(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-25
(45)【発行日】2024-02-02
(54)【発明の名称】等温増幅の成分およびプロセス
(51)【国際特許分類】
C12Q 1/686 20180101AFI20240126BHJP
C12N 15/54 20060101ALN20240126BHJP
【FI】
C12Q1/686 Z
C12N15/54 ZNA
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020092422
(22)【出願日】2020-05-27
(62)【分割の表示】P 2019503197の分割
【原出願日】2017-03-06
【審査請求日】2020-06-26
【審判番号】
【審判請求日】2022-05-10
(32)【優先日】2016-04-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518351090
【氏名又は名称】ナット ダイアグノスティクス, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100123766
【氏名又は名称】松田 七重
(72)【発明者】
【氏名】ミラー, アンドリュー ピー.
(72)【発明者】
【氏名】ジャン, ホンファ
【合議体】
【審判長】加々美 一恵
【審判官】上條 肇
【審判官】田中 耕一郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-533494(JP,A)
【文献】国際公開第02/101042(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/00 - 15/90
C12Q 1/00 - 3/00
Google Scholar
PubMed
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/BIOSIS/MEDLINE/EMBASE/WPIDS(STN)
UniProt/GENESEQ
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料中の標的核酸配列を検出するための方法であって、
(a)互いに相補的である第1の鎖および第2の鎖を含む標的核酸配列を等温増幅条件で増幅するステップであって、
前記増幅するステップが、前記標的核酸配列を含む非変性核酸を
(i)第1のプライマーおよび第2のプライマーであって、前記第1のプライマーが前記標的核酸配列の前記第1の鎖の配列にハイブリダイズすることができ、かつ前記第2のプライマーが前記標的核酸配列の前記第2の鎖の配列にハイブリダイズすることができる、第1のプライマーおよび第2のプライマー、ならびに
(ii)超好熱菌ポリメラーゼ活性を有する酵素であって、前記超好熱菌ポリメラーゼ活性が、配列番号9のアミノ酸配列または配列番号9のアミノ酸配列と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含むポリメラーゼによって提供される、前記酵素
と接触させることによって核酸増幅産物を生成することを含み、
前記核酸増幅産物が、
(1)前記第1のプライマーの配列、
(2)前記第2のプライマーの配列、および
(3)(1)前記第1のプライマーの配列および(2)前記第2のプライマーの配列によって挟まれたスペーサー配列であって、前記スペーサー配列は1~10塩基の長さである、スペーサー配列
を含み、かつ
前記増幅するステップが、前記超好熱菌ポリメラーゼ活性を有する酵素以外のいかなる酵素を用いるステップを含まず、かつ、前記増幅するステップが、前記非変性核酸を変性させるステップを含まない、ステップと、
(b)前記核酸増幅産物を検出するステップであって、前記核酸増幅産物を検出するステップは、前記非変性核酸を(a)(i)前記第1および第2のプライマーならびに(a)(ii)前記超好熱菌ポリメラーゼ活性を有する酵素と接触させた時から10分以内に行われる、ステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記非変性核酸が、
(a)ゲノム核酸、プラスミド核酸、ミトコンドリア核酸、細胞性核酸、または細胞外核酸;
(b)細菌核酸またはウイルス核酸;
(c)二本鎖DNA;または
(d)逆転写反応の産物である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記増幅するステップ(a)の前に逆転写反応によって非変性核酸を生成するステップをさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記核酸増幅産物を検出するステップが、前記試料において、前記標的核酸配列を含む非変性核酸の量を決定するステップをさらに含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記核酸増幅産物を検出するステップが、前記試料において、前記標的核酸配列を含むdsDNAの量を決定するステップをさらに含む、請求項
3に記載の方法。
【請求項6】
非変性核酸を、増幅ステップの前または増幅ステップの間に一本鎖DNA結合性タンパク質と接触させるステップを含まない、請求項1~
4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
dsDNAを、増幅ステップの前または増幅ステップの間に一本鎖DNA結合性タンパク質と接触させるステップを含まない、請求項
5に記載の方法。
【請求項8】
前記標的核酸配列が、細菌核酸配列またはウイルス核酸配列である、請求項1~
7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記超好熱菌ポリメラーゼ活性を有する酵素が、逆転写酵素活性を有
する、請求項1~
8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記試料が、原核生物または真核生物由来のRNAを含む、請求項1~
9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記標的核酸配列を等温増幅条件下で増幅するステップが、55℃から75℃の一定温度で行われる、請求項1~
10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記第1のプライマー、前記第2のプライマー、または前記第1のプライマーおよび前記第2のプライマーの両方が(a)8~16塩基の長さであるか、(b)1つ以上のDNA塩基、修飾DNA塩基、またはその組み合わせを含むか、または(a)および(b)の両方である、請求項1~
11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記核酸増幅産物が20~40塩基の長さである、請求項1~
12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記スペーサー配列が、前記標的核酸配列の一部分を含む、請求項1~
13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記核酸増幅産物を検出するステップが、
(a)前記核酸増幅産物を、前記増幅産物にハイブリダイズすることができるシグナル生成オリゴヌクレオチドと接触させるステップであって、前記シグナル生成オリゴヌクレオチドが、フルオロフォアおよび消光剤を含む、ステップ、または
(b)蛍光シグナルを検出するステップ
を含む、請求項1~
14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
単一の反応容器中で行われる、請求項1~
15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記逆転写反応の産物が、細胞性RNA、mRNA、マイクロRNA、細菌RNA、またはウイルスRNAから生成される逆転写反応の産物である、請求項2に記載の方法。
【請求項18】
前記試料がウイルスまたは細菌由来のRNAを含む、請求項1~
9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記標的核酸配列を等温増幅条件下で増幅するステップが、65℃の一定温度で行われる、請求項1~
10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記スペーサー配列が、1~5塩基の長さである、請求項1~
13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記蛍光シグナルが、分子ビーコンに由来する、請求項
15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連する特許出願
この特許出願は、表題「ISOTHERMAL AMPLIFICATION COMPONENTS AND PROCESSES」の2016年4月4日に出願された米国特許出願第15/090,405号(発明者としてAndrew P.MillerおよびHonghua Zhangの名前が挙げられ、代理人管理番号NAT-1001-UTtによって指定される)の利益を主張する。上記出願の全体の内容は、全ての目的のために、本文、表および図面全てを含めて参考として本明細書に援用される。
【0002】
配列表
本出願は、ASCII形式で電子的に提出され、その全体が参考として本明細書に援用される配列表を含む。上記ASCIIコピーは、2017年3月2日に作成され、NAT-1001-PC_SL.txtとの名称であり、16,533バイトのサイズである。
【0003】
本技術は、部分的には、核酸の等温増幅用の方法および組成物に関する。
【背景技術】
【0004】
核酸に基づく診断は、感染症、疾患、および/または遺伝的変異の迅速な検出に有用であり得る。例えば、試料中の細菌またはウイルス核酸の同定は、特定の種類の感染症の診断に有用であり得る。その他の例としては、疾患管理または法医学のための一塩基多型の同定、および遺伝子組み換え食品を示す遺伝的変異の同定が挙げられる。多くの場合、核酸に基づく診断アッセイは、試料中の核酸の特定部分の増幅を必要とする。核酸増幅のための一般的な技術はポリメラーゼ連鎖反応(PCR)である。この技術は、通常、変性(すなわち、二本鎖DNA(dsDNA)複合体中の鎖の分離)ステップ、オリゴヌクレオチドプライマー(相補的DNA配列の短い鎖)のアニーリングステップ、およびポリメラーゼによる相補的標的に沿ったプライマーの伸長ステップを進めるために、温度のサイクリング(すなわち、サーモサイクリング)を必要とする。そのようなサーモサイクリングは、一般に特化した機械を必要とする時間を消費する処理であり得る。したがって、サーモサイクリングなしで実行できる、より迅速な核酸増幅方法の必要性が存在する。そのような方法は、例えば現場での試験およびポイントオブケア診断のために有用であり得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
ある特定の態様では、核酸を増幅するための方法であって、等温増幅条件下で非変性試料核酸をa)試料核酸中の標的配列に相補的なポリヌクレオチドを含む少なくとも1つのオリゴヌクレオチド、およびb)超好熱菌ポリメラーゼ活性を提供する少なくとも1つの成分を含む成分と接触させることによって核酸増幅産物を生成するステップを含む、方法が本明細書中で提供される。
【0006】
ある特定の態様では、核酸を増幅するための方法であって、等温増幅条件下で非変性試料核酸をa)試料核酸中の標的配列に相補的なポリヌクレオチドを含む少なくとも1つのオリゴヌクレオチドを含む非酵素成分、およびb)超好熱菌ポリメラーゼまたは超好熱菌ポリメラーゼと少なくとも約90%同一のアミノ酸配列を含むポリメラーゼからなる酵素成分と接触させることによって核酸増幅産物を生成するステップを含む、方法も本明細書中で提供される。
【0007】
ある特定の態様では、核酸を増幅するための方法であって、等温増幅条件下で非変性試料核酸をa)試料核酸中の標的配列に相補的なポリヌクレオチドを含む少なくとも1つのオリゴヌクレオチドを含む非酵素成分、ならびにb)i)超好熱菌ポリメラーゼ活性、および任意選択でii)逆転写酵素活性からなる酵素活性と接触させることによって核酸増幅産物を生成するステップを含む、方法も本明細書中で提供される。
【0008】
ある特定の態様では、核酸を処理するための方法であって、等温増幅条件下で非変性試料核酸をa)試料核酸中の標的配列に相補的なポリヌクレオチドを含む少なくとも1つのオリゴヌクレオチド、およびb)超好熱菌ポリメラーゼ活性を提供する少なくとも1つの成分と接触させることによって核酸増幅産物を生成することから本質的になる核酸を増幅するステップを含む、方法も本明細書中で提供される。
【0009】
ある特定の態様では、核酸を処理するための方法であって、等温増幅条件下で非変性試料核酸をa)試料核酸中の標的配列に相補的なポリヌクレオチドを含む少なくとも1つのオリゴヌクレオチドを含む非酵素成分、およびb)超好熱菌ポリメラーゼまたは超好熱菌ポリメラーゼと少なくとも約90%同一のアミノ酸配列を含むポリメラーゼからなる酵素成分と接触させることによって核酸増幅産物を生成することから本質的になる核酸を増幅するステップを含む、方法も本明細書中で提供される。
【0010】
ある特定の態様では、核酸を処理するための方法であって、等温増幅条件下で非変性試料核酸をa)試料核酸中の標的配列に相補的なポリヌクレオチドを含む少なくとも1つのオリゴヌクレオチドを含む非酵素成分、ならびにb)i)超好熱菌ポリメラーゼ活性、および任意選択でii)逆転写酵素活性からなる酵素活性と接触させることによって核酸増幅産物を生成することから本質的になる核酸を増幅するステップを含む、方法も本明細書中で提供される。
【0011】
ある特定の態様では、核酸を処理するための方法であって、等温増幅条件下で非変性試料核酸をa)試料核酸中の標的配列に相補的なポリヌクレオチドを含む少なくとも1つのオリゴヌクレオチド、およびb)超好熱菌ポリメラーゼ活性を提供する少なくとも1つの成分と接触させることによって核酸増幅産物を生成することからなる核酸を増幅するステップを含む、方法も本明細書中で提供される。
【0012】
ある特定の態様では、核酸を処理するための方法であって、等温増幅条件下で非変性試料核酸をa)試料核酸中の標的配列に相補的なポリヌクレオチドを含む少なくとも1つのオリゴヌクレオチドを含む非酵素成分、およびb)超好熱菌ポリメラーゼまたは超好熱菌ポリメラーゼと少なくとも約90%同一のアミノ酸配列を含むポリメラーゼからなる酵素成分と接触させることによって核酸増幅産物を生成することからなる核酸を増幅するステップを含む、方法も本明細書中で提供される。
【0013】
ある特定の態様では、核酸を処理するための方法であって、等温増幅条件下で非変性試料核酸をa)試料核酸中の標的配列に相補的なポリヌクレオチドを含む少なくとも1つのオリゴヌクレオチドを含む非酵素成分、ならびにb)i)超好熱菌ポリメラーゼ活性、および任意選択でii)逆転写酵素活性からなる酵素活性と接触させることによって核酸増幅産物を生成することからなる核酸を増幅するステップを含む、方法も本明細書中で提供される。
【0014】
ある特定の態様では、試料核酸中の標的配列の存在、非存在、または量を決定するための方法であって、a)試料核酸中の標的配列を増幅するステップであって、標的配列が、互いに相補的な第1の鎖および第2の鎖を含み、かつ増幅するステップが、ヘリカーゼ不含かつ/またはリコンビナーゼ不含の等温増幅条件下で非変性試料核酸を、i)第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチドであって、第1のオリゴヌクレオチドが、第1の鎖中の配列に連続的に相補的な第1のポリヌクレオチドを含み、かつ第2のオリゴヌクレオチドが、第2の鎖中の配列に連続的に相補的な第2のポリヌクレオチドを含む、第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチド、ならびにii)超好熱菌ポリメラーゼ活性を提供する少なくとも1つの成分と接触させることによって核酸増幅産物を生成することを含み、核酸増幅産物が、1)第1のオリゴヌクレオチドの第1のポリヌクレオチドに連続的に相補的なまたはそれと実質的に同一の第1のヌクレオチド配列、2)第2のオリゴヌクレオチドの第2のポリヌクレオチドに連続的に相補的なまたはそれと実質的に同一の第2のヌクレオチド配列、および3)1~10塩基を含むスペーサー配列を含み、かつスペーサー配列が第1のヌクレオチド配列および第2のヌクレオチド配列に挟まれている、ステップと、b)核酸増幅産物を検出するステップであって、リアルタイム検出方法の使用を含み、かつ試料核酸を(a)(i)および(a)(ii)と接触させた時から10分またはそれ未満以内に行われ、それによって試料核酸中の標的配列の存在、非存在、または量が決定される、ステップとを含む、方法も本明細書中で提供される。
【0015】
ある特定の態様では、試料核酸中の標的配列の存在、非存在、または量を決定するための方法であって、a)試料核酸中の標的配列を増幅するステップであって、標的配列が、互いに相補的な第1の鎖および第2の鎖を含み、増幅するステップが、ヘリカーゼ不含かつ/またはリコンビナーゼ不含の等温増幅条件下で非変性試料核酸をi)第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチドであって、第1のオリゴヌクレオチドが、第1の鎖中の配列に連続的に相補的な第1のポリヌクレオチドからなり、かつ第2のオリゴヌクレオチドが、第2の鎖中の配列に連続的に相補的な第2のポリヌクレオチドからなる、第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチド、ならびにii)超好熱菌ポリメラーゼ活性を提供する少なくとも1つの成分と接触させることによって核酸増幅産物を生成することを含み、核酸増幅産物が、1)第1のオリゴヌクレオチドの第1のポリヌクレオチドに連続的に相補的なまたはそれと実質的に同一の第1のヌクレオチド配列、2)第2のオリゴヌクレオチドの第2のポリヌクレオチドに連続的に相補的なまたはそれと実質的に同一の第2のヌクレオチド配列、および3)1~10塩基を含むスペーサー配列からなり、スペーサー配列が第1のヌクレオチド配列および第2のヌクレオチド配列に挟まれている、ステップと、b)核酸増幅産物を検出するステップであって、リアルタイム検出方法の使用を含み、かつ試料核酸を(a)(i)および(a)(ii)と接触させた時から10分またはそれ未満以内に行われ、それによって試料核酸中の標的配列の存在、非存在、または量が決定される、ステップとを含む、方法も本明細書中で提供される。
【0016】
ある特定の態様では、試料核酸中の標的配列の存在、非存在、または量を決定するためのキットであって、a)i)第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチドであって、第1のオリゴヌクレオチドが、標的配列の第1の鎖中の配列に連続的に相補的な第1のポリヌクレオチドを含み、かつ第2のオリゴヌクレオチドが、標的配列の第2の鎖中の配列に連続的に相補的な第2のポリヌクレオチドを含み、標的配列の第1の鎖および第2の鎖が互いに相補的である、第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチド、ならびにii)超好熱菌ポリメラーゼ活性を提供する少なくとも1つの成分を含む、ヘリカーゼ不含かつ/またはリコンビナーゼ不含の等温増幅条件下で試料核酸中の標的配列を増幅するための成分と、b)核酸増幅産物のリアルタイム検出活性を提供する少なくとも1つの成分とを含む、キットも本明細書中で提供される。
【0017】
ある特定の態様では、試料核酸中の標的配列の存在、非存在、または量を決定するためのキットであって、a)i)第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチドであって、第1のオリゴヌクレオチドが、標的配列の第1の鎖中の配列に連続的に相補的な第1のポリヌクレオチドからなり、かつ第2のオリゴヌクレオチドが、標的配列の第2の鎖中の配列に連続的に相補的な第2のポリヌクレオチドからなり、標的配列の第1の鎖および第2の鎖が互いに相補的である、第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチド、ならびにii)超好熱菌ポリメラーゼ活性を提供する少なくとも1つの成分を含む、ヘリカーゼ不含かつ/またはリコンビナーゼ不含の等温増幅条件下で試料核酸中の標的配列を増幅するための成分と、b)核酸増幅産物のリアルタイム検出活性を提供する少なくとも1つの成分とを含む、キットも本明細書中で提供される。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
試料核酸中の標的配列の存在、非存在、または量を決定するための方法であって、
a)前記試料核酸中の標的配列を増幅するステップであって、
前記標的配列が第1の鎖および第2の鎖を含み、
前記第1の鎖および前記第2の鎖が互いに相補的であり、かつ
前記増幅するステップが、切断剤不含、ヘリカーゼ不含、かつリコンビナーゼ不含の等温増幅条件下で非変性試料核酸を
i)第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチドであって、前記第1のオリゴヌクレオチドが前記第1の鎖中の配列に連続的に相補的な第1のポリヌクレオチドからなり、かつ前記第2のオリゴヌクレオチドが前記第2の鎖中の配列に連続的に相補的な第2のポリヌクレオチドからなる、第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチド、ならびに
ii)超好熱菌ポリメラーゼ活性を提供する少なくとも1つの成分
と接触させることによって核酸増幅産物を生成することを含み、
前記核酸増幅産物が、1)前記第1のオリゴヌクレオチドの前記第1のポリヌクレオチドに連続的に相補的なまたは実質的に同一の第1のヌクレオチド配列、2)前記第2のオリゴヌクレオチドの前記第2のポリヌクレオチドに連続的に相補的なまたはそれと実質的に同一の第2のヌクレオチド配列、および3)1~10塩基を含むスペーサー配列からなり、かつ
前記スペーサー配列が前記第1のヌクレオチド配列および前記第2のヌクレオチド配列に挟まれている、ステップと、
b)前記核酸増幅産物を検出するステップであって、前記核酸増幅産物を検出するステップは、リアルタイム検出方法の使用を含み、かつ前記試料核酸を(a)(i)および(a)(ii)と接触させた時から10分またはそれ未満以内に行われ、それによって試料核酸中の標的配列の存在、非存在、または量が決定される、ステップと
を含む、方法。
(項目2)
前記超好熱菌ポリメラーゼ活性が、超好熱菌ポリメラーゼもしくはその機能的断片、または超好熱菌ポリメラーゼと少なくとも約90%同一のアミノ酸配列を含むポリメラーゼもしくはその機能的断片によって提供される、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記超好熱菌ポリメラーゼ活性が、配列番号8のアミノ酸配列を含むポリメラーゼもしくはその機能的断片、または配列番号8のアミノ酸配列と少なくとも約90%同一のアミノ酸配列を含むポリメラーゼもしくはその機能的断片によって提供される、項目1または2に記載の方法。
(項目4)
前記超好熱菌ポリメラーゼ活性が、エキソヌクレアーゼ活性が低いまたはエキソヌクレアーゼ活性を有しないポリメラーゼによって提供される、項目1、2、または3に記載の方法。
(項目5)
要素(a)(ii)が、逆転写酵素活性を提供する少なくとも1つの成分をさらに含む、項目1~4のいずれか一項に記載の方法。
(項目6)
超好熱菌ポリメラーゼ活性を提供する前記少なくとも1つの成分が、逆転写酵素活性をさらに提供する、項目1~5のいずれか一項に記載の方法。
(項目7)
増幅の前または増幅の間に前記試料核酸を変性させるステップを含まない、項目1~6のいずれか一項に記載の方法。
(項目8)
前記試料核酸を、増幅の前または増幅の間に一本鎖DNA結合性タンパク質と接触させない、項目1~7のいずれか一項に記載の方法。
(項目9)
精製されていない試料核酸が増幅される、項目1~8のいずれか一項に記載の方法。
(項目10)
前記増幅が、約55℃から約75℃の一定温度で行われる、項目1~9のいずれか一項に記載の方法。
(項目11)
前記増幅が、約65℃の一定温度で行われる、項目1~9のいずれか一項に記載の方法。
(項目12)
前記増幅が、約60℃の一定温度で行われる、項目1~9のいずれか一項に記載の方法。
(項目13)
前記第1のオリゴヌクレオチドおよび前記第2のオリゴヌクレオチドがそれぞれ約8~16塩基の長さである、項目1~12のいずれか一項に記載の方法。
(項目14)
前記核酸増幅産物が約20~40塩基の長さである、項目1~13のいずれか一項に記載の方法。
(項目15)
前記スペーサー配列が、1~5塩基を含み、かつ前記試料核酸中の前記標的配列の一部分に連続的に相補的またはそれと実質的に同一である、項目1~14のいずれか一項に記載の方法。
(項目16)
前記核酸増幅産物を検出するステップが、蛍光シグナルの検出を含む、項目1~15のいずれか一項に記載の方法。
(項目17)
前記蛍光シグナルが分子ビーコンに由来する、項目16に記載の方法。
(項目18)
前記核酸増幅産物を、i)前記増幅産物中の配列に相補的なポリヌクレオチド、ならびにii)フルオロフォアおよび消光剤を含むシグナル生成オリゴヌクレオチドと接触させるステップをさらに含む、項目1~17のいずれか一項に記載の方法。
(項目19)
単一の反応容器中で行われる、項目1~18のいずれか一項に記載の方法。
(項目20)
マルチプレックス増幅を含む、項目1~19のいずれか一項に記載の方法。
(項目21)
前記増幅するステップが、切断剤不含、ヘリカーゼ不含、かつリコンビナーゼ不含の等温増幅条件下で非変性試料核酸を
i)第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチドであって、前記第1のオリゴヌクレオチドが前記第1の鎖中の配列に連続的に相補的な第1のポリヌクレオチドからなり、かつ前記第2のオリゴヌクレオチドが前記第2の鎖中の配列に連続的に相補的な第2のポリヌクレオチドからなる、第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチド、ならびに
ii)超好熱菌ポリメラーゼ活性を提供する成分からなる酵素成分
と接触させることを含む、項目1~20のいずれか一項に記載の方法。
(項目22)
前記第1のオリゴヌクレオチドが、DNA塩基、修飾DNA塩基、またはDNA塩基および修飾DNA塩基からなる第1のポリヌクレオチドからなり、かつ前記第2のオリゴヌクレオチドが、DNA塩基、修飾DNA塩基、またはDNA塩基および修飾DNA塩基からなる第2のポリヌクレオチドからなる、項目1~21のいずれか一項に記載の方法。
(項目23)
核酸を増幅するための方法であって、
等温増幅条件下で非変性試料核酸を、
a)前記試料核酸中の標的配列に相補的なポリヌクレオチドを含む少なくとも1つのオリゴヌクレオチド、および
b)超好熱菌ポリメラーゼ活性を提供する少なくとも1つの成分
を含む成分と接触させることによって核酸増幅産物を生成するステップ
を含む、方法。
(項目24)
核酸を増幅するための方法であって
等温増幅条件下で非変性試料核酸を
a)前記試料核酸中の標的配列に相補的なポリヌクレオチドを含む少なくとも1つのオリゴヌクレオチドを含む非酵素成分、および
b)超好熱菌ポリメラーゼまたは超好熱菌ポリメラーゼと少なくとも約90%同一のアミノ酸配列を含むポリメラーゼからなる酵素成分
と接触させることによって核酸増幅産物を生成するステップ
を含む、方法。
(項目25)
核酸を増幅するための方法であって、
等温増幅条件下で非変性試料核酸を
a)前記試料核酸中の標的配列に相補的なポリヌクレオチドを含む少なくとも1つのオリゴヌクレオチドを含む非酵素成分、ならびに
b)i)超好熱菌ポリメラーゼ活性、および任意選択でii)逆転写酵素活性からなる酵素活性
と接触させることによって核酸増幅産物を生成するステップ
を含む、方法。
(項目26)
前記酵素活性が、i)超好熱菌ポリメラーゼ活性、およびii)逆転写酵素活性からなる、項目25に記載の方法。
(項目27)
増幅の前または増幅の間に前記試料核酸を変性させるステップを含まない、項目23~26のいずれか一項に記載の方法。
(項目28)
前記試料核酸を、増幅の前または増幅の間にエンドヌクレアーゼと接触させない、項目23~27のいずれか一項に記載の方法。
(項目29)
前記試料核酸を、増幅の前または増幅の間に巻き戻し剤と接触させない、項目23~28のいずれか一項に記載の方法。
(項目30)
前記試料核酸を、増幅の前または増幅の間にヘリカーゼと接触させない、項目23~29のいずれか一項に記載の方法。
(項目31)
前記試料核酸を、増幅の前または増幅の間にリコンビナーゼと接触させない、項目23~30のいずれか一項に記載の方法。
(項目32)
前記試料核酸を、増幅の前または増幅の間に一本鎖DNA結合性タンパク質と接触させない、項目23~31のいずれか一項に記載の方法。
(項目33)
前記試料核酸が、増幅の前に非修飾である、項目23~32のいずれか一項に記載の方法。
(項目34)
非修飾の前記試料核酸が破砕細胞に由来する、項目33に記載の方法。
(項目35)
前記試料核酸がDNAを含む、項目23~34のいずれか一項に記載の方法。
(項目36)
前記試料核酸がゲノムDNAを含む、項目35に記載の方法。
(項目37)
前記試料核酸がRNAを含む、項目23~34のいずれか一項に記載の方法。
(項目38)
前記試料核酸がウイルスRNAを含む、項目37に記載の方法。
(項目39)
前記試料核酸が細菌RNAを含む、項目37に記載の方法。
(項目40)
前記試料核酸が一本鎖核酸を含む、項目23~39のいずれか一項に記載の方法。
(項目41)
前記試料核酸が、第1の鎖および第2の鎖を含む二本鎖核酸を含む、項目23~39のいずれか一項に記載の方法。
(項目42)
前記少なくとも1つのオリゴヌクレオチドが第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチドを含む、項目23~41のいずれか一項に記載の方法。
(項目43)
前記少なくとも1つのオリゴヌクレオチドが第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチドからなる、項目23~41のいずれか一項に記載の方法。
(項目44)
前記第1のオリゴヌクレオチドおよび前記第2のオリゴヌクレオチドがそれぞれ8~16塩基を含む、項目42または43に記載の方法。
(項目45)
前記第1のオリゴヌクレオチドが、前記試料核酸の前記第1の鎖中の標的配列に相補的な第1のポリヌクレオチドを含み、かつ前記第2のオリゴヌクレオチドが、前記試料核酸の前記第2の鎖中の標的配列に相補的な第2のポリヌクレオチドを含む、項目42、43、または44に記載の方法。
(項目46)
前記第1のオリゴヌクレオチドが、前記試料核酸の前記第1の鎖中の標的配列に連続的に相補的な第1のポリヌクレオチドを含み、かつ前記第2のオリゴヌクレオチドが、前記試料核酸の前記第2の鎖中の標的配列に連続的に相補的な第2のポリヌクレオチドを含む、項目42、43、または44に記載の方法。
(項目47)
前記第1のオリゴヌクレオチドが、前記試料核酸の前記第1の鎖中の標的配列に連続的に相補的な第1のポリヌクレオチドからなり、かつ前記第2のオリゴヌクレオチドが、前記試料核酸の前記第2の鎖中の標的配列に連続的に相補的な第2のポリヌクレオチドからなる、項目42、43、または44に記載の方法。
(項目48)
試料核酸が、増幅の前に被験体から得られる、項目23~47のいずれか一項に記載の方法。
(項目49)
精製されていない試料核酸が増幅される、項目23~48のいずれか一項に記載の方法。
(項目50)
精製された試料核酸が増幅される、項目23~48のいずれか一項に記載の方法。
(項目51)
増幅の前に試料核酸を精製するステップをさらに含む、項目23~48のいずれか一項に記載の方法。
(項目52)
前記超好熱菌ポリメラーゼ活性が、超好熱菌ポリメラーゼまたはその機能的断片によって提供される、項目23~51のいずれか一項に記載の方法。
(項目53)
前記超好熱菌ポリメラーゼ活性が、超好熱菌ポリメラーゼと少なくとも約90%同一のアミノ酸配列を含むポリメラーゼまたはその機能的断片によって提供される、項目23~51のいずれか一項に記載の方法。
(項目54)
前記超好熱菌ポリメラーゼ活性が、古細菌の超好熱菌ポリメラーゼまたはその機能的断片によって提供される、項目23~51のいずれか一項に記載の方法。
(項目55)
前記超好熱菌ポリメラーゼ活性が、配列番号8のアミノ酸配列を含むポリメラーゼまたはその機能的断片によって提供される、項目23~54のいずれか一項に記載の方法。
(項目56)
前記超好熱菌ポリメラーゼ活性が、配列番号8のアミノ酸配列と少なくとも約90%同一のアミノ酸配列を含むポリメラーゼまたはその機能的断片によって提供される、項目23~54のいずれか一項に記載の方法。
(項目57)
前記超好熱菌ポリメラーゼ活性が、エキソヌクレアーゼ活性が低いポリメラーゼによって提供される、項目23~56のいずれか一項に記載の方法。
(項目58)
前記超好熱菌ポリメラーゼ活性が、エキソヌクレアーゼ活性を有しないポリメラーゼによって提供される、項目23~56のいずれか一項に記載の方法。
(項目59)
前記増幅が約55℃から約75℃の一定温度で行われる、項目23~58のいずれか一項に記載の方法。
(項目60)
前記増幅が約55℃から約65℃の一定温度で行われる、項目23~58のいずれか一項に記載の方法。
(項目61)
前記増幅が約65℃の一定温度で行われる、項目23~58のいずれか一項に記載の方法。
(項目62)
前記増幅が約60℃の一定温度で行われる、項目23~58のいずれか一項に記載の方法。
(項目63)
前記核酸増幅産物が、10分またはそれ未満以内に検出可能である、項目23~62のいずれか一項に記載の方法。
(項目64)
前記核酸増幅産物が、前記試料核酸中の標的配列に連続的に相補的なまたはそれと実質的に同一のポリヌクレオチドを含む、項目23~63のいずれか一項に記載の方法。
(項目65)
前記核酸増幅産物が、前記試料核酸中の標的配列に連続的に相補的なまたはそれと実質的に同一のポリヌクレオチドからなる、項目23~63のいずれか一項に記載の方法。
(項目66)
前記核酸増幅産物が、約20~40塩基の長さである、項目23~65のいずれか一項に記載の方法。
(項目67)
前記核酸増幅産物が、i)前記第1のオリゴヌクレオチドの前記第1のポリヌクレオチドに連続的に相補的なまたはそれと実質的に同一の第1のヌクレオチド配列、ii)前記第2のオリゴヌクレオチドの前記第2のポリヌクレオチドに連続的に相補的なまたはそれと実質的に同一の第2のヌクレオチド配列、およびiii)前記第1のヌクレオチド配列および前記第2のヌクレオチド配列に挟まれているスペーサー配列を含む、項目43~66のいずれか一項に記載の方法。
(項目68)
前記核酸増幅産物が、i)前記第1のオリゴヌクレオチドの前記第1のポリヌクレオチドに連続的に相補的なまたはそれと実質的に同一の第1のヌクレオチド配列、ii)前記第2のオリゴヌクレオチドの前記第2のポリヌクレオチドに連続的に相補的なまたはそれと実質的に同一の第2のヌクレオチド配列、およびiii)前記第1のヌクレオチド配列および前記第2のヌクレオチド配列に挟まれているスペーサー配列からなる、項目43~66のいずれか一項に記載の方法。
(項目69)
前記スペーサー配列が1~10塩基を含む、項目67または68に記載の方法。
(項目70)
前記スペーサー配列が1~5塩基を含む、項目67または68に記載の方法。
(項目71)
前記スペーサー配列が、前記第1のオリゴヌクレオチドの前記第1のポリヌクレオチドに相補的でなくそれと同一でもなく、かつ前記第2のオリゴヌクレオチドの前記第2のポリヌクレオチドに相補的でなくそれと同一でもない、項目67~70のいずれか一項に記載の方法。
(項目72)
前記スペーサー配列が、前記試料核酸中の標的配列の一部分に連続的に相補的またはそれと実質的に同一である、項目67~71のいずれか一項に記載の方法。
(項目73)
前記核酸増幅産物を検出するステップをさらに含む、項目23~72のいずれか一項に記載の方法。
(項目74)
前記核酸増幅産物を検出するステップが、前記試料核酸を、前記超好熱菌ポリメラーゼ活性を提供する前記成分および前記少なくとも1つのオリゴヌクレオチドと接触させた時から10分またはそれ未満以内に行われる、項目73に記載の方法。
(項目75)
前記核酸増幅産物を検出するステップが、リアルタイム検出方法の使用を含む、項目73または74に記載の方法。
(項目76)
前記核酸増幅産物を検出するステップが、蛍光シグナルの検出を含む、項目73、74、または75に記載の方法。
(項目77)
前記蛍光シグナルが分子ビーコンに由来する、項目76に記載の方法。
(項目78)
前記核酸増幅産物を、i)前記増幅産物中の配列に相補的なポリヌクレオチド、ならびにii)フルオロフォアおよび消光剤を含むシグナル生成オリゴヌクレオチドと接触させるステップをさらに含む、項目23~77のいずれか一項に記載の方法。
(項目79)
前記少なくとも1つのオリゴヌクレオチドの1つまたは複数が、前記試料核酸中の配列に相補的でないポリヌクレオチドであって、シグナル生成オリゴヌクレオチドにハイブリダイズするポリヌクレオチドを含み、かつ前記方法が、前記増幅産物を、フルオロフォアおよび消光剤を含む前記シグナル生成オリゴヌクレオチドと接触させるステップをさらに含む、項目23~78のいずれか一項に記載の方法。
(項目80)
単一の反応容量中で行われる、項目23~79のいずれか一項に記載の方法。
(項目81)
単一の反応容器中で行われる、項目23~80のいずれか一項に記載の方法。
(項目82)
マルチプレックス増幅を含む、項目23~81のいずれか一項に記載の方法。
(項目83)
前記試料核酸を、増幅の前または増幅の間に切断剤と接触させない、項目23~82のいずれか一項に記載の方法。
(項目84)
試料核酸中の標的配列の存在、非存在、または量を決定するためのキットであって、
a)ヘリカーゼ不含の等温増幅条件下で前記試料核酸中の標的配列を増幅するための成分であって、以下:
i)第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチドであって、前記第1のオリゴヌクレオチドが、前記標的配列の第1の鎖中の配列に連続的に相補的な第1のポリヌクレオチドを含み、かつ前記第2のオリゴヌクレオチドが、前記標的配列の第2の鎖中の配列に連続的に相補的な第2のポリヌクレオチドを含み、前記標的配列の前記第1の鎖および前記第2の鎖が互いに相補的である、第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチド、ならびに
ii)超好熱菌ポリメラーゼ活性を提供する少なくとも1つの成分
を含む、成分と、
b)核酸増幅産物のリアルタイム検出活性を提供する少なくとも1つの成分と
を含む、キット。
(項目85)
前記第1のオリゴヌクレオチドが、前記標的配列の第1の鎖中の配列に連続的に相補的な第1のポリヌクレオチドから本質的になり、かつ前記第2のオリゴヌクレオチドが、前記標的配列の第2の鎖中の配列に連続的に相補的な第2のポリヌクレオチドから本質的になる、項目84に記載のキット。
(項目86)
前記第1のオリゴヌクレオチドが、前記標的配列の第1の鎖中の配列に連続的に相補的な第1のポリヌクレオチドからなり、かつ前記第2のオリゴヌクレオチドが、前記標的配列の第2の鎖中の配列に連続的に相補的な第2のポリヌクレオチドからなる、項目84に記載のキット。
(項目87)
試料核酸中の標的配列の存在、非存在、または量を決定するためのキットであって、
a)ヘリカーゼ不含の等温増幅条件下で前記試料核酸中の標的配列を増幅するための成分であって、以下:
i)第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチドであって、前記第1のオリゴヌクレオチドが、前記標的配列の第1の鎖中の配列に連続的に相補的な第1のポリヌクレオチドからなり、かつ前記第2のオリゴヌクレオチドが、前記標的配列の第2の鎖中の配列に連続的に相補的な第2のポリヌクレオチドからなり、前記標的配列の前記第1の鎖および前記第2の鎖が互いに相補的である、第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチド、ならびに
ii)超好熱菌ポリメラーゼ活性を提供する少なくとも1つの成分
を含む、成分と、
b)核酸増幅産物のリアルタイム検出活性を提供する少なくとも1つの成分と
を含む、キット。
(項目88)
前記試料核酸が、ヘリカーゼ不含かつリコンビナーゼ不含の等温増幅条件下で増幅される、項目84~87のいずれか一項に記載のキット。
(項目89)
前記試料核酸が、ヘリカーゼ不含、リコンビナーゼ不含、かつ切断剤不含の等温増幅条件下で増幅される、項目84~87のいずれか一項に記載のキット。
(項目90)
超好熱菌ポリメラーゼ活性を提供する前記少なくとも1つの成分が、超好熱菌ポリメラーゼもしくはその機能的断片、または超好熱菌ポリメラーゼと少なくとも約90%同一のアミノ酸配列を含むポリメラーゼもしくはその機能的断片を含む、項目84~89のいずれか一項に記載のキット。
(項目91)
超好熱菌ポリメラーゼ活性を提供する前記少なくとも1つの成分が、超好熱菌ポリメラーゼもしくはその機能的断片、または超好熱菌ポリメラーゼと少なくとも約90%同一のアミノ酸配列を含むポリメラーゼもしくはその機能的断片からなる、項目84~89のいずれか一項に記載のキット。
(項目92)
前記超好熱菌ポリメラーゼ活性が、古細菌の超好熱菌ポリメラーゼまたはその機能的断片によって提供される、項目84~91のいずれか一項に記載のキット。
(項目93)
前記超好熱菌ポリメラーゼ活性が、配列番号8のアミノ酸配列を含むポリメラーゼまたはその機能的断片によって提供される、項目84~92のいずれか一項に記載のキット。(項目94)
前記超好熱菌ポリメラーゼ活性が、配列番号8のアミノ酸配列と少なくとも約90%同一のアミノ酸配列を含むポリメラーゼまたはその機能的断片によって提供される、項目84~92のいずれか一項に記載のキット。
(項目95)
前記超好熱菌ポリメラーゼ活性が、エキソヌクレアーゼ活性が低いポリメラーゼによって提供される、項目84~94のいずれか一項に記載のキット。
(項目96)
前記超好熱菌ポリメラーゼ活性が、エキソヌクレアーゼ活性を有しないポリメラーゼによって提供される、項目84~94のいずれか一項に記載のキット。
(項目97)
要素(a)(ii)が、逆転写酵素活性を提供する少なくとも1つの成分をさらに含む、項目84~96のいずれか一項に記載のキット。
(項目98)
超好熱菌ポリメラーゼ活性を提供する前記少なくとも1つの成分が逆転写酵素活性をさらに提供する、項目84~96のいずれか一項に記載のキット。
(項目99)
前記第1のオリゴヌクレオチドおよび前記第2のオリゴヌクレオチドがそれぞれ8~16塩基を含む、項目84~98のいずれか一項に記載のキット。
(項目100)
前記リアルタイム検出活性が分子ビーコンによって提供される、項目84~99のいずれか一項に記載のキット。
(項目101)
試料核酸中の標的配列の存在、非存在、または量を決定するための方法を実施するための指示をさらに含み、前記方法が、
a)前記試料核酸中の標的配列を増幅するステップであって、
前記標的配列が第1の鎖および第2の鎖を含み、
前記第1の鎖および前記第2の鎖が互いに相補的であり、
かつ前記増幅するステップが、ヘリカーゼ不含の等温増幅条件下で非変性試料核酸を
i)第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチドであって、前記第1のオリゴヌクレオチドが前記第1の鎖中の配列に連続的に相補的な第1のポリヌクレオチドを含み、かつ前記第2のオリゴヌクレオチドが前記第2の鎖中の配列に連続的に相補的な第2のポリヌクレオチドを含む、第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチド、ならびに
ii)超好熱菌ポリメラーゼ活性を提供する少なくとも1つの成分
と接触させることによって核酸増幅産物を生成することを含み、前記核酸増幅産物が、1)前記第1のオリゴヌクレオチドの前記第1のポリヌクレオチドに連続的に相補的なまたはそれと実質的に同一の第1のヌクレオチド配列、2)前記第2のオリゴヌクレオチドの前記第2のポリヌクレオチドに連続的に相補的なまたはそれと実質的に同一の第2のヌクレオチド配列、および3)1~10塩基を含むスペーサー配列を含み、かつ
前記スペーサー配列が前記第1のヌクレオチド配列および前記第2のヌクレオチド配列に挟まれている、ステップと、
b)前記核酸増幅産物を検出するステップであって、リアルタイム検出方法の使用を含み、かつ前記試料核酸を(a)(i)および(a)(ii)と接触させた時から10分またはそれ未満以内に行われ、それによって試料核酸中の標的配列の存在、非存在、または量が決定される、ステップと
を含む、項目84~100のいずれか一項に記載のキット。
(項目102)
前記第1のオリゴヌクレオチドが、前記第1の鎖中の配列に連続的に相補的な第1のポリヌクレオチドから本質的になり、かつ前記第2のオリゴヌクレオチドが、前記第2の鎖中の配列に連続的に相補的な第2のポリヌクレオチドから本質的になり、かつ/または、前記核酸増幅産物が、1)前記第1のオリゴヌクレオチドの前記第1のポリヌクレオチドに連続的に相補的なまたはそれと実質的に同一の第1のヌクレオチド配列、2)前記第2のオリゴヌクレオチドの前記第2のポリヌクレオチドに連続的に相補的なまたはそれと実質的に同一の第2のヌクレオチド配列、および3)1~10塩基を含むスペーサー配列から本質的になる、項目101に記載のキット。
(項目103)
前記第1のオリゴヌクレオチドが、前記第1の鎖中の配列に連続的に相補的な第1のポリヌクレオチドからなり、かつ前記第2のオリゴヌクレオチドが、前記第2の鎖中の配列に連続的に相補的な第2のポリヌクレオチドからなり、かつ/または、前記核酸増幅産物が、1)前記第1のオリゴヌクレオチドの前記第1のポリヌクレオチドに連続的に相補的なまたはそれと実質的に同一の第1のヌクレオチド配列、2)前記第2のオリゴヌクレオチドの前記第2のポリヌクレオチドに連続的に相補的なまたはそれと実質的に同一の第2のヌクレオチド配列、および3)1~10塩基を含むスペーサー配列からなる、項目101に記載のキット。
(項目104)
試料核酸中の標的配列の存在、非存在、または量を決定するための方法を実施するための指示をさらに含み、前記方法が、
a)前記試料核酸中の標的配列を増幅するステップであって、
前記標的配列が第1の鎖および第2の鎖を含み、
前記第1の鎖および前記第2の鎖が互いに相補的であり、
かつ前記増幅するステップが、ヘリカーゼ不含の等温増幅条件下で非変性試料核酸を
i)第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチドであって、前記第1のオリゴヌクレオチドが、前記第1の鎖中の配列に連続的に相補的な第1のポリヌクレオチドからなり、かつ前記第2のオリゴヌクレオチドが、前記第2の鎖中の配列に連続的に相補的な第2のポリヌクレオチドからなる、第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチド、ならびに
ii)超好熱菌ポリメラーゼ活性を提供する少なくとも1つの成分
と接触させることによって核酸増幅産物を生成することを含み、前記核酸増幅産物が、1)前記第1のオリゴヌクレオチドの前記第1のポリヌクレオチドに連続的に相補的なまたはそれと実質的に同一の第1のヌクレオチド配列、2)前記第2のオリゴヌクレオチドの前記第2のポリヌクレオチドに連続的に相補的なまたはそれと実質的に同一の第2のヌクレオチド配列、および3)1~10塩基を含むスペーサー配列からなり、かつ
前記スペーサー配列が前記第1のヌクレオチド配列および前記第2のヌクレオチド配列に挟まれている、ステップと、
b)前記核酸増幅産物を検出するステップであって、リアルタイム検出方法の使用を含み、かつ前記試料核酸を(a)(i)および(a)(ii)と接触させた時から10分またはそれ未満以内に行われ、それによって試料核酸中の標的配列の存在、非存在、または量が決定される、ステップと
を含む、項目84~100のいずれか一項に記載のキット。
(項目105)
前記方法が、増幅の前または増幅の間に前記試料核酸を変性させるステップを含まない、項目101~104のいずれか一項に記載のキット。
(項目106)
前記試料核酸を、増幅の前、間、または後にエンドヌクレアーゼと接触させない、項目101~105のいずれか一項に記載のキット。
(項目107)
前記試料核酸が、増幅の前に非修飾である、項目101~106のいずれか一項に記載のキット。
(項目108)
非修飾の前記試料核酸が破砕細胞に由来する、項目107に記載のキット。
(項目109)
前記試料核酸がDNAを含む、項目101~108のいずれか一項に記載のキット。
(項目110)
前記試料核酸がゲノムDNAを含む、項目109に記載のキット。
(項目111)
前記試料核酸がRNAを含む、項目101~108のいずれか一項に記載のキット。
(項目112)
前記試料核酸がウイルスRNAを含む、項目111に記載のキット。
(項目113)
前記試料核酸が細菌RNAを含む、項目111に記載のキット。
(項目114)
前記試料核酸が一本鎖核酸を含む、項目101~113のいずれか一項に記載のキット。
(項目115)
前記試料核酸が二本鎖核酸を含む、項目101~113のいずれか一項に記載のキット。
(項目116)
試料核酸が、増幅の前に被験体から得られる、項目101~115のいずれか一項に記載のキット。
(項目117)
精製されていない試料核酸が増幅される、項目101~116のいずれか一項に記載のキット。
(項目118)
精製された試料核酸が増幅される、項目101~116のいずれか一項に記載のキット。
(項目119)
前記方法が、増幅の前に試料核酸を精製するステップをさらに含む、項目101~118のいずれか一項に記載のキット。
(項目120)
前記増幅が約55℃から約75℃の一定温度で行われる、項目101~119のいずれか一項に記載のキット。
(項目121)
前記増幅が約55℃から約65℃の一定温度で行われる、項目101~119のいずれか一項に記載のキット。
(項目122)
前記増幅が約65℃の一定温度で行われる、項目101~119のいずれか一項に記載のキット。
(項目123)
前記増幅が約60℃の一定温度で行われる、項目101~119のいずれか一項に記載のキット。
(項目124)
前記核酸増幅産物が約20~40塩基の長さである、項目101~123のいずれか一項に記載のキット。
(項目125)
前記スペーサー配列が1~5塩基を含む、項目101~124のいずれか一項に記載のキット。
(項目126)
前記スペーサー配列が、前記第1のオリゴヌクレオチドの前記第1のポリヌクレオチドに相補的でなくそれと同一でもなく、かつ前記第2のオリゴヌクレオチドの前記第2のポリヌクレオチドに相補的でなくそれと同一でもない、項目101~125のいずれか一項に記載のキット。
(項目127)
前記スペーサー配列が、前記試料核酸中の標的配列の一部分に連続的に相補的またはそれと実質的に同一である、項目101~126のいずれか一項に記載のキット。
(項目128)
前記核酸増幅産物を検出するステップが、蛍光シグナルの検出を含む、項目101~127のいずれか一項に記載のキット。
(項目129)
前記蛍光シグナルが分子ビーコンに由来する、項目128に記載のキット。
(項目130)
前記方法が、前記核酸増幅産物を、i)前記増幅産物中の配列に相補的なポリヌクレオチド、ならびにii)フルオロフォアおよび消光剤を含むシグナル生成オリゴヌクレオチドと接触させるステップをさらに含む、項目101~129のいずれか一項に記載のキット。
(項目131)
前記方法が単一の反応容量中で行われる、項目101~130のいずれか一項に記載のキット。
(項目132)
前記方法が単一の反応容器中で行われる、項目101~131のいずれか一項に記載のキット。
(項目133)
前記方法がマルチプレックス増幅を含む、項目101~132のいずれか一項に記載のキット。
【0018】
さらに以下の説明、実施例、特許請求の範囲、および図面において、ある特定の実施形態が説明される。
【0019】
図面は、本技術のある特定の実施形態を説明するものであり、限定的なものではない。イラストの明瞭性および容易さのために、図面は一定の拡大縮小率ではなく、一部の例では、特定の実施形態の理解を促進するために、様々な態様が誇張または拡大されて示されることがある。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、標的のない対照(NTC;陰性対照)として使用されたdH
2Oまたはトリス-EDTA緩衝液(TE)を用いて二連で行ったクラミジアゲノムDNAの増幅反応のリアルタイム検出を示す。
【0021】
【
図2】
図2は、クラミジアゲノムDNAアッセイ産物のエレクトロスプレーイオン化質量分析(ESI-MS)検出を示す。
【0022】
【
図3】
図3は、エンドポイント分子ビーコン検出によるクラミジアゲノムDNAの検出限界(LOD)を示す。
【0023】
【
図4】
図4は、分子ビーコンによるクラミジアゲノムDNAのリアルタイム検出を示す。
【0024】
【
図5-1】
図5は、本明細書中に記載する等温増幅反応の概略図を示す。
【
図5-2】
図5は、本明細書中に記載する等温増幅反応の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
核酸を増幅するための方法および組成物が本明細書中で提供される。従来の核酸増幅方法は、通常、サーモサイクリング処理、核酸の変性、鎖の巻き戻し、鎖の分離、および/もしくは鎖の交換を促進するタンパク質(例えば、酵素)(例えば、ヘリカーゼ、リコンビナーゼ)、ならびに/またはエンドヌクレアーゼ剤(例えば、制限酵素、ニッキング酵素)を必要とし、また最短でも20~30分の反応時間を必要とすることが多い。本明細書中で提供する核酸増幅方法は、サーモサイクリングなし、核酸の変性なし、鎖の巻き戻し、鎖の分離、および/または鎖の交換を促進するタンパク質(例えば、酵素)の追加なし、エンドヌクレアーゼ剤なし、ならびに10分以内の反応時間で行うことができる。
【0026】
核酸、被験体、試料、および核酸の処理
核酸を増幅するための方法および組成物が本明細書中で提供される。「核酸」および「核酸分子」という用語は、本明細書中で交換可能に使用され得る。該用語は、任意の組成の核酸、例えば、DNA(例えば、相補的DNA(cDNA)、ゲノムDNA(gDNA)など)、RNA(例えば、メッセージRNA(mRNA)、短鎖阻害性RNA(siRNA)、リボソームRNA(rRNA)、tRNA、マイクロRNA、および/またはDNAもしくはRNAアナログ(例えば、塩基アナログ、糖アナログ、および/または非天然の骨格などを含有する)、RNA/DNAハイブリッド、およびポリアミド核酸(PNA)を指し、これらの全ては一本鎖または二本鎖の形態であってよく、別段に限定しない限り、天然に存在するヌクレオチドと同様に機能できる天然ヌクレオチドの公知のアナログを包含し得る。核酸は、プラスミド、ファージ、自律複製配列(ARS)、セントロメア、人工染色体、染色体、あるいはin vitroでまたは宿主細胞、細胞、細胞核、ミトコンドリア、もしくはある特定の実施形態では細胞の細胞質中で複製できるまたは複製されることができるその他の核酸であり得、またはこれらに由来し得る。特に限定しない限り、該用語は、参照核酸と類似の結合特性を有し、天然に存在するヌクレオチドと同様に代謝される天然ヌクレオチドの公知のアナログを含有する核酸を包含する。別段に示さない限り、具体的な核酸配列は、明示的に示した配列に加えて、保存的に修飾されたその改変体(例えば、縮重コドン置換)、対立遺伝子、オルソログ、一塩基多型(SNP)、および相補的配列も暗黙的に包含する。具体的には、縮重コドン置換は、1つまたは複数の選択された(または全ての)コドンの3番目の位置が混合塩基および/またはデオキシイノシン残基で置換された配列を生成することによって達成できる。核酸という用語は、遺伝子座、遺伝子、cDNA、および遺伝子によってコードされるmRNAと交換可能に使用され得る。該用語はまた、同等物として、ヌクレオチドアナログ、一本鎖(「センス」または「アンチセンス」、「プラス」鎖または「マイナス」鎖、「フォワード」リーディングフレームまたは「リバース」リーディングフレーム、「フォワード」鎖または「リバース」鎖)および二本鎖ポリヌクレオチドから合成されたRNAまたはDNAの誘導体、改変体、およびアナログも包含し得る。「遺伝子」という用語は、ポリペプチド鎖の産生に関与するDNAのセグメントを意味し、一般に、遺伝子産物の転写/翻訳および転写/翻訳の調節に関与するコーディング領域の前および後の領域(リーダーおよびトレイラー(trailer))、ならびに個々のコーディングセグメント(エクソン)間の介在配列(イントロン)を包含する。ヌクレオチドまたは塩基は、一般に、核酸のプリンおよびピリミジン分子単位(例えば、アデニン(A)、チミン(T)、グアニン(G)、およびシトシン(C))を指す。RNAの場合、塩基チミンはウラシルに置き換えられる。核酸の長さまたはサイズは、塩基数として表すことができる。
【0027】
本明細書中で提供する方法の一部の実施形態では、1つまたは複数の核酸標的が増幅される。標的核酸は、標的配列、標的ポリヌクレオチド、および/または標的ポリヌクレオチド配列と称されることがあり、二本鎖および一本鎖核酸分子を包含し得る。標的核酸は、例えば、DNAまたはRNAであってよい。標的核酸がRNA分子である場合、分子は、例えば、二本鎖、一本鎖であってよく、または、RNA分子は、一本鎖である標的配列を含み得る。標的核酸が二本鎖である場合、標的核酸は、一般に、第1の鎖および第2の鎖を含む。第1の鎖および第2の鎖は、フォワード鎖およびリバース鎖と称されることがあり、一般に互いに相補的である。標的核酸が一本鎖である場合、相補鎖は、例えば重合および/または逆転写によって生成することができ、標的核酸は二本鎖となり、第1/フォワード鎖および第2/リバース鎖を有するようになる。
【0028】
標的配列は、核酸配列のセンスまたはアンチセンス鎖のいずれかを指すことがあり、また、標的核酸上、元々の標的配列の増幅コピー上、または増幅産物上に存在するときの配列を指すこともある。標的配列は、より大きいポリヌクレオチド内の部分配列であってもよい。例えば、標的配列は、増幅のために標的化された、核酸断片、染色体、プラスミド内の短い配列(例えば、20~50塩基)であってもよい。一部の実施形態では、標的配列は、核酸を増幅するために使用されるオリゴヌクレオチド(例えば、プライマー)に相補的な標的核酸中の配列を指すことがある。したがって、標的配列は、増幅のために標的化された配列全体を指してもよいし、またはオリゴヌクレオチドが結合する標的核酸中の部分配列を指してもよい。増幅産物は、標的配列、および少なくとも1つのその他の配列、またはその他のヌクレオチドを含むより大きい分子であってよい。一部の実施形態では、増幅産物は、標的配列とおおよそ同じ長さである。一部の実施形態では、増幅産物は、標的配列と全く同じ長さである。一部の実施形態では、増幅産物は標的配列を含む。一部の実施形態では、増幅産物は標的配列からなる。
【0029】
標的配列の長さ、および/またはグアノシンシトシン(GC)濃度(パーセント)は、増幅反応が行われる温度に部分的に依存することがあり、そしてこの温度は、反応に使用されるポリメラーゼの安定性に部分的に依存することがある。1セットの反応条件のための適切な標的配列の長さおよびGC濃度を決定するための試料アッセイを行うことができる。例えば、ポリメラーゼが60℃~65℃まで安定である場合、標的配列は、例えば19~50ヌクレオチドの長さ、または例えば、約40~50、20~45、20~40、もしくは20~30ヌクレオチドの長さであり得る。これらの条件下のGC濃度は、例えば、60%未満、55%未満、50%未満、または45%未満であり得る。
【0030】
標的核酸は、例えば、ゲノム核酸、プラスミド核酸、ミトコンドリア核酸、細胞性核酸、細胞外核酸、細菌核酸、およびウイルス核酸を含み得る。一部の実施形態では、標的核酸は、ゲノムDNA、染色体DNA、プラスミドDNA、ミトコンドリアのDNA、遺伝子、任意の種類の細胞性RNA、メッセンジャーRNA、細菌RNA、ウイルスRNA、または合成オリゴヌクレオチドを含み得る。ゲノム核酸は、例えば、動物、植物、昆虫、ウイルス、および細菌のゲノム、例えば、胞子中に存在するゲノムなどの任意のゲノム由来の任意の核酸を含み得る。一部の実施形態では、ゲノム標的核酸は、特定のゲノム遺伝子座または複数のゲノム遺伝子座内にあり得る。ゲノム遺伝子座は、オープンリーディングフレームDNA、非転写DNA、イントロン配列、エクストロン配列(extronic sequences)、プロモーター配列、エンハンサー配列、隣接配列、または所与のゲノム遺伝子座に関連すると考えられる任意の配列のいずれかまたは組み合わせを含み得る。
【0031】
一部の実施形態では、標的配列は、1つまたは複数の反復エレメント(例えば、多重反復配列、逆方向反復配列、パリンドローム配列、縦列反復、マイクロサテライト、ミニサテライトなど)を含む。一部の実施形態では、標的配列は、試料核酸内(例えば、核酸断片、染色体、ゲノム、プラスミド内)に反復エレメント(例えば、多重反復配列、逆方向反復配列、パリンドローム配列、縦列反復、マイクロサテライト反復、ミニサテライト反復など)として存在する。例えば、標的配列は、反復エレメントとして複数回存在してよく、かつ反復エレメント内の標的配列の1つ、一部、または全ての存在が、(例えば、単一対のプライマーを使用して)本明細書中に記載する方法を使用して増幅されてもよい。一部の実施形態では、標的配列は、重複および/またはパラログとして試料核酸内(例えば、核酸断片、染色体、ゲノム、プラスミド内)に存在する。
【0032】
標的核酸はマイクロRNAを含み得る。マイクロRNA、miRNA、または小分子RNA(small temporal RNA)(stRNA)は、遺伝子調節に関与する短い(例えば、約21~23ヌクレオチドの長さ)一本鎖のRNA配列である。マイクロRNAは、メッセンジャーRNAの翻訳に干渉することがあり、メッセンジャーRNAに部分的に相補的である。標的核酸は、さらにプロセシングされてmiRNAとなる、一次転写物(pri-miRNA)およびpre-miRNAステムループ構造RNAなどのマイクロRNA前駆体を含み得る。標的核酸は、RNA干渉(例えば、ウイルスの複製または遺伝子発現の下方調節)に関与する短い(例えば、約20~25ヌクレオチドの長さ)少なくとも部分的に二本鎖のRNA分子である短鎖干渉RNA(siRNA)を含み得る。
【0033】
本明細書中に記載する方法において利用される核酸は、任意の好適な生物学的検体または試料から得ることができ、多くの場合、被験体から得られた試料から単離される。被験体は、ヒト、非ヒト動物、植物、細菌、真菌、ウイルス、または原生生物を含むが、これらに限定されない、任意の生きているまたは生きていない生物体であってよい。哺乳動物、爬虫類、鳥類、両生類、魚類、有蹄動物、反すう動物、ウシ科動物(bovine)(例えば、ウシ)、ウマ科動物(equine)(例えば、ウマ)、ヤギ属動物(caprine)およびヒツジ属動物(ovine)(例えば、ヒツジ、ヤギ)、イノシシ科動物(swine)(例えば、ブタ)、ラクダ科動物(camerid)(例えば、ラクダ、ラマ、アルパカ)、サル、類人猿(例えば、ゴリラ、チンパンジー)、クマ科動物(ursid)(例えば、クマ)、家禽、イヌ、ネコ、マウス、ラット、魚類、イルカ、クジラ、およびサメを含むが、これらに限定されない、任意のヒトまたは非ヒト動物を選択することができる。被験体は雄性または雌性であってよく、被験体は任意の年齢(例えば、胚、胎児、乳児、小児、成体)であってよい。
【0034】
試料または試験試料は、被験体またはその一部分から単離または取得された任意の検体であってよい。検体の非限定的な例としては、血液または血液産物(例えば、血清または血漿など)、臍帯血、骨髄、絨毛膜絨毛、羊水、脳脊髄液、脊髄液、洗浄液(例えば、気管支肺胞、胃、腹膜、管、耳、関節鏡のもの)、生検試料、腹腔穿刺試料(celocentesis sample)、細胞(例えば、血液細胞)またはその一部分(例えば、ミトコンドリア、核、または抽出物など)、メスの生殖管の洗液、尿、糞便、痰、唾液、鼻粘液、前立腺液、洗浄液、精液、リンパ液、胆汁、涙液、汗、母乳、乳汁(breast fluid)、硬組織(例えば、肝臓、脾臓、腎臓、肺、または卵巣)などまたはこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない、被験体由来の流体または組織が挙げられる。血液という用語は、全血、血液産物、または血液の任意の画分、例えば、慣習的に定義されるような、血清、血漿、またはバフィコートなどを包含する。血漿とは、抗凝固剤で処理した血液の遠心分離により生じる全血の画分を指す。血清とは、血液試料を凝固させた後に残る流体の水性部分を指す。流体または組織試料は、多くの場合、病院または診療所で一般に従われる標準的なプロトコールに従って回収される。血液の場合、適切な量の末梢血(例えば、3~40ミリリットル)が回収されることが多く、調製の前または後に標準的な手順に従って貯蔵することができる。
【0035】
試料または試験試料としては、胞子、ウイルス、細胞、原核生物もしくは真核生物由来の核酸、または任意の遊離核酸を含有する試料を挙げることができる。例えば、本明細書中に記載する方法は、(例えば、溶解を必要とせずに)胞子の外側の核酸を検出するために使用され得る。試料は、上記の被験体由来のものなどの、標的配列を含有することが疑われる任意の材料から単離され得る。ある特定の例では、標的配列は、生物体を含有することが疑われる空気、植物、土壌、またはその他の材料中に存在し得る。
【0036】
核酸は、当該技術分野で公知の方法によって、1つまたは複数の供給源から取得(例えば、単離、抽出、精製)され得る。生体試料から核酸を単離、抽出、および/または精製するための任意の好適な方法を使用することができ、その非限定的な例としては、当該技術分野におけるDNA調製法、およびQiagenのQIAamp Circulating Nucleic Acid Kit、QiaAmp DNA Mini Kit、またはQiaAmp DNA Blood Mini Kit(Qiagen、Hilden、Germany)、GenomicPrep(商標)Blood DNA Isolation Kit(Promega、Madison、Wis.)、GFX(商標)Genomic Blood DNA Purification Kit(Amersham、Piscataway、N.J.)などの様々な市販されている試薬もしくはキット、またはこれらの組み合わせが挙げられる。
【0037】
一部の実施形態では、細胞溶解手順が行われる。細胞溶解は、(例えば、増幅のために細胞からDNAおよび/またはRNAを放出するために)本明細書中に記載する増幅反応の開始前に行われ得る。細胞溶解手順および試薬は当該技術分野で公知であり、一般に、化学的(例えば、界面活性剤、低張溶液、酵素手順など、またはこれらの組み合わせ)、物理的(例えば、フレンチプレス、超音波処理など)、または電解溶解方法によって行われ得る。任意の好適な溶解手順を利用することができる。例えば、化学的方法は、一般に、細胞を破砕し、細胞から核酸を抽出するための溶解剤、それに引き続いてカオトロピック塩での処理を用いる。一部の実施形態では、細胞溶解は、界面活性剤(例えば、イオン性、非イオン性、陰イオン性、双性イオン性)の使用を含む。一部の実施形態では、細胞溶解は、イオン性界面活性剤(例えば、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、デオキシコレート、コレート、サルコシル)の使用を含む。凍結/解凍それに引き続いて粉砕、細胞破砕機の使用などの物理的方法もまた有用であり得る。高塩濃度溶解手順も使用され得る。例えば、アルカリ溶解手順が利用され得る。後者の手順は従来、フェノール-クロロホルム溶液の使用を組み込んでおり、また、3つの溶液を伴う代替的なフェノール-クロロホルム不含の手順が利用され得る。後者の手順では、例えば、1つの溶液は、15mMトリス、pH8.0;10mM EDTAおよび100μg/mlリボヌクレアーゼAを含有することができ、第2の溶液は、0.2N NaOHおよび1% SDSを含有することができ、第3の溶液は、3M KOAc、pH5.5を含有することができる。一部の実施形態では、本明細書中に記載する方法および成分と組み合わせて細胞溶解緩衝液が使用される。
【0038】
ある特定の実施形態では、核酸は、核酸を含有する試料を処理することなく、本明細書中に記載する方法を実行するために提供され得る。例えば、一部の実施形態では、核酸は、事前の核酸精製なしに、本明細書中に記載する増幅方法を実行するために提供される。一部の実施形態では、標的配列は、(例えば、任意の核酸抽出、単離、精製、および/または部分精製ステップを行うことなく)試料から直接的に増幅される。一部の実施形態では、核酸は、核酸を含有する試料の処理後に本明細書中に記載する方法を実行するために提供される。例えば、核酸は、試料から、抽出、単離、精製、または部分精製され得る。「単離された」という用語は、一般に、核酸がその元々の環境(例えば、天然に存在するものであれば天然の環境、または外因的に発現されたものであれば宿主細胞)から取り除かれたことを指し、したがってヒトの介入によって(例えば、「人間の手により」)その元々の環境から変化している。「単離された核酸」という用語は、被験体(例えば、ヒト被験体)から取り除かれた核酸を指すことができる。単離された核酸は、供給源試料中に存在する成分の量よりも少ない非核酸成分(例えば、タンパク質、脂質、炭水化物)と共に提供され得る。単離された核酸を含む組成物は、非核酸成分を約50%から99%超含まないことがある。単離された核酸を含む組成物は、非核酸成分を約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または99%超含まないことがある。「精製された」という用語は、一般に、提供された核酸が、核酸を精製手順に供する前に存在した非核酸成分(例えば、タンパク質、脂質、炭水化物)の量より少ない非核酸成分を含有することを指す。精製された核酸を含む組成物は、他の非核酸成分を約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または99%超含まないことがある。
【0039】
核酸は、核酸を修飾することなく、本明細書中に記載する方法を実行するために提供され得る。修飾は、例えば、変性、消化、ニッキング、巻き戻し、異種配列の組込みおよび/またはライゲーション、エピジェネティック修飾の付加、標識(例えば、32P、33P、125I、または35Sなどの放射性標識;アルカリホスファターゼなどの酵素標識;フルオレセインイソチオシアネート(FITC)などの蛍光標識;またはビオチン、アビジン、ジゴキシゲニン、抗原、ハプテン、蛍光色素などのその他の標識)の付加などを含み得る。したがって、一部の実施形態では、非修飾核酸が増幅される。
【0040】
増幅
核酸を増幅するための方法が本明細書中で提供される。一部の実施形態では、核酸は、好適な増幅プロセスを使用して増幅される。核酸増幅は、通常、増幅されているヌクレオチド配列に相補的な配列を含有する核酸アンプリコン(コピー)の酵素合成を伴う。一部の実施形態では、増幅方法は、単一の容器、単一のチャンバー、および/または単一の容量(すなわち、連続の容量)中で行われる。一部の実施形態では、増幅方法および検出方法(例えば、本明細書中に記載する検出方法など)は、単一の容器、単一のチャンバー、および/または単一の容量(すなわち、連続の容量)中で行われる。
【0041】
「増幅する」、「増幅」、「増幅反応」、または「増幅すること」という用語は、標的核酸のコピーを増大させるための任意のin vitro処理を指す。増幅は、標的核酸の「指数関数的」な増加を指すことがある。しかしながら、「増幅すること」は、標的核酸の数の直線的な増加を指すこともあるが、1回の、単一のプライマー伸長ステップとは異なる。一部の実施形態では、プレ増幅としても公知である限られた増幅反応を行うことができる。プレ増幅は、10サイクルなど、行われているサイクル数が少ないことにより、限られた量の増幅が起こる方法である。プレ増幅は、ある程度の増幅を許容できるが、対数期の前に増幅を停止し、通常約500コピーの所望のヌクレオチド配列を生成する。プレ増幅の使用は、ある特定の増幅反応における枯渇した反応物に付随する不正確さを制限するものであり得、かつ標的のヌクレオチド配列または種の存在量に起因する増幅バイアスも低減し得る。一部の実施形態では、1回のプライマー伸長が、直線的または指数関数的な増幅への準備として行われ得る。
【0042】
増幅プロセスの一般的説明が本明細書中に提示される。例えば、プライマー(例えば、本明細書中に記載するオリゴヌクレオチド)および標的核酸を接触させ、相補的配列が互いにアニールまたはハイブリダイズする。プライマーは、目的の配列においてまたはその近くにおいて(例えば、その付近で、それに隣接してなど)標的核酸にアニールすることができる。標的へとアニールしたプライマーは、プライマー-標的ハイブリッド、ハイブリダイズしたプライマー-標的、またはプライマー-標的二重鎖と称され得る。目的のヌクレオチド配列に関する場合、近くまたは付近という用語は、プライマーの末端と標的の1つまたは複数のヌクレオチド(例えば、ヌクレオチド配列)との間の距離(例えば、塩基数)または領域を指す。一般に、付近は、目的のヌクレオチドまたはヌクレオチド配列から約1ヌクレオチドから約50ヌクレオチド(例えば、1ヌクレオチド、2ヌクレオチド、3ヌクレオチド、4ヌクレオチド、5ヌクレオチド、6ヌクレオチド、7ヌクレオチド、8ヌクレオチド、9ヌクレオチド、約10ヌクレオチド、約20ヌクレオチド、約30ヌクレオチド、約40ヌクレオチド、約50ヌクレオチド)の範囲内で離れていることである。一部の実施形態では、1セットのプライマー(例えば、一対のプライマー、フォワードおよびリバースプライマー、第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチド)は、目的のヌクレオチドまたはヌクレオチド配列から約1~20ヌクレオチド内でアニールし、増幅産物を生成する。一部の実施形態では、プライマーは、目的のヌクレオチドまたはヌクレオチド配列内でアニールする。アニーリング後、各プライマーはポリメラーゼによって標的(すなわち、鋳型鎖)に沿って伸長されて、相補鎖を生成する。例えば、検出可能な量の増幅産物が生成されるまで、数サイクルのプライマーのアニーリングおよび伸長が実行され得る。一部の実施形態では、標的核酸がRNAである場合、逆転写による増幅ステップの前または間に標的RNAのDNAコピー(cDNA)が合成され得る。
【0043】
増幅反応の成分は、例えば、1つまたは複数のプライマー(例えば、個々のプライマー、プライマー対、プライマーセット、オリゴヌクレオチド、マルチプレックス増幅用の複数のプライマーセットなど)、核酸標的(例えば、試料由来の標的核酸)、1つまたは複数のポリメラーゼ、ヌクレオチド(例えば、dNTPなど)、および好適な緩衝液(例えば、界面活性剤、還元剤、一価イオン、および二価イオンを含む緩衝液)を含み得る。一部の実施形態では、増幅反応は、逆転写酵素をさらに含み得る。一部の実施形態では、増幅反応は、本明細書中に記載する検出剤の1つまたは複数などの、1つまたは複数の検出剤をさらに含み得る。一部の実施形態では、増幅反応の成分は、プライマー、標的核酸、ポリメラーゼ、ヌクレオチド、および好適な緩衝液からなる。一部の実施形態では、増幅反応の成分は、プライマー、標的核酸、ポリメラーゼ、逆転写酵素、ヌクレオチド、および好適な緩衝液からなる。一部の実施形態では、増幅反応の成分は、プライマー、標的核酸、ポリメラーゼ、検出剤、ヌクレオチド、および好適な緩衝液からなる。一部の実施形態では、増幅反応の成分は、プライマー、標的核酸、ポリメラーゼ、逆転写酵素、検出剤、ヌクレオチド、および好適な緩衝液からなる。一部の実施形態では、増幅反応の成分は、プライマー、標的核酸、ポリメラーゼ、ヌクレオチド、および好適な緩衝液から本質的になる。一部の実施形態では、増幅反応の成分は、プライマー、標的核酸、ポリメラーゼ、逆転写酵素、ヌクレオチド、および好適な緩衝液から本質的になる。一部の実施形態では、増幅反応の成分は、プライマー、標的核酸、ポリメラーゼ、検出剤、ヌクレオチド、および好適な緩衝液から本質的になる。一部の実施形態では、増幅反応の成分は、プライマー、標的核酸、ポリメラーゼ、逆転写酵素、検出剤、ヌクレオチド、および好適な緩衝液から本質的になる。増幅反応の成分がある特定の成分から本質的になる場合、増幅に顕著な効果を持たずかつ/または検出可能な産物を生成するために必要でない追加の成分または特徴が含まれ得る。例えば、本明細書中の成分および条件の、等温条件下で増幅を達成しかつ約10分またはそれ未満以内に検出可能な増幅産物を生成する能力に対して顕著な効果を有しない追加の成分または特徴が含まれ得る。そのような追加の成分または特徴は、非必須成分と称することができ、塩、緩衝液、界面活性剤、イオン、油、タンパク質、ポリマーなどの、典型的な反応成分および/または一般的な添加物を含み得る。
【0044】
核酸増幅は、例えば、ジデオキシリボヌクレオシド三リン酸(dNTP)などの天然ヌクレオチド、および/または誘導体化されたヌクレオチドの存在下で実行され得る。天然ヌクレオチドとは、一般に、アデニル酸、グアニル酸、シチジル酸、チミジル酸、またはウリジル酸を指す。誘導体化されたヌクレオチドは、一般に、天然ヌクレオチド以外のヌクレオチドである。ヌクレオチドは、通常、以下の通りに表される。リボヌクレオシド三リン酸はNTPまたはrNTPと称され、ここでNはA、G、C、Uであり得る。デオキシヌクレオシド三リン酸基質はdNTPと称され、ここでNはA、G、C、T、またはUであり得る。単量体ヌクレオチドサブユニットは、特にDNAまたはRNAに言及することなく、本明細書中でA、G、C、T、またはUと表され得る。一部の実施形態では、検出可能な標識(例えば、蛍光または比色定量標識)を含有するアナログなどの、天然に存在しないヌクレオチドまたはヌクレオチドアナログが使用され得る。例えば、核酸増幅は、例えば、32P、33P、125I、または35Sなどの放射性標識、アルカリホスファターゼなどの酵素標識、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)などの蛍光標識、またはビオチン、アビジン、ジゴキシゲニン、抗原、ハプテン、もしくは蛍光色素などのその他の標識などの、標識化dNTPの存在下で実行され得る。一部の実施形態では、核酸増幅は、例えば、熱活性化dNTP(例えば、TriLinkのCleanAmp(商標)dNTP)などの、修飾dNTPの存在下で実行され得る。
【0045】
一部の実施形態では、増幅反応の成分は、非酵素成分および酵素成分を含み得る。非酵素成分は、例えば、プライマー、ヌクレオチド、緩衝液、塩、還元剤、界面活性剤、およびイオンを含み得、一般に、タンパク質(例えば、核酸結合性タンパク質)、酵素、または酵素活性を有するタンパク質、例えば、ポリメラーゼ、逆転写酵素、ヘリカーゼ、トポイソメラーゼ、リガーゼ、エキソヌクレアーゼ、エンドヌクレアーゼ、制限酵素、ニッキング酵素、リコンビナーゼなどを含まない。一部の実施形態では、酵素成分はポリメラーゼからなり得るか、またはポリメラーゼおよび逆転写酵素からなり得る。したがって、そのような酵素成分は、例えば、ヘリカーゼ、トポイソメラーゼ、リガーゼ、エキソヌクレアーゼ、エンドヌクレアーゼ、制限酵素、ニッキング酵素、リコンビナーゼなどの、その他のタンパク質(例えば、核酸結合性タンパク質および/または酵素活性を有するタンパク質)を除外する。
【0046】
一部の実施形態では、増幅条件は酵素活性を含む。通常、酵素活性はポリメラーゼによって提供され、ある特定の例では、酵素活性はポリメラーゼおよび逆転写酵素によって提供される。一部の実施形態では、酵素活性はポリメラーゼ活性からなる。一部の実施形態では、酵素活性はポリメラーゼ活性および逆転写酵素活性からなる。したがって、一部の実施形態では、酵素活性は、例えば、ヘリカーゼ、トポイソメラーゼ、リガーゼ、エキソヌクレアーゼ、エンドヌクレアーゼ、制限酵素、ニッキング酵素、リコンビナーゼなどのその他の酵素によって提供される酵素活性を含まない。ある特定の例では、ポリメラーゼ活性および逆転写酵素活性は、別々の酵素または別々の酵素型(例えば、ポリメラーゼおよび逆転写酵素)によって提供される。ある特定の例では、ポリメラーゼ活性および逆転写酵素活性は、単一の酵素または酵素型(例えば、ポリメラーゼ)によって提供される。
【0047】
一部の実施形態では、核酸の増幅は、非サーモサイクリング型のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を含む。一部の実施形態では、核酸の増幅は、等温増幅プロセスを含む。一部の実施形態では、核酸の増幅は、等温のポリメラーゼ連鎖反応(iPCR)を含む。等温増幅は、一般に、一定温度で行われる増幅プロセスである。等温条件、等温で、および一定温度などの用語は、一般に、増幅反応の過程の間に反応の温度が本質的に一定に保たれる反応条件を指す。等温増幅条件は、一般に、増幅プロセス中のサーモサイクリング(すなわち、高温と低温との間のサイクリング)成分を含まない。等温条件下で増幅する場合、反応は本質的に一定の温度に保たれ得るが、これは、温度は正確に1つの温度に維持されなくてもよいことを意味する。例えば、温度の小さい変動(例えば、±1~5℃)が、例えば、環境上のまたは装置に基づく変数に起因して等温増幅プロセスにおいて起こり得る。多くの場合、反応容量全体が本質的に一定の温度に保たれ、本明細書中の等温反応は一般に、反応容器内で生成された温度勾配および/または対流に基づく温度サイクリングに依拠する増幅条件を含まない。
【0048】
本明細書中の等温増幅反応は本質的に一定の温度で実行され得る。一部の実施形態では、本明細書中の等温増幅反応は約55℃の温度から約75℃の温度で実行される。例えば、本明細書中の等温増幅反応は、約55℃、約56℃、約57℃、約58℃、約59℃、約60℃、約61℃、約62℃、約63℃、約64℃、約65℃、約66℃、約67℃、約68℃、約69℃、約70℃、約71℃、約72℃、約73℃、約74℃、または約75℃の温度で実行され得る。一部の実施形態では、本明細書中の等温増幅反応は、約55℃の温度から約65℃の温度で実行される。例えば、本明細書中の等温増幅反応は、約60℃の温度で実行され得る。本明細書中の等温増幅反応は、約65℃の温度で実行され得る。一部の実施形態では、温度素子(temperature element)(例えば、熱源)は本質的に一定の温度に保たれる。一部の実施形態では、温度素子は、約75℃またはそれ未満の本質的に一定の温度に保たれる。一部の実施形態では、温度素子は、約70℃またはそれ未満の本質的に一定の温度に保たれる。一部の実施形態では、温度素子は、約65℃またはそれ未満の本質的に一定の温度に保たれる。一部の実施形態では、温度素子は、約60℃またはそれ未満の本質的に一定の温度に保たれる。
【0049】
本明細書中の増幅プロセスは、一定の時間にわたって実行され得る。一部の実施形態では、増幅プロセスは、検出可能な核酸増幅産物が生成されるまで実行される。核酸増幅産物は、任意の好適な検出プロセスおよび/または本明細書中に記載する検出プロセスによって検出され得る。一部の実施形態では、増幅プロセスは、約20分またはそれ未満以内の時間にわたって実行される。例えば、増幅プロセスは、約1分、約2分、約3分、約4分、約5分、約6分、約7分、約8分、約9分、約10分、約11分、約12分、約13分、約14分、約15分、約16分、約17分、約18分、約19分、または約20分以内で実行され得る。一部の実施形態では、増幅プロセスは、約10分またはそれ未満以内の時間にわたって実行される。
【0050】
一部の実施形態では、核酸標的は、核酸を変性させる作用物質または条件へ曝露することなく増幅され得る。核酸を変性させる作用物質または条件は、鎖の分離を促進するおよび/または巻き戻しを促進する作用物質または条件を含み得る。一部の実施形態では、核酸標的は、鎖の分離を促進する作用物質または条件へ曝露することなく増幅され得る。一部の実施形態では、核酸標的は、巻き戻しを促進する作用物質または条件へ曝露することなく増幅され得る。一部の実施形態では、標的核酸は、増幅の前または増幅の間に、核酸を変性させるおよび/または鎖の分離を促進するおよび/または巻き戻しを促進する作用物質または条件へと曝露されていない場合に、非変性であるとみなされる。核酸を変性させるおよび/または鎖の分離を促進するおよび/または巻き戻しを促進する作用物質または条件は、例えば、熱的条件(例えば、高温)、pH条件(例えば、高いまたは低いpH)、化学的作用物質、タンパク質(例えば、酵素剤)などを含み得る。
【0051】
一部の実施形態では、核酸標的は、核酸を変性させる作用物質または条件へ曝露することなく増幅され得る。核酸の変性、または融解は、二本鎖核酸が巻き戻されて一本鎖に分離するプロセスである。核酸の変性を促進できる作用物質および条件としては、例えば、熱、高いpH、低いpH、および熱と組み合わせた変性剤(例えば、ホルムアミド)が挙げられる。一部の例では、変性は、核酸を含有する溶液をある特定の温度、例えば75℃より高い、80℃より高い、90℃より高い、95℃より高い、またはより高い温度へと加熱することによって達成され得る。一部の例では、変性は、例えば、熱と組み合わせてNaOH、HCl、およびホルムアミドなどの変性剤へと曝露することによって達成され得る。DNAの変性の具体的な方法は、例えば、Singhら、(1977年)Chomosoma 60巻:377~389頁に記載されている。
【0052】
一部の実施形態では、核酸標的は、鎖の分離および/または巻き戻しを促進する作用物質または条件へ曝露することなく増幅され得る。例えば、核酸標的は、ヘリカーゼへ曝露することなく増幅され得る。ヘリカーゼは、二本鎖核酸を巻き戻して一本鎖に分離できる酵素である。ヘリカーゼの例としては、DNAヘリカーゼQ1、ブルーム症候群タンパク質、ウェルナー症候群タンパク質、DNAヘリカーゼQ4、DNAヘリカーゼQ5、DNAヘリカーゼ2サブユニット1、MCM2、MCM3、MCM、MCM5、MCM6、MCM7、MCM8、MCM9、MCM10、ヌクレオリン、CHD2、CHD7、XPB、XPD、リンパ系特異的ヘリカーゼ、hINO、RuvB様1、RuvB様2、PIF1、Twinkle、BACH1、RecQ5アルファ、RecQ5ベータ、RecQ5ガンマ、およびRTEL1などのヒトDNAヘリカーゼ(およびその他の生物体におけるその同等物);RNAヘリカーゼDDX1、RNAヘリカーゼeIF4A-1、RNAヘリカーゼeIF4A-2、RNAヘリカーゼDDX3X、RNAヘリカーゼDDX3Y、RNAヘリカーゼDDX4、RNAヘリカーゼDDX5、RNAヘリカーゼDDX6、RNAヘリカーゼDHX8、RNAヘリカーゼA、RNAヘリカーゼDDX10、RNAヘリカーゼDDX11、RNAヘリカーゼDDX12、ヘリカーゼSKI2W、RNAヘリカーゼDHX15、RNAヘリカーゼDHX16、RNAヘリカーゼDDX17、RNAヘリカーゼDDX18、RNAヘリカーゼDDX19A、RNAヘリカーゼDDX19B、RNAヘリカーゼDDX20、核小体RNAヘリカーゼ2、RNAヘリカーゼDDX23、RNAヘリカーゼDDX24、RNAヘリカーゼDDX25、RNAヘリカーゼDDX27、RNAヘリカーゼDDX28、RNAヘリカーゼDHX29、RNAヘリカーゼDHX30、RNAヘリカーゼDDX31、RNAヘリカーゼDHX32、RNAヘリカーゼDHX33、RNAヘリカーゼDHX34、RNAヘリカーゼDHX35、RNAヘリカーゼDHX36、RNAヘリカーゼDHX37、RNAヘリカーゼPRP16、RNAヘリカーゼDDX39、RNAヘリカーゼDHX40、RNAヘリカーゼDDX41、RNAヘリカーゼDDX42、RNAヘリカーゼDDX43、RNAヘリカーゼDDX46、RNAヘリカーゼDDX47、RNAヘリカーゼeIF4A-3、RNAヘリカーゼDDX49、RNAヘリカーゼDDX50、RNAヘリカーゼDDX51、RNAヘリカーゼDDX52、RNAヘリカーゼDDX53、RNAヘリカーゼDDX54、RNAヘリカーゼDDX55、RNAヘリカーゼDDX56、RNAヘリカーゼDHX57、RNAヘリカーゼDDX58、RNAヘリカーゼDHX58、RNAヘリカーゼDDX59、RNAヘリカーゼDDX60、スプライセオソームRNAヘリカーゼBAT1、U5.snRNP 200kDaヘリカーゼ、転写調節因子ATRXヘリカーゼ、RNAヘリカーゼSUPV3L1、ミトコンドリアのSuperkiller viralicidic activity 2-like 2、およびファンコニ貧血J群タンパク質などのヒトRNAヘリカーゼ(およびその他の生物体におけるその同等物);ならびに市販されているヘリカーゼが挙げられる。ヘリカーゼの使用を含まない増幅条件は、本明細書中でヘリカーゼ不含の増幅条件と称され得る。
【0053】
一部の実施形態では、核酸標的は、リコンビナーゼへ曝露することなく増幅され得る。リコンビナーゼは、遺伝子組換えに関与する酵素であり、核酸修復(例えば、組換えDNA修復)に関与することがある。リコンビナーゼは、例えば鎖の交換を開始させることができる。リコンビナーゼとしては、例えば、Creリコンビナーゼ、Hinリコンビナーゼ、Treリコンビナーゼ、FLPリコンビナーゼ、RecA、RAD51、RadA、T4 uvsXを挙げることができる。一部の実施形態では、核酸標的は、例えば、リコンビナーゼローディング因子(例えば、T4 uvsY)などのリコンビナーゼアクセサリータンパク質へ曝露することなく増幅され得る。
【0054】
一部の実施形態では、核酸標的は、核酸結合性タンパク質(例えば、一本鎖結合性タンパク質または一本鎖DNA結合性タンパク質(SSB))へ曝露することなく増幅され得る。一本鎖結合性タンパク質は、一般に、未熟なアニーリングを防止するように機能し、ヌクレアーゼによる消化から一本鎖DNAを保護し、かつ/またはDNAから二次構造を取り除いて(例えば、らせん二重鎖を不安定化して)その他の酵素による作用を可能とする。一部の実施形態では、核酸標的は、例えば、T4 gp32などの一本鎖DNA結合性タンパク質へ曝露することなく増幅され得る。
【0055】
一部の実施形態では、核酸標的は、トポイソメラーゼへ曝露することなく増幅され得る。
【0056】
トポイソメラーゼは、一本鎖または二本鎖DNAのいずれかに結合してDNAリン酸骨格を切断することによってDNAのオーバーワインディングまたはアンダーワインディング(underwinding)を調節する酵素である。トポイソメラーゼの使用を含まない増幅条件は、本明細書中でトポイソメラーゼ不含の増幅条件と称され得る。
【0057】
核酸標的は、核酸を不安定化させる作用物質または条件へ曝露して、またはそれらへ曝露することなく増幅され得る。不安定化とは、一般に、(例えば、Lengletら、(2010年)Journal of Nucleic Acids 2010巻、論文ID 290935、17頁に記載されているような、)傾斜させる、回転させる、ねじる、滑らせる、および反転させる効果のうちの1つまたは複数によって核酸分子の全体的な構成および幾何学的配向(例えば、二重らせん構造)を破壊することを指す。不安定化は、一般に、変性について上記したような核酸鎖の融解または分離を指さない。核酸の不安定化は、例えば、挿入物質(intercalator)もしくはアルキル化剤などの作用物質、および/またはホルムアミド、尿素、ジメチルスルホキシド(DMSO)、もしくはN,N,N-トリメチルグリシン(ベタイン)などの化学物質への曝露によって達成され得る。一部の実施形態では、増幅方法は、1つまたは複数の不安定化剤の使用を含み得る。一部の実施形態では、増幅方法は、不安定化剤の使用を除外する。
【0058】
一部の実施形態では、核酸標的は、リガーゼへ曝露することなく増幅され得る。リガーゼは、新たな化学結合を形成させることによってアミノ酸分子の連結を触媒できる酵素である。リガーゼの使用を含まない増幅条件は、本明細書中でリガーゼ不含の増幅条件と称され得る。
【0059】
一部の実施形態では、核酸標的は、RNAレプリカーゼへ曝露することなく増幅され得る。RNAレプリカーゼ、RNA依存性RNAポリメラーゼ(RdRp)、またはRDRは、RNA鋳型からのRNAの複製を触媒する酵素である。RNAレプリカーゼの使用を含まない増幅条件は、本明細書中でRNAレプリカーゼ不含の増幅条件と称され得る。
【0060】
ある特定の実施形態では、核酸標的は、切断も消化もすることなく増幅され得る。例えば、一部の実施形態では、核酸は、1つまたは複数の切断剤へ事前に曝露することなく増幅され、インタクトな核酸が増幅される。ある特定の実施形態では、核酸は、増幅の間に1つまたは複数の切断剤へ曝露することなく増幅される。ある特定の実施形態では、核酸は、増幅後に1つまたは複数の切断剤へ曝露することなく増幅される。切断剤の使用を含まない増幅条件は、本明細書中で切断剤不含の増幅条件と称され得る。「切断剤」という用語は、一般に、1つまたは複数の特異的または非特異的な部位において核酸を切断できる作用物質、時には化学物質または酵素を指す。多くの場合、特異的切断剤は、特定の部位の特定のヌクレオチド配列に従って特異的に切断する。切断剤としては、エンドヌクレアーゼ(例えば、制限酵素、ニッキング酵素など)、エキソヌクレアーゼ(デオキシリボヌクレアーゼ、リボヌクレアーゼ(例えば、リボヌクレアーゼH)、5’-3’エキソヌクレアーゼ(例えば、エキソヌクレアーゼII)、3’-5’エキソヌクレアーゼ(例えば、エキソヌクレアーゼI)、およびポリ(A)特異的3’-5’エキソヌクレアーゼ)、および化学切断剤を挙げることができる。
【0061】
ある特定の実施形態では、核酸標的は、制限酵素および/またはニッキング酵素を使用せずに増幅され得る。制限酵素は、特定の部位においてDNAを切断し、一般に二重鎖(double-stranded duplex)の両方の鎖を切断するタンパク質であり、ニッキング酵素は、二本鎖DNAに結合して二重鎖の一方の鎖を切断するタンパク質である。ある特定の実施形態では、核酸は、制限酵素および/またはニッキング酵素へ事前に曝露することなく増幅される。ある特定の実施形態では、核酸は、増幅の間に制限酵素および/またはニッキング酵素へ曝露することなく増幅される。ある特定の実施形態では、核酸は、増幅後に制限酵素および/またはニッキング酵素へ曝露することなく増幅される。制限酵素の使用を含まない増幅条件は、本明細書中で制限酵素不含の増幅条件と称され得る。ニッキング酵素の使用を含まない増幅条件は、本明細書中でニッキング酵素不含の増幅条件と称され得る。
【0062】
ある特定の実施形態では、核酸標的は、エキソヌクレアーゼ処理なしで増幅され得る。エキソヌクレアーゼは、3’または5’末端のいずれかにおいてホスホジエステル結合を切断する加水分解反応を通じてポリヌクレオチド鎖の末端から1つずつヌクレオチドを切断することによって働く酵素である。エキソヌクレアーゼとしては、例えば、デオキシリボヌクレアーゼ、リボヌクレアーゼ(例えば、リボヌクレアーゼH)、5’-3’エキソヌクレアーゼ(例えば、エキソヌクレアーゼII)、3’-5’エキソヌクレアーゼ(例えば、エキソヌクレアーゼI)、およびポリ(A)特異的3’-5’エキソヌクレアーゼが挙げられる。ある特定の実施形態では、核酸は、増幅の前のエキソヌクレアーゼ処理なしで増幅される。ある特定の実施形態では、核酸は、増幅の間のエキソヌクレアーゼ処理なしで増幅される。ある特定の実施形態では、核酸は、増幅後のエキソヌクレアーゼなしで増幅される。エキソヌクレアーゼの使用を含まない増幅条件は、本明細書中でエキソヌクレアーゼ不含の増幅条件と称され得る。ある特定の実施形態では、核酸は、デオキシリボヌクレアーゼ処理なしで増幅される。ある特定の実施形態では、核酸は、リボヌクレアーゼ処理なしで増幅される。ある特定の実施形態では、核酸は、リボヌクレアーゼH処理なしで増幅される。デオキシリボヌクレアーゼの使用を含まない増幅条件は、本明細書中でデオキシリボヌクレアーゼ不含の増幅条件と称され得る。リボヌクレアーゼの使用を含まない増幅条件は、本明細書中でリボヌクレアーゼ不含の増幅条件と称され得る。リボヌクレアーゼHの使用を含まない増幅条件は、本明細書中でリボヌクレアーゼH不含の増幅条件と称され得る。
【0063】
増幅された核酸は、本明細書中で核酸増幅産物またはアンプリコンと称され得る。一部の実施形態では、増幅産物は、天然に存在するヌクレオチド、天然に存在しないヌクレオチド、ヌクレオチドアナログなど、および前述のものの組み合わせを含み得る。増幅産物は、通常、試料核酸中の配列(例えば、標的配列)またはその相補体と同一または実質的に同一のヌクレオチド配列を有する。増幅産物中の「実質的に同一」のヌクレオチド配列は、一般に、増幅されているヌクレオチド配列またはその相補体との高い程度の配列同一性(例えば、約75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または99%より高い配列同一性)を有し、変異は、ポリメラーゼの不忠実度(infidelity)またはその他の変数の結果であることがある。
【0064】
一部の実施形態では、核酸増幅産物は、試料核酸中の標的配列に連続的に相補的なまたはそれと実質的に同一のポリヌクレオチドを含む。連続的に相補的とは、一般に、例えば第1の鎖中のヌクレオチド配列において、(例えば、5’から3’へ読まれた)順に並んでいる各塩基が第2の鎖中の対応する順序の塩基と対となり、かつ連続的に相補的であると考えられる配列内にギャップも、追加の配列も、対とならない塩基もないことを指す。換言すれば、連続的に相補的とは、一般に、第1の鎖中のヌクレオチド配列の全ての連続する塩基が、第2の鎖中のヌクレオチド配列の対応する連続する塩基に相補的であることを指す。例えば、配列5’-ATGCATGCATGC-3’(配列番号10)を有する第1の鎖は、配列5’-GCATGCATGCAT-3’(配列番号11)を有する第2の鎖に連続的に相補的であると考えられ、この場合、第1の鎖中の全ての連続する塩基は、第2の鎖中の全ての対応する連続する塩基に相補的である。しかしながら、配列5’-ATGCATAAAAAAGCATGC-3’(配列番号12)を有する第1の鎖は、配列5’-GCATGCATGCAT-3’(配列番号11)を有する第2の鎖に連続的に相補的であるとはみなされない。なぜなら、第1の鎖の中央の6個のアデニン(6個のA)の配列が、第2の鎖中の塩基と対とならないからである。連続的に相補的な配列は、時には約5個の連続する塩基から約25個の連続する塩基の長さであり、時には約6個の連続する塩基から約20個の連続する塩基の長さであり、時には約7個の連続する塩基から約18個の連続する塩基の長さであり、時には約8個の連続する塩基から約16個の連続する塩基の長さである。一部の実施形態では、核酸増幅産物は、試料核酸中の標的配列に連続的に相補的なまたはそれと実質的に同一のポリヌクレオチドからなる。したがって、一部の実施形態では、核酸増幅産物は、例えば、テイルドプライマー(tailed primer)もしくはライゲーションによって増幅産物中に組み込まれた追加の配列、および/または切断剤認識部位(例えば、ニッキング酵素認識部位)を提供する追加の配列などの、標的配列に連続的に相補的でなくそれと実質的に同一でもない(例えば、5’および/もしくは3’末端における、または産物内における)いかなる追加の配列も含まない。一般に、標的配列が縦列反復を含まなければ、増幅産物は、縦列反復の形態の産物を含まない。
【0065】
核酸増幅産物は、増幅反応において使用される1つまたは複数のプライマーに相補的なまたはそれと実質的に同一の配列を含み得る。一部の実施形態では、核酸増幅産物は、第1のプライマー配列に連続的に相補的なまたはそれと同一の第1のヌクレオチド配列、および第2のプライマー配列に連続的に相補的なまたはそれと同一の第2のヌクレオチド配列を含む。
【0066】
一部の実施形態では、核酸増幅産物は、スペーサー配列を含む。一般に、増幅産物中のスペーサー配列は、試料核酸中の標的配列の一部分に連続的に相補的なまたはそれと実質的に同一の配列(1つまたは複数の塩基)であり、増幅反応において使用される1つまたは複数のプライマーに相補的なまたはそれと実質的に同一の増幅産物中の配列によって挟まれている。増幅産物中の配列によって挟まれたスペーサー配列は、一般に、(第1のプライマーに相補的なまたはそれと実質的に同一の)第1の配列と(第2のプライマーに相補的なまたはそれと実質的に同一の)第2の配列との間にある。したがって、増幅産物は、通常、第1の配列、その後ろのスペーサー配列、その後ろの第2の配列を含む。スペーサー配列は、一般に、プライマー中の配列に相補的でなくそれと実質的に同一でもない。一部の実施形態では、スペーサー配列は、約1~10塩基を含む。例えば、スペーサー配列は、1塩基、2塩基、3塩基、4塩基、5塩基、6塩基、7塩基、8塩基、9塩基、または10塩基を含む。一部の実施形態では、スペーサー配列は、約1~5塩基を含む。
【0067】
一部の実施形態では、核酸増幅産物は、第1のプライマー配列に連続的に相補的なまたはそれと同一の第1のヌクレオチド配列、第2のプライマー配列に連続的に相補的なまたはそれと同一の第2のヌクレオチド配列、およびスペーサー配列からなる。したがって、一部の実施形態では、核酸増幅産物は、例えば、テイルドプライマーもしくはループプライマー、ライゲーションまたはその他の機序によって増幅産物中に組み込まれた追加の配列などの、第1のプライマー配列および第2のプライマー配列に連続的に相補的でなくそれと同一でもなく、かつスペーサー配列の一部分でもない(例えば、5’および/もしくは3’末端における、または産物内における)いかなる追加の配列も含まない。
【0068】
一部の実施形態では、核酸増幅産物は、第1のプライマー配列に連続的に相補的なまたはそれと同一の第1のヌクレオチド配列、第2のプライマー配列に連続的に相補的なまたはそれと同一の第2のヌクレオチド配列、およびスペーサー配列から本質的になる。したがって、一部の実施形態では、核酸増幅産物は、一般に、例えば、テイルドプライマーもしくはループプライマー、ライゲーションまたはその他の機序によって増幅産物中に組み込まれた追加の配列などの、第1のプライマー配列および第2のプライマー配列に連続的に相補的でなくそれと同一でもなく、かつスペーサー配列の一部分でもない(例えば、5’および/もしくは3’末端における、または産物内における)追加の配列を含まない。しかしながら、そのような実施形態では、核酸増幅産物は、例えば、増幅プロセス中のエラーまたは交雑(promiscuity)によって産物中に導入された(例えば、5’および/もしくは3’末端における、または産物内における)いくつかのミスマッチの(すなわち、非相補的な)塩基またはさらに1つもしくは複数の余分な塩基を含み得る。
【0069】
核酸増幅産物は、50塩基までの長さであり得る。一部の実施形態では、核酸増幅産物は、約15から約40塩基の長さである。例えば、核酸増幅産物は、15塩基の長さ、16塩基の長さ、17塩基の長さ、18塩基の長さ、19塩基の長さ、20塩基の長さ、21塩基の長さ、22塩基の長さ、23塩基の長さ、24塩基の長さ、25塩基の長さ、26塩基の長さ、27塩基の長さ、28塩基の長さ、29塩基の長さ、30塩基の長さ、31塩基の長さ、32塩基の長さ、33塩基の長さ、34塩基の長さ、35塩基の長さ、36塩基の長さ、37塩基の長さ、38塩基の長さ、39塩基の長さ、または40塩基の長さであり得る。一部の実施形態では、増幅産物は、約20から約40塩基の長さである。一部の実施形態では、増幅産物は、約20から約30塩基の長さである。一部の実施形態では、所与の標的配列についての核酸増幅産物は、同じ長さまたは実質的に同じ長さ(例えば、1~5塩基内)を有する。したがって、所与の標的配列についての核酸増幅産物は、単一のシグナル(例えば、電気泳動ゲル上のバンド)を生じ得、また一般に、複数の長さを示す複数のシグナル(例えば、電気泳動ゲル上のラダーまたはスメア)を生じない。マルチプレックス反応の場合、異なる標的配列についての核酸増幅産物は、異なる長さを有し得る。
【0070】
本明細書中に記載する方法および成分は、マルチプレックス増幅のために使用され得る。マルチプレックス増幅とは、一般に、1つより多くの目的の核酸の増幅(例えば、1つより多くの標的配列の増幅)を指す。例えば、マルチプレックス増幅は、同じ試料由来の複数の配列の増幅、または試料中の数個の配列のうちの1つの増幅を指し得る。マルチプレックス増幅はまた、複数の試料中に存在する1つまたは複数の配列を同時にまたは段階的に増幅することも指し得る。
【0071】
例えば、マルチプレックス増幅は、増幅できる最低2つの標的配列を増幅するために使用され得る(例えば、増幅反応は、少なくとも2つの標的配列を増幅するための適切なプライマーおよび酵素を含む)。一部の例では、増幅反応は、少なくとも2つの標的配列を検出するように調製され得るが、試験されている試料中に標的配列のうちの1つのみが存在し得る。そのため、両方の配列が増幅されることができるが、1つの配列のみが増幅される。一部の例では、2つの標的配列が存在する場合、増幅反応は、両方の標的配列の増幅を生じ得る。マルチプレックス増幅反応は、適切なプライマーおよび酵素を含む標的配列の1つ、一部、または全ての増幅を生じ得る。一部の例では、増幅反応は、一対のプライマーにより2つの配列を検出するように調製することができ、ここで1つの配列は標的配列であり、1つの配列は対照配列(例えば、標的配列と同じプライマーによって増幅でき、かつ標的とは異なるスペーサーの塩基または配列を有する合成配列)である。一部の例では、増幅反応は、対応するプライマー対により複数セットの配列を検出するように調製することができ、ここで各セットは、標的配列および対照配列を含む。
【0072】
プライマー
核酸増幅は、一般に、1つまたは複数のプライマーの存在下で実行される。プライマーは、一般に、特定の目的の領域(すなわち、標的配列)においてまたはその近く(例えば、その付近)において標的核酸にハイブリダイズまたはアニールできるヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチドとして特徴付けられる。プライマーは、例えば、標的核酸ヌクレオチド配列の特異的決定または標的核酸の検出(例えば、配列の存在または非存在)もしくはその特徴の検出を可能とし得る。プライマーは、天然に存在するものであってもよいし、合成のものであってもよい。特異的または特異性という用語は、一般に、標的ポリヌクレオチドに対するプライマーなど、ある分子の別の分子に対する結合またはハイブリダイゼーションを指す。すなわち、特異的または特異性とは、2分子間の認識、接触、および安定な複合体の形成であって、これと比べてその他の分子とのこれら2分子のいずれかの認識、接触、または複合体形成が実質的により低いことをいう。アニールまたはハイブリダイズという用語は、一般に、2分子間の安定な複合体の形成を指す。プライマーに言及する場合、プライマー、オリゴ、またはオリゴヌクレオチドという用語は、本明細書中で交換可能に使用され得る。
【0073】
プライマーは、好適なプロセスを使用して設計および合成することができ、また、標的配列にハイブリダイズしかつ本明細書中に記載する増幅プロセスを行うのに好適な任意の長さであり得る。多くの場合、プライマーは、標的核酸中の配列に従って設計される。一部の実施形態では、プライマーは、約5塩基の長さから約30塩基の長さであり得る。例えば、プライマーは、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30塩基の長さであり得る。一部の実施形態では、プライマーは、28塩基未満の長さである。一部の実施形態では、プライマーは、約8から約16塩基の長さである。一部の実施形態では、プライマーは、約10から約12塩基の長さである。プライマーは、天然に存在するおよび/もしくは天然に存在しないヌクレオチド(例えば、修飾ヌクレオチド、標識化ヌクレオチド)、またはこれらの混合物から構成され得る。本明細書中に記載する方法と共に使用するのに好適なプライマーは、任意の好適な技術を使用して合成および標識化され得る。例えば、プライマーは、BeaucageおよびCaruthers、Tetrahedron Letts.、22巻:1859~1862頁、1981年により最初に記載された固相ホスホルアミダイトトリエステル法に従って、Needham-VanDevanterら、Nucleic Acids Res. 12巻:6159~6168頁、1984年に記載されるように自動合成装置を使用して化学合成され得る。プライマーの精製は、例えば、PearsonおよびRegnier、J. Chrom.、255巻:137~149頁、1983年に記載されるように、例えば、非変性アクリルアミドゲル電気泳動または陰イオン交換高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって実行され得る。
【0074】
一部の実施形態では、プライマーは、修飾ヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、プライマーは、修飾ヌクレオチドから本質的になる。一部の実施形態では、プライマーは、修飾ヌクレオチドからなる。ヌクレオチド(または塩基)は、本明細書中に記載するまたは当該技術分野で公知の任意の修飾に従って修飾され得る。修飾は、プライマーの合成の間に為されるものを含むことができ、および/または合成後の修飾を含むことができる。修飾は、内部修飾、プライマーの3’末端における修飾、および/またはプライマーの5’末端における修飾を含み得る。一部の実施形態では、プライマーは、修飾ヌクレオチドと非修飾ヌクレオチドとの混合物を含む。一部の実施形態では、プライマーは、非修飾ヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、プライマーは、非修飾ヌクレオチドから本質的になる。一部の実施形態では、プライマーは、非修飾ヌクレオチドからなる。
【0075】
修飾および修飾塩基としては、例えば、リン酸化(例えば、3’リン酸化、5’リン酸化);付着化学(attachment chemistry)またはリンカー修飾(例えば、Acrydite(商標)、アデニル化、アジド(NHSエステル)、ジゴキシゲニン(NHSエステル)、コレステリル-TEG、I-Linker(商標)、アミノ修飾因子(amino modifiers)(例えば、アミノ修飾因子C6、アミノ修飾因子C12、アミノ修飾因子C6 dT、Uni-Link(商標)アミノ修飾因子)、アルキン(例えば、5’ヘキシニル、5-オクタジイニルdU(5-octadiynyl dU))、ビオチン化(例えば、ビオチン、ビオチン(アジド)、ビオチンdT、ビオチン-TEG、デュアルビオチン、PCビオチン、デスチオビオチン-TEG)、チオール修飾(例えば、チオール修飾因子C3 S-S、ジチオール、チオール修飾因子C6 S-S));フルオロフォア(例えば、Freedom(商標)色素、Alexa Fluor(登録商標)色素、LI-COR IRDyes(登録商標)、ATTO(商標)色素、ローダミン色素、WellRED色素、6-FAM(アジド)、Texas Red(登録商標)-X(NHSエステル)、Lightcycler(登録商標)640(NHSエステル)、Dy 750(NHSエステル));Iowa Black(登録商標)ダーククエンチャー修飾(例えば、Iowa Black(登録商標)FQ、Iowa Black(登録商標)RQ);ダーククエンチャー修飾(例えば、Black Hole Quencher(登録商標)-1、Black Hole Quencher(登録商標)-2、Dabcyl);スペーサー(C3スペーサー、PCスペーサー、ヘキサンジオール、スペーサー9、スペーサー18、1’,2’-ジデオキシリボース(dSpacer);修飾塩基(例えば、2-アミノプリン、2,6-ジアミノプリン(2-アミノ-dA)、5-ブロモdU、デオキシウリジン、逆位dT、逆位ジデオキシ-T、ジデオキシ-C、5-メチルdC、デオキシイノシン、Super T(登録商標)、Super G(登録商標)、ロックド核酸(LNA)、5-ニトロインドール、2’-O-メチルRNA塩基、ヒドロキシメチルdC(hydroxmethyl dC)、UNAアンロックド核酸(unlocked nucleic acid)(例えば、UNA-A、UNA-U、UNA-C、UNA-G)、Iso-dC、Iso-dG、フルオロC、フルオロU、フルオロA、フルオロG);ホスホロチオエート結合修飾(例えば、ホスホロチオエート化(phosphorothioated)DNA塩基、ホスホロチオエート化RNA塩基、ホスホロチオエート化2’O-メチル塩基、ホスホロチオエート化LNA塩基);およびクリック化学修飾を挙げることができる。一部の実施形態では、修飾および修飾塩基としては、ウラシル塩基、リボヌクレオチド塩基、O-メチルRNA塩基、ホスホロチオエート連結、3’リン酸基、スペーサー塩基(C3スペーサーまたはその他のスペーサー塩基など)が挙げられる。例えば、プライマーは、1つまたは複数のO-メチルRNA塩基(例えば、2’-O-メチルRNA塩基)を含み得る。2’-O-メチルRNAは、一般に、tRNAおよびその他の小型RNAにおいて見られるRNAの転写後修飾である。2’-O-メチルRNA塩基を含むプライマーを直接合成することができる。この修飾は、例えば、RNA:RNA二重鎖のTmを増加させることができ、一本鎖のリボヌクレアーゼおよびデオキシリボヌクレアーゼの存在下で安定性を提供することができる。2’-O-メチルRNA塩基は、例えば、安定性および標的配列への結合親和性を増加させるためにプライマー中に含まれ得る。一部の実施形態では、プライマーは、1つまたは複数のホスホロチオエート連結(例えば、ホスホロチオエート結合修飾)を含み得る。ホスホロチオエート(PS)結合は、プライマーのリン酸骨格中の非架橋酸素を硫黄原子に置換する。この修飾は、通常、ヌクレオチド間連結をヌクレアーゼ分解に対して抵抗性にする。ホスホロチオエート結合は、例えばエキソヌクレアーゼ分解を阻害するために、プライマーの5’末端または3’末端における最後の約3~5ヌクレオチドの間に導入され得る。ある特定の例では、プライマーの全体を通じて含まれるホスホロチオエート結合は、エンドヌクレアーゼによる攻撃の低減を助けることができる。一部の実施形態では、プライマーは3’リン酸基を含み得る。3’リン酸化は、ある特定の例では、ある特定の3’-エキソヌクレアーゼによる分解を阻害することができ、DNAポリメラーゼによる伸長を遮断するために使用することができる。一部の実施形態では、プライマーは、1つまたは複数のスペーサー塩基(例えば、1つまたは複数のC3スペーサー)を含み得る。C3スペーサーのホスホルアミダイトは、プライマーの内部または5’末端に組み込むことができる。例えばフルオロフォアまたはその他のペンダント基の付着のための長い親水性スペーサーアームを導入するために、複数のC3スペーサーをプライマーのいずれかの末端に加えてもよい。
【0076】
一部の実施形態では、プライマーはDNA塩基を含む。一部の実施形態では、プライマーはRNA塩基を含む。一部の実施形態では、プライマーは、DNA塩基とRNA塩基との混合物を含む。DNA塩基は、修飾されていてもよいし、非修飾であってもよい。RNA塩基は、修飾されていてもよいし、非修飾であってもよい。一部の実施形態では、プライマーは、DNA塩基(例えば、修飾DNA塩基および/または非修飾DNA塩基)から本質的になる。一部の実施形態では、プライマーは、DNA塩基(例えば、修飾DNA塩基および/または非修飾DNA塩基)からなる。一部の実施形態では、プライマーは非修飾DNA塩基から本質的になる。一部の実施形態では、プライマーは非修飾DNA塩基からなる。一部の実施形態では、プライマーは修飾DNA塩基から本質的になる。一部の実施形態では、プライマーは修飾DNA塩基からなる。一部の実施形態では、プライマーは、RNA塩基(例えば、修飾RNA塩基および/または非修飾RNA塩基)から本質的になる。一部の実施形態では、プライマーは、RNA塩基(例えば、修飾RNA塩基および/または非修飾RNA塩基)からなる。一部の実施形態では、プライマーは非修飾RNA塩基から本質的になる。一部の実施形態では、プライマーは非修飾RNA塩基からなる。一部の実施形態では、プライマーは修飾RNA塩基から本質的になる。一部の実施形態では、プライマーは修飾RNA塩基からなる。
【0077】
一部の実施形態では、プライマーはRNA塩基を含まない。一部の実施形態では、プライマーは、3’末端にRNA塩基を含まない。一部の実施形態では、プライマーは、3’末端にDNA塩基(または修飾DNA塩基)を含む。一部の実施形態では、プライマーはキメラプライマーではない。キメラプライマーは、DNAおよびRNA塩基を含むプライマーである。一部の実施形態では、プライマーは、均質なプライマー(homogeneous primer)である。一部の実施形態では、プライマーは、均質なDNAプライマーである。均質なDNAプライマーは、非修飾DNA塩基、修飾DNA塩基、または修飾DNA塩基と非修飾DNA塩基との混合物を含むことができ、一般にRNA塩基を含まない。
【0078】
一部の実施形態では、プライマーは切断剤認識部位を含まない。例えば、本明細書中のプライマーは、ニッキング酵素認識部位を含まなくてもよい。一部の実施形態では、プライマーはテイルを含まない。一部の実施形態では、プライマーは、ニッキング酵素認識部位を含むテイルを含まない。
【0079】
一部の実施形態では、プライマー配列の全体または一部分は、標的核酸に相補的または実質的に相補的であり得る。配列に関して実質的に相補的とは、一般に、ヌクレオチド配列が互いにハイブリダイズすることを指す。様々な量の配列ミスマッチを許容するために、ハイブリダイゼーション条件のストリンジェンシーを変更することができる。一部の実施形態では、標的およびプライマー配列は、少なくとも75%互いに相補的である。例えば、標的およびプライマー配列は、75%もしくはそれより高く、76%もしくはそれより高く、77%もしくはそれより高く、78%もしくはそれより高く、79%もしくはそれより高く、80%もしくはそれより高く、81%もしくはそれより高く、82%もしくはそれより高く、83%もしくはそれより高く、84%もしくはそれより高く、85%もしくはそれより高く、86%もしくはそれより高く、87%もしくはそれより高く、88%もしくはそれより高く、89%もしくはそれより高く、90%もしくはそれより高く、91%もしくはそれより高く、92%もしくはそれより高く、93%もしくはそれより高く、94%もしくはそれより高く、95%もしくはそれより高く、96%もしくはそれより高く、97%もしくはそれより高く、98%もしくはそれより高く、または99%もしくはそれより高く、互いに相補的であり得る。
【0080】
標的核酸配列に実質的に相補的(complimentary)なプライマーは、通常、標的核酸配列の相補体(compliment)と実質的に同一でもある。すなわち、プライマーは、核酸のアンチセンス鎖と実質的に同一である。配列に関して実質的に同一とは、一般に、ヌクレオチド配列が互いに少なくとも75%同一であることを指す。例えば、標的核酸のアンチセンス鎖と実質的に同一のプライマーは、75%もしくはそれより高く、76%もしくはそれより高く、77%もしくはそれより高く、78%もしくはそれより高く、79%もしくはそれより高く、80%もしくはそれより高く、81%もしくはそれより高く、82%もしくはそれより高く、83%もしくはそれより高く、84%もしくはそれより高く、85%もしくはそれより高く、86%もしくはそれより高く、87%もしくはそれより高く、88%もしくはそれより高く、89%もしくはそれより高く、90%もしくはそれより高く、91%もしくはそれより高く、92%もしくはそれより高く、93%もしくはそれより高く、94%もしくはそれより高く、95%もしくはそれより高く、96%もしくはそれより高く、97%もしくはそれより高く、98%もしくはそれより高く、または99%もしくはそれより高く、互いに同一であり得る。2つのヌクレオチド配列が実質的に同一であるかどうかを決定するための1つの試験は、共有する同一のヌクレオチド配列のパーセントを決定することである。
【0081】
一部の実施形態では、プライマーは一対のプライマーを含む。一対のプライマーは、フォワードプライマーおよびリバースプライマー(例えば、標的核酸のセンスおよびアンチセンス鎖に結合するプライマー)を含み得る。一部の実施形態では、プライマーは、一対のプライマー(すなわち、フォワードプライマーおよびリバースプライマー)からなる。したがって、一部の実施形態では、標的配列の増幅は、一対のプライマーを使用して行われ、追加のプライマーまたはオリゴヌクレオチドは標的配列の増幅に含まれない(例えば、増幅反応成分は、所与の標的配列用の追加のプライマー対も、ネステッドプライマーも、バンパープライマー(bumper primer)も、プライマー以外のオリゴヌクレオチドも、プローブなども含まない)。一部の実施形態では、プライマーは一対のプライマーからなるが、ある特定の例では、マルチプレックス増幅などにおいて、増幅反応は、異なる標的配列を増幅するための追加のプライマー対を含み得る。一部の実施形態では、プライマーは一対のプライマーからなるが、ある特定の例では、増幅反応は、増幅の部分とはみなされない検出プロセスのための追加のプライマー、オリゴヌクレオチド、またはプローブを含み得る。
【0082】
一部の実施形態では、プライマーはセットで使用される。増幅プライマーセットは、所与の標的配列用の一対のフォワードおよびリバースプライマーを含み得る。マルチプレックス増幅の場合、第1の標的配列を増幅するプライマーが1つのプライマーセットとみなされ、第2の標的配列を増幅するプライマーは異なるプライマーセットとみなされる。
【0083】
一部の実施形態では、増幅反応成分は、試料核酸の第1の鎖(例えば、センス鎖、フォワード鎖)中の標的配列に相補的な第1のプライマー(第1のオリゴヌクレオチド)および試料核酸の第2の鎖(例えば、アンチセンス鎖、リバース鎖)中の標的配列に相補的な第2のプライマー(第2のオリゴヌクレオチド)を含む。一部の実施形態では、第1のプライマー(第1のオリゴヌクレオチド)は、試料核酸の第1の鎖中の標的配列に連続的に相補的な第1のポリヌクレオチドを含み、かつ第2のプライマー(第2のオリゴヌクレオチド)は、試料核酸の第2の鎖中の標的配列に連続的に相補的な第2のポリヌクレオチドを含む。プライマー-標的について連続的に相補的とは、一般に、プライマー中のヌクレオチド配列において、順に並んでいる各塩基が標的配列中の対応する順序の塩基と対となり、かつ連続的に相補的と考えられる配列内にギャップも、追加の配列も、対とならない塩基もないことを指す。換言すれば、連続的に相補的とは、一般に、プライマー中のヌクレオチド配列の全ての連続する塩基が標的中のヌクレオチド配列の対応する連続する塩基に相補的であることを指す。
【0084】
一部の実施形態では、第1のプライマー(第1のオリゴヌクレオチド)は、試料核酸の第1の鎖中の標的配列に連続的に相補的な第1のポリヌクレオチドからなり、かつ第2のプライマー(第2のオリゴヌクレオチド)は、試料核酸の第2の鎖中の標的配列に連続的に相補的な第2のポリヌクレオチドからなる。したがって、一部の実施形態では、プライマーは、例えば、テイルドプライマーもしくはループプライマー中に存在する追加の配列、および/または切断剤認識部位(例えば、ニッキング酵素認識部位)を提供する追加の配列などの、標的配列に連続的に相補的ではない(例えば、5’および/もしくは3’末端における、またはプライマー内における)いかなる追加の配列も含まない。一部の実施形態では、増幅反応成分は、例えば、テイルドプライマー、ループプライマー、ステムループ構造、ヘアピン構造を形成できるプライマー、および/または切断剤認識部位(例えば、ニッキング酵素認識部位)を提供する追加の配列などの、追加の配列(すなわち、標的配列に連続的に相補的な配列以外の配列)を含むプライマーを含まない。
【0085】
一部の実施形態では、第1のプライマー(第1のオリゴヌクレオチド)は、試料核酸の第1の鎖中の標的配列に連続的に相補的な第1のポリヌクレオチドから本質的になり、かつ第2のプライマー(第2のオリゴヌクレオチド)は、試料核酸の第2の鎖中の標的配列に連続的に相補的な第2のポリヌクレオチドから本質的になる。したがって、一部の実施形態では、プライマーは、一般に、例えば、テイルドプライマーもしくはループプライマー中に存在する追加の配列、および/または切断剤認識部位(例えば、ニッキング酵素認識部位)を提供する追加の配列などの、標的配列に連続的に相補的ではない(例えば、5’および/もしくは3’末端における、またはプライマー内における)いかなる追加の配列も含まない。しかしながら、そのような実施形態では、プライマーは、プライマーに機能的特徴を付加しない(例えば、5’および/もしくは3’末端における、またはプライマー内における)1つまたは複数の追加の塩基を含み得る。例えば、テイルドプライマーまたはループプライマー中に存在する追加の配列は、一般に、機能的特徴を付加し、そのような実施形態におけるプライマーから除外される。
【0086】
ある特定の実施形態では、プライマーは、1つまたは複数のイノシン、無塩基部位、ロックド核酸、副溝結合因子(minor groove binder)、二重鎖安定化因子(例えば、アクリジン、スペルミジン)、Tm修飾因子、またはプライマーの結合特性を変更する任意の修飾因子などの、修飾を含有し得る。ある特定の実施形態では、プライマーは、検出可能な分子または実体(例えば、フルオロフォア、放射性同位体、比色定量剤(colorimetric agent)、粒子、酵素など)を含有し得る。
【0087】
ポリメラーゼ
一部の実施形態では、増幅反応成分は、1つまたは複数のポリメラーゼを含む。
【0088】
ポリメラーゼは、ヌクレオチドの特異的組込みを触媒して、例えば本明細書中に記載する増幅プライマーなどのプライマー分子の3’ヒドロキシル末端を、(例えば、プライマーがアニールする)核酸標的配列に対して伸長させることができるタンパク質である。ポリメラーゼとしては、例えば、上昇した反応温度(例えば、55℃より高い、60℃より高い、65℃より高い、70℃より高い、75℃より高い、80℃より高い、85℃より高い、90℃より高い、95℃より高い、100℃より高い)において活性を有することができる好熱性または超好熱性ポリメラーゼを挙げることができる。超好熱性ポリメラーゼは、超好熱菌ポリメラーゼと称され得る。超好熱性ポリメラーゼ活性を有するポリメラーゼは、超好熱菌ポリメラーゼ活性を有すると称され得る。ポリメラーゼは鎖置換能力を有していてもよいし、有していなくてもよい。一部の実施形態では、ポリメラーゼは、1回の合成で約1~約50ヌクレオチドを組み込むことができる。例えば、ポリメラーゼは、1回の合成で約5、10、15、20、25、30、35、40、45、または50個のヌクレオチドを組み込み得る。一部の実施形態では、ポリメラーゼは、1回の合成で20~40個のヌクレオチドを組み込むことができる。一部の実施形態では、ポリメラーゼは、1回の合成で50個までのヌクレオチドを組み込むことができる。一部の実施形態では、ポリメラーゼは、1回の合成で40個までのヌクレオチドを組み込むことができる。一部の実施形態では、ポリメラーゼは、1回の合成で30個までのヌクレオチドを組み込むことができる。一部の実施形態では、ポリメラーゼは、1回の合成で20個までのヌクレオチドを組み込むことができる。
【0089】
一部の実施形態では、増幅反応成分は、1つまたは複数のDNAポリメラーゼを含む。一部の実施形態では、増幅反応成分は、下記のものから選択される1つまたは複数のDNAポリメラーゼを含む:9°N DNAポリメラーゼ、9°Nm(商標)DNAポリメラーゼ、Therminator(商標)DNAポリメラーゼ、Therminator(商標)II DNAポリメラーゼ、Therminator(商標)III DNAポリメラーゼ、Therminator(商標)γ DNAポリメラーゼ、Bst DNAポリメラーゼ、Bst DNAポリメラーゼ(大断片)、Phi29 DNAポリメラーゼ、DNAポリメラーゼI(E.coli)、DNAポリメラーゼI、大(クレノー)断片、クレノー断片(3’-5’エキソ-)、T4 DNAポリメラーゼ、T7 DNAポリメラーゼ、Deep VentR(商標)(エキソ-)DNAポリメラーゼ、Deep VentR(商標)DNAポリメラーゼ、DyNAzyme(商標)EXT DNA、DyNAzyme(商標)II Hot Start DNAポリメラーゼ、Phusion(商標)High-Fidelity DNAポリメラーゼ、VentR(登録商標)DNAポリメラーゼ、VentR(登録商標)(エキソ-)DNAポリメラーゼ、RepliPHI(商標)Phi29 DNAポリメラーゼ、rBst DNAポリメラーゼ、大断片(IsoTherm(商標)DNAポリメラーゼ)、MasterAmp(商標)AmpliTherm(商標)DNAポリメラーゼ、Tag DNAポリメラーゼ、Tth DNAポリメラーゼ、Tfl DNAポリメラーゼ、Tgo DNAポリメラーゼ、SP6 DNAポリメラーゼ、Tbr DNAポリメラーゼ、DNAポリメラーゼベータ、およびThermoPhi DNAポリメラーゼ。
【0090】
一部の実施形態では、増幅反応成分は、1つまたは複数の超好熱菌DNAポリメラーゼを含む。一般に、超好熱菌DNAポリメラーゼは高温において熱安定性である。例えば、超好熱菌DNAポリメラーゼは、95℃において約5~10時間の半減期、および100℃において約1~3時間の半減期を有し得る。一部の実施形態では、増幅反応成分は、古細菌由来の1つまたは複数の超好熱菌DNAポリメラーゼを含む。一部の実施形態では、増幅反応成分は、Thermococcus由来の1つまたは複数の超好熱菌DNAポリメラーゼを含む。一部の実施形態では、増幅反応成分は、Thermococcaceae古細菌由来の1つまたは複数の超好熱菌DNAポリメラーゼを含む。一部の実施形態では、増幅反応成分は、Pyrococcus由来の1つまたは複数の超好熱菌DNAポリメラーゼを含む。一部の実施形態では、増幅反応成分は、Methanococcaceae由来の1つまたは複数の超好熱菌DNAポリメラーゼを含む。一部の実施形態では、増幅反応成分は、Methanococcus由来の1つまたは複数の超好熱菌DNAポリメラーゼを含む。一部の実施形態では、増幅反応成分は、Thermus由来の1つまたは複数の超好熱菌DNAポリメラーゼを含む。一部の実施形態では、増幅反応成分は、Thermus thermophilus由来の1つまたは複数の超好熱菌DNAポリメラーゼを含む。
【0091】
一部の実施形態では、増幅反応成分は、超好熱菌DNAポリメラーゼまたはその機能的断片を含む。機能的断片は、一般に、例えば、(例えば、増幅反応において)DNAを重合する能力などの全長ポリメラーゼの1つまたは複数の機能を保持する。一部の例では、機能的断片は、全長ポリメラーゼの機能のレベルの少なくとも約50%であるレベルで機能(例えば、増幅反応におけるDNAの重合)を行う。一部の例では、機能的断片は、全長ポリメラーゼの機能のレベルの少なくとも約75%であるレベルで機能(例えば、増幅反応におけるDNAの重合)を行う。一部の例では、機能的断片は、全長ポリメラーゼの機能のレベルの少なくとも約90%であるレベルで機能(例えば、増幅反応におけるDNAの重合)を行う。一部の例では、機能的断片は、全長ポリメラーゼの機能のレベルの少なくとも約95%であるレベルで機能(例えば、増幅反応におけるDNAの重合)を行う。ポリメラーゼ活性のレベルは、例えば、例えば本明細書中に記載する検出可能な核酸増幅方法などの検出可能な核酸増幅方法を使用して評価することができる。一部の実施形態では、増幅反応成分は、配列番号8のアミノ酸配列を含む超好熱菌DNAポリメラーゼまたは配列番号8の機能的断片を含む。一部の実施形態では、増幅反応成分は、配列番号9のアミノ酸配列を含む超好熱菌DNAポリメラーゼまたは配列番号9の機能的断片を含む。
【0092】
一部の実施形態では、増幅反応成分は、超好熱菌ポリメラーゼと少なくとも約90%同一のアミノ酸配列を含むポリメラーゼまたはその機能的断片(すなわち、超好熱菌ポリメラーゼと少なくとも約90%同一のアミノ酸配列を含むポリメラーゼの本明細書中に記載するような機能的断片)を含む。配列同一性の程度は、例えばアミノ酸配列アラインメントを行うことによって決定することができる。一部の実施形態では、増幅反応成分は、配列番号8のアミノ酸配列と少なくとも約90%同一のアミノ酸配列を含むポリメラーゼまたはその機能的断片(すなわち、配列番号8と少なくとも約90%同一のアミノ酸配列を含むポリメラーゼの本明細書中に記載するような機能的断片)を含む。一部の実施形態では、増幅反応成分は、配列番号8のアミノ酸配列と少なくとも約95%同一のアミノ酸配列を含むポリメラーゼまたはその機能的断片を含む。一部の実施形態では、増幅反応成分は、配列番号8のアミノ酸配列と少なくとも約99%同一のアミノ酸配列を含むポリメラーゼまたはその機能的断片を含む。一部の実施形態では、増幅反応成分は、配列番号9のアミノ酸配列と少なくとも約90%同一のアミノ酸配列を含むポリメラーゼまたはその機能的断片(すなわち、配列番号9と少なくとも約90%同一のアミノ酸配列を含むポリメラーゼの本明細書中に記載するような機能的断片)を含む。一部の実施形態では、増幅反応成分は、配列番号9のアミノ酸配列と少なくとも約95%同一のアミノ酸配列を含むポリメラーゼまたはその機能的断片を含む。一部の実施形態では、増幅反応成分は、配列番号9のアミノ酸配列と少なくとも約99%同一のアミノ酸配列を含むポリメラーゼまたはその機能的断片を含む。
【0093】
一部の実施形態では、ポリメラーゼは、逆転写能力を有し得る。そのような場合、増幅反応は、例えば、別個の逆転写酵素を使用することなく単一のステップで、RNA標的を増幅することができる。逆転写酵素能力を有するポリメラーゼの非限定的な例としては、Bst(大断片)、9°N DNAポリメラーゼ、9°Nm(商標)DNAポリメラーゼ、Therminator(商標)、Therminator(商標)IIなどが挙げられる。一部の実施形態では、増幅反応成分は、1つまたは複数の別個の逆転写酵素を含む。一部の実施形態では、1つより多いポリメラーゼが増幅反応中に含まれ得る。例えば、増幅反応は、逆転写酵素活性を有するポリメラーゼ、および逆転写酵素活性を有しない第2のポリメラーゼを含み得る。
【0094】
一部の実施形態では、エキソヌクレアーゼ活性を有する1つまたは複数のポリメラーゼが増幅の間に使用される。一部の実施形態では、エキソヌクレアーゼ活性を有しない1つまたは複数のポリメラーゼが増幅の間に使用される。一部の実施形態では、エキソヌクレアーゼ活性が低い1つまたは複数のポリメラーゼが増幅の間に使用される。ある特定の例では、エキソヌクレアーゼ活性を有しないまたはエキソヌクレアーゼ活性が低いポリメラーゼは、ポリメラーゼのエキソヌクレアーゼ活性を低下させるまたは除去する1つまたは複数の改変(例えば、アミノ酸置換)を含む。エキソヌクレアーゼ活性が低い改変ポリメラーゼは、非改変のポリメラーゼと比べて10%またはそれより低いエキソヌクレアーゼ活性を有し得る。例えば、エキソヌクレアーゼ活性が低い改変ポリメラーゼは、非改変のポリメラーゼと比べて約10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、または1%未満のエキソヌクレアーゼ活性を有し得る。一部の実施形態では、ポリメラーゼは、5’-3’エキソヌクレアーゼ活性を有しないまたは5’-3’エキソヌクレアーゼ活性が低い。一部の実施形態では、ポリメラーゼは、3’-5’エキソヌクレアーゼ活性を有しないまたは3’-5’エキソヌクレアーゼ活性が低い。一部の実施形態では、ポリメラーゼは、一本鎖依存性エキソヌクレアーゼ活性を有しないまたは一本鎖依存性エキソヌクレアーゼ活性が低い。一部の実施形態では、ポリメラーゼは、二本鎖依存性エキソヌクレアーゼ活性を有しないまたは二本鎖依存性エキソヌクレアーゼ活性が低い。ポリメラーゼのエキソヌクレアーゼ活性を低下させるまたは除去することができるある特定の改変の非限定的な例としては、配列番号8の141位および/もしくは143位および/もしくは458位、または配列番号8の141位および/もしくは143位および/もしくは458位に対応する位置における1つまたは複数のアミノ酸置換が挙げられる。配列番号8中の位置に対応するアミノ酸位置は、例えばアミノ酸配列アラインメントを行うことによって特定され得る。一部の例では、改変は、141位の天然のアミノ酸のアラニンへの置換を含む。一部の例では、改変はD141Aを含む。一部の例では、改変は、143位の天然のアミノ酸のアラニンへの置換を含む。一部の例では、改変はE143Aを含む。一部の例では、改変は、143位の天然のアミノ酸のアスパラギン酸への置換を含む。一部の例では、改変はE143Dを含む。一部の例では、改変は、485位の天然のアミノ酸のロイシンへの置換を含む。一部の例では、改変はA485Lを含む。一部の例では、改変はA485Lを含む。一部の例では、改変はD141A、E143A、およびA485Lを含む。
【0095】
検出および定量化
本明細書中に記載する方法は、核酸増幅産物を検出および/または定量化するステップをさらに含み得る。増幅産物は、例えば本明細書中に記載する任意の検出方法または定量化方法を含む、任意の好適な検出および/または定量化方法によって検出および/または定量化され得る。検出および/または定量化方法の非限定的な例としては、分子ビーコン(例えば、リアルタイム、エンドポイント)、ラテラルフロー、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)、蛍光偏光法(FP)、表面捕捉、5’-3’エキソヌクレアーゼ加水分解プローブ(例えば、TAQMAN)、挿入/結合性色素、吸光度法(例えば、比色定量、濁度)、電気泳動(例えば、ゲル電気泳動、キャピラリー電気泳動)、質量分析、核酸シークエンシング、デジタル増幅、プライマー伸長法(例えば、iPLEX(商標))、AffymetrixのMolecular Inversion Probe(MIP)技術、制限酵素断片長多型(RFLP分析)、対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチド(ASO)分析、メチル化特異的PCR(MSPCR)、パイロシークエンシング分析、acycloprime分析、リバースドットブロット、GeneChipマイクロアレイ、動的対立遺伝子特異的ハイブリダイゼーション(DASH)、ペプチド核酸(PNA)およびロックド核酸(LNA)プローブ、AlphaScreen、SNPstream、遺伝子ビット分析(genetic bit analysis)(GBA)、マルチプレックスミニシークエンシング、SNaPshot、GOODアッセイ、マイクロアレイminiseq、アレイ化プライマー伸長(APEX)、マイクロアレイプライマー伸長、タグアレイ、コード化ミクロスフェア、鋳型特異的組込み(Template-directed incorporation)(TDI)、比色定量オリゴヌクレオチドライゲーションアッセイ(OLA)、配列コード化OLA、マイクロアレイライゲーション、リガーゼ連鎖反応、パッドロックプローブ(padlock probes)、invaderアッセイ、少なくとも1つのプローブを使用するハイブリダイゼーション、少なくとも1つの蛍光標識化プローブを使用するハイブリダイゼーション、クローニングおよびシークエンシング、ハイブリダイゼーションプローブおよび定量的リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(QRT-PCR)の使用、ナノポアシークエンシング、チップ、およびこれらの組み合わせが挙げられる。一部の実施形態では、核酸増幅産物を検出するステップは、リアルタイム検出方法の使用を含む(すなわち、産物は増幅プロセスの間に検出および/または連続的にモニターされる)。一部の実施形態では、核酸増幅産物を検出するステップは、エンドポイント検出方法の使用を含む(すなわち、産物は増幅プロセスの完了または停止後に検出される)。核酸検出方法はまた、標的配列中または標的への相補的配列を含有するプローブ中に直接的に組み込まれた標識化ヌクレオチドの使用を用い得る。そのような標識は、放射性および/または蛍光性のものであってよく、本明細書中に論じる様式のいずれかで解像することができる。一部の実施形態では、核酸増幅産物の定量化は、以下に記載するある特定の検出方法を使用して達成され得る。ある特定の例では、検出方法は、シグナル強度の測定、ならびに/または核酸増幅産物の定量化用の検量線および/もしくはルックアップ表の生成(もしくはそれらへの参照)と組み合わせて使用され得る。
【0096】
一部の実施形態では、核酸増幅産物を検出するステップは分子ビーコン技術の使用を含む。分子ビーコンという用語は、一般に、検出可能な分子であって、ある特定の条件下で該分子の検出可能な特性が検出可能であることによって、該分子が特定の情報シグナルとして機能できるものを指す。検出可能な特性の非限定的な例としては、光学的特性(例えば、蛍光)、電気的特性、磁気的特性、化学的特性、および既知のサイズの開口部を通る時間または速度が挙げられる。核酸分子を検出するための分子ビーコンは、例えば、1つの末端にフルオロフォア、他方の末端に消光色素を含有するヘアピン型オリゴヌクレオチドであり得る。ヘアピンのループは、標的配列に相補的なプローブ配列を含有することができ、ステムはプローブ配列の両側に位置する相補的なアーム配列のアニーリングによって形成されている。フルオロフォアおよび消光分子は、各アームの反対の末端に共有結合的に連結することができる。オリゴヌクレオチドがその相補的標的にハイブリダイズするのを防止する条件下で、または分子ビーコンが溶液中に遊離している時に、蛍光および消光分子は互いに近位にあり、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)を防止する。分子ビーコンが標的分子(例えば、核酸増幅産物)と遭遇した時にハイブリダイゼーションが起こり得、ループ構造が安定なより堅いコンホメーションに転換されてフルオロフォアおよび消光分子の分離を引き起こし、蛍光に繋がる(Tyagiら、Nature Biotechnology 14巻:1996年3月、303~308頁)。プローブの特異性に起因して、蛍光の生成は、一般に、意図した増幅産物の合成のみに起因する。一部の例では、分子ビーコンのプローブ配列は、標的核酸中の配列と同一のまたはそれに相補的な増幅産物中の配列にハイブリダイズする。一部の例では、分子ビーコンのプローブ配列は、標的核酸中の配列と同一でなくそれに相補的でもない増幅産物中の配列にハイブリダイズする(例えば、テイルド増幅プライマーまたはライゲーションによって増幅産物に付加された配列にハイブリダイズする)。
【0097】
分子ビーコンは特異性が高く、一塩基多型を識別することができる。分子ビーコンはまた、異なる色のフルオロフォアおよび異なる標的配列を用いて合成することができ、同じ反応中(例えば、マルチプレックス反応中)でいくつかの産物を同時に検出することが可能となる。定量的増幅プロセスの場合、分子ビーコンは、増幅の各サイクル後に増幅された標的に特異的に結合することができ、そしてハイブリダイズしていない分子ビーコンは暗いので、増幅産物の量を定量的に決定するためにプローブ-標的ハイブリッドを単離する必要がない。生じるシグナルは増幅産物の量に比例する。分子ビーコンを使用する検出は、リアルタイムでまたはエンドポイント検出方法として行うことができる。一部の例では、ある特定の反応条件は、正確度および精度を確実なものとするために、各プライマー/プローブセットについて最適化することができる。
【0098】
一部の実施形態では、核酸増幅産物を検出するステップは、ラテラルフローの使用を含む。ラテラルフローの使用は、通常、ラテラルフローデバイスの使用を含む。これらのデバイスは、一般に、流体が毛管力(capillary force)によって流れる固相流体透過性流路を含む。例示的なデバイスとしては、様々な適切なコーティングを有するディップスティックアッセイおよび薄層クロマトグラフィープレートが挙げられるが、これらに限定されない。試料用の様々な結合性試薬、試料用の結合パートナーまたは結合パートナーを伴うコンジュゲート、およびシグナル生成系が流路上に固定化される。検出は、例えば、酵素的検出、ナノ粒子検出、比色定量検出、および蛍光検出を含むいくつかの様式で達成することができる。酵素的検出は、ラテラルフローデバイスの表面上の相補的な核酸標的(nucleic aid targets)にハイブリダイズする酵素標識化プローブを伴い得る。生じる複合体は、読取り可能なシグナルを生成する適切なマーカーを用いて処理することができる。ナノ粒子検出は、金コロイド、ラテックス、および/または常磁性ナノ粒子を使用し得るビーズ技術を伴う。一例では、ビーズを抗ビオチン抗体にコンジュゲート化することができる。標的配列は直接的にビオチン化されてもよいし、または標的配列は配列特異的なビオチン化プローブにハイブリダイズされてもよい。金およびラテックスは、肉眼で見える比色定量シグナルを生じ、常磁性粒子は磁場中で励起された時に不可視性のシグナルを生じ、特化した読取機によって解釈することができる。蛍光に基づくラテラルフロー検出方法も使用することができ、例えば、デュアルフルオレセインおよびビオチン標識化オリゴプローブ法、結晶中に包埋されたランタニド元素から構成されたアップコンバートの燐光レポーターを利用するUPT-N ALP(Corstjensら、Clinical Chemistry、47巻:10号、1885~1893頁、2001年)、および量子ドットの使用が挙げられる。
【0099】
核酸はラテラルフローデバイス上で捕捉され得る。捕捉の手段としては、抗体による方法および抗体によらない方法を挙げることができる。抗体による捕捉は、一般に、抗体捕捉ラインおよび標的への相補的配列の標識化プローブを含む。抗体によらない捕捉は、一般に、2つの結合パートナー間の非共有結合性相互作用、例えば、ビオチン化プローブとストレプトアビジンラインとの間の高親和性かつ非可逆的な連結を使用する。捕捉プローブは、ラテラルフロー膜に直接的に固定化され得る。例えばマルチプレックス反応において生成された増幅産物を検出するために、抗体による方法および抗体によらない方法の両方が使用され得る。
【0100】
一部の実施形態では、核酸増幅産物を検出するステップは、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)の使用を含む。FRETは、ドナー分子およびアクセプター分子の2つの発色団間のエネルギー移動機構である。簡潔に述べれば、ドナーフルオロフォア分子は特定の励起波長で励起される。その基底状態に戻る際のドナー分子からのその後の発光は、長距離間の双極子-双極子相互作用を通じてアクセプター分子へと励起エネルギーを移動させ得る。アクセプター分子の発光強度をモニターすることができ、そしてそれは、ドナーとアクセプターとの間の距離、ドナーの発光スペクトルとアクセプターの吸収スペクトルとの重なり、ならびにドナー発光の双極子モーメントおよびアクセプター吸収の双極子モーメントの配向の関数である。FRETは、例えば分子ビーコンについて記載したようなDNA-DNA相互作用における分子動力学の定量化に有用であり得る。特定の産物の生成のモニタリングのために、プローブを、その一方の末端をドナー分子で、他方をアクセプター分子で標識化することができる。プローブ-標的ハイブリダイゼーションは、ドナーおよびアクセプターの距離または配向の変化をもたらし、またFRET変化が観察される。
【0101】
一部の実施形態では、核酸増幅産物を検出するステップは、蛍光偏光(FP)の使用を含む。蛍光偏光技術は、一般に、蛍光標識化合物は直線偏光によって励起された時に、その回転速度に逆相関する偏光度を有する蛍光を発するという原理に基づく。したがって、光が吸収される時間と放出される時間との間にフルオロフォアは回転を制約されるので、例えば蛍光標識を有するトレーサー-核酸コンジュゲートなどの分子が直線偏光によって励起された時に、放出された光は高度に偏光したままとなる。遊離のトレーサー化合物(すなわち、核酸に結合していない)が直線偏光によって励起された時に、その回転は対応するトレーサー-核酸コンジュゲートよりもはるかに速く、分子はよりランダムに配向されるので、放出された光は偏光解消される。したがって、蛍光偏光は、増幅反応において生成されたトレーサー-核酸コンジュゲートの量を測定するための定量的な手段を提供する。
【0102】
一部の実施形態では、核酸増幅産物を検出するステップは、表面捕捉の使用を含む。これは、特定のオリゴヌクレオチドを表面へと固定化して高感度かつ選択性の高いバイオセンサーを作ることによって達成され得る。使用され得る例示的な表面としては金および炭素が挙げられ、表面捕捉方法は、表面にプローブを付着させるためのいくつかの共有結合性または非共有結合性の連結方法を使用することができる。標的核酸のその後の検出は、様々な方法によってモニターすることができる。
【0103】
一部の実施形態では、核酸増幅産物を検出するステップは、5’-3’エキソヌクレアーゼ加水分解プローブ(例えば、TAQMAN)の使用を含む。例えばTAQMANプローブは、定量的増幅方法(例えば、定量的PCR)の特異性を増加させることができる加水分解プローブである。TAQMANプローブの原理は、1)相補的な標的配列へのハイブリダイゼーションの間に二重標識化プローブを切断するTaqポリメラーゼの5’-3’エキソヌクレアーゼ活性、および2)フルオロフォアに基づく検出に依拠する。生じる蛍光シグナルにより、指数関数的な増幅段階の間の増幅産物の蓄積の定量測定が可能となり、またTAQMANプローブは、検出の特異性を有意に増加させることができる。
【0104】
一部の実施形態では、核酸増幅産物を検出するステップは、挿入色素および/または結合性色素の使用を含む。一部の実施形態では、核酸増幅産物を検出するステップは、核酸を特異的に染色する色素の使用を含む。例えば、挿入色素は、DNAまたはRNAへの結合時に増強した蛍光を呈する。色素は、DNAまたはRNA挿入フルオロフォアを含んでよく、例えば、SYTO(登録商標)82、アクリジンオレンジ、臭化エチジウム、ヘキスト系色素、PicoGreen(登録商標)、ヨウ化プロピジウム、SYBR(登録商標)I(非対称性シアニン色素)、SYBR(登録商標)II、TOTO(チアキソールオレンジ(thiaxole orange)ダイマー)およびYOYO(オキサゾールイエローダイマー)を挙げることができる。色素は、様々な検出方法と組み合わせて使用された時に、核酸検出の感度を増加させるための機会を提供する。例えば、臭化エチジウムは、ゲル電気泳動後のアガロースゲル中のDNAを染色するために使用され得る。ヨウ化プロピジウムおよびヘキスト33258は、細胞のDNA倍数性を決定するためのフローサイトメトリーにおいて使用され得る。SYBR(登録商標)Green 1は、レーザー誘発性の蛍光検出を用いるキャピラリー電気泳動による二本鎖DNAの分析において使用され得る。PicoGreen(登録商標)は、マッチしたイオン対ポリヌクレオチドクロマトグラフィー(matched ion pair polynucleotide chromatography)後の二本鎖DNAの検出を増進するために使用され得る。
【0105】
一部の実施形態では、核酸増幅産物を検出するステップは、吸光度法(例えば、比色定量、濁度)の使用を含む。一部の例では、核酸の検出および/または定量化は、例えば、吸光度(例えば、260nmでのUV吸光度測定値)を濃度へと直接的に変換することによって達成することができる。測定の経路長および吸光率を使用して吸光度を濃度へと関係付けるランベルトベールの法則を使用して、核酸の直接的な測定値を濃度へと変換することができる。一部の実施形態では、核酸増幅産物を検出するステップは、比色定量検出方法の使用を含む。任意の好適な比色定量検出を使用することができ、非限定的な例としては、ナノ粒子(例えば、金属ナノ粒子、修飾ナノ粒子、非修飾ナノ粒子)および/またはペプチド核酸(PNA)プローブを使用するアッセイが挙げられる。例えば、ある特定の金ナノ粒子に基づく方法は、通常、標的の認識とナノ粒子の凝集との間の定量的なカップリングに依拠し、そしてそれがナノ粒子溶液の光量子特性(例えば、色)の変化をもたらし得る。
【0106】
一部の実施形態では、核酸増幅産物を検出するステップは、電気泳動(例えば、ゲル電気泳動、キャピラリー電気泳動)の使用を含む。ゲル電気泳動は、マトリクス(一般に架橋ポリマー)中を通して分子を引っ張る起電力を使用して、マトリクス中で核酸を分離することを伴う。分子は異なる速度でマトリクス中を動いて産物間の分離を引き起こし、それを、以下に限定されないが、オートラジオグラフィー、燐光イメージング、および核酸キレート色素での染色を含むいくつかの方法によって可視化および解釈することができる。キャピラリーゲル電気泳動(CGE)は従来のゲル電気泳動と液体クロマトグラフィーとの組み合わせであって、ポリアクリルアミドなどの媒体を狭い口径の毛細管中で用いて、一塩基の分解能までの核酸分子の迅速かつ高効率の分離を生成する。CGEはレーザー誘起蛍光(LIF)検出と組み合わせることができ、それにより6分子程度の染色DNAを検出することができる。CGE/LIF検出は、一般に、臭化エチジウム、YOYO、およびSYBR(登録商標)Green 1を含む蛍光性DNA挿入色素の使用を伴い、また、蛍光色素がDNAに共有結合した蛍光性DNA誘導体の使用も伴い得る。いくつかの異なる標的配列(例えば、マルチプレックス反応からの産物)の同時の同定がこの方法を使用して行われ得る。
【0107】
一部の実施形態では、核酸増幅産物を検出するステップは、質量分析の使用を含む。質量分析は、核酸の構造および量を決定するために使用され得る分析技術であり、複雑な混合物の迅速な分析を提供するために使用することができる。増幅後に試料をイオン化することができ、生じたイオンを質量対電荷比に従って電場中および/または磁場中で分離し、検出器によりイオンの質量対電荷比を測定する(Crain,P.F.およびMcCloskey,J.A.、Current Opinion in Biotechnology 9巻:25~34頁(1998年))。質量分析法としては、例えば、MALDI、MALDI-TOF、またはエレクトロスプレーが挙げられる。これらの方法をガスクロマトグラフィー(GC/MS)および液体クロマトグラフィー(LC/MS)と組み合わせてもよい。質量分析(例えば、マトリクス支援レーザー脱離/イオン化質量分析(MALDI MS))は、固体表面からの脱離の高速のシグナル取得および自動化分析によりハイスループットであり得る。
【0108】
一部の実施形態では、核酸増幅産物を検出するステップは、核酸シークエンシングの使用を含む。増幅産物の全体の配列または部分配列を決定することができ、そして決定したヌクレオチド配列を読取りとして参照することができる。例えば、一部の実施形態では、(例えば、単分子シークエンシングの方法論を使用することによって)さらなる増幅なしに直接的に直線増幅産物を分析し得る。ある特定の実施形態では、直線増幅産物をさらなる増幅に供し、次いで、(例えば、ライゲーションによるシークエンシングまたはパイロシークエンシングの方法論を使用して)分析してもよい。読取りを異なる種類の配列分析に供してもよい。本明細書中に記載する増幅方法によって生成された検出可能な産物を検出するために、および一部の例ではその量を決定するために、任意の好適なシークエンシング方法を利用することができる。シークエンシング方法の非限定的な例としては、シングルエンドシークエンシング、ペアードエンドシークエンシング、可逆的ターミネーターに基づくシークエンシング、ライゲーションによるシークエンシング、パイロシークエンシング、合成によるシークエンシング、単分子シークエンシング、マルチプレックスシークエンシング、固相シングルヌクレオチドシークエンシング、およびナノポアシークエンシングが挙げられる。
【0109】
一部の実施形態では、核酸増幅産物を検出するステップは、デジタル増幅(例えば、デジタルPCR)の使用を含む。例えばデジタルPCRは、単分子レベルでの核酸(DNA、cDNA、またはRNA)増幅を利用し、低コピー数の核酸の定量化のための高感度の方法を提供する。核酸のデジタル増幅および分析用のシステムが利用可能である(例えば、Fluidigm(登録商標)Corporation)。
【0110】
キット
キットは、例えば、本明細書中に記載するような、1つまたは複数のポリメラーゼおよび1つまたは複数のプライマー、ならびに任意選択で1つまたは複数の逆転写酵素を含み得る。1つの標的が増幅される場合、一対のプライマー(フォワードおよびリバース)がキットに含まれ得る。複数の標的配列が増幅される場合、複数のプライマー対がキットに含まれ得る。キットは、対照ポリヌクレオチドを含んでもよく、複数の標的配列が増幅される場合、複数の対照ポリヌクレオチドがキットに含まれ得る。
【0111】
キットはまた、任意の個数の別個の容器、チャンバー、コンテナ(container)、パケット、チューブ、バイアル、マイクロタイタープレートなどの中に成分の1つまたは複数を含んでよく、または成分は、そのようなコンテナ中に様々な組み合わせで組み合わせられてもよい。キットの成分は、例えば1つまたは複数のコンテナ中に存在してもよい。一部の実施形態では、成分の全てが1つのコンテナ中に提供される。一部の実施形態では、酵素(例えば、ポリメラーゼおよび/または逆転写酵素)はプライマーとは別個のコンテナ中で提供され得る。成分は、例えば、凍結乾燥されていてもよく、フリーズドライされていてもよく、または安定な緩衝液中にあってもよい。一例では、ポリメラーゼおよび/または逆転写酵素は、単一のコンテナ中で凍結乾燥形態であり、かつプライマーは、異なるコンテナ中で、凍結乾燥されている、フリーズドライされている、または緩衝液中にある。一部の実施形態では、ポリメラーゼおよび/または逆転写酵素、ならびにプライマーは、単一のコンテナ中での凍結乾燥形態である。
【0112】
キットは、例えば、反応において使用されるdNTP、もしくは修飾ヌクレオチド、反応のために使用される容器、キュベット、もしくはその他のコンテナ、または凍結乾燥成分を再度湿潤化(rehydrate)するための水もしくは緩衝液のバイアルをさらに含んでもよい。使用される緩衝液は、例えば、ポリメラーゼおよびプライマーの両方のアニーリング活性に適切であり得る。
【0113】
キットはまた、本明細書中に記載する1つもしくは複数の方法を行うための指示、および/または本明細書中に記載する1つもしくは複数の成分の説明を含んでもよい。指示および/または説明は、印刷された形態であってもよく、キット添付物に含まれてもよい。キットはまた、そのような指示または説明を提供するインターネット上の位置の書面での記載を含んでもよい。
【0114】
キットは、例えば、FRETのために使用される試薬などの検出方法のために使用される試薬、ラテラルフローデバイス、ディップスティック、蛍光色素、金コロイド粒子、ラテックス粒子、分子ビーコン、またはポリスチレンビーズをさらに含んでもよい。
【実施例】
【0115】
以下に記載する実施例は、ある特定の実施形態を説明するものであり、本技術を限定するものではない。
【0116】
(実施例1:等温増幅技術によるChlamydia trachomatisの検出)
本実施例では、等温増幅技術を使用してChlamydia trachomatis由来の核酸の検出を行う。
【0117】
クラミジアゲノムDNAのリアルタイム検出
蛍光性DNA色素を用いたクラミジアゲノムDNAの検出用のリアルタイムアッセイを試験した。このアッセイではSYTO82を使用し、これはオレンジ蛍光性の核酸染色剤であり、核酸への結合時に明るいオレンジの蛍光を呈する。20mMトリス-HCl(pH8.8、25℃)、10mM (NH
4)
2SO
4、10mM KCl、4mM MgSO
4、0.1% Triton(登録商標)X-100、1mM DTT、2μM SYTO82、0.25mM dNTP、および1反応あたり1ユニットの改変9 Degrees North(9°Nm(商標))DNAポリメラーゼ(New England BioLabs、Ipswich、MA)を用いてマスターミックス溶液を調製した。9°Nm(商標)DNAポリメラーゼのアミノ酸配列は配列番号9として本明細書中に記載している。7,500塩基対のC.trachomatis潜在性プラスミドDNA内の特異的な配列を標的化するプライマーセットを使用し、これは11ヌクレオチドのフォワードプライマー(すなわち、Ct_F11:5’-GGCTTATGGAG-3’(配列番号1))および10ヌクレオチドのリバースプライマー(すなわち、Ct_R10:5’-ATACCGCTTA-3’(配列番号2))を含んでいた。1塩基のスペーサーを含む22塩基のDNA産物を生成するためにアッセイを設計した。スペーサーはプライマーの3’末端の間のヌクレオチドであり、このヌクレオチドはいずれのプライマー配列中にも存在しない。最終濃度500nMでプライマーをそれぞれ使用し、2000コピ
ーのクラミジアゲノムDNA、または標的のない対照(NTC)としてのトリス-EDTA緩衝液(TE)のいずれかと混合した。ある特定の例では、dH
2OをNTCとして使用した。マスターミックス溶液とは別個の反応ウェル中にプライマー混合物を置いた。アッセイ成分を65℃で2分間インキュベートし、次いで、合わせて、等温反応を開始させた。等温増幅反応の結果を
図1に示す。
【0118】
等温増幅反応からの特異的な産物の生成のエレクトロスプレーイオン化質量分析(ESI-MS)による確認
上記の等温増幅反応から生成された増幅産物をエレクトロスプレーイオン化質量分析(ESI-MS)によって試験して、アッセイの特異性を検証した。最終濃度500nMで上記のプライマーをそれぞれ使用し、20,000コピーのクラミジアゲノムDNA、または標的のない対照(NTC)としてのトリス-EDTA緩衝液(TE)のいずれかと混合した。ある特定の例では、dH2OをNTCとして使用した。クラミジアゲノムDNAを上記の条件下で10分間、65℃で増幅した。増幅後、トリス-EGTA(最終20mMトリス-EGTA、pH8.5)を用いて反応を不活化した。次いで反応を脱塩し、ESI-MS分析の前に凍結乾燥した。
【0119】
図2に示すように、ESI-MSの結果により、ゲノムDNAの等温増幅での主要な産物が、特異的な22塩基の産物(すなわち、22塩基のフォワード産物および22塩基のリバース産物)であることが確認された。比較として、NTC反応は、特異的な産物よりもはるかに低い強度の非特異的な産物を生成した。
【0120】
クラミジアゲノムDNAの検出の検出限界(LOD)
等温増幅アッセイを使用してクラミジアゲノムDNAの検出の感度を試験した。このアプローチでは、非対称増幅条件下での10ヌクレオチドのプライマーのアッセイをエンドポイント分子ビーコン検出のために使用した。20mMトリス-HCl(pH8.8、25℃)、10mM(NH
4)
2SO
4、10mM KCl、4mM MgSO
4、0.1% Triton(登録商標)X-100、1mM DTT、0.25mM dNTP、および1反応あたり1ユニットの改変9 Degrees North(9°Nm(商標))DNAポリメラーゼ(New England BioLabs、Ipswich、MA)を用いてマスターミックス溶液を調製した。7,500塩基対のC.trachomatis潜在性プラスミドDNA内の特異的な配列を標的化するプライマーセットを使用し、これは10ヌクレオチドのフォワードプライマー(すなわち、Ct_F10:5’-GCTTATGGAG-3’(配列番号3))および10ヌクレオチドのリバースプライマー(すなわち、Ct_R10:5’-ATACCGCTTA-3’(配列番号2))を含んでいた。1塩基のスペーサーを含む21塩基のDNA産物を生成するためにアッセイを設計した。スペーサーはプライマーの3’末端の間のヌクレオチドであり、このヌクレオチドはいずれのプライマー配列中にも存在しない。プライマー(すなわち、750nMのフォワードプライマーおよび200nMのリバースプライマー)をNTCとしてのTEまたは異なる量のクラミジアゲノムDNA(すなわち、20コピー、200コピー、1,000コピー、2,000コピー)のいずれかと混合し、マスターミックス溶液とは別個の反応ウェル中に置いた。ある特定の例では、dH
2OをNTCとして使用した。アッセイ成分を65℃で2分間インキュベートし、次いで、合わせて、等温反応を開始させた。反応を65℃で10分間実行し、次いで、氷上に置き、EGTAを加えることによって不活化した。次いで、21塩基の特異的なフォワード産物に相補的な20塩基の配列を含有する分子ビーコン(すなわち、Ct FP MB5.18:Fam-CTGGCTACCGCTTAACTCCATAAGCCAG-3BHQ1(配列番号4))を各反応ウェルに加えた。分子ビーコンのエンドポイント蛍光の読出しによって反応産物を検出した。
図3に示すように、等温反応によって20コピーのクラミジアゲノムDNAを、分子ビーコンのエンドポイント検出を使用して65℃、10分で検出可能なレベルへと増幅するこ
とができる。
【0121】
分子ビーコンによるクラミジアゲノムDNAのリアルタイム検出
クラミジアゲノムDNAのリアルタイム検出のための別のアプローチは、検出のために分子ビーコンを使用することである。このアプローチでは、非対称的増幅条件下での10ヌクレオチドのプライマーのアッセイを、dH
2Oまたは標的のない対照(NTC)として使用されるTEを用いるリアルタイム分子ビーコン検出のために使用した。20mMトリス-HCl(pH8.8、25℃)、10mM (NH
4)
2SO
4、10mM KCl、4mM MgSO
4、0.1% Triton(登録商標)X-100、50nM fMB2 3PS(分子ビーコン)、0.25mM dNTP、および1ユニット/反応の改変9 Degrees North(9°Nm(商標))DNAポリメラーゼ(New England BioLabs、Ipswich、MA)を使用してマスターミックスを調製した。マスターミックスは、フォワード産物の一部分(大文字で示す14塩基の配列)に相補的な14塩基の配列を含む分子ビーコン(すなわち、Ct_3PSMB.2:Fam-ccgcgagccttATACCGCTTAACTCg
*c
*g
*g-IBFQ(配列番号7))を含んでいた。
*で印をしたヌクレオチドはホスホロチオエート修飾DNA塩基である。7,500塩基対のC.trachomatis潜在性プラスミドDNA内の特異的な配列を標的化するプライマーセットを使用し、これは10ヌクレオチドのフォワードプライマー(すなわち、Ct_F10+2:5’-AGGCTTATGG-3’(配列番号5))および10ヌクレオチドのリバースプライマー(すなわち、Ct_R10-2:5’-TTATACCGCT-3’(配列番号6))を含んでいた。5塩基のスペーサーを含む25塩基のDNA産物を生成するためにアッセイを設計した。スペーサーは各プライマーの3’末端の間に5ヌクレオチドを含み、これらの5ヌクレオチドはいずれのプライマー配列中にも存在しない。プライマー(すなわち、750nMのフォワードプライマーおよび200nMのリバースプライマー)を反応ウェル中でNTCとしてのTEまたは20,000コピーのクラミジアゲノムDNAのいずれかと合わせた。ある特定の例では、dH
2OをNTCとして使用した。全ての成分を65℃で2分間インキュベートし、次いで、合わせて、65℃で実行される等温反応を開始させた。
図4に示すように、分子ビーコンのリアルタイム蛍光の読出しによって様々な時点において反応産物が検出された。
【0122】
(実施例2:配列の例)
ある特定のヌクレオチドおよびアミノ酸配列の非限定的な例を以下に示す。
【表1】
【0123】
(実施例3:実施形態の例)
以下に記載する実施例は、ある特定の実施形態を説明するものであり、本技術を限定するものではない。
【0124】
A1. 核酸を増幅するための方法であって、
等温増幅条件下で非変性試料核酸を
a)試料核酸中の標的配列に相補的なポリヌクレオチドを含む少なくとも1つのオリゴヌクレオチド、および
b)超好熱菌ポリメラーゼ活性を提供する少なくとも1つの成分
を含む成分と接触させることによって核酸増幅産物を生成するステップ
を含む、方法。
【0125】
A1.1 核酸を増幅するための方法であって、
等温増幅条件下で非変性試料核酸を
a)試料核酸中の標的配列に相補的なポリヌクレオチドを含む少なくとも1つのオリゴヌクレオチドを含む非酵素成分、および
b)超好熱菌ポリメラーゼまたは超好熱菌ポリメラーゼと少なくとも約90%同一のアミノ酸配列を含むポリメラーゼからなる酵素成分
と接触させることによって核酸増幅産物を生成するステップ
を含む、方法。
【0126】
A1.2 核酸を増幅するための方法であって、
等温増幅条件下で非変性試料核酸を
a)試料核酸中の標的配列に相補的なポリヌクレオチドを含む少なくとも1つのオリゴヌクレオチドを含む非酵素成分、ならびに
b)i)超好熱菌ポリメラーゼ活性、および任意選択でii)逆転写酵素活性からなる酵素活性
と接触させることによって核酸増幅産物を生成するステップ
を含む、方法。
【0127】
A1.3 酵素活性が、i)超好熱菌ポリメラーゼ活性、およびii)逆転写酵素活性からなる、実施形態A1.2に記載の方法。
【0128】
A2. 増幅の前または増幅の間に試料核酸を変性させるステップを含まない、実施形態A1からA1.3のいずれか1つに記載の方法。
【0129】
A3. 試料核酸を、増幅の前または増幅の間にエンドヌクレアーゼと接触させない、実施形態A1からA2のいずれか1つに記載の方法。
【0130】
A4. 試料核酸を、増幅の前または増幅の間に巻き戻し剤(unwinding agent)と接触させない、実施形態A1からA3のいずれか1つに記載の方法。
【0131】
A5. 試料核酸を、増幅の前または増幅の間にヘリカーゼと接触させない、実施形態A1からA4のいずれか1つに記載の方法。
【0132】
A5.1 試料核酸を、増幅の前または増幅の間にリコンビナーゼと接触させない、実施形態A1からA5のいずれか1つに記載の方法。
【0133】
A5.2 試料核酸を、増幅の前または増幅の間に一本鎖DNA結合性タンパク質と接触させない、実施形態A1からA5.1のいずれか1つに記載の方法。
【0134】
A6. 試料核酸が、増幅の前に非修飾である、実施形態A1からA5.2のいずれか1つに記載の方法。
【0135】
A7. 非修飾の試料核酸が破砕細胞に由来する、実施形態A6に記載の方法。
【0136】
A8. 試料核酸がDNAを含む、実施形態A1からA7のいずれか1つに記載の方法。
【0137】
A9. 試料核酸がゲノムDNAを含む、実施形態A8に記載の方法。
【0138】
A10. 試料核酸がRNAを含む、実施形態A1からA7のいずれか1つに記載の方法。
【0139】
A11. 試料核酸がウイルスRNAを含む、実施形態A10に記載の方法。
【0140】
A12. 試料核酸が細菌RNAを含む、実施形態A10に記載の方法。
【0141】
A13. 試料核酸が一本鎖核酸を含む、実施形態A1からA12のいずれか1つに記載の方法。
【0142】
A14. 試料核酸が、第1の鎖および第2の鎖を含む二本鎖核酸を含む、実施形態A1からA12のいずれか1つに記載の方法。
【0143】
A15. 少なくとも1つのオリゴヌクレオチドが第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチドを含む、実施形態A1からA14のいずれか1つに記載の方法。
【0144】
A16. 少なくとも1つのオリゴヌクレオチドが第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチドからなる、実施形態A1からA14のいずれか1つに記載の方法。
【0145】
A16.1 第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチドがそれぞれ8~16塩基を含む、実施形態A15またはA16に記載の方法。
【0146】
A17. 第1のオリゴヌクレオチドが、試料核酸の第1の鎖中の標的配列に相補的な第1のポリヌクレオチドを含み、かつ第2のオリゴヌクレオチドが、試料核酸の第2の鎖中の標的配列に相補的な第2のポリヌクレオチドを含む、実施形態A15、A16、またはA16.1に記載の方法。
【0147】
A18. 第1のオリゴヌクレオチドが、試料核酸の第1の鎖中の標的配列に連続的に相補的な第1のポリヌクレオチドを含み、かつ第2のオリゴヌクレオチドが、試料核酸の第2の鎖中の標的配列に連続的に相補的な第2のポリヌクレオチドを含む、実施形態A15、A16、またはA16.1に記載の方法。
【0148】
A19. 第1のオリゴヌクレオチドが、試料核酸の第1の鎖中の標的配列に連続的に相補的な第1のポリヌクレオチドからなり、かつ第2のオリゴヌクレオチドが、試料核酸の第2の鎖中の標的配列に連続的に相補的な第2のポリヌクレオチドからなる、実施形態A15、A16、またはA16.1に記載の方法。
【0149】
A20. 試料核酸が、増幅の前に被験体から得られる、実施形態A1からA19のいずれか1つに記載の方法。
【0150】
A21. 精製されていない試料核酸が増幅される、実施形態A1からA20のいずれか1つに記載の方法。
【0151】
A22. 精製された試料核酸が増幅される、実施形態A1からA20のいずれか1つに記載の方法。
【0152】
A23. 増幅の前に試料核酸を精製するステップをさらに含む、実施形態A1からA20のいずれか1つに記載の方法。
【0153】
A24. 超好熱菌ポリメラーゼ活性が、超好熱菌ポリメラーゼまたはその機能的断片によって提供される、実施形態A1からA23のいずれか1つに記載の方法。
【0154】
A25. 超好熱菌ポリメラーゼ活性が、超好熱菌ポリメラーゼと少なくとも約90%同一のアミノ酸配列を含むポリメラーゼまたはその機能的断片によって提供される、実施形態A1からA23のいずれか1つに記載の方法。
【0155】
A26. 超好熱菌ポリメラーゼ活性が、古細菌の超好熱菌ポリメラーゼまたはその機能的断片によって提供される、実施形態A1からA23のいずれか1つに記載の方法。
【0156】
A27. 超好熱菌ポリメラーゼ活性が、配列番号8のアミノ酸配列を含むポリメラーゼまたはその機能的断片によって提供される、実施形態A1からA26のいずれか1つに記載の方法。
【0157】
A28. 超好熱菌ポリメラーゼ活性が、配列番号8のアミノ酸配列と少なくとも約90%同一のアミノ酸配列を含むポリメラーゼまたはその機能的断片によって提供される、実施形態A1からA26のいずれか1つに記載の方法。
【0158】
A28.1 超好熱菌ポリメラーゼ活性が、エキソヌクレアーゼ活性が低いポリメラーゼによって提供される、実施形態A1からA28のいずれか1つに記載の方法。
【0159】
A28.2 超好熱菌ポリメラーゼ活性が、エキソヌクレアーゼ活性を有しないポリメラーゼによって提供される、実施形態A1からA28のいずれか1つに記載の方法。
【0160】
A29 増幅が約55℃から約75℃の一定温度で行われる、実施形態A1からA28.2のいずれか1つに記載の方法。
【0161】
A30. 増幅が約55℃から約65℃の一定温度で行われる、実施形態A1からA28.2のいずれか1つに記載の方法。
【0162】
A31. 増幅が約65℃の一定温度で行われる、実施形態A1からA28.2のいずれか1つに記載の方法。
【0163】
A32. 増幅が約60℃の一定温度で行われる、実施形態A1からA28.2のいずれか1つに記載の方法。
【0164】
A33. 核酸増幅産物が、10分またはそれ未満以内に検出可能である、実施形態A1からA32のいずれか1つに記載の方法。
【0165】
A34. 核酸増幅産物が、試料核酸中の標的配列に連続的に相補的なまたはそれと実質的に同一のポリヌクレオチドを含む、実施形態A1からA33のいずれか1つに記載の方法。
【0166】
A35. 核酸増幅産物が、試料核酸中の標的配列に連続的に相補的なまたはそれと実質的に同一のポリヌクレオチドからなる、実施形態A1からA33のいずれか1つに記載の方法。
【0167】
A36. 核酸増幅産物が、約20~40塩基の長さである、実施形態A1からA35のいずれか1つに記載の方法。
【0168】
A37. 核酸増幅産物が、i)第1のオリゴヌクレオチドの第1のポリヌクレオチドに連続的に相補的なまたはそれと実質的に同一の第1のヌクレオチド配列、ii)第2のオリゴヌクレオチドの第2のポリヌクレオチドに連続的に相補的なまたはそれと実質的に同一の第2のヌクレオチド配列、およびiii)第1のヌクレオチド配列および第2のヌクレオチド配列に挟まれているスペーサー配列を含む、実施形態A16からA36のいずれか1つに記載の方法。
【0169】
A38. 核酸増幅産物が、i)第1のオリゴヌクレオチドの第1のポリヌクレオチドに連続的に相補的なまたはそれと実質的に同一の第1のヌクレオチド配列、ii)第2のオリゴヌクレオチドの第2のポリヌクレオチドに連続的に相補的なまたはそれと実質的に同一の第2のヌクレオチド配列、およびiii)第1のヌクレオチド配列および第2のヌクレオチド配列に挟まれているスペーサー配列からなる、実施形態A16からA36のいずれか1つに記載の方法。
【0170】
A39. スペーサー配列が1~10塩基を含む、実施形態A37またはA38に記載の方法。
【0171】
A40. スペーサー配列が1~5塩基を含む、実施形態A37またはA38に記載の方法。
【0172】
A41. スペーサー配列が、第1のオリゴヌクレオチドの第1のポリヌクレオチドに相補的でなくそれと同一でもなく、かつ第2のオリゴヌクレオチドの第2のポリヌクレオチドに相補的でなくそれと同一でもない、実施形態A37からA40のいずれか1つに記載の方法。
【0173】
A42. スペーサー配列が、試料核酸中の標的配列の一部分に連続的に相補的またはそれと実質的に同一である、実施形態A37からA41のいずれか1つに記載の方法。
【0174】
A43. 核酸増幅産物を検出するステップをさらに含む、実施形態A1からA42のいずれか1つに記載の方法。
【0175】
A44. 核酸増幅産物を検出するステップが、試料核酸を、超好熱菌ポリメラーゼ活性を提供する成分および少なくとも1つのオリゴヌクレオチドと接触させた時から10分またはそれ未満以内に行われる、実施形態A43に記載の方法。
【0176】
A45. 核酸増幅産物を検出するステップが、リアルタイム検出方法の使用を含む、実施形態A43またはA44に記載の方法。
【0177】
A46. 核酸増幅産物を検出するステップが、蛍光シグナルの検出を含む、実施形態A43、A44、またはA45に記載の方法。
【0178】
A47. 蛍光シグナルが分子ビーコンに由来する、実施形態A46に記載の方法。
【0179】
A48. 核酸増幅産物を、i)増幅産物中の配列に相補的なポリヌクレオチド、ならびにii)フルオロフォアおよび消光剤を含むシグナル生成オリゴヌクレオチドと接触させるステップをさらに含む、実施形態A1からA47のいずれか1つに記載の方法。
【0180】
A49. 少なくとも1つのオリゴヌクレオチドの1つまたは複数が、試料核酸中の配列に相補的でないポリヌクレオチドであって、シグナル生成オリゴヌクレオチドにハイブリダイズするポリヌクレオチドを含み、かつ方法が、増幅産物を、フルオロフォアおよび消光剤を含むシグナル生成オリゴヌクレオチドと接触させるステップをさらに含む、実施形態A1からA47のいずれか1つに記載の方法。
【0181】
A50. 単一の反応容量中で行われる、実施形態A1からA49のいずれか1つに記載の方法。
【0182】
A51. 単一の反応容器中で行われる、実施形態A1からA50のいずれか1つに記載の方法。
【0183】
A52. マルチプレックス増幅を含む、実施形態A1からA51のいずれか1つに記載の方法。
【0184】
B1. 核酸を処理するための方法であって、
等温増幅条件下で非変性試料核酸を
a)試料核酸中の標的配列に相補的なポリヌクレオチドを含む少なくとも1つのオリゴヌクレオチド、および
b)超好熱菌ポリメラーゼ活性を提供する少なくとも1つの成分
と接触させることによって核酸増幅産物を生成することから本質的になる核酸を増幅するステップ
を含む、方法。
【0185】
B2. 核酸を処理するための方法であって、
等温増幅条件下で非変性試料核酸を
a)試料核酸中の標的配列に相補的なポリヌクレオチドを含む少なくとも1つのオリゴヌクレオチドを含む非酵素成分、および
b)超好熱菌ポリメラーゼまたは超好熱菌ポリメラーゼと少なくとも約90%同一のアミノ酸配列を含むポリメラーゼからなる酵素成分
と接触させることによって核酸増幅産物を生成することから本質的になる核酸を増幅するステップ
を含む、方法。
【0186】
B3. 核酸を処理するための方法であって、
等温増幅条件下で非変性試料核酸を
a)試料核酸中の標的配列に相補的なポリヌクレオチドを含む少なくとも1つのオリゴヌクレオチドを含む非酵素成分、ならびに
b)i)超好熱菌ポリメラーゼ活性、および任意選択でii)逆転写酵素活性からなる酵素活性
と接触させることによって核酸増幅産物を生成することから本質的になる核酸を増幅するステップ
を含む、方法。
【0187】
B4. 酵素活性が、i)超好熱菌ポリメラーゼ活性、およびii)逆転写酵素活性からなる、実施形態B3に記載の方法。
【0188】
B5. 核酸を処理するための方法であって、
等温増幅条件下で非変性試料核酸を
a)試料核酸中の標的配列に相補的なポリヌクレオチドを含む少なくとも1つのオリゴヌクレオチド、および
b)超好熱菌ポリメラーゼ活性を提供する少なくとも1つの成分
と接触させることによって核酸増幅産物を生成することからなる核酸を増幅するステップを含む、方法。
【0189】
B6. 核酸を処理するための方法であって、
等温増幅条件下で非変性試料核酸を
a)試料核酸中の標的配列に相補的なポリヌクレオチドを含む少なくとも1つのオリゴヌクレオチドを含む非酵素成分、および
b)超好熱菌ポリメラーゼまたは超好熱菌ポリメラーゼと少なくとも約90%同一のアミノ酸配列を含むポリメラーゼからなる酵素成分
と接触させることによって核酸増幅産物を生成することからなる核酸を増幅するステップを含む、方法。
【0190】
B7. 核酸を処理するための方法であって、
等温増幅条件下で非変性試料核酸を
a)試料核酸中の標的配列に相補的なポリヌクレオチドを含む少なくとも1つのオリゴヌクレオチドを含む非酵素成分、ならびに
b)i)超好熱菌ポリメラーゼ活性、および任意選択でii)逆転写酵素活性からなる酵素活性
と接触させることによって核酸増幅産物を生成することからなる核酸を増幅するステップを含む、方法。
【0191】
B8. 酵素活性が、i)超好熱菌ポリメラーゼ活性、およびii)逆転写酵素活性からなる、実施形態B7に記載の方法。
【0192】
B9. 試料核酸が、増幅の前に非修飾である、実施形態B1からB8のいずれか1つに記載の方法。
【0193】
B10. 非修飾の試料核酸が破砕細胞に由来する、実施形態B9に記載の方法。
【0194】
B11. 試料核酸がDNAを含む、実施形態B1からB10のいずれか1つに記載の方法。
【0195】
B12. 試料核酸がゲノムDNAを含む、実施形態B11に記載の方法。
【0196】
B13. 試料核酸がRNAを含む、実施形態B1からB10のいずれか1つに記載の方法。
【0197】
B14. 試料核酸がウイルスRNAを含む、実施形態B13に記載の方法。
【0198】
B15. 試料核酸が細菌RNAを含む、実施形態B13に記載の方法。
【0199】
B16. 試料核酸が一本鎖核酸を含む、実施形態B1からB15のいずれか1つに記載の方法。
【0200】
B17. 試料核酸が、第1の鎖および第2の鎖を含む二本鎖核酸を含む、実施形態B1からB15のいずれか1つに記載の方法。
【0201】
B18. 少なくとも1つのオリゴヌクレオチドが第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチドを含む、実施形態B1からB17のいずれか1つに記載の方法。
【0202】
B19. 少なくとも1つのオリゴヌクレオチドが第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチドからなる、実施形態B1からB17のいずれか1つに記載の方法。
【0203】
B19.1 第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチドがそれぞれ8~16塩基を含む、実施形態B18またはB19に記載の方法。
【0204】
B20. 第1のオリゴヌクレオチドが、試料核酸の第1の鎖中の標的配列に相補的な第1のポリヌクレオチドを含み、かつ第2のオリゴヌクレオチドが、試料核酸の第2の鎖中の標的配列に相補的な第2のポリヌクレオチドを含む、実施形態B18、B19、またはB19.1に記載の方法。
【0205】
B21. 第1のオリゴヌクレオチドが、試料核酸の第1の鎖中の標的配列に連続的に相補的な第1のポリヌクレオチドを含み、かつ第2のオリゴヌクレオチドが、試料核酸の第2の鎖中の標的配列に連続的に相補的な第2のポリヌクレオチドを含む、実施形態B18、B19、またはB19.1に記載の方法。
【0206】
B22. 第1のオリゴヌクレオチドが、試料核酸の第1の鎖中の標的配列に連続的に相補的な第1のポリヌクレオチドからなり、かつ第2のオリゴヌクレオチドが、試料核酸の第2の鎖中の標的配列に連続的に相補的な第2のポリヌクレオチドからなる、実施形態B18、B19、またはB19.1に記載の方法。
【0207】
B23. 試料核酸が、増幅の前に被験体から得られる、実施形態B1からB22のいずれか1つに記載の方法。
【0208】
B24. 精製されていない試料核酸が増幅される、実施形態B1からB22のいずれか1つに記載の方法。
【0209】
B25. 精製された試料核酸が増幅される、実施形態B1からB22のいずれか1つに記載の方法。
【0210】
B26. 増幅の前に試料核酸を精製するステップをさらに含む、実施形態B1からB22のいずれか1つに記載の方法。
【0211】
B27. 超好熱菌ポリメラーゼ活性が、超好熱菌ポリメラーゼまたはその機能的断片によって提供される、実施形態B1からB26のいずれか1つに記載の方法。
【0212】
B28. 超好熱菌ポリメラーゼ活性が、超好熱菌ポリメラーゼと少なくとも約90%同一のアミノ酸配列を含むポリメラーゼまたはその機能的断片によって提供される、実施形態B1からB26のいずれか1つに記載の方法。
【0213】
B29. 超好熱菌ポリメラーゼ活性が、古細菌の超好熱菌ポリメラーゼまたはその機能的断片によって提供される、実施形態B1からB26のいずれか1つに記載の方法。
【0214】
B30. 超好熱菌ポリメラーゼ活性が、配列番号8のアミノ酸配列を含むポリメラーゼまたはその機能的断片によって提供される、実施形態B1からB29のいずれか1つに記載の方法。
【0215】
B31. 超好熱菌ポリメラーゼ活性が、配列番号8のアミノ酸配列と少なくとも約90%同一のアミノ酸配列を含むポリメラーゼまたはその機能的断片によって提供される、実施形態B1からB29のいずれか1つに記載の方法。
【0216】
B31.1 超好熱菌ポリメラーゼ活性が、エキソヌクレアーゼ活性が低いポリメラーゼによって提供される、実施形態B1からB31のいずれか1つに記載の方法。
【0217】
B32.2 超好熱菌ポリメラーゼ活性が、エキソヌクレアーゼ活性を有しないポリメラーゼによって提供される、実施形態B1からB31のいずれか1つに記載の方法。
【0218】
B32. 増幅が約55℃から約75℃の一定温度で行われる、実施形態B1からB31.2のいずれか1つに記載の方法。
【0219】
B33. 増幅が約55℃から約65℃の一定温度で行われる、実施形態B1からB31.2のいずれか1つに記載の方法。
【0220】
B34. 増幅が約65℃の一定温度で行われる、実施形態B1からB31.2のいずれか1つに記載の方法。
【0221】
B35. 増幅が約60℃の一定温度で行われる、実施形態B1からB31.2のいずれか1つに記載の方法。
【0222】
B36. 核酸増幅産物が、10分またはそれ未満以内に検出可能である、実施形態B1からB35のいずれか1つに記載の方法。
【0223】
B37. 核酸増幅産物が、試料核酸中の標的配列に連続的に相補的なまたはそれと実質的に同一のポリヌクレオチドを含む、実施形態B1からB36のいずれか1つに記載の方法。
【0224】
B38. 核酸増幅産物が、試料核酸中の標的配列に連続的に相補的なまたはそれと実質的に同一のポリヌクレオチドからなる、実施形態B1からB36のいずれか1つに記載の方法。
【0225】
B39. 核酸増幅産物が、約20~40塩基の長さである、実施形態B1からB38のいずれか1つに記載の方法。
【0226】
B40. 核酸増幅産物が、i)第1のオリゴヌクレオチドの第1のポリヌクレオチドに連続的に相補的なまたはそれと実質的に同一の第1のヌクレオチド配列、ii)第2のオリゴヌクレオチドの第2のポリヌクレオチドに連続的に相補的なまたはそれと実質的に同一の第2のヌクレオチド配列、およびiii)第1のヌクレオチド配列および第2のヌクレオチド配列に挟まれているスペーサー配列を含む、実施形態B20からB39のいずれか1つに記載の方法。
【0227】
B41. 核酸増幅産物が、i)第1のオリゴヌクレオチドの第1のポリヌクレオチドに連続的に相補的なまたはそれと実質的に同一の第1のヌクレオチド配列、ii)第2のオリゴヌクレオチドの第2のポリヌクレオチドに連続的に相補的なまたはそれと実質的に同一の第2のヌクレオチド配列、およびiii)第1のヌクレオチド配列および第2のヌクレオチド配列に挟まれているスペーサー配列からなる、実施形態B20からB39のいずれか1つに記載の方法。
【0228】
B42. スペーサー配列が1~10塩基を含む、実施形態B40またはB41に記載の方法。
【0229】
B43. スペーサー配列が1~5塩基を含む、実施形態B40またはB41に記載の方法。
【0230】
B44. スペーサー配列が、第1のオリゴヌクレオチドの第1のポリヌクレオチドに相補的でなくそれと同一でもなく、かつ第2のオリゴヌクレオチドの第2のポリヌクレオチドに相補的でなくそれと同一でもない、実施形態B40からB43のいずれか1つに記載の方法。
【0231】
B45. スペーサー配列が、試料核酸中の標的配列の一部分に連続的に相補的またはそれと実質的に同一である、実施形態B40からB44のいずれか1つに記載の方法。
【0232】
B46. 核酸増幅産物を検出するステップをさらに含む、実施形態B1からB45のいずれか1つに記載の方法。
【0233】
B47. 核酸増幅産物を検出するステップが、試料核酸を、超好熱菌ポリメラーゼ活性を提供する成分および少なくとも1つのオリゴヌクレオチドと接触させた時から10分またはそれ未満以内に行われる、実施形態B46に記載の方法。
【0234】
B48. 核酸増幅産物を検出するステップが、リアルタイム検出方法の使用を含む、実施形態B46またはB47に記載の方法。
【0235】
B49. 核酸増幅産物を検出するステップが、蛍光シグナルの検出を含む、実施形態B46、B47、またはB48に記載の方法。
【0236】
B50. 蛍光シグナルが分子ビーコンに由来する、実施形態B49に記載の方法。
【0237】
B51. 核酸増幅産物を、i)増幅産物中の配列に相補的なポリヌクレオチド、ならびにii)フルオロフォアおよび消光剤を含むシグナル生成オリゴヌクレオチドと接触させるステップをさらに含む、実施形態B1からB50のいずれか1つに記載の方法。
【0238】
B52. 少なくとも1つのオリゴヌクレオチドの1つまたは複数が、試料核酸中の配列に相補的でないポリヌクレオチドであって、シグナル生成オリゴヌクレオチドにハイブリダイズするポリヌクレオチドを含み、かつ方法が、増幅産物を、フルオロフォアおよび消光剤を含むシグナル生成オリゴヌクレオチドと接触させるステップをさらに含む、実施形態B1からB50のいずれか1つに記載の方法。
【0239】
B53. 単一の反応容量中で行われる、実施形態B1からB52のいずれか1つに記載の方法。
【0240】
B54. 単一の反応容器中で行われる、実施形態B1からB53のいずれか1つに記載の方法。
【0241】
B55. マルチプレックス増幅を含む、実施形態B1からB54のいずれか1つに記載の方法。
【0242】
C1. 試料核酸中の標的配列の存在、非存在、または量を決定するための方法であって、
a)試料核酸中の標的配列を増幅するステップであって、
標的配列が、互いに相補的な第1の鎖および第2の鎖を含み、かつ増幅するステップが、ヘリカーゼ不含の等温増幅条件下で非変性試料核酸を
i)第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチドであって、上記第1のオリゴヌクレオチドが上記第1の鎖中の配列に連続的に相補的な第1のポリヌクレオチドを含み、かつ上記第2のオリゴヌクレオチドが上記第2の鎖中の配列に連続的に相補的な第2のポリヌクレオチドを含む、第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチド、ならびに
ii)超好熱菌ポリメラーゼ活性を提供する少なくとも1つの成分
と接触させることによって核酸増幅産物を生成することを含み、核酸増幅産物が、1)第1のオリゴヌクレオチドの第1のポリヌクレオチドに連続的に相補的なまたはそれと実質的に同一の第1のヌクレオチド配列、2)第2のオリゴヌクレオチドの第2のポリヌクレオチドに連続的に相補的なまたはそれと実質的に同一の第2のヌクレオチド配列、および3)1~10塩基を含むスペーサー配列を含み、かつ
スペーサー配列が第1のヌクレオチド配列および第2のヌクレオチド配列に挟まれている、ステップと、
b)核酸増幅産物を検出するステップであって、リアルタイム検出方法の使用を含み、かつ試料核酸を(a)(i)および(a)(ii)と接触させた時から10分またはそれ未満以内に行われ、それによって試料核酸中の標的配列の存在、非存在、または量が決定される、ステップと
を含む、方法。
【0243】
C1.1 第1のオリゴヌクレオチドが、第1の鎖中の配列に連続的に相補的な第1のポリヌクレオチドから本質的になり、かつ第2のオリゴヌクレオチドが、第2の鎖中の配列に連続的に相補的な第2のポリヌクレオチドから本質的になり、かつ/または、核酸増幅産物が、1)第1のオリゴヌクレオチドの第1のポリヌクレオチドに連続的に相補的なまたはそれと実質的に同一の第1のヌクレオチド配列、2)第2のオリゴヌクレオチドの第2のポリヌクレオチドに連続的に相補的なまたはそれと実質的に同一の第2のヌクレオチド配列、および3)1~10塩基を含むスペーサー配列から本質的になる、実施形態C1に記載の方法。
【0244】
C1.2 第1のオリゴヌクレオチドが、第1の鎖中の配列に連続的に相補的な第1のポリヌクレオチドからなり、かつ第2のオリゴヌクレオチドが、第2の鎖中の配列に連続的に相補的な第2のポリヌクレオチドからなり、かつ/または、核酸増幅産物が、1)第1のオリゴヌクレオチドの第1のポリヌクレオチドに連続的に相補的なまたはそれと実質的に同一の第1のヌクレオチド配列、2)第2のオリゴヌクレオチドの第2のポリヌクレオチドに連続的に相補的なまたはそれと実質的に同一の第2のヌクレオチド配列、および3)1~10塩基を含むスペーサー配列からなる、実施形態C1に記載の方法。
【0245】
C1.3 試料核酸中の標的配列の存在、非存在、または量を決定するための方法であって、
a)試料核酸中の標的配列を増幅するステップであって、
標的配列が、互いに相補的な第1の鎖および第2の鎖を含み、かつ増幅するステップが、ヘリカーゼ不含の等温増幅条件下で非変性試料核酸を
i)第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチドであって、上記第1のオリゴヌクレオチドが上記第1の鎖中の配列に連続的に相補的な第1のポリヌクレオチドからなり、かつ上記第2のオリゴヌクレオチドが上記第2の鎖中の配列に連続的に相補的な第2のポリヌクレオチドからなる、第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチド、ならびに
ii)超好熱菌ポリメラーゼ活性を提供する少なくとも1つの成分
と接触させることによって核酸増幅産物を生成することを含み、核酸増幅産物が、1)第1のオリゴヌクレオチドの第1のポリヌクレオチドに連続的に相補的なまたはそれと実質的に同一の第1のヌクレオチド配列、2)第2のオリゴヌクレオチドの第2のポリヌクレオチドに連続的に相補的なまたはそれと実質的に同一の第2のヌクレオチド配列、および3)1~10塩基を含むスペーサー配列からなり、かつ
スペーサー配列が第1のヌクレオチド配列および第2のヌクレオチド配列に挟まれている、ステップと、
b)核酸増幅産物を検出するステップであって、リアルタイム検出方法の使用を含み、かつ試料核酸を(a)(i)および(a)(ii)と接触させた時から10分またはそれ未満以内に行われ、それによって試料核酸中の標的配列の存在、非存在、または量が決定される、ステップと
を含む、方法。
【0246】
C1.4 増幅するステップが、ヘリカーゼ不含かつリコンビナーゼ不含の等温増幅条件下で非変性試料核酸を接触させることを含む、実施形態C1からC1.3のいずれか1つに記載の方法。
【0247】
C2. 超好熱菌ポリメラーゼ活性を提供する少なくとも1つの成分が、超好熱菌ポリメラーゼもしくはその機能的断片、または超好熱菌ポリメラーゼと少なくとも約90%同一のアミノ酸配列を含むポリメラーゼもしくはその機能的断片を含む、実施形態C1からC1.4のいずれか1つに記載の方法。
【0248】
C3. 超好熱菌ポリメラーゼ活性を提供する少なくとも1つの成分が、超好熱菌ポリメラーゼもしくはその機能的断片、または超好熱菌ポリメラーゼと少なくとも約90%同一のアミノ酸配列を含むポリメラーゼもしくはその機能的断片からなる、実施形態C1からC1.4のいずれか1つに記載の方法。
【0249】
C4. 超好熱菌ポリメラーゼ活性が、古細菌の超好熱菌ポリメラーゼまたはその機能的断片によって提供される、実施形態C1からC3のいずれか1つに記載の方法。
【0250】
C5. 超好熱菌ポリメラーゼ活性が、配列番号8のアミノ酸配列を含むポリメラーゼまたはその機能的断片によって提供される、実施形態C1からC4のいずれか1つに記載の方法。
【0251】
C6. 超好熱菌ポリメラーゼ活性が、配列番号8のアミノ酸配列と少なくとも約90%同一のアミノ酸配列を含むポリメラーゼまたはその機能的断片によって提供される、実施形態C1からC4のいずれか1つに記載の方法。
【0252】
C6.1 超好熱菌ポリメラーゼ活性が、エキソヌクレアーゼ活性が低いポリメラーゼによって提供される、実施形態C1からC6のいずれか1つに記載の方法。
【0253】
C6.2 超好熱菌ポリメラーゼ活性が、エキソヌクレアーゼ活性を有しないポリメラーゼによって提供される、実施形態C1からC6のいずれか1つに記載の方法。
【0254】
C7. 要素(a)(ii)が、逆転写酵素活性を提供する少なくとも1つの成分をさらに含む、実施形態C1からC6.2のいずれか1つに記載の方法。
【0255】
C8. 超好熱菌ポリメラーゼ活性を提供する少なくとも1つの成分が逆転写酵素活性をさらに提供する、実施形態C1からC6.2のいずれか1つに記載の方法。
【0256】
C8.1 第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチドがそれぞれ8~16塩基を含む、実施形態C1からC8のいずれか1つに記載の方法。
【0257】
C9. 増幅の前または増幅の間に試料核酸を変性させるステップを含まない、実施形態C1からC8.1のいずれか1つに記載の方法。
【0258】
C10. 試料核酸を、増幅の前、間、または後にエンドヌクレアーゼと接触させない、実施形態C1からC9のいずれか1つに記載の方法。
【0259】
C10.1 試料核酸を、増幅の前または増幅の間にリコンビナーゼと接触させない、実施形態C1からC10のいずれか1つに記載の方法。
【0260】
C10.2 試料核酸を、増幅の前または増幅の間に一本鎖DNA結合性タンパク質と接触させない、実施形態C1からC10.1のいずれか1つに記載の方法。
【0261】
C11. 試料核酸が、増幅の前に非修飾である、実施形態C1からC10.2のいずれか1つに記載の方法。
【0262】
C12. 非修飾の試料核酸が破砕細胞に由来する、実施形態C11に記載の方法。
【0263】
C13. 試料核酸がDNAを含む、実施形態C1からC12のいずれか1つに記載の方法。
【0264】
C14. 試料核酸がゲノムDNAを含む、実施形態C13に記載の方法。
【0265】
C15. 試料核酸がRNAを含む、実施形態C1からC12のいずれか1つに記載の方法。
【0266】
C16. 試料核酸がウイルスRNAを含む、実施形態C15に記載の方法。
【0267】
C17. 試料核酸が細菌RNAを含む、実施形態C15に記載の方法。
【0268】
C18. 試料核酸が一本鎖核酸を含む、実施形態C1からC17のいずれか1つに記載の方法。
【0269】
C19. 試料核酸が二本鎖核酸を含む、実施形態C1からC17のいずれか1つに記載の方法。
【0270】
C20. 試料核酸が、増幅の前に被験体から得られる、実施形態C1からC19のいずれか1つに記載の方法。
【0271】
C20.1 精製されていない試料核酸が増幅される、実施形態C1からC20のいずれか1つに記載の方法。
【0272】
C20.2 精製された試料核酸が増幅される、実施形態C1からC20のいずれか1つに記載の方法。
【0273】
C21. 増幅の前に試料核酸を精製するステップをさらに含む、実施形態C1からC20.2のいずれか1つに記載の方法。
【0274】
C22. 増幅が約55℃から約75℃の一定温度で行われる、実施形態C1からC21のいずれか1つに記載の方法。
【0275】
C23. 増幅が約55℃から約65℃の一定温度で行われる、実施形態C1からC21のいずれか1つに記載の方法。
【0276】
C24. 増幅が約65℃の一定温度で行われる、実施形態C1からC21のいずれか1つに記載の方法。
【0277】
C25. 増幅が約60℃の一定温度で行われる、実施形態C1からC21のいずれか1つに記載の方法。
【0278】
C26. 核酸増幅産物が約20~40塩基の長さである、実施形態C1からC25のいずれか1つに記載の方法。
【0279】
C27. スペーサー配列が1~5塩基を含む、実施形態C1からC26のいずれか1つに記載の方法。
【0280】
C28. スペーサー配列が、第1のオリゴヌクレオチドの第1のポリヌクレオチドに相補的でなくそれと同一でもなく、かつ第2のオリゴヌクレオチドの第2のポリヌクレオチドに相補的でなくそれと同一でもない、実施形態C1からC27のいずれか1つに記載の方法。
【0281】
C29. スペーサー配列が、試料核酸中の標的配列の一部分に連続的に相補的またはそれと実質的に同一である、実施形態C1からC28のいずれか1つに記載の方法。
【0282】
C30. 核酸増幅産物を検出するステップが、蛍光シグナルの検出を含む、実施形態C1からC28のいずれか1つに記載の方法。
【0283】
C31. 蛍光シグナルが分子ビーコンに由来する、実施形態C30に記載の方法。
【0284】
C32. 核酸増幅産物を、i)増幅産物中の配列に相補的なポリヌクレオチド、ならびにii)フルオロフォアおよび消光剤を含むシグナル生成オリゴヌクレオチドと接触させるステップをさらに含む、実施形態C1からC31のいずれか1つに記載の方法。
【0285】
C33. 単一の反応容量中で行われる、実施形態C1からC32のいずれか1つに記載の方法。
【0286】
C34. 単一の反応容器中で行われる、実施形態C1からC33のいずれか1つに記載の方法。
【0287】
C35. マルチプレックス増幅を含む、実施形態C1からC34のいずれか1つに記載の方法。
【0288】
D1. 試料核酸中の標的配列の存在、非存在、または量を決定するためのキットであって、
a)i)第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチドであって、第1のオリゴヌクレオチドが、標的配列の第1の鎖中の配列に連続的に相補的な第1のポリヌクレオチドを含み、かつ第2のオリゴヌクレオチドが、標的配列の第2の鎖中の配列に連続的に相補的な第2のポリヌクレオチドを含み、標的配列の第1の鎖および第2の鎖が互いに相補的である、第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチド、ならびに
ii)超好熱菌ポリメラーゼ活性を提供する少なくとも1つの成分
を含む、ヘリカーゼ不含の等温増幅条件下で試料核酸中の標的配列を増幅するための成分と、
b)核酸増幅産物のリアルタイム検出活性を提供する少なくとも1つの成分と
を含む、キット。
【0289】
D1.1 第1のオリゴヌクレオチドが、標的配列の第1の鎖中の配列に連続的に相補的な第1のポリヌクレオチドから本質的になり、かつ第2のオリゴヌクレオチドが、標的配列の第2の鎖中の配列に連続的に相補的な第2のポリヌクレオチドから本質的になる、実施形態D1に記載のキット。
【0290】
D1.2 第1のオリゴヌクレオチドが、標的配列の第1の鎖中の配列に連続的に相補的な第1のポリヌクレオチドからなり、かつ第2のオリゴヌクレオチドが、標的配列の第2の鎖中の配列に連続的に相補的な第2のポリヌクレオチドからなる、実施形態D1に記載のキット。
【0291】
D1.3 試料核酸中の標的配列の存在、非存在、または量を決定するためのキットであって、
a)i)第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチドであって、第1のオリゴヌクレオチドが、標的配列の第1の鎖中の配列に連続的に相補的な第1のポリヌクレオチドからなり、かつ第2のオリゴヌクレオチドが、標的配列の第2の鎖中の配列に連続的に相補的な第2のポリヌクレオチドからなり、標的配列の第1の鎖および第2の鎖が互いに相補的である、第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチド、ならびに
ii)超好熱菌ポリメラーゼ活性を提供する少なくとも1つの成分
を含む、ヘリカーゼ不含の等温増幅条件下で試料核酸中の標的配列を増幅するための成分と、
b)核酸増幅産物のリアルタイム検出活性を提供する少なくとも1つの成分と
を含む、キット。
【0292】
D1.4 試料核酸が、ヘリカーゼ不含かつリコンビナーゼ不含の等温増幅条件下で増幅される、実施形態D1からD1.3のいずれか1つに記載のキット。
【0293】
D2. 超好熱菌ポリメラーゼ活性を提供する少なくとも1つの成分が、超好熱菌ポリメラーゼもしくはその機能的断片、または超好熱菌ポリメラーゼと少なくとも約90%同一のアミノ酸配列を含むポリメラーゼもしくはその機能的断片を含む、実施形態D1からD1.4のいずれか1つに記載のキット。
【0294】
D3. 超好熱菌ポリメラーゼ活性を提供する少なくとも1つの成分が、超好熱菌ポリメラーゼもしくはその機能的断片、または超好熱菌ポリメラーゼと少なくとも約90%同一のアミノ酸配列を含むポリメラーゼもしくはその機能的断片からなる、実施形態D1からD1.4のいずれか1つに記載のキット。
【0295】
D4. 超好熱菌ポリメラーゼ活性が、古細菌の超好熱菌ポリメラーゼまたはその機能的断片によって提供される、実施形態D1からD3のいずれか1つに記載のキット。
【0296】
D5. 超好熱菌ポリメラーゼ活性が、配列番号8のアミノ酸配列を含むポリメラーゼまたはその機能的断片によって提供される、実施形態D1からD4のいずれか1つに記載のキット。
【0297】
D6. 超好熱菌ポリメラーゼ活性が、配列番号8のアミノ酸配列と少なくとも約90%同一のアミノ酸配列を含むポリメラーゼまたはその機能的断片によって提供される、実施形態D1からD4のいずれか1つに記載のキット。
【0298】
D7. 超好熱菌ポリメラーゼ活性が、エキソヌクレアーゼ活性が低いポリメラーゼによって提供される、実施形態D1からD6のいずれか1つに記載のキット。
【0299】
D8. 超好熱菌ポリメラーゼ活性が、エキソヌクレアーゼ活性を有しないポリメラーゼによって提供される、実施形態D1からD6のいずれか1つに記載のキット。
【0300】
D9. 要素(a)(ii)が、逆転写酵素活性を提供する少なくとも1つの成分をさらに含む、実施形態D1からD8のいずれか1つに記載のキット。
【0301】
D10. 超好熱菌ポリメラーゼ活性を提供する少なくとも1つの成分が逆転写酵素活性をさらに提供する、実施形態D1からD8のいずれか1つに記載のキット。
【0302】
D11. 第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチドがそれぞれ8~16塩基を含む、実施形態D1からD10のいずれか1つに記載のキット。
【0303】
D12. リアルタイム検出活性が分子ビーコンによって提供される、実施形態D1からD11のいずれか1つに記載のキット。
【0304】
D13. 試料核酸中の標的配列の存在、非存在、または量を決定するための方法を実施するための指示をさらに含み、上記方法が、
a)試料核酸中の標的配列を増幅するステップであって、
標的配列が第1の鎖および第2の鎖を含み、
第1の鎖および第2の鎖が互いに相補的であり、
かつ増幅するステップが、ヘリカーゼ不含の等温増幅条件下で非変性試料核酸を
i)第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチドであって、第1のオリゴヌクレオチドが第1の鎖中の配列に連続的に相補的な第1のポリヌクレオチドを含み、かつ第2のオリゴヌクレオチドが第2の鎖中の配列に連続的に相補的な第2のポリヌクレオチドを含む、第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチド、ならびに
ii)超好熱菌ポリメラーゼ活性を提供する少なくとも1つの成分
と接触させることによって核酸増幅産物を生成することを含み、核酸増幅産物が、1)第1のオリゴヌクレオチドの第1のポリヌクレオチドに連続的に相補的なまたはそれと実質的に同一の第1のヌクレオチド配列、2)第2のオリゴヌクレオチドの第2のポリヌクレオチドに連続的に相補的なまたはそれと実質的に同一の第2のヌクレオチド配列、および3)1~10塩基を含むスペーサー配列を含み、かつ
スペーサー配列が第1のヌクレオチド配列および第2のヌクレオチド配列に挟まれている、ステップと、
b)核酸増幅産物を検出するステップであって、リアルタイム検出方法の使用を含み、かつ試料核酸を(a)(i)および(a)(ii)と接触させた時から10分またはそれ未満以内に行われ、それによって試料核酸中の標的配列の存在、非存在、または量が決定される、ステップと
を含む、実施形態D1からD12のいずれか1つに記載のキット。
【0305】
D13.1 第1のオリゴヌクレオチドが、第1の鎖中の配列に連続的に相補的な第1のポリヌクレオチドから本質的になり、かつ第2のオリゴヌクレオチドが、第2の鎖中の配列に連続的に相補的な第2のポリヌクレオチドから本質的になり、かつ/または、核酸増幅産物が、1)第1のオリゴヌクレオチドの第1のポリヌクレオチドに連続的に相補的なまたはそれと実質的に同一の第1のヌクレオチド配列、2)第2のオリゴヌクレオチドの第2のポリヌクレオチドに連続的に相補的なまたはそれと実質的に同一の第2のヌクレオチド配列、および3)1~10塩基を含むスペーサー配列から本質的になる、実施形態D13に記載のキット。
【0306】
D13.2 第1のオリゴヌクレオチドが、第1の鎖中の配列に連続的に相補的な第1のポリヌクレオチドからなり、かつ第2のオリゴヌクレオチドが、第2の鎖中の配列に連続的に相補的な第2のポリヌクレオチドからなり、かつ/または、核酸増幅産物が、1)第1のオリゴヌクレオチドの第1のポリヌクレオチドに連続的に相補的なまたはそれと実質的に同一の第1のヌクレオチド配列、2)第2のオリゴヌクレオチドの第2のポリヌクレオチドに連続的に相補的なまたはそれと実質的に同一の第2のヌクレオチド配列、および3)1~10塩基を含むスペーサー配列からなる、実施形態D13に記載のキット。
【0307】
D13.3 試料核酸中の標的配列の存在、非存在、または量を決定するための方法を実施するための指示をさらに含み、上記方法が、
a)試料核酸中の標的配列を増幅するステップであって、
標的配列が第1の鎖および第2の鎖を含み、
第1の鎖および第2の鎖が互いに相補的であり、
かつ増幅するステップが、ヘリカーゼ不含の等温増幅条件下で非変性試料核酸を
i)第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチドであって、第1のオリゴヌクレオチドが、第1の鎖中の配列に連続的に相補的な第1のポリヌクレオチドからなり、かつ第2のオリゴヌクレオチドが、第2の鎖中の配列に連続的に相補的な第2のポリヌクレオチドからなる、第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチド、ならびに
ii)超好熱菌ポリメラーゼ活性を提供する少なくとも1つの成分
と接触させることによって核酸増幅産物を生成することを含み、核酸増幅産物が、1)第1のオリゴヌクレオチドの第1のポリヌクレオチドに連続的に相補的なまたはそれと実質的に同一の第1のヌクレオチド配列、2)第2のオリゴヌクレオチドの第2のポリヌクレオチドに連続的に相補的なまたはそれと実質的に同一の第2のヌクレオチド配列、および3)1~10塩基を含むスペーサー配列からなり、かつ
スペーサー配列が第1のヌクレオチド配列および第2のヌクレオチド配列に挟まれている、ステップと、
b)核酸増幅産物を検出するステップであって、リアルタイム検出方法の使用を含み、かつ試料核酸を(a)(i)および(a)(ii)と接触させた時から10分またはそれ未満以内に行われ、それによって試料核酸中の標的配列の存在、非存在、または量が決定される、ステップと
を含む、実施形態D1からD12のいずれか1つに記載のキット。
【0308】
D14. 方法が、増幅の前または増幅の間に試料核酸を変性させるステップを含まない、実施形態D13からD13.3のいずれか1つに記載のキット。
【0309】
D15. 試料核酸を、増幅の前、間、または後にエンドヌクレアーゼと接触させない、実施形態D13からD14のいずれか1つに記載のキット。
【0310】
D16. 試料核酸が、増幅の前に非修飾である、実施形態D13からD15のいずれか1つに記載のキット。
【0311】
D17. 非修飾の試料核酸が破砕細胞に由来する、実施形態D16に記載のキット。
【0312】
D18. 試料核酸がDNAを含む、実施形態D13からD15のいずれか1つに記載のキット。
【0313】
D19. 試料核酸がゲノムDNAを含む、実施形態D18に記載のキット。
【0314】
D20. 試料核酸がRNAを含む、実施形態D13からD15のいずれか1つに記載のキット。
【0315】
D21. 試料核酸がウイルスRNAを含む、実施形態D20に記載のキット。
【0316】
D22. 試料核酸が細菌RNAを含む、実施形態D20に記載のキット。
【0317】
D23. 試料核酸が一本鎖核酸を含む、実施形態D13からD22のいずれか1つに記載のキット。
【0318】
D24. 試料核酸が二本鎖核酸を含む、実施形態D13からD22のいずれか1つに記載のキット。
【0319】
D25. 試料核酸が、増幅の前に被験体から得られる、実施形態D13からD24のいずれか1つに記載のキット。
【0320】
D26. 精製されていない試料核酸が増幅される、実施形態D13からD25のいずれか1つに記載のキット。
【0321】
D27. 精製された試料核酸が増幅される、実施形態D13からD25のいずれか1つに記載のキット。
【0322】
D28. 方法が、増幅の前に試料核酸を精製するステップをさらに含む、実施形態D13からD27のいずれか1つに記載のキット。
【0323】
D29. 増幅が約55℃から約75℃の一定温度で行われる、実施形態D13からD28のいずれか1つに記載のキット。
【0324】
D30. 増幅が約55℃から約65℃の一定温度で行われる、実施形態D13からD28のいずれか1つに記載のキット。
【0325】
D31. 増幅が約65℃の一定温度で行われる、実施形態D13からD28のいずれか1つに記載のキット。
【0326】
D32. 増幅が約60℃の一定温度で行われる、実施形態D13からD28のいずれか1つに記載のキット。
【0327】
D33. 核酸増幅産物が約20~40塩基の長さである、実施形態D13からD32のいずれか1つに記載のキット。
【0328】
D34. スペーサー配列が1~5塩基を含む、実施形態D13からD33のいずれか1つに記載のキット。
【0329】
D35. スペーサー配列が、第1のオリゴヌクレオチドの第1のポリヌクレオチドに相補的でなくそれと同一でもなく、かつ第2のオリゴヌクレオチドの第2のポリヌクレオチドに相補的でなくそれと同一でもない、実施形態D13からD34のいずれか1つに記載のキット。
【0330】
D36. スペーサー配列が、試料核酸中の標的配列の一部分に連続的に相補的またはそれと実質的に同一である、実施形態D13からD35のいずれか1つに記載のキット。
【0331】
D37. 核酸増幅産物を検出するステップが、蛍光シグナルの検出を含む、実施形態D13からD36のいずれか1つに記載のキット。
【0332】
D38. 蛍光シグナルが分子ビーコンに由来する、実施形態D37に記載のキット。
【0333】
D39. 方法が、核酸増幅産物を、i)増幅産物中の配列に相補的なポリヌクレオチド、ならびにii)フルオロフォアおよび消光剤を含むシグナル生成オリゴヌクレオチドと接触させるステップをさらに含む、実施形態D13からD38のいずれか1つに記載のキット。
【0334】
D40. 方法が単一の反応容量中で行われる、実施形態D13からD39のいずれか1つに記載のキット。
【0335】
D41. 方法が単一の反応容器中で行われる、実施形態D13からD40のいずれか1つに記載のキット。
【0336】
D42. 方法がマルチプレックス増幅を含む、実施形態D13からD41のいずれか1つに記載のキット。
【0337】
本明細書中で参照した各特許、特許出願、刊行物、および文献の全体が、参照により本明細書に組み込まれる。上記特許、特許出願、刊行物、および文献の引用は、上記のいずれかが関連する先行技術であることを容認するものではなく、またこれらの刊行物または文献の内容または日付についていかなる容認も構成しない。これらの引用は、関連する開示についてサーチしたことを示すものではない。文献の日付または内容に関する全ての記述は、利用可能な情報に基づくものであり、その正確性または適切性を容認するものではない。
【0338】
本技術の基本的態様から逸脱することなく、上記したものに対して改変が為され得る。1つまたは複数の具体的実施形態を参照して本技術をかなり詳細に記載したが、本出願中に具体的に開示した実施形態に対して変更を行うことができ、これらの改変および改良も本技術の範囲および精神に含まれることを当業者は認識するであろう。
【0339】
好適なものとして本明細書中に実例を挙げて説明した技術は、本明細書中に具体的に開示されていない任意の要素の非存在下で実施され得る。よって、例えば、本明細書中の各例において、「含む」、「から本質的になる」、および「からなる」という用語のいずれかは、その他の2つの用語のいずれかと交換され得る。用いられている用語および表現は、限定ではなく説明の用語として使用されたものであり、そのような用語および表現の使用は、示されかつ記載された特徴の任意の均等物またはその部分を除外するものではなく、様々な改変が特許請求される技術の範囲内で可能である。「a」または「an」という用語は、要素のいずれか1つまたは1つより多くの要素が記載されていることが文脈上明らかでない限り、それが修飾する要素の1つまたは複数を指し得る(例えば、「試薬(a reagent)」は1つまたは複数の試薬を意味し得る)。本明細書中で使用される「約」という用語は、基礎となるパラメーターの10%以内(すなわち、プラスまたはマイナス10%)を指し、値の列挙の始まりにおける「約」という用語の使用は、それぞれ
の値を修飾する(すなわち、「約1、2、および3」は約1、約2、および約3を指す)。例えば、「約100グラム」の質量は、90グラムから110グラムの間の質量を包含し得る。さらに、値の列挙が本明細書中に記載されている場合(例えば、約50%、60%、70%、80%、85%、または86%)、列挙はその全ての中間の値および小数の値(例えば、54%、85.4%)を包含する。よって、代表的な実施形態および任意選択の特徴によって本技術を具体的に開示したが、本明細書中に開示した概念の改変および変更を当業者は行うことができ、そのような改変および変更は本技術の範囲内であると考えられることが理解されるべきである。
【0340】
本技術のある特定の実施形態が下記の特許請求の範囲に記載される。
【配列表】