(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-25
(45)【発行日】2024-02-02
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20240126BHJP
【FI】
A63F7/02 315A
A63F7/02 320
(21)【出願番号】P 2021110891
(22)【出願日】2021-07-02
【審査請求日】2022-09-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
(74)【代理人】
【識別番号】100135666
【氏名又は名称】原 弘晃
(74)【代理人】
【識別番号】100131680
【氏名又は名称】竹内 健一
(72)【発明者】
【氏名】亀井 堅二郎
【審査官】下村 輝秋
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-065294(JP,A)
【文献】特開2021-079132(JP,A)
【文献】特開2018-051400(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技媒体が移動する遊技領域を備えた遊技機であって、
前記遊技領域のうちの第1遊技領域に設けられた第1領域において遊技媒体を検出したことを条件として第1抽選を行う第1抽選手段と、
前記遊技領域のうちの第2遊技領域に設けられた第2領域において遊技媒体を検出したことを条件として第2抽選を行う第2抽選手段と、
前記第1抽選で特定の結果が得られたことを条件として、前記第2領域への遊技媒体の進入を補助する補助状態に可動物を動作させる動作制御手段と、
第1状態と前記第1状態よりも前記第2領域に遊技媒体が進入しやすい第2状態
および第3状態を含む複数の状態の間で状態を制御する状態制御手段と、
前記第1状態において前記第1抽選で前記特定の結果が得られたことを条件として、前記第2遊技領域に遊技媒体を移動させることを指示する第1特定情報を出力するための処理を行う特定情報処理手段を備え、
前記特定情報処理手段は、
前記第2状態において前記第2遊技領域に遊技媒体を移動させることを指示する第2特定情報を出力するための処理を行
い、
前記状態制御手段は、
前記第2状態において前記第2抽選で第1の結果が得られると、前記第3状態に移行させ、前記第2状態において前記第2抽選で第2の結果が得られると、前記第2状態を継続させることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、遊技球(遊技媒体)が移動する遊技領域を備え、遊技者の操作に応じて遊技領域に遊技球を発射する遊技機(ぱちんこ遊技機)が知られている。この種の遊技機では、遊技領域に通過ゲート、始動入賞口および大入賞口などが設けられており、通過ゲートを遊技球が通過すると普通抽選が行われる。そして、普通抽選で普通当たりが当選すると、始動入賞口に設けられた可動物が遊技球を進入させやすい状態に制御され、始動入賞口に遊技球が進入すると遊技球が払い出されるとともに特別抽選が行われる。そして、特別抽選で大当たりが当選すると、予め定められた複数回の大当たり遊技が実行され、大当たり遊技では、遊技領域に設けられている大入賞口が開状態に制御され、大入賞口に遊技球が進入するごとに遊技球を払い出す。
【0003】
そしてこの種の遊技機では、大当たり遊技の実行後に、普通抽選が行われる頻度を高くするとともに普通抽選で普通当たりが当選する確率が高い時短状態に移行させ、時短状態では、始動入賞口に遊技球が進入しやすいようにして、遊技者の手持ちの遊技球が減少することを抑制しつつ、特別抽選における大当たりの当選を待つことができるようにしている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここでこの種の遊技機では、可動物が設けられていない第1始動入賞口を左側の遊技領域に設け、可動物が設けられた第2始動入賞口と通過ゲートを右側の遊技領域に設け、普通抽選で普通当たりが当選する確率が低い通常状態では、遊技球が左側の遊技領域を移動するように遊技球を発射させ、時短状態では、遊技球が右側の遊技領域を移動するように遊技球を発射させるようにしているが、左側の遊技領域に通過ゲートなどの遊技球を検出すると普通抽選を行う領域を設けると、通常状態において普通抽選で普通当たりが当選した場合にどのような制御を行うか問題となる。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、遊技の興趣を向上させることができる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明は、遊技媒体が移動する遊技領域を備えた遊技機であって、前記遊技領域のうちの第1遊技領域に設けられた第1領域において遊技媒体を検出したことを条件として第1抽選を行う第1抽選手段と、前記遊技領域のうちの第2遊技領域に設けられた第2領域において遊技媒体を検出したことを条件として第2抽選を行う第2抽選手段と、前記第1抽選で特定の結果が得られたことを条件として、前記第2領域への遊技媒体の進入を補助する補助状態に可動物を動作させる動作制御手段と、第1状態と前記第1状態よりも前記第2領域に遊技媒体が進入しやすい第2状態を含む複数の状態の間で状態を制御する状態制御手段と、前記第1状態において前記第1抽選で特定の結果が得られたことを条件として、特定情報を出力するための処理を行う特定情報処理手段を備えることを特徴とする遊技機に関するものである。
【0008】
本発明によれば、可動物が補助状態となると遊技媒体の進入が補助される第2領域が第2遊技領域に設けられる一方で、特定の結果が得られると可動物を補助状態にする第1抽選が行われる第1領域が第1遊技領域に設けられるようにしつつ、第2領域に遊技媒体が進入しにくい第1状態において第1抽選で特定の結果が得られた場合であっても特定情報を出力するための処理が行われることにより、遊技の公正を担保しつつ、適切に遊技が進行されるようにすることができる。
【0009】
(2)また本発明は、前記第2抽選手段は、前記第1遊技領域に設けられた第3領域において遊技媒体を検出したことを条件として前記第2抽選を行い、前記状態制御手段は、前記第2抽選が行われた回数が所定回数に達すると前記第2状態を開始させるようにしてもよい。
【0010】
このようにすれば、第2抽選が行われる第3領域が第1遊技領域に設けられるようにしつつ、第2抽選が行われた回数が所定回数に達すると第2状態が開始されることにより、適切に遊技が進行されるようにすることができる。
【0011】
(3)また本発明は、前記遊技領域を形成する遊技盤に設けられ、前記遊技領域の少なくとも左側から上側において遊技媒体を誘導するレールを備え、前記レールは、前記レールを前記遊技盤の取り付け位置に案内する案内部を備え、前記遊技盤に設けられた前記レールにおいて最も上となる最上部から前記遊技盤に設けられた前記レールにおいて終端となる終端部までの範囲には前記案内部が設けられていないようにしてもよい。
【0012】
このようにすれば、発射装置から遠い部分には案内部を設けないことにより、遊技媒体から受ける衝撃が大きく、かつ、レールの配置について特に正確さが求められる発射装置に近い部分において案内部の数を多くして、発射装置に近い部分におけるレールのずれや振動を防止することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、遊技の興趣を向上させることができる遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施形態の遊技機の外観構成を示す斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態の遊技機の遊技盤の外観構成を示す正面図である。
【
図3】本発明の実施形態の遊技機の大入賞口の外観を示す斜視図である。
【
図4】本発明の実施形態の遊技機の状態表示部の外観構成を示す正面図である。
【
図5】本発明の実施形態の遊技機の機能ブロックを説明する図である。
【
図6】本発明の実施形態の遊技機における抽選テーブルの構成を示す図である。
【
図7】本発明の実施形態の遊技機における抽選テーブルの構成を示す図である。
【
図8】本発明の実施形態の遊技機における抽選テーブルの構成を示す図である。
【
図9】本発明の実施形態の遊技機における抽選テーブルの構成を示す図である。
【
図10】本発明の実施形態の遊技機における抽選テーブルの構成を示す図である。
【
図11】本発明の実施形態の遊技機における抽選テーブルの構成を示す図である。
【
図12】本発明の実施形態の遊技機における遊技状態の状態遷移図である。
【
図13】本発明の実施形態の遊技機において表示される画像を示す図である。
【
図14】本発明の実施形態の遊技機において表示される画像を示す図である。
【
図15】本発明の実施形態の遊技機において表示される画像を示す図である。
【
図16】本発明の実施形態の遊技機における時短回数の更新状況を示す図である。
【
図17】本発明の実施形態の遊技機における演出状態の状態遷移図である。
【
図18】本発明の実施形態の遊技機の上部の側断面図である。
【
図19】本発明の実施形態の遊技機の遊技盤の分解斜視図である。
【
図20】本発明の実施形態の遊技機の外レールの平面図である。
【
図21】本発明の実施形態の遊技機の遊技盤の上部の拡大側断面図である。
【
図22】本発明の実施形態の遊技機の遊技盤の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0016】
1.遊技機の構成
図1は、本実施形態に係る遊技機の外観構成を示す斜視図である。本実施形態の遊技機は、遊技場から貸し出された遊技球(遊技媒体)を用いて遊技を行うものであり、遊技機の外側面を形成する外枠2と、遊技機の内部に設けられ、遊技球が移動する遊技領域4を形成する遊技盤6と、遊技盤6や各種の制御基板が遊技機の内部において設けられている本体7と、遊技領域4を遊技者が視認可能かつ接触不可能にするガラスユニット8と、遊技機の前面において遊技領域4を取り囲むように形成された前枠10(扉体)を備えている。そして前枠10は、遊技領域4を遊技者が視認可能となるように遊技領域4に対応する範囲の開口である前枠開口11を形成しつつ、前枠開口11を塞ぐようにして背面側からガラスユニット8が取り付けられることにより、ガラスユニット8とともに遊技機の前面を形成している。
【0017】
そして前枠10の一部は、光が透過する半透明の素材により構成されており、半透明の素材により構成されている部分の内部には、遊技を盛り上げるための演出光などを出力する複数の前枠ランプ12が設けられている。また、前枠10の下部には、遊技を盛り上げるための演出音などを出力するスピーカー14が設けられている。
【0018】
また前枠10の下部中央には、遊技球を貯留するための上皿16が設けられており、上皿16の内側面の奥側の左部には、遊技機から遊技者に遊技球を払い出すための払出口18が設けられている。また前枠10の下部右側には、ハンドル20が設けられており、遊技者がハンドル20を遊技機に向かって右回りに回転させる操作を行うと、遊技機内部に設けられた図示しない発射装置が作動して、遊技領域4内に遊技球が発射されるようになっている。なお本実施形態の発射装置は、1分間に99個(1秒間に1.65個)の遊技球を発射することができる。
【0019】
そして上皿16の内側面の奥側の右部には、上皿16から遊技球を発射装置に供給するための供給口22が設けられている。また上皿16の下方には、上皿16に遊技球を貯留しきれなくなった場合に余剰の遊技球を貯留しておく下皿24が設けられている。
【0020】
また上皿16の縁部手前側には、銃の形状を模した演出入力装置26(演出操作手段)が設けられており、遊技者が演出入力装置26を操作すると、遊技機で行われる演出が変化する。
【0021】
そして本実施形態では、前枠10の左辺および外枠2の左辺(側部)に沿った前枠軸27を中心として、前枠10が本体7および外枠2に対して回転可能に取り付けられている。そしてハンドル20の上方に設けられた図示しないシリンダー錠に鍵を差し込んで一方向に回転させると施錠が解除され、前枠軸27を中心として前枠10を本体7および外枠2に対して開くことができるようになっている。
【0022】
図2は、
図1で示した遊技盤6の外観構成を示す正面図である。
図2に示すように遊技盤6には、円弧状に外レール28が設けられており、外レール28に囲まれた領域が、遊技球が移動する遊技領域4となっている。また遊技領域4の左端部には、外レール28に沿うように円弧状に内レール30が設けられており、外レール28と内レール30は、遊技盤6の下方に設けられた図示しない発射装置から発射された遊技球を遊技領域4に誘導する。
【0023】
また遊技盤6の中央部には、遊技を盛り上げるための演出画像などを表示する液晶ディスプレイ32(演出表示部)と、液晶ディスプレイ32を取り囲むように形成されたディスプレイ枠34を備える演出ユニット36が設けられている。このディスプレイ枠34は、光を透過する半透明の素材により構成された部分を有しており、半透明の素材により構成されている部分の内部には、遊技を盛り上げるための演出光などを出力する複数のディスプレイ枠ランプ38が設けられている。
【0024】
そして本実施形態では、液晶ディスプレイ32の手前側を遊技球が通過できないようになっており、発射装置から発射された遊技球は、液晶ディスプレイ32の左側の遊技領域4(第1遊技領域)または右側の遊技領域4(第2遊技領域)を落下するようになっている。そして遊技領域4には、遊技盤6の表面に交差するように図示しない多数の遊技釘が打ち付けられており、遊技領域4を移動する遊技球の移動方向がランダムに変化するようになっている。
【0025】
またディスプレイ枠34の左部には、液晶ディスプレイ32の左側の遊技領域4を落下する遊技球が通過できる開口40が形成されており、この開口40を通過した遊技球はディスプレイ枠34に設けられている通路42を通過して、液晶ディスプレイ32の下方に設けられたステージ44に落下するようになっている。このステージ44の上面は滑らかな曲面となっているとともに、ステージ44とガラスユニット8との間に遊技球がステージ44から下方に落下できる隙間が形成されており、通路42からステージ44上に落下した遊技球がステージ44上を左右に往復移動した後にステージ44の中央部付近から下方に落下するようになっている。
【0026】
そしてステージ44の中央部の下方には、ステージ44の中央部付近から下方に落下した遊技球が進入可能な第1始動入賞口45が設けられている。この第1始動入賞口45は、遊技球が進入したことを検出するセンサを備え、遊技球が進入すると遊技球が遊技機内部に回収(遊技領域4から排出)されるように構成されており、第1始動入賞口45に遊技球が進入するごとに、遊技者に対して所定個数(1個以上の規定数、例えば3個)の遊技球が払い出されるとともに、乱数値を取得して大当たりの当否を決定する特別抽選が行われる。
【0027】
また液晶ディスプレイ32の左側の遊技領域4の下部には、遊技球が進入すると遊技球が遊技機内部に回収される第1普図作動口46が設けられている。この第1普図作動口46は、第1普図作動口46に進入した遊技球を1個ずつ検出するセンサを備え、1個の遊技球が進入するごとに、遊技者に対して所定個数(1個以上の規定数、例えば1個)の遊技球が払い出されるとともに、乱数値を取得して普通当たりの当否を決定する普通抽選が行われる。
【0028】
また液晶ディスプレイ32の左側の遊技領域4の下部には、遊技球が進入すると遊技球が遊技機内部に回収される第1一般入賞口47、第2一般入賞口48が設けられている。そして第1一般入賞口47、第2一般入賞口48のそれぞれは、第1一般入賞口47あるいは第2一般入賞口48に進入した遊技球を1個ずつ検出するセンサを備え、遊技球が進入すると遊技球が遊技機内部に回収されるように構成されており、第1一般入賞口47、第2一般入賞口48に1個の遊技球が進入するごとに、遊技者に対して所定個数(1個以上の規定数、例えば1個)の遊技球が払い出されるが、特別抽選や普通抽選は行われない。
【0029】
また液晶ディスプレイ32の右側の遊技領域4には、遊技球が遊技機内部に回収されずに通過する通過ゲート49が設けられている。この通過ゲート49は、遊技球が通過したことを検出するセンサを備え、通過ゲート49を遊技球が通過するたびに、乱数値を取得して普通当たりの当否を決定する普通抽選が行われる。
【0030】
また液晶ディスプレイ32の右側の遊技領域4の下部には、遊技球が進入すると遊技球が遊技機内部に回収される第2始動入賞口50が設けられている。この第2始動入賞口50は、第2始動入賞口50に進入した遊技球を1個ずつ検出するセンサを備えるとともに、第2始動入賞口50に遊技球が進入しにくい縮小状態(進入を補助しない状態・非補助状態)と遊技球が進入しやすい拡大状態(進入を補助する状態・補助状態)との間で動作可能な補助部材を備える普通役物52(補助手段)が設けられている。そして普通役物52は、補助部材を動作させるソレノイドなどの駆動装置を備えており、普通抽選で普通当たりが当選すると所定条件下で拡大状態となるように制御される。そして第2始動入賞口50に1個の遊技球が進入するごとに、遊技者に対して所定個数(1個以上の規定数、例えば1個)の遊技球が払い出されるとともに、乱数値を取得して大当たりまたは小当たりの当否を決定する特別抽選が行われる。
【0031】
また液晶ディスプレイ32の右側の遊技領域4には、第2始動入賞口50の左下方に、遊技球が進入すると遊技球が遊技機内部に回収される第2普図作動口53が設けられている。この第2普図作動口53は、第2普図作動口53に進入した遊技球を1個ずつ検出するセンサを備え、1個の遊技球が進入するごとに、遊技者に対して所定個数(1個以上の規定数、例えば1個)の遊技球が払い出されるとともに、乱数値を取得して普通当たりの当否を決定する普通抽選が行われる。
【0032】
また液晶ディスプレイ32の右側の遊技領域4には、第2始動入賞口50の右上方に、遊技球が進入すると遊技球が遊技機内部に回収される第1大入賞口54が設けられている。この第1大入賞口54は、第1大入賞口54に進入した遊技球を1個ずつ検出するセンサを備えるとともに、第1大入賞口54を塞ぐ可動部材を備える第1特別役物56が設けられており、第1特別役物56は、第1大入賞口54に遊技球が進入不可能な閉状態(進入不可状態)と遊技球が進入可能な開状態(進入可能状態)との間で動作可能に構成されている。そして第1特別役物56は、可動部材を動作させるソレノイドなどの駆動装置を備えており、特別抽選で大当たりが当選すると開始される大当たり遊技において所定条件下で開状態となるように制御される。そして第1大入賞口54に1個の遊技球が進入するごとに、遊技者に対して所定個数(例えば11個)の遊技球が払い出される。
【0033】
また液晶ディスプレイ32の右側の遊技領域4には、第1大入賞口54の右上方に、遊技球が進入すると遊技球が遊技機内部に回収される第2大入賞口58が設けられている。この第2大入賞口58は、第2大入賞口58に進入した遊技球を1個ずつ検出するセンサを備えるとともに、第2大入賞口58を塞ぐ可動部材を備える第2特別役物60が設けられており、第2特別役物60は、第2大入賞口58に遊技球が進入不可能な閉状態(進入不可状態)と遊技球が進入可能な開状態(進入可能状態)との間で動作可能に構成されている。そして第2特別役物60は、可動部材を動作させるソレノイドなどの駆動装置を備えており、特別抽選で小当たりが当選すると開始される小当たり遊技において所定条件下で開状態となるように制御される。そして第2大入賞口58に1個の遊技球が進入するごとに、遊技者に対して所定個数(例えば1個)の遊技球が払い出される。
【0034】
図3(A)および
図3(B)は、第2特別役物60が開状態となっている第2大入賞口58を示す斜視図である。本実施形態の第2大入賞口58は、
図3(A)に示すように、第2大入賞口58の内部の左側に設けられ遊技球が進入可能な特定領域64と、第2大入賞口58の内部の右側に設けられ遊技球が進入可能な通常領域66から構成されている。このうち特定領域64は、遊技球が進入したことを検出するセンサを内蔵するとともに、特定領域64を塞ぐ板状部材を備える特定役物68が設けられており、特定役物68は、
図3(A)に示すように特定領域64に遊技球が進入可能な開状態(進入可能状態)と、
図3(B)に示すように特定領域64に遊技球が進入不可能な閉状態(進入不可状態)との間で動作可能に構成されている。そして特定役物68は、板状部材を動作させるソレノイドなどの駆動装置を内蔵しており、小当たり遊技において所定条件下で開状態となるように制御される。そして、第2特別役物60が開状態となることにより遊技球が第2大入賞口58に進入したときに、特定役物68が開状態となっていれば特定領域64に遊技球が進入することができ、特定役物68が開状態となっていなければ特定領域64に遊技球が進入することができないようになっている。
【0035】
また通常領域66は、遊技球が進入したことを検出するセンサを内蔵するが、通常領域66を塞ぐ板状部材は設けられておらず、第2特別役物60が開状態となれば遊技球が進入することができるようになっている。
【0036】
従って、第2特別役物60が開状態となることにより遊技球が第2大入賞口58に進入したときに、特定役物68が開状態となっている場合には、遊技球が特定領域64または通常領域66に進入するようになっており、特定役物68が閉状態となっている場合には、遊技球が特定領域64に進入せずに通常領域66に進入するようになっている。そして、特定領域64または通常領域66に遊技球が進入すると、遊技球が第2大入賞口58から排出され、遊技機内部に回収されるように構成されている。
【0037】
また
図2に示すように、遊技領域4の最下部には、いずれの入賞口にも進入せずに遊技領域4を落下した遊技球を遊技機内部に回収するアウト口69が設けられている。
【0038】
そして遊技球の発射装置は、
図1で示したハンドル20の回転量を調整することにより遊技球の射出力が変化するように構成されており、ハンドル20の回転量が少ない場合には液晶ディスプレイ32の左側の遊技領域4を遊技球が落下するように遊技球が発射され、ハンドル20の回転量が多い場合には液晶ディスプレイ32の右側の遊技領域40を遊技球が落下するように遊技球が発射される。
【0039】
従って遊技者は、遊技状況に応じてハンドル20の回転量を調整し、遊技球が左側の遊技領域40を落下して、開口40と通路42とステージ44を通過して第1始動入賞口45に進入するように、あるいは第1普図作動口46、第1一般入賞口47、第2一般入賞口48に進入するように遊技球を発射させたり(左打ち)、遊技球が右側の遊技領域4を落下して、通過ゲート49を遊技球が通過するように、あるいは第2始動入賞口50、第2普図作動口53、第1大入賞口54、第2大入賞口58に遊技球が進入するように遊技球を発射させたりする(右打ち)。
【0040】
ここで本実施形態の遊技機では、遊技球が左側の遊技領域4を落下する場合には、通過ゲート49を遊技球が通過することがなく、第2始動入賞口50、第2普図作動口53、第1大入賞口54、第2大入賞口58に遊技球が進入することがなく、また遊技球が右側の遊技領域4を落下する場合には、第1始動入賞口45、第1普図作動口46、第1一般入賞口47、第2一般入賞口48に遊技球が進入することがないようになっている。
【0041】
なお
図2では、第1始動入賞口45、第1普図作動口46、第1一般入賞口47、第2一般入賞口48および第2普図作動口53の直上に、第1始動入賞口45、第1普図作動口46、第1一般入賞口47、第2一般入賞口48および第2普図作動口53のそれぞれへの遊技球の進入を調整する2本の遊技釘が描かれているが、遊技盤6の表面にはこの他にも多数の遊技釘が打ち付けられている。
【0042】
また遊技盤6の右下部であって、遊技領域4の外側には、点灯することにより遊技者が右打ちを行うべきことを報知(指示)する(特定情報を出力する)右打ちランプ70(特定表示、指示表示)が設けられている。また右打ちランプ70の下方には、遊技機の各種状態をランプ等の点灯および消灯により示す状態表示部71が設けられている。
【0043】
図4は、状態表示部71の外観構成を示す正面図である。状態表示部71は、
図4に示すように、普通図柄表示部72、普通保留表示部74、第1特別図柄表示部76、第1特別保留表示部78、第2特別図柄表示部80、第2特別保留表示部82、遊技状態表示部84が設けられている。
【0044】
普通図柄表示部72は、2つのランプにより構成され、普通抽選が行われる場合に2つのランプを点滅させることにより普通図柄を変動表示し、2つのランプを点灯または消灯させることにより普通図柄を停止表示して、普通抽選の結果を表示する。
【0045】
普通保留表示部74は、2つのランプにより構成され、通過ゲート49を遊技球が通過した時点で既に普通図柄が変動表示中または停止表示中である場合など、普通抽選用乱数値を取得しても普通抽選を行うことができないことにより普通抽選用乱数値が保留された場合に、保留されている普通抽選用乱数値の数に対応する普通保留数を表示するものであり、2つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、0~4個の普通保留数を表示する。
【0046】
第1特別図柄表示部76は、7セグメントディスプレイにより構成され、第1始動入賞口45に遊技球が進入することにより特別抽選が行われる場合に、7セグメントディスプレイを点滅させることにより第1特別図柄を変動表示し、7セグメントディスプレイを複数種類の態様のうちいずれかの態様で点灯させることにより第1特別図柄を停止表示して、特別抽選の結果を表示する。
【0047】
第1特別保留表示部78は、2つのランプにより構成され、第1始動入賞口45に遊技球が進入した時点で既に第1特別図柄または第2特別図柄が変動表示中または停止表示中である場合など、特別抽選用乱数値を取得しても特別抽選を行うことができないことにより特別抽選用乱数値が第1特別乱数値として保留された場合に、保留されている第1特別乱数値の数に対応する第1特別保留数を表示するものであり、2つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、0~4個の第1特別保留数を表示する。
【0048】
第2特別図柄表示部80は、7セグメントディスプレイにより構成され、第2始動入賞口50に遊技球が進入することにより特別抽選が行われる場合に、7セグメントディスプレイを点滅させることにより第2特別図柄を変動表示し、7セグメントディスプレイを複数種類の態様のうちいずれかの態様で点灯させることにより第2特別図柄を停止表示して、特別抽選の結果を表示する。
【0049】
第2特別保留表示部82は、2つのランプにより構成され、第2始動入賞口50に遊技球が進入した時点で既に第1特別図柄または第2特別図柄が変動表示中または停止表示中である場合など、特別抽選用乱数値を取得しても特別抽選を行うことができないことにより特別抽選用乱数値が第2特別乱数値として保留された場合に、保留されている第2特別乱数値の数に対応する第2特別保留数を表示するものであり、2つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、0~4個の第2特別保留数を表示する。
【0050】
遊技状態表示部84は、6つのランプにより構成され、6つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、現在設定されている遊技状態の種類を表示する。本実施形態では、通常状態と、特別抽選で大当たりが当選すると開始される特別遊技状態と、第1特別図柄あるいは第2特別図柄の変動時間を短縮させて特別抽選の実行契機を頻繁に到来させる時短状態が設定可能となっている。そして、6つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、いずれの遊技状態に設定されているかを表示する。
【0051】
図5は、本実施形態の遊技機の機能ブロック図である。本実施形態の遊技機は、メイン基板100(遊技制御手段)およびサブ基板102を含む制御基板によって制御される。そしてメイン基板100やサブ基板102等の各基板の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSPなど)、ASIC(ゲートアレイなど)、ROM(情報記憶媒体の一例)、あるいはRAMなどのハードウェアや、ROMなどに予め記憶されている所与のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
【0052】
メイン基板100は、通過ゲート49を通過する遊技球を1個ずつ検出する通過ゲートセンサ104、第1始動入賞口45に進入した遊技球を1個ずつ検出する第1始動入賞口センサ106、第2始動入賞口50に進入した遊技球を1個ずつ検出する第2始動入賞口センサ107、第1大入賞口54に進入した遊技球を1個ずつ検出する第1大入賞口センサ108、第2大入賞口58に進入した遊技球を1個ずつ検出する第2大入賞口センサ109、特定領域64に進入した遊技球すなわち特定領域64を通過して第2大入賞口58から排出された遊技球を1個ずつ検出する特定領域センサ110、通常領域66に進入した遊技球すなわち通常領域66を通過して第2大入賞口58から排出された遊技球を1個ずつ検出する通常領域センサ111、第1普図作動口46に進入した遊技球を1個ずつ検出する第1普図作動口センサ112、第2普図作動口53に進入した遊技球を1個ずつ検出する第2普図作動口センサ113、第1一般入賞口47に進入した遊技球を1個ずつ検出する第1一般入賞口センサ114、第2一般入賞口48に進入した遊技球を1個ずつ検出する第2一般入賞口センサ115、遊技球を1個払い出すごとに作動する払出センサ116等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて、状態表示駆動装置120、普通役物駆動装置122、第1特別役物駆動装置124、第2特別役物駆動装置126、特定役物駆動装置128、払出装置130等の出力手段の動作制御を行う。
【0053】
またサブ基板102は、メイン基板100から送られてくる信号や、演出ボタンスイッチ150からの入力信号を受けて、遊技の進行状況に合わせた演出を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて、演出表示装置170、音響装置172、演出物駆動装置174等の演出装置176の動作制御を行う。
【0054】
そしてメイン基板100は、設定変更手段205、乱数発生手段210、普通抽選手段220、普通表示制御手段222、普通役物制御手段224、特別抽選手段230、特別表示制御手段240、小当たり遊技実行手段250、大当たり遊技実行手段252、遊技状態移行制御手段260、払出制御手段270、通信制御手段280、メインメモリ290とを含んで構成されている。
【0055】
設定変更手段205は、設定値記憶手段2905に記憶されている設定値を変更する制御を行う。本実施形態では、遊技機の設定状態として設定1~設定6の6段階の設定状態と、設定段階が存在しない設定なしの設定状態が用意されており、本実施形態の遊技機の本体内部に設けられている設定変更スイッチを構成するキーシリンダに設定キーが挿入されて時計回りに設定キーが回されてから遊技機の電源が投入されると、設定変更手段205が、遊技機を設定変更許可状態に制御する。そして、本実施形態の遊技機の本体内部に設けられたリセットスイッチが、設定変更許可状態において作動すると、リセットスイッチからの入力信号を受け付ける毎に、遊技機の設定状態を示す設定値を設定1→設定2→・・・設定6→設定なし→設定1→・・・の順序で変更する。そして、設定キーが反時計回りに回されて基準位置に戻されると設定値を確定させて、確定された設定値を設定値記憶手段2905に記憶させる制御を行う。
【0056】
そして設定値記憶手段2905に記憶された設定値は、遊技機の電源が切断されても設定値の記憶状態が維持され、再び電源が投入される際に上述した設定値を変更する操作が行われない限り、同一の設定値が設定される。これにより本実施形態の遊技機では、複数の遊技機を遊技場に設置する場合に、複数の遊技機のそれぞれに異なる設定値を設定したり、1つの遊技機についても日によって異なる設定値を設定したりすることができる。
【0057】
また設定変更手段205は、設定値を変更する制御を行った場合には、メインメモリ290のフラグ記憶手段2916において、設定変更フラグをON状態に設定し、遊技機の電源が切断されると、設定変更フラグをOFF状態に設定する。また設定変更手段205は、設定値を変更する制御が行われない場合には、メインメモリ290のフラグ記憶手段2916において、設定変更フラグをOFF状態に設定する。
【0058】
乱数発生手段210は、抽選用の乱数値を発生させる手段であり、ハードウェア乱数を発生させる乱数発生器や、ソフトウェア乱数を発生させるプログラムにより実現される。ソフトウェア乱数は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお本実施形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
【0059】
普通抽選手段220は、通過ゲートセンサ104、第1普図作動口センサ112、第2普図作動口センサ113から検出信号が入力されたことに基づいて、乱数発生手段210から普通抽選用乱数値(抽選情報)を取得してメインメモリ290の普通乱数記憶手段2912に格納し、普通乱数記憶手段2912から読み出した普通抽選用乱数値について普通当たりの当否などを決定する普通抽選を行う。
【0060】
詳細には普通乱数記憶手段2912には、取得した普通抽選用乱数値を格納する記憶領域として、普通保留記憶領域1~普通保留記憶領域4の4つの普通保留記憶領域が設けられている。そして、普通乱数記憶手段2912とは別に、普通乱数記憶手段2912の普通保留記憶領域1から読み出して普通抽選を行った普通抽選用乱数値を普通図柄の変動表示および停止表示が終了するまで格納する記憶領域として、1つの当該普通保留記憶領域が設けられている。そして普通抽選手段220は、乱数発生手段210から普通抽選用乱数値を取得すると、普通保留記憶領域1~普通保留記憶領域4のいずれにも普通抽選用乱数値が格納されていない状態では、取得した普通抽選用乱数値をまずは普通保留記憶領域1に格納する。そして普通保留記憶領域1に普通抽選用乱数値が格納された時点で、普通図柄が変動表示中または停止表示中でない場合には、すなわち当該普通保留記憶領域に普通抽選用乱数値が格納されていない場合には、直ちに普通保留記憶領域1から普通抽選用乱数値を読み出して普通抽選を行い、普通抽選を行った普通抽選用乱数値を当該普通保留記憶領域に格納する。一方、普通図柄が変動表示中または停止表示中である場合には、すなわち当該普通保留記憶領域に普通抽選用乱数値が格納されている場合には、普通保留記憶領域1において普通抽選用乱数値を保留する。
【0061】
そして、普通保留記憶領域1において普通抽選用乱数値が保留されている状態で更に通過ゲートセンサ104から検出信号が入力されて普通抽選用乱数値が取得された場合には、普通抽選手段220は、普通保留記憶領域1~普通保留記憶領域4において保留されている普通抽選用乱数値の数が4個未満であることを条件に、すなわち普通保留数が4個未満であることを条件に、普通保留記憶領域1~普通保留記憶領域4のうち普通抽選用乱数値が保留されていない普通保留記憶領域であって序数が最小である普通保留記憶領域に普通抽選用乱数値を格納する。
【0062】
そして普通抽選手段220は、普通図柄の変動表示および停止表示が終了すると、当該普通保留記憶領域に格納されている普通抽選用乱数値を消去し、普通保留記憶領域1において普通抽選用乱数値が保留されている場合には、普通保留記憶領域1から普通抽選用乱数値を読み出して普通抽選を行い、普通抽選を行った普通抽選用乱数値を当該普通保留記憶領域に格納する。ここで、普通保留記憶領域2以降に普通抽選用乱数値が残存している場合には、残存している普通抽選用乱数値を元の普通保留記憶領域から序数が1つ小さい普通保留記憶領域に移動させる。例えば、普通保留記憶領域2~普通保留記憶領域3に普通抽選用乱数値が残存している場合には、普通保留記憶領域1~普通保留記憶領域2に移動させる。
【0063】
こうして普通乱数記憶手段2912では、普通抽選が行われた普通抽選用乱数値が当該普通保留記憶領域において1個を上限として保留され、普通抽選が行われていない普通抽選用乱数値が普通保留記憶領域1~普通保留記憶領域4において4個を上限として保留される。
【0064】
以下では、普通抽選の詳細について説明する。普通抽選手段220は、普通抽選として、普通当たり決定処理、普通変動パターン決定処理などを行う。
【0065】
普通当たり決定処理は、普通当たりの当否を決定する処理である。本実施形態の遊技機では、抽選テーブル記憶手段2910に普通抽選テーブルが記憶されており、普通抽選テーブルでは、約1/5の確率で普通当たりが当選するように、普通当たりまたはハズレと複数の乱数値との対応関係が設定されている。
【0066】
そして普通抽選手段220は、通常状態であっても時短状態であっても共通の普通抽選テーブルを参照して、普通乱数記憶手段2912の普通保留記憶領域1から読み出した1つの普通抽選用乱数値が普通当たりに対応づけられているか否かを判定することにより、普通当たりが当選したか否かを判定する。
【0067】
そして普通抽選手段220は、普通当たりが当選した場合には、メインメモリ290のフラグ記憶手段2916において、普通当たりの当選フラグをON状態に設定し、ハズレとなった場合には、普通当たりの当選フラグをOFF状態に設定する。
【0068】
普通変動パターン決定処理は、遊技状態に応じて普通図柄の変動パターンを複数の変動パターンのいずれにするかを決定する処理である。普通変動パターン決定処理では、普通抽選手段220は、遊技状態が時短状態でない場合には、普通図柄の変動パターンを普通変動パターン1に決定し、遊技状態が時短状態である場合には、普通図柄の変動パターンを普通変動パターン2に決定する。
【0069】
普通表示制御手段222は、普通抽選の抽選結果に基づいて状態表示駆動装置120を制御する手段であって、普通図柄表示制御処理、普通保留表示制御処理を行う。
【0070】
普通図柄表示制御処理では、普通表示制御手段222は、普通変動パターン決定処理において決定された普通図柄の変動パターンに応じた変動時間が経過するまで、普通図柄表示部72の2つのランプを点滅させることにより普通図柄を変動表示させ、普通当たり決定処理において普通当たりが当選したか否かに応じて、普通図柄表示部72の2つのランプを点灯または消灯させることにより普通図柄を停止表示させることにより、普通図柄表示部72に普通抽選の結果を表示させる。
【0071】
詳細には本実施形態では、普通図柄の変動パターンが普通変動パターン1である場合には普通図柄の変動時間が20秒に設定され、普通図柄の変動パターンが普通変動パターン2である場合には普通図柄の変動時間が1秒に設定される。従って本実施形態では、普通抽選が行われた時点の遊技状態が時短状態でない場合には、普通図柄の変動パターンが普通変動パターン1に決定されることにより普通図柄の変動時間が20秒に設定され、普通抽選が行われた時点の遊技状態が時短状態である場合には、普通図柄の変動パターンが普通変動パターン2に決定されることにより普通図柄の変動時間が1秒に設定されるため、遊技状態が時短状態でない場合の方が、普通抽選の実行契機が頻繁に到来するようになっている。
【0072】
普通保留表示制御処理では、普通表示制御手段222は、普通乱数記憶手段2912に格納されている普通抽選用乱数値の数に応じて、普通保留表示部74の2つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、0~4個の普通保留数を表示する。
【0073】
普通役物制御手段224は、普通抽選の抽選結果に基づいて普通役物駆動装置122を制御する手段であって、普通役物制御処理1、普通役物制御処理2などを行う。
【0074】
普通役物制御処理1では、遊技状態が時短状態でない場合に、普通図柄が普通当たりの当選を示す態様で停止表示されたことを契機として、0.1秒が経過するまで普通役物52が拡大状態となってから縮小状態に復帰するように普通役物駆動装置122の駆動制御が行われる。
【0075】
普通役物制御処理2では、遊技状態が時短状態である場合に、普通図柄が普通当たりの当選を示す態様で停止表示されたことを契機として、2秒が経過するまで普通役物52が拡大状態となってから縮小状態に復帰するように普通役物駆動装置122の駆動制御が行われる。
【0076】
従って普通役物制御処理1では、第2始動入賞口50への遊技球の進入しやすさがほとんど増加しないように普通役物52が動作するが、普通役物制御処理2では、第2始動入賞口50への遊技球の進入しやすさが増加するように普通役物52が動作する。
【0077】
特別抽選手段230は、第1始動入賞口45に進入する遊技球を1個ずつ検出する第1始動入賞口センサ106から検出信号が入力されたことに基づいて、乱数発生手段210から特別抽選用乱数値(抽選情報)を取得して、メインメモリ290の特別乱数記憶手段2914に第1特別乱数値(第1抽選情報)として格納する。また特別抽選手段230は、第2始動入賞口50に進入する遊技球を1個ずつ検出する第2始動入賞口センサ107から検出信号が入力されたことに基づいて、乱数発生手段210から特別抽選用乱数値(抽選情報)を取得して、特別乱数記憶手段2914に第2特別乱数値(第2抽選情報)として格納する。そして特別抽選手段230は、特別乱数記憶手段2914から読み出した第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値を用いて、大当たりまたは小当たりの当否などを決定する特別抽選を行う。
【0078】
詳細には特別乱数記憶手段2914には、取得した第1特別乱数値を格納する記憶領域として第1特別保留記憶領域1~第1特別保留記憶領域4の4つの第1特別保留記憶領域が設けられ、取得した第2特別乱数値を格納する記憶領域として第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域4の4つの第2特別保留記憶領域が設けられ、第1特別保留記憶領域1あるいは第2特別保留記憶領域1から読み出して特別抽選を行った第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値を第1特別図柄あるいは第2特別図柄の変動表示および停止表示が終了するまで格納する記憶領域として、1つの当該特別保留記憶領域が設けられている。
【0079】
そして特別抽選手段230は、第1始動入賞口センサ106から検出信号が入力されたことに基づいて特別抽選用乱数値を取得すると、第1特別保留記憶領域1~第1特別保留記憶領域4のいずれにも第1特別乱数値が格納されていない状態では、取得した特別抽選用乱数値をまずは第1特別保留記憶領域1に第1特別乱数値として格納する。そして第1特別保留記憶領域1に第1特別乱数値が格納された時点で、第1特別図柄あるいは第2特別図柄が変動表示中または停止表示中でなく、すなわち当該特別保留記憶領域に第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値が格納されておらず、第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域4のいずれにも第2特別乱数値が格納されておらず、かつ遊技状態が特別遊技状態でない場合には、直ちに第1特別保留記憶領域1から第1特別乱数値を読み出して特別抽選を行い、特別抽選を行った第1特別乱数値を当該特別保留記憶領域に格納する。一方、第1特別図柄あるいは第2特別図柄が変動表示中または停止表示中であるか、すなわち当該特別保留記憶領域に第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値が格納されているか、第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域4のいずれかに第2特別乱数値が格納されているか、または遊技状態が特別遊技状態である場合には、第1特別保留記憶領域1において第1特別乱数値を保留する。
【0080】
そして、第1特別保留記憶領域1において第1特別乱数値が保留されている状態で更に第1始動入賞口センサ106から検出信号が入力されて特別抽選用乱数値が取得された場合には、特別抽選手段230は、第1特別保留記憶領域1~第1特別保留記憶領域4において保留されている第1特別乱数値の数が4個未満であることを条件に、すなわち第1特別保留数が4個未満であることを条件に、第1特別保留記憶領域1~第1特別保留記憶領域4のうち第1特別乱数値が保留されていない保留記憶領域であって序数が最小である第1特別保留記憶領域に第1特別乱数値として格納する。
【0081】
また特別抽選手段230は、第2始動入賞口センサ107から検出信号が入力されたことに基づいて特別抽選用乱数値を取得すると、第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域4のいずれにも第2特別乱数値が格納されていない状態では、取得した特別抽選用乱数値をまずは第2特別保留記憶領域1に第2特別乱数値として格納する。そして第2特別保留記憶領域1に第2特別乱数値が格納された時点で、第1特別図柄あるいは第2特別図柄が変動表示中または停止表示中でなく、すなわち当該特別保留記憶領域に第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値が格納されておらず、かつ遊技状態が特別遊技状態でない場合には、直ちに第2特別保留記憶領域1から第2特別乱数値を読み出して特別抽選を行い、特別抽選を行った第2特別乱数値を当該特別保留記憶領域に格納する。一方、第1特別図柄あるいは第2特別図柄が変動表示中または停止表示中であるか、すなわち当該特別保留記憶領域に第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値が格納されているか、または遊技状態が特別遊技状態である場合には、第2特別保留記憶領域1において第2特別乱数値を保留する。
【0082】
そして、第2特別保留記憶領域1において第2特別乱数値が保留されている状態で更に第2始動入賞口センサ107から検出信号が入力されて特別抽選用乱数値が取得された場合には、特別抽選手段230は、第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域4において保留されている第2特別乱数値の数が4個未満であることを条件に、すなわち第2特別保留数が4個未満であることを条件に、第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域4のうち第2特別乱数値が保留されていない第2特別保留記憶領域であって序数が最小である第2特別保留記憶領域に第2特別乱数値として格納する。
【0083】
そして特別抽選手段230は、第1特別図柄あるいは第2特別図柄の変動表示および停止表示が終了すると、当該特別保留記憶領域に格納されている第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値を消去する。そして、第1特別保留記憶領域1に第1特別乱数値が格納されている場合には、第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域4のいずれにも第2特別乱数値が格納されておらず、かつ遊技状態が特別遊技状態でないことを条件に、第1特別保留記憶領域1から第1特別乱数値を読み出して特別抽選を行い、特別抽選を行った第1特別乱数値を当該特別保留記憶領域に格納する。
【0084】
一方、第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域4のいずれかに第2特別乱数値が格納されている場合には、第1特別保留記憶領域1~第1特別保留記憶領域4のいずれかに第1特別乱数値が格納されていたとしても、遊技状態が特別遊技状態でないことを条件に、第2特別保留記憶領域1から第2特別乱数値を読み出して特別抽選を行い、特別抽選を行った第2特別乱数値を当該特別保留記憶領域に格納する。すなわち本実施形態では、第1特別乱数値よりも第2特別乱数値を優先して消化する。
【0085】
なお、第1特別乱数値であるか第2特別乱数値であるかに関わらず、特別乱数記憶手段2914に格納された順序で第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値を読み出して特別抽選を行うようにしてもよい。すなわち第1始動入賞口45あるいは第2始動入賞口50に遊技球が進入した順序で第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値を読み出して特別抽選を行うようにしてもよい。
【0086】
そして、第1特別保留記憶領域1から第1特別乱数値を読み出した時点で、第1特別保留記憶領域2以降に第1特別乱数値が残存している場合には、あるいは第2特別保留記憶領域1から第2特別乱数値を読み出した時点で、第2特別保留記憶領域2以降に第2特別乱数値が残存している場合には、残存している第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値を元の特別保留記憶領域から序数が1つ小さい特別保留記憶領域に移動させる。例えば、第1特別保留記憶領域1から第1特別乱数値を読み出した時点で、第1特別保留記憶領域2~第1特別保留記憶領域4のそれぞれに第1特別乱数値が残存している場合には、第1特別保留記憶領域2~第1特別保留記憶領域4のそれぞれに格納されている第1特別乱数値を、第1特別保留記憶領域1~第1特別保留記憶領域3のそれぞれに移動させ、第2特別保留記憶領域1から第2特別乱数値を読み出した時点で、第2特別保留記憶領域2~第2特別保留記憶領域3のそれぞれに第2特別乱数値が残存している場合には、第2特別保留記憶領域2~第2特別保留記憶領域3のそれぞれに格納されている第2特別乱数値を、第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域2のそれぞれに移動させる。
【0087】
こうして特別乱数記憶手段2914では、特別抽選が行われた第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値が当該特別保留記憶領域において1個を上限として保留され、特別抽選が行われていない第1特別乱数値が第1特別保留記憶領域1~第1特別保留記憶領域4において4個を上限として保留され、特別抽選が行われていない第2特別乱数値が第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域4において4個を上限として保留される。
【0088】
以下では、特別抽選の詳細について説明する。特別抽選手段230は、第1始動入賞口センサ106あるいは第2始動入賞口センサ107から検出信号が入力されたことに基づいて、特別抽選用乱数値として、大当たり決定乱数値、図柄決定乱数値、変動グループ決定乱数値、第1変動パターン決定乱数値および第2変動パターン決定乱数値などの複数種類の乱数値を取得し、これらの複数種類の乱数値を特別乱数記憶手段2914に第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値として格納する。そして特別抽選手段230は、特別抽選として、大当たり決定処理、図柄決定処理、変動グループ決定処理、第1変動パターン決定処理および第2変動パターン決定処理などを行う。
【0089】
大当たり決定処理は、特別乱数記憶手段2914の第1特別保留記憶領域1あるいは第2特別保留記憶領域1に格納されている第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値に含まれる1つの大当たり決定乱数値を読み出して、大当たりまたは小当たりの当否を決定する処理である。ここで1つの大当たり決定乱数値は、第1始動入賞口センサ106あるいは第2始動入賞口107から検出信号が入力されたことに基づいて、0~65535の65536個の大当たり決定乱数値から取得され、特別乱数記憶手段2914に第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値として格納されたものである。
【0090】
そして大当たり決定処理では、特別抽選手段230は、メインメモリ290の抽選テーブル記憶手段2910に記憶されている複数種類の大当たり抽選テーブルのうちいずれを参照して乱数判定処理を行うかを、読み出した1つの大当たり決定乱数値が第1特別乱数値として格納されていたか第2特別乱数値として格納されていたかに応じて選択する。
【0091】
本実施形態の遊技機では、抽選テーブル記憶手段2910に、
図6に示すような大当たり抽選テーブルAおよび大当たり抽選テーブルBが記憶されている。そして各大当たり抽選テーブルでは、0~65535の65536個の大当たり決定乱数値のそれぞれに対して、大当たり、小当たり、時短当たりまたはハズレが対応づけられている。詳細には大当たり抽選テーブルAでは、約1/199の確率で大当たりが当選し、約1/100の確率で時短当たりが当選するように、大当たり、時短当たりまたはハズレと0~65535の大当たり決定乱数値との対応関係が設定され、大当たり抽選テーブルBでは、約1/199の確率で大当たりが当選し、約1/60の確率で小当たりが当選し、約1/100の確率で時短当たりが当選するように、大当たり、小当たり、時短当たりまたはハズレと0~65535の大当たり決定乱数値との対応関係が設定されている。そして特別抽選手段230は、読み出した1つの大当たり決定乱数値が第1特別乱数値として格納されていた場合には、大当たり抽選テーブルAを選択し、読み出した1つの大当たり決定乱数値が第2特別乱数値として格納されていた場合には、大当たり抽選テーブルBを選択する。
【0092】
そして特別抽選手段230は、選択した大当たり抽選テーブルを参照して、読み出した1つの大当たり決定乱数値が大当たりまたは小当たりに対応づけられているか否かを判定することにより、大当たりまたは小当たりが当選したか否かを決定する。
【0093】
そして特別抽選手段230は、大当たりが当選した場合には、フラグ記憶手段2916において、大当たりの当選フラグをON状態に設定し、小当たりが当選した場合には、フラグ記憶手段2916において、小当たりの当選フラグをON状態に設定し、時短当たりが当選した場合には、フラグ記憶手段2916において、時短当たりの当選フラグをON状態に設定し、ハズレとなった場合には、大当たりの当選フラグ、小当たりの当選フラグおよび時短当たりの当選フラグをOFF状態に設定する。
【0094】
ここで本実施形態では、抽選テーブル記憶手段2910が、大当たりの当選確率が異なる6組の大当たり抽選テーブルA~大当たり抽選テーブルBを、上述した6段階の設定値(設定1~設定6)および設定なしのそれぞれに対応づけて記憶している。そして特別抽選手段230は、大当たり決定処理を行う時点における遊技状態が通常状態または時短状態である場合には、設定値記憶手段2905に記憶されている設定値に基づいて、設定値に対応する大当たり抽選テーブルA~大当たり抽選テーブルBのいずれかを選択する。
【0095】
詳細には、設定1~設定6のそれぞれに対応する大当たり抽選テーブルA~大当たり抽選テーブルBでは、設定値が高いほど大当たりの当選確率が高くなるように、すなわち設定6>設定5>・・・>設定1の順序で大当たりの当選確率が高くなるように、大当たりと乱数値との対応関係が設定されている。そして、設定なしに対応する大当たり抽選テーブルA~大当たり抽選テーブルBは、設定1に対応する大当たり抽選テーブルA~大当たり抽選テーブルBと共通となっている。なお、
図6に示す大当たり抽選テーブルA~大当たり抽選テーブルBは、設定値が設定1または設定なしである場合に選択される大当たり抽選テーブルA~大当たり抽選テーブルBとなっている。
【0096】
図柄決定処理は、大当たり決定処理で大当たりまたは小当たりが当選した場合に行われる処理であり、特別乱数記憶手段2914の第1特別保留記憶領域1あるいは第2特別保留記憶領域1に格納されている第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値に含まれる1つの図柄決定乱数値を読み出して、大当たりに当選した場合には、いずれの種類の大当たり図柄(大当たりの種別)にするかを決定し、小当たりに当選した場合には、いずれの種類の小当たり図柄(小当たりの種別)にするかを決定し、時短当たりに当選した場合には、いずれの種類のC時短図柄(時短当たりの種別)にするかを決定する処理である。ここで1つの図柄決定乱数値は、第1始動入賞口センサ106あるいは第2始動入賞口センサ107から検出信号が入力されたことに基づいて、0~99の100個の図柄決定乱数値から取得され、特別乱数記憶手段2914に第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値として格納されたものである。
【0097】
そして図柄決定処理では、特別抽選手段230は、抽選テーブル記憶手段2910に記憶されている複数種類の図柄抽選テーブルのうちいずれを参照して乱数判定処理を行うかを、読み出した1つの図柄決定乱数値が第1特別乱数値として格納されていたか第2特別乱数値として格納されていたかに応じて選択する。本実施形態の遊技機では、抽選テーブル記憶手段2910に、
図6に示すような図柄抽選テーブルA~図柄抽選テーブルFが記憶されている。
【0098】
詳細には図柄抽選テーブルAは、大当たりに当選した場合であって、読み出した1つの図柄決定乱数値が第1特別乱数値として格納されていた場合に選択され、50%の確率で5ラウンド図柄Aが当選し、50%の確率で5ラウンド図柄Bが当選するように、5ラウンド図柄Aまたは5ラウンド図柄Bと0~99の乱数値との対応関係が設定されている。
【0099】
また図柄抽選テーブルBは、大当たりに当選した場合であって、読み出した1つの図柄決定乱数値が第2特別乱数値として格納されていた場合に選択され、100%の確率で9ラウンド図柄が当選するように、9ラウンド図柄と0~99の乱数値との対応関係が設定されている。
【0100】
また図柄抽選テーブルCは、小当たりに当選した場合に選択され、100%の確率で小当たり図柄が当選するように、小当たり図柄と0~99の乱数値との対応関係が設定されている。
【0101】
また図柄抽選テーブルDは、通常状態において時短当たりに当選した場合であって、読み出した1つの図柄決定乱数値が第1特別乱数値として格納されていた場合に選択され、40%の確率でC時短図柄Aが当選し、60%の確率でC時短図柄Bが当選するように、C時短図柄AおよびC時短図柄Bと0~99の乱数値との対応関係が設定されている。
【0102】
また図柄抽選テーブルEは、通常状態において時短当たりに当選した場合であって、読み出した1つの図柄決定乱数値が第2特別乱数値として格納されていた場合に選択され、100%の確率でC時短図柄Aが当選するように、C時短図柄Aと0~99の乱数値との対応関係が設定されている。
【0103】
また図柄抽選テーブルFは、時短状態において時短当たりに当選した場合であって、読み出した1つの図柄決定乱数値が第1特別乱数値または第2特別乱数値として格納されていた場合に選択され、70%の確率でC時短図柄Aが当選し、30%の確率でC時短図柄Bが当選するように、C時短図柄AおよびC時短図柄Bと0~99の乱数値との対応関係が設定されている。
【0104】
そして特別抽選手段230は、選択した図柄抽選テーブルを参照して、読み出した1つの図柄決定乱数値がいずれの種類の図柄に対応づけられているかを判定することにより、いずれの種類の図柄が当選したかを決定し、フラグ記憶手段2916において、当選した図柄に対応する当選フラグをON状態に設定する。
【0105】
変動グループ決定処理は、大当たり決定処理でハズレであった場合に行われる処理であり、特別乱数記憶手段2914の第1特別保留記憶領域1あるいは第2特別保留記憶領域1に格納されている第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値に含まれる1つの変動グループ決定乱数値を読み出して、第1特別図柄あるいは第2特別図柄の変動パターンが属する変動グループをグループ0~グループ5のいずれにするかを決定する処理である。ここで1つの変動グループ決定乱数値は、第1始動入賞口センサ106あるいは第2始動入賞口センサ107から検出信号が入力されたことに基づいて、0~99の100個の変動グループ決定乱数値から取得され、特別乱数記憶手段2914に第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値として格納されたものである。
【0106】
そして変動グループ決定処理では、特別抽選手段230は、抽選テーブル記憶手段2910に記憶されている複数種類の変動グループ抽選テーブルのうちいずれを参照して乱数判定処理を行うかを、変動グループ決定処理を行う時点における第1特別保留数と第2特別保留数の合計である保留数および遊技状態に応じて選択する。
【0107】
本実施形態の遊技機では、抽選テーブル記憶手段2910に、
図7に示すような変動グループ抽選テーブルA~変動グループ抽選テーブルDが記憶されている。そして各変動グループ抽選テーブルでは、0~99の100個の変動グループ決定乱数値のそれぞれに対して、グループ0~グループ5のいずれかが対応づけられている。そして特別抽選手段230は、変動グループ決定処理を行う時点における遊技状態が通常状態であって保留数が0~1個である場合には、変動グループ抽選テーブルAを選択し、遊技状態が通常状態であって保留数が2~3個である場合には、変動グループ抽選テーブルBを選択し、遊技状態が通常状態であって保留数が4~7個である場合には、変動グループ抽選テーブルCを選択し、遊技状態が時短状態である場合には、所定条件下で変動グループ抽選テーブルDを選択する。
【0108】
そして特別抽選手段230は、選択した変動グループ抽選テーブルを参照して、読み出した1つの変動グループ決定乱数値が複数種類の変動グループのいずれに対応づけられているかを判定することにより、複数種類の変動グループから1つの変動グループを決定する。
【0109】
従って変動グループ決定処理では、遊技状態が通常状態であって保留数が0~1個である場合には、グループ2、グループ3、グループ4およびグループ5のうちのいずれか1つが決定され、遊技状態が通常状態であって保留数が2~3個である場合には、グループ1、グループ2、グループ4およびグループ5のうちのいずれか1つが決定され、遊技状態が通常状態であって保留数が4~7個である場合には、グループ1、グループ2、グループ4およびグループ5のうちのいずれか1つが決定され、遊技状態が時短状態である場合には、保留数に関わらずグループ0、グループ4およびグループ5のうちのいずれか1つが決定される。
【0110】
第1変動パターン決定処理は、特別乱数記憶手段2914の第1特別保留記憶領域1あるいは第2特別保留記憶領域1に格納されている第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値に含まれる1つの第1変動パターン決定乱数値を読み出して、第1特別図柄あるいは第2特別図柄の変動表示のうちの前半部分(第1部分)に対応する前半変動パターンを、複数種類の前半変動パターンのいずれにするかを決定する処理である。ここで1つの第1変動パターン決定乱数値は、第1始動入賞口センサ106あるいは第2始動入賞口センサ107から検出信号が入力されたことに基づいて、0~99の100個の第1変動パターン決定乱数値から取得され、特別乱数記憶手段2914に第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値として格納されたものである。
【0111】
そして第1変動パターン決定処理では、特別抽選手段230は、抽選テーブル記憶手段2910に記憶されている複数種類の第1変動パターン抽選テーブルのうちいずれを参照して乱数判定処理を行うかを、大当たり決定処理でハズレとなった場合には変動グループ決定処理で決定された変動グループに応じて選択し、大当たり決定処理で大当たりまたは小当たりが決定された場合にはその時点の遊技状態と図柄決定処理で決定された図柄に応じて選択する。
【0112】
本実施形態の遊技機では、抽選テーブル記憶手段2910に、
図8および
図9に示すような第1変動パターン抽選テーブルA~第1変動パターン抽選テーブルJが記憶されている。そして各第1変動パターン抽選テーブルでは、0~99の100個の第1変動パターン決定乱数値のそれぞれに対して、複数種類の前半変動パターンとして前半変動パターンなし、前半変動パターン1~前半変動パターン7のいずれかが対応づけられている。
【0113】
そして特別抽選手段230は、
図8に示すように、ハズレとなった場合であってグループ1が決定された場合には、第1変動パターン抽選テーブルAを選択し、ハズレとなった場合であってグループ2が決定された場合には、第1変動パターン抽選テーブルBを選択し、ハズレとなった場合であってグループ3が決定された場合には、第1変動パターン抽選テーブルCを選択し、ハズレとなった場合であってグループ4が決定された場合には、第1変動パターン抽選テーブルDを選択し、ハズレとなった場合であってグループ5が決定された場合には、第1変動パターン抽選テーブルEを選択し、ハズレとなった場合であってグループ0が決定された場合には、第1変動パターン抽選テーブルFを選択する。
【0114】
また、
図9に示すように、通常状態において大当たりが当選し5ラウンド図柄A(特定図柄)が決定された場合には、第1変動パターン抽選テーブルGを選択し、通常状態において大当たりが当選し5ラウンド図柄B(通常図柄)が決定された場合には、第1変動パターン抽選テーブルHを選択し、時短状態において大当たりが当選し9ラウンド図柄(特定図柄)が決定された場合には、第1変動パターン抽選テーブルIを選択し、時短状態において小当たりが当選し小当たり図柄(通常図柄)が決定された場合には、第1変動パターン抽選テーブルJを選択する。
【0115】
そして特別抽選手段230は、選択した第1変動パターン抽選テーブルを参照して、読み出した1つの第1変動パターン決定乱数値が複数種類の前半変動パターンのいずれに対応づけられているかを判定することにより、複数種類の前半変動パターンから1つの前半変動パターンを決定する。
【0116】
従って第1変動パターン決定処理では、大当たり決定処理でハズレとなった場合には、
図8に示す前半変動パターンなし、前半変動パターン1~前半変動パターン7のうちのいずれか1つが決定され、大当たりまたは小当たりが決定された場合には、
図9に示す前半変動パターン5~前半変動パターン7のうちのいずれか1つが決定される。
【0117】
第2変動パターン決定処理は、特別乱数記憶手段2914の第1特別保留記憶領域1あるいは第2特別保留記憶領域1に格納されている第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値に含まれる1つの第2変動パターン決定乱数値を読み出して、第1特別図柄あるいは第2特別図柄の変動表示のうちの後半部分(第2部分)に対応する後半変動パターンを、複数種類の後半変動パターンのいずれにするかを決定する処理である。ここで1つの第2変動パターン決定乱数値は、第1始動入賞口センサ106あるいは第2始動入賞口センサ107から検出信号が入力されたことに基づいて、0~99の100個の第2変動パターン決定乱数値から取得され、特別乱数記憶手段2914に第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値として格納されたものである。
【0118】
そして第2変動パターン決定処理では、特別抽選手段230は、抽選テーブル記憶手段2910に記憶されている複数種類の第2変動パターン抽選テーブルのうちいずれを参照して乱数判定処理を行うかを、第1変動パターン決定処理で決定された前半変動パターンに応じて選択する。
【0119】
本実施形態の遊技機では、抽選テーブル記憶手段2910に、
図10および
図11に示すような第2変動パターン抽選テーブルA~第2変動パターン抽選テーブルHが記憶されている。そして各第2変動パターン抽選テーブルでは、0~99の100個の変動グループ決定乱数値のそれぞれに対して、リーチなし変動パターン1~リーチなし変動パターン3およびリーチ変動パターン1~リーチ変動パターン5のいずれかが対応づけられている。
【0120】
そして特別抽選手段230は、
図10に示すように、ハズレとなった場合であって前半変動パターンなしが決定された場合には、第2変動パターン抽選テーブルAを選択し、ハズレとなった場合であって前半変動パターン1が決定された場合には、第2変動パターン抽選テーブルBを選択し、ハズレとなった場合であって前半変動パターン2~前半変動パターン4のいずれかが決定された場合には、第2変動パターン抽選テーブルCを選択し、ハズレとなった場合であって前半変動パターン5または前半変動パターン6が決定された場合には、第2変動パターン抽選テーブルDを選択し、ハズレとなった場合であって前半変動パターン6または前半変動パターン7が決定された場合には、第2変動パターン抽選テーブルEを選択する。
【0121】
また、
図11に示すように、大当たりまたは小当たりが当選した場合であって前半変動パターン5が決定された場合には、第2変動パターン抽選テーブルFを選択し、大当たりまたは小当たりが決定された場合であって前半変動パターン6が決定された場合には、第2変動パターン抽選テーブルGを選択し、大当たりまたは小当たりが決定された場合であって前半変動パターン7が決定された場合には、第2変動パターン抽選テーブルHを選択する。
【0122】
なお、第1変動パターン抽選テーブルと第2変動パターン抽選テーブルとの対応関係は、1対1の関係でなくてもよく、決定された変動グループに応じて、第1変動パターン抽選テーブルと第2変動パターン抽選テーブルとの対応関係が変化するようにしてもよい。
【0123】
そして特別抽選手段230は、選択した第2変動パターン抽選テーブルを参照して、読み出した1つの第2変動パターン決定乱数値が複数種類のリーチなし変動パターンおよび複数種類のリーチ変動パターンのいずれに対応づけられているかを判定することにより、複数種類のリーチなし変動パターンおよび複数種類のリーチ変動パターンから1つの後半変動パターンを決定する。
【0124】
従って第2変動パターン決定処理では、ハズレとなった場合には、
図10に示すリーチなし変動パターン1~リーチなし変動パターン3およびリーチ変動パターン1~リーチ変動パターン5のうちのいずれか1つが決定され、大当たりまたは小当たりが決定された場合には、
図11に示すリーチ変動パターン1~リーチ変動パターン5のうちのいずれか1つが決定される。
【0125】
ここで本実施形態では、
図8~
図11に示すように、複数種類の前半変動パターンと複数種類の後半変動パターンのそれぞれに変動時間が設定されている。詳細には、
図8および
図9に示すように、ハズレとなった場合の第1変動パターン決定処理で決定され得る前半変動パターンなし~前半変動パターン4には、0秒から10.5秒の比較的短い変動時間が設定され、ハズレとなった場合と大当たりまたは小当たりが決定された場合の双方で第1変動パターン決定処理で決定され得る前半変動パターン5~前半変動パターン7には、6秒から20秒の比較的長い変動時間が設定されている。
【0126】
また
図10に示すように、ハズレとなった場合の第2変動パターン決定処理で決定され得るリーチなし変動パターン1~リーチなし変動パターン3には、1秒から3秒の比較的短い変動時間が設定され、ハズレとなった場合と大当たりまたは小当たりが決定された場合の双方の第2変動パターン決定処理で決定され得るリーチ変動パターン1~リーチ変動パターン5には、10秒から50秒の比較的長い変動時間が設定されている。
【0127】
従って、ハズレとなった場合であっても、第2変動パターン決定処理において、比較的長い変動時間が設定されているリーチ変動パターン1~リーチ変動パターン5が決定された場合には、大当たりまたは小当たりが決定されることに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
【0128】
また本実施形態では、ハズレとなり、遊技状態が通常状態であって保留数が0~1個である場合には、変動グループ決定処理では、
図7に示す変動グループ抽選テーブルAが参照され、グループ3が決定されることがありつつグループ2が決定されやすくなることにより、第1変動パターン決定処理では、
図8に示す第1変動パターン抽選テーブルBが参照されて、変動時間が1秒に設定されている前半変動パターン1や、変動時間が3秒に設定されている前半変動パターン2が決定されやすくなり、第2変動パターン決定処理では、
図10に示す第2変動パターン抽選テーブルBまたは第2変動パターン抽選テーブルCが参照されて、変動時間が2秒に設定されているリーチなし変動パターン2あるいは変動時間が3秒に設定されているリーチなし変動パターン3が決定されやすくなる。
【0129】
また、ハズレとなり、遊技状態が通常状態であって保留数が2~3個である場合には、変動グループ決定処理では、
図7に示す変動グループ抽選テーブルBが参照され、グループ2またはグループ3が決定されることがありつつグループ1が決定されやすくなることにより、第1変動パターン決定処理では、
図8に示す第1変動パターン抽選テーブルAが参照されて、変動時間が1秒に設定されている前半変動パターン1が決定されやすくなり、第2変動パターン決定処理では、
図10に示す第2変動パターン抽選テーブルBが参照されて、変動時間が2秒に設定されているリーチなし変動パターン2が決定されやすくなる。
【0130】
また、ハズレとなり、遊技状態が通常状態であって保留数が4~7個である場合には、変動グループ決定処理では、
図7に示す変動グループ抽選テーブルCが参照され、グループ3が決定されることがなくグループ1が更に決定されやすくなることにより、第1変動パターン決定処理では、
図8に示す第1変動パターン抽選テーブルAが参照されて、変動時間が1秒に設定されている前半変動パターン1が決定されやすくなり、第2変動パターン決定処理では、
図10に示す第2変動パターン抽選テーブルBが参照されて、変動時間が2秒に設定されているリーチなし変動パターン2が決定されやすくなる。
【0131】
また、ハズレとなり、遊技状態が時短状態である場合には、保留数に関わらず、変動グループ決定処理では、
図7に示す変動グループ抽選テーブルDが参照され、グループ0が決定されることにより、第1変動パターン決定処理では、
図8に示す第1変動パターン抽選テーブルFが参照されて、変動時間が0秒に設定されている前半変動パターンなしが決定されやすくなり、第2変動パターン決定処理では、
図10に示す第2変動パターン抽選テーブルAが参照されて、変動時間が1秒に設定されているリーチなし変動パターン1が決定されやすくなる。
【0132】
従って、ハズレとなった場合には、通常状態では保留数が多くなるほど、第1特別図柄あるいは第2特別図柄の変動時間として短い変動時間が設定されることが多くなるため、特別抽選の実行契機が到来する頻度を高くすることができる。更に、時短状態では保留数に関わらず、第1特別図柄あるいは第2特別図柄の変動時間としてより短い変動時間が設定されることが多くなるため、特別抽選の実行契機が到来する頻度をより高くすることができる。
【0133】
また特別抽選手段230は、上述したように、第1特別図柄あるいは第2特別図柄が変動表示中でなく、かつ遊技状態が特別遊技状態でなく、小当たり遊技の実行中でない場合に、特別乱数記憶手段2914から第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値を読み出して、特別抽選として大当たり決定処理、図柄決定処理、変動グループ決定処理、第1変動パターン決定処理および第2変動パターン決定処理などを行うが、特別乱数記憶手段2914に第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値を格納する際にも、事前判定処理として大当たり決定処理、図柄決定処理、変動グループ決定処理、第1変動パターン決定処理および第2変動パターン決定処理などを行う(事前判定手段)。
【0134】
詳細には特別抽選手段230(事前判定手段)は、第1始動入賞口センサ106あるいは第2始動入賞口センサ107から検出信号が入力されたことに基づいて、乱数発生手段210から特別抽選用乱数値を取得すると、第1特別保留記憶領域1~第1特別保留記憶領域4のいずれかに第1特別乱数値として格納する前に、あるいは第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域4のいずれかに第2特別乱数値として格納する前に、その時点における遊技状態および保留数に応じて、第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値について事前判定処理として大当たり決定処理、図柄決定処理、変動グループ決定処理、第1変動パターン決定処理および第2変動パターン決定処理などを行う。
【0135】
すると特別抽選手段230は、事前判定処理としての大当たり決定処理、図柄決定処理、変動グループ決定処理、第1変動パターン決定処理および第2変動パターン決定処理のそれぞれの結果を含む事前判定結果を、事前判定処理の対象となった第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値に対応づけて、第1特別保留記憶領域1~第1特別保留記憶領域4のいずれか、あるいは第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域4のいずれかに格納する。
【0136】
特別表示制御手段240は、特別抽選の抽選結果に基づいて状態表示駆動装置120を制御する手段であって、第1特別図柄表示制御処理、第2特別図柄表示制御処理、第1特別保留表示制御処理、第2特別保留表示制御処理を行う。
【0137】
第1特別図柄表示制御処理は、第1特別保留記憶領域1から第1特別乱数値が読み出されて特別抽選が行われた場合に行われる処理であり、特別表示制御手段240は、第1変動パターン決定処理で決定された前半変動パターンに応じた変動時間と、第2変動パターン決定処理で決定された後半変動パターンに応じた変動時間の合計の変動時間が経過するまで、第1特別図柄表示部76の7セグメントディスプレイを点滅させることにより第1特別図柄を変動表示させた後に、第1特別図柄表示部76の7セグメントディスプレイを所定の態様で点灯させることにより第1特別図柄を停止表示させる。
【0138】
本実施形態では、2種類の大当たり図柄、2種類の小当たり図柄およびハズレのそれぞれに対応して7セグメントディスプレイの表示態様が予め定められており、特別表示制御手段240は、大当たり決定処理で大当たりが当選したか否かに応じた態様で、そして大当たり決定処理で大当たりが当選した場合には図柄決定処理で決定された大当たり図柄に応じた態様で、第1特別図柄表示部76の7セグメントディスプレイを点灯させることにより第1特別図柄を停止表示させ、第1特別図柄表示部76に特別抽選の結果を表示させる。
【0139】
第2特別図柄表示制御処理は、第2特別保留記憶領域1から第2特別乱数値が読み出されて特別抽選が行われた場合に行われる処理であり、特別表示制御手段240は、第1変動パターン決定処理で決定された前半変動パターンに応じた変動時間と、第2変動パターン決定処理で決定された後半変動パターンに応じた変動時間の合計の変動時間が経過するまで、第2特別図柄表示部80の7セグメントディスプレイを点滅させることにより第2特別図柄を変動表示させた後に、第2特別図柄表示部80の7セグメントディスプレイを所定の態様で点灯させることにより第2特別図柄を停止表示させる。
【0140】
そして特別表示制御手段240は、大当たり決定処理で大当たりまたは小当たりが当選したか否かに応じた態様で、そして大当たり決定処理で大当たりまたは小当たりが当選した場合には図柄決定処理で決定された大当たり図柄または小当たり図柄に応じた態様で、第2特別図柄表示部80の7セグメントディスプレイを点灯させることにより第2特別図柄を停止表示させ、第2特別図柄表示部80に特別抽選の結果を表示させる。
【0141】
第1特別保留表示制御処理では、特別表示制御手段240は、特別乱数記憶手段2914に格納されている第1特別乱数値の数に応じて、第1特別保留表示部78の2つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、0~4個の第1特別保留数を表示させる。
【0142】
第2特別保留表示制御処理では、特別表示制御手段240は、特別乱数記憶手段2914に格納されている第2特別乱数値の数に応じて、第2特別保留表示部82の2つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、0~4個の第2特別保留数を表示させる。
【0143】
小当たり遊技実行手段250は、特別抽選の抽選結果に基づいて小当たり遊技を実行する。
【0144】
小当たり遊技は、特別抽選において小当たり図柄が当選したことに基づいて実行され、小当たり遊技実行手段250は、ラウンドカウンタ2933の上限値として小当たり図柄について予め定められたラウンド数である1回に相当する値(例えば、1)を設定する。そして小当たり遊技実行手段250は、1ラウンドの小当たり遊技において予め定められた態様で第2特別役物60が動作を行うか、1ラウンドの小当たり遊技において第2大入賞口58に進入した遊技球の数をカウントする第2大入賞数カウンタ2938の値が上限値(例えば、10)に達すると、ラウンドカウンタ2933の記憶値に1回分のラウンド数に相当する値(例えば、1)を加算するインクリメント更新を行う。そしてラウンドカウンタ2933の記憶値が上限値(例えば、1)に達すると、小当たり遊技が終了する。
【0145】
詳細には小当たり遊技実行手段250は、予め定められた第2特別役物60の動作として、第2特別役物60が開状態となってから開放タイマー2934が0.1秒をカウントすると閉状態となる動作を0.5秒間隔で16回繰り返す動作を行うように、第2特別役物駆動装置126の駆動制御を行う。また小当たり遊技実行手段250は、予め定められた特定役物68の動作として、第2特別役物60が1回目に開状態になるとともに、特定役物68が開状態となるように、特定役物駆動装置128の駆動制御を行う。従って、遊技者が右打ちを継続させていれば、小当たり遊技において遊技球が特定領域64に進入するようになっている。
【0146】
そして、1ラウンドの小当たり遊技において、第2特別役物60が予め定められた態様の動作を行うか、第2大入賞数カウンタ2938の値が上限値(例えば、10)に達すると、第2特別役物60および特定役物68が閉状態となるように、第2特別役物駆動装置126および特定役物駆動装置128の駆動制御を行う。すると、1回分のラウンドの終了条件が満たされたとして、ラウンドカウンタ2933の値に「1」が加算される。
【0147】
大当たり遊技実行手段252は、特別抽選の抽選結果に基づいて大当たり遊技A~大当たり遊技Dのいずれかを実行する。
【0148】
大当たり遊技Aは、特別抽選において9ラウンド図柄が当選したことに基づいて実行され、大当たり遊技実行手段252は、ラウンドカウンタ2933の上限値として9ラウンド図柄について予め定められたラウンド数である9回に相当する値(例えば、9)を設定する。そして大当たり遊技実行手段252は、各ラウンドにおいて予め定められた態様で第1特別役物56が動作を行うか、各ラウンドにおいて第1大入賞口54に進入した遊技球の数をカウントする第1大入賞数カウンタ2936の値が上限値(例えば、10)に達すると、ラウンドカウンタ2933の記憶値に1回分のラウンド数に相当する値(例えば、1)を加算するインクリメント更新を行う。そしてラウンドカウンタ2933の記憶値が上限値(例えば、9)に達すると、大当たり遊技Aが終了する。
【0149】
詳細には大当たり遊技Aでは、大当たり遊技実行手段252は、第1ラウンド~第9ラウンドの各ラウンドの大当たり遊技において、第1特別役物56が開状態となってから開放タイマー2934が29秒をカウントするか、第1大入賞数カウンタ2936の値が上限値(例えば、10)に達すると、第1特別役物56が閉状態となるように、第1特別役物駆動装置124の駆動制御を行う。すると、1回分のラウンドの終了条件が満たされたとして、ラウンドカウンタ2933の値に「1」が加算される。
【0150】
大当たり遊技Bは、特別抽選において5ラウンド図柄A~5ラウンド図柄Bが当選したことに基づいて実行され、大当たり遊技実行手段252は、ラウンドカウンタ2933の上限値として5ラウンド図柄A~5ラウンド図柄Bについて予め定められたラウンド数である5回に相当する値(例えば、5)を設定する。そして大当たり遊技実行手段252は、各ラウンドにおいて予め定められた態様で第1特別役物56が動作を行うか、第1大入賞数カウンタ2936の値が上限値(例えば、10)に達すると、ラウンドカウンタ2933の記憶値に1回分のラウンド数に相当する値(例えば、1)を加算するインクリメント更新を行う。そしてラウンドカウンタ2933の記憶値が上限値(例えば、5)に達すると、大当たり遊技Bが終了する。
【0151】
詳細には大当たり遊技Bでは、大当たり遊技実行手段252は、第1ラウンド~第5ラウンドの各ラウンドの大当たり遊技において、第1特別役物56が開状態となってから開放タイマー2934が29秒をカウントするか、第1大入賞数カウンタ2936の値が上限値(例えば、10)に達すると第1特別役物56が閉状態となるように、第1特別役物駆動装置124の駆動制御を行う。すると、1回分のラウンドの終了条件が満たされたとして、ラウンドカウンタ2933の値に「1」が加算される。
【0152】
大当たり遊技Cは、特別抽選において小当たり図柄が当選したことに基づく小当たり遊技において、特定領域64への遊技球の進入が検出されたことに基づいて実行され、大当たり遊技実行手段252は、ラウンドカウンタ2933の上限値として小当たり図柄について予め定められたラウンド数である9回に相当する値(例えば、9)を設定する。そして大当たり遊技実行手段252は、各ラウンドにおいて予め定められた態様で第1特別役物56が動作を行うか、第1大入賞数カウンタ2936の値が上限値(例えば、10)に達すると、ラウンドカウンタ2933の記憶値に1回分のラウンド数に相当する値(例えば、1)を加算するインクリメント更新を行う。そしてラウンドカウンタ2933の記憶値が上限値(例えば、9)に達すると、大当たり遊技Cが終了する。
【0153】
詳細には大当たり遊技Cでは、大当たり遊技実行手段252は、小当たり遊技を第1ラウンドとして、それに続く第2ラウンド~第10ラウンドの各ラウンドの大当たり遊技において、第1特別役物56が開状態となってから開放タイマー2934が29秒をカウントするか、第1大入賞数カウンタ2936の値が上限値(例えば、10)に達すると第1特別役物56が閉状態となるように、第1特別役物駆動装置124の駆動制御が行われる。すると、1回分のラウンドの終了条件が満たされたとして、ラウンドカウンタ2933の値に「1」が加算される。
【0154】
遊技状態移行制御手段260(状態制御手段)は、
図12に示すように、所定の移行条件の成立に基づいて、通常状態、特別遊技状態、時短状態の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理を行う。本実施形態では、時短状態には、A時短状態、B時短状態、C時短状態が含まれている。なお遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したこと、あるいは複数の予め定められた条件の全てが成立したことに基づいて、遊技状態を別の遊技状態へ移行させることができる。
【0155】
通常状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、通常状態からは特別遊技状態、B時短状態またはC時短状態への移行が可能となっている。そして通常状態では、大当たりの当選確率が約1/199に設定され、時短当たりの当選確率が約1/100に設定され、小当たりが抽選対象に設定されていない大当たり抽選テーブルAを参照して特別抽選が行われる。
【0156】
そして通常状態では、普通図柄の変動時間が20秒と長く、普通役物52が拡大状態となる期間が0.1秒と短くなっているため、第2始動入賞口50に遊技球を進入させにくくなっている。すなわち通常状態は、遊技者が左打ちを行った方が有利になる遊技状態となっている。
【0157】
そして通常状態は、通常状態が開始されてから特別抽選が行われた回数である低確回数が、予め定められた規定低確回数に達したことを条件に終了し、B時短状態に移行される。詳細には本実施形態では、規定低確回数が550回に設定されており、通常状態が開始される際に、遊技状態移行制御手段260が、規定低確回数に相当する値をメインメモリ290の低確回数カウンタ2940に書き込む。そして、通常状態において特別抽選が行われるごとに、低確回数カウンタ2940の記憶値から1回分の遊技回数に相当する値(例えば、1)を減算するデクリメント更新を行う。そして、低確回数カウンタ2940の記憶値が閾値(例えば、0)に達すると、通常状態を終了させてB時短状態を開始させる。なお特別遊技状態が開始される場合には、低確回数カウンタ2940の記憶値が初期値である0にリセットされる。
【0158】
特別遊技状態は、特別抽選で大当たりが当選したことに基づいて開始され、大当たり図柄の種類に応じて予め定められたラウンド数(実行回数)の大当たり遊技が実行されると終了する。また特別遊技状態は、特別抽選で小当たりが当選したことに基づく小当たり遊技において特定領域64への遊技球の進入が検出されたことに基づいて開始され、小当たり図柄の種類に応じて予め定められたラウンド数の大当たり遊技が実行されると終了する。そして、特別遊技状態が終了すると、遊技状態がA時短状態に移行される。
【0159】
詳細には、特別抽選において9ラウンド図柄が当選したことに基づいて特別遊技状態が開始された場合には、第1ラウンド~第9ラウンドの9ラウンドの大当たり遊技が終了すると、特別遊技状態が終了する。
【0160】
また、特別抽選において5ラウンド図柄A~5ラウンド図柄Bのいずれかが当選したことに基づいて特別遊技状態が開始された場合には、第1ラウンド~第5ラウンドの5ラウンドの大当たり遊技が終了すると、特別遊技状態が終了する。
【0161】
また、特別抽選において小当たり図柄が当選したことに基づく小当たり遊技において特定領域64への遊技球の進入が検出されたことに基づいて特別遊技状態が開始された場合には、第2ラウンド~第10ラウンドの9ラウンドの大当たり遊技が終了すると、特別遊技状態が終了する。
【0162】
A時短状態は、特別遊技状態が終了したことを契機として開始され、A時短状態からは特別遊技状態、通常状態またはC時短状態への移行が可能となっている。そしてA時短状態は、A時短状態において特別抽選が行われた回数であるA時短回数が、予め定められた規定A時短回数に達したことを条件に終了し、通常状態に移行される。
【0163】
詳細には本実施形態では、9ラウンド図柄、5ラウンド図柄A、小当たり図柄に対して規定A時短回数が100回に定められ、5ラウンド図柄Bに対して規定A時短回数が50回に定められている。そして、特別遊技状態が終了してA時短状態が開始される際に、遊技状態移行制御手段260が、終了した特別遊技状態の契機となった大当たり図柄または小当たり図柄に対応する規定A時短回数に相当する値をメインメモリ290のA時短回数カウンタ2942に書き込む。
【0164】
そして、A時短状態において特別抽選が行われるごとに、A時短回数カウンタ2942の記憶値から1回分の遊技回数に相当する値(例えば、1)を減算するデクリメント更新を行う。そして、A時短回数カウンタ2942の記憶値が閾値(例えば、0)に達すると、A時短状態を終了させて通常状態を開始させる。なお、特別遊技状態が開始される場合には、A時短回数カウンタ2942の記憶値が初期値である0にリセットされる。
【0165】
B時短状態は、低確回数が550回に達することにより、すなわち低確回数カウンタ2940の記憶値が0となったことを契機に開始され、B時短状態からは特別遊技状態、通常状態またはC時短状態への移行が可能となっている。そしてB時短状態は、B時短状態において特別抽選が行われた回数であるB時短回数が、予め定められた規定B時短回数に達したことを条件に終了し、通常状態に移行される。
【0166】
詳細には本実施形態では、規定B時短回数が1回に設定されており、B時短状態が開始される際に、遊技状態移行制御手段260が、規定B時短回数に相当する値をメインメモリ290のB時短回数カウンタ2943に書き込む。
【0167】
そして、B時短状態において特別抽選が行われるごとに、B時短回数カウンタ2943の記憶値から1回分の遊技回数に相当する値(例えば、1)を減算するデクリメント更新を行い、B時短回数カウンタ2943の記憶値が閾値(例えば、0)に達すると、B時短状態を終了させて通常状態を開始させる。なお、特別遊技状態が開始される場合には、B時短回数カウンタ2943の記憶値が初期値である0にリセットされる。
【0168】
C時短状態は、通常状態、A時短状態およびB時短状態における特別抽選でC時短図柄Aが当選したことを契機に開始され、C時短状態からは特別遊技状態、通常状態またはB時短状態への移行が可能となっている。そしてC時短状態は、C時短状態において特別抽選が行われた回数であるC時短回数が、予め定められた規定C時短回数に達したことを条件に終了し、通常状態に移行される。
【0169】
詳細には本実施形態では、C時短図柄Aに対して規定C時短回数が10000回に定められ、C時短図柄Bに対して規定C時短回数が0回に定められている。そして、C時短状態が開始される際に、遊技状態移行制御手段260が、C時短図柄Aに対応する規定C時短回数に相当する値をメインメモリ290のC時短回数カウンタ2944に書き込む。
【0170】
そして、C時短状態において特別抽選が行われるごとに、C時短回数カウンタ2944の記憶値から1回分の遊技回数に相当する値(例えば、1)を減算するデクリメント更新を行い、C時短回数カウンタ2944の記憶値が閾値(例えば、0)に達すると、C時短状態を終了させて通常状態を開始させる。なお、特別遊技状態が開始される場合には、C時短回数カウンタ2944の記憶値が初期値である0にリセットされる。
【0171】
そしてA時短状態、B時短状態およびC時短状態では、通常状態と同様に大当たりの当選確率が約1/199に設定され、時短当たりの当選確率が約1/100に設定されているが、小当たりの当選確率が約1/60に設定された大当たり抽選テーブルBを参照して特別抽選が行われる。
【0172】
そしてA時短状態、B時短状態およびC時短状態では、普通図柄の変動時間が1秒と短く、普通役物52が拡大状態となる期間が2秒と長くなっているため、通常状態よりも第2始動入賞口50に遊技球を進入させやすくなっている点で遊技者に有利になっている。すなわちA時短状態、B時短状態およびC時短状態は、遊技者が右打ちを行った方が有利になる遊技状態となっている。
【0173】
またA時短状態、B時短状態およびC時短状態では、第1特別図柄あるいは第2特別図柄の変動時間として通常状態よりも短い変動時間が設定されることが多くなるため、通常状態よりも特別抽選の実行契機が頻繁に到来するようになっている。
【0174】
払出制御手段270は、第1始動入賞口センサ106からの検出信号、第2始動入賞口センサ107からの検出信号、第1大入賞口センサ108からの検出信号、第2大入賞口センサ109からの検出信号、第1一般入賞口センサ114-1からの検出信号、第2一般入賞口センサ114-2からの検出信号、第3一般入賞口センサ114-3からの検出信号が入力されたことに基づいて、検出信号ごとに予め定められている賞球数に相当する数の遊技球を払出装置130に払い出させる制御を行う。
【0175】
詳細には払出制御手段270は、第1始動入賞口センサ106が1個の遊技球の入賞を検出するごとに、払出装置130に3個の遊技球を払い出させる指示コマンドを送信し、第2始動入賞口センサ107が1個の遊技球の入賞を検出するごとに、払出装置130に1個の遊技球を払い出させる指示コマンドを送信し、第1大入賞口センサ108が1個の遊技球の入賞を検出するごとに、払出装置130に11個の遊技球を払い出させる指示コマンドを送信し、第2大入賞口センサ109が1個の遊技球の入賞を検出するごとに、払出装置130に1個の遊技球を払い出させる指示コマンドを送信し、第1普図作動口センサ112が1個の遊技球の入賞を検出するごとに、払出装置130に1個の遊技球を払い出させる指示コマンドを送信し、第2普図作動口センサ113が1個の遊技球の入賞を検出するごとに、払出装置130に1個の遊技球を払い出させる指示コマンドを送信し、第1一般入賞口センサ114が1個の遊技球の入賞を検出するごとに、払出装置130に1個の遊技球を払い出させる指示コマンドを送信し、第2一般入賞口センサ115が1個の遊技球の入賞を検出するごとに、払出装置130に1個の遊技球を払い出させる指示コマンドを送信する。
【0176】
払出装置130は、払出制御手段270によって指示された払出数の遊技球を払い出す動作を行う。この払出装置130には、遊技球を貯めておく遊技球タンクに払出モーターが設けられており、払出制御手段270は、払出モーターの回転角度を制御することにより、指示通りの数の遊技球を遊技球タンクから払い出させる。また払出装置130には、遊技球を1個払い出すごとに作動する払出センサ116が備えられており、払出制御手段270は、払出センサ116からの払出信号に基づいて払出装置130から実際に払い出された遊技球の数を管理することができる。
【0177】
通信制御手段280は、メイン基板100における各種の演算結果に応じて生成された各種のコマンドをサブ基板102に送信する制御を行っている。なお本実施形態の遊技機では、メイン基板100とサブ基板102との間では、メイン基板100からサブ基板102への単方向通信のみが可能となっており、サブ基板102からはメイン基板100へ情報を送信することができないように通信接続されている。
【0178】
また通信制御手段280(外部信号出力手段)は、遊技場に設置されている遊技機を集中管理するコンピュータであるホールコンピュータ140や、遊技機に個別に接続され、遊技機の遊技履歴に関する情報を表示するデータカウンタ142などの外部装置144に対して出力される外部信号(特定信号)の出力状態を制御する処理を行う。具体的には通信制御手段280は、ホールコンピュータ140やデータカウンタ142に対して、第1特別図柄または第2特別図柄が変動表示中または停止表示中であることを通知する図柄表示中信号の出力状態をオン状態とオフ状態の間で制御したり、特別遊技状態に設定されるごとに特別遊技状態に設定されていることを通知する特別遊技中信号の出力状態をオン状態とオフ状態の間で制御したりする。
【0179】
そして図柄表示中信号が出力されるごとに、ホールコンピュータ140およびデータカウンタ142において、当該遊技機における特別抽選の回数を示す遊技回数が更新されて表示され、特別遊技中信号が出力されるごとに、ホールコンピュータ140およびデータカウンタ142において、当該遊技機における特別遊技状態に設定された回数を示す大当たり回数が更新されて表示される。
【0180】
また通信制御手段280(特定情報処理手段)は、大当たり遊技または小当たり遊技の実行中や、遊技状態が時短状態である場合や、通常状態における普通抽選で普通当たりが当選すると(第1抽選で特定の結果が得られたことを条件として)、遊技者が右打ちを行うべき状態であることに対応する右打ち信号(特定情報)の出力状態をオン状態に制御し、大当たり遊技、小当たり遊技、時短状態、あるいは普通当たりの当選に基づく普通役物52の動作が終了すると、右打ち信号の出力状態をオフ状態に制御する(特定情報を出力するための処理を行う)。
【0181】
続いて、サブ基板102について説明する。サブ基板102は、演出制御手段300と、サブメモリ310とを含んで構成されている。
【0182】
演出制御手段300は、メイン基板100から送信される各種のコマンドや、演出ボタンスイッチ150からの入力信号や、サブメモリ310の演出データ記憶手段3110に記憶されている演出データに基づいて、演出表示装置170を制御して前枠ランプ12やディスプレイ枠ランプ38や右打ちランプ70を点灯あるいは点滅させたり、液晶ディスプレイ32に演出画像を表示させたり、音響装置172を制御してスピーカー14から演出音を出力させたり、演出物駆動装置174を駆動して演出物を動作させたりするなど、演出装置176を制御することにより、遊技を盛り上げたり、遊技を補助したりするための演出を演出装置176に実行させる。
【0183】
特に演出データ記憶手段3110には、液晶ディスプレイ32に画像を表示させるための動画データ(アニメーションデータ)や静止画データなどの多数の演出画像データが記憶されており、演出制御手段300は、これらの演出画像データに基づいて、1フレーム(1/30秒)ごとにサブメモリ310のフレームバッファに画像を描画して、描画した画像を液晶ディスプレイ32に表示させることにより、液晶ディスプレイ32に演出画像を表示させる。
【0184】
そして演出制御手段300は、演出装置176に演出を実行させる処理として、状態演出処理、特別抽選演出処理、保留表示演出処理などを行う。
【0185】
状態演出処理では、演出制御手段300は、メイン基板100における遊技状態やカウンタの値に応じたコマンドに基づいて、現在の遊技状態に応じて液晶ディスプレイ32においてキャラクター画像を動作させたり、背景画像を変化させたり、スピーカー14から出力させる演出音を変化させたりすることにより、現在の遊技状態を遊技者に示唆する演出を実行する。
【0186】
例えば、演出制御手段300は、現在の遊技状態が特別遊技状態である場合には、液晶ディスプレイ32に現在の遊技状態が特別遊技状態であることを示すとともに、第何回目のラウンドの大当たり遊技が実行中であるかを示す特別遊技状態画像(特別遊技演出)を表示させる。
【0187】
また演出制御手段300(特定情報処理手段、指示表示制御手段)は、大当たり遊技または小当たり遊技の実行中や、遊技状態が時短状態である場合や、通常状態における普通抽選で普通当たりが当選すると(第1抽選で特定の結果が得られたことを条件として)、右打ちランプ70を点灯させ(特定情報を出力するための処理を行う)、大当たり遊技、小当たり遊技、時短状態、あるいは普通当たりの当選に基づく普通役物52の動作が終了すると、右打ちランプ70を消灯させる。
【0188】
特別抽選演出処理では、演出制御手段300は、メイン基板100において事前判定処理が行われると、事前判定結果に応じたコマンドに基づいて、特別抽選演出の演出内容を仮に決定する演出抽選を行い、メイン基板100において特別抽選が行われると、特別抽選の結果に応じたコマンドに基づいて、特別抽選演出の演出内容を最終的に決定する演出抽選を行う。そして、第1特別図柄表示部76における第1特別図柄の変動表示および停止表示に合わせるように、あるいは第2特別図柄表示部80における第2特別図柄の変動表示および停止表示に合わせるように、特別抽選演出を演出装置176に実行させる。
【0189】
具体的には特別抽選演出処理では、演出制御手段300は、
図13(A)に示すように、液晶ディスプレイ32の表示領域の全体において背景画像(図示省略)を表示させ、背景画像の手前側に、左演出図柄350、中演出図柄352および右演出図柄354を表示させる。ここで、左演出図柄350、中演出図柄352および右演出図柄354のそれぞれは、予め定められた複数種類の数字のうちのいずれかが示される数字部分(識別部分)と、数字部分の周囲の矩形部分のように、数字部分を装飾する装飾部分を含んでいる。
【0190】
そして演出制御手段300は、第1特別保留記憶領域1から第1特別乱数値を読み出して特別抽選が行われるごとに、第1特別図柄表示部76における第1特別図柄の変動表示の開始にともなって、あるいは第2特別保留記憶領域1から第2特別乱数値を読み出して特別抽選が行われるごとに、第2特別図柄表示部80における第2特別図柄の変動表示の開始にともなって、
図13(B)に示すように、左演出図柄350、中演出図柄352および右演出図柄354を変動表示させた後に、第1特別抽選あるいは第2特別抽選における大当たり決定処理で大当たりが当選したか否かに応じた態様で、そして大当たりが当選した場合には図柄決定処理で決定された大当たり図柄に応じた態様で、左演出図柄350、中演出図柄352および右演出図柄354を停止表示させるとともに、複数種類の演出パターンのそれぞれに応じた態様で、液晶ディスプレイ32において背景画像を変化させたり、キャラクター画像が動作する演出動画を再生表示させたりすることにより、演出パターンの種類に応じた特別抽選演出を液晶ディスプレイ32において実行する。なお図中下向きの矢印は、左演出図柄350、中演出図柄352および右演出図柄354のそれぞれが高速で変動表示中であることを示している。
【0191】
詳細には特別抽選演出処理では、演出制御手段300は、メイン基板100から事前判定結果に応じたコマンドあるいは特別抽選の結果に応じたコマンドが入力されたことに基づいて、演出抽選用乱数値として、第1演出パターン決定乱数値および第2演出パターン決定乱数値などの複数種類の乱数値を取得し、演出抽選として、第1演出パターン決定処理および第2演出パターン決定処理などを行う。
【0192】
第1演出パターン決定処理は、取得した1つの第1演出パターン決定乱数値に基づいて、特別抽選演出のうちの前半部分に対応する前半演出パターンを、複数種類の前半演出パターンのいずれにするかを決定する処理である。そして第1演出パターン決定処理では、演出制御手段300は、サブメモリ310の演出抽選テーブル記憶手段3112に記憶されている複数種類の第1演出パターン抽選テーブルのうちいずれを参照して乱数判定処理を行うかを、第1変動パターン決定処理で決定された前半変動パターンに応じて選択する。
【0193】
本実施形態の遊技機では、メイン基板100における第1変動パターン決定処理の結果が前半変動パターン1~前半変動パターン7のそれぞれである場合に対応して、演出抽選テーブル記憶手段3112に、第1演出パターン抽選テーブルA~第1演出パターン抽選テーブルGの7種類の第1演出パターン抽選テーブルが記憶されている(図示省略)。そして各第1演出パターン抽選テーブルでは、0~99の100個の第1演出パターン決定乱数値のそれぞれに対して、複数種類の前半演出パターンとして複数種類の前半演出パターンのいずれかが対応づけられている。そして演出制御手段300は、第1変動パターン決定処理の結果が前半変動パターン1である場合には、第1演出パターン抽選テーブルAを選択し、第1変動パターン決定処理の結果が前半変動パターン2である場合には、第1演出パターン抽選テーブルBを選択し、というように、第1変動パターン決定処理で決定された前半変動パターンに対応する第1演出パターン抽選テーブルを選択する。
【0194】
そして演出制御手段300は、選択した第1演出パターン抽選テーブルを参照して、1つの第1演出パターン決定乱数値が複数種類の前半演出パターンのいずれに対応づけられているかを判定することにより、複数種類の前半演出パターンから1つの前半演出パターンを決定する。
【0195】
第2演出パターン決定処理は、取得した1つの第2演出パターン決定乱数値に基づいて、特別抽選演出のうちの後半部分に対応する後半演出パターンを、複数種類の後半演出パターンのいずれにするかを決定する処理である。そして第2演出パターン決定処理では、演出制御手段300は、サブメモリ310の演出抽選テーブル記憶手段3112に記憶されている複数種類の第2演出パターン抽選テーブルのうちいずれを参照して乱数判定処理を行うかを、第2変動パターン決定処理で決定された後半変動パターンに応じて選択する。
【0196】
本実施形態の遊技機では、メイン基板100における第2変動パターン決定処理の結果がリーチなし変動パターン1~リーチなし変動パターン3およびリーチ変動パターン1~リーチ変動パターン5のそれぞれである場合に対応して、演出抽選テーブル記憶手段3112に、第2演出パターン抽選テーブルA~第2演出パターン抽選テーブルHの8種類の第2演出パターン抽選テーブルが記憶されている(図示省略)。そして各第2演出パターン抽選テーブルでは、0~99の100個の第2演出パターン決定乱数値のそれぞれに対して、複数種類の後半演出パターンとして複数種類のリーチなし演出パターンおよび複数種類のリーチ演出パターンのいずれかが対応づけられている。そして演出制御手段300は、第2変動パターン決定処理の結果がリーチなし変動パターン1である場合には、第2演出パターン抽選テーブルAを選択し、第2変動パターン決定処理の結果がリーチ変動パターン1である場合には、第2演出パターン抽選テーブルDを選択し、というように、第2変動パターン決定処理で決定された後半変動パターンに対応する第2演出パターン抽選テーブルを選択する。
【0197】
そして演出制御手段300は、選択した第2演出パターン抽選テーブルを参照して、1つの第2演出パターン決定乱数値が複数種類のリーチなし演出パターンおよび複数種類のリーチ演出パターンのいずれに対応づけられているかを判定することにより、複数種類のリーチなし演出パターンおよび複数種類のリーチ演出パターンから1つのリーチなし演出パターンあるいは1つのリーチ演出パターンを決定する。
【0198】
ここで、複数種類の前半演出パターンのそれぞれには演出時間が設定されており、第1演出パターン抽選テーブルAによって決定され得る前半演出パターンの演出時間は、いずれも前半変動パターン1の変動時間と同一の1秒に設定され、第1演出パターン抽選テーブルBによって決定され得る前半演出パターンの演出時間は、いずれも前半変動パターン2の変動時間と同一の2秒に設定され、というように、各第1演出パターン抽選テーブルによって決定され得る前半演出パターンの演出時間は、各第1演出パターン抽選テーブルに対応する前半変動パターンの変動時間と同一に設定されている。
【0199】
また、複数種類のリーチなし演出パターンおよび複数種類のリーチ演出パターンのそれぞれにも演出時間が設定されてり、第2演出パターン抽選テーブルAによって決定され得る複数種類のリーチなし演出パターンの演出時間は、いずれもリーチなし変動パターン1の変動時間と同一の1秒に設定され、第2演出パターン抽選テーブルDによって決定され得る複数種類のリーチ演出パターンの演出時間は、いずれもリーチ変動パターン1の変動時間と同一の10秒に設定され、というように、各第2演出パターン抽選テーブルによって決定され得る複数種類のリーチなし演出パターンあるいは複数種類のリーチ演出パターンの演出時間は、各第2演出パターン抽選テーブルに対応するリーチなし変動パターンあるいはリーチ変動パターンの変動時間と同一に設定されている。
【0200】
そして特別抽選演出処理では、演出制御手段300は、第1特別図柄表示部76における第1特別図柄あるいは第2特別図柄表示部80における第2特別図柄の変動表示の開始に合わせて特別抽選演出の実行を開始させ、第1演出パターン決定処理で決定された前半演出パターンに応じた演出時間と、第2演出パターン決定処理で決定された後半演出パターンに応じた演出時間の合計の演出時間で、特別抽選演出を実行する。これにより、第1特別図柄表示部76における第1特別図柄あるいは第2特別図柄表示部80における第2特別図柄の変動時間と、特別抽選演出の演出時間が同期される。
【0201】
例えば、大当たり決定処理で大当たりが当選しなかった場合に、第2演出パターン決定処理でリーチなし演出パターンが決定された場合には、第1特別図柄表示部76における第1特別図柄あるいは第2特別図柄表示部80における第2特別図柄の変動表示の開始にともなって、
図13(B)に示すように、左演出図柄350、中演出図柄352および右演出図柄354の変動表示が開始され、
図13(C)に示すように、まずは左演出図柄350が、いずれかの態様(
図13(C)では「5」を示す態様)で完全に停止されずにわずかに揺れるように仮停止表示され、その後、
図13(D)に示すように、右演出図柄354が左演出図柄350とは異なる態様である非リーチ態様で仮停止表示される。
【0202】
そして、第1特別図柄表示部76における第1特別図柄あるいは第2特別図柄表示部80における第2特別図柄が停止表示される前に、
図13(E)に示すように、中演出図柄352が左演出図柄350および右演出図柄354とは異なる態様であるバラケハズレ態様で仮停止表示され、第1特別図柄表示部76における第1特別図柄あるいは第2特別図柄表示部80における第2特別図柄が停止表示されるのとほぼ同じタイミングで、
図13(F)に示すように、中演出図柄352が左演出図柄350および右演出図柄354とは異なるバラケハズレ態様で完全に停止されるように確定停止表示される。
【0203】
また例えば、大当たり決定処理で大当たりが当選した場合、または大当たり決定処理で大当たりが当選しなかった場合であって、第2演出パターン決定処理でリーチ演出パターンが決定された場合には、第1特別図柄表示部76における第1特別図柄あるいは第2特別図柄表示部80における第2特別図柄の変動表示の開始にともなって、
図14(A)に示すように、左演出図柄350、中演出図柄352および右演出図柄354の変動表示が開始され、
図14(B)に示すように、まずは左演出図柄350が仮停止表示され、その後、
図14(C)に示すように、中演出図柄352が変動表示されたまま、右演出図柄354が左演出図柄350と同一の態様であるリーチ態様で仮停止表示される。すると、
図14(D)に示すように、決定されたリーチ演出パターンに対応する演出動画の再生表示が開始され、第1特別図柄表示部76における第1特別図柄あるいは第2特別図柄表示部80における第2特別図柄の変動時間内に演出動画の再生表示が終了される。
【0204】
詳細には、
図14(D)の例では、液晶ディスプレイ32の表示領域の中央において、キャラクターAがキャラクターBと戦う演出動画が再生表示されており、この演出動画が再生表示されている場合には、液晶ディスプレイ32の表示領域の中央において表示される左演出図柄350、中演出図柄352および右演出図柄354の代わりに、液晶ディスプレイ32の表示領域の右上において、左演出図柄350に対応する縮小左演出図柄360、中演出図柄352に対応する縮小中演出図柄362および右演出図柄354に対応する縮小右演出図柄364が表示される。すなわち
図14(D)に示すように、縮小左演出図柄360と縮小右演出図柄364がリーチ態様で仮停止表示されつつ縮小中演出図柄362が変動表示される。
【0205】
そして大当たりが当選していた場合には、
図14(E)に示すように、液晶ディスプレイ32の表示領域の中央において、キャラクターAがキャラクターBに勝利する演出動画が再生表示されるとともに、液晶ディスプレイ32の表示領域の右上において、縮小中演出図柄362が縮小左演出図柄360および縮小右演出図柄364と同一の態様である当たり態様で仮停止表示されることにより、大当たりが当選したことが遊技者に仮に報知される。
【0206】
すると、キャラクターAがキャラクターBに勝利する演出動画が終了し、
図14(F)に示すように、液晶ディスプレイ32の表示領域の中央において、当たり態様で仮停止表示された左演出図柄350、中演出図柄352および右演出図柄354が表示された後、
図14(G)に示すように、液晶ディスプレイ32の表示領域の中央において、左演出図柄350、中演出図柄352および右演出図柄354が当たり態様で確定停止表示されるとともに、スピーカー14から、大当たりが当選したことを遊技者に報知する効果音が出力されることにより、大当たりが当選したことが遊技者に確定的に報知される。
【0207】
一方、大当たりが当選していなかった場合には、
図14(H)に示すように、液晶ディスプレイ32の表示領域の中央において、キャラクターAがキャラクターBに敗北する演出動画が再生されるとともに、液晶ディスプレイ32の表示領域の右上において、縮小中演出図柄362が縮小左演出図柄360および縮小右演出図柄364と異なる態様であるリーチハズレ態様で仮停止表示されることにより、大当たりが当選しなかったことが遊技者に仮に報知される。
【0208】
すると、キャラクターAがキャラクターBに敗北する動画が終了し、
図14(I)に示すように、液晶ディスプレイ32の表示領域の中央において、仮停止表示された左演出図柄350、中演出図柄352および右演出図柄354が表示された後、
図14(J)に示すように、液晶ディスプレイ32の表示領域の中央において、左演出図柄350、中演出図柄352および右演出図柄354が確定停止表示されることにより、大当たりが当選しなかったことが遊技者に確定的に報知される。
【0209】
ここで特別抽選演出処理では、大当たりが当選した場合と大当たりが当選しなかった場合の双方で、共通の演出動画が再生表示されることがあるため、共通の演出動画が再生表示される場合には、大当たりの当選に対する遊技者の期待感を大いに高めることができる。
【0210】
そして本実施形態では、複数種類の演出のそれぞれについて、各演出が実行された場合に特別抽選で大当たりが当選する可能性の度合いとして大当たりの当選の期待度が予め定められており、期待度が低い演出よりも期待度が高い演出の方が、特別抽選で大当たりが当選した場合に実行される確率が高くなるように、特別抽選で大当たりが当選した場合に参照される演出抽選テーブルと、特別抽選で大当たりが当選しなかった場合に参照される演出抽選テーブルのそれぞれにおいて、複数種類の演出のそれぞれの選択率が設定されている。
【0211】
こうして本実施形態では、状態表示装置71における第1特別図柄あるいは第2特別図柄の変動種別に応じた演出パターンで、液晶ディスプレイ32に左演出図柄350、中演出図柄352および右演出図柄354を変動表示させることにより、大当たりが当選することに対する遊技者の期待感を高めるようにしつつ、特別抽選の結果に応じた態様で左演出図柄350、中演出図柄352および右演出図柄354を仮停止表示させてから確定停止表示させることにより、遊技者に特別抽選の結果を報知している。
【0212】
保留表示演出処理では、演出制御手段300は、メイン基板100における第1特別保留数あるいは第2特別保留数に応じたコマンドに基づいて、メインメモリ290の特別乱数記憶手段2914において保留されている第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値の状況を示す画像を液晶ディスプレイ32に表示させる。本実施形態では、
図15(A)に示すように、液晶ディスプレイ32の表示領域の下部に、特別乱数記憶手段2914の第1特別保留記憶領域1~第1特別保留記憶領域4、あるいは第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域4に対応させて、第1保留表示領域411~第4保留表示領域414の4つの保留表示領域(表示領域)が設けられており、各保留表示領域には、
図15(A)に示すように、第1特別保留記憶領域1~第1特別保留記憶領域4のいずれに第1特別乱数値が格納されているかを示す第1保留画像420、あるいは
図15(B)に示すように、第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域4のいずれに第2特別乱数値が格納されているかを示す第2保留画像422が表示可能となっている。
【0213】
詳細には演出制御手段300は、第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域4のいずれにも第2特別乱数値が格納されていない場合であって、第1特別保留記憶領域1に第1特別乱数値が格納されている場合には、第1保留表示領域411に第1保留画像420を表示させ、第1特別保留記憶領域1と第1特別保留記憶領域2のそれぞれに第1特別乱数値が保留されている場合には、第1保留表示領域411および第2保留表示領域412のそれぞれに第1保留画像420を表示させ、というように、第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域4のいずれにも第2特別乱数値が格納されていない場合には、第1特別保留記憶領域1~第1特別保留記憶領域4において保留されている第1特別乱数値の数に応じて、第1保留表示領域411~第4保留表示領域414のそれぞれに第1保留画像420を表示させる。
図15(A)の例では、第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域4のいずれにも第2特別乱数値が格納されておらず、第1特別保留記憶領域1~第1特別保留記憶領域3のそれぞれに第1特別乱数値が保留されていることにより、第1保留表示領域411~第3保留表示領域413のそれぞれにおいて第1保留画像420が表示されている。
【0214】
また演出制御手段300は、第1特別保留記憶領域1~第1特別保留記憶領域4のいずれに第1特別乱数値が格納されているか否かに関わらず、第2特別保留記憶領域1に第2特別乱数値が保留されている場合には、第1保留表示領域411に第2保留画像422を表示させ、第2特別保留記憶領域1と第2特別保留記憶領域2のそれぞれに第2特別乱数値が保留されている場合には、第1保留表示領域411および第2保留表示領域412のそれぞれに第2保留画像422を表示させ、というように、第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域4のいずれかに第2特別乱数値が格納されている場合には、第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域4において保留されている第2特別乱数値の数に応じて、第1保留表示領域411~第4保留表示領域414のそれぞれに第2保留画像422を表示させる。
図15(B)の例では、第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域2のそれぞれに第2特別乱数値が保留されていることにより、第1保留表示領域411~第2保留表示領域412のそれぞれにおいて第2保留画像422が表示されている。
【0215】
また本実施形態では、液晶ディスプレイ32の表示領域の下部のうち第1保留表示領域411の左方の領域に、特別乱数記憶手段2914の当該特別保留記憶領域に対応させて、1つの当該保留表示領域430が設けられており、当該保留表示領域430には、第1特別保留記憶領域1から第1特別乱数値が読み出されて当該特別保留記憶領域に格納された場合には第1保留画像420が表示され、第2特別保留記憶領域1から第2特別乱数値が読み出されて当該特別保留記憶領域に格納された場合には第2保留画像422が表示されるようになっている。
【0216】
例えば、
図15(A)に示す状態で、第1特別保留記憶領域1から第1特別乱数値を読み出して特別抽選が行われて当該特別保留記憶領域に第1特別乱数値が格納されると、演出制御手段300は、
図15(C)に示すように、第1保留表示領域411に表示されている第1保留画像420を当該保留表示領域430に移動させるとともに、左演出図柄350、中演出図柄352および右演出図柄354の変動表示を開始させ、第2保留表示領域412以降の保留表示領域において表示されている第1保留画像420を、元の保留表示領域から序数が1つ小さい保留表示領域に移動させる表示制御を行う。これにより、当該保留表示領域430に表示される第1保留画像420が、今回の特別抽選の対象となる第1特別乱数値に対応し、第1保留表示領域411以降に表示される第1保留画像420が、次回以降の特別抽選の対象となる第1特別乱数値に対応していることを示すことができる。
【0217】
そして
図15(D)に示すように、左演出図柄350、中演出図柄352および右演出図柄354を確定停止表示させて今回の特別抽選の結果を表示すると、当該特別保留記憶領域に格納されている第1特別乱数値が消去されることにともなって、当該保留表示領域430に表示されている第1保留画像420を消去する。そして、更に第1特別保留記憶領域1から第1特別乱数値を読み出して特別抽選が行われると、演出制御手段300は、図示しないが、第1保留表示領域411に表示されている第1保留画像420を当該保留表示領域430に移動させるとともに、左演出図柄350、中演出図柄352および右演出図柄354の変動表示を開始させ、第2保留表示領域412以降の保留表示領域において表示されている第1保留画像420を、元の保留表示領域から序数が1つ小さい保留表示領域に移動させる表示制御を行う。
【0218】
また図示しないが、第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域4において複数個の第2特別乱数値が保留されている状態で、第2特別保留記憶領域1から第2特別乱数値を読み出して特別抽選が行われて当該特別保留記憶領域に第2特別乱数値が格納されると、演出制御手段300は、第1保留表示領域411に表示されている第2保留画像422を当該保留表示領域430に移動させるとともに、左演出図柄350、中演出図柄352および右演出図柄354の変動表示を開始させ、第2保留表示領域412以降の保留表示領域において表示されている第2保留画像422を、元の保留表示領域から序数が1つ小さい保留表示領域に移動させる表示制御を行う。これにより、当該保留表示領域430に表示される第2保留画像422が、今回の特別抽選の対象となる第2特別乱数値に対応し、第1保留表示領域411以降に表示される第2保留画像422が、次回以降の特別抽選の対象となる第2特別乱数値に対応していることを示すことができる。
【0219】
また演出制御手段300は、第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値に対応する事前判定結果に応じて、第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値が取得されてからその第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値について第1特別図柄あるいは第2特別図柄の変動表示が終了するまでの間において、あるいは第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値が取得されてからその第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値の直前に取得された第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値について第1特別図柄あるいは第2特別図柄の変動表示が終了するまでの間において、先読み演出を演出装置176に実行させる。本実施形態では、先読み演出としては、例えば、先読み演出の実行が決定された第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値に対応する第1保留画像420あるいは第2保留画像422の色や形状を変化させたり、第1保留画像420あるいは第2保留画像422の周囲にエフェクト画像を表示させたり、キャラクター画像などのオブジェクト画像を表示させたり、通常の背景画像とは異なる特殊な背景画像を表示させたりする。
【0220】
ここで演出制御手段300は、第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値に対応する事前判定結果が、大当たりが決定されたものである場合、またはハズレとなった場合であってリーチ演出パターンで特別抽選演出が行われる場合に限って、その第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値について先読み演出を行うようにしている。
【0221】
詳細には本実施形態では、
図7で示した変動グループ抽選テーブルA~変動グループ抽選テーブルDのそれぞれでは、0~99個の変動グループ決定乱数値のうち、0~89の90個の変動グループ決定乱数値のそれぞれに対しては、グループ4およびグループ5を除くグループ0~グループ3のいずれかが対応づけられ、90~97の8個の変動グループ決定乱数値のそれぞれに対しては、グループ4が対応づけられ、98~99の2個の変動グループ決定乱数値のそれぞれに対しては、グループ5が対応づけられているため、変動グループ決定乱数値が0~89のいずれかである場合には、保留数あるいは遊技状態に応じて、リーチなし変動パターンが決定される場合と、リーチ変動パターンが決定される場合が存在し、変動グループ決定乱数値が90~99のいずれかである場合には、保留数あるいは遊技状態に関わらず、必ずリーチ変動パターンが決定され、リーチなし変動パターンが決定されることがないようになっている。
【0222】
そこで本実施形態では、特別抽選手段230が、事前判定処理でハズレとなった場合であって、第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値に含まれる変動グループ決定乱数値が、0~89のいずれかである場合には、リーチ変動パターンが決定されることが不定であることを示す不定値情報を事前判定結果として設定し、90~99のいずれかである場合には、リーチ変動パターンが必ず決定されることを示す固定値情報を事前判定結果として設定する。
【0223】
そして演出制御手段300は、事前判定結果が大当たりが決定されたものである場合には、第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値について先読み演出の実行可否を決定する先読演出抽選を行うが、ハズレとなったものである場合には、事前判定結果に固定値情報が含まれているか否かを判断し、固定値情報が含まれている場合に、先読演出抽選を行うようにしている。
【0224】
これにより本実施形態では、第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値について事前判定処理を行った時点と、同一の第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値について特別抽選を行った時点とで、保留数が変化していても、先読み演出の実行が決定された第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値について特別抽選が行われると、大当たりが決定された場合であっても、ハズレとなった場合であっても、特別抽選演出がリーチ演出パターンで実行されるようにすることができる。
【0225】
そして演出制御手段300は、第1特別乱数値について先読演出抽選で先読み演出の実行を決定した場合には、当該特別保留記憶領域および第1特別保留記憶領域1~第1特別保留記憶領域4において保留されている第1特別乱数値であって、先読み演出の実行が決定された第1特別乱数値よりも先に取得された第1特別乱数値の中に、事前判定結果が大当たりが決定されたものである第1特別乱数値、または事前判定結果がハズレであるが事前判定結果に固定値情報が含まれている第1特別乱数値が存在しない場合に、先読み演出の開始条件が満たされているとして先読み演出を開始する。
【0226】
また、第2特別乱数値について先読演出抽選で先読み演出の実行を決定した場合には、当該特別保留記憶領域および第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域4において保留されている第2特別乱数値であって、先読み演出の実行が決定された第2特別乱数値よりも先に取得された第2特別乱数値の中に、事前判定結果が大当たりが決定されたものである第2特別乱数値、または事前判定結果がハズレであるが事前判定結果に固定値情報が含まれている第2特別乱数値が存在しない場合に、先読み演出の開始条件が満たされているとして先読み演出を開始する。
【0227】
これにより本実施形態では、第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値について先読み演出の実行を決定した時点において、既に保留されている第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値について大当たりの当選が確定している場合、リーチ演出パターンで特別抽選演出が実行されている場合、およびリーチ演出パターンで特別抽選演出が実行されることが確定している場合には、確定している大当たりにより実行される特別遊技状態が終了してから、あるいは実行されているまたは実行されることが確定しているリーチ演出パターンによる特別抽選演出が終了してから、先読み演出が開始されるようにすることができる。
【0228】
3.本実施形態の制御手法
以下では、本実施形態の制御手法について詳細に説明する。本実施形態では、
図12に示したように、通常状態、A時短状態、B時短状態、C時短状態のそれぞれにおいて、A時短状態、B時短状態、C時短状態のそれぞれの発生条件が満たされることがあるため、各遊技状態においてA時短状態、B時短状態、C時短状態のそれぞれの発生条件が満たされた場合の処理が予め定められている。
【0229】
図16は、各遊技状態中にA時短状態、B時短状態、C時短状態のそれぞれの発生条件が満たされた場合の処理を示す図である。
図16に示すように、通常状態中に、大当たりが当選するか小当たり遊技において遊技球が特定領域64に進入することにより、A時短状態の発生条件が満たされると、低確回数カウンタ2940の記憶値が0にリセットされ、A時短回数カウンタ2942の記憶値に規定A時短回数に相当する値が書き込まれ、特別遊技状態の終了後にA時短回数カウンタ2942の更新が開始される。
【0230】
また、A時短状態中にA時短状態の発生条件が満たされると、A時短回数カウンタ2942の記憶値が0にリセットされ、A時短回数カウンタ2942の記憶値に規定A時短回数に相当する値が書き込まれ、特別遊技状態の終了後にA時短回数カウンタ2942の更新が開始される。
【0231】
また、B時短状態中にA時短状態の発生条件が満たされると、B時短回数カウンタ2943の記憶値が0にリセットされ、A時短回数カウンタ2942の記憶値に規定A時短回数に相当する値が書き込まれ、特別遊技状態の終了後にA時短回数カウンタ2942の更新が開始される。
【0232】
また、C時短状態中にA時短状態の発生条件が満たされると、C時短回数カウンタ2944の記憶値が0にリセットされ、A時短回数カウンタ2942の記憶値に規定A時短回数に相当する値が書き込まれ、特別遊技状態の終了後にA時短回数カウンタ2942の更新が開始される。
【0233】
また、通常状態中に、低確回数が規定低確回数に達することにより、B時短状態の発生条件が満たされると、B時短回数カウンタ2943の記憶値に規定B時短回数に相当する値が書き込まれ、B時短状態の発生条件が満たされたときの特別抽選の次回の特別抽選からB時短回数カウンタ2943の更新が開始される。
【0234】
また、A時短状態中にB時短状態の発生条件が満たされると、A時短回数カウンタ2942の記憶値が0にリセットされ、B時短回数カウンタ2943の記憶値に規定B時短回数に相当する値が書き込まれ、B時短状態の発生条件が満たされたときの特別抽選の次回の特別抽選からB時短回数カウンタ2943の更新に切り替えられる。
【0235】
また、B時短状態中にB時短状態の発生条件が満たされることはないため、B時短状態中にB時短状態が開始されることはない。
【0236】
また、C時短状態中にB時短状態の発生条件が満たされると、C時短回数カウンタ2944の記憶値が0にリセットされ、B時短回数カウンタ2943の記憶値に規定B時短回数に相当する値が書き込まれ、B時短状態の発生条件が満たされたときの特別抽選の次回の特別抽選からB時短回数カウンタ2943の更新に切り替えられる。
【0237】
また、通常状態中に、C時短図柄Aが当選することにより、C時短状態の発生条件が満たされると、C時短回数カウンタ2944の記憶値に規定C時短回数に相当する値が書き込まれ、低確回数カウンタ2940の更新が継続されたまま、C時短状態の発生条件が満たされたときの特別抽選の次回の特別抽選からC時短回数カウンタ2944の更新が重ねて開始される。
【0238】
また、A時短状態中にC時短状態の発生条件が満たされると、C時短回数カウンタ2944の記憶値に規定C時短回数に相当する値が書き込まれ、A時短回数カウンタ2942の更新が継続されたまま、C時短状態の発生条件が満たされたときの特別抽選の次回の特別抽選からC時短回数カウンタ2944の更新が重ねて開始される。
【0239】
また、B時短状態中にC時短状態の発生条件が満たされると、C時短回数カウンタ2944の記憶値に規定C時短回数に相当する値が書き込まれ、B時短回数カウンタ2943の更新が継続されたまま、C時短状態の発生条件が満たされたときの特別抽選の次回の特別抽選からC時短回数カウンタ2944の更新が重ねて開始される。
【0240】
また、C時短状態中にC時短状態の発生条件が満たされると、C時短回数カウンタ2944の記憶値に規定C時短回数に相当する値が書き込まれ、C時短状態の発生条件が満たされたときの特別抽選の次回の特別抽選からC時短回数カウンタ2944の更新が改めて開始される。
【0241】
図17は、本実施形態の演出状態の推移を示す図である。まず、遊技状態が通常状態である場合には、基本的には演出状態は、演出状態の初期状態である通常演出状態に設定される。そして、上述したように通常状態は、左打ちを行うべき遊技状態であるため、通常状態では基本的に第1特別乱数値について特別抽選が行われ、約1/199の確率で大当たりが当選すると、50%の確率で5ラウンド図柄Aが決定され、50%の確率で5ラウンド図柄Bが決定され、約1/100の確率で時短当たりが当選すると、40%の確率でC時短図柄Aが決定され、60%の確率でC時短図柄Bが決定される。
【0242】
また本実施形態では、
図2で示したように左側の遊技領域4(第1遊技領域)の下部に、遊技球が進入すると普通抽選(第1抽選)が行われる第1普図作動口46(第1領域)が設けられているため、通常状態(第1状態)において左打ちを行っていても普通抽選が行われる。しかし、A時短状態、B時短状態、C時短状態(第2状態)とは異なり、通常状態では普通抽選において普通当たりが当選しても、普通役物52(可動物)が0.1秒間しか拡大状態(補助状態)とならず、また普通役物52が設けられ特別抽選(第2抽選)が行われる第2始動入賞口50(第2領域)は右側の遊技領域4(第2遊技領域)に設けられているため、右打ちを行ったとしても第2始動入賞口50に遊技球が進入することはほとんどないようになっている。
【0243】
そこで本実施形態では、通常状態では普通抽選において普通当たりが当選すると(第1抽選で特定の結果が得られたことを条件として)、液晶ディスプレイ32において小さく右打ちを行うことを指示する右打ち指示演出A(特定表示、指示表示)が行われる(特定情報を出力するための処理を行う)ことにより、遊技の公正を担保しつつ、適切に遊技が進行されるようにしている。
【0244】
そして通常状態では、左側の遊技領域4を落下する遊技球のうち10個~20個に1個程度が第1始動入賞口45(第3領域)に進入し、第1始動入賞口45に1個の遊技球が進入するごとに3個の遊技球が払い出されるため、遊技者は手持ちの遊技球を減少させながら遊技を行うことになる。
【0245】
そして、通常状態において第1特別乱数値について特別抽選が行われ、大当たりが当選し、5ラウンド図柄Aまたは5ラウンド図柄Bが決定されると、左演出図柄350、中演出図柄352および右演出図柄354が、5ラウンド図柄Aおよび5ラウンド図柄Bに共通の当たり態様で確定停止表示される。すると、特別遊技状態が開始され、第1特別乱数値についての特別抽選を契機とする特別遊技状態を演出する初当たり演出状態が開始される。ここで本実施形態では、5ラウンド図柄Aと5ラウンド図柄Bのいずれが決定されたかを、遊技者が演出によって判別することができないようになっている。
【0246】
そして、特別遊技状態が終了すると、A時短状態において第1時短演出状態が開始される。A時短状態は、上述したように右打ちを行うべき遊技状態であるため、液晶ディスプレイ32において大きく右打ちを行うことを指示する右打ち指示演出B(特定表示、指示表示)が行われる。そして、A時短状態では基本的に第2特別乱数値について特別抽選が行われ、約1/199の確率で大当たりが当選すると、9ラウンド図柄が決定され、約1/60の確率で小当たりが当選すると、小当たり図柄が決定され、約1/100の確率で時短当たりが当選すると、70%の確率でC時短図柄Aが決定され、30%の確率でC時短図柄Bが決定される。
【0247】
そしてA時短状態では、普通役物52が拡大状態となる頻度が高く期間が長いことにより、右側の遊技領域4を落下する多くの遊技球が第2始動入賞口50に進入するため、遊技者が右打ちを継続させていれば、第2特別保留数が最大値の4個となるようにすることができる。そして、第2始動入賞口50に1個の遊技球が進入するごとに1個の遊技球が払い出されるため、A時短状態では、遊技者は手持ちの遊技球を減少させずに遊技を行うことができる。
【0248】
そして、5ラウンド図柄Aに基づく特別遊技状態の終了後にA時短状態が開始される場合には、A時短回数が100回に達すると通常状態が開始され、5ラウンド図柄Bに基づく特別遊技状態の終了後にA時短状態が開始される場合には、A時短回数が50回に達すると通常状態が開始される。
【0249】
また、A時短状態において時短当たりが当選し、C時短図柄Aが決定されると、規定C時短回数として10000回が設定されてC時短状態が開始され、C時短図柄Bが決定されると、規定C時短回数として0回が設定されてC時短状態が開始されずにA時短状態が継続される。
【0250】
そしてC時短状態は、A時短状態と同様に右打ちを行うべき遊技状態であり、右打ち指示演出Bが行われ、遊技者は手持ちの遊技球を減少させずに遊技を行うことができるが、A時短状態からC時短状態に移行する場合には、C時短回数が10000回に達しない限り通常状態が開始されないため、実質的に大当たりまたは小当たりが当選することにより特別遊技状態が開始されるまでC時短状態が継続するようになっている。
【0251】
従って本実施形態では、5ラウンド図柄Aの当選に基づく特別遊技状態の終了後のA時短状態では、A時短状態における100回目の特別抽選までに、また、5ラウンド図柄Bの当選に基づく特別遊技状態の終了後のA時短状態では、A時短状態における50回目の特別抽選までに、大当たりまたは小当たりが当選しなくても、C時短図柄Aが決定されれば、特別遊技状態が開始されることが確定されるようにすることができる。
【0252】
ここで本実施形態では、A時短状態において時短当たりが当選すると、C時短図柄Aが決定されても、C時短図柄Bが決定されても、リーチなし変動パターンが選択され、左演出図柄350、中演出図柄352および右演出図柄354がリーチ態様とならずにバラケハズレ態様で確定停止表示される。そして、A時短状態においてC時短図柄Aが決定されることにより、A時短状態が終了してC時短状態が開始されても、第1時短演出状態が継続される。
【0253】
すなわち第1時短演出状態では、C時短図柄Aが決定されたか否か、C時短図柄Bが決定されたか否か、そしてC時短状態が開始されたか否かを、遊技者が演出によって判別することができないようになっている。
【0254】
そして、
図16で示したように、A時短状態中にC時短図柄Aが決定された場合には、A時短回数カウンタ2942の更新が継続されたまま、C時短回数カウンタ2944の更新が重ねて開始される。また、A時短状態中にC時短図柄Bが決定された場合には、A時短回数カウンタ2942の更新が継続されたまま、規定C時短回数として0回に相当する値が設定されたC時短回数カウンタ2944の更新が重ねて開始されるが、0回であるため更新されずにそのまま終了する。
【0255】
そして、
図17に示す第1時短演出状態が、5ラウンド図柄Aの当選に基づく特別遊技状態の終了後に開始されている場合には、A時短回数カウンタ2942の記憶値が50になると、すなわち第1時短演出状態における50回目の特別抽選において、特別抽選の結果に関わらず、変動時間が30秒に設定されている特殊変動パターン1が決定され、C時短状態を演出する第2時短演出状態が開始されることに対する期待感を高める特殊演出Aが行われる。
【0256】
そして、第1時短演出状態における50回目の特別抽選までに、C時短図柄Aが決定されている場合には、第2時短演出状態が開始され、C時短図柄Aが決定されていない場合には、第1時短演出状態が継続することを報知する継続演出が行われる。
【0257】
そして、A時短回数カウンタ2942の記憶値が0になると、すなわち第1時短演出状態における100回目の特別抽選でも、特別抽選の結果に関わらず、特殊変動パターン1が決定され、特殊演出Aが行われる。
【0258】
そして、第1時短演出状態における100回目の特別抽選までに、C時短図柄Aが決定されている場合には、第2時短演出状態が開始され、C時短図柄Aが決定されていない場合には、A時短状態が終了して通常状態が開始され、A時短状態が終了する際に保留されている残保留の第2特別乱数値についての特別抽選を演出する残保留演出状態が開始される。
【0259】
また第1時短演出状態が、5ラウンド図柄Bの当選に基づく特別遊技状態の終了後に開始されている場合には、A時短回数カウンタ2942の記憶値が0になると、すなわち第1時短演出状態における50回目の特別抽選において、特別抽選の結果に関わらず、特殊変動パターン1が決定され、特殊演出Aが行われる。
【0260】
そして、第1時短演出状態における50回目の特別抽選までに、C時短図柄Aが決定されている場合には、第2時短演出状態が開始され、C時短図柄Aが決定されていない場合には、A時短状態が終了して通常状態が開始され、残保留演出状態が開始される。
【0261】
なお、
図16で示したように、C時短状態中にC時短図柄Aが決定された場合には、更新中のC時短回数カウンタ2944の更新が継続されたまま、規定C時短回数として10000回に相当する値が設定されたC時短回数カウンタ2944の更新が重ねて開始される。また、C時短状態中にC時短図柄Bが決定された場合には、更新中のC時短回数カウンタ2944の更新が継続されたまま、新たに規定C時短回数として0回に相当する値が設定されたC時短回数カウンタ2944の更新が重ねて開始されるが、0回であるため更新されずにそのまま終了する。
【0262】
そして残保留演出状態では、通常状態であるため低確回数カウンタ2940の更新が開始されつつ、残保留の第2特別乱数値について特別抽選が行われ、約1/199の確率で大当たりが当選すると、9ラウンド図柄が決定され、約1/60の確率で小当たりが当選すると、小当たり図柄が決定され、約1/100の確率で時短当たりが当選すると、100%の確率でC時短図柄Aが決定される。
【0263】
そして、残保留の第2特別乱数値についての特別抽選において大当たり、小当たりまたはC時短図柄Aが当選せずに、残保留の第2特別乱数値が0になると、残保留演出状態が終了して通常演出状態が開始される。
【0264】
一方、残保留演出状態における残保留の第2特別乱数値についての特別抽選においてC時短図柄Aが決定されると、規定C時短回数として10000回が設定されてC時短状態が開始され、通常状態から移行したC時短状態を演出する第3時短演出状態が開始され、右打ち指示演出Bが行われる。
【0265】
また、通常演出状態における第1特別乱数値についての特別抽選においてC時短図柄Aが決定されても、C時短状態が開始され、第3時短演出状態が開始され、右打ち指示演出Bが行われる。
【0266】
ここで本実施形態では、
図16で示したように、通常状態中にC時短図柄Aが決定された場合には、低確回数カウンタ2940の更新が継続されたまま、C時短回数カウンタ2944の更新が開始される。
【0267】
そして、通常状態からC時短状態に移行する場合には、第3時短演出状態においてC時短回数が10000回に達する前に低確回数が550回に達するが、
図16で示したように、C時短状態中に低確回数が550回に達した場合、すなわち低確回数カウンタ2940の記憶値が0になった場合には、C時短回数カウンタ2944の記憶値が0にリセットされ、B時短回数カウンタ2943の更新に切り替えられる。
【0268】
従って、通常状態からC時短状態に移行する場合には、低確回数が550回に達すると、規定B時短回数として1回が設定されてB時短状態が開始されるが、B時短状態もC時短状態と同様に右打ちを行うべき遊技状態であるため、右打ち指示演出Bが継続され、B時短状態においても第3時短演出状態が継続される。
【0269】
また本実施形態では、通常演出状態において低確回数が550回(所定回数)に達することもあり、
図16で示したように、通常状態中に低確回数が550回に達した場合、すなわち低確回数カウンタ2940の記憶値が0になった場合には、B時短回数カウンタ2943の更新が開始される。
【0270】
従って、通常状態において低確回数が550回に達すると、規定B時短回数として1回が設定されてB時短状態が開始されるため、右打ち指示演出Bが行われるが、B時短状態においても通常演出状態が継続される。
【0271】
ここで本実施形態では、低確回数を遊技者に報知せず、低確回数が550回に達したときの特別抽選について第1特別図柄あるいは第2特別図柄が停止表示されると、B時短状態が開始されて右打ち指示演出Bが行われる。また通常状態では、左側の遊技領域4を落下する遊技球が第1普図作動口46に進入するものの、普通図柄の変動時間が20秒に設定されているため、遊技者が左打ちを継続させていれば、普通保留数が最大値の4個となるようにすることができる。
【0272】
これにより本実施形態では、通常状態からB時短状態に移行する場合には、遊技者が左打ちから右打ちに切り替える前に、直ちに普通抽選が行われ、普通抽選で普通当たりが当選して普通役物52が拡大状態となるようにしている。
【0273】
そして本実施形態では、B時短状態において第2特別乱数値について1回の特別抽選が行われると、直ちにB時短状態が終了して通常状態が開始される。
【0274】
こうして本実施形態では、通常状態からB時短状態に移行する場合には、B時短状態に滞在する期間がなるべく短くなるようにして、第2特別保留数が増加しないようにしている。
【0275】
そして、第3時短演出状態であっても、通常演出状態であっても、B時短状態における1回の特別抽選では、すなわち通常状態が開始されてから551回目の特別抽選では、特別抽選の結果に関わらず、変動時間が20秒に設定されている特殊変動パターン2が決定され、特殊演出Bが行われる。
【0276】
そして、B時短状態における1回の特別抽選において、C時短図柄Aが決定された場合には、C時短状態が開始されるとともに第2時短演出状態が開始される。
【0277】
そして、
図16で示したように、B時短状態中にC時短図柄Aが決定された場合には、規定C時短回数として10000回に相当する値が設定されたC時短回数カウンタ2944の更新が重ねて開始される。また、B時短状態中にC時短図柄Bが決定された場合には、規定C時短回数として0回に相当する値が設定されたC時短回数カウンタ2944の更新が重ねて開始されるが、0回であるため更新されずにそのまま終了する。
【0278】
一方、B時短状態における1回の特別抽選において、ハズレとなると、B時短状態が終了して通常状態が開始されるが、第3時短演出状態においてB時短状態が終了した場合には、B時短状態が終了する際に保留されている残保留の第2特別乱数値についての特別抽選を演出する残保留演出状態が開始され、通常演出状態においてB時短状態が終了した場合には、通常演出状態が継続される。
【0279】
そして、第1時短演出状態、第2時短演出状態、第3時短演出状態および残保留演出状態において第2特別乱数値について特別抽選が行われ、大当たりが当選し、9ラウンド図柄Bが決定されるか、小当たりが当選し、小当たり遊技において遊技球が特定領域64に進入すると、特別遊技状態が開始され、第2特別乱数値についての特別抽選を契機とする特別遊技状態を演出する特定当たり演出状態が開始される。
【0280】
このように本実施形態では、A時短状態またはB時短状態においてC時短図柄Aが決定された場合には、実質的に大当たりまたは小当たりが当選することにより特別遊技状態が開始されるまでC時短状態が継続するようになっているが、通常状態においてC時短図柄Aが決定された場合には、C時短状態においてC時短図柄Aが決定されたとしても、大当たりまたは小当たりが当選しない限り、また、B時短状態における1回の特別抽選においてC時短図柄Aが決定されない限り、通常状態が開始されてから551回の特別抽選が行われると、通常状態に復帰するようになっている。
【0281】
また本実施形態では、上述したように、発射された遊技球を遊技領域4に誘導する外レール28が設けられているが、外レール28が正しく設けられていないと、遊技球の視認性が妨げられたり、遊技球が正常に移動しなかったりして、公正な遊技に影響を与えてしまうおそれがある。そこで本実施形態では、外レール28が正しく設けられるようにしている。
【0282】
図18は、本実施形態の遊技機の上部の側断面図である。ここで
図18の断面は、
図2で示した外レール28の内側面の最上点を通り、遊技盤6に対して垂直かつ鉛直な面となっている。
図18に示すように、本実施形態の遊技機では、遊技盤6の上部の表面側に外レール28が設けられており、外レール28の内側面と、ディスプレイ枠34の上面と、ガラスユニット8の内側面と、遊技盤6に囲まれた領域が、遊技球を右側の遊技領域4に誘導する上部誘導通路600として形成されている。
【0283】
また本実施形態の遊技機では、前枠10の上部において、前方に大きく突出するように意匠が施された意匠部602が形成されている。そして意匠部602の下面は、
図18の断面上において最も後方となる後端部604から前方に向かって下るように形成されており、遊技領域4の視認性を確保しつつ、意匠部602を大型化している。
【0284】
詳細には本実施形態では、
図18に示すように、外レール28の内側面の最上点、すなわち上部誘導通路600の上面の最上点を通り、遊技盤6に対して垂直な線を第1基準線B1とすると、後端部604は、第1基準線B1よりも下方に位置するとともに、第1基準線B1からの距離D1が遊技球の直径(11mm)以下である4mmとなっている。
【0285】
また、意匠部602の下面のうち、
図18の断面上において最も下方となる下端部606は、第1基準線B1よりも下方に位置するとともに、第1基準線B1からの距離D2が遊技球の直径以上である40mmとなっている。
【0286】
また、ディスプレイ枠34の上面の最上点、すなわち上部誘導通路600の下面の最上点を通り、遊技盤6に対して垂直な線を第2基準線B2とすると、後端部604は、第2基準線B2よりも上方に位置するとともに、第2基準線B2からの距離D3が遊技球の半径以上である14mmとなっている。
【0287】
また、下端部606は、第2基準線B2よりも下方に位置するとともに、第2基準線B2からの距離D4が遊技球の直径以上である22mmとなっている。
【0288】
これにより本実施形態では、たとえ遊技球が強く打ち出されることにより、遊技球が上部誘導通路600の上面に沿って移動する場合であっても、また、遊技球が弱く打ち出されることにより、遊技球が上部誘導通路600の下面に沿って移動する場合であっても、遊技機の正面の座席に座った遊技者からの遊技球の視認性を確保しつつ、意匠部602を前方および下方に向けて大型化することができる。
【0289】
図19は、外レール28が取り付けられる外レール取付部608から外レール28が取り外された状態の遊技盤6を示す分解斜視図である。
図19に示すように、外レール取付部608のうち、外レール28が取り付けられる取付面610には、複数の突出部612が設けられている。一方、外レール28には、複数の突出部612に対応する位置に、対応する突出部612を受け入れる複数の受入部614(案内部)が設けられている。そして、外レール28が外レール取付部608に沿って取り付けられる際には、複数の突出部612が複数の受入部614に受け入れられるようになっている。
【0290】
これにより本実施形態では、外レール28を正確な位置に取り付けることができるとともに、遊技球が繰り返し通過しても、外レール28がずれたり振動したりすることを防止することができる。
【0291】
図20は、外レール28の平面図である。
図20に示すように、本実施形態の複数の受入部614のそれぞれは、外レール28の長さ方向に沿って長い長円形の貫通孔として形成されている。そして、複数の受入部614は、外レール28の中央部ではなく、外レール28が外レール取付部608に取り付けられた際に遊技盤6に近くなる位置に設けられている。なお受入部614は、貫通孔ではなく切欠きや溝として形成されているようにしてもよい。
【0292】
図21は、
図18の側断面図で示した遊技盤6の上部の拡大側断面図である。
図21に示すように、外レール28は、突出部612が受入部614に受け入れられた状態で、取付面610に密着するように取り付けられる。そして、複数の突出部612および複数の受入部614は、上述したように遊技盤6に近い位置に設けられていることにより、外レール28に沿って移動する遊技球が接触しないようになっている。
【0293】
そして、外レール28が外レール取付部608に取り付けられた状態では、外レール28が前方に向かってわずかに下るように、外レール28および取付面610が傾斜している。これにより、外レール28に沿って移動する遊技球が前方に向かいにくくなるようにしている。
【0294】
図22は、外レール28が取り付けられた状態の遊技盤6の正面図である。
図22に示すように、本実施形態では、複数の突出部612のそれぞれの配置間隔と、複数の受入部614のそれぞれの配置間隔が均等になっていない。
【0295】
詳細には、円弧状に設けられた外レール28において発射装置に最も近い始端部Sから最も左方となる最左部Lまでの範囲を第1の範囲R1とし、最左部Lから最も上方となる最上部Uまでの範囲を第2の範囲R2とし、最上部Uから終端部Eまでの範囲を第3の範囲R3とすると、複数の突出部612の数および複数の受入部614の数は、第1の範囲R1では3個、第2の範囲R2では2個、第3の範囲R3では0個となっており、第1の範囲R1の方が第2の範囲R2より多く、第2の範囲R2の方が第3の範囲R3よりも多くなっている。
【0296】
また、最左部Lから終端部Eまでの範囲を第4の範囲R4とすると、複数の突出部612の数および複数の受入部614の数は、第4の範囲R4では2個となっており、第1の範囲R1の方が第4の範囲R4より多くなっている。
【0297】
また、始端部Sから最上部Uまでの範囲を第5の範囲R5とすると、複数の突出部612の数および複数の受入部614の数は、第5の範囲R5では5個となっており、第5の範囲R5の方が第3の範囲R3より多くなっている。
【0298】
また、始端部Sから始端部Sと終点Eの中間点Mまでの範囲を第6の範囲R6とし、中間点Mから終端部Eまでの範囲を第7の範囲R7とすると、複数の突出部612の数および複数の受入部614の数は、第6の範囲R6では4個、第7の範囲R7では1個となっており、第6の範囲R6の方が第7の範囲R7より多くなっている。
【0299】
そして、最左部Lと最上部Uには、突出部612および受入部614が設けられていない。
【0300】
このように本実施形態では、遊技球から受ける衝撃が大きく、かつ、外レール28の配置について特に正確さが求められる発射装置に近い部分において、配置されている複数の突出部612の数および複数の受入部614の数を多くすることにより、発射装置に近い部分における外レール28のずれや振動を確実に防止するようにしている。
【0301】
また、外レール取付部608の幅が狭くなる最左部Lと最上部Uに対応する部分には、突出部612および受入部614が設けられていないことにより、外レール取付部608の安定性が高い部分で外レール28のずれや振動を確実に防止するようにしている。
【0302】
これにより本実施形態では、遊技球の軌道を安定させることができ、各入賞口に遊技球が設計値通りに進入するようにして、設計通りの遊技が行われるようにすることができる。そして、遊技球の軌道が安定することにより、上述したように意匠部602を前方および下方に向けて大型化しても、遊技球が上部誘導通路600を通過する際における遊技球の視認性を確実に確保することができる。
【0303】
一方、遊技球から受ける衝撃が小さく、かつ、遊技に与える影響が少ない終端部Eに近い部分では、配置されている複数の突出部612の数および複数の受入部614の数を少なくすることにより、外レール28や外レール取付部608の製造コストを低下させるとともに、外レール28を外レール取付部608に取り付ける作業が容易になるようにしている。
【0304】
なお、複数の突出部612の数および複数の受入部614の数は、第1の範囲R1では3個、第2の範囲R2では2個、第3の範囲R3では1個となるようにしてもよいし、第1の範囲R1では3個、第2の範囲R2では1個、第3の範囲R3では0個となるようにしてもよいし、第1の範囲R1では3個、第2の範囲R2では1個、第3の範囲R3では1個となるようにしてもよいし、第1の範囲R1では1個、第2の範囲R2では1個、第3の範囲R3では0個となるようにしてもよいし、第1の範囲R1では3個、第2の範囲R2では2個、第3の範囲R3では3個となるようにしてもよい。
【0305】
4.変形例
本発明は、上記の実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能であり、以下に変形例を紹介する。なお、上記実施形態や、以下において変形例として説明する各種の手法は、本発明を実現する制御手法として適宜組み合わせて採用することができる。
【0306】
まず上記実施形態では、右側の遊技領域4に通過ゲート49が設けられている例を挙げて説明したが、通過ゲート49に代えて、遊技球が進入すると普通抽選が行われる普図作動口が設けられているようにしてもよい。
【0307】
また上記実施形態では、右側の遊技領域4に第2普図作動口53が設けられている例を挙げて説明したが、第2普図作動口53に代えて、左側の遊技領域4に設けられている第2一般入賞口48を右側の遊技領域4に設けるようにしてもよい。また、第1一般入賞口47および第2一般入賞口48も、普図作動口としてもよい。また第1普図作動口46および第2普図作動口53の少なくとも一方を、遊技球が遊技機内部に回収されずに通過するが普通抽選が行われる通過ゲートとしてもよい。
【0308】
また上記実施形態では、第1大入賞口54と第2大入賞口58が遊技領域4に設けられ、大当たり遊技では第1特別役物56が開状態となり、小当たり遊技では第2特別役物60が開状態となる例を挙げて説明したが、特定領域64と特定役物68が設けられた1つの大入賞口が遊技領域4に設けられ、小当たり遊技でも大当たり遊技でも1つの大入賞口に設けられた特別役物が開状態となるが、大当たり遊技では特定役物68が開状態とならないようにしてもよい。
【0309】
また上記実施形態では、第1特別乱数値についての特別抽選では小当たりが当選しない例を挙げて説明したが、第1特別乱数値についての特別抽選でも小当たりが当選することがあるようにしてもよい。そしてこの場合には、第1特別乱数値についての特別抽選で小当たりが当選したことに基づく小当たり遊技では、第2特別役物60が0.1秒間にわたって開状態となる動作が1回だけ行われるようにして、遊技球が第2大入賞口58に進入することが困難であるようにしてもよい。
【0310】
また上記実施形態では、
図6に示したように、時短当たりが当選すると遊技状態と特別乱数値の種類に応じて図柄抽選テーブルD~図柄抽選テーブルFのいずれかが選択される例を挙げて説明したが、時短当たりが当選すると遊技状態に関わらず、第1特別乱数値である場合には図柄抽選テーブルDが選択され、第2特別乱数値である場合には図柄抽選テーブルEが選択されるようにしてもよい。また、時短当たりが当選すると遊技状態および特別乱数値の種類に関わらず、図柄抽選テーブルDが選択されるようにしてもよいし、図柄抽選テーブルEが選択されるようにしてもよい。
【0311】
また上記実施形態では、通常状態では、小さく右打ちを行うことを指示する右打ち指示演出Aが行われ、A時短状態、B時短状態、C時短状態では、大きく右打ちを行うことを指示する右打ち指示演出Bが行われる例を挙げて説明したが、右打ち指示演出Aよりも右打ち指示演出Bの方が、右打ちを指示する画像の表示領域が広いようにしてもよいし、右打ちを指示する画像の数が多いようにしてもよいし、遊技者が見やすい位置に右打ちを指示する画像が表示されるようにしてもよい。また、右打ち指示演出Aは右打ちを指示する画像とともに右打ちを指示する音声は出力されないが、右打ち指示演出Bは右打ちを指示する画像とともに右打ちを指示する音声が出力されるようにしてもよい。すなわち、右打ち指示演出Aよりも右打ち指示演出Bの方が、遊技者が認識しやすい態様で行われるようにすればよい。
【0312】
また上記実施形態では、通常状態において低確回数が550回に達すると、B時短状態が開始されて右打ち指示演出Bが行われ、B時短状態において第2特別乱数値について1回の特別抽選が行われると、B時短状態が終了して通常状態が開始される例を挙げて説明したが、通常状態において低確回数が550回に達すると、B時短状態が開始されるが右打ち指示演出Aが行われ、B時短状態において第1特別乱数値または第2特別乱数値について1回の特別抽選が行われると、B時短状態が終了して通常状態が開始されるようにしてもよい。
【0313】
このようにした場合には、通常状態では左打ちが行われて第1特別乱数値についての特別抽選が繰り返されているため、B時短状態が開始されると間もなく第1特別乱数値について1回の特別抽選が行われて通常状態に復帰するが、上述したように通常状態において左打ちを継続させていれば普通保留数が最大値の4個となるため、規定B時短回数が1回であってもB時短状態において直ちに普通抽選が行われ、普通図柄の変動時間が1秒と短く、普通役物52が拡大状態となる期間が2秒と長くなるようにすることができる。
【0314】
ただしこのようにした場合には、遊技者が左打ちから右打ちに切り替える前にB時短状態が終了するため、右打ちに切り替えても第2始動入賞口50に遊技球を進入させることは困難であることから、右打ち指示演出Aが行われるようにして、遊技の公正を担保しつつ、適切に遊技が進行されるようにすることができる。
【0315】
また上記実施形態および変形例では、通常状態からB時短状態に移行する場合には、B時短状態において右打ち指示演出Aあるいは右打ち指示演出Bが行われる例を挙げて説明したが、通常状態からB時短状態に移行する場合には、B時短状態であっても通常状態と同様に、普通抽選において普通当たりが当選すると右打ち指示演出Aあるいは右打ち指示演出Bが行われるようにしてもよい。
【0316】
また上記実施形態では、A時短状態において時短当たりが当選しても、リーチなし変動パターンが選択される例を挙げて説明したが、A時短状態において時短当たりが当選すると、リーチ変動パターンが選択され、C時短図柄Aが決定された場合には、A時短回数カウンタ2942の記憶値に関わらず、第2時短演出状態が開始され、C時短図柄Bが決定された場合には、第1時短演出状態が継続されるようにしてもよい。
【0317】
また上記実施形態では、C時短図柄Aに対して規定C時短回数が10000回に定められ、C時短図柄Bに対して規定C時短回数が0回に定められている例を挙げて説明したが、C時短図柄Bに対して規定C時短回数が100回に定められているようにしてもよいし、C時短図柄Bを省略するようにしてもよい。
【0318】
また上記実施形態では、C時短状態中にC時短図柄Bが決定された場合には、更新中のC時短回数カウンタ2944の更新が継続されたまま、新たに規定C時短回数として0回に相当する値が設定されたC時短回数カウンタ2944の更新が重ねて開始される例を挙げて説明したが、C時短状態中にC時短図柄Bが決定された場合には、更新中のC時短回数カウンタ2944の記憶値に0が設定され、C時短状態が終了して通常状態が開始され、C時短状態が終了する際に保留されている残保留の第2特別乱数値についての特別抽選を演出する残保留演出状態が開始されるようにしてもよい。
【0319】
また上記実施形態では、B時短状態では、第3時短演出状態あるいは通常演出状態が継続される例を挙げて説明したが、B時短状態ではB時短状態を演出する第4時短演出状態に設定されるようにしてもよい。
【0320】
また上記実施形態では、規定低確回数が550回に設定され、規定B時短回数が1回に設定されている例を挙げて説明したが、規定低確回数は、大当たりの当選確率の分子を1にした場合の分母の2.5倍以上3.0倍以下の回数に設定され、規定B時短回数は、大当たりの当選確率の分子を1にした場合の分母の3.8倍以下であって1140以下の回数に設定されるようにしてもよい。
【0321】
そして、規定B時短回数を例えば600回に設定すれば、通常状態において大当たりが当選しないまま特別抽選が行われた回数が550回に達すると、B時短状態に移行されることにより、遊技者が手持ちの遊技球を減少させずに大当たりの当選を待つことができるようにして、遊技者に遊技を継続させることができる。
【符号の説明】
【0322】
2 外枠、4 遊技領域、6 遊技盤、8 ガラスユニット、10 前枠、
12 前枠ランプ、14 スピーカー、16 上皿、18 払出口、
20 ハンドル、22 供給口、24 下皿、26 演出入力装置、27 前枠軸、
28 外レール、30 内レール、32 液晶ディスプレイ、34 ディスプレイ枠、
36 演出ユニット、38 ディスプレイ枠ランプ、40 開口、42 通路、
44 ステージ、45 第1始動入賞口、46 第1普図作動口、
47 第1一般入賞口、48 第2一般入賞口、49 通過ゲート、
50 第2始動入賞口、52 普通役物、53 第2普図作動口、54 第1大入賞口、56 第1特別役物、64 特定領域、66 通常領域、68 特定役物、
69 アウト口