(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-25
(45)【発行日】2024-02-02
(54)【発明の名称】商品陳列用ディスプレイ
(51)【国際特許分類】
A47F 5/12 20060101AFI20240126BHJP
A47F 7/08 20060101ALI20240126BHJP
【FI】
A47F5/12
A47F7/08
(21)【出願番号】P 2023073454
(22)【出願日】2023-04-27
【審査請求日】2023-04-27
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591055919
【氏名又は名称】株式会社玉俊工業所
(74)【代理人】
【識別番号】110000121
【氏名又は名称】IAT弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】友齊 信幸
(72)【発明者】
【氏名】小杉 健二
【審査官】宮部 愛子
(56)【参考文献】
【文献】実開昭50-116391(JP,U)
【文献】特開昭56-85310(JP,A)
【文献】実公昭50-29434(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47F 5/12
A47F 7/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
陳列器材に取り付けられる取付部材と、
中央部分が前記取付部材に角度調整可能に取り付けられていて、両端部分が商品の両端部分を載せて支持する支持部材と、
を備え、
前記取付部材は、
ねじ軸および押え部を有するねじ部材と、
前記ねじ軸がねじ込まれて前記押え部と共に前記中央部分を挟み込んで取り付けるねじ受部材と、
を有し、
前記中央部分は、前記支持部材の前記両端部分を結ぶ線分に対して、前記商品と反対側に曲がった形状をなしていて、前記曲がった部分は、板形状を有し、
前記中央部分には、前記ねじ軸が挿通する透孔をそれぞれ有する複数個の取付部が設けられていて、
複数個の前記取付部の前記透孔は、一連の長孔であって、前記透孔の開口部は、前記線分に向かって開口し、
隣り合う前記取付部は、前記線分の方向に並んで任意の角度で傾斜していて、板形状の前記曲がった部分が前記任意の角度に折れ曲がって形成されており、
複数個の前記取付部は、それぞれ、前記透孔を貫通した前記ねじ軸
が前記ねじ受部材にねじ込まれることによって、前記押え部と前記ねじ受部材との間に挟み込まれて前記取付部材に取り付けられて、取付角度を調整して、前記商品の前記陳列器材に対する陳列角度を調整する、
ことを特徴とする商品陳列用ディスプレイ。
【請求項2】
任意の前記取付部には、前記ねじ軸が挿通する透孔を有する追加取付部が、前記線分に対して交差する方向に、少なくとも、1個設けられていて、
前記取付部と前記追加取付部は、任意の角度で傾斜していて、
前記追加取付部の前記透孔を貫通した前記ねじ軸が前記ねじ受部材にねじ込まれて、前記押え部と前記ねじ受部材とが前記追加取付部を挟み込んで前記支持部材を取り付ける、
ことを特徴とする請求項1に記載の商品陳列用ディスプレイ。
【請求項3】
前記追加取付部は、板形状を有し、
板形状をなす前記追加取付部は、前記任意の角度に折れ曲がって形成されている、
ことを特徴とする請求項2に記載の商品陳列用ディスプレイ。
【請求項4】
複数個の前記取付部の前記透孔は、一連の長孔であり、
前記追加取付部の前記透孔は、複数個の前記取付部の前記長孔に連通する長孔である、
ことを特徴とする請求項2に記載の商品陳列用ディスプレイ。
【請求項5】
前記支持部材には、前記支持部材に支持された前記商品を、前記線分に対して交差する方向において、挟み込んで支持する追加支持部材が、設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の商品陳列用ディスプレイ。
【請求項6】
前記取付部材には、陳列器材に取り付けられる追加取付部材が、設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の商品陳列用ディスプレイ。
【請求項7】
前記取付部材には、前記支持部材に支持された前記商品を表示する商品表示部材が、設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の商品陳列用ディスプレイ。
【請求項8】
少なくとも、前記支持部材の前記両端部分には、前記支持部材に支持された前記商品の滑りを止める滑り止め部材が、設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の商品陳列用ディスプレイ。
【請求項9】
前記商品は、靴であって、
前記支持部材の前記両端部分は、前記靴の両端部分の爪先部分と踵部分とを載せて支持する、
ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の商品陳列用ディスプレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、商品陳列用ディスプレイに関する。
【背景技術】
【0002】
靴などの商品を陳列器材に陳列させる商品陳列用ディスプレイとしては、以下の特許文献1および特許文献2に開示のものがある。
【0003】
特許文献1の靴支持具は、長手方向に伸びた直方体形状の支持棒と、支持棒の基端にビス止めあるいは一体成形した円盤状の取付具と、から構成されていて、取付具に孔を穿設してある、ものである。ねじを孔に通して壁面にねじ込んで少なくとも一対の靴支持具を壁面に取り付ける。一対の靴支持具に靴を載置することにより、靴が壁面に陳列される。例えば、靴を水平、左下がりまたは右下がりの状態で、靴の組側面または平面を向けて、陳列することができる。
【0004】
特許文献2の靴の陳列用支持装置は、胴部の両側からそれぞれ二本の挟持アームを平行上に伸ばし、胴部に玉継手の軸部を接続した、ものである。挟持アームによって靴の底部を挟んで靴を固定し、玉継手のソケット部を架台に接続する。挟持アームを任意の平面内において、回転あるいは傾斜させことにより、靴のデザインに合わせて靴をあらゆる角度に支持することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】実開昭57-60566号公報
【文献】実公昭50-29434号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
かかる商品陳列用ディスプレイは、商品を陳列器材に対して任意の角度で陳列することにより、顧客に商品の特徴や魅力をアピールすることができる。このため、かかる商品陳列用ディスプレイにおいては、商品の陳列中において、商品の陳列角度がずれたりしないように、商品の陳列器材に対する陳列角度を確実に維持することが重要である。
【0007】
この発明が解決しようとする課題は、商品を陳列器材に対して任意の角度で陳列することができ、しかも、商品の陳列器材に対する陳列角度を確実に維持することができる商品陳列用ディスプレイを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の第1の観点の商品陳列用ディスプレイは、前記の課題を解決するために、陳列器材に取り付けられる取付部材と、中央部分が前記取付部材に角度調整可能に取り付けられていて、両端部分が商品の両端部分を載せて支持する支持部材と、を備え、前記取付部材は、ねじ軸および押え部を有するねじ部材と、前記ねじ軸がねじ込まれて前記押え部と共に前記中央部分を挟み込んで取り付けるねじ受部材と、を有し、前記中央部分は、前記支持部材の前記両端部分を結ぶ線分に対して、前記商品と反対側に曲がた形状をなしていて、前記中央部分には、前記ねじ軸が挿通する透孔をそれぞれ有する複数個の取付部が設けられていて、隣り合う前記取付部は、任意の角度で傾斜していて、複数個の前記取付部は、それぞれ、前記押え部と前記ねじ受部材との間に挟み込まれて前記取付部材に取り付けられて、取付角度を調整して、前記商品の前記陳列器材に対する陳列角度を調整する、ことを特徴とする。
【0009】
この発明の商品陳列用ディスプレイにおいて、複数個の前記取付部の前記透孔は、一連の長孔である、ことが好ましい。
【0010】
この発明の商品陳列用ディスプレイにおいて、任意の前記取付部には、前記ねじ軸が挿通する透孔を有する追加取付部が、前記線分に対して交差する方向に、少なくとも、1個設けられていて、前記取付部と前記追加取付部は、任意の角度で傾斜していて、前記追加取付部は、前記押え部と前記ねじ受部材との間に挟み込まれて前記取付部材に取り付けられて、前記取付角度を調整して、前記商品の前記陳列器材に対する陳列角度を調整する、ことが好ましい。
【0011】
この発明の商品陳列用ディスプレイにおいて、複数個の前記取付部の前記透孔は、一連の長孔であり、前記追加取付部の前記透孔は、複数個の前記取付部の前記長孔に連通する長孔である、ことが好ましい。
【0012】
この発明の商品陳列用ディスプレイにおいて、前記支持部材には、前記商品を、前記線分に対して交差する方向において、挟み込んで支持する追加支持部材が、設けられている、ことが好ましい。
【0013】
この発明の商品陳列用ディスプレイにおいて、前記取付部材には、前記陳列器材に取り付けられる追加取付部材が、設けられている、ことが好ましい。
【0014】
この発明の商品陳列用ディスプレイにおいて、前記取付部材には、前記商品を表示する商品表示部材が、設けられている、ことが好ましい。
【0015】
この発明の商品陳列用ディスプレイにおいて、少なくとも、前記支持部材の前記両端部分には、前記商品の滑りを止める滑り止め部材が、設けられている、ことが好ましい。
【0016】
この発明の商品陳列用ディスプレイにおいて、前記商品は、靴であって、 前記支持部材の前記両端部分は、前記靴の両端部分の爪先部分と踵部分とを載せて支持する、ことが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
この発明の商品陳列用ディスプレイは、商品を陳列器材に対して任意の角度で陳列することができ、しかも、商品の陳列器材に対する陳列角度を確実に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、この発明の商品陳列用ディスプレイの実施形態を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、商品陳列用ディスプレイの構成部品の分解状態を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、商品陳列用ディスプレイの支持部材を示す説明図である。
図3(A)は、支持部材を示す平面図である。
図3(B)は、支持部材を示す側面図(
図3(A)におけるB矢視図)である。
図3(C)は、支持部材を示す正面図(
図3(A)におけるC矢視図)である。
【
図4】
図4は、追加取付部材を有孔ボードに取り付けた状態を示す一部断面図(
図5におけるIV-IV線断面図)である。
【
図5】
図5は、商品陳列用ディスプレイを有孔ボードに取り付けた状態を示す平面図である。
【
図6】
図6は、商品陳列用ディスプレイに靴を載せて陳列している状態を示す平面図である。
【
図7】
図7は、商品陳列用ディスプレイを有孔ボードに取り付けた状態を示す側面図(
図5におけるVII-VII線矢視図)である。
【
図8】
図8は、商品陳列用ディスプレイに靴を載せて陳列している状態を示す側面図(
図6におけるVIII-VIII線矢視図)である。
【
図9】
図9は、商品陳列用ディスプレイを有孔ボードに取り付けた状態を示す正面図(
図5におけるIX矢視図)である。
【
図10】
図10は、商品陳列用ディスプレイに靴を載せて陳列している状態を示す側面図(
図6におけるX矢視図)である。
【
図11】
図11は、商品陳列用ディスプレイの支持部材の変形例を示す平面図である。
【
図12】
図12は、変形例の支持部材を示す断面図(
図11におけるXII-XII線断面図)である。
【
図13】
図13は、追加取付部材の変形例1を示す商品陳列用ディスプレイの斜視図である。
【
図14】
図14は、変形例1の追加取付部材を有孔ボードに取り付けた状態を示す一部断面図(
図4に対応する断面図)である。
【
図15】
図15は、追加取付部材の変形例2を示す商品陳列用ディスプレイの斜視図である。
【
図16】
図16は、変形例2の追加取付部材を角バーに取り付けた状態を示す一部断面図(
図4に対応する断面図)である。
【
図17】
図17は、追加取付部材の変形例3を示し、変形例3の追加取付部材を床に設置した状態の商品陳列用ディスプレイの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、この発明にかかる商品陳列用ディスプレイの実施形態(実施例)の1例を図面に基づいて説明する。
【0020】
なお、図面においては、概略図であるため、主要部分を図示し、主要部分以外の部分の図示を省略し、また、ハッチングの一部を省略し、あるいは、断面の一部を省略する。
【0021】
(実施形態の構成の説明)
図1から
図10は、この発明にかかる商品陳列用ディスプレイの実施形態を示す。以下、この実施形態にかかる商品陳列用ディスプレイ1の構成について説明する。なお、
図7から
図10において、符号「V」は、鉛直方向を示し、符号「H」は、水平方向を示す。
【0022】
この実施形態にかかる商品陳列用ディスプレイ1は、商品、この例では、靴(スニーカー)10を陳列器材100に陳列させる、シューズスタンドである。なお、以下、上下前後左右は、靴10の上下前後左右に基づいて称する。
【0023】
商品陳列用ディスプレイ1は、この例では、取付部材2と、支持部材3と、追加取付部4と、追加支持部材5と、追加取付部材6と、商品表示部材7と、滑り止め部材8と、を備える。商品陳列用ディスプレイ1の滑り止め部材8を除いた取付部材2、支持部材3、追加取付部4、追加支持部材5、追加取付部材6および商品表示部材7は、この例では、スチール製、あるいは、樹脂製から構成されている。滑り止め部材8は、この例では、ウレタンフォームから構成されている。
【0024】
(靴10の説明)
靴10は、
図6、
図8および
図10の概略図に示すように、一般的に、上側部分の甲部分(アッパー部分)11と、下側部分の底部分(ソール部分またはボトム部分)12と、から構成されている。なお、図示されている靴10は、右側の靴である。
【0025】
靴10の前側部分は、爪先部分13であり、靴10の後側部分は、踵部分14であり、靴10の中間部分は、土踏まず部分15である。土踏まず部分15の幅は、土踏まず部分15の前後の部分の幅よりも、狭い(
図6を参照)。なお、
図6の平面図においては、靴10の甲部分11の図示を省略して、靴10の底部分12を図示する。
【0026】
(陳列器材100の説明)
陳列器材100は、この例では、有孔ボードである。陳列器材100の有孔ボード(以下、「有孔ボード100」と称する)は、
図4から
図10に示すように、ボード部材101に、円形の透孔102を、複数個縦横に等間隔で設けたものである。この例におけるボード部材101は、1枚物のボード部材から構成されている。有孔ボード100は、店舗やショーウインドーの床などに垂直に立てて設置され、あるいは、店舗やショーウインドーの壁などに平行に立てて設置される。
【0027】
(取付部材2の説明)
取付部材2は、
図1、
図2、
図5、
図7から
図10に示すように、ねじ部材20と、ねじ受部材21と、樹脂製のワッシャ22と、を有する。取付部材2は、追加取付部材6を介して有孔ボード100に着脱可能に取り付けられる。
【0028】
ねじ部材20は、ねじ軸200および押え部201を有する。押え部201は、円柱形状をなしている。ねじ軸200は、押え部201の円形の一端面(下端面)に一体に設けられている。
【0029】
ねじ受部材21は、円柱形状をなしている。ねじ受部材21の外径と押え部201の外径とは、一致する。ねじ受部材21の円形の一端面(上端面)からねじ孔210が設けられている。
【0030】
ねじ部材20のねじ軸200を、上から、ワッシャ22の孔の中および支持部材3の後記の透孔330中に挿通し、ねじ受部材21のねじ孔210にねじ込む。これにより、支持部材3は、ねじ部材20の押え部201の一端面側のワッシャ22とねじ受部材21の一端面との間において、挟み込まれて取り付けられる。
【0031】
(支持部材3の説明)
支持部材3は、
図1から
図3、
図5、
図7から
図10に示すように、長尺の板形状をなす。支持部材3は、中央部分30と、両端部分31、32と、を有する。中央部分30は、取付部材2に角度調整可能に取り付けられている(
図8および
図10を参照)。両端部分31、32は、靴10の両端部分の爪先部分13、踵部分14を載せて支持する(
図8を参照)。なお、両端部分31、32のうち、爪先部分13を支持する端部分を前端部分31と称し、踵部分14を支持する端部分を後端部分32と称する。
【0032】
中央部分30は、支持部材3の前端部分31と後端部分32とを結ぶ線分、この例では、支持部材3の前後方向FB(
図3(B)、
図7および
図8を参照)に対して、靴10と反対側(下側)に曲がた形状をなしている。なお、支持部材3の前後方向FBは、長尺の板形状をなす支持部材3の長手方向である。中央部分30は、中間の谷部分300と、前側傾斜部分301と、前側水平部分302と、後側傾斜部分303と、後側水平部分304と、を有する。
【0033】
谷部分300は、支持部材3の前後方向FBと平行もしくはほぼ平行である。前側傾斜部分301は、谷部分300の一端(前端)から前端部分31側に傾斜して一体に設けられている。前側水平部分302は、前側傾斜部分301の一端(前端)から前端部分31側に支持部材3の前後方向FBと平行もしくはほぼ平行に一体に設けられている。後側傾斜部分303は、谷部分300の他端(後端)から後端部分32側に傾斜して一体に設けられている。後側水平部分304は、後側傾斜部分303の他端(後端)から後端部分32側に支持部材3の前後方向FBと平行もしくはほぼ平行に一体に設けられている。
【0034】
前端部分31の平面視形状(鉛直方向Vの上から見た形状)と後端部分32の平面視形状は、共に、半長円形形状(半円と長方形とを組み合わせた形状)をなす。前端部分31の長方形部分の一面(下面)中央は、前側水平部分302の一面(上面)に溶接などにより固定されている。後端部分32の長方形部分の一面(下面)中央は、後側水平部分304の一端(後端)の一面(上面)に溶接などにより固定されている。
【0035】
(取付部33の説明)
中央部分30の谷部分300から前側傾斜部分301にかけての個所には、複数個、この例では、4個の取付部33が設けられている。4個の取付部33には、ねじ軸200が挿通する透孔330が、それぞれ、設けられている。4個の取付部33の透孔330は、一連の長孔である。
【0036】
隣り合う取付部33は、角度θ、この例では、165°で傾斜している。4個の取付部33は、それぞれ、取付部材2のねじ軸200のねじ孔210へのねじ込みにより、ねじ部材20側のワッシャ22とねじ受部材21との間において挟み込まれて取付部材2に取り付けられる。
【0037】
取付部材2に取り付けられる取付部33を、4個の取付部33のうちの1個の取付部33を選択することにより、支持部材3の取付部材2に対する取付角度を15°ずつ4段階に調整することができる。すなわち、
図8に示すように、支持部材3の前後方向FBが水平な状態(水平方向Hと平行な状態)と、支持部材3の前後方向FBの前端部分31が水平方向Hに対して下側に(支持部材3の前後方向FBの後端部分32が水平方向Hに対して上側に)15°、30°、45°に傾斜した状態とに、調整することができる。これにより、靴10の前後方向FBの状態を、水平な状態(水平方向Hと平行な状態)と、靴10の前後方向FBの爪先部分13が水平方向Hに対して下側に(靴10の前後方向FBの踵部分14が水平方向Hに対して上側に)15°、30°、45°に傾斜した3つの状態とに、角度調整することができる。なお、
図8においては、靴10の爪先部分13が水平方向Hに対して下側に45°に傾斜した状態を示している。このように、取付部材2および支持部材3の中央部分30の取付部33は、支持部材3の取付部材2に対する取付角度を調整して、靴10の有孔ボード100に対する陳列角度を調整する角度調整部を、構成する。
【0038】
(追加取付部4の説明)
追加取付部4は、
図1から
図3、
図5、
図7から
図10に示すように、長尺の板形状をなす。追加取付部4は、谷部分300の取付部33の一側(左側)から、支持部材3の前後方向FBに対して交差する方向、この例では、支持部材3の左右方向LR(
図3(C)、
図9および
図10を参照)に突出して、1個設けられている。追加取付部4には、ねじ軸200が挿通する透孔40が、設けられている。追加取付部4の透孔40は、4個の取付部33の透孔330に連通する長孔である。
【0039】
追加取付部4と谷部分300の取付部33とは、角度θ、この例では、165°で、前側傾斜部分301および後側傾斜部分303の傾斜方向に対して反対側(下側)に傾斜している。追加取付部4は、4個の取付部33と同様に、取付部材2のねじ軸200のねじ孔210へのねじ込みにより、ねじ部材20側のワッシャ22とねじ受部材21との間において挟み込まれて取付部材2に取り付けられる。
【0040】
取付部材2に取り付けられる追加取付部4と谷部分300の取付部33とを選択することにより、支持部材3の取付部材2に対する取付角度を15°ずつ2段階に調整することができる。すなわち、
図9に示すように、支持部材3の左右方向LRが水平な状態(水平方向Hと平行な状態)と、支持部材3の左右方向LRの左側が水平方向Hに対して上側に(支持部材3の左右方向LRの右側が水平方向Hに対して下側に)15°に傾斜した状態とに、調整することができる。これにより、靴10の左右方向LRの状態を、水平の状態(水平方向Hと平行な状態)と、靴10の左右方向LRの左側が水平方向Hに対して上側に(靴10の左右方向LRの右側が水平方向Hに対して下側に)15°に傾斜した状態に、角度調整することができる。なお、
図10においては、靴10の左側が水平方向Hに対して上側に15°に傾斜した状態を示している。このように、取付部材2および支持部材3の中央部分30の追加取付部4は、前記の取付部33と共に、支持部材3の取付部材2に対する取付角度を調整して、靴10の有孔ボード100に対する陳列角度を調整する角度調整部を、構成する。
【0041】
(追加支持部材5の説明)
追加支持部材5は、
図1、
図2、
図5から
図10に示すように、左側追加支持部材50と、右側追加支持部材51と、固定ボルト52と、蝶ナット53と、スプリングワッシャー54と、を有する。追加支持部材5は、支持部材3に設けられていて、靴10を、支持部材3の前後方向FBに対して、交差する方向、この例では、支持部材3の左右方向LRにおいて、挟み込んで支持する。
【0042】
左側追加支持部材50と右側追加支持部材51は、それぞれ、長方形の板形状をなしている。左側追加支持部材50の一端部分(左端部分)と右側追加支持部材51の一端部分(右端部分)は、それぞれ、直角もしくはほぼ直角に折り曲げられている。
【0043】
左側追加支持部材50の一端(左端)には、ストッパー兼滑り止めとしての円柱形状の左側追加支持部500が一体に設けられている。左側追加支持部500の外周面には、滑り止め用のローレット加工が施されている。左側追加支持部500の中心線は、左側追加支持部材50の短手方向(前後方向FB)と平行もしくはほぼ平行である。左側追加支持部材50の他端部分(右端部分)から中間部分にかけての部分には、左側長孔501が設けられている。
【0044】
同じく、右側追加支持部材51の一端(右端)には、ストッパー兼滑り止めとしての円柱形状の右側追加支持部510が一体に設けられている。右側追加支持部510の外周面には、滑り止め用のローレット加工が施されている。右側追加支持部510の中心線は、右側追加支持部材51の短手方向(前後方向FB)と平行もしくはほぼ平行である。右側追加支持部材51の他端部分(左端部分)から中間部分にかけての部分には、右側長孔511が設けられている。
【0045】
固定ボルト52の頭部の下面が後側水平部分304の上面に溶接などにより固定されている。固定ボルト52のねじ部が後側水平部分304の下面から下側に突出している。
【0046】
固定ボルト52のねじ部に、左側追加支持部材50と右側追加支持部材51を、左側長孔501と右側長孔511を介して嵌め込み、かつ、スプリングワッシャー54を嵌め込み、さらに、蝶ナット53をねじ込む。これにより、左側追加支持部材50と右側追加支持部材51は、固定ボルト52側の後側水平部分304と蝶ナット53側のスプリングワッシャー54との間において、挟み込まれて取り付けられる。蝶ナット53を固定ボルト52に対して緩めることにより、左側追加支持部材50、右側追加支持部材51を、左側長孔501、右側長孔511の長手方向に沿って移動させることができ、かつ、固定ボルト52の中心線O周りに回転させることができる。
【0047】
(追加取付部材6の説明)
追加取付部材6は、
図1、
図2、
図4から
図6、
図9、
図10に示すように、連結棒部材60と、連結板部材61と、主ピン部材62と、補助ピン部材63と、を有する。追加取付部材6は、取付部材2に設けられていて、有孔ボード100に取り付けられる。
【0048】
連結棒部材60は、長尺の丸棒から構成されている。連結板部材61は、長円形の板から構成されている。主ピン部材62と補助ピン部材63は、有孔ボード100の隣り合う透孔102にそれぞれ嵌合する円柱形状のピンから構成されている。
【0049】
連結棒部材60の一端(右端)は、ねじ受部材21に溶接などにより固定されている。連結棒部材60の他端(左端)には、連結板部材61の一側面(右側面)の一端(上端)が溶接などにより固定されている。連結板部材61の他側面(左側面)の一端には、主ピン部材62の一端(右端)が溶接などにより固定されている。連結板部材61の他側面の他端(下端)には、補助ピン部材63の一端(右端)が溶接などにより固定されている。
【0050】
主ピン部材62と補助ピン部材63を、有孔ボード100の隣り合う透孔102に、それぞれ嵌合し、連結板部材61の他側面を有孔ボード100のボード部材101の一側面(右側面)に当てる。これにより、追加取付部材6は、有孔ボード100に着脱可能に取り付けられる。
【0051】
(商品表示部材7の説明)
商品表示部材7は、
図1、
図2、
図5から
図10に示すように、取付筒部材70と、取付棒部材71と、表示板部材72と、取付ねじ73と、を有する。商品表示部材7は、取付部材2に設けられていて、靴10のサイズ、値段、素材、メーカーなどの諸事項を表示する。
【0052】
取付筒部材70は、短尺の筒部材から構成されている。取付棒部材71は、長尺の棒部材から構成されている。表示板部材72は、長方形の板部材から構成されている。取付筒部材70の一側面(右側面)は、取付棒部材71の一端(左端)に溶接などにより固定されている。取付棒部材71の他端(右端)には、表示板部材72の一側面(左側面)が溶接などにより固定されている。表示板部材72の他側面(右側面)には、靴10のサイズ、値段、素材、メーカーなどの諸事項が記載されている。
【0053】
取付ねじ73を、下から、取付筒部材70中を挿通して、ねじ受部材21に、ねじ込む。取付筒部材70は、ねじ受部材21と取付ねじ73との間において、挟み込まれて取り付けられる。
【0054】
(滑り止め部材8の説明)
滑り止め部材8は、
図1から
図3、
図5、
図7から
図10に示すように、前端部分31の上面と後端部分32の上面に、それぞれ、接着剤などにより接着されている。滑り止め部材8は、鉛直方向Vから見て、前端部分31および後端部分32と同一もしくはほぼ同一形状をなす。滑り止め部材8は、靴10の滑りを止める。
【0055】
なお、滑り止め部材8は、この例では、ウレタンフォームから構成されているが、ウレタンフォーム以外の滑り難い材質からなるものであっても良い。また、滑り止め部材8は、左側追加支持部500の外周面および右側追加支持部510の外周面に設けても良い。さらに、滑り止め部材8は、靴10を衝撃から保護する緩衝材部材としての機能を兼ね備えている部材であっても良い。
【0056】
(実施形態の作用の説明)
この実施形態にかかる商品陳列用ディスプレイ1は、以上のごとき構成からなり、以下、作用、すなわち、靴10を有孔ボード100に陳列させる手順について説明する。
【0057】
例えば、
図8に示すように、靴10の爪先部分13が水平方向Hに対して下側に(45°に傾斜させた状態で陳列させる場合は、ねじ部材20を緩めて、支持部材3を取付部材2に対して移動させて、前端部分31から1番目の取付部33を取付部材2に位置させて、ねじ部材20をねじ込む。これにより、支持部材3の前端部分31が水平方向Hに対して下側に45°に傾斜した状態で、取付部材2に取り付けられる。
【0058】
なお、前端部分31から2番目の取付部33を取付部材2に取り付けることにより、支持部材3の前端部分31が水平方向Hに対して下側に30°に傾斜した状態で、取付部材2に取り付けられる。また、前端部分31から3番目の取付部33を取付部材2に取り付けることにより、支持部材3の前端部分31が水平方向Hに対して下側に15°に傾斜した状態で、取付部材2に取り付けられる。さらに、谷部分300の取付部33を取付部材2に取り付けることにより、支持部材3は、水平な状態で取付部材2に取り付けられる。このように、靴10の前後方向FBの状態を、爪先部分13が下側に45°、30°、15°に傾斜した状態と、水平な状態とに、角度調整することができる。
【0059】
ここで、支持部材3を取付部材2に対して移動させる時に、支持部材3の4個の取付部33の透孔330が一連の長孔であるから、取付部材2のねじ軸200を長孔の透孔330の中に挿通させたままの状態で、支持部材3を取付部材2に対して移動させることができる。すなわち、4個の取付部33の透孔330が一連の長孔ではなく独立した孔の場合には、取付部材2のねじ部材20のねじ軸200をねじ受部材21のねじ孔210および支持部材3の取付部33の透孔330から一旦抜いてから、支持部材3を取付部材2に対して移動させ、その後、ねじ軸200を透孔330およびねじ孔210に挿通させてねじ込む必要がある。このように、透孔330が一連の長孔であるから、独立した孔のような手間を省略することができる。
【0060】
また、例えば、
図10に示すように、靴10の左側が水平方向Hに対して上側に15°に傾斜した状態で陳列させる場合は、ねじ部材20を緩めて、支持部材3を取付部材2に対して移動させて、追加取付部4を取付部材2に位置させて、ねじ部材20をねじ込む。これにより、支持部材3の左側が水平方向Hに対して上側に15°に傾斜した状態で、取付部材2に取り付けられる。また、追加取付部4から谷部分300の取付部33に換えて、谷部分300の取付部33を取付部材2に取り付けることにより、支持部材3は、水平な状態で取付部材2に取り付けられる。このように、靴10の左右方向LRの状態を、靴10の左側が上側に15°に傾斜した状態と水平な状態とに、角度調整することができる。
【0061】
なお、支持部材3を取付部材2に対して移動させる時に、支持部材3の取付部33の透孔330と追加取付部4の透孔40が一連の長孔であるから、前記において説明したように、取付部材2のねじ軸200を長孔の透孔330、40の中に挿通させたままの状態で、支持部材3を取付部材2に対して移動させることができ、独立した孔のような手間を省略することができる。
【0062】
次に、靴10の底部分12の爪先部分13と踵部分14を、支持部材3の前端部分31の滑り止め部材8と後端部分32の滑り止め部材8に、載せる。それから、追加支持部材5の蝶ナット53を緩めて、左側追加支持部材50、右側追加支持部材51を、それぞれ、左側長孔501、右側長孔511の長手方向に沿って移動させ、かつ、固定ボルト52の中心線O周りに回転させる。そして、左側追加支持部500、右側追加支持部510を、それぞれ、靴10の底部分12の土踏まず部分15の左側、右側に当てて、蝶ナット53を締め付ける。すると、追加支持部材5の左側追加支持部材50、右側追加支持部材51は、支持部材3の中央部分30の後側水平部分304に取り付けられる。これにより、靴10は、支持部材3と共に追加支持部材5により支持されていて、靴10の前後方向FBが水平方向Hに対して45°に、あるいは、靴10の左右方向LRが水平方向Hに対して15°に、それぞれ、傾斜していても、滑ることなく、傾斜した状態を維持できる。
【0063】
そして、追加取付部材6の主ピン部材62および補助ピン部材63を、有孔ボード100の隣り合う透孔102に、それぞれ、挿入する。これにより、商品陳列用ディスプレイ1は、追加取付部材6を介して有孔ボード100に取り付けられ、靴10は、商品陳列用ディスプレイ1を介して有孔ボード100に陳列される。
【0064】
なお、追加取付部材6を有孔ボード100に取り付ける作業と、支持部材3を取付部材2に傾斜させてまたは水平のままで取り付ける作業と、靴10を支持部材3および追加支持部材5に支持させる作業との手順は、前記と別個の手順であっても良い。
【0065】
(実施形態の効果の説明)
この実施形態にかかる商品陳列用ディスプレイ1は、以上のごとき構成および作用からなり、以下、その効果について説明する。
【0066】
この実施形態にかかる商品陳列用ディスプレイ1において、取付部材2がねじ部材20とねじ受部材21とを有し、支持部材3には、角度θ(165°)で傾斜している4個の取付部33が、設けられている。この結果、この実施形態にかかる商品陳列用ディスプレイ1は、ねじ部材20を取付部33を介してねじ受部材21にねじ込んで、取付部33をねじ部材20とねじ受部材21との間に挟み込むことにより、支持部材3を取付部材2に、支持部材3の前後方向FBが水平方向Hに対して45°、30°、15°に傾斜させた状態と、水平な状態とに取り付けることができる。
【0067】
しかも、この実施形態にかかる商品陳列用ディスプレイ1は、ねじ部材20のねじ軸200を取付部33の透孔330に挿通させてねじ受部材21のねじ孔210にねじ込んで、取付部33をねじ部材20とねじ受部材21との間に挟み込むものであるから、支持部材3を取付部材2に確実に取り付けることができる。すなわち、支持部材3の取付部材2に対する傾斜状態を確実に維持することができる。
【0068】
以上から、この実施形態にかかる商品陳列用ディスプレイ1は、支持部材3を取付部材2に角度調整して取り付け、支持部材3に靴10を支持させ、かつ、取付部材2を有孔ボード100に取り付けることにより、靴10を有孔ボード100に対して任意の角度(靴10の前後方向FBが水平方向Hに対して45°、30°、15°、0°)で陳列することができ、しかも、靴10の有孔ボード100に対する陳列角度を確実に維持することができる。このように、この実施形態にかかる商品陳列用ディスプレイ1は、靴10の陳列中において、靴10の陳列角度がずれたりすることがないので、顧客に靴10の特徴や魅力をアピールすることができる。
【0069】
また、この実施形態にかかる商品陳列用ディスプレイ1において、支持部材3が、複数個の取付部33が設けられている中央部分30と、靴10の爪先部分13、踵部分14を載せて支持する前端部分31、後端部分32と、を有し、中央部分30が前端部分31、後端部分32を結ぶ前後方向FBに対して靴10と反対側に曲がた形状をなしている。これにより、この実施形態にかかる商品陳列用ディスプレイ1は、支持部材3の中央部分30を取付部材2に取り付け、かつ、靴10の爪先部分13、踵部分14を支持部材3の前端部分31、後端部分32に支持させた時に、
図8に示すように、取付部材2が支持部材3の前端部分31、後端部分32を結ぶ前後方向FBに対して靴10と反対側に位置するので、靴10と取付部材2との相互干渉が無い。
【0070】
この実施形態にかかる商品陳列用ディスプレイ1において、4個の取付部33の透孔330が一連の長孔であるから、取付部材2のねじ軸200を長孔の透孔330の中に挿通させたままの状態で、支持部材3を取付部材2に対して移動させることができる。この結果、この実施形態にかかる商品陳列用ディスプレイ1は、独立した孔の場合のような手間、すなわち、ねじ部材20をねじ受部材21のねじ孔210および取付部33の透孔330から一旦抜いてから、支持部材3を取付部材2に対して移動させ、その後、ねじ部材20を透孔330およびねじ孔210に挿通させてねじ込む手間、を省略することができる。
【0071】
この実施形態にかかる商品陳列用ディスプレイ1において、谷部分300の取付部33には、透孔40を有する追加取付部4が、支持部材3の左右方向LRに設けられていて、取付部33と追加取付部4が、角度θ(165°)で傾斜している。この結果、この実施形態にかかる商品陳列用ディスプレイ1は、追加取付部4を取付部材2に取り付けることにより、支持部材3を取付部材2に、支持部材3の左右方向LRが水平方向Hに対して任意の角度(15°)で傾斜させた状態と、水平な状態とに、確実に取り付けることができる。これにより、この実施形態にかかる商品陳列用ディスプレイ1は、靴10を有孔ボード100に対して任意の角度(靴10の左右方向LRが水平方向Hに対して15°、0°)で陳列することができる。
【0072】
この実施形態にかかる商品陳列用ディスプレイ1において、追加取付部4の透孔40が、4個の取付部33の一連の長孔である透孔330に、連通する長孔である。この結果、この実施形態にかかる商品陳列用ディスプレイ1は、前記において説明したように、取付部材2のねじ軸200を長孔の透孔330、40の中に挿通させたままの状態で、支持部材3を取付部材2に対して移動させることができ、独立した孔のような手間を省略することができる。
【0073】
この実施形態にかかる商品陳列用ディスプレイ1において、支持部材3には、靴10を、支持部材3の左右方向LRにおいて、挟み込んで支持する追加支持部材5が、設けられている。この結果、この実施形態にかかる商品陳列用ディスプレイ1は、靴10を支持部材3と共に追加支持部材5により支持することにより、靴10を前後方向FB、左右方向LRに任意の角度で傾斜させても、靴10が滑ることなく、傾斜した状態の靴10を確実に支持することができ、靴10の傾斜状態を維持することができる。
【0074】
この実施形態にかかる商品陳列用ディスプレイ1において、取付部材2には、有孔ボード100に取り付けられる追加取付部材6が、設けられている。この結果、この実施形態にかかる商品陳列用ディスプレイ1は、追加取付部材6を有孔ボード100に取り付けることにより、取付部材2、支持部材3、追加取付部4および追加支持部材5を、追加取付部材6を介して、有孔ボード100に取り付けることができ、靴10を、任意の角度で傾斜させた状態で、有孔ボード100に陳列することができる。
【0075】
この実施形態にかかる商品陳列用ディスプレイ1において、取付部材2には、靴10を表示する商品表示部材7が、設けられている。この結果、この実施形態にかかる商品陳列用ディスプレイ1は、有孔ボード100に任意の角度で傾斜させた状態で陳列されている靴10のサイズ、値段、素材、メーカーなどの諸事項を、表示板部材72を介して、表示かつ明示することができ、靴10の販売の促進を向上させることができる。
【0076】
この実施形態にかかる商品陳列用ディスプレイ1において、支持部材3の前端部分31、後端部分32には、靴10の滑りを止める滑り止め部材8が、設けられている。この結果、この実施形態にかかる商品陳列用ディスプレイ1は、滑り止め部材8により、靴10を前後方向FB、左右方向LRに任意の角度で傾斜させても、靴10が滑ることなく、傾斜した状態の靴10を確実に支持して靴10の傾斜状態を維持することができる。しかも、この実施形態にかかる商品陳列用ディスプレイ1は、滑り止め部材8が緩衝材部材としての機能を兼ね備えていれば、滑り止め部材8により靴10を衝撃から保護することができる。
【0077】
【0078】
前記の実施形態の支持部材3は、谷部分300の取付部33の左側から、1個の追加取付部4を、支持部材3の左右方向LRに突出して設けたものである。これに対して、この変形例の支持部材3Aは、谷部分300の取付部33の左側から、3個の追加取付部4を、支持部材3Aの左右方向LRに突出して設け、また、前端部分31から1番目の取付部33の右側から、1個の追加取付部4を、支持部材3Aの左右方向LRに突出して設け、さらに、前端部分31から2番目の取付部33の左側から、1個の追加取付部4を、支持部材3Aの左右方向LRに突出して設けたものである。すなわち、この変形例の支持部材3Aは、5個の追加取付部4を設けたものである。
【0079】
5個の追加取付部4には、ねじ軸200が挿通する透孔40が、それぞれ、設けられている。左側3個の追加取付部4の透孔40は、谷部分300の取付部33の長孔の透孔330に連通する長孔である。右側1個の追加取付部4の透孔40は、1番目の取付部33の長孔の透孔330に連通する長孔である。左側1個の追加取付部4の透孔40は、2番目の取付部33の長孔の透孔330に連通する長孔である。
【0080】
この変形例の支持部材3Aは、以上の如き構成からなるものであるから、靴10の状態を、有孔ボード100に対して任意の角度で陳列することができる。すなわち、靴10の前後方向FBが水平方向Hに対して0°において、靴10の左右方向LRが水平な状態と、靴10の左右方向LRの左側が水平方向Hに対して上側に15°、30°、45°に傾斜した状態とに、陳列することができる。
【0081】
また、靴10の前後方向FBの前端部分31が水平方向Hに対して下側に30°に傾斜した状態おいて、靴10の左右方向LRが水平な状態と、靴10の左右方向LRの左側が水平方向Hに対して上側に15°に傾斜した状態とに、陳列することができる。
【0082】
さらに、靴10の前後方向FBの前端部分31が水平方向Hに対して下側に45°に傾斜した状態おいて、靴10の左右方向LRが水平な状態と、靴10の左右方向LRの左側が水平方向Hに対して上側に15°に傾斜した状態とに、陳列することができる。
【0083】
前記のように、この変形例の支持部材3Aは、以上の如き構成および作用からなるものであるから、靴10の状態を、有孔ボード100に対して任意の角度かつ多種多様の角度で陳列することができる。
【0084】
(変形例1の追加取付部材6Aの説明)
以下、変形例1の追加取付部材6Aを、
図13および
図14を参照して説明する。
図13および
図14中、
図1から
図12と同符号は、同一のものを示す。
【0085】
変形例1の追加取付部材6A(有孔ボード用受具であって、特許第7097121号公報を参照)は、連結棒部材60A(受パーツ部)と、連結板部材61A(受本体部)と、を有する。連結棒部材60Aは、長尺の丸棒から構成されている。連結棒部材60Aの一端(右端)は、ねじ受部材21に溶接などにより固定されている。連結棒部材60Aの他端部分(左端部分)は、上側に直角あるいはほぼ直角に折り曲げられていて、連結板部材61Aの一側面(右側面)に溶接などにより固定されている。
【0086】
連結板部材61Aの一端面(上端面)の前後部には、一対の連結部62Aが左側に直角あるいはほぼ直角に折り曲げられている。一対の連結部62Aには、一対の裏面係止部63Aが上側に直角あるいはほぼ直角に折り曲げられている。連結板部材61Aの他端面(下端面)には、表面係止部64Aが左側に直角あるいはほぼ直角に折り曲げられている。
【0087】
一対の裏面係止部63Aを、有孔ボード100の左右に隣り合う透孔102の中に通して、有孔ボード100の裏面(左側の面)に係止させる。一対の連結部62Aを有孔ボード100の左右に隣り合う透孔102の中に位置させる。表面係止部64Aを有孔ボード100の表面(右側の面)に係止させる。これにより、変形例1の追加取付部材6Aは、有孔ボード100に着脱可能に取り付けられる。
【0088】
前記のように、この変形例1の追加取付部材6Aは、以上の如き構成および作用からなるものであるから、前記の追加取付部材6と同様に、取付部材2、支持部材3、追加取付部4および追加支持部材5を、有孔ボード100に取り付けることができ、靴10を、任意の角度で傾斜させた状態で、有孔ボード100に陳列することができる。
【0089】
(変形例2の追加取付部材6Bの説明)
以下、変形例2の追加取付部材6Bを、
図15および
図16を参照して説明する。
図15および
図16中、
図1から
図14と同符号は、同一のものを示す。
【0090】
変形例2の追加取付部材6Bは、陳列器材としての角バー100Bに着脱可能に取り付けられる。変形例2の追加取付部材6Bは、連結棒部材60Bと、取付部材61Bと、取付ねじ62Bと、を有する。
【0091】
連結棒部材60Bは、長尺の丸棒から構成されている。連結棒部材60Bの一端(右端)は、ねじ受部材21に溶接などにより固定されている。
【0092】
取付部材61Bは、上水平板部と、下水平板部と、上水平板部の一端(右端)と下水平板部の一端(右端)の間に一体に連結されている右側垂直板部と、上水平板部の他端(左端)から下側に直角あるいはほぼ直角に折り曲げられている左側垂直板部と、を有する。上水平板部と下水平板部の間の寸法は、角バー100Bの上下寸法より大きい。右側垂直板部と左側垂直板部の間の寸法は、角バー100Bの左右寸法と同等あるいは若干大きい。下水平板部には、ねじ孔63Bが設けられている。ねじ孔63Bの中には、取付ねじ62Bがねじ込まれている。
【0093】
取付部材61Bを角バー100Bに外側から嵌め込む。取付ねじ62Bをねじ込んで、取付部材61Bの上水平板部と取付ねじ62Bのねじ軸の先端部分との間において角バー100Bの上下両側面を挟み込む。これにより、変形例2の追加取付部材6Bは、有孔ボード100に着脱可能に取り付けられる。
【0094】
前記のように、この変形例2の追加取付部材6Bは、以上の如き構成および作用からなるものであるから、前記の追加取付部材6および変形例1の追加取付部材6Aと同様に、取付部材2、支持部材3、追加取付部4および追加支持部材5を、有孔ボード100に取り付けることができ、靴10を、任意の角度で傾斜させた状態で、有孔ボード100に陳列することができる。
【0095】
(変形例3の追加取付部材6Cの説明)
以下、変形例3の追加取付部材6Cを、
図17を参照して説明する。
図17中、
図1から
図16と同符号は、同一のものを示す。
【0096】
変形例3の追加取付部材6Cは、陳列器材としての床100Cの上に着脱可能に設置される。変形例3の追加取付部材6Cは、ポール(支柱)60Cと、スタンド(台)61Cと、を有する。
【0097】
ポール60Cの一端部分(上端部分)には、ねじ孔が設けられている。ねじ部材20のねじ軸がねじ受部材21を挿通してポール60Cのねじ孔にねじ込まれている。ポール60Cの他端部分(下端部分)は、スタンド61Cの一面(上面)の中央に取り付けられている。スタンドの他面(下面)は、床100C上に配置されている。これにより、変形例3の追加取付部材6Cは、陳列器材としての床100Cの上に着脱可能に設置される。
【0098】
前記のように、この変形例3の追加取付部材6Cは、以上の如き構成および作用からなるものであるから、前記の追加取付部材6、変形例1の追加取付部材6Aおよび変形例2の追加取付部材6Bと同様に、取付部材2、支持部材3、追加取付部4および追加支持部材5を、床100Cに設置することができ、靴10を、任意の角度で傾斜させた状態で、床100Cから立てて浮かした状態で陳列することができる。
【0099】
(実施形態、変形例以外の例の説明)
なお、この発明は、前記の実施形態、変形例により限定されるものではない。たとえば、有孔ボード100は、1枚物のボード部材101から構成されている。しかしながら、この発明においては、有孔ボード100は、複数枚物のボード部材から構成されていても良いし、また、複数枚物のボード部材のうち1枚のボード部材が磁性体から構成されていても良い。この場合において、主ピン部材62の先端部分に磁石を設けことにより、追加取付部材6と有孔ボード100との取付が容易かつ確実となる。
【0100】
また、追加支持部材5において、固定ボルト52および蝶ナット53により、左側追加支持部材50、右側追加支持部材51を移動、回転可能に取り付けるものである。しかしながら、この発明においては、固定ボルト52および蝶ナット53の代わりに、ダイヤルを回すことでベルトやワイヤーが緩んだり締まったりするダイヤルタイプのワイヤー締付装置(特快2022-054379号公報を参照)を使用しても良い。
【符号の説明】
【0101】
1 商品陳列用ディスプレイ
10 靴(商品)
11 甲部分
12 底部分
13 爪先部分
14 踵部分
15 土踏まず部分
100 有孔ボード(陳列器材)
101 ボード部材
102 透孔
100B 角バー(陳列器材)
100C 床(陳列器材)
2 取付部材
20 ねじ部材
200 ねじ軸
201 押え部
21 ねじ受部材
210 ねじ孔
22 ワッシャ
3、3A 支持部材
30 中央部分
300 谷部分
301 前側傾斜部分
302 前側水平部分
303 後側傾斜部分
304 後側水平部分
31 前端部分
32 後端部分
33 取付部
330 透孔
4 追加取付部
40 透孔
5 追加支持部材
50 左側追加支持部材
500 左側追加支持部
501 左側長孔
51 右側追加支持部材
510 右側追加支持部
511 右側長孔
52 固定ボルト
53 蝶ナット
54 スプリングワッシャー
6、6A、6B、6C 追加取付部材
60 連結棒部材
61 連結板部材
62 主ピン部材
63 補助ピン部材
60A 連結棒部材
61A 連結板部材
62A 連結部
63A 裏面係止部
64A 表面係止部
60B 連結棒部材
61B 取付部材
62B 取付ねじ
63B ねじ孔
60C ポール
61C スタンド
7 商品表示部材
70 取付筒部材
71 取付棒部材
72 表示板部材
73 取付ねじ
8 滑り止め部材
FB 前後方向
H 水平方向
LR 左右方向
O 中心線
V 鉛直方向
θ 角度
【要約】
【課題】商品を陳列器材に対して任意の角度で陳列することができ、しかも、商品の陳列器材に対する陳列角度を確実に維持することができる商品陳列用ディスプレイを提供することにある。
【解決手段】この発明の商品陳列用ディスプレイ1は、取付部材2がねじ部材20とねじ受部材21とを有し、支持部材3には、角度θ(165°)で傾斜している4個の取付部33が、設けられている。この結果、この発明の商品陳列用ディスプレイ1は、靴10を有孔ボード100に対して任意の角度で陳列することができ、しかも、靴10の有孔ボード100に対する陳列角度を確実に維持することができる。
【選択図】
図1