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  • 特許-姿勢適応型ワークチェア 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-25
(45)【発行日】2024-02-02
(54)【発明の名称】姿勢適応型ワークチェア
(51)【国際特許分類】
   A47C 3/026 20060101AFI20240126BHJP
   A47C 3/30 20060101ALI20240126BHJP
   A47C 7/40 20060101ALI20240126BHJP
   A47C 7/44 20060101ALI20240126BHJP
   A47C 7/54 20060101ALI20240126BHJP
【FI】
A47C3/026
A47C3/30
A47C7/40
A47C7/44
A47C7/54 E
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020540860
(86)(22)【出願日】2018-10-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-12-10
(86)【国際出願番号】 IB2018057715
(87)【国際公開番号】W WO2019069263
(87)【国際公開日】2019-04-11
【審査請求日】2021-10-04
(31)【優先権主張番号】201721035341
(32)【優先日】2017-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(73)【特許権者】
【識別番号】520119334
【氏名又は名称】ゴドレジ アンド ボイス エムエフジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】GODREJ & BOYCE MFG. CO. LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100149249
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達也
(72)【発明者】
【氏名】ベンカテシュワール エガ
(72)【発明者】
【氏名】ニラブ イレーシュクマール シャー
(72)【発明者】
【氏名】ニテシュ ヤシュワント チャルケ
【審査官】井出 和水
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-295515(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0222265(US,A1)
【文献】登録実用新案第3118598(JP,U)
【文献】特開2013-000446(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0261644(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2002/0190557(US,A1)
【文献】特開2001-186960(JP,A)
【文献】特開平09-149836(JP,A)
【文献】特表平08-503644(JP,A)
【文献】特開2011-045570(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0190555(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 7/00 - 7/74
A47C 1/00 - 3/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下(a)~(d);
(a)前端(138)とシートベースの組立部品(124)を含むシートの組立部品(102);
(b)シートの組立部品(102)の前端(138)から片持した一対の背骨部材(106);
(c)一対の背骨部材(106)で支持される背もたれの組立部品(104); 及び
(d)シートベースの組立部品(124)に可動式に結合された傾斜抑制レバー(120);当該傾斜抑制レバー(120)は、背もたれ組立部品(104)を複数の傾斜位置(132,132‘,132’’)に傾斜できるように構成される;
を含み、
傾斜レバーコネクタ(136)に移動可能に接続した傾斜抑制レバー(120)であって、傾斜抑制レバー(120)の半径方向への移動により、傾斜レバーコネクタ(136)を直線に移動し、
傾斜レバーコネクタ(136)が背もたれストッパー(130)に回転可能に接続されており、その結果、傾斜抑制レバーコネクタ(136)が直線運動することで、背もたれストッパー(130)が回転し、各傾斜位置(132,132’,132’’)において背骨コネクタ(128)が背もたれストッパー(130)上で停止することによって背もたれ組立部品(104)の傾斜を抑制する、姿勢適応型ワークチェア(100)。
【請求項2】
一対の背骨部材(106)が背骨コネクタ(128)を介してシートベースの組立部品(124)の後部に固定されており、背骨コネクタ(128)が背もたれの組立部品(104)を複数の傾斜位置(132,132’,132’’)に傾けることを可能とするように配置されている請求項1に記載の姿勢適応型ワークチェア(100)。
【請求項3】
各背骨部材(106)が以下(a)及び(b);
(a)各背骨部材(106)の柔軟性を高めるために複数のスロット(126)を持つ屈曲部分; 及び
(b)各背骨部材(106)を屈曲できるようにカットアウトされた連続するリブを有するいくつかのセクション;
を含む請求項1及び2に記載の姿勢適応型ワークチェア(100)。
【請求項4】
少なくとも一つの調整可能なひじかけの組立部品(108)が、座位にて使用者の腕を支えるためにシートの組立部品(102)の左右に対向する側の各々に配置されており、プッシュボタン(116)の操作によって、ひじかけの組立部品(108)の高さが長軸方向に調整される請求項1に記載の姿勢適応型ワークチェア(100)。
【請求項5】
ベースシートの組立部品(124)に固定された台座部材(112)を有し、当該台座部材(112)は、ワークチェア(100)を移動させる目的で、台座部材(112)の底部に回転可能に取り付けられた複数のキャスター(114)を有する請求項1に記載の姿勢適応型ワークチェア(100)。
【請求項6】
台座部材(112)とベースシートの組立部品(124)の間に設置された伸縮自在のガスリフトシリンダー(110)を有し、当該伸縮自在のガスリフトシリンダー(110)は、シート調整レバー(116)を操作してワークチェア(100)の高さを調整することにより作動する請求項1及び5に記載の姿勢適応型ワークチェア(100)。
【請求項7】
傾斜抑制レバー(120)が、各傾斜位置(132,132’,132’’)のための傾斜角位置スロット(142, 142’, 142’’)に係合するように構成された傾斜角位置スナップ(140)を有しており、当該傾斜抑制レバー120は、傾斜抑制レバー120の軸134を中心として半径方向に移動する、請求項1に記載の姿勢適応型ワークチェア(100)。
【請求項8】
使用者が傾斜抑制レバー(120)を各傾斜位置(132,132’,132’’)に操作し且つ背もたれの組立部品に負荷をかけることにより、背もたれの組立部品(104)の異なる傾斜位置(132,132’,132’’)を達成する、請求項1に記載の姿勢適応型ワークチェア(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的にはチェアに関するものであり、より具体的には、使用者の動的姿勢に適応するワークチェアに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ネットワーク接続の利用が増えた現代の職場環境においては、オフィスで人々がコミュニケーションをとることを目的として、オフィスを移動する必要性が低下している。今日の労働文化は競合状況が激しく厳しい期限が設定されており、またほとんどの使用者には長時間の業務スケジュールが普遍的に設定されているため、使用者は長時間座ったままでいなければならない。さらに、テクノロジーやインターネットに基づくソーシャルネットワーキングの利用が増加しているため、自宅や通常の日常生活でさえ、人々は長時間座ったままでいる傾向がある。
【0003】
人間工学分野における研究によれば、静的姿勢は、増えつつある健康上の問題と関連することを示している。静的姿勢は身体に負担がかかり、長期間にわたり疲労や脊髄損傷の原因となる。どんなに快適なチェアであっても、静的な着座姿勢は、筋骨格系の損傷や痛みを起こすことがあり、定期的な運動の後でも同様である。しばしば姿勢を変化させたり、使用者の活動を活発化させるような家具は、職場での静的姿勢に伴うこうしたリスクを防ぐことができる。
【0004】
Hon(HNIグループ)は、シートと背もたれで構成されるタスク/ワークステーションチェアを導入し、当該チェアは複数の軸における屈曲を特徴とし、これにより身体の姿勢の変化とサポートを同時に行うことができるようになった。しかし背もたれは、その中心軸の方に向かってシートと接続されているため、複数の軸の屈曲は中央の回転中心からわずかな距離を通じてしか行うことができない。そのため、当該タスク/ワークステーションチェアは、その柔軟能力が限られており、ほとんど快適でなく、動的な身体運動を効果的に支援するものでもない。米国の会社Teknionは、背もたれの屈曲動作を提供する、統合されたシートと背中で構成される多目的チェアを導入した。しかし、 Teknionの多目的チェアは柔軟性に欠け、姿勢を十分にサポートしておらず、使用者の静止姿勢に伴うリスクを予防するという観点からは効率的ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、容易かつ快適に、使用者と周囲の要素との効果的な相互作用を補助するチェアが必要とされている。さらには、動的な身体運動を支援し、体の姿勢の変化をサポートし、長時間の座位での静的な身体姿勢に伴うリスクを最小化し、前述したような他の坐位姿勢における課題を克服するチェアが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、使用者の動的な身体姿勢に適応するチェアに関するものである。
本発明の目的は、使用者の姿勢変化に直感的に適応できるよう設計されたチェアを提供することである。
【0007】
本発明の別の目的は、使用者が座っている間ふざけて大きく動くことを許容することである。
【0008】
本発明の別の目的は、使用者の注意喚起を維持し、業務に集中して生産性を向上させることである。
【0009】
本発明の別の目的は、座位での動的な身体の動きを可能にする、連動した容易な曲がりシステムを備えるチェアを提供することである。
【0010】
本発明の別の目的は、シートと背もたれが固くベースフレームに連結され、単純な側臥位あるいは背臥位では複雑な手動の調整を必要とせず、多次元的な運動が可能となるよう片持ち式になったチェアを提供することである。
【0011】
本発明の別の目的は、実施された活動の状態に基づき、様々な位置を用いて可変限界を調整する背もたれの傾斜を提供することである。
【0012】
本発明の別の目的は、職場や家庭での使用に適したニーポイントの片持ちシートと背もたれのフレームを含むチェアを提供することである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
以下の詳細な説明を、図中の同じ文字が同じ構成要素を表している添付の図を参照して読むと、本発明のこれら及びその他の特徴、形態、並びに利点がよりよく理解される。
図1図1は、本発明の一つの形態におけるチェアの斜視図を示す。
図2図2は、本発明の一つの形態におけるチェアの側面図を示す。
図3図3 a及び図3 bは、本発明の一つの形態における背骨部材を有する布張りの背もたれの組立部品および、シートベースの組立部品の斜視図を示す。
図4図4 a、図4 b、図4 c及び図4 dは、本発明の一つの形態における、チェアの傾斜抑制装置の構造及び操作を示す。
図5図5は、本発明の一つの形態におけるビジターチェアの斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の形態について、添付の図を参照して詳細に説明する。ただし、本発明の形態は、本発明が属する技術分野の通常の知識を有する者に対して、本発明をより明確に説明するためにのみ提供されるこれらの実施形態に限定されない。添付の図面では、同様の構成要素を示すために、同様の参照番号が使用される。
【0015】
本特許に開示されるワークチェアは、台座部材、前端とベースの組立部品を含むシートの組立部品、背もたれの組立部品、および調節可能なひじかけの組立部品で構成される。背もたれの組立部品は、シートの組立部品の前端から片持ち支持されている2つの背骨部材により支持されている。前端は、膝が座位で曲がる部分と定義される。背もたれの組立部品は、ワークチェアに使用者が背中に掛けた負荷の方向によって、前端にしっかりと取り付けられた背骨部材によって形成された大きな片持ち梁を通して、複数の軸で曲がる。例えば、チェアの背中にかかる力が偏心の場合、その曲がりも偏心となり、与えられた負荷の方向および使用者がとった姿勢に基づいて3次元の背面の動きが生じる。背骨部材はC型及びV型セクションの組み合わせ混合物で構成されており、特定の箇所にカットアウトされた連続するリブがあり、その形状とプラスチック部材の特性により屈曲している。また、2つの背骨部材は、構造的に安定し、かつ傾斜抑制機能の中心部となる背骨連結装置を介してシートの後部の近くで接続されている。一つの形態においては、背骨部材はガラス充填ポリアミドで構成される。しかし、前述の部材は例示であって、決して限定されるものではない。背骨部材が類似した特性を示す他の適切な部材で構成されていてもよいことは当業者には明らかである。シートベースの組立部品を含むシートの組立部品は、前端から片持ち梁になっており、座位でのスムーズな着地が可能で、姿勢を変化させる際には後部組立部品と同期した屈曲運動を与える。さらに使用者の要求に従って、シートベースの組立部品内に設置された傾斜抑制レバーの調節により、背もたれ組立部品の屈曲を複数の位置で抑制することができる。例えば、傾斜抑制レバーを操作して、背もたれ組立部品を3つの異なる位置で屈曲/リクライニングできるようにすることができる。以下、図を用いて前述の本発明を実施するための様々な形態について説明する。
【0016】
図1は、本発明の一つの形態における主要のチェア100の斜視図を示す。主要のチェア100は、前端(138)とベースの組立部品(124)を含むシートの組立部品102 、背もたれの組立部品104 、調整可能なひじかけの組立部品108 、および台座部材112で構成される。背もたれの組立部品104は、シート組立部品102の前端(138)から片持ち梁状になっている二つの背骨部材106により支持されている。さらに、主要のチェア100は、調整可能な2つのひじかけの組立部品108、伸縮自在のガスリフトシリンダー110、及び台座部材112を含むがこれらに限定されない複数の部材を備えている。調整可能なひじかけの組立部品108は、シートの組立部品102の左右反対側に装備されており、使用者が座位で腕をひじかけに置くことにより使用することができる。伸縮自在のガスリフトシリンダー110は、台座部材112とシートの組立部品102の間に固定されている。さらに、伸縮自在のガスリフトシリンダー110は、ワークチェアのシート高さを調整するために、台座部材112の中心軸とシートの組立部品102の間でそれぞれ縦方向に作動される。台座部材112には、主要のチェア100の前後の移動を容易にするために、複数のキャスター114が設けられている。
【0017】
図2は、本発明の一つの形態における主要のチェア100の側面図を示す。主要のチェア100は、例えば、プッシュボタン116、シート高さ調節レバー118および傾斜抑制レバー120等の複数の調節機能を備えている。プッシュボタン116は、調整可能なひじかけ組立部品108の下端122から始まる一連の中間ストッパー位置により、調整可能なひじかけ組立部品108の長手方向の高さを調整するために提供される。シート高さ調節レバー118は、伸縮自在のガスリフトシリンダー110の作動を介して、台座部材112からシートの組立部品102の高さを調整するために設けられている。シート組立部品102の高さは伸縮自在のガスリフトシリンダー110を、シート高さ調節レバー118を通して操作することにより調整される。
【0018】
図3 a及び図3 bは、本発明の一つの形態における背もたれの組立部品102及び二つの背骨部材106の斜視図を示している。図から分かるように、背骨部材106は、二つの背骨部材106の間に固定されているシートベースの組立部品124に連結されている。シートベースの組立部品124は、強度を得るため交差するリブ構造を有する複数の箱型形状を備えている。さらに、背骨部材106の屈曲部分は、背骨部材106の柔軟性を向上させるための複数の有機的な形状のスロット/スリット126を含んでいる。
【0019】
一つの実施形態では、有機的な形状のスロット/スリット126は、柔軟性を高めるために花芽の形をしている。さらに、背骨部材106は、特定の箇所でカットアウトされた連続リブを有するC型及びV型セクションの組み合わせ混合物で構成され、形状及びプラスチック部材特性により屈曲している。プラスチック部材はガラス製充填ポリアミドである。しかし、前述のプラスチック製部品は例示としてのみ開示されており、同様のプラスチック特性を示す適切な部材を背骨部材106の形成に使用することができるため、何ら抑制を設けるものではない。さらに、背骨部材の左側及び右側は差動(3次元)で運動し、結果として複数の軸運動を生じる。
【0020】
図4 a、図4 b、図4 c及び図4 dは、本発明の一つの形態における主要のチェア100の傾斜抑制レバー120の構造及び操作を示す。図4 a~4 dに示されるように、傾斜抑制レバー120は、傾斜抑制レバー120のハンドルが背骨部材106の一方の外側からアクセスできるように、シートベースの組立部品124に移動可能に結合されている。傾斜抑制レバー120は、さらにシートベースの組立部品124と一体になった傾斜角位置スロット142と結合する傾斜角位置スナップ140を備えている。二つの背骨部材106は背骨コネクタ128を介してシートベース組立部品124の後部に接続されている。背骨コネクタ128は構造の安定性を助ける役割を果たしており、複数の傾斜角位置で背もたれストッパー130上に静止することによって傾斜を抑制する機構の一部を形成している。傾斜抑制レバー120をそのハンドルを介して操作して第1の位置132(直立位置)から第2の位置132’(中傾斜位置)に移動させると、背もたれストッパー130が回転して背骨コネクタ128が特定の位置で停止する。
【0021】
一つの実施形態では、傾斜抑制装置を3つの異なる位置、すなわち、第1の位置132(直立位置)、第2の位置132’(中傾斜位置)、第3の位置132’’(完全な傾斜位置)に移動させて、背もたれの組立部品104の3つの異なる背面傾斜角度にすることができる。第1の位置132では、背もたれ組立部品の傾斜角は、傾斜を付けずに直立位置に維持されており、これは傾斜なしと呼ぶこともできる。この位置により背もたれの組立部品104が完全に直立し、使用者が背もたれの組立部品104に押し当てると、背もたれストッパー130と背骨コネクタ128の嵌合位置付近で背もたれの組立部品104が屈曲する。同様に、背もたれ部分は、第1の位置132、第2の位置132’及び第3の位置132’’に対応する3つの傾斜位置、すなわち直立位置、中傾斜位置及び完全な傾斜位置において調整されることができる。
【0022】
操作において、傾斜抑制レバー120を例えば第1の位置132から第2の位置132’へ移動させると、傾斜抑制レバー120は、傾斜抑制レバー120の軸134を中心として半径方向に移動するとともに、傾斜角度位置スナップ140が、第1の位置132、第2の位置132’及び第3の位置132’’にそれぞれ対応する傾斜角度位置スロット(142, 142’,142’’)のいずれかに係合することにより、複数の傾斜抑制設定間で抵抗及び正のフィードバックを達成する。傾斜抑制レバー120の半径方向の動きに伴い、背もたれストッパー130に接続された傾斜抑制レバー接続部136が直線的に移動する。さらに、傾斜抑制レバーコネクタ136が直線状に動くと、背もたれストッパー130が特定の位置で背骨コネクタ128と結合する回転運動が生じる。
【0023】
一つの実施形態では、中程度の傾斜位置において、背骨部材106がシートの組立部品102の前端から片持ち梁となっており、使用者がさらに押すと、背もたれストッパー130と背骨コネクタ128の嵌合点付近で屈曲する点を超えた、中程度の傾斜位置まで背もたれの組立部品104が傾斜する。同様に、完全な傾斜位置において、背骨部材106がシートの組立部品102の前端から片持ち梁となって、また、それを超えて、背もたれのストッパー130と背骨コネクタ128の嵌合点付近で屈曲している点に関して、背もたれの組立部品104は調整範囲の完全な傾斜位置まで傾斜する。
【0024】
一つの実施形態において、図5に示すように、ビジターチェア100’は、背骨部材106’を支持するために、背骨部材106’を取り付けたビジターチェアのベース構造138を備えており、角金属ベース138はビジターチェア100’の下部構造として機能する。本実施形態に基づくビジターチェア100は、本発明のシンプルな形態を例示しており、第1の位置の傾斜抑制位置132に見られる、傾きが抑制された主要のチェア100の直立位置の特徴を再現する。ビジターチェア100’は、主要のチェア100のシンプルで費用対効果に優れたバージョンで、ビジターのシートアプリケーションにしばしば用いられている。
【0025】
から分かるように、ワークチェアは動的な体の動きを補助し、効率的に姿勢を支え、静的姿勢に伴うリスクを最小限に抑えることができる。
【0026】
本発明は特定の実施形態を参照して説明されているが、この説明は限定的な意味で解釈されることを意図していない。開示された実施形態の様々な修正及び本発明の別の実施形態は、本発明の説明を参照すると当業者に明らかになる。したがって、そのような修正は、規定された本発明の精神又は範囲から逸脱することなく行うことができることが企図される。
図1
図2
図3a
図3b
図4a
図4b
図4c
図4d
図5