(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-25
(45)【発行日】2024-02-02
(54)【発明の名称】超音波位置決め装置、システム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61N 5/10 20060101AFI20240126BHJP
【FI】
A61N5/10 M
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019011844
(22)【出願日】2019-01-28
【審査請求日】2021-08-27
(32)【優先日】2018-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】518000132
【氏名又は名称】エレクタ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100087479
【氏名又は名称】北野 好人
(72)【発明者】
【氏名】マーシル,フランソワ
【審査官】羽月 竜治
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0209599(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0308400(US,A1)
【文献】国際公開第2015/119120(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0302890(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 5/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波プローブを放射線治療台上の患者の解剖学的構造の近くに位置決めするためのシステムであって、
上面および下面に嵌合部が形成されたインデックスバーであって、前記下面の嵌合部は
、前記放射線治療台上に形成され
、前記下面の嵌合部に対応する噛み合い機構に係合されるインデックスバーと、
オーバーレイであって、
前記オーバーレイの長手方向に沿って形成された嵌合部を有し、前記嵌合部が前記インデックスバーの上面の嵌合部に嵌合することにより位置決めされ、中央ガイド領域を確定するオーバーレイと、
前記オーバーレイの前記中央ガイド領域に挿入されるプローブホルダであって、前記オーバーレイの前記中央ガイド領域内でガイドされて前記長手方向に並進するプローブホルダと、
前記プローブホルダの前記中央ガイド領域に配置されるクランプであって、前記プローブホルダと前記オーバーレイとの間の摩擦力を増大させて前記プローブホルダを前記オーバーレイに固定するクランプと、
前記オーバーレイの前記中央ガイド領域内の前記プローブホルダに結合された超音波プローブと、
前記オーバーレイの隆起部分に固定された一対
の膝クッションと、
前記患者の足首を支持する一対の足首サポートであって、前記オーバーレイの前記中央ガイド領域に移動可能に連結される一対の足首サポートと
を有し
前記超音波プローブが前
記膝クッションの間であって前記患者の会陰に近接させることができるように構成されている
ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
請求項1記載のシステムにおいて、
前記オーバーレイ
の前記中央ガイド領域はガイドを含み、
前
記ガイドは、互いに内向きに面し、かつ前記長手方向に沿った並進運動中に前記プローブホルダを案内するように配置された長手方向溝を含む一対のレールを含み、
前
記ガイドは、互いに外向きに面し、かつ前
記膝クッションと係合するように配置された長手方向溝を含む一対のレールを含む
ことを特徴とするシステム。
【請求項3】
請求項2記載のシステムにおいて、
前記一対の足首サポートは、前
記ガイドの少なくともひとつの外側に面する溝と接触する突起を含む
ことを特徴とするシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]
この出願は、発明者がフランソワ・マーシルであり、発明の名称が超音波位置決め装置であり、2018年1月29日に出願された米国仮特許出願第62/623,463号の優先権の利益を享受し、この仮特許出願の全体の内容は参照することにより組み込まれる。
【0002】
[0002]
本出願の主題の実施形態は、一般的に、患者の解剖学的構造の近傍にある超音波装置を位置決めするためのシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]
放射線療法は、哺乳動物(例えば、ヒトおよび動物)の組織における癌および他の病気を治療するために使用される。放射線療法の例は、線形加速器(LINAC)を使用して提供され、それによって標的(例えば、腫瘍)は、放射線ビーム中の高エネルギー粒子(例えば、電子、光子、イオンなど)によって照射される。LINACベースの放射線治療の一例では、複数の放射線ビームが異なる角度からターゲットに向けられる。腫瘍が処方された放射線を受けることを確実にするために放射線ビームの配置と線量は正確に制御されるべきであり、ビームの配置は、リスク臓器(OAR)と呼ばれる周囲の健康な組織へのダメージを最小にするようにあるべきである。
【0004】
[0004]
放射線ビームによって引き起こされる可能性がある深刻な付随的な損傷からOARを防ぐために、これらのOARが受ける線量は一定のレベルに制限されるべきである。OARが受ける線量に対するそのような制限は、しばしば制約条件と呼ばれ、放射線治療計画の間に満たされる必要がある。
【0005】
[0005]
治療計画は、制約条件下で治療目標を実施するための1つまたは複数の特定の放射線治療パラメータ(例えば、放射ビーム角度、各角度における放射強度レベルなど)の決定を含むプロセスである。典型的な治療計画プロセスは、患者の医用画像から1つまたは複数のターゲットおよび1つまたは複数のOARを描写すること、放射ビーム角度、またはアーク計画の場合には角度範囲を特定すること、および開口形状または複数の形状および各ビーム角度における各形状の放射強度レベルを決定することを含む。超音波撮像は、治療計画中に使用することができる医療撮像(例えば、2D超音波、3D超音波、4D超音波)の一種である。超音波撮像は、また、標的またはOARが動いたかどうかをリアルタイムで判定するためなど、放射線治療中に使用することもできる。
【0006】
[0006]
特定の放射線治療システムでは、治療計画または患者の放射線治療中に患者の解剖学的構造の超音波画像を取得するために、患者を放射線治療台の上に配置し、超音波プローブを患者の解剖学的構造の近位に配置することができる。
【0007】
[0007]
本願発明者らは、とりわけ、超音波プローブを放射線治療台にインデックスにより割り付けることができ、さらに、患者が放射線治療台の上にいるときに中央にアクセスして位置決めすることができる放射線治療システムを提供することによって、超音波プローブを位置決めするプロセスを大幅に改善できることを認識した。
【発明の概要】
【0008】
[0008]
一態様では、本開示は、超音波プローブホルダと放射線治療台との間に可動インターフェースを提供するためのオーバーレイを特徴とすることができる。オーバーレイは、上面を含む実質的に平面のベースを含むことができる。オーバーレイは、また、例えばオーバーレイの長手方向軸に沿って超音波プローブホルダの並進移動を案内するために、ベースの上面に沿って長手方向に延びる中央に位置する細長いガイドを含むことができる。細長いガイドは、オーバーレイの長手方向軸に沿った並進運動中に超音波プローブホルダを案内するように構成された長手方向溝を含むことができる。細長いガイドは、互いに中心に面し、オーバーレイの長手方向軸に沿った並進運動中に超音波プローブホルダを案内するように配置されたそれぞれの長手方向溝を含む一対のレールを含むことができる。細長いガイドは、互いに外向きに面し、少なくともひとつの患者サポートクッションと係合するように配置された、それぞれの長手方向溝を含む一対のレールを含むことができる。オーバーレイは、また、放射線治療台と直接または間接的に係合することができるインデックス付き係合機構、オーバーレイのベースの第1の下端に位置するハンドル、およびオーバーレイのベースの反対側の2番目の上端でベースの底面に位置する1つまたは複数のグライドを含むことができる。インデックス付き係合機構は、放射線治療台と係合する割り出しバーと係合するように構成することができる。細長いガイドの第1の下側端部は、プローブホルダの一部の溝への進入および係合を可能にし、ユーザにより一方向の入口と捕捉部材の結合を解除することなく溝から出るのを阻止するような一方向の進入および捕捉部材を含むことができ、細長いガイドの第2の上側端部は、溝からプローブホルダの出口を防ぐための停止部を含むことができる。ベースは、中央に配置された細長いガイドから横方向に反対方向に延びる脚部支持ベース領域を含むことができ、その脚部支持ベース領域は、それぞれの膝サポートクッションの縦方向および横方向のインデックス付きを提供し、それぞれの脚サポートクッションの縦方向配置の調整を提供するように構成されている。一対の外向きの縦方向の溝は、それぞれの脚クッションの調整可能な縦方向の配置を提供するように構成することができる。オーバーレイは、また、ベースの第2の上側端部での複数の開口部を含むことができ、一対の開口部は、放射線治療台に対してベースを粗く位置決めするためのハンドルを提供するように構成されている。
【0009】
[0009]
一態様では、本開示は、対象と放射線治療台との間に可動のインデックス付き調整可能インターフェースを提供するためのオーバーレイを特徴とすることができる。オーバーレイは、上面および下面を含む実質的に平面のベースを含むことができる。オーバーレイは、また、ベースの長手方向下方端部の上面に配置されたハンドルを含むことができる。オーバーレイは、また、ベースの反対側の長手方向端部の底部側に配置された1つまたは複数のグライドを含むことができる。オーバーレイは、また、放射線治療台と直接または間接的に係合するような、インデックス付けされた係合機能を含むことができる。インデックス付けされた係合機構は、放射線治療台と係合するインデックスバーと係合するように構成することができる。1つまたは複数のグライドは、ベースの長手方向下側端部の底面に配置され、長手方向に沿ったベースの移動に対する抵抗をもたらすように構成された第1群のグライドと、ベースの長手方向上側端部の底面に配置され、長手方向に沿ったベースの移動を可能にするように構成された第2群の長手方向グライドを含むことができる。
【0010】
[0010]
一態様では、本開示は、超音波プローブホルダの位置を放射線治療台にインデックス付けするオーバーレイを用いる方法を特徴とし、オーバーレイは上面を含む実質的に平面のベースを含み、また、オーバーレイは超音波プローブホルダの並進運動をオーバーレイの長手方向軸に沿って案内するためのベースの上面に沿って長手方向に延びる中央に位置する細長いガイドを含む。方法は、放射線治療台上のインデックス付けされた位置にオーバーレイを位置決めすることを含むことができる。方法は、また、オーバーレイの中央領域内からオーバーレイの長手方向軸に沿って超音波プローブホルダの並進移動を案内することを含むことができる。方法は、また、オーバーレイの長手方向軸に沿った長手方向溝を使用して、オーバーレイの中央領域内から超音波プローブホルダの並進移動を案内することを含むことができる。方法は、また、オーバーレイの長手方向軸に沿って互いに中心に面するそれぞれの長手方向溝を含む一対のレールを使用して、オーバーレイの中央領域内から超音波プローブホルダの並進移動を案内することを含むことができる。方法は、また、互いに離れるように外向きに面する、それぞれの長手方向溝を使用して少なくともひとつの患者サポートクッションに係合することを含むことができる。方法は、また、オーバーレイのベースの第1の下方端部に配置されたハンドルと、オーバーレイのベースの反対側の上部の第2の端部においてベースの底部側に配置された1つまたは複数のグライドを使用して、インデックス付き係合機構を係合せずにオーバーレイを位置決めすること、オーバーレイを1つまたは複数のインデックス付き係合機構と係合するように配置することを含みことができる。放射線治療台へのインデックス付きの係合を提供することは、放射線治療台およびオーバーレイと係合するインデックスバーを使用することを含むことができる。
【0011】
[0011]
一態様では、本開示は、超音波プローブを位置決めするためのプローブホルダを特徴とすることができる。プローブホルダは、被験者の脚の下にあるように配置されている外側領域の間に位置している中央領域に長手方向に並進し、中央領域からユーザアクセスおよびユーザ制御されるために、放射線治療台またはその上に重なる中央領域に結合されるように構成されたプローブホルダ本体を含むことができる。プローブホルダは、また、プローブホルダを中央領域の並進経路に沿った特定の位置に位置決めするように構成されたクランプを含むことができる。プローブホルダは、また、プローブホルダ本体の中央部分内に配置された回転可能なクランプであって、プローブホルダ本体とオーバーレイとの間の摩擦力を増大させて、プローブホルダを特定の位置で中央領域の並進パス沿って位置決めする回転可能なクランプを含むことができる。プローブホルダは、また、長手方向に沿って整列された横方向外向き突起であって、オーバーレイの対応する長手方向溝と接合し、長手方向に沿ってプローブ本体を調整するように構成された外向き突起を含むことができる。プローブホルダは、また、長手方向に沿って整列した半円形断面を有する横方向外向き半球状突起であって、オーバーレイの対応する長手方向V字溝と接触し、縦方向に沿ってプローブ本体の調整を提供するように構成された外向き半球状突起を含むことができる。プローブホルダは、また、超音波プローブがプローブホルダと係合するときに超音波プローブを定位置に保持し、ユーザによる作動するときい超音波プローブを解放するように構成された格納式フラップを含むことができる。プローブホルダは、また、プローブホルダ本体の中央部分内に配置された回転可能なノブであって、回転可能なノブの下のディスクの比較的高い部分に係合するとオーバーレイに力を加えて、外向き突起を提供する回転可能なノブを含むことができる。回転可能なノブは、第1の方向への回転に応答して、プローブホルダの外向きの突起とオーバーレイの対応する長手方向の溝との間の隙間を減少させるように構成することができる。回転可能なノブは、第1の方向へのさらなる回転に応答して、プローブホルダの外向きの突起とオーバーレイの対応する長手方向の溝との間の隙間を増大させるように構成することができる。回転可能なノブは、第1の方向におけるさらなる回転または第1の方向とは反対の第2の方向における回転に応答して、プローブホルダの外向きの突起とオーバーレイの対応する長手方向の溝との間の隙間を増大させるように構成することができる。プローブホルダは、また、オーバーレイに対して超音波プローブを長手方向に並進移動させ、放射線治療台またはその上のオーバーレイの中央領域内からユーザがアクセスしてユーザが制御されるように構成された、回転可能で長手方向に整列した部材を含むことができる。回転可能な長手方向に整列された部材は、回転可能な長手方向に整列された部材へのアクセスを提供するために超音波プローブの反対側に配置され、放射線治療台の中央領域またはその上のオーバーレイ内からユーザがアクセスしてユーザが制御するように配置される。
【0012】
[0012]
一態様では、本開示は、超音波プローブを放射線治療台またはその上のオーバーレイの中央領域内の長手方向の並進経路に沿った特定の位置に位置決めするためにプローブホルダを使用する方法を特徴とすることができる。中央領域は、患者の脚の下にあるように配置された側方領域間に位置する。方法は、中央領域内から、プローブを患者の一部に向かって長手方向に並進させるためのプローブホルダをユーザがアクセスし、ユーザから制御することを含むことができる。方法は、また、中央領域内から、中央領域内の並進経路に沿った特定の位置にプローブホルダを固定することを含むことができる。方法は、また、プローブ上のアクチュエータに関連する摩擦力を増大させるためにクランプ上でアクチュエータを回転させることを含むことができる。プローブを長手方向に並進させることは、対応する長手方向溝と接合するために横方向外向きの突起を使用することを含むことができる。クランプすることは、溝内の隙間を減らすことを含むことができる。方法は、また、並進経路上への挿入時にプローブを自動的に係合させること、または保持すること、および並進経路から除去されたときにプローブのユーザ起動解除を必要とすることを含むことができる。締め付けることは、可変高さを有するディスクの比較的高い部分に係合するようにノブを回転させることを含むことができる。方法は、また、中央領域内からプローブホルダをアンクランプすることを含むことができ、アンクランプすることは、可変の高さを有するディスクの比較的低い部分に係合するようにノブを回転させることを含む。締め付け解除することは、締め付けのための回転とは反対方向にノブを回転させることを含むことができる。方法は、また、並進経路に沿ったプローブホルダの長手方向位置の全体調整からの別の作動を使用して、並進経路に沿ったプローブホルダの縦方向位置を微調整することを含むことができる。微調整することは、患者の下となるように構成されたプローブホルダの側面からアクセス可能であり得る。
【0013】
[0013]
一態様において、本開示は、患者の下半身のサポートを特徴とすることができる。サポートは、一対の別々の膝サポートを含むことができ、個々の膝サポートは膝の後ろから患者の膝を収容するように形作られた部分を含み、一対の膝サポートは超音波プローブホルダを収容できる空間を提供するように形作られ配置される。サポートは、また、オーバーレイの隆起した取り付け部分に対応する凹部を有する一対の膝サポートを含むことができ、個々の膝サポートの凹部は、オーバーレイの対応する取り付け部分と係合するためのインデックス付き係合機構を含む。サポートは、また、オーバーレイの陥凹部に対応する突出部を有する一対の膝サポートを含むことができ、個々の膝サポートの突出部は、オーバーレイの対応する陥凹部と係合するためのインデックス付き係合機構を含む。一対の膝サポートの間の空間は、患者の会陰へのアクセスを可能にすることができる。サポートは、また、後ろから患者の足首を収容するように形作られた部分を含む一対の別々の足首サポートと、放射線治療台用のオーバーレイの対応する機能と係合するための横方向スライドとを含むことができる。サポートは、また、膝サポートの個々とオーバーレイとの間に挿入されるように成形されて、オーバーレイに対する膝サポートの高さを増大させることができる。ブースターは、足首サポートクッションとオーバーレイとの間に挿入されるように成形されて、オーバーレイに対する足首サポートクッションの高さを増大させることができる。一対の足首サポートは、個々の足首サポートの底面の凹部を含み、超音波プローブホルダのための隙間を提供することができる。
【0014】
[0014]
一態様では、本開示は、患者の下半身を支持する方法を特徴とすることができる。方法は、放射線治療台上の第1の膝サポートまたはその上のオーバーレイ上に、第1の膝の後ろから患者の第1の膝を支持することを含むことができる。方法は、また、放射線治療台上の第2の膝サポートまたはその上のオーバーレイ上に、第2の膝の後ろから患者の第2の膝を支持することを含むことができる。方法は、また、対向側部の側方領域に配置されている第1および第2の膝サポートによって形成された中央領域内でプローブホルダを介して患者へのアクセスを提供することを含むことができる。方法は、また、個々の膝サポートのインデックス付き係合機構を使用して、第1および第2の膝サポートを放射線治療台またはその上のオーバーレイ上に重ね合わせることを含むことができる。方法は、また、第1の膝サポートと第2の膝サポートとの間の空間内で患者の会陰へのアクセスを提供することを含むことができる。方法は、また、放射線治療台またはその上のオーバーレイ上の足首サポート上で、足首の後ろから患者の足首を別々に支持し、長手方向トラックに沿って足首サポートの長手方向の調整を可能にすることを含むことができる。方法は、また、第1または第2の膝サポートの少なくともひとつとオーバーレイとの間にブースターを挿入して、オーバーレイに対する第1または第2の膝サポートの少なくともひとつの高さを増大させることを含むことができる。方法は、また、足首サポートとオーバーレイとの間にブースターを挿入して、オーバーレイに対する足首サポートの高さを増大させることを含むことができる。ブースターの個々の例は、第1または第2の膝サポートおよび足首サポートと共に選択的に使用されるように適合させることができる。
【0015】
[0015]
一態様では、本開示は、患者の下半身を支持する方法を特徴とすることができる。方法は、超音波プローブホルダを収容することができる空間をそれらの間に提供するように形成および配置された膝サポートを使用して患者の膝を支持することを含むことができる。方法は、また、膝サポートの陥凹部分を使用して、膝サポートをオーバーレイの隆起マウント部にインデックスを付けることを含むことができる。方法は、また、膝サポート間の空間を介して患者の会陰へのアクセスを提供することを含むことができる。方法は、また、オーバーレイの外側溝に沿って長手方向に一対の足首サポートの長手方向の位置を調整することを含むことができる。方法は、また、膝サポートとオーバーレイとの間にブースターを挿入して、オーバーレイに対して膝サポートの高さを増大させることを含むことができる。方法は、また、足首サポートとオーバーレイとの間にブースターを挿入して、オーバーレイに対する足首サポートの高さを増大させることを含むことができる。
【0016】
[0016]
一態様では、本開示は、超音波プローブを患者の解剖学的構造の近くに放射線治療台上に位置決めするためのシステムを特徴とすることができる。システムは、放射線治療台に対して実質的に平面のベースを直接または間接的にインデックス付けするための係合機構とベースの上面に沿って長手方向に延びる中央に配置されたガイドとを含む実質的に平面のベースを含むことができる。システムは、また、実質的に平坦なベースの中央領域に結合され、長手方向に並進移動し、その中でユーザアクセスおよびユーザ制御されるように構成されたプローブホルダを含むことができる。システムは、また、プローブホルダを実質的に平坦なベースの中央領域の並進経路に沿った特定の位置に配置するように構成されたクランプを含むことができる。システムは、また、患者の脚を後ろから収容するように形作られた脚サポートを含むことができ、一対の脚サポートは、超音波プローブホルダを収容することができる空間を一対の脚サポート間に提供するように形作られ配置される。システムは、また、実質的に平坦なベースと放射線治療台との間に横方向に整列した界面を提供するためのインデックスバーを含むことができ、インデックスバーは放射線治療台のスロットと係合するための底面側の突起と実質的に平坦なベースと係合するための上面側の突起を有する。中央に配置されたガイドは、中央に向かい合ってベースの縦軸に沿って並進移動中にプローブホルダを案内するように配置された長手方向の溝を含む一対のレールを含むことができる。中央に配置されたガイドは、互いに外方に向かい少なくともひとつの患者サポートクッションと係合するように配置された長手方向の溝を含む一対のレールを含むことができる。システムは、また、患者の足首を収容するように形作られた部分と、中央に位置するガイドの少なくともひとつの外向き溝と接触するための後向きの内向き突起とを含む一対の足首サポートを含むことができる。内向き突起は一対の足首サポートの長手方向位置の調整を可能にすることができる。放射線治療台はインデックスバーにインデックスを付けることができるスケールを含むことができる。実質的に平坦なベースは、プローブホルダおよび足首サポートにインデックス付けすることができるスケールを含むことができる。システムは、また、プローブホルダの中空中央部分内に配置されたクランプを含むことができる。クランプは、プローブホルダと実質的に平坦なベースとの間の摩擦力を増大させるように構成されている。システムは、また、プローブホルダ本体の中央部分内に配置された回転可能なノブを含むことができる。回転可能なノブは、回転可能なノブの下にディスクの比較的高い部分に係合するときに実質的に平坦なベースに力を加えて、外向きの突起を提供するように構成されている。
【0017】
[0017]
一態様では、本開示は、放射線療法のために超音波プローブを放射線治療台の上の患者の解剖学的構造の近くに位置決めする方法を特徴とすることができる。方法は、照射台上の印を付けた位置にインデックスバーを配置することを含むことができる。方法は、また、オーバーレイの第1のマークされた位置にインデックスバーに対してオーバーレイを配置することを含むことができる。方法は、また、患者を放射線治療台およびオーバーレイ上に配置することを含むことができる。方法は、また、オーバーレイの隆起部分に一対の膝クッションを取り付けることを含むことができる。方法は、また、オーバーレイの第2のマークされた位置にインデックスバーに対してオーバーレイを配置するようにオーバーレイの位置を調整することを含むことができる。方法は、また、プローブホルダをオーバーレイの中央ガイド領域に結合することを含むことができる。方法は、また、オーバーレイの中央ガイド領域内で超音波プローブをプローブに結合することを含むことができる。方法は、また、患者の足首を支持するために一対の足首クッションの位置を調整することを含むことができる。方法は、また、超音波プローブを患者の会陰に近接させるためにプローブホルダの位置を長手方向に調整することを含むことができる。方法は、また、放射線治療台のマークされた位置およびオーバーレイのマークされた位置を記録することを含むことができる。方法は、また、放射線治療台からオーバーレイおよびインデックスバーを取り除くことを含むことができる。方法は、また、記録されマークされた位置を使用してインデックスバーおよびオーバーレイを配置することを含むことができる。方法は、また、プローブホルダの長手方向位置を調整するために放射線治療台の中央領域内からプローブホルダにアクセスしてそれを制御することを含むことができる。方法は、また、プローブホルダの中央領域内に配置されたアクチュエータを回転させて、第1の方向の回転に応答してプローブホルダの外側に面する突起とオーバーレイの対応する長手方向溝との間の摩擦力を増大させることを含むことができる。方法は、また、プローブホルダの中央領域内に配置されたアクチュエータを回転させてプローブホルダに関連する摩擦力を増大させることを含むことができる。方法は、また、患者の膝の後ろ側を支持するように一対の膝クッションを個別に調整することを含むことができる。方法は、また、並進経路への挿入時に超音波プローブを自動的に係合させるかまたは保持すること、および並進経路から取り外されたときに超音波プローブのユーザ起動解除を必要とすることを含むことができる。方法は、また、オーバーレイの長手方向軸に沿った長手方向溝を使用して、オーバーレイの中央ガイド領域内からプローブホルダの並進移動を案内することを含むことができる。方法は、また、互いに反対方向に向いているオーバーレイのそれぞれの長手方向溝を使用して一対の足首クッションを係合させることを含むことができる。方法は、また、オーバーレイの第1の端部に配置されたハンドルと、オーバーレイの反対側の第2の端部にオーバーレイの底面に配置された1つまたは複数のグライドとを使用してオーバーレイを位置決めし、その後、ひとつまたはそれ以上のインデックス付き係合機構と係合するようにオーバーレイを配置することを含むことができる。
【0018】
[0018]
上記の概要は、本特許出願の主題の概要を提供することを意図している。それは、本発明の排他的または網羅的な説明を提供することを意図するものではない。発明の詳細な説明には本特許出願に関するさらなる情報を提供することが含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
[0019]
必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではない図面において、類似の数字はいくつかの図面において実質的に類似の構成要素を示す。
異なる文字接尾辞を有する類似の数字は、実質的に類似の構成要素の異なる例を示す。
図面は、一例であり限定ではないが、一般的に本明細書で説明した様々な実施形態を示す。
【0020】
[0020]
【
図1】
図1は、本開示のいくつかの実施形態による放射線治療システムの一部の例を示す図である。
【0021】
[0021]
【
図2】
図2は、治療ビームを提供するように構成された放射線療法出力を含み得る放射線療法システムの部分の例を示す図である。
【0022】
[0022]
【
図3A】
図3Aは、超音波位置決めシステムの部分の一例を示す図である。
【
図3B】
図3Bは、超音波位置決めシステムの部分の一例を示す図である。
【0023】
[0023]
【
図4】
図4は、超音波位置決めシステムを使用する方法の一例を示す図である。
【0024】
【0025】
[0025]
【
図6】
図6は、オーバーレイを使用する方法の部分の例を示す図である。
【0026】
[0026]
【
図7A】
図7Aは、超音波プローブホルダの一部の例を示す図である。
【0027】
[0027]
【
図7B】
図7Bは、超音波プローブホルダ内のクランプ機構の部分の例を示す図である。
【
図7C】
図7Cは、超音波プローブホルダ内のクランプ機構の部分の例を示す図である。
【0028】
[0028]
【
図8】
図8は、超音波プローブホルダを使用する方法の一部の例を示す図である。
【0029】
[0029]
【
図9A】
図9Aは、患者サポートクッションの例を示す図である。
【
図9B】
図9Bは、患者サポートクッションの例を示す図である。
【
図9C】
図9Cは、患者サポートクッションの例を示す図である。
【
図9D】
図9Dは、患者サポートクッションの例を示す図である。
【
図9E】
図9Eは、患者サポートクッションの例を示す図である。
【
図9F】
図9Fは、患者サポートクッションの例を示す図である。
【
図9G】
図9Gは、患者サポートクッションの例を示す図である。
【
図9H】
図9Hは、患者サポートクッションの例を示す図である。
【
図9I】
図9Iは、患者サポートクッションの例を示す図である。
【0030】
[0030]
【
図10】
図10は、1つまたは複数の患者サポートクッションを使用する方法の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
[0031]
特定の放射線治療システムでは、患者は、放射線治療台により提供されるように表面上に位置決めすることができ、超音波プローブは、患者の治療計画または放射線治療中に患者の解剖学的構造の超音波画像を取得するように患者の解剖学的構造に対して位置決めすることができる。超音波プローブは、放射線治療計画または放射線治療の過程にわたって何度も配置し直さなければならないことがある。
【0032】
[0032]
本願発明者は、とりわけ、超音波プローブを配置するプロセスは、超音波プローブは、放射線治療台に対してインデックス付けすることができ、さらに患者が放射線治療台にいる間に集中的にアクセスして位置決めすることができる放射線治療システムを提供することによって大幅に改善されることを認識している。例えば、患者のワークフローを改善する(例えば、各患者がより短時間でより正確に治療されることを可能にする)ような、患者と超音波探触子とを位置決めすることができる速度および精度を改善させるようなことである。放射線治療台の片側だけから超音波探触子にアクセスすることは、扱いにくいかまたは非効率的である一方、放射線治療台の両側からの中央アクセスは、アクセスの容易さおよび使用を改善するのに役立ち得る。これは治療計画セッションまたは治療手順をより効率的にすることができる。
【0033】
[0033]
図1は、患者に放射線療法を提供するための放射線療法システム100の一例を示す図である。放射線治療システム100は、画像処理装置112を含む、またはそれと結合することができる。画像処理装置112は、ローカル通信またはワイドエリア通信または他のネットワーク120のうちの1つまたは複数に接続することができる。例えば、ネットワーク120はインターネット122に接続することができる。ネットワーク120は、画像処理装置112を、データベース124、病院データベース126、腫瘍学情報システム(OIS)128、放射線治療装置130、画像取得装置132、表示装置134、および表示装置134、またはユーザーインターフェース136のうちの1つまたは複数と接続することができる。画像処理装置112は、放射線治療装置130によって使用される1つまたは複数の放射線療法治療計画142を生成するために使用されるように構成することができる。
【0034】
[0034]
画像処理装置112は、メモリ装置116、プロセッサ114、および通信インターフェース118を含むことができる。メモリ装置116は、オペレーティングシステム143、1つまたは複数の放射線療法治療計画142(例えば、オリジナルの治療計画、適応治療計画など)、ソフトウェアプログラム144(例えば、人工知能、ディープラーニング、ニューラルネットワーク、放射線治療計画ソフトウェア)、またはプロセッサ114によって実行される他の任意のコンピュータ実行可能命令のような、コンピュータ実行可能命令を格納することができる。一実施形態では、ソフトウェアプログラム144は、擬似CT画像などの1つまたは複数の合成画像を生成することなどによって、あるフォーマットの医療画像(たとえばMRI)を別のフォーマット(たとえばCT)に変換することができる。例えば、ソフトウェアプログラム144は、あるモダリティ(例えば、MRI画像)の中間画像146を異なるモダリティ(例えば、擬似CT画像)の合成画像に変換するための予測モデルを訓練するような画像処理プログラムを含むことができる。あるいは、訓練された予測モデルはCT画像をMRI画像に変換することができる。別の実施形態では、ソフトウェアプログラム144は、対応する画像ボクセルおよび線量ボクセルがネットワークで適切に関連付けられるように、患者画像(例えばCT画像またはMR画像)をその患者線量分布(これは画像として表すこともできる)に登録することができる。さらに別の実施形態では、ソフトウェアプログラム144は、符号付き距離関数または画像情報のいくつかの態様を強調する画像の処理済みバージョンなど、患者画像の1つまたは複数の機能を置き換えることができる。このような機能は、ボクセルテクスチャにおけるエッジまたは差異、あるいはニューラルネットワーク学習に有用な他の任意の構造的側面を強調することができる。別の実施形態では、ソフトウェアプログラム144は、線量情報のいくつかの局面を強調することができる線量分布の1つまたは複数の機能を代用することができる。そのような機能は、標的の周囲の急勾配、またはニューラルネットワーク学習に有用な他の任意の構造的側面を強調することができる。メモリ装置116は、医用画像146、患者データ145、および放射線療法治療計画142を作成し実施するのに有用な他のデータを含むデータを記憶することができる。
【0035】
[0035]
ソフトウェアプログラム144を記憶しているメモリ装置116に加えて、ソフトウェアプログラム144は、ハードドライブ、コンピュータディスク、CD-ROM、DVD、HD、ブルーレイDVD、USBフラッシュドライブ、SDカード、メモリースティック、またはその他の適切な媒体のような取り外し可能なコンピュータ媒体に記憶することができると考えられる。そして、ソフトウェアプログラム144は、画像処理装置112にダウンロードされると、画像プロセッサ114によって実行することができる。
【0036】
[0036]
プロセッサ114は、メモリ装置116と通信可能に結合されてもよく、プロセッサ114は、格納されているコンピュータ実行可能命令を実行するように構成されてもよい。プロセッサ114は、メモリ装置116に医用画像146を送信又は受信することができる。例えば、プロセッサ114は、通信インターフェース118およびネットワーク120を介して画像取得装置132から医用画像146を受信してメモリ装置116に格納することができる。プロセッサ114は、また、メモリ装置116に格納された医用画像146を、通信インターフェース118を介してネットワーク120に送信し、データベース124または病院データベース126に格納することができる。
【0037】
[0037]
さらに、プロセッサ114は、医用画像146および患者データ145と共にソフトウェアプログラム144(例えば治療計画ソフトウェア)を利用して放射線療法治療計画142を作成することができる。医用画像146は、関心セグメンテーションデータの患者の解剖学的領域、器官、または体積に関連する画像データのような情報を含むことができる。患者データ145は、(1)機能的臓器モデル化データ(例えば、直列対並列臓器、適切な用量反応モデルなど)、(2)放射線量データ(例えば、線量-体積ヒストグラム(DVH)情報)または(3)患者および治療経過(例えば、他の手術、化学療法、以前の放射線療法など)に関する他の臨床情報のような情報を含むことができる。
【0038】
[0038]
さらに、プロセッサ114は、例えばニューラルネットワークモデルによって使用される更新されたパラメータなどの中間データを生成するため、あるいは、中間の2Dまたは3D画像を生成するためにソフトウェアプログラムを利用することができる。それらはその後メモリ装置116に格納されることができる。プロセッサ114はその後、通信インターフェース118を介して実行可能な放射線療法治療計画142をネットワーク120から放射線治療装置130へ送信することができる。放射線療法計画は患者を放射線で治療するために使用されることになる。さらに、プロセッサ114は、画像変換、画像分割、深層学習、ニューラルネットワーク、および人工知能などの機能を実施するためのソフトウェアプログラム144を実行することができる。例えば、プロセッサ114は、医用画像を訓練または輪郭を描くソフトウェアプログラム144を実行することができる。そのようなソフトウェア144は、実行されると、境界検出器を訓練する、または形状辞書を利用することができる。
【0039】
[0039]
プロセッサ114は、処理装置であることができ、マイクロプロセッサ、中央処理装置(CPU)、グラフィック処理装置(GPU)、加速処理装置(APU)、または高速処理装置(APU)などの1つまたは複数の汎用処理装置を含むことができる。より具体的には、プロセッサ114は、複合命令セット計算(CISC)マイクロプロセッサ、縮小命令セット計算(RISC)マイクロプロセッサ、超長命令語(VLIW)マイクロプロセッサ、他の命令セットを実装するプロセッサ、または命令セットの組み合わせであることができる。プロセッサ114は、また、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、システムオンチップ(SoC)などのような1つまたは複数の特殊目的処理デバイスによって実現されてもよい。当業者には理解されるように、いくつかの実施形態では、プロセッサ114は、汎用プロセッサではなく、専用プロセッサであってもよい。プロセッサ114は、Intel(登録商標)により製造されたPentium(登録商標)、Core(登録商標)、Xeon(登録商標)、またはItanium(登録商標)ファミリーであってもよく、AMD(登録商標)により製造されたTurion(登録商標)、Athlon(登録商標)、Sempron(登録商標)、Opteron(登録商標)、FX(登録商標)、Phenom(登録商標)ファミリーであってもよく、Sun Microsystemsによって製造された様々なプロセッサのいずれかであってもよい。プロセッサ114は、また、Nvidia(登録商標)により製造されたGeForce(登録商標)、Quadro(登録商標)、Tesla(登録商標)ファミリー、Intel(登録商標)により製造されたGMA、Iris(登録商標)ファミリー、AMD(登録商標)により製造されたRadeon(登録商標)ファミリーのようなグラフィック処理ユニットを含んでもよい。プロセッサ114は、また、Intel(登録商標)により製造されたXeonPhi(登録商標)ファミリーのような加速処理ユニットを含んでもよい。開示された実施形態は、本明細書に開示された方法を実行するために大量のデータを識別、分析、維持、生成、および/または提供する計算命令を実行するように構成されたいかなるタイプのプロセッサにも限定されない。さらに、「プロセッサ」という用語は、複数のプロセッサ、例えばマルチコア回路設計またはそれぞれがマルチコア設計を有する複数のプロセッサを含むことができる。プロセッサ114は、メモリ装置116に格納されている一連のコンピュータプログラム命令を実行して、以下でさらに詳細に説明する様々な動作、プロセス、方法を実行することができる。
【0040】
[0040]
メモリ装置116は医用画像146を記憶することができる。いくつかの実施形態では、医用画像146は、1つまたは複数のMRI画像(例えば、2DMRI、3DMRI、2DストリーミングMRI、4DMRI、4D体積測定MRI、4DシネMRIなど)、機能的MRI画像(例えば、fMRI、DCE-MRI、拡散MRI)、コンピュータ断層撮影(CT)画像(例えば、2DCT、コーンビームCT、3DCT、4DCT)、超音波画像(例えば、2D超音波、3D超音波、4D超音波)、陽電子放出断層撮影(PET)画像、X線画像、蛍光透視法画像、放射線治療ポータル画像、単一光放出型コンピュータ断層撮影(SPECT)画像、コンピュータ生成合成画像(例えば、擬似CT画像)などを含むことができる。さらに、医用画像146は、また、医用画像データ、例えば、トレーニング画像、グラウンドトゥルース画像、輪郭画像、および線量画像を含むことができる。一実施形態では、医用画像146を画像取得装置132から受け取ることができる。したがって、画像取得装置132は、MRI撮像装置、CT撮像装置、PET撮像装置、超音波撮像装置、蛍光透視装置、SPECT撮像装置、一体型線形加速器およびMRI撮像装置、または患者の医療画像を得るための他の医療画像装置を含むことができる。医用画像146は、開示された実施形態と一致する動作を実行するために画像処理装置112が使用することができる任意の種類のデータまたは任意の種類のフォーマットで受信され、格納されることができる。メモリ装置116は、読み出し専用メモリ(ROM)、相変化ランダムアクセスメモリ(PRAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、フラッシュメモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、シンクロナスDRAM(SDRAM)のようなダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EEPROM)、他の種類のランダムアクセスメモリと同様のスタティックメモリ(例えば、フラッシュメモリ、フラッシュディスク、スタティックランダムアクセスメモリ)、キャッシュ、レジスタ、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)または他の光学記憶装置、カセットテープ、他の磁気記憶装置、または、画像、データ、または、プロセッサ114または他の任意のタイプのコンピュータデバイスによってアクセスされることができるコンピュータ実行可能命令(例えば、任意のフォーマットで格納される)を含む情報を格納するために用いることができる他の非一時的媒体のような非一時的コンピュータ可読媒体であってもよい。コンピュータプログラム命令は、プロセッサ114によってアクセスされ、ROM、または任意の他の適切なメモリ位置から読み出され、プロセッサ114による実行のためにRAMにロードされることができる。例えば、メモリ装置116は、1つまたは複数のソフトウェアアプリケーションを記憶することができる。メモリ装置116に格納されたソフトウェアアプリケーションは、例えば、一般的なコンピュータシステムおよびソフトウェア制御装置用のオペレーティングシステム143を含むことができる。さらに、メモリ装置116は、プロセッサ114によって実行可能なソフトウェアアプリケーション全体、またはソフトウェアアプリケーションの一部のみを格納することができる。例えば、記憶装置116は1つまたは複数の放射線療法治療計画142を記憶することができる。
【0041】
[0041]
画像処理装置112は、通信インターフェース118を介してネットワーク120と通信することができ、通信インターフェース118は、プロセッサ114およびメモリ装置116に通信可能に結合することができる。通信インターフェース118は、画像処理装置112と放射線治療システム100の構成要素間の通信接続(例えば、外部装置とのデータ交換を可能にする)を提供することができる。例えば、通信インターフェース118は、いくつかの実施形態では、ユーザが放射線システム100に情報を入力するためのハードウェアキーボード、キーパッド、またはタッチスクリーンであり得るユーザーインターフェース136に接続するための適切なインターフェース回路を有することができる。
【0042】
[0042]
通信インターフェース118は、例えば、ネットワークアダプタ、ケーブルコネクタ、シリアルコネクタ、USBコネクタ、パラレルコネクタ、高速データ伝送アダプタ(例えば、ファイバ、USB3.0、サンダーボルトなど)、無線ネットワークアダプタ(例えば、WiFiアダプタなど)、電気通信アダプタ(例えば、3G、4G/LTEなど)などを含むことができる。通信インターフェース118は、画像処理装置112がネットワーク120を介して遠隔地にある構成要素などの他の機械および装置と通信することを可能にする1つまたは複数のデジタルおよび/またはアナログ通信装置を含むことができる。
【0043】
[0043]
ネットワーク120は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、無線ネットワーク、クラウドコンピューティング環境(例えば、サービスとしてのソフトウェア、サービスとしてのプラットフォーム、サービスとしてのインフラストラクチャなど)、クライアントサーバ、ワイドエリアネットワーク(WAN)などの機能を提供することができる。例えば、ネットワーク120は、他のシステムS1(138)、S2(140)、S3(141)を含み得るLANまたはWANでもよい。システムS1、S2、S3は、画像処理装置112と同一でもよく、または異なるシステムでもよい。いくつかの実施形態では、ネットワーク120内の1つまたは複数のシステムは、本明細書で説明されている実施形態を協調して実行する分散コンピューティング/シミュレーション環境を形成することができる。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のシステムS1、S2、S3は、CT画像(たとえば医用画像146)を取得するCTスキャナを含むことができる。さらに、ネットワーク120は、インターネット122に接続されて、インターネット上に遠隔に存在するサーバおよびクライアントと通信することができる。
【0044】
[0044]
したがって、ネットワーク120は、画像処理装置112と、OIS128、放射線治療装置130、および画像取得装置132などの他のさまざまなシステムおよび装置との間のデータ伝送を可能にすることができる。さらに、OIS128および/または画像取得装置132によって生成されたデータは、メモリ装置116、データベース124、および/または病院データベース126に格納することができる。データは、必要に応じて、プロセッサ114によってアクセスされるように、通信インターフェース118を介してネットワーク120を介して送信/受信されることができる。
【0045】
[0045]
画像処理装置112は、ネットワーク120を介してデータベース124と通信し、データベース124に格納されている複数の様々な種類のデータを送信/受信することができる。例えば、データベース124は、放射線治療装置130、画像取得装置132、または放射線療法に関連する他の機械に関する情報である機械データを含むことができる。機械データ情報は、放射ビームサイズ、アーク配置、ビームオンおよびオフ時間、機械パラメータ、セグメント、マルチリーフコリメータ(MLC)構成、ガントリー速度、MRIパルスシーケンスなどを含むことができる。データベース124は記憶装置であることができ、適切なデータベース管理ソフトウェアプログラムを装備することができる。当業者であれば、データベース124が集中的または分散的に配置された複数の装置を含むことができることを理解するであろう。
【0046】
[0046]
いくつかの実施形態では、データベース124はプロセッサ可読記憶媒体(図示せず)を含むことができる。一実施形態におけるプロセッサ可読記憶媒体は単一の媒体であり得るが、「プロセッサ可読記憶媒体」という用語は、コンピュータ実行可能命令またはデータの1つまたは複数の組を格納する単一の媒体または複数の媒体(例えば、集中型または分散型データベース、および/または関連するキャッシュおよびサーバ)を含むと解釈されるべきである。「プロセッサ可読記憶媒体」という用語は、また、プロセッサによる実行のために一組の命令を記憶または符号化することができ、プロセッサに本開示の任意の1つまたは複数の方法論を実行させる任意の媒体を含むものと解釈される。したがって、「プロセッサ可読記憶媒体」という用語は、それだけには限らないが、固体メモリ、光媒体および磁気媒体を含むものと解釈されるものとする。例えば、プロセッサ可読記憶媒体は、1つまたは複数の揮発性、非一時的、または不揮発性の有形のコンピュータ可読媒体とすることができる。
【0047】
[0047]
画像プロセッサ114は、データベース124と通信して、メモリ装置116に画像を読み込むか、またはメモリ装置116からデータベース124に画像を格納することができる。例えば、データベース124は、データベース124が画像取得装置132から受信した複数の画像(例えば、3DMRI、4DMRI、2DMRIスライス画像、CT画像、2D透視画像、X線画像、MRスキャンまたはCTスキャンからの生データ、医学におけるデジタル画像化および通信(DIMCOM)データなど)を格納するように構成されることができる。データベース124は、ソフトウェアプログラム144を実行するとき、または放射線療法治療計画142を作成するときに画像プロセッサ114によって使用されるデータを記憶することができる。データベース124は、ネットワークによって学習されたモデルを構成するネットワークパラメータおよび結果として得られる予測データを含む、訓練されたニューラルネットワークによって生成されたデータを格納することができる。画像処理装置112は、データベース124、放射線治療装置130(例えば、MRI Linac)、および/または治療計画142を生成するための画像取得装置132のいずれかから放射線画像データ146(例えば、2DMRIスライス画像、CT画像、2D透視画像、X線画像、3DMRI画像、4DMRI画像など)を受け取ることができる。
【0048】
[0048]
一実施形態では、放射線治療システム100は、患者の医用画像(例えば、磁気共鳴画像法(MRI)画像、3DMRI、2DストリーミングMRI、4D体積MRI、コンピュータ断層撮影(CT)画像、コーンビームCT、陽電子放出断層撮影(PET)画像、機能的MRI画像(例えば、fMRI、DCE-MRIおよび拡散MRI)、X線画像、X線透視画像、超音波画像、放射線治療ポータル画像、単一電子放出コンピュータ断層撮影(SPECT)画像など)を取得することができる画像取得装置132を含むことができる。画像取得装置132は、例えば、MRI撮像装置、CT撮像装置、PET撮像装置、超音波装置、蛍光透視装置、SPECT撮像装置、または患者の1つまたは複数の医用画像を取得するための任意の他の適切な医用撮像装置であることができる。撮像取得装置132によって取得された画像は、撮像データおよび/または試験データとしてデータベース124内に格納することができる。一例として、画像取得装置132によって取得された画像は、メモリ装置116内の医用画像データ146として画像処理装置112によって格納されることができる。
【0049】
[0049]
一実施形態では、例えば、画像取得装置132は、単一の装置(例えば、「MRI-Linac」とも呼ばれる線形加速器と組み合わされたMRI装置)として放射線治療装置130と一体化することができる。そのようなMRI-Linacは、例えば、放射線治療計画142に従って正確に放射線療法を所定の標的に向けるように、患者における標的器官または標的腫瘍の位置を決定するために使用されることができる。
【0050】
[0050]
画像取得装置132は、関心領域(例えば、標的器官、標的腫瘍、またはその両方)についての患者の解剖学的構造の1つまたは複数の画像を取得するように構成することができる。各画像、典型的には2D画像またはスライスは、1つまたは複数のパラメータ(例えば、2Dスライスの厚さ、方向、場所など)を含むことができる。一実施形態では、画像取得装置132は、任意の方向の2Dスライスを取得することができる。例えば、2Dスライスの配向は、矢状配向、冠状配向、または軸方向配向を含むことができる。プロセッサ114は、標的器官および/または標的腫瘍を含ませるために、2次元スライスの厚さおよび/または方向のような1つのまたは複数のパラメータを調整することができる。一実施形態では、2Dスライスは、3DMRIボリュームのような情報から決定することができる。このような2Dスライスは、患者が放射線治療を受けている間、例えば、放射線治療装置130を使用するときに「ほぼリアルタイム」で画像取得装置132により取得することができる。「ほぼリアルタイム」とは、少なくともミリ秒以内にデータを取得することを意味する。
【0051】
[0051]
画像処理装置112は、1人または複数の患者に対する放射線療法治療計画142を生成して記憶することができる。放射線療法治療計画142は、各患者に適用されるべき特定の放射線量についての情報を提供することができる。放射線療法治療計画142は、また、ビーム角度、線量-ヒストグラム-体積情報、リング療法に使用される放射線ビームの数、ビーム当たりの線量などのような他の放射線療法情報を含むことができる。
【0052】
[0052]
画像プロセッサ114は、スウェーデンのストックホルムのElektaABによって製造されているMonaco(登録商標)などの治療計画ソフトウェアなどのソフトウェアプログラム144を使用することによって、放射線療法治療計画142を生成することができる。放射線療法治療計画142を生成するために、画像プロセッサ114は画像取得装置132(例えば、CT装置、MRI装置、PET装置、X線装置、超音波装置など)と通信して、患者の画像にアクセスし、腫瘍などの標的を描写することができる。いくつかの実施形態では、腫瘍周囲のまたは腫瘍に近接した健康な組織のような1つまたは複数のリスク臓器(OAR)の描写が必要とされ得る。したがって、OARのセグメント化は、OARが標的腫瘍に近いときに実行され得る。さらに、標的腫瘍がOARに近い場合(例えば、膀胱および直腸に近接した前立腺)、腫瘍からOARをセグメント化することによって、放射線治療システム100は標的内だけでなくOAR内の線量分布を研究することができる。
【0053】
[0053]
OARから標的臓器または標的腫瘍を描写するために、MRI画像、CT画像、PET画像、fMRI画像、X線画像、超音波画像、放射線治療ポータル画像、SPECT画像などのような、放射線療法を受けている患者の医療画像が、画像取得装置132により非侵襲的に得られて身体部分の内部構造を明らかにすることができる。医用画像からの情報に基づいて、関連する解剖学的部分の3D構造を得ることができる。さらに、治療計画プロセスの間、標的腫瘍の効率的な治療(例えば、標的腫瘍が有効な治療のために十分な放射線量を受けるように)とOARの低照射(例えば、OARができるだけ低い放射線量を受けるように)との間のバランスを達成するために多くのパラメータが考慮されることができる。考慮され得る他のパラメータは、標的器官および標的腫瘍の位置、OARの位置、ならびにOARに対する標的の移動を含むことができる。例えば、3D構造は、MRIまたはCT画像の各2D層またはスライス内で標的を輪郭付けするまたはOARを輪郭付けし、各2D層またはスライスの輪郭を組み合わせることによって得ることができる。輪郭は、手動で(例えば、スウェーデン、ストックホルムのElektaABによって製造されたMONACO(登録商標)などのプログラムを使用する医師、線量測定者、または医療従事者によって)または自動で(例えば、スウェーデン、ストックホルムのElektaABによって製造された自動分割ソフトウェアABAS(登録商標)のようなプログラムを使用して)生成することができる。特定の実施形態において、標的腫瘍またはOARの3D構造は、治療計画ソフトウェアによって自動的に生成されることができる。
【0054】
[0054]
標的腫瘍およびOARが特定され、描写された後、線量測定医、医師または医療従事者は、標的腫瘍に適用されるべき放射線量を、腫瘍に近いOAR(例えば、左右の耳下腺、視神経、眼、水晶体、内耳、脊髄、脳幹など)により受けるいかなる最大量の線量とともに決定することができる。各解剖学的構造(例えば、標的腫瘍、OAR)について放射線量が決定された後、逆計画として知られるプロセスを実行して、所望の放射線量分布を達成するであろう1つまたは複数の治療計画パラメータを決定することができる。治療計画パラメータの例には、体積描写パラメータ(例えば、標的体積、輪郭に敏感な構造などを定義する)、標的腫瘍およびOARの周囲のマージン、ビーム角度選択、コリメータ設定およびビームオン時間を含まれる。逆計画プロセス中に、医師は、OARがどれだけの放射線を受けることができるかについての限界を設定する線量制約パラメータを定義する(例えば、腫瘍標的への全線量と任意のOARへのゼロ線量を定義する;標的腫瘍に対する線量の95%を定義する;脊髄、脳幹、および光学構造がそれぞれ、≦45Gy、≦55Gy、<54Gyを受けることを定義する)ことができる。逆計画の結果は、メモリ装置116またはデータベース124に格納する放射線療法治療計画142を構成することができる。これらの治療パラメータのいくつかは相関している可能性がある。例えば、治療計画を変更しようとして1つのパラメータ(例えば、標的腫瘍への線量を増加させるなど異なる目的に対する重み付け)を調整することは、少なくともひとつの他のパラメータに影響を及ぼして、その結果、別の治療計画が策定される可能性がある。したがって、画像処理装置112は、放射線治療装置130が患者に放射線療法治療を提供するために、これらのパラメータを有する調整された放射線療法治療計画142を生成することができる。
【0055】
[0055]
さらに、放射線治療システム100は、表示装置134とユーザーインターフェース136を含むことができる。表示装置134は、医用画像、インターフェース情報、治療計画パラメータ(例えば、輪郭、線量、ビーム角など)、治療計画、目標、目標の位置特定および/または目標の追跡、またはユーザに関連するあらゆる情報を表示するための1つまたは複数の表示画面を含むことができる。ユーザーインターフェース136は、キーボード、キーパッド、タッチスクリーン、またはユーザが放射線治療システム100に情報を入力することができる任意の種類の装置とすることができる。または、表示装置134およびユーザーインターフェース136は、例えば、AppleのiPad(登録商標)、LenovoのThinkpad(登録商標)、SamsungのGalaxy(登録商標)などのタブレットコンピュータのような装置に統合されてもよい。
【0056】
[0056]
さらに、放射線治療システム100のいずれかのおよびすべての構成要素は、仮想マシン(例えば、VMWare、Hyper-V、など)として実装することができる。たとえば、仮想マシンはハードウェアとして機能するソフトウェアである。したがって、仮想マシンは、少なくともひとつまたは複数の仮想プロセッサ、1つまたは複数の仮想メモリ、および一緒にハードウェアとして機能する1つまたは複数の仮想通信インターフェースを含むことができる。例えば、画像処理装置112、OIS128、画像取得装置132は仮想マシンとして実施することができる。利用可能な処理能力、メモリ、および計算能力があれば、放射線治療システム100全体を仮想マシンとして実施することができる。
【0057】
[0057]
図2は、X線源または線形加速器などの放射線源と、治療台216と、撮像検出器214と、放射線治療出力204とを含むことができる放射線治療装置202の一部の例を示す図である。放射線治療装置202は、患者に治療を提供するために放射線ビーム208を放射するように構成することができる。放射線療法出力204は、マルチリーフコリメータ(MLC)のうような1つまたは複数の減衰器またはコリメータを含むことができる。
【0058】
[0058]
図2において、放射線治療計画に従って放射線治療線量を受けるために治療台216によって支持された領域212内に患者を配置することができる。放射線療法出力204は、ガントリー206または他の機械的サポートに備え付けるか取り付けることができる。放射線治療台216が治療領域内に挿入されるかまたは治療領域内に配置されると、1つまたは複数の筐体モータ(図示せず)が架台206および放射線治療出力204を放射線治療台216の周りで回転させることができる。一実施形態では、ガントリー206は、治療台216が治療領域内に挿入されるかまたは治療領域内に配置されると、治療台216の周りを連続的に回転させることができる。別の実施形態では、放射線治療台216が治療領域に挿入されると、ガントリー206は所定の位置または特定の位置まで回転することができる。例えば、ガントリー206は、長手方向を指すことができる軸(「A」)の周りで治療出力204を回転させるように構成することができる。放射線治療台216および放射線療法出力204の両方は、横方向(「T」)に移動可能であり、横方向(「L」)に移動可能であり、または、横軸(「R」)のまわりに回転するような1つまたは複数の軸の周りに回転するように患者の周囲の他の位置に独立して移動可能である。1つまたは複数のアクチュエータ(図示せず)に通信可能に接続されたコントローラは、放射線療法治療計画に従って患者を放射線ビーム208の内外に適切に位置決めするために、放射線治療台216の移動または回転を制御することができる。放射線治療台216とガントリー206の両方が互いに独立して多自由度で動くことができるので、放射線ビーム208が正確に腫瘍を標的とできるように患者を位置決めすることができる。
【0059】
[0059]
図2に示される座標系(A軸、T軸、L軸を含む)は、アイソセンタ210に位置する原点を有することができる。アイソセンタ210は、患者の上または患者の内部の位置に所定の放射線量を照射するように、放射線治療ビーム208の中心軸が座標軸の原点と交差する位置として定義することができる。または、アイソセンタ210は、放射線治療ビーム208の中心軸が、ガントリー206によって軸Aの周りに位置決めされたときの放射線治療出力204の様々な回転位置について患者と交差する場所として定義することができる。
【0060】
[0060]
ガントリー206は、また、取り付けられた撮像検出器214を有してもよい。撮像検出器214は、好ましくは放射線源204とは反対側に配置され、一実施形態では、撮像検出器214は治療ビーム208の視野内に配置することができる。
【0061】
[0061]
撮像検出器214は、治療ビーム208との位置合わせを維持するためのように、好ましくは放射線治療出力204の反対側でガントリー206に取り付けることができる。ガントリー206が回転するにつれて撮像検出器214は回転軸を中心に回転する。一実施形態では、撮像検出器214は、フラットパネル検出器(例えば直接検出器またはシンチレータ検出器)とすることができる。このようにして、撮像検出器214を使用して治療ビーム208を監視することができ、または撮像検出器214をポータルイメージングのような患者の解剖学的構造を撮像するために使用することができる。放射線治療装置202の制御回路は、システム100内に統合されてもよく、またはシステム100外であってもよい。
【0062】
[0062]
例示的な実施形態では、放射線治療台216、治療出力204、またはガントリー206のうちの1つまたは複数を自動的に位置決めすることができ、治療出力204は、特定の治療実施例に対する指定線量に従って治療ビーム208を確立することができる。一連の治療放射送達は、ガントリー206、放射線治療台216、または治療出力204の1つまたは複数の異なる向きまたは場所を使用するなど、放射線療法治療計画に従って指定することができる。治療放射送達は連続して起こることができるが、アイソセンタ210のように、患者の上また患者内の所望の治療軌跡において交差させることができる。それにより、処方された累積線量の放射線療法を治療部位に送達することができ、同時に治療部位の近くの組織への損傷を軽減または回避することができる。
【0063】
[0063]
図2は、放射線治療出力が中心軸(例えば軸「A」)の周りを回転することができる構成を含む、患者に放射線治療を提供するように構成された放射線治療装置の一実施形態を一般的に示す図である。他の放射線治療出力構成を使用することができる。例えば、放射線治療出力は、多自由度を有するロボットアームまたはマニピュレータに取り付けることができる。さらに別の実施形態では、治療出力は、患者から横方向に離れた領域に位置するように固定することができ、患者を支持するプラットフォームを使用して放射線治療アイソセンタを患者内の特定の標的部位と位置合わせすることができる。別の実施形態では、放射線治療装置は、線形加速器と画像取得装置との組み合わせであることができる。いくつかの実施形態では、画像取得装置は、当業者によって認識されるように、MRI、X線、CT、CBCT、スパイラルCT、PET、SPECT、光断層撮影法、蛍光イメージング、超音波イメージング、または放射線療法ポータルイメージング装置等であり得る。
【0064】
[0064]
図3Aは、超音波位置決めシステム300の部分の一例を示す図である。超音波位置決めシステム(Ultrasound Positioning System)300は、オーバーレイ(overlay)304、超音波プローブホルダ(ultrasound probe holder)308、膝クッション(knee cushion)312、および足首クッション(ankle cushion)316を含むことができる。超音波位置決めシステム300の1つ又は複数の部分は、例えばインデックスバー(indexing bar)320およびオーバーレイ304を介して直接または間接的に放射線治療台(radiation couch)216に取り付けることができる。放射線治療台216は、例えば、放射線治療台216に対してインデックスバー320の位置をマークするために使用するように、長手方向に沿ったマーキングを含むことができる。インデックスバー320は、例えば、インデックスバー320の上面および下面に相互係合機構または他の同様の嵌合機構を含むことができる。インデックスバー320のマーク付き位置にインデックスバー320を選択的に位置決めするように、インデックスバー320の下側の噛み合い機構を放射線治療台216の対応する噛み合い機構に結合するかまたは係合することができる。オーバーレイ304は、オーバーレイ304の長手方向に沿ってマーキングおよび対応する相互作用機構または他の同様の嵌合機構を含むことができる。オーバーレイ304は、例えば、オーバーレイ304の所望のマークされた位置に、インデックスバーに対して位置決めされ、インデックスバーに係合されるかまたは取り付けられることができる。これは、オーバーレイ304の対応する嵌合部の所望の位置に、インデックスバー320の上面の嵌合部を連結または係合することを含むことができる。また、例えば、患者の足首がオーバーレイ304上に平らに置かれているときには、患者の踵の位置は、オーバーレイ304のマーキング(例えば、支配されたマーキング)を用いて決定することができる。超音波プローブホルダ308は、例えば、患者の胴体から離れた方向に位置するオーバーレイ304の遠い端から、オーバーレイ304の中央ガイド領域に挿入することができる。超音波プローブホルダ308は、超音波プローブホルダ308がオーバーレイ304の中央ガイド領域内で長手方向に沿って自由に動くことができるかどうか、または、超音波プローブホルダ308が縦方向に沿った特定の場所で固定できるかどうかを決定するために用いることができるクランプを含むことができる。膝クッション312のそれぞれは、例えば、オーバーレイ304に対する膝クッション312の位置を固定するために、オーバーレイ304の対応する噛み合い機構と係合または結合される噛み合い機構を含むことができる。足首クッション316は、オーバーレイ304の中央ガイド領域に移動可能に連結することができ、オーバーレイ304の長手方向に沿って自由に移動することができる。
図3Bに示すように、超音波プローブ(ultrasound probe)324を超音波プローブホルダ308に挿入することができる。超音波プローブ324の位置は、例えば、超音波プローブ324が患者328の解剖学的構造の一部に接してまたは接近するまで、超音波プローブホルダ308を使用して調整することができる。
【0065】
[0065]
図4は、超音波位置決めシステム300などの超音波位置決めシステムの一部を使用する方法400の一部の例を示す図である。インデックスバー320のようなインデックスバーは、放射線治療台または治療台216のような放射線治療のための他のプラットフォーム上の選択された位置(例えば、複数の利用可能な指標付け位置)に配置することができる(ステップ404)。インデックスバー320は、放射線治療台216の所望のマークされた位置に選択的に配置することができる。オーバーレイ304のようなオーバーレイは、インデックスバー320に対して位置決めすることができる(ステップ408)。オーバーレイ304は、オーバーレイ304のマークされた位置でインデックスバー320と係合するように配置することができる。患者328のような患者は、放射線治療台216上のオーバーレイ304に配置されることができる(ステップ412)。一例では、例えば、放射線治療台216およびオーバーレイ304に関して、患者上の1つまたは複数の永久的または一時的なマーキング(例えば入れ墨)を使用して患者を位置決めすることができる。膝クッション312のような膝クッションは、オーバーレイ304に対して固定位置に結合することができる(ステップ416)。足首クッション316のような一対の足首クッションは、例えば、患者の足首を支持するために、長手方向に沿って所望の位置に調整可能に配置することができる(ステップ420)。オーバーレイ304の位置は、例えば、 インデックスバー320に対するオーバーレイ304のマークされた位置を調整することによって、放射線治療台216または患者328に対して調整されることができる(ステップ424)。オーバーレイ304の位置は、例えば、患者328からの同時または以前のフィードバックに基づいて、患者328に快適さを提供するように調整することができる。オーバーレイ304のマークされた位置は、例えば、さらなる調整を必要とせずにオーバーレイ304の便利な位置決めを可能にするために、記録されてその後の放射線療法セッションにおいて使用されることができる。超音波プローブ324のような超音波プローブは、オーバーレイ304の中央ガイド領域内で超音波プローブホルダ308に結合することができる(ステップ428)。超音波プローブホルダ308は、超音波プローブ324が患者に接触するまで、患者の解剖学的構造(例えば、患者の会陰)に向かって長手方向に手動で並進させる(例えば、臨床医によって押したり引いたりする)ことができる。次いで、超音波プローブホルダ308を定位置に固定することができる。次いで、超音波プローブホルダ308の長手方向位置のさらなる調整(例えば、微調整)が、超音波プローブホルダ308の中央からアクセス可能なアクチュエータを介して行うことができる(ステップ436)。長手方向位置のさらなる調整は、超音波プローブ324によって患者に及ぼされる圧力を調整するために使用することができる。このような微調整は、プローブを患者に押し付けることによって患者が感じる不快感の量を制限しながら、超音波プローブを患者に対して十分に接近させて良好な品質の画像を得るのを助けることができる。
【0066】
[0066]
図5Aは、オーバーレイ304などのオーバーレイの一例を示す図である。オーバーレイ304は、例えば、オーバーレイをインデックスバー320のようなインデックスバーに結合するために、インデックス付けされた係合機構(indexed engagement feature)532を含むことができる。係合機構532のそれぞれは、オーバーレイ304の少なくともひとつの対応するマーキング(corresponding marking)528に対応することができる。例えば、対応するマーキングは、隣接する係合機構532間の間隔に関する情報、または基準マーキングと対応する係合機構532との累積距離に関する情報を伝達することができる。係合機構532は、放射線治療台216のような放射線治療台に直接係合するか、またはインデックスバー320などを介して放射線治療台216に間接的に係合することができる。オーバーレイ304は、
図5Aに破線で示すように、中央ガイド領域(central guide region)504を含むことができる。中央ガイド領域504は、1つまたは複数(例えば、一対)のガイドレール(guide rail)508を含むことができる。ガイドレール508のそれぞれは、V字形または他の内側形状(例えば、内向き形状)溝512およびV字形または他の外側形状(例えば、横方向外側形状)の溝510を含むことができる。内側溝(interior groove)512は互いに向き合うことができる。超音波プローブホルダ324のような超音波プローブホルダは、内側溝512およびそれらの間のチャネルと係合することができ、それらによって長手方向に案内されることができる。オーバーレイ304は、また、ばねバイアス、弾性バイアス、または他のフラップ511のような保持機構を含むことができ、例えば、プローブホルダ324が内部溝512間のチャネルに挿入されることを可能にするように構成されることができる。プローブホルダ324を溝512に挿入すると、そのような挿入の際にフラップが邪魔にならないように自動的に押し出される。次いで、例えば、フラップ(flap)511の手動操作がない場合にプローブホルダが溝から外れるのを防止するのを助けるために、プローブホルダ324が溝512に沿って移動すると、フラップ511は自動的に外向きに跳ね上げることができる。その後、プローブホルダ324を解放したいとき、ユーザはフラップ511を押し下げるか、そうでなければ手動で作動させることができる。外側溝(exterior groove)510は、互いに離れるように外側に向くことができる。足首クッション316のような足首クッションは、外側溝510と係合して、外側溝510によって長手方向に案内されることができる。オーバーレイ304は、また、例えば、膝クッション312の下面上に、膝クッションの1つまたは複数の対応する機構に結合することができる1つまたは複数の嵌合機構(mating feature)516(例えば1つまたは複数の突起(protrusions)または複数の窪み(depressions))を含むことができる。膝クッションは、嵌合機構516にインデックス付けすることができる。オーバーレイ304は、また、オーバーレイ304の側面図を示す
図5Bに示されるように、オーバーレイ304の底面上に少なくともひとつのグライド536を含むことができる。一例では、グライドは、アセタールとしても知られるポリオキシメチレン(POM)を含む材料から形成することができる。個々のグライド536は、オーバーレイ304の底部からの突部を含むことができ、硬質プラスチックまたは放射線治療台216との摩擦係数が比較的低い他の材料で作ることができる。少なくともひとつのグライド536は、オーバーレイ304が放射線治療台216上を容易に前後にスライドすることを可能にすることができる。オーバーレイ304は、また、少なくともひとつの粘着性バンプ540を含むことができる。個々の粘着性バンプ(sticky bump)540は、オーバーレイ304の底部からの突出部を含むことができ、放射線治療台216と比較的大きな摩擦係数を有する軟質プラスチックまたは他の材料で作ることができる。一例では、粘着性バンプは、ポリウレタン(PUR)または合成ゴムを含む材料から形成することができる。少なくともひとつの粘着性バンプ540は、少なくともひとつの粘着性バンプ540が放射線治療台216と接触しているときにオーバーレイ304のスライド移動に対して抵抗するように構成することができる。オーバーレイ304は、また、ハンドル(handle)524が配置されているオーバーレイ304の下方端部(例えば、患者の頭部からオーバーレイの端部)を持ち上げるために使用することができるハンドル524を含むことができる。ハンドル524を上昇させると、少なくともひとつの粘着性バンプ540を放射線治療台216と接触させないようにすることができる一方、少なくともひとつのグライド(glide)536は放射線治療台216と接触したままにすることができる。次いで、少なくともひとつのグライド536のみが放射線治療台216と接触している状態で、オーバーレイ304を再位置決めすることができる。次いで、ハンドル524を下げて、少なくともひとつの粘着性バンプ540を接触部216と接触させることができる。
【0067】
[0067]
図6は、オーバーレイ304のようなオーバーレイを使用する方法600を示す図である。オーバーレイは、放射線治療台216のような放射線治療台上のインデックス付けされた位置に位置決めすることができる(ステップ604)。オーバーレイ304は、オーバーレイの中央領域内からオーバーレイの長手方向軸に沿って超音波プローブホルダ308のような超音波プローブホルダの並進移動を案内することができる(ステップ608)。超音波プローブホルダの並進運動を案内するために、内側溝512cの一方または両方のような長手方向溝を使用することができる。1つまたは複数の患者サポートクッションは、オーバーレイの外側溝510のような1つまたは複数の長手方向溝を使用して係合することができる(ステップ612)。1つまたは複数の患者サポートクッションは、また、オーバーレイ304の上面上の1つまたは複数の噛み合い機構(例えば、突部または窪み)に係合することができる。オーバーレイを、ハンドル524および少なくともひとつのグライド536のようなハンドルおよび1つまたは複数のグライドを使用して、最初の位置決めまたは再位置決めすることができる。位置決めされた後、オーバーレイは、インデックスバー320のようなインデックスバーの1つまたは複数の嵌合機構のような1つまたは複数のインデックス付き係合機構と係合するように配置することができる。
【0068】
[0068]
図7Aは、超音波プローブホルダ308のような超音波プローブホルダの一例を示す図である。超音波プローブホルダ308は、クランプ(clamp)708、微調整機構(fine adjustment mechanism)704、格納式フラップ(retractable flap)712、第1の本体部分(first body portion)716a、第2の本体部分(second body portion)716b、および突起(protrusions)720を含むことができる。超音波プローブが第2の本体部分716bに連結されると、格納式フラップ712は、超音波プローブ324のような超音波プローブを定位置に固定することができる。格納式フラップ712は、第2の本体部分716bから超音波プローブ324を解放するために手動で作動させることができる。突起720は、長手方向に沿って整列した外向きの突起を含むことができる。突起720は、例えば、超音波プローブホルダ308が、オーバーレイ304の中央ガイド領域内で長手方向に並進することを可能とするために、内部溝512のようなオーバーレイの対応する長手方向溝とインターフェースで接続することができる。一例では、突起720は半円形の断面を有することができ、内側溝512は突起720を収容することができるV字型の断面を有することができる。クランプ708は、例えば、
図7B、
図7Cに示すように、超音波プローブホルダ内の中央に配置することができ、回転可能なノブ(rotatable knob)710、ディスク(disc)724、プレート(plate)728を含むことができる。回転可能なノブ710が異なる位置の間で回転しても、1つまたは複数のばねおよび関連する機械的連結を使用してディスク724と回転可能なノブ710との間の接触を維持することができる。少なくともひとつのローラ(roller)709をノブ710の下面に取り付けることができる。ノブ710が回転すると、少なくともひとつのローラ709がディスク724に沿ってスライドすることができる。ディスクは、少なくともひとつのローラ709を収容するように成形された少なくともひとつの切り欠き部726を含むことができる。少なくともひとつのローラ709が少なくともひとつのノッチ部分(notched portion)726内に静止しているときに、ノブ710の位置をロックすることができる(例えば、ノブ710を手動で回転させずにその場所に保持することができる)。
【0069】
[0069]
一例では、クランプ708は、互いに直径方向に対向する2つのローラ709を含むことができる。ディスク724は、ディスク724に沿って90度の角度開いた4つのノッチ(notch)726を含むことができる。4つのノッチ726の第1の対は180度の角度開き、第1の高さに対応させることができる。4つのノッチ726の第2の対は180度の角度開き、第2の高さに対応させることができる。2つのローラ709が、例えば、
図7Bに示すように、4つのノッチ726のうちの第1の対(第1のノブ位置)と係合すると、ディスク728は、超音波プローブホルダ308の底部から第1の距離d2だけ延ばすことができ、例えば、超音波プローブホルダ308をオーバーレイ304に対して定位置にロックするためのクランプ力を提供する。クランプ力は、ディスク728とオーバーレイ304との間の摩擦力により提供することができる。ディスク728は、ディスク728とオーバーレイ304との間の摩擦を増大させるために表面上に比較的粘着性の物質(例えば、ポリウレタン(PUR)または合成ゴム)を含むことができる。ディスク728が超音波プローブホルダ308の底部から第1の距離d2だけ延ばされたときに、突起720が内部溝512とより密接に接触するようにすることによって、追加のクランプ力を提供することができる。2つのローラ709が、
図7Cに示すように、4つのノッチ726の第2の対と係合する(第2のノブ位置)とき、ディスク728は、超音波プローブホルダ308の底から第1の距離d1より小さい第2の距離d2だけ延ばされ、超音波プローブホルダ308がオーバーレイ304に対して長手方向に自由に動くことを可能にすることができる。さらに、2つのローラ709が4つのノッチ726の第2の対と係合するとき、突出部720と内側溝512との間のクリアランスを増加させることができる。したがって、第1のノブ位置と第2のノブ位置の間で切り替えることによって、超音波プローブホルダ308は、オーバーレイ304に固定されたり外されたりすることができる。
【0070】
[0070]
微調整機構704は、患者がオーバーレイ304上にあるときに中央にアクセスすることができる回転可能つまみと、
図3Bに示すような放射線治療台216とを含むことができる(例えば、微調整機構は、オーバーレイ304の中央領域からアクセスすることができ、側面から横方向にアクセスする必要はない)。回転可能なノブは、例えば、第1の本体部分716aと第2の本体部分716bとの間の距離を調整するために、作動させることができる。超音波プローブ324のような超音波プローブを第2の本体部分716bに取り付けることができる例では、超音波プローブの位置は、微調整機構704の回転可能なノブを作動させることを使用することによってオーバーレイ304に対して調整することができる。回転可能なノブは、例えば、第1の本体部分716aと第2の本体部分716bとの間の距離d1を増加させ、第1の本体部分716aを第2の本体部分716bから離れさせるために、第1の方向に回転させることができる。回転可能なノブは、また、例えば、第1の本体部分716aと716bとの間の距離d1を減少させ、第1の本体部分716aを第2の本体部分716bに向かって移動させるために、第1の方向とは異なる第2の方向に回転させることができる。回転可能なノブは、超音波プローブホルダ308がオーバーレイ304に固定されているかどうかとは独立に、第1の本体部分716aと第2の本体部分716bとの間の距離d1を調整することができる。
【0071】
[0071]
図8は、超音波プローブホルダを使用する例示的方法800を示す図である。プローブホルダは、オーバーレイ304のようなオーバーレイの中央ガイド領域に挿入することができる(ステップ804)。超音波プローブホルダは、オーバーレイ304の中央ガイド領域内の長手方向経路上に挿入されると自動的にオーバーレイに係合することができる。プローブホルダは、プローブを患者の解剖学的構造に向かってまたは患者の解剖学的構造から離れる方向に長手方向に並進させるために中央領域内からユーザにアクセスされてユーザにより制御されることができる(ステップ808)。プローブホルダは、長手方向の並進経路に沿った特定の位置に固定することができる(ステップ812)。締め付けは、内部溝512のような溝内の隙間を減らすことができる。クランプ上のアクチュエータを回転させてプローブホルダと関連する摩擦力を増大させることができる。アクチュエータを第1の方向に回転させて、超音波プローブホルダ308をオーバーレイ304にクランプすることができる。次いで、アクチュエータを第1の方向にさらに回転させるか、または第1の方向とは反対の第2の方向に回転させて、超音波プローブホルダ308をオーバーレイ304にクランプすることを減らすことができる。次いで、超音波プローブ324などの超音波プローブを超音波プローブホルダに取り付けることができる。超音波プローブは超音波プローブホルダの一部に取り付けることができ、格納式フラップによって所定の位置に固定することができる。超音波プローブ324は、例えば微調整機構704のような中央に配置され、かつ中央からアクセス可能な微調整機構を使用することによって、長手方向に沿ってさらに並進させることができる(ステップ816)。
【0072】
[0072]
図9Aおよび
図9Bは、足首クッション316および膝サポートクッション312のような患者サポートクッションの例を示す図である。膝サポートクッション312は、患者の膝を膝の後ろ側から包むように形作られた部分を含むことができる。さらに、膝サポートクッション312は、超音波プローブホルダ308のような超音波プローブホルダを収容することができる空間をその間に提供するように成形および配置することができる。したがって、超音波プローブホルダ308は、オーバーレイ304の中央ガイド領域において膝サポートクッション312の間で自由にスライドすることができる。
図9Cに示すように、膝サポートクッションは、オーバーレイ304のようなオーバーレイの対応する隆起取り付け部分と係合するための割り出し係合機能を含む窪んだ取り付け部分を含むことができる。膝サポートクッションは、また、オーバーレイ304のようなオーバーレイの対応する窪んだ取り付け部分と係合するためのインデックス付けされた係合機能を含む突起取り付け部分を含むことができる。膝サポートクッションは、縦方向および/または横方向にオーバーレイにインデックス付けすることができる。膝サポートクッションの間に設けられた空間は、患者の会陰へのアクセスを可能にすることができる。ブースターは、例えば、個々の膝サポートクッションの高さを調整するために、個々の膝サポートクッションとオーバーレイとの間に挿入されるように成形することができる。足首クッション316は、オーバーレイ304のようなオーバーレイの対応する機構と係合するための外側スライドを含むことができる。足首クッションの底面は、超音波プローブホルダ308のような超音波プローブホルダを収容するための空間を提供することができる凹部317を含むことができる。凹部317は、オーバーレイの外側溝510のような少なくともひとつの外側溝と係合することができるスライドを含むことができる。次いで、足首クッション316をオーバーレイ304に沿って長手方向に並進させることができる。凹部317は、超音波プローブホルダが足首クッションの下をスライドする、またはその逆方向にスライドするように、超音波プローブホルダの高さに対応できる高さd3を有することができる。一例では、凹部は、超音波プローブホルダの一部のみが足首クッションの下を滑動することができるように、超音波プローブホルダの高さの一部のみを収容することができる高さd3を有することができる。例えば、高さd3は、超音波プローブホルダのノブを収容するのに十分に大きくてはならないので、超音波プローブホルダのノブは、膝クッションと超音波プローブホルダとの間の相対的な長手方向の並進を制限するための止めとして作用する。加えて、個々の膝サポートクッション312のそれぞれは、
図9Dおよび
図9Eに示すように、個々の膝サポートクッション312の下側にハンドル913を含むことができる。ハンドル913は、人間の手によって握られるように形作られた突起を含むことができる。ハンドル913は、片手で膝サポートクッション312をつかみやすいように成形することができる。これは、患者を放射線治療台の上に設置するときにセラピストに役立つ。例えば、片方の手で患者の脚を持ち上げることができ、他方の手で膝サポートクッション312を挿入することができる。類似のハンドル915は、
図9Fおよび
図9Gに示すように、ブースターの下面に含めることができる。ハンドル915は、臨床医または療法士の指で掴むことができる凹部を含むことができる。さまざまな凹部を、異なる大きさの手に適応するように間隔をあけて配置することができる。類似のハンドル917は、
図9Hおよび
図9Iに示すように、足首クッション316の下面に含めることができる。ハンドル917は、臨床医または療法士の指によって握られ得る凹部を含むことができる。さまざまな凹部は、異なる大きさの手に適応するように間隔をあけて配置することができる。
【0073】
[0073]
図10は、膝クッション312および足首クッション316などの患者サポートクッションを使用する方法を示す図である。第1の膝クッション312を使用して、患者の第1の膝を膝の後ろから支持することができる(ステップ1004)。第2の膝クッション312を使用して、患者の第2の膝を膝の後ろから支持することができる(ステップ1008)。第1の膝クッションおよび第2の膝クッションは、反対側の横方向の領域に配置されている第1の膝クッションおよび第2の膝クッションによって形成された中央領域内のプローブホルダを介して患者へのアクセスを提供することができる(ステップ1012)。個々の膝クッションは、それぞれオーバーレイ304のようなオーバーレイにインデックス付けすることができる。足首クッションを使用して、患者の足首を足首の後ろから支持することができる(ステップ1016)。足首クッションは、長手方向トラックに沿って長手方向に並進させることができる。例えば、個々の膝クッションの高さを調整するために、ブースターを個々の膝クッションとオーバーレイとの間に設けることができる。ブースターは、また、例えば、足首クッションの高さを調整するために、足首クッションとオーバーレイとの間に使用することもできる。
【0074】
[その他の注意事項]
[0074]
上記の詳細な説明は、詳細な説明の一部を形成する添付の図面への参照を含む。図面は、限定ではなく例示として、本発明を実施することができる特定の実施形態を示すものである。これらの実施形態は、本明細書では「例」とも呼ばれる。そのような例は、図示または記載されたものに追加した要素を含むことができる。しかし、本願発明者らは、また、図示または記載されている要素のみが提供されている例を考慮している。さらに、本願発明者らは、また、特定の例(またはその1つまたは複数の態様)に関して、あるいは他の例(またはその1つまたは複数の態様)に関して示された、または説明された要素の任意の組合せまたは置換を用いる例を考慮している。
【0075】
[0075]
本明細書で言及されている全ての刊行物、特許、および特許文書は、個々に参照により組み込まれるように、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。本明細書と、参照により組み込まれたそれら文書との間で矛盾する用法がある場合には、組み込まれた文書における用法は、本明細書の用法の補脚と考えられるべきであり、調整できない矛盾については、本明細書の用法が支配する。
【0076】
[0076]
本明細書では、用語「a」、「an」、「the」、「said」は、特許文書において一般的であるように、本発明の態様の要素またはその実施形態の要素を紹介するときに使用され、「少なくともひとつ」または「1つまたは複数」の他の例または用法とは独立に、1つまたは複数の要素以上の1つまたは複数を含む。本明細書では、用語「または(or)」は、「AまたはB(A or B)」が、そうでないと示されない限り、「Aを含むがBを含まない(A but not B)」、「Bを含むがAを含まない(B but not A)」、「AおよびB(A and B)」を含むように、非排他的であることを指すために使用される。
【0077】
[0077]
添付の特許請求の範囲において、用語「including(含む)」および「in which(その中で)」は、それぞれの用語「comprising(含む)」および「wherein(ここで)」の平易な英語の等価物として使用される。また、添付の特許請求の範囲において、用語「含む(comprising)」、「含む(including)」および「有する(having)」は、請求項内のそのような用語(例えば、comprising、including、having)の後に追加の要素が依然として含まれるとみなされるように、列挙された要素以外の追加の要素が存在し得ることを意味するオープンエンドであることを意図している。さらに、添付の特許請求の範囲では、「第1の」、「第2の」、および「第3の」などの用語は、単なるラベルとして使用されており、それらの対象に数値要件を課すことを意図していない。
【0078】
[0078]
本発明の実施形態は、コンピュータ実行可能命令を用いて実施することができる。コンピュータ実行可能命令(たとえばソフトウェアコード)は、1つまたは複数のコンピュータ実行可能コンポーネントまたはモジュールに構成することができる。本発明の態様は、任意の数および構成の構成要素またはモジュールを用いて実施することができる。例えば、本発明の態様は、図示され本明細書に記載された特定のコンピュータ実行可能命令または特定の構成要素もしくはモジュールに限定されない。本発明の他の実施形態は、図示され本明細書に記載されたものより多いまたは少ない機能を有する異なるコンピュータ実行可能命令または構成要素を含むことができる。
【0079】
[0079]
本明細書で説明される方法例(例えば、動作および機能)は、機械的に実施される、または少なくとも部分的にコンピュータで実施される(例えば、ソフトウェアコードまたは命令として実施される)ことができる。いくつかの例は、上記の例で説明されたような方法を実行するように電子デバイスを構成するように動作可能な命令で符号化された、コンピュータ可読媒体または機械可読媒体を含むことができる。そのような方法の実装は、マイクロコード、アセンブリ言語コード、より高いレベルの言語コードなど(例えば、ソースコード)のようなソフトウェアコードを含むことができる。そのようなソフトウェアコードは、様々な方法を実行するためのコンピュータ可読命令(例えば、オブジェクトまたは実行可能コード)を含むことができる。ソフトウェアコードは、コンピュータプログラム製品の一部を形成してもよい。本明細書に記載の実施形態のソフトウェア実装は、コードまたは命令を格納した製品を介して、または、通信インターフェース(例えば、無線、インターネット、衛星通信、など)を介してデータを送信するために通信インターフェースを動作させる方法を介して提供される。
【0080】
[0080]
さらに、ソフトウェアコードは、実行中または他のときに、1つまたは複数の揮発性または不揮発性のコンピュータ可読記憶媒体に有形に格納することができる。これらのコンピュータ可読記憶媒体は、これらに限定されないが、例えば、フロッピーディスク、ハードディスク、リムーバブル磁気ディスク、任意の形態の磁気ディスク記憶媒体、CD-ROM、光磁気ディスク、リムーバブル光ディスク(例えば、コンパクトディスクおよびデジタルビデオディスク)、フラッシュメモリ装置、磁気カセット、メモリカードまたはスティック(例えば、セキュアデジタルカード)、ランダムアクセスメモリ(RAM)(例えば、CMOS、RAMなど)、記録可能/記録不可能媒体(例えば、読み出し専用メモリ(ROM))、EPROM、EEPROM、または電子命令を格納するのに適した任意の種類の媒体等々のような、機械(例えば、コンピューティングデバイス、電子システムなど)によってアクセス可能な形式で情報を格納するための任意のメカニズムを含むことができる。そのようなコンピュータ可読記憶媒体は、プロセッサおよびOISの他の部分によってアクセス可能であるようにコンピュータシステムバスに結合される。
【0081】
[0081]
一実施形態では、コンピュータ可読記憶媒体は治療計画用のデータ構造を符号化してもよく、治療計画は適応的でもよい。コンピュータ可読記憶媒体のためのデータ構造は、医学におけるデジタル画像形成および通信(DICOM)フォーマット、拡張DICOMフォーマット、XMLフォーマットなどのうちの少なくともひとつでもよい。DICOMは、さまざまなタイプの医療機器間で医療画像関連データを転送するために使用されるフォーマットを定義する国際通信規格である。DICOM RTは放射線療法に特有の通信規格を指し示している。
【0082】
[0082]
本発明の様々な実施形態では、構成要素またはモジュールを作成する方法は、ソフトウェア、ハードウェア、またはそれらの組み合わせで実施することができる。本発明の様々な実施形態によって提供される方法は、例えば、C、C++、Java(登録商標)、Pythonなど、およびそれらの組み合わせのような標準的なプログラミング言語を使用することによってソフトウェアで実装することができる。本明細書で使用されるとき、用語「ソフトウェア」および「ファームウェア」は、交換可能であり、コンピュータによる実行のためにメモリに格納された任意のコンピュータプログラムを含む。
【0083】
[0083]
通信インターフェースは、メモリバスインターフェース、プロセッサバスインターフェース、インターネット接続、ディスクコントローラ、およびディスクコントローラのような、他の装置と通信するための、有線、無線、光学などの媒体のいずれかとインターフェースする任意の機構を含む。通信インターフェースは、構成パラメータを提供すること、および/またはソフトウェアコンテンツを記述するデータ信号を提供するために通信インターフェースを準備するために信号を送信することによって構成することができる。通信インターフェースは、通信インターフェースに送信された1つまたは複数のコマンドまたは信号を介してアクセスされることができます。
【0084】
[0084]
本発明は、また本明細書の動作を実行するためのシステムに関する。このシステムは、要求される目的のために特別に構築されてもよく、あるいはコンピュータに格納されたコンピュータプログラムによって選択的に起動または再構成される汎用コンピュータを含むようにしてもよい。本明細書で図示および説明された本発明の実施形態における動作の実行の順序は、特に指定のない限り、本質的なものではない。すなわち、特に指定されない限り、動作は任意の順序で実行されてもよく、本発明の実施形態は、本明細書に開示されたものより動作が追加されてもよいし、より少ない動作でもよい。例えば、特定の動作を他の動作の前、それと同時に、またはその後に実行または実行することは、本発明の態様の範囲内であると考える。
【0085】
[0085]
上記を考慮すると、本発明のいくつかの目的が達成され、他の有利な結果が達成されることが理解されよう。本発明の態様を詳細に説明してきたが、添付の特許請求の範囲に規定されるような本発明の態様の範囲から逸脱することなく修正および変形が可能であることは明らかであろう。本発明の態様の範囲から逸脱することなく上記の構成、製品、および方法に様々な変更を加えることができるので、上記の説明に含まれ添付の図面に示されるすべての事項は例示として、限定的な意味ではないと解釈されるべきである。
【0086】
[0086]
上記の説明は例示的であり、限定的ではない。例えば、上述の例(または1つまたは複数の態様)は互いに組み合わせて使用することができる。さらに、その範囲から逸脱することなく、特定の状況または材料を本発明の教示に適合させるために多くの修正を加えることができる。本明細書に記載の寸法、材料の種類、およびコーティングは、本発明のパラメーターを規定することを意図しているが、それらは決して限定するものではなく、例示的な実施形態である。上記の説明を検討すれば、他の多くの実施形態が当業者には明らかであろう。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照して、そのような特許請求の範囲が含まれる等価物の全範囲と共に決定されるべきである。
【0087】
[0087]
また、上記の詳細な説明では、開示を簡素化するために様々な特徴を一緒にグループ化することができる。これは、請求されていない開示された機能がいかなる請求にも不可欠であることを意図していると解釈されるべきではない。むしろ、本発明の主題は、特定の開示された実施形態の全ての特徴より少ない特徴にあってもよい。したがって、添付の特許請求の範囲は、詳細な説明に組み込まれ、各特許請求の範囲は、別個の実施形態としてそれ自体に基づいている。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲を、そのような特許請求の範囲が権利を有する等価物の全範囲と共に参照して決定されるべきである。さらに、添付の特許請求の範囲の限定は、ミーンズプラスファンクションの形式で書かれておらず、米国特許法(35USC)に基づいて解釈されることを意図していない。米国特許法第112条第6段落は、そのような請求の範囲の限定が明示的でない限り、さらなる構造を欠く機能の記述を続く「ミーンズフォー(means for)」なる句を使用する。
【0088】
[0088]
要約書は、読者が技術的開示の性質を迅速に確認することを可能にするために、米国特許法施行規則第1.72条(b)に準拠して提供される。本明細書は、特許請求の範囲または意味を解釈または限定するために使用されることはないとの理解のもとに提出されている。