(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-25
(45)【発行日】2024-02-02
(54)【発明の名称】自立式日除け
(51)【国際特許分類】
A45B 25/16 20060101AFI20240126BHJP
A45B 17/00 20060101ALI20240126BHJP
【FI】
A45B25/16 A
A45B17/00 C
(21)【出願番号】P 2020127105
(22)【出願日】2020-07-28
【審査請求日】2023-04-04
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 新規性消失の例外の規定の適用を受けるための証明書のとおり
(73)【特許権者】
【識別番号】000108627
【氏名又は名称】タカノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087468
【氏名又は名称】村瀬 一美
(72)【発明者】
【氏名】長橋 辰男
【審査官】村山 睦
(56)【参考文献】
【文献】特開昭60-182904(JP,A)
【文献】特開2006-43430(JP,A)
【文献】特表2007-534426(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第2077079(EP,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45B 25/16
A45B 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支柱と、
該支柱に沿って昇降可能な昇降用スライダと、
前記昇降用スライダに基端部が回転自在に支持されると共に先端側が自由端とされた主アームと、
前記主アームと前記支柱とを連結して前記主アームの先端側を前記支柱から離す方向に導くような回転を与えて前記主アームの先端側を前記支柱から水平方向に突き出させるように吊り下げる補助アームと、
前記主アームに沿って摺動する開閉用スライダと、
前記主アームの先端側で方向転換して前記開閉用スライダと前記支柱とを連結するロープと、
前記主アームの先端に取り付けられた回転中心機構を中心に前記主アームに沿って左右方向に扇状に開閉される日除けフレームと該日除けフレームで支持される日除けシートとで構成される日除けと、
前記日除けの最外側の前記日除けフレームと前記開閉用スライダとを連結して前記開閉用スライダの摺動によって最外側の前記日除けフレームを押し拡げるリンクとを備え、
前記昇降用スライダを昇降させることで、前記主アームの基端部を持ち上げながら前端側を前方へ倒してほぼ水平姿勢に変化させながら同時に前記日除けを左右方向に扇状に開き、あるいは前記主アームの基端側を沈めながら先端側を引き起こしてほぼ鉛直姿勢に変化させながら同時に前記日除けを左右方向に扇状に閉じるものである
ことを特徴とする
自立式日除け。
【請求項2】
前記日除けは、前記日除けフレームが前記主アームの先端の前記回転中心機構によってそれぞれ独自に回転自在に支持され、最外側の前記日除けフレームの動きに引っ張られてその他の前記日除けフレーム並びにそれらの間に取り付けられた前記日除けシートも追従する構造とされていることを特徴とする請求項1記載の自立式日除け。
【請求項3】
前記回転中心機構は放射状に配置される複数本の前記日除けフレームの基端部側を1つの共通の回転中心軸で回転自在に連結して扇状に開閉するように構成され、前記共通の回転中心軸と各日除けフレームとを各日除けフレーム毎に異なる折れ角度の連結プレートで連結すると共に前記連結プレートに個別の回転ガイド軸を設け、各日除けフレーム毎の前記個別回転ガイド軸を各日除けフレーム毎の円弧状のガイド孔内を移動させることによって揺動範囲が規制され、前記日除けを閉じた時に前記日除けフレームが互いに並行に配置されることを特徴とする請求項1または2記載の自立式日除け。
【請求項4】
前記昇降用スライダは前記主アームの前記基端部が回転自在に取り付けられるブラケットと、該ブラケットよりも下方に配置され前記ブラケットと連動する操作用スライダとで構成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の自立式日除け。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、日除けに関するものである。さらに詳述すると、本発明は、自立式の日除けに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の自立式日除けはパラソル形式のものが一般的である。
【0003】
また、日除け(パラソル)部分を支柱から迫り出したアームの先端に吊り下げ、開閉可能とした自立式日除けもある(特許文献1)。アームはその基端部の環状スライダを介して支柱に摺動自在に連結され支柱に沿って昇降可能であり、支柱の頂部に回転可能に取り付けられた補助アームによって中間が支持され、図示していないハンドルの回転操作などによってロープを巻き上げてアームを前方に倒しながら持ち上げることにより、日除けが支障なく展開できるように支柱から十分離れた位置で日除けを支持するようにしている。さらに、日除けを開閉させる受骨用ろくろには日除け開閉用のロープが結ばれており、アームの張り出し後に日除け開閉用ロープを引いて日除けを展開するようにしている。このロープは支柱や何処か適当な場所に結び付けて固定するか、あるいはロープの端をハンドル(図示省略)を回して巻き取ることにより行うようにしている。
【0004】
また、支柱の片側だけに方形の日除けシートを開くようにして、支柱を通路などの隅に設置可能とした自立式日除けもある(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2001-128716号公報
【文献】特開2003-210225号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、パラソルタイプの日除けを開くためには、ロープやワイヤなどを介して重量のある傘骨やシートを持ち上げる必要があり、特に日除けが大型の場合は大きな力が必要となる。ロープを手で引っ張るのは大変であるし、しかも引っ張った状態で何処かに結び付けて固定するのは更に大変である。また、日除けを拡げようとするとき、窄んだ状態で収納されている日除けの末端部分が閉じて瞬間的に負圧が生じるため、日除けを開くときに大きな力を要する。
【0007】
また、日除け部分を支柱から迫り出させたアームの先端に吊り下げて開閉可能とする自立式日除けでは、支柱から離れた位置にアームを突出させる操作と、日除けを展開する操作とが別々に必要であり、開閉に時間がかかり面倒である。また、開閉操作の迅速化を図るには操作ワイヤの巻き取り用ウィンチやドラムを大型化せざるを得ず、デザイン的にも場所的にも好ましくない。
【0008】
更に、支柱の片側へ日除けを吊り下げたりあるいは日除けシートを張り出す構造では、アームによる日除けの支持強度が得られないため、突風などに弱く壊れやすいという問題を有する。
【0009】
また、日除けの中央に支柱がある自立式日除けの場合には、日除けの下の利用できる空間が支柱で分断されるため、中央が使えず、使い勝手の悪い問題を有する。例えば日除けの中央を横切るような状態でテーブルやリクライニングチェア、ベット、シートなどを置くことができない。また、中央の支柱を中心に日除けが展開される構造なので、設置場所が制限され壁面や構造物などに接近させて据え付けることができない。
【0010】
本発明は、支柱から離れた位置に突出させるのと同時に日除けを展開することがワンアクション(一動作)で可能な自立式日除けを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
かかる目的を達成するために、請求項1記載の発明にかかる自立式日除けは、支柱と、該支柱に沿って昇降可能な昇降用スライダと、昇降用スライダに基端部が回転自在に支持されると共に先端側が自由端とされた主アームと、主アームと支柱とを連結して主アームの先端側を支柱から離す方向に導くような回転を与えて主アームの先端側を支柱から水平方向に突き出させるように吊り下げる補助アームと、主アームに沿って摺動する開閉用スライダと、主アームの先端側で方向転換して開閉用スライダと支柱とを連結するロープと、主アームの先端に取り付けられた回転中心機構を中心に主アームに沿って左右方向に扇状に開閉される日除けフレームと該日除けフレームで支持される日除けシートとで構成される日除けと、日除けの最外側の日除けフレームと開閉用スライダとを連結して開閉用スライダの摺動によって最外側の日除けフレームを押し拡げるリンクとを備え、昇降用スライダを昇降させることで、主アームの基端部を持ち上げながら前端側を前方へ倒してほぼ水平姿勢に変化させながら同時に日除けを左右方向に扇状に開き、あるいは主アームの基端側を沈めながら先端側を引き起こしてほぼ鉛直姿勢に変化させながら同時に日除けを左右方向に扇状に閉じるようにしている。
【0012】
ここで、日除けは、日除けフレームが主アームの先端の回転中心機構によってそれぞれ独自に回転自在に支持され、最外側の日除けフレームの動きに引っ張られてその他の日除けフレーム並びにそれらの間に取り付けられた日除けシートも追従する構造とされていることが好ましい。
【0013】
また、回転中心機構は放射状に配置される複数本の日除けフレームの基端部側を1つの共通の回転中心軸で回転自在に連結して扇状に開閉するように構成され、共通の回転中心軸と各日除けフレームとを各日除けフレーム毎に異なる折れ角度の連結プレートで連結すると共に連結プレートに個別の回転ガイド軸を設け、各日除けフレーム毎の個別回転ガイド軸を各日除けフレーム毎の円弧状のガイド孔内を移動させることによって揺動範囲が規制され、日除けを閉じた時に日除けフレームが互いに並行に配置されるようにすることが好ましい。
【0014】
さらに、昇降用スライダは主アームの基端部が回転自在に取り付けられるブラケットと、該ブラケットよりも下方に配置されブラケットと連動する操作用スライダとで構成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
請求項1記載の装置によれば、昇降用スライダを上げるだけで日除けを左右方向に扇状に開閉させながら前方へ飛び出させてほぼ水平姿勢に変化させ、操作用スライダを下ろすだけで日除けを支柱前方より支柱側へ引き寄せると同時に閉じさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明にかかる自立式日除けの一実施形態を示す側面図で、日除けを閉じた状態を示す。
【
図2】同自立式日除けの日除けを開いた状態を示す側面図である。
【
図3】同自立式日除けの日除けを開いた状態を示す平面図である。
【
図4】同自立式日除けの日除け開閉機構の一実施形態を示す横断面図である。
【
図5】同日除け開閉機構の回転中心機構の一実施形態を示す側面図である。
【
図6】同日除け開閉機構の回転中心機構の平面図である。
【
図7】本発明にかかる自立式日除けの2基の日除けを備えた実施形態を示す側面図で、日除けを開いた状態を示す。
【
図8】同2基の日除けを備えた自立式日除けの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の構成を図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態では支柱を基準に日除けが支柱から離れる方向を前方向、支柱に接近する方向を後方向、並びに前後方向と直交する方向を左右方向と呼ぶ。
【0018】
(日除けの開閉機構(ワンタッチで開く))
図1~
図6に本発明の自立式日除けの一実施形態を示す。この実施形態にかかる自立式日除けは、支柱36に沿って操作用スライダ37を昇降させることで、主アーム1の基端部を持ち上げながら前端側を前方へ倒してほぼ水平姿勢に変化させながら同時に日除け28を左右方向に扇状に開き、あるいは主アーム1の基端側を沈めながら先端側を引き起こしてほぼ鉛直姿勢に変化させながら同時に日除け28を左右方向に扇状に閉じるものである。
【0019】
即ち、この自立式日除けは、具体的には、支柱36の一側面例えば前面で日除け28を持ち上げると同時に左右方向に扇状に開閉させながら前方へ飛び出させてほぼ水平姿勢に展開させるものであり、支柱36と、支柱36に沿って昇降自在に装備される昇降用スライダ47と、昇降用スライダ47に基端部が回転自在に支持されると共に先端側が自由端とされた主アーム1と、主アーム1に先端が回転自在に連結されると共に基端側が支柱36に回転自在に取付けられる補助アーム44と、主アーム1に沿って摺動する開閉用スライダ3と、主アーム1の先端側で方向転換して開閉用スライダ3と支柱36とを連結するロープ41と、主アーム1の先端に取り付けられた回転中心機構35を中心に主アーム1に沿って左右方向に扇状に開閉される日除けフレーム5,6,7,8,9と該日除けフレーム5,6,7,8,9で支持される日除けシート21とで構成される日除け28と、両側の最も外側の日除けフレーム5と開閉用スライダ3とを連結するリンク4とを備えるものである。
【0020】
本実施形態の場合、昇降用スライダ47は、主アーム1の基部を回転自在に支持するブラケット38とユーザーが取り扱い易い高さの範囲で昇降する操作用スライダ37及びブラケット38と操作用スライダ37とを連結する連結部材39とで構成され、支柱36の下寄りの領域で操作される操作用スライダ37の動きと連動させてブラケット38を昇降させるように設けられている。日除け28を展開する位置は一般にユーザーが立ち姿勢で入る際に妨げとならない高い位置であることが好ましいことから、展開時の主アーム1の基端部の高さとユーザーが操作し得る好ましい高さとが一致していないことが多い。そこで、本実施形態では、ブラケット38と連動する操作用スライダ37がブラケット38よりも下方に備えられており、高い位置でのスライダ操作をしなくて済むように設けられている。勿論、昇降用スライダ47は、操作用スライダ37とブラケット38との2部材を離間配置して連結部材39で一体化することに限られず、操作用スライダ37にブラケット38を備えたワンピースものとして構成しても良いことは言うまでも無い。
【0021】
操作用スライダ37は、支柱36に沿って昇降するものであり、本実施形態の場合例えば支柱36を囲う枠体から成る。操作用スライダ37と支柱36との間には、例えば図示していないベアリングや摺動性樹脂ブロックなどが介在され、軽い力で昇降可能な構造とされることが好ましい。勿論、操作用スライダ37は支柱36とは別にガイドレール(図示省略)を備えて案内する構造としても良いが、特に断りがない限り支柱36にはガイドレール機能も含まれる。
【0022】
操作用スライダ37には、図示していないが、支柱36に対するストッパ機構が備えられことが好ましい。これによって、例えば少なくとも操作用スライダ37の上昇端または下降端あるいは任意の位置でその動きを固定して、風などで主アーム1並びに日除けフレーム5,6,7,8や日除けシート21などが煽られて破損するのを防ぐことができる。
【0023】
主アーム1は、その基端部が支柱36に沿って昇降する昇降用スライダ47具体的には操作用スライダ37と一体のブラケット38によって支持されると共に、支柱36の頂部付近に回転自在に連結されている補助アーム44で中程が吊り下げられている。これにより、基端部が支柱36に沿って持ち上げられる主アーム1は、補助アーム44の回転軌跡に沿って前傾しながら先端側を前方へ突き出させるような水平姿勢に変化させられる。具体的には、本実施形態の場合には、例えば主アーム1の中間よりもやや基端部側寄りの位置で補助アーム44がブラケット45によって回転自在に連結されている。したがって、この補助アーム44は、支柱36に沿って操作用スライダ37が昇降することによって、主アーム1の基端部が上方へ移動する際に、主アーム1の先端側を支柱36から離す方向に導くような回転を与え、主アーム1の先端側を支柱36から水平方向に突き出させるように吊り下げる。尚、本実施形態では主アーム1にはブラケット45がビス止めや溶接付けなどで固着されており、このブラケット45に補助アーム44の先端部が回転可能に取り付けている。他方、補助アーム44の基端部は連結ピン46によって支柱36の頂部付近に回転可能に連結されている。ここで、日除け28並びに主アーム1の傾きについては、特に限定されるものではないが、思案点を越えないように水平よりも僅かに後傾姿勢とされているが、場合によっては思案点を通過して図示していないストッパに当接してリンク機構を拘束する機構としても良い。
【0024】
主アーム1は日除け28を支持し得る強度を有するものであればどのような形状・構造でも良いが、できるだけ軽量でかつ強度に優れる材質や形状であることが好ましいことは言うまでもない。そこで、本実施形態では、断面矩形状のアルミパイプ材を採用し、その基端部が操作用スライダ37と連動するブラケット38によって回転自在に支持されている。
【0025】
支柱36は、
図2に示すように、脚受け台48を下端に備え、この脚受け台48の部分を基礎などにボルトなどで固定することによって任意の場所に据え付け可能とされている。しかしながら、必ずしも脚受け台48は取り付けられず、直接支柱36を基礎中に埋設するようにして固定設置するようにしても良い。日除け28が大型化したり、強い風が予測されるような使用用途では、深い基礎を掘って支柱36を埋設することが好ましい。また、脚受け台48の上に錘となる筒状のブロック例えば半割可能なブロックなどを載置して重量で固定するようにして使用しても良い。
【0026】
本実施形態の場合、主アーム1には、
図4に示すように、開閉用スライダ3を摺動させるガイドレール2を備える。ガイドレール2としては、開閉用スライダ3を内部で滑らせかつ離脱不能に保持するように収容する構造部材例えばチャネル材の使用が好ましく、型鋼やアルミ合金製の押し出し材や引き抜き材などの型材などが用いられている。例えば、ガイドレール2は、
図4に示すような溝形断面を成す押し出し成形材によって構成されている。具体的には、両側に開閉用スライダ3のローラ23を抱持する折り返し部22が形成されると共に底辺の中程が開口された溝形を成し、開閉用スライダ3の本体24が走行する開口部が長手方向に貫通するように形成されている。折り返し部22は開閉用スライダ3のローラ23を転動可能にかつ脱落しないように支持するように設けられている。尚、本実施形態では、主アーム1とガイドレール2とを別部材で構成しているが、これに特に限られるものではなく、場合によっては主アーム1とガイドレール2とを一体成形した(つまり、主アーム1がガイドレール2を兼ねる)ものにしても良い。また、ガイドレール2は、少なくとも開閉用スライダ3のストローク範囲において備えられていれば足りるが、本実施形態の場合には主レール1とほぼ同等の長さに設定されている。
【0027】
ここで、開閉用スライダ3は、回動可能なリンク4を備え、該リンク4を介して最も外側の日除けフレーム5と連結されている。本実施形態の場合には、例えば開閉用スライダ3の本体24の底辺に対してコ形の受け金具25がリベット止めや溶接などで取り付けられており、その両側壁にリンク4を回転自在に取り付けるための軸受け部例えばコ形のブラケット26が溶接付けされている。このブラケット26にリンク4の基部の円筒形の軸受け部が装入されて締結具27で回転自在に取り付けられて対偶が構成されている。本実施形態の場合、ブラケット26と開閉用スライダ3の本体24並びにタイヤ23とがほぼ一直線上で左右対称に配置されることによって左右にバランス良く安定的に支持されている。
【0028】
尚、開閉用スライダ3は、主アーム1に沿って移動し且つ最外側の日除けフレーム5を駆動するリンク4が回転自在に連結され得るものであればどのような構造・形状・材質でも良く、特定の構造に限定されるものではない。即ち、開閉用スライダ3の本体24の構造は、ガイドレール2内を摺動可能なものであればその形態や材質などには特に限定されるものではなく、例えば板材をハット(hat)形に折り曲げて成るものにローラ23を備えたものでも、摺動性に優れる単なる樹脂製ブロックでも実施可能であるが、本実施形態の場合には角パイプが採用されている。
【0029】
また、開閉用スライダ3に回転自在に連結されたリンク4の先端側は、日除け28の最外側の日除けフレーム5の中程に回転自在に連結されている。本実施形態の場合、日除けフレーム5に溶接付けあるいはリベット止めなどで固定された略コ形のブラケット20と締結具29とによって日除けフレーム5の上に回転自在に連結されている。したがって、開閉用スライダ3が主アーム1の先端側へ移動することによって最外側の日除けフレーム5を押し拡げ、主アーム1の基端部側へ移動することで折り畳むように力を付勢する。
【0030】
さらに、開閉用スライダ3と支柱36とは主アーム1の先端側で方向転換するロープ41で連結されて連係させられている。つまり、ロープ41の一端が支柱36のロープ係留金具40に固定されると共に他端側が主アーム1の滑車42,43を経由してガイドレール2の内部の開閉用スライダ3に連結されている。ここで、ロープ41の長さ、即ち主アーム1の滑車42,43を経由した支柱36の頂部から開閉用スライダ3までの距離は一定であるため、主アーム1の傾きによって変化する開閉用スライダ3の位置は一義的に定まる。換言すれば、主アーム1の傾きに対して最外側の日除けフレーム5の開き角度が一義的に定まる。
【0031】
(日除けの開閉機構)
本実施形態にかかる日除け28は、
図3に示すように、主アーム1の先端において該主アーム1に沿って左右方向に扇状に広げるように開閉可能としたものであり、主アーム1の先端の回転中心機構35によって開閉可能に支持された複数本の可動の日除けフレーム5,6,7,8および固定日除けフレーム9と、これら日除けフレーム5,6,7,8および固定日除けフレーム9の間および固定日除けフレーム9との間に取り付けられた日除けシート21とで構成され、最も外側の日除けフレーム5を主アーム1の動きと連動させて開閉させる(つまり、主アーム1に対して角度をとるように離れる)ものである。
【0032】
具体的には、本実施形態では、可動の日除けフレーム5,6,7,8は主アーム1の先端の回転中心機構35によってそれぞれ独自に回転自在に支持され、最外側の日除けフレーム5の動きに引っ張られてその他の日除けフレーム6,7,8並びにそれらの間に取り付けられた日除けシート21も追従する構造とされている。即ち、日除けフレーム5,6,7,8は日除けシート21を介して相互に連結され、最も外側の日除けフレーム5が回転中心機構35を中心に広がる動きをすると、日除けシート21が張り詰めることで次の日除けフレーム6が引き出され、さらに次の日除けシート21が張り詰めることでさらに次の日除けフレーム7が引き出される、といった動きで日除けシート21が次々に拡げられて全開させられるように構成されている。したがって、最外側の日除けフレーム5へのリンク4の支持を失うと同時に、全ての日除けフレーム5,6,7,8とその間の日除けシート21とが自重による重力落下にて折り畳まれる。つまり、操作用スライダ37の降下により、主アーム1と補助アーム44が畳まれるとき、開閉用スライダ3にかかるロープ41の張力が失せて回動する全ての日除けフレーム5,6,7,8と日除けシート21も自動的に畳まれる。尚、左右方向に拡がる日除けフレームの中央には、主アーム1に沿って配置され固定されている固定日除けフレーム9が基板10に対して回転不能に固定されており、日除けフレーム8に取り付けられた日除けシート21の反対側を固定するように設けられている。この固定日除けフレーム9は、左右の日除け28の終端を兼ねる。
【0033】
日除けシート21は、特に生地に限定を受けるものではなく、キャンバス地などの一般に使用されているシート材の中から、あるいはそれ以外の新規のシート材の中から適宜選択される。尚、日除けシート21の形状には特定の形状であることは求められないが、本実施形態の場合には略三角形状の日除けシート21が用いられている。
【0034】
回転中心機構35は、本実施形態の場合、例えば
図3に示すように、扇形に開閉する日除けシート21の要となる主回転軸11を上下一対の基板10の間に配置して軸承するように設けられている。この回転中心機構35は、一対のL形鋼19を介して上側の基板10が主アーム1の先端に取り付けられることによって、主アーム1の先端に備えられている。上下一対の基板10は、略コ形のスペーサを介在させてボルト締めあるいは溶接付けなどで相互に連結されている。
【0035】
日除け28は、例えば、回転中心機構35を中心に放射状に配置される複数本の日除けフレーム5,6,7,8の基端部側を1つの回転中心軸11で回転自在に連結することで束ねて回転中心軸11を中心に扇状に開閉するように構成されている。本実施形態の日除け28は、主アーム1に対して直交する方向に回転中心軸11を配置して該回転中心軸11と直交する面内(即ち、主アーム1と平行な平面上)で開閉可能に備えられている。
【0036】
(日除けの回転中心機構)
通常、屋外用途の日除け28の場合、日除けシート21を支持する日除けフレーム5,6,7,8,9には、曲げ強度を高めるために高さのある断面形状にして断面二次モーメントを大きくする必要がある。このため、日除けフレーム5,6,7,8の基端部を1本の回転軸で連結して扇状に開閉させようとすると、扇の要となる部分ではがたつき易く嵩張って大型化してしまう問題を伴う。そこで、各日除けフレーム5,6,7,8の基端部に薄板状の連結プレートをそれぞれ取り付けて、共通回転中心軸11で連結する部分の厚みを薄形化することも考えられるが、連結プレートを長尺なものとしない限り回転中心部分の機構に近づいたところでは日除けフレーム5,6,7,8,9同士の干渉が起こり、それ以上に扇の角度を狭くすることができないという問題、即ち外側に向かうほど日除けフレーム5,6,7,8,9の間の間隔が開いてしまいコンパクトな折り畳み構造とすることが難しいばかりか、風の影響を受け易くなる収納状況となる問題がある。
【0037】
他方、日除けフレーム5,6,7,8ごとに別々の回転中心を設定して、閉じた時に各日除けフレーム5,6,7,8を互いに平行に配置して日除けフレーム5,6,7,8が重ならないように収納されるようにする場合には、コンパクトな折り畳み構造とすることが期待できる。しかしながら、各日除けフレーム5,6,7,8毎に回転中心が異なるので、日除け28を開いた時と閉じた時とでは、各日除けフレーム5,6,7,8の各回転中心から日除けシート21が各日除けフレーム5,6,7,8,9に止め付けられている取付箇所までの距離が各日除けフレーム5,6,7,8,9毎に変わってくるので、日除け28を閉じている間中、日除けシート21を無理矢理引き延ばしている状態となってしまう問題がある。
【0038】
そこで、本実施形態の回転中心機構35は、共通の回転中心軸11と各日除けフレーム5,6,7,8,9毎に異なる折れ角度の連結プレート31,32,33,34並びに個別の回転ガイド軸13,14,15とを設けるようにしている。即ち、各日除けフレーム5,6,7,8は、例えば
図8に示すように、共通の回転中心軸11と各日除けフレーム5,6,7,8毎の個別回転ガイド軸13,14,15とを有し、各個別回転ガイド軸13,14,15はそれぞれの円弧状のガイド孔16,17,18内を移動することによって揺動範囲が規制されるように設けられている。つまり、各日除けフレーム6,7,8は、共通回転中心軸11を要として個別回転ガイド軸13,14,15をプレートの円弧状の長孔16,17,18に沿って一定範囲内で移動させることで、扇形に開閉する構造とされている(
図8参照)。本実施形態の場合、片側4本ずつの日除けフレーム5,6,7,8が左右にそれぞれ備えられ、合計8本の日除けフレーム5,6,7,8によって、例えば180°の角度まで拡げられるように設けられている。尚、中央の日除けフレーム9は、基板10に2本のボルトで連結されて固定されている。そして、最も内側の端の日除けシート21の一端を固定している。他方、日除けフレーム5は、リンク4を介して開閉用スライダ3と連結され連動するため、揺動範囲を規制するためのガイドは必要とされず、回転ガイド軸12を案内するガイド孔は設けられていない。
【0039】
4本の可動の日除けフレーム5,6,7,8は、
図8に示すように、日除け28を閉じた時に互いに一定間隔を開けて並列設置されると共に拡げられた時に等角度で放射状に広がるように、連結プレート31,32,33,34で支持されている。最外側の日除けフレーム5は、例えば90°に屈曲する連結プレート31で回転中心軸11から最も離れ且つ展開状態で主アーム1に対してほぼ直角を成すように変位が与えられる。外から2番目の日除けフレーム6は、例えば100°程度に屈曲する連結プレート32で回転中心軸11から2番目に離れ且つ展開状態でほぼ67.5°程度傾いた変位が与えられる。外から3番目の日除けフレーム7は、例えば150°程度に屈曲する連結プレート33で回転中心軸11から3番目に離れ且つ展開状態でほぼ45°程度傾いた変位が与えられる。外から4番目の日除けフレーム8は、例えばストレートな連結プレート34で回転中心軸から4番目に離れ且つ展開状態でほぼ主アーム1と22.5°程度となるように変位が与えられる。
【0040】
これによって、日除け28を閉じるときには、
図8に示すように、日除けフレーム5,6,7,8は、互いに平行に並べられる。このとき、日除けフレーム5,6,7,8の基端部の位置は共通回転中心軸11の下、
図8に示すように互いに等間隔で4列に並べられるが、個別回転ガイド軸の位置は共通回転中心軸11からそれぞれ異なる半径の位置と異なる角度となる。これにより、4本の連結プレート31,32,33,34が一定間隔で共通回転中心軸11に離間させて嵌合される一方、日除けフレーム5,6,7,8の基端部は同じ高さ位置に並べられる。
【0041】
本実施形態では、各日除けフレーム5,6,7,8の基端側には、各々異なる曲げ角度(異なるオフセット量)の連結プレート31,32,33,34が例えばビス止めによって固着され、各連結プレート31,32,33,34を共通回転中心軸11にそれぞれ軸方向にずらして嵌合されることによって、各日除けフレーム5,6,7,8は、同じ高さに並べられて配置されることとなる(
図8参照)。また、各日除けフレーム5,6,7,8は閉じた位置では、互いに平行に並べられるように連結プレート31,32,33,34によって支持される。このため、本実施形態の日除け28は複数本の日除けフレーム5,6,7,8,9を互いに平行に束ねた状態でコンパクトに収納できる。しかも、日除けシート21の日除けフレーム5,6,7,8,9への止め付け位置は、展開時よりも閉じた時に相互に接近するので、日除け28の収納時に生地が弛み無用のテンションがかかることがない。
【0042】
連結プレート31,32,33,34は、回転中心軸11上で互いに干渉しないように軸方向に適宜ずらして配置され、適宜スペーサを介在させて回転自在に締結されている。つまり、日除けフレーム5,6,7,8は同じ高さでありながら回転中心軸11の位置では異なる高さになるように設けられている。本実施形態の場合、特に機構上の要求ではないが強度上の問題から最外側並びに外から3番目の日除けフレーム5,7は、上と下からの双方を2枚の連結プレートで挟持されており、外から2番目と4番目(一番内側)の日除けフレーム6,8は1枚の連結プレートで支持されている。尚、各個別回転ガイド軸12,13,14,15においても同様に、適宜スペーサを介在させて回転自在に締結されている。
【0043】
連結プレート31,32,33,34並びに日除けフレーム5,6,7,8には、図示していないが補強のためのリブプレート例えば三角形のプレートがそれぞれ基端部に設けられることがある。
【0044】
以上のように構成された
図1から
図8に示す構造の自立式日除けによると、日除け28を開く場合には、操作用スライダ37を支柱36に沿って持ち上げれば良い。操作用スライダ37の上昇によって、ブラケット38に連結されている主アーム1の基端部が支柱36に沿って上昇する。主アーム1の先端(回転中心機構35)側は、基端部及び補助アーム44の動きと相まって支柱36から離れる方向即ち前方向に倒れていく。この動きに同期して主アーム1に沿って開閉用スライダ3が主アーム1の先端に向けてロープ41によって相対的に引っ張られ、リンク4の基端を主アーム1の先端即ち回転中心機構35に向けて引き上げる。この結果、リンク4に連結された最も外側の日除けフレーム5が回転中心機構35を中心として主アーム1に対する角度を広げるように押し拡げられ、該日除けフレーム5に取り付けられている日除けシート21→日除けフレーム6→日除けシート21→日除けフレーム7→日除けシート21→日除けフレーム8→日除けシート21と順次引っ張り出されるようにして、日除け28が扇状に開かれる。つまり、主アーム1を前方へ傾けながら持ち上げてほぼ水平姿勢にするのと並行して、開閉用スライダ3を主アーム1の前方へ移動させてリンク4を介して最外側の日除けフレーム5を押し拡げて日除け28を開かせる。換言すれば、本実施形態の自立式日除けは、操作用スライダ37を持ち上げるのと同時に日除け28を左右方向に扇状に開閉させながら前方へ飛び出させてほぼ水平姿勢にする。
【0045】
また、自立式日除けを閉じる場合には、操作用スライダ37を押し下げるだけで行われる。すなわち、操作用スライダ37の押し下げによって主アーム1の基端部が支柱36に沿って引き下げられるため、主アーム1はその先端側を引き起こしながら全体的に支柱36側へ引き寄せられつつ支柱36に沿って起立状態に変化する。このとき、支柱36と主アーム1の滑車42との間の拡がっていた距離が狭まるのと同時に、ロープ41が弛むと共に日除けフレーム5の自重でリンク4が閉じられる方向(鉛直線に沿う方向)に付勢されていることから、開閉用スライダ3が主アーム1の基端側へ向けて押し下げられる。日除け28は、リンク4の支えを失うので自重によって自動的に折り畳まれる。つまり、日除け28を閉じながら主アーム1を手前(支柱36)側へ引き戻しながら起立させつつ下ろさせる。
【0046】
このようにして、本実施形態の自立式日除けはワンタッチで日除け28の開閉ができる。尚、昇降用スライダ47にはロック機構がなくとも主アーム1および日除け28の自重で閉状態は維持され、主アーム1を含む日除け28の自重により開状態も維持される。
【0047】
上述の実施形態によれば、日除け28を持ち上げると同時に左右方向に扇状に開閉させながら前方へ飛び出させてほぼ水平姿勢にするという、従来にないユニークで斬新な動きの日除けを提供できる。しかも、この面白みのある動きをワンアクションで実現できる。ここで、日除け28としての形状や図柄などについては特に限定を受けるものではないが、例えば蝶類や鳥類の翼を連想させるような形態・図柄とすれば、恰も蝶や鳥が羽ばたきながら飛び上がるような動きを彷彿させるため、今までの日除けの動きにない、面白みのある目新しい動きを為し、見るものに感動を与えことができる。また、例えば腕を広げた熊のような動物の形態並びに図柄とすることによっても、腕を広げて飛びかかってくるような凄みのあるアクションを連想させることができる。さらに、従来にないユニークで斬新な動きを創り出すことから、日除けとしての利用だけでなく、オブジェとしての利用も可能である。
【0048】
その上、主アーム1が倒れる力を利用して日除け28を開き、拡げられた日除け28そのものの自重で日除け28を閉じるようにしているので、支柱36に沿って操作用スライダ37を昇降させるだけの軽い操作力で簡単に開閉させることができる。
【0049】
なお、上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。
【0050】
例えば、上述の実施形態では、左右対称形状の日除け28を構成する例を挙げて主に説明したが、これに特に限られるものではなく、左右非対称形状の日除け28を構成するようにしても良い。例えば、
図5に示すように、主アーム1を中心に左右の日除けフレーム5,6,7,8の長さと日除けシート21の長さを異ならせることによって、左右非対称の日除け28を構成しても良いし、さらには
図4に示すように、1本の支柱36に対して180度置きに2本の主アーム1を配置し、それぞれの主アーム1に左右対称あるいは左右非対称の日除け28を装備することで、
図5に示すような展開状態の日除け28を構成するようにしても良い。また、上述の実施形態では、蝶類や鳥類の翼を連想させるような矩形状の日除け28を構成する例を挙げているが、これに特に限定されるものではなく、半円状あるいは半円以上で360°未満の扇形の日除けとして構成するようにしても良い。
【0051】
さらに、上述の実施形態では、1つの操作用スライダ37の昇降で左右の日除け28を同時に開閉させる操作機構としているが、これに特に限られるものではなく、場合によっては各区画の日除け28毎に操作機構を設けることによって各区画毎に独立させてそれぞれ日除け28を開閉させるようにしても良い。例えば、2系統の開閉用スライダとロープとを備え、左右の日除け28の開閉タイミングをずらすなどして日除け28の開閉アクションに工夫を凝らすようにしても良い。
【0052】
また、上述の実施形態にかかる日除け28は、日除けフレームを展開したときに日除けシート21が張り詰められるように設けられているが、これに特に限定されるものではなく、日除けシート21が弛みを以て展開されるようにしても良い。例えば、図示していないが、日除けシート21の幅よりも短いテープ状連結部材で隣合う日除けフレーム5,6,7,8,9同士を直接連結することで、日除けシート21が張り詰める前に次の日除けフレーム6が引き出される構造として、図示していないテープ状連結部材で隣合う日除けフレーム5,6,7,8,9同士が引っ張られて展開されて行くようにしても良い。この場合、隣合う日除けフレーム5,6,7,8,9と日除けフレーム5,6,7,8,9との間の間隔は日除けシート21が張り詰める前にテープ状連結部材が張り詰めることで一定間隔に保たれるので、隣合う日除けフレーム5,6,7,8,9の間で日除けシート21が垂みをもった襞を形成させることができる。
【0053】
また、上述の実施形態では、日除けフレーム5,6,7,8,9の基端部の連結プレートを1本の共通の回転中心軸11に軸方向にずらして嵌合させて連結すると共に各日除けフレーム5,6,7,8,9の連結プレートの曲げ角度を1枚毎に異ならせることで、日除け28を閉じた時に複数の日除けフレーム5,6,7,8,9が相互に平行に並べられて干渉しないように設けられているが、これに特に限定されるものではなく、各日除けフレーム5,6,7,8毎の回転中心軸を設けることによって各日除けフレーム5,6,7,8を互いに干渉しないように旋回(展開)させたり、あるいは複数の日除けフレームの間で本の共通の回転中心軸11に対する取り付け位置を各フレーム毎に異なる高さに設定するようにしても良い。この場合でも、日除け28の共通回転中心軸11の近くでの日除けフレーム5,6,7,8,9の互いの干渉をなくして日除け28としての収納をコンパクトなものとすることができる。勿論、共通回転中心軸11の付近で日除けフレーム5,6,7,8,9が干渉する状況となっても、日除け28の閉じる角度が最小とならないだけであって、そのことが許容される使用環境下においては特に問題とはならない。
【符号の説明】
【0054】
1 主アーム
2 ガイドレール
3 開閉用スライダ
4 開閉用スライダと最外側の日除けフレームとを繋ぐリンク
5 最外側の日除けフレーム
6,7,8 その他の可動の日除けフレーム
9 固定の日除けフレーム
11 共通の回転中心軸
12,13,14,15 個別回転ガイド軸
16,17,18 ガイド孔
21 日除けシート
28 日除け
35 回転中心機構
36 支柱
41 開閉用スライダと支柱とを連結するロープ
44 補助アーム
47 昇降用スライダ
37 操作用スライダ
38 主アームの基端部を支持するブラケット