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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-25
(45)【発行日】2024-02-02
(54)【発明の名称】探知機
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/495 20060101AFI20240126BHJP
   G01S 17/931 20200101ALI20240126BHJP
【FI】
G01S7/495
G01S17/931
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020196753
(22)【出願日】2020-11-27
(62)【分割の表示】P 2019166620の分割
【原出願日】2019-09-12
(65)【公開番号】P2021051081
(43)【公開日】2021-04-01
【審査請求日】2022-09-07
(73)【特許権者】
【識別番号】593026627
【氏名又は名称】セルスター工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081961
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 光春
(74)【代理人】
【識別番号】100112564
【弁理士】
【氏名又は名称】大熊 考一
(74)【代理人】
【識別番号】100163500
【弁理士】
【氏名又は名称】片桐 貞典
(74)【代理人】
【識別番号】230115598
【弁護士】
【氏名又は名称】木内 加奈子
(72)【発明者】
【氏名】渋谷 勇治
(72)【発明者】
【氏名】小箱 智
(72)【発明者】
【氏名】多田 順一
【審査官】山下 雅人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0238026(US,A1)
【文献】特開2007-225377(JP,A)
【文献】特開2001-147264(JP,A)
【文献】特開2001-077677(JP,A)
【文献】特開2005-114629(JP,A)
【文献】特開2011-128157(JP,A)
【文献】特開平10-186020(JP,A)
【文献】特開平09-083330(JP,A)
【文献】特開平04-157374(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0328286(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0313804(US,A1)
【文献】米国特許第05239296(US,A)
【文献】米国特許第04066878(US,A)
【文献】米国特許第07397415(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S7/00-17/95
G08G1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に設置される探知機であって、
速度計測装置が所定の発信時間及び発信間隔で照射するレーザ光の波長を含む波長帯域の光に対し、当該光受光できた時間及び受光できた間隔に基づくパルス幅とパルス間隔を有する検知信号を出力する光センサと、
前記光センサが出力する前記検知信号に基づき、前記検知信号が判定条件を満たすか判定する判定部と、
前記判定部によって前記検知信号が前記判定条件を満たすと判定されると、前記レーザ光の前記発信間隔に対する前記検知信号の前記パルス間隔の倍率に応じた情報を報知する報知部と、
を備えること、
を特徴とする探知機。
【請求項2】
前記報知部は、前記倍率を区分分けし、前記倍率が属する区分に応じた情報を報知すること、
を特徴とする請求項1記載の探知機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ式の速度計測装置が照射するレーザ光を受信可能な探知機に関する。
【背景技術】
【0002】
探知機は、車両が速度計測装置に接近し、または速度計測装置からレーダ波を受信すると、速度遵守を直接的又は間接的に促す情報を報知する。この探知機は、速度計測装置から発信されるレーダ波を、アンテナにより受信することにより行う。また、探知機は、GPSにより特定される自車位置が、あらかじめ登録済みの速度計測装置の位置から、所定の距離まで接近したことを検知して、警告となる情報を報知する機能も有する。
【0003】
近年の速度計測装置は、ループコイル式や光電管式など、非レーダ化が進んでいる。このような非レーダ化の流れの中で、レーザ光式の速度計測装置が開発されている。レーザ光式の速度計測装置は、レーザ光で所定の範囲でスキャンすることにより、走行中の車両にレーザ光を照射して、反射したレーザ光を検知することにより、速度を検出しており、設置位置が固定された固定式、及び設置及び撤去が容易な移動式がある。レーザ光は、所定の発信間隔で、所定の発信時間継続して発信される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6161429号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
旧来の探知機では、レーザ光を検知する機能がないため、レーザ光式の速度計測装置については、設置場所が既知の場合を除き、検知することができなかった。そこで、レーザ光を検知可能な探知機の開発が進展しているが、レーザ光は高指向性というレーダ波にない特性を有するため、レーザ光を受信したことを報知するタイミングが遅れてしまう虞があった。
【0006】
即ち、レーダ波は拡散性が高いので、レーダ波の照射軸上に探知機のセンサが位置していなくとも、センサはレーダ波を受信可能である。これに対して、レーザ光は高指向性であるので、速度計測装置が照射したレーザ光の光軸上に探知機のセンサが位置しなくてはならず、レーザ光の受信機会が減る。
【0007】
そのため、車両が速度計測装置から遠い場合には、最初のレーザ光は受信成功であるが、次のレーザ光の受信失敗であるといった状況が発生する。また、車両と速度計測装置との間に遮蔽物が存在することにより、最初のレーザ光は受信成功であるが、次のレーザ光の受信失敗であるといった状況が発生する。最初のレーザ光の受信で速度遵守を促す報知を行う考えもあるが、この場合だと誤報が増大してしまう。
【0008】
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するために提案されたものであり、その目的は、速度計測装置が照射するレーザ光の受信を迅速に報知するとともに、誤報を抑制した探知機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明に係る探知機は、車両に設置される探知機であって、速度計測装置が照射するレーザ光の波長を含む波長帯域の光を受けて、当該光の受光時間及び受光間隔に基づく検知信号を出力する光センサと、前記光センサが出力する前記検知信号に基づき、判定条件と前記検知信号との一致を判定する判定部と、前記判定部によって前記検知信号が前記判定条件を満たすと判定されると、所定の情報を報知する報知部と、を備え、前記判定条件には、前記検知信号のパルス間隔が前記レーザ光の発信間隔の1倍を含む整数倍であるパルス間隔条件が含まれ、前記判定部は、前記パルス間隔条件を判定すること、を特徴とする。
【0010】
前記判定条件は、前記検知信号のパルス間隔が前記レーザ光の発信間隔と相違する所定のパルス間隔の1倍を含む整数倍でもある第1のNOT条件を含み、前記判定部は、前記パルス間隔条件に加えて、前記第1のNOT条件を判定するようにしてもよい。
【0011】
前記判定条件は、前記検知信号のパルス間隔が、前記レーザ光の受光と当該レーザ光の受光の直後に現われるノイズとの間隔である第2のNOT条件を含み、前記判定部は、前記パルス間隔条件に加えて、前記第2のNOT条件を判定するようにしてもよい。
【0012】
前記判定条件は、前記検知信号のパルス幅が前記レーザ光の発信時間を含む所定範囲に収まるAND条件を含み、前記判定部は、前記パルス間隔条件に加えて、前記AND条件を判定するようにしてもよい。
【0013】
前記車両と前記速度計測装置との距離を算出する距離算出部を備え、前記判定部は、前記距離算出部が算出した距離に基づいて前記判定条件を変更し、前記距離算出部が算出した距離が所定距離内であれば、前記判定条件として、前記検知信号のパルス幅が前記レーザ光の発信時間を含む所定範囲に収まるパルス幅条件を判定し、前記距離算出部が算出した距離が所定距離内でなければ、前記判定条件として、前記パルス間隔条件と前記パルス幅条件のAND条件を含めて判定するようにしてもよい。
【0014】
前記判定部は、条件成就カウンタを有し、前記判定条件を2以上の所定回数満たすか判定するようにしてもよい。
【0015】
前記判定条件は、前記パルス幅条件を含む1以上のAND条件と所定のNOT条件を含み、前記判定部は、条件成就カウンタを有し、前記判定条件を2以上の所定連続回数満たすか判定し、前記所定のNOT条件に前記光が該当する場合には、前記条件成就カウンタの値を維持するようにしてもよい。
【0016】
前記判定条件は、前記検知信号のパルス間隔が前記レーザ光の発信間隔と相違する所定のパルス間隔の1倍を含む整数倍でもある第1のNOT条件を含み、前記検知信号のパルス間隔が、前記レーザ光の受光と当該レーザ光の受光の直後に現われるノイズとの間隔である第2のNOT条件を更に含み、前記判定部は、条件成就カウンタを有し、前記判定条件を2以上の所定連続回数満たすか判定し、前記光が第1のNOT条件又は前記第2のNOT条件に該当するとき、前記条件成就カウンタの値を維持するようにしてもよい。
【0017】
前記光センサは、光の波長を所定波長帯域に制限する光学フィルタを有し、前記所定波長帯域には、速度計測装置のレーザ光以外に、道路及び道路沿線で発信される光の波長も含まれるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、全てのレーザ光を連続受信できなくとも、速度遵守を促す報知を行うことができ、またレーザ光を2回以上受信することで報知を行うので、誤報も抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】探知機の車外に向く面を示す斜視図である。
図2】探知機の車室内に向く面を示す斜視図である。
図3】探知機の内部構成を示すブロック図である。
図4】探知機の制御部の構成を示すブロック図である。
図5】光信号判定部の第1の動作例を示すフローチャートである。
図6】第1の動作例に基づく作用を示す模式図である。
図7】光信号判定部の第2の動作例を示すフローチャートである。
図8】第2の動作例に基づく作用を示す模式図である。
図9】光信号判定部の第3の動作例を示すフローチャートである。
図10】第3の動作例に基づく作用を示す模式図である。
図11】光信号判定部の総合的な動作例を示す第1のフローチャートである。
図12】光信号判定部の総合的な動作例を示す第2のフローチャートである。
図13】光信号判定部の総合的な動作例を示す第3のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(構成)
本発明の実施形態に係る探知機について図面を参照しつつ詳細に説明する。探知機1は、自動車、自動二輪車、トラック及びバス等の車両に設置される。この探知機1は、速度遵守を促すべきイベントを契機に、直接的又は間接的な内容によって速度遵守を促す情報を報知する。探知機1は、典型的にはダッシュボードに設置され、OBD-IIコネクタ又はシガーソケット等を介して車両側から給電される。ダッシュボードは、速度計測装置が照射するレーダ波及びレーザ光を受信し易く、且つ運転者に情報報知が可能な場所の一例である。レーダ波及びレーザ光を総称して電磁波という。
【0021】
速度計測装置としては、レーダ波を照射するレーダ式、ループコイルや光電管を有する非レーダ式、及びレーザ光を照射するレーザ光式が挙げられ、レーダ式及びレーザ光式には固定式及び移動式がある。速度遵守を促すべきイベントは、設置場所が既知の速度計測装置から所定距離内に車両が到達したとき、及び速度測定装置が照射する電磁波を受信したときである。報知する情報としては、例えば速度計測装置の存在、速度計測装置の種類、速度測定装置が照射する電磁波の受信と種類、若しくは速度遵守の注意喚起等、又はこれらの複数である。
【0022】
図1及び図2に示すように、この探知機1は、筐体10の外面に画面14、スピーカ15、ランプ16を備えている。画面14は、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等であり、探知機1の正面12に配置され、文字、絵及び記号等の視覚に訴える形式で報知情報を表示する。スピーカ15は、報知情報を音声出力する。ランプ16は、色、点滅、点灯間隔等の規則的な発光により報知情報を知らせる。尚、正面12は、車内に向き、運転手が視認可能な面であり、反対に背面11は、フロントガラスを介して車外に向けられる面である。
【0023】
探知機1の背面11は受信エリア13になっている。即ち、図3に示すように、背面11には、電波センサ2、測位信号受信部3及び光センサ4が筐体10の内部に収容されて配置されている。電波センサ2は、アンテナ及びスーパーヘテロダイン方式等の復調器を有し、レーダ式の速度計測装置が照射するXバンド及びKバンドの波長帯域のレーダ波を受信して検波する。この電波センサ2は、速度計測装置のレーダ波を受信すると、検知信号を出力する。測位信号受信部3は、測位衛星の電波信号を受信可能なアンテナと復調器とプロセッサを有し、GNSS(Global Navigation Satellite System)の測位信号を受信して復調し、現在位置の緯度及び経度により成る自車位置を算出する。
【0024】
光センサ4は、光学フィルタ41と受光素子42と変換部43とを備えており、光を受信すると、検知信号を出力する。検知信号は、光の受光時間に合致するパルス幅を有する電圧信号であり、受光間隔に合致したパルス間隔で出力される。
【0025】
この光学フィルタ41は、斜めからでも光を透過させ易い材料により成ることが望ましく、例えばアクリル樹脂製により成る。これにより、速度計測装置が道路沿線に設置されることにより、速度計測装置が照射するレーザ光の光軸に対して、光学フィルタ41のフィルタ表面が斜交する場合であっても、受信漏れを抑制できる。但し、光学フィルタ41としてはアクリル樹脂製に限らず、公知の材料を広く用いることができる。
【0026】
また、この光学フィルタ41は、速度計測装置が照射するレーザ光の波長を含む波長帯域を透過させるフィルタである。この波長帯域には、例えばVICS(登録商標)、Nシステム、車載の距離計測センサ、その他の道路上の施設や走行中の車両が照射する光の波長を含んでいてもよい。例えば、車両が搭載する電光掲示板が発する光を光学フィルタ41が透過させる波長帯域に含めてもよい。
【0027】
受光素子42は、光学フィルタ41が透過させる波長帯域を含んで応答し、受光によって電流を通す検出器である。この受光素子42は、光学フィルタ41の背後に設置され、光学フィルタ41を透過した光を受け取る。受光素子42は、例えばフォトトランジスタ又はフォトダイオードである。
【0028】
変換部43は、受光素子42が出力する電流信号を電圧信号に変換して検知信号として出力する。この変換部43は、例えばオペアンプを含み構成され、受光素子42から電流信号を受けると、基準電圧から立ち下げてLo信号を出力し、受光素子42からの電流信号が途絶えると立ち上げて基準電圧に戻す。即ち、光センサ4は、受光開始に合致したタイミングで電圧をLoレベルに立ち下げ、受光時間に合致させて電圧のLoレベルを維持する。この電圧がLoレベルの期間を検知信号と呼ぶ。但し、基準電圧を含む電圧レベルの論理は逆であってもよい。
【0029】
図3に示すように、探知機1は、更に制御部5と報知部6を備えている。電波センサ2、測位信号受信部3及び光センサ4は制御部5に信号を入力する。この制御部5は、CPU、FPGA又はマイコン等のプロセッサ、プログラム及びデータを記憶するストレージ、並びにワークメモリを含み構成される所謂コンピュータである。
【0030】
この制御部5は、電波センサ2及び光センサ4が速度計測装置の電磁波を受信したか判定する。また制御部5は、測位信号受信部3が出力する自車位置と設置場所が既知の速度計測装置、及び過去に速度計測装置が設置されたことがある位置(以下、総じて登録速度計測装置という)との距離を判定する。そして、制御部5は、判定結果に応じて報知部6に情報を報知させる。報知部6は、筐体10の外面に配置された画面14、スピーカ15、ランプ16又はこれらの複数である。
【0031】
図4に示すように、この制御部5は、プロセッサによるプログラム処理等によって、レーダ波処理部51、距離算出部52、記憶部53及びレーザ光判定部54を備える。レーダ波処理部51は、電波センサ2の検知信号が制御部5に入力されると、割り込み処理を行い、速度遵守を促す情報を報知部6に報知させる。特に、レーダ波処理部51は、レーダ式の速度計測装置の存在及び速度計測装置が照射するレーダ波の受信を報知する情報を報知部6に報知させることが望ましい。
【0032】
記憶部53は、探知機1が備えるストレージ又はSDカード等の可搬記憶媒体により構成され、登録速度計測装置の緯度及び経度を記憶している。距離算出部52は、測位信号受信部3が出力する自車位置と記憶部53に記憶されている登録速度計測装置との距離を計算する。
【0033】
更に、距離算出部52は、予め閾値を有しており、計算結果と閾値とを比較する。計算結果が閾値以下であれば、即ち自車位置が登録速度計測装置から所定距離内であれば、距離算出部52は、報知部6を制御して情報を報知させる。特に、距離算出部52は、登録速度計測装置の存在及び種類、並びに登録速度計測装置と自車位置との距離を報知する情報を報知部6に報知させることが望ましい。
【0034】
レーザ光判定部54は、光センサ4の検知信号が制御部5に入力されると、割り込み処理を行い、光センサ4が速度計測装置のレーザ光を受光したか判定する。このレーザ光判定部54は、判定条件を有しており、光センサ4が出力する検知信号と判定条件との一致を判定し、その結果としてレーザ光を受光したか判定する。
【0035】
光センサ4が出力した検知信号が判定条件と一致すると、レーザ光判定部54は、報知部6を制御して情報を報知させる。特に、レーザ光判定部54は、レーザ式の速度計測装置の存在及び速度計測装置が照射するレーザ光の受信を報知する情報を報知部6に報知させることが望ましい。
【0036】
(受光波の判定例1)
レーザ光判定部54の判定処理の第1の例を図5に基づき説明する。図5は、レーザ光判定部54の第1の動作例を示すフローチャートである。このレーザ光判定部54は、状況に応じて判定条件を変化させて、判定処理に伴う遅延を抑制することで、速度計測装置のレーザ光を受信したことを素早く報知させている。
【0037】
即ち、レーザ光判定部54は、光センサ4が出力した検知信号のパルス幅が所定パルス幅A以下か判断する(ステップS01)。パルス幅は、例えばクロック周波数に基づいたサンプリングレートで電圧をサンプリングし、Loレベルの電圧がサンプリングされた数、又は当該数を時間に換算して得る。所定パルス幅Aは、レーザ光判定部54が予め記憶しており、レーザ光判定部54は、得られたパルス幅と所定パルス幅Aとの大小を比較する。
【0038】
この所定パルス幅Aは、速度計測装置のレーザ光に対して、他の幾つかの既知の光発信源の光を分別する閾値である。この所定パルス幅Aは、速度計測装置がレーザ光を1度に発信する発信時間以上の値を有し、また例えばNシステム等の他の光発信源が1度に発信する光の発信時間未満の値を有する。そして、所定パルス幅A以下は、速度計測装置のレーザ光の発信時間を含む範囲である。但し、所定パルス幅A以下には、速度計測装置と発信時間が似ているため、所定パルス幅Aでは分別できない正体不明又は既知の光発信源の発信時間を含む。
【0039】
検知信号のパルス幅が所定パルス幅A以下でなければ(ステップS01,No)、光センサ4が速度計測装置のレーザ光を受光した可能性は低く、割り込み処理は終了する。即ち、報知処理(ステップS09)は実行しない。
【0040】
検知信号のパルス幅が所定パルス幅A以下であれば(ステップS01,Yes)、レーザ光判定部54は、自車位置が登録速度計測装置から距離B内であるか判定する(ステップS02)。距離Bは、レーザ光判定部54が予め記憶している。自車位置と登録速度計測装置との間の距離は、距離算出部52が測位信号受信部3の割り込みを受けて算出しており、又は定期的に算出しており、レーザ光判定部54は、この距離算出部52の算出結果と距離Bとの大小を比較する。
【0041】
この距離Bは、指向性の高いレーザ光が車両に届き得る距離である。即ち、距離B内に位置し、且つ光センサ4が所定パルス幅A以下の検知信号を出力していれば、光センサ4が、正体不明な光発信源の光、又は速度計測装置のレーザ光に似た発信時間で光を照射する既知の光発信源の光を受光したのではなく、速度計測装置のレーザ光を受光した可能性がより高まる。
【0042】
従って、自車位置が登録速度計測装置から距離B内であれば(ステップS02,Yes)、レーザ光判定部54は、報知部6を制御して、レーザ光の受光等の情報を報知させる(ステップS09)。
【0043】
このように、レーザ光判定部54は、速度計測装置のレーザ光を受ける可能性が高い既知の場所に自車位置が存在するときは、検知信号のパルス幅のみで報知処理を行っている。その結果、この探知機1は、1パルスの受光のみという迅速なタイミングで報知を行うことができる。
【0044】
尚、所定パルス幅A以下のパルス幅を有する光を受けてから、距離B以内に自車位置が存在するか判定する態様を説明したが、レーザ光判定部54は、距離算出部52が距離を算出する度に、算出結果と距離Bとの比較を行っておき、光センサ4が受光し、検知信号がパルス幅A以下であれば、直ちに報知処理を行うようにしてもよい。この場合、受光後の距離判定が省かれる分、更に迅速なタイミングで報知を行うことができる。
【0045】
ここで、自車位置が登録速度計測装置から距離B内でなければ(ステップS02,No)、パルス幅Aのみでは高い信頼性が得られないので、レーザ光判定部54は、他の条件を加えた判定条件によって、速度計測装置のレーザ光であるか判定する(ステップS03~)。即ち、自車位置が登録速度計測装置から距離B以内であるか否かによって、判定条件が変更される。
【0046】
自車位置が登録速度計測装置から距離B内でなければ(ステップS02,No)、レーザ光判定部54は、条件成就カウンタがゼロであるか判断する(ステップS03)。また、条件成就カウンタがゼロでなくとも(ステップS03,No)、検知信号のパルス間隔が所定パルス間隔C以上であるか判定する(ステップS04)。条件成就カウンタは、変更可能な変数としてレーザ光判定部54が記憶しており、また所定パルス間隔Cは、レーザ光判定部54が予め記憶している。
【0047】
パルス間隔は、前回の検知信号の終端、即ち電圧がHiレベルに立ち上がるタイミングから、最新の検知信号の終端までの時間である。パルス間隔は、例えばクロック周波数に基づいたサンプリングレートで電圧をサンプリングし、Hiレベルの電圧がサンプリングされた数、又は当該数を時間に換算して得る。
【0048】
条件成就カウンタは、判定条件を満たす受光の連続回数である。条件成就カウンタがゼロとは、所定パルス幅A以下のパルス幅を有する受光が初回であることを意味する。即ち、速度計測装置のレーザ光の条件を満たす1パルス目を受光したことを意味する。また、所定パルス間隔Cは、指向性の高いレーザ光の受光失敗を考慮しても、速度計測装置のレーザ光を受光し得る間隔と比べて長過ぎるため、速度計測装置のレーザ光の条件を満たす1パルス目の受光と見做せる間隔である。
【0049】
条件成就カウンタがゼロであれば(ステップS03,Yes)、またパルス間隔が所定パルス間隔C以上であれば(ステップS04,Yes)、速度計測装置のレーザ光の可能性がある初回の受光として、レーザ光判定部54は条件成就カウンタを「1」にする(ステップS05)。尚、条件成就カウンタの初期値はゼロである。
【0050】
条件成就カウンタがゼロでなく(ステップS03,No)、且つパルス間隔が所定パルス間隔C以上でなければ(ステップS04,NO)、速度計測装置のレーザ光の可能性がある初回を受光済みであることを示す。このとき、レーザ光判定部54は、パルス間隔が所定パルス間隔Dの整数倍であるか判定する(ステップS06)。所定パルス間隔Dは、レーザ光判定部54が予め記憶している。
【0051】
所定パルス間隔Dは、速度計測装置のレーザ光の発信間隔である。ここで、レーザ光が高い指向性を有することに起因して、光センサ4がレーザ光の全てを受けられず、又は車両の前方にトラック等の遮蔽物があったことに起因して光センサ4がレーザ光の全てを受けられないことがある。特に、速度計測装置は、道路上の所定範囲をスキャンしているので、車両が速度計測装置に対して遠方であると、レーザ光の光路上に光センサ4が存在するタイミングが少なくなり、光センサ4が受光できないタイミングが発生し易い。
【0052】
光センサ4が受光できないタイミングが合間に存在する場合に、所定パルス間隔Dに一致しないことによってレーザ光でないと判定すると、レーザ光を確実に受光できる位置まで自車が速度計測装置に近づかなければならず、報知が遅れてしまう。しかしながら、レーザ光判定部54は、所定パルス間隔Dの整数倍と比較することによって、受光できないタイミングの存在を考慮し、報知の迅速性を高めている。
【0053】
パルス間隔が所定パルス間隔Dの整数倍であれば(ステップS06,Yes)、条件成就カウンタを1増加させる(ステップS07)。尚、所定パルス間隔Dの整数倍には、1倍も含まれる。一方、パルス間隔が所定パルス間隔Dの整数倍でなければ(ステップS06,No)、速度計測装置のレーザ光を受光した可能性が低くなり、条件成就カウンタをゼロに初期化して(ステップS10)、判定処理を終了する。このように、増加された条件成就カウンタは、速度計測装置のレーザ光の可能性が高い受光を連続して受けた回数を示す。
【0054】
条件成就カウンタを1増加させると(ステップS07)、レーザ光判定部54は、条件成就カウンタが閾値Nに到達したか判定する(ステップS08)。閾値Nは、レーザ光判定部54が予め記憶している。レーザ光判定部54は、条件成就カウンタと閾値Nの大小を比較する。
【0055】
条件成就カウンタが閾値Nに到達していると(ステップS08,Yes)、レーザ光判定部54は、報知処理を行い(ステップS09)、条件成就カウンタを初期値であるゼロに戻して(ステップ10)、判定処理を終了する。条件成就カウンタが閾値Nに未達である場合(ステップS08,No)、条件成就カウンタの値はそのままにして判定処理を終了する。
【0056】
図6は、このレーザ光判定部54の第1の動作例に基づく作用を示す模式図である。条件成就カウンタの閾値Nは3であるものとする。このとき、第1回目の受光において、パルス幅が所定パルス幅A以下であり、また自車位置が登録速度計測装置との距離B以内にいるときには、第1回目の受光で素早く報知を行う。
【0057】
自車位置が登録速度計測装置との距離B以内にいないときは、第2回目の受光が、所定パルス幅A以下であり、また所定パルス間隔Dの1倍であるので、条件成就カウンタを2にする。第3回目の受光は失敗していても、第4回目の受光が、所定のパルス幅A以下であり、また第2回目の受光を基準にパルス間隔が所定パルス間隔Dの2倍であるので、第4回目の受光で条件成就カウンタを3にできる。そして、条件成就カウンタが3に到達したので、報知を行う。
【0058】
尚、光学フィルタ41は斜めの光を透過させ易いために、受光失敗の可能性は抑制されている。従って、所定パルス間隔Dの整数倍と比較することは、この光学フィルタ41と相俟って、指向性が高いレーザ光であっても、より素早く報知できる可能性を高めている。
【0059】
ここで、条件成就カウンタは2以上であればよく、条件成就カウンタが2であれば、第2回目の受光で報知することができる。高い信頼性を担保するために、条件成就カウンタを2にする場合には、第2回目の受光に対して判定可能な更に他のAND条件を付加するようにしてもよい。
【0060】
また、第2回目の受光以降も所定パルス幅A以下の条件のみを判定するようにしてもよい。但し、パルス間隔というパルス幅とは異なる観点を条件に含めることで、パルス幅が似通った他の光発信源によって誤報となってしまう虞をより低減できる。
【0061】
このように、レーザ光判定部54は、自車位置が登録速度計測装置から距離B内でなければ、判定条件を変更して、所定パルス幅A以下の検知信号が所定パルス間隔Dの整数倍の間隔で連続してN回得られることで、速度計測装置のレーザ光であるとの高い信頼性を得て、報知処理を行っている。また、レーザ光判定部54は、所定パルス間隔Dの整数倍と光センサ4が出力する検知信号のパルス間隔とを比較することで、確実に受光可能な距離まで速度計測装置に近づかずとも、また遮蔽物が一時的に存在しようとも、速度計測装置からのレーザ光の受光を報知している。
【0062】
(受光波の判定例2)
レーザ光判定部54の判定処理の第2の例を図7に基づき説明する。図7は、レーザ光判定部54の第2の動作例を示すフローチャートである。例えば所定パルス幅Dの整数倍との比較等によって、より迅速に速度計測装置からのレーザ光照射を報知することに対し、このレーザ光判定部54は、誤報対策を組み入れている。但し、このレーザ光判定部54は、所定の条件に対しては、条件成就カウンタの値をゼロに初期化するのではなく、値を維持することで、誤報対策と報知の迅速性の両立を図っている。
【0063】
即ち、レーザ光判定部54は、光センサ4が出力した検知信号のパルス幅が所定パルス幅A以下か判断する(ステップS21)。所定パルス幅Aは、速度計測装置のレーザ光のパルス幅を以上の値を有し、また例えばNシステム等の他の光発信源が照射する光のパルス幅未満の値を有する。検知信号のパルス幅が所定パルス幅A以下でなければ(ステップS21,No)、割り込み処理は終了する。即ち、報知処理(ステップS31)は実行しない。
【0064】
検知信号のパルス幅が所定パルス幅A以下であれば(ステップS21,Yes)、レーザ光判定部54は、自車位置が登録速度計測装置から距離B内であるか判定する(ステップS22)。距離Bは、指向性の高いレーザ光が車両に届き得る距離である。自車位置が登録速度計測装置から距離B内であれば(ステップS22,Yes)、レーザ光判定部54は、報知部6を制御して、レーザ光の受光等の情報を報知させる(ステップS31)。
【0065】
自車位置が登録速度計測装置から距離B内でなければ(ステップS22,No)、レーザ光判定部54は、条件成就カウンタがゼロであるか判断する(ステップS23)。また、条件成就カウンタがゼロでなかった場合(ステップS23,No)、検知信号のパルス間隔が所定パルス間隔C以上であるか判定する(ステップS24)。条件成就カウンタは、速度計測装置のレーザ光の条件を満たす受光の連続回数である。所定パルス間隔Cは、速度計測装置のレーザ光を受光し得る間隔と比べて長過ぎるため、速度計測装置のレーザ光の条件を満たす1パルス目の受光と見做せる間隔である。
【0066】
条件成就カウンタがゼロであれば(ステップS23,Yes)、又はパルス間隔が所定パルス間隔C以上であれば(ステップS24,Yes)、レーザ光判定部54は条件成就カウンタを「1」にする(ステップS25)。
【0067】
条件成就カウンタがゼロでなく(ステップS23,No)、且つパルス間隔が所定パルス間隔C以上でなければ(ステップS24,NO)、レーザ光判定部54は、パルス間隔が所定パルス間隔E未満であるか判定する(ステップS26)。所定パルス間隔Eは、レーザ光判定部54が予め記憶している。レーザ光判定部54は、得られたパルス間隔と所定パルス間隔Eとの大小を比較する。
【0068】
検知信号のパルス間隔が所定パルス間隔E未満であれば(ステップS26,Yes)、条件成就カウンタの値を維持しつつ、処理を終了する。即ち、所定パルス間隔E未満の検知信号は無視する。
【0069】
所定パルス間隔E未満に関し、速度計測装置に車両が近づくと、レーザ光の受光と非常に近い間隔でノイズが入る可能性があるとの知見が得られた。所定パルス間隔E未満は、このノイズを分別する閾値であり、レーザ光の受光とノイズとの間隔であるかを判定するNOT条件である。但し、ノイズの存在により、条件成就カウンタをゼロに初期化してしまうと(ステップS32)、報知が遅延してしまう。そこで、検知信号間が非常に近い場合には、ノイズであるため、レーザ光判定部54は、誤報対策として条件成就カウンタを増加させず、またゼロにも初期化せず、報知の迅速性の観点から条件成就カウンタの値を維持している。
【0070】
検知信号のパルス間隔が所定パルス間隔E未満でなければ(ステップS26,No)、レーザ光判定部54は、パルス間隔が所定パルス間隔Dの整数倍であるか判定する(ステップS27)。所定パルス間隔Dは、速度計測装置のレーザ光のパルス間隔である。
【0071】
パルス間隔が所定パルス間隔Dの整数倍でなければ(ステップS27,No)、条件成就カウンタをゼロに初期化して(ステップS32)、判定処理を終了する。一方、パルス間隔が所定パルス間隔Dの整数倍であれば(ステップS27,Yes)、レーザ光判定部54は、更にパルス間隔が所定パルス間隔Fの整数倍であるか判定する(ステップS28)。所定パルス間隔Fは、レーザ光判定部54が予め記憶している。
【0072】
検知信号のパルス間隔が所定パルス間隔Fの整数倍でなければ(ステップS28,No)、条件成就カウンタを1増加させる(ステップS29)。一方、検知信号のパルス間隔が所定パルス間隔Fの整数倍であれば(ステップS28,Yes)、条件成就カウンタの値を維持しつつ、処理を終了する。即ち、所定パルス間隔E未満という条件と、所定パルス間隔Dの整数倍であっても、所定パルス間隔Fの整数倍でもあるという条件の一方を満たす場合については、検知信号を無視する。
【0073】
所定パルス間隔Fの整数倍は、例えばNシステムが照射する光等のように、速度計測装置とは異なる光発信源の発信間隔である。従って、所定パルス間隔Dの整数倍、且つ所定パルス間隔Fの整数倍のパルス間隔は、速度計測装置のレーザ光の可能性に対して疑義が生じる。一方で、速度計測装置のレーザ光である可能性もある。そこで、レーザ光判定部54は、条件成就カウンタの値を増加させないことにより誤報対策とし、且つ条件成就カウンタの値をゼロに初期化せずに維持することにより、報知の迅速性を確保している。
【0074】
条件成就カウンタを1増加させると(ステップS29)、レーザ光判定部54は、条件成就カウンタが閾値Nに到達したか判定する(ステップS30)。条件成就カウンタが閾値Nに到達していると(ステップS30,Yes)、レーザ光判定部54は、報知処理を行い(ステップS31)、条件成就カウンタを初期値であるゼロに戻して(ステップ32)、判定処理を終了する。条件成就カウンタが閾値Nに未達である場合(ステップS30,No)、条件成就カウンタの値はそのままにして判定処理を終了する。
【0075】
図8は、このレーザ光判定部54の第2の動作例に基づく作用を示す模式図である。条件成就カウンタの閾値Nは3であるものとする。速度計測装置が照射した第1回目のレーザ光を受信した後、所定パルス間隔E未満で発生している検知信号は、ノイズである。そのため、レーザ光判定部54は、この検知信号を無視する。即ち、条件成就カウンタを「1」のままに維持している。
【0076】
所定パルス間隔Dの整数倍でないために、このノイズである検知信号を契機に条件成就カウンタをゼロにしてしまうと、報知が少なくとも所定パルス間隔Dだけ遅延してしまう。しかしながら、このノイズである検知信号に対しては条件成就カウンタを維持しているので、誤報を抑制しつつ、報知の迅速性も保たれている。
【0077】
速度計測装置が発する第3回目及び第4回目のレーザ光は受光できず、第5回目のレーザ光は受光できたものとする。このとき、所定パルス間隔Dの3倍のパルス間隔で検知信号が発生する。但し、所定パルス間隔Dの3倍のパルス間隔は、所定パルス間隔Fの1倍に等しいものとする。そうすると、この第2回目と第5回目の検知信号は、速度計測装置以外の光発信源が照射した光に基づく可能性が生じる。そのため、レーザ光判定部54は、速度計測装置が発した第5回目のレーザ光に基づく検知信号を無視する。即ち、条件成就カウンタを「2」のままに維持している。そして、第6回目で条件成就カウンタを3にでき、条件成就カウンタが3に到達したので、報知を行う。
【0078】
実際は、速度計測装置の第5回目のレーザ光で間違いはなく、報知が1テンポ遅延するが、速度計測装置以外の光発信源に対して報知してしまうことは抑制でき、また条件成就カウンタを維持しているので、誤報を抑制しつつ、報知の迅速性も一定程度保たれている。
【0079】
このように、レーザ光判定部54は、パルス間隔が所定パルス間隔Fの整数倍でもあり、またパルス間隔が所定パルス間隔E未満である場合には、速度計測装置のレーザ光であるとも、レーザ光でないとも判定せず、検知信号を無視している。これにより、誤報対策と報知の迅速性とを両立させている。
【0080】
(受光波の判定例3)
レーザ光判定部54の判定処理の第3の例を図9に基づき説明する。図9は、レーザ光判定部54の第3の動作例を示すフローチャートである。尚、本動作例では、自車位置が登録速度計測装置から距離Bであるか否かの判定を省いているが、当該判定を加えても排除しても何れでもよい。
【0081】
例えば、レーザ光判定部54は、速度計測装置のレーザ光であるともレーザ光でないとも判定できない場合、速度計測装置のレーザ光は受光しているが、他の光発信源の光も受光していると疑われる場合、そしてノイズである場合は、条件成就カウンタの値を維持し、誤報抑制と報知の迅速性を両立させた。これに対し、速度計測装置のレーザ光でない可能性が高い場合もある。このレーザ光判定部54は、速度計測装置のレーザ光でない可能性が高い場合には、速度計測装置のレーザ光の可能性がある受光があっても、条件成就カウンタを増加させないようにし、報知が遅延しない範囲で、誤報対策のレベルを高めている。
【0082】
即ち、レーザ光判定部54は、光センサ4が出力した検知信号が速度計測装置のレーザ光である条件と一致しているか判断する(ステップS41)。この条件は、例えばパルス幅が所定パルス幅A以下であること、パルス間隔が所定パルス間隔Dの整数倍であること、パルス間隔が所定パルス間隔E以上であること、パルス間隔が所定パルス間隔Fの整数倍ではないこと、又はこれらの複合である。
【0083】
光センサ4が出力した検知信号が速度計測装置のレーザ光の条件と不一致であり(ステップS41,No)、パルス間隔が所定パルス間隔E未満であるという不一致の理由か(ステップS42,Yes)、又はパルス間隔が所定パルス間隔Dの整数倍ではあるが、同時に所定パルス間隔Eの整数倍でもあるという不一致の理由の場合には(ステップS43,Yes)、検知信号を無視して判定処理を終了する。一方、不一致であった条件が、パルス間隔が所定パルス間隔E未満以外であり(ステップS42,No)、及びパルス間隔が所定パルス間隔Dの整数倍ではあるが、同時に所定パルス間隔Eの整数倍でもない場合(ステップS43,No)、レーザ光判定部54は、無効期間を設定し(ステップS44)、誤報防止カウンタをリセットする(ステップS45)。
【0084】
即ち、例えば、パルス幅が所定パルス幅A以下でなく、又はパルス間隔が所定パルス間隔Dの整数倍でない場合には、レーザ光判定部54は、無効期間を設定し(ステップS44)、誤報防止カウンタをリセットし(ステップS45)、条件成就カウンタもゼロにリセットする(ステップS46)。
【0085】
無効期間は、速度計測装置のレーザ光でない光を受けた可能性がある場合に設定され、速度計測装置のレーザ光の可能性がある光を受けても、例外を除いて条件成就カウンタを増加させない期間である。即ち、レーザ光判定部54は、一度、速度計測装置のレーザ光でない光を受けた可能性がある場合には、誤報抑制のレベルを上げている。誤報防止カウンタは、無効期間中に速度計測装置のレーザ光の可能性がある光を受けた場合にカウントアップされ、無効期間中の誤報抑制レベルを調整している。
【0086】
そして、レーザ光判定部54は、光センサ4が出力した検知信号が速度計測装置のレーザ光の条件と一致していると(ステップS41,Yes)、無効期間であるか判断する(ステップS47)。無効期間でなければ(ステップS47,No)、条件成就カウンタを増加させ(ステップS50)、条件成就カウンタが閾値Nに達していれば(ステップS51,Yes)、報知処理を行い(ステップS52)、条件成就カウンタをゼロにリセットして(ステップS46)、判定処理を終了する。
【0087】
無効期間であった場合(ステップS47,Yes)、レーザ光判定部54は、誤報防止カウンタを1増加させる(ステップS48)。誤報防止カウンタは、変更可能な変数としてレーザ光判定部54が記憶している。尚、レーザ光判定部54は、光センサ4が出力した検知信号が速度計測装置のレーザ光の条件と一致していない場合には、誤報防止カウンタをゼロにリセットする。
【0088】
レーザ光判定部54は、誤報防止カウンタを増加させた後、誤報防止カウンタが閾値Mに達しているか判定する(ステップS49)。閾値Mは、レーザ光判定部54が予め記憶している。レーザ光判定部54は、誤報防止カウンタと閾値Mの大小を比較する。
【0089】
誤報防止カウンタが閾値Mに達していれば(ステップS49,Yes)、レーザ光判定部54は、条件成就カウンタを1増加させる(ステップS50)。しかし、誤報防止カウンタが閾値Mに未達であれば(ステップS49,No)、光センサ4が出力した検知信号が速度計測装置のレーザ光の条件と一致していても(ステップS41,Yes)、条件成就カウンタの値は変動させず、判定処理を終了する。
【0090】
即ち、レーザ光判定部54は、無効期間中、誤報防止カウンタが閾値Mに達する連続数分だけ、光センサ4が出力した検知信号が速度計測装置のレーザ光の条件と一致するか、又は無効期間が終了しない限りは、条件成就カウンタをカウントアップしない。これにより、速度計測装置のレーザ光でない光を受けた可能性がある場合には、誤報抑制のレベルを上げている。
【0091】
図10は、このレーザ光判定部54の第3の動作例に基づく作用を示す模式図である。条件成就カウンタの閾値Nは3であり、誤報防止カウンタの閾値Mは2であるものとする。
【0092】
第1回目の検知信号は、所定パルス幅A以下のパルス幅であるので、条件成就カウンタは「1」に増加し、第2回目の検知信号は、所定パルス幅A以下のパルス幅で、所定パルス間隔Dの1倍のパルス間隔で到達しているので、条件成就カウンタは「2」に増加する。しかし、第3回目の検知信号は、所定パルス幅A超のパルス幅であるので、条件成就カウンタはゼロにリセットされる。更に、条件に不一致の第3回目の検知信号が発生したため、無効期間が設定され、誤報防止カウンタがゼロにリセットされる。
【0093】
第4回目の検知信号は、所定パルス幅A以下のパルス幅で、所定パルス間隔Dの1倍のパルス間隔で到達している。しかし無効期間中であるので、条件成就カウンタは値を維持し、誤報防止カウンタが「1」に増加する。第5回目の検知信号は、所定パルス幅A以下のパルス幅であるが、所定パルス間隔E未満のパルス間隔で到達している。従って、第5回目の検知信号は無視され、条件成就カウンタも誤報防止カウンタも変動しない。尚、所定パルス間隔Dの整数倍のパルス間隔で到達しても、検知信号は無視され、条件成就カウンタも誤報防止カウンタも変動しない。
【0094】
第6回目の検知信号は、所定パルス幅A以下のパルス幅ではあるが、所定パルス間隔Dの整数倍でないパルス間隔で到達している。従って、条件成就カウンタも誤報防止カウンタもゼロにリセットされ、更に無効期間が再設定される。次の第7回目の検知信号は、所定パルス幅A以下のパルス幅で、所定パルス間隔Dの1倍のパルス間隔で到達している。しかし無効期間中であるので、条件成就カウンタは値を維持し、誤報防止カウンタは「1」に増加する。
【0095】
第8回目の検知信号は、所定パルス幅A以下のパルス幅で、所定パルス間隔Dの1倍のパルス間隔で到達している。従って、無効期間中であるので誤報防止カウンタは「2」に増加する。ここで、無効期間中に誤報防止カウンタは「2」に達したので、第8回目の検知信号に対し、条件成就カウンタは1増加し、値が「1」になる。更に第9回目の検知信号は、所定パルス幅A以下のパルス幅で、所定パルス間隔Dの1倍のパルス間隔で到達している。誤報防止カウンタは増加させても「2」以上なので、条件成就カウンタは1増加し、値が「2」になる。
【0096】
そして、第10回目の検知信号は、所定パルス幅A以下のパルス幅で、所定パルス間隔Dの1倍のパルス間隔で到達している。しかも無効期間は終了しているので、誤報防止カウンタの値に関係なく、条件成就カウンタは1増加し、値が「3」になる。条件成就カウンタが「3」に達したので、レーザ判定部54は、報知部6を制御し、報知部6に速度遵守を直接的に又は間接的に促す情報を報知させる。
【0097】
このように、レーザ光判定部54は、速度計測装置のレーザ光でない可能性が高い場合、無効期間を設定する。そして、レーザ光判定部54は、無効期間中は、速度計測装置のレーザ光の可能性がある光を連続して所定数受けない限り、条件成就カウンタを増加させないようにする。即ち、レーザ光判定部54は、速度計測装置のレーザ光でない可能性が高い光を受けた場合には、誤報抑制のレベルを上げている。
【0098】
(受光波の判定例4)
以上の各種判定処理を統合した典型的な動作例を図11乃至13に基づき説明する。図11乃至13は、レーザ光判定部54の典型的動作例を示すフローチャートである。
【0099】
レーザ光判定部54は、光センサ4が出力した検知信号のパルス幅が所定パルス幅A以下であり(図11:ステップS61,Yes)、自車位置が登録速度計測装置から距離B内であれば(図11:ステップS62,Yes)、報知部6を制御して、レーザ光の受光等の情報を報知させる(図12:ステップS63)。また、レーザ光判定部54は、無効期間をゼロに初期化し(図12:ステップS64)、条件成就カウンタを「1」に初期化し(ステップS65)、判定処理を終了する。
【0100】
検知信号のパルス幅が所定パルス幅A以下でなければ(図11:ステップS61,No)、レーザ光判定部54は、誤報防止カウンタをゼロにリセットし(図13:ステップS70)、無効期間を設定する(図13:ステップS71)。
【0101】
レーザ光判定部54は、光センサ4が出力した検知信号のパルス幅が所定パルス幅A以下であるが(図11:ステップS61,Yes)、自車位置が登録速度計測装置から距離B内でない場合(図11:ステップS62,No)、検知信号のパルス間隔が所定パルス間隔C以上か判定する(図11:ステップS66)。所定パルス間隔C以上には、検知信号を受け取っておらず、従ってパルス間隔が計算できない場合も含む。
【0102】
検知信号のパルス間隔が所定パルス間隔C以上であれば(図11:ステップS66,Yes)、レーザ光判定部54は、誤報防止カウンタをゼロにリセットし(図12:ステップS67)、無効期間をゼロに初期化し(図12:ステップS64)、条件成就カウンタを「1」に初期化し(ステップS65)、判定処理を終了する。
【0103】
検知信号のパルス間隔が所定パルス間隔C以上でなければ(図11:ステップS66,No)、レーザ光判定部54は、検知信号のパルス間隔が所定パルス間隔E未満であるか判定する(図11:ステップS68)。検知信号のパルス間隔が所定パルス間隔E未満であれば(図11:ステップS68,Yes)、レーザ光判定部54は、検知信号を無視して判定を終了する(図12)。
【0104】
検知信号のパルス間隔が所定パルス間隔E未満でなければ(図11:ステップS68,No)、レーザ光判定部54は、検知信号のパルス間隔がDの整数倍であるか判定する(図11:ステップS69)。検知信号のパルス間隔がDの整数倍でなければ(図11:ステップS69、No)、レーザ光判定部54は、誤報防止カウンタをゼロにリセットし(図13:ステップS70)、無効期間を設定する(図13:ステップS71)。
【0105】
一方、検知信号のパルス間隔がDの整数倍であれば(図11:ステップS69、Yes)、レーザ光判定部54は、誤報防止カウンタが閾値M以上であるか判定する(図11:ステップS72)。誤報防止カウンタが閾値M以上でなければ(図11:ステップS72,No)、レーザ光判定部54は、検知信号のパルス間隔が所定パルス間隔Fの整数倍であるか判定する(図11:ステップS73)。
【0106】
所定パルス間隔Fの整数倍でなければ(図11:ステップS73,No)、レーザ光判定部54は、誤報防止カウンタを1増加させ(図11:ステップS74)、再び誤報防止カウンタと閾値Mとを比較する。誤報防止カウンタが閾値M以上であれば(図11:ステップS75,Yes)、レーザ光判定部54は、条件成就カウンタを1増加させる(図11:ステップS77)。
【0107】
一方、誤報防止カウンタがM以上でなくとも(図11:ステップS75,No)、無効期間でなければ(図11:ステップS76,No)、レーザ光判定部54は、条件成就カウンタを1増加させる(図11:ステップS77)。但し、無効期間であれば(図11:ステップS76,Yes)、無効期間を再設定し(図13:ステップS71)、条件成就カウンタを「1」にする(図12:ステップS65)。
【0108】
条件成就カウンタを1増加させた後は(図11:ステップS77)、レーザ光判定部54は、条件成就カウンタが閾値Nに達しているか判定し(図12:ステップS78)、条件成就カウンタが閾値Nに未達であれば(図12:ステップS78,No)、判定処理を終了する。条件成就カウンタが閾値Nに達していれば(図12:ステップS78,Yes)、報知部6を制御して、レーザ光の受光等の情報を報知させる(図12:ステップS63)。また、レーザ光判定部54は、無効期間をゼロに初期化し(図12:ステップS64)、条件成就カウンタを「1」に初期化し(ステップS65)、判定処理を終了する。
【0109】
(効果)
以上のように、この探知機1は、光センサ4とレーザ光判定部54と報知部6を備えるようにした。光センサ4は、速度計測装置が照射するレーザ光の波長を含む波長帯域の光を受けて、当該光の受光時間及び受光間隔に基づく検知信号を出力する。レーザ光判定部54は、光センサ4が出力する検知信号に基づき、判定条件と検知信号との一致を判定する。報知部6は、レーザ光判定部54によって検知信号が判定条件を満たすと判定されると、所定の情報を報知する。そして、レーザ光判定部54は、所定パルス間隔Dの整数倍と検知信号のパルス間隔を比較することにより、判定条件には、検知信号のパルス間隔がレーザ光の発信間隔の1倍を含む整数倍であるパルス間隔条件が含まれるようにした。
【0110】
これにより、レーザ光が高い指向性を有することに起因する受光失敗や、遮蔽物があったことに起因する受光失敗が起こり、全てのレーザ光を連続受信できなくとも、報知の迅速性を高めることができる。一方で、レーザ光を2回以上受信することで報知を行うことになるので、誤報も抑制できる。
【0111】
尚、レーザ光判定部54としては、距離算出部52が算出した距離が所定距離B内であるか否かを問わず、レーザ光の発信時間を含む所定範囲の閾値を規定する所定パルス幅Aと検知信号のパルス幅との比較を省くようにしてもよく、この態様であっても、レーザ光が高い指向性を有することに起因する受光失敗や、遮蔽物があったことに起因する受光失敗に対しても、報知の迅速性を高めることができる。
【0112】
但し、この探知機1においては、距離算出部52が算出した距離が所定距離B内であれば、レーザ光判定部54は、検知信号のパルス幅と所定パルス幅Aと比較するようにした。即ち、距離算出部52が算出した距離が所定距離B内であれば、判定条件として、検知信号のパルス幅がレーザ光の発信時間を含む所定範囲に収まるパルス幅条件を判定するようにした。
【0113】
そして、距離算出部52が算出した距離が所定距離B内でなければ、レーザ光判定部54は、所定パルス幅Aと所定パルス間隔Dに対して検知信号のパルス幅とパルス間隔を比較するようにした。即ち、距離算出部52が算出した距離が所定距離B内でなければ、判定条件として、検知信号のパルス幅がレーザ光の発信時間であるパルス幅条件と、検知信号のパルス間隔がレーザ光の発信間隔の1倍を含む整数倍であるパルス間隔条件とをAND条件として含むようにした。これにより、速度計測装置のレーザ光を受ける可能性が高い既知の場所に自車位置が存在するときは、1度の受光のみという迅速なタイミングで報知を行うことができる。
【0114】
また、判定条件は、検知信号のパルス間隔がレーザ光の発信間隔と相違する所定のパルス間隔Fの1倍を含む整数倍でもあるNOT条件を含み、レーザ光判定部54は、検知信号のパルス間隔がレーザ光の発信間隔の1倍を含む整数倍であるパルス間隔条件に加えて、このNOT条件を判定するようにした。これにより、レーザ光式の速度計測装置に関する報知の迅速性を確保しつつ、速度計測装置とは異なる光発信源の存在による誤報を抑制することができる。
【0115】
また、判定条件は、所定パルス間隔E未満というNOT条件、即ち検知信号のパルス間隔が、レーザ光の受光と当該レーザ光の直後に現われるノイズとの間隔であるNOT条件を含み、レーザ光判定部54は、このNOT条件も判定するようにした。これにより、レーザ光式の速度計測装置に関する報知の迅速性を確保しつつ、検知信号に混じるノイズによる誤報を抑制することができる。
【0116】
レーザ光判定部54は、条件成就カウンタを有し、判定条件を2以上の所定回数満たすか判定するようにした。これにより、レーザ光式の速度計測装置に関する報知の迅速性を確保しつつ、誤報を更に抑制することができる。
【0117】
また、判定条件は、検知信号のパルス間隔がレーザ光の発信間隔Dの1倍を含む整数倍であるパルス間隔条件を含む1以上のAND条件と所定のNOT条件を含み、レーザ光判定部54は、条件成就カウンタを有し、判定条件を2以上の所定連続回数満たすか判定するようにした。そして、レーザ光判定部54は、所定のNOT条件に光センサ4が出力する検知信号が該当する場合には、条件成就カウンタの値を維持するようにした。所定のNOT条件は、レーザ光を受光していることに疑義はあるが、レーザ光を受光している可能性も十分に残っている場合であり、この報知器1は、報知の迅速性と誤報の抑制とを両立できる。
【0118】
例えば、検知信号のパルス間隔がレーザ光の発信間隔と相違する所定のパルス間隔Fの1倍を含む整数倍でもあることが、所定のNOT条件の一つであり、また、検知信号のパルス間隔が、レーザ光の受光と当該レーザ光の直後に現われるノイズとの間隔であることが、所定のNOT条件の他の一つである。
【0119】
以上のようにレーザ光判定部54は、所定パルス間隔C,D,E及びF等のように、各種のパルス間隔を比較対象としているが、光センサ4が出力する検知信号が厳密に比較対象のパルス間隔と一致していなくともよい。即ち、典型的には、レーザ光判定部54は、光センサ4が出力する検知信号が、各種パルス間隔の前後、所定のパルス間隔の範囲内であるか、当該範囲以上若しくは当該範囲超であるか、又は当該範囲以下若しくは未満であるかを判定すればよい。即ち、検知信号のパルス間隔がレーザ光のパルス間隔の1倍を含む整数倍であるとは、所定の誤差を許容するものである。検知信号のパルス間隔がレーザ光の発信間隔と相違する所定のパルス間隔の1倍を含む整数倍でもあるとは、所定の誤差を許容するものである。
【0120】
また、ノイズに起因する所定パルス間隔Eはパルス間隔が短い。従って、パルス間隔の比較において所定の誤差を許容する場合、次回の受光に対するパルス間隔は、ノイズの終端を始期としてもよいし、ノイズの直前の検知信号の終端を始期としてもよい。検知信号のパルス間隔がレーザ光の発信間隔と相違する所定のパルス間隔Fの整数倍でもある場合、この条件に一致した検知信号の終端を始期としてもよいし、その直前の検知信号の終端を始期としてもよい。
【0121】
このような探知機1は、道路上で発信される光の波長も透過させてしまう光学フィルタ41を用いる場合に特に有用である。一般的には、光学フィルタ41の透過可能波長帯域を絞れば絞るほど、斜めから入射する光の反射率の低減が難しくなる。しかしながら、光学フィルタ41は、広波長帯域を透過させるので、斜めからの反射率の低減が容易であり、受光素子42がレーザ光を受光する確率が高まる。従って、報知の迅速性がより向上する。一方、レーザ光判定部54による各種の誤報対策によって、報知の迅速性と誤報抑制とが両立する。
【0122】
(他の実施形態)
以上のように本発明の実施形態を説明したが、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。そして、この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0123】
例えば、報知する情報には、レーザ光の発信間隔に対して、検知信号のパルス間隔が何倍であったかを示す情報を含んでいてもよい。即ち、検知信号のパルス間隔を所定パルス間隔Dで除して、商の整数部を報知するようにしてもよい。自車と速度計測装置との距離が遠いほど、レーザ光を受信し難いという点を踏まえると、自車と速度計測装置との距離と、この商の整数部とは大凡の目安として比例関係にある。従って、この探知機1は、速度計測装置と自車との大凡の距離を報知することができる。尚、探知機1は、商の整数部を「レーザ強」又は「レーザ弱」等の区分に分類して報知するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0124】
1 探知機
10 筐体
11 背面
12 正面
13 受信エリア
14 画面
15 スピーカ
16 ランプ
2 電波センサ
3 測位信号受信部
4 光センサ
41 光学フィルタ
42 受光素子
43 変換部
5 制御部
51 レーダ波処理部
52 距離算出部
53 記憶部
54 レーザ光判定部
6 報知部
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