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特許7426985静電容量式圧力センサを備えた管腔内デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-25
(45)【発行日】2024-02-02
(54)【発明の名称】静電容量式圧力センサを備えた管腔内デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/0215 20060101AFI20240126BHJP
   A61M 25/00 20060101ALI20240126BHJP
【FI】
A61B5/0215 C
A61M25/00 520
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021506298
(86)(22)【出願日】2019-08-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-02
(86)【国際出願番号】 EP2019071393
(87)【国際公開番号】W WO2020030776
(87)【国際公開日】2020-02-13
【審査請求日】2022-08-04
(31)【優先権主張番号】18188185.5
(32)【優先日】2018-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】18207789.1
(32)【優先日】2018-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】弁理士法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ダークセン ペーター
(72)【発明者】
【氏名】マウチョク ルーディガー ギュンター
(72)【発明者】
【氏名】ドレンス ヘンドリク
(72)【発明者】
【氏名】アグリコラ フランシスカス テオドルス
【審査官】▲高▼原 悠佑
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-517137(JP,A)
【文献】特開2017-040650(JP,A)
【文献】特開2018-064970(JP,A)
【文献】特表2017-518151(JP,A)
【文献】特開2002-250665(JP,A)
【文献】特表2017-510412(JP,A)
【文献】米国特許第05313957(US,A)
【文献】国際公開第2017/201288(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/02-5/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の体腔内に配置される柔軟な細長い部材と、前記柔軟な細長い部材に結合されたハウジングと、前記ハウジング内に配置された静電容量式圧力センサとを備えた管腔内圧力感知デバイスであって、
前記静電容量式圧力センサは、基板と、第1のアクティブセルと、第2のアクティブセルとを含み、
前記静電容量式圧力センサの前記基板は、前記ハウジング内に位置しているマウントにおいて前記ハウジングに結合される近位部と、カンチレバー遠位部とを含み、前記カンチレバー遠位部上には、前記第1および第2のアクティブセルが設けられ、
前記カンチレバー遠位部は、ギャップにより前記マウントから離間され、前記ギャップにより前記ハウジングの開口部を通して前記体腔内の流体にさらされる、
管腔内圧力感知デバイス。
【請求項2】
前記基板の前記カンチレバー遠位部に配置された集積回路をさらに備え、前記集積回路は、前記第1のアクティブセルおよび前記第2のアクティブセルと連絡している、請求項1に記載の管腔内圧力感知デバイス。
【請求項3】
前記基板の前記近位部に形成された第1および第2のボンドパッドをさらに備え、
前記第1および第2のボンドパッドは前記集積回路と連絡している、請求項2に記載の管腔内圧力感知デバイス。
【請求項4】
測定信号をコンソールに送信するために前記第1および第2のボンドパッドと連絡している第1および第2の導電体をさらに備える、請求項3に記載の管腔内圧力感知デバイス。
【請求項5】
前記集積回路は前記第1のアクティブセルおよび前記第2のアクティブセルと連絡しており、前記集積回路は、前記第1のアクティブセルおよび前記第2のアクティブセルで感知された圧力を表す電気信号を出力する、請求項2から4のいずれか一項に記載の管腔内圧力感知デバイス。
【請求項6】
前記基板の前記近位部上に形成されたさらなるセルを備え、前記さらなるセルは、前記外圧を表す電気信号を提供しないように構成されている、請求項1から5のいずれか一項に記載の管腔内圧力感知デバイス。
【請求項7】
前記基板の前記近位部上に形成されたさらなるセルを備え、前記さらなるセルは、超音波を用いた流速測定および/または超音波撮像信号を提供する、請求項1から5のいずれか一項に記載の管腔内圧力感知デバイス。
【請求項8】
前記近位部は、前記基板の長手方向の近位部であり、前記カンチレバー遠位部は、前記基板の長手方向の遠位部であり、前記第1のアクティブセル、前記第2のアクティブセル、および前記さらなるセルは前記基板の長手方向に沿って配置される、請求項6または7に記載の管腔内圧力感知デバイス。
【請求項9】
前記集積回路と前記第1のアクティブセルとの重なりの範囲は、前記集積回路と前記第2のアクティブセルとの重なりの範囲とほぼ等しい、請求項からのいずれか一項に記載の管腔内圧力感知デバイス。
【請求項10】
前記第1のアクティブセルおよび前記第2のアクティブセルは前記基板の長手方向の及び/又は短手方向の軸に対して線対称の位置に配置される、請求項1から7のいずれか一項に記載の管腔内圧力感知デバイス。
【請求項11】
前記基板の前記近位部は第1の幅を有し、遠位部は、より小さい第2の幅を有する、請求項1から10のいずれか一項に記載の管腔内圧力感知デバイス。
【請求項12】
前記第1および第2のアクティブセルは、前記基板から膜まで垂直に延びる中央ピラーを含み、前記第1および第2のアクティブセルは前記中央ピラーの周りに環状に形成される、請求項1から11のいずれか一項に記載の管腔内圧力感知デバイス。
【請求項13】
前記柔軟な細長い部材はガイドワイヤまたはカテーテルを含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の管腔内圧力感知デバイス。
【請求項14】
前記集積回路は、前記第1のアクティブセルおよび前記第2のアクティブセルで感知された圧力の比を表す電気信号を出力する、請求項5に記載の管腔内圧力感知デバイス。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか一項に記載の管腔内圧力感知デバイスと、
前記静電容量式圧力センサと連絡するコンソールであって、前記コンソールは、前記外圧を表す電気信号に基づいて値を生成し、前記値の視覚的表現をディスプレイに出力する、コンソールと
を備える、圧力感知システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は管腔内圧力感知ガイドワイヤおよび/またはカテーテルのための容量式圧力センサに関する。一部の実施形態では、3つの容量性セルを備えた容量式圧力センサが提供される。
【背景技術】
【0002】
心臓病は非常に深刻な疾患であり、しばしば救命のために緊急手術が必要となる。心臓病の主な原因は血管内のプラークの蓄積であり、最終的に血管の閉塞が引き起こされる。閉塞血管を開放するために利用可能な一般的治療オプションには、バルーン血管形成術、回転式アテローム切除術、および血管内ステントが含まれる。従来、外科医は治療のガイドとして、血管の内腔のシルエットの外形を示す平面画像であるX線透視画像に依拠してきた。残念ながら、X線透視画像では、閉塞の原因となる狭窄の正確な範囲および向きについて大きな不確実性があり、そのため狭窄の正確な位置を特定することは困難である。また、同じ箇所で再狭窄が起こることが知られているが、術後にX線を用いて血管内の状態を確認することは難しい。
【0003】
虚血を引き起こす病変を含む、血管の狭窄の重症度を評価するための現在受け入れられている技術にはFFR(fractional flow reserve)が含まれる。FFRは、近位圧力測定値(狭窄の近位側で取得される)に対する遠位圧力測定値(狭窄の遠位側で取得される)の比率の計算である。FFRは、狭窄が治療を必要とする程度まで血管内の血流を制限しているか否かを判断することを可能にする狭窄の重症度の指標を提供する。健康な血管のFFRの正常値は1.00である一方、約0.80未満の値は一般的に有意であると見なされ、治療を必要とする。
【0004】
血管を評価する別の方法は超音波画像を使用することである。例えば、CMUT(capacitive micromachined ultrasound transducers)によって形成された超音波撮像アレイが検討されてきた。しかし、不均一性が生じることから、CMUTアレイの製造は困難である。例えば、アレイの中央に配置されているか、アレイの端または角に配置されているかによって膜の挙動は異なる。医療用センサは同一の予測可能な挙動をする必要があるため、このような不均一性は受け入れられない。これらの課題が、血管を評価するための全体的な静電容量センサの実現を妨げている。
【発明の概要】
【0005】
本開示の実施形態は管腔内ガイドワイヤおよび/またはカテーテルのための静電容量式圧力センサに関する。例えば、静電容量式圧力センサは血管内ガイドワイヤ内に実装され、患者の血管内の血流の圧力を測定するために使用され得る。静電容量式圧力センサは2つのアクティブセルと1つのダミーセルとを含む。2つのアクティブセルは静電容量式圧力センサの他の構成要素と電気的に連絡し、圧力を測定するために使用される。
【0006】
ある例示的な側面では管腔内圧力感知デバイスが提供され、管腔内圧力感知デバイスは、
患者の体腔内に配置される柔軟な細長い部材と、
前記柔軟な細長い部材に結合されるハウジングと、前記ハウジング内に配置された静電容量式圧力センサとを備え、
前記静電容量式圧力センサは、基板と、第1のアクティブセルと、第2のアクティブセルとを含み、
前記静電容量式圧力センサの前記基板は、前記ハウジングに結合される近位部と、カンチレバー遠位部とを含み、前記カンチレバー遠位部上には、前記ハウジングの開口部を通して外圧にさらされる前記第1および第2のアクティブセルが設けられる。静電容量式圧力センサは、基板と、基板内に形成された第1のアクティブセルと、基板内に形成された第2のアクティブセルとを備え、第1のアクティブセルおよび第2のアクティブセルは電気的に活性であり、外圧を表す電気信号を生成する。したがって、有利なことに、アクティブセルは、血管の内腔内の流体の圧力測定にあたりアクティブセルの動作(例えば、出力信号)に悪影響を与える可能性のある力の影響を受けない。アクティブセルは管腔内の流体の外圧しか受けない。この点に関して、アクティブセルはハウジングの開口部を通じて管腔内の流体にさらされる。血管内でのカテーテルの操作中(進行中または測定処置中)の管腔内デバイスの変形に伴う力は、ハウジングには関与するが、アクティブセルには関与しない。
【0007】
一実施形態では、前記管腔内デバイスは前記基板の前記近位部上に形成されたダミーセルをさらに備え、前記ダミーセルは、前記外圧を表す電気信号を提供しない。一側面では、前記第1のアクティブセルと前記第2のアクティブセルとは第1のピッチだけ互いに離間している。一側面では、前記ダミーセルは、第1のアクティブセルおよび第2のアクティブセルの少なくとも1つから、異なる第2のピッチだけ離間している。一側面では、前記第1のアクティブセル、前記第2のアクティブセル、および前記ダミーセルは前記基板に沿って長手方向に配置される。この側面の利点は、測定された圧力パルス間のタイムラグによって血管の脈波伝播速度を測定できることであり、この測定は、血管の屈曲に起因してデバイスに作用する力の影響を受けない。一側面では、第1のアクティブセルおよび第2のアクティブセルは第1の直径を有し、ダミーセルは異なる第2の直径を有する。
【0008】
一側面では、静電容量式圧力センサは、基板内に配置された集積回路をさらに含み、集積回路は、第1のアクティブセルおよび第2のアクティブセルと連絡している。したがって、有利なことに、集積回路は、管腔内の流体の圧力測定にあたり集積回路およびアクティブセルの動作に悪影響を与える可能性のある力の影響を受けない。アクティブセルおよび集積回路には管腔内の流体の外圧しか関与しない。一側面では、静電容量式圧力センサはさらに、基板内に形成された第1のボンドパッド、および基板内に形成された第2のボンドパッドを含み、第1のボンドパッドおよび第2のボンドパッドは集積回路と連絡している。一側面では、前記第1のアクティブセルおよび前記第2のアクティブセルは基板の軸について対称である。一側面では、基板は、第1の寸法を有する近位部と、より小さい第2の寸法を有する遠位部とを含み、第1のアクティブセルおよび第2のアクティブセルは遠位部に形成される。一側面では、静電容量式圧力センサは、基板の遠位部内に配置された集積回路をさらに含み、集積回路は、第1のアクティブセルおよび第2のアクティブセルと連絡している。
【0009】
一側面では、管腔内圧力感知デバイスはさらに、第1の導電体および第2の導電体のみを備え、第1の導電体および第2の導電体は集積回路と連絡しており、静電容量式圧力センサは柔軟な細長い部材の遠位部に結合され、第1の導電体および第2の導電体は、柔軟な細長い部材の遠位部から柔軟な細長い部材の近位部まで延在し、第1の導電体および第2の導電体のうちの少なくとも1つは、柔軟な細長い部材の遠位部における静電容量式圧力センサから、柔軟な細長い部材の近位部におけるコネクタに感知された圧力を表す電気信号を送信する。一側面では、管腔内圧力感知デバイスはさらに、前記基板内に形成された第1のボンドパッドと、基板内に形成された第2のボンドパッドとを備え、前記第1および第2のボンドパッドは前記集積回路と連絡しており、第1の導電体および第2の導電体はそれぞれ第1のボンドパッドおよび第2のボンドパッドと連絡している。一側面では、管腔内圧力感知デバイスはさらに、柔軟な細長い部材に結合されたハウジングを含み、静電容量式圧力センはハウジング内に配置される。一側面では、静電容量式圧力センサの基板は、ハウジングに結合された近位部およびカンチレバー遠位部を含み、第1のアクティブセルおよび第2のアクティブセルはカンチレバー遠位部内に形成される。一側面では、管腔内圧力感知デバイスはさらに、基板のカンチレバー遠位部内に配置された集積回路を含み、集積回路は、第1のアクティブセルおよび第2のアクティブセルと連絡している。一側面では、柔軟な細長い部材はガイドワイヤを含む。一側面では、柔軟な細長い部材はカテーテルを含む。
【0010】
血管内デバイスのある例示的な実施形態では、ダミーセルは、超音波を用いた流速測定および/または超音波撮像信号を提供するように構成される。そのような構成の利点は、圧力測定条件に関する追加情報が提供されることであり、例えば、圧力センサに対して血管壁がどれだけ離れているかに関する情報、または脈動する血圧に対して血管内の脈動する流速に差があるか否か(これは血管の健康状態の指標である)に関する情報が提供されてもよい。
【0011】
管腔内デバイスの他の例示的な実施形態では、前記集積回路と前記第1のアクティブセルとの重なりの範囲は、前記集積回路と前記第2のアクティブセルとの重なりの範囲とほぼ等しい。
【0012】
デバイスの他の例示的な実施形態では、前記第1および第2のアクティブセルは、前記基板から膜まで垂直に延びる中央ピラーを含み、前記第1および第2のアクティブセルは前記中央ピラーの周りに環状に形成される。そのような構成の利点は、アクティブセルの安定性である。
【0013】
デバイスの他の実施形態では、前記集積回路は、前記第1のアクティブセルおよび前記第2のアクティブセルで感知された圧力の比を表す電気信号を出力する。
【0014】
ある例示的な側面ではシステムが提供される。システムは、上記実施形態のうちのいずれかに係る管腔内圧力感知デバイスと、前記静電容量式圧力センサと連絡するコンピュータであって、前記コンピュータは、前記外圧を表す前記電気信号に基づいて値を生成し、前記圧力値の視覚的表現をディスプレイに出力する、コンソールとを備える。
【0015】
本開示のさらなる態様、特徴、および利点は、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
以下、本開示の説明のための実施形態を以下の添付図面とともに説明する。
図1図1は、本開示の一実施形態に係る管腔内圧力感知システムの図式的な概略図である。
図2図2は、本開示の一実施形態に係る管腔内圧力感知デバイスの図式的な上面図である。
図3図3は、本開示の一実施形態に係る静電容量式圧力センサの図式的な斜視図である。
図4図4は、本開示の一実施形態に係る管腔内デバイスのハウジング内に配置された静電容量式圧力センサの図式的な上面図である。
図5図5は、本開示の一実施形態に係る、切断線5-5に沿って切断された図3の静電容量式圧力センサの図式的な断面図である。
図6図6は、本開示の一実施形態に係る、切断線6-6に沿って切断された図4の静電容量式圧力センサを含む管腔内デバイスの遠位部の図式的な断面図である。
図7図7は、本開示の一実施形態に係る、切断線7-7に沿って切断された図6の静電容量式圧力センサを含む管腔内デバイスの遠位部の図式的な断面図である。
図8図8は、本開示の他の実施形態に係る静電容量式圧力センサの製造中のウェハーの図式的な上面図である。
図9図9は、本開示の他の実施形態に係る静電容量式圧力センサの製造中のダイの図式的な上面図である。
図10図10は、本開示の他の実施形態に係る図9のダイのある領域の図式的な上面図である。
図11図11は、本開示の他の実施形態に係る図10のダイのある領域の図式的な上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本開示の原理の理解を容易にするため、図示されている実施形態が参照され、また、それらを説明するために具体的な用語が使用される。しかし、本開示の範囲を限定する意図はないことを理解されたい。記載される本開示の原理の装置、システム、方法、およびさらなる用途へのあらゆる変更および改変は、本開示が関連する分野の当業者が通常考えつくであろうように、完全に考慮され、本開示に含まれる。特に、ある実施形態に関して説明した特徴、構成要素および/または工程は、本開示の他の実施形態に関して説明した特徴、構成要素、および/または工程と組み合わせられ得ることは完全に考慮される。しかしながら、簡潔さのために、このような多数の組み合わせの反復は別々に説明されない。
【0018】
図1および図2を参照して、本開示の実施形態に係る管腔内デバイス110を含むシステム100の1つまたは複数の構成要素が示されている。図1はシステム100の図式的かつ概略的な図面である。図2は管腔内デバイス110の図式的な上面図である。システム100は、管腔内デバイス110、患者インターフェースモジュール(PIM)119、コンピュータ120、およびディスプレイ125を含む。システム100はまた、管腔内システム、圧力感知システム、診断システム、および/またはそれらの組み合わせと称され得る。一般的に、管腔内デバイス110は、解剖学的構造102内に配置されている間、解剖学的構造102に関連するデータを取得する。場合によっては、管腔内デバイス110は、管腔内デバイス110が解剖学的構造102の管腔104内に配置されている間、管腔104内の流体の流れの圧力を表すデータを取得する。例えば、管腔内デバイス110は血管内の血流の圧力データを取得する。コンピュータ120はPIM119を介して圧力データを受け取り、圧力データを処理し、ディスプレイ125によって表示される圧力データの視覚的表現を生成する。
【0019】
管腔内デバイス110はガイドワイヤ、カテーテル、および/またはガイドカテーテルであり得る。管腔内デバイス110は、場合によっては、圧力感知デバイス、圧力感知ガイドワイヤ、圧力感知カテーテル、診断デバイス、および/またはそれらの組み合わせと称され得る。図2に示される実施形態では、管腔内デバイス110はガイドワイヤである。管腔内デバイス110は柔軟な細長い部材116およびそれに結合された圧力センサ150を含む。柔軟な細長い部材116は、解剖学的構造102の管腔104内に配置できるようなサイズ、形状、構造を有するように、かつ/または他の態様でそのように構成された細くて長い柔軟な構造物であり得る。柔軟な細長い部材は、遠位端113に隣接する遠位部112と、近位端115に隣接する近位部114とを含む。場合によっては、遠位部は、中点から遠位端113までの柔軟な細長い部材116の任意の部分を含み、近位部は、中点から近位端115までの柔軟な細長い部材116の任意の部分を含む。遠位部112と近位部114との間には中間部が存在する。使用中、遠位部112と、中間部の大部分とが解剖学的構造102の管腔104内に配置され、一方、近位部114は患者の体外に配置される。柔軟な細長い部材116は長軸LAを含み得る。場合によっては、長軸LAは柔軟な細長い部材116の中心長軸であり得る。柔軟な細長い部材116の全部または一部が任意の適切な幾何学的断面形状(例えば円形、楕円形、長方形、正方形、楕円形など)または非幾何学的断面形状を有し得る。例えば、柔軟な細長い部材116は、柔軟な細長い部材116の外径を定める円形の断面形状を有する略円柱状の形状を有し得る。例えば、柔軟な細長い部材116の外径は患者の体腔内に配置するのに適した任意の値を有し、約0.5Frから約15Frの間の値、例えば0.5Fr、1Fr、1.05Fr、1.10Fr、1.5Fr、2Fr、3.5Fr、5Fr、7Fr、8.2Fr、9Fr、および/またはその他の適切なより大きなまたは小さい値を有してもよい。管腔内デバイス110を形成する構成要素は、柔軟な細長い部材116の直径が非常に小さくなることを可能にするようなサイズ、形状、構造を有し、かつ/または他の態様でそのように構成される。例えば、柔軟な細長い部材116の外径は約0.0007インチ(0.0178mm)から約0.118インチ(3.0mm)の間であり、一部の特定の実施形態は、約0.014インチ(0.3556mm)や、約0.018インチ(0.4572mm)の外径を有する。。柔軟な細長い部材116の全長は任意の長さでよいが、一部の実施形態では、全長は約1300mm~約4000mmであり、一部の特定の実施形態は1400mm、1750mm、1850mm、1900mm、および3000mmの長さを有する。
【0020】
柔軟な細長い部材116は、場合によっては管状の形状を有し得る。管腔内デバイス110は、柔軟な細長い部材116の長さの全体または一部に沿って延びる1つまたは複数の管腔を含んでもよいし、または含まなくてもよい。管腔内デバイス110を形成する1つまたは複数の構成要素が柔軟な細長い部材116の1つまたは複数の管腔内に配置されてもよい。柔軟な細長い部材116の管腔は、1つまたは複数の他の診断および/または治療器具を収容および/または誘導することを可能にするサイズ、形状、構造を有し、かつ/または他の態様でそのように構成され得る。柔軟な細長い部材116が管腔を含む場合、管腔は、管腔内デバイス110の断面プロファイルに対して中心にあってもオフセットされていてもよい。管腔内デバイス110は、ガイドワイヤを収容するように構成された管腔を含むカテーテルであり得る。診断および/または治療処置の間、医療専門家は通常、まずガイドワイヤを体腔内に挿入し、解剖学的構造内の所望の位置までガイドワイヤを移動させる。ガイドワイヤは、カテーテルなどの1つまたは複数の他の診断および/または治療器具を解剖学的構造内の所望の位置に導入および配置することを容易にする。一部の実施形態では、管腔内デバイス110の管腔は柔軟な細長い部材116の全長または長さの一部に沿って延在し得る。
【0021】
柔軟な細長い部材116は異なる材料で形成された任意の適切な複数の構成要素を含む。図2に示されるように、柔軟な細長い部材116は、管腔内デバイス110に内部構造を提供するコアワイヤ136a、136bを含む。コアワイヤ136a、136bは、様々な実施形態において、金属または金属合金から形成されてもよい。コアワイヤ136a、136bの直径は柔軟な細長い部材の長さに沿って一定であってもよいし、変化してもよい。コアワイヤ136a、136bは、柔軟な細長い部材の一部を形成するハイポチューブ121内で接着剤、はんだ、および/または他の取り付け機構によって結合され得る。コアワイヤ136aは柔軟な細長い部材116の遠位部112および/または中央部に沿って延在し、一方、コアワイヤ136bは近位部に沿って延在する。他の実施形態では、管腔内デバイスは1本のコアワイヤのみを含む。柔軟な細長い部材116は、コアワイヤ136a、136bを取り囲む1つまたは複数のポリマーまたはプラスチック層および/またはコーティングを含む。柔軟な細長い部材116の遠位部はコイル123を含み、遠位端113に位置するはんだボールにて終端する。
【0022】
解剖学的構造102は、天然のまたは人工の、流体で満たされたまたは包囲された任意の構造を表してもよい。例えば、解剖学的構造102は患者の体内にあってもよい。解剖学的構造102の管腔104内を流体が流れていてもよい。管腔104は場合によっては体腔と称され得る。解剖学的構造102は導管、例えば血液が管腔104内を流れる血管であり得る。このような場合、管腔内デバイス110は血管内デバイスと呼ばれ得る。様々な実施形態において、血管は、患者の血管系の動脈または静脈などの血管であり、例えば心臓血管系、末梢血管系、神経血管系、腎血管系、および/または体内の任意の他の適切な解剖学的構造/管腔を含む。解剖学的構造102は場合によっては曲がりくねった構造を有し得る。例えば、管腔内デバイス110は、肝臓、心臓、腎臓、胆嚢、膵臓、肺、食道を含む臓器;導管;腸;脳、硬膜嚢、脊髄、および末梢神経を含む神経系構造;尿路や、血液内の弁、心室、心臓の他の部分、および/または身体の他のシステムなどの非限定的例を含む任意の数の解剖学的位置および組織タイプを検査するために使用され得る。天然の構造に加えて、管腔内デバイス110は、限定はされないが、心臓弁、ステント、シャント、フィルタ、および他の装置などの人工構造を検査するために使用されてもよい。本開示の実施形態は特に、人間の血管系に関連した使用に適する。一部の側面において、本開示は一般的に、医療的な用途でまたはおよび医療的ではない用途で、解剖学的な構造または解剖学的でない構造の管腔において使用され得る。
【0023】
解剖学的構造102の閉塞106は一般的に、(例えば患者の健康に有害な態様で)管腔104内の流体の流れの制限を引き起こす任意の閉塞または他の構造的構成を表す。例えば、閉塞106は管腔104を狭め、管腔104の断面積、および/または管腔104内を流れる流体が利用可能な空間を減少させる。解剖学的構造102が血管である場合、閉塞106は、限定はされないが、線維、線維脂質(線維脂肪)、壊死性コア、石灰化(高密度カルシウム)、血液、新鮮な血栓、および/または成熟した血栓等のプラーク成分等のプラークの蓄積の結果であり得る。場合によっては、閉塞106は血栓、狭窄、および/または病変と称され得る。一般的に、閉塞106の組成は、評価される解剖学的構造の種類に依存する。解剖学的構造102の健康な部分は均一または対称的なプロファイル(例えば、円形の断面形状を有する円筒形のプロファイル)を有し得る。閉塞106は均一または対称的なプロファイルを有さない可能性がある。したがって、閉塞106を有する解剖学的構造102の患部は非対称な、かつ/または他の態様で不規則なプロファイルを有する。解剖学的構造102は図1では1つの閉塞106を有するものとして描かれているが、本明細書に記載のデバイス、システム、および方法は、複数の閉塞を有する解剖学的構造に対して同様の用途を有することが理解されよう。
【0024】
管腔内デバイス110は柔軟な細長い部材116に結合された圧力センサ150を含む。本明細書に記載されるように、圧力センサ150は静電容量式圧力センサであり得る。圧力センサ150は、遠位端113の近位において、柔軟な細長い部材116の遠位部112に直接または間接的に結合されてもよい。一部の場合では、圧力センサ150は、遠位端113から10cm未満、5未満、または3cm未満の位置にある。圧力センサ150は管腔104内の外圧、例えば、管腔104内の流体の流れに関連付けられた外圧を感知するように構成される。圧力センサ150は外圧を表す電気信号を生成し、導体140、142を介して生成された電気信号を送信する。導体140、142は、個別にまたは集合的に、導電体、ワイヤ、ケーブルなどと称され得る。導体140、142の遠位部は圧力センサ150に機械的にかつ/または電気的に結合される。本明細書に記載されるように、場合によっては、柔軟な細長い部材116の遠位部112に電子回路が結合および/または組み込まれ、例えば、圧力センサ150に隣接して、圧力センサから近位の位置に、および/または圧力センサに組み込まれて設けられ得る。電子回路はセンサによって生成された電気信号を処理し、感知された圧力を表す電気信号を出力する。電気信号は、柔軟な細長い部材116の遠位部112における圧力センサ150から近位部114に送られる。導体140、142は、遠位部112から近位部114まで、柔軟な細長い部材116の長さに沿って延びる。導体140、142は、PIM119および/またはコンピュータ120から圧力センサ150に電気信号を運ぶ。圧力センサ150に送信される電気信号は圧力センサ150を起動および動作させるための電力であってもよいし、かつ/または圧力センサ150の動作を制御するための制御信号であってもよい。
【0025】
一部の実施形態では、管腔内デバイス110は2つの導体140、142しか含まない。場合によっては、2つの導体140、142はバイファイラケーブルと呼ばれ得る。2つの導体140、142のみを使用することで、多数の導体を使用する場合と比較して、管腔内デバイス110内の導体によって占められるスペースを最小化するという利点がある。2つの導体140、142のみを使用することによって利用可能になる管腔内デバイス110内のスペースは、管腔内デバイス110の他の構成要素のために有利に利用され、例えば、管腔内デバイス110の外径を変えることなく、一部の構成要素がより大きくされてもよいし、あるいは異なる機能を提供する追加の構成要素が加えられてもよい。他の場合では、管腔内デバイス110の外径が小さくされてもよい。他の実施形態では、任意の数の導体(例えば、1~10本の導体)が、コネクタ117と圧力センサ150との間で、柔軟な細長い部材116の長さに沿って延在してもよい。導体140、142の一部またはいくらかの長さがむき出しで、導体140、142の他の部分が絶縁および/またはシールドされていてもよいことが理解されよう。例えば、他の構成要素との(例えば、はんだ付けによる)機械的および/または電気的相互接続を可能にするために、導体140、142の遠位端および近位端はむき出しであってもよい。図2の実施形態に示されるように、導体140、142は、柔軟な細長い部材の長さの1つまたは複数の部分に沿って直線状に延びる一方、他の部分に沿って(例えば、コアワイヤ136aの周り)はらせん状の構成を有してもよい。
【0026】
電気信号について言及したが、圧力センサ150に加わる外圧を表す信号は光信号や無線周波数信号など、任意の適切な信号タイプであり得ることが理解されよう。導体140、142の代わりに、または導体に加えて、有線または無線の任意の適切な通信経路または通信ラインが管腔内デバイス110内に実装され、例えば光ファイバ、光ファイバケーブル、柔軟な細長い部材116の遠位部112または近位部114に組み込まれたおよび/または結合されたアンテナを介する無線通信等が挙げられる。一般的に、圧力センサ150は任意の適切な機能デバイスであり、例えば1つまたは複数の電子、光学、または電子光学コンポーネントであり得る。例えば、機能デバイスは圧力センサ、流量センサ(速度および/または体積)、温度センサ、撮像素子、光ファイバ、超音波トランスデューサ、リフレクター、ミラー、プリズム、OCT(optical coherence tomography)要素、アブレーション要素、RF電極、導体、および/またはこれらの組み合わせであり得る。
【0027】
管腔内デバイス110は、柔軟な細長い部材116の近位部114において、または近位部に隣接してコネクタ117を含む。場合によっては、コネクタ117は柔軟な細長い部材116の近位端115の一部を形成する。例えば、図2に示されるように、近位端115は、柔軟な細長い部材をコネクタ118に対して位置合わせおよび接続するのを容易にするよう成形され得る。他の場合では、コネクタ117は、柔軟な細長い部材116の近位端115から離間している。コネクタ117は、管腔内デバイス110と他の装置との間の通信を容易にするように構成される。より具体的には、コネクタ117は、圧力センサ150によって取得されたデータを別のデバイス(例えば、PIM119および/またはコンピュータ120)に通信するのを容易にするように構成される。したがって、一部の実施形態では、コネクタ117は、導体140、142への電気的接続を提供する電気コネクタである。導体140の近位部はコネクタ117に電気的および/または機械的に結合される。図2に示されるように、例えば、コネクタ117は、柔軟な細長い部材116を取り囲む1つまたは複数の導電性コネクタセグメント111を含む。コネクタセグメント111は、金属もしくは合金製のリング、または導電性インクであってもよい。各導体140、142がそれぞれのコネクタセグメント111と直接または間接的に連絡してもよい。例えば、柔軟な細長い部材116は、近位部114におけるポリマー層内に埋め込まれた導電性リボン141を含む。各導体140、142はそれぞれの導電性リボン141と直接連絡し、それぞれの導電性リボン141はそれぞれのコネクタセグメント111と直接連絡し得る。他の実施形態では、コネクタ117は光コネクタおよび/または他の適切な有線または無線通信経路である。一部の場合では、コネクタ117は、直接または間接的に他のデバイスへの物理的接続を提供するように構成される。他の場合では、コネクタ117は、管腔内デバイス110と他のデバイスとの間の無線通信を容易にするように構成される。他の場合では、コネクタ117は、他のデバイスへの物理的および無線的接続の両方を容易にする。場合によっては、コネクタ117は、柔軟な細長い部材116に固定された別個の構成要素である。他の場合では、コネクタ117は柔軟な細長い部材116の一部として一体的に形成される。
【0028】
管腔内デバイス110は、圧力センサ150が内蔵されているハウジング130を含む。ハウジング130は場合によってはセンサハウジングと称され得る。ハウジング130は、圧力センサ150を解剖学的構造102の管腔104内の流体にさらす開口部132を含む。ハウジング130は柔軟な細長い部材116に結合される。例えば、ハウジング130は、遠位端113の近位において、柔軟な細長い部材116の遠位部112に直接または間接的に結合されてもよい。一部の場合では、ハウジングは遠位先端105から10cm未満、5未満、または3cm未満の位置にある。ハウジング130は、金属、合金、プラスチック、および/またはポリマーなどの任意の適切な材料で形成された構造体であり得る。場合によっては、ハウジングは、柔軟な細長い部材116に固定された別個の構成要素である。他の場合では、ハウジングは、柔軟な細長い部材116の一部として一体的に形成される。ハウジング130は、圧力センサ150等の1つまたは複数の構成要素が内蔵された管腔を含む管状構造を有し得る。
【0029】
システム100は、管腔内デバイス110に着脱可能に結合されたコネクタ118を含む。例えば、コネクタ118は、圧力感知処置の開始時に柔軟な細長い部材116の近位部114にてコネクタ117に機械的および/または電気的に接続され、処置の終了時に取り外されてもよい。コネクタ118は、管腔内デバイス110(例えば、導体140、142およびコネクタ117を介して圧力センサ150)と別のデバイス(例えば、PIM119およびコンピュータ120)との間のデータ通信を容易にし得る。例えば、コネクタ118はPIM119と直接連絡してもよい。したがって、一部の実施形態では、コネクタ117は、管腔内デバイス110のコネクタ117への電気的接続を提供する電気コネクタである。他の実施形態では、コネクタ118は光コネクタおよび/または他の適切な有線または無線通信経路である。一部の場合では、コネクタ118は、直接または間接的に他のデバイスへの物理的接続を提供するように構成される。
【0030】
システム100のPIM119は、圧力センサ150およびコンピュータ120との間でやり取りされる信号に関連する電子回路を含む。この点で、PIM119は、管腔内デバイス110およびコンピュータ120に通信可能な態様で結合されている。例えば、PIM119は、圧力センサ150から受信した電気信号の処理を実行する。PIM119は、PIM自身および/またはコンピュータ120から圧力センサ150に電力および/または制御信号を送る。PIM119は場合によっては、圧力センサ150とコンピュータ120との間でやり取りされる信号に関連するハードウェアおよび/またはソフトウェアを実装するために1つまたは複数のプロセッサおよびメモリを含み得る。場合によっては、システム100はPIM119を含まず、管腔内デバイス110がPIM119を用いることなくコンピュータ120と通信する。
【0031】
コンピュータ120は、PIM119および/または管腔内デバイス110(例えば、圧力センサ150、ならびに/または圧力センサ150および/もしくは柔軟な細長い部材116に組み込まれた電子回路)に通信可能な態様で結合される。コンピュータ120は、一般的に、圧力センサ150から得られたデータを処理および分析すること、および/または圧力センサ150の動作を制御することに適した任意の1つまたは複数のコンピューティングデバイスを表す。コンピュータ120は、任意の適切なメモリ124と通信する1つまたは複数のプロセッサ122を含む。メモリ124は、場合によっては非一時的コンピュータ可読記憶媒体と称され得る。本開示のデータ取得、データ処理、器具制御、および/または他の処理もしくは制御態様に関連するステップは、メモリ124に保存されてプロセッサ122によって実行される対応する命令を使用してコンピュータ120によって実施され得ることを理解されたい。場合によっては、コンピュータ120はコンソールデバイスである。場合によっては、コンピュータ120はポータブル(例えば、手持ち、台車など)である。
【0032】
一般的に、コンピュータ120は、解剖学的構造102の管腔104内の感知された圧力を表す圧力センサ150からの電気信号を受信するように構成される。コンピュータ120は電気信号を処理して圧力値を生成する。圧力値は管腔104内の感知された圧力であり得る。場合によっては、圧力値は、感知された圧力に基づいてコンピュータ120によって計算される圧力比、例えばFFR(fractional flow reserve)値、iFR(instantaneous wave-free ratio)値、Pd/Pa(distal pressure/aortic pressure)値、および/または他の圧力比の値等のであり得る。コンピュータ120は別の圧力センサ、例えば大動脈圧センサ、圧力感知ガイドワイヤ、または圧力感知カテーテルなどと通信してもよい。コンピュータ120は、圧力センサ150からの感知された圧力および他の圧力センサからの感知された圧力に基づいて圧力比を計算する。コンピュータ120は、圧力値に基づいて視覚的表現を生成し、生成された視覚的表現をディスプレイ125に出力する。視覚的表現は数値、記号、プロット、グラフ、チャート、画像、並びに/または感知された圧力および/もしくは計算された圧力比の他の適切なグラフィック表現を含む。ディスプレイ125は任意の適切なモニタ(例えば、スタンドアロンデバイス)であってもよいし、またはコンピュータ120のハウジングに組み込まれていてもよい。
【0033】
次に図3および図4を参照して、本開示の実施形態に係る圧力センサ150が示されている。図3は圧力センサ150の図式的な斜視図である。例えば、図3は、圧力センサ150の走査型電子顕微鏡(SEM)画像である(例えば、製造中に圧力センサ150がダイシングされた後)。図4は、ハウジング130内に配置された圧力センサ150の図式的な上面図である。図示の実施形態の圧力センサ150は静電容量式圧力センサである。圧力センサ150は、基板151内に形成された3つの容量性セル、すなわち2つのアクティブセル160a、160bおよびダミーセル164を含む。アクティブセル160a、160bは電気的に活性であり、解剖学的構造102の管腔104内の流体によって圧力センサ150に加わる外圧を表す電気信号を生成する。ダミーセル164は電気的に不活性であり、外圧を表す電気信号を生成しない。ある例示的な実施形態では、各圧力センサ150は、2つのアクティブセル160a、160bおよびダミーセル164の3つの容量性セルのみを含む。一部の実施形態では、圧力センサ150はMEMS(microelectromechanical system)圧力センサと称され得る。これに関して、アクティブセル160a、160b、ダミーセル164、および集積回路200などの圧力センサ150の構成要素は半導体プロセス(例えば、CMUT(capacitive micromachined ultrasound transducer)を製造するためのプロセスと同様なプロセス)に従って形成され得る。アクティブセル160a、160bおよびダミーセル164は同じプロセスに従って形成された構造的に類似または同一の容量性セルである。アクティブセル160a、160bは、圧力センサ150の他の構成要素(例えば、基板151内においてアクティブセル160aの下方に配置された集積回路200)に電気接続される、かつ/または他の態様で連絡するという点でダミーセル164とは異なり、圧力センサ150はダミーセル164との電気接続は含まない。他の実施形態では、ダミーセル164は電気的に活性で、電気接続されており、電気信号を生成する。そのような実施形態では、ダミーセル164は圧力感知、流量感知(速度および/または体積)、温度感知、超音波変換(例えば、超音波エネルギーを放射し、かつ/または解剖学的構造から反射された超音波エコーを受信する(例えば、超音波撮像のために))、および/または他の適切な用途のために使用され得る。
【0034】
アクティブセル160a、160bは、直径であり得る寸法196を含む。一部の実施形態では、寸法196は約100μm~約170μm、約120μm~約150μm、および/または約130μm~140μmであり、例えば130μm、133μm、135μm、137μm、140μm、および/またはより大きいもしくは小さい他の適切な値であり得る。アクティブセル160a、160bの寸法196は互いに等しくてもよい。一般的に、アクティブセル160a、160bの構造は同一であり、よって外圧の影響下でのアクティブセル160a、160bの挙動は同一である。他の実施形態では、アクティブセル160a、160bのサイズ、形状、および/または他の構造的側面は互いに異なる。アクティブセル160a、160bの寸法196はダミーセル164の対応する寸法197(例えば直径)とは異なっていてもよい。例えば、ダミーセル164の寸法197はアクティブセル160a、160bの寸法196よりも小さくてもよい。一部の実施形態では、寸法197は約100μm~約170μm、約120μm~約150μm、および/または約130μm~140μmであり、例えば127μm、130μm、133μm、135μm、137μm、および/またはより大きいもしくは小さい他の適切な値であり得る。他の実施形態では、アクティブセル160a、160bの寸法196はダミーセル164の寸法197に等しい。
【0035】
基板151は、アクティブセル160a、160b、ダミーセル164、およびボンドパッド170、172がその上に形成される表面153と、反対側の表面155とを含む。図4に示されるように、圧力センサ150は、アクティブセル160a、160bおよびダミーセル164がハウジング130の開口部132と向かい合うように、ハウジング130内に配置される。例えば、基板151の表面153は開口部132に面している。このようにすることで、圧力センサ150(例えば、アクティブセル160a、160b)は管腔104内の流体の流れの外圧にさらされる。導体140、142の遠位端とボンドパッド170、172との間のはんだ付けされた接続部を覆うために、ハウジング130内、圧力センサ150の近位部154の上に接着剤および/またはポッティング材料171が配置されてもよい。
【0036】
図示の実施形態では、アクティブセル160a、160bおよびダミーセル164は圧力センサ150および/または基板151に沿って長手方向に配置されている。例えば、アクティブセル160a、160bおよびダミーセル164は、圧力センサ150のある寸法180(例えば長さ)に沿って、かつ/または長軸LAに沿って、互いに隣接または近接するように基板151内に配置される。アクティブセル160a、160bおよびダミーセル164は一列に配置されてもよい。例えば、長軸LAが圧力センサ150の中心長軸である場合、アクティブセル160a、160bおよびダミーセル164の中点は中心長軸に沿って配置される。他の実施形態では、アクティブセル160a、160bおよびダミーセル164は異なる構成で配置される。例えば、アクティブセル160a、160bおよびダミーセル164のうちの1つまたは複数が横方向に並んで、かつ/または互いにまたは中心長軸から横方向にずれて配置される。
【0037】
圧力センサ150および/または基板151は遠位部152と近位部154とを含む。アクティブセル160a、160bは遠位部152に形成されてもよい。ボンドパッド170、172は、近位部154の基板151内に形成されてもよい。ボンドパッド170、172は、圧力センサ150および/または基板151に沿って長手方向に延びる。ボンドパッド170、172は、図示の実施形態では、長軸LAに対して垂直な方向(例えば、圧力センサ150および/または基板151の横方向の次元)において横に並んで配置されている。異なる実施形態ではボンドパッド170、172の異なる構成が考えられる。ボンドパッド170、172は、基板151内に形成された導電性トレースまたは他の導電性信号経路の結果として、アクティブセル160a、160bと直接または間接的に連絡する導電性材料を含む。例えば、ボンドパッド170、172は集積回路200と連絡し得る。導体140、142の遠位端はそれぞれボンドパッド170、172に機械的および/または電気的に結合され、それにより、導体140、142とアクティブセル160a、160bとの間の電気通信が確立される。例えば、導体140、142の遠位端はそれぞれボンドパッド170、172にはんだ付けされ、それにより、導体140、142とボンドパッド172とが機械的に結合され、両者間の連絡が確立される。ボンドパッド170、172の寸法(例えば、長さおよび幅)は、導体140、142およびはんだのためのスペースを提供する。ダミーセル164は、少なくとも部分的に近位部154に、および/または遠位部152と近位部154との間の中間部に配置され得る。
【0038】
基板151は、圧力センサ150が管腔内デバイス110内に実装可能であるような任意の適切なサイズおよび形状を有するように形成される。これに関して、基板151は、ハウジング130内に配置できるような、管腔内デバイス110に結合できるような、かつ/または解剖学的構造102の管腔104内に配置できるようなサイズ、形状、構造を有するように、および/または他の態様でそのように構成される。図示の実施形態では、圧力センサ150および/または基板151はボトル状に形成され、遠位部152はボトルのネック部に相当し、近位部154はボトルのボディ部に相当し、遠位部152と近位部154との間の遷移部194はボトルの肩部に相当する。他の実施形態では、圧力センサ150は任意の適切な幾何学的または非幾何学的形状に形成される。基板151はシリコン(Si)基板またはゲルマニウム(Ge)基板などの任意の適切な半導体材料であり得る。一部の実施形態では、基板151は炭化ケイ素(SiC)、シリコンゲルマニウム(SiGe)、シリコンゲルマニウム炭化物(SiGeC)などの化合物半導体を含み得る。一部の実装形態では、基板151はSOI(silicon on insulator)基板であり得る。
【0039】
図3に示されるように、圧力センサ150の基板151は寸法180を含み、これは基板151の長さであり得る。一部の実施形態では、寸法180は約500μm~約1000μm、約700μm~約800μm、および/または約725μm~775μmであり、例えば700μm、725μm、740μm、750μm、760μm、775μm、800μm、および/またはより大きいもしくは小さい他の適切な値であり得る。基板151は寸法198を含み、これは基板151の厚さまたは深さであり得る。一部の実施形態では、寸法198は約50μm~約100μm、約60μm~約80μm、および/または約65μm~75μmであり、例えば60μm、65μm、68μm、70μm、72μm、75μm、80μm、および/またはより大きいもしくは小さい他の適切な値であり得る。寸法198は基板151の全長に沿って一定でもよいし、あるいは緩やかにまたは急激に変化してもよい(例えば、遠位部152、近位部154、および/または遷移部194で異なる寸法198)。
【0040】
基板151の遠位部152は寸法190を含み、これは遠位部152の幅であり得る。一部の実施形態では、寸法190は約120μm~約200μm、約140μm~約180μm、および/または約155μm~165μmであり、例えば150μm、155μm、158μm、160μm、162μm、165μm、170μm、および/またはより大きいもしくは小さい他の適切な値であり得る。基板151の近位部154は寸法192を含み、これは近位部154の幅であり得る。一部の実施形態では、寸法192は約150μm~約250μm、約175μm~約225μm、および/または約190μm~210μmであり、例えば190μm、195μm、198μm、200μm、202μm、205μm、210μm、および/またはより大きいもしくは小さい他の適切な値であり得る。一部の実施形態では、遠位部152の寸法190は近位部154の対応する寸法192よりも小さい。例えば、近位部154は遠位部152よりも広い幅を有する。遷移部194は、近位部154のより大きな寸法192から遠位部152のより小さな寸法190に遷移する。図示の実施形態では遷移部194は直線状である。他の実施形態では遷移部194は曲線状であってもよい。
【0041】
基板151の遠位部152は寸法182を含み、これは遠位部152の長さであり得る。一部の実施形態では、寸法182は約250μm~約350μm、および/または約375μm~約425μmであり、例えば290μm、300μm、302μm、310μm、および/またはより大きいもしくは小さい他の適切な値であり得る。基板151の近位部154は寸法184を含み、これは近位部154の長さであり得る。一部の実施形態では、寸法184は約340μm~約400μm、および/または約350μm~約390μmであり、例えば360μm、370μm、373μm、380μm、および/またはより大きいもしくは小さい他の適切な値であり得る。基板151の遷移部194は寸法186を含み、これは遷移部194の長さであり得る。一部の実施形態では、寸法186は約25μm~約100μm、および/または約60μm~約90μmであり、例えば70μm、80μm、90μm、および/またはより大きいもしくは小さい他の適切な値であり得る。
【0042】
次に図5を参照して、本開示の実施形態に係る、図3の切断線5-5に沿って切断された圧力センサ150の図式的な断面図が示されている。圧力センサ150は、アクティブセル160a、160bに電気的に結合された集積回路200を含む。アクティブセル160aは、基板151内に形成されたキャビティ161上に配置された膜168を含む。キャビティは約300nm~約400nm、例えば325nm、350nm、375nm、および/またはより大きいもしくは小さい他の適切な値の寸法163(例えば、高さ)を有し得る。ある例示的な実施形態では、寸法163の公差は±25nmであり得る。アクティブセル160aのみが図5に示されているが、アクティブセル160bも同一の構造および機能を有し得ることを理解されたい。
【0043】
アクティブセル160a、160bの基本原理は、膜168および(キャビティ161の底部165において)基板151内に設けられた電極間の平行板コンデンサである。底部165の電極は固定されている一方、膜168および/または膜168内の電極は圧力センサ150に加わる外圧に応答して動く。アクティブセル160a、160bは、膜168の動きに起因する静電容量の変化を表す電気信号を送信する。集積回路200は、アクティブセル160a、160bによって出力された電気信号を受信する。集積回路200、PIM119、および/またはコンピュータ120は、電気信号を使用して、解剖学的構造102の管腔104内の流体の流れの圧力を測定する。ある例示的な実施形態では、アクティブセル160a、160bは、アクティブセル160a、160bによって測定されたそれぞれの静電容量が足し合わせられるように(例えば、C+C)、互いに並列に電気接続される。他の実施形態では、アクティブセル160a、160bは直列接続されてもよいし、互いに接続されなくてもよい。ダミーセル164は集積回路200に電気的に結合されておらず、感知された圧力を表す電気信号を送信しない。アクティブセル160a、160bの寸法196は、一部の実施形態では膜168の寸法(例えば、直径)であり得る。一部の実施形態では、アクティブセル160a、160bおよびダミーセル164は環状の容量性セルである。例えば、図3に示されるように、アクティブセル160a、160bおよびダミーセル164は、キャビティ161内に位置するピラー/柱166を含む。例えば、ピラー166はキャビティ161の中心に位置し得る。ピラー166は基板151から垂直に延び、キャビティ161の底部165を形成する(図5)。例えば、ピラー166の結果として、キャビティ161は環状の形状を有する。ピラー166は膜168と接触し、膜168が、キャビティ161の底部を形成する基板151に接触するのを防いでもよい。他の実施形態では、アクティブセル160a、160bおよびダミーセル164は円形または円筒状の容量性セルである。例えば、キャビティ161は、円形の断面形状を有する円筒形である。アクティブセル160a、160bは、崩壊/接触モードまたは従来の非崩壊モードで動作する。圧力センサ150は、2018年8月9日に出願された欧州特許出願EP18188185.5、「Pressure Sensing with Capacitive Pressure Sensor」に記載されているものと同様の機能を含んでもよい。
【0044】
図3に示されるように、圧力センサ150は、アクティブセル160a、160bと集積回路200との間の電気信号のための通信経路を提供するビア174を含む。集積回路200は場合によっては電子回路と称され得る。集積回路200は、アクティブセル160a、160bによって出力された電気信号を処理するように構成された任意の適切な電子部品を含み得る。例えば、集積回路200は特定用途向け集積回路(ASIC)であり得る。また、集積回路200はアクティブセル160a、160bに電気信号(例えば、電力および/または制御信号)を提供するように構成されてもよい。
【0045】
集積回路200は導体140、142と直接または間接的に接続されている。例えば、集積回路200はボンドパッド170、172、導電性トレース、および/または基板151に形成された他の導電性信号経路を介して導体140、142に電気的に結合される。この点において、ボンドパッド170、172は集積回路200に電気的に結合される。集積回路200は導体140、142のうちの少なくとも1つを介して電気信号を送信する。集積回路200はアクティブセル160、160bで感知された圧力を表す電気信号を出力するように構成される。ある例示的な実施形態では、集積回路200は交流(AC)信号を出力する。この点に関して、導体140、142の一方は電気的グランド(例えば、0V)にあり、他方の導体がアクティブセル160a、160bおよび/または集積回路200に電力を供給する電気信号を運んでもよい(任意の適切な電圧、例えば2.5V、3.0V、および/またはより大きいもしくは小さい他の値)。電源電圧はPIM119および/またはコンピュータ120によって圧力センサ150に送られてもよい。ある例示的な実施形態では、集積回路200は一般的に、1/RCに比例する発振周波数fを有するRC発振器としてふるまい得る。発振周波数は場合によっては出力周波数と称され得る。発振周波数は2つのアクティブセル160a、160bのキャパシタンスに基づく。アクティブセル160a、160bが電気的に並列接続されている場合、集積回路200によって出力される電気信号は発振周波数
【数1】
を有する。外圧がアクティブセル160a、160bに加わり、膜161がキャビティ161の底部165に向かって歪むと、キャパシタンスが増加し、振動周波数が減少する。アクティブセル160a、160bにかかる圧力がより小さいとき、または圧力が加わらないとき、膜161は底部165から離れ、結果としてキャパシタンスが減少し、振動周波数は増加する。集積回路200によって出力される電気信号の振動は、導体140、142のうちの1つによって運ばれる電源電圧(例えば、2.5V、3V)の上に加えて提供される。導体140および/または142は、感知された圧力を表す電気信号を、柔軟な細長い部材116の遠位部112における静電容量式圧力センサ150から、柔軟な細長い部材116の近位部114におけるコネクタ117に送る。コネクタ117と連絡するPIM119および/またはコンピュータ120は、集積回路200の出力に由来する、導体140、142のうちの1つによって運ばれた電気信号内の周波数を検出する。例えば、ボンドパッド170、172における振動周波数が、アクティブセル160a、160bで感知された圧力を表す。PIM119および/またはコンピュータ120は、導体140、142によって運ばれた電気信号に基づいてアクティブセル160a、160bで感知された圧力を決定する。例えば、コンピュータ120は、発振周波数と感知された圧力との間の関係を表す検量線を利用する。場合によっては、検量線は負の傾きを有する概して滑らかな曲線である。すなわち、発振周波数が低いほど感知された圧力は高くなる。同様に、発振周波数が高いほど感知された圧力は低くなる。コンピュータ120は、集積回路200によって出力された電気信号に基づいて感知された圧力を決定するために、発振周波数と感知された圧力との間の任意の適切な数学的関係および/または関数を利用する。
【0046】
集積回路200は基板151内に配置される。例えば、集積回路200は基板151の遠位部152に設けられてもよい。図示の実施形態では、集積回路200は基板151によって完全に囲まれている。他の実施形態では、集積回路200は基板151の表面153または表面155に配置されてもよい。例えば、集積回路200の表面が表面153または表面155と連続的に広がっていてもよい。圧力センサ150は1つの集積回路200のみを含み、集積回路は、アクティブセル160aおよび/またはアクティブセル160bの下方にて基板151内に配置され得る。ある例示的な実施形態では、集積回路200は、アクティブセル160a、160bのそれぞれ、およびアクティブセル160a、160b間の領域の下方に部分的に配置されるようなサイズおよび形状を有する。集積回路200は、アクティブセル160a、160bの下方に対称的に配置されてもよい。この点に関して、集積回路200は、アクティブセル160a、160b間の中点と同じ位置に配置される中点を有する。例えば、図4および図6に示されるように、集積回路200の近位部および遠位部は、アクティブセル160、160bと等しく長手方向に重なり合ってもよい。例えば、図4に示される向きにおいて、集積回路200の上端および下端は、基板151の遠位部152の上端および下端から等しい間隔に配置されてもよい。集積回路200は任意の適切な幾何学的または非幾何学的形状であり得る。例えば、集積回路200は直方体であってもよい。一部の実施形態では、圧力センサ150は2つ以上の集積回路200を含む。一部の実施形態では、圧力センサ150は、アクティブセル160a、160bのうちの少なくとも1つに横方向または縦方向に隣接している。
【0047】
集積回路200は寸法203(例えば、集積回路200の幅)を含む。一部の実施形態では、寸法203は約50μm~約60μmであり、例えば53μm、55μm、57μm、および/またはより大きいもしくは小さい他の適切な値であり得る。一部の実施形態では、集積回路203の寸法203はアクティブセル160aの寸法196より小さくてもよい。この点に関して、アクティブセル160の寸法196は、キャビティ161の幅または直径であり得る。集積回路200は寸法205(例えば、集積回路200の高さ)を含む。一部の実施形態では、寸法205は約5μm~約25μm、および/または約10μm~約20μmであり、例えば10μm、15μm、20μm、および/またはより大きいもしくは小さい他の適切な値であり得る。ある例示的な実施形態では、集積回路203の寸法205はキャビティ161の寸法163より大きい。集積回路200の寸法207(図6)(例えば、長軸LA沿いの長さ)は約130μm~約160μm、および/または約140μm~約145μmであり、例えば141μm、143μm、144μm、145μm、および/またはより大きいもしくは小さい他の適切な値であり得る。
【0048】
再び図3を参照すると、基板151は、アクティブセル160a、160bを取り囲むエッチングホール173を含む。これらはアクティブセル160a、160bを形成するために使用される半導体プロセスから生じたものである。エッチングホール173は、図5に示されるキャビティ161を作成する犠牲層エッチングプロセスで使用される。犠牲層エッチングの後、膜168は支えなくぶら下がった状態になり、縁の部分でのみ支持される。次のステップは、エッチングホール173を閉じてキャビティ161を密封するプラグ層の堆積である。圧力を測定可能なアクティブセル160a、160bを作成するには、キャビティ161を空にする必要がある。ある例示的な実施形態ではダミーセル164は圧力を測定するために使用されないので、ダミーセル164のキャビティを空にする必要はない。ダミーセル164からエッチングホール173を省くことにはいくつかの理由が存在し得る。膜168が緩むリスクがわずかにある。ダミーセル164のキャビティを開けるといくつかの問題が生じる可能性があり、例えば、臨床処置中に支えなく吊り下がっている膜が破れた/破損した場合、生体内で血管に粒子が放出されるおそれがある。アクティブセル160a、160bは他の構成要素と電気的に連絡しているので、アクティブセル160a、160bの膜168の破損は、圧力センサ150によって出力される電気信号を介して電気的に検出する。アクティブセル160a、160bとは異なり、ダミーセル164は他の構成要素と電気的に連絡していないので、ダミーセル164の膜168の破損は電気的に検出することができない。ダミーセル164の膜168が支えなく吊り下がっていない方がより安全であり得る。エッチングホール173を省くことにより、検出不可能な、または検出が難しい粒子の生体内放出を好適に防ぐ。ある例示的な側面において、発明者らは、ダミーセル164のキャビティが空にされていない場合、産出量が好適に増加することを見出した。堆積、リソグラフィ、およびエッチングに対する主な近接効果はエッチングホール173の存在とは無関係であるため、ダミーセル164についてはエッチングホール173を省ける。一部の実施形態では、ダミーセル164のキャビティは空にされ、ダミーセル164はエッチングホール173を含む。
【0049】
次に図6および図7を参照して、管腔内デバイス110の遠位部112が示されている。図6は、図4の切断線6-6沿いに取られた図式的な断面図である。図7は、図6の切断線7-7沿いに取られた図式的な断面図である。図6および図7はハウジング130内に配置された圧力センサ150を示す。ハウジング130は、ハウジング130内に配置されたマウント134を含む。マウント134は場合によってはセンサマウントと称され得る。マウント134は、管腔内デバイス110の他の構成要素(例えば、圧力センサ150)を支持するように、かつ/または他の構成要素との結合点となるように構成された任意の適切な構造を有する。マウント134は、金属、合金、プラスチック、および/またはポリマーなどの任意の適切な材料で形成された構造体であり得る。マウント134は、例えば接着剤137を使用してハウジング130に機械的に結合され得る。コアワイヤ136は、ハウジング130および/またはマウント134を通って長手方向に延びていてもよい。例えば、ハウジング130および/またはマウント134は、コアワイヤ136を少なくとも部分的に取り囲む。コアワイヤ135は、例えば接着剤137を使用してマウント134および/またはハウジング130に機械的に結合され得る。
【0050】
圧力センサ150の近位部154はマウント134に結合されてもよい。一般的に、近位部154は、マウント134および/またはマウント134を収容するハウジング130に直接または間接的に結合される。一般的に、構成要素間の機械的結合、取り付け、接続、および/または固定には、直接固定の他、結合された構成要素間に1つまたは複数の他の構成要素が配置される間接的な固定が含まれ得る。例えば、構成要素は接着剤、機械的な固定具、溶接、および/または他の適切な取り付け手段を使用して互いに機械的に結合され得る。ダミーセル164の大部分が近位部154内に配置されてもよい。図6は、近位部154において(例えば、ボンドパッド170において)圧力センサ150に電気的および/または機械的に結合された導体140を示す。
【0051】
圧力センサ150の遠位部152はカンチレバー(一端のみが固定された状態)であり、圧力センサ150とマウント134との間にギャップ138が存在する。カンチレバーであるため、管腔内デバイス110が解剖学的構造102内を進ことによって管腔内デバイス110、ハウジング130、および/またはマウント134に加わる力から遠位部152が好適に隔離される(例えば、曲がりくねった血管構造で屈曲することによって、または閉塞106を横断する際に組織と接触することによって引き起こされる管腔内デバイス110、ハウジング130、および/またはマウント134の変形)。遠位部152はさらに、管腔内デバイス110の組み立て中に(例えば、近位部154がマウント134に結合される際に)圧力センサ150が受ける力から好適に隔離される。図示の実施形態では、アクティブセル160a、160bおよび集積回路200はカンチレバー遠位部152内に配置されている。したがって、有利なことに、アクティブセル160a、160bおよび集積回路200は、管腔104内の圧力を測定する上でアクティブセル160a、160bおよび集積回路200の動作(例えば、出力信号)に悪影響を与える可能性のある力の影響を受けない。アクティブセル160a、160bは管腔104内の流体の外圧しか受けない。この点に関して、アクティブセル160a、160bはハウジング130の開口部132を通じて管腔104内の流体にさらされる。ダミーセル164は管腔内デバイス110、ハウジング130、および/またはマウント134の変形に関連する力を受けるが、ダミーセルは電気的に不活性であり、圧力測定に関与しない。
【0052】
次に図8および図9を参照して、圧力センサ150の製造中の構造が示されている。図8は、本開示の実施形態に係るウェハー300の図式的な上面図を示す。図9は、本開示の実施形態に係るダイ310の図式的な上面図を示す。例示的なダイ310が図8のウェハー300内に指し示されている。ウェハー300は半導体材料の薄いスライスである。この点に関して、圧力センサ150の基板151はウェハー300の一部分である。ウェハー300は任意の適切な直径、例えば6インチ、8インチ、12インチ、および/またはより大きいまたは小さい他の適切な値を有する。ウェハー300は任意の適切な数のダイ310を含む。例えば、図示の実施形態では、ウェハー300は56個のダイ310を含む。ある例示的な実施形態では、約1000個の圧力センサ150が各ダイ310上に製造される。
【0053】
次に図10および図11を参照して、1つまたは複数の圧力センサ150(例えば、圧力センサ150a、150b、および/または150c)を含むダイ310の一部の図式的な上面図が示されている。図10は、図9に示されるダイ310のある例示的な領域を示す。図11は、図10に示されるダイ310の例示的な領域を示す。図10および図11は、境界312に沿った圧力センサ150のダイシング前の製造段階での複数の圧力センサ150を示す。ある例示的な実施形態では、製造プロセスは、基板151のサイズおよび形状を定めて圧力センサ150をダイシングするために、境界312に沿ったDRIE(deep reactive ion etching)を行うことを含む。様々な実施形態において、他の適切なエッチング、ダイシング、研削、薄化、研磨、および/または切断技術を利用できる。本明細書に記載されるように、各圧力センサ150はアクティブセル160a、160bおよびボンドパッド170、172を含む。
【0054】
図10および図11に示されるように、各ダイ310は好適には、アクティブセル160a、160bおよびダミーセル164a、164b、164c、164dを含む容量性セルの密な配置を含む。アクティブセル160a、160bおよびダミーセル164aは、圧力センサ150の境界312の内側にてダイ310内に形成される。ダミーセル164b、164c、164dは境界312の外側にてダイ310内に形成される。ダミーセル164a、164b、164c、164dの直径は互いに同じであっても異なっていてもよい。ダミーセル164a、164b、164dの直径は互いに等しくてもよい。図示の実施形態では、ダミーセル164cの直径はダミーセル164a、164b、164dの直径よりも小さい。ダミーセル164cがより小さい直径を有することで、ダミーセル164cを互いに、およびアクティブセル160a、160bにより近く配置できるという利点がある。ダミーセル164a、164b、164c、164dは、通常、アクティブセル160a、160bと同様の寸法を有するが、より最適なレイアウトを提供するためにダミーセル164a、164b、164c、164dの寸法が異なっていてもよい。ダミーセル164a、164b、164c、164dは通常、可能な限りアクティブセル160a、160bに類似している。DRIEの境界312の存在は、ダミーセル164a、164b、164c、164dのうちの1つまたは複数がアクティブセル160a、160bと同一の寸法を有することを妨げる。ある例示的な実施形態では、直径は、ダミーセル164cについての90μmから、ダミーセル164a、164b、および/または164dについての133μmまで異なり得る。
【0055】
この点に関して、ダミーセル164a、164b、164c、164dはアクティブセル160a、160bを取り囲んでいる。ダミーセル164cは、ダイ310内のアクティブセル160a、160bの各ペアの上下に配置される。ダミーセル164aはアクティブセル160a、160bの左側に配置される。ダミーセル164bはアクティブセル160a、160bの右側に配置される。ダミーセル164dはアクティブセル160a、160bに対して斜めに配置される。上下、左右、斜めなどの方向の記載は、図10の構成要素の向きおよび配置を参照して使用される。向きや配置が異なる場合、異なる方向の記載が使用され得ることが理解されよう。ダミーセル164a、164b、164c、164dは、アクティブセル160a、160bの周りにグリッド状のパターンで配置されてもよい。ダミーセル164dは、ダイ310内の縦方向に離間された2つの圧力センサの間(例えば、図10の圧力センサ150aと圧力センサ150bとの間)に配置される。ダミーセル164bは、ダイ310内の横方向に離間された2つの圧力センサの間(例えば、圧力センサ150aと、図10の圧力センサ150aの左右の圧力センサとの間)に配置される。
【0056】
ダイ310内の容量性セルの密な配置は、アクティブセル160a、160bにおける均一性を保証するという利点を提供する。例えば、互いに比較して、圧力センサ150aのアクティブセル160aおよびアクティブセル160bは、解剖学的構造102の管腔104内の流体の外圧に対して同様のまたは同一の応答を示す。同様に、圧力センサ150aのアクティブセル160a、160b並びに圧力センサ150b、150cのアクティブセルは、管腔104内の流体の外圧に対して同様のまたは同一の応答を示す。また、圧力センサ150のアクティブセル160a、160bと、異なるダイ310および/または異なるウェハー300上に作成された圧力センサのアクティブセルも、管腔104内の流体の外圧に対して同様のまたは同一の応答を示す。さらに、圧力センサ150のアクティブセル160a、160b、並びに異なるバッチで(例えば、異なる時間に、異なるウェハー300上に)製造された圧力センサのアクティブセルは、管腔104内の流体の外圧に対して同様のまたは同一の応答を示す。結果として、感知される圧力は、同じバッチ内の全てのアクティブセル160a、160bにわたって、および異なるバッチにわたって一貫したものになる。
【0057】
静電容量式圧力センサを製造する際の課題の1つは、MEMSバッチごとに同じセンサ感度での製造方法の再現性である。CMUTアレイの端に位置する容量性セルの膜は不均一性を有することが良く知られており、処理の不均一性のために端部と角部の膜は異なる機械的特性を有する。本開示は、有利なことに、ウェハー300および/またはダイ310内において容量性セルの空間的にコンパクトな分布を提供することによってこの課題に対処する。この密な配置は、アクティブセル160a、160bの間および周囲にダミーセル164a、164b、164c、164dを含めることによって実現される。例えば、ダミーセル164a、164b、164c、164dの分布は、アクティブセル160a、160bを均等に取り囲む。この配置は、処理の不均一性が生じるダイ310および/またはウェハー300の端部または角部にアクティブセル160a、160bが配置される可能性を排除する。処理の不均一性が生じるとしても、電気的に不活性で圧力測定に関与しないダミーセル164a、164b、164c、164dでしか生じない。ダミーセル164a、164b、164c、164dは、アクティブセル160a、160bの均一な周囲を提供し、近接効果と呼ばれる、製造プロセスにおける堆積工程、リソグラフィ工程、およびエッチング工程中のアクティブセル160a、160bの不均一な挙動を防止する。ダミーセル164a、164b、164c、164dは処理の均一性を好適に改善するために提供される。この点に関して、アクティブセル160a、160bは常に、少なくとも1つのダミーセル164a、164b、164c、164dの分、ダイ310および/またはウェハー300の角または端から離間される。図3に示されるように、例えば、ダイシングされた圧力センサ150上のダミーセル164aの存在は、ウェハー300および/またはダイ310内の好適に密な容量性セルの配置を示している。
【0058】
アクティブセル160a、160bはまた、ダイ310内の密な容量性セルの配置において対称的な環境で配置される。この点に関して、軸314および軸316が図11に示されており、これらは対称軸と称され得る。この点に関して、アクティブセル160a、160bは軸314および/または軸316に関して対称であり得る。軸314は横軸またはx軸である。軸316は縦軸またはy軸である。アクティブセル160a、160bはまた、左側のダミーセル164aおよび右側のダミーセル164bに関して(例えば、軸314に沿って)対称的に配置される。この点に関して、ダミーセル164aから最も近いアクティブセル160aまでの間隔は、ダミーセル164bから最も近いアクティブセル160bまでの間隔と同じピッチ220である。様々な実施形態において、ピッチ320は任意の適切な値であり得る。一部の実施形態では、ピッチ320は約30μm~約70μm、約40μm~約60μm、および/または約50μm~約55μmであり、例えば48μm、50μm、51μm、52μm、53μm、54μm、55μm、57μm、および/またはより大きいもしくは小さい他の適切な値であり得る。
【0059】
アクティブセル160a、160bはまた、上下のダミーセル164cに関して(例えば、軸316に沿って)対称的に配置される。この点に関して、アクティブセル160a、160bに最も近い上方の(図10の圧力センサ150の上端330に隣接および/または近接する)ダミーセル164c、および、アクティブセル160a、160bに最も近い下端の(図10の圧力センサ150の下辺332に隣接および/または近接する)ダミーセル160cは、同じピッチ224だけ離間されている。様々な実施形態において、ピッチ324は任意の適切な値であり得る。一部の実施形態では、ピッチ324は約20μm~約60μm、約30μm~約50μm、および/または約42μm~約46μmであり、例えば40μm、42μm、43μm、44μm、45μm、46μm、48μm、および/またはより大きいもしくは小さい他の適切な値であり得る。
【0060】
アクティブセル160a、160bが対称的な環境で製造されることにより、処理の不均一性をさらに防止できる。アクティブセル160aおよびアクティブセル160bはともに、それぞれの近傍において同じ製造工程に供される(例えば、同じ距離だけ離れて)。その結果、アクティブセル160a、160bは、解剖学的構造102の管腔104内の流体の外圧に対して均一な応答を示す。アクティブセル160a、160bはまた、圧力センサ150の上端330および下端332から等間隔に配置されている。
【0061】
リソグラフィプロセス、堆積プロセス、およびエッチングプロセスは、プロセスの不均一性や近接効果という問題を伴うことが良く知られている。したがって、アクティブセル160a、160bの正確な周囲が重要となる。薄膜168も、これらのプロセスのばらつきによる影響を受けやすい。ダミーセル164a、164b、164c、164dはMEMSプロセスを可能な限り均一にするので、2つのアクティブセル160a、160bは圧力センサ150内で同じ挙動を示し、さらには異なるダイや異なるウェハーでも同じ挙動を示す。したがって、ダミーセル164a、164b、164c、164dは均一性を目的として提供される。図10および図11に示されるように、ダミーセル164a、164b、164c、164dのレイアウトは対称的であり、例えば、ダミーセル164a、164b、164c、164dの周囲は軸314、316に沿って対称である。結果として、全てのアクティブセル160a、160bが同じ周囲を有することになり、リソグラフィプロセス、堆積プロセス、およびエッチングプロセスは可能な限り均一になる。
【0062】
アクティブセル160a、160bは互いにピッチ322だけ間隔を置いて配置される。様々な実施形態において、ピッチ322は任意の適切な値であり得る。一部の実施形態では、ピッチ322は約10μm~約40μm、約15μm~約35μm、および/または約22μm~約26μmであり、例えば20μm、22μm、23μm、24μm、25μm、26μm、28μm、および/またはより大きいもしくは小さい他の適切な値であり得る。ピッチ320(ダミーセル164a、164bと、そのダミーセルに最も近いアクティブセル160a、160bとの間のピッチ)はピッチ322(アクティブセル間のピッチ)よりも大きい。この点に関して、ダイ310内の容量性セルの空間的にコンパクトな分布は、境界312に沿ったDRIEのためのスペースを考慮に入れている。すなわち、より大きなピッチ320は、境界312に沿ったDRIEレーンの幅を許容する(例えば、アクティブセル160bと、アクティブセル160aの右側のダミーセル164bとの間)。対称性を維持するために、アクティブセル160aと、アクティブセル160aの左側のダミーセル164aとの間にもより大きなピッチ320が提供される。したがって、密な配置を実現するためにアクティブセル160a、160bの近くにダミーセル164a、164b、164c、164dを配置することができ、同時に、圧力センサ150のサイズおよび形状を定めるための、および境界312に沿ってDRIEにより圧力センサ150をダイシングするためのスペースを残せる。ピッチ320、322、324は場合によっては距離と称され得る。
【0063】
本明細書に記載の1つまたは複数の寸法は、±10μm、±5μm、±3μm、±2μm、±1μm、および/またはより大きいまたは小さい他の適切な値の公差内で正確であり得る。本明細書に記載の1つまたは複数の寸法の公差は、場合によっては±3σであり得る。
【0064】
当業者は、上述した装置、システム、および方法は様々に変更され得ることを認識するであろう。したがって、当業者は、本開示が包含する実施形態は、上記の具体的な実施形態の例に限定されないことを理解するであろう。説明のための実施形態が図示および記載されているが、上記の開示内容は様々な改変、変更、および置換を考慮に入れるものである。このような変更は、本開示の範囲から逸脱することなく上記になされ得ることが理解される。したがって、添付の特許請求の範囲は、本開示に従って広範に解釈されることが妥当である。
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