(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-25
(45)【発行日】2024-02-02
(54)【発明の名称】冷却貯蔵庫
(51)【国際特許分類】
F25D 19/02 20060101AFI20240126BHJP
F25D 19/00 20060101ALI20240126BHJP
【FI】
F25D19/02 A
F25D19/02 F
F25D19/00 510C
F25D19/00 510D
(21)【出願番号】P 2019195219
(22)【出願日】2019-10-28
【審査請求日】2022-09-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000194893
【氏名又は名称】ホシザキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】河合 俊明
【審査官】庭月野 恭
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-190591(JP,A)
【文献】実開昭49-060363(JP,U)
【文献】特開2002-062019(JP,A)
【文献】特開2000-258039(JP,A)
【文献】特開2015-224834(JP,A)
【文献】特開2002-039665(JP,A)
【文献】実開昭48-027463(JP,U)
【文献】特開2014-025669(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0023983(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 19/00,19/02
F25D 11/00
F25D 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯蔵庫本体と、前記貯蔵庫本体の内部に設けられた冷却装置と、前記貯蔵庫本体の下側に配された複数の車輪と、を備えて移動可能とされた冷却貯蔵庫であって、
前記貯蔵庫本体は、
前記冷却装置によって冷却される貯蔵室と、
前記貯蔵室の下方に設けられた機械室と、を有し、
前記冷却装置は、
前記貯蔵室内の上部に配された冷却器と、
前記機械室内に配されて少なくとも圧縮機及び凝縮器を含む機械室側ユニットと、
前記機械室から前記貯蔵室内に入り込んで前記冷却器、前記圧縮機、前記凝縮器を循環接続する冷媒管と、を有し、
前記圧縮機及び前記凝縮器の少なくとも一方は、前記冷媒管に接続された状態で、水平な引出方向に沿って前記機械室から引き出し可能とされており、
前記冷媒管は、前記機械室内から前記貯蔵室内に至るように鉛直方向に延在する鉛直部を有し、前記鉛直部よりも前記機械室側ユニット寄りに位置する機械室固定部において前記機械室に固定され
、
前記圧縮機及び前記凝縮器は、前記機械室の底壁上に前記引出方向に摺動可動に設置された架台上に載置され、
前記冷媒管は、前記架台における前記引出方向とは反対方向の端部に配された架台固定部において、前記架台に固定されており、
前記機械室固定部は、前記機械室の前記底壁における前記反対方向の端部であって、前記架台固定部に対し前記反対方向となる位置に配され、
前記冷媒管は、前記機械室固定部から、前記貯蔵室における前記反対方向の壁部に沿って上方に延び、前記冷却器に接続されている、冷却貯蔵庫。
【請求項2】
前記冷媒管は、前記鉛直部から前記圧縮機もしくは前記凝縮器までの間に、前記引出方向を巻回軸とする螺旋状をなすように形成された螺旋部を有し、
前記機械室固定部は、前記鉛直部と前記螺旋部との間に設けられている、請求項1に記載の冷却貯蔵庫。
【請求項3】
前記冷媒管は、前記鉛直部の少なくとも一部を構成する第1配管部材と、前記螺旋部を含み第1配管部材に接続される第2配管部材と、を含み、
前記機械室固定部は、前記第2配管部材に設けられている、請求項2に記載の冷却貯蔵庫。
【請求項4】
前記第1配管部材は、直管状の直管状下端部を含み、
前記第2配管部材は、直管状の直管状上端部をさらに含み、
前記第1配管部材と前記第2配管部材は、接続部から前記直管状下端部と前記直管状上端部が鉛直方向に一直線上に延出するように接続され、
前記鉛直部は、前記直管状下端部と前記直管状上端部を含む、請求項3に記載の冷却貯蔵庫。
【請求項5】
前記冷媒管は、前記圧縮機もしくは前記凝縮器との接続箇所よりも前記機械室固定部寄りに位置する架台固定部において、前記架台に固定されている、請求項
1に記載の冷却貯蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書によって開示される技術は、冷却貯蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
冷却貯蔵庫を、移動可能に構成したものが知られている。例えば下記特許文献1には、貯蔵庫本体の底面にキャスタが取り付けられた縦型の冷蔵収納庫(冷却貯蔵庫)が開示されている。冷却貯蔵庫の貯蔵室は、通常、圧縮機、凝縮器、冷却器等が冷媒管で循環接続された冷却装置によって冷却されるが、移動式の縦型冷却貯蔵庫では、移動時の安定性及び操作性を考慮すると、重量の大きな圧縮機や凝縮器は、貯蔵室下方に機械室を設けてこの内部に配することが好ましい。一方、冷却効率を考慮すると、冷却器は、貯蔵室内の上部に配することが好ましい。冷却装置を構成する機器が貯蔵室の上下に分かれて配置される場合、これらの機器を循環接続する冷媒管は、貯蔵室下方の機械室から貯蔵室に入り込んで貯蔵室内を縦断すべく、その少なくとも一部が鉛直方向に延在するように配設される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、圧縮機や凝縮器は、適宜にメンテナンスを行う必要がある。メンテナンスは、通常、作業の便宜を考慮して、圧縮機や凝縮器を機械室から水平方向に引き出して行われる。この際、冷媒管は接続されたままであるため、圧縮機等の引き出しに伴い、これに接続された冷媒管は変位・変形する。このような変位等によるストレスが大きくなると、冷媒管が不可逆的に変形したり、冷媒管が複数の冷媒配管を接続して構成されている場合には接続部分が外れてしまったりすることがある。また、移動式の冷却貯蔵庫では、移動時の振動や衝撃によっても、冷媒管の意図しない変形等が誘発される虞がある。冷媒管が変形したり外れたりすると、冷媒の漏洩等、不具合が生じてしまう。
【0005】
本明細書に開示する技術は、上記事情等を考慮して完成されたものであり、冷媒管の変形等による不具合の発生が抑制された冷却貯蔵庫を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本明細書によって開示される冷却貯蔵庫は、
貯蔵庫本体と、前記貯蔵庫本体の内部に設けられた冷却装置と、前記貯蔵庫本体の下側に配された複数の車輪と、を備えて移動可能とされた冷却貯蔵庫であって、
前記貯蔵庫本体は、
前記冷却装置によって冷却される貯蔵室と、
前記貯蔵室の下方に設けられた機械室と、を有し、
前記冷却装置は、
前記貯蔵室内の上部に配された冷却器と、
前記機械室内に配されて少なくとも圧縮機及び凝縮器を含む機械室側ユニットと、
前記機械室から前記貯蔵室内に入り込んで前記冷却器、前記圧縮機、前記凝縮器を循環接続する冷媒管と、を有し、
前記圧縮機及び前記凝縮器の少なくとも一方は、前記冷媒管に接続された状態で、水平な引出方向に沿って前記機械室から引き出し可能とされており、
前記冷媒管は、前記機械室内から前記貯蔵室内に至るように鉛直方向に延在する鉛直部を有し、前記鉛直部よりも前記機械室側ユニット寄りに位置する機械室固定部において前記機械室に固定されていることを特徴とする。
【0007】
圧縮機や凝縮器が引き出された際のストレスは、冷媒管が屈曲され延出方向が転換されている部分に集中し易い。例えば、冷媒管の一部が鉛直方向に延在している場合、水平な引出方向から鉛直方向に冷媒管が立ち上げられている部分、すなわち、鉛直部の下側近傍にストレスがかかり易いといえる。上記構成によれば、機械室固定部が設けられていることにより、圧縮機や凝縮器を引き出した際のストレスが冷媒管の鉛直部まで伝わり難くなり、メンテナンス時に圧縮機や凝縮器を引き出すことによる応力集中が抑制される。また、冷却貯蔵庫移動時の振動等による冷媒管のガタつきも軽減される。この結果、冷媒管の変形等が生じ難くなって、これに起因する不具合の発生が抑制される。
【0008】
上記構成の冷却貯蔵庫において、前記冷媒管は、前記鉛直部から前記圧縮機もしくは前記凝縮器までの間に、前記引出方向を巻回軸とする螺旋状をなすように形成された螺旋部を有し、前記機械室固定部は、前記鉛直部と前記螺旋部との間に設けられていてもよい。
【0009】
上記構成によれば、圧縮機や凝縮器が機械室内に配された状態では、冷媒管は機械室内に螺旋状にコンパクトに収容され、機械室内において絡まったり引っ掛かったりして局所的に変形等する危険性を減らすことができる。そして、メンテナンスのために圧縮機等が機械室から出し入れされる際には、螺旋部が巻回軸に沿って伸縮することで、ストレスの集中を抑制しながら圧縮機等の変位を吸収できる。このような構成の冷媒管を、螺旋部と鉛直部との間において冷媒管を機械室に固定したことで、圧縮機等の変位を基本的に螺旋部で吸収できるため、鉛直部にかかるストレスが低減される。
【0010】
また、上記構成の冷却貯蔵庫において、前記冷媒管は、前記鉛直部の少なくとも一部を構成する第1配管部材と、前記螺旋部を含み前記第1配管部材に接続された第2配管部材と、を含み、前記機械室固定部は、前記第2配管部材に設けられていてもよい。
【0011】
上記構成によれば、圧縮機等を引き出しても、配管部材同士の接続部にストレスが加わり難くなり、配管部材の脱着等の発生が抑制される。
【0012】
また、上記構成の冷却貯蔵庫において、前記第1配管部材は、直管状の直管状下端部を含み、前記第2配管部材は、直管状の直管状上端部をさらに含み、前記第1配管部材と前記第2配管部材は、前記直管状下端部と前記直管状上端部が鉛直方向に一直線上に延出するように接続され、前記鉛直部は、前記直管状下端部と前記直管状上端部を含んでいてもよい。
【0013】
上記構成によれば、配管部材同士がまっすぐに接続されるため、接続・組付作業を容易に行うことができる。また、配管部材同士の接続部にストレスがかかり難くなり、脱着等の発生が一層抑制される。
【0014】
また、上記構成の冷却貯蔵庫において、前記圧縮機及び前記凝縮器は、前記機械室内に前記引出方向に摺動可動に設置された架台上に載置されていてもよい。
【0015】
上記構成によれば、メンテナンス作業が容易となる。また、架台の摺動範囲を予め適当な範囲に設定しておけば、圧縮機等が過度に引き出されることによって冷媒管が弾性的に対応可能な範囲を超えてしまう事態を回避できる。
【0016】
また、上記構成の冷却貯蔵庫において、前記冷媒管は、前記圧縮機もしくは前記凝縮器との接続箇所よりも前記機械室固定部寄りに位置する架台固定部において、前記架台に固定されていてもよい。
【0017】
上記構成によれば、架台固定部よりも機械室側ユニット側の冷媒管は、架台とともに圧縮機や凝縮器に合わせて変位することとなるため、圧縮機や凝縮器との接続箇所にかかるストレスを低減できる。
【発明の効果】
【0018】
本明細書によって開示される技術によれば、冷媒管の変形等による不具合の発生が抑制された冷却貯蔵庫を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】一実施形態に係る冷却貯蔵庫の斜視図(扉を閉めた状態)
【
図3】冷却貯蔵庫の縦断面図(扉を閉めた状態の、
図2のA-A断面に相当する図)
【
図4】機械室内部の状態を示す平面図(
図3のB-B断面図)
【
図5】機械室内部を背面上方側から視た一部分解斜視図
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、一実施形態に係る冷却貯蔵庫10について、
図1から
図6に基づいて説明する。なお、各図面の一部には、X軸、Y軸、及びZ軸を示しており、各軸方向が各図において同一方向となるように描かれている。以下の説明では、
図1における紙面手前右側を前(正面)、紙面奥右側を右、上側を上とする。また、以下では、複数の同一部材に関し、一の部材に符号を付し、他の部材については符号を省略することがある。
【0021】
図1に示すように、本実施形態の冷却貯蔵庫10は、複数のキャスタ(車輪の一例)11を有する台車部12と、台車部12上に立設する縦長の貯蔵庫本体13と、を備え、容易に移動させることが可能なものとなっている。なお、停止時の安全性を高めるため、複数のキャスタ11の一部もしくは全部を、ストッパ付きのものとしてもよい。本実施形態では、台車部12の長方形状をなす底面の4隅部に各1つ、計4つのキャスタが取り付けられているが、このうち前側の2つのキャスタ11にストッパが取り付けられている。
図2等に示すように、貯蔵庫本体13は、貯蔵室15と、貯蔵室15の下方に設けられた機械室16と、を有する。
【0022】
図2等に示すように、貯蔵室15は、左側壁15A、右側壁15B、天井壁15C、背面壁15D、底壁15Eによって画成され、前方に開口している。
図1及び
図2に示すように、貯蔵室15の前面には、扉14がヒンジ14Aを介して取り付けられており、使用者は、扉14の左側に設けられたハンドル17を操作して扉14を回動させることにより、貯蔵室15前面の開口を開閉可能とされている。貯蔵室15を画成する各壁15A,15B,15C,15D,15Eと、扉14の内部には、断熱材が充填されており、扉14が閉止されることにより、貯蔵室15の内部は断熱状態に維持されるようになっている。なお、
図3等の各断面図では、図の見易さを優先し、断熱材の図示を省略している。また、
図2及び
図3に示すように、貯蔵室15は、例えばその内部に棚板を設け、棚板の上に貯蔵物を載置して収容するように構成してもよい。
【0023】
図3等に示すように、機械室16は、底壁15Eの下面と、台車部12の上面12Aとの間が包囲されることによって形成されている。
図4等に示すように、機械室16の左右側面は、貯蔵室15から台車部12上面の側縁まで延設された左右側壁15A,15Bによって規定される。そして、左右側壁15A,15Bの前面における扉14の取り付け位置の下方にフロントパネル16Aが、左右側壁15A,15Bの後面における背面壁15Dの下方にリアパネル16Bが、それぞれ脱着可能に取り付けられることにより、機械室16が画成される。なお、フロントパネル16A及びリアパネル16Bと、台車部12(機械室16の底面を画成する)には、気体の流通が可能な換気口Hが設けられており、放熱や換気が行われるようになっている。
【0024】
冷却貯蔵庫10は、貯蔵室15の内部を冷却するための冷却装置30を備えている。
図3に示すように、冷却装置30は、圧縮機33、凝縮器31、冷却器35が、冷媒管34によって循環接続された周知の冷凍サイクルを含む。同図に表されているように、本実施形態に係る冷却貯蔵庫10では、冷却装置30を構成する各機器が、貯蔵室15下方の機械室16内と、貯蔵室15内の上部と、に分かれた状態で配される。なお、移動時の安定性等については、貯蔵室の側方に機械室を設けて横型とした冷却貯蔵庫の方が、縦型の冷却貯蔵庫よりも有利とも思われるが、移動式でも縦型の冷却貯蔵庫の方が好ましい場合がある。例えば、ホテル等において、厨房で調理した料理を冷却貯蔵庫の貯蔵室に収容し、異なる階の宴会場等に移動して冷たい状態で提供しようとする場合、エレベータを利用するには、冷却貯蔵庫の底面積は一定範囲に制約されてしまうため、貯蔵室に十分な容量を確保するには縦型に構成する方が望ましいといえる。
【0025】
貯蔵室15下方の機械室16内に配された構成について説明する。
図3及び
図4に示すように、機械室16には、冷却装置30を構成する機器のうち、重量の大きな圧縮機33及び凝縮器31と、凝縮器31の背面に付設される凝縮器ファン32と、が配される。以下、冷却装置30を構成する機器のうち、機械室16側に設けられている機器を、機械室側ユニット30Aと称することがある。
図4に示すように、機械室側ユニット30Aは、機械室16の右側に、前方から凝縮器31、凝縮器ファン32、圧縮機33の順に設置されている。機械室16内の右側前方における台車部12の上面(機械室16の底面)12Aには、機械室16の前方に引き出される方向に摺動可能なスライダ(架台の一例)36が設置されており、凝縮器31、凝縮器ファン32、圧縮機33は、このスライダ36上に載置されている。なお、スライダ36の摺動範囲は、後述する冷媒管34の螺旋部34Rの伸縮範囲に応じた一定範囲となるように設定されている。機械室側ユニット30Aからは、概ね後方に向けて冷媒管34が延出されており、この冷媒管34によって、圧縮機33及び凝縮器31と、後述する冷却器(蒸発器)35が循環接続されている。冷媒管34内には冷媒が封入されており、圧縮機33によって圧縮され、凝縮器31によって液化された冷媒が、冷却器35に供給される。このように、冷媒の状態を変えながら冷凍サイクル内を循環させて熱交換を行うことで、後述するように貯蔵室15内が冷却される。なお、冷媒管34は、圧縮機33から吐出された冷媒を、凝縮器31を通過させた後に冷却器35に向かって送り出す吐出側冷媒管34Aと、冷却器35側から還流された冷媒を、再び圧縮機33に吸入させる吸入側冷媒管34Bと、に区別できる。吐出側冷媒管34Aは、圧縮されて高温となった冷媒を放熱するために剥き出しで配される一方、吸入側冷媒管34Bは、比較的温度の低い状態で圧縮機33に還流される冷媒によって結露等が生じるのを避けるため、発泡体等からなる断熱材が巻かれた状態で配管される。以下、これらを区別して示す場合は、吐出側冷媒管34A、吸入側冷媒管34Bと記載し、これらを区別しない場合は、冷媒管34と記載する。
【0026】
図4に示すように、機械室16の左側には、機械室側ユニット30Aの左方でフロントパネル16Aのすぐ後方に、本冷却貯蔵庫10が備える各機器類の動作を制御するための電装箱40が設けられている。電装箱40の後方には、概して直方体形状の空間を区画するための区画部材41が設置されており、この区画部材41によって区画された空間に、本冷却貯蔵庫10の庫内排水を溜めるドレンタンク42が設けられている。なお、リアパネル16Bは、区画部材41の後方において開口しており、冷却貯蔵庫10の後面側からドレンタンク42を容易に取り外せるようになっている。
【0027】
次に、貯蔵室15内の上部に配された構成について説明する。
図3に示すように、貯蔵室15内の上部後寄りの位置には、冷却装置30を構成する機器のうち、冷却器35が配される。冷却器35は、貯蔵室15の天井面、すなわち天井壁15Cの内側面(下面)に固定されている。冷却器35の後端には、既述した冷媒管34が接続され、圧縮機33及び凝縮器31と循環接続される。冷媒管34の配設態様については、後述する。
【0028】
図3に示すように、冷却器35の下方、貯蔵室15内の上部後寄りの位置には、ハウジング部材51が固定されることにより、ハウジング部材51と天井壁15Cとの間に冷却器室52が形成されている。ハウジング部材51は、天井壁15Cに取り付けられた金属製のスペーサ51Aと、スペーサ51Aの下側に取り付けられた樹脂製のエアダクト51Bとからなる。エアダクト51Bは、冷却器35の前方に張り出すように取り付けられており、エアダクトの前寄りの位置には、庫内ファン53が装着されている。また、ハウジング部材51の後端と、貯蔵室15の背面壁15Dの内側面(前面)との間には、隙間54が形成されている。
【0029】
ハウジング部材51は、冷却器35からの除霜水を受容するドレンパンとしても機能する。
図3に示すように、ハウジング部材51は、底面が後方に向かうにつれて下降傾斜する形状とされ、冷却器35からハウジング部材51に滴下した水は、後方に向かって流れるようになっている。ハウジング部材51の後端において最も低くなる位置には、ドレンホース60が接続されている。
図3に示すように、ドレンホース60は、背面壁15Dの内部を通って機械室16にまで延出されている。ドレンホース60の下端は、既述したドレンタンク42の上方に開口しており、冷却器室52において生じた除霜水は、ドレンタンク42に流下して溜まるようになっている。なお、本実施形態では、冷却運転によって冷却器35に生じた着霜は、適宜冷却運転を止めることによって融解させる構成としている。除霜の方法は、このようなオフサイクルデフロストに限定されるものではなく、冷却器35に除霜ヒータを付設し、これに通電して融解させる構成としてもよい。また、電源コードを抜き電力供給を停止した状態で冷却貯蔵庫10を移動させる際にも、冷却運転が止まることによって着霜が融解し、除霜水が生じる場合がある。
【0030】
冷却装置30による貯蔵室15内の冷却について説明する。
冷却運転は、庫内ファン53、圧縮機33、凝縮器ファン32を駆動することによって行われる。庫内ファン53が駆動されると、
図3に矢印で示すように、貯蔵室15内の空気が冷却器室52内に吸引される。吸引された庫内空気は、冷却器35を通過する間に熱交換され、生成された冷気が、ハウジング部材51後方の隙間54から、下方の貯蔵室15内に吹き出される。以上のように、冷却器室52から貯蔵室15内に冷気が供給されることにより、貯蔵室15内が冷却される。例えば、図示しない庫内サーミスタによって貯蔵室15内の温度を検知して、この検知温度が設定温度よりも低くなると圧縮機33及び庫内ファン53を停止し、検知温度が設定温度よりも高くなると圧縮機33及び庫内ファン53を再駆動するといった制御を繰り返すことにより、貯蔵室15内を概ね設定温度に維持できる。
【0031】
続いて、冷媒管34の配設態様について、説明する。
図3等に示すように、冷媒管34は、大まかには、機械室16内において、既述した機械室側ユニット30Aから概ね後方に向けて延出された後に、
図3及び
図4等に示すように、機械室16の右奥角部において屈曲され上方に向かって鉛直方向に延出されている。
図3等に示すように、鉛直方向に延出された冷媒管34は、底壁15Eを貫通して貯蔵室15内に入り込み、背面壁15Dの内側面に沿って冷却器室52まで延設されて、冷却器35に接続されている。冷媒管34は、貯蔵室15内では、
図2及び
図3に示すように、背面壁15D内側面の右側縁部に取り付けられた冷媒管カバー50によって覆われている。なお、据置式の冷却貯蔵庫では、冷媒管を貯蔵庫本体の外側面に沿わせて配することも考えられるが、本実施形態に係る冷却貯蔵庫10のような移動式の冷却貯蔵庫では、冷媒管を貯蔵庫本体の外側に配すると、背面側からの見映えが悪くなるだけでなく、移動時にぶつける等して冷媒管を損傷する可能性があるため、冷媒管は貯蔵室の内側に配することが好ましい。
【0032】
機械室16内における冷媒管34の配設態様について、さらに詳しく説明する。
図4に示すように、圧縮機33の右前側(
図4における右下側)に接続された吐出側冷媒管34Aは、凝縮器31内を蛇行するように配管された後、圧縮機33の右方を通過して、スライダ36の右奥角部に至る。他方、吸入側冷媒管34Bは、スライダ36の右奥角部から、圧縮機33の上方を通過して、圧縮機33の左前側(
図4における左下側)に接続される。吐出側冷媒管34Aと吸入側冷媒管34Bは、スライダ36の右奥角部において第1固定部材71によって束ねた状態で把持され、スライダ36の上面である載置面36AにネジN等によって固定されている。本実施形態に係る第1固定部材71は、環状に形成された結束部と、結束部の一部から延出するように設けられたタブ部と、を有し、結束部の内方に冷媒管34を挿通させ、タブ部を被固定物に止め付けることによって、冷媒管34の固定を行えるものとなっている。なお、剥き出しで配管されている吐出側冷媒管34Aは、配管を傷めないように、第1固定部材71による把持箇所に保護部材Pが巻かれている。以下、冷媒管34において第1固定部材71によりスライダ36に固定された部分を、架台固定部34F1とする。
図3から
図5に示すように、架台固定部34F1から冷却器35との接続箇所に至る区間では、吐出側冷媒管34Aと吸入側冷媒管34Bは互いに並行するように配されており、断熱材の有無を除いて配設態様は共通であるため、以下では、対象を冷媒管34として説明を行う。
【0033】
図3から
図5に示すように、冷媒管34は、架台固定部34F1よりも後方において、前後方向(水平方向)を巻回軸とする螺旋状をなすように形成された螺旋部34Rを有する。そして、
図3等に示すように、螺旋部34Rの後端部が機械室16の右奥角部において屈曲され上方に向けて立ち上げられ、上下方向(鉛直方向)に延在する直管状の鉛直部34Vが形成されている。
図5等に示すように、冷媒管34は、架台固定部34F1から貯蔵室15内に入り込むまでの区間において、第1配管部材34-1及び第2配管部材34-2の少なくとも2つの配管部材が接続されて構成されている。第1配管部材34-1と第2配管部材34-2は、
図6等に示すように、鉛直部34Vの中間に位置する接続部34Jで接続されている。なお、吐出側冷媒管34A、吸入側冷媒管34Bの2種類の冷媒管34のそれぞれが、第1配管部材34-1と第2配管部材34-2が接続された構成とされているが、吸入側冷媒管34Bの周囲には断熱材が巻かれており接続部34Jが外部から確認できないため、
図5及び
図6では吐出側冷媒管34Aにおける接続構成を例示的に示している。
【0034】
図5及び
図6に示す第1配管部材34-1は、接続部34Jよりも上側(冷却器35側)の冷媒管34を構成する部材であり、少なくともその下端部が直管状に形成されている。第1配管部材34-1下端の直管状の端部を、直管状下端部34-1Sとする。また、第2配管部材34-2は、接続部34Jよりも下側(機械室側ユニット30A側)、少なくとも螺旋部34Rを含む区間の冷媒管34を構成する部材であり、螺旋部34Rを有し、螺旋部34Rの後側から上端に至る部分が直管状に形成されている(
図5参照)。第2配管部材34-2上端の直管状の端部を、直管状上端部34-2Sとする。
図6に示すように、第1配管部材34-1と第2配管部材34-2は、直管状下端部34-1Sと直管状上端部34-2Sとが鉛直方向にまっすぐ延びるように接続される。配管を行う際には、例えば、第1配管部材34-1を、貯蔵室15から底壁15Eを貫通させ、直管状下端部34-1Sを機械室16内に突出させる。そして、機械室16内において、直管状下端部34-1Sの下方から、第2配管部材34-2の直管状上端部34-2Sをまっすぐに接続するとよい。このように第1配管部材34-1と第2配管部材34-2が接続されることにより、
図6に示すように、直管状下端部34-1S、接続部34J、直管状上端部34-2Sを含み、鉛直方向に延出する鉛直部34Vが形成される。
【0035】
図3及び
図5等に示すように、冷媒管34は、鉛直部34Vよりも機械室側ユニット30A寄りに位置する機械室固定部34F2において、機械室16に固定される。
図4及び
図6等に示すように、機械室固定部34F2において、冷媒管34は、第2固定部材72及び第3固定部材73によって、機械室16の底面を構成する台車部12の上面12Aに固定されている。第2固定部材72は、第1固定部材71と概ね同様の形状を有するものであって、保護部材Pが巻かれた吐出側冷媒管34Aと、吸入側冷媒管34Bとを束ねた状態で把持し、第3固定部材73にネジNによって止め付けられる。第3固定部材73は、断面が概ねL字型をなすように下縁部が屈曲された板材からなり、下縁部が上面12A(機械室16の底面)にネジNで固定されることで立設された主面に、第2固定部材72がネジNで止め付けられる。これにより、冷媒管34は、第3固定部材73を介して上面12Aに固定される。
【0036】
圧縮機33もしくは凝縮器31のメンテナンス作業について、説明する。
メンテナンスを行う際には、脱着可能に取り付けられたフロントパネル16Aを取り外し、機械室16の前面を開口させる。そして、スライダ36を引出方向Dに沿って前方に移動させることで、スライダ36上面に載置された機械室側ユニット30Aを機械室16の外まで引き出して、圧縮機33や凝縮器31のメンテナンスを行うことができる。この際、スライダ36が引き出されるのに伴い、冷媒管34の螺旋部34Rは、巻回軸に沿って縮径しながらスライダ36の引出方向Dに沿って伸長する。なお、この際、冷媒管34は、架台固定部34F1においてスライダ36の上面12Aに固定されているため、圧縮機33や凝縮器31との接続箇所に過度なストレスがかかることはない。また、冷媒管34は、機械室固定部34F2において上面12A(機械室16の底面)に固定されているため、これより後方の鉛直部34Vにかかるストレスも低減される。すなわち、機械室側ユニット30Aの変位は、架台固定部34F1と機械室固定部34F2との間に形成された螺旋部34Rが巻回軸に沿って伸長することによって、概ね吸収されることとなる。そして、メンテナンス作業が終了してスライダ36を押し込むと、螺旋部34Rが拡径しながら巻回軸方向に収縮して初期状態に戻ることにより、冷媒管34及び機械室側ユニット30Aが所定の位置に納まるようになっている。なお、この際も、両固定部34F1,34F2により、架台固定部34F1よりも機械室側ユニット30A側、並びに、機械室固定部34F2よりも冷却器35側において冷媒管34にかかるストレスは低減される。
【0037】
以上記載したように、本実施形態に係る冷却貯蔵庫10は以下のような構成を有しており、次のような作用効果を得ることができる。
冷却貯蔵庫10は、貯蔵庫本体13と、貯蔵庫本体13の内部に設けられた冷却装置30と、貯蔵庫本体13の下側に配された複数のキャスタ(車輪)11と、を備えて移動可能とされた冷却貯蔵庫10であって、貯蔵庫本体13は、冷却装置30によって冷却される貯蔵室15と、貯蔵室15の下方に設けられた機械室16と、を有し、冷却装置30は、貯蔵室15内の上部に配された冷却器35と、機械室16内に配されて少なくとも圧縮機33及び凝縮器31を含む機械室側ユニット30Aと、機械室16から貯蔵室15内に入り込んで冷却器35、圧縮機33、凝縮器31を循環接続する冷媒管34と、を有し、圧縮機33及び凝縮器31の少なくとも一方は、冷媒管34に接続された状態で、水平な引出方向Dに沿って機械室16から引き出し可能とされており、冷媒管34は、機械室16内から貯蔵室15内に至るように鉛直方向に延在する鉛直部34Vを有し、鉛直部34Vよりも機械室側ユニット30A寄りに位置する機械室固定部34F2において機械室16に固定されている。
【0038】
圧縮機33や凝縮器31が引き出された際の変位によるストレスは、冷媒管34が屈曲され延出方向が転換されている部分に集中し易い。本実施形態のように、冷媒管34の一部が鉛直方向に延在している場合には、水平な引出方向Dから鉛直方向に冷媒管34の延出方向が方向転換している部分、すなわち、鉛直部34Vの下側(機械室側ユニット30A側)近傍にストレスがかかり易いといえる。また、移動する際の振動や衝撃も、鉛直部34Vの下側に伝わり易く、この点からも、鉛直部34Vの下側付近において変形等が生じ易いといえる。上記構成によれば、鉛直部34Vよりも機械室側ユニット30A寄りに位置する機械室固定部34F2において、冷媒管34が機械室16に固定されるため、圧縮機33や凝縮器31を引き出した際の変位が鉛直部34Vまで伝わり難くなり、応力集中が抑制される。また、機械室固定部34F2で冷媒管34が支持されるために、冷却貯蔵庫10を移動する際の振動等による冷媒管34のガタつきが軽減され、移動時に冷媒管34にかかるストレスが低減される。以上の結果、冷媒管34の変形等が生じ難くなって、これに起因する不具合の発生が抑制される。
【0039】
本実施形態に係る冷却貯蔵庫10において、冷媒管34は、鉛直部34Vから圧縮機33もしくは凝縮器31までの間に、前記引出方向Dを巻回軸とする螺旋状をなすように形成された螺旋部34Rを有し、機械室固定部34F2は、前記鉛直部と前記螺旋部との間に設けられている。
【0040】
上記構成によれば、機械室16内に圧縮機33や凝縮器31が収容された状態では、冷媒管34が機械室16内に螺旋状にコンパクトに収容され、絡まったり引っ掛かったりして局所的に変形等する危険性を減らすことができる。また、メンテナンスのために圧縮機33等が出し入れされる際には、螺旋部34Rが巻回軸に沿って伸縮することで、ストレスの集中を抑制しながら螺旋部34R全体で変位を吸収できる。このような構成の冷媒管34を、螺旋部34Rと鉛直部34Vとの間において機械室16に固定したことにより、圧縮機33等の変位が基本的に螺旋部34Rで吸収され、鉛直部34Vにかかるストレスが一層低減される。
【0041】
本実施形態に係る冷却貯蔵庫10において、冷媒管34は、鉛直部34Vの少なくとも一部を構成する第1配管部材34-1と、螺旋部34Rを含み第1配管部材34-1に接続された第2配管部材34-2と、を含み、機械室固定部34F2は、第2配管部材34-2に設けられている。
【0042】
上記構成によれば、両配管部材34-1,34-2の接続部34Jよりも圧縮機33等寄りの位置に機械室固定部34F2が設けられることとなるため、機械室側ユニット30Aを引き出しても接続部34Jにストレスがかかり難く、配管部材34-1,34-2が外れ難くなる。
【0043】
本実施形態に係る冷却貯蔵庫10において、第1配管部材34-1は、直管状の直管状下端部34-1Sを含み、第2配管部材34-2は、直管状の直管状上端部34-2Sをさらに含み、第1配管部材34-1と第2配管部材34-2は、直管状下端部34-1Sと直管状上端部34-2Sが鉛直方向に一直線上に延出するように接続され、鉛直部34Vは、直管状下端部34-1Sと直管状上端部34-2Sを含む。
【0044】
上記構成によれば、第1配管部材34-1と第2配管部材34-2とが接続部34Jにおいてまっすぐに接続されるため、接続・組付作業を容易に行うことができる。また、接続部34Jにストレスがかかり難くなり、配管部材34-1,34-2が一層外れにくくなる。
【0045】
本実施形態に係る冷却貯蔵庫10において、
圧縮機33及び凝縮器31は、機械室16内に引出方向Dに摺動可動に設置されたスライダ(架台)36上に載置されている。
【0046】
上記構成によれば、スライダ36を摺動させるだけで、圧縮機33や凝縮器31を引き出せるため、メンテナンス作業を楽に行うことができる。また、スライダ36の摺動範囲を予め適当な範囲に設定しておけば、圧縮機33等が過度に引き出されることによって冷媒管34が対応可能な範囲を超えてしまう事態を回避できる。
【0047】
本実施形態に係る冷却貯蔵庫10において、冷媒管34は、圧縮機33もしくは凝縮器31との接続箇所よりも機械室固定部34F2寄りに位置する架台固定部34F1において、スライダ36に固定されている。
【0048】
上記構成によれば、スライダ36を摺動させて圧縮機33や凝縮器31を出し入れする際、架台固定部34F1よりも機械室側ユニット30A側の冷媒管34は、スライダ36とともに圧縮機や凝縮器に合わせて変位することとなる。よって、圧縮機33もしくは凝縮器31と冷媒管34との接続箇所にかかるストレスを低減できる。
【0049】
<その他の実施形態>
本明細書によって開示される技術は、上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も技術的範囲に含まれる。
【0050】
(1)機械室固定部や架台固定部における冷媒管の固定態様は、特に限定されるものではなく、様々な方法で固定を行うことができる。周知の結束バンドのようなものを機械室や架台に設けた孔等に挿通させ、冷媒管とともに結束固定したり、一部が切欠かれた環構造を有し拡径するように弾性変形可能な固定具を機械室や架台に付設し、この環内部に冷媒管を圧入したりすることによって、冷媒管を固定してもよい。
【0051】
(2)上記実施形態では、機械室固定部において、冷媒管を機械室の底面に固定したが、これに限定されない。冷媒管は、機械室の何れに固定してもよいが、圧縮機等の引出方向とは反対寄りの位置に固定することが好ましい。例えば、上記実施形態のように機械室の前方に圧縮機等が引き出される場合、機械室の底面のほか、背面、もしくは側面の後寄りの位置に固定することが好ましい。また、冷媒管を、機械室の筐体に固定された他の部材に固定することで、間接的に機械室に固定してもよい。
【0052】
(3)上記実施形態では、冷媒管を、貯蔵室及び機械室の背面壁の内側面に沿うように延設したが、これに限定されない。例えば、側面壁の内側面に沿って延びるように冷媒管を配設してもよい。冷媒管は、冷却貯蔵庫において、圧縮機や凝縮器が引き出される方向とは反対側に鉛直部を有するように配設することが好ましい。
【0053】
(4)上記実施形態では、縦型の1ドア冷却貯蔵庫について例示したが、これに限定されない。例えば、開口に仕切枠が設けられて複数の扉が取り付けられているものや、仕切壁によって左右もしくは上下に貯蔵室が仕切られた構造のものでも、冷却装置が貯蔵室の上下に分かれて配され、冷媒管が鉛直部を有するように配設される冷却貯蔵庫であれば、本明細書が開示する技術を適用可能である。
【符号の説明】
【0054】
10…冷却貯蔵庫、11…キャスタ(車輪の一例)、12…台車部、13…貯蔵庫本体、14…扉、15…貯蔵室、16…機械室、30…冷却装置、30A…機械室側ユニット、31…凝縮器、32…凝縮器ファン、33…圧縮機、34-1…第1配管部材、34-1S…直管状下端部、34-2…第2配管部材、34-2S…直管状上端部、34…冷媒管、34A…吐出側冷媒管、34B…吸入側冷媒管、34F1…架台固定部、34F2…機械室固定部、34J…接続部、34R…螺旋部、34V…鉛直部、35…冷却器(蒸発器)、36…スライダ(架台の一例)、36A…載置面、40…電装箱、41…区画部材、42…ドレンタンク、50…冷媒管カバー、71…第1固定部材、72…第2固定部材、73…第3固定部材、D…引出方向、H…換気口、N…ネジ、P…保護部材