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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-25
(45)【発行日】2024-02-02
(54)【発明の名称】熱伝達デバイス及び熱源を冷却する方法
(51)【国際特許分類】
   G12B 15/02 20060101AFI20240126BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20240126BHJP
   G12B 15/04 20060101ALI20240126BHJP
【FI】
G12B15/02
H05K7/20 F
H05K7/20 Q
H05K7/20 Z
G12B15/04
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019115729
(22)【出願日】2019-06-21
(65)【公開番号】P2020024189
(43)【公開日】2020-02-13
【審査請求日】2022-06-08
(31)【優先権主張番号】16/015,018
(32)【優先日】2018-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】バンチ, アーネスト イー.
(72)【発明者】
【氏名】ヴィートー, クリストファー シー.
(72)【発明者】
【氏名】ルーカス, ジェームズ ジェー.
(72)【発明者】
【氏名】エック, ギャレット ダブリュ.
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン アッフェレン, ダグラス エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】ストイア, マイケル エフ.
【審査官】榮永 雅夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-238654(JP,A)
【文献】特開2008-298332(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G12B 15/00 - 15/04
H05K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯蔵室(200)、
前記貯蔵室(200)内に初期圧力で収容されている冷媒(300)、
前記貯蔵室(200)に隣接する冷却室(400)、
前記冷却室(400)とは分離された熱源(102)から前記冷却室(400)への熱伝達を促進するように位置決めされ且つ構成された1以上の熱伝達構成要素(500)、
前記貯蔵室(200)と前記冷却室(400)との間の流体通路(600)、並びに
バリア要素(700)であって、
(i)前記バリア要素(700)が前記冷媒(300)が前記貯蔵室(200)から前記流体通路(600)を通って前記冷却室(400)の中へ流れることを制限するように構成されているクローズ構成、及び
(ii)前記バリア要素(700)が前記貯蔵室(200)内の前記冷媒(300)が前記貯蔵室(200)から前記流体通路(600)を通って前記冷却室(400)の中へ流れることを可能にするように構成されているオープン構
有するバリア要素(700
備える、熱伝達デバイス(100)であって、
前記バリア要素(700)が、トリガ状態に応答して前記クローズ構成から前記オープン構成へ再構成されるように構成され、前記トリガ状態が、
前記貯蔵室(200)内に収容されている前記冷媒(300)、前記バリア要素(700)、及びセンサ(744)のうちの少なくとも1つが、トリガ温度に到達したこと、並びに
前記貯蔵室(200)内に収容されている前記冷媒(300)の前記初期圧力、前記バリア要素(700)、及び前記センサ(744)のうちの少なくとも1つが、トリガ圧力に到達したこと、のうちの少なくとも一方を含む、熱伝達デバイス(100)。
【請求項2】
前記バリア要素(700)が前記クローズ構成から前記オープン構成へ再構成されたことに対応して、前記冷媒(300)が前記貯蔵室(200)から前記流体通路(600)を通って前記冷却室(400)へ流れる際に、前記流体通路(600)が、前記冷媒(300)を前記初期圧力から膨張した圧力へ膨張させるように構成されている、請求項1に記載の熱伝達デバイス(100)。
【請求項3】
前記貯蔵室(200)内に収容されている前記冷媒(300)が液体の状態であり、前記流体通路(600)が、前記冷媒(300)を液体の状態から気体の状態に遷移させるように構成されている、請求項1又は2に記載の熱伝達デバイス(100)。
【請求項4】
更なる貯蔵室(250)、
前記更なる貯蔵室(250)内に収容されている更なる冷媒(350)、
前記更なる貯蔵室(250)と前記冷却室(400)との間の更なる流体通路(650)、並びに
更なるバリア要素(750)であって、(i)前記更なるバリア要素(750)が前記更なる冷媒(350)が前記更なる貯蔵室(250)から前記更なる流体通路(650)を通って前記冷却室(400)の中へ流れることを制限するように構成されているクローズ構成、及び(ii)前記更なるバリア要素(750)が前記更なる貯蔵室(250)内の前記更なる冷媒(350)が前記更なる貯蔵室(250)から前記更なる流体通路(650)を通って前記冷却室(400)の中へ流れることを可能にするように構成されているオープン構成を有する更なるバリア要素(750
更に備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の熱伝達デバイス(100)。
【請求項5】
前記更なるバリア要素(750)が、更なるトリガ状態に応答して、前記クローズ構成から前記オープン構成へ再構成されるように構成されており、前記更なるトリガ状態が前記トリガ状態とは異なる、請求項4に記載の熱伝達デバイス(100)。
【請求項6】
更なる貯蔵室(250)、
前記更なる貯蔵室(250)内に収容されている更なる冷媒(350)であって、前記流体通路(600)が、前記更なる冷媒(30)が前記更なる貯蔵室(250)と前記冷却室(400)との間で流れることを可能にするように更に構成されている、更なる冷媒(350)、並びに
更なるバリア要素(750)であって、(i)前記更なるバリア要素(750)が前記更なる冷媒(350)が前記更なる貯蔵室(20)から前記流体通路(600)を通って前記冷却室(400)の中へ流れることを制限するように構成されているクローズ構成、及び(ii)前記更なるバリア要素(750)が前記更なる貯蔵室(250)内の前記更なる冷媒(350)が前記更なる貯蔵室(250)から前記流体通路(600)を通って前記冷却室(400)の中へ流れることを可能にするように構成されているオープン構成を有する更なるバリア要素(750
更に備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の熱伝達デバイス(100)。
【請求項7】
前記バリア要素(700)が、前記トリガ状態に応答して、前記クローズ構成から前記オープン構成へ受動的に移行するように構成されている、請求項1から6のいずれか一項に記載の熱伝達デバイス(100)。
【請求項8】
前記バリア要素(700)が、
バーストディスク(702)であって、
前記冷媒(300)、前記バリア要素(700)、及び前記バーストディスク(702)のうちの少なくとも1つが、前記トリガ温度に到達したこと、及び
前記貯蔵室(200)内の前記冷媒(300)の現在の圧力が、前記トリガ圧力に到達したこと、のうちの少なくとも一方に応答して破裂するように構成されたバーストディスク(702)を備える、請求項1から7のいずれか一項に記載の熱伝達デバイス(100)。
【請求項9】
前記バリア要素(700)が、前記トリガ状態が生じたときに、前記冷媒(300)が通って流れることができる通路を生成するように構成されたプランジャ(706)を備える、請求項1から7のいずれか一項に記載の熱伝達デバイス(100)。
【請求項10】
前記バリア要素(700)が、膜(704)であって、前記貯蔵室(200)内の前記冷媒(300)の現在の圧力が閾値圧力未満であるときに、前記冷媒(300)が前記膜(704)を横切って流れることを制限し、前記貯蔵室(200)内の前記冷媒(300)の前記現在の圧力が前記閾値圧力以上であるときに、前記冷媒(300)が前記膜(704)を横切って流れることを可能にするように構成された膜(704)備える、請求項1から7のいずれか一項に記載の熱伝達デバイス(100)。
【請求項11】
前記1以上の熱伝達構成要素(500)が、前記冷媒(300)が前記冷却室(400)内で流れるための少なくとも1つの冷媒経路(304)を画定する、請求項1から10のいずれか一項に記載の熱伝達デバイス(100)。
【請求項12】
熱源(102)を冷却する方法(1600)であって、
貯蔵室(200)内に冷媒(300)を貯蔵すること(1602)、
トリガ状態が生じたことに基づいて、バリア要素(700)を再構成すること(1606)ここで前記再構成は、(i)前記バリア要素(700)が前記冷媒(300)が前記貯蔵室(200)から流体通路(600)を通って流れることを制限するように構成されているクローズ構成から、(ii)前記バリア要素(700)が前記貯蔵室(200)内の前記冷媒(300)が前記貯蔵室(200)から前記流体通路(600)を通って流れることを可能にするように構成されているオープン構成への再構成であり、及び
前記冷媒(300)が前記流体通路(600)から冷却室(400)を通って流れることを可能にすること(1608)を含み、
前記冷媒(300)が前記冷却室(400)を通って流れている間に、熱が、前記冷却室(400)とは分離された前記熱源(102)から1以上の熱伝達構成要素(500)を介して前記冷媒(300)に伝達される、方法(1600)。
【請求項13】
前記冷媒(300)が、前記貯蔵室(200)から前記流体通路(600)の中に初期圧力で流れ、前記流体通路(600)から前記冷却室(400)に向けて最終圧力で流れ出る、前記方法(1600)であって、前記初期圧力が前記最終圧力より高い、請求項12に記載の方法(1600)。
【請求項14】
前記貯蔵室(200)が囲まれた空間(206)であり、前記トリガ状態が、
前記冷媒(300)、前記バリア要素(700)、及びセンサ(744)のうちの少なくとも1つが、トリガ温度に到達したこと、及び
前記冷媒(300)、前記バリア要素(700)、及び前記センサ(744)のうちの少なくとも1つが、トリガ圧力に到達したこと、のうちの少なくとも一方を含む、請求項12又は13に記載の方法(1600)。
【請求項15】
前記冷却室(400)が、少なくとも1つの出口インターフェース(412)を含み、前記冷媒(300)を排出、放散、及び流出させること(1610)が、前記冷媒(300)が冷媒(300)流路内を通過移動する間に前記冷媒(300)によって吸収された任意の熱とともに、前記冷媒(300)が前記冷却室(400)から流れ出ることを可能にすることを含む、請求項12から14のいずれか一項に記載の方法(1600)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、熱伝達デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
あるデバイス、殊に電子デバイスは、大量の廃熱を生成する。この熱は、低減された性能及び/又は時期尚早な故障を防止するために制御され、適切に消散されなければならない。したがって、任意のデバイスのその環境との熱相互作用は、デバイスの正常な機能を保証するための非常に重要な設計上の特徴である。
【0003】
短い過渡的な熱放散のバースト(burst)を有する構成要素のための信頼できる熱制御システムが必要であり得る、多くの民間及び軍事の用途が存在する。更に、長い期間にわたり不活性な構成要素のための熱伝達デバイスを設計することは、更なる困難を生み出す。これらのデバイスは、周囲温度、圧力、振動、放射線量、磁場、及び/若しくは誘導電流の勾配並びに/又はフラックス(flux)を含む、様々な環境条件において動作を実行し且つ/又は保管されなければならない。
【発明の概要】
【0004】
熱源を冷却するための熱伝達デバイス、電子デバイス、及び方法が開示される。熱伝達デバイスは、貯蔵室、貯蔵室内に収容されている冷媒、冷却室、1以上の熱伝達構成要素、貯蔵室と冷却室との間の流体通路、及びバリア要素を含む。冷媒は、初期圧力で貯蔵室内に収容され得る。1以上の熱伝達構成要素は、冷却室の外側の熱源から冷却室への熱伝達を促進するように位置決めされ且つ構成され得る。バリア要素は、(i)バリア要素が、冷媒が貯蔵室から流体通路を通って冷却室の中へ流れることを制限するように構成された、クローズ構成、及び(ii)バリア要素が、貯蔵室内の冷媒が貯蔵室から流体通路を通って冷却室の中へ流れることを可能にするように構成された、オープン構成を有し得る。バリア要素は、トリガ状態に応答してクローズ構成からオープン構成へ再構成されるように構成され得る。ある実施例では、トリガ状態が、貯蔵室内に収容されている冷媒がトリガ温度に到達したこと、及び貯蔵室内に収容されている冷媒の初期圧力がトリガ圧力に到達したことのうちの少なくとも一方を含む。
【0005】
方法は、貯蔵室内に冷媒を貯蔵すること、及び、トリガ状態が生じたことに基づいて、バリア要素を、(i)バリア要素が、冷媒が貯蔵室から流体通路を通って流れることを制限するように構成された、クローズ構成から、(ii)バリア要素が、貯蔵室内の冷媒が貯蔵室から流体通路を通って流れることを可能にするように構成された、オープン構成に再構成されることを含む。該方法は、冷媒が流体通路から冷却室を通って流れるのを可能にすることを更に含み、冷媒が冷却室を通って流れる間に、熱が熱源から1以上の熱伝達構成要素を介して冷媒に伝達される。
【0006】
前述の特徴、機能、及び利点は、様々な例において個別に実現可能であるか、又は、更に別の例において組み合わせることが可能である。下記の説明及び図面を参照することで、これらの特徴、機能、及び利点の更なる詳細が理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本開示による、熱伝達デバイスを表す概略図である。
図2】バリア要素がクローズ構成である例示的な熱伝達デバイスを表す概略図である。
図3】バリア要素がオープン構成である例示的な熱伝達デバイスを表す概略図である。
図4】バリアデバイスが、貯蔵室内の中央に位置付けられたバーストディスク又は膜である、例示的な円筒形状の貯蔵室の図である。
図5】バリアデバイスが、貯蔵室内の中央に位置付けられていないバーストディスク又は膜である、多角形の角柱形状を有する例示的な貯蔵室の図である。
図6】貯蔵室及び複数の更なる貯蔵室を含む、例示的な装置の図である。
図7】バリアデバイスがプランジャデバイスを含む、例示的な円筒形状の貯蔵室の図である。
図8】バリアデバイスがプランジャデバイスを含む例示的な貯蔵室であって、チムニー(chimney)を含む例示的な貯蔵室の図である。
図9】貯蔵室及び更なる貯蔵室を含む例示的な装置の図である。
図10】単一の冷媒流路及び複数のスイッチバックを有する、例示的な円筒形状の冷却室の図である。
図11】貫通孔から径方向外向きに延在する複数の冷媒流路を有する、例示的な冷却室の図である。
図12】スイッチバックを有する複数の冷媒流路を有する、例示的な円筒形状の冷却室の図である。
図13】2つの冷媒流路及び1つの開口を有する、例示的な円筒形状の冷却室の図である。
図14】貫通孔から径方向外向きに延在する湾曲した冷媒流路を有する、例示的な冷却室の図である。
図15】本開示による、例示的な熱伝達デバイスの分解立体図である。
図16】本開示による熱伝達デバイスを使用して熱源を冷却するための方法を概略的に表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
熱源を冷却するための熱伝達デバイス、電子デバイス、及び方法が開示される。概して、図面では、所与の例に含まれる可能性が高い要素は実線で示されているが、所与の例で任意選択的である要素は破線で示されている。しかし、実線で示される要素が本開示の全ての例に必須というわけではなく、本開示の範囲を逸脱することなしに、実線で示される要素が特定の実施例から省略されることもある。
【0009】
本明細書で説明される熱伝達デバイスは、熱を生成し得る電子機器などの熱源を受動的に冷却するために使用され得る。熱源から熱伝達デバイスに熱が伝達されると、熱伝達デバイスの室内に貯蔵されている冷媒の圧力及び/又は温度が増加する。一旦、冷媒の圧力及び/又は温度が、閾値圧力及び/又は閾値温度に到達すると、受動的なイベントにより、冷媒が室から流れ出ることが可能となる。その後、冷媒は、1以上の熱伝達構成要素を介して更なる熱を吸収することによって、熱源を冷却する。
【0010】
図1は、本開示による熱伝達デバイス100を表している概略図である。ある実施例では、熱伝達デバイス100が、熱交換ウエハ(TEW)と称され得る。図1で示されているように、熱伝達デバイス100は、熱源102から熱を引く(すなわち、冷却する)ように構成され得る。熱源102は、エンジン、電子部品などの、熱を生成する動的な構成要素を含み得る。代替的に又は追加的に、熱源102は、熱シールド、ヒートシンクなどの、別の源から熱を受動的に取る構成要素を含み得る。そのような実施例では、熱伝達デバイス100が、熱源102から離すように熱を引くように構成され得る。
【0011】
図1で概略的に示されているように、熱伝達デバイス100は、少なくとも1つの貯蔵室200、貯蔵室200内に収容されている冷媒300、冷却室400、1以上の熱伝達構成要素500、貯蔵室200と冷却室400との間の流体通路600、及びバリア要素700を含む。バリア要素700は、バリア要素700が、冷媒300が貯蔵室200から流れることを制限する、クローズ構成(閉鎖構成)、及び、バリア要素700が、貯蔵室200内の冷媒300が流体通路600を通って冷却室400の中へ流れることを可能にする、オープン構成(開放構成)を有するように構成されている。
【0012】
図2は、バリア要素700がクローズ構成である例示的な熱伝達デバイス100を示している。図2は、熱伝達デバイス100の動作中に、熱源102から冷媒300へ流れる熱104を示している。熱104は、熱源102から、熱伝達構成要素500、貯蔵ハウジング202、冷却ハウジング402、貯蔵熱伝達構成要素516、(熱伝達デバイス100及び/若しくは熱源102の近くに位置付けられた放射及び/若しくは他の環境伝導体などの)別の熱伝達手段、又はそれらの組み合わせを通って流れ得る。図2は、冷媒300の中へ流れる熱104を更に示している。このやり方では、バリア要素700がクローズ構成であるときに、熱伝達デバイス100が、熱源102から離すように熱104を引き、冷媒300内に熱104を蓄える。そのような熱伝達は、強制対流として説明され得る(又はされないかもしれない)。その場合、浮力は、gαΘLである。ここで、Lは長さのスケールであり、Θは温度のスケールである。それは、「DJT’s Physical Fluid Dynamics 2nd edition Ch. 14, Convection」によって説明されている。
【0013】
更に、バリア要素700がクローズ構成であるときに、冷媒300の中への熱104の伝達は、冷媒300の温度を増加させる。貯蔵室200によって囲まれている空間は固定された空間なので、冷媒300の圧力は、温度の増加に対応して且つ冷媒300の熱膨張の特性に従って増加する。ある実施例では、熱伝達デバイス100が、囲まれた貯蔵空間206内に位置付けられた熱分配要素302も含む。熱分配要素302は、冷媒300の全体にわたり熱104を分配するように構成されている。例えば、熱分配要素302は、そこを通って熱104が冷媒300の全体にわたり且つ冷媒300の中へ分配されるところの、アルミニウム発泡体又は他の伝導性メッシュを含み得る。
【0014】
図3は、バリア要素700がオープン構成である例示的な熱伝達デバイス100を示している。図3は、それに沿って冷媒300が囲まれた貯蔵空間206から流体通路600を通って冷却室400の中へ流れるところの、冷媒経路304を示している。貯蔵室200内の冷媒300の圧力は、冷媒300が流体通路600を通って冷却室400の中へ流れることを駆動し得る。すなわち、貯蔵室200内の冷媒300の圧力は、冷却室400内の圧力よりも高いので、冷媒300は、貯蔵室200から冷却室400へ受動的に流れ得る。冷媒の熱力学特性によれば、冷媒300の温度は、冷媒300が冷却室400の中へ膨張する際に降下することとなる。代替的に又は追加的に、冷媒300の温度は、流体通路600内の膨張デバイス(例えば、熱膨張弁、膨張弁、膨張要素、毛細管など)によっても低減され得る。
【0015】
一旦、冷媒300が冷却室400に入ると、図3は、冷媒が1以上の冷媒流路520に沿って出口インターフェース412へ流れることを示している。図3は、熱104が、熱伝達構成要素500から冷媒300の中へ流れることも示している。一旦、冷媒300が出口インターフェース412に到達すると、冷媒300と冷媒300が吸収した熱104との両方が、冷却室400の外側の環境、オーバーフロータンク108、又は他の場所などの、排出領域の中へ排出される。このやり方では、バリア要素700がオープン構成であるときに、冷媒300の受動的な流れが、熱伝達デバイス100に、熱104を熱源102から引かせると共に、熱104を排出領域の中へ排出させる。ある実施例では、冷却室400が、1以上のテストポートを含む。そのようなテストポートは、非破壊試験(NDT)及び/又は非破壊検査(NDI)、漏れ試験、流れ試験、安全性/信頼性/使命信頼性(mission-reliability)/再現性の試験、流体若しくは何らかの他の物質の冷却室の中への注入、冷却室内で真空を引くこと及び/若しくは圧力を変化させること、砂粒/FOD及び/若しくは焼結されていないAM粉末の除去を含む室の洗浄、並びに/又はデバイスの動作中の更なる排出ポートを含む、機能のために使用され得るが、それらに限定されるものではない。他の方法及び/又はデバイスも、テストポートに寄与する又はテストポートから切り離された単一の排出ポートを含むこれらの機能を実現することができる。そのようなテストポートは、恒久的に又は一時的に密封され得る。
【0016】
冷媒300は、貯蔵室200内の冷媒300の圧力と冷却室400内の圧力が等しい状態に到達するまで、貯蔵室200から受動的に流れ出続けることとなる。更に、貯蔵室200から出る冷媒300の質量流量は、囲まれた貯蔵空間内の冷媒300の圧力と冷却室400内の圧力との間の圧力差に依存する関係となる。これは、貯蔵室200内の冷媒300の圧力と冷却室400内の圧力が等しくなるにつれて、冷媒300の質量流量を低減させることとなる。
【0017】
更に、図3では特に示されていないが、本開示によれば、図2で描かれている熱源102から冷媒300への熱104の伝達は、バリア要素700がオープン構成である間にも生じ続ける。このやり方では、バリア要素700がオープン構成である間に、貯蔵室200内の冷媒300の中へ流れ続ける熱104は、貯蔵室200内の冷媒300の圧力を増加させ、したがって、冷媒300の冷却室400の中への継続した流れを駆動する。
【0018】
図1から図3で示されているように、貯蔵室200は、貯蔵ハウジング202を含み得る。貯蔵ハウジング202の内面204は、囲まれた貯蔵空間206を画定する。貯蔵ハウジング202と囲まれた貯蔵空間206とは、用途及び/又は特定の用途に対する空間的要件に応じて、様々な適切な形状を採り得る。例示的な実施例として、貯蔵ハウジング202及び/又は囲まれた貯蔵空間は、円筒形状、矩形の角柱形状、又は任意の他の形状であり得る。図1から図3で示されているように、冷媒300は、囲まれた貯蔵空間206内に貯蔵されている。冷媒300は、熱を効率的に吸収することができる任意の物質を含み得る。図3で概略的に表されているように、特定の熱伝達デバイスが設計される通常の動作条件の範囲内で、冷媒300は、バリア要素700が完全に且つ/又は部分的にオープン構成であるときに、貯蔵室200から流体通路600を通って冷却室400に流れることができる。冷媒300は、熱伝達デバイス100の通常の動作条件において液体であってよい。熱伝達デバイス100の通常の動作条件は、それに対して特定の熱伝達デバイス100が設計されるところの動作の過程で存在する可能性が高い潜在的な条件(例えば、温度、圧力、湿度など)の範囲を含む。このやり方では、個々の熱伝達デバイスの目的に応じて、対応する熱伝達デバイス100の通常の動作条件に合致する特性を有する種々の冷媒300が選択され得る。
【0019】
ある実施例では、冷媒300が、長い期間にわたり安定した状態であり続けるための、その能力に対して選択され得る。そのような期間の例は、10-18、10-15、10-9、10、10、10、10、10、10、10、10、10、少なくとも10-18、少なくとも10-15、少なくとも10-9、少なくとも10、少なくとも10、少なくとも10、少なくとも1010、10-18未満、10-15未満、10-9未満、10未満、10未満、10未満、及び/又は1010未満の秒、分、時間、日、週、月、年、10年、又は他の時間の単位を含む。mmしかし、本開示の範囲から逸脱することなしに、他のものも使用されてよい。例えば、熱伝達デバイス100が宇宙船の電子部品を冷却するように設計される場合、冷媒は、電子部品が起動され且つ/又は他のやり方で熱を生成する前に、数年の間だけ貯蔵室内で安定であり続ける必要があるだろう。このレベルの安定性を実現するために、冷媒300は、沸点の温度が熱伝達デバイスの動作温度の範囲より高くなり、且つ/又は、氷点の温度が熱伝達デバイスの動作温度の範囲未満であり得る。これにより、熱伝達デバイス100は、長い期間にわたり休止状態であり続けることができる。その間、冷媒は、故障し、その機能的特性を失い/変化させ、又は熱伝達デバイス100に損傷を与えることがない。例えば、冷媒300は、部分的に且つ/又は全体的にメタンを含み得る。ある実施例では、冷媒300が、冷媒300の安定性を改善する構成要素成分を含み得る。例えば、冷媒は、それ自体が難燃剤である構成要素成分を含み得るか、又は、冷媒300の他の構成要素と組み合わされたときに、冷媒300が発火することを防止する構成要素成分を含み得る。代替的に又は追加的に、冷媒300は、冷媒300の電圧伝達能力(voltage-carrying capability)を改善し且つ/又は提供する構成要素成分を含み得る。例えば、冷媒は、任意選択的に、水と硫酸マンガンの混合物を含み得る。ある実施例では、熱伝達デバイス100が、貯蔵熱伝達構成要素516を含み得る。貯蔵熱伝達構成要素516は、熱伝達構成要素500と区別されてよく、冷却室400を通過することなく、熱源102との間での伝達を可能にするように構成されている。
【0020】
流体通路600は、冷媒300が、貯蔵室200から冷却室400へ流れることを可能にするように構成されている。ある実施例では、流体通路600が、冷媒300が流体通路を通って流れる際に、冷媒300を膨張させるように構成されている。例えば、冷媒300は、初期圧力で流体通路600の中へ流れ、初期圧力より低い膨張した圧力で流体通路600から流れ出ることができる。冷媒300の圧力の低減は、冷媒300が囲まれた貯蔵空間206から移動したことの結果であり得る。それによって、冷媒300は、増加した空間(すなわち、囲まれた貯蔵空間206から囲まれた貯蔵空間206と囲まれた冷却空間406との両方を含むエリア)内に収容される。更に、冷媒300の圧力の低減は、冷媒300が流体通路600を通って移動する際に、冷媒300が膨張デバイス(例えば、熱膨張弁、膨張弁、膨張要素、毛細管など)を通過したことの結果であり得る。それらの組み合わせも原因であり得る。例えば、流体通路600は、貯蔵室200及び/又は冷却室400に連結された膨張弁602を含み得る。そのような実施例では、冷媒300が、貯蔵室からそのような膨張弁602の中に初期圧力で流れ、膨張弁602から冷却室400に向けて初期圧力未満の膨張した圧力で流れ出る。代替的に又は追加的に、膨張弁602及び/又は流体通路600の別の構成要素は、冷媒300を液体の状態から気体の状態に遷移させ得る。例えば、ある実施例では、冷媒300が、囲まれた貯蔵空間206内に液体の状態で貯蔵されているが、冷媒300が、流体通路600を介して冷却室400の中へ流れるときには気体である。
【0021】
流体通路600は、流体室640を含み得る。流体室640は、バリア要素700がオープン構成であるときに、バリア要素700を介して冷媒が入る囲まれた空間であり得る。冷媒300は、流体室640から出て、囲まれた冷却空間406に入ることができる。更に、ある実施例では、流体通路600が、2つ以上のバリア要素700の組の任意の個々のバリア要素700がオープン構成であるときに、その中に冷媒300が流れるところの共有の流体通路660であってよい。
【0022】
図1から図3で示されているように、熱伝達デバイス100は、貯蔵室200に隣接して位置付けられた冷却室400も含む。冷却室400は、囲まれた冷却空間406を画定する内面404を有する冷却ハウジング402を含む。冷却ハウジング402及び/又は囲まれた冷却空間406のうちの1以上は、円筒形状、矩形の角柱形状、又は任意の他の形状であり得る。囲まれた冷却空間406の形状は、囲まれた貯蔵空間206と同じ形状であってよく、又は異なった形状であってよい。
【0023】
熱伝達デバイス100は、流体通路600と囲まれた冷却空間406との間のインターフェースに位置付けられた貫通孔408を更に含み得る。貫通孔408は、貯蔵ハウジング202及び/又は冷却ハウジング402によって画定され、冷媒300が、流体通路600から囲まれた冷却空間406へ流れることを可能にするように構成されている。貫通孔408は、冷却室400の中央領域に位置付けられ得る。代替的に、貫通孔408は、冷却室400の側部領域に沿うなどして、冷却室400の任意の他の場所に位置決めされてよい。更に、本開示によれば、熱伝達デバイス100は、そこを通って冷媒が流体通路600から囲まれた冷却空間406へと移動することができるところの、2つ以上の貫通孔408を含み得る。そのような実施例では、2つ以上の貫通孔が、径方向に対称であり得るか又は径方向に非対称であり得る。例えば、熱伝達デバイス100が3つ以上の貫通孔を含む場合、全てが対称、非対称、又はサブセットが対称であってよい。更に、個々の貫通孔は、円形状である必要はなく、それらは、正方形状、台形状などを含んで、任意の形状を採り得る。ある実施例では、熱伝達デバイス100が、対応する貫通孔408の形状を変換するように構成された、貫通孔408内に又は貫通孔408に隣接して位置決めされたアダプタ410も含む。例えば、アダプタ410は、円形状の貫通孔408内に置かれて、貫通孔408を台形状の貫通孔408に変換し得る。
【0024】
冷却室400は、冷媒300が、囲まれた冷却空間406から流れ出ることを可能にするように構成された1以上の出口インターフェース412も含み得る。出口インターフェース412は、冷却ハウジング402によって画定された孔と合致し得る。冷媒は、囲まれた冷却空間406から、囲まれた冷却空間406の外側の環境106、オーバーフロータンク108、又は別の場所などの、排出領域の中へ流れ出ることができる。ある実施例において、出口インターフェース412は、冷媒300が、囲まれた冷却空間406からチムニー414へ流れることを可能にし得る。チムニー414は、冷媒が、囲まれた貯蔵空間206、及び/又は熱伝達デバイス100の1以上の他の構成要素を通って又はそれらに隣接して流れることを可能にする。代替的に又は追加的に、冷却室400は、冷媒300の流れを囲まれた冷却空間406に向けて且つ/又は囲まれた冷却空間406を通って導くように構成された下水管構造を含み得る。ある実施例では、下水管構造が、冷媒300の流れを囲まれた冷却空間406及び/又は熱伝達デバイス100から出すようにも導き得る。
【0025】
熱伝達デバイス100は、熱源102と囲まれた冷却空間406との間で熱を伝達することを可能にするように構成された1以上の熱伝達構成要素500も含む。個々の熱伝達構成要素500は、熱源102に近接して位置付けられた加熱端501、及び囲まれた冷却空間406の範囲内に位置付けられた冷却端503を含み得る。加熱端501は、熱源102と動作可能に連結され得る。それによって、熱源によって生成された熱104は、加熱端501に流れる。ある実施例では、熱伝達構成要素500が、囲まれた貯蔵空間206の中へ延在する伝導部分518を含み得る。代替的に又は追加的に、囲まれた冷却空間406と囲まれた貯蔵空間206との間のバリア900が、伝導膜、被覆、及び/又は他のバリア構造体などの、熱伝達構成要素500に一致し且つ/又はそれらを任意選択的に含み得る。そのようなバリア構造体は、囲まれた冷却空間406を囲まれた貯蔵空間206から部分的に又は完全に分離する。例えば、そのようなバリア900は、ろう箔902、フィンアレイを有する分離シート、及び/又は他の伝導性構成要素のうちの1以上を含み得る。そのような伝導性構成要素は、熱が囲まれた貯蔵空間206の中へ移動し且つ/又は熱がバリア全体にわたって均一に分配されることを可能にするように構成されている。
【0026】
本開示によれば、1以上の熱伝達構成要素500は、ピン506、ベーン508、ロッド510、フィン、及び/又は他の構造体を含み得る。そのような構造体は、熱源102と囲まれた冷却空間406との間で熱が伝達されることを可能にするように構成されている。例えば、熱伝達構成要素500は、囲まれた冷却空間の範囲内に分散された複数のスポンジロッドを含み得る。熱伝達デバイス100は、マトリクスアレイ、オフセットマトリクスアレイ、スパイラルアレイ、又は任意の他の分散されたパターンにある、囲まれた冷却空間406の範囲内に配置された、幾つかのピン506、ロッド510、又はそれらの組み合わせを含み得る。個々のピン506、ベーン508、ロッド510、フィン、及び/又は他の熱伝達構成要素のサイズは、一定であり得るか又は変動し得る。例えば、ある実施例では、貫通孔408の近くに位置付けられた熱伝達構成要素500が、貫通孔408からより離れて位置付けられた熱伝達構成要素500より小さくなり得る(すなわち、より小さい半径、表面積、高さなどを有する)。ピン506及び/又はロッド510の断面形状は、円形、卵型、多角形、先の尖った楕円形(Vesica Piscis)、又は別の形状であってよい。
【0027】
ある実施例では、冷却ハウジング402の一部又は全部が、熱源102から囲まれた冷却空間406に熱を分配する伝導材料を含み得る。例えば、冷却ハウジング402の側部及び/又は部分416は、熱源102から、囲まれた冷却空間406、内面404、及び/若しくは1以上のピン506、ベーン508、ロッド510、フィン、並びに/又は熱伝達構成要素500の他の構造部品へ熱を分配する伝導材料を含み得る。冷却ハウジング402の側部及び/又は部分416は、平坦な側部/部分であってよく、又は持ち上げられた、湾曲した、又は他の不規則形状418を有し得る。そのような不規則形状418は、側部及び/又は部分416と囲まれた冷却空間406との間の熱伝達のための表面積を増加させる。
【0028】
熱伝達デバイス100は、冷媒300が貫通孔408から囲まれた冷却空間406を通って出口インターフェース412へ流れるのを誘導するように構成された、1以上のベーン又は他の構造体を更に含み得る。ベーン又は他の構造体は、任意選択的に、冷媒がベーンを通って流れるのを可能にするように構成されたカットアウト(切り抜き)514を含み得る。カットアウト514は、ボイド、孔、開口、通路、通り道などとしても表され得る。カットアウト514は、円形、卵型、多角形、菱形、又は別の形状であってよい。カットアウトは、「Shapiro’s The Dynamics and Thermodynamics of Compressible Fluid Flow Ch. 27, Volume 2.」によって説明されるように、壁剪断TWを変化させ得る。そのような菱形の貫通孔は、上述されたベーンを含む構造体の壁を完全に貫通し得る。その場合、そのような壁は、一定又は変動する厚さ、平坦又は非平坦な表面、この設置内では三日月(crescent)形状の表面を有し得る。ある実施例では、1以上のベーン又は他の構造体が、熱源102から囲まれた冷却空間406へ熱を伝達することを可能にするように構成された熱伝達構成要素500であってよい。例えば、熱伝達構成要素500は、冷媒流路520に沿って冷媒300の流れを誘導するように位置決めされた、ベーン508、フィン、又は他の構造体を含み得る。様々な実施例では、個々のベーン508、フィン、又は他の構造体が、一定の幅、変動する幅、一定の高さ、変動する高さを有し、冷却ハウジング402の関連付けられた表面と直交し、個々のベーン508と冷却ハウジング402の関連付けられた表面との間にキャンバー角を有し、又はそれらの組み合わせであり得る。
【0029】
冷媒流路520は、1以上のスイッチバック(折り返し)522を含み得る。ある実施例では、そこを通って冷媒300が貫通孔408から出口インターフェース412に流れることができるところの2つ以上の冷媒流路520が存在し得る。例えば、貫通孔408が囲まれた冷却空間406内の中央に位置付けられている場合に、ベーン又は他の構造体は、貫通孔408から径方向外向きに導く複数の冷媒流路520を画定し得る。
【0030】
本開示によれば、熱伝達デバイス100は、貯蔵室200から冷却室400への冷媒300の流れを制御するように構成されたバリア要素700も含む。バリア要素700は、バリア要素700が、冷媒300が貯蔵室200から流れることを制限する、クローズ構成、及び、バリア要素700が、貯蔵室200内の冷媒300が流体通路600を通って冷却室400の中へ流れることを可能にする、オープン構成を有し得る。例示的なバリア要素700は、バーストディスク(burst disc)、浸透性膜、プランジャ、解放弁、圧力解放弁、逆止め弁(check valve)、パイロテクニックバルブ(pyrotechnic valve)、電磁弁(solenoid valve)、ボール・バネ弁などの任意の組み合わせを含み得るが、それらに限定されるものではない。
【0031】
本開示によれば、バリア要素700は、トリガ状態に応答してクローズ構成からオープン構成へ再構成されるように構成されている。例えば、トリガ状態は、囲まれた貯蔵空間206内に収容されている冷媒300が特定の温度に到達したこと、囲まれた貯蔵空間206内に収容されている冷媒300の現在の圧力(すなわち、対応する時間、現在の時間、又は現在時刻における圧力)が、特定の圧力レベルに到達したこと、又はそれらの組み合わせに一致し得る。
【0032】
ある実施例では、バリア要素700が、クローズ構成からオープン構成へ受動的に移行するように構成されている。すなわち、バリア要素700は、クローズ構成からオープン構成へ移行するために、熱伝達デバイス100の外側からの信号又は他の刺激を必要としなくてよい。例えば、バリア要素700は、熱伝達デバイス100の動作状態(例えば、囲まれた貯蔵空間206内の冷媒300の状態など)に応答して、クローズ構成からオープン構成へ受動的に移行するように構成され得る。
【0033】
例えば、バリア要素700は、冷媒300が囲まれた貯蔵空間206から流れることを制限するバリアを形成し、冷媒300がバーストディスク702に印加する圧力が特定の圧力レベルを超えたときに破裂するように構成された、バーストディスク702を含み得る。様々な実施例において、バーストディスク702の特性(例えば、サイズ、厚さ、構成要素の材料、弾性など)、冷媒300の特性(例えば、冷媒の種類、冷媒の構成要素の原料など)、及び熱伝達デバイス100の初期状態(例えば、囲まれた貯蔵空間206のサイズ、冷媒300の量、冷媒300の初期圧力など)のうちの1以上は、冷媒300が設定温度に到達したときに、バーストディスク702が破裂するように設計され得る。すなわち、熱伝達デバイス100の特性がそのように設計された場合、冷媒300が設定温度に到達したときに、冷媒300は、バーストディスク702を破裂させるのに十分な圧力の量をバーストディスク702にかけることとなる。
【0034】
代替的に又は追加的に、バリア要素700は、そこを通って冷媒300が特定の条件が満たされたときにのみ通過することができるところの膜704を含み得る。例えば、膜704は、冷媒300によって膜704上にかけられる圧力が閾値圧力未満であるときに、冷媒300が囲まれた貯蔵空間206から流れることを制限するように構成され、冷媒300が膜704に印加する圧力が圧力閾値を超えたときに、冷媒300が膜704を横切って流れることを可能にするように構成され得る。
【0035】
更に、バリア要素700は、そこを通って冷媒300が囲まれた貯蔵空間206から流体通路600へ流れることができるところの通路を生成するように構成された、少なくとも1つのプランジャデバイス706を含み得る。プランジャデバイス706は、針の先端及び/又は中空の先端(hollow tip)などの、貫通端部710を有する貫通針708を含み得る。ある実施例では、プランジャデバイス706が、トリガ状態に対応して、貫通端部710に、バリア若しくはバーストディスク702又は他のバリアを破裂させる、駆動機構を含む。例えば、プランジャデバイス706は、圧力タブ上にかけられた圧力が閾値を超えたときに、又は圧力タブの温度が閾値を超えたときに、バースト(破裂)するように構成された圧力タブを含み得る。別の一実施例では、図7で示されているように、プランジャデバイス706が、任意選択的に、プランジャデバイス706が中立位置(neutral position)に移動することを妨げる抑制要素740を含み得る。その場合、プランジャデバイス706が中立位置へ移動することは、そこを通って冷媒300が囲まれた貯蔵空間206から流体通路600に流れることができるところの通路を生成することを含む。そのような実施例では、プランジャデバイス706が、プランジャデバイス706を中立位置に付勢する、バネ、ピストン、又は他の動的機構を含み得る。抑制要素740は、トリガイベントが生じるまで、プランジャデバイス706を非中立位置に抑制するように構成され得る。例えば、抑制要素740は、閾値温度で溶ける材料(例えば、ワックス、鉛など)を含み得る。その場合、一旦溶けると、プランジャデバイス706は、中立位置に移動することが許容される。ある実施例では、プランジャデバイス706が、閉鎖圧力がプランジャデバイスに印加される、プランジャデバイス706が閉鎖温度に到達する、などの閉状態に応答して、通路を塞ぐようにも構成され得る。
【0036】
図7で示されているように、ある実施例では、熱伝達デバイス100が、クローズ構成からオープン構成へのバリア要素700の移行を制御及び/又は開始するように構成された、閉回路742も含み得る。閉回路742は、トリガ状態が生じたことを検出するように構成された、圧力センサ(例えば、歪ゲージ)、温度センサ(例えば、熱電対)、又は他のセンサなどの、センサ744を含み得る。例えば、閉回路742は、バリア要素700をクローズ構成とオープン構成との間で移行させるのに十分な電圧を生成するように構成された熱電対を含み得る。
【0037】
更に、図1の破線で概略的に示されているように、熱伝達デバイス100は、任意選択的に、1以上の更なる貯蔵室250、更なる貯蔵室250内に収容されている更なる冷媒350、更なる貯蔵室250と冷却室400との間の更なる流体通路650、及び更なるバリア要素750も含み得る。ある実施例では、熱伝達デバイス100が、複数の更なる貯蔵室250を含み得る。その場合、各個別の更なる貯蔵室250が、更なる冷媒350を貯蔵する。バリア要素700に類似して、個々の更なるバリア要素750は、更なるバリア要素750が、更なる冷媒350が更なる貯蔵室250から流れることを制限する、クローズ構成、及び、更なるバリア要素750が、更なる貯蔵室250内の更なる冷媒350が更なる流体通路650を通って冷却室400の中へ流れることを可能にする、オープン構成を有するように構成され得る。
【0038】
ある実施例では、個々の更なるバリア要素750が、バリア要素700に対するトリガ状態とは異なる(1以上の)更なるトリガ状態に応答して、クローズ構成からオープン構成へ再構成されるように構成されている。例えば、更なるバリア要素750に対する更なるトリガ状態は、(i)更なる貯蔵室250内に収容されている更なる冷媒350が更なるトリガ温度に到達したこと、及び(ii)更なる貯蔵室250内に収容されている更なる冷媒350の初期圧力が更なるトリガ圧力に到達したこと、のうちの一方又は両方に一致し得る。更なる流体通路650は、更なるバリア要素750がクローズ構成からオープン構成へ再構成されたことに対応して、更なる冷媒350が更なる貯蔵室250から更なる流体通路650を通って冷却室400へ流れる際に、更なる冷媒350を初期圧力から膨張した圧力へ膨張させるように構成され得る。代替的に又は追加的に、流体通路600は共有の流体通路660であり、更なるバリア要素750は、更なる冷媒350が共有の流体通路660の中へ流れることを可能にするように構成され得る。
【0039】
本開示によれば、熱伝達デバイス100の構成要素のうちの少なくとも1つが、積層造形を使用して構築され得る。例えば、1以上の熱伝達構成要素500は、積層造形を使用して、部分的に又は完全に構築され且つ/又は他のやり方で囲まれた冷却空間406に追加され得る。例示的な積層造形方法は、VAT光重合、粉末層融合(powder bed fusion)、バインダージェッティング(binder jetting)、材料ジェッティング、シート積層、材料押し出し、指向性エネルギー堆積、指向性金属レーザ焼結、直接金属プリンティング、電子ビーム積層造形、電子ビーム溶融、電子ビーム粉末床法、熱溶解積層法(fused deposition modeling)、間接粉末床法、レーザクラッディング、レーザ堆積、レーザ堆積溶接、レーザ堆積溶接/一体型ミリング(laser deposition welding/integrated milling)、レーザ設計ネット成形(laser engineering net shaping)、レーザ自由成形製造、粉末を用いたレーザ金属堆積、ワイヤを用いたレーザ金属堆積、レーザ粉末床法、レーザパドル堆積(laser puddle deposition)、レーザリペア法、粉末指向性エネルギー堆積、光造形法、選択的レーザ溶融、選択的レーザ焼結、スモールパドル堆積(small puddle deposition)、及びこれらのハイブリッドプロセスを含むが、それらに限定されるものではない。例えば、粉末は、収集された廃棄粉末又は放電加工(EDM)機械加工プロセスから生成された粉末として形成され得る。
【0040】
例示的な積層造形の材料は、非限定的に、IN625、IN718、Ti-6Al-4V、Al-Si-10Mg、SS316、Monel、Monel K500、銅、Ti-5553、Ti-6Al-6V-2Sn、Ti-6242、マルエイジング鋼MSI 18、Mar 300、316L、17-4、15-4、コバルトクロムSP2、 Ti-6Al-4V ELI、ニッケル合金HX、金(au)、銀(ag)を含む、鋼鉄、ステンレス鋼、チタニウム、銅、アルミニウム、ニッケル合金、及びそれらの合金などの、金属を含み、更に、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリ乳酸(PLA)、ポリビニルアルコール、及びポリカーボネートを含む、プラスチック/ポリマー/エラストマーを含み、並びにウルテム、トリフルオロクロロエチレン樹脂(Kel-F)、ケブラー、ナイロン、及び炭素複合材を含む他のもの、更に、ポリアミド(PA)、硫化ポリフェニレン(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフェニルスルホン(PPSU)、ポリエーテルスルホン(PES)、熱可塑性ポリイミド(TPI)、液晶性ポリマー(LCP)、ポリアミドイミド(PAI)などの熱可塑性プラスチックを含む。
【0041】
代替的に又は追加的に、本明細書で開示される熱伝達デバイスは、部分的に又は完全に、傾斜機能材料(FGM)から形成され又はさもなければ傾斜機能材料を含み得る。例えば、膨張弁又は他の種類の弁などの流体通路600の構成要素は、Ti-6Al-4VからAl-Si-10Mgへの混合物(blend)を含むFGMから形成され得る。一実施例では、本明細書で開示される構造体が、熱膨張係数(CTE)の変化を含む傾斜機能材料(FGM)特性が実現できるように、堆積された積層造形材料の混合を変更することにより形成され得る。そのような変更は、貫通デバイスの受動的な作動に対して有用であり得る。
【0042】
更に、本明細書で開示される熱伝達デバイスの構築において、非限定的に、Cu、Ag、Al、Sb、Zn、Sn、及びハンダや低融点Ag合金ハンダなどの、他の合金(Ag-Sn-Pb、Ag-Pb、Ag Sn、Ag-Sn-Cu、Ag- Cd-Zn、Ag-Cd)、ポリエチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリプロピレン、PMMA、ポリエーテルスルホン、熱可塑性ポリエステル、共重合体又はポリヘキサフルオロプロピレン、及びポリテトラフルオロエチレン、ポリフルオロビニリデン、並びに、非限定的に、米国特許第5,805,971号で説明されるものなどの、ドライフィルム型レジストを含む、他の有機複合フォトレジスト材料を含む、PVAのようなプラスチック用の支持材料、又は水溶性結晶及び他のメルトアウェイ(melt-away)を含む金属要素用の支持材料などの、支持材料が使用され得る。デバイスは、高温耐性エポキシを含むエポキシを含む、非熱可塑性材料を用いて構築されてもよい。
【0043】
構造体の1以上の部分は、ナイロン、アクリロニトルブタジエンスチレン、ポリ乳酸、ポリエーテルイミド(ULTEM(登録商標))、炭素繊維、パラアラミド合成繊維(KEVLAR(登録商標))、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン(TEFLON(商標))、及びポリエチレンテレフタラートを含む、プラスチックから形成されてもよいが、それらに限定されるものではない。ある実施例では、構造体が、高振動レジームに対する弾力性、空力弾性用途における撓みを目的として、柔軟な(flexible)材料から構築されてよい。
【0044】
次に、図4から図14を参照すると、本開示による、貯蔵室200及び冷却室400の非排他的な例示的実施例が示されている。必要に応じて、図1から図3の概略図からの参照番号が、図4から図14の実施例の対応する部品を指定するために使用されるが、図4から図14の実施例は、非排他的であり、熱伝達デバイス100を図4から図14の例示的実施例に限定するものではない。要するに、本開示による熱伝達デバイス100は、図4から図14で示されている例示的な貯蔵室200及び冷却室400の特定の実施例に限定されず、熱伝達デバイス100は、図4から図14の概略的な表現及び/又は図4から図14の実施例を参照しながら示され説明された熱伝達デバイス100、更に、それらの変形例の任意の数の様々な態様、構成、特徴、特性などを組み込み得るが、全てのそのような態様、構成、特徴、特性などを包含する必要はない。簡潔にするために、先ほど説明された各構成要素、部品、部分、態様、分野など、若しくはそれらの変形例は、図4から図14の実施例に関して再び説明され、示され、及び/又は符号を付けられないが、先ほど説明された特徴、変形例などが、本発明の様々な実施例において図4から図14の実施例を利用し得ることも、本開示の範囲内である。
【0045】
図4から図6は、本開示による熱伝達デバイス100用の例示的な貯蔵室を示しており、それらの中では、バリアデバイスがバーストディスク又は膜を備えている。例えば、図4は、例示的な円筒形状の貯蔵室200を示している。その中では、バリア要素700が、貯蔵室200の範囲内で中央に位置付けられたバーストディスク又は膜である。本開示によれば、(i)冷媒300の温度がトリガ温度に到達した、及び(ii)貯蔵室200内に貯蔵されている冷媒300の圧力が閾値圧力に到達したうちの少なくとも一方のときに、バリア要素700が破裂し且つ/又は他のやり方で冷媒300が流体通路600を介して関連付けられた囲まれた冷却空間の中へ流れることを可能にする。
【0046】
図5は、多角形の角柱形状を有する例示的な貯蔵室200を示しており、その中では、バリア要素700が、貯蔵室200の範囲内で中央に置かれていないバーストディスク又は膜である。オープン構成であるときに、囲まれている貯蔵空間206内に貯蔵されている冷媒300は、流体通路600の中へ流れる。その後、冷媒300は、貫通孔408を通過することによって、関連付けられた囲まれた冷却空間406の中へ流れ得る。図5は、冷媒300の流れと共にデブリが貫通孔408を通って移動することを物理的に防止するように構成されたキャッチ642を含むように、流体室640を更に示している。
【0047】
図6は、貯蔵室200及び複数の更なる貯蔵室250を含む例示的な装置を示している。例えば、図6は、冷媒300を貯蔵する囲まれた貯蔵空間206、及び更なる冷媒350を貯蔵する複数の更なる貯蔵室250を含む、装置を示している。図6は、バリア要素700及び複数の更なるバリア要素750を含む装置も示している。図6は、オープン構成であるときに、各々が、更なる冷媒が流体室640を備えた共有の流体通路660の中へ流れることを可能にする、複数のバリア要素760も示している。
【0048】
図7から図9は、本開示による熱伝達デバイス100用の例示的な貯蔵室を示しており、それらの中では、バリアデバイスがプランジャデバイスを備える。例えば、図7は、例示的な円筒形状の貯蔵室200を示している。その中では、バリア要素700が、プランジャデバイス706を含む。本開示によれば、(i)冷媒300の温度がトリガ温度に到達した、及び(ii)貯蔵室200内に貯蔵されている冷媒300の圧力が閾値圧力に到達したうちの少なくとも一方のときに、プランジャデバイス706が貫通針708を作動させ、それによって、貫通端部710がバーストディスク702又は他のバリア内に破裂部分を生成する。その後、冷媒300は、破裂部分を通って流体通路600の中へ流れることもできる。その後、冷媒300は、貫通孔408を介して囲まれた冷却空間406の中へ移動し得る。
【0049】
図7で概略的に示されているように、プランジャデバイス706は、任意選択的に、圧力タブ上にかけられた圧力が閾値を超えたときに、又は圧力タブの温度が閾値を超えたときに、バースト(破裂)するように構成された圧力タブを含み得る。別の一実施例では、プランジャデバイス706が、プランジャデバイス706が中立位置へ移動することを妨げる抑制要素740を含み得る。その場合、プランジャデバイス706が中立位置へ移動することは、そこを通って冷媒300が囲まれた貯蔵空間206から流体通路600に流れることができるところの通路を生成することを含む。
【0050】
図8は、バリア要素700がプランジャデバイス706を含む例示的な貯蔵室200であって、チムニー414を含む貯蔵室を示している。図8で示されている例示的な貯蔵室200は、貯蔵ハウジング202によって画定された開口920も含む。開口920は、貯蔵室200を通る通視線(line of sight)を可能にし得る。ある実施例では、貯蔵室200及び冷却室400を通る通視線が存在するように、貯蔵室200及び冷却室400が開口920を含み得る。それによって、熱伝達デバイス100が取り付けられる熱源102及び/又は他の表面の少なくとも一部分が、視認可能となる。図8は、複数の貫通孔408を含む流路600、及びチムニー414も示している。チムニー414は、冷媒300が囲まれた冷却空間から囲まれた貯蔵空間206及び/又は熱伝達デバイス100の1以上の他の構成要素を通って流れることを可能にする。
【0051】
図9は、貯蔵室200及び更なる貯蔵室250を含む例示的な装置を示している。具体的には、図9が、複数のバリア要素700(すなわち、プランジャデバイス706)を含む装置を示している。複数のバリア要素700の各々は、オープン構成であるときに、冷媒300又は350が共有の流路660及び貫通孔408の中へ流れることを可能にする。図9は、冷媒300又は350が、囲まれた冷却空間から、囲まれた貯蔵空間206及び/又は熱伝達デバイス100の1以上の他の構成要素を通って流れることを可能にする、チムニー414も示している。
【0052】
図10から図14は、本開示による熱伝達デバイス100のための例示的な冷却室を示している。例えば、図10は、単一の冷媒流路520及び複数のスイッチバック522を有する、例示的な円筒形状の冷却室400を示している。冷媒300は、囲まれた冷却空間406に貫通孔408を介して入り、冷却流路520に沿って流れるようにベーン508によって導かれ得る。図10は、ピン506のオフセットマトリクスアレイ(offset matrix array)も示している。様々な実施例では、個々のベーン508が、一定の幅、変動する幅、一定の高さ、変動する高さを有し、冷却ハウジング402の関連付けられた表面と直交し、個々のベーン508と冷却ハウジング402の関連付けられた表面との間にキャンバー角を有し、又はそれらの組み合わせであり得る。ベーン508及びピン506のうちの1以上は、冷媒300が冷媒流路520に沿って流れる際に、熱が熱源102から冷媒300の中へ伝達されることを可能にするように構成され得る。図10は、冷媒が冷媒流路520内を通過移動する間に冷媒によって吸収された任意の熱とともに、そこを通って冷媒300が囲まれた冷却空間406から流れ出ることができるところの出口インターフェース412も示している。
【0053】
図11は、貫通孔から径方向外向きに延在する複数の冷媒流路を有する、例示的な冷却室400を示している。冷媒は、囲まれた冷却空間に貫通孔408を介して入り、ベーン508によって画定された冷媒流路520のうちの1つに沿って径方向外向きに流れ得る。図11は、マトリクスアレイ状に配置された複数の熱伝達構成要素500も示している。複数の熱伝達構成要素500は、冷媒300が冷媒流路520に沿って流れる際に、熱が熱源102から冷媒300の中へ伝達されることを可能にするように構成されている。図11は、冷媒が冷媒流路520内を通過移動する間に冷媒によって吸収された任意の熱とともに、そこを通って冷媒300が囲まれた冷却空間406から流れ出ることができるところの出口インターフェース412も示している。
【0054】
図12は、スイッチバック522を有する複数の冷媒流路520を有する、例示的な円筒形状の冷却室400を示している。冷媒は、囲まれた冷却空間に貫通孔408を介して入り、ベーン508によって画定された冷媒流路520のうちの1つに沿って流れ得る。図12は、伝導材料を含むものとして冷却ハウジング402の一部分416を更に示している。伝導材料は、冷媒300が冷媒流路520に沿って流れる際に、熱を熱源102から冷媒300に分配する。図12は、冷媒が冷媒流路520内を通過移動する間に冷媒によって吸収された任意の熱とともに、そこを通って冷媒300が囲まれた冷却空間406から流れ出ることができるところの出口インターフェース412も示している。
【0055】
図13は、2つの冷媒流路520及び開口920を有する、例示的な円筒形状の冷却室400を示している。冷媒は、囲まれた冷却空間に複数の貫通孔408を介して入り、2つの冷媒流路520のうちの1つに沿ってチムニー414に流れ得る。図13は、マトリクスアレイ状に配置された複数の熱伝達構成要素500も示している。図13は、貫通孔408の近くに位置付けられた熱伝達構成要素が、チムニー414の近くにある熱伝達構成要素より小さい(例えば、低減された半径、高さ、表面積などを有する)ことも示している。図13で示されている例示的な冷却室400は、冷却ハウジング402によって画定された開口920も含む。開口920は、冷却室400を通る通視線を可能にする。
【0056】
図14は、貫通孔から径方向外向きに延在する複数の湾曲した冷媒流路を有する、例示的な冷却室400を示している。冷媒300は、囲まれた冷却空間に貫通孔408を介して入り、湾曲したベーン508によって画定された冷媒流路520のうちの1つに沿って径方向外向きに流れ得る。図14では、冷媒300が、中央分配位置において囲まれた冷却室に入る。中央分配位置は、冷媒300が、複数の湾曲した冷媒流路の各々を通って流れることを可能にするように設計されている。したがって、冷媒300が中央分配位置の中へ流れる際に、冷媒300は、中央分配位置から複数の湾曲した冷媒流路の中へ外向きに押される。図14で示されているように、ベーン508によって画定された冷媒流路520は、それらが貫通孔408から離れるに従って拡大し得る。図14は、マトリクスアレイ状に配置された複数の熱伝達構成要素500(すなわち、ピン506)も示している。複数の熱伝達構成要素500は、冷媒300が冷媒流路520に沿って流れる際に、熱が熱源102から冷媒300の中へ伝達されることを可能にするように構成されている。図14は、冷媒が冷媒流路520内を通過移動する間に冷媒によって吸収された任意の熱とともに、そこを通って冷媒300が囲まれた冷却空間406から流れ出ることができるところの出口インターフェース412も示している。
【0057】
更に、図14は、ベーン508内のカットアウト514を示している。このやり方では、冷媒300が、カットアウト514を通って異なる冷媒流路520の間で流れることを許容され、したがって、冷媒300及び熱伝達構成要素500の温度は、冷却室400全体にわたり均一であり得る。カットアウト514は、冷媒300がベーン508を通って流れることを可能にするように構成された円形のカットアウト514として示されている。しかし、本開示によれば、カットアウト514は、それ以外のやり方で分散され、サイズ決定され、且つ/又は菱形、先の尖った楕円、及び/若しくは他の形状を含むように形成され得る。例えば、ある例示的な実施形態において、カットアウト514は、各カットアウト514を通る冷媒300の流量が全てのカットアウト514に対して一定となるように、ベーン508内に分散され、サイズ決定され、且つ/又は形成され得る。更に、ある例示的な実施形態では、ベーン508のうちの1以上が、中空であり且つ/又は内部通路を含み得る。このやり方では、冷媒300が、冷却室400の中央から外向きに移動するに従って、中空のベーン508、内部通路内、及び/又はカットアウト514を通って内部を移動することができる。
【0058】
図15は、本開示による、例示的な熱伝達デバイスの分解立体図である。具体的には、図15が、貯蔵ハウジング202によって部分的に画定され且つ冷媒を貯蔵するように構成された貯蔵室200の構成要素、及び冷媒300の全体にわたり熱を分配するように構成された熱分配要素302を示している。図15は、貯蔵室200と冷却室400との間のバリア900も示している。バリア900は、伝導膜、被覆、及び/又は他のバリア構造体などの、熱伝達構成要素500を備える。そのようなバリア構造体は、囲まれた冷却空間406を囲まれた貯蔵空間から部分的に又は完全に分離する。例えば、図15で描かれている実施例では、バリア900が、ろう箔902、フィンアレイを有する分離シート、及び/又は他の伝導性構成要素のうちの1以上を含む。そのような伝導性構成要素は、熱が、冷却室400の中へ移動し且つ/又はバリア900全体にわたって均一に分配されることを可能にするように構成されている。ある実施例では、貯蔵ハウジング202及び/又はバリア900が、囲まれた貯蔵室200から冷媒が漏れることを防止するギブスOリング積層シール(Gibbous O-ring Layering seal)などの、1以上のシールを含み得る。図15はまた、バリア要素700及び流体通路600を含むように、例示的な熱伝達デバイスを示している。その分解立体図では、図15がまた、図14で描かれている例示的な冷却室400を含むように、例示的な熱伝達デバイスを示している。
【0059】
図16は、本開示による方法の例示的且つ非排他的な実施例を示すフローチャートを概略的に提供している。図16では、一部のステップが破線で囲まれて示されている。これは、これらのステップが、任意であり得るか又は本開示による方法の任意のバージョンに対応し得ることを示している。とは言っても、本開示による全ての方法が、実線で囲まれた工程を含む必要はない。図16に示す方法及びステップは、限定的ではなく、本明細書の説明から分かるように、図示したステップの数よりも多い又は少ない数のステップを有する方法を含む他の方法及びステップも、本開示の範囲内に含まれる。
【0060】
図16は、本開示による、熱伝達デバイス100を使用して熱源を冷却するための方法1600を描いているフローチャートである。方法1600は、1602で、貯蔵室(例えば、貯蔵室200)内に冷媒(例えば、冷媒300)を貯蔵することを含む。例えば、貯蔵室は、貯蔵室のハウジングによって画定された囲まれた空間(例えば、囲まれた貯蔵空間206)を含み得る。冷媒は、熱を効率的に吸収することができる任意の物質を含み得る。冷媒は、通常の動作条件の範囲内で、貯蔵室から流体通路を通って冷却室に流れることができる。冷媒300は、熱伝達デバイス100の通常の動作条件において液体であってよい。
【0061】
方法1600は、任意選択的に、1604で、熱が熱源(例えば、熱源102)から貯蔵室内に貯蔵されている冷媒に伝達されることを可能にすることを含み得る。例えば、熱は、熱源から、熱伝達を促進するように構成された構成要素(例えば、熱伝達構成要素500、貯蔵ハウジング202、冷却ハウジング402、貯蔵熱伝達構成要素516など)、熱伝達デバイス100及び/若しくは熱源の近くに位置付けられた放射及び/若しくは他の環境伝導体などの、別の熱伝達手段、又はそれらの組み合わせに伝達され得る。
【0062】
1606で、バリア要素は、(i)バリア要素が、冷媒が貯蔵室から流体通路を通って流れることを制限するように構成された、クローズ構成から、(ii)バリア要素が、貯蔵室内の冷媒が貯蔵室から流体通路を通って流れることを可能にするように構成された、オープン構成に再構成される。ある実施例では、バリア要素が、トリガ状態が生じたことに基づいて、クローズ構成からオープン構成に再構成され得る。トリガ状態は、冷媒がトリガ温度に到達したこと、及び/又は冷媒がトリガ圧力に到達したことのうちの少なくとも一方を含み得る。ある実施例では、バリア要素が、トリガ状態に応答して、受動的にクローズ構成からオープン構成に再構成され得る。例えば、バリア要素は、バーストディスク、膜、プランジャデバイス、解放弁、圧力解放弁、逆止め弁、パイロテクニックバルブ、電磁弁、ボール・バネ弁などのうちの1以上を含み得る。それらの弁は、トリガ状態に対応して、受動的にクローズ構成からオープン構成へ移行する。
【0063】
1608では、冷媒が流体通路から冷却室を通って流れることを許容され、冷媒が冷却室を通って流れる間に、熱が1以上の熱伝達構成要素を介して熱源から冷媒に伝達される。例えば、バリア要素がオープン構成であることに対応して、冷媒が流体室を介して冷却室の中へ流れ得る。ある実施例では、冷媒が貯蔵室から流体通路の中に初期圧力で流れ、流体通路から冷却室に向けて初期圧力未満の最終圧力で流れ出る。ある実施例において、流体通路は、冷媒が流体通路を通過するときにそこを通って冷媒が流れるところの膨張弁を含む。冷媒が1以上の冷媒流路に沿って冷却室を通って流れる際に、熱源からの熱が冷媒の中に流れる。例えば、冷却室は、伝導ピン、ベーン、ロッド、フィン、又は他の構造体などの、熱源と冷媒との間で熱が伝達されることを可能にするように構成された1以上の熱伝達構成要素を含み得る。ある実施例では、伝導要素の一部又は全部が、(1以上の)冷媒流路を画定する。
【0064】
1610では、冷媒、及び冷媒によって吸収された熱源からの熱が、熱伝達デバイスから排出される。例えば、冷却室は、冷媒が冷媒流路内を通過移動する間に冷媒によって吸収された任意の熱とともに、そこを通って冷媒が囲まれた冷却空間から流れ出ることができるところの少なくとも1つの出口インターフェースを含み得る。
【0065】
本開示による発明対象の例示的で非排他的な実施例が、以下に列挙される段落に記載される。
A1.
貯蔵室、前記貯蔵室内に初期圧力で収容されている冷媒、前記貯蔵室に隣接する冷却室、前記冷却室とは異なる熱源から前記冷却室への熱伝達を促進するように位置決めされ且つ構成された1以上の熱伝達構成要素、前記貯蔵室と前記冷却室との間の流体通路、並びにバリア要素であって、(i)前記バリア要素が前記冷媒が前記貯蔵室から前記流体通路を通って前記冷却室の中へ流れることを制限するように構成されているクローズ構成、及び(ii)前記バリア要素が前記貯蔵室内の前記冷媒が前記貯蔵室から前記流体通路を通って前記冷却室の中へ流れることを可能にするように構成されているオープン構成を有するバリア要素を備える、熱伝達デバイスであって、前記バリア要素が、トリガ状態に応答して前記クローズ構成から前記オープン構成へ再構成されるように構成され、前記トリガ状態が、前記貯蔵室内に収容されている前記冷媒がトリガ温度に到達したこと、及び前記貯蔵室内に収容されている前記冷媒の前記初期圧力がトリガ圧力に到達したことのうちの少なくとも一方を含む、熱伝達デバイス。
A2.
前記バリア要素が前記クローズ構成から前記オープン構成へ再構成されたことに対応して、前記冷媒が前記貯蔵室から前記流体通路を通って前記冷却室へ流れる際に、前記流体通路が、前記冷媒を前記初期圧力から膨張した圧力へ膨張させるように構成されている、段落A1に記載の熱伝達デバイス。
A3.
前記流体通路が、前記貯蔵室及び前記冷却室に連結された膨張弁を備え、前記冷媒が、前記貯蔵室から前記膨張弁の中へ前記初期圧力で流れ、前記膨張弁から前記冷却室に向けて膨張した圧力で流れ出る、前記熱伝達デバイスであって、前記初期圧力が前記膨張した圧力よりも高い、段落A1又はA2に記載の熱伝達デバイス。
A4.
前記膨張弁が前記流体通路を画定する、段落A3に記載の熱伝達デバイス。
B1.
前記貯蔵室が囲まれた貯蔵空間である、段落A1からA4のいずれか1つに記載の熱伝達デバイス。
B1.1.
貯蔵ハウジングを更に備え、前記貯蔵ハウジングが前記囲まれた貯蔵空間を画定する、段落B1に記載の熱伝達デバイス。
B1.2.
前記囲まれた貯蔵空間が円筒形状である、段落B1又はB1.1に記載の熱伝達デバイス。
B1.3.
前記囲まれた貯蔵空間が矩形の角柱形状である、段落B1又はB1.1に記載の熱伝達デバイス。
B2.
前記冷却室が、前記熱源に近い第1の側部、及び前記第1の側部とは反対側の第2の側部を含み、前記貯蔵室が前記第2の側部の近くに位置付けられている、段落A1からB1.3のいずれか1つに記載の熱伝達デバイス。
B3.
前記冷媒が、前記熱伝達デバイスの動作温度の範囲より高い沸点の温度を有する、段落A1からB2のいずれか1つに記載の熱伝達デバイス。
B4.
前記冷媒が、前記熱伝達デバイスの動作温度の範囲より低い氷点の温度を有する、段落A1からB3のいずれか1つに記載の熱伝達デバイス。
B5.
前記冷媒が、前記熱伝達デバイスの動作温度の範囲内にある相変化温度を有する、段落A1からB4のいずれか1つに記載の熱伝達デバイス。
B6.
前記冷媒が、メタンを含み、又は任意選択的にメタンから成る、段落A1からB5のいずれか1つに記載の熱伝達デバイス。
B7.
前記冷媒が難燃剤を含む、段落A1からB6のいずれか1つに記載の熱伝達デバイス。
B8.
前記貯蔵室内に収容されている前記冷媒が、液体の状態にある、段落A1からB7のいずれか1つに記載の熱伝達デバイス。
B8.1.
前記冷媒が前記流体通路を通って流れることにより、前記冷媒が前記液体の状態から気体の状態に遷移する、段落B8に記載の熱伝達デバイス。
B9.
前記貯蔵室内に位置付けられ、前記冷媒の全体にわたり前記熱を分配するように構成された、熱分配要素を更に備える、段落A1からB8のいずれか1つに記載の熱伝達デバイス。
B9.1.
前記熱分配要素が、アルミニウム発泡体である、段落B9に記載の熱伝達デバイス。
B10.
前記貯蔵室が、長い期間にわたり且つ/又は環境状態のレジーム/多様性を通して、前記冷媒を貯蔵するように構成されている、段落A1からB9のいずれか1つに記載の熱伝達デバイス。
B11.
前記冷媒が、長い期間にわたり且つ/又は環境状態のレジーム/多様性を通して、安定した状態のままで貯蔵されている、段落A1からB10のいずれか1つに記載の熱伝達デバイス。
B12.
更なる貯蔵室、前記更なる貯蔵室内に収容されている更なる冷媒、及び前記更なる貯蔵室と前記冷却室との間の更なる流体通路、並びに更なるバリア要素であって、(i)前記更なるバリア要素が前記更なる冷媒が前記更なる貯蔵室から前記更なる流体通路を通って前記冷却室の中へ流れることを制限するように構成されているクローズ構成、及び(ii)前記更なるバリア要素が前記更なる貯蔵室内の前記更なる冷媒が前記更なる貯蔵室から前記更なる流体通路を通って前記冷却室の中へ流れることを可能にするように構成されているオープン構成を有する更なるバリア要素を更に備える、段落A1からB11のいずれか1つに記載の熱伝達デバイス。
B.12.1.
更なる貯蔵室、前記更なる貯蔵室内に収容されている更なる冷媒を更に備え、前記流体通路が、前記冷媒が前記更なる貯蔵室と前記冷却室との間で流れることを可能とするように構成され、前記熱伝達デバイスが、更なるバリア要素であって、(i)前記更なるバリア要素が前記更なる冷媒が前記貯蔵室から前記流体通路を通って前記冷却室の中へ流れることを制限するように構成されているクローズ構成、及び(ii)前記更なるバリア要素が前記更なる貯蔵室内の前記更なる冷媒が前記更なる貯蔵室から前記流体通路を通って前記冷却室の中へ流れることを可能にするように構成されているオープン構成を有する更なるバリア要素を更に備える、段落A1からB11のいずれか1つに記載の熱伝達デバイス。
B12.2.
前記更なるバリア要素が、更なるトリガ状態に応答して、前記クローズ構成から前記オープン構成へ再構成されるように構成されている、段落B12又はB12.1に記載の熱伝達デバイス。
B12.3.
前記更なるトリガ状態が、前記更なる貯蔵室内に収容されている前記更なる冷媒が更なるトリガ温度に到達したこと、及び前記更なる貯蔵室内に収容されている前記更なる冷媒の前記初期圧力が更なるトリガ圧力に到達したことのうちの少なくとも一方を含む、段落B12.2に記載の熱伝達デバイス。
B12.4.
更なるトリガ状態が、前記トリガ状態とは異なっている、段落B12からB12.3のいずれか1つに記載の熱伝達デバイス。
B12.5.
前記更なるバリア要素が前記クローズ構成から前記オープン構成へ再構成されたことに対応して、前記更なる冷媒が前記更なる貯蔵室から前記更なる流体通路を通って前記冷却室へ流れる際に、前記更なる流体通路が、前記更なる冷媒を前記初期圧力から膨張した圧力へ膨張させるように構成されている、段落B12からB12.4のいずれか1つに記載の熱伝達デバイス。
C1.
熱が、前記熱源から前記貯蔵室内に収容されている前記冷媒に伝達される、段落A1からB12.5のいずれか1つに記載の熱伝達デバイス。
C1.1.
前記1以上の熱伝達構成要素のうちの少なくとも1つが、熱が、前記熱源、前記冷却室、及び前記貯蔵室内の前記冷媒の間で伝達されることを可能にするように構成されている、段落C1に記載の熱伝達デバイス。
C1.2.
熱が前記熱源と前記貯蔵室内の前記冷媒との間で伝達されることを可能にするように構成された貯蔵熱伝達構成要素を更に備える、段落C1又はC1.1に記載の熱伝達デバイス。
C2.
前記熱が前記熱源から前記冷媒に伝達される際に、前記貯蔵室内の前記冷媒の圧力が増加する、段落A1からC1のいずれか1つに記載の熱伝達デバイス。
C3.
前記貯蔵室内の前記冷媒の圧力が、前記貯蔵室内の前記冷媒が前記流体通路を通って前記冷却室の中に流れることを強いる駆動圧力である、段落A1からC2のいずれか1つに記載の熱伝達デバイス。
C4.
前記バリア要素が前記オープン構成であるときに、熱が前記熱源から前記貯蔵室内に収容されている前記冷媒に流れ続け、前記冷媒に流れ続けている前記熱が、前記貯蔵室内の前記冷媒を前記流体通路を通して前記冷却室の中へ流すように強いる更なる駆動圧力を生成する、段落C3に記載の熱伝達デバイス。
D1.
前記バリア要素が、前記トリガ状態に応答して、前記クローズ構成から前記オープン構成へ受動的に移行するように構成されている、段落A1からC4のいずれか1つに記載の熱伝達デバイス。
D2.
前記バリア要素が、前記トリガ状態に応答して前記バリア要素を前記クローズ構成から前記オープン構成へ移行させるように構成された閉回路を備える、段落A1からD1のいずれか1つに記載の熱伝達デバイス。
D2.1.
前記閉回路が、温度センサ及び/又は圧力センサのうちの1以上を含む、段落D2に記載の熱伝達デバイス。
D2.2.
前記温度センサ及び/又は前記圧力センサが、熱電対、歪ゲージ、及び/又はメソスクライブプリントされた(mesoscribe printed)歪ゲージを備える、段落D2.1に記載の熱伝達デバイス。
D3.
前記バリア要素が、前記冷媒が前記トリガ温度に到達したとき及び/又は前記貯蔵室内の前記冷媒の圧力が前記トリガ圧力に到達したときに、破裂するように構成されたバーストディスクを備える、段落A1からD2.2のいずれか1つの記載の熱伝達デバイス。
D4.
前記バリア要素が、前記トリガ状態が生じたときに、前記冷媒がそこを通って流れることができるところの通路を生成するように構成されたプランジャを備える、段落A1からD2.2のいずれか1つに記載の熱伝達デバイス。
D.4.1.
前記バリア要素が、バーストディスクを備え、前記冷媒がそこを通って流れることができるところの前記通路を生成することが、前記プランジャが前記バーストディスクを破裂させることを含む、段落D4に記載の熱伝達デバイス。
D4.2.
前記プランジャが、前記冷媒が前記トリガ温度に到達したとき及び/又は前記貯蔵室内の前記冷媒の圧力が前記トリガ圧力に到達したときに、破裂するように構成された圧力タブを含み、前記圧力タブが破裂することが、前記プランジャに前記通路を生成させる、段落D4に記載の熱伝達デバイス。
D4.3.
前記プランジャが、前記プランジャが前記通路を生成することを妨げる抑制要素を含み、前記抑制要素が、前記冷媒が前記トリガ温度に到達したときに溶けるように構成されている、段落D4からD4.2のいずれか1つに記載の熱伝達デバイス。
D4.3.1.
前記抑制要素が溶けることが、前記プランジャに前記バーストディスクを破裂させ且つ/又はバリア(例えば、薄い壁及び/又は皿穴を有する壁)を貫通させる、段落D4.3に記載の熱伝達デバイス。
D4.4.
前記プランジャが、クローズ状態が生じたときに前記通路を塞ぐように更に構成されている、段落A1からD4.3のいずれか1つに記載の熱伝達デバイス。
D4.4.1.
前記クローズ状態が、閉鎖圧力と閉鎖温度のうちの一方に一致する、段落D4.4に記載の熱伝達デバイス。
D5.
前記バリア要素が、膜であって、前記貯蔵室内の前記冷媒の圧力が閾値圧力未満であるときに前記冷媒が前記膜を横切って流れることを制限し、前記貯蔵室内の前記冷媒の圧力が前記閾値圧力以上であるときに前記冷媒が前記膜を横切って流れることを可能にするように構成された膜を備える、段落A1からD2.2のいずれか1つに記載の熱伝達デバイス。
D6.
前記バリア要素が、解放弁、圧力解放弁、及び逆止め弁のうちの1以上を備える、段落A1からD2.2のいずれか1つに記載の熱伝達デバイス。
D7.
前記トリガ状態が生じた後で、前記冷媒が前記貯蔵室から前記流体通路を通って前記冷却室の中へ流れることが、前記貯蔵室内の前記冷媒の圧力を減少させる、段落A1からD6のいずれか1つに記載の熱伝達デバイス。
D7.1.
前記貯蔵室内の前記冷媒の圧力が減少する際に、それに対応して前記貯蔵室からの前記冷媒の質量流量が減少する、段落D7に記載の熱伝達デバイス。
D8.
前記トリガ状態が生じた後で、前記熱源からの熱が前記貯蔵室内の前記冷媒を温め続ける、段落A1からD7.1のいずれか1つに記載の熱伝達デバイス。
D9.
前記トリガ状態が生じた後で、前記貯蔵室内の前記冷媒を温め続けることが、前記貯蔵室内の前記冷媒の圧力を増加させる、段落A1からD8のいずれか1つに記載の熱伝達デバイス。
E1.
前記流体通路が、前記冷媒が前記貯蔵室から前記流体通路を介して前記冷却室へ流れるときに、前記冷媒を高圧力から低圧力の状態にするように構成されたジュールトムソンデバイス(Joule Thompson device)である、段落A1からD9のいずれか1つに記載の熱伝達デバイス。
E2.
前記流体通路が、膨張弁であって、前記冷媒が前記貯蔵室から前記膨張弁を介して前記冷却室へ流れるときに、前記冷媒を液体から気体に変換させるように構成された膨張弁を含む、段落A1からE1のいずれか1つに記載の熱伝達デバイス。
E3.
前記冷媒が前記貯蔵室から前記膨張弁を介して前記冷却室に流れた後で、前記冷媒が低品質ガスである、段落E2に記載の熱伝達デバイス。
E4.
前記冷媒が、前記貯蔵室から前記流体通路の中に初期温度で流れ、前記流体通路から前記冷却室に向けて最終温度で流れ出る、前記熱伝達デバイスであって、前記初期温度が前記最終温度より高い、段落A1からE3のいずれか1つに記載の熱伝達デバイス。
F1.
前記冷却室が囲まれた冷却空間である、段落A1からE4のいずれか1つに記載の熱伝達デバイス。
F1.1.
貯蔵ハウジングを更に備え、前記貯蔵ハウジングが前記囲まれた冷却空間を画定する、段落F1に記載の熱伝達デバイス。
F1.2.
前記囲まれた冷却空間が円筒形状である、段落F1又はF1.1に記載の熱伝達デバイス。
F1.3.
前記囲まれた冷却空間が矩形の角柱形状である、段落F1又はF1.1に記載の熱伝達デバイス。
F2.
前記1以上の熱伝達構成要素が、熱が前記熱源と前記冷却室との間で伝達されることを可能にするように構成された、ピン、ベーン、ロッド、又は他の構造体のうちの少なくとも1つを含む、段落A1からF1.3のいずれか1つに記載の熱伝達デバイス。
F3.
前記冷媒が前記囲まれた冷却空間を通って流れる際に、熱が前記1以上の熱伝達構成要素から前記冷媒に伝達される、段落A1からF2のいずれか1つに記載の熱伝達デバイス。
F3.1.
前記冷媒が前記1以上の熱伝達構成要素から熱を得ることが、熱が前記熱源から引き離されることに相当する、段落F3に記載の熱伝達デバイス。
F3.2.
前記1以上の熱伝達構成要素が、囲まれた冷却空間内に分散された複数のスポンジロッドを含む、段落F3又はF3.1に記載の熱伝達デバイス。
F4.
前記1以上の熱伝達構成要素が、囲まれた冷却空間内で前記冷媒の流れを導くように更に構成されている、段落A1からF3.2のいずれか1つに記載の熱伝達デバイス。
F5.
前記流体通路が、前記貯蔵ハウジングによって画定された貫通孔を含み、前記貫通孔が、前記冷媒が前記冷却室の中へ流れることを可能にするように構成されている、段落F1.1からF4のいずれか1つに記載の熱伝達デバイス。
F5.1.
前記1以上の熱伝達構成要素が、前記貫通孔の近くに位置付けられた内側熱伝達構成要素、及び前記内側熱伝達構成要素より前記貫通孔から離れて位置付けられた外側熱伝達構成要素を含み、前記外側熱伝達構成要素のサイズが、前記内側熱伝達構成要素のサイズより大きい、段落A1からF5のいずれか1つに記載の熱伝達デバイス。
F6.
囲まれた冷却空間内で前記冷媒の流れを導くように構成された1以上のベーンを更に備える、段落A1からF5のいずれか1つに記載の熱伝達デバイス。
F6.1.
前記ベーンが、熱が前記熱源と前記冷却室との間で伝達されることを可能にするように更に構成されている、段落F6に記載の熱伝達デバイス。
F6.2.
前記ベーンが、前記冷媒が前記ベーンを通って流れることを可能にするように構成されたカットアウトを含む、段落F6又はF6.1に記載の熱伝達デバイス。
F7.
ピン及びベーンが、囲まれた冷却空間を通って前記冷媒が流れることができることを確実にするように、前記囲まれた冷却空間内に位置決めされている、段落A1からF6.2のいずれか1つに記載の熱伝達デバイス。
F7.1.
前記1以上の熱伝達構成要素が、前記囲まれた冷却空間内で前記冷媒が流れるための経路を画定する、段落F7に記載の熱伝達デバイス。
F7.1.1.
前記経路が、1以上のスイッチバックを含む、段落F7.1に記載の熱伝達デバイス。
F7.1.2.
前記1以上の熱伝達構成要素が、前記囲まれた冷却空間内で前記冷媒が流れるための複数の経路を画定する、段落F7.1又はF7.1.1に記載の熱伝達デバイス。
F7.1.3.
前記複数の経路のうちの個々の経路が、膨張弁から外向きに径方向に且つ/又は径方向に対称に延びている、段落F7.1.2に記載の熱伝達デバイス。
F7.2.
前記囲まれた冷却空間内の前記冷媒が、前記経路の端に到達し、前記冷媒が、前記囲まれた冷却空間から排出される、段落F7又はF7.1に記載の熱伝達デバイス。
F7.2.1.
前記冷媒が、前記囲まれた冷却空間から排出領域、放散領域、及び/又は流出領域へ流れることを可能にする1以上の出口インターフェースを更に備え、前記冷媒を前記囲まれた冷却空間から排出することが、前記冷媒が、前記1以上の出口インターフェースを通って前記排出領域、前記放散領域、及び/又は前記流出領域へ流れることを更に含む、段落F7.2に記載の熱伝達デバイス。
F7.2.2.
前記排出領域が、前記熱伝達デバイスの環境である、段落F7.2.1に記載の熱伝達デバイス。
F7.2.3.
前記冷媒が、そこを通って前記囲まれた冷却空間から排出領域、放散領域、及び/又は流出領域へ流れることが可能であるところのチムニーを更に備え、前記冷媒を前記囲まれた冷却空間から排出することが、前記冷媒が、前記チムニーを通って前記排出領域、前記放散領域、及び/又は前記流出領域へ流れることを更に含む、段落F7.2に記載の熱伝達デバイス。
F8.
前記1以上の熱伝達構成要素が、積層造形を使用して囲まれた冷却空間に追加されている、段落A1からF7.2.2のいずれか1つに記載の熱伝達デバイス。
F9.
前記1以上の熱伝達構成要素が、傾斜機能材料を含む、段落A1からF8のいずれか1つに記載の熱伝達デバイス。
F10.
前記1以上の熱伝達構成要素の熱膨張が、囲まれた冷却空間の容積を低減させる、段落A1からF9のいずれか1つに記載の熱伝達デバイス。
F11.
前記冷媒が、囲まれた冷却空間の中央位置において前記貯蔵室から前記冷却室の中へ流れる、段落A1からF10のいずれか1つに記載の熱伝達デバイス。
F.11.1.
囲まれた空間の圧縮が、前記囲まれた空間の内部圧力の増加に寄与し、且つ/又は、前記囲まれた空間の内部圧力の増加の単独の源である、段落A1からF11のいずれか1つに記載の熱伝達デバイス。
F.11.2.
囲まれた空間の圧縮が、前記バリア要素が前記トリガ状態に応答して前記クローズ構成から前記オープン構成へ再構成されることに寄与し、且つ/又は、前記バリア要素が前記トリガ状態に応答して前記クローズ構成から前記オープン構成へ再構成されることをもたらす単独の起動力である、段落A1からF11.1のいずれか1つに記載の熱伝達デバイス。
F.11.3.
囲まれた空間の圧縮が、前記冷却室を通る前記冷媒の駆動に寄与し、且つ/又は、前記冷却室を通る前記冷媒の単独の駆動源である、段落A1からF11.2のいずれか1つに記載の熱伝達デバイス。
F12.
前記熱源が、電子デバイスと電子部品のうちの一方である、段落A1からF11のいずれか1つに記載の熱伝達デバイス。
G1.
段落A1からF12のいずれか1つに記載の熱伝達デバイスと電子デバイスの組み合わせ。
H1.
電子部品、及び前記電子部品と動作可能に接続された段落A1からF12のいずれか1つに記載の熱伝達デバイスを備える、電子デバイス。
I1.
熱源を冷却するための段落A1からF12のいずれか1つに記載の熱伝達デバイスの使用。
J1.
熱源を冷却する方法であって、貯蔵室内に冷媒を貯蔵すること、トリガ状態が生じたことに基づいて、バリア要素を、(i)前記バリア要素が前記冷媒が前記貯蔵室から流体通路を通って流れることを制限するように構成されているクローズ構成から、(ii)前記バリア要素が前記貯蔵室内の前記冷媒が前記貯蔵室から前記流体通路を通って流れることを可能にするように構成されているオープン構成に再構成すること、及び前記冷媒が前記流体通路から冷却室を通って流れることを可能にすることを含み、前記冷媒が前記冷却室を通って流れている間に、熱が前記熱源から1以上の熱伝達構成要素を介して前記冷媒に伝達される、方法。
J1.1.
前記冷媒が、前記貯蔵室から前記流体通路の中に初期圧力で流れ、前記流体通路から前記冷却室に向けて最終圧力で流れ出る、前記方法であって、前記初期圧力が前記最終圧力より高い、段落J1に記載の方法。
J1.2.
前記流体通路が膨張弁を含み、前記冷媒を前記流体通路を通して流すことが、前記冷媒を前記膨張弁の中へ流すことを含む、段落J1又はJ1.1に記載の方法。
J2.
熱が前記熱源から前記貯蔵室内の前記冷媒に伝達されることを可能にすることを更に含む、段落J1からJ1.2のいずれか1つに記載の方法。
J3.
前記貯蔵室が囲まれた空間であり、前記トリガ状態が、前記冷媒、前記バリア要素、及び/若しくは1以上のセンサがトリガ温度に到達したこと、並びに/又は、前記冷媒、前記バリア要素、及び/若しくは1以上のセンサがトリガ圧力に到達したことのうちの少なくとも一方を含む、段落J1からJ2のいずれか1つに記載の方法。
J3.1.
前記トリガ状態の検出が、少なくとも部分的にブシネスク近似(Boussinesq approximation)に基づく、段落J3に記載の方法。
J4.
前記バリア要素を再構成することが、前記冷媒がトリガ温度に到達したとき及び/又は前記貯蔵室内の前記冷媒の圧力がトリガ圧力に到達したときに、バーストディスクが受動的に破裂することを含む、段落J1からJ3.1のいずれか1つの記載の方法。
J5.
前記バリア要素を再構成することが、前記冷媒がトリガ温度に到達したとき及び/又は前記貯蔵室内の前記冷媒の圧力がトリガ圧力に到達したときに、プランジャが受動的にバリアを破裂させることを含む、段落J1からJ3のいずれか1つの記載の方法。
J6.
前記冷媒及び前記冷媒によって吸収された前記熱源からの熱を、前記冷却室から排出することを更に含む、段落J1からJ5のいずれか1つに記載の方法。
J7.
前記冷却室が、少なくとも1つの出口インターフェースを含み、前記冷媒を排出することが、前記冷媒が冷媒流路内を通過移動する間に前記冷媒によって吸収された任意の熱とともに、前記冷媒が熱伝達デバイスから流れ出ることを可能にすることを含む、段落J6に記載の方法。
J8.
段落A1からF12のいずれか1つに記載の熱伝達デバイスによって実行される、段落J1からJ7のいずれか1つに記載の方法。
【0066】
本明細書で使用される際に、「適合し(adapted)」及び「構成され(configured)」という用語は、要素、構成要素、又は他の対象が、1以上の所与の機能を果たし且つ/又はサポートするように設計され且つ/又は意図されていることを意味する。特定の機能を果たすよう適合していると記載されている要素、構成要素、及び/又はその他の記載対象が、追加的又は代替的に、その機能を果たすよう構成されていると表現され得ること、及びその逆も、本開示の範囲に含まれる。同様に、特定の機能を果たすよう構成されていると記載される対象は、追加的又は代替的に、その機能を果たすよう動作可能であるとも表現され得る。
【0067】
本明細書で使用される際に、第1のエンティティーと第2のエンティティーの間に配置される「及び/又は」という用語は、(1)第1のエンティティー、(2)第2のエンティティー、並びに(3)第1のエンティティー及び第2のエンティティーのうちの1つを意味する。「及び/又は」を伴って挙げられた複数の項目も、同じやり方で、すなわち、そのように結合されたエンティティーのうちの1以上のように解釈されるべきである。「及び/又は」によって特に挙げられたエンティティーとは異なる他のエンティティーも任意選択的に存在し得る。それらは、特に挙げられたエンティティーと関連するか又は関連しないかに関わらない。したがって、非限定的な実施例として、「備える(comprising)」などのオープンエンドな言語と併せて使用されるときに、「A及び/又はB」への言及は、一実施例ではAのみ(任意選択的にB以外のエンティティーを含む)、別の一実施例ではBのみ(任意選択的にA以外のエンティティーを含む)、更に別の一実施例では、AとBの両方(任意選択的に他のエンティティーを含む)を指し得る。これらのエンティティーは、要素、作動、構造体、ステップ、動作、値などを指し得る。
【0068】
本明細書で開示される方法の装置及び工程の様々な開示要素は、本開示に係るすべての装置及び方法に必要とされているわけではなく、本開示は、本明細書で開示される様々な要素及び工程のすべての新規及び非自明の組み合わせ並びに部分的組み合わせを含む。更に、本明細書で開示されている様々な要素及びステップのうちの1以上は、開示されている装置又は方法の全体とは別個であり分離している、独立した発明の主題を規定し得る。したがって、かかる発明の主題は、本明細書で明示的に開示されている特定の装置及び方法に関連付けられる必要はなく、且つ、本明細書で明示的に開示されていない装置及び/又は方法における有用性が見出されることもある。
図1
図2
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図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図16