(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-25
(45)【発行日】2024-02-02
(54)【発明の名称】所見の兆候を探る画像スライスのコンピュータ支援検索のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
G06T 7/00 20170101AFI20240126BHJP
A61B 6/46 20240101ALI20240126BHJP
A61B 6/00 20240101ALI20240126BHJP
A61B 5/055 20060101ALI20240126BHJP
G06T 1/00 20060101ALI20240126BHJP
G06F 16/58 20190101ALI20240126BHJP
【FI】
G06T7/00 612
A61B6/03 360Z
A61B6/00 350Z
A61B5/055 380
G06T1/00 200B
G06F16/58
(21)【出願番号】P 2019556708
(86)(22)【出願日】2018-04-20
(86)【国際出願番号】 EP2018060183
(87)【国際公開番号】W WO2018193089
(87)【国際公開日】2018-10-25
【審査請求日】2021-04-15
(32)【優先日】2017-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(73)【特許権者】
【識別番号】311005921
【氏名又は名称】ザ ユニヴァーシティー オブ シカゴ
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】弁理士法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】トリリスキー イゴル
(72)【発明者】
【氏名】セブンスター メルライン
(72)【発明者】
【氏名】ターマセービ マラゴーシュ アミール モハマド
(72)【発明者】
【氏名】チャン パウル ヨセフ
【審査官】山田 辰美
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2003/0013951(US,A1)
【文献】特開2011-036684(JP,A)
【文献】特開2009-082464(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 7/00
A61B 6/03
A61B 6/00
A61B 5/055
G06T 1/00
G06F 16/58
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所見の兆候を探るための画像スライスのコンピュータ支援検索を容易にするシステムであって、1以上のハードウェアプロセッサを有し、該1以上のハードウェアプロセッサがマシン読取可能な命令により、
個人に関して検出された所見を有し且つ前記個人の検査の間における該個人の少なくとも一部の断面を表す画像スライスを決定し;
検索空間を、前記決定された画像スライスにより表される断面に対応する断面を各々表す画像スライスを有する画像スライスの部分集合に削減し、その場合において、前記検索空間の該削減は、前記個人の1以上の他の検査の間における該個人の少なくとも一部の断面を各々表した画像スライスを有する画像スライスの集合の、前記決定された画像スライスにより表される断面に基づくフィルタ処理を有し
、前記個人の前記1以上の他の検査が、前記個人の検査よりも少なくとも予め決められた閾時間量前に行われた前記個人の1以上の以前の検査を有し;
前記決定された画像スライスに関する第1画像スライス情報を取得し;
前記検索空間の削減に基づいて、前記画像スライスの部分集合の1以上の画像スライスに関する第2画像スライス情報を取得し;及び
前記第1画像スライス情報及び前記第2画像スライス情報に基づいて、前記検出された所見の1以上の兆候が前記画像スライスの部分集合の1以上の画像スライスに存在するかを判定する、
システム。
【請求項2】
前記1以上のハードウェアプロセッサが、前記検出された所見の1以上の兆候が前記画像スライスの部分集合の1以上の画像スライスに存在するとの判定に応答して前記検出された所見の兆候の表示を、ユーザインターフェースを介して供給する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1画像スライス情報は、前記決定された画像スライスに関する特徴を識別する情報を有し、前記決定された画像スライスに関する該特徴を識別する情報は、前記決定された画像スライスに関連付けられた注釈又は前記決定された画像スライスに示される物体の特性ベクトルを有し、前記第2画像スライス情報は、前記画像スライスの部分集合の前記1以上の画像スライスに関する特徴を識別する情報を有し、該1以上の画像スライスに関する特徴を識別する情報が、該1以上の画像スライスに関連付けられた注釈又は該1以上の画像スライスに示される物体の特性ベクトルを有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記1以上のハードウェアプロセッサが、
前記画像スライスの集合を、該画像スライスの集合の画像スライスが前記選択された1以上の他の検査に関連することに基づいて選択し;及び
前記選択された画像スライスの集合を前記決定された画像スライスにより表される断面に基づいて、前記画像スライスの部分集合の少なくとも1つの画像スライスを該少なくとも1つの画像スライスが前記決定された画像スライスにより表される断面に対応する断面を表すことに基づいて選択することにより、前記削減された検索空間が前記少なくとも1つの画像スライスを有するようにフィルタ処理する;
ことにより前記検索空間を前記画像スライスの部分集合に削減する、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記検索空間の前記画像スライスの部分集合への削減が、該画像スライスの部分集合を、(i)前記画像スライスの部分集合の第1画像スライスを該第1画像スライスが前記決定された画像スライスにより表される断面に対応する断面を表すことに基づいて選択すると共に、(ii)前記画像スライスの部分集合の第2画像スライスを該第2画像スライスが前記第1画像スライスの閾近傍内にあることに基づいて選択することによりフィルタ処理することを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記1以上のハードウェアプロセッサが、
前記決定された画像スライスにおいて、前記検出された所見を有し且つ前記決定された画像スライスの一部である領域を決定し、
前記決定された画像スライスの前記領域に関連するサイズ情報であって、前記決定された画像スライスの前記領域の第1次元に関するサイズを識別する情報又は前記決定された画像スライスの前記領域の前記第1次元とは異なる第2次元に関するサイズを識別する情報を有するサイズ情報を決定し、及び
前記閾近傍を前記サイズ情報に基づいて決定する、
請求項
5に記載のシステム。
【請求項7】
前記1以上のハードウェアプロセッサが、
前記決定された画像スライスにおいて、前記検出された所見を有し且つ前記決定された画像スライスの一部である領域を決定し、及び
前記検索空間を、該検索空間を前記画像スライスの部分集合の前記1以上の画像スライスにおける1以上の領域に該1以上の領域が前記決定された画像スライスの領域に対応することに基づいて削減することにより更に削減し、
前記第1画像スライス情報及び前記第2画像スライス情報の取得が、前記検索空間の該更なる削減に基づくものである、
請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
所見の兆候を探るための画像スライスのコンピュータ支援検索を容易にする方法であって、
個人に関して検出された所見を有し且つ前記個人の検査の間における該個人の少なくとも一部の断面を表す画像スライスを決定するステップ;
検索空間を、前記決定された画像スライスにより表される断面に対応する断面を各々表す画像スライスを有する画像スライスの部分集合に削減するステップであって、該検索空間を削減するステップが、前記個人の1以上の他の検査の間における該個人の少なくとも一部の断面を各々表した画像スライスを有する画像スライスの集合を、前記決定された画像スライスにより表される断面に基づいてフィルタ処理するステップを有
し、前記個人の前記1以上の他の検査が、前記個人の検査よりも少なくとも予め決められた閾時間量前に行われた前記個人の1以上の以前の検査を有する、削減するステップ;
前記決定された画像スライスに関する第1画像スライス情報を取得するステップ;
前記検索空間の削減に基づいて、前記画像スライスの部分集合の1以上の画像スライスに関する第2画像スライス情報を取得するステップ;及び
前記第1画像スライス情報及び前記第2画像スライス情報に基づいて、前記検出された所見の1以上の兆候が前記画像スライスの部分集合の1以上の画像スライスに存在するかを判定するステップ、
を有する、方法。
【請求項9】
当該方法が、更に、ユーザインターフェースを介して、前記検出された所見の兆候の表示を前記検出された所見の1以上の兆候が前記画像スライスの部分集合の1以上の画像スライスに存在するとの判定に応答して供給するステップを有する、
請求項
8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1画像スライス情報は、前記決定された画像スライスに関する特徴を識別する情報を有し、前記決定された画像スライスに関する該特徴を識別する情報は、前記決定された画像スライスに関連付けられた注釈又は前記決定された画像スライスに示される物体の特性ベクトルを有し、前記第2画像スライス情報は、前記画像スライスの部分集合の前記1以上の画像スライスに関する特徴を識別する情報を有し、該1以上の画像スライスに関する特徴を識別する情報が、該1以上の画像スライスに関連付けられた注釈又は該1以上の画像スライスに示される物体の特性ベクトルを有する、請求項
8に記載の方法。
【請求項11】
前記検索空間を前記画像スライスの部分集合に削減するステップが、
前記画像スライスの集合を、該画像スライスの集合の画像スライスが前記選択された1以上の他の検査に関連することに基づいて選択するステップ;及び
前記選択された画像スライスの集合を前記決定された画像スライスにより表される断面に基づいて、前記画像スライスの部分集合の少なくとも1つの画像スライスを該少なくとも1つの画像スライスが前記決定された画像スライスにより表される断面に対応する断面を表すことに基づいて選択することにより、前記削減された検索空間が前記少なくとも1つの画像スライスを有するようにフィルタ処理するステップ;
を有する、請求項
8に記載の方法。
【請求項12】
前記検索空間を前記画像スライスの部分集合に削減するステップが、該画像スライスの部分集合を、(i)前記画像スライスの部分集合の第1画像スライスを該第1画像スライスが前記決定された画像スライスにより表される断面に対応する断面を表すことに基づいて選択すると共に、(ii)前記画像スライスの部分集合の第2画像スライスを該第2画像スライスが前記第1画像スライスの閾近傍内にあることに基づいて選択することによりフィルタ処理するステップを有する、請求項
8に記載の方法。
【請求項13】
前記決定された画像スライスにおいて、前記検出された所見を有し且つ前記決定された画像スライスの一部である領域を決定するステップ、
前記決定された画像スライスの前記領域に関連するサイズ情報を決定するステップであって、該サイズ情報が前記決定された画像スライスの前記領域の第1次元に関するサイズを識別する情報又は前記決定された画像スライスの前記領域の前記第1次元とは異なる第2次元に関するサイズを識別する情報を有するステップ、及び
前記閾近傍を前記サイズ情報に基づいて決定するステップ、
を更に有する、請求項
12に記載の方法。
【請求項14】
前記決定された画像スライスにおいて、前記検出された所見を有し且つ前記決定された画像スライスの一部である領域を決定するステップ、及び
前記検索空間を、該検索空間を前記画像スライスの部分集合の前記1以上の画像スライスにおける1以上の領域に該1以上の領域が前記決定された画像スライスの領域に対応することに基づいて削減することにより更に削減するステップ、
を更に有し、
前記第1画像スライス情報及び前記第2画像スライス情報を取得するステップが、前記検索空間の前記更なる削減に基づくものである、
請求項
8に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[01] 本開示は、所見の兆候を探るための画像スライスのコンピュータ支援検索を容易にするシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[02] コンピュータトモグラフィ(CT)、磁気共鳴撮像(MRI)、マンモグラフィ又は他の技術を含む医療撮像技術の進歩は、医師、臨床医又は他のサービス提供者が、患者の種々の症状(例えば、腫瘍又は他の腫瘤)を早期の段階で検出することを助けると共に、患者の身体内で進行する際の斯様な症状の密な監視を実行することを可能にする。更に、コンピュータシステムにおける処理能力、メモリ及び記憶容量又は他の資源の改善は、医師又は他のユーザが患者に関する医療画像(例えば、医療画像スライス又は他の画像)、ビデオ又は他の項目を一層容易にキャプチャ若しくは取得すると共に、斯様なユーザにとり関連のある画像、ビデオ又は他の項目を一層迅速に検索及び識別することを可能にしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
[03] 一例として、医師が患者の最近の検査の間にキャプチャされた1以上の画像スライスにおいて特定の所見(例えば、腫瘍又は他の腫瘤)を観察する場合、該医師は、該患者の以前の検査の画像スライスのデータベースと通信するコンピュータシステムを用いて、該特定の所見が新たな発生であるか又は該特定の所見は以前の検査の間に検出されなかっただけであるかを判定するために該特定の所見の1以上の兆候(示徴)を伴う画像スライスを求めて該データベースを検索することができる。しかしながら、典型的な医療撮像技術により発生される画像及び他の関連する項目の大きさ(例えば、このような撮像の高解像度による)並びに単一の患者に対して生成される多数の画像の場合、新たに発見された所見の証拠を示し得る患者の画像を自動的に識別するために該患者に関連する画像のデータベースを検索することは、極めて時間が掛かり且つ非効率的なものであり得る(例えば、特に複数の以前の検査の画像スライスを含む画像スライス集合に対して実行される場合)。これらの及び他の欠点が存在する。
【0004】
[04] 従って、本開示の一態様は、所見の兆候を探るための画像スライスのコンピュータ支援検索を容易化するためのシステムに関するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記システムは、1以上のプロセッサ及び/又は他の構成要素を含む。該1以上のプロセッサは、マシン読取可能な命令により:個人に関して検出された所見を有し且つ前記個人の検査の間における該個人の少なくとも一部の断面を表す画像スライスを決定し;検索空間を、前記決定された画像スライスにより表される断面に対応する断面を各々表す画像スライスを含む画像スライスの部分集合に削減し、その場合において、前記検索空間の該削減は、前記個人の1以上の他の検査の間における該個人の少なくとも一部の断面を各々表した画像スライスを含む画像スライスの集合の、前記決定された画像スライスにより表される断面に基づくフィルタ処理を含み;前記決定された画像スライスに関する第1画像スライス情報を取得し;前記検索空間の削減に基づいて、前記画像スライスの部分集合の1以上の画像スライスに関する第2画像スライス情報を取得し;及び前記第1画像スライス情報及び前記第2画像スライス情報に基づいて、前記検出された所見の1以上の兆候が前記画像スライスの部分集合の1以上の画像スライスに存在するかを判定するように構成される。
【0006】
[05] 本開示の他の態様は、所見の兆候を探るための画像スライスのコンピュータ支援検索を容易にする方法に関するものである。該方法は:個人に関して検出された所見を含み且つ前記個人の検査の間における該個人の少なくとも一部の断面を表す画像スライスを決定するステップ;検索空間を、前記決定された画像スライスにより表される断面に対応する断面を各々表す画像スライスを含む画像スライスの部分集合に削減するステップであって、該検索空間を削減するステップが、前記個人の1以上の他の検査の間における該個人の少なくとも一部の断面を各々表した画像スライスを含む画像スライスの集合を、前記決定された画像スライスにより表される断面に基づいてフィルタ処理するステップを含むステップ;前記決定された画像スライスに関する第1画像スライス情報を取得するステップ;前記検索空間の削減に基づいて、前記画像スライスの部分集合の1以上の画像スライスに関する第2画像スライス情報を取得するステップ;及び前記第1画像スライス情報及び前記第2画像スライス情報に基づいて、前記検出された所見の1以上の兆候が前記画像スライスの部分集合の1以上の画像スライスに存在するかを判定するステップ;を含む。
【0007】
[06] 本開示の他の態様は、所見の兆候を探るための画像スライスのコンピュータ支援検索を容易にするシステムに関するものである。該システムは:個人に関して検出された所見を有し且つ前記個人の検査の間における該個人の少なくとも一部の断面を表す画像スライスを決定する手段;検索空間を、前記決定された画像スライスにより表される断面に対応する断面を各々表す画像スライスを含む画像スライスの部分集合に削減する手段であって、該検索空間を削減する処理が、前記個人の1以上の他の検査の間における該個人の少なくとも一部の断面を各々表した画像スライスを含む画像スライスの集合を、前記決定された画像スライスにより表される断面に基づいてフィルタする処理を含む手段;前記決定された画像スライスに関する第1画像スライス情報を取得する手段;前記検索空間の削減に基づいて、前記画像スライスの部分集合の1以上の画像スライスに関する第2画像スライス情報を取得する手段;及び前記第1画像スライス情報及び前記第2画像スライス情報に基づいて、前記検出された所見の1以上の兆候が前記画像スライスの部分集合の1以上の画像スライスに存在するかを判定する手段;を含む。
【0008】
[07] 本発明の上記並びに他のフィーチャ及び特徴、並びに関連する構成の要素の動作の方法及び機能並びに部品の組み合わせ及び製造の経済性は、全てが本明細書の一部を形成する添付図面を参照した下記の記載及び添付請求項の考察から一層明らかとなるものであり、添付図面において同様の符号は種々の図において対応する部分を示している。しかしながら、図面は図示及び説明のみの目的のためのもので、本発明の範囲を定めることを意図するものではないと明確に理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】[08]
図1は、1以上の実施態様による、所見の兆候を見付けるためのコンピュータ支援検索を容易化するように構成されたシステムを示す。
【
図2a-2e】[09]
図2a-
図2eは、1以上の実施態様による一医療方式を介してキャプチャされた画像スライスを示す。
【
図3a-3e】[10]
図3a-
図3eは、1以上の実施態様による画像スライスの図式的解析を示す。
【
図4a-4b】[11]
図4a及び
図4bは、1以上の実施態様による画像スライスの自律的検索から導出された関連する画像スライスを提示するユーザインターフェースを示す。
【
図5】[12]
図5は、1以上の実施態様による、所見の兆候を見付けるための画像スライスのコンピュータ支援検出を容易化する方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[13] 本明細書で使用される場合、単数形は、前後関係が明らかにそうでないことを示さない限り、複数を含む。本明細書で使用される場合、“又は”なる用語は、前後関係が明らかにそうでないことを示さない限り、“及び/又は”を意味する。本明細書で使用される場合、2以上の部分又は構成要素が“結合される”なる記述は、これら部分が直接的又は間接的に(即ち、リンクが生じる限りにおいて、1以上の介在部分又は構成要素を介して)接合され又は一緒に動作することを意味する。本明細書で使用される場合、“直接結合される”とは、2つの要素が互いに直に接触することを意味する。本明細書で使用される場合、“固定的に結合され”又は“固定され”とは、2つの構成要素が互いに一定の向きを維持しながら1つとして運動するように結合されることを意味する。
【0011】
[14] 本明細書で使用される場合、“一体”なる文言は、或る要素が単一片又は単一ユニットとして形成されることを意味する。即ち、別個に形成され、1つのユニットとして一緒に結合された複数の部品を含む要素は、“一体の”要素又は物体ではない。本明細書で使用される場合、2以上の部分又は要素が互いに“係合する”との記述は、これら部分が互いに対して直接的に又は1以上の中間部分若しくは要素を介して力を及ぼすことを意味する。本明細書で使用される場合、“数”なる用語は、1又は1より大きな(即ち、複数の)整数を意味する。
【0012】
[15] 本明細書で使用される、例えば、限定するものではないが頂部、底部、左、右、上部、下部、前、後及びこれらの派生表現等の方向性語句は、図面に示される要素の向きに関するものであり、明示的に記載されない限り請求項を限定するものではない。
【0013】
[16]
図1は、所見の兆候(示徴)を見付けるための画像スライスのコンピュータ支援検索を容易化するように構成されたシステム100を示す。幾つかの実施態様において、システム100は1以上のサーバ102を含むことができる。サーバ(又は複数のサーバ)102は、クライアント/サーバアーキテクチャ、ピアツーピアアーキテクチャ及び/又は他のアーキテクチャに従って1以上の計算プラットフォーム104と通信するように構成することができる。ユーザはシステム100に計算プラットフォーム(又は複数のプラットフォーム)104を介してアクセスすることができる。サーバ(又は複数のサーバ)102は、マシン実行可能な命令を実行するように構成することができる。これらマシン実行可能な命令は、検出要素106、検索削減要素108、画像スライス要素110、注釈付け要素112、提示要素114又は他の要素を含むことができる。
【0014】
[17] 前述したように、コンピュータシステムにおける処理能力、メモリ及び記憶容量又は他の資源の改善は、医師、臨床医又は他のユーザが斯様なユーザに関連のある画像、ビデオ又は他の項目を一層迅速に検索及び識別することを可能にしたが、典型的なコンピュータシステムは、しばしば、斯かるシステムのユーザが特有の特徴(例えば、腫瘍/腫瘤又は他の所見の証拠)を有する患者の画像スライスを検索、取得及び識別することを可能にすることができない。1つの使用ケースにおいて、医師が、或る患者の最近の検査の間にキャプチャされた1以上の画像スライスにおいて特定の所見(例えば、腫瘍又は他の腫瘤)を観察する場合、該医師は、該患者の以前の検査の画像スライスのデータベースと通信するコンピュータシステムを用いて、該特定の所見が新たな発生であるか又は該特定の所見は以前の検査の間に検出されなかっただけであるかを判定するために該特定の所見の1以上の兆候(示徴)を伴う画像スライスを求めて該データベースを検索し得る。しかしながら、典型的な医療撮像技術により発生される画像及び他の関連する項目の大きさ(例えば、このような撮像の高解像度による)並びに単一の患者に対して多数の画像生成がなされる場合、新たに発見された所見の証拠を示し得る患者の画像を自動的に識別するために該患者に関連する画像のデータベースを検索することは、極めて時間が掛かり且つ非効率的なものとなり得る。
【0015】
[18] 幾つかの実施態様において、斯様な検索及び/又はその検索結果の処理のための計算資源の量(例えば、処理能力、メモリ使用等)及び/又は時間を削減するために、システム100は検索空間を個人の画像スライスの一層大きな集合(例えば、該個人の1以上の検査の間にキャプチャされた)から、該個人の画像スライスの該一層大きな集合における一層小さな部分集合へと削減することができる。該削減された一層小さな部分集合の画像スライスに関する情報を、取得し、当該画像スライスのうちの該ユーザにとり最も関連のあるものを自動的に識別するように処理することができる。ここで使用される場合、画像スライスとは、1以上の項目の少なくとも一部(例えば、個人の又は他の項目の少なくとも一部)の断面を表す画像、前記項目の少なくとも一部の断面を表すビデオのフレーム、又は前記項目の少なくとも一部の断面を表す媒体の他の側面を含み得る。
【0016】
[19] 幾つかの実施態様において、或る個人の所与の検査の間においてキャプチャされた所与の画像スライスが特定の所見を有すると判定された(例えば、腫瘍/腫瘤又は他の所見が該所与の画像スライスに示される)場合、システム100は、該個人の1以上の他の検査の間にキャプチャされた何れかの画像スライスに該特定の所見の証拠が存在するかを自動的に判定することができる。一例として、システム100は他の画像スライスにおける該特定の所見の証拠を斯かる他の画像スライスの処理に基づいて(例えば、1以上の疾患固有の認識モデル、当該特定の所見を含む部位(当該所与の画像スライス内の)に関する情報、等に基づいて)自動的に検出することができる。他の例として、当該所与の画像スライスが所与の検査の間における個人の少なくとも一部の特定の断面を表す場合、システム100は、検索空間を、上記特定の断面に対応する断面、該対応する断面の隣接する若しくは近傍の他の断面、又は他の断面を各々表す画像スライスを含む画像スライスの部分集合に自動的に削減することができる。システム100は該検索空間削減を、当該検索空間を一層小さな画像スライスの部分集合に削減するために画像スライスの一層大きな集合を前記特定の断面(前記特定の所見を示す所与の画像スライスにより表された)に基づいてフィルタ処理することにより実行することができる。このような検索及び/又は検索結果の処理の効率を向上させるために、幾つかの実施態様では、当該検索空間を削減するための本明細書において更に詳細に後述されるものを含む他の技術を付加的に又は代替的に実行することができる。
【0017】
[20] 幾つかの実施態様において、検出要素106は、個人に関する検出された所見を含む画像スライスを決定することができる。一例として、該決定された画像スライスは、当該個人の所与の検査(例えば、該個人の最近の検査)の間における該個人の少なくとも一部の断面を表すことができる。該決定された画像スライスは、例えば、画像スライスのデータベースを検索すると共に1以上の他の検査(例えば、当該所与の検査の前の、当該所与の検査の後の、等)の間における当該個人の少なくとも一部を表す1以上の他の画像スライスに前記検出された所見の1以上の兆候が存在するかを判定するための基準画像スライスとして使用することができる。他の例として、
図2a、
図2b、
図2c、
図2dは、検出された腫瘍/腫瘤(例えば、長方形のボックスにより印されている)を示す画像スライスを示し、この場合、これら画像スライスは異なる撮像技術によりキャプチャされたものである。1つの使用ケースにおいて、
図2aは、CTスキャンスライスにおいて関心領域における肝臓の腫瘤を示している。
図2bは、該CTスライススライスにおいて関心領域における肺の小瘤を示している。
図2cは、MRIスキャンスライスにおいて関心領域における脳の腫瘍を示している。
図2dは、X線スキャンスライスにおける関心領域における乳房の腫瘤を示している。
【0018】
[21] 幾つかの実施態様において、検出要素106は基準画像スライスとして使用されるべき画像スライス(又は該画像スライスの一部)を選択することができる。幾つかの実施態様において、該画像スライスの選択は、該画像スライスのユーザ選択、該画像スライス内の領域のユーザ選択又は他のユーザ入力等の1以上のユーザ入力に基づくものとすることができる。幾つかの実施態様において、該画像スライスの選択は、腫瘍又は他の所見を自動的に検出するための画像スライス(例えば、個人の最近の検査に関連する)の処理に基づくものとすることができる。一例として、画像スライスの何れかが固有の疾患の証拠を示すかを判定すべく1以上の集合の画像スライスに対して疾患認識を実行するために、1以上の疾患固有の認識モデルを使用することができる。或るシナリオにおいては、或る個人の肝臓の断面を表す画像スライスにおいて腫瘍認識を実行するために肝臓腫瘍固有のモデルを使用することができる。或る個人の肺の断面を表す画像スライスにおいて腫瘍認識を実行するために肺腫瘍固有のモデルを使用することができる。或る個人の脳の断面を表す画像スライスにおいて腫瘍認識を実行するために脳腫瘍固有のモデルを使用することができる。或る個人の乳房の断面を表す画像スライスにおいて腫瘍認識を実行するために乳房腫瘍固有のモデルを使用することができる。
【0019】
[22] 幾つかの実施態様において、検索削減要素108は、検索空間を画像スライスの集合から画像スライスの部分集合に削減することができる。一例として、画像スライス集合は、1以上の検査の間における個人の少なくとも一部の断面を各々表す画像スライスを含み得る。検索削減要素108は、検索空間を、上記画像スライス集合を1以上の基準画像スライス(例えば、腫瘍又は他の所見を含むと判定された画像スライス)に関する情報に基づいてフィルタ処理することにより削減することができる。幾つかの実施態様において、画像スライス集合は、基準画像スライスにより表される所与の断面に基づいてフィルタ処理することができる。一例として、画像スライス集合は、当該検索空間が(i)上記所与の断面に対応する断面を各々表す画像スライス、(ii)上記対応する断面の隣接する若しくは近傍の断面を各々表す画像スライス、又は(iii)他の画像スライスを伴う部分集合に削減されるようにフィルタ処理することができる。或るシナリオにおいて、基準画像スライスが肺断面Xとして注釈付けされ、肺断面Xが或る個人の肺の特定の断面(例えば、該個人の肺の中間の正面からのビュー又は他の特定のビュー)である場合、該基準画像スライスにより表される断面に対応する断面を各々表す画像スライスは、肺断面Xを各々表す画像スライスであり得る。上記対応する断面に隣接する断面を各々表す画像スライスは、肺断面X-1又は肺断面X+1を各々表す画像スライスとすることができる。上記対応する断面の近傍の断面を各々表す画像スライスは、肺断面X-Y~X+Yを各々表す画像スライスとすることができ、ここで、Yは近傍の断面を決定するために使用される近傍閾数である。斯かる隣接する又は近傍の断面が当該削減された空間に含まれる実施態様において、検索は個人の関連する部分の三次元ビューに対して実行することができ、それでいて、斯かる検索及び/又は該検索らからの検索結果の処理のための時間及び/又は計算資源(例えば、処理能力、メモリ使用等)の量を減少させる。
【0020】
[23] 幾つかの実施態様において、検索削減要素108は、検索空間の削減(又は更なる削減)に備えるために所与の検索空間の正規化を実行することができる。1つの使用例において、検索削減要素108は1以上のマルチスライス検査の系列(シーケンス)を系列名の管理された命名へと正規化することができる(例えば、所与の検索空間内で表される検査の各々に関して)。他の使用例において、この正規化ステップは、系列ヘッダからの情報を考慮に入れることができる。施設における様式が適切に構成されており、技師が訓練を受けている場合、この情報は信頼のおけるものであり得、該正規化ステップは系列ヘッダ名を管理された系列名の命名にマッピングするテーブルとして実施することができる。他の使用例においては、医療におけるデジタル画像及び通信(DICOM)規格からのパラメータ設定、画像処理技術又は他のデータを利用することができる。
【0021】
[24] 幾つかの実施態様において、検索削減要素108は、マルチスライス検査に跨がって合致する系列の画像スライスを位置合わせすることができる。一例として、該位置合わせは、全画像ボリューム(例えば、各検査に関する)を考慮に入れることに基づくもの(例えば、系列に跨がる一層全体的な合致のために)及び/又は腫瘍、病変若しくは他の所見等の当該所見自体に基づくもの(例えば、異なる系列にわたる一層局所化された合致を得るために)とすることができる。一例として、該位置合わせは剛性若しくは非剛性方法の何れか又は両者の組み合わせに基づくものとすることができる。
【0022】
[25] 幾つかの実施態様において、検索削減要素108は、検出された所見を含む領域(所与の画像スライス内の)に関する情報に基づいて検索空間を削減することができる。一例として、上記領域は、ユーザ定義領域(例えば、サイズ及び形状がユーザにより定義された領域)、検出された所見のサイズ若しくは形状に基づいて決定されたサイズ若しくは形状を有する領域、又は他の領域を含み得る。例えば、
図2a、
図2b、
図2c、
図2dは、長方形ボックスの形で印された関心領域を伴う画像スライスを示し、これら長方形ボックスの各々は異常の所見を取り囲む二次元関心領域を定義している。これら関心領域は医師(又は他のユーザ)により描くことができ、又は斯かる関心領域は各異常のサイズ若しくは形状又は他の基準に基づいて自動的に決定することができる。幾つかのシナリオにおいて、関心領域は任意の可能性のある形状のものであり得ると共に、当該関心領域に対してテキスト、記号又は画像(例えば、アイコン、GIF画像等)を含む注釈を付与することができることに注意されたい。前述したように、1つの使用例において、
図2aはCTスキャンスライスにおける関心領域内の肝臓の腫瘤を示している。
図2bは、該CTスライススライスにおいて関心領域における肺の小瘤を示している。
図2cは、MRIスキャンスライスにおいて関心領域における脳の腫瘍を示している。
図2dは、X線スキャンスライスにおける関心領域内の乳房の腫瘤を示している。他の使用例において、
図2eはユーザにより印された病変の概略描写を示し、このことは、標準的計測を介して若しくは構造化された所見物として、又は、これとは異なって、例えばダブルクリックし若しくは二次元関心領域(例えば、長方形領域、円形領域等)を描くことにより実行することができる。
【0023】
[26] 幾つかの実施態様において、検索削減要素108は、検出された所見を含む領域(所与の画像スライス内の)のサイズ、該領域の形状、該領域の位置又は他の基準に基づいて検索空間を削減することができる。幾つかの実施態様においては、個人の検査の間にキャプチャされた画像スライスに対し、検索削減要素108は、前記所与の断面に対応する断面又は該対応する断面の近傍の断面を各々表す画像スライスの部分集合に検索空間を削減することができる。一例として、検索削減要素108は、或る断面が他の断面の近傍であるかを所定の近傍閾値に基づいて決定することができる。該所定の近傍閾値は、デフォルトの近傍閾値、ユーザにより定義された近傍閾値、前記所与の画像スライスにおいて検出された所見のタイプ(例えば、腫瘍、腫瘤又は他の所見のタイプ)に基づいて決定される相対閾値、関心所見(例えば、腫瘍又は他の所見)を含む領域のサイズ若しくは形状に基づいて決定される相対閾値、又は他の閾値とすることができる。1つのシナリオにおいて、基準画像スライスが肺断面Xとして注釈付けされ、肺断面Xが或る個人の肺の特定の断面(例えば、該個人の肺の中間の正面からのビュー又は他の特定のビュー)である場合、当該検索空間は、肺断面X-Y~X+Yを各々表す画像スライスに削減することができ、ここで、Yは当該近傍の断面を決定するために使用される近傍閾数である。このようにして、例えば、検索は個人の関連する部分の三次元ビューに対して実行することができ、それでいて、斯かる検索及び/又は該検索らからの検索結果の処理のための時間及び/又は計算資源(例えば、処理能力、メモリ使用等)の量を減少させる。
【0024】
[27] 幾つかの実施態様において、個人の検査の間にキャプチャされた画像スライスに対し、検索削減要素108は、該検索空間内の画像スライスの特定の領域に検索空間を削減することができる。一例として、検索空間が既に削減されている(例えば、本明細書に記載される1以上の技術を介して)場合、検索削減要素は、上記の削減された検索空間内の画像スライスの特定の領域に更に当該検索空間を削減することができる。一例として、当該検索空間は、基準画像スライスにおける関心領域の位置(例えば、当該個人の身体に対する関心領域の位置、全体としての基準画像スライスに対する関心領域の位置等)に基づいて更に削減することができる。一使用例において、削減された検索空間は、当該検索空間内の画像スライスの、基準画像スライス内の関心領域に対応する領域に更に削減することができる。例えば、
図2aを参照すると、検索空間は、
図2aに示される基準画像スライスの領域と同一若しくは同様のサイズ、形状及び/又は相対位置を有する画像スライス(当該検索空間内の)の領域に削減することができる(例えば、基準画像スライスにおける関心領域は現透視からは左側にあるので、削減される検索空間に留まる領域は残りの画像スライス上において左側の領域となるからである)。
【0025】
[28] 幾つかの実施態様において、検索削減要素108は、検査の集合から1以上の検査を(i)基準画像スライスがキャプチャされた所与の件の時間、(ii)時間基準、(iii)当該基準画像スライスにより少なくとも一部が表される個人、(iv)当該基準画像スライスにより表される(個人の)臓器若しくは領域、又は(v)他の基準に基づいて選択することにより検索空間を削減することができる。検索削減要素108は、削減された検索空間が選択された検査の間にキャプチャされた画像スライスに制限されるように、検索空間を削減することができる。幾つかの実施態様において、削減された検索空間は、1以上の他の技術(例えば、本明細書に記載されるような)を介して更に削減することができる。一例として、或る個人の最近の検査の間にキャプチャされた所与の画像スライスが特定の所見(例えば、腫瘍又は他の所見)を有するとして検出された場合、検索削減要素108は該個人の検査の集合から1以上の他の検査を、当該選択される検査が(i)上記最近の検査が行われた時点から少なくとも予め定められた閾時間量経っていること、(ii)選択される検査以外のものが行われた時点から少なくとも予め定められた閾時間量経っていること、(iii)前記最近の検査が実行された臓器若しくは領域の検査であること、又は(iv)他の基準に基づいて選択することができる。一例として、1以上の予め定められた閾時間量(何の検査が検索空間に含められるべきかを選択するために使用されるべき)は、デフォルトの閾値、ユーザにより定義される閾値、前記所与の画像スライスにおいて検出された所見のタイプ(例えば、腫瘍、腫瘤又は他の所見のタイプ)に基づいて決定される相対閾値、前記所与の画像スライスにおいて検出された所見のサイズ若しくは形状(例えば、腫瘍、腫瘤又は他の所見のサイズ若しくは形状)に基づいて決定される相対閾値、又は他の閾値とすることができる。
【0026】
[29] 幾つかの実施態様において、画像スライス要素110は、基準画像スライス(例えば、検出された所見を有すると判定された)に関する情報、検索空間(例えば、本明細書に記載される1以上の技術を介して導出される削減された検索空間)の1以上の画像スライスに関する情報、又は他の情報を取得することができる。取得された情報に基づいて、画像スライス要素110は、検出された所見の1以上の兆候が当該検索空間の画像スライスに存在するかを判定することができる。幾つかの実施態様において、取得された情報の各組は、各画像スライスに関する特徴を識別する情報を含むことができる。一例として、基準画像スライスに関する情報は、該基準画像スライスに関連付けられた注釈、該基準画像スライスに表された物体の特性ベクトル、又は他の情報(例えば、該基準画像スライスのピクセルを表すデータ若しくは他のデータ)を含むことができる。他の例として、当該検索空間の画像スライスに関する情報は、これら画像スライスに関連付けられた注釈、該画像スライス内に表された物体の特性ベクトル、又は他の情報(例えば、該画像スライスのピクセルを表すデータ若しくは他のデータ)を含むことができる。画像スライスに関連付けられる注釈は、全体としての画像スライスに関連する注釈(例えば、該画像スライスにより表される個人に対する参照、該画像スライスが表す該個人の臓器若しくは領域、該画像スライスにより表される断面の識別等)、当該画像スライスの1以上の領域の詳細のみに関連する注釈(例えば、各領域内の組織のサイズ、形状、色若しくは他の特徴)、又は他の注釈を含むことができる。
【0027】
[30] 幾つかの実施態様において、画像スライス要素110は、基準画像スライスに関する注釈又は特性ベクトルを、検索空間(例えば、本明細書に記載される1以上の技術を介して導出される削減された検索空間)の画像スライス(又は該画像スライスの特定の領域)に関する注釈又は特性ベクトルと比較することができる。該比較に基づいて、画像スライス要素110は、所見(例えば、基準画像スライスにおいて検出された)の1以上の兆候が当該検索空間の画像スライスに存在するかを判定することができる。幾つかの実施態様において、当該画像スライス要素は、基準画像スライスの(例えば、当該所見を含む関心領域における)ピクセル又は他のデータを当該検索空間の画像スライスのピクセル又は他のデータと比較し、該比較に基づいて、上記所見の1以上の兆候が当該検索空間の画像スライスに存在するかを判定することができる。
【0028】
[31] 幾つかの実施態様において、画像スライス要素110は、画像スライスの1以上の集合に対して斯かる画像スライスの1以上が特定の疾患の証拠を示すかを判定するための疾患認識を実行するために1以上の疾患固有の認識モデルを用いることができる。一例として、基準画像スライス内の所見が関係する特定の疾患を予測する際に、該予測される疾患に特有の認識モデルを使用して、検索空間の画像スライスに対し当該所見の1以上の兆候が該検索空間の画像スライスに存在するかを判定するための認識を実行することができる。
【0029】
[32] 一例として、
図3aは基準画像スライス(例えば、腫瘍303が検出された画像スライス)に対して実行された画像スライス解析の出力を示す一方、
図3bは他の検査からの画像スライスの削減された検索空間の検索から導出された画像スライスに対して実行された画像スライス解析の出力を示す。一使用例において、上記基準画像スライスは時点t2における検査に関連されるものであり得る一方、上記検索から導出された画像スライスは時点t1(例えば、時点t1は少なくとも予め定められた閾時間量だけ時点t2より前である)における検査に関連されるものであり得る。
図3aにおける基準画像スライスは、正常な組織301及び302並びに腫瘍303を示している。上記検索から導出された画像スライス(
図3bにおける)は、基準画像スライスにおいて検出された腫瘍303の証拠は示していない。例えば、
図3bにおける画像スライスは正常な組織301及び302に各々対応する正常な組織311及び312は示すが、該
図3bの画像スライスは腫瘍303の証拠は示していない。
【0030】
[33] 他の例として、
図3cは基準画像スライス(例えば、腫瘍333が検出された画像スライス)に対して実行された画像スライス解析の出力を示す一方、
図3d及び
図3eは他の検査からの画像スライスの削減された検索空間の検索から導出された画像スライスに対して実行された画像スライス解析の出力を示す。一使用例において、
図3cにおける基準画像スライスは時点t3における検査に関連されるものであり得、
図3dにおける基準画像スライスは時点t2における検査に関連されるものであり得、
図3eにおける画像スライスは時点t1(例えば、時点t1は少なくとも予め定められた閾時間量だけ時点t2より前であり、時点t2は少なくとも該予め定められた閾時間量だけ時点t3より前であり、等々である)における検査に関連されるものであり得る。
図3cにおける基準画像スライスは正常な組織331及び332並びに腫瘍333を示している。
図3dにおける画像スライスは、正常な組織341及び342(正常な組織331及び332に対応する)を、基準画像スライスにおいて検出された腫瘍333の腫瘍兆候343と一緒に示している。例えば、時点t2の検査が時点t3の検査より前に行われた場合、腫瘍兆候343は腫瘍333の成長の証拠であり得る。更に、
図3eにおける画像スライスは、正常な組織351及び352(正常な組織331及び332に対応する)は示すが、腫瘍333の兆候は示していない。例えば、時点t1の検査が時点t2の検査より前に行われた場合、腫瘍333の成長は時点t1と時点t2との間の何処かで開始したと判定され得る。
【0031】
[34] 幾つかの実施態様において、提示要素114は、1以上のユーザに情報を提供し、及び/又は斯かるユーザが1以上のユーザインターフェースのフィーチャと対話することを可能にすることができる。一例として、提示要素114は、所与の画像スライス(例えば、個人の所与の検査の間にキャプチャされた)における所見の表示を行い、当該ユーザが画像スライスのデータベースを検索するために使用されるべき基準画像スライスとして上記所与の画像スライスを及び/又は該検索からの検索結果の処理を選択することを可能にし、検索空間の1以上の他の画像スライスにおける上記所見の表示を行い、又は他のフィーチャを提供することができる。幾つかの実施態様において、提示要素114は、ユーザインターフェースを介して、所見(例えば、基準画像スライスにおいて検出された)の兆候の表示を、該検出された所見の1以上の兆候が検索空間の画像スライスに存在するとの判定に応答して行うことができる。
【0032】
[35] 一例として、
図4aは、他の検査(例えば、同一の個人の以前の検査)の当該自律的検索により見付けられた位置合わせされたスライスの重ねられた帯状表示又は縦続配列を示す。各スライスは、マークを付された検出された所見を有するスライス及び該所見を有するスライスの直前の所見を有さないスライスを含み、独立に選択することができると共に視覚的に強調表示することができる。他の例として、
図4bは、
図4aにおける結果スライスの重なりから特定の結果スライスのウインドウをクリックすることにより、特定的に選択されたスライスが拡大される一方、他の残りのウインドウは消えるか又は寸法が減少することを示している。このことは、一連の医療画像調査にわたる新たな所見の瞬時の比較を可能にする。
【0033】
[36] 幾つかの実施態様において、提示要素114は注釈付け要素112と協働して、1以上のユーザが1以上の画像スライスの1以上のピクセル、ボクセル又は領域に注釈付けすることを可能にする。幾つかの実施態様において、注釈付け要素112は、測定値、円、矢印又は他の注釈等の基本的注釈付けを行うために画像管理通信システム(PACS)ツール又は同様のツールを用いて画像スライスの自動的注釈付けを実行することができる。幾つかの実施態様において、注釈付け要素112は、1以上の認識モデル(例えば、解剖学的認識モデル、疾患固有の認識モデル等)又は他のモデルを用いて画像スライスの自動的注釈付けを実行することができる。
【0034】
[37]
図5は、1以上の実施態様による、所見の兆候を探るための画像スライスのコンピュータ支援検索を容易化する方法を示す。以下に示される方法500の処理は、解説的なものであることを意図するものである。幾つかの実施態様において、方法500は、記載されない1以上の追加の処理を伴って、及び/又は説明される処理の1以上を伴わないで実施することができる。更に、
図5に示されると共に以下に説明される方法500の処理の順序は限定することを意図するものではない。
【0035】
[38] 幾つかの実施態様において、方法500は1以上の処理装置(例えば、デジタルプロセッサ、アナログプロセッサ、情報を処理するように設計されたデジタル回路、情報を処理するように設計されたアナログ回路、状態マシン、及び/又は情報を電子的に処理する他のメカニズム)において実施することができる。上記1以上の処理装置は、方法500の処理の幾つか又は全てを、電子記憶媒体上に電子的に記憶された命令に応答して実行する1以上の装置を含むことができる。該1以上の処理装置は、ハードウェア、ファームウエア及び/又はソフトウェアを介して、方法500の処理の1以上を実行するために特別に設計されるよう構成された1以上の装置を含むことができる。
【0036】
[39] 処理500において、個人に関する検出された所見を含む画像スライスを決定することができる。一例として、該検出された画像スライスは、該個人の少なくとも一部の断面(例えば、該個人の検査又は他のイベントの間にキャプチャされた)を表すことができる。処理502は、1以上の実施態様による検出要素106の1以上と同一又は同様のマシン読取可能な命令要素を実行するように構成された1以上のハードウェアプロセッサ120により実行することができる。
【0037】
[40] 処理504において、検索空間を画像の部分集合に削減することができる。一例として、上記画像の部分集合は、前記決定された画像スライスにより表される断面に対応する断面を表す画像スライスを含むことができる。該検索空間の削減は、例えば、画像スライスの集合を前記決定された画像スライスにより表される断面に基づいてフィルタ処理することを含むことができる。上記画像スライスの集合(フィルタ処理される)は、当該個人の1以上の他の検査の間において該個人の少なくとも一部の断面を各々表す画像スライスを含み得る。処理504は、1以上の実施態様による検索削減要素108の1以上と同一又は同様のマシン読取可能な命令要素を実行するように構成された1以上のハードウェアプロセッサ120により実行することができる。
【0038】
[41] 幾つかの実施態様において、処理504に関し、当該個人の他の検査は、該個人の1以上の以前の検査(例えば、前記決定された画像スライスがキャプチャされた際の該個人の検査より少なくとも予め定められた閾時間量だけ前に行われた)、該個人の1以上の以降の検査(例えば、前記決定された画像スライスがキャプチャされた際の該個人の検査より少なくとも予め定められた閾時間量だけ後に行われた検査)、又は該個人の他の検査を含むことができる。上記処理(又は複数の処理)は、1以上の実施態様による検索削減要素108の1以上と同一又は同様のマシン読取可能な命令要素を実行するように構成された1以上のハードウェアプロセッサ120により実行することができる。
【0039】
[42] 幾つかの実施態様において、処理504に関し、前記他の検査は、当該個人の検査の集合から、(i)前記検査の時間(前記決定された画像スライスがキャプチャされた際の)、(ii)時間基準(例えば、選択される検査が実行された時点は、前記決定された画像スライスがキャプチャされた前記所与の検査から少なくとも予め定められた閾時間量経っていなければならない、若しくは他の基準)、又は(iii)他の基準に基づいて選択することができる。幾つかの実施態様において、前記画像の集合(当該検索空間を削減するためにフィルタ処理される)は、前記画像部分集合の画像の各々に基づいて選択することができる。上記処理(又は複数の処理)は、1以上の実施態様による検索削減要素108の1以上と同一又は同様のマシン読取可能な命令要素を実行するように構成された1以上のハードウェアプロセッサ120により実行することができる。
【0040】
[43] 幾つかの実施態様において、処理504に関し、当該検索空間は、前記画像スライス部分集合を、(i)該画像スライス部分集合の第1画像スライスを、該第1画像スライスが前記決定された画像スライスにより表される断面に対応する断面を表すことに基づいて選択すると共に、(ii)該画像スライス部分集合の第2画像スライスを、該第2画像スライスが上記第1画像スライスの閾近傍内にあることに基づいて選択することによって該画像スライス部分集合を処理することにより、該画像スライス部分集合に削減することができる。幾つかの実施態様においては、前記決定された画像スライスにおける領域(前記検出された所見を含む)を決定することができる。前記閾近傍(例えば、当該検索空間を削減するために使用される)は、前記決定された画像スライスの領域に関する情報に基づくものとすることができる。該領域に関する情報は、前記決定された画像スライスの該領域に関連するサイズ情報、該領域に関連する形状情報、該領域に関連する位置情報又は他の情報を含むことができる。一例として、上記サイズ情報は、前記決定された画像スライスの当該領域の第1次元に関するサイズを識別する情報、前記決定された画像スライスの当該領域の第1次元とは異なる第2次元に関するサイズを識別する情報、又は他の情報を含むことができる。上記処理(又は複数の処理)は、1以上の実施態様による検索削減要素108の1以上と同一又は同様のマシン読取可能な命令要素を実行するように構成された1以上のハードウェアプロセッサ120により実行することができる。
【0041】
[44] 処理506において、前記決定された画像スライスに関する第1画像スライス情報を取得することができる。処理506は、1以上の実施態様による画像スライス要素110の1以上と同一又は同様のマシン読取可能な命令要素を実行するように構成された1以上のハードウェアプロセッサ120により実行することができる。
【0042】
[45] 処理508において、1以上の画像スライス(前記画像スライス部分集合の)に関する第2画像スライス情報を、前記削減された検索空間に基づいて取得することができる。処理508は、1以上の実施態様による画像スライス要素110の1以上と同一又は同様のマシン読取可能な命令要素を実行するように構成された1以上のハードウェアプロセッサ120により実行することができる。
【0043】
[46] 処理510において、前記検出された所見の1以上の兆候が前記画像スライス部分集合の画像スライスに存在するかの判定を実施することができる。処理510は、1以上の実施態様による画像スライス要素110の1以上と同一又は同様のマシン読取可能な命令要素を実行するように構成された1以上のハードウェアプロセッサ120により実行することができる。
【0044】
[47] 幾つかの実施態様において、システム100は、1以上のデータベース(例えば、検査データベース116又は他のデータベース)、1以上の計算プラットフォーム104、1以上のプロセッサ120、電子記憶部122、外部資源118及び/又は他の要素を含む。
【0045】
[48] 検査データベース116は、個人の医療(健康管理)記録及び/又は他の情報を電子的に記憶するよう構成される。前述したように、該医療記録は、複数の記録属性及び斯かる属性のための対応する値を含むことができる。
【0046】
[49] 幾つかの実施態様において、当該データベース(例えば、検査データベース116)は、医療施設(例えば、病院、医師の事務所等)、医療管理提供者(例えば、退役軍人省医療システム、保健省等)、健康保険提供者、及び/又は他の主体等の1以上の主体に関連する。データベース116は、電子的に情報を記憶する電子記憶媒体を含む。幾つかの実施態様において、データベース116は、前記1以上の主体に関連するコンピュータ、サーバ及び/又は他のデータベースシステムであり、及び/又はこれらに含まれる。データベース116の電子記憶媒体は、斯様なシステムと一体に設けられる(即ち、実質的に取外し不可能な)システム記憶部を含むことができる。データベース116は、光学的に読取可能な記憶媒体(例えば、光ディスク等)、磁気的に読取可能な記憶媒体(例えば、磁気テープ、磁気ハードドライブ、フロッピードライブ等)、電荷ベースの記憶媒体(例えば、EPROM、RAM等)、固体記憶媒体(例えば、フラッシュドライブ等)及び/又は他の電子的に読取可能な記憶媒体の1以上を含むことができる。データベース116は、計算プラットフォーム104、プロセッサ120、電子記憶部122、外部資源118、及び/又はシステム100の他の要素と通信するように構成され、該データベース116に記憶された情報にシステム100の他の要素及び/又は他のシステムによりアクセスすることができるようにする(例えば、本明細書に記載されたように)。“データベース”なる用語の使用は限定しようとするものではないことに注意されたい。データベースは、医療記録を記録すると共にシステム100が本明細書に記載されるように機能することを可能にする否なる電子記憶システムとすることもできる。
【0047】
[50] 計算プラットフォーム104は、ユーザとシステム100との間のインターフェースを提供するように構成される。幾つかの実施態様において、計算プラットフォーム104は、データベース116、プロセッサ120及び/又はプロセッサ120を含むサーバ、医療(健康管理)提供者、該医療提供者に関連する個人ユーザ、該医療提供者に対するサービス提供者(例えば、コンサルタント)、システム100の個人ユーザ、及び/又は他のユーザ及び/又は主体に関連する。計算プラットフォーム104は、このようなユーザ及び/又は主体に情報を提供し、及び/又は斯かるユーザ及び/又は主体から情報を受信するよう構成される。計算プラットフォーム104はユーザインターフェース及び/又は他の要素を含む。該ユーザインターフェースは、ビューを提示及び/又は医療記録及び/又は該医療記録に関連する情報の入力及び/又は選択を受信するように構成されたフィールドを提示し、合致した医療記録に関する情報(例えば、合致する確率、Fスコア、記録属性等)を提示し、及び/又は他の情報を供給及び/又は受信するように構成されたグラフィックユーザインターフェースとすることができ及び/又は斯かるグラフィックユーザインターフェースを含むことができる。幾つかの実施態様において、該ユーザインターフェースは、例えば、複数の計算プラットフォーム104、プロセッサ120及び/又はシステム100の他の要素と関連する複数の別個のインターフェースを含むこともできる。
【0048】
[51] 幾つかの実施態様においては、1以上の計算プラットフォーム104が、システム100にユーザインターフェース、処理能力、データベース及び/又は電子記憶部を提供するように構成される。かくして、これら計算プラットフォーム104は、プロセッサ120、電子記憶部122、外部資源118及び/又はシステム100の他の要素を含むことができる。幾つかの実施態様において、これら計算プラットフォーム104はネットワーク(例えば、インターネット)に接続される。幾つかの実施態様において、これら計算プラットフォーム104は、プロセッサ120、電子記憶部122、外部資源118及び/又はシステム100の他の要素を含まず、代わりに、これら要素とネットワークを介して通信する。斯かるネットワークとの接続は、無線又は有線とすることができる。例えば、プロセッサ120は、遠隔のサーバに配置することができ、1以上の医療提供者から照合のために医療記録を無線で受信することができる。幾つかの実施態様において、これら計算プラットフォーム104は、ラップトップ、デスクトップコンピュータ、スマートフォン、タブレットコンピュータ、及び/又はタブレットの計算装置である。
【0049】
[52] 当該ユーザインターフェースに含めるのに適したインターフェース装置の例は、タッチスクリーン、キーパッド、接触感知性及び/又は物理的釦、スイッチ、キーボード、ノブ、レバー、ディスプレイ、スピーカ、マイクロフォン、指示灯、可聴警報、プリンタ、及び/又は他のインターフェース装置を含む。本開示は、計算プラットフォーム104が取外し可能な記憶インターフェースを含むことも想定している。この例においては、取外し可能な記憶部(例えば、スマートカード、フラッシュ装置、取外し可能なディスク等)から計算プラットフォーム104に、ユーザが計算プラットフォーム104の実施態様をカスタマイズすることを可能にする情報をロードすることができる。計算プラットフォーム104及び/又はユーザインターフェースと共に使用するように適合化された他の例の入力装置及び技術は、限定されるものではないが、RS-232ポート、RFリンク、IRリンク、モデム(電話、ケーブル又はその他)及び/又は他の装置を含む。
【0050】
[53]
図1に示されたように、プロセッサ120はマシン読取可能な命令を介して1以上のコンピュータプログラム要素を実行するように構成される。プロセッサ120は、ソフトウェア;ハードウェア;ファームウエア;ソフトウェア、ハードウェア及び/又はファームウエアの何らかの組み合わせ;及び/又はプロセッサ120上での処理能力を構成するための他のメカニズムにより、要素106、108、110、112及び/又は114を実行するように構成することができる。
【0051】
[54] 要素106、108、110、112及び114は
図1では単一の処理ユニット内に共同配置されるように図示されているが、プロセッサ120が複数の処理ユニットを含むような実施態様では、要素106、108、110、112及び114の1以上は他の要素から離れて配置することもできる。異なる要素106、108、110、112及び114により提供される機能の説明は、解説目的のためのものであり、限定しようとするものではない。要素106、108、110、112及び114の何れも、記載されたものよりも多くの又は少ない機能を提供することができるからである。例えば、要素106、108、110、112及び114のうちの1以上を削除することができると共に、その機能の幾つか又は全てを他の要素106、108、110、112及び/又は114により提供することができる。他の例として、プロセッサ120は、要素106、108、110、112及び114の1つに属する機能の幾つか又は全てを果たすことができる1以上の追加の要素を実行するように構成することができる。
【0052】
[55] 尚、請求項において括弧内の如何なる符号も当該請求項を限定するものと見なしてはならない。また、“有する”又は“含む”なる文言は、請求項に記載されたもの以外の構成要素又はステップの存在を排除するものではない。また、幾つかの手段を列挙するシステムの請求項において、これら手段の幾つかは1つの同一のハードウェアにより具現化することができる。また、単数形の構成要素は、複数の斯様な構成要素の存在を排除するものではない。また、幾つかの手段を列挙する如何なるシステムにおいても、これら手段の幾つかは1つの同一のハードウェアにより具現化することができる。また、特定の構成要素が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これら構成要素が組み合わせで使用することができないということを示すものではない。
【0053】
[56] 以上、本発明を、現在のところ最も実用的且つ好ましい実施態様であると思われるものに基づいて解説目的のために詳細に説明したが、斯様な詳細は上記目的のためだけのものであって、本発明は開示された実施態様に限定されるものではなく、逆に、添付請求項の趣旨及び範囲内に入る修正例及び等価構成例もカバーすることを意図するものであると理解されるべきである。例えば、本発明は、可能な限りにおいて、如何なる実施態様の1以上のフィーチャも、如何なる他の実施態様の1以上のフィーチャと組み合わせることもできることを想定していると理解されるべきである。