(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-25
(45)【発行日】2024-02-02
(54)【発明の名称】冷却貯蔵庫
(51)【国際特許分類】
F25D 19/00 20060101AFI20240126BHJP
F25D 17/08 20060101ALI20240126BHJP
F28F 9/00 20060101ALI20240126BHJP
【FI】
F25D19/00 522B
F25D17/08 302
F28F9/00 321
(21)【出願番号】P 2019189485
(22)【出願日】2019-10-16
【審査請求日】2022-09-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000194893
【氏名又は名称】ホシザキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】谷川 晋也
(72)【発明者】
【氏名】原 英治
【審査官】笹木 俊男
(56)【参考文献】
【文献】特開昭61-122472(JP,A)
【文献】特開2005-180785(JP,A)
【文献】実開昭61-170985(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 19/00
F28F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯蔵室と、
前記貯蔵室の側方に配される冷却器室と、を備え、
前記冷却器室内には、冷気を生成する冷却器と、前記冷却器を収容する冷却器ボックスと、が配されており、
前記冷却器は、
所定の配列方向に並んで配される複数の板状のフィンと、
前記複数のフィンの前記配列方向における両端側にそれぞれ設けられ、上端にフランジ部を有するエンドプレートと、
前記複数のフィン、及び前記エンドプレートを前記配列方向に沿って貫通する貫通部と、前記貫通部から延出して折り返した形状をなす折り返し部と、を有する蒸発管と、を具備し、
前記冷却器ボックスは、前記フランジ部を下方から支持可能な支持部を有
し、
前記フランジ部は、前記上端から前記配列方向に沿って突出し、前記折り返し部と平面に視て重なり、
前記支持部は前記フランジ部を載置するように複数設けられ、
少なくとも一つの前記支持部は、前記冷却器ボックスの側壁のうち前記折り返し部の延出端と前記配列方向について対向する対向側壁から、前記冷却器ボックスの内部空間に突出し、
前記折り返し部の前記延出端と前記対向側壁との隙間は、前記少なくとも一つの支持部及び前記フランジ部によって上方から覆われている冷却貯蔵庫。
【請求項2】
前記貯蔵室と前記冷却器室とを仕切るように立設される仕切壁を備え、
前記仕切壁には、前記貯蔵室内の空気を前記冷却器室内に吸い込むための吸込口と、前記吸込口より上側に配され、前記冷却器室内の冷気を前記貯蔵室内に吹き出すための吹出口と、が設けられている
請求項1に記載の冷却貯蔵庫。
【請求項3】
前記支持部は、板状部を有し、前記板状部の上面が前記フランジ部の下部と当接している
請求項1または請求項2に記載の冷却貯蔵庫。
【請求項4】
前記支持部は、前記冷却器ボックスに対して一体的に設けられている請求項1から
請求項3のいずれか1項に記載の冷却貯蔵庫。
【請求項5】
前記冷却器ボックスは樹脂からなる
請求項4に記載の冷却貯蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却貯蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、冷却貯蔵庫として、例えば特許文献1に記載のものが知られている。特許文献1に記載の横型冷蔵庫(冷却貯蔵庫の一例)は、貯蔵室と、正面から見て貯蔵室の側方に設けられ貯蔵室と連通する冷却器室、とを備える。冷却器室には、合成樹脂製の冷却器ボックス内に、冷却器が装着されている。冷却器ボックスの側壁には、冷却器のU字管を受けることが可能な受け片を有する挿通管が形成されており、冷却器は挿通管により固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようにして冷却器のU字管を冷却器ボックスに取り付けると、U字管の形状に起因して、冷却器を安定的に取り付けしにくいことがある。また、取り付け時の位置決め精度を高めにくいのが実情である。
【0005】
本願明細書に記載の技術は上記のような実情に基づいて完成されたものであって、冷却器を位置決め精度よく、安定的に取り付けることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願明細書に記載の技術に関わる冷却貯蔵庫は、貯蔵室と、前記貯蔵室の側方に配される冷却器室と、を備え、前記冷却器室内には、冷気を生成する冷却器と、前記冷却器を収容する冷却器ボックスと、が配されており、前記冷却器は、所定の配列方向に並んで配される複数の板状のフィンと、前記複数のフィンの前記配列方向における両端側にそれぞれ設けられ、上端にフランジ部を有するエンドプレートと、前記複数のフィン及び前記エンドプレートを前記配列方向に沿って貫通する貫通部と、前記貫通部から延出して折り返した形状をなす折り返し部と、を有する蒸発管と、を具備し、前記冷却器ボックスは、前記フランジ部を下方から支持可能な支持部を有する。
【0007】
上記構成の冷却貯蔵庫によれば、冷却器のエンドプレート上端のフランジ部が冷却器ボックスの支持部に支持されることで、冷却器が冷却器ボックスに取り付けられるようになる。U字管(蒸発管の折り返し部)を、冷却器ボックスとの取り付けに用いずに済むため、冷却器を安定して取り付けできるようになる。また、安定的に取り付けできるため、取り付け時の位置決め精度を高めることができる。
【0008】
また、前記フランジ部は、前記上端から前記配列方向に沿って突出しており、前記支持部は前記フランジ部を載置するように設けられている。このようにすれば、支持部はフランジ部を容易に下方から支持可能となる。
【0009】
また、前記フランジ部は、前記折り返し部と平面に視て重なるものとされる。このようにすれば、フランジ部は、折り返し部を上方から覆うようになる。その結果、冷却器室内の上部に発生する水滴をフランジ部で受け止めて、折り返し部へ滴下することを防止できるようになる。その結果、冷却器の霜付き量を減少させ、霜付きによる冷却性能の低下を抑制できるようになる。
【0010】
また、前記冷却貯蔵庫は、前記貯蔵室と前記冷却器室とを仕切るように立設される仕切壁を備え、前記仕切壁には、前記貯蔵室内の空気を前記冷却器室内に吸い込むための吸込口と、前記吸込口より上側に配され、前記冷却器室内の冷気を前記貯蔵室内に吹き出すための吹出口と、が設けられている。このようにすれば、冷却器室内には下から空気が吸い込まれ上から吹き出されるようになり、貯蔵室と冷却器室とを循環する空気の流路を形成できるようになる。
【0011】
また、前記支持部は、前記冷却器ボックスの側壁から、前記冷却器ボックスの内部空間に突出している。このようにすれば、支持部を容易に形成できるようになる。
【0012】
また、前記支持部は、板状部を有し、前記板状部の上面が前記フランジ部の下部と当接している。このようにすれば、板状の支持部によりフランジ部を容易に支持できるようになる。
【0013】
また、前記支持部は、前記冷却器ボックスの側壁から、前記配列方向と交わるように前記冷却器ボックスの内部空間に突起している複数の突起部からなる。このようにすれば、複数の突起部によりフランジ部を容易に支持できるようになる。
【0014】
また、前記複数の突起部は、前記フランジ部を上下から挟み込むように配されている。このようにすれば、複数の突起部によりフランジ部をより安定的に支持できるようになる。
【0015】
また、前記支持部は、前記冷却器ボックスに対して一体的に設けられている。このようにすれば、支持部の配設が容易になる。
【0016】
また、前記冷却器ボックスは樹脂からなる。このようにすれば、樹脂を流入する型を適宜設計することで、支持部を容易に一体的に設けることができる。
【発明の効果】
【0017】
本願明細書に記載の技術によれば、冷却器を位置決め精度よく、安定的に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図2】側面パネルを外した状態の冷却貯蔵庫の斜視図
【
図10】冷却器ボックスを
図8のX-X線位置で切断した断面図
【
図11】冷却器ボックスを
図8のXI-XI線位置で切断した断面図
【
図12】支持部に支持されたフランジ部を示す部分正面図
【
図13】支持部に支持されたフランジ部を示す上面図
【
図14】冷却器ボックスから冷却器を外した状態を示す上面図
【
図15】第2実施形態に係る冷却器ボックスの部分正面図
【
図16】支持部に支持されたフランジ部を示す部分正面図
【発明を実施するための形態】
【0019】
<第1実施形態>
第1実施形態に係る冷却貯蔵庫10として、ショーケースとして用いられる横型冷蔵庫について、
図1から
図11を参照して説明する。各図面の一部には、X軸、Y軸、及びZ軸を示しており、各軸方向が各図で共通した方向となるように描かれている。また、X軸方向を左右方向、Y軸方向を前後方向、Z軸方向を上下方向とする。
【0020】
冷却貯蔵庫10は、
図1に示すように、機械室11と、冷蔵庫本体20と、を備える。冷蔵庫本体20は、前面に開口した横長の断熱箱体であって、外装板21と内装板22との間に発泡ウレタン等の断熱材が充填された壁部から主に構成されている(
図3)。冷蔵庫本体20は、
図1及び
図2に示すように、扉25と、貯蔵室26と、を有する。貯蔵室26は、冷蔵庫本体20の内部に設けられ、被冷却物(食品等)が貯蔵される。貯蔵室26は、被冷却物が出し入れされる開口26Aを前面に有する。扉25は、貯蔵庫26の開口26Aを開閉可能に引き違い形式に2枚装着されている。
【0021】
機械室11は、
図1に示すように、冷蔵庫本体20の側方(左側)に配されている。機械室11には、前面パネル11Aの背面側(後側)に、貯蔵室26を冷却するための機械類が収容されている。機械室11には、
図2及び
図3に示すように、隔壁パネル13が上下方向(Z軸方向)に立設されており、これにより内部空間が下部から左側部に亘るスペースと、右側上部のスペース(冷却器室12)と、に隔てられている。機械室11の下部から左側部に亘るスペースには、
図2に示すように、圧縮機14や凝縮器15等から構成される冷凍装置、及び冷却器室12内から水滴を排出するための排水管19が収容されている。
【0022】
冷却器室12は、
図3に示すように、機械室11の右側上部のスペースであって、左側を隔壁パネル13に、上側を内装材22に、右側をダクト(仕切壁の一例)46及び内装材22によって囲まれている。ダクト46は、冷却器室12と貯蔵室26とを仕切る仕切壁であって、冷却器室12と貯蔵室26とを連通する開口46A,46Bを有する。より詳しくは、ダクト46は、
図3に示すように、貯蔵室26内の空気を冷却器室12内に吸込むための吸込口46Aと、吸込口46Aより上側に配され、冷却器室12内の冷気を貯蔵室26に吹き出すための吹出口46Bと、を有する。冷却器室12内には、下側の吸込口46Aから空気が吸い込まれ、上側の吹出口46Bから吹き出されるため、下から上に向かって空気が流れる(
図3における矢線W1)。
【0023】
冷却器室12には、
図3に示すように、冷却器30と、冷却器ボックス40と、冷却ファン45が収容されている。冷却器30は、冷媒管によって圧縮機14及び凝縮器15と直結されて冷凍サイクルを形成しており、冷気を生成する。冷却器ボックス40は、少なくとも冷却器30を収容する。冷却器ボックス40と隔壁パネル13との間には断熱材が充填されているものとされる。冷却ファン45は、複数枚の羽根及び回転機構等から構成されており、吹出口46Bと対向する位置に配されている。冷却ファン45は、冷却器30により生成された冷気を吸い込んで、吹出口46Bから貯蔵室26へ吹き出して送風する。冷却ファン45及び圧縮機14等が駆動されて冷却運転が行われると、貯蔵室26内の空気が吸込口46Aから冷却器室12内に吸い込まれて、冷却器30を通過する過程で冷やされて冷気となり、その後、吹出口46Bから冷蔵室26に吹き出される(
図3における矢線W1)。このようにして貯蔵室26に冷気が循環供給され、貯蔵室26が冷却される。続いて、冷却器30について詳しく説明する。
【0024】
冷却器30は、
図4から
図6に示すように、複数のフィン31と、エンドプレート33と、蒸発管(冷却管)35と、を有する。各フィン31は、板状をなし、複数のフィン31は、各フィン31の板面が並行するように、前後方向(Y軸方向、所定の配列方向の一例)に並んで配されている。エンドプレート33は、
図4から
図6に示すように、複数のフィン31の配列方向における両端側にそれぞれ設けられている。
【0025】
蒸発管35は、中空筒状の管であって、管内を冷媒が通過することで、蒸発管35の近傍の空気が冷却されて、冷気が生成される。蒸発管35は蛇行状をなし、
図4から
図6に示すように、貫通部35Aと、折り返し部(U字管、Uベンド部)35Bと、接続部35Cと、を有する。貫通部35Aは、直線状をなし、複数のフィン31及び2つのエンドプレート33を貫通する。折り返し部35Bは、貫通部35Aから延出して折り返したU字状をなす。接続部35Cは、圧縮機14、凝縮器15と連結する冷媒管と接続される。
【0026】
各エンドプレート33は、
図4から
図6に示すように、本体部33Aと、フランジ部33Bと、を有する。本体部33Aは、各フィン31と並行する板状をなす。フランジ部33Bは、本体部33Aの上端33A1に設けられている。フランジ部33Bは、当該上端33A1から、本体部33Aの板面と直交する方向であってフィン31とは反対側に突出する板状をなす。換言すると、フランジ部33Bは、当該上端33A1から、複数のフィン31の配列方向に沿って、折り返し部35B側に突出している。また、フランジ部33Bは、
図4及び
図5に示すように、蒸発管35の折り返し部35Bと平面に視て重なるものとされる。折り返し部35Bの上方は、フランジ部33Bにより覆われている。
【0027】
次に、冷却器ボックス40について詳しく説明する。冷却器ボックス40は、
図7に示すように、右方及び上方に開口した箱状をなす。冷却器ボックス40は、
図3に示すように、右方の開口が貯蔵室26側に、上方の開口が天井壁(内装材22)側となるように、冷却器室12内に配される。冷却器ボックス40は、
図7から
図11に示すように、3方を囲む側壁41と、底壁43と、排水部47と、を有する。排水部47は、排水管19と接続される(
図3)。底壁43は、排水部47に連通する排水口43Aと、排水口43Aに向かって低くなるように傾斜する傾斜面43Bと、を有する。底壁43は、冷却器30に付着して滴下する水滴を傾斜面43Bで受けて、排水口43Aに向かって流水させる。
【0028】
ところで、冷却器30には、冷却運転とともに着霜が生じるため、冷却貯蔵庫10は適宜除霜運転が行われるようになっている。除霜運転は、冷却器30の下方(例えば
図3のカバー部材44の下側)に取り付けられたヒータを加熱したり、圧縮機14を停止しつつ冷却ファン45を駆動し貯蔵室26内の空気を通風したりして行われる。除霜運転により冷却器30に付着した霜が融解され、除霜水(水滴)が生じる。底壁43は、この水滴を排出するためのドレンパンをなしている。
【0029】
側壁41には、
図7から
図11に示すように、冷却器ボックス40の内部空間に向かって突出する2つの支持部42が設けられている。2つの支持部42は、2つのエンドプレート33の各フランジ部33Bをそれぞれ支持するように、側壁41において、前後方向(Y軸方向)における前側と後側にそれぞれ設けられている。各支持部42は、板状部42Aを有し、各フランジ部33Bは、
図12から
図14に示すように、その下面(下部)33B1が板状部42Aの上面42A1と当接するように、各支持部42に載置されている。また、正面左側の支持部42は、板状部42Aの下面に接続されて板状部42Aを補強する補強部42Bを有する。冷却器30は、正面左側に接続部35Cが設けられていることから、正面左側の重量が正面右側に比して大きい。補強部42Bにより、冷却器30のうち接続部35Cが設けられた側も安定的に支持可能となる。
【0030】
冷却器ボックス40は、樹脂(ABS樹脂等の合成樹脂)製であって、支持部42を含む各部が一体的に形成されている。原料樹脂を流入する型を適宜設計することで、一体形成により支持部42を容易に設けることができる。
【0031】
以上説明したように、冷却貯蔵庫10は、貯蔵室26と、貯蔵室26の側方に配される冷却器室12と、を備え、冷却器室12内には、冷気を生成する冷却器30と、冷却器を収容する冷却器ボックス40と、が配されており、冷却器30は、所定の配列方向(Y軸方向)に並んで配される板状の複数のフィン31と、複数のフィン31の配列方向における両端側にそれぞれ設けられ、上端にフランジ部33Bを有するエンドプレート33と、複数のフィン31及びエンドプレート33を配列方向に沿って貫通する貫通部35Aと、貫通部35Aから延出して折り返した形状をなす折り返し部35Bと、を有する蒸発管35と、を具備し、冷却器ボックス40は、前記フランジ部33Bを下方から支持可能な支持部42を有する。
【0032】
このようにすれば、
図12及び
図13に示すように、フランジ部33Bが支持部42に下方から支持されることで、冷却器30が冷却器ボックス40に取り付けられるようになる。特許文献1のように、U字管(蒸発器45の折り返し部45B)を、冷却器ボックス40との取り付けに用いずに済むため、冷却器30を安定して取り付けできるようになる。また、安定的に取り付けできるため、取り付け時の位置決め精度を高めることができる。
【0033】
また、フランジ部33Bは、配列方向に沿って折り返し部45B側に突出しており、折り返し部35Bと平面に視て重なるものとされる。このようにすれば、フランジ部33Bは、
図12及び
図13に示すように、折り返し部35Bを上方から覆うようになり、冷却器室12内の上部に発生する水滴をフランジ部33Bが受け止め可能となる。より詳しくは、冷却器室12の天井壁(内装材22)は、
図3に示すように、冷却器30と近接しているため、その表面に霜が付着する。除霜運転時には、この霜は融解されて滴下する。仮に、フランジ部33Bが設けられていない場合には、滴下した水滴は折り返し部35Bに付着し、次の冷却運転時に霜として成長してしまう。本実施形態に係るフランジ部33Bによれば、冷却器室12内の天井壁から折り返し部35Bに水滴が滴下することが防止されるため、折り返し部35Bの霜付き量を減少することができる。その結果、霜付きによる冷却性能の低下を抑制できるようになる。また、一般に、折り返し部35Bに付着した霜を除霜するには、除霜に用いられるヒータの加熱時間(除霜時間)を長くしたり、ヒータの出力値を増大したりする処置等が行われるが、フランジ部33Bによれば、このような処置を軽減可能となる。
【0034】
さらに、フランジ部33Bによれば、
図3の矢線W1で示すように空気が冷却器30内を通過する際、折り返し部35Bを通過することが抑制され、冷却効果の高いエンドプレート33,33間を下から上に確実に通過するようになる。このようなフランジ部33Bによる整流効果によって 冷却性能を向上可能となる。
【0035】
<第2実施形態>
第2実施形態に係る冷却器ボックス140について
図15及び
図16を参照して説明する。冷却器ボックス140は、第1実施形態と支持部142の構成が異なる。それ以外の構成については、第1実施形態と同様であり、同様の構成、作用及び効果についての説明は省略する。
【0036】
各支持部142は、
図15及び
図16に示すように、3方を囲む側壁141のうち、右方の開口140Aと対向する側壁141Aに設けられている。各支持部142は、側壁141Aから、冷却器ボックス140の内部空間に向かって左右方向(X軸方向、配列方向と交わる方向の一例)に突起する3つの突起部からなる。換言すると、突起部142は、複数のフィン31の配列方向である前後方向(Y軸方向)と交わる方向に突起している。3つの突起部142は、フランジ部33Bを上下から挟み込むように上下に互い違いに設けられている。
【0037】
フランジ部33Bは、
図16に示すように、上下に設けられた突起部142の間に挿入される。これにより、冷却器30が冷却器ボックス140に対して安定的に取り付けられるようになる。また、安定的に取り付けられることで、取り付け時の位置決め精度を高めることができる。
【0038】
<他の実施形態>
本明細書に記載された技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本明細書に記載された技術の技術的範囲に含まれる。
【0039】
(1)支持部42,142の形状は、フランジ部33Bを下方から支持可能とする他の形状であっても構わない。支持部42は、補強部42Bが設けられていなくても構わない。支持部142を構成する突起部の数は、3つに限られず、他の複数であっても構わない。
【0040】
(2)支持部42,142は、側壁41,141に一体的に形成されておらず、別体として形成され側壁41,141に固定されていても構わない。
【0041】
(3)接続部35Cは、蒸発管35の正面右側に設けられていても構わない。
【0042】
(4)ダクト46は、貯蔵室26の底面に達する長さに形成されていても構わない。
【0043】
(5)本明細書に記載の技術は、横型冷蔵庫以外の冷却貯蔵庫(冷凍庫を含む)に対しても適用可能である。
【符号の説明】
【0044】
10:横型冷蔵庫(冷却貯蔵庫)、12:冷却器室、26:貯蔵室、30:冷気器、31:フィン、33:エンドプレート、33B:フランジ部、35:蒸発管、35A:貫通部、35B:折り返し部、40,140:冷却器ボックス、41,141,141A:側壁、42,142:支持部、46:ダクト(仕切壁)、46A:吸込口、46B:吹出口