動する。したがって、第1空間(C1)内における遊技体(Qb)の滞留と、第2空間(C2)内において遊技体(Qb)を利用した第1抽選とを反復することが可能である。
【0204】
「遊技体(Qb)を第2空間(C2)から第1空間(C1)に移動させる」構成には、第2空間(C2)から第1空間(C1)に1個の遊技体(Qb)を移動させる構成のほか、第2空間(C2)から遊技体(Qb)を排出するとともに当該遊技体(Qb)と同種であるが別体の遊技体(Qb)を第1空間(C1)に供給する構成(第2空間(C2)と第1空間(C1)との間で遊技体(Qb)が入替わる構成)も包含される。後者の構成は、遊技体(Qb)を第2空間(C2)から第1空間(C1)に疑似的に移動させる構成とも換言される。
【0205】
[付記B6]
付記B5の具体例(付記B6)において、前記第1抽選は、第1抽選要素(La,Lb)および第2抽選要素(Lc)を含む複数の抽選要素(L)の何れかを選択する抽選であり、前記第1抽選により前記第1抽選要素(La,Lb)が選択された場合に、前記第2空間(C2)から前記供給路(Fd)を介して前記第1空間(C1)に前記遊技体(Qb)を移動させ、かつ、遊技者に付与される報酬を増加させ、前記第1抽選により前記第2抽選要素(Lc)が選択された場合に、前記遊技者に報酬を付与する制御部(74)を具備する。以上の態様においては、第1抽選における第1抽選要素(La,Lb)の選択毎に報酬が増加される。したがって、第2空間(C2)から第1空間(C1)に対する遊技体(Qb)の移動により報酬が増加されるという期待感を遊技者に付与することが可能である。なお、第1抽選要素(La,Lb)が選択された場合に増加する報酬の数量(単位量)は、典型的には固定値であるが、可変値でもよい。
【0206】
[付記B7]
付記B1から付記B6の何れかの具体例(付記B7)において、前記第1抽選の結果に応じて、前記第1抽選を開始するか否かを抽選により決定する第2抽選が第3空間(C0)において開始される。以上の態様においては、第2空間(C2)における第1抽選の結果に応じて、第1抽選を開始するか否かを抽選により決定する第2抽選が第3空間(C0)において開始される。したがって、第1抽選と第2抽選とを含む多様な抽選を実現することが可能である。
【0207】
[付記B8]
付記B1から付記B7の何れかの具体例(付記B8)に係るゲーム装置(1)は、前記第2空間(C2)に設置され、前記遊技体(Qb)が進入可能な複数の抽選孔(H)が形成された抽選部材(45)を具備し、前記第1抽選は、前記複数の抽選孔(H)の何れかに前記遊技体(Qb)を進入させる動作である。
【0208】
[付記C1]
本発明のひとつの態様(付記C1)に係るゲーム装置(1)は、遊技体(Qa1)が載置される載置面(Fa1)と、前記載置面(Fa1)の面上において第1方向に沿って往復する可動体(24)と、前記載置面(Fa1)において前記第1方向に位置する第1周縁(E1)から落下する前記遊技体(Qa1)に応じた報酬を遊技者に付与する報酬付与部(71)と、前記載置面(Fa1)において前記第1方向とは交差する第2方向に位置する第2周縁(E2)から落下する前記遊技体(Qa1)を検出する検出部(272)と、前記検出部(272)が前記遊技体(Qa1)を検出した場合に抽選を実行する抽選制御部(72)とを具備する。以上の態様においては、載置面において第1方向に位置する第1周縁(E1)から落下する遊技体(Qa1)に応じた報酬が遊技者に付与されるほか、第1方向に交差する第2方向に位置する第2周縁(E2)から遊技体(Qa1)が落下した場合に抽選が実行される。したがって、遊技体(Qa1)を第1方向に移動させることのみを目的とする構成と比較してゲームを多様化することが可能である。
【0209】
「遊技体(Qa1)」の形状は任意である。例えば、トークンメダル等の円盤状の遊技体(Qa1)、またはボール等の球状の遊技体(Qa1)が利用される。
【0210】
可動体(24)が往復する第1方向は任意である。典型的な構成は、遊技者に対して前後の方向に可動体(24)が移動する構成であるが、例えば遊技者に対して左右の方向(例えば遊技者の前方に位置する地点を中心とした周方向)を第1方向として可動体(24)が移動する構成も想定される。
【0211】
遊技者に付与される報酬の形態は任意である。例えば載置面(Fa1)から落下した遊技体(Qa1)を遊技者に報酬として付与する構成が想定される。例えば、載置面(Fa1)から落下した遊技体(Qa1)自体を報酬として遊技者に付与してもよいし、載置面(Fa1)から落下した遊技体(Qa1)とは別物であるが同種の遊技体(Qa1)を報酬として遊技者に付与してもよい。また、載置面(Fa1)から落下した遊技体(Qa1)とは別種の報酬を当該遊技体(Qa1)の数量に応じて付与する構成も想定される。なお、報酬は有体でも無体でもよい。有体の報酬としては、例えばトークンコイン(メダル)、コイン(貨幣)またはチケットが例示される。無体の報酬としては、例えば電子メダル、クレジットまたはポイントが例示される。
【0212】
「第2周縁(E2)」は、載置面(Fa1)において第1周縁(E1)とは異なる方向に位置する周縁である。例えば第1周縁(E1)が、遊技者に対して手前側に位置する前縁である構成では、載置面(Fa1)における右側の周縁または左側の周縁が第2周縁(E2)に相当する。また、例えば第1周縁(E1)が、遊技者に対して右側または左側に位置する構成では、載置面(Fa1)における後縁または前縁が第2周縁(E2)に相当する。
【0213】
検出部(272)が遊技体(Qa1)を検出した場合に実行される抽選は、抽選機構を利用した物理抽選、および、演算装置による演算により実現される電子抽選(例えばスロットゲーム)の何れでもよい。
【0214】
検出部(272)が遊技体(Qa1)を検出した場合に実行される抽選の目的は任意であるが、典型的には抽選において当選した遊技者には特典が付与される。特典の内容は任意である。例えば、所定量の遊技媒体または各種のアイテム等の報酬が特典として遊技者に付与されてもよいし、特定のイベントに参加する権利が特典として遊技者に付与されてもよい。
【0215】
[付記C2]
付記C1の具体例(付記C2)において、前記第1周縁(E1)は、前記載置面(Fa1)における右端または左端であり、前記第2周縁(E2)は、前記載置面(Fa1)における後端である。以上の構成において、第1方向は、右方向または左方向である。すなわち、可動体(24)は、左右方向に沿って往復する。したがって、前後方向に沿って可動体(24)が往復する構成と比較して、載置面(Fa1)に必要な奥行が低減されるという利点がある。また、第2周縁(E2)は載置面(Fa1)における後端であるから、遊技者から視認し易いという利点もある。
【0216】
「右端」は、ゲーム装置(1)に対向する遊技者からみて右方に位置する周縁である。他方、左端は、ゲーム装置(1)に対向する遊技者からみて左方に位置する周縁である。後端は、ゲーム装置(1)に対向する遊技者からみて奥側に位置する周縁である。すなわち、載置面(Fa1)においてゲーム装置(1)からみて遊技者側の周縁を前縁とした場合、当該載置面(Fa1)における前縁とは反対側の周縁が後縁である。
【0217】
[付記C3]
付記C1または付記C2の具体例(付記C3)において、前記載置面(Fa1)において前記第2周縁(E2)とは反対側の第3周縁(E3)から落下した前記遊技体(Qa1)は、前記報酬および前記抽選の何れにも寄与しない。以上の構成において、載置面(Fa1)の第3周縁(E3)から落下した遊技体(Qa1)は、報酬および抽選の何れにも寄与しない。したがって、遊技者が投入した遊技体(Qa1)の数量と遊技者に付与された報酬の数量との比率(ペイアウト率)を、第3周縁(E3)における開口の面積に応じて調整することが可能である。
【0218】
第3周縁(E3)から落下した遊技体(Qa1)が報酬に寄与しないとは、第3周縁(E3)から落下した遊技体(Qa1)の数量によっては報酬の数量が変化しないことを意味する。また、第3周縁(E3)から落下した遊技体(Qa1)が抽選に寄与しないとは、第3周縁(E3)から遊技体(Qa1)が落下したことを契機としては抽選は実行されず、当該抽選における当選の確率も、第3周縁(E3)から落下した遊技体(Qa1)の数量には依存しないことを意味する。
【0219】
[付記C4]
付記C1から付記C3の何れかの具体例(付記C4)において、前記検出部(272)は、前記第2周縁(E2)から開口(Oa2)を介して落下した前記遊技体(Qa1)を検出し、前記開口(Oa2)の面積を調整するための調整機構(28)を具備する。以上の構成においては、検出部(272)により検出される遊技体(Qa1)が通過する開口(Oa2)の面積が調整される。したがって、抽選制御部(72)による抽選が実行される頻度を調整することが可能である。
【0220】
[付記C5]
付記C4の具体例(付記C5)において、前記調整機構(28)は、前記第2周縁(E2)のうち前記検出部(272)に対応する範囲(R0)の外側において前記開口(Oa2)の面積を調整する。以上の構成においては、第2周縁(E2)のうち検出部(272)に対応する範囲(R0)の外側において開口(Oa2)の面積が調整されるから、調整機構(28)による調整の結果が検出部(272)による遊技体(Qa1)の検出に対して過度に影響する可能性を低減できる。
【0221】
[付記D1]
本発明のひとつの態様(付記D1)に係るゲーム装置(1)は、抽選処理において当選した場合に遊技者に付与される第1報酬量(Ma)をゲームの進行に応じて変化させる報酬量制御部(74)と、過去のゲームにおいて付与された複数の報酬量(Mc)のうち前記第1報酬量(Ma)に対応する第2報酬量(Mb)を取得する報酬量取得部(75)と、前記第1報酬量(Ma)と前記第2報酬量(Mb)とを比較するための報酬画像(Gw)を表示装置(22)に表示させる表示制御部(76)とを具備する。以上の態様においては、抽選処理において当選した場合に遊技者に付与される第1報酬量(Ma)と、過去のゲームにおいて付与された第2報酬量(Mb)とを比較するための報酬画像(Gw)が表示される。したがって、多数の報酬の獲得を目指す誘因を遊技者に付与することが可能である。
【0222】
「抽選処理」は、抽選機構を利用した物理抽選(例えばルーレット)および演算装置による演算により実現される電子抽選(例えばビデオスロット)の何れでもよい。
【0223】
第1報酬量(Ma)をゲームの進行に応じて変化させる構成の具体例は、抽選処理(特に物理抽選)に使用される遊技体(Qb)の状況に応じて第1報酬量(Ma)を増減させる構成である。例えば、複数の抽選孔(H)の何れかに遊技体(Qb)を進入させる抽選処理においては、複数の抽選孔(H)のうち遊技体(Qb)が進入した抽選孔(H)に応じて第1報酬量(Ma)が増減される。また、例えば複数の要素(例えば遊技体(Qb)を弾くバンパー)が設置された遊技面の面上において遊技体(Qb)を転動させる抽選処理においては、各要素に対する遊技体(Qb)の衝突毎に第1報酬量(Ma)が所定量ずつ増加される。
【0224】
「複数の報酬量(Mc)」は、典型的には不特定の遊技者に対して過去に付与された報酬量であるが、ゲームをプレイしている特定の遊技者に対して過去に付与された報酬量でもよい。
【0225】
「複数の報酬量(Mc)のうち前記第1報酬量(Ma)に対応する第2報酬量(Mb)を取得する」とは、複数の報酬量(Mc)から第2報酬量(Mb)として選択される報酬量が第1報酬量(Ma)に応じて変化することを意味する。例えば、複数の報酬量(Mc)のうち第1報酬量(Ma)に最も近い報酬量を第2報酬量(Mb)として取得する構成が好適である。
【0226】
「報酬画像(Gw)」は、第1報酬量(Ma)と第2報酬量(Mb)との大小を遊技者が認識可能な画像である。例えば、第1報酬量(Ma)に対応する第1オブジェクト(B1)と第2報酬量(Mb)に対応する第2オブジェクト(B2)とを含む画像、または、第1報酬量(Ma)および第2報酬量(Mb)の各々の数値を含む画像が、報酬画像(Gw)として例示される。
【0227】
[付記D2]
付記D1の具体例(付記D2)において、前記表示制御部(76)は、前記ゲームの進行に並行して前記報酬画像(Gw)を前記表示装置(22)に表示させ、当該ゲームの進行に応じて前記報酬画像(Gw)を更新する。以上の態様においては、ゲームの進行に並行して報酬画像(Gw)が表示および更新される。したがって、遊技者は、第1報酬量(Ma)の変化を実時間的に確認できる。
【0228】
[付記D3]
付記D1または付記D2の具体例(付記D3)において、前記報酬画像(Gw)は、前記第1報酬量(Ma)に対応する第1オブジェクト(B1)と前記第2報酬量(Mb)に対応する第2オブジェクト(B2)とを含む。以上の態様においては、第1報酬量(Ma)に対応する第1オブジェクト(B1)と第2報酬量(Mb)に対応する第2オブジェクト(B2)とを含む報酬画像(Gw)が表示されるから、第1報酬量(Ma)と第2報酬量(Mb)とを遊技者が容易に比較できるという利点がある。なお、「オブジェクト」は、報酬画像(Gw)を構成する任意の要素である。例えばキャラクタがオブジェクトとして例示される。
【0229】
[付記D4]
付記D3の具体例(付記D4)において、前記報酬画像(Gw)は、前記第1オブジェクト(B1)と前記第2オブジェクト(B2)との競走を表す画像であり、前記第2報酬量(Mb)が前記第1報酬量(Ma)を上回る場合には、前記第2オブジェクト(B2)が前記第1オブジェクト(B1)に先行する。以上の態様においては、第1報酬量(Ma)に対応する第1オブジェクト(B1)と第2報酬量(Mb)に対応する第2オブジェクト(B2)とが競走する報酬画像(Gw)が表示されるから、第1オブジェクト(B1)と第2オブジェクト(B2)との先後に応じて第1報酬量(Ma)と第2報酬量(Mb)との大小を遊技者が視覚的および直観的に把握できるという利点がある。
【0230】
[付記D5]
付記D4の具体例(付記D5)において、前記表示制御部(76)は、前記第1オブジェクト(B1)と前記第2オブジェクト(B2)との距離(d)を前記第1報酬量(Ma)と前記第2報酬量(Mb)との差異(δM)に応じて制御する。以上の態様によれば、第1オブジェクト(B1)と第2オブジェクト(B2)との距離(d)に応じて第1報酬量(Ma)と第2報酬量(Mb)との差異(δM)を遊技者が視覚的および直観的に把握できるという利点がある。
【0231】
[付記D6]
付記D1から付記D5の何れかの具体例(付記D6)において、前記報酬量取得部(75)は、前記複数の報酬量(Mc)のうち前記第1報酬量(Ma)を上回る報酬量を前記第2報酬量(Mb)として取得する。以上の態様においては、第1報酬量(Ma)を上回る第2報酬量(Mb)が設定されるから、第2報酬量(Mb)を上回る報酬の獲得を目指す誘因を遊技者に付与することが可能である。
【0232】
[付記D7]
付記D6の具体例(付記D7)において、前記報酬量取得部(75)は、前記第2報酬量(Mb)を含む2以上の第2報酬量(Mb)を取得し、前記報酬画像(Gw)は、前記第1報酬量(Ma)と前記2以上の第2報酬量(Mb)とを比較するための画像であり、前記2以上の第2報酬量(Mb)のうち少なくともひとつの第2報酬量(Mb)が、前記第1報酬量(Ma)を上回る。以上の態様においては、2以上の第2報酬量(Mb)が取得されるから、多数の報酬の獲得を目指す誘因を遊技者に付与できるという効果は顕著である。また、2以上の第2報酬量(Mb)のうち少なくともひとつの第2報酬量(Mb)が第1報酬量(Ma)を上回るから、2以上の第2報酬量(Mb)の全部が第1報酬量(Ma)を下回る構成と比較して、より多数の報酬の獲得を目指す誘因を遊技者に付与することが可能である。
【0233】
[付記D8]
付記D6または付記D7の具体例(付記D8)において、前記報酬量取得部(75)は、前記第1報酬量(Ma)が前記第2報酬量(Mb)を超えた場合に、前記複数の報酬量(Mc)から第2報酬量(Mb)を取得する。以上の態様においては、第1報酬量(Ma)が第2報酬量(Mb)を超えた場合に第2報酬量(Mb)が更新されるから、第2報酬量(Mb)を上回る報酬の獲得を目指す誘因を遊技者に継続的に付与することが可能である。
【0234】
[付記D9]
付記D1から付記D8の何れかの具体例(付記D9)において、前記報酬量取得部(75)は、前記過去のゲームにおける途中の時点での報酬量を前記第2報酬量(Mb)として取得する。以上の態様においては、過去のゲームにおける途中の時点での報酬量が第2報酬量(Mb)として取得されるから、ゲームの進行における各時点において、多数の報酬の獲得を目指す誘因を遊技者に付与することが可能である。
【0235】
[付記D10]
本発明のひとつの態様(付記D10)に係るゲーム装置の動作方法は、抽選処理において当選した場合に遊技者に付与される第1報酬量(Ma)をゲームの進行に応じて変化させ(Sc5,Sc8)、過去のゲームにおいて付与された複数の報酬量(Mc)のうち前記第1報酬量(Ma)に対応する第2報酬量(Mb)を取得し(Sd1)、前記第1報酬量(Ma)と前記第2報酬量(Mb)とを比較するための報酬画像(Gw)を表示装置(22)に表示させる(Sd2)。
【0236】
[付記D11]
本発明のひとつの態様(付記D11)に係るプログラム(P3)は、抽選処理において当選した場合に遊技者に付与される第1報酬量(Ma)をゲームの進行に応じて変化させる報酬量制御部(74)、過去のゲームにおいて付与された複数の報酬量(Mc)のうち前記第1報酬量(Ma)に対応する第2報酬量(Mb)を取得する報酬量取得部(75)、および、前記第1報酬量(Ma)と前記第2報酬量(Mb)とを比較するための報酬画像(Gw)を表示装置(22)に表示させる表示制御部(76)としてコンピュータを機能させる。
【符号の説明】
【0237】
1…ゲーム装置、11…制御装置、12…記憶装置、13…通信装置、2…通信網、3…情報管理装置、20…遊技装置、21…操作パネル、211…操作子、212…受付部、213…払出部、22…表示装置、23…固定テーブル、24…可動テーブル、251,252…投入機構、26…支持構造体、261…第1壁部、262…第2壁部、263…第3壁部、264…第4壁部、271,272…検出装置、28…調整機構、281…第1調整体、282…第2調整体、30…第1抽選装置、31…遊技機構、32…周壁部、321…固定壁、322…可動壁、33…駆動機構、34…付勢体、341…本体部、342…検知部、343…打撃部、35…投入機構、36…検出機構、361…支持体、362…移動部材、363…駆動機構、364…対向部材、365…検出装置、37…突起部、38…突起部、311…回転体、312…基体部、40…第2抽選装置、41…第1構造体、411…底面部、412…第1側壁部、413…第2側壁部、414…後壁部、441…第1付勢体、442…第2付勢体、42…第2構造体、421…抽選盤、422…駆動機構、45…抽選部材、451…抽選部、452…表示部、46…周壁部、461…連通口、462…導入路、43…搬送構造体、431…搬送板、432…射出機構、433…衝突部、61…第1移動経路、62…第2移動経路、63…疑似経路、631…経路部材、632…発光素子、64…第1貯留容器、65…第2貯留容器、71…報酬付与部、72…抽選制御部、73…第1制御部、74…第2制御部、75…報酬量取得部、76…表示制御部。

図1
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