IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社東芝の特許一覧

<>
  • 特許-磁気センサ及び検査装置 図1
  • 特許-磁気センサ及び検査装置 図2
  • 特許-磁気センサ及び検査装置 図3
  • 特許-磁気センサ及び検査装置 図4
  • 特許-磁気センサ及び検査装置 図5
  • 特許-磁気センサ及び検査装置 図6
  • 特許-磁気センサ及び検査装置 図7
  • 特許-磁気センサ及び検査装置 図8
  • 特許-磁気センサ及び検査装置 図9
  • 特許-磁気センサ及び検査装置 図10
  • 特許-磁気センサ及び検査装置 図11
  • 特許-磁気センサ及び検査装置 図12
  • 特許-磁気センサ及び検査装置 図13
  • 特許-磁気センサ及び検査装置 図14
  • 特許-磁気センサ及び検査装置 図15
  • 特許-磁気センサ及び検査装置 図16
  • 特許-磁気センサ及び検査装置 図17
  • 特許-磁気センサ及び検査装置 図18
  • 特許-磁気センサ及び検査装置 図19
  • 特許-磁気センサ及び検査装置 図20
  • 特許-磁気センサ及び検査装置 図21
  • 特許-磁気センサ及び検査装置 図22
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-25
(45)【発行日】2024-02-02
(54)【発明の名称】磁気センサ及び検査装置
(51)【国際特許分類】
   G01R 33/09 20060101AFI20240126BHJP
   H10N 50/10 20230101ALI20240126BHJP
【FI】
G01R33/09
H10N50/10 B
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021003368
(22)【出願日】2021-01-13
(65)【公開番号】P2022108403
(43)【公開日】2022-07-26
【審査請求日】2023-02-14
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成30年度、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第2期/フィジカル空間デジタルデータ処理基盤/サブテーマII:超低消費電力IoTデバイス・革新的センサ技術/超高感度センサシステムの研究開発」委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(74)【代理人】
【識別番号】110004026
【氏名又は名称】弁理士法人iX
(72)【発明者】
【氏名】喜々津 哲
(72)【発明者】
【氏名】白鳥 聡志
(72)【発明者】
【氏名】東 祥弘
(72)【発明者】
【氏名】黒崎 義成
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 仁志
【審査官】小川 浩史
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/047783(WO,A1)
【文献】特開2019-86290(JP,A)
【文献】特開2018-155719(JP,A)
【文献】特開2005-236134(JP,A)
【文献】特開2022-108343(JP,A)
【文献】特許第7316719(JP,B2)
【文献】特許第7319683(JP,B2)
【文献】特許第7284739(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 33/00-33/26
H10N 50/00-59/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基体端部を含む基体と、
磁性部材であって、前記基体から前記磁性部材への方向は第1方向に沿う、前記磁性部材と、
素子部であって、前記素子部は、第1磁気素子及び第2磁気素子を含み、前記第1磁気素子から前記第2磁気素子への向きは、前記第1方向と直交する第2方向に沿い、前記第1磁気素子の一部、及び、前記第2磁気素子の一部は、前記第1方向において前記基体と前記磁性部材との間にあり、前記第1磁気素子の他部の第3方向における位置、及び、前記第2磁気素子の他部の前記第3方向における位置は、前記基体端部の前記第3方向における位置と、前記磁性部材の前記第3方向における位置と、の間にあり、前記第3方向は、前記第1方向及び前記第2方向を含む平面と直交した、前記素子部と、
を備え
前記素子部は、第1接続部材及び第2接続部材をさらに含み、
前記第1接続部材は、前記第1磁気素子の一端部及び他端部の一方と電気的に接続され、
前記第1接続部材の少なくとも一部は、前記第1方向において、前記基体と前記磁性部材との間にあり、
前記第2接続部材は、前記第1磁気素子の前記一端部及び前記他端部の他方と電気的に接続され、
前記第2接続部材の前記第3方向における位置は、前記基体端部の前記第3方向における位置と、前記第1磁気素子及び前記第2磁気素子の少なくともいずれかの前記第3方向における位置と、の間にあり、
前記素子部は、第3磁気素子、第4磁気素子及び第3接続部材をさらに含み、
前記第1磁気素子から前記第3磁気素子への向きは、前記第2方向に沿い、
前記第1磁気素子から前記第4磁気素子への向きは、前記第2方向に沿い、
前記第3接続部材は、前記第2磁気素子、前記第3磁気素子及び前記第4磁気素子のいずれかと電気的に接続され、
前記第3接続部材の少なくとも一部は、前記第1方向において、前記基体と前記磁性部材との間にある、磁気センサ。
【請求項2】
前記第2磁気素子の少なくとも一部は、前記第3方向において、前記第2接続部材の少なくとも一部と、前記第1接続部材の少なくとも一部と、の間にある、請求項記載の磁気センサ。
【請求項3】
前記素子部は、導電部材をさらに含み、
前記導電部材は、
前記第1磁気素子に対応する第1対応部と、
前記第2磁気素子に対応する第2対応部と、
前記第3磁気素子に対応する第3対応部と、
前記第4磁気素子に対応する第4対応部と、
を含む、請求項1または2に記載の磁気センサ。
【請求項4】
前記第1磁気素子の前記他端部は、前記第2磁気素子の一端部と電気的に接続され、
前記第1磁気素子の前記一端部は、前記第3磁気素子の一端部と電気的に接続され、
前記第3磁気素子の他端部は、前記第4磁気素子の一端部と電気的に接続され、
前記第2磁気素子の他端部は、前記第4磁気素子の他端部と電気的に接続され、
前記第1対応部は、
前記第1磁気素子の前記一端部に対応する第1対応一部と、
前記第1磁気素子の前記他端部に対応する第1対応他部と、
を含み、
前記第2対応部は、
前記第2磁気素子の前記一端部に対応する第2対応一部と、
前記第2磁気素子の前記他端部に対応する第2対応他部と、
を含み、
前記第3対応部は、
前記第3磁気素子の前記一端部に対応する第3対応一部と、
前記第3磁気素子の前記他端部に対応する第3対応他部と、
を含み、
前記第4対応部は、
前記第4磁気素子の前記一端部に対応する第4対応一部と、
前記第4磁気素子の前記他端部に対応する第4対応他部と、
を含み、
前記導電部材に交流成分を含む第1電流が供給されたときの第1時刻において、
素子電流の一部は、前記第1磁気素子の前記一端部から前記第1磁気素子の前記他端部への向きに前記第1磁気素子を流れ、
前記素子電流の前記一部は、前記第2磁気素子の前記一端部から前記第2磁気素子の前記他端部への向きに前記第2磁気素子を流れ、
前記素子電流の別の一部は、前記第3磁気素子の前記一端部から前記第3磁気素子の前記他端部への向きに前記第3磁気素子を流れ、
前記素子電流の前記別の一部は、前記第4磁気素子の前記一端部から前記第4磁気素子の前記他端部への向きに前記第4磁気素子を流れ、
前記第1電流は、前記第1対応他部から前記第1対応一部への向きに、前記第1対応部を流れ、
前記第1電流は、前記第2対応一部から前記第2対応他部への向きに、前記第2対応部を流れ、
前記第1電流は、前記第3対応一部から前記第3対応他部への向きに、前記第3対応部を流れ、
前記第1電流は、前記第4対応他部から前記第4対応一部への向きに、前記第4対応部を流れる、請求項記載の磁気センサ。
【請求項5】
前記第1磁気素子の前記他端部は、前記第2磁気素子の一端部と電気的に接続され、
前記第1磁気素子の前記一端部は、前記第3磁気素子の一端部と電気的に接続され、
前記第3磁気素子の他端部は、前記第4磁気素子の一端部と電気的に接続され、
前記第2磁気素子の他端部は、前記第4磁気素子の他端部と電気的に接続され、
前記第1対応部は、
前記第1磁気素子の前記一端部に対応する第1対応一部と、
前記第1磁気素子の前記他端部に対応する第1対応他部と、
を含み、
前記第2対応部は、
前記第2磁気素子の前記一端部に対応する第2対応一部と、
前記第2磁気素子の前記他端部に対応する第2対応他部と、
を含み、
前記第3対応部は、
前記第3磁気素子の前記一端部に対応する第3対応一部と、
前記第3磁気素子の前記他端部に対応する第3対応他部と、
を含み、
前記第4対応部は、
前記第4磁気素子の前記一端部に対応する第4対応一部と、
前記第4磁気素子の前記他端部に対応する第4対応他部と、
を含み、
前記第1対応一部は、前記第3対応一部と電気的に接続され、
前記第1対応他部は、前記第2対応一部と電気的に接続され、
前記第3対応他部は、前記第4対応一部と電気的に接続され、
前記第2対応他部は、前記第4対応他部と電気的に接続された、請求項記載の磁気センサ。
【請求項6】
請求項1~のいずれか1つに記載の磁気センサと、
前記磁気センサから出力される信号を処理可能な処理部と、
を備え
前記磁気センサは、検査対象に流れる電流により生じる磁界を検出できる、検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、磁気センサ及び検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
磁性層を用いた磁気センサがある。磁気センサを用いた検査装置がある。磁気センサにおいて、特性の向上が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-155719号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、特性の向上が可能な磁気センサ及び検査装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態によれば、磁気センサは、基体端部を含む基体と、磁性部材と、素子部と、を含む。前記基体から前記磁性部材への方向は第1方向に沿う。前記素子部は、第1磁気素子及び第2磁気素子を含む。前記第1磁気素子から前記第2磁気素子への向きは、前記第1方向と交差する第2方向に沿う。前記第1磁気素子の一部、及び、前記第2磁気素子の一部は、前記第1方向において前記基体と前記磁性部材との間にある。前記第1磁気素子の他部の第3方向における位置、及び、前記第2磁気素子の他部の前記第3方向における位置は、前記基体端部の前記第3方向における位置と、前記磁性部材の前記第3方向における位置と、の間にある。前記第3方向は、前記第1方向及び前記第2方向を含む平面と交差する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1(a)及び図1(b)は、第1実施形態に係る磁気センサを例示する模式図である。
図2図2(a)~図2(c)は、第1実施形態に係る磁気センサを例示する模式的断面図である。
図3図3(a)及び図3(b)は、磁気センサの特性を例示するグラフ図である。
図4図4は、磁気センサの特性を例示するグラフ図である。
図5図5は、第1実施形態に係る磁気センサを例示する模式図である。
図6図6(a)~図6(d)は、第1実施形態に係る磁気センサを例示する模式図である。
図7図7(a)~図7(c)は、第1実施形態に係る磁気センサを例示する模式図である。
図8図8(a)~図8(c)は、第1実施形態に係る磁気センサを例示する模式図である。
図9図9(a)~図9(c)は、第1実施形態に係る磁気センサを例示する模式図である。
図10図10(a)~図10(c)は、第1実施形態に係る磁気センサを例示する模式図である。
図11図11(a)~図11(c)は、第1実施形態に係る磁気センサを例示する模式図である。
図12図12(a)~図12(c)は、第1実施形態に係る磁気センサを例示する模式図である。
図13図13(a)及び図13(b)は、第1実施形態に係る磁気センサの特性を例示する模式図である。
図14図14(a)及び図14(b)は、第1実施形態に係る磁気センサの特性を例示する模式図である。
図15図15(a)~図15(c)は、第1実施形態に係る磁気センサの特性を例示するグラフ図である。
図16図16(a)及び図16(b)は、第1実施形態に係る磁気センサを例示する模式図である。
図17図17は、第2実施形態に係る検査装置を例示する模式図である。
図18図18は、第2実施形態に係る検査装置を例示する模式図である。
図19図19は、第2実施形態に係る検査装置を示す模式的斜視図である。
図20図20は、第2実施形態に係る検査装置を示す模式的平面図である。
図21図21は、第2実施形態に係る磁気センサ及び検査装置を示す模式図である。
図22図22は、第2実施形態に係る検査装置を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚さと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0008】
(第1実施形態)
図1(a)及び図1(b)は、第1実施形態に係る磁気センサを例示する模式図である。
図1(a)は、平面図である。図1(b)は、断面図である。
図2(a)~図2(c)は、第1実施形態に係る磁気センサを例示する模式的断面図である。
図1(a)及び図1(b)に示すように、実施形態に係る磁気センサ110は、基体55と、磁性部材51と、素子部10Uと、を含む。
【0009】
基体55は、基体端部55eを含む。基体55から磁性部材51への方向は第1方向に沿う。第1方向をY軸方向とする。Y軸方向に対して垂直な1つの方向をX軸方向とする。Y軸方向及びX軸方向に対して垂直な方向をZ軸方向とする。
【0010】
素子部10Uは、第1磁気素子11E及び第2磁気素子12Eを含む。この例では、素子部10Uは、第3磁気素子13E及び第磁気素子1Eをさらに含む。
【0011】
第1磁気素子11Eから第2磁気素子12Eへの向きは、第2方向に沿う。第2方向は、第1方向(Y軸方向)と交差する。第2方向は、例えば、X軸方向である。例えば、第1磁気素子11Eから第3磁気素子13Eへの向きは、第2方向に沿う。第1磁気素子11Eから第4磁気素子14Eへの向きは、第2方向に沿う。複数の磁気素子は、例えば、X軸方向に沿って並ぶ。複数の磁気素子の並ぶ順番は任意である。
【0012】
図1(a)に示すように、基体端部55eは、第2方向(例えばX軸方向)に沿って延びる。複数の磁気素子は、例えば、基体端部55eに沿って並ぶ。例えば、基体端部55eと、複数の磁気素子のそれぞれと、の間の距離dz1~dz4(図1(b)、及び図2(a)~図2(c)参照)は、互いに実質的に同じで良い。
【0013】
図1(b)は、第1磁気素子11Eを含むY-Z平面における断面図である。図2(a)は、第2磁気素子12Eを含むY-Z平面における断面図である。図2(b)は、第3磁気素子13Eを含むY-Z平面における断面図である。図2(c)は、第4磁気素子14Eを含むY-Z平面における断面図である。
【0014】
図1(b)及び図2(b)に示すように、第1磁気素子11Eの一部11P、及び、第2磁気素子12Eの一部12Pは、第1方向(Y軸方向)において、基体55と磁性部材51との間にある。第1磁気素子11Eの一部11P、及び、第2磁気素子12Eの一部12Pは、第1方向(Y軸方向)において、磁性部材51と重なる。第1磁気素子11Eの他部11Q及び第2磁気素子12Eの他部12Qは、第1方向(Y軸方向)において、磁性部材51と重ならない。
【0015】
図2(b)及び図2(c)に示すように、第3磁気素子13Eの一部13P、及び、第4磁気素子14Eの一部14Pは、第1方向(Y軸方向)において、基体55と磁性部材51との間にある。第3磁気素子13Eの一部13P、及び、第4磁気素子14Eの一部14Pは、第1方向(Y軸方向)において、磁性部材51と重なる。第3磁気素子13Eの他部13Q及び第4磁気素子14Eの他部14Qは、第1方向(Y軸方向)において、磁性部材51と重ならない。
【0016】
第1方向及び第2方向を含む平面(Y-X平面)と交差する方向を第3方向とする。第3方向は、例えば、Z軸方向である。
【0017】
図1(b)に示すように、例えば、第1磁気素子11Eの他部11Qの第3方向(Z軸方向)における位置は、基体端部55eの第3方向における位置と、磁性部材51の第3方向における位置との間にある。
【0018】
図2(a)に示すように、例えば、第2磁気素子12Eの他部12Qの第3方向(Z軸方向)における位置は、基体端部55eの第3方向における位置と、磁性部材51の第3方向における位置との間にある。
【0019】
図2(b)に示すように、例えば、第3磁気素子13Eの他部13Qの第3方向(Z軸方向)における位置は、基体端部55eの第3方向における位置と、磁性部材51の第3方向における位置との間にある。
【0020】
図2(c)に示すように、例えば、第4磁気素子14Eの他部14Qの第3方向(Z軸方向)における位置は、基体端部55eの第3方向における位置と、磁性部材51の第3方向における位置との間にある。
【0021】
このように、複数の磁気素子のそれぞれの一部は磁性部材51と重なり、複数の磁気素子のそれぞれの他部は磁性部材51と重ならない。
【0022】
図1(a)及び図1(b)に示すように、磁気センサ110は、検出対象80に対向可能である。検出対象80は、例えば、検査対象である。検出対象80は、例えば、局所的な磁界発生源を含む。検出対象80は、例えば、少なくとも、金属などの検査導電部材80cを含む。磁気センサ110は、例えば、検査導電部材80cに流れる電流に起因する磁界(電流磁界)を検出可能である。
【0023】
電流磁界の磁束は、例えば、磁性部材51により集められる。磁性部材51により集められた磁束が、素子部10U(複数の磁気素子)に効率的に印加される。磁性部材51は、例えば、MFC(Magnetic Flux Concentrator)として機能する。
【0024】
図1(b)に示すように、第1磁気素子11Eは、第1磁性層11、第1対向磁性層11o及び第1非磁性層11nを含む。第1非磁性層11nは、第1磁性層11と第1対向磁性層11oとの間に設けられる。
【0025】
図2(a)に示すように、第2磁気素子12Eは、第2磁性層12、第2対向磁性層12o及び第2非磁性層12nを含む。第2非磁性層12nは、第2磁性層12と第2対向磁性層12oとの間に設けられる。
【0026】
図2(b)に示すように、第3磁気素子13Eは、第3磁性層13、第3対向磁性層13o及び第3非磁性層13nを含む。第3非磁性層13nは、第3磁性層13と第3対向磁性層13oとの間に設けられる。
【0027】
図2(c)に示すように、第4磁気素子14Eは、第4磁性層14、第4対向磁性層14o及び第4非磁性層14nを含む。第4非磁性層14nは、第4磁性層14と第4対向磁性層14oとの間に設けられる。
【0028】
第1~第4磁性層11~14、及び、第1~第4対向磁性層11o~14oは、Fe、Co及びNiよりなる群から選択された少なくとも1つを含む。これらの磁性層は、例えば、強磁性層である。第1~第4非磁性層11n~14nは、例えば、Cuなどの導電材料を含む。第1~第4磁気素子11E~14Eは、例えば、GMR(Giant magnetic resistance)素子である。第1~第4磁気素子11E~14Eは、例えば、TMR(Tunnel Magneto Resistance)素子でも良い。
【0029】
例えば、検出対象80からの磁界に応じて、第1~第4磁気素子11E~14Eの電気抵抗が変化する。例えば、これらの磁気素子のそれぞれにおいて、磁性層及び対向磁性層の少なくともいずれかの磁化の向きが、磁界に応じて変化する。磁化の向きの変化により、磁性層の磁化と、対向磁性層の磁化と、の間の角度が変化する。角度の変化に応じて、第1~第4磁気素子11E~14Eにおける電気抵抗が変化する。電気抵抗の変化を検出することで、検出対象80からの磁界が検出される。
【0030】
実施形態においては、検出対象80からの磁界が磁性部材51により集められ、集められた磁界が、第1~第4磁気素子11E~14Eに印加される。複数の磁気素子のそれぞれの一部が磁性部材51と重なり、複数の磁気素子のそれぞれの他部は磁性部材51と重ならないことで、磁界がより効率的に磁気素子に印加される。これにより、より高い感度が得られる。特性の向上が可能な磁気センサが提供できる。
【0031】
図1(b)に示すように、第1磁気素子11Eの一部11Pの第3方向(Z軸方向)に沿う長さを長さdP1とする。第1磁気素子11Eの第3方向に沿う長さを長さLz1とする。実施形態において、長さdP1は、長さLz1の0.5倍以下であることが好ましい。長さLz1は、長さdP1と、第1磁気素子11Eの他部11QのZ軸方向に沿う長さdQ1と、の和である。例えば、長さdP1は、長さLz1の0.001倍以上で良い。後述するように、長さdP1の長さLz1に対する比は、0.4倍以下であることがさらに好ましい。
【0032】
図2(a)に示すように、第2磁気素子12Eの一部12Pの第3方向(Z軸方向)に沿う長さを長さdP2とする。第2磁気素子12Eの第3方向に沿う長さを長さLz2とする。実施形態において、長さdP2は、長さLz2の0.5倍以下であることが好ましい。長さLz2は、長さdP2と、第2磁気素子12Eの他部12QのZ軸方向に沿う長さdQ2と、の和である。例えば、長さdP2は、長さLz2の0.001倍以上で良い。
【0033】
図2(b)に示すように、第3磁気素子13Eの一部13Pの第3方向(Z軸方向)に沿う長さを長さdP3とする。第3磁気素子13Eの第3方向に沿う長さを長さLz3とする。実施形態において、長さdP3は、長さLz3の0.5倍以下であることが好ましい。長さLz3は、長さdP3と、第3磁気素子13Eの他部13QのZ軸方向に沿う長さdQ3と、の和である。例えば、長さdP3は、長さLz3の0.001倍以上で良い。
【0034】
図2(c)に示すように、第4磁気素子14Eの一部14Pの第3方向(Z軸方向)に沿う長さを長さdP4とする。第4磁気素子14Eの第3方向に沿う長さを長さLz4とする。実施形態において、長さdP4は、長さLz4の0.5倍以下であることが好ましい。長さLz4は、長さdP4と、第4磁気素子14Eの他部14QのZ軸方向に沿う長さdQ4と、の和である。例えば、長さdP4は、長さLz4の0.001倍以上で良い。上記の長さと特性との関係の例については、後述する。
【0035】
図1(b)に示すように、基体端部55eと第1磁気素子11Eとの間の第3方向(Z軸方向)に沿う距離を距離dz1とする。例えば、距離dz1は、第1磁気素子11Eの第3方向に沿う長さLz1の0.1倍以上100倍以下であることが好ましい。
【0036】
図2(a)に示すように、基体端部55eと第2磁気素子12Eとの間の第3方向(Z軸方向)に沿う距離を距離dz2とする。例えば、距離dz2は、第2磁気素子12Eの第3方向に沿う長さLz2の0.1倍以上100倍以下であることが好ましい。
【0037】
図2(b)に示すように、基体端部55eと第3磁気素子13Eとの間の第3方向(Z軸方向)に沿う距離を距離dz3とする。例えば、距離dz3は、第3磁気素子13Eの第3方向に沿う長さLz3の0.1倍以上100倍以下であることが好ましい。
【0038】
図2(c)に示すように、基体端部55eと第4磁気素子14Eとの間の第3方向(Z軸方向)に沿う距離を距離dz4とする。例えば、距離dz4は、第磁気素子14Eの第3方向に沿う長さLz4の0.1倍以上100倍以下であることが好ましい。
【0039】
距離dz1~dz4が短いことで、複数の磁気素子のそれぞれと、検出対象80と、の間の距離を短くできる。これにより、検出対象80からの磁界の広がりが抑制されて複数の磁気素子に印加できる。例えば、検出の空間分解能が向上できる。特性の向上が可能な磁気センサが提供できる。
【0040】
以下、磁気センサにおける特性のシミュレーション結果の例について説明する。以下では、1つの磁気素子(第1磁気素子11E)が設けられる場合のシミュレーションについて説明する。
【0041】
シミュレーションのモデルにおいては、検査導電部材80cとなる導線が設けられる。導線と第1磁気素子11Eとの間のY軸方向に沿う距離は、20μmである。シミュレーションにおいては、この導線に電流が流れたときに発生する磁界の分布が有限要素法を用いて計算される。磁性部材51による磁束の収束の程度に関する指標として、第1磁気素子11Eの内部の磁束密度の平均値が用いられる。
【0042】
導線のY軸方向における位置を変えたときの特性が事前に計算される。事前の計算において、導線が発生する電流磁界を検出する空間分解能は、磁性部材51がある場合とない場合とで同じであることが分かる。磁性部材51がある場合には、磁性部材51がない場合に比べて、空間分解能を保ったまま、多くの磁束を収束できる。磁性部材51がある場合には、磁性部材51がない場合に比べて、感度を高めることができる。
【0043】
図3(a)及び図3(b)は、磁気センサの特性を例示するグラフ図である。
図3(a)の横軸は、比Rd1である。比Rd1は、以下に説明する距離dPzの、長さLz1に対する比である。距離dPzは、第1磁気素子11EのZ軸方向の端部と、磁性部材51のZ軸方向の端部と、の間のZ軸方向に沿う距離である。距離dPzが正の場合は、第1磁気素子11Eは、Y軸方向において磁性部材51と重ならない。距離dPzが負の場合は、第1磁気素子11Eは、Y軸方向において磁性部材51と重なる。距離dPzが負である場合において、距離dPzの絶対値は、第1磁気素子11Eのうちの磁性部材51と重なる部分(一部11P)のZ軸方向に沿う長さ(幅)に対応する。比Rd1が正の場合は、第1磁気素子11Eは、Y軸方向において磁性部材51と重ならない。比Rd1が負のときに、第1磁気素子11Eは、Y軸方向において磁性部材51と重なる。
【0044】
一方、既に説明したように、長さLz1は、第1磁気素子11EのZ軸方向における長さ(幅)に対応する。比Rd1が負の場合、比Rd1の絶対値は、長さdP1の長さLz1に対する比に対応する。
【0045】
図3(a)の縦軸は、ゲインPG1である。ゲインPG1は、磁性部材51によって第1磁気素子11Eの内部に収束される磁束量に対応する量である。ゲインPG1は、磁性部材51がない場合の第1磁気素子11Eの内部に収束される磁束量により規格化されている。ゲインPG1が1よりも高いときに、磁性部材51によって磁束が収束され、感度が増加する。ゲインPG1が1を越えるときにおいて、高い感度が得られる。
【0046】
図3(a)に示すように、比Rd1が負のときに、高いゲインPG1が得られる。このように、第1磁気素子11Eの一部11PがY軸方向において磁性部材51と重なることが好ましい。これにより、高いゲインPG1が得られ、高い感度が得られる。
【0047】
図3(a)に示すように、比Rd1が負のときに、比Rd1の絶対値が過度に大きくなると、ゲインPG1が低下する。
【0048】
上記のように、ゲインPG1は比Rd1によって変化する。図3(a)に示すように、ゲインPG1は、距離dz1によっても変化する。
【0049】
図3(b)の横軸は、比Rd1である。図3(b)の横軸は、規格化ゲインPG2である。規格化ゲインPG2は、比Rd1が+0.2の場合のゲインPG1で、図3(a)に例示したゲインPG1を規格化した値である。比Rd1が+0.2の場合、第1磁気素子11EのZ軸方向の端部と、磁性部材51のZ軸方向の端部と、の間のZ軸方向に沿う距離が1μmである。規格化ゲインPG2が1以上であれば、比Rd1を負にすることによる感度の上昇の効果が生じる。
【0050】
図3(b)から分かるように、距離dz1が10μmの場合、比Rd1の絶対値が約0.4以下であるときに、規格化ゲインPG2は1以上である。このように、比Rd1の絶対値は、0.4以下であることが好ましい。既に説明したように、距離dPzが負(比Rd1が負)の場合、第1磁気素子11Eは、Y軸方向において磁性部材51と重なる。従って、第1磁気素子11Eは、Y軸方向において磁性部材51と重なり、長さdP1の長さLz1に対する比(dP1/Lz1)は、0.4以下であることが好ましい。
【0051】
図4は、磁気センサの特性を例示するグラフ図である。
図4(a)の横軸は、比Rd2である。比Rd2は、基体端部55eと第1磁気素子11Eとの間の第3方向(Z軸方向)に沿う距離dz1の、第1磁気素子11Eの第3方向に沿う長さLz1に対する比(すなわち、dz1/Lz1)である。図4の縦軸は、ゲインPG1である。図4には、図3(b)において、dP1/Lz1が0.4以下を満たす全ての値が示されている。図4からわかるように、比Rd2が1.5以上の場合に、ゲインPG1が2よりも高くなる。実施形態において、比Rd2(すなわち、dz1/Lz1)は、1.5以上であることが好ましい。比Rd2は、2.0以上でも良い。
【0052】
以下、複数の磁気素子の例について説明する。
図1(a)に示すように、第1磁気素子11Eの第2方向(例えばX軸方向)に沿う長さを長さLx1とする。例えば、長さLx1は、第1磁気素子11Eの第3方向(Z軸方向)に沿う長さLz1よりも長い。第2磁気素子12Eの第2方向(例えばX軸方向)に沿う長さを長さLx2とする。例えば、長さLx2は、第2磁気素子12Eの第3方向(Z軸方向)に沿う長さLz2よりも長い。第3磁気素子13Eの第2方向(例えばX軸方向)に沿う長さを長さLx3とする。例えば、長さLx3は、第3磁気素子13Eの第3方向(Z軸方向)に沿う長さLz3よりも長い。第4磁気素子14Eの第2方向(例えばX軸方向)に沿う長さを長さLx4とする。例えば、長さLx4は、第4磁気素子14Eの第3方向(Z軸方向)に沿う長さLz4よりも長い。長さLz1~Lz4が短いことで、例えば、検出対象80からの、第3方向(Z軸方向)の成分を有する磁界を効率的に検出できる。長さLz1~Lz4が短いことで、例えば、磁性部材51と検出対象80との間の距離を短くできる。より高い空間分解能が得られる。
【0053】
例えば、第1磁気素子11Eの第2方向に沿う長さLx1は、第1磁気素子11Eの第3方向に沿う長さLz1の5倍以上であることが好ましい。例えば、第2磁気素子12Eの第2方向に沿う長さLx2は、第2磁気素子12Eの第3方向に沿う長さLz2の5倍以上であることが好ましい。例えば、第3磁気素子13Eの第2方向に沿う長さLx3は、第3磁気素子13Eの第3方向に沿う長さLz3の5倍以上であることが好ましい。例えば、第4磁気素子14Eの第2方向に沿う長さLx4は、第4磁気素子14Eの第3方向に沿う長さLz4の5倍以上であることが好ましい。このようなアスペクト比により、複数の磁気素子のそれぞれの磁性層及び対向磁性層において、初期状態における磁化の向きが安定し易くなる。より安定した検出が可能になる。
【0054】
図1(b)に示すように、磁性部材51の第1方向(Y軸方向)に沿う長さを長さLy51(厚さ)とする。長さLy51は、第1磁気素子11Eの第1方向に沿う長さLy11(厚さ)よりも長いことが好ましい。図2(a)に示すように、長さLy51は、第2磁気素子12Eの第1方向に沿う長さLy12(厚さ)よりも長いことが好ましい。図2(b)に示すように、長さLy51は、第3磁気素子13Eの第1方向に沿う長さLy13(厚さ)よりも長いことが好ましい。図2(c)に示すように、長さLy51は、第4磁気素子14Eの第1方向に沿う長さLy14(厚さ)よりも長いことが好ましい。磁性部材51が厚いことで、検出対象80からの磁界をより効果的に集め、集められた磁界を効果的に複数の磁気素子に印加できる。例えば、より高い感度が得易くなる。例えば、長さLy51は、長さLy11の2倍以上である。長さLy51は、長さLy11の1000倍以下でも良い。
【0055】
図1(b)に示すように、第1磁気素子11E(一部11P)と、磁性部材51と、の間の第1方向(Y軸方向)に沿う距離を距離dy1とする。距離dy1は、例えば、長さLz1の1/1000倍以上、長さLy51の2倍以下であることが好ましい。図2(a)に示すように、第2磁気素子12E(一部12P)と、磁性部材51と、の間の第1方向(Y軸方向)に沿う距離を距離dy2とする。距離dy2は、例えば、長さLz2の1/1000倍以上、長さLy51の2倍以下であることが好ましい。図2(b)に示すように、第3磁気素子13E(一部13P)と、磁性部材51と、の間の第1方向(Y軸方向)に沿う距離を距離dy3とする。距離dy3は、例えば、長さLz3の1/1000倍以上、長さLy51の2倍以下であることが好ましい。図2(c)に示すように、第4磁気素子14E(一部14P)と、磁性部材51と、の間の第1方向(Y軸方向)に沿う距離を距離dy4とする。距離dy4は、例えば、長さLz4の1/1000倍以上、長さLy51の2倍以下であることが好ましい。距離dy1~dy4が短いことで、磁性部材51により集められた磁界が効果的に複数の磁気素子に印加できる。例えば、より高い感度が得易くなる。距離dy1~dy4は、例えば、5nm以上である。これにより、例えば、高い製造性が得られる。
【0056】
図1(b)及び図2(a)に示すように、素子部10Uは、第1接続部材15aをさらに含んでも良い。後述するように、第1接続部材15aは、第1磁気素子11Eの一部と電気的に接続される。第1接続部材15aの少なくとも一部は、第1方向(Y軸方向)において、基体55と磁性部材51との間にある。
【0057】
図2(a)に示すように、素子部10Uは、第2接続部材15bをさらに含んでも良い。第2接続部材15bは、後述するように、第1磁気素子11Eの他の部分と電気的に接続される。第2接続部材15bの第3方向(Z軸方向)における位置は、基体端部55eの第3方向における位置と、第1磁気素子11E及び第2磁気素子12Eの少なくともいずれかの第3方向における位置と、の間にある。この例では、第2磁気素子12Eの少なくとも一部は、第3方向(Z軸方向)において、第2接続部材15bの少なくとも一部と、第1接続部材15aの少なくとも一部と、の間にある。
【0058】
図2(b)及び図2(c)に示すように、素子部10Uは、第3接続部材15cをさらに含んでも良い。後述するように、第3接続部材15cは、第2磁気素子12E、第3磁気素子13E及び第4磁気素子14Eのいずれかと電気的に接続される。第3接続部材15cの少なくとも一部は、第1方向(Y軸方向)において、基体55と磁性部材51との間にある。
【0059】
図2(c)に示すように、素子部10Uは、第4接続部材15dをさらに含んでも良い。後述するように、第4接続部材15dは、第2磁気素子12E、第3磁気素子13E及び第4磁気素子14Eのいずれかと電気的に接続される。第4接続部材15dの第3方向(Z軸方向)における位置は、基体端部55eの第3方向における位置と、第2磁気素子12E、第3磁気素子13E及び第4磁気素子14Eのいずれかの第3方向における位置と、の間にある。この例では、第4磁気素子14Eの少なくとも一部は、第3方向(Z軸方向)において、第4接続部材15dの少なくとも一部と、第3接続部材15cの少なくとも一部と、の間にある。
【0060】
このような接続部材により、複数の磁気素子が電気的に接続される。複数の磁気素子と基体端部55eとの間の距離を短くできる。複数の磁気素子のそれぞれの一部を基体55と磁性部材51との間に設けることが容易になる。
【0061】
図1(a)、及び、図2(a)~図2(c)に示すように、磁気センサ110は、絶縁部材65を含んでも良い。絶縁部材65の一部は、例えば、複数の磁気素子と磁性部材51との間に設けられる。複数の磁気素子は、例えば、基体55と絶縁部材65との間に設けられる。接続部材は、例えば、例えば、基体55と絶縁部材65との間に設けられる。絶縁部材65が設けられることで、導電部材の安定した絶縁が得られる。
【0062】
図1(a)、及び、図2(a)~図2(c)に示すように、素子部10Uは、導電部材20を含んでも良い。例えば、導電部材20は、第1~第4対応部21~24を含む。第1対応部21は、第1磁気素子11Eに対応する。第2対応部22は、第2磁気素子12Eに対応する。第3対応部23は、第3磁気素子13Eに対応する。第4対応部24は、第4磁気素子14Eに対応する。
【0063】
例えば、第1対応部21は、第1方向(Y軸方向)において第1磁気素子11Eと重なる。第2対応部22は、第1方向において第2磁気素子12Eと重なる。第3対応部23は、第1方向において第3磁気素子13Eと重なる。第4対応部24は、第1方向において第4磁気素子14Eと重なる。
【0064】
後述するように、導電部材20には、交流成分を含む第1電流が供給される。第1電流を用いることで、検出対象80からの磁界をより高い精度で検出できる。
【0065】
以下、複数の磁気素子、及び、導電部材20における、電気的な接続の例について説明する。
図5は、第1実施形態に係る磁気センサを例示する模式図である。
図5は、第1~第4磁気素子11E~14Eにおける電気的な接続の例を示している。図5において、電気的な接続関係が分かりやすいように、第1~第4磁気素子11E~14Eの空間的な配置が、図1(a)の例から変形して描かれている。
【0066】
図5に示すように、第1磁気素子11Eは、一端部11Ee及び他端部11Efを含む。一端部11Eeから他端部11Efへの方向は、X軸方向に沿う。第2磁気素子12Eは、一端部12Ee及び他端部12Efを含む。一端部12Eeから他端部12Efへの方向は、X軸方向に沿う。第3磁気素子13Eは、一端部13Ee及び他端部13Efを含む。一端部13Eeから他端部13Efへの方向は、X軸方向に沿う。第4磁気素子14Eは、一端部14Ee及び他端部14Efを含む。一端部14Eeから他端部14Efへの方向は、X軸方向に沿う。一端部11Ee及び他端部11Efは、互いに入れ替えても良い。一端部12Ee及び他端部12Efは、互いに入れ替えても良い。一端部13Ee及び他端部13Efは、互いに入れ替えても良い。一端部14Ee及び他端部14Efは、互いに入れ替えても良い。
【0067】
図5に示すように、第1磁気素子11Eの他端部11Efは、第2磁気素子12Eの一端部12Eeと電気的に接続される。第1磁気素子11Eの一端部11Eeは、第3磁気素子13Eの一端部13Eeと電気的に接続される。第3磁気素子13Eの他端部13Efは、第4磁気素子14Eの一端部14Eeと電気的に接続される。第2磁気素子12Eの他端部12Efは、第4磁気素子14Eの他端部14Efと電気的に接続される。このように、第1~第4磁気素子11E~14Eは、ブリッジ接続される。
【0068】
図5に示すように、磁気センサ110は、素子電流回路75をさらに含んでも良い。素子電流回路75は、第1磁気素子11Eの一端部11Eeと、第3磁気素子13Eの一端部13Eeと、の第1接続点CP1と、第2磁気素子12Eの他端部12Efと、第4磁気素子14Eの他端部14Efと、の第2接続点CP2と、の間に素子電流Idを供給可能である。
【0069】
図5に示すように、磁気センサ110は、検出回路73をさらに含んでも良い。検出回路73は、第1磁気素子11Eの他端部11Efと、第2磁気素子12Eの一端部12Eeと、の第3接続点CP3と、第3磁気素子13Eの他端部13Efと、第4磁気素子14Eの一端部14Eeと、の第4接続点CP4と、の間の電位の変化を検出可能である。
【0070】
図6(a)~図6(d)は、第1実施形態に係る磁気センサを例示する模式図である。
図6(b)~図6(d)は、導電部材20における電気的な接続についてのいくつかの例を示している。図6(a)~図6(d)において、電気的な接続関係が分かりやすいように、第1~第4対応部21~24の空間的な配置が、図1(a)の例から変形して描かれている。図5に例示する磁気素子の構成が、図6(a)~図6(d)に示すいずれかの構成と組み合わされて良い。
【0071】
図6(a)に示すように、第1対応部21は、第1対応一部21e及び第1対応他部21fを含む。第1対応一部21eは、例えば、第1磁気素子11Eの一端部11Eeに対応する。第1対応他部21fは、例えば、第1磁気素子11Eの他端部11Efに対応する。例えば、第1対応一部21eは、第1方向(Y軸方向)において第1磁気素子11Eの一端部11Eeと重なる。例えば、第1対応他部21fは、第1方向において第1磁気素子11Eの他端部11Efと重なる。
【0072】
図6(a)に示すように、第2対応部22は、第2対応一部22e及び第2対応他部22fを含む。第2対応一部22eは、例えば、第2磁気素子12Eの一端部12Eeに対応する。第2対応他部22fは、例えば、第2磁気素子12Eの他端部12Efに対応する。例えば、第2対応一部22eは、第1方向(Y軸方向)において第2磁気素子12Eの一端部12Eeと重なる。例えば、第2対応他部22fは、第1方向において第2磁気素子12Eの他端部12Efと重なる。
【0073】
図6(a)に示すように、第3対応部23は、第3対応一部23e及び第3対応他部23fを含む。第3対応一部23eは、例えば、第3磁気素子13Eの一端部13Eeに対応する。第3対応他部23fは、例えば、第3磁気素子13Eの他端部13Efに対応する。例えば、第3対応一部23eは、第1方向(Y軸方向)において第3磁気素子13Eの一端部13Eeと重なる。例えば、第3対応他部23fは、第1方向において第3磁気素子13Eの他端部13Efと重なる。
【0074】
図6(a)に示すように、第4対応部24は、第4対応一部24e及び第4対応他部24fを含む。第4対応一部24eは、例えば、第4磁気素子14Eの一端部14Eeに対応する。第4対応他部24fは、例えば、第4磁気素子14Eの他端部14Efに対応する。例えば、第4対応一部24eは、第1方向(Y軸方向)において第4磁気素子14Eの一端部14Eeと重なる。例えば、第4対応他部24fは、第1方向において第4磁気素子14Eの他端部14Efと重なる。
【0075】
図6(a)に示す例では、第1対応一部21eは、第3対応一部23eと電気的に接続される。第1対応他部21fは、第2対応一部22eと電気的に接続される。第3対応他部23fは、第4対応一部24eと電気的に接続される。第2対応他部22fは、第4対応他部24fと電気的に接続される。
【0076】
図6(a)に示すように、磁気センサ110は、第1電流回路71をさらに含んでも良い。第1電流回路71は、第1対応他部21fと第2対応一部22eとの第5接続点CP5と、第3対応他部23fと第4対応一部24eとの第6接続点CP6と、の間に交流を含む第1電流I1を供給可能である。
【0077】
第1対応部21を流れる第1電流I1による磁界が第1磁気素子11Eに印加される。第2対応部22を流れる第1電流I1による磁界が第2磁気素子12Eに印加される。第3対応部23を流れる第1電流I1による磁界が第3磁気素子13Eに印加される。第4対応部24を流れる第1電流I1による磁界が第4磁気素子14Eに印加される。
【0078】
例えば、素子電流Idは実質的に直流で良い。素子電流Idの向きは、図5に示す通りである。素子電流Idは、第1磁気素子11Eの一端部11Eeから第1磁気素子11Eの他端部11Efへの向きに第1磁気素子11Eを流れる。素子電流Idは、第2磁気素子12Eの一端部12Eeから第2磁気素子12Eの他端部12Efへの向きに第2磁気素子12Eを流れる。素子電流Idは、第3磁気素子13Eの一端部13Eeから第3磁気素子13Eの他端部13Efへの向きに第3磁気素子13Eを流れる。素子電流Idは、第4磁気素子14Eの一端部14Eeから第4磁気素子14Eの他端部14Efへの向きに第4磁気素子14Eを流れる。
【0079】
図6(a)に示す例において、例えば、導電部材20に交流成分を含む第1電流I1が供給されたときの1つの時刻(第1時刻)において、第1電流I1の向きは、以下である。第1電流I1は、第1対応他部21fから第1対応一部21eへの向きに、第1対応部21を流れる。第1電流I1は、第2対応一部22eから第2対応他部22fへの向きに、第2対応部22を流れる。第1電流I1は、第3対応一部23eから第3対応他部23fへの向きに、第3対応部2を流れる。第1電流I1は、第4対応他部24fから第4対応一部24eへの向きに、第4対応部24を流れる。
【0080】
例えば、第2磁気素子12Eを流れる素子電流Idの向きと、第1時刻において第2対応部22を流れる第1電流I1の向きと、の関係は、第1磁気素子11Eを流れる素子電流Idの向きと、第1時刻において第1対応部21を流れる第1電流I1の向きと、の関係と逆(逆位相)である。第4磁気素子14Eを流れる素子電流Idの向きと、第1時刻において第4対応部24を流れる第1電流I1の向きと、の関係は、第3磁気素子13Eを流れる素子電流Idの向きと、第1時刻において第3対応部23を流れる第1電流I1の向きと、の関係と逆(逆位相)である。
【0081】
図6(a)に示した例において、第1時刻において、第1電流I1は、第1対応他部21fから第1対応一部21eへの向き、第2対応一部22eから第2対応他部22fへの向き、第3対応一部23eから第3対応他部23fへの向き、及び、第4対応他部24fから第4対応一部24eへの向きを有する。
【0082】
図6(a)に示す例において、直列に接続された第1対応部21及び第3対応部23を含む第1回路が設けられる。直列に接続された第2対応部22及び第4対応部24を含む第2回路が設けられる。第1回路及び第2回路が電気的に並列に接続される。
【0083】
このような第1~第4磁気素子11E~14E、及び、第1~第4対応部21~24との組み合わせにより、ノイズをより抑制できる。第1~第4磁気素子11E~14Eから得られる信号の例については後述する。
【0084】
図6(b)に示すように、磁気センサ110aにおいて、第1対応一部21eは、第2対応他部22fと電気的に接続される。第1対応他部21fは、第4対応一部24eと電気的に接続される。第3対応一部23eは、第4対応他部24fと電気的に接続される。第3対応他部23fは、第2対応一部22eと電気的に接続される。
【0085】
磁気センサ110aにおいて、第1電流回路71は、第1対応一部21eと第2対応他部22fとの第7接続点CP7と、第3対応一部23eと第4対応他部24fとの第8接続点CP8と、の間に交流を含む第1電流I1を供給可能である。
【0086】
磁気センサ110aにおいて、1つの時刻(第1時刻)において、第1電流I1は、第1対応他部21fから第1対応一部21eへの向き、第2対応一部22eから第2対応他部22fへの向き、第3対応一部23eから第3対応他部23fへの向き、及び、第4対応他部24fから第4対応一部24eへの向きを有する。図6(b)に示すこのような構成が、図5の構成と組み合わされても良い。
【0087】
図6(b)に示す例において、直列に接続された第1対応部21及び第4対応部24を含む第1回路が設けられる。直列に接続された第2対応部22及び第3対応部23を含む第2回路が設けられる。第1回路及び第2回路が電気的に並列に接続される。
【0088】
図6(c)に示すように、磁気センサ110bにおいて、第1対応他部21fは、第4対応一部24eと電気的に接続される。第3対応他部23fは、第2対応一部22eと電気的に接続される。第2対応他部22fは、第4対応他部24fと電気的に接続される。
【0089】
磁気センサ110bにおいて、第1電流回路71は、第1対応一部21eと、第3対応一部23eと、の間に交流を含む第1電流I1を供給可能である。
【0090】
磁気センサ110bにおいて、1つの時刻(第1時刻)において、第1電流I1は、第1対応他部21fから第1対応一部21eへの向き、第2対応一部22eから第2対応他部22fへの向き、第3対応一部23eから第3対応他部23fへの向き、及び、第4対応他部24fから第4対応一部24eへの向きを有する。図6(c)に示すこのような構成が、図5の構成と組み合わされても良い。
【0091】
図6(c)に示す例において、第1~第4対応部21~24は、電気的に互いに直列に接続される。
【0092】
図6(d)に示すように、磁気センサ110cにおいて、第1対応一部21eは、第2対応他部22f、第3対応他部23f及び第4対応一部24eと電気的に接続される。第1対応他部21fは、第2対応一部22e、第3対応一部23e及び第4対応他部24fと電気的に接続される。
【0093】
磁気センサ110cにおいて、第1電流回路71は、第1対応一部21e、第2対応他部22f、第3対応他部23f及び第4対応一部24eの第9接続点CP9と、第1対応他部21f、第2対応一部22e、第3対応一部23e及び第4対応他部24fの第10接続点CP10と、の間に交流を含む第1電流I1を供給可能である。
【0094】
磁気センサ110cにおいて、1つの時刻(第1時刻)において、第1電流I1は、第1対応他部21fから第1対応一部21eへの向き、第2対応一部22eから第2対応他部22fへの向き、第3対応一部23eから第3対応他部23fへの向き、及び、第4対応他部24fから第4対応一部24eへの向きを有する。図6(d)に示すこのような構成が、図5の構成と組み合わされても良い。
【0095】
図6(d)に示す例において、第1~第4対応部21~24は、電気的に互いに並列に接続される。
【0096】
素子電流回路75、検出回路73及び第1電流回路71は、制御回路部70に含まれても良い。
【0097】
図5に示す例では、第1磁気素子11Eと電気的に直列に接続される磁気素子が第2磁気素子12Eとされている。第3磁気素子13Eと電気的に直列に接続される磁気素子が第4磁気素子14Eとされている。第1磁気素子11E及び第2磁気素子12Eを含む組が、第3磁気素子13E及び第4磁気素子14Eを含む組と、電気的に並列に接続される。第1~第4磁気素子11E~14Eの空間的な配置は、種々の変形が可能である。
【0098】
図6(a)~図6(d)に例示した回路のそれぞれの一部を組み合わせてもよい。例えば、直列に接続された第1対応部21及び第3対応部24が、第2対応部22及び第3対応部23と並列に、第1電流回路71と接続されても良い。
【0099】
以下、第1~第4磁気素子11E~14Eの空間的な配置の例について説明する。以下では、第1~第4磁気素子11E~14Eが、第2方向(例えばX軸方向)に沿って、この順で並ぶ場合の例である。以下の例において、第1磁気素子11Eと電気的に直列に接続される磁気素子は、第2磁気素子12E、第3磁気素子13E及び第4磁気素子14Eのいずれかでも良い。第3磁気素子13Eと電気的に直列に接続される磁気素子は、第1磁気素子11E、第2磁気素子12E及び第4磁気素子14Eのいずれかでも良い。
【0100】
図7(a)~図7(c)、図8(a)~図8(c)、図9(a)~図9(c)、図10(a)~図10(c)、図11(a)~図11(c)、図12(a)~図12(c)は、第1実施形態に係る磁気センサを例示する模式図である。
図7(a)、図8(a)、図9(a)、図10(a)、図11(a)及び図12(a)は、第1~第4磁気素子11E~14Eの接続に関する第1~第6素子構成CF1~CF6を例示している。図7(b)、図7(c)、図8(b)、図8(c)、図9(b)、図9(c)、図10(b)、図10(c)、図11(b)、図11(c)、図12(b)及び、図12(c)は、第1~第4対応部21~24における接続に関する第1~第12対応部構成CG1~CG12を例示している。
【0101】
図7(a)に示すように、第1素子構成CF1において、第1磁気素子11E、第3磁気素子13E、第2磁気素子12E及び第4磁気素子14Eの順で、X軸方向に沿って複数の磁気素子が並ぶ。
【0102】
図7(b)に示すように、第1対応部構成CG1において、第1対応一部21eは、第1電流回路71と接続される。第1対応他部21fは、第2対応一部22eと接続される。第2対応他部22fは、第4対応他部24fと接続される。第4対応一部24eは、第3対応他部23fと接続される第3対応一部23eは、第1電流回路71と接続される。
【0103】
第1対応部構成CG1において、第1~第4対応部21~24は、直列に電気的に接続される。第1対応部構成CG1において、第1電流I1は、図6(c)に関して説明した向きを有する。
【0104】
図7(c)に示すように、第2対応部構成CG2において、第1対応他部21fは、第1電流回路71と接続される。第1対応一部21eは、第4対応他部24fと接続される。第4対応一部24eは、第1電流回路71と接続される。第3対応一部23eは、第1電流回路71と接続される。第3対応他部23fは、第2対応一部22eと接続される。第2対応他部22fは、第1電流回路71と接続される。
【0105】
第2対応部構成CG2において、直列に接続された第1対応部21及び第4対応部24を含む第1回路が設けられる。直列に接続された第2対応部22及び第3対応部23を含む第2回路が設けられる。第1回路及び第2回路が電気的に並列に接続される。第2対応部構成CG2において、第1電流I1は、図6(b)に関して説明した向きを有する。
【0106】
第1素子構成CF1は、第1対応部構成CG1及び第2対応部構成CG2のいずれかと組み合わせられて良い。
【0107】
図8(a)に示すように、第2素子構成CF2において、第1磁気素子11E、第2磁気素子12E、第3磁気素子13E及び第4磁気素子14Eの順で、X軸方向に沿って複数の磁気素子が並ぶ。
【0108】
図8(b)に示すように、第3対応部構成CG3において、第1~第4対応部21~24は、直列に電気的に接続される。第3対応部構成CG3において、第1電流I1は、図6(c)に関して説明した向きを有する。
【0109】
図8(c)に示すように、第4対応部構成CG4において、直列に接続された第1対応部21及び第4対応部24を含む第1回路が設けられる。直列に接続された第2対応部22及び第3対応部23を含む第2回路が設けられる。第1回路及び第2回路が電気的に並列に接続される。第4対応部構成CG4において、第1電流I1は、図6(b)に関して説明した向きを有する。第2素子構成CF2は、第3対応部構成CG3及び第4対応部構成CG4のいずれかと組み合わせられて良い。
【0110】
図9(a)に示すように、第3素子構成CF3において、第3磁気素子13E、第4磁気素子14E、第2磁気素子12E及び第1磁気素子11Eの順で、X軸方向に沿って複数の磁気素子が並ぶ。
【0111】
図9(b)に示すように、第5対応部構成CG5において、第1~第4対応部21~24は、直列に電気的に接続される。第5対応部構成CG5において、第1電流I1は、図6(c)に関して説明した向きを有する。
【0112】
図9(c)に示すように、第6対応部構成CG6において、直列に接続された第1対応部21及び第4対応部24を含む第1回路が設けられる。直列に接続された第2対応部22及び第3対応部23を含む第2回路が設けられる。第1回路及び第2回路が電気的に並列に接続される。第6対応部構成CG6において、第1電流I1は、図6(b)に関して説明した向きを有する。第3素子構成CF3は、第5対応部構成CG5及び第6対応部構成CG6のいずれかと組み合わせられて良い。
【0113】
図10(a)に示すように、第4素子構成CF4において、第1磁気素子11E、第3磁気素子13E、第4磁気素子14E及び第2磁気素子12Eの順で、X軸方向に沿って複数の磁気素子が並ぶ。
【0114】
図10(b)に示すように、第7対応部構成CG7において、第1~第4対応部21~24は、直列に電気的に接続される。第7対応部構成CG7において、第1電流I1は、図6(c)に関して説明した向きを有する。
【0115】
図10(c)に示すように、第8対応部構成CG8において、直列に接続された第1対応部21及び第4対応部24を含む第1回路が設けられる。直列に接続された第2対応部22及び第3対応部23を含む第2回路が設けられる。第1回路及び第2回路が電気的に並列に接続される。第8対応部構成CG8において、第1電流I1は、図6(b)に関して説明した向きを有する。第4素子構成CF4は、第7対応部構成CG7及び第8対応部構成CG8のいずれかと組み合わせられて良い。
【0116】
図11(a)に示すように、第5素子構成CF5において、第1磁気素子11E、第4磁気素子14E、第3磁気素子13E及び第2磁気素子12Eの順で、X軸方向に沿って複数の磁気素子が並ぶ。
【0117】
図11(b)に示すように、第9対応部構成CG9において、第1~第4対応部21~24は、直列に電気的に接続される。第9対応部構成CG9において、第1電流I1は、図6(c)に関して説明した向きを有する。
【0118】
図11(c)に示すように、第10対応部構成CG10において、直列に接続された第1対応部21及び第4対応部24を含む第1回路が設けられる。直列に接続された第2対応部22及び第3対応部23を含む第2回路が設けられる。第1回路及び第2回路が電気的に並列に接続される。第10対応部構成CG10において、第1電流I1は、図6(b)に関して説明した向きを有する。第5素子構成CF5は、第9対応部構成CG9及び第10対応部構成CG10のいずれかと組み合わせられて良い。
【0119】
図12(a)に示すように、第6素子構成CF6において、第4磁気素子14E、第1磁気素子11E、第3磁気素子13E及び第2磁気素子12Eの順で、X軸方向に沿って複数の磁気素子が並ぶ。
【0120】
図12(b)に示すように、第11対応部構成CG11において、第1~第4対応部21~24は、直列に電気的に接続される。第11対応部構成CG11において、第1電流I1は、図6(c)に関して説明した向きを有する。
【0121】
図12(c)に示すように、第12対応部構成CG12において、直列に接続された第1対応部21及び第4対応部24を含む第1回路が設けられる。直列に接続された第2対応部22及び第3対応部23を含む第2回路が設けられる。第1回路及び第2回路が電気的に並列に接続される。第12対応部構成CG12において、第1電流I1は、図6(b)に関して説明した向きを有する。第6素子構成CF6は、第11対応部構成CG11及び第12対応部構成CG12のいずれかと組み合わせられて良い。
【0122】
第1~第6素子構成CF1~CF6において、素子電流Idは、図5に関して説明した向きを有する。すなわち、素子電流Idは、一端部11Eeから他端部11Efへの向き、一端部12Eeから他端部12Efへの向き、一端部13Eeから他端部13Efへの向き、及び、一端部14Eeから他端部14Efへの向きを有する。
【0123】
図7(b)、図7(c)、図8(b)、図8(c)、図9(b)、図9(c)、図10(b)、図10(c)、図11(b)、図11(c)、図12(b)及び、図12(c)に示すように、導電部材20の一部21xは、第1方向(Y軸方向)において、磁性部材51と重なる。例えば、導電部材20の一部21xは、第1方向(Y軸方向)において、基体55と磁性部材51との間にある。
【0124】
例えば、第1接続部材15aは、第1磁気素子11Eの一端部11Ee及び他端部11Efの一方と電気的に接続される。第2接続部材15bは、第1磁気素子11Eの一端部11Ee及び他端部11Efの他方と電気的に接続される。図7(a)、図8(a)、図9(a)、図10(a)、図11(a)及び図12(a)に示すように、例えば、第1接続部材15aは、Y軸方向において、磁性部材51と重なる。例えば、第2接続部材15bは、Y軸方向において、磁性部材51と重ならない。
【0125】
第1~第4磁気素子11E~14Eの電気抵抗は、例えば、外部磁界に対して実質的に偶関数の特性を有する。電気抵抗は、例えば、導電部材20(第1~第4対応部21~24)を流れる電流に対して実質的に偶関数の特性を有する。偶関数の特性を有する磁気素子に、交流を含む第1電流I1に基づく交流磁界が印加されることで、後述するように、より高い感度での検出が可能になる。
【0126】
以下、導電部材20に電流が流れたときの磁気素子(第1磁気素子11Eの電気抵抗の変化の例について説明する。以下では、第1磁気素子11Eの電気抵抗について説明する。以下の説明は、第2~第4磁気素子12E~14Eに適用できる。
【0127】
図13(a)及び図13(b)は、第1実施形態に係る磁気センサの特性を例示する模式図である。
これらの図の横軸は、導電部材20(例えば第1対応部21)に流れる電流(例えば第1電流I1)の値に対応する。縦軸は、第1磁気素子11Eの電気抵抗Rxである。図13(a)及び図13(b)に示すように、実施形態において、電気抵抗Rxは、電流(第1電流I1)の変化に対して偶関数の特性を示す。
【0128】
例えば、第1磁気素子11Eの電気抵抗Rxは、第1対応部21に第1値電流Ia1が供給されたときに第1値R1である。電気抵抗Rxは、第1対応部21に第2値電流Ia2が供給されたときに第2値R2である。電気抵抗Rxは、第1対応部21に第3値電流Ia3が供給されたときに第3値R3である。第1値電流Ia1の絶対値は、第2値電流Ia2の絶対値よりも小さく、第3値電流Ia3の絶対値よりも小さい。第1値電流Ia1は、例えば、実質的に0で良い。第2値電流Ia2の向きは、第3値電流Ia3の向きと逆である。
【0129】
図13(a)の例では、第1値R1は、第2値R2よりも低く、第3値R3よりも低い。図13(a)の例では、電気抵抗Rxは、「谷型」の特性を有する。第1値R1は、例えば、電気抵抗の最低値である。図13(b)の例では、第1値R1は、第2値R2よりも高く、第3値R3よりも高い。図13(b)の例では、電気抵抗Rxは、「山型」の特性を有する。第1値R1は、例えば、電気抵抗の最高値である。
【0130】
例えば、外部磁界が実質的に0のときに、第1磁性層11の磁化と、第1対向磁性層11oの磁化と、が「平行配列」であり、例えば、層間磁気結合が作用する場合に、「谷型」の特性が得られる。このとき、例えば、第1非磁性層11nの厚さは2.5nm以上である。例えば、外部磁界が実質的に0のときに、第1磁性層11の磁化と、第1対向磁性層11oの磁化と、が「反平行配列」であり、例えば、層間磁気結合が作用する場合に「山型」の特性が得られる。この場合、第1非磁性層11nの厚さは、例えば、1.9nm以上2.1nm以下である。
【0131】
例えば、第1対応部21に電流が流れないときに、電気抵抗Rxは、第4値R4である。例えば、第1値R1は、電流が流れないときの第4値R4と実質的に同じである。例えば、第1値R1と第4値R4との差の絶対値の第4値R4に対する比は、0.01以下である。比は、0.001以下でも良い。正負の電流に対して、実質的に偶関数の特性が得られる。
【0132】
このような第1電流I1と電気抵抗Rxとの間の関係は、第1電流I1による磁界が第1磁気素子11Eに印加され、第1磁気素子11Eの電気抵抗Rxが磁界の強さに応じて変化することに基づく。
【0133】
第1磁気素子11Eに外部磁界が印加されたときの電気抵抗Rxも、図13(a)または図13(b)に示した例と同様に偶関数の特性を示す。外部磁界は、例えば、Z軸方向に沿う成分を含む。
【0134】
図14(a)及び図14(b)は、第1実施形態に係る磁気センサの特性を例示する模式図である。
これらの図の横軸は、第1磁気素子11Eに印加される外部磁界Hexの強度である。縦軸は、第1磁気素子11Eの電気抵抗Rxである。これらの図は、R-H特性に対応する。図14(a)及び図14(b)に示すように、電気抵抗Rxは、第1磁気素子11Eに印加される磁界(外部磁界Hex、例えば、Z軸方向の磁界)に対して偶関数の特性を有する。
【0135】
図14(a)及び図14(b)に示すように、第1磁気素子11Eの電気抵抗Rxは、第1磁気素子11Eに第1磁界Hex1が印加されたときに第1値R1である。電気抵抗Rxは、第1磁気素子11Eに第2磁界Hex2が印加されたときに第2値R2である。電気抵抗Rxは、第1磁気素子11Eに第3磁界Hex3が印加されたときに第3値R3である。第1磁界Hex1の絶対値は、第2磁界Hex2の絶対値よりも小さく、第3磁界Hex3の絶対値よりも小さい。第2磁界Hex2の向きは、第3磁界Hex3の向きと逆である。
【0136】
図14(a)の例では、第1値R1は、第2値R2よりも低く、第3値R3よりも低い。図14(b)の例では、第1値R1は、第2値R2よりも高く、第3値R3よりも高い。例えば、第1磁気素子11Eに外部磁界が印加されないときに、電気抵抗Rxは、第4値R4である。第1値R1は、外部磁界が印加されないときの第4値R4と実質的に同じである。例えば、第1値R1と第4値R4との差の絶対値の第4値R4に対する比は、0.01以下である。比は、0.001以下でも良い。正負の外部磁界に対して、実質的に偶関数の特性が得られる。
【0137】
このような偶関数の特性を利用して、以下のように、高感度の検出が可能である。
以下では、第1電流I1は交流電流であり、直流成分を実質的に含まない場合の例について説明する。第1対応部21に第1電流I1(交流電流)が供給され、交流電流による交流磁界が第1磁気素子11Eに印加される。このときの電気抵抗Rxの変化の例について説明する。
【0138】
図15(a)~図15(c)は、第1実施形態に係る磁気センサの特性を例示するグラフ図である。
図15(a)は、第1磁気素子11Eに印加される信号磁界Hsig(外部磁界)が0のときの特性を示す。図15(b)は、信号磁界Hsigが正のときの特性を示す。図15(c)は、信号磁界Hsigが負のときの特性を示す。これらの図は、磁界Hと抵抗R(電気抵抗Rxに対応)との関係を示す。
【0139】
図15(a)に示すように、信号磁界Hsigが0のときは、抵抗Rは、正負の磁界Hに対して対称な特性を示す。交流磁界Hacがゼロのときに、抵抗Rは、低抵抗Roである。例えば磁化自由層の磁化が、正負の磁界Hに対して実質的に同じように回転する。このため、対称な抵抗の変化が得られる。交流磁界Hacに対する抵抗Rの変動は、正負の極性で同じ値になる。抵抗Rの変化の周期は、交流磁界Hacの周期の1/2倍となる。抵抗Rの変化は、交流磁界Hacの周波数成分を実質的に有しない。
【0140】
図15(b)に示すように、正の信号磁界Hsigが加わると、抵抗Rの特性は、正の磁界Hの側にシフトする。正側の交流磁界Hacにおいて、例えば抵抗Rが高くなる。負側の交流磁界Hacにおいて、抵抗Rは低くなる。
【0141】
図15(c)に示すように、負の信号磁界Hsigが加わると、抵抗Rの特性は、負の磁界Hの側にシフトする。正側の交流磁界Hacにおいて、例えば、抵抗Rが低くなる。負側の交流磁界Hacにおいて、抵抗Rは高くなる。
【0142】
所定の大きさの信号磁界Hsigが加わったときに、交流磁界Hacの正負に対して、互いに異なる抵抗Rの変動が生じる。交流磁界Hacの正負に対する抵抗Rの変動の周期は、交流磁界Hacの周期と同じである。信号磁界Hsigに応じた交流周波数成分の出力電圧が発生する。
【0143】
信号磁界Hsigが時間的に変化しない場合に上記の特性が得られる。信号磁界Hsigが時間的に変化する場合は、以下となる。信号磁界Hsigの周波数を信号周波数fsigとする。交流磁界Hacの周波数を交流周波数facとする。このとき、fac±fsigの周波数において、信号磁界Hsigに応じた出力が発生する。
【0144】
信号磁界Hsigが時間的に変化する場合において、信号周波数fsigは、例えば、1kHz以下である。一方、交流周波数facは、信号周波数fsigよりも十分に高い。例えば、交流周波数facは、信号周波数fsigの10倍以上である。
【0145】
例えば、交流磁界Hacの周期(周波数)と同じ周期(周波数)の成分(交流周波数成分)の出力電圧を抽出することで、信号磁界Hsigを高い精度で検出できる。実施形態に係る磁気センサ112においては、このような特性を利用して、検出対象である外部磁界Hex(信号磁界Hsig)を高い感度で検出することができる。実施形態においては、磁性部材51により、外部磁界Hex(信号磁界Hsig)、及び、第1電流I1による交流磁界Hacを、効率良く第1磁気素子11Eに印加できる。高い感度が得られる。
【0146】
図16(a)及び図16(b)は、第1実施形態に係る磁気センサを例示する模式図である。
図16(a)に示すように、実施形態に係る磁気センサ115においては、素子部10Uは、第1磁気素子11E、第2磁気素子12E、第1抵抗素子11R及び第2抵抗素子12Rを含む。磁気センサ115におけるこれ以外の構成は、例えば、磁気センサ110などと同じで良い。例えば、磁気センサ115も、基体55、磁性部材51及び素子部10Uが設けられる。
【0147】
磁気センサ115において、第1磁気素子11Eの一端部11Eeは、第1抵抗素子11Rの一端部11Reと電気的に接続される。第1磁気素子11Eの他端部11Efは、第2磁気素子12Eの一端部12Eeと電気的に接続される。第1抵抗素子11Rの他端部11Rfは、第2抵抗素子12Rの一端部12Reと電気的に接続される。第2磁気素子12Eの他端部12Efは、第2抵抗素子12Rの他端部12Rfと電気的に接続される。
【0148】
素子電流回路75は、第1磁気素子11Eの一端部11Eeと第1抵抗素子11Rの一端部11Reとの第1接続点CP1と、第2磁気素子12Eの他端部12Efと第2抵抗素子12Rの他端部12Rfとの第2接続点CP2と、の間に素子電流Idを供給可能である。
【0149】
検出回路73は、第1磁気素子11Eの他端部11Efと第2磁気素子12Eの一端部12Eeとの第3接続点CP3と、第1抵抗素子11Rの他端部11Rfと第2抵抗素子12Rの一端部12Reとの第4接続点CP4と、の間の電位の変化を検出可能である。
【0150】
図16(b)に示すように、第1対応他部21fは、第2対応一部22eと電気的に接続される。第1対応一部21eは、第2対応他部22fと電気的に接続される。第1電流回路71は、第1対応他部21fと第2対応一部22eとの第5接続点CP5と、第1対応一部21eと第2対応他部22fとの第6接続点CP6と、の間に交流を含む第1電流I1を供給可能である。
【0151】
(第2実施形態)
第2実施形態は、検査装置に係る。後述するように、検査装置は、診断装置を含んでも良い。
【0152】
図17は、第2実施形態に係る検査装置を例示する模式図である。
図17に示すように、実施形態に係る検査装置550は、実施形態に係る磁気センサ(図17の例では、磁気センサ110)と、処理部78と、を含む。処理部78は、磁気センサ110から得られる出力信号SigXを処理する。この例では、処理部78は、センサ制御回路部75c、第1ロックインアンプ75a、及び、第2ロックインアンプ75bを含む。例えば、センサ制御回路部75cにより、第1電流回路71が制御され、第1電流回路71から、交流成分を含む第1電流I1がセンサ部10Sに供給される。第1電流I1の交流成分の周波数は、例えば、100kHz以下である。素子電流回路75から、素子電流Idがセンサ部10Sに供給される。センサ部10Sは、例えば、素子部10Uを含む。検出回路73により、センサ部10Sにおける電位の変化が検出される。例えば、検出回路73の出力が、出力信号SigXとなる。
【0153】
この例では、検査装置550は、磁界印加部76Aを含む。磁界印加部76Aは、検出対象80に磁界を印加可能である。検出対象80は、例えば、検査対象である。検出対象80は、少なくとも、金属などの検査導電部材80cを含む。磁界印加部76Aによる磁界が検査導電部材80cに印加されると、例えば、検査導電部材80cにおいて渦電流が発生する。検査導電部材80cに傷などがあると、渦電流の状態が変化する。渦電流による磁界が、磁気センサ(例えば磁気センサ110など)により検出されることで、検査導電部材80cの状態(例えば傷など)が検査できる。磁界印加部76Aは、例えば、渦電流発生部である。
【0154】
この例では、磁界印加部76Aは、印加制御回路部76a、駆動アンプ76b及びコイル76cを含む。印加制御回路部76aによる制御により、駆動アンプ76bに電流が供給される。電流は、例えば、交流である。電流の周波数は、例えば、渦電流励起周波数である渦電流励起周波数は、例えば、10Hz以上100kHz以下である。渦電流励起周波数は、例えば、100kHz未満でも良い。
【0155】
例えば、センサ制御回路部75cから、第1電流I1の交流成分の周波数に関する情報(例えば信号でも良い)が、参照波(参照信号)として、第1ロックインアンプ75aに供給される。第1ロックインアンプ75aの出力が第2ロックインアンプ75bに供給される。印加制御回路部76aから、渦電流励起周波数に関する情報(例えば信号でも良い)が、参照波(参照信号)として、第2ロックインアンプ75bに供給される。第2ロックインアンプ75bは、渦電流励起周波数に応じた信号成分を出力可能である。
【0156】
このように、例えば、処理部78は、第1ロックインアンプ75aを含む。第1ロックインアンプ75aには、磁気センサ110から得られる出力信号SigXと、第1電流I1に含まれる交流成分の周波数に対応する信号SigR1と、が入力される。第1ロックインアンプ75aは、第1電流I1に含まれる交流成分の周波数に対応する信号SigR1を参照波(参照信号)とした出力信号SigX1を出力可能である。第1ロックインアンプ75aが設けられることで、ノイズを抑制して、高感度の検出が可能になる。
【0157】
処理部78は、第2ロックインアンプ75bをさらに含んでも良い。第2ロックインアンプ75bには、第1ロックインアンプ75aの出力信号SigX1と、検出対象80(検査対象)に向けて供給される供給信号(この例では磁界印加部76Aによる磁界)の周波数(渦電流励起周波数)に対応する信号SigR2と、が入力される。第2ロックインアンプ75bは、検出対象80(検査対象)に向けて供給される供給信号の周波数に対応する信号SigR2を参照波(参照信号)とした出力信号SigX2を出力可能である。第2ロックインアンプ75bが設けられることで、ノイズをさらに抑制して、さらに高感度の検出が可能になる。
【0158】
検査装置550により、検出対象80の検査導電部材80cの傷などの異常を検査できる。
【0159】
図18は、第2実施形態に係る検査装置を例示する模式図である。
図18に示すように、実施形態に係る検査装置551は、実施形態に係る磁気センサ(例えば磁気センサ110)と、処理部78と、を含む。検査装置551における、磁気センサ及び処理部78の構成は、検査装置550におけるそれらの構成と同様で良い。この例においては、検査装置551は、検出対象駆動部76Bを含む。検出対象駆動部76Bは、検出対象80に含まれる検査導電部材80cに電流を供給可能である。検査導電部材80cは、例えば、検出対象80に含まれる配線である。検査導電部材80cに流れる電流80iによる磁界が磁気センサ110により検出される。磁気センサ110による検出結果による異常に基づいて、検査導電部材80cを検査できる。検出対象80は、例えば、半導体装置などの電子装置でも良い。検出対象80は、例えば、電池などでも良い。
【0160】
この例では、検出対象駆動部76Bは、印加制御回路部76a及び駆動アンプ76bを含む。印加制御回路部76aによる制御により、駆動アンプ76bが制御され、駆動アンプ76bから、検査導電部材80cに電流が供給される。電流は、例えば、交流である。例えば、検査導電部材80cに交流電流を供給する。交流電流の周波数は、例えば、10Hz以上100kHz以下である。周波数は、例えば、100kHz未満でも良い。この例においても、第1ロックインアンプ75a及び第2ロックインアンプ75bが設けられることで、例えば、ノイズを抑制して、高感度の検出が可能になる。検査装置551の1つの例において、複数の磁気センサ(例えば複数の磁気センサ110)が設けられても良い。複数の磁気センサは、例えば、センサアレイである。センサアレイにより、検査導電部材80cを短時間で検査できる。検査装置551の1つの例において、磁気センサ(例えば磁気センサ110)がスキャンされて、検査導電部材80cが検査されても良い。
【0161】
図19は、第2実施形態に係る検査装置を示す模式的斜視図である。
図19に示すように、実施形態に係る検査装置710は、磁気センサ150aと、処理部770と、を含む。磁気センサ150aは、第1、第2実施形態のいずれかに係る磁気センサ及びその変形で良い。処理部770は、磁気センサ150aから得られる出力信号を処理する。処理部770において、磁気センサ150aから得られた信号と、基準値と、の比較などが行われても良い。処理部770は、処理結果に基づいて、検査結果を出力可能である。
【0162】
例えば、検査装置710により、検査対象680が検査される。検査対象680は、例えば、電子装置(半導体回路などを含む)である。検査対象680は、例えば、電池610などでも良い。
【0163】
例えば、実施形態に係る磁気センサ150aは、電池610とともに用いられても良い。例えば、電池システム600は、電池610及び磁気センサ150aを含む。磁気センサ150aは、電池610に流れる電流により生じる磁界を検出できる。
【0164】
図20は、第2実施形態に係る検査装置を示す模式的平面図である。
図20に示すように、磁気センサ150aは、例えば、実施形態に係る複数の磁気センサを含む。この例では、磁気センサ150aは、複数の磁気センサ(例えば、磁気センサ110など)を含む。複数の磁気センサは、例えば、2つの方向に沿って並ぶ。複数の磁気センサ110は、例えば、基体の上に設けられる。
【0165】
磁気センサ150aは、検査対象680(例えば電池610でも良い)に流れる電流により生じる磁界を検出できる。例えば、電池610が異常な状態に近づくと、電池610に異常な電流が流れる場合がある。磁気センサ150aにより異常な電流を検出することで、電池610の状態の変化を知ることができる。例えば、電池610に近づけて磁気センサ150aが置かれた状態で、2つの方向のセンサ群駆動手段を用いて、電池610の全体を短時間で検査できる。磁気センサ150aは、電池610の製造における、電池610の検査に用いられても良い。
【0166】
実施形態に係る磁気センサは、例えば、診断装置などの検査装置710に応用できる。 図21は、第2実施形態に係る磁気センサ及び検査装置を示す模式図である。
図21に示すように、検査装置710の例である診断装置500は、磁気センサ150を含む。磁気センサ150は、第1、第2実施形態に関して説明した磁気センサ、及び、それらの変形を含む。
【0167】
診断装置500において、磁気センサ150は、例えば、脳磁計である。脳磁計は、脳神経が発する磁界を検出する。磁気センサ150が脳磁計に用いられる場合、磁気センサ150に含まれる磁気素子のサイズは、例えば、1mm以上10mm未満である。このサイズは、例えば、MFCを含めた長さである。
【0168】
図21に示すように、磁気センサ150(脳磁計)は、例えば、人体の頭部に装着される。磁気センサ150(脳磁計)は、センサ部301を含む。磁気センサ150(脳磁計)は、複数のセンサ部301を含んでも良い。複数のセンサ部301の数は、例えば、約100個(例えば50個以上150個以下)である。複数のセンサ部301は、柔軟性を有する基体302に設けられる。
【0169】
磁気センサ150は、例えば、差動検出などの回路を含んでも良い。磁気センサ150は、磁気センサとは別のセンサ(例えば、電位端子または加速度センサなど)を含んでも良い。
【0170】
磁気センサ150のサイズは、従来のSQUID磁気センサのサイズに比べて小さい。このため、複数のセンサ部301の設置が容易である。複数のセンサ部301と、他の回路と、の設置が容易である。複数のセンサ部301と、他のセンサと、の共存が容易である。
【0171】
基体302は、例えばシリコーン樹脂などの弾性体を含んでも良い。基体302に、例えば、複数のセンサ部301が繋がって設けられる。基体302は、例えば、頭部に密着できる。
【0172】
センサ部301の入出力コード303は、診断装置500のセンサ駆動部506及び信号入出力部504と接続される。センサ駆動部506からの電力と、信号入出力部504からの制御信号と、に基づいて、センサ部301において、磁界測定が行われる。その結果は、信号入出力部504に入力される。信号入出力部504で得た信号は、信号処理部508に供給される。信号処理部508において、例えば、ノイズの除去、フィルタリング、増幅、及び、信号演算などの処理が行われる。信号処理部508で処理された信号が、信号解析部510に供給される。信号解析部510は、例えば、脳磁計測のための特定の信号を抽出する。信号解析部510において、例えば、信号位相を整合させる信号解析が行われる。
【0173】
信号解析部510の出力(信号解析が終了したデータ)が、データ処理部512に供給される。データ処理部512では、データ解析が行われる。このデータ解析において、例えば、MRI(Magnetic Resonance Imaging)などの画像データが取り入られることが可能である。このデータ解析においては、例えば、EEG(Electroencephalogram)などの頭皮電位情報などが取り入れられることが可能である。例えば、MRIまたはEEGなどのデータ部514がデータ処理部512と接続される。データ解析により、例えば、神経発火点解析、または、逆問題解析などが行われる。
【0174】
データ解析の結果は、例えば、画像化診断部516に供給される。画像化診断部516において、画像化が行われる。画像化により、診断が支援される。
【0175】
上記の一連の動作は、例えば、制御機構502によって制御される。例えば、一次信号データ、または、データ処理途中のメタデータなどの必要なデータは、データサーバに保存される。データサーバと制御機構とは、一体化されても良い。
【0176】
実施形態に係る診断装置500は、磁気センサ150と、磁気センサ150から得られる出力信号を処理する処理部と、を含む。この処理部は、例えば、信号処理部508及びデータ処理部512の少なくともいずれかを含む。処理部は、例えば、コンピュータなどを含む。
【0177】
図21に示す磁気センサ150では、センサ部301は、人体の頭部に設置されている。センサ部301は、人体の胸部に設置されても良い。これにより、心磁測定が可能となる。例えば、センサ部301を妊婦の腹部に設置しても良い。これにより、胎児の心拍検査を行うことができる。
【0178】
被験者を含めた磁気センサ装置は、シールドルーム内に設置されるのが好ましい。これにより、例えば、地磁気または磁気ノイズの影響が抑制できる。
【0179】
例えば、人体の測定部位、または、センサ部301を局所的にシールドする機構を設けても良い。例えば、センサ部301にシールド機構を設けても良い。例えば、信号解析またはデータ処理において、実効的なシールドを行っても良い。
【0180】
実施形態において、基体302は、柔軟性を有しても良く、柔軟性を実質的に有しなくても良い。図21に示す例では、基体302は、連続した膜を帽子状に加工したものである。基体302は、ネット状でも良い。これにより、例えば、良好な装着性が得られる。例えば、基体302の人体への密着性が向上する。基体302は、ヘルメット状で、硬質でも良い。
【0181】
図22は、第2実施形態に係る検査装置を示す模式図である。
図22は、心磁計の一例である。図22に示す例では、平板状の硬質の基体305上にセンサ部301が設けられる。
【0182】
図22に示した例において、センサ部301から得られる信号の入出力は、図21に関して説明した入出力と同様である。図22に示した例において、センサ部301から得られる信号の処理は、図21に関して説明した処理と同様である。
【0183】
生体から発生する磁界などの微弱な磁界を計測する装置として、SQUID (Superconducting Quantum Interference Device:超伝導量子干渉素子)磁気センサを用いる参考例がある。この参考例においては、超伝導を用いるため、装置が大きく、消費電力も大きい。測定対象(患者)の負担が大きい。
【0184】
実施形態によれば、装置が小型にできる。消費電力を抑制できる。測定対象(患者)の負担が軽減できる。実施形態によれば、磁界検出のSN比を向上できる。感度を向上できる。
【0185】
実施形態は、以下の構成(例えば技術案)を含んでも良い。
(構成1)
基体端部を含む基体と、
磁性部材であって、前記基体から前記磁性部材への方向は第1方向に沿う、前記磁性部材と、
素子部であって、前記素子部は、第1磁気素子及び第2磁気素子を含み、前記第1磁気素子から前記第2磁気素子への向きは、前記第1方向と交差する第2方向に沿い、前記第1磁気素子の一部、及び、前記第2磁気素子の一部は、前記第1方向において前記基体と前記磁性部材との間にあり、前記第1磁気素子の他部の第3方向における位置、及び、前記第2磁気素子の他部の前記第3方向における位置は、前記基体端部の前記第3方向における位置と、前記磁性部材の前記第3方向における位置と、の間にあり、前記第3方向は、前記第1方向及び前記第2方向を含む平面と交差した、前記素子部と、
を備えた磁気センサ。
【0186】
(構成2)
前記素子部は、第1接続部材をさらに含み、
前記第1接続部材は、前記第1磁気素子の一端部及び他端部の一方と電気的に接続され、
前記第1接続部材の少なくとも一部は、前記第1方向において、前記基体と前記磁性部材との間にある、構成1記載の磁気センサ。
【0187】
(構成3)
前記素子部は、第2接続部材をさらに含み、
前記第2接続部材は、前記第1磁気素子の前記一端部及び前記他端部の他方と電気的に接続され、
前記第2接続部材の前記第3方向における位置は、前記基体端部の前記第3方向における位置と、前記第1磁気素子及び前記第2磁気素子の少なくともいずれかの前記第3方向における位置と、の間にある、構成2記載の磁気センサ。
【0188】
(構成4)
前記第2磁気素子の少なくとも一部は、前記第3方向において、前記第2接続部材の少なくとも一部と、前記第1接続部材の少なくとも一部と、の間にある、構成3記載の磁気センサ。
【0189】
(構成5)
前記素子部は、導電部材をさらに含み、
前記導電部材は、
前記第1磁気素子に対応する第1対応部と、
前記第2磁気素子に対応する第2対応部と、
を含む、構成3または4に記載の磁気センサ。
【0190】
(構成6)
前記第1磁気素子の前記他端部は、前記第2磁気素子の一端部と電気的に接続され、
前記第1磁気素子の前記一端部と前記第2磁気素子の他端部との間に素子電流が流れ、
前記第1対応部は、
前記第1磁気素子の前記一端部に対応する第1対応一部と、
前記第1磁気素子の前記他端部に対応する第1対応他部と、
を含み、
前記第2対応部は、
前記第2磁気素子の前記一端部に対応する第2対応一部と、
前記第2磁気素子の前記他端部に対応する第2対応他部と、
を含み、
前記導電部材に交流成分を含む第1電流が供給されたときの第1時刻において、
前記素子電流は、前記第1磁気素子の前記一端部から前記第1磁気素子の前記他端部への向きに前記第1磁気素子を流れ、
前記素子電流は、前記第2磁気素子の前記一端部から前記第2磁気素子の前記他端部への向きに前記第2磁気素子を流れ、
前記第1電流は、前記第1対応他部から前記第1対応一部への向きに、前記第1対応部を流れ、
前記第1電流は、前記第2対応一部から前記第2対応他部への向きに、前記第2対応部を流れる、構成5記載の磁気センサ。
【0191】
(構成7)
前記素子部は、第3磁気素子、第4磁気素子及び第3接続部材をさらに含み、
前記第1磁気素子から前記第3磁気素子への向きは、前記第2方向に沿い、
前記第1磁気素子から前記第4磁気素子への向きは、前記第2方向に沿い、
前記第3接続部材は、前記第2磁気素子、前記第3磁気素子及び前記第4磁気素子のいずれかと電気的に接続され、
前記第3接続部材の少なくとも一部は、前記第1方向において、前記基体と前記磁性部材との間にある、構成3または4に記載の磁気センサ。
【0192】
(構成8)
前記素子部は、第4接続部材をさらに含み、
前記第4接続部材は、前記第2磁気素子、前記第3磁気素子及び前記第4磁気素子のいずれかと電気的に接続され、
前記第4接続部材の前記第3方向における位置は、前記基体端部の前記第3方向における位置と、前記第2磁気素子、前記第3磁気素子及び前記第4磁気素子の前記いずれかの前記第3方向における位置と、の間にある、構成7記載の磁気センサ。
【0193】
(構成9)
前記素子部は、導電部材をさらに含み、
前記導電部材は、
前記第1磁気素子に対応する第1対応部と、
前記第2磁気素子に対応する第2対応部と、
前記第3磁気素子に対応する第3対応部と、
前記第4磁気素子に対応する第4対応部と、
を含む、構成7または8に記載の磁気センサ。
【0194】
(構成10)
前記第1磁気素子の前記他端部は、前記第2磁気素子の一端部と電気的に接続され、
前記第1磁気素子の前記一端部は、前記第3磁気素子の一端部と電気的に接続され、
前記第3磁気素子の他端部は、前記第4磁気素子の一端部と電気的に接続され、
前記第2磁気素子の他端部は、前記第4磁気素子の他端部と電気的に接続され、
前記第1対応部は、
前記第1磁気素子の前記一端部に対応する第1対応一部と、
前記第1磁気素子の前記他端部に対応する第1対応他部と、
を含み、
前記第2対応部は、
前記第2磁気素子の前記一端部に対応する第2対応一部と、
前記第2磁気素子の前記他端部に対応する第2対応他部と、
を含み、
前記第3対応部は、
前記第3磁気素子の前記一端部に対応する第3対応一部と、
前記第3磁気素子の前記他端部に対応する第3対応他部と、
を含み、
前記第4対応部は、
前記第4磁気素子の前記一端部に対応する第4対応一部と、
前記第4磁気素子の前記他端部に対応する第4対応他部と、
を含み、
前記導電部材に交流成分を含む第1電流が供給されたときの第1時刻において、
素子電流は、前記第1磁気素子の前記一端部から前記第1磁気素子の前記他端部への向きに前記第1磁気素子を流れ、
前記素子電流は、前記第2磁気素子の前記一端部から前記第2磁気素子の前記他端部への向きに前記第2磁気素子を流れ、
前記素子電流は、前記第3磁気素子の前記一端部から前記第3磁気素子の前記他端部への向きに前記第3磁気素子を流れ、
前記素子電流は、前記第4磁気素子の前記一端部から前記第4磁気素子の前記他端部への向きに前記第4磁気素子を流れ、
前記第1電流は、前記第1対応他部から前記第1対応一部への向きに、前記第1対応部を流れ、
前記第1電流は、前記第2対応一部から前記第2対応他部への向きに、前記第2対応部を流れる、
前記第1電流は、前記第3対応一部から前記第3対応他部への向きに、前記第3対応部を流れる、
前記第1電流は、前記第4対応他部から前記第4対応一部への向きに、前記第4対応部を流れる、構成9記載の磁気センサ。
【0195】
(構成11)
前記第1磁気素子の前記他端部は、前記第2磁気素子の一端部と電気的に接続され、
前記第1磁気素子の前記一端部は、前記第3磁気素子の一端部と電気的に接続され、
前記第3磁気素子の他端部は、前記第4磁気素子の一端部と電気的に接続され、
前記第2磁気素子の他端部は、前記第4磁気素子の他端部と電気的に接続され、
前記第1対応部は、
前記第1磁気素子の前記一端部に対応する第1対応一部と、
前記第1磁気素子の前記他端部に対応する第1対応他部と、
を含み、
前記第2対応部は、
前記第2磁気素子の前記一端部に対応する第2対応一部と、
前記第2磁気素子の前記他端部に対応する第2対応他部と、
を含み、
前記第3対応部は、
前記第3磁気素子の前記一端部に対応する第3対応一部と、
前記第3磁気素子の前記他端部に対応する第3対応他部と、
を含み、
前記第4対応部は、
前記第4磁気素子の前記一端部に対応する第4対応一部と、
前記第4磁気素子の前記他端部に対応する第4対応他部と、
を含み、
前記第1対応一部は、前記第3対応一部と電気的に接続され、
前記第1対応他部は、前記第2対応一部と電気的に接続され、
前記第3対応他部は、前記第4対応一部と電気的に接続され、
前記第2対応他部は、前記第4対応他部と電気的に接続された、構成9記載の磁気センサ。
【0196】
(構成12)
第1電流回路をさらに備え、
前記第1電流回路は、前記第1対応他部と前記第2対応一部との第5接続点と、前記第3対応他部と前記第4対応一部との第6接続点と、の間に交流を含む第1電流を供給可能である、構成11記載の磁気センサ。
【0197】
(構成13)
前記第1磁気素子の前記他端部は、前記第2磁気素子の一端部と電気的に接続され、
前記第1磁気素子の前記一端部は、前記第3磁気素子の一端部と電気的に接続され、
前記第3磁気素子の他端部は、前記第4磁気素子の一端部と電気的に接続され、
前記第2磁気素子の他端部は、前記第4磁気素子の他端部と電気的に接続され、
前記第1対応部は、
前記第1磁気素子の前記一端部に対応する第1対応一部と、
前記第1磁気素子の前記他端部に対応する第1対応他部と、
を含み、
前記第2対応部は、
前記第2磁気素子の前記一端部に対応する第2対応一部と、
前記第2磁気素子の前記他端部に対応する第2対応他部と、
を含み、
前記第3対応部は、
前記第3磁気素子の前記一端部に対応する第3対応一部と、
前記第3磁気素子の前記他端部に対応する第3対応他部と、
を含み、
前記第4対応部は、
前記第4磁気素子の前記一端部に対応する第4対応一部と、
前記第4磁気素子の前記他端部に対応する第4対応他部と、
を含み、
前記第1対応一部は、前記第2対応他部と電気的に接続され、
前記第1対応他部は、前記第4対応一部と電気的に接続され、
前記第3対応一部は、前記第4対応他部と電気的に接続され、
前記第3対応他部は、前記第2対応一部と電気的に接続された、構成9記載の磁気センサ。
【0198】
(構成14)
第1電流回路をさらに備え、
前記第1電流回路は、前記第1対応一部と前記第2対応他部との第7接続点と、前記第3対応一部と前記第4対応他部との第8接続点と、の間に交流を含む第1電流を供給可能である、構成12記載の磁気センサ。
【0199】
(構成15)
前記第1磁気素子の前記他端部は、前記第2磁気素子の一端部と電気的に接続され、
前記第1磁気素子の前記一端部は、前記第3磁気素子の一端部と電気的に接続され、
前記第3磁気素子の他端部は、前記第4磁気素子の一端部と電気的に接続され、
前記第2磁気素子の他端部は、前記第4磁気素子の他端部と電気的に接続され、
前記第1対応部は、
前記第1磁気素子の前記一端部に対応する第1対応一部と、
前記第1磁気素子の前記他端部に対応する第1対応他部と、
を含み、
前記第2対応部は、
前記第2磁気素子の前記一端部に対応する第2対応一部と、
前記第2磁気素子の前記他端部に対応する第2対応他部と、
を含み、
前記第3対応部は、
前記第3磁気素子の前記一端部に対応する第3対応一部と、
前記第3磁気素子の前記他端部に対応する第3対応他部と、
を含み、
前記第4対応部は、
前記第4磁気素子の前記一端部に対応する第4対応一部と、
前記第4磁気素子の前記他端部に対応する第4対応他部と、
を含み、
前記第1対応他部は、前記第4対応一部と電気的に接続され、
前記第4対応他部は、前記第2対応他部と電気的に接続され、
前記第2対応一部は、前記第3対応他部と電気的に接続された、構成9記載の磁気センサ。
【0200】
(構成16)
第1電流回路をさらに備え、
前記第1電流回路は、前記第1対応一部と前記第3対応一部との間に交流を含む第1電流を供給可能である、構成15記載の磁気センサ。
【0201】
(構成17)
素子電流回路をさらに備え、
前記素子電流回路は、前記第1磁気素子の前記一端部と前記第3磁気素子の前記一端部との第1接続点と、前記第2磁気素子の前記他端部と前記第4磁気素子の前記他端部との第2接続点と、の間に素子電流を供給可能である、構成10~16のいずれか1つに記載の磁気センサ。
【0202】
(構成18)
検出回路をさらに備え、
前記検出回路は、前記第1磁気素子の前記他端部と前記第2磁気素子の前記一端部との第3接続点と、前記第3磁気素子の前記他端部と前記第4磁気素子の前記一端部との第4接続点と、の間の電位の変化を検出可能である、構成17記載の磁気センサ。
【0203】
(構成19)
前記導電部材の一部は、前記第1方向において、前記磁性部材と重なる、構成10~18のいずれか1つに記載の磁気センサ。
【0204】
(構成20)
前記第1磁気素子の前記一部の前記第3方向に沿う長さは、前記第1磁気素子の前記第3方向に沿う長さの0.4倍以下である、構成1~19のいずれか1つに記載の磁気センサ。
【0205】
(構成21)
前記基体端部と前記第1磁気素子との間の前記第3方向に沿う距離の、前記第1磁気素子の前記第3方向に沿う前記長さに対する比は、1.5倍以上である、構成1~20のいずれか1つに記載の磁気センサ。
【0206】
(構成22)
構成1~21のいずれか1つに記載の磁気センサと、
前記磁気センサから出力される信号を処理可能な処理部と、
を備えた検査装置。
【0207】
実施形態によれば、感度の向上が可能な磁気センサ及び検査装置が提供できる。
【0208】
本願明細書において、「垂直」及び「平行」は、厳密な垂直及び厳密な平行だけではなく、例えば製造工程におけるばらつきなどを含むものであり、実質的に垂直及び実質的に平行であれば良い。
【0209】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、磁気センサに含まれる磁気素子、磁性層、非磁性層、磁性部材、導電部材及び回路などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
【0210】
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0211】
その他、本発明の実施の形態として上述した磁気センサ及び検査装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての磁気センサ及び検査装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0212】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと解される。
【0213】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0214】
10S…センサ部、 10U…素子部、 11~14…第1~第4磁性層、 11E~14E…第1~第4磁気素子、 11Ee~14Ee…一端、 11Ef~14Ef…他端、 11P~14P…一部、 11Q~14Q…他部、 11R、12R…第1、第2抵抗素子、 11Re、12Re…一端部、 11Rf、12Rf…他端部、 11n~14n…第1~第4非磁性層、 11o~14o…第1~第4対向磁性層、 15a~15d…第1~第4接続部材、 20…導電部材、 21~24…第1~第4対応部、 21e~24e…第1~第4対応一部、 21f~24f…第1~第4対応他部、 21x…一部、 51…磁性部材、 55…基体、 55e…基体端部、 65…絶縁部材、 70…制御回路部、 71…第1電流回路、 73…検出回路、 75…素子電流回路、 75a、75b…第1、第2ロックインアンプ、 75c…センサ制御回路部、 76A…磁界印加部、 76B…検出対象駆動部、 76a…印加制御回路部、 76b…駆動アンプ、 76c…コイル、 78…処理部、 80…検出対象、 80c…検査導電部材、 80i…電流、 110、110a、110b、115、150、150a…磁気センサ、 301…センサ部、 302…基体、 303…入出力コード、 305…基体、 500…診断装置、 502…制御機構、 504…信号入出力部、 506…センサ駆動部、 508…信号処理部、 510…信号解析部、 512…データ処理部、 514…データ部、 516…画像化診断部、 550、551…検査装置、 600…電子システム、 610…電池、 680…検査対象、 710…検査装置、 770…処理部、 CF1~CF6…第1~第6素子構成、 CG1~CG12…第1~第12対応部構成、 CP1~CP10…第1~第10接続点、 H…磁界、 Hac…交流磁界、 Hex…外部磁界、 Hex1~Hex3…第1~第3磁界、 Hsig…信号磁界、 I1…第1電流、 Ia1~Ia3…第1~第3値電流、 Id…素子電流、 Lx1~Lx4、Ly11~Ly14、Ly51、Lz1~Lz4…長さ、 PG1…ゲイン、 PG2、PG3…規格化ゲイン、 R…抵抗、 R1~R4…第1~第4値、 Rd1、Rd2…比、 Ro…抵抗、 Rx…電気抵抗、 SigR1、SigR2…信号、 SigX、SigX1、SigX2…出力信号、 dP1~dP4…長さ、 dPz…距離、 dQ1~dQ4…長さ、 dy1~dy4、dz1~dz4…距離
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22