IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ミヤコシの特許一覧

<>
  • 特許-印刷装置 図1
  • 特許-印刷装置 図2
  • 特許-印刷装置 図3
  • 特許-印刷装置 図4
  • 特許-印刷装置 図5
  • 特許-印刷装置 図6
  • 特許-印刷装置 図7
  • 特許-印刷装置 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-25
(45)【発行日】2024-02-02
(54)【発明の名称】印刷装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 21/16 20060101AFI20240126BHJP
   B65H 7/02 20060101ALI20240126BHJP
【FI】
B41J21/16
B65H7/02
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021066668
(22)【出願日】2021-04-09
(65)【公開番号】P2022161671
(43)【公開日】2022-10-21
【審査請求日】2023-04-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000161057
【氏名又は名称】株式会社ミヤコシ
(74)【代理人】
【識別番号】100103805
【弁理士】
【氏名又は名称】白崎 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100126516
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 綽勝
(74)【代理人】
【識別番号】100132104
【弁理士】
【氏名又は名称】勝木 俊晴
(74)【代理人】
【識別番号】100211753
【弁理士】
【氏名又は名称】岡崎 紳吾
(72)【発明者】
【氏名】江渕 修
(72)【発明者】
【氏名】小松田 誠治
【審査官】大関 朋子
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-213775(JP,A)
【文献】特開2020-044716(JP,A)
【文献】特開2018-075808(JP,A)
【文献】特開平10-116013(JP,A)
【文献】特開2006-102989(JP,A)
【文献】特開2018-202611(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 21/16
B41J 2/01
B65H 7/02
B41J 3/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状の用紙にエンドレス柄の印刷データに基づく印刷を、繰り返して行う印刷装置において、
前記用紙を搬送するための搬送ローラと、前記用紙の長さ方向に等間隔となるように設けられた複数の被検出部を検出し、該検出に基づく検出信号を発信可能な検出部と、該検出信号を受信し、該受信に応じて前記印刷データを出力する制御部と、該印刷データの出力に応じて印刷を行うための印刷部と、を備え、
前記制御部は、元データに基づいて印刷される印刷画像の前記用紙の搬送方向における印刷距離が、隣り合う前記被検出部同士の間の被検出部間距離よりも大きい場合、前記元データを印刷データとし、前記印刷距離が、前記被検出部間距離と同じ、若しくは、該被検出部間距離よりも小さい場合、前記印刷距離が前記被検出部間距離よりも大きくなるように、前記元データの行数を増加させたものを印刷データとし、
n+1回目の前記検出信号を受信する毎に、n回目の前記印刷データの出力を停止すると同時に、前記n+1回目の前記印刷データの出力を開始するものである印刷装置。
【請求項2】
前記被検出部が、予め前記用紙に印刷されたマークであり、
該マークが、前記用紙の印刷面の裏面に設けられている請求項1記載の印刷装置。
【請求項3】
前記用紙が、連続帳票であり、
前記被検出部が、任意の位置のマージナルパンチ穴である請求項1記載の印刷装置。
【請求項4】
前記制御部が、n+1回目の前記検出信号を受信し、用紙を指定距離搬送する毎に、n回目の前記印刷データの出力を停止すると同時に、n+1回目の前記印刷データの出力を開始するものであり、
前記指定距離は、前記用紙の搬送経路において、前記被検出部が、前記検出部により検出される位置から、前記印刷部により印刷が開始される位置に到達するまでの距離である請求項1~3のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項5】
帯状の用紙にエンドレス柄の印刷データに基づく印刷を、繰り返して行う印刷装置において、
前記用紙を搬送するための搬送ローラと、元データに基づいて印刷される印刷画像の用紙の搬送方向における印刷距離毎に印刷信号を発信可能なタイミング信号発生装置と、該印刷信号を受信し、該受信に応じて前記印刷データを出力する制御部と、該印刷データの出力に応じて印刷を行うための印刷部と、を備え、
前記制御部は、前記印刷距離が、前記印刷信号の受信間における前記用紙の搬送距離よりも大きい場合、前記元データを印刷データとし、前記印刷距離が、前記搬送距離と同じ、若しくは、該搬送距離よりも小さい場合、前記印刷距離が前記搬送距離よりも大きくなるように、前記元データの行数を増加させたものを印刷データとし、
n+1回目の前記印刷信号を受信する毎に、n回目の前記印刷データの出力を停止すると同時に、前記n+1回目の前記印刷データの出力を開始するものである印刷装置。
【請求項6】
前記用紙を供給するための給紙部と、前記印刷部で印刷された用紙を乾燥するための乾燥部と、該乾燥部で乾燥された用紙を回収するための排紙部とを更に備え、
前記印刷部がラインヘッド式の記録ヘッドを有する請求項1~5のいずれか1項に記載の印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯状の用紙にエンドレス柄の印刷データに基づく印刷を繰り返して行う印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷の分野においては、帯状の用紙を搬送しながら、印刷データに基づく印刷を繰り返して行う印刷装置が知られている。
このような印刷装置においては、帯状の用紙に、一定容量の元データを繰り返して印刷する場合、元データに基づいて印刷した印刷画像の用紙の搬送方向における印刷距離に合致するように、用紙に、被検出部等の印刷予定部が設けられる。すなわち、各印刷予定部から元データに基づく印刷画像が印刷されるようになっている。
【0003】
ところで、印刷装置において、用紙は、水分を吸収したり、用紙に印刷予定部を設けた後、乾燥等を施すことにより、それ自体が収縮する場合がある。
また、印刷装置において、用紙を搬送する際、用紙に張力を付与することで、用紙が伸張する場合がある。
したがって、印刷予定部を印刷画像の印刷距離に合わせて設けたとしても、その後の用紙の伸縮により、隣り合う印刷予定部同士の間の距離が、印刷距離に合致しなくなる場合が生じ得る。
【0004】
例えば、用紙が伸張した場合、印刷予定部同士の間の距離は、印刷画像の印刷距離よりも大きくなるため、印刷画像同士の間に、空白が生じることになる。この場合、生じた空白のために、十分な長さのエンドレス柄が得られなくなるという欠点がある。
【0005】
これに対し、例えば、記録紙の主走査方向の幅を紙幅として検出する検出部と、検出部により検出された紙幅に基づいて、印字領域が記録紙の端の位置よりも外側に所定量はみ出す大きさとなるように画像データを拡大して画像サイズを決定するサイズ決定部と、サイズ決定部により決定された画像サイズに基づき画像データから作成された印刷データに基づいて印刷を実行する印刷実行部と、を備える印刷装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
かかる印刷装置においては、画像データを縦横比が保持されたまま拡大して印刷することにより、四方に余白が生じることを防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2006-102989号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1記載の印刷装置においては、上述した余白の発生を確実に防止できるとはいえない。すなわち、例えば、張力を付与したことによる用紙の伸張は、四方に伸張するのではなく、主に搬送方向に伸張するため、四方の余白に対応させた従来の印刷装置では、十分な対応ができない。
【0008】
また、用紙が収縮した場合、印刷予定部同士の間の距離は、印刷画像の印刷距離よりも小さくなるため、印刷部への画像データの出力と、次の画像データの出力とが重複する恐れがある。この場合、同時に両方の画像データの処理ができないため、一般的には、先の画像データの出力が行われ、後の画像データの印刷は行われないという事態が生じる。また、場合によっては、制御部に、フリーズ、誤作動、強制終了等が生じる恐れがある。
仮に、同時に両方の処理を行うこと可能とした場合は、先の印刷部への印刷データの出力と後に送られた印刷データが重複して出力されるという事態が生じる。
【0009】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、印刷に余白が生じることを防止し、且つ、印刷にエラーが生じることも防止することができる印刷装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者等は、上記課題を解決するため鋭意検討したところ、制御部が、元データを、印刷距離が被検出部間距離(又は搬送距離)よりも大きい、印刷データとし、n+1回目の検出信号(又は印刷信号)を受信する毎に、n回目の印刷データの出力を停止すると同時に、n+1回目の印刷データの出力を開始するものとすることにより、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0011】
本発明は、(1)帯状の用紙にエンドレス柄の印刷データに基づく印刷を、繰り返して行う印刷装置において、用紙を搬送するための搬送ローラと、用紙の長さ方向に等間隔となるように設けられた複数の被検出部を検出し、該検出に基づく検出信号を発信可能な検出部と、該検出信号を受信し、該受信に応じて印刷データを出力する制御部と、該印刷データの出力に応じて印刷を行うための印刷部と、を備え、制御部は、元データに基づいて印刷される印刷画像の用紙の搬送方向における印刷距離が、隣り合う被検出部同士の間の被検出部間距離よりも大きい場合、元データを印刷データとし、印刷距離が、被検出部間距離と同じ、若しくは、該被検出部間距離よりも小さい場合、印刷距離が、被検出部間距離よりも大きくなるように、元データの行数を増加させたものを印刷データとし、n+1回目の検出信号を受信する毎に、n回目の印刷データの出力を停止すると同時に、n+1回目の印刷データの出力を開始するものである印刷装置に存する。
【0012】
本発明は、(2)被検出部が、予め用紙に印刷されたマークであり、該マークが、用紙の印刷面の裏面に設けられている上記(1)記載の印刷装置に存する。
【0013】
本発明は、(3)用紙が、連続帳票であり、被検出部が、任意の位置のマージナルパンチ穴である上記(1)記載の印刷装置に存する。
【0014】
本発明は、(4)制御部が、n+1回目の検出信号を受信し、用紙を指定距離搬送する毎に、n回目の印刷データの出力を停止すると同時に、n+1回目の印刷データの出力を開始するものであり、指定距離は、用紙の搬送経路において、被検出部が、検出部により検出される位置から、印刷部により印刷が開始される位置に到達するまでの距離である上記(1)~(3)のいずれか1つに記載の印刷装置に存する。
【0015】
本発明は、(5)帯状の用紙にエンドレス柄の印刷データに基づく印刷を、繰り返して行う印刷装置において、用紙を搬送するための搬送ローラと、元データに基づいて印刷される印刷画像の用紙の搬送方向における印刷距離毎に印刷信号を発信可能なタイミング信号発生装置と、該印刷信号を受信し、該受信に応じて印刷データを出力する制御部と、該印刷データの出力に応じて印刷を行うための印刷部と、を備え、制御部は、印刷距離が、印刷信号の受信間における用紙の搬送距離よりも大きい場合、元データを印刷データとし、印刷距離が、搬送距離と同じ、若しくは、該搬送距離よりも小さい場合、印刷距離が、搬送距離よりも大きくなるように、元データの行数を増加させたものを印刷データとし、n+1回目の印刷信号を受信する毎に、n回目の印刷データの出力を停止すると同時に、n+1回目の印刷データの出力を開始するものである印刷装置に存する。
【0016】
本発明は、(6)用紙を供給するための給紙部と、印刷部で印刷された用紙を乾燥するための乾燥部と、該乾燥部で乾燥された用紙を回収するための排紙部とを更に備え、印刷部がラインヘッド式の記録ヘッドを有する上記(1)~(5)のいずれか1つに記載の印刷装置に存する。
【発明の効果】
【0017】
本発明の印刷装置においては、制御部が印刷部に印刷データを繰り返して出力することで、当該印刷データに基づく印刷画像を、用紙に繰り返して印刷することができる。
このとき、制御部が、元データを、印刷距離が、被検出部間距離(又は搬送距離)よりも大きい印刷データとするので、印刷に余白が生じることを防止することができる。その結果、十分な長さのエンドレス柄が得られる。
また、n+1回目の検出信号(又は印刷信号)を受信する毎に、n回目の印刷データが出力中という事態が生じるものの、そのn回目の印刷データの出力を停止すると同時に、n+1回目の印刷データの出力を開始することで、エラーが生じることを回避することが可能となる。すなわち、制御部は、n回目の印刷データの出力よりも、n+1回目の印刷データの出力を優先させるようになっている。
【0018】
この場合、エラーにより、n+1回目の印刷データの印刷が行われないという事態が生じることを防止することができる。
また、制御部に、フリーズ、誤作動、強制終了等のエラーが生じることを防止することができる。
したがって、上記印刷装置によれば、被検出部間距離(又は搬送距離)が、印刷距離に合致しない場合であっても、制御部が印刷部をコントロールすることができ、印刷にエラーが生じることを防止することができる。
【0019】
本発明の印刷装置においては、被検出部が、予め用紙の裏面に印刷されたマークである場合、印刷面(表面)を汚さずに、被検出部を設けることができる。
なお、印刷装置が両面を印刷可能であれば、裏面にマークを設ける印刷と、表面に画像を設ける印刷とを連続して行うことができる。
また、被検出部が、任意の位置のマージナルパンチ穴とする場合、新たにマークを設ける手間を省くことができる。
また、マージナルパンチ穴は、検出され易いという利点もある。
【0020】
本発明の印刷装置においては、制御部が、検出信号を受信する毎に、受信した時点から指定距離搬送後に印刷部に印刷データを出力するものとし、用紙の搬送経路において、被検出部が、検出部により検出される位置(以下「検出位置」ともいう。)から、印刷部により印刷が開始される位置(以下「印刷開始位置」ともいう。)に到達するまでの距離を上記指定距離とすることにより、検出位置と印刷開始位置とが離れている場合であっても、検出部に検出された被検出部から、その検出に基づく印刷を開始させることができる。
【0021】
本発明の印刷装置においては、給紙部と、乾燥部と、排紙部とを更に備え、印刷部がラインヘッド式の記録ヘッドを有する場合、給紙される用紙に対して、印刷から乾燥及び排紙まで、高速で、一度に加工を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、本発明に係る印刷装置の第1実施形態を示す概略側面図である。
図2図2は、第1実施形態に係る印刷装置の制御部における指定距離を説明するための説明図である。
図3図3は、第1実施形態に係る印刷装置の制御部を説明するための説明図である。
図4図4は、第1実施形態に係る印刷装置の制御部におけるフローを説明するためのフローチャートである。
図5図5は、第1実施形態に係る印刷装置で印刷される例を説明するための説明図である。
図6図6は、本発明に係る印刷装置の第2実施形態を示す概略側面図である。
図7図7は、第2実施形態に係る印刷装置の制御部におけるフローを説明するためのフローチャートである。
図8図8は、第2実施形態に係る印刷装置で印刷される例を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。
また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。
更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
【0024】
本発明に係る印刷装置は、帯状の用紙にエンドレス柄の印刷データに基づく印刷を、繰り返して行うものである。
本明細書において、「用紙」は、いわゆる帯状(長尺状)のものであれば特に限定されない。用紙は、一般的な印刷されていない印刷用紙だけでなく、予め別の印刷が施されているもの、頁毎にミシン目が入っているもの、マージナルパンチ穴が設けられたもの(例えば、連続帳票)等であってもよい。
また、「元データ」は、一定の容量の印刷情報を有するデータである。具体的には、元データは、複数の行で構成されている。行は用紙の搬送方向と直角方向であり、1行の幅は印刷データの1ドットの直径に等しい。
また、「印刷画像」とは、元データに基づいて、繰り返さずに1回のみ印刷した場合の画像を意味し、「印刷距離」とは、印刷画像の用紙の搬送方向における距離を意味する。
したがって、印刷距離は、元データの1ドット当たりの直径に、1回分の元データの全行数を掛けた値に相当する。例えば、用紙の搬送方向の解像度が600dpiである元データの場合、1インチにつき600個のドット(600行)が存在するため、1ドット当たりの長さは1/600インチとなる。そして、この元データの全行数が6000行であるとすると、印刷距離は10インチとなる。
また、「印刷データ」は、要件を満たす場合は、元データ自体であり、要件を満たさない場合は、元データの行数を増加させたデータである。ちなみに、印刷データは、エンドレス柄のデータであるため、元データの行数が変更された場合であっても、同じエンドレス柄となる。
なお、かかる要件の詳細については後述する。
また、「n回目」のnは、1以上の整数である。
【0025】
(第1実施形態)
まず、本発明に係る印刷装置の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明に係る印刷装置の第1実施形態を示す概略側面図である。
図1に示すように、第1実施形態に係る印刷装置100は、用紙Pを供給するための給紙部1と、用紙Pを搬送するための複数の搬送ローラ3と、用紙Pの長さ方向に等間隔となるように設けられた複数の被検出部を検出し、該検出に基づく検出信号を発信可能な検出部5と、当該検出部5からの検出信号を受信し、該受信に応じて印刷データを出力する制御部4と、当該制御部4による印刷データの出力に応じて印刷を行うための印刷部2と、用紙Pの搬送量に基づく計測信号を制御部4に発信可能なエンコーダ8と、印刷部2で印刷された用紙Pを乾燥するための乾燥部6と、該乾燥部6で乾燥された用紙を回収するための排紙部7と、を備える。
印刷装置100においては、制御部4が印刷部2に印刷データを繰り返して出力することで、当該印刷データに基づく画像を、用紙Pに繰り返して印刷することができる。
また、給紙される用紙Pに対して、上記印刷を行い、乾燥及び排紙まで、高速で一度に加工を行うことが可能となっている。
【0026】
給紙部1は、用紙を給紙するための部位である。なお、印刷装置100においては、用紙Pとして帯状の印刷用紙が用いられている。
印刷装置100において、給紙部1は、ロール状にした用紙Pを、端部から順次給紙している。
なお、給紙部1における給紙の形態は、これに限定されず、例えば、用紙が連続帳票である場合は、ミシン目で折り畳まれた状態から順次給紙するものであってもよい。
【0027】
搬送ローラ3は、用紙Pに搬送すると共に適度な張力を付与するためのものであり、印刷装置100内に複数設けられている。
印刷装置100においては、複数の搬送ローラ3のうち、印刷部2の上流側及び下流側に位置する搬送ローラ3が、駆動機能を有する駆動ローラ3aとなっている。
なお、用紙が連続帳票である場合、搬送ローラ3には、マージナルパンチ穴を利用して搬送するためのトラクタフィードが設けられていてもよい。
【0028】
検出部5は、用紙Pの搬送経路において、印刷部2よりも上流側に設けられる。
そして、検出部5は、用紙Pの長さ方向に等間隔となるように設けられた複数の被検出部を検出する。
検出部5においては、用紙と被検出部とを判別する判別センサーが用いられる。具体的には、用紙と異なる色の被検出部を検出する場合はカラーセンサー、用紙の形状が変化する被検出部を検出する場合はレーザー変位センサー等が好適に用いられる。
また、検出部5は、被検出部の検出に基づく検出信号を制御部4に発信する。
【0029】
ここで、被検出部は、用紙Pに予め設けられる。なお、印刷装置100においては、被検出部が上述した印刷予定部に相当する。
被検出部としては、特に限定されないが、例えば、印刷されたマークを採用できる。かかるマークの形状は、検出部5による検出が可能であれば特に限定されない。
また、かかるマークは、用紙の表裏のいずれの面に設けられていてもよい。その中でも、表面にエンドレス柄の印字を行う場合には、裏面にかかるマークを設けることにより、表面のエンドレス柄に影響を与えないために好ましい。
なお、印刷装置が両面を印刷可能であれば、裏面にマークを設ける印刷と、その印字されたマークを検出し、表面にエンドレス柄を設ける印刷とを連続して行うことができる。
【0030】
また、用紙Pが連続帳票である場合、被検出部として、任意に定めた位置のマージナルパンチ穴を利用することができる。この場合、新たにマークを設ける手間を省くことができる。
また、マージナルパンチ穴は、検出され易いという利点もある。
また、用紙Pが、頁間にミシン目を有する場合、被検出部として、当該ミシン目を利用することもできる。この場合、検出部が、当該ミシン目を直接検出してもよく、印刷装置100にミシン目加工を行うミシン胴を設け、ミシン胴の回転位置を検出することで、ミシン目の位置を算出してもよい。
【0031】
エンコーダ8は用紙Pの搬送経路において、印刷部2よりも上流側の搬送ローラ3に設けられる。
エンコーダ8としては、例えば、搬送ローラによる回転の機械的変位量を電気信号に変換し、パルス列で出力するロータリエンコーダが好適に採用される。
エンコーダ8は、用紙Pの搬送量を電気信号に変換し、制御部4に、パルス列で出力された計測信号を逐次発信することが可能となっている。
【0032】
印刷部2は、用紙Pに印刷を施すための部位である。
印刷装置100において、印刷部2は、ラインヘッド式の記録ヘッドを有している。すなわち、印刷装置100においては、ラインヘッド式のインクジェットデジタル印刷が行われる。
印刷部2においては、後述する制御部からの印刷データの出力に基づいて、用紙Pにインクを吹き付けることにより印刷を行う。
【0033】
乾燥部6は、印刷部2により印刷が行われた用紙Pを乾燥するための部位である。
印刷装置100においては、熱風を吹き付けることにより、乾燥を行っている。なお、乾燥の形態は、これに限定されず、例えば、加熱ドラム等の発熱体に接触させる接触乾燥を行うものであってもよい。
【0034】
排紙部7は、用紙Pを回収するための部位である。
印刷装置100において、排紙部7は、用紙Pをロール状にして回収している。
なお、排紙部7における用紙回収の形態は、これに限定されず、例えば、用紙が連続帳票である場合は、振り落とし等により折り畳んで回収してもよい。
【0035】
制御部4は、検出部5からの検出信号を受信し、受信した時点から用紙Pを指定距離搬送する毎に、印刷部2に印刷データを出力する部位である。
なお、指定距離は、制御部4により、エンコーダ8からの計測信号に基づいて算出される。
【0036】
図2は、第1実施形態に係る印刷装置の制御部における指定距離を説明するための説明図である。
図2に示すように、指定距離は、用紙Pの搬送経路において、被検出部が、検出位置P1から印刷開始置P2に到達するまでの距離Dの実測値であり、具体的には、エンコーダ8が、用紙Pの実際の搬送量を電気信号に変換し、そのパルス列を制御部4に出力し、制御部4が、受信したパルス列を用紙Pの実際の搬送距離に換算することにより、算出される。
したがって、検出位置P1で検出された被検出部は、通常、指定距離搬送後には、印刷開始位置P2に位置することになる。その結果、検出位置P1と印刷開始位置P2とが離れている場合であっても、検出部5に検出された被検出部から、その検出に基づく印刷を開始させることが可能となる。
なお、検出位置P1と印刷開始位置P2とが一致している場合は、指定距離は0となる。
【0037】
図3は、第1実施形態に係る印刷装置の制御部を説明するための説明図である。
図3に示すように、制御部4は、少なくとも、元データを入力する入力部41と、エンコーダ8からの計測信号を受信し、それに基づいて算出された被検出部間距離に対し、元データが要件を満たすか否かを判定し、当該判定に基づいて印刷データを作成する判定部40と、元データ及び印刷データを格納する記憶部42と、検出部5からの検出信号及びエンコーダ8からの計測信号を受信し、それに基づいて指定距離を算出すると共に、用紙Pを指定距離搬送した後に出力指令を発信する受信部43と、出力指令を受信し、当該受信に応じて記憶部42に格納された印刷データを印刷部2に出力する印刷出力部44と、n+1回目の検出信号を受信し、且つ用紙Pを指定距離搬送する毎に、印刷出力部44にn回目の印刷データの出力を停止させる印刷停止部45と、を有する。
なお、制御部4において、判定部40、受信部43、印刷出力部44及び印刷停止部45は、演算処理を行ういわゆる演算部に相当する。
【0038】
図4は、第1実施形態に係る印刷装置の制御部におけるフローを説明するためのフローチャートであり、図5は、第1実施形態に係る印刷装置で印刷される例を説明するための説明図である。
制御部4における判定部40、受信部43、印刷出力部44及び印刷停止部45の作用について、図4を用いて説明する。
【0039】
図4に示すように、制御部4においては、まず、判定部40が、入力部41により入力された元データが被検出部間距離に対し要件を満たすか否かの判定をする。
具体的には、元データに基づいて印刷される印刷画像の用紙の搬送方向における印刷距離が、隣り合う被検出部同士の間の被検出部間距離よりも大きいという要件を満たすか否かの判定がなされる。
なお、被検出部間距離は、エンコーダ8からの計測信号に基づいて算出される。
そして、印刷距離が被検出部間距離より大きい場合、要件を満たし(Yes)元データがそのまま印刷データとて採用される。
一方、印刷距離が被検出部間距離と同じ、若しくは、該被検出部間距離よりも小さい場合、要件を満たさない(No)。この場合、印刷距離が被検出部間距離よりも大きくなるように、元データの行数を増加させたものを印刷データとする。これにより、印刷データに基づいて、繰り返さずに1回のみ印刷した場合の画像の用紙の搬送方向における距離(以下便宜的に「印刷データ印刷距離」ともいう。)は、被検出部間距離よりも大きいことになる。
したがって、印刷装置100においては、被検出部間距離の大きさに関わらず、印刷データ印刷距離が、必ず、被検出部間距離よりも大きくなる。
なお、元データ及び印刷データは、記憶部42に格納される。
【0040】
ここで、印刷データ印刷距離は、被検出部間距離よりも10mm以上の大きいサイズとすることが好ましい。印刷データ印刷距離が、被検出部間距離より大きく且つ被検出部間距離より10mm未満のサイズであると、印刷データ印刷距離の大きさが上記範囲内にある場合と比較して、加工条件によっては、空白部が生じる恐れがある。
【0041】
また、被検出部間距離に対する印刷データ印刷距離の大きさを予め設定し、それを閾値として用いることも可能である。
この場合、印刷距離が被検出部間距離より大きい場合であっても、上記閾値を超えない場合は、判定部40により、元データの行数が増加され、印刷データの作成が行われる。
なお、印刷距離が被検出部間距離と同じ、若しくは、該被検出部間距離よりも小さい場合は、当然、上記閾値を超えないので、上述したこと同様に処理される。
【0042】
次に、印刷を開始すると、受信部43が、検出部5からのn回目の検出信号と、n回目のエンコーダ8からの計測信号とを受信する。
受信部43は、n回目の検出信号を受信した時点から指定距離搬送した後、n回目の出力指令を印刷出力部44に発信する。
n回目の出力指令を受信した印刷出力部44は、印刷部2に、印刷データの出力を開始する。
【0043】
そして、受信部43は、検出部5からのn回目の検出信号と、エンコーダ8からのn回目の計測信号とを受信した後、検出部5からのn+1回目の検出信号と、エンコーダ8からのn+1回目の計測信号とを更に受信した場合、n+1回目の検出信号を受信した時点から指定距離搬送した後に、n回目の印刷データの出力の停止指令を印刷停止部45に発信する。
そうすると、停止指令を受信した印刷停止部45は、印刷出力部44によるn回目の印刷データの出力を強制的に停止させる。
また、同時に、受信部43は、n+1回目の出力指令を印刷出力部44に発信し、n+1回目の出力指令を受信した印刷出力部44は、印刷部2に、印刷データの出力を開始する。
【0044】
したがって、図5に示すように、n回目の印刷画像A1がn回目の被検出部51から印刷が開始され、n+1回目の印刷画像A2がn+1回目の被検出部52から印刷が開始される。
また、n回目の印刷画像A1の用紙の搬送方向における印刷データ印刷距離D1が、n回目の被検出部51とn+1回目の被検出部52との間の距離M1よりも大きくなっているので、n回目の印刷画像A1は、その差の分だけ、カットされた状態となる。
なお、その後の印刷画像A2及び印刷画像A3の関係についても同様である。
【0045】
図4に戻り、制御部4においては、END回目の検出信号及び計測信号を受信すると、上述したことと同様にして、END-1回目の印刷データの出力を停止され、END回目の印刷データの出力が開始される。
かかるEND回目の印刷データの出力は、途中で停止されることなく、終了するまで行われる。これにより、印刷が終了する。
なお、END回目以外の印刷データの出力は、印刷データ印刷距離D1が、被検出部間距離M1よりも大きいので、必ず途中で停止されることになる。
【0046】
印刷装置100においては、上述したように、n回目の印刷データの出力中に、n+1回目の検出信号を受信するという事態が生じても、制御部4が、n回目の印刷データの出力を停止すると同時に、n+1回目の印刷データの出力を開始することで、エラーが生じることを回避することが可能となる。
その結果、エラーにより、n+1回目の印刷データの印刷が全く行われないという事態が生じることを防止することができる。また、制御部4に、フリーズ、誤作動、強制終了等のエラーが生じることを防止することができる。
したがって、印刷装置100によれば、用紙の伸縮により、被検出部間距離が、印刷距離に合致しない場合であっても、制御部4が印刷部2をコントロールすることができ、印刷にエラーが生じることを防止することができる。
【0047】
(第2実施形態)
次に、本発明に係る印刷装置の第2実施形態について説明する。
図6は、本発明に係る印刷装置の第2実施形態を示す概略側面図である。
図6に示すように、第2実施形態に係る印刷装置101は、用紙Pを供給するための給紙部1と、用紙Pを搬送するための複数の搬送ローラ3と、印刷距離毎に印刷信号を発信可能なタイミング信号発生装置9と、当該タイミング信号発生装置9からの印刷信号を受信し、該受信に応じて印刷データを出力する制御部4と、当該制御部4による印刷データの出力に応じて印刷を行うための印刷部2と、用紙Pの搬送量に基づく計測信号を制御部4に発信可能なエンコーダ8と、印刷部2で印刷された用紙Pを乾燥するための乾燥部6と、該乾燥部6で乾燥された用紙を回収するための排紙部7と、を備える。
すなわち、第2実施形態に係る印刷装置101は、検出部5を有さず、その代わりに、タイミング信号発生装置9を有すること以外は、第1実施形態に係る印刷装置100と同じである。
印刷装置101においては、制御部4が印刷部2に印刷データを繰り返して出力することで、当該印刷データに基づく印刷画像を、用紙Pに繰り返して印刷することができる。
また、給紙される用紙Pに対して、上記印刷を行い、乾燥及び排紙まで、高速で一度に加工を行うことが可能となっている。
【0048】
タイミング信号発生装置9は、印刷距離の分だけ用紙が搬送される毎に印刷信号を制御部4に発信する装置である。すなわち、印刷信号を発信するタイミングは、用紙の搬送速度の設定値と印刷距離とに基づいて予め設定される。なお、印刷装置101においては、印刷信号の発信に基づいて用紙Pに印刷が開始される位置が、上述した印刷予定部に相当する。
【0049】
制御部4は、タイミング信号発生装置9からの印刷信号を受信し、受信に応じて、印刷部2に印刷データを出力する部位である。
制御部4は、少なくとも、元データを入力する入力部41と、エンコーダ8からの計測信号を受信し、それに基づいて算出された搬送距離に対し、元データが要件を満たすか否かを判定し、当該判定に基づいて印刷データを作成する判定部40と、元データ及び印刷データを格納する記憶部42と、タイミング信号発生装置9からの印刷信号を受信し、当該受信に応じて出力指令を発信する受信部43と、出力指令を受信し、当該受信に応じて記憶部42に格納された印刷データを印刷部2に出力する印刷出力部44と、n+1回目の印刷信号を受信する毎に、印刷出力部44にn回目の印刷データの出力を停止させる印刷停止部45と、を有する。
ここで、搬送距離とは、制御部4がタイミング信号発生装置9からの印刷信号を受信してから次の印刷信号を受信するまでの間(印刷信号の受信間)に、用紙Pが搬送される実際の距離を意味する。
なお、制御部4において、判定部40、受信部43、印刷出力部44及び印刷停止部45は、演算処理を行ういわゆる演算部に相当する。
【0050】
印刷装置101において、給紙部1、搬送ローラ3、印刷部2、乾燥部6及び排紙部7は、第1実施形態に係る印刷装置100におけるものと実質同一であるので説明を省略する。
【0051】
図7は、第2実施形態に係る印刷装置の制御部におけるフローを説明するためのフローチャートであり、図8は、第2実施形態に係る印刷装置で印刷される例を説明するための説明図である。
制御部4における判定部40、受信部43、印刷出力部44及び印刷停止部45の作用について、図7を用いて説明する。
【0052】
図7に示すように、制御部4においては、まず、判定部40が、入力部41により入力された元データが搬送距離に対し要件を満たすか否かの判定をする。
具体的には、元データに基づいて印刷される印刷画像の用紙の搬送方向における印刷距離が、搬送距離よりも大きいという要件を満たすか否かの判定がなされる。
なお、搬送距離は、エンコーダ8からの検出信号に基づいて算出される。
そして、印刷距離が搬送距離より大きい場合、要件を満たし(Yes)元データがそのまま印刷データとて採用される。
一方、印刷距離が搬送距離と同じ、若しくは、当該搬送距離よりも小さい場合、要件を満たさない(No)。この場合、印刷距離が搬送距離よりも大きくなるように、元データの行数を増加し、これを印刷データとする。すなわち、印刷データ印刷距離は、搬送距離よりも大きいことになる。
したがって、印刷装置101においては、搬送距離の大きさに関わらず、印刷データ印刷距離が、必ず、搬送距離よりも大きくなる。
なお、元データ及び印刷データは、記憶部42に格納される。
【0053】
ここで、上述したことと同様に、印刷データ印刷距離は、搬送距離よりも10mm以上の大きいサイズとすることが好ましい。
また、搬送距離に対する印刷データ印刷距離の大きさを予め設定し、それを閾値として用いることも可能である。
この場合、印刷距離が搬送距離より大きい場合であっても、上記閾値を超えない場合は、判定部40により、元データの行数が増加され、印刷データの作成が行われる。
【0054】
次に、印刷を開始すると、受信部43が、タイミング信号発生装置9からのn回目の印刷信号を受信する。
受信部43は、n回目の印刷信号を受信すると、n回目の出力指令を印刷出力部44に発信する。
n回目の出力指令を受信した印刷出力部44は、印刷部2に、印刷データの出力を開始する。
【0055】
そして、受信部43は、タイミング信号発生装置9からのn回目の印刷信号を受信した後、n+1回目の印刷信号を更に受信した場合、n回目の印刷データの出力の停止指令を印刷停止部45に発信する。
そうすると、停止指令を受信した印刷停止部45は、印刷出力部44によるn回目の印刷データの出力を強制的に停止させる。
また、同時に、受信部43は、n+1回目の出力指令を印刷出力部44に発信し、n+1回目の出力指令を受信した印刷出力部44は、印刷部2に、印刷データの出力を開始する。
【0056】
したがって、図8に示すように、n回目の印刷画像B1がn回目の印刷信号受信時の用紙Pの位置61から印刷が開始され、n+1回目の印刷画像B2がn+1回目の印刷信号受信時の用紙Pの位置62から印刷が開始される。
また、n回目の印刷画像B1の用紙の搬送方向における印刷データ印刷距離D2が、n回目の印刷信号受信時の用紙Pの位置61と、n+1回目の印刷信号受信時の用紙Pの位置62との間の距離M2よりも大きくなっているので、n回目の印刷画像B1は、その差の分だけ、カットされた状態となる。
なお、その後の印刷画像B2及び印刷画像B3の関係についても同様である。
【0057】
図7に戻り、制御部4においては、END回目の印刷信号を受信すると、上述したことと同様にして、END-1回目の印刷データの出力を停止され、END回目の印刷データの出力が開始される。
かかるEND回目の印刷データの出力は、途中で停止されることなく、終了するまで行われる。これにより、印刷が終了する。
なお、END回目以外の印刷データの出力は、印刷データ印刷距離D2が、搬送距離M2よりも大きいので、必ず途中で停止されることになる。
【0058】
印刷装置101においては、上述したように、n回目の印刷データの出力中に、n+1回目の印刷信号を受信するという事態が生じても、制御部4が、n回目の印刷データの出力を停止すると同時に、n+1回目の印刷データの出力を開始することで、エラーが生じることを回避することが可能となる。
その結果、エラーにより、n+1回目の印刷データの印刷が全く行われないという事態が生じることを防止することができる。また、制御部4に、フリーズ、誤作動、強制終了等のエラーが生じることを防止することができる。
したがって、印刷装置101によれば、用紙の伸縮により、被検出部間の距離が、印刷距離に合致しない場合であっても、制御部4が印刷部2をコントロールすることができ、印刷にエラーが生じることを防止することができる。
【0059】
ここで、印刷装置101において、印刷画像は、エンドレス柄であれば特に限定されないが、例えば、マークからなる画像部と、画像を有さない余白部とを有するものであってもよい。
この場合、印刷されたマークを被検出部として採用することができる。
すなわち、第2実施形態に係る印刷装置101で、用紙に被検出部を印刷し、第1実施形態に係る印刷装置100で、当該被検出部を利用して、別のエンドレス柄を印刷することができる。
【0060】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。
【0061】
第1実施形態に係る印刷装置100において、被検出部であるマークは、用紙Pに印刷することにより設けられているが、これに限定されない。
例えば、重ね印刷や両面印刷の場合のように、用紙Pに既に画像が印刷されている場合は、その画像の一部を上記マークとしてもよい。
また、被検出部としてマージナルパンチ穴を示しているが、そのサイズは特に限定されない。
すなわち、いわゆるマージナルパンチ穴ではなく、単なる穴であってもよい。
【0062】
第1実施形態に係る印刷装置100及び第2実施形態に係る印刷装置101は、給紙部1、乾燥部6及び排紙部7を有しているが、必須ではない。
例えば、これらの部位が、別装置として独立していてもよい。
【0063】
第1実施形態に係る印刷装置100は、片面を印刷する装置となっているが、印刷装置100の印刷部2と、給紙部1との間に、別の印刷部を設け、用紙Pに対し、重ね印刷や両面印刷ができるようにしてもよい。第2実施形態に係る印刷装置101についても同様である。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明に係る印刷装置は、帯状の用紙にエンドレス柄の印刷データに基づく印刷を繰り返して行う場合に好適に用いられる。
本発明に係る印刷装置によれば、印刷に余白が生じることを防止し、且つ、印刷にエラーが生じることも防止することができる。
【符号の説明】
【0065】
1・・・給紙部
100,101・・・印刷装置
2・・・印刷部
3・・・搬送ローラ
3a・・・駆動ローラ(搬送ローラ)
4・・・制御部
40・・・判定部
41・・・入力部
42・・・記憶部
43・・・受信部
44・・・印刷出力部
45・・・印刷停止部
5・・・検出部
51,52・・・被検出部
6・・・乾燥部
61,62・・・印刷信号受信時の用紙の位置
7・・・排紙部
8・・・エンコーダ
9・・・タイミング信号発生装置
A1,A2,A3,B1,B2,B3・・・印刷画像
D・・・距離
D1,D2・・・印刷データ印刷距離
M1・・・被検出部間距離
M2・・・搬送距離
P・・・用紙
P1・・・検出位置
P2・・・印刷開始位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8