(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-25
(45)【発行日】2024-02-02
(54)【発明の名称】固形物が表面に接着された製品およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
B32B 3/14 20060101AFI20240126BHJP
B32B 3/24 20060101ALI20240126BHJP
B32B 37/12 20060101ALI20240126BHJP
【FI】
B32B3/14
B32B3/24 Z
B32B37/12
(21)【出願番号】P 2022192048
(22)【出願日】2022-11-30
【審査請求日】2022-11-30
(73)【特許権者】
【識別番号】511113073
【氏名又は名称】株式会社ギンガム・ジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】中島 省次
【審査官】加賀 直人
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-249729(JP,A)
【文献】特開平06-071767(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 3/14
B32B 3/24
B32B 37/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品を製造する方法であって、
前記製品は、撥水性
の薄膜を表面
として有する素材と、底面を有する固形物とを含み、
前
記表面は、前記固形物の底面を接着するための
、複数の不連続な接着領域を含み、
前記方法は、
前記素材の前記接着領域に
、ニードルで複数の孔を開ける工程と、
前記接着領域上に前記接着剤を介して前記固形物を載せることにより、前記接着領域と前記固形物の底面との間に接着剤を介在させる工程と、
前記接着剤が溶融するように前記接着剤を加熱する工程と、
前記溶融した接着剤が固化するように冷却することにより前記固形物を前記素材に接着する工程と
を含
み、
前記素材が、皮革または合成皮革であり、
前記接着領域は約2mm
2
~約80mm
2
の面積を有し、
前記接着領域は、約2個/mm
2
~約11個/mm
2
の孔部を有し、
前記固形物は、一辺が約10mmの立方体に収まる大きさを有する、製造方法。
【請求項2】
前記ニードルは、直径が約0.5mm~約1.5mmである、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記接着領域は約3mm
2~約40mm
2である、請求項1に記載の
製造方法。
【請求項4】
前記接着領域は略円形である、請求項1に記載の
製造方法。
【請求項5】
前記固形物がクリスタルガラスである、請求項1に記載の
製造方法。
【請求項6】
前記素材の厚みが、約0.3mm~約5mmである、請求項1に記載の
製造方法。
【請求項7】
前記素材が、皮
革である、請求項1に記載の
製造方法。
【請求項8】
前記孔部は、前記素材を貫通している、請求項1に記載の
製造方法。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の製造方法によって製造された、製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固形物が表面に接着された製品およびその製造方法に関し、特に、素材の撥水性表面に接着剤で固形物を接着するための構造および方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、布、皮革などの平面形状を有する柔軟な素材にクリスタルガラス、宝石などの固形物を接着する方法としてホットメルト接着剤を用いるものがあり、例えば、特許文献1には、このような素材と固形物との接着方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしならが、従来の方法では、素材の撥水性表面に固形物を接着する場合、撥水性表面と接着剤との間で親水性が担保されず、撥水性表面に対する固形物の接着は簡単ではなく、接着強度が十分なものではなかった。
【0005】
本発明は、素材の撥水性表面に固形物を十分な強度で接着することを可能とする構造の製品およびこのような製品の製造方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(項目1)
撥水性表面を有する素材であって、前記撥水性表面は接着領域を含む素材と、
前記接着領域に底面が接着された固形物と
を含み、前記接着領域は複数の孔部を有し、前記接着領域と前記固形物の前記底面とが接着剤によって接着されている、製品。
【0007】
(項目2)
前記接着領域は約2mm2~約80mm2の面積を有する、項目1に記載の製品。
【0008】
(項目3)
前記接着領域は、約2個/mm2~約11個/mm2の孔部を有する、項目1に記載の製品。
【0009】
(項目4)
前記固形物は、一辺が約10mmの立方体に収まる大きさを有する、項目1に記載の製品。
【0010】
(項目5)
前記接着領域は約3mm2~約40mm2である、項目1に記載の製品。
【0011】
(項目6)
前記接着領域は略円形である、項目1に記載の製品。
【0012】
(項目7)
前記固形物がクリスタルガラスである、項目1に記載の製品。
【0013】
(項目8)
前記素材の厚みが、約0.3mm~約5mmである、項目1に記載の製品。
【0014】
(項目9)
前記素材が、皮革、合成皮革、布、木材、紙または樹脂である、項目1に記載の製品。
【0015】
(項目10)
前記孔部は、前記素材を貫通している、項目1に記載の製品。
【0016】
(項目11)
製品を製造する方法であって、
前記製品は、撥水性表面を有する素材と、底面を有する固形物とを含み、
前記撥水性表面は、前記固形物の底面を接着するための接着領域を含み、
前記方法は、
前記素材の前記接着領域に複数の孔を開ける工程と、
前記接着領域上に前記接着剤を介して前記固形物を載せることにより、前記接着領域と前記固形物の底面との間に接着剤を介在させる工程と、
前記接着剤が溶融するように前記接着剤を加熱する工程と、
前記溶融した接着剤が固化するように冷却することにより前記固形物を前記素材に接着する工程と
を含む、製品の製造方法。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、素材の撥水性表面に固形物を十分な強度で接着することを可能とする構造の製品およびこのような製品の製造方法を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態1による製品100を示す図であり、その外観および断面の構造を示している。
【
図2】
図2は、
図1に示す製品100を素材110と固形物120と接着剤130とに分解して示す斜視図である。
【
図3】
図3は、
図1に示す製品100の製造方法を示す斜視図であり、素材110の接着領域R1に孔を開ける工程を示している。
【
図4】
図4は、
図1に示す製品100の製造方法を示す斜視図であり、粘着シート20を用いて固形物120を素材110の接着領域R1に対して位置決めする工程を示す。
【
図5】
図5は、
図1に示す製品100の製造方法を示す斜視図であり、素材110の接着領域R1上に接着剤130を介して固形物120を置いた状態を示す。
【
図6】
図6は、
図1に示す製品100の製造方法を示す斜視図であり、接着剤130を加熱チャンバ30内で加熱する工程を示す。
【
図7】
図7は、
図1に示す製品100の製造方法を示す斜視図であり、素材110に接着された固形物120から粘着シート20を取り外す様子を示す。
【
図8】
図8は、厚さ約1mmの牛革に大きさの異なるいくつかのクリスタルガラスを接着した状態の写真を示す図である。
【
図9】
図9は、
図8のクリスタルガラス接着のために、接着領域に設けた孔のパターンを示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を説明する。本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。したがって、他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての専門用語および科学技術用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義を含めて)が優先する。
【0020】
本明細書において、「約」とは、後に続く数字の±10%の範囲内をいう。
【0021】
本明細書において、「撥水性」とは、素材の表面であって水を弾くことで水に濡れにくい性質を意味する。撥水性として具体的には、物質表面の水滴に対する水接触角が典型的には約90°以上、好ましくは約100°以上、より好ましくは約105°以上である。また、水接触角が約150°を超える超撥水状態も含む。
【0022】
本明細書において「略円形」とは、緩やかな曲線により閉じられた任意の形状をいい、真円や楕円に限定されない。
【0023】
本発明の孔部の「直径」とは、素材表面における孔の面における異なる二点の最大の長さをいう。
【0024】
本明細書において、素材について「柔軟」とは、素材が、非剛性、非脆性または非硬質であり、したがって、外力を受けた場合に、そのような外力によって曲がったり、伸びたり、変形したり、凹んだりするが、壊れたり機能性を失ったりはしないことを意味する。
【0025】
本発明は、素材の撥水性表面に固形物を十分な強度で接着することを可能とする構造の製品を得ることを課題とし、
撥水性表面を有する素材であって、撥水性表面は接着領域を含む素材と、
接着領域に底面が接着された固形物と
を含み、接着領域は複数の孔部を有し、接着領域と固形物の底面とが接着剤によって接着されている、製品を提供することにより、上記の課題を解決したものである。
【0026】
(1)本発明の製品
本発明の製品は、このような撥水性表面を有する素材と、この撥水性表面の接着領域に底面が接着剤で接着された固形物とを含み、接着領域が複数の孔部を有するものであれば、その他の構成、すなわち、この製品の具体的な構成は特に限定されるものではなく、以下、この製品の具体的な構成例を説明する。
【0027】
例えば、素材、接着剤および固形物の材料、さらに、素材、固形物、接着領域、および孔部の形状および大きさは、特に限定されるものではない。
【0028】
〔素材〕
素材は、固形物を接着する対象となる部材であり、撥水性表面を有し、撥水性表面が固形物を接着する接着領域を含み、接着領域が複数の孔部を有するものであれば、その他の構成は限定されず、任意であり得る。従って、素材は単層構造でも多層構造でもよい。
【0029】
(素材の構造)
本発明の素材は、撥水性表面を有するものであれば任意の素材であり得る。本発明の素材における撥水性表面は、素材の表面に撥水処理を施すことによって設けられたものであってもよいし、素材の表面に撥水性を有する材質を重ね合せることにより設けられたものであってもよい。
【0030】
撥水処理としては、特別な限定はなく、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基又はアルケニルオキシ基等の低極性の官能基や、一つ以上の水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基又はアルコキシ基等の疎水性の官能基を基板表面に導入する方法が挙げられる。また、撥水性を有する材質としては、特別な限定はなく、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスルフォン等の疎水性高分子;ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、フッ素化カーボン、ポリテトラフルオロエチレン等の塩素又はフッ素含有高分子等が挙げられる。
【0031】
本発明において用いられる素材は、皮革(例えば、牛革)、合成皮革、布、木材、紙または樹脂であり得る。本発明の素材は典型的には皮革である。皮革は、一般的に、皮革本体を構成する内側層と、皮革本体を被覆する皮革薄膜とを有し、皮革薄膜が皮革本体に比べて強い撥水性を有する構造となっている。なお、皮革に関しては、皮革薄膜、つまり、皮革本体の表面に存在する薄いコーティング膜は防水性を有し、特に銀面と呼ばれている。皮革は、本革でも合成皮革でもよいし、さらに、このような2層構造の素材は、皮革に限定されるものではなく、ゴムでもよいし、あるいは表面に撥水加工が施された布、木材、紙、あるいは樹脂でもよい。
【0032】
素材の厚みは、例えば、約0.3mm~約5mmであり得るが、これに限定されない。約0.3mm~約5mmの厚みは、衣類、ハンドバック、靴などの商品に使用される生地の一般的な厚みであり得る。このような厚みの、しかも撥水性表面を有する素材に固形物を十分な強度で接着するのは従来は困難であるという課題を本発明は解決したものである。
【0033】
特に、本発明は、柔軟性のない素材には固形物を接着剤で付けやすいが、柔軟な素材に固形物を接着剤で付け難いという課題において有用な技術であり、このような柔軟な素材に固形物を付けることができるものである。このような柔軟な素材は、衣類、ハンドバック、靴などの商品に使用される生地として用いられ、多くの場合、約0.5mm~約3mmの厚みを有している。
【0034】
(素材の孔部)
また、素材における接着領域に形成される孔部は、貫通孔でもよいし、底有の孔であってもよい。ここで、孔部の直径は、接着領域に孔部を開けるニードルの径と素材の性質から決まるものである。例えば、素材の性質によっては、ニードルの径が約0.8mmである場合でも、孔部の直径は、ニードルの径に比べるとその数分の一程度と小さい寸法、具体的には、約0.1mm程度の寸法となってしまうこともあり得る。つまり、ニードルで素材に孔を開けても、必ずしもニードルの径そのままの直径を有する孔部ができるわけではない。また、ニードルで異なる素材に孔を開ける場合、同じニードルを用いても、できる孔部の直径は素材によって異なる。
【0035】
また、孔部の開口部の形状も限定されるものではなく、任意であり得る。従って、孔部の開口部は略円形開口部には限定されず、略矩形開口部でもよい。ここで、孔部が略円形開口部を有していることは、孔部の開口部に角がなく滑らかな形状となっていることから、接着剤からの力が局部的に集中しにくく素材の孔部が破損しにくいことから好ましい。孔部の開口部の直径は、主に接着領域に孔部を開けるニードル(針)の径から決まるものであるが、このニードルの直径としては、約0.5mm~約1.5mm、より好ましくは約0.6mm~約1.0mm、典型的には約0.8mmのものが用いられる。ニードルにより形成される孔部の開口部の直径が小さいと、孔部と接着剤との接触面の面積が小さくなり、十分な接着強度が得られず、孔部からアンカーとしての接着剤が抜けてしまい、逆に、ニードルにより形成される孔部の開口部の直径が大きすぎると、アンカーとしての接着剤から素材の1つの孔部に大きな力が作用することとなり、素材の孔部が亀裂が入るなどにより破損してアンカーとしての接着剤が孔部から抜けてしまうからである。当業者は、接着したい固形物のサイズおよび素材の性質に基づいて、適宜ニードルの直径を適切に選択することができる。
【0036】
(素材の接着領域)
素材における接着領域は、複数の孔部を含み、その上に固形物が接着される領域である。接着領域の大きさ(広さ)として、約2mm2~約80mm2の面積、好ましくは約3mm2~約40mm2の面積を有する。
【0037】
接着領域の大きさは固形物の接着面の大きさにほぼ対応している。固形物が大きければ素材の撥水性表面への取付方法は様々なものがあるが、固形物が、一辺が約10mmの立方体に収まる程度の大きさの固形物である場合には、素材の撥水性表面への取付は困難である。本発明はこの困難を克服し、一辺が約10mmの立方体に収まる程度の大きさの小さな固形物であっても、素材の撥水性表面へ十分な強度で接着することを可能にした。この場合、接着領域を略円形形状とすると、その面積は、(10÷2)2×3.14=78.5(約80mm2)となる。
【0038】
また、衣類、ハンドバック、靴などの商品の生地に付けられる装飾物である固形物が接着される接着領域の面積が約2mm2より小さくなると(つまり、接触領域が円形領域である場合のその直径が約1.6mmより小さくなると)、目視による固形物の認識はしにくくなることから、そのようなサイズの固形物が接着される接着領域は、通常約2mm2(0.8×0.8×3.14=2.01)以上の面積を有するものであり得る。従って、本発明では、接着領域の面積は、約2mm2~約80mm2の範囲が有意である。
【0039】
特に、以下の実施例1、2に示すように、本発明によって、固形物の接着面積約7mm2(直径約3mm)に16個の孔を、接着面積約13mm2(直径約4mm)に40個の孔を設けることによって、素材に固形物を十分な強度で接着することができた。
【0040】
さらに、以下の実施例3に示すように固形物の接着面積が約3mm2~約40mm2(直径約2mm~約7mmの円の面積に相当)である場合において、実施例1および2よりも針の深度を浅くして小さな孔を多数設けた場合にも、素材に固形物を十分な強度で接着することができた。
【0041】
接着領域は、ここに配置する固形物によるアクセントをより微かなものとする場合は、固形物は小さくなるので、その配置領域としての接着領域は、約2mm2以下の面積を有していてもよいし、あるいは、ここに配置する固形物によるアクセントをより際立たせる場合は、固形物は大きくなるので、その配置領域としての接着領域は、約80mm2以上の面積を有していてもよい。
【0042】
接着領域は、例えば、単位面積(mm2)当たりに約2個~約11個の孔部を有する。単位面積当たりの孔部の数は固形物の大きさによって調整すべきであるが、接着領域が単位面積(mm2)当たりに約2個~約11個の孔部を有する場合に、十分な接着強度で撥水性表面へ固形物を接着できることが見いだされた。
【0043】
すなわち、固形物の接着面積(つまり接着領域の面積)が約7mm2(直径約3mmの円の面積に相当)である場合に、この接着領域に配置される孔の個数を16個としたとき、撥水性表面への固形物の接着強度として十分な強度が得られた。このときの単位面積(mm2)当たりの孔部の個数は、16÷(1.5×1.5×3.14)=2.26(約2個)として求められる。
【0044】
また、固形物の接着面積(つまり接着領域の面積)が約3.1mm2(直径約2mmの円の面積に相当)である場合に、この接着領域に配置される孔の個数を33個としたとき、撥水性表面への固形物の接着強度として十分な強度が得られた。このときの単位面積(mm2)当たりの孔部の個数は、33÷(1×1×3.14)=10.6(約11個)として求められる。
【0045】
また、1つの接着領域における孔部の数は、例えば約16個~約280個であるが、この領域に配置する固形物の大きさによっては、16個以下の孔部を有していてもよいし、280個以上の孔部を有していてもよい。
【0046】
さらに、接着領域の形状は、汎用的には略円形であることが好ましい。この場合、素材の接着領域と接着する固形物の底面を同様な略円形とすることが可能となり、つまり、固形物と素材とが接着している部分の外縁を角がなく滑らかな、両者が剥離しにくい形状とできるからである。ただし、接着領域の形状は略円形に限定されず、接着領域に配置される固形物の形状によっては略楕円形でもよいし、略四角形、略六角形などの略多角形でもよい。接着領域の形状は、固形物の底面の形状に一致した形状であることが好ましい。なぜなら、接着領域の形状が固形物の底面の形状に一致している場合、接着領域に形成されている孔部の開口縁が固形物で隠されるからである。
【0047】
〔固形物〕
固形物は、素材に接着されるものであればよく、その材質および形状は任意であり、例えば、クリスタルガラス(透明度の高い高品質なガラス)などのガラスである。なお、固形物は、これに限定されるものではなく、クリスタルガラス以外のガラスでもよいし、あるいは、宝石、水晶、石、陶器、磁器、その他のセラミックでもよいし、さらには、金属、樹脂などであってもよい。
【0048】
固形物の大きさは、一例としては、上述したように、一辺が約10mmの立方体に収まる大きさであるが、固形物は、この立方体をはみ出す大きさ(素材との接触領域の面積が約80mm2以上となるもの)を有していてもよいし、あるいは、固形物は素材との接触領域の面積が約2mm2より小さくなるものでもよい。接着領域に接着する固形物の大きさも、固形物を取り付ける商品の付加価値を考慮したデザインによって変動するからである。
【0049】
例えば、固形物は、これを取り付ける対象である商品によっては、大きなサイズのものあるいは小さなサイズのものを採用することで付加価値を高めることができる場合もあり、この場合、装飾品としての固形物は必ずしも10mmの立方体に収まる大きさのもの(接触領域の面積が約80mm2より小さいもの)には限定されないし、あるいは、接触領域の面積が約2mm2より大きいものに限定されないからである。
【0050】
固形物の形状は任意であり得るが、少なくとも接着面として機能する、略平坦な底面を有するものであり得る。
【0051】
〔接着剤〕
接着剤は、素材に固形物を接着可能なものであれば、特に限定されるものではないが、接着作業が簡単で接着精度も高いものとできることから、ホットメルト接着剤、つまり、常温では固形であり、加熱により溶融するタイプの接着剤が用いられる。ホットメルト接着剤の融点は、例えば、約130℃であるが、これには限定されず、それより高い温度(例えば、約150℃)でも、それより低い温度(例えば、約110℃)でもよい。
【0052】
ホットメルト接着剤は、引火の心配のある有機溶剤は一切含まない不燃性の接着剤である。熱を加えると液体になるが、水分や溶剤が一切入っておらず、毒性がなく、食品の容器やシール材にも使用されている。
【0053】
本発明のホットメルト接着剤としては、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)系接着剤、ポリエチレン系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリイソブチレン系接着剤、ポリエステル系接着剤などがあげられる。
【0054】
(2)製品の製造方法
さらに本発明は、素材の撥水性表面に固形物を十分な強度で接着することを可能とする構造の製品を製造する方法を得ることを課題とし、
製品を製造する方法であって、
製品は、撥水性表面を有する素材と、底面を有する固形物とを含み、
撥水性表面は、固形物の底面を接着するための接着領域を含み、
方法は、
素材の接着領域に複数の孔を開ける工程と、
接着領域上に接着剤を介して固形物を載せることにより、接着領域と固形物の底面との間に接着剤を介在させる工程と、
接着剤が溶融するように接着剤を加熱する工程と、
溶融した接着剤が固化するように冷却することにより固形物を素材に接着する工程と
を含む、製品の製造方法を提供することにより、上記の課題を達成したものである。
【0055】
このように本発明の製品の製造方法は、素材の撥水性表面を有する接着領域に固形物の底面を接着する際、接着領域に複数の孔部を形成しておき、このような接着領域に接着剤を介して固形物の底面を接着するものであれば、その他の構成は限定されるものではない。
【0056】
しかしながら、以下の実施形態では、製品の具体的構造として、皮革の撥水性表面の接着領域にクリスタルガラスの底面をホットメルト接着剤で接着した構造を示し、製品の製造方法としては、このような構造の製品を製造する方法を説明する。
【0057】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0058】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1による製品100を示す図であり、
図1(a)は、その外観を示す斜視図であり、
図1(b)は、
図1(a)のA-A線断面図である。
図2は、
図1に示す製品100を素材110と固形物120と接着剤130とに分解して示す斜視図である。
【0059】
この製品100は、撥水性表面101を有する素材110と、底面120aを有する固形物120とを含み、素材110の撥水性表面101にホットメルト接着剤130で固形物120の底面120aを接着したものである。
【0060】
ここで、素材110の撥水性表面101は、固形物120を接着するための複数の接着領域R1を含み、素材110の接着領域R1は、複数の孔部111を有している。ここでは、撥水性表面101における接着領域R1の個数は限定されるものではなく、例えば、1個でも2個でも、あるいはそれ以上の個数でもよい。なお、図面では、図示の都合上、撥水性表面101に含まれる接着領域R1の個数は2個としている。
【0061】
また、接着領域R1における孔部111の個数は、2以上であれば限定されるものではなく、上述したとおり、例えば16個~280個であるが、15個以下でも281個以上でもよい。なお、ここでは、図面では図示の都合上、4つの孔部111を示している。
【0062】
また、素材110は、素材本体110aと、素材本体110aの表面に形成された素材薄膜110bとを含み、この素材薄膜110bが素材110の表面を撥水性表面101としている。この素材薄膜110bは、素材本体110aの防水のために素材本体110aの表面を被覆するものである。
【0063】
以下具体的に説明する。
【0064】
(素材110)
素材110はここでは皮革(本革)であり、素材本体110aは、皮革の本体であり、素材薄膜110bは、皮革本体の表面を覆う薄い膜である。この素材薄膜110bは、素材110としての皮革に防水性を持たせるものであり、この素材薄膜110bにより素材110の表面は撥水性表面101となっている。
【0065】
ここで、素材薄膜110bは、皮本来の構造として本革の表面部分を形成している銀面と呼ばれる部分であってもよいし、あるいは、皮本来に備わっている銀面部分を取り除いて得られた部分(床皮部分)に、樹脂などのコーティングを施して得られたコーティング膜でもよい。
【0066】
また、素材110の厚みは、約0.3mm~約5mmである。ただし、素材110の厚みは、約0.3mmより薄くてもよいし、約5mmより厚くてもよい。なお、約0.3mm~約5mmは、上述したように、衣類、ハンドバック、靴などの商品に使用される生地の一般的な厚みであり得る。ここで、素材110には、厚みが約0.5mm~約3mmのものが柔軟性に富むことから主として用いられる。特に、皮革ではそれより厚みがあるようなものは、厚みが約0.5mm~約3mmのものと比べると、伸縮性に乏しく柔軟性も劣っている。しかしながら、実施例に示すように、このような厚みの柔軟性のある、しかも撥水性表面を有する素材に固形物を十分な強度で接着することを達成している。
【0067】
また、素材110の撥水性表面101は、固形物120を接着するための複数の接着領域R1を含み、接着領域R1は複数の孔部111を有している。なお、この孔部111は素材110を貫通した貫通孔となっている。ただし、孔部111は、底有の孔部であってもよい。
【0068】
なお、この実施形態1の製品100では、素材110は、固形物を接着する素材として典型的な皮革としているが、素材110は皮革に限定されるものではなく、合成皮革、布、樹脂または紙でもよい。
【0069】
(接着領域R1)
接着領域R1は、例えば、約2mm2~約80mm2の面積を有する。
【0070】
ここで、接着領域R1の面積の上限としての数値「約80mm2」は、本発明の対象とする固形物の大きさに基づいている。
【0071】
すなわち、固形物が、一辺が約10mmの立方体に収まる程度の大きさの固形物である場合には、素材の撥水性表面への取付は困難である。本発明はこの困難を克服し、一辺が約10mmの立方体に収まる程度の大きさの小さな固形物であっても、素材の撥水性表面へ十分な強度で接着することを可能にしたものであり、本発明の固形物は、一辺が約10mmの立方体に収まる程度の大きさを有しており、この固形物が素材に接触する接触領域を円形領域とすると、その面積が5×5×3.14=78.5(約80)mm2となる。
【0072】
また、接着領域R1の面積の下限としての数値「約2mm2」も、本発明の固形物の大きさに基づいている。
【0073】
衣類、ハンドバック、靴などの商品の生地に付けられる装飾物である固形物が接着される接着領域の面積が約2mm2より小さくなると(つまり、直径が約1.6mmより小さくなると)、目視による固形物の認識はしにくくなることから、そのようなサイズの固形物が接着される接着領域は、望ましくは、約2mm2(0.8×0.8×3.14=2.01)以上の面積を有するものとされる。
【0074】
なお、接着領域R1は、ここに配置する固形物によるアクセントをより微かなものとする場合は、約2mm2以下の面積を有していてもよいし、あるいは、ここに配置する固形物によるアクセントをより際立たせる場合は、約80mm2以上の面積を有していてもよい。
【0075】
ただし、接着領域R1には、接着剤の溶融状態での粘性が高い場合は、接着領域R1は、直径が大きな孔部を約2個/mm2以下の密度で有していてもよいし、接着剤の溶融状態での粘性が低い場合は、直径が小さな孔部を約3.5個/mm2以上の密度で有していてもよい。
【0076】
また、接着領域R1は略円形である。ただし、接着領域R1の形状は略円形に限定されず、略楕円形でもよいし、略四角形、略六角形などの略多角形でもよい。
【0077】
また、接着領域に形成される孔部は、貫通孔であるが、これに代わる底有の孔であってもよい。
【0078】
また、孔部111は、汎用的には、皮革に直径約0.5mm~約1.5mm、より好ましくは約0.6mm~約1.0mm、典型的には約0.8mmのニードルを突き刺すことで得られた大きさの略円形開口部を有する。ここで、孔部が略円形開口部を有していることは、孔部の開口部に角がなく滑らかな形状となっていることから、接着剤からの力が局部的に集中しにくく素材の孔部が破損しにくいことから好ましい。また、孔部の開口部の直径が約0.5mm~約1.5mm、より好ましくは約0.6mm~約1.0mm、典型的には約0.8mmであることは、孔部と接着剤との接触面の面積の観点からアンカーとしての接着剤が孔部から抜けにくく、固形物と素材との十分な接着強度を実現できる。つまり、孔部の開口部の直径が小さいと、孔部と接着剤との接触面の面積が小さくなり、十分な接着強度が得られず、孔部からアンカーとしての接着剤が抜けてしまう。逆に、孔部の開口部の直径が大きすぎると、アンカーとしての接着剤から素材の1つの孔部に大きな力が作用することとなり、素材の孔部が亀裂が入るなどにより破損してアンカーとしての接着剤が孔部から抜けてしまう。
【0079】
(固形物120)
ここで、固形物120はクリスタルガラスである。ただし、固形物120はクリスタルガラスに限定されず、その他のガラス、宝石、水晶などの固形物でもよい。さらに、固形物120は、石、陶器、磁器、金属、あるいは樹脂で構成されていてもよい。
【0080】
固形物120は、一辺が約10mmの立方体に収まる大きさを有する。ただし、この立方体をはみ出す大きさを有していてもよい。
【0081】
【0082】
図3~
図7は、製品100の製造方法を主要工程順に示す斜視図である。すなわち、
図3は、素材110の接着領域R1に対する孔開け工程を示し、
図4は、粘着シート20を用いた固形物120の位置決め工程を示し、
図5は、接着領域R1上に接着剤130を介して置かれた固形物120を示し、
図6は、接着剤130を加熱チャンバ30内で加熱する工程を示し、
図7は、粘着シート20を取り外す工程を示している。
【0083】
この製品100を製造する方法は、素材110に固形物120を接着する接着工程を含む。
【0084】
具体的には、接着工程では、まず、
図3に示すように、素材110を加工台10上に配置し、素材110の接着領域R1に対してニードル11を用いて孔を開ける加工を施して複数の孔部111を形成する。なお、
図3では、図示の都合上、複数の孔部111として、加工台10の前後左右に隣接するように4つの孔部111が形成された状態を示すが、1つの接着領域R1における実際の孔部の数は、上述したように、例えば16個~40個といった個数となる。
【0085】
次に、粘着シート20の粘着面20aを複数(ここでは2個)の固形物120の先端部に貼り付けることにより粘着シート20で2つの固形物120を支持した状態で、各固形物120を、素材110の接着領域R1に対して位置合わせする(
図4参照)。
【0086】
このように位置合わせを行った後、2つの固形物120を素材110の接着領域R1に載せることにより、素材110と固形物120とを、素材110の接着領域R1と固形物120の底面120aとの間に接着剤130が介在した状態とする(
図5参照)。
【0087】
その後、素材110の接着領域R1上に接着剤130を介して固形物120を載せた状態で、これらを加熱チャンバ30内に移動させる。
【0088】
具体的には、粘着シート20に貼り付けた固形物120を素材110上に配置した状態で、素材110を固形物120とともに加熱チャンバ30内の加熱台30a上に載置し、加熱チャンバ30の押えブロック30bにより粘着シート20を介して固形物120を素材110に押え付けた状態とする。
【0089】
この状態で、固形物120の底面120aに固着された接着剤130が固形物120と素材110との間で溶融するように接着剤130を加熱チャンバ30内で加熱する(
図6参照)。
【0090】
このとき、加熱温度は使用するホットメルト接着剤および素材の性質などに基づいて当業者が適宜決定することができるが、例えば約150℃~約180℃であり、これは接着剤130の溶融温度より20℃~50℃程度高い温度であり得る。加熱時間もまた、使用するホットメルト接着剤および素材の性質などに基づいて当業者が適宜決定することができるが、例えば5秒以下などの短い時間であり得る。
【0091】
この状態では、固形物120が素材110に押え付けられているので、固形物120の底面120aに固着されている接着剤130が溶融すると、接着剤130は素材110の接着領域R1に形成されている複数の孔部111内に侵入する。
【0092】
続いて、素材110を固形物120とともに加熱チャンバ30から取り出して加工台10上に載せて自然冷却する。このとき、固形物120の底面120aに固着されている接着剤130は、そこから溶け出して素材110の孔部111の内部に入り込んだ状態で固化する(
図1(b)参照)。
【0093】
その後、粘着シート110を固形物120から取り外して製品100を完成する(
図7参照)。
【実施例】
【0094】
(実施例1)
実施例1では、素材110を撥水性表面を有する厚さ1mmの皮革とし、固形物120をクリスタルガラスとした。素材110の接触領域R1の直径を約3.0mm(面積約7mm2)とし、接触領域R1における孔部111の個数を約16個として、直径0.8mmのニードルで孔部を接着領域に形成した。この場合、単位面積(mm2)当たりの孔部111の数は、約2.3個である。
【0095】
製品の美観を損なうことなく簡単な作業で、素材110の撥水性表面101に固形物120を十分な強度で接着することができた。
【0096】
(実施例2)
実施例2では、素材110を撥水性表面を有する厚さ2mmの皮革とし、固形物120をクリスタルガラスとした。素材110の接触領域R1の直径を約4.0mm(面積約13mm2)とし、接触領域R1における孔部111の個数を約40個として、直径0.8mmのニードルで孔部を接着領域に形成した。この場合、単位面積(mm2)当たりの孔部111の数は、約3.2個である。
【0097】
製品の美観を損なうことなく簡単な作業で、素材110の撥水性表面101に固形物120を十分な強度で接着することができた。
【0098】
(実施例3)
実施例3では、素材を厚さ約1mmの牛革とし、固形物として大きさの異なるいくつかのクリスタルガラスGを用いた。ここで、用いられている個々のクリスタルガラスの大きさ(接触領域の直径に相当)および個々のクリスタルガラスが接着されている接着領域での孔部の個数は、以下のとおりとした。
【0099】
直径約7mmの接触領域での孔部の個数:280個
直径約6mmの接触領域での孔部の個数:212個
直径約5mmの接触領域での孔部の個数:176個
直径約4mmの接触領域での孔部の個数:104個
直径約3mmの接触領域での孔部の個数:66個
直径約2mmの接触領域での孔部の個数:33個
図8は、厚さ約1mmの牛革に上述した大きさのクリスタルガラスGを接着した状態を示しており、この
図8からは、固形物であるいずれの大きさのクリスタルガラスGも、美観を損なうことなく、素材である牛革に接着されていることが分かる。
図9に、各接着領域における孔部のパターンを示す。黒色四角が針を刺した領域であり、線は針を移動させる軌道を示している。なお、孔部の具体的な配置はこれと異なっていたとしても十分な強度で接着できることを別の試験で確認済みである(データ示さず)。
【0100】
(比較例1)
撥水性表面を有する皮革の表面に布を積層した状態で布を接着剤で皮革に固着し、この布の上にクリスタルガラスを接着剤で接着した。この場合、布の存在が出来上がった製品の美観を損なわせることとなり、また作業も煩雑であった。
【0101】
(比較例2)
撥水性表面層と皮本体との2層構造の皮革の表面に固形物を接着した。具体的には、撥水性表面層に孔を開けて窪みを形成し、その窪みの中にクリスタルガラスを接着した。
【0102】
この方法では、撥水性表面層にあけた孔の切り口が視認できてしまうこと、色が周囲の色と異なる孔の側面の色が目立つことなどから、出来上がった製品の美観が損なわれることとなり、また作業も煩雑であった。
【0103】
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
【産業上の利用可能性】
【0104】
本発明は、素材の撥水性表面に接着剤により固形物を容易にかつ強固に接着することを可能とする構造の製品およびこのような製品の製造方法を得ることができるものとして有用である。
【符号の説明】
【0105】
10 加工台
11 ニードル
20 粘着シート
30 加熱チャンバ
30a 加熱台
30b 押えブロック
100 製品
101 撥水性表面
110 素材(皮革)
110a 素材本体
110b 素材薄膜(コーティング膜)
111 孔部
120 固形物
120a 底面
130 接着剤
R1 接着領域
【要約】
【課題】本発明の課題は、素材の撥水性表面に接着剤により固形物を容易にかつ強固に接着することを可能とする構造の製品およびこのような製品の製造方法を得ることである。
【解決手段】本発明の製品100は、撥水性表面101を有する素材110であって、撥水性表面101は接着領域R1を含む素材110と、接着領域R1に底面120aが接着された固形物120とを含み、接着領域R1は複数の孔部111を有し、接着領域R1と固形物120の底面120aとが接着剤130によって接着されている。
【選択図】
図1