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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-25
(45)【発行日】2024-02-02
(54)【発明の名称】電気接点ユニットおよび電気接点装置
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/08 20060101AFI20240126BHJP
   H01R 13/11 20060101ALI20240126BHJP
【FI】
H01R13/08
H01R13/11 301D
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021100246
(22)【出願日】2021-06-16
(65)【公開番号】P2022191796
(43)【公開日】2022-12-28
【審査請求日】2023-02-27
(73)【特許権者】
【識別番号】505464394
【氏名又は名称】株式会社グローブ・テック
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】栗本 慶介
【審査官】鎌田 哲生
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-026904(JP,A)
【文献】特開平07-282881(JP,A)
【文献】特開2016-066443(JP,A)
【文献】特開2020-087717(JP,A)
【文献】特開2015-228330(JP,A)
【文献】特開2016-081561(JP,A)
【文献】特開平10-241766(JP,A)
【文献】特開2020-068056(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/00-13/35
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1部材に設けられ、前記第1部材および第2部材を電気的に接続する電気接点ユニットであって、
前記第1部材および前記第2部材に当接可能な導電部と、
バネ部材であり、前記導電部を揺動可能に支持する支持部と、を備え、
前記導電部は、
前記第1部材に当接する第1当接部と、
前記第2部材に当接する第2当接部と、
前記第1当接部および前記第2当接部の間に位置する揺動支点と、を有し、
前記支持部は、前記揺動支点を少なくとも支持し、前記導電部を前記第2部材に向かって付勢し、
前記第2部材が前記第2当接部に押し当てられると、前記導電部が前記揺動支点で回転して前記第1当接部が前記第1部材に押し当てられ
前記支持部は、
前記第1部材に係合する係合片部と、
前記係合片部から折り返すように屈曲する屈曲部と、
前記屈曲部から前記係合片部に対向するように延出し、前記導電部に連結する連結部と、を有し、
前記連結部は、前記揺動支点を支持することを特徴とする電気接点ユニット。
【請求項2】
第1部材に設けられ、前記第1部材および第2部材を電気的に接続する電気接点ユニットであって、
前記第1部材および前記第2部材に当接可能な導電部と、
前記導電部を揺動可能に支持する支持部と、を備え、
前記導電部は、
前記第1部材に当接する第1当接部と、
前記第2部材に当接する第2当接部と、
前記第1当接部および前記第2当接部の間に位置する揺動支点と、を有し、
前記支持部は、前記揺動支点を少なくとも支持し、
前記第2部材が前記第2当接部に押し当てられると、前記導電部が前記揺動支点で回転して前記第1当接部が前記第1部材に押し当てられ
前記導電部は、前記第1当接部側が前記第2当接部側よりも薄く形成されることを特徴とする電気接点ユニット。
【請求項3】
前記導電部が前記第2部材に押し当てによって揺動した際に、前記屈曲部が前記第2部材に向かって変位することを特徴とする請求項に記載の電気接点ユニット。
【請求項4】
前記導電部は、前記第1当接部側が前記第2当接部側よりも薄く形成されることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の電気接点ユニット。
【請求項5】
第1部材および第2部材を電気的に接続する電気接点装置であって、
前記第1部材と、
前記第1部材に設けられ、バネ部材である支持部と、
前記支持部に揺動可能に支持され、前記第1部材および前記第2部材に当接可能な導電部と、を備え、
前記導電部は、
前記第1部材に当接する第1当接部と、
前記第2部材に当接する第2当接部と、
前記第1当接部および前記第2当接部の間に位置する揺動支点と、を有し、
前記支持部は、前記揺動支点を少なくとも支持し、前記導電部を前記第2部材に向かって付勢し、
前記第2部材が前記第2当接部に押し当てられると、前記導電部が前記揺動支点で回転して前記第1当接部が前記第1部材に押し当てられ
前記支持部は、
前記第1部材に係合する係合片部と、
前記係合片部から折り返すように屈曲する屈曲部と、
前記屈曲部から前記係合片部に対向するように延出し、前記導電部に連結する連結部と、を有し、
前記連結部は、前記揺動支点を支持することを特徴とする電気接点装置。
【請求項6】
第1部材および第2部材を電気的に接続する電気接点装置であって、
前記第1部材と、
前記第1部材に設けられる支持部と、
前記支持部に揺動可能に支持され、前記第1部材および前記第2部材に当接可能な導電部と、を備え、
前記導電部は、
前記第1部材に当接する第1当接部と、
前記第2部材に当接する第2当接部と、
前記第1当接部および前記第2当接部の間に位置する揺動支点と、を有し、
前記支持部は、前記揺動支点を少なくとも支持し、
前記第2部材が前記第2当接部に押し当てられると、前記導電部が前記揺動支点で回転して前記第1当接部が前記第1部材に押し当てられ
前記導電部は、前記第1当接部側が前記第2当接部側よりも薄く形成されることを特徴とする電気接点装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1部材と第2部材の電気接続を行う電気接点の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、バネ弾性を有する支持薄板と複数のウェブ要素とを有するコンタクト要素が開示されている。ウェブ要素は、板状であり、端部を曲げて支持薄板を挟んで取り付けられ、コンタクト対象物に対して弾性的に接触可能に取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開2008-092284号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術では、ウェブ要素がコンタクト対象物に接触して支持薄板に直交する方向に弾性変形する構成であるため、ウェブ要素の接触代を長くすると弾性力が落ちて接触が安定しないおそれがある。
【0005】
本発明の目的は、導電部が第1部材から突出する長さを大きくすることが容易な電気接点の技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様は、第1部材に設けられ、第1部材および第2部材を電気的に接続する電気接点ユニットであって、第1部材および第2部材に当接可能な導電部と、導電部を揺動可能に支持する支持部と、を備える。導電部は、第1部材に当接する第1当接部と、第2部材に当接する第2当接部と、第1当接部および第2当接部の間に位置する揺動支点と、を有する。支持部は、揺動支点を少なくとも支持し、第2部材が第2当接部に押し当てられると、導電部が揺動支点で回転して第1当接部が第1部材に押し当てられる。
【0007】
本発明の別の態様は、第1部材および第2部材を電気的に接続する電気接点装置である。この電気接点装置は、第1部材と、第1部材に設けられる支持部と、支持部に揺動可能に支持され、第1部材および第2部材に当接可能な導電部と、を備える。導電部は、第1部材に当接する第1当接部と、第2部材に当接する第2当接部と、第1当接部および第2当接部の間に位置する揺動支点と、を有する。支持部は、揺動支点を少なくとも支持し、第2部材が第2当接部に押し当てられると、導電部が揺動支点で回転して第1当接部が第1部材に押し当てられる。
【発明の効果】
【0008】
導電部が第1部材から突出する長さを大きくすることが容易な電気接点の技術を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施例の電気接点ユニットの斜視図である。
図2】第1部材に取り付けた電気接点装置の斜視図である。
図3図2に示す電気接点装置の線分A-A断面図である。
図4】第2部材に接続完了した状態の電気接点装置の断面図である。
図5】第1変形例の電気接点ユニットの斜視図である。
図6】第1変形例の電気接点装置の斜視図である。
図7図6に示す電気接点装置の線分B-B断面図である。
図8】第2変形例の電気接点装置の断面図である。
図9】第3変型例の電気接点装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、実施例の電気接点ユニット10の斜視図である。電気接点ユニット10は、不図示の第1部材に取り付けられ、不図示の第2部材の平面部分に押し当てられて、第1部材および第2部材を電気的に接続する。
【0011】
電気接点ユニット10は、支持部20および導電部22を備え、長手状に形成される。導電部22は、第1部材および第2部材に当接して、通電可能にする。導電部22は、長手方向に離間するように並列して複数設けられており、電気接点ユニット10は、多接点での電気接続を実現する。支持部20は、導電部22ごとに設けられるものの、長手方向に連なっている。
【0012】
支持部20および導電部22が別部材で構成されているため、支持部20を導電率が低い材料で形成でき、メッキなどで腐食性を高めることや、弾性に優れた材料や温度耐性が高い材料を用いることができる。また、支持部20が導電部22よりも導電率が低い材料で形成されることで、通電時の導電経路が導電部22のみを通ることになり、支持部20を通らないようにできる。また、導電部22が電気接点ユニット10において占める割合を減らすことで、銀メッキなどを施した高価な材料を用いてもコストを抑えることができる。
【0013】
図2は、第1部材12に取り付けた電気接点装置1の斜視図である。電気接点装置1は、電気接点ユニット10と第1部材12とを備える。電気接点ユニット10は、第1部材12に形成された溝部12aに取り付けられ、複数の導電部22が第1部材12よりも突出している。
【0014】
図3は、図2に示す電気接点装置1の線分A-A断面図である。また、図3には、電気接続の相手となる第2部材14を示す。図3に示す第2部材14は、電気接点ユニット10に接触開始した状態を示し、さらに第1部材12に向かって押し当てられて第1部材12に当たると接続完了する。図3に示す断面は、支持部20が導電部22を付勢する方向(上方向)に沿っている。
【0015】
第1部材12は、溝部12a、段差12b、規制面12c、第1内側面12d、第2内側面12e、底面12fおよび凹部12gを有する。溝部12aは、対向する第1内側面12dおよび第2内側面12eと、底面12fによって画成される。段差12bは、第1内側面12dに形成され、支持部20を引っ掛けることができる。第1内側面12dおよび第2内側面12eが対向する方向を幅方向といい、幅方向は図3の左右方向である。
【0016】
底面12fは、支持部20が着座する座面として機能する。凹部12gは第2内側面12eの下部に凹んで形成される。凹部12gは、導電部22の端部が入り込む空間を形成する。規制面12cは、凹部12gの上面に位置し、底面12fと対向する。
【0017】
規制面12cは、導電部22に当接して、電気接点ユニット10が第1部材12から外れるのを規制する。規制面12cは、底面12fに対して傾斜しており、凹部12gへの導電部22の挿入を容易にする。導電部22は、凹部12gに遊嵌されている。段差12b、規制面12cおよび凹部12gは、溝部12aの長手方向に沿って、溝部12aのほぼ全域に亘って形成される。
【0018】
導電部22は、第1当接部30、第2当接部32、揺動支点34およびストッパ36を有する。導電部22は、支持部20のように撓み可能ではなく、剛体である。第1当接部30は、導電部22の一端側に位置し、第2当接部32は、導電部22の他端側に位置する。第1当接部30は、第1部材12に当接し、第2当接部32は、第2部材14に当接する。
【0019】
第1当接部30は、凹部12gに入り込み、規制面12cに対向して配置される。規制面12cは、図3に示す通常状態の第1当接部30の面に沿って傾斜しており、取付状態の導電部22の姿勢を安定させている。通常状態は、第1部材12と第2部材14とが通電していない状態であり、第2部材14が導電部22に押し当てられていない状態である。第1当接部30は、通常状態で凹部12gに遊嵌されており、規制面12cに当接しても離間してもよい。
【0020】
第2当接部32は、溝部12aから出て第1部材12よりも上方に突出する。ストッパ36は、導電部22の他端側に位置し、下方に突出する。ストッパ36は、底面12f側の支持部20に当接して、導電部22の過度な変位を抑える。
【0021】
揺動支点34は、幅方向において、第1当接部30および第2当接部32の間に位置する。揺動支点34は、支持部20に支持され、揺動する導電部22の回転支点となる。また、揺動支点34は、幅方向において第1当接部30よりも第2当接部32の近くに位置する。
【0022】
第1当接部30での導電部22の厚さT1は、第2当接部32での導電部22の厚さT2よりも薄い。導電部22は、第1当接部30側が第2当接部32側がよりも薄く形成される。これにより、第1当接部30を凹部12gに差し込みやすくなる。また、第2当接部32での導電部22の厚さT2を厚くすることで、導電部22の傾斜角が小さくても第2当接部32が第1部材12から突出する量を大きくでき、第1部材12および第2部材14の寸法誤差を許容しやすくできる。また、第2当接部32が第1部材12から突出する量を大きくすることで、第2部材が電気接点ユニット10に接触可能な範囲を大きくできる。
【0023】
支持部20は、係合片部40、屈曲部44および連結部46を有する。支持部20は、例えば金属材料で形成された板状のバネ部材であって、導電部22を第2部材14に向かって付勢する。支持部20は、メッキが施されてよい。
【0024】
係合片部40は、底面12fに沿って延在し、底面12fに着座する。係合片部40は、係合片部40の第1内側面12d側の端部に形成された係合爪42を有する。係合爪42は、段差12bに係合し、係合片部40の端部が溝部12aから外れる動きを制限する。係合片部40は、第1部材12の長手方向につながっている。
【0025】
屈曲部44は、係合片部40から折り返すように屈曲し、湾曲して形成される。屈曲部44は、第1当接部30よりも第2当接部32側に位置し、第1当接部30は屈曲部44よりも幅方向において凹部12g側に出ている。連結部46は、屈曲部44から係合片部40に対向するように延出して、導電部22に連結する。連結部46は、導電部22の下面に沿って面接触しており、溶着または接着によって固着されて導電部22に連結する。
【0026】
連結部46は、導電部22の下面に一定の幅を持って固着されており、その固着部分のうち、幅方向における最も屈曲部44側に位置する固着端46aが、導電部22の揺動支点34を支持する。これにより、導電部22が連結部46によって揺動可能に支持される。
【0027】
電気接点ユニット10は、係合片部40の係合爪42が段差12bに引っ掛かり、導電部22の第1当接部30が規制面12cに引っ掛かることで、電気接点ユニット10の両側が第1部材12の溝部12aに引っ掛かり、第1部材12に取り付けられる。
【0028】
図4は、第2部材14に接続完了した状態の電気接点装置1の断面図である。第2部材14は、第1部材12に当接し、電気接点ユニット10に押し当てられている。
【0029】
導電部22の第2当接部32が第2部材14によって底面12f側に押され、導電部22が揺動支点34で回転し、第1当接部30が規制面12cに押し当てられる。これにより、第2当接部32から第1当接部30を通る導電経路で、第1部材12および第2部材14が通電する。導電部22の揺動が隣り合う導電部22に干渉しないため、複数の導電部22を狭いピッチで配置することができる。導電部22の揺動によって電気接続をなすことで、導電部22を溝部12aから大きく突出する設定が容易であり、第2部材14による押し当て力を小さくなるように設定することが可能である。
【0030】
幅方向において、第1当接部30と揺動支点34との長さL1は、第2当接部32と揺動支点34との長さL2よりも短く、例えば第2当接部32と揺動支点34との長さL2の半分以下である。これにより、第2部材14の押し当て力が小さくても、第1当接部30が規制面12cに押し当てられる力を高めることができる。そのため、規制面12cに経時的に形成された酸化皮膜を削ることができ、酸化皮膜による抵抗を減少させ、電流を流れやすくできる。
【0031】
導電部22の揺動によって、連結部46が導電部22とともに底面12fに接近するように変位し、屈曲部44およびその周辺が撓む。これにより、導電部22が上方に付勢され、第1当接部30が規制面12cに押し当てられ、第2当接部32が第2部材14に押し当てられ、接触状態を安定させることができる。
【0032】
また、第1当接部30が規制面12cに向かって持ち上げられることで、屈曲部44が底面12fから離れるように浮き上がる。すなわち、導電部22が第2部材14に押し当てられて揺動した際に、屈曲部44が第2部材14に向かって変位する。これにより、屈曲部44が大きく変形することを抑え、塑性変形を生じにくくでき、耐久性を向上できる。
【0033】
図5は、第1変形例の電気接点ユニット100の斜視図である。第1変形例の電気接点ユニット100は、図1に示す電気接点ユニット10と比べて、環状に形成されている点が異なる。
【0034】
電気接点ユニット100は、支持部120および導電部122を備える。導電部122は、支持部120の径方向内側に配置され、周方向に離間して複数設けられる。
【0035】
図6は、第1変形例の電気接点装置101の斜視図である。電気接点装置101は、電気接点ユニット100および第1部材112を備える。第1部材112は、円筒状に形成されたソケットである。第1部材112の内周面には、溝部112aが形成されており、溝部112aに電気接点ユニット100が取り付けられる。導電部122は、第1部材112の内周面よりも径方向内向きに突出している。
【0036】
図7は、図6に示す電気接点装置101の線分B-B断面図である。なお、図7には、第1部材112に挿入された第2部材114が示される。第2部材114は、ソケットである第1部材112に挿入可能なピンである。
【0037】
第1部材112は、環状に形成された溝部112aと、係合爪42に係合する段差112bと、第1当接部130の回転を規制する規制面112c、第1当接部130を受け入れる凹部112gと、溝部112aの底面112fとを有する。
【0038】
導電部122は、第1当接部130、第2当接部132、揺動支点134およびガイド面138を有する。第1当接部130は、凹部112gに隙間を持って入り込み、規制面112cに対向して配置される。第2当接部132は、溝部112aから出て第1部材112よりも内方に突出する。
【0039】
揺動支点134は、幅方向において、第1当接部30および第2当接部32の間に位置する。揺動支点134は、支持部120に支持され、揺動する導電部122の回転支点となる。導電部122の回転軸は、環状の支持部120が形成する円の接線方向に沿っており、第2部材114の挿入方向に直交する。
【0040】
第2部材114が第1部材112に差し込まれると、まず導電部122のガイド面138に当たり、導電部122を径方向外向きに押し込む。導電部122の第2当接部132が第2部材114によって底面112f側に押され、導電部122が揺動支点134で回転し、第1当接部130が規制面112cに押し当てられる。これにより、第2当接部132から第1当接部130を通る導電経路で、第1部材112および第2部材114が通電する。
【0041】
図8は、第2変形例の電気接点装置201の断面図である。なお、図8には、ソケット状の第2部材214も示している。第2変型例の電気接点装置201は、図7に示す電気接点装置101と比べて、電気接点ユニット210の取付位置が異なり、ピンである第1部材212に取り付けられて外方に突出する点で異なるが、各機能は同様である。
【0042】
電気接点ユニット210は、支持部220および導電部222を有し、第1部材212の溝部212aに取り付けられる。導電部222は、支持部220に揺動可能に支持され、溝部212aから径方向外向きに突出する。
【0043】
このように、電気接点ユニットは平面状の押し当て式の態様に限らず、ソケットまたはピンのいずれか一方に設けられてよい。いずれにしても、電気接点ユニットは、支持部および導電部が異なる材料で形成され、導電部が支持部に揺動可能に支持される。
【0044】
図9は、第3変型例の電気接点装置301の断面図である。第3変型例の電気接点装置301は、図3に示す電気接点装置1と比べて、支持部320が第1部材312に設けられる点で異なる。
【0045】
第1部材312は、溝部312a、規制面312c、底面312fおよび凹部312gに加えて、底面312fから突出する支持部320を有する。導電部322は、第1当接部330、第2当接部332および揺動支点334を有する。揺動支点334は、支持部320に載置されて支持されている。
【0046】
バネ部材324は、係合片部340、屈曲部344および連結部346を有する。係合片部340は、底面312fに固着され、連結部346は、導電部22の下面に固着される。バネ部材324は、導電部322の第2当接部332を溝部312aから出す方向に付勢する。このように導電部322の揺動支点334を支持する構成は、第1部材312に設けられてよい。
【0047】
本発明は、上述の各実施例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を加えることも可能である。各図に示す構成は、一例を説明するためのもので、同様な機能を達成できる構成であれば、適宜変更可能であり、同様な効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0048】
1 電気接点装置、 10 電気接点ユニット、 12 第1部材、 12a 溝部、 12b 段差、 12c 規制面、 12d 第1内側面、 12e 第2内側面、 12f 底面、 12g 凹部、 14 第2部材、 20 支持部、 22 導電部、 30 第1当接部、 32 第2当接部、 34 揺動支点、 36 ストッパ、 40 係合片部、 42 係合爪、 44 屈曲部、 46 連結部、 46a 固着端。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9