(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-25
(45)【発行日】2024-02-02
(54)【発明の名称】和音演奏入力装置、電子楽器、及び、和音演奏入力プログラム
(51)【国際特許分類】
G10H 1/38 20060101AFI20240126BHJP
【FI】
G10H1/38 Z
(21)【出願番号】P 2021525896
(86)(22)【出願日】2019-11-14
(86)【国際出願番号】 JP2019044699
(87)【国際公開番号】W WO2020250455
(87)【国際公開日】2020-12-17
【審査請求日】2022-10-31
(31)【優先権主張番号】PCT/JP2019/023230
(32)【優先日】2019-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)電気通信回線を通じて公開(ウェブサイト)、https://instachord.com/、令和 1年10月14日、 (2)電気通信回線を通じて公開(ソーシャルメディア)、https://twitter.com/insta_chord、令和 1年10月14日、令和1年10月15日、令和 1年10月22日、令和 1年10月26日、令和 1年10月27日、令和 1年10月29日、令和 1年11月 1日、令和 1年11月 6日、令和 1年11月 8日、 (3)電気通信回線を通じて公開(動画配信1)、やいづTV、https://www.youtube.com/watch?v=yU8P14AxcJM、令和 1年10月23日、 (4)電気通信回線を通じて公開(動画配信2)、InstaChord、https://www.youtube.com/watch?v=4dzELc9I1VY、令和 1年11月 1日、 (5)展示により公開、音系・メディアミックス同人即売会「M3」2019秋、令和 1年10月27日、 (6)試作品の貸渡しにより公開、令和 1年11月 6日
(73)【特許権者】
【識別番号】719002182
【氏名又は名称】永田 雄一
(74)【代理人】
【識別番号】100214260
【氏名又は名称】相羽 昌孝
(74)【代理人】
【識別番号】100139103
【氏名又は名称】小山 卓志
(74)【代理人】
【識別番号】100139114
【氏名又は名称】田中 貞嗣
(72)【発明者】
【氏名】永田 雄一
【審査官】中村 天真
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2008/004690(WO,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0059609(KR,A)
【文献】特開平06-301332(JP,A)
【文献】特開2005-078046(JP,A)
【文献】特開2001-318677(JP,A)
【文献】特開平06-059676(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0137721(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10G 1/00-3/04
G10H 1/00-1/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
IからVIまでの主要三和音及び副三和音を含む和音がそれぞれ割り当てられた複数の和音指定ボタンと、
前記複数の和音指定ボタンに対する前記和音の割当状態を変更する変更方法が割り当てられた和音変更ボタンと、
前記複数の和音指定ボタン及び前記和音変更ボタンに対する操作に応じた前記和音を、発音部に発音させるための発音情報を生成する発音情報生成部と、
前記複数の和音指定ボタンにそれぞれ割り当てられた前記和音に対応する複数の和音画像、及び、前記和音変更ボタンに割り当てられた前記変更方法に対応する変更方法画像を、前記複数の和音指定ボタン及び前記和音変更ボタンが筐体に並べられて配置された並び順と一致するように、表示部に表示させるための表示情報を生成する表示情報生成部とを備え、
前記複数の和音指定ボタン及び前記和音変更ボタンは、
前記筐体に並べられて配置されており、
前記変更方法は、
前記和音を構成する和音種類に対してメジャーとマイナーを入れ替えることにより、前記割当状態を変更する、
ことを特徴とする和音演奏入力装置。
【請求項2】
IからVIまでの主要三和音及び副三和音を含む和音がそれぞれ割り当てられた複数の和音指定ボタンと、
前記複数の和音指定ボタンに対する前記和音の割当状態を変更する変更方法が割り当てられた和音変更ボタンと、
前記複数の和音指定ボタン及び前記和音変更ボタンに対する操作に応じた前記和音を、発音部に発音させるための発音情報を生成する発音情報生成部と
、
前記複数の和音指定ボタンにそれぞれ割り当てられた前記和音に対応する複数の和音画像、及び、前記和音変更ボタンに割り当てられた前記変更方法に対応する変更方法画像を、演奏者の操作状態を検出可能に構成された表示部に表示させるための表示情報を生成する表示情報生成部とを備え、
前記表示部に表示された前記複数の和音画像及び前記変更方法画像は、
前記複数の和音指定ボタン及び前記和音変更ボタンとして機能し、
前記変更方法は、
前記和音を構成する和音種類に対してメジャーとマイナーを入れ替えることにより、前記割当状態を変更する、
ことを特徴とする和音演奏入力装置。
【請求項3】
前記表示情報生成部は、
前記和音変更ボタンが操作されたとき、前記変更方法に従って前記割当状態が変更された後の前記和音に対応する前記複数の和音画像を、前記表示部に表示させるための前記表示情報を生成する、
ことを特徴とする請求項
1又は請求項2に記載の和音演奏入力装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項
3のいずれか一項に記載の和音演奏入力装置と、
前記発音情報生成部により生成された発音情報に基づいて、前記和音を発音する発音部とを備える、
ことを特徴とする電子楽器。
【請求項5】
請求項1乃至請求項
3のいずれか一項に記載の和音演奏入力装置として、コンピュータを機能させる、
ことを特徴とする和音演奏入力プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、和音演奏入力装置、電子楽器、及び、和音演奏入力プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、演奏者が和音の構成音を知らなくても、コードネーム例えば、G、F、C、Am等)により和音を指定することで複数の和音による演奏を可能とする電子楽器が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、27種類の和音にそれぞれ対応する27個のコードセレクトボタンを備えた電子楽器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に開示された電子楽器では、1つの和音と1個のボタンとが対応するため、27種類の和音に対して27個のボタンが筐体に配置される。そのため、演奏者が押下しやすい大きさのボタンを27個並べて配置するためには、所定のスペースが必要になる。そして、新たな和音を追加する場合には、その追加する和音の数だけボタンを増やすことになるため、さらに大きなスペースが必要になる。また、ボタンの数が多いと、ボタンを探すのに手間取ったり、端と端に配置されたボタン間の距離が遠くなったりするため、操作性が悪くなる。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、ボタンの数に比べて演奏可能な和音の種類を多くするとともに、演奏時の操作性を向上することができる和音演奏入力装置、電子楽器、及び、和音演奏入力プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するものであって、本発明の一実施形態に係る和音演奏入力装置は、
IからVIまでの主要三和音及び副三和音を含む和音がそれぞれ割り当てられた複数の和音指定ボタンと、
前記複数の和音指定ボタンに対する前記和音の割当状態を変更する変更方法が割り当てられた和音変更ボタンと、
前記複数の和音指定ボタン及び前記和音変更ボタンに対する操作に応じた前記和音を、発音部に発音させるための発音情報を生成する発音情報生成部とを備え、
前記変更方法は、
前記和音を構成する和音種類に対してメジャーとマイナーを入れ替えることにより、前記割当状態を変更する。
【0008】
また、発明の一実施形態に係る電子楽器は、上記和音演奏入力装置と、前記発音情報生成部により生成された前記発音情報に基づいて、和音を発音する発音部とを備える。
【0009】
さらに、発明の一実施形態に係る和音演奏入力プログラムは、上記和音演奏入力装置として、コンピュータを機能させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一実施形態に係る和音演奏入力装置、電子楽器、及び、和音演奏入力プログラムによれば、発音情報生成部が、複数の和音指定ボタン及び和音変更ボタンが操作されたときの組み合わせに応じた和音を、発音部に発音させるための発音情報を生成する。このとき、複数の和音指定ボタンに対する和音の割当状態は、和音変更ボタンに割り当てられた変更方法に従って変更されるので、演奏可能な和音の数は、和音指定ボタンの数の2倍になる。したがって、本発明の一実施形態に係る和音演奏入力装置、電子楽器、及び、和音演奏入力プログラムによれば、和音指定ボタンの数に比べて演奏可能な和音の種類を多くすることができる。
【0011】
また、複数の和音指定ボタンには、和音の割当状態として、IからVIまでの主要三和音及び副三和音を含む和音が割り当てられ、和音変更ボタンには、メジャーとマイナーを入れ替えることにより、和音の割当状態を変更する変更方法が割り当てられている。そのため、演奏者は、使用頻度が高い6つの基本となる和音(ハ長調の例では、「C」、「Dm」、「Em」、「F」、「G」、「Am」)を、和音指定ボタンに対する操作で演奏することができ、それらの次に使用頻度が高い和音(ハ長調の例では、「D」、「E」、「Fm」、「A」等)を、和音指定ボタンに対する操作に、和音変更ボタンに対するボタン操作を組み合わせることで演奏することができる。したがって、本発明の実施形態に係る和音演奏入力装置、電子楽器、及び、和音演奏入力プログラムによれば、演奏時の操作性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る電子楽器1の構成例を示し、(a)は正面図、(b)は上面図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態に係る電子楽器1における和音指定ボタン群3、和音変更ボタン群4及び表示部9の拡大図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態に係る電子楽器1及び和音演奏入力装置10の一例を示すブロック図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態に係る電子楽器1及び和音演奏入力装置10の一例を示す機能説明図である。
【
図5】メニューボタン6が操作されたときのユーザ設定画面91A~91Gを示す図である。
【
図6】キー上昇ボタン70A又はキー下降ボタン70Bが操作されたときの演奏画面90A~90Cを示す図である。
【
図7】和音指定ボタン3Aが操作されたときの演奏画面90A、90Dを示す図である。
【
図8】第1の変更方法が割り当てられた和音変更ボタン4Cが操作されたときの演奏画面90A、90E、90Fを示す図である。
【
図9】第1の変更方法が割り当てられた和音変更ボタン4Dが操作されたときの演奏画面90A、90G、90Hを示す図である。
【
図10】第2の変更方法が割り当てられた和音変更ボタン4Hが操作されたときの演奏画面90A、90I、90Jを示す図である。
【
図11】第3の変更方法が割り当てられた和音変更ボタン4Gが操作されたときの演奏画面90A、90K~90Mを示す図である。
【
図12】本発明の第2の実施形態に係る電子楽器1及び和音演奏入力装置10の構成例を示し、(a)は第1の構成例、(b)は第2の構成例、(c)は第3の構成例を示す図である。
【
図13】本発明の第3の実施形態に係る電子楽器1及び和音演奏入力装置10の一例を示す図である。
【
図14】本発明の第4の実施形態に係る電子楽器1及び和音演奏入力装置10の一例を示す図である。
【
図15】本発明の第5の実施形態に係る電子楽器1及び和音演奏入力装置1を示し、(a)は第1の実施例、(b)は第2の実施例を示す図である。
【
図16】本発明の第6の実施形態に係る和音演奏入力装置10を示し、(a)は第1の実施例、(b)は第2の実施例、(c)は第3の実施例を示す図である。
【
図17】本発明の第7の実施形態に係る和音演奏入力装置10を示し、(a)は第1の実施例、(b)は第2の実施例を示す図である。
【
図18】本発明の第8の実施形態に係る和音演奏入力装置10の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態について添付図面を参照しつつ説明する。
【0014】
(第1の実施形態に係る電子楽器1の各部の構成について)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電子楽器1の構成例を示し、(a)は正面図、(b)は上面図である。
図2は、本発明の第1の実施形態に係る電子楽器1における和音指定ボタン群3、和音変更ボタン群4及び表示部9の拡大図である。
【0015】
電子楽器1は、演奏者が片手又は両手を使って和音演奏入力装置10を操作することにより、複数の和音の演奏を可能とする楽器である。
【0016】
電子楽器1は、平板状の筐体2を備え、筐体2の表面20に配置された和音指定ボタン群3、和音変更ボタン群4、パッド群5、メニューボタン6、オプションボタン群7、発音部8及び表示部9を備える。また、電子楽器1は、筐体2に内蔵された制御部11、記憶部12、バッテリ13及び外部I/F(インターフェース)部14を備える。
【0017】
筐体2は、例えば、木材、樹脂、金属等の材料で形成されており、400~500mm程度の全長と、10mm程度の厚みを有する。筐体2は、例えば、ギターの形状を模したものであり、ギターのネックに相当するネック部24と、ギターのボディに相当するボディ部25とからなる。なお、筐体2のサイズ及び形状は、適宜変更するようにしてもよい。
【0018】
演奏者は、筐体2の上面22を上側に向けた状態でネック部24を左手で持ちながら、ボディ部25を右手で抱えるように持つことにより、電子楽器1を演奏する。また、演奏者は、筐体2の裏面21を、例えば、テーブルに載置した状態で、電子楽器1を演奏する。
【0019】
和音指定ボタン群3は、複数の和音指定ボタン3A~3Iからなり、ネック部24に並べられて配置される。複数の和音指定ボタン3A~3Iは、例えば、長方形状に形成されており、2次元配列状又は千鳥配列状に並べられて配置される。本実施形態では、9個の和音指定ボタン3A~3Iが、縦3列、横3列の2次元配列状に並べられて配置される。
【0020】
複数の和音指定ボタン3A~3Iには、和音がそれぞれ割り当てられている。具体的には、複数の和音指定ボタン3A~3Iには、各和音を構成する第1の根音及び第1の和音種類がそれぞれ割り当てられている。複数の和音指定ボタン3A~3Iにそれぞれ割り当てられた和音の割当状態は、固定的なものではなく、複数の変更方法(詳細は後述する)に従って変更可能なものである。
【0021】
ここで、「和音」は、和音の最低音である根音を基準として、音程が異なる少なくとも3つ以上の構成音を組み合わせたものである。各和音は、「根音」と、根音を除く他の構成音(第3音、第5音、第7音、テンション等)の特徴を示す「和音種類」とに基づいて特定され、コードネームにより表記される。「コードネーム」は、アルファベット大文字(A~G)により「根音」が表記されるとともに、アルファベット大文字(A~G)の右側に配置された英数字及びギリシャ文字により「和音種類」が表記される。
【0022】
「根音」は、アルファベット大文字(A~G)に、「♭」又は「#」が付加的に表記される。「和音種類」(括弧内は呼称を示す)は、例えば、「m」(マイナー)、「m7」(マイナーセブンス)、「aug」(オーギュメント)、「7」(セブンス)、「M7」(メジャーセブンス)、「6」(シックス)、「9」(ナインス)、「O」(ディミニッシュ)、「7sus4」(セブンスサスフォー)、「Φ」(ハーフディミニッシュ)と表記される。なお、「O」は、「dim7」の簡略表記であり、「Φ」は、「m7♭5」の簡略表記である。また、「和音種類」が「M」(メジャー)の場合には、「M」の表記を省略する。
【0023】
また、和音には、I、IV、Vの主要三和音と、II、III、VI、VIIの副三和音とがあり、基本となる根音は、7種類に限定される。さらに、例えば、自然長音階における三和音では、基本となる和音種類は、根音がI、IV、Vの場合には、長三和音(メジャー)、根音がII、III、VIの場合には、短三和音(マイナー)、根音がVIIの場合には、減三和音(ディミニッシュ)というように、限定される。
【0024】
したがって、本実施形態では、各和音を構成する第1の根音及び第1の和音種類を、上記のように基本となる根音及び和音種類に絞り込んで規則的に配置するため、7個の和音指定ボタン3A~3F、3Hには、初期の割当状態として、「C」、「Dm」、「Em」、「F」、「G」、「Am」、「Bm」というコードネームで表記される7つの和音がそれぞれ割り当てられている。また、他の和音に比べて使用頻度が高い和音として、1個の和音指定ボタン3Gには、初期の割当状態として、「B♭」というコードネームで表記される和音が割り当てられている。本実施形態では、1個の和音指定ボタン3Iには、和音が割り当てられていないものとして説明するが、和音指定ボタン3Iにも、任意の和音が割り当てられていてもよい。
【0025】
なお、
図2では、説明のために、8個の和音指定ボタン3A~3Hに上記のコードネームを表記した。複数の和音指定ボタン3A~3Iが、文字列を表示可能に構成されている場合には、複数の和音指定ボタン3A~3Iにそれぞれ割り当てられた和音を示すコードネームを文字列として表示するようにしてもよい。
【0026】
和音変更ボタン群4は、複数の和音変更ボタン4A~4Kからなり、ネック部24に複数の和音指定ボタン3A~3Iと並べられて配置される。複数の和音変更ボタン4A~4Kは、例えば、正方形状に形成されており、2次元配列状又は千鳥配列状に並べられた状態で和音指定ボタン群3に隣接して配置される。
【0027】
本実施形態では、6個の和音変更ボタン4A~4Fが、和音指定ボタン群3の右側に対して、縦3列、横2列の2次元配列状に並べられて配置される。また、5個の和音変更ボタン4G~4K及びメニューボタン6が、和音指定ボタン群3の左側に対して、縦3列、横2列の2次元配列状に並べられて配置される。このとき、複数の和音指定ボタン3A~3I及び複数の和音変更ボタン4A~4Kは、片手で操作可能な範囲に並べられて配置される。なお、複数の和音変更ボタン4A~4Kは、和音指定ボタン群3に隣接して配置されていればよく、例えば、片側に配置されてもよいし、周囲を囲むように配置されてもよい。
【0028】
複数の和音変更ボタン4A~4Kには、複数の和音指定ボタン3A~3Iに対する和音の割当状態を変更する複数の変更方法がそれぞれ割り当てられている。
【0029】
ここで、「変更方法」は、複数の和音指定ボタン3A~3Iにそれぞれ割り当てられた各和音を構成する第1の根音及び第1の和音種類の少なくとも一方を所定の規則に従って変更する方法である。本実施形態では、変更方法は、以下の3つに分類される。
【0030】
(a)第1の変更方法
第1の変更方法では、第1の和音種類に第2の和音種類を付加することにより、又は、第1の和音種類を第2の和音種類に置換することにより、割当状態を変更する。和音指定ボタン3A~3Iには、第1の変更方法により割当状態を変更するときの第2の和音種類が割り当てられる。「付加」と「置換」の場合分けとしては、第1の和音種類と、第2の和音種類とが両立する場合には、第1の和音種類に第2の和音種類を付加し、そうでない場合には、第1の和音種類を第2の和音種類に置換する。なお、第1の和音種類と、第2の和音種類とが両立する場合であっても、第1の和音種類を第2の和音種類に置換するようにしてもよい。
【0031】
例えば、変更対象の和音を示すコードネームが「Am」であって、第2の和音種類として、「M7」又は「aug」が指定された場合、第1の変更方法では、第1の和音種類「m」に第2の和音種類(「M7」)として指定された構成音の特徴を付加することにより、又は、第1の和音種類「m」を第2の和音種類(「aug」)として指定された構成音の特徴で置換することにより、新たな和音(付加:「Am」→「AmM7」、又は、置換:「Am」→「Aaug」)に変更する。本実施形態では、第1の変更方法として、9個の和音変更ボタン4A~4F、4I~4Kに、「m7」、「aug」、「7」、「M7」、「6」、「9」、「O」(dim7)、「7sus4」、「Φ」(m7♭5)という第2の和音種類がそれぞれ割り当てられている。
【0032】
(b)第2の変更方法
第2の変更方法では、第1の和音種類が第3の和音種類に該当するときに、第1の和音種類を、第3の和音種類とは異なる第4の和音種類に置換するとともに、第1の和音種類が第4の和音種類に該当するときに、第1の和音種類を第3の和音種類に置換することにより、割当状態を変更する。和音指定ボタン3A~3Iには、第2の変更方法により割当状態を変更するときの第3の和音種類及び第4の和音種類が割り当てられる。
【0033】
例えば、変更対象の和音を示すコードネームが「C」及び「Am」であって、第3の和音種類として「M」、第4の和音種類として「m」が指定された場合、第2の変更方法では、第3の和音種類と第4の和音種類とを入れ替えることにより、新たな和音(「C」→「Cm」及び「Am」→「A」)に変更する。本実施形態では、第2の変更方法として、和音変更ボタン4Hに、「M」という第3の和音種類及び「m」という第4の和音種類が割り当てられている。
【0034】
(c)第3の変更方法
第3の変更方法では、第1の根音に変化記号(例えば、♯、♭等)を付加することにより、割当状態を変更する。和音指定ボタン3A~3Iには、第3の変更方法により割当状態を変更するときの変化記号が割り当てられる。
【0035】
例えば、変更対象の和音を示すコードネームが「C」であって、変化記号として、「♯」又は「♭」が指定された場合、第3の変更方法では、第1の根音に変化記号を付加することにより、新たな和音(「C」→「D♭」又は「C」→「C♭」)に変更する。本実施形態では、第3の変更方法として、和音変更ボタン4Gに、「#」という変化記号が割り当てられている。
【0036】
なお、
図2では、説明のために、11個の和音変更ボタン4A~4Kに上記の変更方法を表記した。複数の和音変更ボタン4A~4Kが文字列を表示可能に構成されている場合には、複数の和音変更ボタン4A~4Kにそれぞれ割り当てられた変更方法を文字列として表示するようにしてもよい。
【0037】
パッド群5は、複数のパッド5A~5Dからなり、ボディ部25の下面23寄りに並べられて配置される。複数のパッド5A~5Dは、ギターの弦のように指で弾くような操作や、指で叩くような操作を検出可能に構成されている。なお、筐体2には、例えば、鍵盤や弦等で構成された操作子群が、パッド群5に代えて配置されてもよいし、パッド群5に加えて配置されてもよい。
【0038】
メニューボタン6は、ネック部24に複数の和音指定ボタン3A~3Iと並べられて配置される。メニューボタン6は、和音指定ボタン3A~3Iと同じ大きさの正方形状に形成されている。
【0039】
オプションボタン群7は、キー(調)を上げたり下げたりするキー上昇ボタン70A及びキー下降ボタン70Bと、記憶部12に記憶されたユーザ設定データ(詳細は後述する)を読み出すメモリボタン71A、71Bとからなる。オプションボタン群7は、ボディ部25の上面22寄りに表示部9と並べられて配置される。キー上昇ボタン70A、キー下降ボタン70B、及び、メモリボタン71A、71Bは、例えば、長方形状に形成されており、2次元配列状に並べられて配置される。
【0040】
和音指定ボタン群3、和音変更ボタン群4、パッド群5、メニューボタン6、及び、オプションボタン群7からなる操作部3~7は、
図1(b)に示すように、表面20に対して凸状に配置されている。操作部3~7は、演奏者により指で操作(押下)されたとき、表面20と同程度の高さまで押し込まれるように、例えば、押しボタン式のスイッチで構成されている。これにより、演奏者は、手元を見なくても指の感覚でボタンの操作状態や位置関係を容易に把握することができる。そのため、演奏時の操作性を向上することができる。
【0041】
なお、操作部3~7は、演奏者の操作状態を検出可能なセンサであれば任意の形式のセンサを用いてもよく、例えば、感圧センサ、接触センサ、タッチパネル等で構成されていてもよい。また、操作部3~7のサイズ、形状及び配置状態は、適宜変更するようにしてもよい。
【0042】
発音部8は、ボディ部25の下面23寄りに配置される。発音部8は、例えば、増幅回路、スピーカ等を含む音出力デバイスで構成されている。なお、発音部8は、外部のスピーカ、ヘッドホン、イヤホン等の外部機器でもよい。
【0043】
発音部8は、制御部11により生成された発音情報(詳細は後述する)に基づく信号を増幅しスピーカを介して外部に放音することにより、和音指定ボタン群3及び和音変更ボタン群4に対する操作に応じた和音を発音する。
【0044】
表示部9は、ボディ部25の上面22寄りに和音指定ボタン群3及び和音変更ボタン群4と並べられて配置される。表示部9は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、タッチパネル等の表示デバイスで構成されている。表示部9は、制御部11により生成された表示情報(詳細は後述する)に基づいて、
図2に示す演奏画面90Aやユーザ設定画面(詳細は後述する)を表示する。
【0045】
演奏画面90Aは、
図2に示すように、複数の和音指定ボタン3A~3Iにそれぞれ割り当てられた和音に対応する複数の和音画像900A~900Iと、複数の和音変更ボタン4A~4Kにそれぞれ割り当てられた変更方法に対応する複数の変更方法画像901A~901Kと、メニューボタン6に対応するメニュー画像902と、キー上昇ボタン70A及びキー下降ボタン70Bにより設定されたキーを示すキー画像903とを含む。
【0046】
和音画像900A~900Iの各々は、和音を示すコードネームを含む画像である。第1の変更方法に対応する変更方法画像901A~901F、901I~901Kは、第2の和音種類を含む画像である。第2の変更方法に対応する変更方法画像901Hは、第3の和音種類及び第4の和音種類を含む画像である。第3の変更方法に対応する変更方法画像901Gは、変化記号を含む画像である。
【0047】
演奏画面90Aにおいて、複数の和音画像900A~900I、複数の変更方法画像901A~901K及びメニュー画像902が並べられて配置された画像の並び順は、複数の和音指定ボタン3A~3I、複数の和音変更ボタン4A~4K及びメニューボタン6が並べられて配置されたボタンの並び順と一致する。
【0048】
図3は、本発明の第1の実施形態に係る電子楽器1及び和音演奏入力装置10の一例を示すブロック図である。
図4は、本発明の第1の実施形態に係る電子楽器1及び和音演奏入力装置10の一例を示す機能説明図である。和音演奏入力装置10は、少なくとも和音指定ボタン群3、和音変更ボタン群4及び制御部11を備える。なお、本実施形態では、和音演奏入力装置10は、
図4に示す実線の枠(10)で特定されるものとして説明するが、
図4に示す破線の枠(10A~10D)で特定されるものでもよい。
【0049】
制御部11は、例えば、CPU、サウンドチップ、ビデオチップ等の演算処理デバイスで構成されている。制御部11は、操作部3~7、発音部8、表示部9、記憶部12、バッテリ13及び外部I/F部14に電気的に接続されている。
【0050】
記憶部12は、例えば、HDD、メモリ等の記憶デバイスで構成されている。記憶部12には、電子楽器1の演奏に必要な各種のデータとして、音階データベース120、演奏方法データベース121、音源データベース122、ユーザ設定データベース123、及び、和音演奏入力プログラム124が記憶されている。なお、これらのデータは、電子楽器1がインターネット等のネットワークに接続されることで更新されてもよい。
【0051】
音階データベース120は、和音の各構成音に対応する音階を、例えば、ノート番号で指定するためのデータベースである。音階データベース120は、例えば、和音毎に、各構成音に対応するノード番号を記憶する。
【0052】
演奏方法データベース121は、和音を発音させるときの演奏方法に応じて発音情報を生成するためのデータベースである。演奏方法データベース121は、例えば、コード、ルート、ストローク、アルペジオ等の演奏方法毎に、発音条件(音量、タイミング、音の長さ等)を記憶する。
【0053】
音源データベース122は、和音を発音させるときの音色に応じて発音情報を生成するためのデータベースである。音源データベース122は、例えば、ギター、ピアノ、ドラム等の音色毎に音源データを記憶する。音源データとしては、FM音源、MIDI音源、PCM音源等の種々の形式が用いられる。
【0054】
ユーザ設定データベース123は、演奏者により設定可能な各種のパラメータを保存するためのデータベースである。ユーザ設定データベース123は、複数のユーザ設定データからなり、ユーザ設定データ毎に、割当状態、キー、演奏方法、音色等のパラメータを記憶する。ユーザ設定データベース123は、メモリボタン71A、71Bに対する操作に応じて、制御部11により読み出される。
【0055】
バッテリ13は、例えば、一次電池又は二次電池で構成されている。バッテリ13は、電子楽器1の電源スイッチ(不図示)がオンされたとき、電子楽器1の各部に電力を供給する。なお、電子楽器1は、例えば、ACアダプターやUSBケーブル等を介して外部から電力が供給されてもよい。
【0056】
外部I/F部14は、例えば、通信デバイスで構成されており、有線又は無線により外部機器やネットワークと接続されて、情報を送受信する。外部I/F部14は、外部機器と有線で接続される入出力端子と、Bluetooth(登録商標)、無線LAN等の通信規格に対応する無線通信部とを備える。
【0057】
制御部11は、記憶部12に記憶された和音演奏入力プログラム124を実行することにより、操作受付部110、和音変更部111、発音情報生成部112、及び、表示情報生成部113として機能する。そして、制御部11は、操作部3~7に対する操作を受け付けて、その操作に応じて、記憶部12に記憶された各種のデータベース120~123を参照しつつ、発音部8、表示部9及び外部I/F部14を制御する。
【0058】
操作受付部110は、操作部3~7の各々に対する操作をそれぞれ受け付ける。
【0059】
和音変更部111は、操作受付部110により和音変更ボタン4A~4Kに対する操作が受け付けられたとき、当該操作における和音変更ボタンに割り当てられた変更方法に従って、割当状態を変更する。そして、和音変更部111は、当該和音変更ボタンが操作されている間、当該割当状態を変更した状態を維持し、当該和音変更ボタンに対する操作が解除されたとき、当該割当状態を元の割当状態に戻す。なお、和音変更部111は、当該和音変更ボタンに対する操作が解除されたときではなく、和音変更ボタン4A~4Kに対する別の操作が受け付けられたとき、当該割当状態を元の割当状態に戻すようにしてもよい。
【0060】
発音情報生成部112は、操作受付部110により複数の和音指定ボタン3A~3I及び複数の和音変更ボタン4A~4Kに対する操作が受け付けられたとき、当該操作に応じた和音を、発音部8に発音させるための発音情報80を生成する。なお、発音情報80は、発音部8に発音させる和音を示す情報を含むものであればよく、データの形式や内容は特に限定されない。また、発音情報生成部112は、機能の一部として、和音変更部111を備えていてもよい。
【0061】
発音情報生成部112は、和音指定ボタン3A~3Iに対する操作が受け付けられたとき、当該操作における和音指定ボタンに割り当てられた和音に基づいて、発音情報80を生成する。本実施形態では、発音情報生成部112は、当該操作が受け付けられてから当該操作が解除されるまでの間、当該操作に応じた和音を、発音部8に継続して発音させるための発音情報80を生成する。
【0062】
また、発音情報生成部112は、操作受付部110により和音指定ボタン3A~3I及び和音変更ボタン4A~4Kが同時に操作されたような同時操作が受け付けられたとき、当該和音指定ボタンに割り当てられた和音に代えて、和音変更部111により当該和音変更ボタンに割り当てられた変更方法に従って割当状態が変更されたことにより、当該和音指定ボタンに割り当てられた変更後の和音に基づいて、発音情報80を生成する。なお、同時操作には、和音指定ボタン3A~3I及び和音変更ボタン4A~4Kが同じタイミングで操作された場合だけでなく、和音変更ボタン4A~4Kが操作された状態で和音指定ボタン3A~3Iが操作された場合と、和音指定ボタン3A~3Iが操作された状態で和音変更ボタン4A~4Kが操作された場合とが含まれる。
【0063】
発音情報生成部112が発音情報80を生成するときの具体的な処理は、
図4に示すとおりである。すなわち、発音情報生成部112は、複数の和音指定ボタン3A~3I及び複数の和音変更ボタン4A~4Kに対する操作が受け付けられたとき、当該操作に応じた和音を、例えば、コードネーム(第1の中間情報81A)で特定することり、発音部8に発音させる和音を決定する。発音情報生成部112は、第1の中間情報81Aが示すコードネームに基づいて、音階データベース120を参照し、和音の各構成音に対応する音階(第2の中間情報81B)を決定する。発音情報生成部112は、演奏方法データベース121を参照し、和音を発音させるときの発音条件(第3の中間情報81C=音階+発音条件)を決定する。発音情報生成部112は、音源データベース122を参照し、和音を発音させるときの音色(第4の中間情報81D=音階+発音条件+音色)を決定する。そして、発音情報生成部112は、第4の中間情報81D(音階+発音条件+音色)に基づいて、当該音階で特定される音を、当該発音条件及び当該音色で発音部8に発音させるための発音情報80を生成し、発音部8に送出する。
【0064】
表示情報生成部113は、操作受付部110により受け付けられた操作に応じて、演奏画面90A及びユーザ設定画面(詳細は後述する)を、表示部9に表示させるための表示情報90を生成する。なお、表示情報90は、表示部9に表示させる画面や画像を示す情報を含むものであればよく、データの形式や内容は特に限定されない。また、表示情報生成部113は、機能の一部として、和音変更部111を備えていてもよい。
【0065】
(電子楽器1及び和音演奏入力装置10の動作について)
次に、上記構成を有する電子楽器1及び和音演奏入力装置10の動作について説明する。ここでは、電源スイッチ(不図示)がオンされて、バッテリ13から電子楽器1の各部に電力が供給されることで、表示部9には、初期画面として、
図2に示す演奏画面90Aが表示されているものとして説明する。
【0066】
(1)メニューボタン6が操作された場合
図5は、メニューボタン6が操作されたときのユーザ設定画面91A~91Gを示す図である。
【0067】
演奏者によりメニューボタン6が操作された場合、操作受付部110は、その操作を受け付けて、表示情報生成部113は、
図5に示すユーザ設定画面91A~91Gを表示部9に表示させるための表示情報90を生成する。ユーザ設定画面91A~91Gが表示された状態で、例えば、5個の和音変更ボタン4G~4K及びメニューボタン6が操作された場合、ユーザ設定画面91A~91Gでは、決定(OK)、戻る、カーソルの上下移動及びページの上下移動が行われる。ユーザ設定画面91A~91Gにて設定されたユーザ設定データは、ユーザ設定データベース123に記憶される。
【0068】
ユーザ設定画面91Aにおいて、「ボタン」が選択された場合には、和音指定ボタン群3に対するユーザ設定画面91B~91Dが表示され、「パッド」が選択された場合には、パッド群5に対するユーザ設定画面91E~91Gが表示される。
【0069】
ユーザ設定画面91B~91Dは、和音指定ボタン群3が操作されたときに発音部8により発音される和音の「トーン」(音色)及び「パターン」(演奏方法)が設定可能に構成されている。ユーザ設定画面91Cにおいて、「トーン」は、複数種類の楽器(例えば、ギター、ピアノ、ドラム等)の選択肢により設定される。ユーザ設定画面91Dにおいて、「パターン」は、「コード」、「ルート」及び「ストローク」という3つの選択肢により設定される。「コード」は、和音の各構成音を同時に発音するための選択肢である。「ルート」は、和音のルート音と、その1オクターブ上の音を同時に発音するための選択肢である。「ストローク」は、ギターのストローク奏法のように、和音の各構成音を順に発音するための選択肢である。
【0070】
ユーザ設定画面91E~91Gは、パッド群5が操作されたときに発音部8により発音される和音の「トーン」(音色)及び「パターン」(演奏方法)が設定可能に構成されている。ユーザ設定画面91Fにおいて、「トーン」は、複数種類の楽器(例えば、ギター、ピアノ、ドラム等)の選択肢により設定される。ユーザ設定画面91Gにおいて、「パターン」は、「コード」、「アルペジオ」及び「ストローク」という3つの選択肢により設定される。「コード」は、1つのパッド5A~5Dで、和音の各構成音を同時に発音するための選択肢である。「アルペジオ」は、1つのパッド5A~5D毎に、和音の各構成音のうち1つ又は2つの構成音を発音するための選択肢である。「ストローク」は、1つ目のパッド5Aでアッパーストローク、2つ目のパッド5Bでダウンストロークにより和音を発音するための選択肢である。
【0071】
(2)キー上昇ボタン70A又はキー下降ボタン70Bが操作された場合
図6は、キー上昇ボタン70A又はキー下降ボタン70Bが操作されたときの演奏画面90A~90Cを示す図である。
【0072】
演奏者によりキー上昇ボタン70A又はキー下降ボタン70Bが操作された場合、操作受付部110は、その操作を受け付けて、和音変更部111は、複数の和音指定ボタン3A~3Iにそれぞれ割り当てられた各和音のキーを全体的に半音だけ上昇又は下降することにより、割当状態を変更する。これにより、楽曲のキーが変わっても、各和音を構成する第1の根音の音程上の配置関係が変わらないため、演奏者は、同じ指使いで演奏することができる。
【0073】
その際、表示情報生成部113は、和音変更部111により割当状態が変更された後の和音に対応する複数の和音画像900A~900Iと、キー上昇ボタン70A又はキー下降ボタン70Bに対する操作に応じたキー画像903とに基づいて、表示情報90を生成する。その結果、表示部9は、キー上昇ボタン70A又はキー下降ボタン70Bに対する操作に応じて、「ハ長調/イ短調」を示す演奏画面90A、「変ニ長調/変ロ短調」を示す演奏画面90B、及び、「ニ長調/ロ短調」を示す演奏画面90C等を切り換えるようにして表示する。
【0074】
(3)和音指定ボタン群3が操作された場合
図7は、和音指定ボタン3Aが操作されたときの演奏画面90A、90Dを示す図である。
【0075】
図7に示す演奏画面90Aが表示部9に表示された状態で、演奏者により複数の和音指定ボタン3A~3Iのうちいずれかの和音指定ボタンが操作された場合、操作受付部110は、その操作を受け付ける。ここでは、演奏者が、初期の割当状態として和音「C」が割り当てられた和音指定ボタン3Aを指F1で操作した場合について説明する。
【0076】
操作受付部110が、和音指定ボタン3Aに対する操作を受け付けると、発音情報生成部112は、当該和音指定ボタン3Aに割り当てられた和音「C」を、発音部8に発音させるための発音情報80を生成する。すなわち、発音情報生成部112は、音階データベース120を参照して、和音「C」を構成する複数の構成音に対応する音階を決定する。そして、発音情報生成部112は、ユーザ設定画面91Aの「ボタン」のメニューにて設定された演奏方法及び音色に基づいて、演奏方法データベース121及び音源データベース122から発音条件及び音源データを読み出して、発音情報80を生成する。発音部8は、その発音情報80に基づいて、和音「C」を発音する。
【0077】
その際、表示情報生成部113は、当該和音指定ボタン3Aに割り当てられた和音「C」に対応する和音画像900Aの表示態様(例えば、反転状態)を変更した表示情報90を生成する。表示部9は、その表示情報90に基づいて、
図7に示す演奏画面90Dを表示する。
【0078】
和音指定ボタン3Aに対する操作が解除されたとき、表示情報生成部113は、当該和音画像900Aの表示態様を元の表示態様に戻した表示情報90を生成する。その結果、表示部9は、和音指定ボタン3Aが操作される前の演奏画面90Aを表示する。
【0079】
なお、和音指定ボタン3Aが操作された状態で、操作受付部110が、パッド群5に対する操作を受け付けた場合には、発音情報生成部112は、音階データベース120を参照して、和音「C」を構成する複数の構成音に対応する音階を決定する。そして、発音情報生成部112は、ユーザ設定画面91Aの「パッド」のメニューにて設定された演奏方法及び音色に基づいて、演奏方法データベース121及び音源データベース122から発音条件及び音源データを読み出して、発音情報80を生成する。
【0080】
以上のように、演奏画面90Dでは、和音指定ボタン3Aに対する操作に応じて、和音画像900Aの表示態様が変更されるので、演奏者は、現在発音されている和音「C」を示すコードネームを容易に把握することができる。また、演奏者は、現在操作している和音指定ボタン3Aの位置と、和音指定ボタン3Aに対する他のボタン(和音指定ボタン3Aを除く和音指定ボタン群3及び和音変更ボタン群4)との間の相対的な位置関係を容易に把握することができる。そのため、例えば、和音「C」の次に演奏する和音が「Dm」である場合には、演奏者は、現在操作している和音指定ボタン3Aに対して右側に隣接する和音指定ボタン3Bを指F1又は別の指で操作することにより和音「Dm」を出力できることを事前に把握することができる。したがって、本発明の実施形態に係る電子楽器1及び和音演奏入力装置10によれば、演奏時の操作性を向上することができる。
【0081】
(4)和音指定ボタン群3及び和音変更ボタン群4が操作された場合
(4.a)第1の変更方法について
図8は、第1の変更方法が割り当てられた和音変更ボタン4Cが操作されたときの演奏画面90A、90E、90Fを示す図である。
図9は、第1の変更方法が割り当てられた和音変更ボタン4Dが操作されたときの演奏画面90A、90G、90Hを示す図である。
【0082】
演奏画面90Aが表示部9に表示された状態で、演奏者により複数の和音変更ボタン4A~4Kのうちいずれかの和音変更ボタンが操作された場合、操作受付部110は、その操作を受け付ける。
【0083】
まず、
図8に示す演奏画面90Aが表示部9に表示された状態で、操作受付部110が、指F1による和音変更ボタン4Cに対する操作を受け付けると、和音変更部111は、当該和音変更ボタン4Cに割り当てられた第1の変更方法(第2の和音種類「7」)に従って、割当状態を変更する。すなわち、和音変更部111は、複数の和音指定ボタン3A~3Iにそれぞれ割り当てられた各和音を構成する第1の和音種類(「M」又は「m」)を、第2の和音種類「7」にそれぞれ置換することにより、割当状態を変更する。
【0084】
その際、表示情報生成部113は、第1の変更方法(第2の和音種類「7」)に対応する変更方法画像901Cの表示態様(例えば、反転状態)を変更した表示情報90を生成する。また、表示情報生成部113は、和音変更部111により第1の変更方法(第2の和音種類「7」)に従って割当状態が変更されたことにより、複数の和音画像900B、900C、900F、900Hに含まれるコードネームから不要となる「m」(マイナー)の表記を消去した表示情報90を生成する。表示部9は、その表示情報90に基づいて、
図8に示す演奏画面90Eを表示する。
【0085】
そして、演奏画面90Eが表示された状態、すなわち、和音変更ボタン4Cが操作された状態で、操作受付部110が、指F2による和音指定ボタン3Aに対する操作を受け付けると、発音情報生成部112は、和音「C」に代えて、和音変更部111により上記のように割当状態が変更されたことにより、当該和音指定ボタン3Aに新たに割り当てられた変更後の和音「C7」に基づいて、発音情報80を生成する。発音部8は、その発音情報80に基づいて、和音「C7」を発音する。
【0086】
その際、表示情報生成部113は、当該和音指定ボタン3Aに対応する和音画像900Aの表示態様(例えば、反転状態)を変更した表示情報90を生成する。表示部9は、その表示情報90に基づいて、
図8に示す演奏画面90Fを表示する。
【0087】
また、演奏画面90Eが表示された状態で、和音変更ボタン4Cに対する操作が解除されたとき、和音変更部111は、変更した割当状態を、元の割当状態(初期の割当状態)に戻す。そして、表示情報生成部113は、元の割当状態に対応する複数の和音画像900A~900Iと、元の表示態様に戻した変更方法画像901Cとに基づいて、表示情報90を生成する。その結果、表示部9は、和音変更ボタン4Cが操作される前の演奏画面90Aを表示する。
【0088】
さらに、演奏画面90Fが表示された状態で、和音指定ボタン3Aに対する操作が解除されたとき、表示情報生成部113は、表示態様を元の表示態様に戻した和音画像900Aに基づいて、表示情報90を生成する。その結果、表示部9は、和音指定ボタン3Aが操作される前の演奏画面90Eを表示する。
【0089】
なお、第1の変更方法における第2の和音種類が、上記「7」の他に、「m7」、「aug」、「O」、「7sus4」、「Φ」である場合には、表示部9は、
図8に示すように、複数の和音画像900A~900Iに含まれるコードネームから「m」(マイナー)の表記を消去して、複数の和音画像900A~900Iを表示する。
【0090】
次に、
図9に示す演奏画面90Aが表示部9に表示された状態で、操作受付部110が、指F1による和音変更ボタン4Dに対する操作を受け付けると、和音変更部111は、当該和音変更ボタン4Dに割り当てられた第1の変更方法(第2の和音種類「M7」)に従って、割当状態を変更する。すなわち、和音変更部111は、複数の和音指定ボタン3A~3Iにそれぞれ割り当てられた各和音を構成する第1の和音種類(「M」又は「m」)に、第2の和音種類「M7」をそれぞれ付加することにより、割当状態を変更する。
【0091】
その際、表示情報生成部113は、第1の変更方法(第2の和音種類「M7」)に対応する変更方法画像901Dの表示態様(例えば、反転状態)を変更した表示情報90を生成する。表示部9は、その表示情報に基づいて、
図9に示す演奏画面90Gを表示する。ここでは、表示情報生成部113は、複数の和音画像900A~900Iに含まれるコードネームから「m」(マイナー)の表記を消去した表示情報90を生成しない。
【0092】
そして、演奏画面90Gが表示された状態、すなわち、和音変更ボタン4Dが操作された状態で、操作受付部110が、指F2による和音指定ボタン3Aに対する操作を受け付けると、発音情報生成部112は、和音「C」に代えて、和音変更部111により上記のように割当状態が変更されたことにより、当該和音指定ボタン3Aに新たに割り当てられた変更後の和音「CM7」に基づいて、発音情報80を生成する。発音部8は、その発音情報80に基づいて、和音「CM7」を発音する。
【0093】
その際、表示情報生成部113は、
図8と同様に、表示情報90を生成することにより、表示部9は、
図9に示す演奏画面90Hを表示する。また、演奏画面90Gにて和音変更ボタン4Dに対する操作が解除されたときの動作、及び、演奏画面90Hにて和音指定ボタン3Aに対する操作が解除されたときの動作は、
図8と同様のため、説明を省略する。
【0094】
なお、第1の変更方法における第2の和音種類が、上記「M7」の他に、「6」、「9」である場合には、表示部9は、
図9に示すように、複数の和音画像900A~900Iに含まれるコードネームから「m」(マイナー)の表記を消去することなく複数の和音画像900A~900Iを表示する。
【0095】
(4.b)第2の変更方法について
図10は、第2の変更方法が割り当てられた和音変更ボタンHが操作されたときの演奏画面90A、90I、90Jを示す図である。
【0096】
図10に示す演奏画面90Aが表示部9に表示された状態で、操作受付部110が、指F1による和音変更ボタン4Hに対する操作を受け付けると、和音変更部111は、当該和音変更ボタン4Hに割り当てられた第2の変更方法(第3の和音種類「M」及び第4の和音種類「m」)に従って、割当状態を変更する。すなわち、和音変更部111は、複数の和音指定ボタン3A~3Iにそれぞれ割り当てられた各和音を構成する第1の和音種類に対して、メジャーをマイナーに変更し、マイナーをメジャーに変更することにより、割当状態を変更する。
【0097】
その際、表示情報生成部113は、第2の変更方法(第3の和音種類「M」及び第4の和音種類「m」)に対応する変更方法画像901Hの表示態様(例えば、反転状態)を変更した表示情報90を生成する。また、表示情報生成部113は、和音変更部111により第2の変更方法(第3の和音種類「M」及び第4の和音種類「m」)に従って割当状態が変更された後(メジャーとマイナーを入れ替えた後)の和音に対応する複数の和音画像900A~900Iに基づいて、表示情報90を生成する。表示部9は、その表示情報90に基づいて、
図10に示す演奏画面90Iを表示する。
【0098】
そして、演奏画面90Iが表示された状態、すなわち、和音変更ボタン4Hが操作された状態で、操作受付部110が、指F2による和音指定ボタン3Aに対する操作を受け付けると、発音情報生成部112は、和音「C」に代えて、和音変更部111により上記のように割当状態が変更されたことにより、当該和音指定ボタン3Aに新たに割り当てられた変更後の和音「Cm」に基づいて、発音情報80を生成する。発音部8は、その発音情報80に基づいて、和音「Cm」を発音する。
【0099】
その際、表示情報生成部113は、
図8と同様に、表示情報90を生成することにより、表示部9は、
図10に示す演奏画面90Jを表示する。また、演奏画面90Iにて和音変更ボタン4Hに対する操作が解除されたときの動作、及び、演奏画面90Jにて和音指定ボタン3Aに対する操作が解除されたときの動作は、
図8と同様のため、説明を省略する。
【0100】
(4.c)第3の変更方法について
図11は、第3の変更方法が割り当てられた和音変更ボタン4Gが操作されたときの演奏画面90A、90K~90Mを示す図である。
【0101】
図11に示す演奏画面90Aが表示部9に表示された状態で、操作受付部110が、指F1による和音変更ボタン4Gに対する操作を受け付けると、和音変更部111は、当該和音変更ボタン4Gに割り当てられた第3の変更方法(変化記号「#」)に従って、割当状態を変更する。すなわち、和音変更部111は、複数の和音指定ボタン3A~3Iにそれぞれ割り当てられた各和音を構成する第1の根音を、半音だけそれぞれ上げることにより、割当状態を変更する。
【0102】
その際、表示情報生成部113は、第3の変更方法(変化記号「#」)に対応する変更方法画像901Hの表示態様(例えば、反転状態)を変更した表示情報90を生成する。また、表示情報生成部113は、和音変更部111により第3の変更方法(変化記号「#」)に従って割当状態が変更された後(キーを半音だけ上げた後)の和音に対応する複数の和音画像900A~900Iに基づいて、表示情報90を生成する。表示部9は、その表示情報90に基づいて、
図11に示す演奏画面90Kを表示する。
【0103】
そして、演奏画面90Kが表示された状態、すなわち、和音変更ボタン4Gが操作された状態で、操作受付部110が、指F2による和音変更ボタン4Iに対する操作を受け付けると、発音情報生成部112は、当該和音変更ボタン4Iに割り当てられた第1の変更方法(第2の和音種類「O」)に従って、割当状態を変更する。
【0104】
その際、表示情報生成部113は、第1の変更方法(第2の和音種類「O」)に対応する変更方法画像901Iの表示態様(例えば、反転状態)を変更した表示情報90を生成する。表示部9は、その表示情報90に基づいて、
図11に示す演奏画面90Lを表示する。
【0105】
そして、演奏画面90Lが表示された状態、すなわち、和音変更ボタン4G、4Iが操作された状態で、操作受付部110が、指F3による和音指定ボタン3Aに対する操作を受け付けると、発音情報生成部112は、和音「C」に代えて、和音変更部111により上記のように割当状態が変更されたことにより、当該和音指定ボタン3Aに新たに割り当てられた変更後の和音「D♭dim7」に基づいて、発音情報80を生成する。発音部8は、その発音情報80に基づいて、和音「D♭dim7」を発音する。
【0106】
その際、表示情報生成部113は、
図8と同様に、表示情報90を生成することにより、表示部9は、
図11に示す演奏画面90Mを表示する。また、演奏画面90Kにて和音変更ボタン4Gに対する操作が解除されたときの動作、演奏画面90Lにて和音変更ボタン4Iに対する操作が解除されたときの動作、及び、演奏画面90Mにて和音指定ボタン3Aに対する操作が解除されたときの動作は、
図8と同様のため、説明を省略する。
【0107】
以上のように、第1の変更方法(第2の和音種類「7」又は「M7」)が割り当てられた和音変更ボタン4C、4Dが操作されたとき、和音変更部111は、初期の割当状態として和音指定ボタン3Aに割り当てられた和音「C」を、第2の和音種類「7」又は「M7」に基づいて、和音「C7」又は「CM7」に変更する。また、第2の変更方法(第3の和音種類「M」及び第4の和音種類「m」)が割り当てられた和音変更ボタン4Hが操作されたとき、和音変更部111は、和音「C」を、第3の和音種類「M」及び第4の和音種類「m」に基づいて、和音「Cm」に変更する。さらに、第3の変更方法(変化記号「#」)が割り当てられた和音変更ボタン4Gが操作され、かつ、第1の変更方法(第2の和音種類「O」)が割り当てられた和音変更ボタン4Iが操作されたとき、和音変更部111は、和音「C」を、変化記号「#」及び第2の和音種類「O」に基づいて、和音「D♭dim7」に変更する。
【0108】
すなわち、発音情報生成部112は、複数の和音指定ボタン3A~3I及び複数の和音変更ボタン4A~4Kが操作されたときの組み合わせに応じた和音を、発音部8に発音させるための発音情報80を生成する。このとき、複数の和音指定ボタン3A~3Iに対する和音の割当状態は、複数の和音変更ボタン4A~4Kに割り当てられた変更方法に従って変更されるので、演奏可能な和音の数は、和音指定ボタン3A~3Iの数と、和音変更ボタン4A~4Kの数とに応じて決められることになる。したがって、本発明の実施形態に係る電子楽器1及び和音演奏入力装置10によれば、和音指定ボタン3A~3Iの数に比べて演奏可能な和音の種類を多くすることができる。
【0109】
また、表示情報生成部113は、
図8~
図11に示す演奏画面90A、90E~90Mのように、和音変更部111により割当状態が変更される前後において、複数の和音画像900A~900I及び複数の変更方法画像901A~901Kを、複数の和音指定ボタン3A~3I及び複数の和音変更ボタン4A~4Kの並び順と一致するように、表示部9に表示させるための表示情報90を生成する。そのため、演奏者は、複数の和音指定ボタン3A~3I及び複数の和音変更ボタン4A~4Kにおける各ボタンの配置状態とともに、各ボタンを操作したときに発音される和音(変更後の和音も含む)を簡単に把握することができる。したがって、本発明の実施形態に係る電子楽器1及び和音演奏入力装置10によれば、演奏時の操作性を向上することができる。
【0110】
また、演奏画面90E~90Mでは、複数の和音指定ボタン3A~3I及び複数の和音変更ボタン4A~4Kに対する操作に応じて、和音画像900A~900I及び変更方法画像901A~901Kの表示態様が変更される。そのため、演奏者は、例えば、現在発音されている和音(変更後の和音も含む)を示すコードネームを容易に把握することができるので、演奏時の操作性を向上することができる。
【0111】
また、発音情報生成部112は、例えば、初期の割当状態として和音「C」が割り当てられた和音指定ボタン3Aと、第1の変更方法として第2の和音種類「7」が割り当てられた和音変更ボタン4Cとが同時に操作されたとき、和音「C」に代えて、和音変更部111により第1の変更方法に従って割当状態が変更されたことにより、当該和音指定ボタン3Aに割り当てられた変更後の和音「C7」に基づいて、発音情報80を生成する。そのため、演奏者は、和音指定ボタン3Aと和音変更ボタン4Cとを同時に操作することで別の和音を簡単に指定することができるので、演奏時の操作性を向上することができる。
【0112】
また、複数の和音指定ボタン3A~3I及び複数の和音変更ボタン4A~4Kは、片手で操作可能な範囲に並べられて配置される。そのため、演奏者は、片手の指(1本又は複数本)で複数の和音を指定することができるので、演奏時の操作性を向上することができる。
【0113】
また、複数の和音指定ボタン3A~3Iは、和音指定ボタン群3として、2次元配列状又は千鳥配列状に並べられて配置され、複数の和音変更ボタン4A~4Kは、和音指定ボタン群3に隣接して配置される。そのため、演奏者は、和音指定ボタン群3の上方に指を置きながら、複数の和音変更ボタン4A~4Kにも指を素早く移動させることができる。したがって、演奏者は、複数の和音指定ボタン3A~3I及び複数の和音変更ボタン4A~4Kを効率的に操作することができるので、演奏時の操作性を向上することができる。
【0114】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、電子楽器1が、和音演奏入力装置10、発音部8及び表示部9を備えるものとして説明したが、
図12に示すように、複数の装置が、これらを別々に備えるとともに、複数の装置が、有線又は無線により接続されることで電子楽器1として機能するようにしてもよい。また、和音演奏入力装置10は、
図4に示す破線の枠10A~10Dのいずれかで特定されるものでもよく、その場合には、発音情報生成部112は、発音情報80として、第1乃至第4の中間情報81A~81Dのいずれかを生成し、他の装置に送信するようにしてもよい。
【0115】
図12は、本発明の第2の実施形態に係る電子楽器1及び和音演奏入力装置10の構成例を示し、(a)は第1の構成例、(b)は第2の構成例、(c)は第3の構成例を示す図である。
【0116】
図12(a)に示す第1の構成例では、第1の装置100Aが和音演奏入力装置10及び表示部9を備え、第2の装置101Aが発音部8を備える。和音演奏入力装置10の発音情報生成部112により生成された発音情報80は、第2の装置101Aに送信されて、第2の装置101Aの発音部8により発音される。和音演奏入力装置10の表示情報生成部113により生成された表示情報90は、第1の装置100Aの表示部9により表示される。
【0117】
図12(b)に示す第2の構成例では、第1の装置100Bが和音演奏入力装置10A(
図4に示す破線の枠10Aで特定されたもの)を備え、第2の装置101Bが発音部8を備え、第3の装置102Bが表示部9を備える。和音演奏入力装置10の発音情報生成部112により生成された発音情報80(=
図4に示す第1の中間情報81A)は、第2の装置101Bに送信されて、第2の装置101Bの発音部8により発音される。和音演奏入力装置10の表示情報生成部113により生成された表示情報90は、第3の装置102Bに送信され、第3の装置102Bの表示部9により表示される。
【0118】
図12(c)に示す第3の構成例では、第1の装置100Cが和音演奏入力装置10B(
図4に示す破線の枠10Bで特定されたもの)を備え、第2の装置101Cが発音部8及び表示部9を備える。和音演奏入力装置10の発音情報生成部112により生成された発音情報80(=
図4に示す第2の中間情報81B)は、第2の装置101Cに送信されて、第2の装置101Cの発音部8により発音される。和音演奏入力装置10の表示情報生成部113により生成された表示情報90は、第3の装置102Cに送信され、第3の装置102Cの表示部9により表示される。
【0119】
(第3の実施形態)
第1及び第2の実施形態では、表示情報生成部113は、
図2に示す演奏画面90Aを表示部9に表示させるための表示情報90を生成するものとして説明したが、演奏画面90Aに表示される内容は、適宜省略されてもよい。なお、基本的な構成及び動作は、第1の実施形態と同様のため、以下では相違点を中心に説明する。
【0120】
図13は、本発明の第3の実施形態に係る電子楽器1及び和音演奏入力装置10の一例を示す図である。
図13に示す演奏画面92は、
図2に示す演奏画面90Aと比較して、複数の変更方法画像901A~901K及びメニュー画像902の表示を省略したものである。したがって、表示情報生成部113は、
図13に示す演奏画面92のように、複数の和音画像900A~900Iを、複数の和音指定ボタン3A~3Iの並び順と一致するように、表示部9に表示させるための表示情報90を生成する。
【0121】
複数の和音変更ボタン4A~4K及びメニューボタン6には、各ボタンの表面や各ボタン周辺の筐体2の表面20に対して、レーザによる刻印やシールの貼付等の方法により、各ボタンに割り当てられた機能を示す文字列や図柄が表記される。なお。
図13に示す演奏画面92において、複数の和音画像900A~900Iの表示がさらに省略されてもよいし、キー画像903の表示がさらに省略されたものでよい。
【0122】
(第4の実施形態)
第1乃至第3の実施形態では、表示情報生成部113は、
図2に示す演奏画面90Aや
図13に示す演奏画面92を表示部9に表示させるための表示情報90を生成するものとして説明したが、演奏画面90A、92の表示は、適宜省略されてもよい。その際、電子楽器1及び和音演奏入力装置10は、表示部9及び表示情報生成部113を備えないものでもよいし、電子楽器1及び和音演奏入力装置10は、表示部9及び表示情報生成部113を備えるが、演奏画面90A、92を表示部9に表示させる機能が省略されてもよい。なお、基本的な構成及び動作は、第1の実施形態と同様のため、以下では相違点を中心に説明する。
【0123】
図14は、本発明の第4の実施形態に係る電子楽器1及び和音演奏入力装置10の一例を示す図である。電子楽器1は、
図14に示すように、メニューボタン6及び表示部9を備えておらず、キー上昇ボタン70A及びキー下降ボタン70Bに代えて、ダイヤル式のキー変更操作子72を備える。また、和音演奏入力装置10は、表示情報生成部113を備えておらず、発音情報生成部112は、キー変更操作子72により設定されたキーと、複数の和音指定ボタン3A~3I及び複数の和音変更ボタン4A~4Kに対する操作とに応じて、発音情報80を生成する。
【0124】
複数の和音指定ボタン3A~3I及び複数の和音変更ボタン4A~4K及びメニューボタン6には、第3の実施形態と同様に、文字列や図柄が表記される。その際、複数の和音指定ボタン3A~3Iには、「I」、「IIm」、「IIIm」、「IV」、「V」、「VIm」、「VII♭」、「VIIm」と表記される。
【0125】
(第5の実施形態)
第1乃至第4の実施形態では、和音演奏入力装置10が、9個の和音指定ボタン3A~3Iと、11個の和音変更ボタン4A~4Kとを備えるものとして説明したが、和音指定ボタンの数、及び、和音変更ボタンの数は、適宜変更されてもよい。なお、基本的な構成及び動作は、第4の実施形態と同様のため、以下では相違点を中心に説明する。
【0126】
図15は、本発明の第5の実施形態に係る電子楽器1及び和音演奏入力装置10を示し、(a)は第1の実施例、(b)は第2の実施例を示す図である。
【0127】
第1乃至第4の実施形態では、9個の和音指定ボタン3A~3Iには、「C」、「Dm」、「Em」、「F」、「G」、「Am」という6つの基本となる和音(IからVIまでの主要三和音及び副三和音)と、「Bm」、「B
♭」という2つの付加的な和音とがそれぞれ割り当てられているものとして説明したが、
図15(a)、(b)に示す第1及び第2の実施例では、和音演奏入力装置10は、上記の6つの基本となる和音がそれぞれ割り当てられた6個の和音指定ボタン3A~3Fを備える。
【0128】
また、第1乃至第4の実施形態では、11個の和音変更ボタン4A~4Kには、第1乃至第3の変更方法がそれぞれ割り当てられているものとして説明したが、
図15(a)に示す第1の実施例では、和音演奏入力装置10は、第2の変更方法として第3の和音種類「M」及び第4の和音種類「m」が割り当てられた1個の和音変更ボタン4Hを備える。
図15(b)に示す第2の実施例では、和音演奏入力装置10は、第1の実施例と同様の和音変更ボタン4Hと、第1の変更方法として第2の和音種類「7」が割り当てられた和音変更ボタン4Lと、第1乃至第3の変更方法のうち少なくとも2つの変更方法が割り当てられた和音変更ボタン4Mとを備える。
【0129】
第2の実施例において、和音変更ボタン4Lが操作された場合には、和音指定ボタン3A、3D、3E(「I」、「IV」、「V」の主要三和音)には、「7」の和音が割り当てられ、和音指定ボタン3B、3C、3F(「IIm」、「IIIm」、「VIm」の副三和音)には、「m7」の和音が割り当てられる。また、和音変更ボタン4Mは、第2の変更方法が割り当てられた和音変更ボタン4Hと、第1の変更方法が割り当てられた和音変更ボタン4Lとを組み合わせたものである。そのため、和音変更ボタン4Mが操作された場合には、2つの和音変更ボタン4H、4Lが同時に操作された場合と同様にして、和音の割当状態が変更される。
【0130】
和音演奏入力装置10は、IからVIまでの主要三和音及び副三和音を含む和音が割り当てられた少なくとも6つの和音指定ボタン3A~3Fと、変更方法として、和音を構成する和音種類に対してメジャーとマイナーを入れ替えることにより、和音の割当状態を変更する少なくとも1つの和音変更ボタン4Hとを備える。これにより、演奏者は、使用頻度が高い6つの基本となる和音(ハ長調の例では、「C」、「Dm」、「Em」、「F」、「G」、「Am」)を、和音指定ボタン3A~3Fに対する操作で演奏することができ、それらの次に使用頻度が高い和音(ハ長調の例では、「D」、「E」、「Fm」、「A」等)を、和音指定ボタン3A~3Fに対する操作に、和音変更ボタン4Hに対する操作を組み合わせることで演奏することができる。したがって、和音演奏入力装置10によれば、演奏時の操作性を向上することができる。
【0131】
なお、和音演奏入力装置10は、第1乃至第4の実施形態のように、6つの基本となる和音以外の和音が割り当てられた和音指定ボタンをさらに備えていてもよいし、他の変更方法が割り当てられた和音変更ボタンをさらに備えていてもよい。
【0132】
(第6の実施形態)
第1乃至第5の実施形態では、和音指定ボタン群3及び和音変更ボタン群4は、2次元配列状又は千鳥配列状に並べられて配置されるものとして説明したが、和音指定ボタン群3及び和音変更ボタン群4の形状及び配置状態は、適宜変更されてもよい。なお、基本的な構成及び動作は、第5の実施形態と同様のため、以下では相違点を中心に説明する。
【0133】
図16は、本発明の第6の実施形態に係る和音演奏入力装置10を示し、(a)は第1の実施例、(b)は第2の実施例、(c)は第3の実施例を示す図である。
【0134】
図16(a)に示す第1の実施例では、複数の和音指定ボタン3A~3Fは、曲線状(例えば、円弧状)に2列に並べられて配置されるとともに、和音変更ボタン4Hは、円弧の中心に配置される。
図16(b)に示す第2の実施例では、複数の和音指定ボタン3A~3Fは、多角形の各頂点(例えば、正六角形の各頂点)に並べられて配置されるとともに、和音変更ボタン4Hは、多角形の中心に配置される。
図16(c)に示す第4の実施例では、複数の和音指定ボタン3A~3Fは、筐体2の表面20に一列に並べられて配置されるとともに、和音変更ボタン4Hは、筐体2の裏面21に配置される。
【0135】
(第7の実施形態)
第1乃至第6の実施形態では、和音演奏入力プログラム124は、電子楽器1の制御部11で実行させるものとして説明したが、例えば、スマートフォンやタブレット端末等の電子機器が備える制御部で実行させることにより、電子機器が、電子楽器1及び和音演奏入力装置10として機能するようにしてもよい。その際、電子機器がタッチパネルを備える場合には、タッチパネルの表示エリアの一部又は全部が、和音指定ボタン群3及び和音変更ボタン群4として機能するようにしてもよいし、タッチパネルの表示エリアの一部又は全部が、表示部9として機能するようにしてもよい。
【0136】
さらに、タッチパネルが、和音指定ボタン群3及び和音変更ボタン群4と、表示部9とを兼ねるようにしてもよく、例えば、タッチパネルに表示した複数の和音画像900A~900I及び複数の変更方法画像901A~901Kが、和音指定ボタン群3及び和音変更ボタン群4として機能するようにしてもよい。なお、基本的な構成及び動作は、第1の実施形態と同様のため、以下では相違点を中心に説明する。
【0137】
図17は、本発明の第7の実施形態に係る和音演奏入力装置10を示し、(a)は第1の実施例、(b)は第2の実施例を示す図である。
【0138】
図17(a)に示す第1の実施例では、
図2に示す演奏画面90Aと同様の演奏画面93Aが、タッチパネル94(表示部9)に表示される。タッチパネル94に表示された演奏画面93Aにおいて、複数の和音画像900A~900I、複数の変更方法画像901A~901K、メニュー画像902、及び、キー変更画像904A、904Bは、複数の和音指定ボタン3A~3I、複数の和音変更ボタン4A~4K、メニューボタン6、及び、キー上昇ボタン70A・キー下降ボタン70Bとして機能する。
【0139】
図17(b)に示す第2の実施例では、和音指定ボタン3A~3Iの数、及び、和音変更ボタン4A~4Kの数が、第5の実施形態と同様に変更されている。タッチパネル94に表示された演奏画面93Bにおいて、複数の和音画像900A~900F、及び、変更方法画像901Hは、複数の和音指定ボタン3A~3F、及び、和音変更ボタン4Hとして機能する。
【0140】
したがって、操作受付部110は、タッチパネル94に表示された複数の和音画像900A~900F、及び、変更方法画像901Hに対するタッチ操作を介して、複数の和音指定ボタン3A~3F、及び、和音変更ボタン4Hに対する操作を受け付ける。
【0141】
(第8の実施形態)
第7の実施形態では、和音指定ボタン群3及び和音変更ボタン群4の全てのボタンが、タッチパネル94(表示部9)に表示されたボタンであるものとして説明したが、一部のボタンは、タッチパネル94に表示されたボタンでなく、押しボタン式のスイッチで構成されていてもよい。なお、基本的な構成及び動作は、第7の実施形態と同様のため、以下では相違点を中心に説明する。
【0142】
図18は、本発明の第8の実施形態に係る和音演奏入力装置10の一例を示す図である。
図18に示す和音演奏入力装置10は、
図17(b)に示す和音演奏入力装置10と比較して、タッチパネル(表示部9)上の演奏画面93Cに、和音変更ボタン4Hとして機能する変更方法画像901Hを表示するのではなく、押しボタン式のスイッチで構成された和音変更ボタン4Hを備える。
【0143】
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0144】
例えば、上記実施形態では、複数の和音指定ボタン3A~3Iには、
図2に示す割当状態を初期の割当状態として、複数の和音がそれぞれ割り当てられているものとして説明したが、初期の割当状態は、演奏者により変更可能に構成されるようにしてもよい。また、複数の和音変更ボタン4A~4Kに対して複数の変更方法がそれぞれ割り当てられた割当状態についても、演奏者により変更可能に構成されるようにしてもよい。
【0145】
その際、演奏者により変更された割当状態は、ユーザ設定データベース123にユーザ設定データとして記憶され、制御部11が、メモリボタン71A、71Bに対する操作に応じてユーザ設定データベース123からユーザ設定データを読み出すようにしてもよい。さらに、メモリボタン71A、71Bが、和音変更ボタンとして配置されることにより、第4の変更方法として、ユーザ設定データベース123から読み出されたユーザ設定データに基づいて、割当情報を変更するようにしてもよい。
【0146】
また、上記実施形態では、和音変更部111が、第2及び第3の変更方法に従って割当状態を変更した場合、表示情報生成部113は、
図10に示す演奏画面90I、及び、
図11に示す演奏画面90Kのように、割当状態が変更された後の和音に対応する和音画像900A~900I及び変更方法画像901A~901Kを、表示部9に表示させるための表示情報90を生成するものとした説明したが、和音変更部111が、第1の変更方法に従って割当状態を変更した場合でも、表示情報生成部113は、同様に、表示情報90を生成するようにしてもよい。すなわち、
図8に示す演奏画面90Eにおいて、和音画像900Aが、「C7」を含むようにしてもよいし、
図9に示す演奏画面90Gにおいて、和音画像900Aが、「CM7」を含むようにしてもよい。
【0147】
また、上記実施形態では、発音情報生成部112は、和音指定ボタン3A~3Iが操作されたときや、パッド群5が操作されたときに、発音情報を生成するものとして説明したが、発音情報を生成するタイミングはこれらに限られない。
【0148】
また、上記実施形態では、表示情報生成部113は、和音画像900A~900I及び変更方法画像901A~901Kの表示態様を変更する際、画像を反転状態に変更するものとして説明したが、表示態様を変更する方法はこれに限られず、色、模様、図形等を適宜変更するようにしてもよい。
【0149】
また、上記実施形態では、和音演奏入力装置10は、キー上昇ボタン70A及びキー下降ボタン70B、又は、キー変更ダイヤル操作子72により設定されたキーに応じて、発音情報80を生成するものとして説明したが、電子楽器1は、キー上昇ボタン70A及びキー下降ボタン70Bやキー変更ダイヤル操作子72を備えないものでもよく、その場合には、和音演奏入力装置10は、特定のキー(例えば、ハ長調)に応じて、発音情報80を生成するようにしてもよい。
【0150】
また、上記実施形態では、和音演奏入力プログラム124は、記憶部12に記憶されたものとして説明したが、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供されてもよい。また、和音演奏入力プログラム124は、インターネット等のネットワークに接続されたサーバ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供されてもよい。
【符号の説明】
【0151】
1…電子楽器、2…筐体、
3…和音指定ボタン群、3A~3I…和音指定ボタン、
4…和音変更ボタン群、4A~4M…和音変更ボタン、
5…パッド群、5A~5D…パッド、6…メニューボタン、
7…オプションボタン群、8…発音部、9…表示部、
10、10A~10D…和音演奏入力装置、11…制御部、
12…記憶部、13…バッテリ、14…外部I/F部、20…表面、
21…裏面、22…上面、23…下面、24…ネック部、25…ボディ部、
70A…キー上昇ボタン、70B…キー下降ボタン、
71A…メモリボタン、71B…メモリボタン、72…キー変更操作子、
80…発音情報、81A~81D…中間情報、90…表示情報、
90A~90M、92、93A~93C…演奏画面、
91A~91G…ユーザ設定画面、94…タッチパネル、
100A~100C…第1の装置、101A~101C…第2の装置、
102B、102C…第3の装置、110…操作受付部、
111…和音変更部、112…発音情報生成部、113…表示情報生成部、
120…音階データベース、121…演奏方法データベース121、
122…音源データベース、123…ユーザ設定データベース、
124…和音演奏入力プログラム、
900A~900I…和音画像、901A~901K…変更方法画像、
902…メニュー画像、903…キー画像、904A、904B…キー変更画像、
F1~F3…指