(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-25
(45)【発行日】2024-02-02
(54)【発明の名称】在宅管理システム
(51)【国際特許分類】
G08B 25/00 20060101AFI20240126BHJP
G08B 25/04 20060101ALI20240126BHJP
【FI】
G08B25/00 510M
G08B25/04 F
(21)【出願番号】P 2019186587
(22)【出願日】2019-10-10
【審査請求日】2022-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】504093467
【氏名又は名称】トヨタホーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121821
【氏名又は名称】山田 強
(74)【代理人】
【識別番号】100161230
【氏名又は名称】加藤 雅博
(72)【発明者】
【氏名】早川 英明
【審査官】石井 則之
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-135230(JP,A)
【文献】特開2008-033804(JP,A)
【文献】特開2018-018345(JP,A)
【文献】特開2003-018587(JP,A)
【文献】特許第3057566(JP,B1)
【文献】特開2012-164035(JP,A)
【文献】特開2005-100250(JP,A)
【文献】特開2018-125695(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B13/00-15/02
19/00-31/00
E05B 1/00-85/28
G07C 1/00-15/00
H04M 3/00
3/16- 3/20
3/38- 3/58
7/00-11/10
H04N 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の住人が住む住宅に適用される在宅管理システムであって、
前記住宅の出入口を通じて前記住宅に出入りする人の顔を撮影する撮影手段と、
その撮影手段により撮影された人の顔画像に基づいて、前記住宅に出入りする前記住人が誰であるかを把握する把握手段と、
前記各住人ごとに、前記住人が前記住宅に在宅しているか否かに関する在不在情報が記憶されている記憶手段と、
前記把握手段による把握結果に基づいて、前記記憶手段に記憶されている前記各住人の前記在不在情報を更新する更新手段と、
前記記憶手段に記憶されている前記各住人の前記在不在情報に基づき、前記住宅がすべての前記住人が不在である不在状態であることを判定する不在状態判定手段と、
前記不在状態が所定時間以上継続した場合に、防犯処理を実行させる制御手段と、を備え
、
さらに、前記不在状態判定手段により前記住宅が前記不在状態であると判定された場合に、前記住宅への訪問者があるか否かを判定する訪問者判定手段と、
前記訪問者判定手段の判定結果に基づいて、前記所定時間を設定する設定手段と、
を備えることを特徴とする在宅管理システム。
【請求項2】
前記出入口を開閉する出入口ドアを施解錠する施錠装置を備え、
前記制御手段は、前記不在状態が所定時間以上継続した場合に、前記防犯処理として、前記施錠装置を施錠状態とする施錠処理を実行することを特徴とする請求項
1に記載の在宅管理システム。
【請求項3】
前記各住人には、見守りを要する所定の身守り対象者が含まれており、
前記記憶手段に記憶されている前記各住人の前記在不在情報に基づき、前記住宅が前記見守り対象者のみ在宅している所定の在宅状況であるか否かを判定する在宅状況判定手段を備え、
前記制御手段は、前記住宅が前記所定の在宅状況であると判定された場合に、
前記防犯処理を実行させることを特徴とする請求項1
又は2に記載の在宅管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、在宅管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
住宅には、住人が在宅しているか又は不在であるかを管理する在宅管理システムが設けられている場合がある。在宅管理システムが設けられた住宅では、住人が外出により不在になったことに連動させて、防犯システムを作動させたり施錠装置を施錠状態にしたりすることで、防犯性の向上等を図ることができる。
【0003】
特許文献1には、在宅管理システムとして、住人が住宅の施解錠に際し用いるICカードの認証情報を基に住人の在不在を管理するシステムが開示されている。この特許文献1のシステムでは、各住人により住人固有の認証情報が記憶されたICカードが所持され、そのICカードの認証情報に基づき、住宅の施解錠が行われるようになっている。そして、ICカードの認証に基づき施解錠が行われると、その施解錠に用いられた認証情報を基に、いずれの住人が施解錠を行ったかが把握され、さらにはいずれの住人が住宅に出入りしたかが把握されるようになっている。この場合、そのように把握される各住人の出入り状況に基づき、住宅における各住人の在不在を管理することが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、住人が家族で出かける場合等には、住人が複数人で連れ立って住宅に出入りする場合があると考えられる。このような場合、上記特許文献1の在宅管理システムでは、例えば、複数人の住人のうちいずれかの住人だけがICカードを用いて施解錠を行い、それ以外の住人はICカードを用いず出入りすることが考えられる。この場合、複数の住人が住宅に出入りしたにもかかわらず、出入りしたのはICカードを用いた住人のみと把握されるため、各住人の在不在を正確に管理することができないおそれがある。そのため、上記特許文献1のシステムでは、例えば住人が不在になったことに基づき防犯システムを作動させる場合に、住人が在宅しているにもかかわらず防犯システムを作動させてしまうといった不都合が発生する懸念がある。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、住人の在不在を確実に把握することで、住人の在不在に基づく処理を好適に実行させることができる在宅管理システムを提供することを主たる目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決すべく、第1の発明の在宅管理システムは、複数の住人が住む住宅に適用される在宅管理システムであって、前記住宅の出入口を通じて前記住宅に出入りする人の顔を撮影する撮影手段と、その撮影手段により撮影された人の顔画像に基づいて、前記住宅に出入りする前記住人が誰であるかを把握する把握手段と、前記各住人ごとに、前記住人が前記住宅に在宅しているか否かに関する在不在情報が記憶されている記憶手段と、前記把握手段による把握結果に基づいて、前記記憶手段に記憶されている前記各住人の前記在不在情報を更新する更新手段と、前記記憶手段に記憶されている前記各住人の前記在不在情報に基づき、所定の処理を実行させる制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、住宅の出入口を通じて人が出入りする際には、その人の顔が撮影手段により撮影される。そして、その撮影された人の顔画像に基づき、出入りする住人が誰であるかが把握され、その把握の結果に基づき、各住人の在不在情報が更新される。この場合、住人が複数人で連れ立って住宅に出入りする際には、それら各住人の顔がそれぞれ撮影され、それら各住人が誰であるかが把握される。そのため、各住人の在不在を確実に把握することができる。また、このように把握される各住人の在不在情報に基づき、所定の処理が実行されるため、当該処理を好適に実行させることができる。
【0009】
第2の発明の在宅管理システムは、第1の発明において、前記記憶手段に記憶されている前記各住人の前記在不在情報に基づき、前記住宅がすべての前記住人が不在である不在状態であることを判定する不在状態判定手段を備え、前記制御手段は、前記不在状態が所定時間以上継続した場合に、前記所定の処理として、防犯処理を実行させることを特徴とする。
【0010】
住宅が各住人が不在となる不在状態となった場合には、住宅の防犯性を高めるために防犯処理を行うのが望ましい。その一方で、住人が庭に出る等して住宅が一時的に不在状態になった場合に、防犯処理が実行されてしまうのは好ましくない。そこで、本発明では、こうした点に鑑み、住宅の不在状態が所定時間以上継続した場合に防犯処理が実行されるようにしている。この場合、住人が一時的に住宅から出たことで住宅が不在状態となった場合には防犯処理が実行されないため、不在状態に基づく防犯処理を好適に行うことができる。
【0011】
第3の発明の在宅管理システムは、第2の発明において、前記不在状態判定手段により前記住宅が前記不在状態であると判定された場合に、前記住宅への訪問者があるか否かを判定する訪問者判定手段と、前記訪問者判定手段の判定結果に基づいて、前記所定時間を設定する設定手段と、を備えることを特徴とする。
【0012】
ところで、住人が一時的に住宅を出る場合としては、住人が住宅への訪問者の対応のために一時的に出る場合が考えられる。また、それ以外の場合としては、住人が庭に出て作業を行ったり、敷地の外までゴミ出しに行ったりすることが考えられる。ここで、訪問者対応のために一時的に住宅から出る場合と、それ以外の目的で一時的に住宅から出る場合とでは、住宅から一時的に出る時間が、前者の方が後者の場合よりも短くなると考えられる。そこで、本発明では、この点に鑑みて、住宅が不在状態であると判定された場合には、住宅への訪問者があるか否かに基づき、防犯処理を実行させる際のトリガとなる不在状態の継続時間(所定時間)を設定するようにしている。この場合、訪問者がある場合には所定時間を短く設定し、訪問者がない場合には所定時間を長く設定することが可能となる。そのため、訪問者の有無に応じて、住人の一時退出時に防犯処理が実行されるのを好適に回避することができる。
【0013】
第4の発明の在宅管理システムは、第2又は第3の発明において、前記出入口を開閉する出入口ドアを施解錠する施錠装置を備え、前記制御手段は、前記不在状態が所定時間以上継続した場合に、前記防犯処理として、前記施錠装置を施錠状態とする施錠処理を実行することを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、住宅の不在状態が所定時間以上継続した場合に施錠装置の施錠処理が実行される。この場合、住人が一時的に住宅から出たことで住宅が不在状態となった場合には施錠装置が施錠されないようにすることができる。そのため、住人が一時的に住宅から出た際に、屋外に閉め出されてしまうのを回避することができる。
【0015】
第5の発明の在宅管理システムは、第1乃至第4のいずれかの発明において、前記各住人には、見守りを要する所定の身守り対象者が含まれており、前記記憶手段に記憶されている前記各住人の前記在不在情報に基づき、前記住宅が前記見守り対象者のみ在宅している所定の在宅状況であるか否かを判定する在宅状況判定手段を備え、前記制御手段は、前記住宅が前記所定の在宅状況であると判定された場合に、前記所定の処理として、防犯処理を実行させることを特徴とする。
【0016】
住宅に子供や老人等、見守りを要する見守り対象者しか在宅していない場合には、住宅の防犯性を高める必要がある。そこで、本発明では、住宅が見守り対象者のみ在宅している所定の在宅状況である場合に、防犯処理を実行させることとしている。この場合、所定の在宅状況であることを確実に把握して防犯処理を実行させることができるため、見守り対象者の安全確保を確実に図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明を具体化した一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、
図1は、住宅の玄関周辺を示す平面図である。また、本実施形態では、住宅に、住人として両親(父親及び母親)とその子供とが居住していることを想定している。
【0019】
図1に示すように、住宅10には、屋内空間として、玄関11や廊下12、居室13等が設けられている。玄関11には玄関口14が設けられ、玄関口14には玄関ドア15が設けられている。玄関ドア15は例えば開き戸からなる。なお、玄関口14が出入口に相当し、玄関ドア15が出入口ドアに相当する。
【0020】
玄関11の屋外側には玄関ポーチ16が設けられている。玄関ポーチ16は、玄関口14を介して玄関11と連通している。これにより、玄関口14を通じて玄関ポーチ16から玄関11への出入りが可能となっており、ひいては屋外から住宅10への出入りが可能となっている。また、玄関ポーチ16の上方には庇部17が設けられており、
図1では便宜上、庇部17を二点鎖線で示している。
【0021】
玄関ドア15には、施錠装置18が設けられている。施錠装置18は、玄関ドア15を施解錠するものであり、電子錠からなる。施錠装置18は、例えば各住人が携帯する電子キーを用いて施解錠される。また、玄関ドア15付近にはインターホン19が設けられている。インターホン19はボタン式の操作部を有し、その操作部が訪問者により押されると住宅10内にチャイム音が鳴る構成となっている。
【0022】
本住宅10には、住宅10に設けられた施錠装置18等の機器類を一括して制御するホームサーバ20が設けられている。ホームサーバ20は、例えばHEMSにより構成され、各種情報を表示するモニタ部20a(
図2参照)を有している。ホームサーバ20は、例えば居室13の壁面に設けられている。
【0023】
また、住宅10には防犯システム29(
図2参照)が設けられている。防犯システム29は、例えば不審者の侵入を検出する侵入検出センサや、不審者の侵入を検出した場合に不審者に警告を行う警告装置等を有して構成されている。防犯システム29が作動すると、住宅10が防犯システム29による監視状態とされる。
【0024】
ここで、本住宅10には、各住人が住宅10に在宅しているか否かを管理する在宅管理システムが設けられている。そこで、以下においては、この在宅管理システムについて説明する。
【0025】
住宅10には、玄関口14の付近に2つのカメラ21(21a,21b)が設けられている。これらのカメラ21は、玄関口14を通じて住宅10に出入りする人の顔を撮影するものである。カメラ21には、屋外側に設けられた屋外カメラ21aと、屋内側に設けられた屋内カメラ21bとがある。これらのカメラ21a,21bはいずれもデジタルカメラにより構成されている。なお、各カメラ21a,21bにより撮影手段が構成されている。
【0026】
屋外カメラ21aは、玄関口14を通じて住宅10から出る人の顔を撮影するものである。屋外カメラ21aは、住宅10から出る人の顔をその正面側から撮影可能な位置に設けられ、例えば玄関ポーチ16の庇部17に取り付けられている。詳しくは、屋外カメラ21aは、その撮影範囲が屋外(玄関ポーチ16)における玄関口14付近に設定されており、そのため、玄関口14を通じて住宅10から出た人の顔を撮影するものとなっている。
【0027】
一方、屋内カメラ21bは、玄関口14を通じて住宅10に入る人の顔を撮影するものである。屋内カメラ21bは、住宅10に入る人の顔をその正面側から撮影可能な位置に設けられ、例えば玄関11の天井に取り付けられている。詳しくは、屋内カメラ21bは、その撮影範囲が屋内(玄関11)における玄関口14付近に設定されており、そのため玄関口14を通じて住宅10(玄関11)に入った人の顔を撮影するものとなっている。
【0028】
玄関ドア15には、開閉検知センサ23と施解錠検知センサ24とが設けられている。開閉検知センサ23は、玄関ドア15の開閉状態を検知するセンサであり、施解錠検知センサ24は、施錠装置18が施錠状態にあるか又は解錠状態にあるかを検知するセンサである。
【0029】
続いて、在宅管理システムの電気的構成について
図2に基づき説明する。
図2は、在宅管理システムの電気的構成を示す図である。
【0030】
まず、ホームサーバ20側の構成について説明すると、
図2に示すように、ホームサーバ20にはインターホン19が接続されている。インターホン19の操作部が訪問者により操作されると、インターホン19からホームサーバ20に操作信号が入力される。ホームサーバ20は、その操作信号を入力すると、内蔵スピーカよりチャイム音を鳴らすとともに、訪問者がいつ訪れたかを示す訪問者履歴をメモリに記憶する。
【0031】
ホームサーバ20には、施錠装置18が接続されている。施錠装置18は、ホームサーバ20からの指令信号に基づいて施解錠を行う。また、ホームサーバ20には、防犯システム29が接続されている。防犯システム29は、ホームサーバ20からの指令信号に基づき作動する。
【0032】
ホームサーバ20は、外部との間で無線通信を行う通信部20bを有している。ホームサーバ20は、その通信部20bを通じて各住人のうち両親が携帯する携帯機器41との間で無線通信可能となっている。携帯機器41は、例えばスマートフォンや携帯電話機等からなる。携帯機器41には、施錠装置18を遠隔操作可能な機能が設けられている。携帯機器41により施錠装置18の遠隔操作がされると、携帯機器41からホームサーバ20に操作信号が送信される。ホームサーバ20は、その操作信号を通信部20bを通じて受信すると、その操作信号に基づき施錠装置18の施解錠を行う。
【0033】
在宅管理システムは、住人の在宅管理を行う管理サーバ30を備える。管理サーバ30は、例えばパーソナルコンピュータにより構成されている。管理サーバ30は、住宅10内に設けられているが、住宅10外部に設けられていてもよい。管理サーバ30は、制御部31と、顔画像記憶部32と、在不在情報記憶部33と、通信部34とを備える。制御部31は、CPU等を有する周知のマイクロコンピュータを備えて構成され、顔画像記憶部32と在不在情報記憶部33と通信部34と接続されている。なお、制御部31が制御手段に相当する。
【0034】
顔画像記憶部32は、各住人の顔画像、つまり両親及び子供の各顔画像を記憶するものである。顔画像記憶部32には、各住人の顔画像が登録顔画像としてあらかじめ記憶(登録)されている。
【0035】
在不在情報記憶部33は、住人が住宅10に在宅しているか又は不在であるかを示す在不在情報を記憶するものである。在不在情報記憶部33には、各住人の在不在情報がそれぞれ記憶されている。詳しくは、在不在情報記憶部33には、今現在における各住人の在不在情報に加え、過去における各住人の在不在情報が記憶されている。したがって、在不在情報記憶部33には、各住人の在不在の履歴が記憶されていることになる。なお、在不在情報記憶部33が記憶手段に相当する。
【0036】
通信部34は、両親が携帯する携帯機器41との間で無線通信が可能となっている。制御部31は、この通信部34を通じて携帯機器41との間でメールの送受信が可能となっている。
【0037】
管理サーバ30には、各カメラ21(21a,21b)が接続されている。これらのカメラ21により撮影された撮影画像は管理サーバ30の制御部31に入力される。制御部31は、各カメラ21から入力される撮影画像に基づき、玄関口14を通じて住宅10内に出入りする人の顔画像を取得する。そして、制御部31は、その取得した人の顔画像に基づき、玄関口14を通じて住宅10に出入りする住人が誰であるかを把握し、その把握結果に基づき、在不在情報記憶部33に記憶されている各住人の在不在情報を更新する。
【0038】
管理サーバ30は、ホームサーバ20と接続されている。管理サーバ30の制御部31は、在不在情報記憶部33に記憶されている各住人の在不在情報に基づき、ホームサーバ20に施錠装置18の施錠を行わせる指令信号を出力したり、防犯システム29の作動を行わせる指令信号を出力したりする。これらの指令信号がホームサーバ20に入力されると、ホームサーバ20は、入力した指令信号に基づき、施錠装置18を施錠したり、防犯システム29を作動させたりする。
【0039】
続いて、管理サーバ30の制御部31により実行される在不在情報更新処理について
図3に示すフローチャートに基づき説明する。なお、本処理は、所定の周期で繰り返し実行される。
【0040】
図3に示すように、まずステップS11では、開閉検知センサ23からの検知結果に基づいて、玄関ドア15が開状態とされているか否かを判定する。つまり、ここでは、玄関ドア15を開いて住宅10に出入りする人がいるか否かを判定する。玄関ドア15が閉状態とされている場合には本処理を終了し、玄関ドア15が開状態とされている場合にはステップS12に進む。
【0041】
ステップS12では、各カメラ21(21a,21b)による撮影を開始させる。これにより、住宅10に出入りする人の顔がカメラ21により撮影される。具体的には、住宅10から人が出る場合には、その人の顔が屋外カメラ21aにより撮影され、住宅10に人が入る場合には、その人の顔が屋内カメラ21bにより撮影される。また、人が複数人で連れ立って住宅10に出入りする際には、それら出入りする各人の顔がそれぞれカメラ21により撮影される。なお、すでに各カメラ21による撮影が開始されている場合にはその撮影をそのまま継続させる。
【0042】
続くステップS13では、開閉検知センサ23からの検知結果に基づいて、玄関ドア15が閉状態とされているか否かを判定する。つまり、ここでは、人の住宅10への出入りが済んで玄関ドア15が閉められたか否かを判定する。玄関ドア15が閉状態とされている場合にはステップS14に進み、玄関ドア15が開状態とされている場合には本処理を終了する。
【0043】
ステップS14では、各カメラ21による撮影を停止させる。本実施形態では、各カメラ21による撮影が停止されると、各カメラ21により撮影された撮影画像がそれら各カメラ21より管理サーバ30に向けて出力されるようになっている。そして、次のステップS15では、各カメラ21より出力される撮影画像を取得(入力)する。
【0044】
ステップS16では、各カメラ21より取得した撮影画像に基づき、人が玄関口14を通じて住宅10に入ったのか、又は住宅10から出たのかを判定する。この判定は、屋外カメラ21aによる撮影画像、及び屋内カメラ21bによる撮影画像のうちいずれの撮影画像に人の顔が映っているかに基づき行われる。つまり、屋外カメラ21aによる撮影画像に人の顔が映っている場合には人が住宅10から出たと判定し、屋内カメラ21bによる撮影画像に人の顔が映っている場合には人が住宅10に入ったと判定する。
【0045】
ステップS17では、人の顔が撮影された(映っている)撮影画像に基づき、住宅10に出入りした人の数を判定する。具体的には、上記撮影画像に何人の人の顔が映っているかを把握し、それに基づいて住宅10に何人の人が出入りしたかを判定する。
【0046】
ステップS18では、ステップS17で出入りしたと判定された各人ごとに、その人が各住人のうちいずれの住人であるのかを特定する。この特定は、撮影された人の顔画像に基づき行う。具体的には、撮影された人の顔画像が、顔画像記憶部32に記憶されたいずれの住人の登録顔画像と一致するのかを判定し、その判定の結果に基づいて、出入りした人がいずれの住人であるかを特定する。なお、撮影された人の顔画像がいずれの住人の登録顔画像とも一致しない場合には、出入りした人が住人ではなく非住人(例えば住人の知人や友人等)であると特定される。
【0047】
上記のようにステップS16~S18によれば、玄関口14を通じて住宅10に出入りする住人が誰であるかが把握される(把握手段に相当)。つまり、住人が住宅10から出る場合にはその住人が誰であるかが把握され、住人が住宅10に入る場合にはその住人が誰であるかが把握される。また、出入りする住人が複数いる場合には、それら出入りする各住人がそれぞれ誰であるかが把握される。
【0048】
ステップS19では、ステップS16~S18の判定結果に基づいて、つまり住宅10に出入りする住人が誰であるか把握した把握の結果に基づいて、在不在情報記憶部33に記憶されている各住人の在不在情報を更新する(更新手段に相当)。この場合、住宅10から出る住人については、当該住人の在不在情報を不在である旨の情報に更新する。また、住宅10に入る住人については、当該住人の在不在情報を在宅である旨の情報に更新する。その後、本処理を終了する。
【0049】
続いて、管理サーバ30の制御部31により実行される防犯制御処理について
図4に示すフローチャートに基づき説明する。なお、本処理は所定の周期で繰り返し実行される。
【0050】
図4に示すように、防犯制御処理では、まずステップS31において、在不在情報記憶部33に記憶されている各住人の在不在情報に基づき、住宅10がすべての住人が不在である不在状態とされているか否かを判定する(不在状態判定手段に相当する)。住宅10が不在状態とされている場合には、ステップS32に進む。
【0051】
ステップS32では、不在フラグ(
図5のステップS56参照)がセットされているか否かを判定する。後述するように、不在フラグは、住宅10が不在状態であることを示すフラグである。不在フラグがセットされていない場合、つまり住宅10がいずれかの住人が在宅する在宅状態から不在状態に移行した場合にはステップS33に進む。
【0052】
ステップS33では、施解錠検知センサ24からの検知結果に基づいて、施錠装置18が施錠状態とされているか否かを判定する。施錠装置18が施錠状態とされている場合にはステップS38に進む。この場合、すべての住人が外出したとみなすことができるため、ホームサーバ20に防犯システム29を作動させる旨の指令信号を出力する。この指令信号がホームサーバ20に入力されると、ホームサーバ20はその指令信号に基づき防犯システム29を作動させる。これにより、住宅10が防犯システム29による監視状態とされる。なお、本ステップS38の処理が「所定の処理」に相当する。その後、本処理を終了する。
【0053】
ステップS33において、施錠装置18が施錠状態とされていない場合、つまり住宅10が不在状態であるにもかかわらず施錠装置18が施錠されていない場合にはステップS34に進む。この場合、施錠装置18が施錠されていない理由としては、2つの理由が考えられる。1つは、住宅10を最後に出た住人が施錠装置18を施錠し忘れたという理由である。もう1つは、住宅10を最後に出た住人が訪問客の対応や庭での作業等のため一時的に住宅10を出たという理由である。そこで、ステップS34では、これら双方の場合を想定して、不在時処理を実行する。以下、この不在時処理について
図5に示すフローチャートに基づき説明する。
【0054】
図5に示すように、不在時処理では、まずステップS51にて、住宅10への訪問者があったか否かを判定する(訪問者判定手段に相当)。具体的には、本ステップでは、ホームサーバ20にアクセスして、ホームサーバ20のメモリに記憶されている訪問者履歴を取得し、その取得した訪問者履歴に基づいて、住宅10が不在状態となる直前に住宅10への訪問者があったか(訪問者によりインターホン19が操作されたか)否かを判定する。換言すると、本ステップでは、訪問者の対応のために住人が住宅10から(一時的に)出ることで住宅10が不在状態となったか否かを判定している。
【0055】
ステップS51において、住宅10への訪問者があった場合にはステップS52に進み、待機時間をT1に設定する。ここで、後述するステップS54及びS55では、ステップS31で住宅10が不在状態となってから所定時間が経過するのを待つ待機処理を行う。この待機処理における上記所定時間が待機時間となっており、本ステップでは、この待機時間をT1に設定する。なお、T1は、住人が屋外にいる訪問者の対応をするために住宅10から一時的に出てその後再び住宅10に入るまでに要する時間に設定されており、例えば3分程度とされている。
【0056】
一方、ステップS51において、住宅10への訪問者がなかった場合にはステップS53に進み、待機時間をT2を設定する。ここで、住宅10への訪問者がないのに住人が一時的に外出する場合としては、例えば住人が庭に出たりゴミ出しを行ったりする場合が考えられる。このような場合には、住人が訪問者の対応をするために住宅10から一時的に出る場合よりも住宅10から出る時間が長くなることが考えられる。そこで、本ステップS53では、待機時間としてT1よりも長いT2を設定する(T1<T2)。例えば、T2は30分程度とされている。なお、ステップS52及びステップS53の各処理が設定手段に相当する。
【0057】
ステップS54では、住宅10が不在状態であるか否かを再度判定する。住宅10が不在状態でない場合、例えば訪問客対応等のために一時的に外出した住人が住宅10に戻った場合には本処理を終了する。また、住宅10の不在状態が継続している場合にはステップS55に進む。
【0058】
ステップS55では、ステップS31で住宅10が不在状態であると判定されてから所定の待機時間(「所定時間」に相当)が経過したか否かを判定する。具体的には、待機時間としてT1が設定されている場合にはT1が経過したか否かを判定し、待機時間としてT2が設定されている場合にはT2が経過したか否かを判定する。また、本ステップでは、換言すると、住宅10の不在状態が所定の待機時間(T1又はT2)以上継続しているか否かを判定していることになる。
【0059】
ステップS55において、住宅10が不在状態となってから所定の待機時間が経過していないと判定された場合には、待機時間が経過するまでステップS54の判定を繰り返す。一方、所定の待機時間が経過した場合にはステップS56に進む。この場合、待機時間が経過しても住宅10が不在状態とされているため、住宅10から最後に退出した住人は一時的に住宅10から出たのではなく、外出したと判断することができる。そのため、この場合には、ステップS56にて住宅10が(真に)不在状態になったことを示す不在フラグをセットする。
【0060】
続くステップS57では、施錠装置18が施錠状態とされているか否かを判定する。施錠装置18が施錠状態とされている場合には本処理を終了する。この場合、住宅10を最後に出た住人が施錠し忘れに気づいて施錠を行ったことが考えられる。また、施錠装置18が施錠状態とされていない場合にはステップS58に進む。
【0061】
ステップS58では、住宅10から最後に退出した住人、つまり住宅10からの最終退出者が誰であるかを特定する。この判定は、在不在情報記憶部33に記憶されている各住人の在不在情報、詳しくは各住人の在不在の履歴情報に基づき行われる。
【0062】
ステップS59では、ステップS58で特定された最終退出者に施錠装置18の施錠をし忘れている旨を通知する。この通知は、最終退出者の携帯機器41に通信部34を通じてメールを送信することにより行う。これにより、最終退出者は施錠をし忘れたことを知ることができるため、携帯機器41により遠隔操作で施錠装置18を施錠することが可能となる。なお、本ステップS59の処理が防犯処理(所定の処理)に相当する。
【0063】
ステップS61では、最終退出者により遠隔操作で施錠装置18が施錠されたか否かを判定する。施錠された場合には本処理を終了し、施錠されていない場合にはステップS62に進む。ステップS62では、ステップS59における施錠忘れの通知が行われてから所定時間が経過したか否かを判定する。ここで、所定時間は、例えば30分に設定されている。所定時間が経過していない場合には、所定時間が経過するまで繰り返しステップS61の判定を行う。また、所定時間が経過した場合にはステップS63に進み、施錠装置18を施錠状態とする施錠処理を行う。これにより、最終退出者により遠隔操作で施錠装置18が施錠されなかった場合には、最終的に施錠装置18が自動で施錠されるようになっている。その後、本処理を終了する。なお、ステップS63の処理が防犯処理(所定の処理)に相当する。
【0064】
また、ステップS62において所定時間が経過していない場合には、ステップS61の判定(施錠状態の判定)に加え、ステップS64において住宅10が不在状態であるか否かを判定する。つまり、住宅10の不在状態が依然として継続しているか否かを判定する。この判定の結果、住宅10が不在状態でない場合、つまりいずれかの住人が住宅10に帰宅した場合にはステップS65に進み、不在フラグをリセットする。その後、本処理を終了する。
【0065】
図4の説明に戻り、上述した不在時処理(ステップS34)を終了した後、本処理(防犯制御処理)を終了する。そして、再びステップS31に戻り、住宅10が不在状態であるか否かを判定する。住宅10が不在状態にある場合にはステップS32に進み、不在フラグがセットされているか否かを判定する。不在フラグがセットされている場合、つまり
図5のステップS56で不在フラグがセットされている場合にはステップS38に進み、ホームサーバ20に防犯システム29の作動を行わせる。その後、ステップS39に進み、不在フラグをリセットし、本処理を終了する。
【0066】
先のステップS31において、住宅10が不在状態にない場合にはステップS36に進み、住宅10が各住人のうち子供だけが在宅している子供在宅状態(「所定の在宅状況」に相当)となっているか否かを判定する(在宅状況判定手段に相当)。この判定は、在不在情報記憶部33に記憶されている各住人の在不在情報に基づき行われる。なお、本実施形態では、子供が、見守りを要する見守り対象者に相当する。
【0067】
住宅10が子供在宅状態となっている場合にはステップS37に進み、施錠装置18を施錠状態とする。なお、このとき、施錠装置18がすでに施錠状態とされている場合にはその施錠状態を継続させる。続くステップS38では、ホームサーバ20に防犯システム29の作動を行わせる。これにより、住宅10が不在状態である場合だけでなく、子供だけが在宅している場合にも、防犯システム29による住宅10の監視が行われる。なお、このとき、すでに防犯システム29が作動中である場合にはその作動を継続させる。その後、本処理を終了する。なお、ステップS36及びステップS37の各処理が防犯処理(所定の処理)に相当する。
【0068】
ステップS36にて、住宅10が子供在宅状態でないと判定された場合、つまり住宅10に両親のうち少なくともいずれかが在宅している場合にはステップS41に進む。ステップS41では、ホームサーバ20に防犯システム29の作動を停止させる旨の指令信号を出力する。この指令信号がホームサーバ20に入力されると、ホームサーバ20はその指令信号に基づいて防犯システム29の作動を停止させる。これにより、防犯システム29による住宅10の監視状態が停止される。なお、本ステップS41の処理が「所定の処理」に相当する。
【0069】
続くステップS42では、施錠装置18が施錠状態とされているか否かを判定する。施錠装置18が施錠状態とされている場合には本処理を終了し、施錠状態とされていない場合にはステップS43に進む。ステップS43では、施錠装置18を施錠し忘れている旨を住宅10内の住人に通知する。この通知処理では、ホームサーバ20に施錠忘れの情報を出力することで、ホームサーバ20のモニタ部20aに同情報を表示させる。これにより、住宅10内の住人に施錠装置18の施錠忘れを知らせることができる。その後、本処理を終了する。
【0070】
以上、詳述した本実施形態の構成によれば、以下の優れた効果が得られる。
【0071】
玄関口14を通じて人が出入りする際には、その人の顔がカメラ21により撮影される。そして、その撮影された人の顔画像に基づき、出入りする住人が誰であるかが把握され、その把握の結果に基づき、各住人の在不在情報が更新される。この場合、住人が複数人で連れ立って住宅に出入りする際には、それら各住人の顔がそれぞれ撮影され、それら各住人が誰であるかが把握される。そのため、各住人の在不在を確実に把握することができる。また、このように把握される各住人の在不在情報に基づき、防犯システム29を作動又は停止させたり、施錠装置18を施錠状態としたり、住人(最終退出者)に施錠忘れの通知をしたりする処理(「所定の処理」に相当)が実行されるため、それらの処理を好適に実行させることができる。
【0072】
各住人の在不在情報に基づき、住宅10がすべての住人が不在である不在状態であると判定された場合に、最終退出者に対して施錠忘れの通知を行ったり、施錠装置18を施錠状態としたり、防犯システム29を作動させたりするようにした。つまり、住宅10が不在状態である場合に防犯性を高める防犯処理を行うようにした。この場合、住人の不在時に住宅10の防犯性を確実に高めることができる。
【0073】
ところで、住宅10が不在状態になる場合としては、住人が庭に出る等して住宅10が一時的に不在状態になる場合が考えられる。このような場合には、上述した防犯処理が実行されてしまうのは好ましくない。そこで、上記実施形態では、こうした点に鑑み、住宅10の不在状態が所定時間(一定時間)以上継続した場合に防犯処理が実行されるようにした。つまり、住宅10が不在状態となってから所定時間が経過した後に防犯処理が実行されるようにした。この場合、住人が一時的に住宅10から出たことで不在状態となった場合には防犯処理が実行されないため、不在状態に基づく防犯処理を好適に行うことができる。
【0074】
また、特に、施錠装置18の施錠処理については、住宅10が不在状態となった場合に直ちに施錠状態とすると、住人が一時的に住宅10から出た際、住人が屋外に閉め出されてしまうおそれがある。その点、施錠装置18の施錠処理を住宅10の不在状態が所定時間以上継続した後に実行するようにしたことで、こうした屋外への閉め出しを回避することができる。
【0075】
また、住宅10が不在状態となった場合に、施錠装置18が施錠状態とされていないときには、施錠装置18の施錠処理を行うのに先立ち、最終退出者に施錠忘れの通知を行うようにした。この場合、(住宅10から一時的に出た)最終退出者が屋外に閉め出されてしまうのをより確実に回避することができる。
【0076】
住宅10の不在状態が所定時間以上継続した場合に、施錠忘れの通知を行うに際しては、まず上記所定時間(所定の待機時間)の設定処理を行うこととした。この設定処理においては、住宅10が不在状態となった場合に住宅10への訪問者があるか否かを判定し、その訪問者判定の結果に基づき待機時間を設定するようにした。具体的には、訪問者がある場合には待機時間をT1に設定し、訪問者がない場合には待機時間をT1よりも長いT2に設定するようにした。訪問者対応のために住宅10から一時的に出る場合には、それ以外の目的で例えば庭作業のために住宅10から一時的に出る場合よりも時間が短いことが考えられる。そのため、上記の構成によれば、訪問者の有無に応じて、住人の一時退出時に防犯処理が実行されるのを好適に回避することができる。
【0077】
住宅10が各住人のうち子供のみが在宅している子供在宅状態である場合には、防犯システム29を作動させたり施錠装置18の施錠処理を行ったりした。つまり、住宅10が子供在宅状態である場合には、住宅10が不在状態である場合と同様、防犯処理を実行させるようにした。この場合、子供しか在宅していない状況であることを確実に把握して防犯処理を実行させることができるため、子供の安全確保を確実に図ることができる。
【0078】
本発明は上記実施形態に限らず、例えば次のように実施されてもよい。
【0079】
・上記実施形態では、玄関口14を通じて住宅10から出る人の顔を屋外カメラ21aにより撮影し、住宅10に入る人の顔を屋内カメラ21bにより撮影するようにしたが、住宅10から出る人の顔、及び住宅10に入る人の顔をそれぞれ撮影できるのであればカメラ21は1つだけ設けるようにしてもよい。その場合、その1つのカメラ21が撮影手段に相当する。
【0080】
・上記実施形態では、玄関ドア15が開状態とされている場合に各カメラ21による撮影を開始させるようにしたが、各カメラ21による撮影を常時行う構成としてもよい。
【0081】
・上記実施形態では、住宅10が不在状態である場合に、施錠装置18が施錠状態とされていないときには、施錠装置18の施錠処理(ステップS63)を行うのに先立ち、施錠忘れの通知処理(ステップS59)を行ったが、施錠忘れの通知は必ずしも行う必要はなく、例えばステップS59において施錠装置18の施錠処理を行うようにしてもよい。この場合、住宅10の不在状態が所定の待機時間(T1又はT2)以上継続した後、施錠処理が行われることになる。
【0082】
・上記実施形態では、見守り対象者を子供とした場合について説明したが、見守り対象者は必ずしも子供に限る必要はない。例えば、住宅に、住人として、祖父母等の老人が住んでいる場合には、その老人を見守り対象者として設定してもよい。
【0083】
・上記実施形態では、住宅10が不在状態となった場合に、所定の処理として、防犯システム29を作動させる処理を行ったが、住宅10が不在状態となった場合に、当該処理とは異なる処理を所定の処理として行ってもよい。例えば、所定の処理として、外出時の宅内チェックを行う外出時チェック処理を行うことが考えられる。この場合、外出時チェック処理としては、住宅10に設けられた照明や家電製品等の電気機器が消し忘れていないかをチェックする処理(電気消し忘れチェック処理)や、住宅10に設けられた窓の施錠忘れがないかをチェックする処理(窓施錠チェック処理)、エアコンが消し忘れてないかをチェックする処理(エアコン消し忘れチェック処理)等が考えられる。
【0084】
また、上記実施形態では、住宅10が子供(見守り対象者)のみが在宅している所定の在宅状態である場合に、所定の処理として、防犯システム29を作動させる処理や、施錠装置18を施錠状態とする処理を行ったが、住宅10が上記所定の在宅状態である場合に、それらの処理とは異なる処理を所定の処理として行うようにしてもよい。例えば、見守り対象者が熱中症にかかるのを防止する熱中症防止処理を行うことが考えられる。熱中症防止処理として具体的には、次のような処理が考えられる。すなわち、熱中症防止処理が実行されると、住宅10内の温度が逐次監視されるとともに、住宅10内の温度が所定温度以上に達すると両親にその旨が通知されるようにすることが考えられる。
【0085】
・上記実施形態では、玄関口14を通じて住宅10に出入りする住人の顔をカメラ21により撮影し、その撮影された住人の顔画像を基に、住宅10に出入りする住人が誰であるか把握するようにしたが、住宅によっては住人が玄関口14以外の出入口を通じて出入りする場合が考えられる。例えば、住人が勝手口を通じて住宅10に出入りし、玄関口は来客用の出入口として用いられる場合があると考えられる。このような場合には、勝手口付近にカメラを設け、そのカメラにより勝手口を通じて住宅10に出入りする住人の顔を撮影するようにする。そして、撮影された顔画像を基に、住宅10に出入りする住人が誰であるか把握するようにする。なお、この場合には、勝手口が「出入口」に相当する。
【符号の説明】
【0086】
10…住宅、14…出入口としての玄関口、15…出入口ドアとしての玄関ドア、18…施錠装置、20…ホームサーバ、21a…屋外カメラ、21b…屋内カメラ、30…管理サーバ、31…制御手段としての制御部、33…記憶手段としての在不在情報記憶部。